(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】撮像光学系
(51)【国際特許分類】
G02B 13/00 20060101AFI20230308BHJP
G02B 13/18 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
(21)【出願番号】P 2019189734
(22)【出願日】2019-10-16
【審査請求日】2022-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】514282552
【氏名又は名称】池森 敬二
(74)【代理人】
【識別番号】100105393
【氏名又は名称】伏見 直哉
(72)【発明者】
【氏名】池森 敬二
(72)【発明者】
【氏名】張 世遠
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-187565(JP,A)
【文献】特開2018-066978(JP,A)
【文献】特開2018-180024(JP,A)
【文献】特開2014-044354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側に配置された、1枚の
両面が非球面の正のレンズからなるレンズ群A、1から4枚の両面が非球面のレンズからなり軸外収差を補正するように構成されたレンズ群C及び1枚の両面が非球面のレンズからなるレンズ群Bを備え、開口絞りを該レンズ群Aのレンズの物体側の面近傍に備えた撮像光学系であって、該レンズ群Cの少なくとも1枚のレンズの両面は近軸で平面であり、該レンズ群Aのレンズの焦点距離をfa、該レンズ群Bのレンズの焦点距離をfb、該レンズ群Cのレンズの焦点距離をfci(iは1から4までの整数)、全体の焦点距離をfとして、
【数1】
【数2】
【数3】
を満たす撮像光学系。
【請求項2】
【数4】
をさらに満たす請求項1に記載の撮像光学系。
【請求項3】
【数5】
をさらに満たす請求項1または2に記載の撮像光学系。
【請求項4】
最大画角の1/2をHFOVとして、
【数6】
を満たす請求項1または2に記載の撮像光学系。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は収差を抑えた撮像光学系に関する。
【背景技術】
【0002】
球面レンズを使用する撮像光学系では各レンズのパワーを強くすることによって高次収差を発生させ収差を低減することが多い。非球面レンズを使用する従来の撮像光学系においても球面レンズを使用する場合と同様に強いパワーのレンズが多く使用されていた。
【0003】
強いパワーのレンズを使用する場合には、通常感度が高いため高い組立精度が要求されるなど撮像光学系の製造が相対的に困難となる。このように製造上の観点からは弱いパワーのレンズを使用するのが好ましい。また、中心肉厚を薄くできるのでレンズ系全体の小型化が可能となる。
【0004】
しかし、相対的に弱いパワーの非球面レンズを使用して十分に収差を低減することのできる撮像光学系は従来開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】JP6256946B
【文献】JP6257080B
【文献】JP6274942B
【文献】JP6355236B
【文献】JP6351171B
【文献】JP5403711B
【文献】JP6410865B
【文献】JP2018-180024A
【文献】JP6534162B
【文献】JP2019-86526A
【文献】US10330894B
【文献】JP6566492B
【文献】US10310229B
【0006】
【文献】テレビジョン学会誌、Vol.42, No.9 (1988),p.938-944,非球面レンズ技術
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、相対的に弱いパワーの非球面レンズを使用して十分に収差を低減することのできる撮像光学系に対するニーズがある。本発明の課題は、相対的に弱いパワーの非球面レンズを使用して十分に収差を低減することのできる撮像光学系を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様による撮像光学系は、物体側から像側に配置された、1枚の少なくとも物体側の面が非球面の正のレンズからなるレンズ群A、1から4枚の両面が非球面のレンズからなり軸外収差を補正するように構成されたレンズ群C及び1枚の両面が非球面のレンズからなるレンズ群Bを備え、開口絞りを該レンズ群Aのレンズの物体側の面近傍に備えた撮像光学系であって、該レンズ群Cの少なくとも1枚のレンズの両面は近軸で平面であり、該レンズ群Aのレンズの焦点距離をfa、該レンズ群Bのレンズの焦点距離をfb、該レンズ群Cのレンズの焦点距離をfci(iは1から4までの整数)、全体の焦点距離をfとして、
【数1】
【数2】
【数3】
を満たす。
【0009】
本態様によれば、レンズ群Cのレンズの光軸付近のパワーを弱くすることにより、レンズ群A及びレンズ群Bの中心部の機能と、レンズ群Cの軸外収差を補正する機能とを分離し、レンズ群Cのレンズの周辺部のパワーによって軸外収差を効率的に補正することができる。また、レンズ群Cのパワーを弱くするとレンズ群Bのパワーも弱くすることができる。このように、本態様の撮像光学系によれば、相対的に弱いパワーの非球面レンズを使用して十分に収差を低減することができる。
【0010】
本発明の第1の態様の第1の実施形態の撮像光学系は、
【数4】
をさらに満たす。
【0011】
本発明の第1の態様の第2の実施形態の撮像光学系は、
【数5】
をさらに満たす。
【0012】
本発明の第1の態様の第3の実施形態の撮像光学系は、最大画角の1/2をHFOVとして、
【数6】
を満たす。
【0013】
本発明の第2の態様による撮像光学系は、物体側から像側に配置された、1枚の少なくとも物体側の面が非球面の正のレンズ及び1枚の少なくとも一つの面が非球面の負のレンズからなり、全体で正の屈折力を有するレンズ群A、1から3枚の両面が非球面のレンズからなり軸外収差を補正するように構成されたレンズ群C及び1枚の両面が非球面のレンズからなるレンズ群Bを備え、開口絞りを該レンズ群Aの物体側のレンズの物体側の面近傍に備えた撮像光学系であって、該レンズ群Cの少なくとも1枚のレンズの両面は近軸で平面であり、該レンズ群Aの各レンズの焦点距離をfai(iは1及び2)、該レンズ群Bのレンズの焦点距離をfb、該レンズ群Cの各レンズの焦点距離をfci(iは1から3までの整数)、全体の焦点距離をf、該レンズ群Aの正のレンズのアッベ数をVa1、該レンズ群Aの負のレンズのアッベ数をVa2、該レンズ群Aの正のレンズと負のレンズとの間隔をdAとして、
【数7】
【数8】
【数9】
【数10】
【数11】
を満たす。
【0014】
本態様によれば、レンズ群Cのレンズの光軸付近のパワーを弱くすることにより、レンズ群A及びレンズ群Bの中心部の機能と、レンズ群Cの軸外収差を補正する機能とを分離し、レンズ群Cのレンズの周辺部のパワーによって軸外収差を効率的に補正することができる。また、レンズ群Cのパワーを弱くするとレンズ群Bのパワーも弱くすることができる。さらに、レンズ群Aをアッベ数の異なる正のレンズと負のレンズで構成することにより、軸上色収差を厳密に補正することができる。このように、本態様の撮像光学系によれば、相対的に弱いパワーの非球面レンズを使用して十分に収差を低減することができる。
【0015】
本発明の第2の態様の第1の実施形態の撮像光学系は、
【数12】
をさらに満たす。
【0016】
本発明の第2の態様の第2の実施形態の撮像光学系は、
【数13】
をさらに満たす。
【0017】
本発明の第2の態様の第3の実施形態の撮像光学系は、
【数14】
をさらに満たす。
【0018】
本発明の第2の態様の第4の実施形態の撮像光学系は、最大画角の1/2をHFOVとして、
【数15】
を満たす。
【0019】
本発明の第2の態様の第5の実施形態の撮像光学系は、各レンズの両面が非球面である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施例1の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図3】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図4】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図5】実施例2の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図7】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図8】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図9】実施例3の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図11】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図12】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図13】実施例4の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図15】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図16】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図17】実施例5の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図19】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図20】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図21】実施例6の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図23】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図24】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図25】実施例7の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図27】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図28】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図29】実施例8の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図31】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図32】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図33】実施例9の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図35】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図36】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図37】実施例10の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図39】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図40】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図41】実施例11の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図43】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図44】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図45】実施例12の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図47】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図48】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図49】参考例1の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図51】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図52】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図53】参考例2の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図55】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図56】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【
図57】参考例3の撮像光学系の概略構成を示す図である。
【
図59】587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
【
図60】587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態の撮像光学系は、物体側から像側に配置された、1枚または2枚のレンズからなるレンズ群A、1から4枚のレンズからなり軸外収差を補正するように構成されたレンズ群C及び1枚のレンズからなるレンズ群Bを備える。開口絞りはレンズ群Aの最も物体側のレンズの物体側の面近傍にある。各レンズの各面は非球面であり、レンズ群Cの少なくとも1枚のレンズの両面は近軸で平面である。
【0022】
レンズ群A及びレンズ群Bによって焦点距離及びバックフォーカスを定める。したがって、レンズ群Bのパワーは正、負、及びゼロのいずれの場合もある。
【0023】
球面収差はレンズ群Aの非球面を有する1枚の正のレンズで補正することができる。軸上色収差を厳密に補正するにはレンズ群Aをアッベ数の異なる正のレンズと負のレンズで構成すればよい。ここで正のレンズとは近軸で正の焦点距離を有するレンズを意味し、負のレンズとは近軸で負の焦点距離を有するレンズを意味する。
【0024】
非点収差、歪曲などの軸外収差はレンズ群Cによって補正する。レンズ群Cは、両面が近軸で平面であり、非球面で周辺部にパワーを持ったレンズを含む。ここで、パワーとは焦点距離の逆数である。レンズ群Cのレンズの光軸付近のパワーは弱い方がよい。光軸付近のパワーが強いと、焦点距離、バックフォーカス及び軸上収差への影響が大きくなる。レンズ群Cのレンズの光軸付近のパワーを弱くすることにより、レンズ群A及びレンズ群Bの中心部の機能と、レンズ群Cの軸外収差を補正する機能とを分離することができる。レンズ群Cのレンズの周辺部のパワーによって軸外収差を効率的に補正することができる。
【0025】
レンズ群Cのパワーを弱くするとレンズ群Bのパワーも弱くすることができる。レンズ群Bの1枚のレンズの周辺部のパワーを強くして軸外収差をさらに補正することができる。このときレンズ群Bのレンズの周辺部では軸外収差の補正に寄与しているが、レンズ群Bだけでは、低い軸外像高から高い軸外像高までの収差を均等に補正するのは、困難である。たとえば、レンズ群Aとレンズ群Bだけの構成で軸外収差が高度に補正された例は見ない。そのため、低い軸外像高から高い軸外像高までの軸外収差を均等に補正するには、レンズ群Cが必要である。
【0026】
本発明の実施例を以下に説明する。実施例の各レンズの各面は以下の式で表せる。
【数16】
zは各面と光軸との交点を基準とする光軸方向の座標を表す。像側が正である。hは光軸からの距離を表す。Rは曲率半径、kはコーニック定数を表す。A
4-A
14は非球面係数を表す。本明細書において別途説明がない場合に長さの単位はミリメータである。
【0027】
実施例1
図1は実施例1の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された4枚のレンズ、物体側凸の正のメニスカスレンズ101、像側凸の負のメニスカスレンズ103、両面が近軸で平面である非球面レンズ105、物体側凸の負のメニスカスレンズレンズ107及び赤外線カットフィルタ109を含む。上記の4枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には2から11の数字が付されている。レンズ101の物体側の面近傍に備わる開口絞りは1で示される。像面は12で示される。
【0028】
本実施例においてレンズ群Aはレンズ101及びレンズ103からなり、レンズ群Cはレンズ105からなり、レンズ群Bはレンズ107からなる。
【0029】
表1は実施例1の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 2.57、エフナンバーFnoはFno = 2.2、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 35(度)である。表1において4枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐4として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。開口絞りの「-0.173」は、開口絞りがレンズ101の物体側の面の頂点から像側に存在し、上記の頂点から開口絞りまでの光軸方向の距離が0.173であることを意味する。
【0030】
表1及び以下の表において「Plano」は平面を意味し「Infinity」は曲率半径または距離が無限大であることを意味する。また、曲率半径が無限大は、平面を意味する。
【表1】
【0031】
表2はレンズ101、レンズ103、レンズ105及びレンズ107の面2‐9の非球面係数を表す表である。
【表2】
【0032】
図2は球面収差を示す図である。
図2の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図2の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図2において実線は587.5618ナノメータの波長の光線(d線)、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線(F線)、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線(C線)を示す。
【0033】
図3は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図3の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図3の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図3の実線はサジタル平面の場合を示し、
図3の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0034】
図4は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図4の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図4の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0035】
実施例2
図5は実施例2の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された5枚のレンズ、物体側凸の正のメニスカスレンズ201、負の両凹レンズ203、両面が近軸で平面である非球面レンズ205、両面が近軸で平面である非球面レンズ207、物体側凸の負のメニスカスレンズ209及び赤外線カットフィルタ211を含む。上記の5枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には2から13の数字が付されている。レンズ201の物体の面近傍に備わる開口絞りは1で示される。像面は14で示される。
【0036】
本実施例においてレンズ群Aはレンズ201及びレンズ203からなり、レンズ群Cはレンズ205及びレンズ207からなり、レンズ群Bはレンズ209からなる。
【0037】
表3は実施例2の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 3.45、エフナンバーFnoはFno = 2.2、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 40(度)である。表3において5枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐5として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。開口絞りの「-0.167」は、開口絞りがレンズ201の物体側の面の頂点から像側に存在し、上記の頂点から開口絞りまでの光軸方向の距離が0.167であることを意味する。
【表3】
【0038】
表4はレンズ201、レンズ203、レンズ205、レンズ207及びレンズ209の面2‐11の非球面係数を表す表である。
【表4】
【0039】
図6は球面収差を示す図である。
図6の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図6の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図6において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0040】
図7は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図7の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図7の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図7の実線はサジタル平面の場合を示し、
図7の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0041】
図8は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図8の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図8の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0042】
実施例3
図9は実施例3の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された5枚のレンズ、物体側凸の正のメニスカスレンズ301、負の両凹レンズ303、像側凸の正のメニスカスレンズ305、両面が近軸で平面である非球面レンズ307、物体側凸の負のメニスカスレンズ309及び赤外線カットフィルタ311を含む。上記の5枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には2から13の数字が付されている。レンズ301の物体側の面近傍に備わる開口絞りは1で示される。像面は14で示される。
【0043】
本実施例においてレンズ群Aはレンズ301及びレンズ303からなり、レンズ群Cはレンズ305及びレンズ307からなり、レンズ群Bはレンズ309からなる。
【0044】
表5は実施例3の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 3.45、エフナンバーFnoはFno = 2.2、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 40(度)である。表5において5枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐5として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。開口絞りの「-0.155」は、開口絞りがレンズ301の物体側の面の頂点から像側に存在し、上記の頂点から開口絞りまでの光軸方向の距離が0.155であることを意味する。
【表5】
【0045】
表6はレンズ301、レンズ303、レンズ305、レンズ307及びレンズ309の面2‐11の非球面係数を表す表である。
【表6】
【0046】
図10は球面収差を示す図である。
図10の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図10の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図10において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0047】
図11は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図11の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図11の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図11の実線はサジタル平面の場合を示し、
図11の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0048】
図12は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図12の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図12の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0049】
実施例4
図13は実施例4の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された6枚のレンズ、物体側凸の正のメニスカスレンズ401、物体側凸の負のメニスカスレンズ403、両面が近軸で平面である非球面レンズ405、両面が近軸で平面である非球面レンズ407、両面が近軸で平面である非球面レンズ409、物体側凸の負のメニスカスレンズ411及び赤外線カットフィルタ413を含む。上記の6枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には2から15の数字が付されている。レンズ401の物体側の面近傍に備わる開口絞りは1で示される。像面は16で示される。
【0050】
本実施例においてレンズ群Aはレンズ401及びレンズ403からなり、レンズ群Cはレンズ405、407及びレンズ409からなり、レンズ群Bはレンズ411からなる。
【0051】
表7は実施例4の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 3.87、エフナンバーFnoはFno = 2.0、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 40(度)である。表7において6枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐6として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。開口絞りの「-0.251」は、開口絞りがレンズ401の物体側の面の頂点から像側に存在し、上記の頂点から開口絞りまでの光軸方向の距離が0.251であることを意味する。
【表7】
【0052】
表8はレンズ401、レンズ403、レンズ405、レンズ407、レンズ409及びレンズ411の面2‐13の非球面係数を表す表である。
【表8】
【0053】
図14は球面収差を示す図である。
図14の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図14の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図14において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0054】
図15は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図15の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図15の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図15の実線はサジタル平面の場合を示し、
図15の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0055】
図16は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図16の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図16の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0056】
実施例5
図17は実施例5の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された6枚のレンズ、物体側凸の正のメニスカスレンズ501、負の両凹レンズ503、像側凸の負のメニスカスレンズ505、両面が近軸で平面である非球面レンズ507、両面が近軸で平面である非球面レンズ509、物体側凸の負のメニスカスレンズ511及び赤外線カットフィルタ513を含む。上記の6枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には2から15の数字が付されている。レンズ501の物体側の面近傍に備わる開口絞りは1で示される。像面は16で示される。
【0057】
本実施例においてレンズ群Aはレンズ501及びレンズ503からなり、レンズ群Cはレンズ505、507及びレンズ509からなり、レンズ群Bはレンズ511からなる。
【0058】
表9は実施例5の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 3.86、エフナンバーFnoはFno = 2.0、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 40(度)である。表9において6枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐6として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。開口絞りの「-0.315」は、開口絞りがレンズ501の物体側の面の頂点から像側に存在し、上記の頂点から開口絞りまでの光軸方向の距離が0.315であることを意味する。
【表9】
【0059】
表10はレンズ501、レンズ503、レンズ505、レンズ507、レンズ509及びレンズ511の面2‐13の非球面係数を表す表である。
【表10】
【0060】
図18は球面収差を示す図である。
図18の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図18の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図18において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0061】
図19は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図19の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図19の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図19の実線はサジタル平面の場合を示し、
図19の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0062】
図20は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図20の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図20の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0063】
実施例6
図21は実施例6の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された6枚のレンズ、物体側凸の正のメニスカスレンズ601、負の両凹レンズ603、像側凸の負のメニスカスレンズ605、像側凸の正のメニスカスレンズ607、両面が近軸で平面である非球面レンズ609、物体側凸の負のメニスカスレンズ611及び赤外線カットフィルタ613を含む。上記の6枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には2から15の数字が付されている。レンズ601の物体側の面近傍に備わる開口絞りは1で示される。像面は16で示される。
【0064】
本実施例においてレンズ群Aはレンズ601及びレンズ603からなり、レンズ群Cはレンズ605、レンズ607及びレンズ609からなり、レンズ群Bはレンズ611からなる。
【0065】
表11は実施例6の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 3.86、エフナンバーFnoはFno = 2.0、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 40(度)である。表11において6枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐6として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。開口絞りの「-0.232」は、開口絞りがレンズ601の物体側の面の頂点から像側に存在し、上記の頂点から開口絞りまでの光軸方向の距離が0. 232であることを意味する。
【表11】
【0066】
表12はレンズ601、レンズ603、レンズ605、レンズ607、レンズ609及びレンズ611の面2‐13の非球面係数を表す表である。
【表12】
【0067】
図22は球面収差を示す図である。
図22の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図22の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図22において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0068】
図23は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図23の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図23の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図23の実線はサジタル平面の場合を示し、
図23の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0069】
図24は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図24の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図24の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0070】
実施例7
図25は実施例7の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された3枚のレンズ、物体側凸の正のメニスカスレンズ701、両面が近軸で平面である非球面レンズ703、物体側凸の正のメニスカスレンズ705及び赤外線カットフィルタ707を含む。上記の3枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には2から9の数字が付されている。レンズ701の物体側の面近傍に備わる開口絞りは1で示される。像面は10で示される。
【0071】
本実施例においてレンズ群Aはレンズ7012からなり、レンズ群Cはレンズ703からなり、レンズ群Bはレンズ705からなる。
【0072】
表13は実施例7の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 2.06、エフナンバーFnoはFno = 2.4、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 35(度)である。表13において3枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐3として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。開口絞りの「-0.109」は、開口絞りがレンズ701の物体側の面の頂点から像側に存在し、上記の頂点から開口絞りまでの光軸方向の距離が0.109であることを意味する。
【表13】
【0073】
表14はレンズ701、レンズ703及びレンズ705の面2‐7の非球面係数を表す表である。
【表14】
【0074】
図26は球面収差を示す図である。
図26の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図26の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図26において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0075】
図27は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図27の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図27の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図27の実線はサジタル平面の場合を示し、
図27の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0076】
図28は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図28の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図28の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0077】
実施例8
図29は実施例8の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された4枚のレンズ、物体側凸の正のメニスカスレンズ801、両面が近軸で平面である非球面レンズ803、両面が近軸で平面である非球面レンズ805、物体側凸の負のメニスカスレンズ807及び赤外線カットフィルタ809を含む。上記の4枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には2から11の数字が付されている。レンズ801の物体側の面近傍に備わる開口絞りは1で示される。像面は12で示される。
【0078】
本実施例においてレンズ群Aはレンズ801からなり、レンズ群Cはレンズ803及びレンズ805からなり、レンズ群Bはレンズ807からなる。
【0079】
表15は実施例8の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 2.58、エフナンバーFnoはFno = 2.2、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 35(度)である。表15において4枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐4として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。開口絞りの「-0.181」は、開口絞りがレンズ801の物体側の面の頂点から像側に存在し、上記の頂点から開口絞りまでの光軸方向の距離が0.181であることを意味する。
【表15】
【0080】
表16はレンズ801、レンズ803、レンズ805及びレンズ807の面2‐9の非球面係数を表す表である。
【表16】
【0081】
図30は球面収差を示す図である。
図30の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図30の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図30において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0082】
図31は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図31の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図31の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図31の実線はサジタル平面の場合を示し、
図31の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0083】
図32は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図32の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図32の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0084】
実施例9
図33は実施例9の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された4枚のレンズ、物体側凸の正のメニスカスレンズ901、両面が近軸で平面である非球面レンズ903、像側凸の正のメニスカスレンズ905、物体側凸の負のメニスカスレンズ907及び赤外線カットフィルタ909を含む。上記の4枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には2から11の数字が付されている。レンズ901の物体側の面近傍に備わる開口絞りは1で示される。像面は12で示される。
【0085】
本実施例においてレンズ群Aはレンズ901からなり、レンズ群Cはレンズ903及びレンズ905からなり、レンズ群Bはレンズ907からなる。
【0086】
表17は実施例9の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 2.30、エフナンバーFnoはFno = 2.2、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 38(度)である。表17において4枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐4として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。開口絞りの「-0.118」は、開口絞りがレンズ901の物体側の面の頂点から像側に存在し、上記の頂点から開口絞りまでの光軸方向の距離が0.118であることを意味する。
【表17】
【0087】
表18はレンズ901、レンズ903、レンズ905及びレンズ907の面2‐9の非球面係数を表す表である。
【表18】
【0088】
図34は球面収差を示す図である。
図34の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図34の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図34において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0089】
図35は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図35の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図35の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図35の実線はサジタル平面の場合を示し、
図35の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0090】
図36は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図36の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図36の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0091】
実施例10
図37は実施例10の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された6枚のレンズ、物体側凸の正のメニスカスレンズ1001、両面が近軸で平面である非球面レンズ1003、両面が近軸で平面である非球面レンズ1005、両面が近軸で平面である非球面レンズ1007、両面が近軸で平面である非球面レンズ1009、物体側凸の正のメニスカスレンズ1011及び赤外線カットフィルタ1013を含む。上記の6枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には2から15の数字が付されている。レンズ1001の物体側の面近傍に備わる開口絞りは1で示される。像面は16で示される。
【0092】
本実施例においてレンズ群Aはレンズ1001からなり、レンズ群Cはレンズ1003、レンズ1005、レンズ1007及びレンズ1009からなり、レンズ群Bはレンズ1011からなる。
【0093】
表19は実施例10の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 3.85、エフナンバーFnoはFno = 2.0、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 40(度)である。表19において6枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐6として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。開口絞りの「-0.113」は、開口絞りがレンズ1001の物体側の面の頂点から像側に存在し、上記の頂点から開口絞りまでの光軸方向の距離が0.113であることを意味する。
【表19】
【0094】
表20はレンズ1001、レンズ1003、レンズ1005、レンズ1007、レンズ1009及びレンズ1011の面2‐13の非球面係数を表す表である。
【表20】
【0095】
図38は球面収差を示す図である。
図38の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図38の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図38において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0096】
図39は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図39の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図39の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図39の実線はサジタル平面の場合を示し、
図39の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0097】
図40は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図40の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図40の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0098】
実施例11
図41は実施例11の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された5枚のレンズ、物体側凸の正のメニスカスレンズ1101、両面が近軸で平面である非球面レンズ1103、両面が近軸で平面である非球面レンズ1105、両面が近軸で平面である非球面レンズ1107、物体側凸の負のメニスカスレンズ1109及び赤外線カットフィルタ1111を含む。上記の5枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には2から13の数字が付されている。レンズ1101の物体側の面近傍に備わる開口絞りは1で示される。像面は14で示される。
【0099】
本実施例においてレンズ群Aはレンズ1101からなり、レンズ群Cはレンズ1103、レンズ1105及びレンズ1007からなり、レンズ群Bはレンズ1109からなる。
【0100】
表21は実施例11の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 3.47、エフナンバーFnoはFno = 2.2、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 40(度)である。表21において5枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐5として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。開口絞りの「-0.120」は、開口絞りがレンズ1101の物体側の面の頂点から像側に存在し、上記の頂点から開口絞りまでの光軸方向の距離が0.120であることを意味する。
【表21】
【0101】
表22はレンズ1101、レンズ1103、レンズ1105、レンズ1107及びレンズ1109の面2‐11の非球面係数を表す表である。
【表22】
【0102】
図42は球面収差を示す図である。
図42の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図42の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図42において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0103】
図43は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図43の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図43の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図43の実線はサジタル平面の場合を示し、
図43の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0104】
図44は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図44の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図44の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0105】
実施例12
図45は実施例12の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された5枚のレンズ、物体側凸の正のメニスカスレンズ1201、両面が近軸で平面である非球面レンズ1203、両面が近軸で平面である非球面レンズ1205、像側凸の正のメニスカスレンズ1207、物体側凸の負のメニスカスレンズ1209及び赤外線カットフィルタ1211を含む。上記の5枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には2から13の数字が付されている。レンズ1201の物体側の面近傍に備わる開口絞りは1で示される。像面は14で示される。
【0106】
本実施例においてレンズ群Aはレンズ物体側凸の正のメニスカスレンズ1201からなり、レンズ群Cはレンズ1203、レンズ1205及びレンズ1207からなり、レンズ群Bはレンズ1209からなる。
【0107】
表23は実施例12の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 3.48、エフナンバーFnoはFno = 2.2、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 40(度)である。表23において5枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐5として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。開口絞りの「-0.136」は、開口絞りがレンズ1201の物体側の面の頂点から像側に存在し、上記の頂点から開口絞りまでの光軸方向の距離が0.136であることを意味する。
【表23】
【0108】
表24はレンズ1201、レンズ1203、レンズ1205、レンズ1207及びレンズ1209の面2‐11の非球面係数を表す表である。
【表24】
【0109】
図46は球面収差を示す図である。
図46の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図46の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図46において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0110】
図47は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図47の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図47の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図47の実線はサジタル平面の場合を示し、
図47の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0111】
図48は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図48の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図48の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0112】
参考例1
図49は参考例1の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された3枚のレンズ、物体側凸の負のメニスカスレンズ1301、正の両凸レンズ1303、両面が近軸で平面である非球面レンズ1305及び赤外線カットフィルタ1307を含む。上記の3枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には1,2及び4から9の数字が付されている。レンズ1301及びレンズ1303の間に備わる開口絞りは3で示される。像面は10で示される。
【0113】
表25は参考例1の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 0.87、エフナンバーFnoはFno = 2.8、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 65(度)である。表25において3枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐3として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。
【表25】
【0114】
表26はレンズ1301、レンズ1303及びレンズ1305の面1,2及び4-7の非球面係数を表す表である。
【表26】
【0115】
図50は球面収差を示す図である。
図50の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図50の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図50において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0116】
図51は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図51の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図51の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図51の実線はサジタル平面の場合を示し、
図51の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0117】
図52は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図52の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図52の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0118】
参考例2
図53参考例2の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された3枚のレンズ、物体側凸の負のメニスカスレンズ1401、両面が近軸で平面である非球面レンズ1403、正の両凸レンズ1405及び赤外線カットフィルタ1407を含む。上記の3枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には1,2及び4から9の数字が付されている。レンズ1401及びレンズ1403の間に備わる開口絞りは3で示される。像面は10で示される。
【0119】
表27は参考例2の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 1.07、エフナンバーFnoはFno = 2.8、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 65(度)である。表27において3枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐3として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。
【表27】
【0120】
表28はレンズ1401、レンズ1403及びレンズ1405の面1,2及び4-7の非球面係数を表す表である。
【表28】
【0121】
図54は球面収差を示す図である。
図54の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図54の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図54において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0122】
図55は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図55の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図55の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図55の実線はサジタル平面の場合を示し、
図55の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0123】
図56は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図56の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図56の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0124】
参考例3
図57は参考例3の撮像光学系の概略構成を示す図である。撮像光学系は物体側から像側に配置された3枚のレンズ、両面が近軸で平面である非球面レンズ1501、物体側凸の正のメニスカスレンズ1503、両凹レンズ1505及び赤外線カットフィルタ1507を含む。上記の3枚のレンズ及びフィルタの物体側及び像側の面には1,2及び4から9の数字が付されている。レンズ1501及びレンズ1503の間に備わる開口絞りは3で示される。像面は10で示される。
【0125】
表29は参考例3の撮像光学系の光学配置(数値、材料)及び焦点距離を示す表である。撮像光学系全体の焦点距離fはf = 2.08、エフナンバーFnoはFno = 2.4、最大画角の1/2を表すHFOVはHFOV = 35(度)である。表29において3枚のレンズは物体側から順にレンズ1‐3として示される。「厚または間隔」は光学素子の厚さ、または光学素子及び像面の間の間隔を示す。
【表29】
【0126】
表30はレンズ1501、レンズ1503及びレンズ1505の面1,2及び4-7の非球面係数を表す表である。
【表30】
【0127】
図58は球面収差を示す図である。
図58の横軸は撮像光学系に入射した光軸に平行な光線が光軸と交わる位置を示す。
図58の縦軸は上記の光線の、開口絞りの半径で規格化した光軸からの距離を示す。すなわち、縦軸の1は開口絞りの半径を表す。
図58において実線は587.5618ナノメータの波長の光線、一点鎖線は486.1327ナノメータの波長の光線、二点鎖線は656.2725ナノメータの波長の光線を示す。
【0128】
図59は587.5618ナノメータの波長の光線の非点収差を示す図である。
図59の横軸は焦点の光軸方向の位置を示す。
図59の縦軸は上記の焦点の光軸からの距離を示す。
図59の実線はサジタル平面の場合を示し、
図59の破線はタンジェンシャル平面の場合を示す。
【0129】
図60は587.5618ナノメータの波長の光線の歪曲を示す図である。
図60の横軸は歪曲をパーセントで示す。
図60の縦軸は像面における光軸からの距離を示す。
【0130】
実施例の特徴
表31及び表32は実施例1‐12の特徴をまとめた表である。
【表31】
【0131】
表31において、Pは正のレンズを指し、Nは負のレンズを指し、NAは両面が近軸で平面のレンズを指す。f
1,2はレンズ群Aの2枚のレンズの合成焦点距離を示す。表35の第3-5列はそれぞれレンズ群Cの各レンズの屈折力の和、レンズ群Aの各レンズの屈折力の和及びレンズ群Bのレンズの屈折力を示すデータであり、後に示す式(1)及び(2)の項に対応する。表31の第6列はレンズ群A、レンズ群B及びレンズ群Cの各レンズの屈折力の和を示すデータであり、後に示す式(3)の項に対応する。表31の第8列はレンズ群Aの正のレンズと負のレンズとの間隔dAと全体の焦点距離fとの比であり、後に示す式(5)の項に対応する。
【表32】
【0132】
表32においてHFOVは最大画角の1/2を示す。像高をhとすると以下の関係が成立する。
【数17】
【0133】
実施例1‐6は、物体側から像側に配置された、1枚の正のレンズ及び1枚の負のレンズからなり、全体で正の屈折力を有するレンズ群A、1から3枚のレンズからなり軸外収差を補正するように構成されたレンズ群C及び1枚のレンズからなるレンズ群Bを備え、開口絞りをレンズ群Aの物体側のレンズの物体側の面近傍に備えた撮像光学系である。実施例1のレンズ群Cは1枚のレンズからなる。実施例2‐3のレンズ群Cは2枚のレンズからなる。実施例4‐6のレンズ群Cは3枚のレンズからなる。実施例1-6のレンズ群Cの少なくとも1枚のレンズの両面は近軸で平面である。実施例1-6の各レンズの両面は非球面である。
【0134】
レンズ群Aの各レンズの焦点距離をfai(iは1及び2)、レンズ群Bのレンズの焦点距離をfb、該レンズ群Cの各レンズの焦点距離をfci(iは1から3までの整数)、全体の焦点距離をf、該レンズ群Aの正のレンズのアッベ数をVa1、該レンズ群Aの負のレンズのアッベ数をVa2、該レンズ群Aの正のレンズと負のレンズとの間隔をdAとして、実施例1‐6は、
【数18】
【数19】
【数20】
【数21】
【数22】
を満たす。また、レンズ群Aの2枚のレンズの合成焦点距離は正であり、レンズ群Aは全体で正の屈折力を有する。
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
実施例1-6は、最大画角の1/2をHFOVとして、
【数26】
を満たす。
【0139】
実施例7-12は、物体側から像側に配置された、1枚の正のレンズからなるレンズ群A、1から4枚のレンズからなり軸外収差を補正するように構成されたレンズ群C及び1枚のレンズからなるレンズ群Bを備え、開口絞りをレンズ群Aのレンズの物体側の面近傍に備えた撮像光学系である。実施例7のレンズ群Cは1枚のレンズからなる。実施例8‐9のレンズ群Cは2枚のレンズからなる。実施例10のレンズ群Cは4枚のレンズからなる。実施例11‐12のレンズ群Cは3枚のレンズからなる。実施例7-12のレンズ群Cの少なくとも1枚のレンズの両面は近軸で平面である。実施例7-12の各レンズの両面は非球面である。
【0140】
レンズ群Aのレンズの焦点距離をfa、レンズ群Bのレンズの焦点距離をfb、レンズ群Cのレンズの焦点距離をfci(iは1から4までの整数)、全体の焦点距離をfとして、実施例7-12は、
【数27】
【数28】
【数29】
を満たす。
【0141】
【0142】
【0143】
実施例7-12は、最大画角の1/2をHFOVとして、
【数32】
を満たす。
【0144】
特許文献1‐12に記載された撮像光学系は式(1)を満たさず、式(3)または式(3)’’も満たさない。特許文献13に記載された撮像光学系はレンズ群Aの構成が異なり、式(3)または式(3)’’を満たさない。
【0145】
実施例1‐12のF線からC線の波長の光線の球面収差曲線の位置の光軸方向の範囲は全体の焦点距離の5%以下であり、ほとんどの実施例で2%以下である。
【0146】
実施例1‐12の非点収差の収差図におけるタンジェンシャル面及びサジタル面の曲線の位置の光軸方向の範囲は全体の焦点距離の5%以下であり、ほとんどの実施例で2%以下である。
【0147】
実施例1‐12の歪曲は0-2%の範囲であり、ほとんどの実施例で0‐1%の範囲である。
【0148】
このように軸外収差は主にレンズ群Cによって十分に低減されている。
【0149】
参考例の特徴
表33は参考例の特徴をまとめた表である。
【表33】
【0150】
表33において、Pは正のレンズを指し、Nは負のレンズを指し、NAは両面が近軸で平面のレンズを指す。表の第3列は後に示すレンズの焦点距離に関する式の値を示す。fは全体の焦点距離を示し、HFOVは最大画角の1/2を示す。
【0151】
参考例1の3枚のレンズは物体側から負のレンズ、正のレンズ及び両面が近軸で平面のレンズである。参考例2の3枚のレンズは物体側から負のレンズ、両面が近軸で平面のレンズ及び正のレンズである。参考例1及び2の撮像光学系は広角用である。
【0152】
参考例3の3枚のレンズは物体側から両面が近軸で平面のレンズ、正のレンズ及び負のレンズである。
【0153】
参考例の撮像光学系のレンズは3枚であり、各レンズの両面は非球面である。3枚のレンズのうちの1枚は軸外収差を補正するように構成された両面が近軸で平面のレンズである。他の2枚のレンズの少なくとも1枚は正のレンズであり、該2枚のレンズで焦点距離及びバックフォーカスを決定する。開口絞りは最も物体側のレンズと最も物体側のレンズに隣接するレンズとの間に存在する。最も物体側のレンズは負のレンズまたは両面が近軸で平面のレンズである。
【0154】
両面が近軸で平面のレンズは、開口絞りと離れているため、軸外収差の補正に好ましい。
【0155】
物体側から1,2及び3番目のレンズの焦点距離をそれぞれf1、f2及びf3とし、全体の焦点距離をfで表すと参考例1-3は以下の式を満たす。
【数33】
【数34】
【0156】
開口絞りの物体側にレンズが存在する場合、レンズ枚数が少ないと、軸外収差の補正で非点収差と歪曲が異なる符号の方向に補正されるので、マイナス側へ歪曲フリーの仕様に適する。また、軸上収差の球面収差の補正は、開口絞りの物体側前方と後方の両方のレンズで補正することになり、素直な補正が困難になりやすいので、エフナンバーFnoは比較的大きい。参考例1及び2のエフナンバーFnoは2.8、参考例3のエフナンバーFnoは2.4である。