(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】手術器具及び骨固定システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/90 20060101AFI20230308BHJP
A61B 17/72 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
A61B17/90
A61B17/72
(21)【出願番号】P 2019000519
(22)【出願日】2019-01-07
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】393024186
【氏名又は名称】株式会社ホムズ技研
(74)【代理人】
【識別番号】100100055
【氏名又は名称】三枝 弘明
(72)【発明者】
【氏名】堀江 誠
(72)【発明者】
【氏名】大塚 雅史
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01759643(EP,A1)
【文献】特開平05-245162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/90
A61B 17/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラントに連結される連結部と、前記インプラントに対する照準構造を含み、前記連結部に対して所定の回動軸線の周りに回動可能に構成されるとともに、前記回動軸線の周りの複数の角度位置のそれぞれにおいて固定可能に構成される回動部と、を具備する手術器具であって、
前記回動軸線に沿った方向に係脱可能に構成される係止構造を備え、前記連結部と前記回動部のうちの一方の部分に対して、前記回動軸線に沿った方向に移動可能に構成されるとともに前記回動軸線若しくは前記回動軸線と平行な他の軸線の周りの角度姿勢が前記一方の部分に連動する係止部材と、
前記連結部と前記回動部のうちの他方の部分に設けられ、前記複数の角度位置に対応して前記回動軸線に沿った方向に前記係止構造を受け入れ可能であり、前記係止構造の受け入れにより
、前記係止部材の前記角度姿勢の基準となる軸線である、前記回動軸線
若しくは前記他の軸線の周りの回転方向に係止される被係止構造と、
前記係止構造と前記被係止構造を係脱可能に構成するとともに、前記係止構造の前記被係止構造に対する係止位置を前記回動軸線に沿った方向に位置決め保持可能な位置決め手段と、を有する、
手術器具。
【請求項2】
前記係止部材は、少なくとも一部が外部から視認可能に構成される、
請求項1に記載の手術器具。
【請求項3】
前記係止構造と前記被係止構造のうち少なくとも相互に係止される部分が外部から視認可能に構成される、
請求項1又は2に記載の手術器具。
【請求項4】
前記係止部材は、前記回動軸線若しくは前記回動軸線と平行な他の軸線を中心として回動可能に設けられる、
請求項1~3のいずれか一項に記載の手術器具。
【請求項5】
前記係止部材は、前記回動軸線若しくは前記他の軸線を中心とするリング状若しくはスリーブ状に構成される、
請求項4に記載の手術器具。
【請求項6】
前記係止部材には、前記回動軸線若しくは前記他の軸線の周りの回転方向に沿って形成され、前記係止構造を備えた外縁部が設けられ、
前記回動部には、前記係止部材の前記外縁部に対して前記回転方向に沿って対面し、前記被係止構造を備えた対面縁部が設けられる、
請求項4又は5に記載の手術器具。
【請求項7】
前記係止構造と前記被係止構造とは、それぞれ前記回動軸線に沿った方向に出没する形状の相互に嵌合可能な凹凸構造を備える、
請求項1~6のいずれか一項に記載の手術器具。
【請求項8】
前記係止構造の前記被係止構造に対す
る係脱方向に沿って前記係止位置へ移行する向きに前記係止部材を付勢する係止方向付勢手段をさらに有する、
請求項1~7のいずれか一項に記載の手術器具。
【請求項9】
前記位置決め手段は、前記
係止構造の前記被係止構造に対する係脱方向に移動可能に構成されるとともに前記係止部材を前記係止位置に保持可能な保持部材を有する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の手術器具。
【請求項10】
前記保持部材は、前記一方の部分に対して前記回
動軸線若しくは前記他の軸線を中心としてねじ結合されることにより前記回
動軸線に沿った方向に移動可能に構成される、
請求項9に記載の手術器具。
【請求項11】
前記保持部材は、少なくとも一部が外部に露出することにより操作可能に構成される、
請求項9又は10に記載の手術器具。
【請求項12】
前記連結部に接続固定される操作ハンドルをさらに有する、
請求項1~11のいずれか一項に記載の手術器具。
【請求項13】
前記操作ハンドルは、前記回動軸線を中心とする半径方向に延在するハンドル軸を備える、
請求項12に記載の手術器具。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の前記手術器具と、前記連結部に連結可能に構成されたインプラントとを含む、
骨固定システム。
【請求項15】
前記インプラントは、相互に異なる孔軸線を有する複数の横断孔を備える髄内釘であり、前記手術器具は、前記複数の横断孔の前記孔軸線に対応する前記複数の角度位置を備えるターゲット装置である、請求項14に記載の骨固定システム。
【請求項16】
前記連結部は、前記インプラントに対して前記回動軸線の方向に接続可能な第1の連結部材と、前記インプラントに対して前記回動軸線の周りの回転方向に係合可能な第2の連結部材とを備え、
相互に接続された状態の前記第1の連結部材と前記インプラントとによって前記回動軸線に沿った方向に前記第2の連結部材が挟持される
ことにより前記第2の連結部材が前記回動軸線に沿った方向に位置決めされて前記インプラントに対する前記第2の連結部材の前記回転方向の係合状態が保持される態様で
、前記インプラントに対して前記連結部が連結されることにより、前記インプラントに対して前記連結部が前記回動軸線の方向と前記回動軸線の周りの回転方向の双方に固定される、
請求項14又は15に記載の骨固定システム。
【請求項17】
前記回動部は、前記連結部に接続されたアーム部と、該アーム部に接続されるとともに前記回動部が前記複数の角度位置のいずれかにあるときに前記インプラントの基端側に形成された少なくとも一つの横断孔に向かうガイド構造を備えた照準部と、を有し、
前記インプラントの基端から先端に向かう方向に沿った姿勢となるように前記照準部に対して連結可能に構成され、前記照準部に対する連結状態において前記回動部が前記複数の角度位置のいずれかにあるときに前記インプラントの先端側に形成された少なくとも一つの横断孔に向かう追加ガイド構造を備える追加照準部をさらに具備する、
請求項14~16のいずれか一項に記載の骨固定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は手術器具及び骨固定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
整形外科において用いられる手術器具として、インプラントに連結可能に構成され、インプラントを体内に設置するために用いる導入器具や、体内に設置されたインプラントに対して骨ねじなどの固定具を取り付けるための照準器具が用いられる。例えば、インプラントとして髄内釘を使用する場合には、髄内釘に連結したターゲット装置を用いて髄内釘を髄内に導入して位置決めし、その後、ターゲット装置の照準部に装着されたガイドスリーブを用いてドリルなどの穿孔具や骨ねじなどの固定具を案内し、髄内釘に形成された横断孔を通過する穿孔を形成したり当該横断孔に固定具を挿通させたりする。
【0003】
上記のようなターゲット装置は、髄内釘と連結可能な連結部を有し、この連結部を介して髄内釘と照準部との位置関係が規定される。髄内釘と照準部との位置関係を変える必要がない場合には、上記連結部は髄内釘に対して軸線方向と軸線周りの双方に固定されるように接続されればよい。しかし、複雑な骨折に対処するために、髄内釘には、軸線の方位が相互に異なる複数の横断孔が形成される場合がある。この場合には、複数の横断孔の異なる方位の孔軸線に対応できるように、髄内釘に対する照準部の方位を変更する手段が必要とされる。この手段として、以下の特許文献1~3に示されるように、髄内釘に連結される連結部と、アーム部及び照準部を含む回動部とを、髄内釘の軸線の周りに回動可能に構成したターゲット装置が知られている。
【0004】
例えば、以下の特許文献1のターゲット装置10では、連結部51とアーム端部17との間を回動可能に構成するとともに、髄内釘11に対して連結部51が連結ねじ56,57により正規の状態で連結固定されているときには、凹部58a,58bとピン60とが髄内釘11の軸線方向に嵌合することにより連結部51とアーム端部17との間の角度位置が固定される。また、髄内釘に対する連結部51の連結ねじ56,57を緩めてアーム端部17を連結部51に対して軸線方向に移動可能とし、ピン60を凹部58a,58bから軸線方向に脱出させることにより、連結部51とアーム端部17の角度位置を変更できる。
【0005】
一方、以下の特許文献2及び3に開示されたターゲット装置では、アーム端部に取り付けられ、半径方向内側に突出するピンなどの係合構造と、連結部においてアーム端部の内部を挿通する部分の表面に設けられた凹部などの被係合構造とを形成し、アーム端部の内部において上記係合構造が半径方向内側に突出して被係合構造に着脱可能に係合するように構成している。ここで、係合構造と被係合構造が係合しないときは連結部とアーム端部とが回動可能に構成される。また、係合構造と被係合構造を係合させることにより、連結部とアーム端部とを既定の複数の角度位置のうちのいずれかにおいて選択的に固定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】欧州特許公開第1759643号明細書
【文献】特開2004-154574号公報
【文献】特表2014-529428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、特許文献1に記載のターゲット装置10では、髄内釘11に対する照準部13の方位を変更するために、髄内釘11と連結部51の連結構造を一時的に緩め、連結部51とアーム端部17とを髄内釘11の軸線方向に相対的に移動可能とすることで、ピン60を凹部58a,58bから一時的に退避させる必要がある。このため、ターゲット装置の回動作業中に髄内釘11とターゲット装置10の間の角度位置の固定が連結構造を緩めることで一時的に解除された後に再び締め付け固定されることにより、回動作業の前後において照準部13の照準方位がずれたり構造精度が低下したりし易いという問題がある。また、上記の回動作業において、連結構造が緩むことで連結部51の髄内釘11に対する回動方向の係合が外れた状態になると、連結部51に対してアーム部を回動させようとしたときに連結部51をも回動させてしまう可能性もある。したがって、このターゲット装置10では角度位置の間の回動作業や角度位置における固定作業が困難であり、煩雑な作業と高い注意力を必要とする。
【0008】
一方、特許文献2及び3のターゲット装置では、係合構造と被係合構造の係脱方向が半径方向であることから、係合構造が設けられたアーム端部の内部に被係合構造が設けられるために、互いに嵌合すべき係合構造と被係合構造の位置関係を外部から視認することができない。したがって、上記回動作業を行いながら、手探りの状態で係合構造と被係合構造が係合可能な角度位置を探り当てる必要があるため、ターゲット装置の角度位置の固定に時間がかかるとともに、固定状態が得られたか否かの確認ができないことから、術者が不安を感じる場合があった。その上、係脱方向を半径方向とすることにより半径方向の器具寸法が増大する場合があり、このことで手術が困難になることもある。
【0009】
そこで、本発明は上記問題を解決するものであり、その課題は、インプラントに対する連結部と回動部とが回動可能に構成されるとともに、複数の角度位置でそれぞれ固定可能に構成される手術器具において、各角度位置の間の回動作業や各角度位置における固定作業を容易かつ確実に行うことのできる手術器具、並びに、当該手術器具を含む骨固定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る手術器具は、インプラントに連結される連結部と、前記インプラントに対する照準構造を含み、前記連結部に対して所定の回動軸線の周りに回動可能に構成されるとともに、前記回動軸線の周りの複数の角度位置のそれぞれにおいて固定可能に構成される回動部とを具備する。ここで、前記連結部と前記回動部との間で回動可能な状態と前記複数の角度位置で固定した状態とを切替可能に構成する回動係止機構を備えることが好ましい。この回動係止機構としては、前記回動軸線に沿った方向に係脱可能に構成される係止構造を備え、前記連結部と前記回動部のうちの一方の部分に対して、前記回動軸線に沿った方向に移動可能に構成されるとともに前記回動軸線若しくは前記回動軸線と平行な他の軸線の周りの角度姿勢が前記一方の部分に連動する係止部材と、前記連結部と前記回動部のうちの他方の部分に設けられ、前記複数の角度位置に対応して前記回動軸線に沿った方向に前記係止構造を受け入れ可能であり、前記係止構造の受け入れにより、前記係止部材の前記角度姿勢の基準となる軸線である、前記回動軸線若しくは前記他の軸線の周りの回転方向に係止される被係止構造と、前記係止構造と前記被係止構造を係脱可能に構成するとともに、前記係止構造の前記被係止構造に対する係止位置を前記回動軸線に沿った方向に位置決め保持可能な位置決め手段と、を有することが望ましい。
【0011】
本発明において、前記係止部材は、少なくとも一部が外部から視認可能に構成されることが好ましい。また、前記係止構造と前記被係止構造のうち少なくとも相互に係止される部分が外部から視認可能に構成されることが望ましい。さらに、前記位置決め手段に上記保持部材が含まれる場合には、上記保持部材は、少なくとも一部(操作部、例えば、操作外面)が外部に露出することにより操作可能に構成されることが望ましい。このとき、前記係止部材も、少なくとも一部(例えば、外周部)が外部に露出することにより操作可能に構成されることがさらに望ましい。
【0012】
本発明において、前記係止部材は、前記回動軸線若しくは前記回動軸線と平行な他の軸線を中心として回動可能に設けられることが好ましい。ここで、上記係止部材は、前記回動軸線若しくは前記他の軸線を中心とするリング状若しくはスリーブ状に構成されることが望ましい。このとき、前記係止部材に前記回動軸線若しくは前記他の軸線の周りの回転方向に沿った外縁部が設けられるとともに、前記回動部に前記係止部材の前記外縁部に対して前記回転方向に沿って対面する前記回転方向に沿った対面縁部が設けられることが好ましい。ここで、前記係止構造は前記外縁部に設けられるとともに、前記被係止構造は前記対面縁部に構成されることが望ましい。このとき、前記係止構造と前記被係止構造とは、それぞれ前記回動軸線に沿った方向に出没する形状の相互に嵌合可能な凹凸構造を備えることがさらに望ましい。
【0013】
本発明において、前記係止構造の前記被係止構造に対する係脱方向に沿って前記係止位置へ移行する向きに前記係止部材を付勢する係止方向付勢手段をさらに有することが好ましい。ここで、この係止方向付勢手段は、前記一方の部分(保持部材などの位置決め手段を含む。)と前記係止部材との間に取り付けられた圧縮ばね部材、或いは、前記他方の部分と前記係止部材との間に取り付けられた引張ばね部材であることが望ましい。
【0014】
本発明において、前記位置決め手段は、前記係止構造の前記被係止構造に対する係脱方向に移動可能に構成されるとともに前記係止部材を前記係止位置に保持可能な保持部材を有することが好ましい。この場合において、上記保持部材は、前記一方の部分に対して前記回動軸線若しくは前記他の軸線を中心としてねじ結合されることにより前記回動軸線に沿った方向に移動可能に構成されることが望ましい。ここで、上記保持部材は、後述する実施形態のように係止部材と分離された状態で独立して移動可能に構成されるものであってもよく、或いは、係止部材に常時連結され、前記係止部材と共に移動するように構成されるものであってもよい。ここで、後者において上記保持部材が前記一方の部分に対してねじ結合される場合には、上記保持部材が前記係止部材に対して回転可能に連結されるように構成してもよい。
【0015】
本発明において、前記連結部に接続固定される操作ハンドルをさらに有することが望ましい。特に、前記操作ハンドルは、前記回動軸線を中心とする半径方向に延在するハンドル軸を備えることがさらに望ましい。
【0016】
本発明において、前記回動部は、前記連結部の前記インプラントに対する連結端とは反対側に接続されるアーム端部を備えるアーム部と、該アーム部の前記アーム端部とは反対側の端部に接続される照準部とを有することが好ましい。ここで、前記照準部は、前記回動軸線に向かう照準方位を備えることが望ましい。また、上記アーム部は、前記アーム端部から前記回動軸線と交差する方向に延在し、前記照準部は、前記回動軸線に並行するように延在することが望ましい。
【0017】
また、本発明に係る骨固定システムは、上記の手術器具と、前記連結部に連結可能に構成されたインプラントとを含む。ここで、前記インプラントは、相互に異なる孔軸線を有する複数の横断孔を備える髄内釘であることが好ましい。このとき、前記手術器具は、前記複数の横断孔の前記孔軸線に対応する前記複数の角度位置を備えるターゲット装置であることが好ましい。この連結部は、前記インプラントに対して前記回動軸線の方向に接続可能な第1の連結部材と、前記インプラントに対して前記回動軸線の周りの回転方向に係合可能な第2の連結部材とを備えることが好ましい。ここで、相互に接続された状態の前記第1の連結部材と前記インプラントとによって前記回動軸線に沿った方向に前記第2の連結部材が挟持されることにより前記第2の連結部材が前記回動軸線に沿った方向に位置決めされて前記インプラントに対する前記第2の連結部材の前記回転方向の係合状態が保持される態様で、前記インプラントに対して前記連結部が連結されることにより、前記インプラントに対して前記連結部が前記回動軸線の方向と前記回動軸線の周りの回転方向の双方に固定されることが望ましい。
【0018】
上記骨固定システムでは、前記回動部は、前記連結部に接続されたアーム部と、該アーム部に接続されるとともに前記回動部が前記複数の角度位置のいずれかにあるときに前記インプラントの基端側に形成された少なくとも一つの横断孔に向かうガイド構造を備えた照準部と、を有する場合において、前記インプラントの基端から先端に向かう方向に沿った姿勢となるように前記照準部に対して連結可能に構成され、前記照準部に対する連結状態において前記回動部が前記複数の角度位置のいずれかにあるときに前記インプラントの先端側に形成された少なくとも一つの横断孔に向かう追加ガイド構造を備える追加照準部をさらに具備することが好ましい。
【0019】
なお、本明細書に記載される上記とは別の発明に係る手術器具及び骨固定システムは、インプラントに連結される連結部と、前記インプラントに対する照準構造を含み、前記連結部に対して所定の回動軸線の周りに回動可能に構成されるとともに、前記回動軸線の周りの複数の角度位置のそれぞれにおいて固定可能に構成される回動部とを具備する。ここで、前記連結部と前記回動部との間で回動可能な状態と前記複数の角度位置で固定した状態とを切替可能に構成する回動係止機構を備える。このとき、前記回動部は、前記連結部に接続されたアーム部と、該アーム部に接続されるとともに前記回動部が前記複数の角度位置のいずれかにあるときに前記インプラントの基端側に形成された少なくとも一つの横断孔に向かうガイド構造を備えた照準部と、を有する場合において、前記インプラントの基端から先端に向かう方向に沿った姿勢となるように前記照準部に対して連結可能に構成され、前記照準部に対する連結状態において前記回動部が前記複数の角度位置のいずれかにあるときに前記インプラントの先端側に形成された少なくとも一つの横断孔に向かう追加ガイド構造を備える追加照準部をさらに具備することが好ましい。
【0020】
この場合において、前記インプラントの基端側の軸線と先端側の軸線が相互に異なる方位を備えるとき、或いは、前記先端側の横断孔の方位が前記基端側の横断孔の方位に対して異なるとき、若しくは、前記先端側の複数の横断孔の配列方向が前記基端側の軸線と平行でないときなどにおいては、前記追加照準部は、前記インプラントの基端側の軸線と先端側の軸線との間の方位関係、前記先端側の横断孔と前記基端側の横断孔との間の方位関係、或いは、前記先端側の複数の横断孔の上位配列方向と前記先端側の軸線との間の方位関係に応じて、前記追加ガイド構造が前記ガイド構造に対して傾斜したガイド方向を備えることが望ましい。例えば、前記追加照準部は、前記追加ガイド構造が前記ガイド構造に対して傾斜した姿勢となるように、前記照準部に対して傾斜した連結方向で連結されるか、或いは、前記照準部に対する連結部分に対して傾斜したガイド方位を有する前記追加ガイド構造を備える。このことで、当該手術器具は、インプラントの種々の構成に容易に対応できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、インプラントに対する連結部と回動部とが回動可能に構成されるとともに、複数の角度位置でそれぞれ固定可能に構成される手術器具において、上記複数の角度位置の間の回動作業や各角度位置における固定作業を容易かつ確実に行うことのできる手術器具、並びに、当該手術器具を含む骨固定システムを提供することができる。
【0022】
また、上記別の発明によれば、軸線周りの異なる軸線方位を相互に備える複数の横断孔を有するインプラントに対して、連結部に対する回動部の回動動作と所定の角度位置での固定により対処できるとともに、コンパクト性を確保することができるので、手術中の画像装置等の干渉を回避したり、作業性を向上させたりすることができる。特に、インプラントの基端側の横断孔に対しては追加照準部を用いずにさらにコンパクトな構成で作業ができるとともに、インプラントの先端側の横断孔に対しては追加照準部を連結させることにより、コンパクト性を維持しつつ確実に作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】手術器具の実施形態の全体構成を示す側面図である。
【
図3】同実施形態の連結部の構造を詳細に示す外観図(a)、縦断面図(b)、回動可能状態を示す部分断面図(c)、操作ハンドルの取付基部を示す横断面図(d)、及び、係止部材の断面及び外面を中心線の上下にそれぞれ示す図(e)である。
【
図4】同実施形態の照準部の連結構造を示す照準部の部分構成図(a)、照準部と追加照準部との接続状態を示す部分構成図(b)、
図4(a)に示すC-C線に沿った構造を示す断面図(c)、追加照準部の縦断面図(d)、及び、追加照準部の側面図(e)である。
【
図5】同実施形態の大腿骨遠位顆部の骨折に対する使用態様の一例を示す骨固定システムの構成図である。
【
図6】同実施形態の手術器具が使用されるインプラントである髄内釘の外観図(a)、異なる方位から見た部分外観図(b)、及び、髄内釘の基端側内部に収容される調整機構を示す分解斜視図(c)である。
【
図7】異なる実施形態の手術器具を示す側面図である。
【
図8】インプラントの基端部を延長するための延長用エンドキャップの装着例を示す装着前の状態図(a)、装着後の状態図(b)、及び、装着具と延長用エンドキャップの拡大分解図(c)である。
【
図9】さらに別の実施形態の手術器具をインプラントに適用した状態を示す側面図(a)及び背面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。最初に、
図1乃至
図4を参照して、本発明に係る手術器具の実施形態の全体構成について説明する。
【0025】
本実施形態の手術器具1は、先端11aと基端11bを備える連結部11と、この連結部11に対して連結部11とアーム部12の間の回動軸線11xを中心として回動可能に接続され、回動軸線11xと交差する方向に延在し、アーム端部12a及びこのアーム端部12aとは反対側の端部12bを備えるアーム部12と、このアーム部12の上記反対側の端部12bに接続されるとともに、回動軸線11xに沿って並行して伸びる照準部13とを具備する。連結部11は、
図5及び
図6に示すインプラント2に連結するための連結構造を備える。図示例の場合、インプラント2は髄内釘であるが、詳細は後述する。なお、図示例では、上記回動軸線は、連結部11の軸線11xと一致する。また、後述するインプラント2の軸線2xとも一致する。ここで、アーム部12と照準部13は、連結部11に対して回動軸線11xを中心に回動可能に構成される上記の回動部に相当する。
【0026】
図3に示すように、連結部11は、内側に配置された第1の連結部材111と、この第1の連結部材111の外側に配置された第2の連結部材112とを備える。第1の連結部材111はインプラント2に対して回動軸線11xの方向(以下、単に「軸線方向」という)に接続可能に構成される接続端部111aと、第2の連結部材112の内部において第2の連結部材112の受け部112bに対して軸線方向に係合する頭部
111bとを備える。また、第2の連結部材112は、第1の連結部材111の接続端部111aの外周に形成され、インプラント2の基端に回動軸線11xの周り(以下、単に「軸線周り」という)の回転方向に係合可能に構成される係合端部112aと、上記受け部112bよりもさらに基端11b側の外周に形成される雄ねじ部112cとを備える。この雄ねじ部112cには端部ナット113が螺合し、第2の連結部材112と操作ハンドル14とをアーム部12のアーム端部12aに対して軸線方向に固定する。
【0027】
第1の連結部材111の接続端部111aは、
図5に示すインプラント2のインプラント本体21の基端部に開口する軸穴21aの内側に直接若しくは間接的に接続可能に形成される。図示例では、接続端部111aが装着具(エンドキャップやセットスクリュー)22に対して着脱可能に接続され、この装着具22がインプラント本体21に接続されることにより、装着具22を介して第1の連結部材111とインプラント本体21とが接続される。具体的には、接続端部111aが装着具22の雌ねじ22bと螺合し、装着具22の雄ねじ22cが軸穴21aの内側に形成される雌ねじに螺合する。この場合には、第1の連結部材111と装着具22は、連結部11をインプラント2に連結するための連結ボルトとして機能する。このとき、第1の連結部材111を装着具22から分離してインプラント2から手術器具1を取り外すことにより、装着具22をインプラント2に装着した状態で残すことができる。なお、接続端部111aは、直接に、軸穴21aの上記雌ねじに螺合するように構成されてもよい。この場合には、第1の連結部材111は、単独で上記連結ボルトとして機能する。
【0028】
操作ハンドル14は、連結部11の基端11bに取り付けられた基部14aを備え、基部14aから回動軸線11xから離れる半径方向に延在するハンドル軸14b及びこれに取り付けられた把持部14cを有する。
図3(d)に示すように、基部14aは、第2の連結部材112の基端部外周に設けられた凹部(例えば、基端縁より形成される縦溝)112dに嵌合するピン141により、第2の連結部材112に対して軸線周りの回転方向に係合し、固定される。なお、操作ハンドル14は、連結部11(及び、これに連結されたインプラント2)に対して、ハンドル軸14bが所定の方位に伸びるように固定される。このハンドル軸14bの延伸方位は、連結部11とアーム部12及び照準部13との間の回動軸線11xを中心とする相対的な角度位置に応じて、アーム部12及び照準部13の延在平面に沿った方向との関係が変化する。例えば、上記延伸方位は、
図1及び
図2に示すように、アーム部12及び照準部13の延在平面に沿った方位となったり、
図5に示すように、上記延在平面と直交する方位となったりする。
【0029】
図3に示すように、連結部11は、アーム端部12aを挿通し、アーム部12に対して軸線周りに回動可能に取り付けられている。第2の連結部材112の外周にはPEEKなどの低摩擦材で構成されたカラー112eが装着され、アーム端部12aとの間のスムーズな回動を可能にしている。第2の連結部材112には、係止部材115が取り付けられている。この係止部材115は、外部に露出するリング状の外周部115aと、この外周部115aの内側から軸線方向の一方側(図示下側、以下同様。)に伸びる筒状の内筒部115bと、を有する。また、外周部115aの軸線方向の他方側(図示上側、以下同様。)の端縁(上記の外縁部に相当する。)には、係止構造115cが形成される。この係止構造115cは、図示例では複数の係合凹部を軸線周りに配列させた形状を有する。係止構造115cの各係合凹部は、アーム端部12aの開口縁部における係止構造115cと対面する部位(上記の対面縁部に相当する。)に設けられた被係止構造12cが嵌合(係合)可能な形状をそれぞれ備える。ここで、係止構造115cの係合凹部と被係止構造12cの係合凸部とは、それぞれ軸線方向に出没する形状の凹凸構造を備える。これによって係脱状態が外部より容易に視認できるようになる。ここで、アーム端部12aには被係止構造12cの角度位置に係止構造115cとの係合位置を表示するための係合位置表示12dが設けられる。
【0030】
ここで、係止構造115cと被係止構造12cの係脱方向は軸線方向であり、係止構造115cと被係止構造12cが係合したときの係止方向は軸線周りの回転方向である。このとき、係止部材115は軸線方向の最も他方側に設定された上記の係止位置に配置される。係止構造115cと被係止構造12cとは、図示例の場合、外周面上で相互にぴったりと嵌合する形状(台形状)に構成される。これにより、連結部11とアーム部12及び照準部13との間を所定の角度位置にしっかりと固定できる。
【0031】
内筒部115bには、軸線方向の他方側の端縁から一方側に伸びるスリット115dが設けられ、このスリット115dに第2の連結部材112の外面に形成された突起112fが嵌合することにより、係止部材115は、第2の連結部材112に対して、軸線方向には、スリット115dに対応する範囲内で移動可能に構成されるものの、軸線周りの回転方向には固定される。これにより、第2の連結部材112と係止部材115は、軸線方向に相対移動可能な状態で、軸線周りの角度姿勢が常に対応するように、軸線周りの回転方向に相互に連動する。
【0032】
本実施形態では、上記係止部材115の軸線方向の一方側に保持部材116が配置される。この保持部材116は、軸線方向の他方側に向けて係止部材115を押し付けた状態に保持することにより、係止構造115cと被係止構造12cの係合状態を維持する。また、この保持部材116は、係止構造115cと被係止構造12cを係脱可能に構成する。保持部材116は、外周に設けられた操作外面116aと、第2の連結部材112の外周に設けられた雄ねじ部112gと螺合(ねじ結合、以下同様。)する雌ねじ116bを備える。また、保持部材116には、第2の連結部材112の外周に設けられた周溝112hと係合し、保持部材116の軸線方向の位置が第2の連結部材112に対して軸線方向の所定範囲内に規制する規制ピン116eが取り付けられる。上述の構成により互いに当接し合う、係止部材115の一方側の外縁部と、上記保持部材116の対面縁部とは、相互に対応する縁形状となっていることが好ましい。図示例では、上記外縁部と上記対面縁部は、いずれも軸線周りの回転方向に沿った円状に構成される。ここで、保持部材116と雄ねじ部112gは、係止構造115cと被係止構造12cを係脱可能に構成するとともに係止部材115をアーム部12の被係止構造12cに対して係止位置に位置決め保持可能な位置決め手段に相当する。
【0033】
係止部材115と保持部材116の間には、コイルばね117などの弾性材(圧縮ばね)で構成される係止方向付勢手段が設けられる。この係止方向付勢手段であるコイルばね117は、係止構造115cがアーム端部12の被係止構造12cに対する離反状態から係合状態に移行するために係脱方向に移動する向き(上記の他方側)に係止部材115を付勢する。なお、コイルばね117は、結果として係止部材115を係脱方向の上記向きに付勢できればよいので、例えば、係止部材115と第2の連結部材112との間に配置されていてもよい。ここで、係止方向付勢手段は、連結部11(保持部材116を含む。)と係止部材115との間に取り付けられた図示例の圧縮ばねだけでなく、アーム縁部12aと係止部材115との間に取り付けられた引張ばねであってもよい。
【0034】
図3(a)及び(b)に示すように、係止部材115が係止構造115cと被係止構造12cが係合する係止位置に配置され、この係止位置が保持部材116によって位置決め保持されている場合には、連結部11とアーム部12及び照準部13とは、回動軸線11xを中心とした複数の角度位置のうちの一つに固定される。この角度位置は、係止部材115の係止構造115cの複数の係合凹部のうちのいずれに上記被係止構造12cが係合するかによって定められる。なお、係止構造115cと被係止構造12cの組み合わせ構造は、それぞれが係止作用によって固定可能な複数の角度位置が設定されていればよい。したがって、例えば、図示例とは逆に、係止構造115cが係合凸部で構成され、被係止構造12cが係合凹部で構成されていてもよく、また、係止構造が単一の係止部位を備え、被係止構造が複数の係止部位を備えたものであってもよい。
【0035】
一方、
図3(c)に示すように、保持部材116が係止部材115から離反した位置にあり、係止部材115が軸線方向に固定されていないときには、コイルばね117によって係止部材115は係止位置に保持されているが、係止部材115は、係止構造115cが軸線方向の被係止構造12cから離反する向きに移動可能に構成される。このため、連結部11に対して、アーム部12及び照準部13を軸線周りに回動させることが可能である。このとき、係止構造115cと被係止構造12cの台形形状に設けられた、軸線方向に対して離反する向きに導くように傾斜した側部により、係止部材115は、連結部11とアーム部12及び照準部13との間に与えられた軸線周りの回動力に応じて容易に被係止構造12cから離反できる。
【0036】
なお、係止部材115の外周部115aの外周面上には、複数の角度位置に対応する照準部13の照準位置との関係を示す対応表示115e(
図3(a)では数字であるが、記号、図形、色、模様などの識別可能な任意の表示でよい。)を付してある。この対応表示115eは、照準部13に示される対応表示13eと対応しているので、手術者の誤認を回避することができる。
【0037】
図4(a)~(c)に示すように、照準部13は、インプラント2の基端側の横断孔21dに向かうガイド構造として、複数のガイド孔13a~13dが設けられた本体131を備える。本体131には、ガイド孔13a~13dに挿通される図示しないガイドスリーブを装着したときに必要な保持力(摩擦力)を担保するためのガイドスリーブ保持手段が設けられる。このとき、上記連結部11に対して、アーム部12及び照準部13は、インプラント2の基端側から先端側へ向かう方向に沿って延在する。上記のガイド構造は、複数の角度位置のいずれかにおいて、インプラント2の基端側に形成された横断孔21dの少なくとも一つに向かうガイド方向(ガイド孔13a~13dの軸線の方向)を備える。ここで、上記ガイド構造は、限定されるものではないが、インプラント2の全ての横断孔21dに対応するガイド方向を備えることが望ましい。なお、上記ガイド構造は、複数の角度位置の全てにおいて、それぞれ対応するガイド方向を備える必要はない。
【0038】
また、照準部13の本体131の末端には連結穴13fが形成される。この連結穴13fは、
図4(d)及び(e)に示す追加照準ユニット(追加照準部)135の連結ピン135aを受け入れ可能に構成される。また、本体131には、上記連結ピン135aの着脱機構の一部を構成する着脱部材132が装着される。連結穴13fに連結ピン135aを挿入すると、
図4(b)に示すように、上記着脱機構の図示しない係止部が連結ピン135aの挿入状態を維持することにより追加照準ユニット135の連結状態が保持される。また、連結穴13fの両側には規制穴13hがそれぞれ形成され、これらの規制穴13hに対して追加照準ユニット135に設けられた規制ピン135fがそれぞれ嵌合することにより、追加照準ユニット135の軸線周りの姿勢が規定される。このとき、追加照準ユニット135は、インプラント2の基端から先端に向かう方向に沿って照準部13から延在するように連結される。
【0039】
着脱部材132を押圧すると、上記着脱機構の係止部が連結ピン135aを解放するため、追加照準ユニット135を取出し可能に構成することができる。なお、追加照準ユニット135は、本体131に連結することにより、複数のガイド孔135c、135d、135eを用いて、
図5に示すように、主としてインプラント2の先端側の横断孔21eに対応する図示しないガイドスリーブに対する追加ガイド構造を備える。すなわち、追加照準ユニット135の上記追加ガイド構造は、連結部11に対してアーム部12、照準部13及び追加照準部135が複数の角度位置のいずれかにあるときに、インプラント2の連結部11に対する連結端とは反対側の先端側に形成された横断孔21eの少なくとも一つに向かうガイド方向(ガイド孔135c、135d,135eの軸線の方向)を備える。ここで、上記追加ガイド構造は、限定されるものではないが、インプラント2の全ての横断孔21eに対応するガイド方向を備えることが望ましい。なお、上記追加ガイド構造は、複数の角度位置の全てにおいて、それぞれ対応するガイド方向を備える必要はない。
【0040】
上記のように構成すると、インプラント2の複数の横断孔21dや21eがどのような方位に形成されていたとしても、インプラント2の基端から先端に向かう方向に沿って延在する姿勢となるように、追加照準部135を照準部13に対してインプラント2の先端側において直列に連結するだけでよく、インプラント2の軸線周りの回転方向に延在する支持構造を必要としないので、手術器具1のコンパクト性を妨げずに、種々のインプラント2の構造に対して容易に対応することができる。また、手術器具1のコンパクト性を確保することにより、穿孔器具や導入器具等と手術中のCアーム(X線撮像装置)との干渉を避けやすくなったり、手術中に支持すべき重量が軽減されるなど、手術作業の容易化を図ることができる。さらに、
図6(a)に示すように、インプラント2が基端から先端に向けてやや湾曲した形状を有する場合でも、所定の角度位置においては、追加照準部135の追加ガイド構造が先端側の横断孔21eに対応するように構成される。すなわち、
図4(d)に示すように連結ピン135aの軸線が追加照準部135の軸線に対して傾斜していることにより、追加照準部135が照準部13に対して所定の交差角で連結される。これにより、インプラント2の基端側の軸線と先端側の軸線が異なる方位を有する場合でも、照準部13と追加照準部135との連結角度の設定により対応できる。なお、追加照準部135を連結して使用する場合でも、インプラント2の基端から先端に向かう方向に沿って延在する姿勢となるように、追加照準部135が照準部13に対して連結されるので、上述のコンパクト性を犠牲にする必要がない。
【0041】
図5は、上記手術器具1と連結された状態のインプラント2のインプラント本体21を示す。また、
図6は、インプラント本体21の外観と内部に収容された調整機構23を示す図である。本実施形態において、インプラント2は、図示例では髄内釘を構成する。インプラント本体21は、
図5に示すように、その基端部に開口を備える軸穴21aを備える。また、この軸穴21aの内面には、開口縁に近い部分に雌ねじ21c(
図6に点線で示す。)が形成され、この雌ねじ21cは、上記第1の連結部材111の接続端部111aに接続された装着具22の雄ねじ部22cと螺合可能に構成される。なお、接続端部111aは、装着具22に対する接続機能を備えない場合には、上記雌ねじに直接螺合可能に構成される。また、軸穴21aの開口縁部には、上記第2の連結部材112の係合端部112aと係合可能な被係合構造21bが設けられる。これによって、第2の連結部材112は、インプラント本体21の軸線2x周りに係合し、連結部11をインプラント本体21に対して軸線2x周りに固定した状態で連結可能とする。
【0042】
インプラント本体21の基端部には、複数(図示例では4つ)の横断孔21dが設けられる。これらの複数の横断孔21dには、相互に異なる軸線方向を備える横断孔21dが含まれる。図示例では、4つの横断孔21dのうちの少なくとも3つが相互に異なる方位の軸線を備える。このような構成により上腕骨や大腿骨などの顆部における複雑な骨折態様にも対応可能となり、確実な保持固定を行うことができる。
【0043】
本体21の基端部の軸穴21aの内部には、
図6(c)に示す調整機構23が内蔵される。調整機構23は、複数の駒部材231、232,233,234により構成される。各駒部材231~234は、それぞれ、上記複数の横断孔21dのそれぞれに対応する開口部231a~234aを備える。これらの開口部は、軸線2xに沿った方向にやや大きな内径を備える長孔形状を有する。また、駒部材231,232,233には係合脚部231b,232b,233bが設けられ、駒部材232,233,234に設けられた被係合凹部232d,233d,234dと係合し、軸線方向の駆動力を軸線2xに沿った方向に伝達する。なお、止め輪235は駒部材231の周溝231cに装着され、軸穴21aの内面に形成された図示しない環状溝に装着される。これにより、調整機構23が軸穴21a内に保持される。また、駒部材234の軸状の支持脚部234bに支持される図示しない圧縮コイルばね等の付勢手段を支持脚部234bの根元の段部と軸穴21aの底部との間に配置することにより、調整機構23が軸穴21aの開口側に向けて押し上げられる。
【0044】
この調整機構23は上記装着具22との組み合わせにより機能する。装着具22を軸穴21aの開口縁の内側にある雌ねじ21cに螺合させたとき、装着具22の螺合深さにより、上記付勢手段が圧縮された状態で調整機構23の位置が設定される。調整機構23の軸穴21aの深さ方向の位置により、上記横断孔21dと上記駒部材の開口部231a~234aの開口範囲のずれの有無が制御できる。これにより、当該ずれを無くすことにより上記横断孔21dに図示しない骨ねじなどの固定具を容易に挿通させることが可能になる。これに対して、当該固定具を挿通させた状態で上記ずれを生じさせる方向に調整機構23を動作させることにより、上記固定具を横断孔21dと開口部231a~234aの開口縁の間に挟み込むことで、上記固定具をインプラント本体21に保持固定することができる。
【0045】
本実施形態では、手術器具1をインプラント本体21に連結した状態で、インプラント本体21を患者の体内に導入する。例えば、
図5に示す例では、大腿骨の遠位端周辺の骨折を防止するために、当該遠位端から大腿骨の髄内にインプラント本体21を挿入する。インプラント本体21が患者の体内の適正な位置に配置されると、手術器具1の連結部11とアーム部12及び照準部13(回動部)との間の角度位置を設定し、照準部13のガイド孔13a~13dに図示しないガイドスリーブを挿通し、ガイド方位を固定した状態で、横断孔21dに沿った穿孔作業や固定具の導入作業を行う。上記角度位置の変更作業(現在の角度位置の固定解除と新たな角度位置の設定及び固定)は、前述の対応表示115eと13eを一致させる関係となるように、異なる方位を備える横断孔21dに照準を合わせる度に実行される。
【0046】
上記の過程において、操作ハンドル14(ハンドル軸14b)の延伸方位は、常に連結部11及びこれに連結されたインプラント2の軸線周りの角度姿勢と一定の関係を維持しているため、操作ハンドル14を、手術器具1の回動作業時のハンドルとして用いるだけでなく、手術中にインプラント2の角度姿勢を確認するためにも用いることができるという利点がある。なお、操作ハンドル14の代わりに、あるいは、操作ハンドル14とともに、単にインプラント2の角度姿勢を確認するためだけに用いる角度姿勢表示体を手術器具1に設けてもよい。
【0047】
本実施形態では、係止部材115を、連結部11に対して軸線方向には移動可能であるが、軸線周りには連動するように取り付けることにより、連結部11とインプラント2の連結状態には何ら影響を与えずに、連結部11とアーム部12及び照準部13(回動部)との間の角度位置を変更したり、固定したりすることができる。したがって、インプラント2に対する案内精度を犠牲にすることなしに、案内方位を切り替えることができるという利点がある。なお、本実施形態において、連結部と回動部の間の回動を可能にしたり固定したりする機能を有する回動係止機構は、係止部材115、被係止構造12c、保持部材116、コイルばね117、第2の連結部材112の突起部112fと雄ねじ部112gなどによって構成される。
【0048】
また、本実施形態では、連結部11とアーム部12及び照準部13との間の角度位置を固定するために、係止部材115の係止構造115cとアーム端部12aの被係止構造12cとの間の係脱方向を回動軸線に沿った方向としていることにより、係止構造115cと被係止構造12cの間の係合箇所を、係脱方向を半径方向とする従来技術のように手術器具1の内部に設定する必要がなくなる。したがって、任意の場所に上記回動係止機構の係合箇所を設けることができるため、構造の簡易化、係脱状態の確認容易性(視認性)の向上、係合箇所の耐久性の向上などを図ることが可能になる。特に、本実施形態のように上記係合箇所が外部から視認可能に構成されたり、外部から係脱操作が可能となったりするように構成されることにより、係脱状態の確認が容易になり、安心して手術を行うことができる。
【0049】
さらに、本実施形態では、係止部材115が軸線周りの回転方向に回動可能に構成されることにより、連結部11(又はインプラント2)と回動部(アーム部12及び照準部13)との回動状態を把握しやすくなるとともに、回動係止機構を簡易かつコンパクトに構成することができる。ここで、係止部材115がリング状若しくはスリーブ状に構成されればなおさらである。特に、係止構造115cが係止部材115の上記外縁部に設けられるとともに、被係止構造12cがアーム端部12aの上記外縁部と対面する端縁部(対面縁部)に設けられることにより、回動状態の把握容易性や機構簡易性をさらに高めることができる。このとき、係止構造115cと被係止構造12cが共に軸線方向に出没する形状の相互に嵌合可能な凹凸構造に構成されることにより、半径(厚み)方向の構造の複雑性を回避できるため、コンパクト化が容易になるとともに、回動係止機構の相互に係止される構造が平面的に形成されるために係止部分がさらに視認しやすくなるため、係脱状態をさらに容易に把握することができる。
【0050】
本実施形態では、係止部材115に対する係止方向付勢手段としてのコイルばね117が設けられることにより、係止部材115が被係止構造12cに対する係止位置に向けて付勢される。このため、保持部材116を係止部材115から離反させて係合状態を解除したときでも、或る程度大きな回動操作力が加わらない限り、係止部材115は係止位置に留まることができる。したがって、連結部11と回動部(アーム部12及び照準部13)の角度位置は固定されないものの、手術者が手を離したときに角度位置を保持することができるように、或いは、回動部の自重により勝手に回動部が下方へ回動してしまうことを防止することができるように、上記コイルばね117の付勢力(ばね力)を設定することができる。このような設定は、手術者の取り扱い性を大幅に改善し、作業の負担を大幅に軽減する。
【0051】
図7は、上記先の実施形態とは異なる実施形態(変形例)を示す図である。ここで、係止部材115′及び保持部材116′の手術器具1′における取付箇所(アーム部12′の中間部位)が変更されている点と、連結部11(第2の連結部材112)と係止部材115′との間に連動機構119を設けた点とが上記先の実施形態とは異なる。このため、この実施形態において上記先の実施形態と同様の関係にある構成には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0052】
上記連動機構119は、第2の連結部材112と同軸に固定された第1プーリー119aと、この第1プーリー119aに係合(噛み合い)する連動ベルト119bと、この連動ベルト119bに対して反対側で係合(噛み合い)する第2プーリー119cと、この第2プーリー119cと同軸に固定された連動軸119dとを有する。軸線119x周りに回転する連動軸119dは、係止部材115′に対して同軸に固定される。この実施形態では、係止部材115′は、回動軸線11xと平行な他の軸線119xを中心としてアーム部12′及び照準部13(回動部)に対して回動可能に構成される。また、アーム部12′には、係止部材115′の係止構造と対面する被係止構造12c′が上述の取付箇所の変更に対応するアーム部12′の部位に設けられる。
【0053】
この実施形態において、
図7に示すように、保持部材116′により係止部材115′の係止構造115c′が被係止構造12c′と係合した係止位置に保持した状態にすると、連動機構119を介して、連結部
11′(及びこれに連結された図示しないインプラント2)に対してアーム部12′及び照準部13の角度位置が固定された状態となる。すなわち、連結部11(及びインプラント2)に対してアーム部12′及び照準部13を回動軸線11xを中心として回動させようとしても、連動ベルト119bが第1プーリー119a及び第2プーリー
119cとしっかりと係合しているために回動しない。一方、保持部材116′を緩めて、係止部材115′の係止構造115c′を被係止構造12c′から離反可能に構成すると、連結部11及びインプラント2に対してアーム部12′及び照準部13を回動軸線11xを中心として回動させることができるようになる、このとき、その回動量と対応する角度だけ連動ベルト119bを介して連動軸体119dが回転する。したがって、この連動軸体119dに連結された係止部材115′も上記回動量と対応する角度だけ回転する。この状態では、その係止構造115c′が上記回動量に対応する異なる新たな角度位置で被係止構造12c′と係合するので、この状態で保持部材116′を用いて係止部材115′を係止位置に固定することにより、新たな角度位置で手術器具1′の連結部11と回動部(12′,13)とを保持固定することができる。
【0054】
以上のように、本実施形態では、係止部材115,115′が連結部11と回動部12,13の内の一方の部分に対して、軸線方向に移動可能で、軸線周りの回転方向に連動するように構成され、また、その係止構造115c,115c′が他方の部分に設けられた被係止構造12c,12c′に対して軸線方向に沿った係脱方向を有する。これにより、上述の作用効果を奏するだけでなく、
図7の変形例に示すように、連結部11の連結構造とは別の任意の箇所に回動係止機構を設けることができる。
【0055】
また、いずれの実施形態においても、係止部材115,115′及び保持部材116,116′がどの方位からも視認できたりアクセスできたりする円筒状に構成されている点、或いは、アーム12、12′を含む回動部の回動姿勢に拘わらずに、係止部材115や保持部材116の姿勢が変化せず、係止部材115や保持部材116が髄内釘の軸線上に配置される点は、手術中の係止構造の視認性や保持操作の容易性を著しく向上させる。例えば、上記の特許文献2及び3では、いずれも、回転ノブ60や手動スイッチ126がアームの回動とともに回動し、アームの反対側に配置されるので、回動位置によっては、回転ノブ60や手動スイッチ126に対する視認性や操作性が大幅に悪化する。なお、
図7に示す実施形態では、アーム12′上に係止部材115′及び保持部材116′が設けられているため、係止部材115′及び保持部材116′はアーム12′の回動とともに回動する。しかし、これらの係止部材115′及び保持部材116′は、髄内釘の軸線に対して常にアーム12′側(術者の手前側)に配置されるので、視認性や操作性を悪化させる虞はない。
【0056】
図8(a)~(c)には、上記実施形態のインプラント2を大腿骨遠位端に適用した様子を示すとともに、インプラント本体21の基端部に装着することで基端部の長さを延長するための延長用エンドキャップ26とその装着状態を示す。
図8(a)に示すように、インプラント本体21の複数の横断孔21dには、骨ねじ24A,24Cやワッシャ付き骨ボルトナット組立体24Bなどの固定具24が挿通され、上述の調整機構23により保持固定される。調整機構23は、インプラント本体21の軸穴21aにねじ込まれた上記装着具22のねじ込み深さの大小によって、固定具24を固定するロック状態と解放状態とが切替可能に構成される。
【0057】
図8(a)に示すように、インプラント本体21の基端部が大腿骨遠位端の端部位置よりも骨の内部側に配置される場合には、当該遠位端の穿孔部の閉塞によりインプラント2が抜去不能になることを避けるため、若しくはインプラント本体21の基端部が骨内で不用意に動くことを防ぐため等の理由で、延長用エンドキャップ26を装着する。この場合、
図8(b)に示すように、インプラント本体21の基端部を延長しないエンドキャップでもある装着具22に対して延長用エンドキャップ26を接続することにより、インプラント本体21の基端部を延長することができる。
【0058】
図8(c)に示すように、延長用エンドキャップ26は、インプラント本体21の基端部を延長するための当該基端部とほぼ同じ外径を備える本体26aと、この本体26aに対して先端側に突出する突出部26bと、この突出部26bのさらに先端に突出する突起部26cと、本体26aの基端側に形成された工具係合部26eとを備える。ここで、突起部26cの外周には、装着具22の軸穴22aの内面に形成された雌ねじ22bと螺合可能な雄ねじ26dが形成される。また、突出部26bは、装着具22の工具係合部である基端側内面22eに嵌合可能な対応する寸法を備え、雄ねじ26dと雌ねじ22bのねじ結合作業のためのパイロットガイドとして機能する。なお、図示例とは異なるが、突出部26bの外周に雄ねじを形成し、基端側内面22eに雌ねじを形成することで、より軸線方向の広い範囲でねじ結合させることも可能である。このとき、上記雌ねじは、基端側内面22eの六角穴の各平坦面に別々に形成されることにより周方向に分割された態様の複数のねじ溝によって構成できる。
【0059】
本実施形態では、前述のように装着具22が装着された状態のインプラント2から手術器具1を取り外した後に、上記延長用エンドキャップ26を装着具22に取り付ける。この場合、装着具22と延長用エンドキャップ26には、上述のパイロットガイドなどのような、予め装着性を高めるような相互に対応する工夫を施すことができるので、装着具22が予め装着されていることにより、延長用エンドキャップ26を比較的容易に取り付けることができる。ただし、予め装着具22と延長用エンドキャップ26を予め接続することにより或いは一体化することにより装着結合体としておいて、この装着結合体を上述のインプラント2と手術器具1の間に組み込むことができるように構成してもよい。
【0060】
図9は、上記と同じ手術器具1の照準部13に対して上記とは異なる追加照準部136を連結した状態を示す。この追加照準部136の照準部13に対する連結構造そのものは、先の実施形態の追加照準部135と同等に構成できる。ただし、図示例では、
図9(a)及び(b)に示すように、追加照準部135のような連結角度の傾斜はないが、この実施形態でも、連結角度の傾斜がさらに加わった構造としても構わない。インプラント2が
図9(a)の紙面上で基端から先端に向かって湾曲した形状を有するため、先端側の2つの横断孔21eの配列方向は、インプラント2の基端の軸線と異なる方位に向かう。これに対して、追加照準部136においては、照準部13に対する連結角度は傾斜しておらず、照準部13の軸線と追加照準部136の軸線はほぼ一致している。しかし、追加照準部136の先端部がインプラント2の先端の湾曲の向きと同じ向きに傾斜した形状を備え、この先端部に上記横断孔21eに対応した追加ガイド構造が内蔵される。なお、ガイドスリーブ136cs及び136dsは、それぞれ上記横断孔21eに対応するように上記追加ガイド構造のガイド孔136c及び136dに挿通された状態で固定され、図示しない穿孔器具や固定具を案内する。
【0061】
図9(a)に示すように、インプラント2が基端から先端に向けてやや湾曲した形状を有する場合でも、所定の角度位置においては、追加照準部136の追加ガイド構造が先端側の複数の横断孔21eの配列方向に対応するように構成される。すなわち、
図9(a)に示すように、所定の角度位置では、追加照準部136がインプラントの形状に対応するように先端部が傾斜した形状を備えることにより、当該先端部内に設けられた追加ガイド構造が上記配列方向に対応するように設定できる。これにより、インプラント2の基端側の軸線と先端側の軸線が異なる方位を有する場合でも、追加照準部136における追加ガイド構造の構成により先端側の横断孔21eに対応できる。特に、追加照準部136を使用する場合でも、追加照準部136はインプラント2の基端から先端に向かう方向に沿って延在するように照準部13に対して連結されるので、上述のコンパクト性を犠牲にする必要がない。
【0062】
なお、本発明の手術器具及び骨固定システムは、上述の図示例のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では、係止部材115が連結部11に対して軸線方向に移動可能で軸線周りの回転方向に連動するように構成され、その係止構造115cがアーム端部12aに設けられた被係止構造12cに係合可能に構成されている。しかし、これとは逆に、係止部材115が回動部、例えば、アーム端部12aに対して軸線方向に移動可能で軸線周りの回転方向に連動するように構成され、その係止構造115cが連結部11に設けられた被係止構造に係合可能に構成されるように構成してもよい。
【0063】
また、
図1~
図5に示す上記実施形態では、アーム端部12aに対して、連結部11の先端11aの側に係止部材115(或いは回動係止機構)が隣接して配置されているが、これとは逆に、アーム端部12aに対して、連結部11の基端11bの側に係止部材115(或いは回動係止機構)が隣接して配置されるように構成してもよい。これと同様に、
図7に示す実施形態では、係止部材115′(或いは回動係止機構)がアーム部12の図示上側に配置されているが、これとは逆に、係止部材115′(或いは回動係止機構)がアーム部12の図示下側に配置されるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…手術器具、11…連結部、11a…先端(連結端)、11b…基端、11x…回動軸線、111…第1の連結部材、111a…接続端部、111b…頭部、111c…工具係合部、112…第2の連結部材、112a…係合端部、112b…受け部、112c…雄ねじ、112d…凹部、112e…カラー、112f…突起、112g…雄ねじ部、112h…周溝、113…端部ナット、115…係止部材、115a…外周部、115b…内筒部、115c…係止構造、115d…スリット、115e…対応表示、116…保持部材(位置決め手段)、116a…操作外面(操作部)、116b…雌ねじ部、116c…第1拡径部、116d…第2拡径部、116e…規制ピン、117…コイルばね(係止方向付勢手段)、12…アーム部、12a…アーム端部、12b…反対側の端部、12c…被係止構造、12d…係合位置表示、13…照準部、13a~13d…ガイド孔、131…本体、132…着脱部材、135,136…追加照準ユニット、14…操作ハンドル、2…インプラント、21…インプラント本体、21a…軸穴、21b…係合端部、21c…雌ねじ、21d,21e…横断孔、22…装着具、22c…雄ねじ部、23…調整機構、24…固定具