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特許7239848コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20230308BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20230308BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021072247
(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2022166878
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2021-07-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-130263(JP,A)
【文献】特開2018-102902(JP,A)
【文献】[スタリラ]スタートダッシュガチャの対象と当たりキャラ,スタリラ攻略Wiki [online],2020年10月13日,https://revuestarlight.boom-app.wiki/entry/364,[検索日:2022年8月10日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
抽出ステップにおいて、所定のゲームを実行しているユーザに対応づけ可能な参照ユーザを抽出し、
前記参照ユーザは、前記ゲームをインストールしているユーザ、および/または、前記ゲームにログインしているユーザのうちから抽出され、
設定ステップにおいて、前記参照ユーザについて、前記参照ユーザが前記ゲーム内で実行した行動のうちのいずれかの行動を確率変動行動に設定し、
抽選ステップにおいて、前記ゲーム内で、媒体抽選を要求した要求ユーザの操作に基づいて媒体抽選を実行し、
前記媒体抽選では、抽選テーブルに記憶されたゲーム媒体のうちから選択されたゲーム媒体である当選媒体が前記要求ユーザに関連づけられ、
前記抽選テーブルには、前記ゲーム媒体の種類および前記ゲーム媒体の当選確率があらかじめ設定されており、
前記抽選ステップにおいて、
前記要求ユーザが前記ゲーム内で実行した行動と
前記要求ユーザとしての前記ユーザに対応づけられた前記参照ユーザ、に設定されている前記確率変動行動と、
の関係性に基づいて、前記要求ユーザについての前記抽選テーブルの内容を決定し、
その要求ユーザについて、決定された内容の抽選テーブルに基づいて前記媒体抽選を実行する、
コンピュータプログラム。
【請求項2】
前記設定ステップにおいて、
前記参照ユーザが実行した行動の成功確率を分析し、
その分析結果に基づいて、前記参照ユーザが実行した行動を前記確率変動行動に設定する、
請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
前記設定ステップにおいて、
所定タイミングとなってから前記参照ユーザが前記ゲーム内で特定の行動が実行されるまでの時間を分析し、
その分析結果に基づいて、前記特定の行動を前記確率変動行動として設定する、
請求項1または2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記設定ステップにおいて、
あらかじめ設定された基準行動と前記参照ユーザが前記ゲーム内で実行した行動との一致度を分析し、
その分析結果に基づいて、前記参照ユーザが実行した行動を前記確率変動行動として設定する、
請求項1~3のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記設定ステップにおいて、
前記参照ユーザが前記ゲームを端末装置にインストールしてから前記ゲーム内で所定期間に実行した行動を分析し、
その分析結果に基づいて、前記参照ユーザが実行した行動を前記確率変動行動として設定する、
請求項1~4のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記抽出ステップにおいて、
複数の条件のうちから少なくともいずれか1つの条件を抽選で決定し、
前記ゲームをインストールしているユーザまたは前記ゲームにログインしているユーザから、決定された条件に基づいて前記参照ユーザを抽出する、
請求項1~5のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記抽出ステップにおいて、
前記ゲームをインストールしているユーザまたは前記ゲームにログインしているユーザから、前記ゲームをインストールしてからの期間または前記ゲームの総ログイン時間に基づいて前記参照ユーザを抽出する、
請求項1~5のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラムおよびコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによる抽選要求(ガチャ要求)を受けつけたことを契機として、ユーザに付与するゲーム媒体(キャラクタ、アイテムなど)を選択する媒体抽選(ガチャ)が実行されるゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ガチャによって選択されたゲーム媒体は、ユーザと関連づけられる。そして、ユーザと関連づけられたゲーム媒体に関する情報は、ユーザのユーザ端末装置へ送信される。これにより、ガチャによって選択されたゲーム媒体がユーザに付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-093165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のガチャは、ゲーム媒体ごとに当選確率があらかじめ定められていた。そして、ガチャが要求されると、その当選確率に基づいてガチャが実行されて、当選したゲーム媒体がユーザに付与されるだけであった。そのため、従来のガチャにおいては、ガチャに対するユーザの興味が失われてしまうおそれがあった。
【0006】
これは、そのゲームの初心者ユーザに顕著に見られる傾向である。すなわち、初心者ユーザは、少しでも自身に有利な状態でゲームを進行させたいため、ガチャで強力なゲーム媒体が得られることを期待してガチャを要求する。しかしながら、ガチャテーブルの内容はすべてのユーザで共通であり、強力なゲーム媒体が得られる確率はきわめて低い。そのため、ガチャで有利なゲーム媒体が得られなかった場合に、初心者ユーザのゲームに対する興味が薄れてしまうおそれがあった。
【0007】
本発明の目的は、特定の行動を実行するユーザに対して、ゲーム媒体の当選態様を多種多様にすることができるガチャを提供することのできるコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、
コンピュータに、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
抽出ステップにおいて、参照ユーザを抽出し、
前記参照ユーザは、所定のゲームをインストールしているユーザ、および/または、前記ゲームにログインしているユーザから選択され、
設定ステップにおいて、前記参照ユーザが前記ゲーム内で実行した行動のうちのいずれかの行動を確率変動行動に設定し、
抽選ステップにおいて、前記ゲーム内で、媒体抽選を要求した要求ユーザの操作に基づいて媒体抽選を実行し、
前記媒体抽選では、抽選テーブルに記憶されたゲーム媒体のうちから選択されたゲーム媒体である当選媒体が前記要求ユーザに関連づけられ、
前記抽選テーブルには、前記ゲーム媒体の種類および前記ゲーム媒体の当選確率があらかじめ設定されており、
前記抽選ステップにおいて、
前記要求ユーザが前記ゲーム内で実行した行動と前記確率変動行動との関係性に基づいて、前記抽選テーブルの内容を決定し、
その要求ユーザについて、決定された内容の抽選テーブルに基づいて前記媒体抽選を実行する、
コンピュータプログラムである。
【0009】
また、第1の発明において、
前記設定ステップにおいて、
前記参照ユーザが実行した行動の成功確率を分析し、
その分析結果に基づいて、前記参照ユーザが実行した行動を前記確率変動行動に設定する、
ことができる。
【0010】
また、第1の発明において、
前記設定ステップにおいて、
所定タイミングとなってから前記参照ユーザが前記ゲーム内で特定の行動が実行されるまでの時間を分析し、
その分析結果に基づいて、前記特定の行動を前記確率変動行動として設定する、
ことができる。
【0011】
また、第1の発明において、
前記設定ステップにおいて、
あらかじめ設定された基準行動と前記参照ユーザが前記ゲーム内で実行した行動との一致度を分析し、
その分析結果に基づいて、前記参照ユーザが実行した行動を前記確率変動行動として設定する、
ことができる。
【0012】
また、第1の発明において、
前記設定ステップにおいて、
前記参照ユーザが前記ゲームを端末装置にインストールしてから前記ゲーム内で所定期間に実行した行動を分析し、
その分析結果に基づいて、前記参照ユーザが実行した行動を前記確率変動行動として設定する、
ことができる。
【0013】
また、第1の発明において、
前記抽出ステップにおいて、
複数の条件のうちから少なくともいずれか1つの条件を抽選で決定し、
前記ゲームをインストールしているユーザまたは前記ゲームにログインしているユーザから、決定された条件に基づいて前記参照ユーザを抽出する、
ことができる。
【0014】
また、第1の発明において、
前記抽出ステップにおいて、
前記ゲームをインストールしているユーザまたは前記ゲームにログインしているユーザから、前記ゲームをインストールしてからの期間または前記ゲームの総ログイン時間に基づいて前記参照ユーザを抽出する、
ことができる。
【0015】
第2の発明は、
第1の発明のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、
を備える、
コンピュータ装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、特定の行動を実行するユーザに対して、ゲーム媒体の当選態様を多種多様にすることができるガチャを提供することのできるコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態における、ゲームシステムの構成を示す図である。
図2】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図3】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図4】本実施形態における、複数のガチャテーブルの一例を示す図である。
図5】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図6】本実施形態における、ガチャテーブル変更処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施形態]
本発明の実施形態にかかるゲームシステム1について、図1図6を参照して説明する。ゲームシステム1は、図1のとおり、サーバ装置2とユーザ端末装置3とを備える。なお、ゲームシステム1および後述の処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。ゲームシステム1および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更をすることができる。
【0019】
<ゲームの説明>
サーバ装置2により、ユーザ端末装置3で実行される下記のゲームが提供される。具体的には、ユーザ端末装置3では、ユーザがタッチパッド350を介して仮想ゲーム空間上のプレイヤキャラクタを操作して進行する複数のイベント(以下、「クエスト」という。)を備える所定のゲームが実行される。
【0020】
本実施形態において、ユーザ端末装置3にて実行されるゲームには、ユーザの操作に基づいて使用キャラクタとして設定されるとともにユーザが操作するプレイヤキャラクタが敵キャラクタであるモンスターを討伐するクエストパートがある。例えば、ゲーム中の1つのクエストでは、制限時間内にプレイヤキャラクタがモンスターを討伐すればそのクエストのクリア条件が満たされる。このクエストは、ユーザがタッチパッド350を操作することで進行する。
【0021】
クエストパートでは、ユーザは、ユーザが所有する(ユーザの識別情報に関連づけられている)キャラクタで構成されるデッキを構成してゲームを進行させる。具体的には、このデッキに組み込まれたキャラクタが、ユーザの操作に基づいて敵キャラクタと戦う。なお、このクエストは、時間の経過とともに回復するスタミナが必要量消費される(スタミナとユーザとの関連づけを解除する)ことによって実行される。
【0022】
また、このゲームには、前記クエストパートのほか、媒体抽選パート(ガチャパート)がある。このガチャパートでは、複数種類のゲーム媒体(例えば、キャラクタ、アイテム)のうちからいずれかのゲーム媒体が選択される。具体的には、ガチャパートでは、あらかじめ用意された抽選テーブル(ガチャテーブル)に記憶された複数種類のゲーム媒体から選択されたゲーム媒体(ゲーム媒体に関する情報)とユーザ(ユーザの識別情報)とが関連づけられる。
【0023】
本実施形態のガチャパートにおいては、複数のガチャイベントが用意されている。ガチャイベントには、例えば、期間限定で提供されるガチャイベント、あるいは常時提供されるガチャイベントなどがある。ユーザは、いずれかのガチャイベントを選択したのち、そのガチャイベントのために用意されたガチャテーブルに基づいてガチャを実行することができる。
【0024】
また、それぞれのガチャイベントにおいては、1回の抽選要求(ガチャ要求)で1体のゲーム媒体が選択される単発ガチャと、1回のガチャ要求で10回のガチャが連続して行われて10体のゲーム媒体が選択される10連ガチャとが用意されている。
【0025】
本実施形態においてガチャで選択されるゲーム媒体、あるいは、例えばクエストのクリア報酬で付与されるゲーム媒体はキャラクタである。また、キャラクタには、それぞれパラメータの種類として体力値、攻撃力、防御力、スキル値、職業のほか、属性、レアリティ(希少度)が設けられている。
【0026】
例えば、本実施形態では、キャラクタに設定される属性には、火属性、水属性、風属性などがパラメータとして設けられている。
【0027】
また、レアリティには、ノーマル、レア、激レア、超激レアがパラメータとして設けられている。レアリティは、超激レア、激レア、レア、ノーマルの順に希少度が高い。
【0028】
各キャラクタには、いずれか1つの属性と、いずれか1つのレアリティとが設定されている。
【0029】
以下では、当選キャラクタ(当選キャラクタに関する情報)とユーザ(ユーザの識別情報)とが関連づけられ、ユーザに関連づけられた当選キャラクタに関する情報が当該ユーザのユーザ端末装置3へ送信されることを、「当選キャラクタがユーザに付与される」という場合がある。
【0030】
ユーザは、ガチャあるいはクエストのクリア報酬によって得られたキャラクタをデッキに組み込んで使用キャラクタとして設定することができる。
【0031】
<ハードウェア構成>
図1を参照して、サーバ装置2のハードウェア構成および機能的構成、ならびに前記ゲームが実行されるユーザ端末装置3のハードウェア構成および機能的構成について説明する。
【0032】
なお、ユーザ端末装置3には、そのユーザ端末装置3に対応づけてユーザアカウントが付与される。このユーザアカウントはユーザアカウント情報(ユーザの識別情報)として管理される。
【0033】
ユーザ端末装置3が通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と通信を行う場合には、そのユーザ端末装置3からユーザの識別情報が送信される。送信されたユーザの識別情報は、サーバ装置2において所定の認証がなされる。これにより、サーバ装置2とユーザ端末装置3との通信が可能となる。
【0034】
<サーバ装置2のハードウェア構成>
サーバ装置2は、図1のとおり、制御部20、記憶部21、およびネットワークインターフェース22を備える。
【0035】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス29を介してサーバ装置2の制御部20に接続される。
【0036】
制御部20は、サーバ装置2の動作を制御する。詳細は後述する。
【0037】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などで構成される。
【0038】
記憶部21には、例えば、本発明のコンピュータプログラム、ならびに、ユーザ端末装置3にてプレイされるゲームを実行するためのゲームプログラムを配信するための配信プログラムおよびデータが記憶される。
【0039】
ネットワークインターフェース22は、サーバ装置2とユーザ端末装置3との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。
【0040】
<サーバ装置2の制御部20の機能の説明>
サーバ装置2の制御部20は、本発明のコンピュータプログラムを実行することにより、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0041】
<認証ステップの説明>
制御部20は、認証手段として機能することで認証ステップを実行する。以下では、認証手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0042】
制御部20は、ユーザ端末装置3から送信されるユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0043】
<進行ステップの説明>
制御部20は、ゲーム進行管理手段として機能することで進行ステップを実行する。以下では、ゲーム進行管理手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0044】
制御部20は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを進行させる。
【0045】
具体的には、制御部20は、時間ごとに発生する複数のクエスト(例えば、午後1時~午後3時に敵キャラクタが登場するクエスト)、期間ごとに発生するクエスト、あるいは常時実行することのできるクエストをユーザに提供する。
【0046】
各クエストには、あらかじめ、クエストの難易度、クエストの内容、およびクエストのクリア報酬が設定されている。
【0047】
制御部20は、後述のクエスト開始要求情報を受信する。
【0048】
また、制御部20は、ユーザ端末装置3からクエスト選択に必要なスタミナ量が消費される旨の情報を受信したのちに、選択されたクエストを開始する。
【0049】
また、制御部20は、ユーザ端末装置3のユーザからの操作信号を受信して、ユーザが設定したデッキの構成に基づいた、ゲームの本編(クエスト)の進行状況を管理する。
【0050】
具体的には、制御部20は、例えば、仮想ゲーム空間でキャラクタを動作させたり、キャラクタの体力値を管理したりする。
【0051】
また、制御部20は、後述の制御部20を介してゲームの本編(クエスト)の進行状況をユーザ端末装置3へ送信するとともに、ユーザ端末装置3から操作信号等を受信する。
【0052】
<抽出ステップの説明>
制御部20は、抽出手段として機能することで抽出ステップを実行する。以下では、抽出手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0053】
まず、制御部20は、所定のタイミング(例えば、毎月1日の午前0時)に、複数の条件のうちからいずれか1つの条件を抽選で決定する。
【0054】
そして、制御部20は、決定された条件に基づいて、ゲームにログインしているユーザから、参照ユーザを抽出する。
【0055】
なお、複数の条件としては、例えば、ユーザがゲームをインストールしてから一か月が経過していないこと、ユーザのゲームへの総ログイン回数が50回に到達していないこと、ユーザがクリアしたクエストの種類が20種類に到達していないこと、がある。すなわち、本実施形態における参照ユーザとなりうるユーザは、ゲームを開始してからそれほど時間が経過していない初心者ユーザである。
【0056】
<設定ステップの説明>
制御部20は、設定手段として機能することで設定ステップを実行する。以下では、設定手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0057】
制御部20は、あらかじめ設定された基準行動と参照ユーザのゲーム内での行動との一致度を分析する。例えば、基準行動は、あらかじめ定められたタイミングでユーザが所定の仮想ボタンを押すことである。
【0058】
具体的には、基準行動としては、ゲーム内で、プレイヤキャラクタの攻撃時にユーザがタイミングよく仮想ボタンを押す(プレイヤキャラクタの魔法力を増加させる)、あるいは、敵キャラクタの攻撃時にユーザがタイミングよく仮想ボタンを押す(プレイヤキャラクタに敵キャラクタの攻撃を回避させる)といった例があげられる。
【0059】
そして、制御部20は、その分析結果に基づいて、参照ユーザのゲーム内での行動を確率変動行動として設定する。
【0060】
制御部20は、例えば、基準行動と複数の参照ユーザのゲーム内での行動との一致度を分析した結果、その一致度(成功回数に基づいて算出される成功確率)が40%未満である場合には、その行動を確率変動行動として設定する。基準行動が複数ある場合には、例えば、制御部20は、複数の参照ユーザの行動との一致度が最も低い基準行動を確率変動行動として設定することができる。
【0061】
<抽選ステップの説明>
制御部20は、媒体抽選実行手段として機能することで抽選ステップを実行する。以下では、媒体抽選実行手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0062】
制御部20は、ゲーム内で、ユーザの操作に基づいてガチャ(媒体抽選)を実行する。以下では、ガチャを要求するユーザを要求ユーザという。また、参照ユーザおよび要求ユーザをあわせて、単に「ユーザ」という場合がある。
【0063】
なお、本実施形態において、要求ユーザがガチャを要求する場合に、ゲーム内通貨を消費する必要がある。例えば、ゲーム内通貨の例は、ログインボーナスとしてユーザに付与される無償石、あるいは、ユーザによる課金によってユーザに付与される有償石である。
【0064】
制御部20は、後述のガチャ要求情報の受信に伴って、石(石の情報)と要求ユーザ(要求ユーザの識別情報)との関連づけを解除する。このように、ガチャが要求されることに伴い(ガチャの実行に伴い)、ガチャの種類に応じた数量分、要求ユーザが所有する石が消費される。
【0065】
また、制御部20は、ユーザ端末装置3から後述のガチャ要求情報を受信したことを契機として、要求ユーザによって選択されたガチャイベントに関連づけられているガチャテーブルに基づいてガチャを実行する。
【0066】
本実施形態において、制御部20は、図2図3のとおり、複数種類のガチャ(後述の、ガチャイベント1およびガチャイベント2、ならびに、単発ガチャおよび10連ガチャ)を提供する。そして、ユーザの操作に基づいていずれかの種類のガチャが選択される。
【0067】
要求ユーザは、例えば、図2における仮想ボタン341をタッチすることにより「ガチャイベント1」を選択することができ、図2における仮想ボタン342をタッチすることにより「ガチャイベント2」を選択することができる。
【0068】
要求ユーザがガチャイベントを選択したのち、「単発ガチャ」を要求した場合(図3における仮想ボタン343がタッチされた場合)には、制御部20は、要求ユーザによる1回のガチャ要求で1回のガチャを実行し、1体の当選キャラクタを選択する。
【0069】
一方、要求ユーザがガチャイベントを選択したのち、「10連ガチャ」を要求した場合(図3における仮想ボタン344がタッチされた場合)には、制御部20は、要求ユーザによる1回のガチャ要求で連続して10回のガチャを実行し、10体のキャラクタを選択する。
【0070】
また、制御部20は、ガチャが要求されたタイミングで、ユーザ端末装置3から、要求ユーザについて分析された操作情報を取得する。
【0071】
ついで、制御部20は、要求ユーザがゲーム内で実行した行動に関する情報である操作情報と確率変動行動との関係性に基づいて、ガチャテーブルの内容を決定する。すなわち、制御部20は、前述の関係性に基づいて、ガチャテーブルのキャラクの種類等を、あらかじめ設定されているキャラクタの種類およびキャラクタの当選確率と同一とするか異ならせるかを決定する。
【0072】
そして、制御部20は、決定された内容のガチャテーブルに基づいてガチャを実行する。
【0073】
図4は、ガチャテーブルの一例である。図4(a)のガチャテーブルでは、レアリティがノーマルのキャラクタの当選確率は5.0%であり、レアリティが超激レアのキャラクタの当選確率は0.5%である。一方、図4(b)のガチャテーブルでは、レアリティがノーマルのキャラクタの当選確率は3.0%であり、レアリティが超激レアのキャラクタの当選確率は3.0%である。
【0074】
制御部20は、要求ユーザがゲーム内で実行した行動と確率変動行動との一致度が40%以上である場合(要求ユーザが実行した基準行動の成功確率が40%以上である場合)に、その要求ユーザについてのガチャテーブルとして、図4(a)のガチャテーブルを選択する。
【0075】
一方、制御部20は、要求ユーザがゲーム内で実行した行動と確率変動行動との一致度が40%未満である場合(要求ユーザが実行した基準行動の成功確率が40%未満である場合)に、その要求ユーザについてのガチャテーブルとして、図4(b)のガチャテーブルを選択する。
【0076】
図5は、ガチャが実行されたあとのゲーム画面を示す例である。図5において、ユーザ端末装置3の液晶画面340には、当選キャラクが表示されている。すなわち、図5には、当選キャラクタのキャラクタ名(例えば、「キャラクタ23」)、当選キャラクタの属性(例えば、「水属性」)、当選キャラクタのレアリティ(例えば、「激レア」)が表示されている。
【0077】
<通信ステップの説明>
制御部20は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部20が実行する処理を説明する。
【0078】
制御部20は、ユーザ端末装置3との間で、ユーザの識別情報などを送受信する。
【0079】
また、制御部20は、ユーザによる操作信号(操作情報を含む。)、クエスト開始要求情報、ガチャ要求情報などをユーザ端末装置3から受信する。
【0080】
また、制御部20は、ゲームプログラムなどのゲームデータ、クエストの進行状況に関する情報、当選キャラクタに関する情報などをユーザ端末装置3へ送信する。
【0081】
<ユーザ端末装置3のハードウェア構成>
ユーザ端末装置3は、図1のとおり、スピーカ330、液晶画面340、タッチパッド350が内蔵される、例えば、スマートフォンなどの端末装置である。このユーザ端末装置3において、サーバ装置2から配信されたゲームに関するゲームプログラムおよびデータに基づいてゲームが進行する。
【0082】
また、ユーザ端末装置3は、サーバ装置2との間で、インターネットあるいはLANなどの通信ネットワーク4を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0083】
ユーザ端末装置3は、制御部30、記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35を備える。
【0084】
記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35は、バス39を介して、制御部30に接続される。
【0085】
制御部30は、ユーザ端末装置3の動作を制御する。
【0086】
記憶部31は、主にHDD、RAM、ROM、SSDなどで構成される。記憶部31には、例えば、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。
【0087】
ネットワークインターフェース32は、ユーザ端末装置3とサーバ装置2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。これにより、ユーザ端末装置3にゲームプログラムおよびゲームデータがダウンロードされる。
【0088】
オーディオ処理部33は、制御部30の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部33には、スピーカ330が接続される。ゲーム音声は、スピーカ330から出力される。
【0089】
グラフィック処理部34は、制御部30の指示に従って仮想ゲーム空間およびプレイヤキャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部34にて動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として液晶画面340に表示される。
【0090】
操作部35には、ユーザからの操作信号が入力される。本実施形態において操作部35には、入力位置検出装置であるタッチパッド350を介してユーザからの操作信号が入力される。ユーザはタッチパッド350をタッチすることによって、キャラクタの編成(デッキの構成)、クエストの選択、あるいは、プレイヤキャラクタの操作等を行う。
【0091】
<ユーザ端末装置3の制御部30の機能の説明>
制御部30は、サーバ装置2からダウンロードされたゲームプログラムを実行することで、以下の各手段として機能し、以下の各ステップを実行する。
【0092】
<実行ステップの説明>
制御部30は、ゲーム実行手段として機能することで実行ステップを実行する。以下では、ゲーム実行手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0093】
制御部30は、ユーザによるタッチパッド350の操作に基づいて、クエストパートおよびガチャパートを備えるゲームをユーザ端末装置3に実行させる。
【0094】
制御部30は、ユーザの操作およびサーバ装置2の制御部20から送信される情報などに基づいてゲームを進行させる。
【0095】
具体的には、制御部30は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部31から読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。
【0096】
また、制御部30は、仮想ゲーム空間にプレイヤキャラクタを配置する。そして、制御部30は、ユーザによるタッチパッド350の操作、および、サーバ装置2の制御部20から送信されるゲームの進行状況に応じて、仮想ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0097】
また、制御部30は、仮想ゲーム空間、プレイヤキャラクタ、および仮想ボタンをゲーム画面として液晶画面340に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部34が液晶画面340上にゲーム画像を描画する。
【0098】
例えば、液晶画面340には、図2のとおり、画面上部から「ユーザランク」、「石」(石の所有数、および、そのうちの有償石の所有数)などが表示される。
【0099】
また、制御部30は、基準行動を実行すべきタイミングでの要求ユーザの操作情報を取得する。
【0100】
なお、この操作情報は、要求ユーザと関連づけられて記憶部31に累積的に記憶される。そして、所定のタイミング(例えば、ガチャが要求されたとき)で、制御部30が、要求ユーザの操作情報についての分析を行う。
【0101】
この分析された操作情報は、ガチャが要求されるたびに、要求ユーザと関連づけられた状態で、後述の通信ステップでサーバ装置2へ送信される。
【0102】
また、制御部30は、ユーザの操作に基づいてクエストの開始を要求するためのクエスト開始要求情報を生成する。クエスト開始要求情報は、通信ステップでサーバ装置2へ送信される。
【0103】
<要求ステップの説明>
制御部30は、媒体抽選要求手段として機能することで要求ステップを実行する。以下では、媒体抽選要求手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0104】
制御部30は、要求ユーザの操作に基づいてガチャ要求が行われると、ガチャ要求情報を生成する。ガチャ要求情報には、要求ユーザの識別情報、要求ユーザが選択したガチャイベントの情報、ガチャの種類に関する情報のほか、消費される石の種類、および消費される石の量に関する情報が含まれる。このガチャ要求情報は通信ステップでサーバ装置2へ送信される。
【0105】
具体的には、要求ユーザが「ガチャイベント1」の仮想ボタン341をタッチした場合には、制御部30は、ガチャイベント1用のガチャ要求情報を生成する。
【0106】
一方、要求ユーザが「ガチャイベント2」の仮想ボタン342をタッチした場合には、制御部30は、ガチャイベント2用のガチャ要求情報を生成する。
【0107】
また、いずれかのガチャイベントが選択された状態で要求ユーザが「単発ガチャ」の仮想ボタン343をタッチした場合には、制御部30は、選択されたガチャイベントに関するガチャ要求情報とともに単発ガチャ用のガチャ要求情報を生成する。
【0108】
一方、いずれかのガチャイベントが選択された状態で要求ユーザが「10連ガチャ」の仮想ボタン344をタッチした場合には、制御部30は、選択されたガチャイベントに関するガチャ要求情報とともに10連ガチャ用のガチャ要求情報を生成する。
【0109】
サーバ装置2が受信したガチャ要求情報の種類により、サーバ装置2にて、対応するガチャが実行される。
【0110】
<通信ステップの説明>
制御部30は、通信手段として機能することで通信ステップを実行する。以下では、通信手段としての制御部30が実行する処理を説明する。
【0111】
制御部30は、例えば、サーバ装置2からゲームに関するゲームプログラム、当選キャラクタに関する情報などの情報を受信する。
【0112】
また、制御部30は、例えば、ユーザの操作に基づいて、ユーザの識別情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、クエスト開始要求情報、ガチャ要求情報などをサーバ装置3へ送信する。
【0113】
<ガチャテーブル変更処理の説明>
以下、図6を参照して、本発明のガチャテーブル変更処理について説明する。
【0114】
まず、サーバ装置2の制御部20が、抽出ステップを実行し、所定のタイミングで抽選によって決定された1つの条件に基づいて、参照ユーザを抽出する(ステップS1)。
【0115】
ついで、サーバ装置2の制御部20が、設定ステップを実行し、参照ユーザが実行した行動を分析する。これにより、参照ユーザが実行した行動のうちのいずれかの行動が確率変動行動に設定される(ステップS2)。
【0116】
ついで、要求ユーザの操作に基づいて、ユーザ端末装置3の制御部30が、要求ステップを実行し、ガチャ要求情報を生成する(ステップS3)。
【0117】
ついで、サーバ装置2の制御部20が、抽選ステップを実行し、ガチャの要求に必要な量(例えば、10個)の石と要求ユーザの識別情報との関連づけを解除する。これにより、ガチャに必要な量の石が消費される(ステップS4)。
【0118】
ついで、サーバ装置2の制御部20が、通信ステップを実行し、ユーザ端末装置3から、要求ユーザの操作情報(操作情報の分析結果)を取得する(ステップS5)。
【0119】
ついで、サーバ装置2の制御部20が、抽選ステップを実行し、要求ユーザの操作情報の分析結果と確率変動行動との関係性に基づいて、用意された複数種類のガチャテーブルのうちからいずれかの種類のガチャテーブルを選択する(ステップS6)。
【0120】
ついで、サーバ装置2の制御部20が、抽選ステップを実行し、選択されているガチャテーブルに基づいて、ガチャを実行する(ステップS7)。これにより、当選キャラクタが決定される。
【0121】
ついで、サーバ装置2の制御部20が、通信ステップを実行し、当選キャラクタに関する情報をユーザ端末装置3へ送信する。これにより、要求ユーザに当選キャラクタが付与される(ステップS8)。その後、本発明のガチャテーブル変更処理は終了する。
以上の手順により、本発明のガチャテーブル変更処理が実行される。
【0122】
以上をまとめると、本発明は、
コンピュータに、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
抽出ステップにおいて、参照ユーザを抽出し、
参照ユーザは、所定のゲームにログインしているユーザから選択され、
設定ステップにおいて、参照ユーザがゲーム内で実行した行動のうちのいずれかの行動を確率変動行動に設定し、
抽選ステップにおいて、ゲーム内で、要求ユーザの操作に基づいてガチャを実行し、
ガチャでは、ガチャテーブルに記憶されたキャラクタのうちから選択されたキャラクタである当選キャラクタがユーザに付与され、
ガチャテーブルには、キャラクタの種類およびキャラクタの当選確率があらかじめ設定されており、
抽選ステップにおいて、
要求ユーザが実行した行動と確率変動行動との関係性に基づいて、ガチャテーブルの内容を決定し、
要求ユーザについて、決定された内容のガチャテーブルに基づいてガチャを実行する、
コンピュータプログラムである。
【0123】
<発明の効果>
本実施形態のコンピュータプログラムによれば、特定の行動を実行するユーザに対して、ゲーム媒体の当選態様を多種多様にすることができるガチャを提供することができる。
【0124】
[他の実施形態]
前記実施形態においては、キャラクタの当選確率などがそれぞれ異なる複数のガチャテーブルが用意されている例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、要求ユーザが実行した行動と確率変動行動との関係性に基づいて、ユーザごとにガチャテーブル中のキャラクタの当選確率などが書き換えられてもよい。
【0125】
また、参照ユーザは、ゲームにログインしているユーザではなく、ゲームをインストールしているユーザから選択されてもよい。
【0126】
また、前記実施形態とは異なり、参照ユーザは、ゲームにログインしているすべてのユーザから任意に選択されてもよい。この場合には、参照ユーザは、例えば、現実空間を複数のエリアに分割した場合に、それぞれのエリアに存在するユーザの中から100人ずつ任意に抽出されてもよい。
【0127】
また、前記実施形態とは異なり、サーバ装置の制御部は、ゲームをインストールしているユーザまたはゲームにログインしているユーザから、ゲームをインストールしてからの期間またはゲームの総ログイン時間に基づいて参照ユーザを抽出してもよい。
【0128】
この場合には、サーバ装置の制御部は、例えば、ゲームをインストールしてから100時間が経過したユーザ(ベテランユーザ)を参照ユーザとして抽出してもよい。
【0129】
また、前記実施形態とは異なり、サーバ装置の制御部は、以下のいずれかの分析結果に基づいて、参照ユーザのゲーム内での行動を確率変動行動として設定してもよい。
【0130】
また、前記実施形態とは異なり、サーバ装置の制御部は、所定タイミングとなってから参照ユーザがゲーム内で所定の行動を実行するまでの時間を分析し、その分析結果に基づいて、参照ユーザの行動を確率変動行動として設定してもよい。
【0131】
この場合には、例えば、ゲーム内イベントが開始されてから参照ユーザがガチャを要求するまでの時間に応じて、ガチャテーブルが変更されてもよい。
【0132】
また、前記実施形態とは異なり、サーバ装置の制御部は、ゲームがユーザ端末装置にインストールされてから所定期間に参照ユーザがゲーム内で実行した行動を分析し、その分析結果に基づいて、参照ユーザの行動を確率変動行動として設定してもよい。
【0133】
この場合には、例えば、参照ユーザがユーザ端末装置に初めてゲームをインストールしてから2時間の間に、いわゆるリセマラ(例えば、レアリティの高いキャラクタ等が当選するまで、ゲームプログラムのインストールおよびアンインストールを繰り返す行為)をしたのちにガチャを要求した場合に、サーバ装置の制御部は、その一連の行動を確率変動行動として設定してもよい。
【0134】
また、サーバ装置の制御部は、すべてのユーザが実行する行動のうち、実行されることが少ない行動(あるいは、特定の行動を実行するユーザの数がきわめて少ないときの、その行動)を確率変動行動に設定してもよい。
【0135】
また、前記実施形態においては、要求ユーザの操作情報の分析は、ユーザ端末装置で行われる例が記載されているが、サーバ装置で行われてもよい。
【0136】
また、ガチャで選択されるゲーム媒体は、キャラクタに限られず、武器あるいは装備などのアイテムなど、ゲーム内で使用されるものであれば何であってもよい。
【0137】
前記実施形態では、ユーザの操作タイミングなど、ユーザの操作テクニックに基づいてガチャテーブルの内容が決定される例が記載されているが、単にユーザによるなんらかの行動に対する成功失敗あるいは勝敗をもとにガチャテーブルの内容が決定されてもよい。
【0138】
また、前記実施形態では、基準行動があらかじめ定められている例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、サーバ装置の制御部が、ユーザが成功率の低い行動を行うことをもってして、そのユーザを初心者であると判断し、その行動を基準行動に設定してもよい。
【0139】
また、前記実施形態とは異なり、サーバ装置の制御部が、ガチャテーブルの内容を決定するにあたって、同一レアリティのキャラクタの当選確率の合計値を同一としつつ、同一レアリティのキャラクタ間での当選確率を異ならせてもよい。例えば、通常の内容のガチャテーブルにおいて同一レアリティのキャラクタの中で特定のキャラクタが当選しやすいときに、本発明が適用されることにより、ユーザが実行した行動と確率変動行動との関係性に基づいてキャラクタの当選確率が均等になる、あるいは、特定のキャラクタ以外の他のキャラクタが当選しやすくなってもよい。
【0140】
また、前記実施形態とは異なり、サーバ装置の制御部は、ガチャの結果が良好(例えば、所定のパラメータ以上のキャラクタが連続して当選する)であるユーザの行動を、基準行動に設定してもよい。
【0141】
また、前記実施形態とは異なり、サーバ装置の制御部が、参照ユーザがゲームを端末装置にインストールしてからゲーム内で所定期間に実行した行動を分析するにあたって、複数の項目(例えば、なんらかの成功確率、なんらかの行動のすばやさ、ユーザが所有しているキャラクタの数、フレンドユーザの数)で採点してもよい。
【0142】
また、前記実施形態では、単発ガチャに本発明が適用されている例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、1回のガチャ要求で10回のガチャが連続して行われて10体のキャラクタが当選する10連ガチャに本発明が適用されてもよい。
【0143】
また、1回のガチャ要求で10回のガチャが行われて10体のキャラクタが当選する10連ガチャではなく、1回のガチャ要求で5回のガチャが連続して行われて1回のガチャにつき2体ずつのキャラクタが当選する10連ガチャに本発明が適用されてもよい。
【0144】
また、1回のガチャ要求で1回のガチャが行われて10体のキャラクタが同時に当選する10連ガチャに本発明が適用されてもよい。
【0145】
その他の例として、
コンピュータに、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
抽出ステップにおいて、所定のゲームを実行する一のユーザそれぞれに対して、1人以上の参照ユーザを抽出し、
抽選ステップにおいて、ゲーム内で、要求ユーザの操作に基づいてガチャを実行し、
ガチャでは、ガチャテーブルに記憶されたキャラクタのうちから選択されたキャラクタである当選キャラクタがユーザに付与され、
ガチャテーブルには、キャラクタの種類およびキャラクタの当選確率があらかじめ設定されており、
前記抽選ステップにおいて、
参照ユーザが所定の行動を実行した場合には、要求ユーザについて、ガチャの方法および/または結果を、他のユーザよりも優遇するか否かを決定し、
要求ユーザがガチャを要求した場合には、決定された内容に基づいて、要求ユーザについてのガチャを実行する、
コンピュータプログラムがある。
【0146】
この場合には、要求ユーザと参照ユーザとの関連性の有無にかかわらず、参照ユーザの行動によって、要求ユーザについてのガチャの抽選方法/内容に影響を与えることができる。
【0147】
また、この場合において、要求ユーザが参照ユーザをフォロー等した場合に、参照ユーザおよび/または要求ユーザになんらかの恩恵が付与されてもよい。例えば、参照ユーザについてのガチャの抽選方法/内容が優遇されてもよい。
【0148】
また、参照ユーザは、ゲームをインストール等しているユーザではなく、例えば、所定のエリア(例えば、特定の店舗)に存在するユーザであってもよい。また、参照ユーザの行動は、現実の特定の店舗に行くこと、あるいは、所定の商品を購入することであってもよい。
【0149】
そして、参照ユーザが所定の行動を実行したのち、一のユーザがガチャを要求した場合には、一のユーザは、例えば、10個の石を消費するだけで、本来であれば100個の石が必要な10連ガチャを要求することができてもよい。
【0150】
なお、参照ユーザが所定の行動を実行した場合には、その参照ユーザが関連づけられている要求ユーザに対し、参照ユーザが所定の行動を実行した旨の情報が提示されてもよい。
【0151】
その他の例として、
コンピュータに、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
設定ステップにおいて、所定の抽選を実行して、所定のゲーム内でユーザが実行する行動のうちのいずれかの行動を確率変動行動に設定し、
抽選ステップにおいて、ゲーム内で、要求ユーザの操作に基づいてガチャを実行し、
ガチャでは、ガチャテーブルに記憶されたキャラクタのうちから選択されたキャラクタである当選キャラクタがユーザに付与され、
ガチャテーブルには、キャラクタの種類およびキャラクタの当選確率があらかじめ設定されており、
前記抽選ステップにおいて、
要求ユーザが確率変動行動を実行した場合には、その要求ユーザについて、ガチャの方法および/または結果を、他のユーザよりも優遇するか否かを決定し、
その要求ユーザがガチャを要求した場合には、決定された内容に基づいて、その要求のユーザについてのガチャを実行する、
コンピュータプログラムがある。
【0152】
この場合には、特定の行動を実行するユーザに対して、ゲーム媒体の当選態様を多種多様にすることができるとともに、サーバ装置の制御部が参照ユーザを抽出する必要がなくなり、サーバ装置の処理負荷を小さくすることができる。
【0153】
その他の例として、
コンピュータに、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
設定ステップにおいて、所定のゲーム内の所定のタイミングでユーザが実行する行動のうちのいずれかの行動を確率変動行動に設定し、
抽選ステップにおいて、ゲーム内で、要求ユーザの操作に基づいてガチャを実行し、
ガチャでは、ガチャテーブルに記憶されたキャラクタのうちから選択されたキャラクタである当選キャラクタがユーザに付与され、
ガチャテーブルには、キャラクタの種類およびキャラクタの当選確率があらかじめ設定されており、
前記抽選ステップにおいて、
要求ユーザが確率変動行動を実行した場合には、その要求ユーザについて、ガチャの方法および/または結果を、他のユーザよりも優遇するか否かを決定し、
その要求ユーザがガチャを要求した場合には、決定された内容に基づいて、その要求のユーザについてのガチャを実行する、
コンピュータプログラムがある。
【0154】
そして、例えば、ガチャが要求されたときにユーザが連続してタップをする動作が確率変動行動に設定された場合において、要求ユーザがガチャを要求する際に連続してタップすることで、ガチャテーブルを変更することができる。
【0155】
また、その他の例として、
コンピュータに、つぎのステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
進行ステップにおいて、ユーザの操作に基づいて、所定のゲームを進行させ、
ゲームは、第1の量のパラメータ(例えば、スタミナ)とユーザとの関連づけが解消されることを条件として実行され、
スタミナは、所定時間の経過とともに第2の量がユーザに関連づけられていき、
前記進行ステップにおいて、スタミナの現在値に基づいて、ユーザが実行しているゲームの進行状況を他のユーザが実行しているゲームの進行状況よりも優遇(あるいは冷遇)するか否か、および、優遇する場合には優遇(あるいは冷遇)する内容、を決定し、
そのユーザについて、決定された内容に基づいて、実行ゲームを実行する、
コンピュータプログラムがある。
【0156】
この場合には、例えば、スタミナの現在値が少ない場合には、ユーザが実行しているゲームにおいて、プレイヤキャラクタの攻撃力あるいは体力値が大きくなったり、クエストがクリアされた場合に得られる経験値が多くなったりしてもよい。
【0157】
あるいは、ユーザがゲームを実行する時間を制限すべく、スタミナの現在値が所定値以下となる状態が所定時間継続した場合に、敵キャラクタの攻撃力あるいは体力値が多くなってもよい。
【0158】
また、その他の例として、
コンピュータに、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
進行ステップにおいて、ユーザの操作に基づいて、所定のゲームを進行させ、
ゲームは、第1の量のパラメータ(例えば、スタミナ)とユーザとの関連づけが解消されたことを契機として実行され、
スタミナは、所定時間の経過とともに第2の量がユーザに関連づけられていき、
抽選ステップにおいて、ゲーム内で、ユーザの操作に基づいてガチャを実行し、
ガチャでは、ガチャテーブルに記憶されたキャラクタのうちから選択されたキャラクタである当選キャラクタがユーザに付与され、
前記抽選ステップにおいて、
ガチャが要求されたときのスタミナの残量に基づいて、ガチャを要求したユーザについてのガチャの内容(抽選方法および/または結果)を、他のユーザよりも優遇(あるいは冷遇)するか否かを決定し、
決定された内容に基づいて、ガチャを実行する、
コンピュータプログラムがある。
【0159】
この場合において、ユーザがクエストを実行してスタミナを減らすことで(スタミナの残量を小さくすることで)、そのユーザについてのガチャの内容を他のユーザよりも優遇することができる。すなわち、この発明によれば、ゲームにある程度の時間を費やすユーザを優遇することができる。
【0160】
また、その他の例として、
コンピュータに、つぎの各ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
導入ステップにおいて、ユーザの操作に基づいて、互いに異なる複数種類のゲームをユーザ端末装置にインストールさせ、
進行ステップにおいて、
ユーザの操作に基づいて、ユーザ端末装置にインストールされているゲームのうちのいずれか1つの実行ゲームをユーザ端末装置において進行させ、
ユーザ端末装置にインストールされている他のゲームの種類および/または数に基づいて、ユーザが実行している実行ゲームの進行状況を他のユーザが実行している実行ゲームの進行状況よりも優遇するか否か、および、優遇する場合には優遇する内容、を決定し、
そのユーザについて、決定された内容に基づいて、実行ゲームを実行する、
コンピュータプログラムがある。
【0161】
この場合において、あるユーザのユーザ端末装置にインストールされているゲームの種類/数に応じて、そのユーザについて、実行されているゲームの進行状況(例えば、敵キャラクタの強さ、ガチャテーブルの当選確率など)を変化させることができる。
【0162】
なお、この場合において、複数種類のゲームは、同一の団体が運営するゲームであってもよく、異なる団体が運営するゲームであってもよい。
【0163】
また、前記実施形態では、コンピュータが1つのサーバ装置である例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、コンピュータが複数のサーバ装置であってもよい。また、一のユーザのユーザ端末装置がサーバ装置として機能してもよい。さらにこの場合には、BLUETOOTH(登録商標)で一方のユーザ端末装置と他方のユーザ端末装置とが接続されていてもよい。また、ユーザ端末装置単体で本発明が実行されてもよく、また、サーバ装置とユーザ端末装置との協働により、本発明が実行されてもよい。
【0164】
また、前記実施形態においては、ユーザ端末装置はスマートフォンなどの端末装置である例が記載されているが、本発明は、これには限られない。ユーザ端末装置は、例えば、ディスプレイおよびコントローラが外部接続される据え置き型のゲーム装置、あるいは、パーソナルコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0165】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
3 ユーザ端末装置
4 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6