(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】CRISPRに基づくライブラリー調製およびシークエンシングのための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6869 20180101AFI20230308BHJP
C12Q 1/686 20180101ALI20230308BHJP
C12Q 1/6806 20180101ALI20230308BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20230308BHJP
【FI】
C12Q1/6869 Z
C12Q1/686 Z
C12Q1/6806 Z
C12N15/09 100
C12N15/09 110
(21)【出願番号】P 2019516206
(86)(22)【出願日】2017-09-27
(86)【国際出願番号】 US2017053822
(87)【国際公開番号】W WO2018064226
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-09-15
(32)【優先日】2016-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520255687
【氏名又は名称】ソマジェン, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アプテ, ザッカリー
(72)【発明者】
【氏名】リッチマン, ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】アルモナシッド, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】オルティス, ロドリーゴ
(72)【発明者】
【氏名】ゴダード, オードリー
(72)【発明者】
【氏名】バード, サラ
(72)【発明者】
【氏名】モラレス, エドゥアルド
【審査官】上村 直子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/100955(WO,A2)
【文献】特表2016-525355(JP,A)
【文献】国際公開第2016/079731(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2014/0357523(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/68-1/70
C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物配列データセットを、生物学的試料と関係するユーザーの微生物関連状態の指標とする、改善されたマイクロバイオームシークエンシングのための方法であって、以下:・エンドヌクレアーゼ、および前記微生物関連状態と関係する分類群セットに対応する標的セットに対するガイドRNA(gRNA)を含むgRNA複合体を生成することであって、前記標的セットは各々、16S rRNA配列、18S rRNA配列、または内部転写スペーサー(ITS)配列のうちの少なくとも1つを含むことと、
・前記gRNA複合体を用いて前記生物学的試料を処理して、前記標的セットに付随した末端領域セットを含む微生物核酸断片を生成することであって、前記生物学的試料の各々が複数の微生物標的を含むことと、
・前記末端領域セットを、アダプター配列を共有し、前記標的セットの次世代シークエンシングを容易にするように構成されたアダプターセットとライゲーションすることと、
・ライゲーションされた前記末端領域セット、および前記アダプター配列に付随するプライマー配列を共有するプライマーセットに基づいて、前記標的セットを増幅させることと、
・増幅させた前記標的セットに基づいて、前記ユーザーの微生物配列データセットを生成することと、
・前記微生物配列データセットに基づいて、前記微生物関連状態について、前記ユーザーのマイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することとを含み、ここで前記マイクロバイオームに関係する特徴付けが、前記微生物関連状態の状況を改善する際に、マイクロバイオーム組成、
マイクロバイオームの機能的多様性、および
マイクロバイオームの薬理ゲノミクスに基づいて、前記ユーザーの前記マイクロバイオーム組成
を調節できる治療を奨励するために使用され、前記微生物関連状態は、前記微生物に関連する症状、原因、疾患、障害、および/またはマイクロバイオームの薬理ゲノミクスプロファイルであ
り、
前記マイクロバイオームの機能的多様性およびマイクロバイオームの薬理ゲノミクスが、前記微生物配列データセットに由来し、
前記微生物関連状態について、前記マイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することが、前記微生物配列データセットから抽出されるマイクロバイオームフィーチャーの存在、前記マイクロバイオームフィーチャーの不在、前記分類群セットの分類学的群の相対存在量、前記マイクロバイオームフィーチャーのうちのマイクロバイオームの組成フィーチャーの多様性、前記マイクロバイオームフィーチャーのうちのマイクロバイオームの機能フィーチャーの多様性、前記分類群セットと関係する前記マイクロバイオームフィーチャーのうちの少なくとも2つのフィーチャー間の比、前記分類群セット間の相互作用、および前記分類群セット間の系統学的距離のうちの少なくとも1つに基づいて、前記マイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することを含む、方法。
【請求項2】
前記標的セットを増幅させることが、増幅バイアスを低減させるために、前記プライマー配列を共有するプライマーからなる前記プライマーセットに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標的セットを増幅させることが、次世代シークエンシングプラットフォームのブリッジ増幅担体を用いて、前記プライマーセットおよび前記アダプターセットに基づく多重増幅を実施することを含み、前記微生物配列データセットを生成することが、前記次世代シークエンシングプラットフォームと通信するように作動可能なコンピューティングシステムにおいて、前記微生物配列データセットを生成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記gRNA複合体を生成することが、オンターゲット活性を最適化するために、gRNA設計因子セットに基づいて、gRNA配列をランク付けすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記gRNA設計因子が、フォールディングエネルギー因子、ハイブリダイゼーション因子、GC含量因子、ヌクレオチドラン因子、第1の結合エネルギー因子、第2の結合エネルギー因子、およびGCクランプ因子のうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記gRNAが、16S rRNA領域と関係する標的セットに対するものである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記分類群セットが、Alistipes(属)、Barnesiella(属)、Bifidobacterium(属)、Campylobacter(属)、Peptoclostridium(属)、Escherichia-Shigella(属)、Fusobacterium(属)、Lactobacillus(属)、Odoribacter(属)、Prevotella(属)、Pseudoflavonifractor(属)、Roseburia(属)、Ruminococcus(属)、Salmonella(属)、Veillonella(属)、Akkermansia muciniphila(種)、Anaerotruncus colihominis(種)、Bacteroides fragilis(種)、Bacteroides vulgatus(種)、Bifidobacterium longum(種)、Butyrivibrio crossotus(種)、Campylobacter jejuni(種)、Campylobacter coli(種)、Campylobacter lari(種)、Peptoclostridium difficile(種)、Collinsella aerofaciens(種)、Coprococcus eutactus(種)、Desulfovibrio piger(種)、Dialister invisus(種)、Escherichia coli(種)、Escherichia coli O157(種)、Faecalibacterium prausnitzii(種)、Methanobrevibacter smithii(種)、Oxalobacter formigenes(種)、Ruminococcus albus(種)、Ruminococcus bromii(種)、Ruminococcus gnavus(種)、Salmonella enterica(種)、Salmonella bongori(種)、Shigella boydii(種)、Shigella sonnei(種)、Shigella flexneri(種)、Shigella dysenteriae(種)、Streptococcus sanguinis(種)、Streptococcus thermophilus(種)、Vibrio cholerae(種)、Yersinia enterocolitica(種)、Alloprevotella(属)、Anaerofilum(属)、Bacteroides(属)、Blautia(属)、Butyricimonas(属)、Catenibacterium(属)、Christensenella(属)、Collinsella(属)、Coprococcus(属)、Dialister(属)、Eggerthella(属)、Faecalibacterium(属)、Flavonifractor(属)、Gelria(属)、Haemophilus(属)、Holdemania(属)、Oscillibacter(属)、Oscillospira(属)、Parabacteroides(属)、Paraprevotella(属)、Phascolarctobacterium(属)、Streptococcus(属)、Turicibacter(属)、Tyzzerella(属)、Acetobacter nitrogenifigens(種)、Acinetobacter baumannii(種)、Azospirillum brasilense(種)、Bacillus cereus(種)、Bacillus coagulans(種)、Bacillus licheniformis(種)、Bifidobacterium animalis(種)、Bifidobacterium bifidum(種)、Brevibacillus laterosporus(種)、Christensenella minuta(種)、Clavibacter michiganensis(種)、Clostridium butyricum(種)、Enterococcus italicus(種)、Fibrobacter succinogenes(種)、Kocuria rhizophila(種)、Lactobacillus brevis(種)、Lactobacillus coryniformis(種)、Lactobacillus delbrueckii(種)、Lactobacillus fermentum(種)、Lactobacillus helveticus(種)、Lactobacillus kefiranofaciens(種)、Lactobacillus kunkeei(種)、Lactobacillus rhamnosus(種)、Lactobacillus salivarius(種)、Lactococcus fujiensis(種)、Lactococcus garvieae(種)、Lactococcus lactis(種)、Leptotrichia hofstadii(種)、Leuconostoc fallax(種)、Leuconostoc kimchii(種)、Oenococcus oeni(種)、Paenibacillus apiarius(種)、Pediococcus pentosaceus(種)、Propionibacterium freudenreichii(種)、Pseudoclavibacter helvolus(種)、Renibacterium salmoninarum(種)、Ruminococcus flavefaciens(種)、Staphylococcus sciuri(種)、Weissella koreensis(種)、Clostridium(属)、およびClostridium difficile(種)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記微生物関連状態が、下痢、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、便秘、腹部圧痛、腹部膨満、鼓腸、肥満、II型糖尿病、糖尿病前症、腎臓結石、心血管系健康状態、および不安症のうちの少なくとも1つを含む腸関連状態を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ユーザーの前記マイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することが、前記微生物配列データセットから抽出されるマイクロバイオームの組成多様性フィーチャーおよびマイクロバイオームの機能多様性フィーチャーのうちの少なくとも1つに基づいて、前記マイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記gRNA複合体の前記エンドヌクレアーゼが、cas、cpf、cse、csy、csn、csd、cst、csh、csa、csm、cmr、およびCRISPRに関係するタンパク質ファミリーのうちの少なくとも1つを含む、タンパク質タイプファミリーと関係する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
改善されたマイクロバイオームシークエンシングのための方法であって、以下:
・タンパク質、および微生物関連状態と関係する分類群セットに対応する標的セットに対するガイドRNA(gRNA)を含むgRNA複合体を生成することであって、前記標的セットは各々、16S rRNA配列、18S rRNA配列、または内部転写スペーサー(ITS)配列のうちの少なくとも1つを含むことと、
・前記gRNA複合体を用いて微生物核酸材料を処理して、前記標的セットに付随した末端領域を生成することと、
・前記末端領域を、アダプター配列を共有するアダプターセットとライゲーションすることと、
・ライゲーションされた前記末端領域、および前記アダプター配列に付随するプライマー配列を共有するプライマーセットに基づいて、前記標的セットのシークエンシングを実施することと、
・シークエンシングした前記標的セットに基づいて、マイクロバイオームの組成多様性データセット、マイクロバイオームの機能多様性データセット、およびマイクロバイオームの薬理ゲノミクスデータセットのうちの少なくとも1つを生成することと、
・マイクロバイオームの組成多様性データセット、マイクロバイオームの機能多様性データセット、およびマイクロバイオームの薬理ゲノミクスデータセットのうちの少なくとも1つに基づいて、前記微生物関連状態についてマイクロバイオームに関連する特徴付けプロセスを行うことと、
を含み、前記マイクロバイオームに関連する特徴付けは、ユーザーの治療を促進するために使用されるものであり、前記治療はユーザーのマイクロバイオーム組成を、前記微生物関連状態の状況が改善するように修正するものであり、
前記微生物関連状態は、前記微生物に関連する症状、原因、疾患、障害、および/またはマイクロバイオームの薬理ゲノミクスプロファイルであり、
前記gRNA複合体の前記タンパク質が、前記標的セットに付随した平滑末端領域セットを含む微生物核酸断片を生成するためのエンドヌクレアーゼを含
み、
前記微生物核酸材料を処理することが、前記gRNA複合体を用いて、被験体の集団に由来する生物学的試料を処理することを含み、前記生物学的試料の各々が、複数の微生物標的を含み、前記方法が以下:
・少なくとも前記被験体の集団のサブセットと関係する補足的データセットを受容することであって、前記捕捉的データセットが、前記微生物関連状態の情報を提供する、受容することと、
・前記捕捉的データセット、ならびに前記マイクロバイオームの組成多様性データセットおよび前記マイクロバイオームの機能多様性データセットのうちの少なくとも1つから抽出されるフィーチャーを、前記微生物関連状態の特徴付けモデルに変換することと
をさらに含む、方法。
【請求項12】
以下:
・配列を前記タンパク質および前記gRNAと共有す
るgRNA複合体
の第2セット、前記アダプター配列を共有す
るアダプター
の第2セット、および前記プライマー配列を共有す
るプライマー
の第2セットに基づいて、標的配列を前記標的セットと共有す
るユーザー標的セットをシークエンシングすることであって、前記ユーザー標的セットはユーザーから収集されたユーザー生物学的試料に含まれる、ことと、
・シークエンシングした前記ユーザー標的セットに基づいて、ユーザーのマイクロバイオームデータセットを生成することと
をさらに含む、請求項1
1に記載の方法。
【請求項13】
前記gRNA複合体を生成することが、フォールディングエネルギー因子、ハイブリダイゼーション因子、GC含量因子、ヌクレオチドラン因子、第1の結合エネルギー因子、第2の結合エネルギー因子、およびGCクランプ因子のうちの少なくとも1つに基づいて、gRNA配列を選択することを含む、請求項1
1に記載の方法。
【請求項14】
前記末端領域をライゲーションすることが、前記平滑末端領域セットを、前記アダプター配列を共有する前記アダプターセットとライゲーションすることを含む、請求項1
3に記載の方法。
【請求項15】
前記分類群セットに対応する前記標的セットが、Alistipes(属)、Barnesiella(属)、Bifidobacterium(属)、Campylobacter(属)、Peptoclostridium(属)、Escherichia-Shigella(属)、Fusobacterium(属)、Lactobacillus(属)、Odoribacter(属)、Prevotella(属)、Pseudoflavonifractor(属)、Roseburia(属)、Ruminococcus(属)、Salmonella(属)、Veillonella(属)、Akkermansia muciniphila(種)、Anaerotruncus colihominis(種)、Bacteroides fragilis(種)、Bacteroides vulgatus(種)、Bifidobacterium longum(種)、Butyrivibrio crossotus(種)、Campylobacter jejuni(種)、Campylobacter coli(種)、Campylobacter lari(種)、Peptoclostridium difficile(種)、Collinsella aerofaciens(種)、Coprococcus eutactus(種)、Desulfovibrio piger(種)、Dialister invisus(種)、Escherichia coli(種)、Escherichia coli O157(種)、Faecalibacterium prausnitzii(種)、Methanobrevibacter smithii(種)、Oxalobacter formigenes(種)、Ruminococcus albus(種)、Ruminococcus bromii(種)、Ruminococcus gnavus(種)、Salmonella enterica(種)、Salmonella bongori(種)、Shigella boydii(種)、Shigella sonnei(種)、Shigella flexneri(種)、Shigella dysenteriae(種)、Streptococcus sanguinis(種)、Streptococcus thermophilus(種)、Vibrio cholerae(種)、およびYersinia enterocolitica(種)のうちの少なくとも1つと関係する複数の標的を含む、請求項1
1に記載の方法。
【請求項16】
前記アダプター配列を共有する前記アダプターセットおよび前記プライマー配列を共有する前記プライマーセットが、前記複数の標的の実質的に同時のシークエンシングを容易にする、請求項1
5に記載の方法。
【請求項17】
前記アダプター配列を共有する前記アダプターセットが、次世代シークエンシングプラットフォームを用いる次世代シークエンシングを容易にし、前記標的セットのシークエンシングを実施することが、前記プライマーセットおよび前記アダプターセットに基づいて、前記次世代シークエンシングプラットフォームを用いて、次世代シークエンシングを実施することを含む、請求項1
1に記載の方法。
【請求項18】
前記標的セットのシークエンシングを実施することが、前記アダプター配列に付随する前記プライマー配列を共有する前記プライマーセットに基づいて、前記標的セットの増幅を実施することを含む、請求項1
1に記載の方法。
【請求項19】
前記gRNA複合体の前記タンパク質が、cas、cpf、cas、cse、csy、csn、csd、cst、csh、csa、csm、およびcmrのうちの少なくとも1つを含む、タンパク質タイプファミリーと関係する、請求項1
1に記載の方法。
【請求項20】
前記gRNA複合体の前記タンパク質が、Cas9およびCpf1のうちの少なくとも1つを含むタンパク質タイプと関係する、請求項
19に記載の方法。
【請求項21】
前記gRNA複合体を用いて前記微生物核酸材料を処理して、前記末端領域を生成することが、以下:
・前記gRNA複合体を用いて前記微生物核酸材料を処理して、前記標的セットに付随した粘着末端領域を生成することと、
・前記粘着末端領域を処理して、前記標的セットに付随した平滑末端領域を生成することとを含み、ここで前記末端領域を、前記アダプター配列を共有する前記アダプターセットとライゲーションすることが、前記平滑末端領域を前記アダプターセットとライゲーションすることを含む、請求項1
1に記載の方法。
【請求項22】
前記分類群セットが、Actinomyces(属)、Aerococcus(属)、Alloiococcus(属)、Anaerococcus(属)、Anaeroglobus(属)、Anaerostipes(属)、Anaerotruncus(属)、Arcanobacterium(属)、Arthrospira(属)、Atopobium(属)、Bacteroides(属)、Bulleidia(属)、Campylobacter(属)、Catenibacterium(属)、Coriobacteriaceae(科)、Corynebacterium(属)、Dialister(属)、Eggerthella(属)、Enterococcus(属)、Escherichia(属)、Finegoldia(属)、Fusobacterium(属)、Gardnerella(属)、Gemella(属)、Lactobacillaceae(科)、Lactobacillales(目)、Lactobacillus(属)、Leptotrichia(属)、Megasphaera(属)、Mobiluncus(属)、Moryella(属)、Mycoplasma(属)、Papillibacter(属)、Parvimonas(属)、Peptococcus(属)、Peptoniphilus(属)、Peptostreptococcus(属)、Porphyromonadaceae(科)、Porphyromonas(属)、Prevotella(属)、Prevotellaceae(科)、Pseudomonas(属)、Ruminococcus(属)、Segniliparus(属)、Shigella(属)、Sneathia(属)、Staphylococcus(属)、Streptococcus(属)、Treponema(属)、Ureaplasma(属)、Veillonella(属)、Veillonellaceae(科)、Aerococcus christensenii(種)、Aerococcus spp.(属)、Algoriphagus aquatilis(種)、Anaerococcus spp.(属)、Anaerococcus tetradius(種)、Anaerococcus vaginalis(種)、Anoxybacillus pushchinoensis(種)、Atopobium spp.(属)、Atopobium vaginae(種)、Bacteroides fragilis(種)、Bacteroides spp.(属)、Bifidobacterium animalis subsp. lactis(種)、Bifidobacterium dentium(種)、Bifidobacterium lactis(種)、Bifidobacterium longum subsp. suis(種)、Bulleidia extructa(種)、Burkholderia fungorum(種)、Burkholderia phenoliruptrix(種)、Caldicellulosiruptor saccharolyticus(種)、Campylobacter spp.(属)、Campylobacter ureolyticus(種)、Candida albicans(種)、Candida glabrata(種)、Candida krusei(種)、Candida lusitaniae(種)、Candidatus Mycoplasma girerdii(種)、Catenibacterium spp.(属)、Chlamydia trachomatis(種)、Chondromyces robustus(種)、Clostridiales BVAB2(種)、Clostridiales BVAB3(種)、Clostridium cavendishii(種)、Clostridium viride(種)、Cryobacterium psychrophilum(種)、Dialister micraerophilus(種)、Dickeya chrysanthemi(種)、Eggerthia catenaformis(種)、Erwinia chrysanthemi(種)、Escherichia coli(種)、Escherichia fergusonii(種)、Exiguobacterium acetylicum(種)、Fusobacterium nucleatum(種)、Fusobacterium spp.(属)、Gardnerella spp.(属)、Gardnerella vaginalis(種)、Gemella sp.(属)、Haemophilus ducreyi(種)、Klebsiella granulomatis(種)、Lachnospiraceae BVAB1(種)、Lactobacillus acidophilus(種)、Lactobacillus brevis(種)、Lactobacillus casei(種)、Lactobacillus casei Shirota(種)、Lactobacillus crispatus(種)、Lactobacillus delbrueckii(種)、Lactobacillus fermentum(種)、Lactobacillus gasseri(種)、Lactobacillus iners(種)、Lactobacillus jensenii(種)、Lactobacillus johnsonii(種)、Lactobacillus kefiranofaciens(種)、Lactobacillus paracasei FJ861111.1(種)、Lactobacillus pentosus株S-PT84(種)、Lactobacillus plantarum(種)、Lactobacillus reuteri(種)、Lactobacillus reuteri RC-14(種)、Lactobacillus rhamnosus(種)、Lactobacillus rhamnosus(株BMX 54)(種)、Lactobacillus rhamnosus BMX 54(種)、Lactobacillus rhamnosus GR-1(種)、Lactobacillus salivarius(種)、Lactobacillus vaginalis(種)、Leptotrichia spp.(属)、Maribacter orientalis(種)、Megasphaera genomosp(種)、Megasphaera micronuciformis(種)、Megasphaera spp.(属)、Microbacterium halophilum(種)、Mobiluncus curtisii(種)、Mobiluncus mulieris(種)、Moorella glycerini(種)、Mycoplasma genitalium(種)、Mycoplasma hominis(種)、Mycoplasma muris(種)、Neisseria gonorrhoeae(種)、Paeniclostridium sordellii(種)、Papillibacter spp.(属)、Parastreptomyces abscessus(種)、Parvimonas micra(種)、Parvimonas spp.(属)、Pasteurella multocida(種)、Pediococcus ethanolidurans(種)、Peptoniphilus harei(種)、Peptoniphilus indolicus(種)、Peptoniphilus spp.(属)、Peptostreptococcus anaerobius(種)、Peptostreptococcus massiliae(種)、Peptostreptococcus spp.(属)、Porphyromonas gingivalis(種)、Porphyromonas levii(種)、Porphyromonas sp.(属)、Porphyromonas uenonis(種)、Prevotella amnii(種)、Prevotella bivia(種)、Prevotella disiens(種)、Prevotella intermedia(種)、Prevotella oralis(種)、Prevotella oris(種)、Prevotella timonensis(種)、Pseudomonas spp.(属)、Ralstonia pickettii(種)、Ruminococcus spp.(属)、Sanguibacter keddieii(種)、Sneathia amnii(種)、Sneathia sanguinegens(種)、Sneathia spp.(属)、Staphylococcus aureus(種)、Staphylococcus mulans(種)、Staphylococcus pasteuri(種)、Staphylococcus simiae(種)、Staphylococcus simulans(種)、Staphylococcus spp.(属)、Staphylococcus warneri(種)、Streptococcus agalactiae(種)、Streptococcus anginosus(種)、Streptococcus intermedius(種)、Streptococcus pyogenes(種)、Streptococcus viridans(種)、Thermosipho atlanticus(種)、Thermovirga lienii(種)、Treponema pallidum(種)、Trichomonas vaginalis(種)、Trueperella bernardiae(種)、Ureaplasma parvum(種)、Ureaplasma urealyticum(種)、Veillonella montpellierensis(種)、Veillonella parvula(種)、Virgibacillus proomii(種)、Zobellia laminariae(種)、HPV 3(ウイルスバリアント)、HPV 6(ウイルスバリアント)、HPV 16(ウイルスバリアント)、HPV 18(ウイルスバリアント)、HPV 31(ウイルスバリアント)、HPV 33(ウイルスバリアント)、HPV 35(ウイルスバリアント)、HPV 39(ウイルスバリアント)、HPV 43(ウイルスバリアント)、HPV 45(ウイルスバリアント)、HPV 51(ウイルスバリアント)、HPV 52(ウイルスバリアント)、HPV 53(ウイルスバリアント)、HPV 54(ウイルスバリアント)、HPV 56(ウイルスバリアント)、HPV 58(ウイルスバリアント)、HPV 59(ウイルスバリアント)、HPV 66(ウイルスバリアント)、HPV 68(ウイルスバリアント)、HPV(ウイルス)、およびHPV(複数の型)(ウイルス)のうちの少なくとも1つを含む、請求項1
1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2016年9月27日に出願された米国仮出願第62/400,401号(これは、その全体が参考として援用される)の利益を主張する。
【0002】
技術分野
本発明は、概して、分子診断の分野に関し、より具体的には、分子診断の分野におけるCRISPRに基づくライブラリー調製およびシークエンシングのための新規かつ有用な方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
試料内の核酸標的の同定、増幅、および分析を伴うプロセスは、研究または臨床環境において、試料の特徴付けおよび/または診断試験に使用することができる。複数の核酸標的の同定、検出、増幅、および分析は、したがって、複数の試料成分の特徴付け、および/または複数の標的(例えば、健康状態バイオマーカー)と関係する診断を可能にする上で特に有用である。高スループットな様式での複数の核酸標的の多重化された増幅、検出、シークエンシング、および/または分析のための現在の方法およびシステムは、しかしながら、特に、高度に多形性の配列の文脈において、断片のアセンブリおよび配列の同定に関して制限を伴う。
【0004】
特に、複数の標的のシークエンシングはまた、典型的に、単一のシステム(例えば、プロセスチャンバ)内で実施することができる反応の数、下流アセンブリ、および多重化された反応に付随する干渉因子によって制限を受ける。さらに、多重試料処理の現在の方法は、時間がかかり、労働集約的であり、実装するのが不可能なほどに高価であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのため、分子診断の分野において、CRISPRに基づくライブラリー調製およびシークエンシングのための新規かつ有用な方法およびシステムが必要とされている。本発明によって、そのような新規かつ有用な方法およびシステムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、改善されたマイクロバイオームシークエンシングのための方法の実施形態のフローチャートの概略図である。
【0007】
【
図2】
図2は、改善されたマイクロバイオームシークエンシングのための方法の実施形態の概略図である。
【0008】
【
図3】
図3は、改善されたマイクロバイオームシークエンシングのための方法の実施形態の概略図である。
【0009】
【
図4】
図4は、改善されたマイクロバイオームシークエンシングのためのシステムの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に関する以下の説明は、本発明をこれらの実施形態に制限することを意図するものではなく、むしろ、当業者が本発明を作製および使用するのを可能にすることを意図するものである。
【0011】
1.概要
図1~3に示されるように、改善されたマイクロバイオームシークエンシングのための方法100の実施形態は、微生物関連状態と関係する分類群セットに対応する標的セットに対するガイドRNA(gRNA)複合体を生成することS110、gRNA複合体を用いて生物学的試料を処理して、標的セットに付随した末端領域セット(例えば、平滑末端領域、粘着末端領域など)を含む微生物核酸断片を生成することS120、末端領域セットを、アダプター配列を共有するアダプターセットとライゲーションすることS130、ならびにライゲーションされた末端領域セット、およびアダプター配列に付随するプライマー配列を共有するプライマーセットに基づいて、標的セットを増幅させることS140を含み得る。追加または代替として、方法100は、マイクロバイオームの組成、マイクロバイオームの機能多様性、および/もしくは関係する状態のうちの少なくとも1つについて、標的セットの増幅により導出されたマイクロバイオームデータセット(例えば、マイクロバイオームの組成多様性データセット、マイクロバイオームの機能多様性データ、マイクロバイオームの薬理ゲノミクスデータセットなど)に基づいて、特徴付けプロセスを実施すること(例えば、増幅させた標的をシークエンシングすることなどによってマイクロバイオームデータセットを生成すること)S150、特徴付けプロセスに基づいて、ユーザーのための治療を奨励することS160、ならびに/または任意の他の好適なプロセスを含み得る。
【0012】
方法100および/またはシステム200の実施形態は、微生物と関係するシークエンシングを改善するための改善された試料処理プロトコールを提供するように機能し得る。例えば、この技術により、多重化されたプライマープロセスと関係する干渉問題を除去/軽減することができ、これにより、プライマーと標的配列のハイブリダイゼーションおよび複数回のサイクルの増幅を伴うアンプリコンシークエンシング法と関係する増幅バイアスが、有意に低減され得る。具体的な実施例では、方法100は、タンパク質-RNA複合体の結合エネルギー特徴に起因して、プライマーと関係する増幅干渉問題を低減または排除することができる様式でgRNA複合体(例えば、タンパク質-RNA複合体)を生成するためのgRNAを実装する。方法100は、したがって、現在の増幅に基づく技法(例えば、Nexteraキットが関与する技法)を改善する様式で、標的の増幅のための効率的な技法を提供することができる。別の具体的な実施例では、方法100は、高度に多形性の配列(例えば、16S rRNA配列、18S rRNA配列、ITS配列など)または任意の他の好適な配列を増幅およびシークエンシングするために使用することができる。したがって、方法100は、マイクロバイオームに関係する特徴付け、核酸分析を伴う診断適用、ならびに/または配列の増幅および分析を必要とする任意の他の好適な下流適用に使用することができる。
【0013】
実施例では、方法100および/またはシステム200は、症状、原因、疾患、障害、マイクロバイオームの薬理ゲノミクスプロファイル(例えば、抗生物質に対する耐性および/もしくは感受性を説明する)、ならびに/または状態のパネルと関係する任意の他の好適な態様のうちの1つあるいは複数を含み得る、状態および/または状態のパネルの特徴付けおよび/または治療を生成および/または奨励することができる。状態には、腸関連状態;精神医学的および行動的状態(例えば、心理的障害;うつ病;精神病など);コミュニケーション関連状態(例えば、表出性言語障害、吃音、音韻障害、自閉症障害、音声状態、聴覚状態、目の状態など);睡眠関連状態(例えば、不眠症、睡眠時無呼吸など);心血管関連状態(例えば、冠動脈疾患、高血圧など);代謝関連状態(例えば、糖尿病など)、リウマチ関連状態(例えば、関節炎など);体重関連状態(例えば、肥満など);疼痛関連状態;内分泌関連状態;遺伝的関連状態;慢性疾患;ならびに/もしくは任意の他の好適なタイプの状態のうちの1つまたは複数が含まれ得る。腸関連状態としては、下痢、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、便秘、腹部圧痛、腹部膨満、鼓腸、肥満、II型糖尿病、糖尿病前症、腎臓結石、心血管系健康状態、および不安症、他の好適な腸状態、ならびに/もしくは参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月18日出願の米国特許出願第15/707,907号に記載されている任意の状態のうちのいずれか1つまたは複数を挙げることができる。
【0014】
変形形態では、方法100のブロックは、gRNAに関係するデータベースの精密化(例えば、更新されたgRNA配列、アダプター配列、プライマー配列などの同定および選択を通じて)、特徴付けプロセスの精密化(例えば、方法100の部分に従って試料の処理により導出されたマイクロバイオームデータセットに基づいて、特徴付けモデル、治療モデル、および/もしくは他の好適なモデルを更新することを通じて;単一の生物学的試料を使用して特徴付けることができる状態の数を増加させることを通じてなど)、治療プロセス(例えば、経時的なユーザーのマイクロバイオームに関係する特徴付けに基づいて、経時的に治療とともにマイクロバイオームの組成をモニタリングおよび調節することを通じたものであり、ここで、治療は、感度、特異性、精度、および陰性適中率(negative predictive value)などを有する特徴付けの結果に基づいて選択され得る)、ならびに/または他の好適なプロセスを可能にするために、任意の好適な順序で繰り返し実施され得る。
【0015】
追加または代替として、本明細書において記載されるデータ(例えば、gRNA、アダプター、プライマーの設計に関連するデータ;微生物データセット;マイクロバイオームフィーチャー;マイクロバイオームに関連する特徴付け、例えば、パネル特徴付けおよび/もしくはプロバイオティクスに関連する特徴付け;集団レベルのデータ;ユーザーレベルのデータ;処置に関連するデータなど)は、任意の好適な時間的指標(例えば、秒、分、時間、日、週など;データが収集、決定、および/もしくは他の方法で処理された時間を示す時間的指標;データによって記載される内容にコンテキストを提供する時間的指標、例えば、生物学的試料が収集された時点での状態のパネルの状況を示す時間的指標)ならびに/または時間的指標の変化(例えば、経時的なマイクロバイオームフィーチャー;経時的なマイクロバイオームの組成多様性、機能多様性、および/もしくは他の好適な態様;データの変化;データのパターン;データの傾向;データの外挿および/もしくは他の予測など)と関係付けられ得る。
【0016】
本明細書において記載される方法100および/またはプロセスの1つまたは複数の例は、非同期的に(例えば、逐次的に)、同時に(例えば、並行して;標的化、増幅、および/または他の方法で複数の微生物関連標的のシークエンシングに関連するプロセスを実施すること;例えば、複数のユーザーについて、複数の生物学的試料の並行した処理を可能にするための多重化;異なるマイクロバイオームフィーチャーおよび/または微生物関連状態を、システム処理能力を改善するために、並行したコンピューティングのために異なるスレッドで同時にコンピュータにより特徴付けることなど)、トリガー事象に時間的に関連して、ならびに/あるいは本明細書において記載されるシステム(例えば、試料ハンドリングネットワーク、パネル特徴付けシステム、治療システム、試料キットなどを含む)、エレメント、および/または実体の1つもしくは複数の例によりおよび/またはそれを使用して、任意の好適な時間および頻度において任意の他の好適な順序で、実施され得る。
図4に示されるように、方法100の部分は、少なくとも部分的に、コンピューティングシステムに実装されてもよく、ここで、コンピューティングシステムは、コンピュータ、自動化研究室システムと関係付けられたワークステーション、半自動化研究室システム、リモートサーバ、クラウドベースのコンピューティングシステム、モバイルコンピューティングデバイスのコンピューティングモジュール、および任意の他の好適なコンピューティングモジュールのうちの1つまたは複数において、実装され得る。変形形態では、方法100は、少なくとも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2015年1月9日に出願の「Method and System for Microbiome Analysis」と題される米国特許出願第14/593,424号に記載されている構成要素および/またはシステム200の任意の好適な構成要素によって実装され得る。
【0017】
図4に示されるように、方法100の実施形態は、少なくとも、改善されたマイクロバイオームシークエンシングのためのシステム200の実施形態によって実装され得、ここで、システム200は、gRNAに関係するデータベース(gRNAの配列データ、アダプターの配列データ、標的分類学的群の配列データ、設計因子に基づいて選択される配列などを含む);gRNA複合体、アダプター、プライマー、および/またはマイクロバイオームデータセットの生成を容易にするための他の好適な分子を用いて生物学的試料を処理するように作動可能な試料ハンドリングシステム;1つもしくは複数の微生物関連状態について、1人もしくは複数のユーザーの特徴付けを決定するように作動可能なマイクロバイオーム特徴付けシステム;治療を奨励するように作動可能な処置システム;ならびに/あるいは任意の他の好適な構成要素を含み得る。しかしながら、方法100およびシステム200は、任意の好適な様式で実施することができる。
【0018】
2.利点
方法100および/またはシステム200の具体的な実施例は、従来的なアプローチから生じる課題に対する、技術に基づく解決策をもたらすことができる。第1に、この技術は、増幅バイアスの低減、プライマー干渉作用の低減、複数の微生物標的と関係するシークエンシングの実施、試料処理の効率、コンピュータ処理の速度、マイクロバイオームに関連する特徴付けの正確さ、マイクロバイオームに関連する治療の決定および奨励、ならびに/またはマイクロバイオームシークエンシングおよび/もしくは関連する試料調製の技術分野と関係する他の好適な態様に、改善をもたらし得る。
【0019】
第2に、この技術は、実体(例えば、ユーザー、生物学的試料、医療デバイスを含む処置システムなど)を、異なる状況または事柄に変換することができる。例えば、この技術は、生物学的試料を、改善されたシークエンシングのための改善された試料処理操作を通じて、微生物に関係する状態についてのマイクロバイオームに関連する特徴付けに変換することができる。別の実施例では、この技術は、1つまたは複数の微生物関連状態を予防するおよび/または好転させるために、マイクロバイオームの組成、マイクロバイオームの機能多様性、マイクロバイオームの薬理ゲノミクスプロファイル、および/または他のマイクロバイオームに関連する態様を修正するよう患者に奨励するための治療を特定して、それによって、患者のマイクロバイオームおよび/または健康状態を変換することができる。別の実施例では、この技術は、患者によって受容された生物学的試料を、(例えば、gRNA複合体、アダプター、プライマー、増幅操作、シークエンシング操作などを用いた処理を通じて)マイクロバイオームデータセットに変換することができ、このデータセットは、微生物関連状態と相関付けることができる。別の実施例では、この技術は、治療を奨励するように(例えば、処置システムが実行する制御命令を生成することによって)処置システムを制御し、それによって、処置システムを変換することができる。
【0020】
第3に、この技術は、gRNAに関係するデータベース、試料ハンドリングシステム、マイクロバイオーム特徴付けシステム、および複数のユーザーを含むネットワークにわたる機能性の独創的な分配に到ることができ、ここで、試料ハンドリングシステムは、複数の微生物標的について、生物学的試料の実質的に同時の処理をハンドリングすることができ、これは、微生物関連状態のための個別化された特徴付けおよび/または治療(例えば、ユーザーの食事行動、プロバイオティクス関連の行動、病歴、人口統計、他の行動、好みなどに関係してなど、ユーザーのマイクロバイオームに合わせてカスタマイズされた)を生成することに活用され得る。
【0021】
第4に、この技術は、方法100の部分を実施する際に、特別な試料処理デバイス(例えば、次世代シークエンシングデバイス、CRISPR関連デバイス、パネル特徴付けシステム、処置システムなど)を活用し得る。この技術は、しかしながら、改善されたシークエンシングのための非汎用システムを使用する文脈において、任意の他の好適な利点を提供し得る。
【0022】
3.1 gRNA複合体の生成
ブロックS110は、微生物関連状態と関係する分類群セットに対応する標的セットに対するgRNA複合体を生成することについて記載しており、これは、収集した生物学的試料における微生物核酸の処理活性(例えば、標的セットの配列位置に関連して、平滑末端の形成およびライゲーションと関係する活性など)を容易にするように、gRNAおよび/または関係する生体分子(例えば、タンパク質、例えば、エンドヌクレアーゼなど)をガイドするように機能し得る。特に、ブロックS110において生成され、方法100の後続のステップにおいて使用されるgRNAは、gRNAを使用して生成されるタンパク質-RNA複合体の結合エネルギー特徴に起因して、プライマーと関係する増幅干渉問題を低減/排除することができる。gRNAセットは、さらに、所望される/特定のゲノム領域を標的化すること、および150~500塩基対(bp)、好ましくは、約300塩基対(bp)、例えば、16S rRNA遺伝子領域から、下流アセンブリステップを必要とすることなく、配列を増幅させることを容易にするために使用することができる。追加または代替として、標的は、任意の好適なサイズ(例えば、任意の好適な塩基対数)のものであり得、任意の好適な機能的特徴、構造的特徴、進化的特徴、および/もしくは他の好適な特徴を含み得るならびに/または他の方法でそれらと関係し得る。標的は、好ましくは、標的核酸配列(例えば、異なる微生物関連分類群を示す、RNA配列、DNA配列、バイオマーカー配列など)を含むが、任意の好適なガイド複合体(例えば、gRNA複合体、ガイド非RNA複合体など)を使用して、タンパク質コーディング遺伝子(例えば、血清タンパク質、抗体、ペプチドなど)、バイオマーカーとしてのLPSパターン、微生物バイオマーカー、遺伝的素因バイオマーカー、診断バイオマーカー、予後バイオマーカー、予測バイオマーカー、他の分子バイオマーカー、遺伝子発現マーカー、画像化バイオマーカー、および/もしくは他の好適なマーカーのうちのいずれか1つまたは複数を含む、任意の好適な微生物関連標的(例えば、16S rRNA標的、18S rRNA標的など)を標的とすることができる。
【0023】
そのため、ブロックS110(例えば、ブロックS130などと組み合わせて)は、例えば、自己付着(二量体化)する、互いに干渉する、および/または他の方法で増幅を妨害するような傾向を有する、多重化プライマー(例えば、異なる標的配列に相補的な複数の異なるプライマー配列を有する複数のプライマーセットなど)を使用することなく、反応チャンバにおいて、複数の標的の同時の増幅を可能にする様式で、断片化、増幅、シークエンシング、および/もしくはアセンブリのプロトコールの改善ならびに/または代替法を提供することができる。このように、本明細書において記載される方法100は、同じ溶液における複数の標的の増幅に関して、多重化プライマーの必要性を取り除くことができる。
【0024】
ブロックS110において、gRNAセットの生成は、好ましくは、二次構造を形成する傾向をほとんど有さないかまたはまったく有さないgRNA配列を選択し、候補gRNAが自己結合する傾向を考慮する、アルゴリズムを実装する。gRNAの設計および選択のアルゴリズムは、したがって、増幅に所望されるゲノム標的セットに基づいて、gRNA設計因子セットに基づいて、オフターゲット活性を最小限に抑え/オンターゲット活性を最大限にすることに基づいて(例えば、標的部位の近傍の可能性のあるプロトスペーサー配列の同定に関する分析および選択を用いて)、ならびに/または任意の他の好適な設計因子に基づいて、候補gRNA配列をランク付けすることができる。例えば、ブロックS110は、オンターゲット活性を最適化するために、gRNA設計因子セットに基づいて、gRNA配列をランク付けすることを含み得る。しかしながら、gRNA設計因子および/または任意の他の好適な設計因子(例えば、標的、アダプター、プライマー、条件などに関する)は、任意の好適な標的パラメーター(例えば、正確さ、バイアスの最小化、干渉の最小化、効率、速度、処理能力、費用など)に関して、最適化され得る。
【0025】
変形形態では、gRNAセットの選択のためのgRNA設計因子セットは、フォールディングエネルギー因子(例えば、二次構造を形成する傾向と関係する);ハイブリダイゼーション因子(例えば、混合物中で他のgRNAと相互作用/干渉する傾向と関係する);GC含量因子;ヌクレオチドラン(nucleotide run)因子;第1の結合エネルギー因子(例えば、第1の塩基対サブセットと関係する);第2の結合エネルギー因子(例えば、第1の結合エネルギー因子と関係する基準が満たされた場合、第2の塩基対サブセットと関係する);GCクランプ因子;および任意の他の好適な因子のうちの1つまたは複数を含み得る。変形形態では、gRNAセットの選択/生成のためのアルゴリズムは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2016年8月18日出願の「Method and System for Multiplex Primer Design」と題される米国特許出願第15/240,919号に記載されている多重プライマー設計の方法から適応され得るおよび/またはそれに類似し得る。
【0026】
具体的な実施例では、gRNA生成アルゴリズムは、フォールディングエネルギー因子、ハイブリダイゼーション因子、GC含量因子、ヌクレオチドラン因子、第1の結合エネルギー因子(例えば、gRNAの最初の13塩基対と関係する)、第2の結合エネルギー因子(例えば、第1の結合エネルギー因子と関係する基準が満たされた場合、残りの7塩基対と関係する)と関係する基準を実装し得る。
【0027】
gRNAセットは、同じ生物の核酸配列と関係するおよび/または異なる生物と関係する位置(例えば、16S rRNA遺伝子領域と関係する位置、例えば、16S rRNA領域と関係する標的セットに関するもの;18S rRNA遺伝子領域と関係する位置;ITS領域と関係する位置など)を標的とするように設計され得る。ブロックS110は、単一のgRNA、gRNAの対を生成するために使用することができ、かつ/または後続の標的化、切断、ライゲーション、増幅プロセス、および/もしくはシークエンシングと関係する任意の他の好適なプロセスを容易にするために使用される2つを上回るgRNA(例えば、16S rRNAおよび18S rRNA gRNA)を生成するために使用することができる。追加または代替として、gRNA複合体セットには、任意の好適な数またはタイプ(例えば、異なる配列)のgRNAが含まれ得る。
【0028】
gRNA複合体は、好ましくは、gRNA、ならびにエンドヌクレアーゼ(例えば、標的と関係する末端領域を生成するため)および/もしくは他の好適なタンパク質タイプのいずれかを含む、1つまたは複数のタンパク質タイプの1つあるいは複数のタンパク質を含む。タンパク質の具体的な例としては、SpyCas9(例えば、平滑末端を生成するため)、他のCRISPR関連タンパク質(例えば、cas、cse、csy、csn、csd、cst、csh、csa、csm、cmr、cpfなどを含むタイプ)、Cpf1(例えば、追加の切断部位の選択肢のための異なるPAM部位を有するもの、異なるライゲーション戦略を提示するためのオーバーハングの生成のためのもの、単一のRNAガイドのみを必要とするものなど)、および/または任意の他の好適なタイプのタンパク質を挙げることができる。例えば、spCas9酵素は、細菌の16S領域を標的とするgRNAと複合体を形成し得る。追加または代替として、ブロックS110は、gRNAを除外したガイド非RNA複合体を生成することを含み得、ここで、この複合体は、本明細書において記載される任意の好適なタイプの分子を含み得る。変形形態では、ガイド非RNA複合体は、本明細書において記載される(例えば、本明細書において記載される末端領域の生成、ライゲーション、および増幅に関してなどの)プロセス(例えば、gRNA複合体と関係するプロセスに関する;方法100の部分に関するなど)に類似の任意の様式で、生成され得るおよび/もしくは適用され得る、ならびに/または任意の好適な様式で、生成され得るおよび/もしくは適用され得る。ブロックS110は、しかしながら、任意の他の好適な様式で実装されてもよい。
【0029】
3.2 gRNA複合体を用いた試料の処理
ブロックS120では、gRNA複合体を用いて生物学的試料を処理して、標的セットに付随した末端領域セット(例えば、平滑末端領域、粘着末端領域など)を含む、微生物核酸断片を生成することについて記載している。ブロックS120は、適切な位置(例えば、プロトスペーサー位置)にある標的配列を、後続の処理のため(例えば、ブロックS130におけるアダプターのライゲーションのためなど)の(例えば、片方の)末端領域を産生する様式で切断するために、gRNAセットおよび適切なエンドヌクレアーゼを使用するように機能し得る。ブロックS120において使用されるプロセスは、したがって、高い効率で平滑末端を産生するエンドヌクレアーゼ(および/もしくは他の好適なタンパク質ならびに/またはプロセス)を使用し得るか、あるいは追加または代替として、付着/粘着末端(例えば、オーバーハング)を産生するエンドヌクレアーゼを、例えば、粘着末端を平滑末端に変換する処理と組み合わせて使用してもよい。変形形態では、ブロックS120において実装される制限エンドヌクレアーゼは、好ましくは、RNAガイド型ヌクレアーゼである。追加または代替として、エンドヌクレアーゼおよび/または他の好適な分子は、任意の好適な機序を通じて、標的へとガイドされ得る。制限エンドヌクレアーゼは、追加または代替として、回文構造、シフトした切断(shifted cleavage)、制限および修飾の組み合わせ、またはヘテロ二量体タイプであり得る。しかしながら、末端領域の生成は、任意の好適な複合体(例えば、ガイド非RNA複合体)、gRNA、転写プロセス(例えば、DNAからのRNAの転写など)、他のタンパク質、および/または他の好適な構成要素を用いて実施してもよい。
【0030】
ブロックS120は、好ましくは、高い効率の様式で、gRNA標的部位と関係する平滑末端を産生する、Cas9制限エンドヌクレアーゼを使用する。しかしながら、末端領域の形成に関連して、ブロックS120は、追加または代替として、末端領域を生成するために(例えば、高い効率でなど)、他のRNAガイド型制限エンドヌクレアーゼおよび/または他の好適なエンドヌクレアーゼを使用してもよい。
【0031】
粘着末端の作用を軽減することに関連して、ブロックS120は、エンドヌクレアーゼを使用して産生される粘着末端(例えば、3’末端、5’末端、両方の末端など)の平滑化のための処理ステップを含んでもよい。このような一変形形態では、ブロックS120は、3’オーバーハングを平滑化する、緩衝液(すなわち、50mM NaCl、10mM Tris-HCl、10mM MgCl2、100μg/mLウシ血清アルブミン、pH7.9)を用いたT4 DNAポリメラーゼ処理を実装してもよい。他の変形形態では、ブロックS120は、平滑化のためのDNAポリメラーゼI Large(Klenow)断片フィルインプロトコール;平滑化のためのマングビーンヌクレアーゼ;平滑化のためのタカラプロトコール;および/または適切なポリメラーゼもしくは他の材料を使用した任意の他の好適な平滑化プロトコールのうちの1つあるいは複数を実装してもよい。追加または代替として、方法100は、低い平滑化効率の作用を軽減するように適応されるTA-クローニングプロトコールの実装を含み得る。
【0032】
ある実施例では、方法100は、CRISPR関連タンパク質(例えば、SpyCas9)およびgRNAを含むリボ核タンパク質複合体を生成すること、生物学的試料に由来する標的セット(例えば、標的DNA、細菌、ウイルス、ゲノムなど)を用いて、このリボ核タンパク質複合体を処理することを含み得る。別の実施例では、生物学的試料は、末端領域を生成する際に、DNA鋳型からRNAを転写することに由来する分子を用いて処理され得る。しかしながら、標的セットを含む生物学的試料は、任意の好適なgRNA、gRNA複合体、他の好適な複合体、および/または任意の好適なプロセスを通じて生成される他の好適な分子を使用して、任意の好適な様式で処理されてもよい。
【0033】
追加または代替として、gRNAセットおよびエンドヌクレアーゼを用いた処理に関連して、ブロックS120は、1つまたは複数のベクターを用いたウイルス送達方法(例えば、エンドヌクレアーゼのAAV送達);プラスミド送達方法、ゲシクル(gesicle)送達方法、小胞送達方法、RNA送達方法;ならびに構成要素の混合および付加を含む、任意の他の好適な送達もしくはトランスフェクション方法のうちの1つまたは複数を実装し得る。追加または代替として、任意の好適なin vitroおよび/またはin vivo送達アプローチを、利用することができる。しかしながら、gRNA複合体および/または任意の他の好適な生体分子を用いた生物学的試料の処理は、任意の好適な様式で実施することができる。
【0034】
3.3 末端領域のライゲーション
ブロックS130では、末端領域セットを、アダプター配列を共有するアダプターセットとライゲーションすることについて記載している。ブロックS130は、アダプター(例えば、アダプター配列を共有する;任意の好適な数のアダプター配列を共有する任意の数のアダプターサブセットを含む;単一のアダプター;複数のアダプターなど)を、末端領域(例えば、平滑末端領域、粘着末端領域など)に、例えば、ブロックS120において生成されたものに、ライゲーションする際に、ライゲーション技法を使用するように機能し得る。例えば、方法100は、標的セットに付随した末端領域セット(例えば、平滑末端領域、粘着末端領域など)を含む微生物核酸断片を生成するための、エンドヌクレアーゼを含むgRNA複合体を用いて、生物学的試料を処理すること、および末端領域を、アダプターセット(例えば、アダプター配列を共有するなど)とライゲーションすることを含み得る。追加または代替として、ブロックS130は、標的セットの次世代シークエンシングを容易にするように機能し得る。例えば、ブロックS130は、シークエンシングシステム(例えば、次世代シークエンシングシステムなど)用に調整されたアダプター配列を使用して、シークエンシングシステム用に調整されたプライマーに相補的なアダプター配列を使用して、および/または他の好適なプロセスを使用して、アダプターを選択ならびに適用することを含み得る。別の実施例では、ブロックS130は、直接的シークエンシング(例えば、増幅を伴わないもの、最小限の増幅を伴うもの、MinIONシステム、Illuminaシステムへの直接的な供給を通じたものなど)を容易にするように構成されたアダプターを適用することを含み得る。具体的な実施例では、ブロックS130は、dA、dT、dG、またはdC尾部をライゲーションして、これをシークエンシングライブラリーを調製するために調整されたプライマーに相補的なものとして使用することを含み得る。追加または代替として、任意の好適なアプローチを、直接的なシークエンシングを容易にするように特別に選択されたアダプターを使用して、適用してもよい。しかしながら、ブロックS130は、改善されたシークエンシングを可能にするための任意の好適な様式で適用することができる。
【0035】
このように、使用されるアダプタータイプ(例えば、アダプター配列)(または限定された数のアダプタータイプ)により、後続の増幅ステップにおいて、例えば、多重プライマーの使用と関係するプライマー干渉を排除することができる様式で、単一のプライマータイプ(または限定された数の非干渉プライマータイプ)を使用することが可能となり得る。具体的な実施例では、ブロックS120の平滑化プロセスを受けているすべての標的配列は、同じアダプター配列を共有するアダプターとのライゲーションを受け得、続いて、同じプライマー配列を共有するプライマーを用いて増幅され得、これにより、増幅バイアス作用が有意に低減され、プライマー干渉作用が排除され得る。
【0036】
この利点を実証する具体的な実施例では、目的のアンプリコンの切断数の低減および単一のプライマータイプを使用した増幅により、例えば、多くの数のプライマータイプを使用する標準的な断片化、タグ付け、および増幅の方法と比較して、増幅バイアスが有意に低減され得る。特に、本明細書において記載される方法100は、以下にブロックS140に関してより詳細に記載されるように、実施される熱サイクリング反復(それぞれの反復が、バイアス作用を有する)の回数を有意に低減することができる。
【0037】
ブロックS130において使用されるアダプタータイプは、好ましくは、プラットフォーム特異的であり(例えば、Illumina(商標)プラットフォーム用)、具体的な実施例では、HiSeqプラットフォーム、NextSeqプラットフォーム、および/もしくはMiSeqプラットフォームのうちの1つまたは複数に適したアダプター構成要素を含み得る。代替的な実施例では、アダプターは、PacBioプラットフォーム、MinIONプラットフォーム、Oxford Nanoporeプラットフォーム、Roche 454 Life Sciencesプラットフォーム、Life Technologies SOLiDプラットフォーム、および任意の他の好適なプラットフォームのうちの1つに適したアダプター構成要素を含み得る。なおも代替として、アダプターは、プラットフォーム非特異的アダプター構成要素を含んでもよい。
【0038】
具体的な実施例では、アダプターは、以下の構成要素:フォワードインデックス配列(例えば、MiSeq/NextSeq/HiSeqプラットフォーム用のIlluminaフォワードインデックスに対応する)、またはリバースインデックス配列(例えば、MiSeq/NextSeq/HiSeqプラットフォーム用のIlluminaリバースインデックスに対応する)、フォワードバーコード配列もしくはリバースバーコード配列、トランスポサーゼ配列(例えば、MiSeq/NextSeq/HiSeqプラットフォーム用のトランスポサーゼ結合部位に対応する)、リンカー(例えば、均質性を低減させ、配列結果を改善するように構成された0、1、もしくは2塩基の断片)、追加のランダム塩基、特定の標的領域を標的化するための配列、および任意の他の好適なアダプター構成要素のうちの1つあるいは複数を含み得る。変形形態では、方法100のブロックS130および/または任意の他の部分は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年6月20日出願の米国仮特許出願第62/522,293号に記載されているおよび/またはそれに類似の任意のアプローチを含み得る。
【0039】
ブロックS130は、好ましくは、末端領域ライゲーションプロトコール(例えば、平滑末端領域ライゲーションプロトコール、粘着末端領域ライゲーションプロトコールなど)を実装することを含む。変形形態では、末端領域ライゲーションプロトコールは、制限クローニングプロトコールであり得る。第1の具体的な実施例では、ライゲーションプロトコールは、T3 DNAリガーゼ(例えば、バクテリオファージT3 DNAリガーゼ)を、適切な緩衝液材料とともに実装し得る。他の実施例では、ライゲーションプロトコールは、アダプター構成要素を末端領域(例えば、ブロックS120において生成された)にライゲーションするために、任意の他の好適なリガーゼおよび/またはライゲーションプロトコールステップを実装し得る。
【0040】
追加または代替として、ブロックS130は、インサートおよび/もしくはリガーゼの濃度を増加させること;複数のステップでライゲーション反応を実施すること(コンカテマーの生成を低減する様式で);より長いインキュベーション時間を使用すること;DNAリガーゼ活性に最適な温度と融解温度との間である反応温度を使用すること;使用されるベクターを脱リン酸化すること;使用されるインサートをリン酸化すること;ATP濃度を低減させること;ポリエチレングリコール(PEG)が豊富なライゲーション混合物を使用すること;緩衝液中、より低い濃度の一価カチオンを使用すること;ならびに/または任意の他の好適なプロトコールステップのうちの1つあるいは複数を含む、ライゲーション操作(例えば、ライゲーション効率を改善するため、ライゲーション特異性を改善するためなど)を実装し得る。追加または代替として、ライゲーション操作は、Cpf1と関係するライゲーション(例えば、異なるPAM部位を用いる、単一のgRNAを必要とする)、ならびに/または任意の好適なエンドヌクレアーゼ、アダプター、タンパク質、および/もしくは他の好適な分子と関係する任意の他の好適なライゲーション操作を含み得る。
【0041】
しかしながら、末端領域を、1つまたは複数のアダプターとライゲーションすることは、任意の好適な様式で実施されてもよい。
【0042】
3.4 標的の増幅
ブロックS140では、ライゲーションされた末端領域セットおよびアダプター配列に付随するプライマー配列を共有するプライマーセットに基づいて(例えば、ライゲーションされた末端領域セットを、プライマーセットを用いて処理することを通じてなど)、標的セットを増幅することについて記載している。ブロックS140は、後続のシークエンシングおよび/または分析のために(例えば、生物学的試料のマイクロバイオーム態様を特徴付けるため、マイクロバイオームに関係する特徴付けに基づいて治療を奨励するためなど)、標的セットを増幅させる(例えば、標的セットを含む核酸断片を増幅させるなど)ように機能し得る。例えば、ブロックS140は、次世代シークエンシングプラットフォームのブリッジ増幅担体(bridge amplification substrate)を用いて、プライマーセットおよびアダプターセットに基づく多重増幅を実施すること、ならびに例えば、次世代シークエンシングプラットフォームと通信するように作動可能なコンピューティングシステムにおいて、マイクロバイオームデータセット(例えば、微生物配列データセットなど)を生成することを含み得る。
【0043】
ブロックS140は、好ましくは、ブロックS130において使用されるアダプタータイプと関係する単一のプライマータイプを用いて増幅操作を適用すること(例えば、使用されるアダプターセットに共有されているアダプター配列に付随するプライマー配列を共有するプライマーセットを適用することであり、これにより、複数の標的の実質的に同時のシークエンシングが容易になり得るなど)を含む。このように、ブロックS140は、プライマー干渉因子(例えば、自己二量体形成、プライマー二量体形成)を低減または完全に排除する様式での増幅を伴い得、増幅バイアスを低減することができる。具体的な実施例では、ブロックS140は、増幅バイアスを低減するために、プライマー配列を共有するプライマーからなるプライマーセットに基づいて(例えば、同じプライマー配列を共有するプライマーを排他的に使用することなど)、標的セットを増幅させることを含み得る。追加または代替として、ブロックS140において使用されるプライマーセットは、任意の好適な数の配列を共有する任意の好適な数のプライマーサブセットを含み得る。したがって、プライマー/プライマーセットは、増幅バイアス作用を防止もしくは最小化するように選択され得る、ならびに/または分類学的に、系統学的に、診断のために、および/もしくは任意の他の好適な目的のための情報を提供することができる核酸領域/配列(例えば、16S rRNA遺伝子領域、18S rRNA遺伝子領域、ITS領域などの)を増幅するように構成され得る。
【0044】
ブロックS140において、増幅には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく技法(例えば、固相PCR、RT-PCR、qPCR、多重PCR、タッチダウンPCR、ナノPCR、ネステッドPCR、ホットスタートPCRなど)、ヘリカーゼ依存性増幅(HDA)、ループ媒介型等温増幅(LAMP)、自家持続配列複製(3SR)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、および/もしくは任意の他の好適な増幅技法のうちの1つまたは複数が含まれ得る。
【0045】
ブロックS110~S130の試料処理の態様に起因して、ブロックS140は、例えば、アンプリコンのもともとの比率を維持する(すなわち、増幅前の試料における標的のもともとの比率と比べて)様式で、熱サイクリングサイクルの回数が低減された(例えば、10回またはそれよりも少ない、20回またはそれよりも少ない、30回よりも少ないなど)増幅ステップを含み得る。具体的な実施例では、低減された回数の熱サイクリングサイクルおよび単一のプライマー/プライマーセットを増幅に用いることにより、増幅バイアスを、有意に低減することができ、結果として、バイアスは、それぞれの熱サイクリングサイクルでの指数関数的成長ではなく、単に、使用されるgRNA RNAに起因し得る。しかしながら、任意の他の好適な回数の熱サイクリングサイクルが、ブロックS140の他の変形形態において使用されてもよい。
【0046】
具体的な実施例では、アダプターを用いて処理される標的の増幅において、使用されるプライマー/プライマーセット(例えば、プライマーのタイプまたは複数のタイプなど)は、好ましくは、ブロックS130のライゲーションプロセスにおいて使用される単一のアダプタータイプ(または、限定された数のアダプタータイプ)に起因して、試料中の標的のすべてを普遍的に増幅させるように設計される。プライマータイプには、ユニバーサルプライマータイプが含まれる(例えば、プライマー/プライマーセットが、ユニバーサルプライマーを含み得る場合)。追加または代替として、ブロックS140の変形形態において使用されるプライマー/プライマーセットは、追加または代替として、限定された数のアダプターのそれぞれに特異的な組み込まれたバーコード配列を含み得る。追加または代替として、ブロックS140において使用されるプライマー/プライマーセットには、縮重プライマーが含まれ得る。追加または代替として、ブロックS140は、処理、増幅、および増幅に続くステップを容易にするように構成された任意の他のステップを実装することができ、その一部の実施形態、変形形態、および実施例は、2016年4月13日出願の「Method and System for Microbiome-Derived Diagnostics and Therapeutics…」と題される米国特許出願第15/097,862号に記載されているとおりに記載されている。
【0047】
3.5 特徴付けプロセスの実施
方法100は、追加または代替として、ブロックS150を含んでもよく、このブロックでは、マイクロバイオームの組成、マイクロバイオームの機能多様性、および/または関係する状態のうちの少なくとも1つについて、標的セットの増幅(例えば、増幅させた標的のシークエンシングを通じてマイクロバイオームデータセットを生成することなど)により導出されるマイクロバイオームデータセット(例えば、マイクロバイオームの組成多様性データセット、マイクロバイオームの機能多様性データ、マイクロバイオームの薬理ゲノミクスデータセットなど)に基づいて、特徴付けプロセスを実施すること(例えば、特徴付けを生成することなど)について記載している。ブロックS150は、ユーザーのマイクロバイオームに関係する特徴付けを生成するために、マイクロバイオームデータセットを生成するおよび/またはマイクロバイオームデータセットを適用するように機能し得る。特徴付けプロセスおよび/または任意の他の関係するプロセスを実施すること(例えば、生物学的試料を収集すること、補足的データセットを収集すること、マイクロバイオームフィーチャーを抽出すること、マイクロバイオームデータセットを生成することなど)は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年9月18日出願の米国特許出願第15/707,907号に記載されているものに類似の任意の様式で実施することができる。
【0048】
ブロックS150は、好ましくは、1つまたは複数のマイクロバイオームデータセットを生成することを含み、このデータセットには、微生物配列データセット、マイクロバイオームの組成多様性データセット(例えば、マイクロバイオームの組成を示すもの;微生物配列データセットから抽出されたもの;マイクロバイオームの組成多様性フィーチャーを抽出することができるデータセットなど)、マイクロバイオームの機能多様性データセット(例えば、マイクロバイオームの機能多様性を示すもの;微生物配列データセットから抽出されたもの;マイクロバイオームの機能多様性フィーチャーを抽出することができるデータセットなど)、および/もしくは任意の他の好適なマイクロバイオームに関係するデータセットのうちの1つまたは複数が含まれ得る。例えば、ブロックS150は、ユーザーについての微生物配列データセット(例えば、ブロックS140において生成される増幅させた標的セットをシークエンシングすることにより導出される微生物配列を含むもの、ユーザーの微生物配列と参照微生物配列との間の比較から得られる結果、例えば、微生物関連状態と相関されたものを含むものなど)を生成すること、および微生物配列データセットに基づいて、微生物関連状態について、ユーザーについてのマイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することを含み得、ここで、このマイクロバイオームに関係する特徴付けは、微生物関連状態の状況を改善する際に、ユーザーのマイクロバイオームの修正を容易にするように構成される(例えば、これは、ユーザーおよび/または関係する医療提供者に、ユーザーおよび/または対応する状態のマイクロバイオーム特徴を知らせることにより行われ、ユーザーは、この情報を利用して、マイクロバイオームの組成および/または機能多様性を、例えば、消耗品治療(consumable therapy)を通じて改善することができるなど)。マイクロバイオームデータセットの生成は、好ましくは、シークエンシングされた標的セットに基づく(例えば、ブロックS140において増幅させた標的セットに基づいてシークエンシングされるなど)。ブロックS150は、ライゲーションされた末端領域に基づいて(例えば、アダプター配列に付随するプライマー配列を共有するプライマーセットを用いて処理することにより生成される産物などに基づいて)、標的セットのシークエンシング(例えば、次世代シークエンシングシステムを用いた次世代シークエンシング、任意の好適なタイプのシークエンシングシステムを用いたシークエンシングなど)を実施することを含み得る。しかしながら、例えば、シークエンシング操作の実施および/またはマイクロバイオームデータセットの生成は、任意の好適な様式で実施されてもよい。
【0049】
ブロックS150は、好ましくは、1つまたは複数の微生物関連状態について、1つまたは複数のマイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することを含む(例えば、ユーザー、ユーザーの部分群、ユーザーの集団を特徴付けるためなど)。具体的な実施例では、ブロックS150は、標的セットに対応する分類群セットについて、マイクロバイオームに関係する特徴付け(例えば、1つまたは複数の腸関連状態と関係するなど)を決定することを含み得、ここで、分類群のセットは、Alistipes(属)、Barnesiella(属)、Bifidobacterium(属)、Campylobacter(属)、Peptoclostridium(属)、Escherichia-Shigella(属)、Fusobacterium(属)、Lactobacillus(属)、Odoribacter(属)、Prevotella(属)、Pseudoflavonifractor(属)、Roseburia(属)、Ruminococcus(属)、Salmonella(属)、Veillonella(属)、Akkermansia muciniphila(種)、Anaerotruncus colihominis(種)、Bacteroides fragilis(種)、Bacteroides vulgatus(種)、Bifidobacterium longum(種)、Butyrivibrio crossotus(種)、Campylobacter jejuni(種)、Campylobacter coli(種)、Campylobacter lari(種)、Peptoclostridium difficile(種)、Collinsella aerofaciens(種)、Coprococcus eutactus(種)、Desulfovibrio piger(種)、Dialister invisus(種)、Escherichia coli(種)、Escherichia coli O157(種)、Faecalibacterium prausnitzii(種)、Methanobrevibacter smithii(種)、Oxalobacter formigenes(種)、Ruminococcus albus(種)、Ruminococcus bromii(種)、Ruminococcus gnavus(種)、Salmonella enterica(種)、Salmonella bongori(種)、Shigella boydii(種)、Shigella sonnei(種)、Shigella flexneri(種)、Shigella dysenteriae(種)、Streptococcus sanguinis(種)、Streptococcus thermophilus(種)、Vibrio cholerae(種)、Yersinia enterocolitica(種)、Alloprevotella(属)、Anaerofilum(属)、Bacteroides(属)、Blautia(属)、Butyricimonas(属)、Catenibacterium(属)、Christensenella(属)、Collinsella(属)、Coprococcus(属)、Dialister(属)、Eggerthella(属)、Faecalibacterium(属)、Flavonifractor(属)、Gelria(属)、Haemophilus(属)、Holdemania(属)、Oscillibacter(属)、Oscillospira(属)、Parabacteroides(属)、Paraprevotella(属)、Phascolarctobacterium(属)、Streptococcus(属)、Turicibacter(属)、Tyzzerella(属)、Acetobacter nitrogenifigens(種)、Acinetobacter baumannii(種)、Azospirillum brasilense(種)、Bacillus cereus(種)、Bacillus coagulans(種)、Bacillus licheniformis(種)、Bifidobacterium animalis(種)、Bifidobacterium bifidum(種)、Brevibacillus laterosporus(種)、Christensenella minuta(種)、Clavibacter michiganensis(種)、Clostridium butyricum(種)、Enterococcus italicus(種)、Fibrobacter succinogenes(種)、Kocuria rhizophila(種)、Lactobacillus brevis(種)、Lactobacillus coryniformis(種)、Lactobacillus delbrueckii(種)、Lactobacillus fermentum(種)、Lactobacillus helveticus(種)、Lactobacillus kefiranofaciens(種)、Lactobacillus kunkeei(種)、Lactobacillus rhamnosus(種)、Lactobacillus salivarius(種)、Lactococcus fujiensis(種)、Lactococcus garvieae(種)、Lactococcus lactis(種)、Leptotrichia hofstadii(種)、Leuconostoc fallax(種)、Leuconostoc kimchii(種)、Oenococcus oeni(種)、Paenibacillus apiarius(種)、Pediococcus pentosaceus(種)、Propionibacterium freudenreichii(種)、Pseudoclavibacter helvolus(種)、Renibacterium salmoninarum(種)、Ruminococcus flavefaciens(種)、Staphylococcus sciuri(種)、Weissella koreensis(種)、Clostridium(属)、およびClostridium difficile(種)のうちの少なくとも1つを含む。追加または代替として、特徴付けの決定は、任意の好適な標的と関係する任意の好適な微生物関連分類群に関するものであり得る。ブロックS150に関して、特徴付けプロセスの実施は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年9月14日出願の米国仮特許出願第62/558,489号に記載されているものに類似の任意の様式で、以下:重症度スコア、存在についての測定基準、不在についての測定基準、危険性スコア、および/または分類群もしくは分類群セットを目的の状態(もしくは状態群)と関係付けるための有意性インデックス(significance index)のうちの少なくとも1つを測定することとして構成され得る。
【0050】
マイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することは、好ましくは、マイクロバイオームデータセット(例えば、マイクロバイオームデータセットから抽出されるマイクロバイオームフィーチャー;マイクロバイオームの組成多様性フィーチャー;マイクロバイオームの機能多様性フィーチャーなど)に基づく。変形形態では、マイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することは、微生物配列データセットから抽出されるマイクロバイオームフィーチャーの存在、マイクロバイオームフィーチャーの不在、分類群セットの分類学的群の相対存在量、マイクロバイオームフィーチャーのうちのマイクロバイオームの組成フィーチャーの多様性、マイクロバイオームフィーチャーのうちのマイクロバイオームの機能フィーチャーの多様性、分類群セットと関係するマイクロバイオームフィーチャーのうちのの少なくとも2つのフィーチャー間の比、分類群セット間の相互作用、および分類群セット間の系統学的距離のうちの少なくとも1つに基づき得る。追加または代替として、マイクロバイオームに関連する特徴付けの決定は、相対存在量の比較、閾値、重み、機械学習モデル、コンピュータに実装されるルール、および/または任意の他の好適な態様のうちの少なくとも1つに基づき得る。
【0051】
変形形態では、方法100のブロックS150および/または他の好適な部分は、確率論的性質、ヒューリスティック性質、決定論的性質、および/または任意の他の好適な性質のうちの1つもしくは複数を含む、1つまたは複数のモデル(例えば、マイクロバイオーム特徴付けモデル、治療モデル、gRNAに関係する分子選択モデルなど)を、適用すること(例えば、生成すること、訓練すること、実行すること、更新することなど)を含み得る。ある実施例では、方法100は、gRNA複合体を用いて被験体の集団に由来する生物学的試料を処理すること(例えば、ブロックS120にあるように);少なくとも、被験体の集団のサブセットと関係する補足的データセットを受容することであって、補足的データセットは、微生物関連状態に関する情報を提供する(例えば、被験体が微生物関連状態を呈することを示すデジタル調査応答など)、受容すること;ならびに補足的データセットと、マイクロバイオームの組成多様性データセットおよびマイクロバイオームの機能多様性データセットのうちの少なくとも1つから抽出されるフィーチャーとを、微生物関連状態の特徴付けモデル(例えば、特徴付けを決定するための特徴付けモデルなど)に変換することを含み得る。方法100は、ユーザーからユーザー生物学的試料を収集することであって、ユーザー生物学的試料が、標的配列を標的セットと共有するユーザー標的セットを含む、収集することと、配列をタンパク質およびgRNAと共有する、ユーザーに関係するgRNA複合体、アダプター配列を共有するユーザーに関係するアダプター、およびプライマー配列を共有するユーザーに関係するプライマーのうちの少なくとも1つに基づいて、ユーザー標的セットをシークエンシングすることと、シークエンシングしたユーザー標的セットに基づいて、ユーザーのマイクロバイオームデータセットを生成することと、ユーザーのマイクロバイオームデータセットおよび特徴付けモデルに基づいて、微生物関連状態について、ユーザーのマイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することとをさらに含み得る。それぞれのモデルは、1回;所定の頻度で;方法および/もしくはサブプロセスの実施形態の例が実施される度に;トリガー条件が満たされる度に;ならびに/または任意の他の好適な時間頻度で、実行または更新され得る。モデルは、1つもしくは複数の他のモデルと同時に、逐次的に、種々の頻度で、および/または任意の他の好適な時間に、実行または更新され得る。それぞれのモデルは、新しく受容された最新のデータ、履歴データに基づいて、確証、検証、補強、較正、もしくは他の方法で更新され得るか、または任意の他の好適なデータに基づいて更新され得る。
【0052】
決定されたマイクロバイオームに関係する特徴付け(および/または治療モデル、および/または他の好適なデータなど)は、ユーザー(例えば、微生物関連状態を有するユーザー、微生物関連状態の危険性にあるユーザーなど)に、治療を奨励するために使用することができ、ここで、治療は、微生物関連状態の状況を改善するように、ユーザーのマイクロバイオームの組成を調節することができる。追加または代替として、ユーザーに治療を奨励することは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年9月18日出願の米国特許出願第15/707,907号に記載されているものに類似の任意の好適な様式で実施することができる。しかしながら、特徴付けプロセスの実施および/または治療の奨励は、任意の好適な様式で実施されてもよい。
【0053】
具体的な適用では、方法100は、効率的な様式での試料の処理、標的の増幅、およびシークエンシングに基づく、診断試験の生成に適用することができる。具体的な適用では、診断試験は、少なくとも1つもしくは複数の神経学的健康状態、1つもしくは複数の自己免疫状態、1つもしくは複数の内分泌系状態、1つもしくは複数の精神健康状態、1つもしくは複数の運動系状態、1つもしくは複数の代謝(関連)疾患状態、1つもしくは複数の心血管疾患状態、1つもしくは複数の皮膚状態、1つもしくは複数の性感染疾患、1つもしくは複数の歯科健康状態、1つもしくは複数の胃腸健康状態、および/または任意の他の好適な状態と関係付けることができ、その実施形態、変形形態、および実施例は、2015年10月21日出願の米国特許出願第14/919,614号、2016年4月13日出願の米国特許出願第15/097,862号、2016年4月13日出願の米国特許出願第15/098,027号、2016年4月13日出願の米国特許出願第15/098,248号、2016年4月13日出願の米国特許出願第15/098,236号、2016年4月13日出願の米国特許出願第15/098,222号、2016年4月13日出願の米国特許出願第15/098,204号、2016年4月13日出願の米国特許出願第15/098,174号、2016年4月13日出願の米国特許出願第15/098,110号、2016年4月13日出願の米国特許出願第15/098,081号、および2016年4月13日出願の米国特許出願第15/098,153号に記載されており、これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0054】
方法100は、追加または代替として、CRISPR標的化シークエンシング適用を容易にするように構成された任意の他の好適なブロックまたはステップを含み得る。例えば、方法100のいくつかの変形形態は、gRNAが、上述のブロックS101において取得された試料の標的セットの増幅に直接的に適用され得るように、方法100のgRNAを、ロボットサブシステムを含む研究室環境内で自動で生成することを含み得る。具体的な実施例では、ロボットシステムは、Thermo Fischer Scientific(商標)のロボット研究室自動化システム、Anton-Paar(商標)のロボット研究室自動化システム、Transcriptic(商標)のロボット研究室自動化システム、BioNex(商標)のロボット研究室自動化システム、Hudson Robotics(商標)のロボット研究室自動化システム、Biomek(登録商標)研究室自動化ワークステーション、およびgRNAアセンブリ材料(例えば、塩基、オリゴヌクレオチド成分、緩衝液など)を取得し、gRNAセットの様々なgRNAの所望される濃度および分布を用いて、溶液中でgRNAセットのgRNAをアセンブルする、任意の他の好適なロボットシステムのうちの1つまたは複数であり得る。しかしながら、方法100は、追加または代替として、標的セットの増幅および分析のためのCRISPR材料のセットを設計および/または適用するように構成された任意の他の好適なブロックまたはステップを含んでもよい。
【0055】
具体的な実施例では、方法100は、腸試料から、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2017年9月18日出願の米国特許出願第15/707,907号に記載されているアプローチを使用して、DNAを抽出すること;spCas9酵素と、細菌の16S領域を標的とするgRNAとの複合体を形成して、リボ核タンパク質複合体(RNP)を生成し、これを、37℃(および/または他の好適な温度)で、抽出されたDNAとともにインキュベートして、標的DNAの完全な消化を可能にすること;試料の精製(clean-up)およびサイズ選択の後に、アダプターを、消化させた16S断片にライゲーションすること;インデックス化プライマー(indexing primer)およびアダプターに結合する配列を用いてPCRを実施すること;ならびに特徴付けの決定、治療の奨励、および/または任意の他の好適なプロセスの実施のために使用することができる、マイクロバイオームデータセットを生成するために、細菌16Sライブラリーを、シークエンシングシステム(例えば、Illumina NextSeqプラットフォーム)においてシークエンシングすることを含み得る。
【0056】
実施形態の方法100および/またはシステムは、少なくとも部分的には、コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読媒体を受容するように構成された機械として、具現化および/または実装され得る。この命令は、アプリケーション、アプレット、ホスト、サーバ、ネットワーク、ウェブサイト、通信サービス、通信インターフェース、患者コンピュータもしくはモバイルデバイスのハードウェア/ファームウェア/ソフトウェアエレメント、またはそれらの任意の好適な組み合わせが組み込まれた、コンピュータ実行可能構成要素によって、実行され得る。実施形態の他のシステムおよび方法は、少なくとも部分的には、コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読媒体を受容するように構成された機械として、具現化および/または実装され得る。この命令は、上述のタイプの装置およびネットワークが組み込まれた、コンピュータ実行可能構成要素によって実行され得る。コンピュータ可読媒体は、任意の好適なコンピュータ可読媒体、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光学デバイス(CDもしくはDVD)、ハードドライブ、フロッピー(登録商標)ドライブ、または任意の好適なデバイスに記憶され得る。コンピュータ実行可能構成要素は、プロセッサであり得るが、任意の好適な専用ハードウェアデバイスにより、(代替または追加として)命令を実行することもできる。
【0057】
図面は、好ましい実施形態、実施例の構成、およびそれらの変形形態による、システム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能性のある実装のアーキテクチャ、機能性、および操作を図示する。この点に関して、フローチャートまたはブロック図におけるそれぞれのブロックは、モジュール、セグメント、ステップ、またはコードの部分を表し得、これには、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能な命令が含まれる。一部の代替的な実装では、ブロックに示されている機能は、図面に示された順序に関係なく生じ得ることにも、留意されたい。例えば、連続的に示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、またはこれらのブロックは、関与する機能性に応じて、逆の順序で実行される場合があってもよい。ブロック図および/またはフローチャートの表示におけるそれぞれのブロック、ならびにブロック図および/またはフローチャートの表示におけるブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実施する特定用途向けハードウェアに基づくシステム、または特定用途向けハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって、実装され得ることにも、留意されたい。
【0058】
簡潔さのために省略されているが、実施形態には、任意の変形形態、実施例、および具体的な実施例を含め、様々なシステム構成要素および様々な方法プロセスのあらゆる組み合わせおよび順列が含まれ、ここで、方法プロセスは、任意の好適なシステム構成要素を使用して、任意の好適な順序で、逐次的に、または同時に実施され得る。
【0059】
当業者であれば、前述の詳細な説明、ならびに図面および特許請求の範囲から認識するように、本発明の実施形態には、以下の特許請求の範囲に定められている本発明の範囲から逸脱することなく、修正および変更をなし得る。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
生物学的試料と関係するユーザーの微生物関連状態を特徴付けるための改善されたマイクロバイオームシークエンシングのための方法であって、以下:
・エンドヌクレアーゼ、および前記微生物関連状態と関係する分類群セットに対応する標的セットに対するガイドRNA(gRNA)を含むgRNA複合体を生成することと、
・前記gRNA複合体を用いて前記生物学的試料を処理して、前記標的セットに付随した末端領域セットを含む微生物核酸断片を生成することと、
・前記末端領域セットを、アダプター配列を共有し、前記標的セットの次世代シークエンシングを容易にするように構成されたアダプターセットとライゲーションすることと、
・ライゲーションされた前記末端領域セット、および前記アダプター配列に付随するプライマー配列を共有するプライマーセットに基づいて、前記標的セットを増幅させることと、
・増幅させた前記標的セットに基づいて、前記ユーザーの微生物配列データセットを生成することと、
・前記微生物配列データセットに基づいて、前記微生物関連状態について、前記ユーザーのマイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することとを含み、ここで前記マイクロバイオームに関係する特徴付けが、前記微生物関連状態の状況を改善する際に、前記ユーザーの前記マイクロバイオームの修正を容易にするように構成されている、方法。
(項目2)
前記標的セットを増幅させることが、増幅バイアスを低減させるために、前記プライマー配列を共有するプライマーからなる前記プライマーセットに基づく、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記標的セットを増幅させることが、次世代シークエンシングプラットフォームのブリッジ増幅担体を用いて、前記プライマーセットおよび前記アダプターセットに基づく多重増幅を実施することを含み、前記微生物配列データセットを生成することが、前記次世代シークエンシングプラットフォームと通信するように作動可能なコンピューティングシステムにおいて、前記微生物配列データセットを生成することを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記gRNA複合体を生成することが、オンターゲット活性を最適化するために、gRNA設計因子セットに基づいて、gRNA配列をランク付けすることを含む、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記gRNA設計因子が、フォールディングエネルギー因子、ハイブリダイゼーション因子、GC含量因子、ヌクレオチドラン因子、第1の結合エネルギー因子、第2の結合エネルギー因子、およびGCクランプ因子のうちの少なくとも1つを含む、項目4に記載の方法。
(項目6)
前記gRNAが、16S rRNA領域と関係する標的セットに対するものである、項目4に記載の方法。
(項目7)
前記標的セットに対応する前記分類群セットが、Alistipes(属)、Barnesiella(属)、Bifidobacterium(属)、Campylobacter(属)、Peptoclostridium(属)、Escherichia-Shigella(属)、Fusobacterium(属)、Lactobacillus(属)、Odoribacter(属)、Prevotella(属)、Pseudoflavonifractor(属)、Roseburia(属)、Ruminococcus(属)、Salmonella(属)、Veillonella(属)、Akkermansia muciniphila(種)、Anaerotruncus colihominis(種)、Bacteroides fragilis(種)、Bacteroides vulgatus(種)、Bifidobacterium longum(種)、Butyrivibrio crossotus(種)、Campylobacter jejuni(種)、Campylobacter coli(種)、Campylobacter lari(種)、Peptoclostridium difficile(種)、Collinsella aerofaciens(種)、Coprococcus eutactus(種)、Desulfovibrio piger(種)、Dialister invisus(種)、Escherichia coli(種)、Escherichia coli O157(種)、Faecalibacterium prausnitzii(種)、Methanobrevibacter smithii(種)、Oxalobacter formigenes(種)、Ruminococcus albus(種)、Ruminococcus bromii(種)、Ruminococcus gnavus(種)、Salmonella enterica(種)、Salmonella bongori(種)、Shigella boydii(種)、Shigella sonnei(種)、Shigella flexneri(種)、Shigella dysenteriae(種)、Streptococcus sanguinis(種)、Streptococcus thermophilus(種)、Vibrio cholerae(種)、Yersinia enterocolitica(種)、Alloprevotella(属)、Anaerofilum(属)、Bacteroides(属)、Blautia(属)、Butyricimonas(属)、Catenibacterium(属)、Christensenella(属)、Collinsella(属)、Coprococcus(属)、Dialister(属)、Eggerthella(属)、Faecalibacterium(属)、Flavonifractor(属)、Gelria(属)、Haemophilus(属)、Holdemania(属)、Oscillibacter(属)、Oscillospira(属)、Parabacteroides(属)、Paraprevotella(属)、Phascolarctobacterium(属)、Streptococcus(属)、Turicibacter(属)、Tyzzerella(属)、Acetobacter nitrogenifigens(種)、Acinetobacter baumannii(種)、Azospirillum brasilense(種)、Bacillus cereus(種)、Bacillus coagulans(種)、Bacillus licheniformis(種)、Bifidobacterium animalis(種)、Bifidobacterium bifidum(種)、Brevibacillus laterosporus(種)、Christensenella minuta(種)、Clavibacter michiganensis(種)、Clostridium butyricum(種)、Enterococcus italicus(種)、Fibrobacter succinogenes(種)、Kocuria rhizophila(種)、Lactobacillus brevis(種)、Lactobacillus coryniformis(種)、Lactobacillus delbrueckii(種)、Lactobacillus fermentum(種)、Lactobacillus helveticus(種)、Lactobacillus kefiranofaciens(種)、Lactobacillus kunkeei(種)、Lactobacillus rhamnosus(種)、Lactobacillus salivarius(種)、Lactococcus fujiensis(種)、Lactococcus garvieae(種)、Lactococcus lactis(種)、Leptotrichia hofstadii(種)、Leuconostoc fallax(種)、Leuconostoc kimchii(種)、Oenococcus oeni(種)、Paenibacillus apiarius(種)、Pediococcus pentosaceus(種)、Propionibacterium freudenreichii(種)、Pseudoclavibacter helvolus(種)、Renibacterium salmoninarum(種)、Ruminococcus flavefaciens(種)、Staphylococcus sciuri(種)、Weissella koreensis(種)、Clostridium(属)、およびClostridium difficile(種)のうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記微生物関連状態が、下痢、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、潰瘍性大腸炎、便秘、腹部圧痛、腹部膨満、鼓腸、肥満、II型糖尿病、糖尿病前症、腎臓結石、心血管系健康状態、および不安症のうちの少なくとも1つを含む腸関連状態を含む、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記微生物関連状態について、前記マイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することが、前記微生物配列データセットから抽出されるマイクロバイオームフィーチャーの存在、前記マイクロバイオームフィーチャーの不在、前記分類群セットの分類学的群の相対存在量、前記マイクロバイオームフィーチャーのうちのマイクロバイオームの組成フィーチャーの多様性、前記マイクロバイオームフィーチャーのうちのマイクロバイオームの機能フィーチャーの多様性、前記分類群セットと関係する前記マイクロバイオームフィーチャーのうちの少なくとも2つのフィーチャー間の比、前記分類群セット間の相互作用、および前記分類群セット間の系統学的距離のうちの少なくとも1つに基づいて、前記マイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することを含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記ユーザーの前記マイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することが、前記微生物配列データセットから抽出されるマイクロバイオームの組成多様性フィーチャーおよびマイクロバイオームの機能多様性フィーチャーのうちの少なくとも1つに基づいて、前記マイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することを含む、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記gRNA複合体の前記エンドヌクレアーゼが、cas、cpf、cse、csy、csn、csd、cst、csh、csa、csm、cmr、およびCRISPRに関係するタンパク質ファミリーのうちの少なくとも1つを含む、タンパク質タイプファミリーと関係する、項目1に記載の方法。
(項目12)
改善されたマイクロバイオームシークエンシングのための方法であって、以下:
・タンパク質、および微生物関連状態と関係する分類群セットに対応する標的セットに対するガイドRNA(gRNA)を含むgRNA複合体を生成することと、
・前記gRNA複合体を用いて微生物核酸材料を処理して、前記標的セットに付随した末端領域を生成することと、
・前記末端領域を、アダプター配列を共有するアダプターセットとライゲーションすることと、
・ライゲーションされた前記末端領域、および前記アダプター配列に付随するプライマー配列を共有するプライマーセットに基づいて、前記標的セットのシークエンシングを実施することと、
・シークエンシングした前記標的セットに基づいて、マイクロバイオームの組成多様性データセットおよびマイクロバイオームの機能多様性データセットのうちの少なくとも1つを生成することと
を含む、方法。
(項目13)
前記微生物核酸材料を処理することが、前記gRNA複合体を用いて、被験体の集団に由来する生物学的試料を処理することを含み、前記方法が、以下:
・少なくとも前記被験体の集団のサブセットと関係する補足的データセットを受容することであって、前記補足的データセットが、前記微生物関連状態の情報を提供する、受容することと、
・前記補足的データセット、ならびに前記マイクロバイオームの組成多様性データセットおよび前記マイクロバイオームの機能多様性データセットのうちの少なくとも1つから抽出されるフィーチャーを、前記微生物関連状態の特徴付けモデルに変換することと
をさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
以下:
・ユーザーから、ユーザー生物学的試料を収集することであって、前記ユーザー生物学的試料が、標的配列を前記標的セットと共有するユーザー標的セットを含む、収集することと、
・配列を前記タンパク質および前記gRNAと共有するユーザーに関係するgRNA複合体、前記アダプター配列を共有するユーザーに関係するアダプター、および前記プライマー配列を共有するユーザーに関係するプライマーに基づいて、前記ユーザー標的セットをシークエンシングすることと、
・シークエンシングした前記ユーザー標的セットに基づいて、ユーザーのマイクロバイオームデータセットを生成することと、
・前記ユーザーのマイクロバイオームデータセットおよび前記特徴付けモデルに基づいて、前記微生物関連状態について、前記ユーザーのマイクロバイオームに関係する特徴付けを決定することと
をさらに含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記マイクロバイオームに関係する特徴付けおよび治療モデルに基づいて、前記微生物関連状態を有する前記ユーザーに治療を奨励することをさらに含み、前記治療が、前記微生物関連状態の状況を改善するように、ユーザーのマイクロバイオームの組成を調節する、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記gRNA複合体を生成することが、フォールディングエネルギー因子、ハイブリダイゼーション因子、GC含量因子、ヌクレオチドラン因子、第1の結合エネルギー因子、第2の結合エネルギー因子、およびGCクランプ因子のうちの少なくとも1つに基づいて、gRNA配列を選択することを含む、項目12に記載の方法。
(項目17)
前記gRNA複合体の前記タンパク質が、前記標的セットに付随した平滑末端領域セットを含む微生物核酸断片を生成するためのエンドヌクレアーゼを含み、前記末端領域をライゲーションすることが、前記平滑末端領域セットを、前記アダプター配列を共有する前記アダプターセットとライゲーションすることを含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記分類群セットに対応する前記標的セットが、Alistipes(属)、Barnesiella(属)、Bifidobacterium(属)、Campylobacter(属)、Peptoclostridium(属)、Escherichia-Shigella(属)、Fusobacterium(属)、Lactobacillus(属)、Odoribacter(属)、Prevotella(属)、Pseudoflavonifractor(属)、Roseburia(属)、Ruminococcus(属)、Salmonella(属)、Veillonella(属)、Akkermansia muciniphila(種)、Anaerotruncus colihominis(種)、Bacteroides fragilis(種)、Bacteroides vulgatus(種)、Bifidobacterium longum(種)、Butyrivibrio crossotus(種)、Campylobacter jejuni(種)、Campylobacter coli(種)、Campylobacter lari(種)、Peptoclostridium difficile(種)、Collinsella aerofaciens(種)、Coprococcus eutactus(種)、Desulfovibrio piger(種)、Dialister invisus(種)、Escherichia coli(種)、Escherichia coli O157(種)、Faecalibacterium prausnitzii(種)、Methanobrevibacter
smithii(種)、Oxalobacter formigenes(種)、Ruminococcus albus(種)、Ruminococcus bromii(種)、Ruminococcus gnavus(種)、Salmonella enterica(種)、Salmonella bongori(種)、Shigella boydii(種)、Shigella sonnei(種)、Shigella flexneri(種)、Shigella dysenteriae(種)、Streptococcus sanguinis(種)、Streptococcus thermophilus(種)、Vibrio cholerae(種)、およびYersinia enterocolitica(種)のうちの少なくとも1つと関係する複数の標的を含む、項目12に記載の方法。
(項目19)
前記アダプター配列を共有する前記アダプターセットおよび前記プライマー配列を共有する前記プライマーセットが、前記複数の標的の実質的に同時のシークエンシングを容易にする、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記アダプター配列を共有する前記アダプターセットが、次世代シークエンシングプラットフォームを用いる次世代シークエンシングを容易にし、前記標的セットのシークエンシングを実施することが、前記プライマーセットおよび前記アダプターセットに基づいて、前記次世代シークエンシングプラットフォームを用いて、次世代シークエンシングを実施することを含む、項目12に記載の方法。
(項目21)
前記標的セットのシークエンシングを実施することが、前記アダプター配列に付随する前記プライマー配列を共有する前記プライマーセットに基づいて、前記標的セットの増幅を実施することを含む、項目12に記載の方法。
(項目22)
前記gRNA複合体の前記タンパク質が、cas、cpf、cas、cse、csy、csn、csd、cst、csh、csa、csm、およびcmrのうちの少なくとも1つを含む、タンパク質タイプファミリーと関係する、項目12に記載の方法。
(項目23)
前記gRNA複合体の前記タンパク質が、Cas9およびCpf1のうちの少なくとも1つを含むタンパク質タイプと関係する、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記gRNA複合体を用いて前記微生物核酸材料を処理して、前記末端領域を生成することが、以下:
・前記gRNA複合体を用いて前記微生物核酸材料を処理して、前記標的セットに付随した粘着末端領域を生成することと、
・前記粘着末端領域を処理して、前記標的セットに付随した平滑末端領域を生成することとを含み、ここで前記末端領域を、前記アダプター配列を共有する前記アダプターセットとライゲーションすることが、前記平滑末端領域を前記アダプターセットとライゲーションすることを含む、項目12に記載の方法。
(項目25)
前記標的セットに対応する前記分類群セットが、Actinomyces(属)、Aerococcus(属)、Alloiococcus(属)、Anaerococcus(属)、Anaeroglobus(属)、Anaerostipes(属)、Anaerotruncus(属)、Arcanobacterium(属)、Arthrospira(属)、Atopobium(属)、Bacteroides(属)、Bulleidia(属)、Campylobacter(属)、Catenibacterium(属)、Coriobacteriaceae(科)、Corynebacterium(属)、Dialister(属)、Eggerthella(属)、Enterococcus(属)、Escherichia(属)、Finegoldia(属)、Fusobacterium(属)、Gardnerella(属)、Gemella(属)、Lactobacillaceae(科)、Lactobacillales(目)、Lactobacillus(属)、Leptotrichia(属)、Megasphaera(属)、Mobiluncus(属)、Moryella(属)、Mycoplasma(属)、Papillibacter(属)、Parvimonas(属)、Peptococcus(属)、Peptoniphilus(属)、Peptostreptococcus(属)、Porphyromonadaceae(科)、Porphyromonas(属)、Prevotella(属)、Prevotellaceae(科)、Pseudomonas(属)、Ruminococcus(属)、Segniliparus(属)、Shigella(属)、Sneathia(属)、Staphylococcus(属)、Streptococcus(属)、Treponema(属)、Ureaplasma(属)、Veillonella(属)、Veillonellaceae(科)、Aerococcus christensenii(種)、Aerococcus spp.(属)、Algoriphagus aquatilis(種)、Anaerococcus spp.(属)、Anaerococcus tetradius(種)、Anaerococcus vaginalis(種)、Anoxybacillus pushchinoensis(種)、Atopobium spp.(属)、Atopobium vaginae(種)、Bacteroides fragilis(種)、Bacteroides spp.(属)、Bifidobacterium animalis subsp. lactis(種)、Bifidobacterium dentium(種)、Bifidobacterium lactis(種)、Bifidobacterium longum subsp. suis(種)、Bulleidia extructa(種)、Burkholderia fungorum(種)、Burkholderia phenoliruptrix(種)、Caldicellulosiruptor saccharolyticus(種)、Campylobacter spp.(属)、Campylobacter ureolyticus(種)、Candida albicans(種)、Candida glabrata(種)、Candida krusei(種)、Candida lusitaniae(種)、Candidatus Mycoplasma girerdii(種)、Catenibacterium spp.(属)、Chlamydia trachomatis(種)、Chondromyces robustus(種)、Clostridiales BVAB2(種)、Clostridiales BVAB3(種)、Clostridium cavendishii(種)、Clostridium viride(種)、Cryobacterium psychrophilum(種)、Dialister micraerophilus(種)、Dickeya chrysanthemi(種)、Eggerthia catenaformis(種)、Erwinia chrysanthemi(種)、Escherichia coli(種)、Escherichia fergusonii(種)、Exiguobacterium acetylicum(種)、Fusobacterium nucleatum(種)、Fusobacterium spp.(属)、Gardnerella spp.(属)、Gardnerella vaginalis(種)、Gemella sp.(属)、Haemophilus ducreyi(種)、Klebsiella granulomatis(種)、Lachnospiraceae BVAB1(種)、Lactobacillus acidophilus(種)、Lactobacillus brevis(種)、Lactobacillus casei(種)、Lactobacillus casei Shirota(種)、Lactobacillus crispatus(種)、Lactobacillus delbrueckii(種)、Lactobacillus fermentum(種)、Lactobacillus gasseri(種)、Lactobacillus iners(種)、Lactobacillus jensenii(種)、Lactobacillus johnsonii(種)、Lactobacillus kefiranofaciens(種)、Lactobacillus paracasei FJ861111.1(種)、Lactobacillus pentosus株S-PT84(種)、Lactobacillus plantarum(種)、Lactobacillus reuteri(種)、Lactobacillus reuteri RC-14(種)、Lactobacillus rhamnosus(種)、Lactobacillus rhamnosus(株BMX 54)(種)、Lactobacillus rhamnosus BMX 54(種)、Lactobacillus rhamnosus GR-1(種)、Lactobacillus salivarius(種)、Lactobacillus vaginalis(種)、Leptotrichia spp.(属)、Maribacter orientalis(種)、Megasphaera genomosp(種)、Megasphaera micronuciformis(種)、Megasphaera spp.(属)、Microbacterium halophilum(種)、Mobiluncus curtisii(種)、Mobiluncus mulieris(種)、Moorella glycerini(種)、Mycoplasma genitalium(種)、Mycoplasma hominis(種)、Mycoplasma muris(種)、Neisseria gonorrhoeae(種)、Paeniclostridium sordellii(種)、Papillibacter spp.(属)、Parastreptomyces abscessus(種)、Parvimonas micra(種)、Parvimonas spp.(属)、Pasteurella multocida(種)、Pediococcus ethanolidurans(種)、Peptoniphilus harei(種)、Peptoniphilus indolicus(種)、Peptoniphilus spp.(属)、Peptostreptococcus anaerobius(種)、Peptostreptococcus massiliae(種)、Peptostreptococcus spp.(属)、Porphyromonas gingivalis(種)、Porphyromonas levii(種)、Porphyromonas sp.(属)、Porphyromonas uenonis(種)、Prevotella amnii(種)、Prevotella bivia(種)、Prevotella disiens(種)、Prevotella intermedia(種)、Prevotella oralis(種)、Prevotella oris(種)、Prevotella timonensis(種)、Pseudomonas spp.(属)、Ralstonia pickettii(種)、Ruminococcus spp.(属)、Sanguibacter keddieii(種)、Sneathia amnii(種)、Sneathia sanguinegens(種)、Sneathia spp.(属)、Staphylococcus aureus(種)、Staphylococcus mulans(種)、Staphylococcus pasteuri(種)、Staphylococcus simiae(種)、Staphylococcus simulans(種)、Staphylococcus spp.(属)、Staphylococcus warneri(種)、Streptococcus agalactiae(種)、Streptococcus anginosus(種)、Streptococcus intermedius(種)、Streptococcus pyogenes(種)、Streptococcus viridans(種)、Thermosipho atlanticus(種)、Thermovirga lienii(種)、Treponema pallidum(種)、Trichomonas vaginalis(種)、Trueperella bernardiae(種)、Ureaplasma parvum(種)、Ureaplasma urealyticum(種)、Veillonella montpellierensis(種)、Veillonella parvula(種)、Virgibacillus proomii(種)、Zobellia laminariae(種)、HPV 3(ウイルスバリアント)、HPV 6(ウイルスバリアント)、HPV 16(ウイルスバリアント)、HPV 18(ウイルスバリアント)、HPV 31(ウイルスバリアント)、HPV 33(ウイルスバリアント)、HPV 35(ウイルスバリアント)、HPV 39(ウイルスバリアント)、HPV 43(ウイルスバリアント)、HPV 45(ウイルスバリアント)、HPV 51(ウイルスバリアント)、HPV 52(ウイルスバリアント)、HPV 53(ウイルスバリアント)、HPV 54(ウイルスバリアント)、HPV 56(ウイルスバリアント)、HPV 58(ウイルスバリアント)、HPV 59(ウイルスバリアント)、HPV 66(ウイルスバリアント)、HPV 68(ウイルスバリアント)、HPV(ウイルス)、およびHPV(複数の型)(ウイルス)のうちの少なくとも1つを含む、項目12に記載の方法。