(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】マイクロ電子デバイスのための保護層を備えたダイ取り付け表面銅層
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20230308BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
H01L21/52 B
H01L23/36 D
(21)【出願番号】P 2020519728
(86)(22)【出願日】2018-10-04
(86)【国際出願番号】 US2018054415
(87)【国際公開番号】W WO2019071006
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-09-28
(32)【優先日】2018-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ダニエル マナック
(72)【発明者】
【氏名】ナジラ ダドバンド
(72)【発明者】
【氏名】サルバトーレ フランク パボネ
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0326297(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0214286(US,A1)
【文献】特開2009-094341(JP,A)
【文献】特表2009-505439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
H01L 23/36
H01L 21/60
H01L 23/12
H01L 23/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ電子デバイスであって、
構成要素表面と、前記構成要素表面の反対側に位置するダイ取り付け表面とを有する基板と、
前記構成要素表面に近接して位置する構成要素と、
前記ダイ取り付け表面上の銅含有層であって、
銅含有層の占有領域が前記ダイ取り付け表面の横方向外周から窪んでいる、前記銅含有層と、
前記銅含有層上のダイ取り付け材料と、
を含み、
前記銅含有層が前記ダイ取り付け材料によってパッケージ部材に取り付けられる、マイクロ電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記銅含有層が5ミクロン~10ミクロンの厚みである、マイクロ電子デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記銅含有層と前記ダイ取り付け表面との間に中間層を更に含む、マイクロ電子デバイス。
【請求項4】
請求項3に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記中間層がチタンを含む、マイクロ電子デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記銅含有層と前記ダイ取り付け材料との間の保護金属層を更に含み、
前記保護金属層が、錫と銀とニッケルとからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含む、マイクロ電子デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記ダイ取り付け材料がはんだを含む、マイクロ電子デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記基板が15ミクロン~300ミクロンの厚みである、マイクロ電子デバイス。
【請求項8】
マイクロ電子デバイスを形成する方法であって、
構成要素面と、前記構成要素面の反対側に位置するダイ取り付け面とを有する基板ウェハであって、前記基板が、前記構成要素面に近接する前記マイクロ電子デバイスの構成要素を含む、前記基板ウェハを提供することと、
前記ダイ取り付け面において前記基板ウェハから材料を除去することと、
前記ダイ取り付け面上に銅含有層を形成することであって、前記銅含有層
の占有領域が前記マイクロ電子デバイスのためのエリアの横方向外周から窪まされている、前記銅含有層を形成することと、
めっきプロセスによって前記銅含有層上に保護金属層を形成することと、
を含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記保護金属層が、錫と銀とニッケルとからなる群から選択される少なくとも1つの金属を含む、方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、
前記基板ウェハから材料を除去することの前の前記基板ウェハの厚みが300ミクロンより大きく、前記基板ウェハから材料を除去することの後の前記基板ウェハの厚みが300ミクロン未満である、方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法であって、
前記銅含有層を形成することが、
前記ダイ取り付け面にシード層を形成することと、
前記シード層上にめっきマスクを形成することであって、前記シード層が前記銅含有層のためのエリアを露出させる、前記めっきマスクを形成することと、
めっきプロセスによって前記めっきマスクにより露出された箇所の前記シード層上の銅をめっきすることと、
前記めっきマスクを除去することと、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記銅含有層が5ミクロン~10ミクロンの厚みである、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、
前記銅含有層を形成することと同時に、前記構成要素面上に銅含有ピラーの少なくとも一部を形成することを更に含む、方法。
【請求項14】
請求項8に記載の方法であって、
前記銅含有層を形成することが、前記ダイ取り付け面上に銅含有材料を堆積させるアディティブ法を含む、方法。
【請求項15】
請求項8に記載の方法であって、
前記基板ウェハから材料を除去することの後であり前記銅含有層を形成することの前に、前記ダイ取り付け面上に中間層を形成することを更に含み、
前記銅含有層が前記中間層上に形成される、方法。
【請求項16】
マイクロ電子デバイスを形成する方法であって、
構成要素表面と、前記構成要素表面と反対側に位置するダイ取り付け表面とを有する、300ミクロン未満の厚みの基板を提供することであって、前記基板が、前記構成要素表面に近接する構成要素を含み、前記基板が、前記ダイ取り付け表面上に銅含有層を有し、前記銅含有層
の占有領域が、前記ダイ取り付け表面の横方向外周から窪んでおり、前記基板が、前記銅含有層上に保護金属層を有し、前記銅含有層が、前記ダイ取り付け表面と前記保護金属層との間にある、前記基板を提供することと、
ダイ取り付け材料でパッケージ部材に前記基板を取り付けることと、
を含み、
前記銅含有層が前記ダイ取り付け材料によって前記パッケージ部材に取り付けられる、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記基板をパッケージ部材に取り付けることの前に、前記保護金属層を取り除くことを更に含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、
前記銅含有層が5ミクロン~10ミクロンの厚みである、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、
前記ダイ取り付け材料がはんだを含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記基板をパッケージ部材に取り付けることが、はんだリフロープロセスを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概してマイクロ電子デバイスに関し、より詳細にはマイクロ電子デバイスにおける金属層に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電子デバイスの中には、低抵抗の電気的又は熱的接続を提供するために、それらの基板のダイ取り付け表面上に金属層を有するものがある。銅は、電気的及び熱的伝導率が高いため、金属層にとって望ましい要素である。しかし、基板のダイ取り付け表面上の銅は、汚染、酸化、及び腐食の問題を提起する。ダイ取り付け表面上の銅層の統合は、マイクロ電子デバイスのための製造フローに統合するのが困難であった。
【発明の概要】
【0003】
マイクロ電子デバイスを形成する或る方法が、基板のダイ取り付け表面からマイクロ電子デバイスの基板を薄化することと、基板のダイ取り付け表面上に銅含有層を形成することと、銅含有層上に保護金属層を形成することと、その後、銅含有層をパッケージダイ取り付けエリアにおけるパッケージ部材に取り付けることとを含む。保護金属層は、銅含有層をパッケージ部材に取り付ける前に、任意選択で取り除かれ得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】パッケージにアセンブルされた例示のマイクロ電子デバイスの断面である。
【0005】
【
図2A】形成の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図2B】形成の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図2C】形成の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図2D】形成の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図2E】形成の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図2F】形成の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図2G】形成の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図2H】形成の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図2I】形成の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【0006】
【
図3A】形成の別の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図3B】形成の別の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図3C】形成の別の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図3D】形成の別の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図3E】形成の別の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図3F】形成の別の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図3G】形成の別の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図3H】形成の別の例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【0007】
【
図4A】形成の更なる例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図4B】形成の更なる例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図4C】形成の更なる例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図4D】形成の更なる例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図4E】形成の更なる例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【
図4F】形成の更なる例示的な方法の或る段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面は一定の縮尺で描いてはいない。幾つかの行為又は事象が、異なる順で及び/又は他の行為又は事象と同時に起こり得るので、本記載は行為又は事象の例示される順によって限定されない。また、幾つかの例示される行為又は事象は、本記載に従った手法を実施するために任意選択である。
【0009】
マイクロ電子デバイスが、構成要素表面に近接して位置する構成要素を備える構成要素表面と、構成要素表面まで延在する入力/出力(I/O)パッドとを有する。マイクロ電子デバイスは更に、構成要素表面とは反対側のダイ取り付け表面を備える基板を有する。マイクロ電子デバイスは、マイクロ電子デバイスがシリコンウェハなどの基板ウェハに含まれる一方で、ダイ取り付け表面から基板を薄化することによって形成され得る。基板は、構成要素からダイ取り付け表面への熱的又は電気的抵抗を低減するために薄化され得る。
【0010】
基板が薄化された後、マイクロ電子デバイスが基板ウェハに含まれる一方で、ダイ取り付け表面上に銅含有層が形成される。中間層が銅含有層を基板のダイ取り付け表面から分離するように、銅含有層を形成する前にダイ取り付け表面上に中間層が形成され得る。一態様において、中間層は、ダイ取り付け表面上に直接に銅含有層を有することによって提供され得るよりも、銅含有層とダイ取り付け表面との間のより良好な接着を提供し得る。別の態様において、中間層は、銅含有層から基板内に拡散する銅に対する障壁を提供し得る。銅は、半導体材料などの幾つかの基板材料に拡散するとき、望ましくない効果を有する。銅含有層は、ダイ取り付け表面の横方向外周から窪むように形成され得る。銅含有層を窪ませることは、有利にも、マイクロ電子デバイスの後続の個片化の間の基板の銅汚染を低減し得る。
【0011】
銅含有層上に保護金属層が形成され、一方、基板ウェハにはマイクロ電子デバイスが含まれる。保護金属層は、例えば、錫、銀、ニッケル、コバルト、タングステン、モリブデン、セリウム、ランタン、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。保護金属層は、浸漬めっきプロセスによって、又は電気めっきプロセスによって形成され得る。保護金属層は、有利にも、後の製造プロセスの間、腐食又は酸化から銅含有層を保護し得る。
【0012】
その後、マイクロ電子デバイスは、マイクロ電子デバイスを基板ウェハの残りの部分から分離するように個片化される。マイクロ電子デバイスがリードフレームパッケージなどのパッケージにアセンブルされる前に、個片化の前及び後に若干の時間が経過することがある。保護金属層は、有利にも、銅含有層を腐食又は酸化から保護し得る。
【0013】
アッセンブリの前に、保護金属層はウェットエッチングプロセスによって取り除かれ得、銅含有層をそのまま残し、後続のダイ取り付けプロセスのためのクリーンな表面を提供し得る。マイクロ電子デバイスは、ダイ取り付けプロセスによってパッケージにアセンブルされ、銅含有層は、はんだプロセス、接着プロセス、又は別のプロセスによって、パッケージダイ取り付けエリアに取り付けられる。銅含有層のクリーンな表面を提供することは、有利にも、パッケージダイ取り付けエリアとマイクロ電子デバイスの構成要素との間に一層低い熱的又は電気的抵抗を提供し得る。
【0014】
或いは、ダイ取り付けプロセスの間、保護金属層の一部又は全部が銅含有層上の適所に残され得る。保護金属層は、ダイ取り付けプロセスの前に、例えばウェットエッチングプロセスによって、洗浄され得る。保護金属層は、はんだ又は接着性ダイ取り付け材料に適した表面を提供し得る。銅含有層上に少なくとも保護金属層の一部を残すと、マイクロ電子デバイスのためのプロセスコストと複雑度が低減され得る。
【0015】
基板を薄化することは、銅含有層の厚みに制約を課す。銅含有層は、パッケージダイ取り付けエリアと基板との間に低い熱的又は電気的抵抗を提供するために充分な厚みであるべきである。銅含有層は、銅含有層内の応力に起因して基板を撓ませたり歪めたりするほど厚くすべきではない。これらの制約を満たすため、銅含有層は、例えば5ミクロン~10ミクロンの厚みとし得る。保護金属層は、銅含有層における銅の腐食又は酸化からの消費を防止し、その結果、マイクロ電子デバイスが、銅含有層の厚みの有意な低減、すなわち1ミクロン未満の低減なしに、パッケージダイ取り付けエリアに取り付けられ得る。
【0016】
本記載において、或る要素が別の要素「上」にあると称する場合、それは他の要素の直接上にあることもあれば、介在要素が存在することもある。また、或る要素が別の要素の「上に直接に」あると称される場合、他に意図的に配置された介在要素はない。
【0017】
図1は、パッケージにアセンブルされた例示のマイクロ電子デバイスの断面である。マイクロ電子デバイス100は、構成要素表面102と、構成要素表面102とは反対に位置するダイ取り付け表面106を備える基板104とを有する。基板104は、シリコン、ガリウムヒ化物、ガリウム窒化物、又は他の半導体材料を含み得る。マイクロ電子デバイス100は、構成要素表面102に近接して位置する金属酸化物半導体(MOS)トランジスタ108として
図1に描かれる構成要素108を含む。基板104は、構成要素108に対する機械的支持を提供するため、少なくとも15ミクロンの厚みとし得る。基板104は、構成要素108からダイ取り付け表面106への電気又は熱抵抗を減少させるため、厚みが300ミクロン未満とし得る。本例では、マイクロ電子デバイス100は、構成要素108から構成要素表面102まで延在する相互接続領域110を含む。相互接続領域110内のコンタクト、相互接続、及びビアなどの相互接続部材112が、構成要素108を構成要素表面102に位置するI/Oパッド114に電気的に接続する。本例では、マイクロ電子デバイス100は、I/Oパッド114に結合された銅含有ピラー116、及び、銅含有ピラー116に結合されたはんだボール118を含む。
【0018】
マイクロ電子デバイス100は、ダイ取り付け表面106上に銅含有層120を含む。本例のマイクロ電子デバイス100は、銅含有層120とダイ取り付け表面106との間に中間層122を含む。マイクロ電子デバイス100の別の顕在化において、銅含有層120は、ダイ取り付け表面106上に直接に配置され得る。銅含有層120は、本質的に銅のみを含み得るか、又は、銅含有層120を形成するために用いられるめっきプロセスの間に混合され得る、少量の有機材料及び酸素などの他の材料を含み得る。銅含有層120は、少量の別の金属も含み得る。銅含有層120の厚みは、例えば、5ミクロン~10ミクロンとし得る。中間層122は、ダイ取り付け表面106上に直接に銅含有層120を有することによって達成されるよりも良好な、銅含有層120とダイ取り付け表面106との間の接着を提供し得る。中間層122は、銅含有層120から基板104への銅の拡散に対する障壁を提供し得る。中間層122は、例えば、チタン、チタンタングステン、ニッケル、又はクロムを含み得、50ナノメートル~500ナノメートルの厚みとし得る。
【0019】
銅含有層120は、ダイ取り付け表面106の横方向外周124から窪ませることができる。銅含有層120を横方向外周124から窪ませることにより、マイクロ電子デバイスを基板ウェハから分離するソーイング又はレーザースクライビングなどの個片化プロセスの間、基板104内の銅汚染が有利に低減され得る。銅含有層120は、例えば、個片化プロセスにおける位置的及び寸法的変動のための公差を提供するために、5ミクロン~50ミクロンの横方向距離126窪ませることができる。存在する場合、中間層122も横方向外周124から窪ませることができる。
【0020】
マイクロ電子デバイス100はパッケージ128に取り付けられ、これは、リード130を有するリードフレーム128、及び、
図1にクリップ132として示されるパッケージ部材132として顕在化され得る。はんだボール118はリード130に直接取り付けられてもよく、銅含有層120は、はんだ層136として顕在化され得るダイ取り付け材料136によって、パッケージダイ取り付けエリア134におけるクリップ132に取り付けられ得る。銅含有層120は、はんだ層136に対する強く均一なはんだ接続を提供し得、そのため、クリップ132と基板104との間に低い熱的又は電気的抵抗を提供し得る。銅含有層120は、例えば、薄化された基板104内の応力を制限することとはんだ層136に対する強く均一なはんだ接続をつくることとの間の所望の均衡を提供するために、5ミクロンから10ミクロンの厚みとし得る。銅含有層120は、酸化及び腐食から保護するために銅含有層120につけられた保護金属層を示し得る、ダイ取り付け表面106にわたる1パーセント未満の不均一性を有し得る。酸化と腐食をなくすと、下にある銅層の厚み変動が1パーセントを超えることが頻繁に起こる。
【0021】
図2A~
図2Iは、形成の例示的な方法の種々の段階において描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
図2Aを参照すると、マイクロ電子デバイス200が、基板ウェハ238に含まれている。基板ウェハ238は、シリコンウェハ、ガリウムヒ化物ウェハ、又はガリウム窒化物ウェハなどの半導体ウェハとして実装され得る。基板ウェハ238は、
図2Aに描かれているように、任意選択で、キャリアプレート240上に取り付けられ得る。代替として、基板ウェハ238は、任意選択で、テープ上に取り付けられてもよく、又は保護コーティングを有していてもよい。基板ウェハ238は、キャリアプレート240に面する構成要素面242と、構成要素面242とは反対側に位置するダイ取り付け面246を備える基板244とを有する。基板244は、シリコン、ガリウムヒ化物、又はガリウム窒化物などの半導体材料を含む。
【0022】
バックグラインドオペレーションにおいて、バックグラインドツール248を用いて、ダイ取り付け面246における基板244から材料が取り除かれる。バックグラインドオペレーションによって基板244の厚みが減少されて、基板244の電気的又は熱的抵抗を減少させる。バックグラインドオペレーションを行う前の基板244の厚みは、
図2Cに示される構成要素208の製造の間の機械的安定性を提供するために、600ミクロンより大きくし得る。基板244の厚みは、基板244の電気的又は熱的抵抗と、後の製造オペレーションにおける基板244の耐久性との間の所望の均衡を提供し得る、15ミクロン~300ミクロンまで低減され得る。ダイ取り付け面246における基板244からの材料の除去は、基板ウェハ238に機械的応力を導入し得、基板244を損傷させる恐れがある。基板244は、構成要素面242におけるワイヤボンドパッド又はバンプ結合構造によってキャリアプレート240から分離され得る。ワイヤボンドパッド又はバンプ結合構造は、構成要素面242にわたって不均一に分布され得、基板ウェハ238のための不充分なサポートを提供する。そのような場合、ダミーワイヤボンドパッド又はバンプ結合構造と称されることもある付加的なワイヤボンドパッド又はバンプ結合構造が、基板ウェハ238上に形成されて、より均一な支持を提供し得、基板244から材料を安全に取り除くことができる。付加的なワイヤボンドパッド又はバンプ結合構造は、付加的なワイヤボンドパッド又はバンプ結合構造なしに達成され得るよりも小さい、基板244の厚みを達成することを可能にし得る。
【0023】
図2Bを参照すると、任意の中間層222が、基板244のダイ取り付け面246上に形成され得る。中間層222は、
図1の中間層122に関して開示されるように、接着又は拡散障壁特性を有し得る。中間層222は、例えば、スパッタプロセスによって形成され得る。シード層250が、存在する場合には中間層222上に形成され、中間層222が存在しない場合には、基板244のダイ取り付け面246上に形成される。シード層250は、銅の後続のめっきに適した金属を含む。例えば、シード層250は銅層を含み得る。シード層250は、過度にデバイアスすることなく銅の後続のめっきの間、電流を分配するために充分な厚みであり、めっきされた銅の顕著な低減なしに後続の除去を可能にするために充分薄い。シード層250は、例えば、スパッタプロセスによって形成され得る。
【0024】
シード層250の上にめっきマスク252が形成される。めっきマスク252は開口254を有し、開口254は、マイクロ電子デバイス200、及び基板ウェハ238に含まれる類似のマイクロ電子デバイス256のためのエリアにおいてシード層250を露出させる。めっきマスク252は、マイクロ電子デバイス200のためのエリアと類似のマイクロ電子デバイス256との間の個片化領域のためのエリアを覆う。めっきマスク252は、フォトレジストを含み得、フォトリソグラフィプロセスによって形成され得る。或いは、めっきマスク252は、感光性のないポリマー材料を含んでもよく、インクジェットプロセスなどのアディティブ法によって形成され得る。基板ウェハ238が薄化された後に基板ウェハ238上にめっきマスクを形成することは、基板244の損傷を避けるために、特殊な取扱い及びサポートを必要とする場合がある。例えば、基板ウェハ238は、
図2Bに描かれているように、キャリアプレート240上に残されていてもよい。基板ウェハ238は、スピンコートオペレーションによって基板ウェハ238をフォトレジストで被覆することに関与するフォトリソグラフィプロセスであり得る、めっきマスク252を形成するプロセスに適した別のキャリアプレート上に取り付けられてもよい。
【0025】
図2Cを参照すると、基板ウェハ238は、マイクロ電子デバイス200と類似のマイクロ電子デバイス256の隣り合うインスタンスとの間の境界において断面で示されている。マイクロ電子デバイス200及び類似のマイクロ電子デバイス256は、構成要素面242に近接して位置する構成要素208と、構成要素208から構成要素面242まで延在する相互接続領域210とを含む。マイクロ電子デバイス200及び類似のマイクロ電子デバイス256は、構成要素208を構成要素面242に配置されたI/Oパッド214に電気的に接続するために、相互接続領域210において相互接続部材212を含み得る。
【0026】
めっきマスク252は、マイクロ電子デバイス200と類似のマイクロ電子デバイス256との間に位置する個片化領域258の上のシード層250を覆う。めっきマスク252は、後に形成される銅含有層を個片化領域258から窪ませるように、マイクロ電子デバイス200及び類似のマイクロ電子デバイス256のためのエリア内へ延在する。めっきマスク252内の開口254は、マイクロ電子デバイス200及び類似のマイクロ電子デバイス256のためのエリアにおいてシード層250を露出させる。
【0027】
シード層250は、めっきマスク252内の開口254において銅めっき槽260に晒される。電気めっきプロセスなどのめっきプロセス、又は無電解めっきプロセスによってめっきマスク252により露出された箇所の、マイクロ電子デバイス200上及び類似のマイクロ電子デバイス256上に銅含有層220が形成され、これにより、シード層250上に銅がめっきされる。銅めっき槽260は、銅を含み、銅含有層220の均一性を改善するために、レベラー、光沢剤、又は抑制剤などの添加剤を含み得る。銅含有層220の厚みは、基板244を反らせたり歪めたりすることなく、基板244への低い熱的又は電気的抵抗接続を提供するように選択され得る。銅含有層220は、例えば、5ミクロン~10ミクロンの厚みとし得る。
【0028】
アンダーバンプ金属(UBM)層262が、任意選択で、構成要素面242上にI/Oパッド214上に延在して形成され得る。任意選択で、ピラーめっきマスク264をUBM層262上に形成して、銅含有ピラー216のためのエリアを露出させ得る。UBM層262は銅めっき槽260に晒され得、銅含有ピラー216の少なくとも一部が銅含有層220と同時に形成され得る。銅含有ピラー216の最終的な厚みは、銅含有層220の厚みよりも大きくし得、そのため、銅含有ピラー216の残りの部分が、銅含有ピラー216上に、
図2Cに示されていないはんだボールを形成するためのめっきプロセスと共に、後続のめっきオペレーションにおいて形成され得る。
【0029】
続いて、めっきマスク252を除去して、シード層250上の適所に銅含有層220を残す。ピラーめっきマスク264は、めっきマスク252の除去と同時に取り除かれ得る。めっきマスク252及びピラーめっきマスク264は、例えば、アッシングプロセスやオゾンプロセス等の酸素ドライエッチプロセスにより取り除かれ得る。
【0030】
図2Dを参照すると、シード層250は、後続の個片化プロセスの間、シード層250内の銅による基板244の汚染を低減するために、個片化領域258から取り除かれ得る。シード層250は、銅含有層220によって露出された箇所のシード層250を除去することによって、個片化領域258から取り除かれ得る。シード層250は、例えば、時限ウェットエッチングプロセスによって取り除かれ得る。中間層222は、存在する場合には、基板244の汚染を低減するために個片化領域258から取り除かれ得る。UBM層262は、銅含有ピラー216によって露出された箇所で取り除かれて、I/Oパッド214と銅含有ピラー216との間の適所にUBM層262を残す。銅含有ピラー216上のはんだボール218は、マイクロ電子デバイス200のためのバンプ結合構造を提供する。
【0031】
図2Eを参照すると、銅含有層220は、銅含有層220上に保護金属層268を形成する無電解めっき槽266に晒される。保護金属層268は、銅含有層220を腐食又は酸化から保護する組成を有する。無電解めっき槽266は、例えば、錫、銀、ニッケル、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0032】
錫を含む無電解めっき槽266の変形が、塩化第一錫(1リットルのH2O当たり約3.8グラム)、チオ尿素(1リットルのH2O当たり約49.5グラム)、及び硫酸(1リットルのH2O当たり約12ミリリットル)を有し得、保護金属層268の形成の間、25℃~50℃に維持され得る。
【0033】
銀を含む無電解めっき槽266の変形例が、硝酸銀(1リットルのH2O当たり約10グラム)、25%水酸化アンモニウム水溶液(1リットルのH2O当たり約100ミリリットル)、及び、チオ硫酸ナトリウム(1リットルのH2O当たり約100グラム)を有し得、保護金属層268の形成の間、約50℃に維持され得る。
【0034】
ニッケルを含む無電解めっき槽266の変形が、塩化ニッケル(1リットルのH2O当たり約20グラム)、塩酸塩ナトリウム(1リットルのH2O当たり約15グラム)、酢酸(1リットルのH2O当たり約20ミリリットル)、リンゴ酸(1リットルのH2O当たり約20グラム)、グリシン(1リットルのH2O当たり約5グラム)、及び、ホウ酸(1リットルのH2O当たり約2グラム)を有し得、必要に応じて、水酸化ナトリウム又は塩化水素酸の付加によってpHが6.5~6.7に調節され得、保護金属層268の形成の間、約70℃に維持され得る。
【0035】
無電解めっき槽266の独自の配合のための化学物質は、様々な供給業者から市販で入手可能である。無電解めっき槽266の1つの変形は、無電解めっき槽266のコスト及び複雑度を低減するために、錫、銀、又はニッケルなどの金属のうちの1つを含み得、本質的に他の金属を含まない。無電解めっき槽266の別の変形が錫及び銀の両方を含み得、これにより、錫ウィスカの形成が低減され得、銀よりも少ないコストで、錫よりロバストな保護を提供し得る。無電解めっき槽266の更なる変形が、保護金属層268のより耐久性のある変形例を提供するために、ニッケルを含み得る。
【0036】
保護金属層268は、無電解めっき槽266の配合物、無電解めっき槽266の温度、及び銅含有層220が無電解めっき槽266に晒される時間に応じて、例えば、0.5ミクロン~5ミクロンの厚みであり得る。無電解めっき槽266を用いて保護金属層268を形成することは、無電解めっき槽266が電気めっきプロセスによって用いられる電力供給及び関連する電気機器を必要としないので、有利にもマイクロ電子デバイス200の製造コストを低減し得る。
【0037】
構成要素面242、I/Oパッド214、UBM層262、銅含有ピラー216、及びはんだボール218は、
図2Eに示すように、ポリマーコーティング270、キャリアプレート272、又は両方の組み合わせによって、無電解めっき槽266から隔離され得る。
【0038】
図2Fは、保護金属層268が銅含有層220上に形成された後の、マイクロ電子デバイス200及び類似のマイクロ電子デバイス256を備える基板ウェハ238を示す。保護金属層268は、有利にも、保管、取扱い、又は処理の間の銅含有層220の酸化、腐食、又は汚染を低減し得る。
【0039】
図2Gを参照すると、SAWプロセス、レーザースクライブプロセス、又はプラズマエッチ個片化プロセスなどの個片化プロセスによって、マイクロ電子デバイス200が基板ウェハ238から個片化される。個片化プロセスは、個片化領域258を介して基板ウェハ238を分離することによって、マイクロ電子デバイス200を、近接する類似のマイクロ電子デバイス256から分離する。基板ウェハ238の基板244は、個片化されたマイクロ電子デバイス200の基板204を提供する。基板ウェハ238の構成要素面242は、個片化されたマイクロ電子デバイス200の構成要素表面202を提供し、基板ウェハ238のダイ取り付け面246は、個片化されたマイクロ電子デバイス200のダイ取り付け表面206を提供する。保護金属層268は、個片化プロセスの間の銅含有層220の酸化、腐食、又は汚染を有利に低減し得る。
【0040】
図2Hは、マイクロ電子デバイス200をリードフレームなどのパッケージにアセンブルする直前の個片化されたマイクロ電子デバイス200を示す。
図2Gの保護金属層268は、
図2Hに示すように、任意選択で取り除かれて、銅含有層220を実質的にそのまま残し得る。保護金属層268は、ウェットエッチングプロセスによって、又は、例えば、電気化学的エッチング(逆方向めっき)プロセスによって取り除かれ得る。例示的なウェットエッチングプロセスが、硝酸(重量で約20パーセント)、第二鉄イオン(Fe
3+、重量で約5パーセント)、銅(水溶液1リットル当たり約1~2グラム)、溶液内の保護金属層268から錫及び銀を保つための懸濁剤、及び銅含有層220の酸化を低減するための、変色防止剤としても知られる抑制剤を用い得る。保護金属層268を除去するためのエッチ溶液は、様々な供給業者から市販されている。
【0041】
銅含有層220は、
図2Cのめっきマスク252が
図2Gの個片化領域258に重なる結果、ダイ取り付け表面206の横方向外周224から窪まされる。シード層250も、
図2Dに関連して開示されるように、銅含有層220によって露出される箇所で取り除かれる結果、ダイ取り付け表面206の横方向外周224から窪まされ得る。
【0042】
図2Iを参照すると、マイクロ電子デバイス200は、
図2Iにおいてリードフレーム228として示されるパッケージ228にアセンブルされる。リードフレーム228は、
図2Iに概略的に示されるように、はんだボール218を介して銅含有ピラー216に取り付けられるリード230を含み得る。リードフレーム228は、銅含有層220に面するパッケージダイ取付けエリア234を備える、クリップ232として本例において表され得るパッケージ部材232を更に含み得る。クリップ232は、概略的に示されるように、シード層250、存在する場合には中間層222、銅含有層220、及びダイ取り付け材料236を介して、パッケージダイ取り付けエリア234において基板204に取り付けられ得る。本例では、ダイ取り付け材料236は、銅含有層220に直に接する。ダイ取り付け材料236は、はんだ層236として表され得る。マイクロ電子デバイス200は、銅含有層220、はんだ層236、及びクリップ232を互いに接触させ、リード230をはんだボール218に接触させ、続いて熱を印加してはんだ層236及びはんだボール218をリフローさせる、はんだリフロープロセスによって、パッケージ228内にアセンブルされ得る。或いは、ダイ取り付け材料236は接着剤として表され得る。
図2Gの保護金属層268で銅含有層220を保護することは、銅含有層220のためのより大きな厚み及びよりクリーンな表面を提供し得、有利にも、保護されていない銅層を用いる場合と比較して、一層低い熱的又は電気的抵抗で、基板204とクリップ232との間のより信頼性の高い接続をもたらす。
【0043】
図3A~
図3Hは、形成の別の例示的な方法の種々の段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
図3Aを参照すると、マイクロ電子デバイス300は基板ウェハ338に含まれている。基板ウェハ338は、
図2Aの基板ウェハ238に類似していてもよい。基板ウェハ338は、構成要素面342と半導体材料の基板344とを有し、ダイ取り付け面346が、構成要素面342とは反対側に位置する。
図3Aは、マイクロ電子デバイス300と、近接する類似のマイクロ電子デバイス356との間の境界における基板ウェハ338を断面で示す。構成要素308は、構成要素面342に近接する基板ウェハ338内に形成される。マイクロ電子デバイス300及び類似のマイクロ電子デバイス356は、構成要素308から構成要素面342まで延在する相互接続領域310を含む。マイクロ電子デバイス300及び類似のマイクロ電子デバイス356は、構成要素308を構成要素面342に配置されるI/Oパッド314に電気的に接続するために、相互接続領域310内に相互接続部材312を含み得る。
【0044】
基板ウェハ338は、10ミクロン~300ミクロンの厚みまで薄化される。基板ウェハ338は、例えば、
図2Aに関連して説明したように、ダイ取り付け面346から材料を除去することによって薄化され得る。続いて、シード層350がダイ取り付け面346上に形成されて、電気めっきプロセスに適した導電層及び表面を提供する。シード層350は、例えば、ニッケルを含み得る。シード層は、例えば、スパッタプロセス又は蒸着プロセスによって形成され得る。
【0045】
シード層350の上にめっきマスク352が形成される。めっきマスク352は開口354を有し、開口354は、マイクロ電子デバイス300、及び基板ウェハ338に含まれる類似のマイクロ電子デバイス356のためのエリアにおいて、シード層350を露出させる。めっきマスク352は、マイクロ電子デバイス300のエリアと類似のマイクロ電子デバイス356との間の個片化領域358のエリアを覆う。めっきマスク352は、例えばフォトリソグラフィプロセスにより形成され得、或いは、アディティブ法により形成され得る。
【0046】
シード層350は、めっきマスク352内の開口354において銅めっき槽360に晒される。電気めっきプロセスによって、めっきマスク352によって露出されるマイクロ電子デバイス300上及び類似のマイクロ電子デバイス356上に、銅含有層320が形成される。銅めっき槽360は銅を含み、
図2Cに関連して開示されるような添加剤を含み得る。銅含有層320は、基板344に対する電気及び熱インピーダンスと、基板344に対する機械的応力との均衡を保つため、5ミクロン~10ミクロンの厚みとし得る。
【0047】
図3Bを参照すると、めっきマスク352は適所に残され、銅含有層320は、めっきマスク352内の開口354において電気めっき槽374に晒される。電気めっきプロセスによって銅含有層320上に保護金属層368が形成される。保護金属層368は、銅含有層320を腐食又は酸化から保護する組成を有する。保護金属層368は、錫、銀、ニッケル、コバルト、タングステン、モリブデン、セリウム、ランタン、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。効果的であることが明らかになっている保護金属層368のための特定の組成は、本質的に全て錫、数重量パーセントの銀を有する錫、本質的に全て銀、数重量パーセントのコバルトを有する銀、本質的に全てニッケル、ニッケル及び錫の組み合わせ、ニッケル及び銀の組み合わせ、数重量パーセントのタングステンを有するニッケル、本質的に全てコバルト、ニッケル及びコバルトの組み合わせ、ニッケル、コバルト、及びタングステンの組み合わせ、並びに、銀及びタングステンの組み合わせを含む。モリブデンは、保護金属層368内のタングステンの一部又は全てを置換してもよい。セリウム又はランタンが、ニッケルを含む保護金属層368の変形に追加され得る。保護金属層368は、銅含有層320に対してより多くの保護を提供するために、5ミクロン~50ミクロンの厚みとし得る。電気めっき槽374を用いて保護金属層368を形成することは、所望のプロセス制御で所望の厚みに保護金属層368を形成することを可能にし得る。
【0048】
図3Cを参照すると、めっきマスク352が取り除かれる。めっきマスク352は、
図3Cに概略的に示すように、酸素ラジカル376を用いるプラズマプロセスによって取り除かれ得る。或いは、めっきマスク352は、ウェット洗浄プロセスにより取り除かれてもよい。めっきマスク352を取り除くために、酸素ラジカル376を用いるプラズマプロセスとウェット洗浄プロセスとの組み合わせが用いられてもよい。
【0049】
図3Dを参照すると、シード層350は、個片化領域358上のエリアから取り除かれ得る。シード層350は、ウェットエッチ溶液378を用いて取り除かれ得る。ウェットエッチ溶液378は、銅含有層320又は保護金属層368を著しく劣化させることなく、銅含有層320によって露出された箇所のシード層350を除去するように配合し得る。或いは、シード層350は、電解研磨プロセスと称されることもある逆方向めっきプロセスを用いて取り除かれてもよい。
【0050】
図3Eを参照すると、マイクロ電子デバイス300は、例えば
図2Gを参照して説明したように、基板ウェハ338から個片化される。個片化プロセスは、個片化領域358を介して基板ウェハ338を分離することによって、マイクロ電子デバイス300を、近接する類似のマイクロ電子デバイス356から分離する。基板ウェハ338の基板344は、個片化されたマイクロ電子デバイス300の基板304を提供する。基板ウェハ338の構成要素面342は、個片化されたマイクロ電子デバイス300の構成要素表面302を提供し、基板ウェハ338のダイ取り付け面346は、個片化されたマイクロ電子デバイス300のダイ取り付け表面306を提供する。保護金属層368は、個片化プロセスの間の銅含有層320の酸化、腐食、又は汚染を有利に低減し得る。
【0051】
図3Fを参照すると、I/Oパッド314上にUBM層362が形成される。UBM層362上にはんだボール318が形成される。本例の代替の変形において、UBM層362及びはんだボール318は、
図3Eを参照して説明した個片化プロセスの前に形成され得る。
【0052】
銅含有層320は、
図3Aのめっきマスク352が
図3Eの個片化領域358に重なった結果、ダイ取り付け表面306の横方向外周324から窪まされる。シード層350は、また、
図3Eに関連して開示されるように、銅含有層320によって露出された箇所で取り除かれる結果として、ダイ取り付け表面306の横方向外周324から窪まされ得る。
【0053】
図3Gを参照すると、マイクロ電子デバイス300は、
図3Gにおいてリードフレーム328として示されるパッケージ328にアセンブルされる。リードフレーム328は、
図3Gに概略的に示すように、はんだボール218に取り付けられるリード330を含み得る。リードフレーム328は、銅含有層320に面するパッケージダイ取付けエリア334を有する、クリップ332などのパッケージ部材332を更に含み得る。クリップ332は、概略的に示されるように、シード層350、銅含有層320、保護金属層368、及びダイ取り付け材料336を介して、パッケージダイ取付けエリア334において基板304に取り付けられ得る。本例では、ダイ取り付け材料336は保護金属層368に直に接する。ダイ取り付け材料336は、はんだ層336として表されてもよく、マイクロ電子デバイス300は、はんだリフロープロセスによってパッケージ328にアセンブルされ得る。或いは、ダイ取り付け材料336は接着剤として表され得る。銅含有層320を保護金属層368で保護することは、銅含有層320のための所望の厚み及び均一性を提供し得、有利なことに、保護されていない銅層を用いる場合と比較して、一層低い熱的又は電気的抵抗で、基板304とクリップ332との間のより信頼性の高い接続をもたらす。
【0054】
図3Hは、パッケージ328内にアセンブルされた後のマイクロ電子デバイス300の断面である。はんだボール318は、はんだリフロー処理によってリード330に取り付けられる。はんだボール318は、保護金属層368をクリップ332に取り付けながら、同時にリード330に取り付けられ得る。その後、封止材料をマイクロ電子デバイス300の周りに形成して、保護及び電気的隔離を提供し得る。
【0055】
図4A~
図4Fは、形成の更なる例示的な方法の種々の段階で描かれたマイクロ電子デバイスの図である。
図4Aを参照すると、マイクロ電子デバイス400は、基板ウェハ438に含まれている。基板ウェハ438は、類似のマイクロ電子デバイス456を含み得る。基板ウェハ438は、任意選択で、テープ480及びテープフレーム482上に取り付けられ得る。或いは、基板ウェハ438は、キャリアプレート上に取り付けられてもよく、又は保護コーティングを有していてもよい。基板ウェハ438は、テープ480に面する構成要素面442を有する。基板ウェハ438は、構成要素面442とは反対側に位置するダイ取り付け面446を備える基板444を含む。基板444は半導体材料を含む。
【0056】
材料は、バックグラインドオペレーションにおいて、バックグラインドツール448を用いて、ダイ取り付け面446において基板444から取り除かれる。テープ480は、バックグラインドオペレーションの間、構成要素面442を汚染から保護する。テープ480及びテープフレーム482は、バックグラインドオペレーションが完了した後に取り除かれてもよく、又は後続のオペレーションの間、機械的支持を提供するために基板ウェハ438上に残され得る。
【0057】
図4Bを参照すると、中間層422が、マイクロ電子デバイス400及び類似のマイクロ電子デバイス456のためのエリアにおいて、ダイ取り付け面446上に形成される。本例では、中間層422は、
図4Bに示すように、個別のディスペンスツール484を用いる材料ジェットプロセスなどの第1のアディティブ法によって形成され得る。中間層422を形成するための他のアディティブ法も本例の範囲内である。本記載において、アディティブ法が、ナノ粒子を所望のエリアに配置し、ナノ粒子を所望のエリア外に配置しないので、ナノ粒子の最終的な所望の形状を生成するためにディスペンスされたナノ粒子の部分を除去する必要がない。アディティブプロセスは、フォトリソグラフィプロセス及び後続のエッチングプロセスなしに、所望のエリアにおいてフィルムを形成することを可能にし、従って、製造コスト及び複雑度を有利に低減し得る。アディティブ法の例には、バインダジェット、指向性エネルギー堆積、材料押出、パウダーベッドフュージョン、シートラミネーション、バット光重合、直接レーザー堆積、静電気堆積、レーザー焼結、電気化学的堆積、及び光重合押出が含まれる。中間層422は、揮発性材料を除去するために、又は中間層422におけるバインダ又は接着剤を硬化させるために、加熱オペレーションを必要とし得る。
【0058】
中間層422は、
図4Bに示されるように、マイクロ電子デバイス400と類似のマイクロ電子デバイス456との間の個片化領域を、後続の個片化プロセスの間、基板444を汚染し得る材料がないように保つようにパターニングされ得る。アディティブ法は、一般に、中間層422をパターニングするためのマスクを形成するためのフォトリソグラフィオペレーションを必要とするプロセスよりも、工程がより少なく、より安価である。
【0059】
中間層422は、
図4Cに示されるように、ダイ取り付け面446と、後に形成される銅含有層420との間に、チタン、タングステン、又はナノ粒子など、良好な接着を提供するための材料を含み得る。中間層422は、銅含有層420から基板444への拡散を銅ための障壁を提供するために、ニッケル、コバルト、タングステン、又はモリブデンなどの材料を含み得る。
【0060】
基板ウェハ438は、
図4Bに示すように、中間層422の形成の間、キャリアなしで取り扱うことができる。或いは、基板ウェハ438は、テープ又はキャリアプレート上に取り付けられてもよい。
【0061】
図4Cを参照すると、銅含有層420は、マイクロ電子デバイス400及び類似のマイクロ電子デバイス456のためのエリアにおいて、中間層422上に形成される。銅含有層420は、
図4Cに示すように、材料押出ツール486を用いる材料押出プロセスなどの第2のアディティブ法によって形成され得る。第2のアディティブ法は、銅含有材料488をダイ取り付け面446上に、存在する場合には中間層422上に直接に配置する。銅含有層420は、銅金属の継続的な層を含み得、又は銅ナノ粒子を含み得る。銅含有層420の組成及び構造に応じて、銅含有層420は、スパッタされた銅よりも小さい応力を有し得、従って、後続の製造工程と適合しない程度まで基板ウェハ438を歪ませることなく、例えば、10ミクロン~25ミクロンの厚みとし得る。銅含有層420は、揮発性材料を除去するために、もしくは、バインダ又は接着剤を硬化させるために、加熱オペレーションを必要とし得る。
【0062】
本例に従って形成された銅含有層420は、マイクロ電子デバイス400と類似のマイクロ電子デバイス456との間の個片化領域に、後続の個片化プロセスの間、基板444を汚染する恐れのある銅がないように保つようにパターニングされる。第2のアディティブ法は、マスク及びプレートオペレーションよりも一層低いコストで、銅含有層420のパターニングされた態様を提供し得る。
【0063】
基板ウェハ438は、
図4Cに示されるように、銅含有層420の形成の間、キャリアなしで取り扱うことができる。或いは、基板ウェハ438は、テープ又はキャリアプレート上に取り付けられてもよい。
【0064】
図4Dを参照すると、基板ウェハ438は、マイクロ電子デバイス400と類似のマイクロ電子デバイス456の隣り合うインスタンスとの間の境界において断面で示される。マイクロ電子デバイス400と近接する類似のマイクロ電子デバイス456との間に個片化領域458が位置する。マイクロ電子デバイス400及び類似のマイクロ電子デバイス456は、構成要素面442に近接して位置する構成要素408、及び構成要素408から構成要素面442まで延在する相互接続領域410を含む。マイクロ電子デバイス400及び類似のマイクロ電子デバイス456は、構成要素408を構成要素面442に配置されるI/Oパッド414に電気的に接続するために、相互接続領域410内に相互接続部材412を含み得る。本例では、I/Oパッド414は、ワイヤボンドパッド414として表され得る。
【0065】
中間層422は、
図4Dに示すように、個片化領域458から窪まされ得る。銅含有層420は、個片化領域458から窪んでいてもよく、また、
図4Dに示されるように、中間層422の横方向外周から窪んでいてもよい。中間層422及び銅含有層420を窪ませることは、マイクロ電子デバイス400を近接する類似のマイクロ電子デバイス456から分離する後続の個片化プロセスの間、中間層422及び銅含有層420における金属から基板444内への汚染を有利に低減し得る。
【0066】
銅含有層420上に保護金属層468が形成される。保護金属層468は、例えば、錫、銀、ニッケル、コバルト、タングステン、モリブデン、セリウム、ランタン、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。保護金属層468は、例えば
図2Eに関連して開示されるように、浸漬めっきプロセスによって、又は、例えば
図3Bに関連して開示されるように、電気めっきプロセスによって形成され得る。保護金属層468の厚みは、例えば、0.5ミクロン~2ミクロンとし得る。保護金属層468は、
図4Dに示すように、個片化領域458内には延在していない。
【0067】
保護金属層468が形成された後、マイクロ電子デバイス400は、個片化プロセスによって基板ウェハ438から個片化される。個片化プロセスは、個片化領域458を介して、マイクロ電子デバイス400を近接する類似のマイクロ電子デバイス456から分離する。保護金属層468は、個片化プロセスの間の腐食又は汚染から銅含有層420を有利に保護し得る。
【0068】
図4Eは、個片化プロセス後のマイクロ電子デバイス400を示す。基板ウェハ438の基板444は、個片化されたマイクロ電子デバイス400の基板404を提供する。基板ウェハ438の構成要素面442は、個片化されたマイクロ電子デバイス400の構成要素表面402を提供し、基板ウェハ438のダイ取り付け面446は、個片化されたマイクロ電子デバイス400のダイ取り付け表面406を提供する。本例では、保護金属層468は、後続のアッセンブリプロセスの間、銅含有層420上に残され得る。銅含有層420は、マイクロ電子デバイス400と
図2Cの類似のマイクロ電子デバイス456との間の個片化領域を銅のないように保つために、
図4Cに関連して開示された第2のアディティブ法を行った結果として、ダイ取り付け表面406の横方向外周424から窪んでいてもよい。
【0069】
図4Fを参照すると、マイクロ電子デバイス400はパッケージ部材428上にアセンブルされ、これは本例ではヘッダー428として示されている。ヘッダー428は、マイクロ電子デバイス400を取り付けるためのパッケージダイ取り付けエリア434を有する。
【0070】
ヘッダー428は、概略的に示すように、中間層422、銅含有層420、保護金属層468、及びはんだ層436を通して、パッケージダイ取り付けエリア434において基板404に取り付けられ得る。マイクロ電子デバイス400は、保護金属層468をはんだ層436に接触させ、はんだ層436をヘッダー428に接触させ、続いて熱を印加してはんだ層436をリフローさせるはんだリフロー処理によって、ヘッダー428上にアセンブルすることができる。保護金属層468の一部が、リフロー処理の間、はんだ層436に吸収され得る。銅含有層420を保護金属層468で保護することは、銅含有層420のためのより大きな厚みを提供し得、保護されていない銅層を用いることと比較して、有利にも一層低い熱的又は電気的抵抗で、基板404とヘッダー428との間のより信頼性の高い接続をもたらす。
【0071】
構成要素408に電気的接続を提供するために、ワイヤボンドパッド414上にワイヤボンド490が形成され得る。ワイヤボンド490は、ヘッダー428が基板404に取り付けられた後に形成され得る。
【0072】
本明細書に開示された例の様々な特徴は、例示的なマイクロ電子デバイスの他の顕在化において組み合わされ得る。例えば、中間層222を形成するためのスパッタプロセスは、中間層422を形成するための第1のアディティブ法の代わりに用いられ得、逆もまた同様である。同様に、銅含有層220を形成するためのめっきプロセスは、銅含有層420を形成するための第2のアディティブ法の代わりに用いられ得、逆もまた同様である。マイクロ電子デバイス200は、銅含有ピラー216及びはんだボール218の代わりにワイヤボンドパッドを有し得る。同様に、マイクロ電子デバイス400は、ワイヤボンドパッド414の代わりに銅含有ピラー及びはんだボールを有し得る。
【0073】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に改変が成され得、他の実施例が可能である。