(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】飲料摂取補助装置及び飲料摂取補助方法
(51)【国際特許分類】
B67D 1/04 20060101AFI20230308BHJP
【FI】
B67D1/04 Z
(21)【出願番号】P 2022007619
(22)【出願日】2022-01-21
【審査請求日】2022-01-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年9月3~5日にWEB開催された「計測自動制御学会 ライフエンジニアリング部門シンポジウム 2021」にて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】516047669
【氏名又は名称】共和実業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148714
【氏名又は名称】川浪 圭介
(74)【代理人】
【識別番号】100092668
【氏名又は名称】川浪 薫
(74)【代理人】
【識別番号】100154232
【氏名又は名称】幸田 京子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 泰史
(72)【発明者】
【氏名】橋川 史崇
(72)【発明者】
【氏名】田中 幹也
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-7017(JP,A)
【文献】特表2007-515352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を蓄積する容器本体と、
ストローと、
前記ストローの先端に配置されて、ユーザの口の接触又は接近を検出するセンサと、
第1流路を介して前記容器本体内にエアを送り込むエアポンプと、
前記容器本体の内側と外側を連通させる第2流路上に配置された制御弁と、
前記エアポンプ及び前記制御弁を制御する制御装置と
を有し、
前記制御装置は、
前記センサにより前記口の接触又は接近が検出された際、前記制御弁を閉状態にさせると共に、前記エアポンプを作動させ、
前記センサにより前記口の接触又は接近の終了が検出された際、前記制御弁を開状態にさせると共に、前記エアポンプを停止させる又は作動させ続ける
ことを特徴とする飲料摂取補助装置。
【請求項2】
請求項1に記載の飲料摂取補助装置において、
前記センサは、前記口から前記ストローに加えられる圧力を検出する圧力センサであり、
前記制御装置は、前記圧力が増加すると、前記エアポンプの出力を増加させる
ことを特徴とする飲料摂取補助装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の飲料摂取補助装置において、
前記飲料摂取補助装置は、
前記センサを収容し、前記ストローに着脱自在なストローアタッチメントと、
前記エアポンプ及び前記制御装置を収容し、前記容器本体に着脱自在な容器アタッチメントと
を有することを特徴とする飲料摂取補助装置。
【請求項4】
請求項3に記載の飲料摂取補助装置において、
前記ストローアタッチメントは、前記ストローを差し込む孔部を有する
ことを特徴とする飲料摂取補助装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の飲料摂取補助装置において、
前記容器アタッチメントは、
前記容器本体の底部と接触し、前記エアポンプ及び前記制御装置を収容する底部と、
前記底部から上方に延在して前記容器本体の側面と接触する側部と
を有し、
前記ストローアタッチメントは、連結部を介して前記容器アタッチメントの前記側部に着脱自在に連結し、
前記ストローアタッチメントは、前記センサと前記連結部を結ぶ第1通信線を有し、
前記容器アタッチメントは、前記制御装置と前記連結部を結ぶ第2通信線を有し、
前記センサの検出値は、前記第1通信線及び前記第2通信線を介して前記制御装置に送信される
ことを特徴とする飲料摂取補助装置。
【請求項6】
請求項5に記載の飲料摂取補助装置において、
前記ストローアタッチメントは、
軟質素材で構成されて前記センサを収容する先端部と、
硬質素材で構成されて前記側部に連結される根本部と
を有することを特徴とする飲料摂取補助装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の飲料摂取補助装置において、
前記第1流路には、前記容器本体から前記エアポンプへの逆流を防止する逆止弁が設けられる
ことを特徴とする飲料摂取補助装置。
【請求項8】
請求項7に記載の飲料摂取補助装置において、
前記エアポンプと前記容器本体を連通させる前記第1流路と、前記容器本体の内側と外側を連通させる前記第2流路は、合流して前記容器本体に連通し、
前記逆止弁は、前記第1流路と前記第2流路の合流部分に配置され、
前記制御弁は、前記合流部分以外の前記第2流路の単独部分に配置される
ことを特徴とする飲料摂取補助装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の飲料摂取補助装置において、
前記飲料摂取補助装置は、前記エアポンプからのエアに基づいて前記容器本体内の飲料を攪拌する攪拌機構を備え、
前記制御装置は、前記センサにより前記口の接触又は接近の終了が検出された際、前記制御弁を開状態にさせると共に、前記エアポンプの作動を継続する
ことを特徴とする飲料摂取補助装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の飲料摂取補助装置において、
前記容器本体は、
上部と、
下部と、
前記上部及び前記下部を区切る境界面と、
前記境界面に設けられる自力式開閉弁と
を備え、
前記第1流路の先端は、前記下部に連通され、
前記自力式開閉弁は、前記上部の前記飲料からの押圧力と前記下部のエアからの抗力の差分が、差分閾値を超えるとき、下向きに開いて前記上部から前記下部への前記飲料の移動を許容する
ことを特徴とする飲料摂取補助装置。
【請求項11】
ストローを有すると共に飲料を蓄積する容器本体に取り付け可能な飲料摂取補助装置であって、
ユーザによる前記飲料の摂取意思を検出するセンサと、
第1流路を介して前記容器本体内にエアを送り込むエアポンプと、
前記センサにより前記飲料の摂取意思が検出された際、前記エアポンプを作動させて前記容器本体内にエアを送り込ませて前記容器本体内の気圧を上昇させる制御装置と
を有することを特徴とする飲料摂取補助装置。
【請求項12】
ストローを有する容器本体に蓄積された飲料の摂取を補助する飲料摂取補助方法であって、
ユーザによる前記飲料の摂取意思の有無をセンサにより検出し、
前記飲料の摂取意思が検出された際、制御装置は、エアポンプを作動させて、第1流路を介して前記容器本体内にエアを送り込ませて前記容器本体内の気圧を上昇させる
ことを特徴とする飲料摂取補助方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肺活量の低下した者(高齢者等)による飲料摂取を補助する飲料摂取補助装置及び飲料摂取補助方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、人又は動物が摂取する流体用に使用可能なディスペンサ器具を提供することを目的としている([0003])。当該目的を達成するため、特許文献1(要約)の流体用ディスペンサ器具(1)は、ディスペンサ器具上に設置され且つ出口開口部を有するバルブ(3)を備えており、バルブの出口開口部に接続されたチューブ(4)を有する。チューブは少なくとも部分的に柔軟で、チューブは通常完全にキャップ(2)のケーシング内に伸び、使用する前にチューブは少なくとも部分的にキャップのケーシングの外側に移動可能である。
【0003】
特許文献1において、ディスペンサ器具としてのエアゾール(1)は、バルブ(3)によって頭部が閉鎖された、それ自体は既知の金属管によって形成される([0032])。また、エアゾールは、飲料と高圧ガスを組み合わせて使用するものである([0040])。ユーザは、チューブ(4)を口の中に入れた状態で、キャップ(2)の上側に配置された操作要素(7)を押し下げることでバルブ(3)を開放させてエアゾールの内容物を摂取することができる([0036]、[0038])。内容物が圧力をかけられているエアゾールとは別に、内容物が圧力をかけずに収容される他のタイプのディスペンサ器具の場合、ポンプ機能によって内容物をチューブへと付勢することもできるとされている([0041])。
【0004】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、特許文献1では、飲料と高圧ガスを組み合わせるエアゾールの場合、ユーザは、チューブ(4)を口の中に入れた状態で、キャップ(2)の上側に配置された操作要素(7)を押し下げることでバルブ(3)を開放させてエアゾールの内容物を摂取することができる([0036]、[0038])。しかしながら、チューブ(4)(又はストロー)を口の中に入れた状態でキャップ(2)上側の操作要素(7)を押し下げることは操作性が高いとは言い難い。また、エアゾール以外のタイプでは、ポンプ機能を用いることができるともされているが([0041])、ポンプ機能の詳細については開示されていない。
【0007】
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、ユーザが比較的自然な動作で飲料摂取の補助を受けることが可能な飲料摂取補助装置及び飲料摂取補助方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る飲料摂取補助装置は、
飲料を蓄積する容器本体と、
ストローと、
前記ストローの先端に配置されて、ユーザの口の接触又は接近を検出するセンサと、
第1流路を介して前記容器本体内にエアを送り込むエアポンプと、
前記容器本体の内側と外側を連通させる第2流路上に配置された制御弁と、
前記エアポンプ及び前記制御弁を制御する制御装置と
を有し、
前記制御装置は、
前記センサにより前記口の接触又は接近が検出された際、前記制御弁を閉状態にさせると共に、前記エアポンプを作動させ、
前記センサにより前記口の接触又は接近の終了が検出された際、前記制御弁を開状態にさせると共に、前記エアポンプを停止させる又は作動させ続ける
ことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ユーザの口がストローの先端に接触又は接近すると、制御弁を閉状態にしつつエアポンプを作動させて容器本体内の気圧を上昇させる。これにより、ストローを介して飲料を外側に押し出す力が生じることで、ユーザによる飲料の摂取を補助することが可能となる。また、ストローの先端に配置されたセンサにより口の接触又は接近(すなわち、飲料摂取の意思)を検出する。そのため、ユーザは、比較的自然な動作で飲料摂取の補助を受けることが可能となる。
【0010】
また、ユーザの口がストローの先端への接触又は接近を終了したとき(すなわち、ユーザの飲料摂取の意思がなくなったとき)、制御弁を開くことで第2流路を介して容器本体内のエアを外部に放出させて容器本体内の気圧を低下させる。これと共に、エアポンプを停止する場合、飲料摂取補助を速やかに停止し、余剰圧力によりストローを介して飲料が漏れる可能性を低減することができる。また、制御弁を開いても、エアポンプの作動を継続する場合、例えば、エアを飲料内に供給して飲料を攪拌することが可能となる。
【0011】
前記センサは、前記口から前記ストローに加えられる圧力を検出する圧力センサであってもよい。その場合、前記制御装置は、前記圧力が増加すると、前記エアポンプの出力を増加させてもよい。これにより、ユーザがストローを咥える力に応じて容器本体内の気圧の増加速度を変化させる。これにより、ユーザの意思に応じた飲料摂取補助が可能となる。
【0012】
前記飲料摂取補助装置は、前記センサを収容し、前記ストローに着脱自在なストローアタッチメントと、前記エアポンプ及び前記制御装置を収容し、前記容器本体に着脱自在な容器アタッチメントとを有してもよい。これにより、飲料摂取補助装置の各部を互いに分離させた状態で、各部を洗浄することが可能となる。これにより、飲料摂取補助装置全体として洗浄が容易となる。
【0013】
前記ストローアタッチメントは、前記ストローを差し込む孔部を有してもよい。これにより、ストローアタッチメントとストローとの間の位置決め及び着脱が容易となる。
【0014】
前記容器アタッチメントは、前記容器本体の底部と接触し、前記エアポンプ及び前記制御装置を収容する底部と、前記底部から上方に延在して前記容器本体の側面と接触する側部とを有してもよい。また、前記ストローアタッチメントは、連結部を介して前記容器アタッチメントの前記側部に着脱自在に連結してもよい。さらに、前記ストローアタッチメントは、前記センサと前記連結部を結ぶ第1通信線を有してもよい。さらにまた、前記容器アタッチメントは、前記制御装置と前記連結部を結ぶ第2通信線を有してもよい。前記センサの検出値は、前記第1通信線及び前記第2通信線を介して前記制御装置に送信されてもよい。これにより、センサと制御装置の間で有線通信を用いつつ、各部を着脱自在となり、洗浄が容易となる。
【0015】
前記ストローアタッチメントは、軟質素材で構成されて前記センサを収容する先端部と、硬質素材で構成されて前記側部に連結される根本部とを有してもよい。上記によれば、ストローアタッチメントの先端部が軟質素材で構成されることで、ストローを咥えることによる圧力を効果的にセンサ(特に圧力センサの場合)に伝えることができる。また、ストローアタッチメントの根本部が硬質素材で構成されることで、根本部を容器アタッチメントの側部に着脱する際、ストローアタッチメントが変形し難くなり、着脱が容易となる。
【0016】
前記第1流路には、前記容器本体から前記エアポンプへの逆流を防止する逆止弁が設けられてもよい。これにより、容器本体が倒れた際に第1流路を介してエアポンプに対する飲料の流入を防止して、エアポンプを保護し易くなると共に、第1流路を介しての外部への飲料漏れを防ぐことが可能となる。
【0017】
前記エアポンプと前記容器本体を連通させる前記第1流路と、前記容器本体の内側と外側を連通させる前記第2流路は、合流して前記容器本体に連通してもよい。また、前記逆止弁は、前記第1流路と前記第2流路の合流部分に配置されてもよい。さらに、前記制御弁は、前記合流部分以外の前記第2流路の単独部分に配置されてもよい。これにより、逆止弁によりエアポンプを保護しつつ、容器本体に対する流路を1つにまとめることが可能となる。
【0018】
前記飲料摂取補助装置は、前記エアポンプからのエアに基づいて前記容器本体内の飲料を攪拌する攪拌機構を備えてもよい。また、前記制御装置は、前記センサにより前記口の接触又は接近の終了が検出された際、前記制御弁を開状態にさせると共に、前記エアポンプの作動を継続してもよい。これにより、容器本体内の気圧を上昇させずに容器本体内の飲料を攪拌することで、次の飲料摂取時に飲料をかき混ぜ済みの状態で摂取することが可能となる。従って、飲料がスープ等の粘度の高いものである場合、飲料に氷が含まれている場合等でも、均一化した状態の飲料を摂取することが可能となる。
【0019】
前記容器本体は、上部と、下部と、前記上部及び前記下部を区切る境界面と、前記境界面に設けられる自力式開閉弁とを備えてもよい。ここに言う境界面には、例えば、上部と下部を分離構造とした場合における上部の底面又は下部の上面を含むことができる。また、前記第1流路の先端は、前記下部に連通されてもよい。さらに、前記自力式開閉弁は、前記上部の前記飲料からの押圧力と前記下部のエアからの抗力の差分が、差分閾値を超えるとき、下向きに開いて前記上部から前記下部への前記飲料の移動を許容してもよい。
【0020】
これにより、飲料摂取の際、エアポンプからのエアは、一旦、容器本体の下部に送られ、容器本体の下部の圧力が高まることで、自力式開閉弁が閉じると共に、ストローからの飲料摂取が補助される。容器本体の下部の飲料が減って下部内のエア領域が増えた状態で飲料摂取を停止して制御弁が開状態になると、容器本体の下部のエア圧力が開放されて容器本体の上部の飲料からの押圧力に抗しきれなくなって自力式開閉弁が下向きに開いて上部から下部に飲料が供給される。その結果、下部に飲料が満たされる。これにより、容器本体全体のエアの量に応じて飲料摂取を補助する場合と比較して、少ない量のエアで同等の飲料摂取補助を実現可能となる。換言すると、容器本体全体における飲料の残量が変化しても、飲料の吐出量の変化を小さく抑えることが可能となる。その結果、飲料の残量が減った際にも自然な飲料摂取補助が可能となる。
【0021】
本発明に係る飲料摂取補助装置は、ストローを有すると共に飲料を蓄積する容器本体に取り付け可能なものであって、
ユーザによる前記飲料の摂取意思を検出するセンサと、
第1流路を介して前記容器本体内にエアを送り込むエアポンプと、
前記センサにより前記飲料の摂取意思が検出された際、前記エアポンプを作動させて前記容器本体内にエアを送り込ませて前記容器本体内の気圧を上昇させる制御装置と
を有することを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、ユーザによる飲料の摂取意思が検出されると、容器本体内の気圧を上昇させる。これにより、ストローを介して飲料を外側に押し出す力が生じることで、ユーザによる飲料の摂取を補助することが可能となる。
【0023】
本発明に係る飲料摂取補助方法は、ストローを有する容器本体に蓄積された飲料の摂取を補助する方法であって、
ユーザによる前記飲料の摂取意思をセンサにより検出し、
前記飲料の摂取意思が検出された際、制御装置は、エアポンプを作動させて、第1流路を介して前記容器本体内にエアを送り込ませて前記容器本体内の気圧を上昇させる
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ユーザは、比較的自然な動作で飲料摂取の補助を受けることが可となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る飲料摂取補助装置の概略構成図である。
【
図2】第1実施形態における制御装置の制御を示すフローチャートである。
【
図3】第1実施形態においてユーザが飲料摂取中であるときの各部の動きを示す図である。
【
図4】第1実施形態においてユーザが飲料摂取終了後(再摂取前)の各部の動きを示す図である。
【
図5】第1実施形態においてセンサ検出値(すなわち圧力)と、エアポンプの駆動電圧及び開閉弁の制御状態との関係を示す図である。
【
図6】
図6(A)は、本発明の第2実施形態に係る飲料摂取補助装置の概略側面図であり、
図6(B)は、
図6(A)の飲料摂取補助装置の一部の概略正面断面図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係る飲料摂取補助装置の概略構成図である。
【
図8】
図7の飲料摂取補助装置の一部を構成する攪拌機構の概略斜視図である。
【
図9】第3実施形態における制御装置の制御を示すフローチャートである。
【
図10】第3実施形態においてユーザが飲料摂取中であるときの各部の動きを示す図である。
【
図11】第3実施形態においてユーザが飲料摂取終了後(再摂取前)の各部の動きを示す図である。
【
図12】第3実施形態においてセンサ検出値(すなわち圧力)と、エアポンプの駆動電圧及び開閉弁の制御状態との関係を示す図である。
【
図13】本発明の第4実施形態に係る飲料摂取補助装置の概略構成図である。
【
図14】本発明の第5実施形態に係る飲料摂取補助装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
A.第1実施形態
<A-1.第1実施形態の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る飲料摂取補助装置10の概略構成図である。飲料摂取補助装置10(以下「補助装置10」ともいう。)は、肺活量の低下した者(高齢者等)による飲料摂取を補助する装置である。補助装置10は、容器本体20と、容器キャップ22(以下「キャップ22」ともいう。)と、ストロー24と、センサ26と、エアポンプ28と、エアチューブ30と、開閉弁32と、制御装置34と、電源36と、電源スイッチ38とを有する。
【0027】
容器本体20は、飲料12を蓄積するものであり、その上部にキャップ22が取り付けられる。第1実施形態の容器本体20は、略円筒状のボトルであるが、その他の形状(例えば、略四角筒状)であってもよい。キャップ22は、ねじ構造により容器本体20の上部に着脱自在である。キャップ22は、容器本体20の一部と見ることもできる。ストロー24は、キャップ22を貫通して容器本体20の内部と外部を連通する。容器本体20及びキャップ22は、ストロー24及びエアチューブ30の部分を除き、密閉空間を形成可能である。
【0028】
センサ26は、ストロー24の先端に配置されて、ユーザの口の接触(又は飲料の摂取意思)を検出する。第1実施形態のセンサ26は、圧力センサであり、ユーザの口からストロー24に加えられる圧力Pを検出する。
【0029】
エアポンプ28は、エアチューブ30を介して外気としてのエアを容器本体20内に送り込む。第1実施形態のエアチューブ30は、エアポンプ28と容器本体20を連通する第1流路40と、容器本体20の内部と外部を連通する第2流路42を含んでいる。換言すると、第1流路40と第2流路42は、容器本体20側で共通している。開閉弁32(制御弁)は、エアチューブ30(第2流路42)上に配置されて、容器本体20の内部と外部の連通状態と非連通状態を切り替える。第1実施形態の開閉弁32は電磁弁である。
【0030】
制御装置34は、センサ26の検出値M(圧力P)に基づいてエアポンプ28及び開閉弁32を制御する。制御装置34は、コントローラ340と、エアポンプ用ドライバ342と、開閉弁用ドライバ344とを含む。コントローラ340は、センサ26の検出値Mに基づいてエアポンプ28及び開閉弁32の制御内容を算出して、エアポンプ用ドライバ342に第1制御信号S1を、開閉弁用ドライバ344に第2制御信号S2に送信する。
【0031】
第1実施形態では、エアポンプ28を発振回路で駆動する。具体的には、発振回路の駆動電圧Vd[V]を変えることでエアポンプ28の出力強度を制御する。駆動電圧Vdは、パルス幅変調(PWM)出力をローパスフィルタ(LPF)に通過させた直流(DC)値で制御する。そのため、エアポンプ用ドライバ342に対する第1制御信号S1は、エアポンプ28のデューティ比を変更することで制御されるDC値を示す。そして、エアポンプ用ドライバ342は、第1制御信号S1が示すDC値に応じて駆動電圧Vdを変化させる。或いは、エアポンプ28の制御方法は、その他の制御方法であってもよい。
【0032】
上記のように、開閉弁32は、開状態と閉状態を切り替える。そのため、コントローラ340から開閉弁用ドライバ344に対する第2制御信号S2は、開閉弁32のオン又はオフを指令するものである。開閉弁用ドライバ344は、第2制御信号S2に基づいて開閉弁32を開閉させる。なお、開閉弁32は、ノーマルオープンである(或いは、非電源投入時における容器本体20の転倒時等を考慮してノーマルクローズであってもよい。)。
【0033】
制御装置34によるエアポンプ28及び開閉弁32のより具体的な制御については後述する。
【0034】
電源36は、電源スイッチ38がオンのときに、図示しない電力線を介してセンサ26、エアポンプ28、開閉弁32及び制御装置34に電力を供給する。電源36は、例えば乾電池である。
【0035】
<A-2.第1実施形態の制御>
図2は、第1実施形態における制御装置34の制御を示すフローチャートである。
図2のフローチャートは、電源スイッチ38がオンのときに実行される。
図3は、第1実施形態においてユーザが飲料摂取中であるときの各部の動きを示す図であり、
図4は、第1実施形態においてユーザが飲料摂取終了後(再摂取前)の各部の動きを示す図である。
【0036】
図2のステップS11において、制御装置34(コントローラ340)は、センサ26からの検出値M(圧力P)を取得する。ステップS12において、制御装置34は、ユーザの口がストロー24に接触したか否かを判定する。具体的には、検出値Mが第1閾値THm1を上回るか否かを判定する。口がストロー24に接触した場合(S12:真)、ステップS13に進む。
【0037】
ステップS13において、制御装置34は、開閉弁32を閉じさせる。これにより、容器本体20内は、ストロー24以外の部分が密閉される。続くステップS14において、制御装置34は、エアポンプ28を作動させる。従って、
図3の矢印A11で示すように、エアチューブ30(第1流路40)を介してエアポンプ28から容器本体20にエアが供給される。これにより、容器本体20内の気圧が上昇し、ユーザによる飲料12の吸い込みを補助する(
図3の矢印A12)。或いは、気圧の上昇のみで(ユーザの吸い込み無しに)ストロー24内において飲料12を押し上げてもよい。
【0038】
図5は、第1実施形態においてセンサ検出値M(すなわち圧力P)と、エアポンプ28の駆動電圧Vd及び開閉弁32の制御状態との関係を示す図である。
図5において、横軸は、センサ検出値M(すなわち圧力P)が示され、縦軸には、エアポンプ28の駆動電圧Vd及び開閉弁32の制御状態が示されている。検出値Mが第1閾値THm1を超えると、開閉弁32は開状態から閉状態に移行する。また、検出値Mが第1閾値THm1を超えると、ポンプ駆動電圧Vdが増加を開始し、第2閾値THm2以上で最大となる。従って、第1実施形態では、検出値Mの増減に応じてエアポンプ28の出力が増減する。
【0039】
図2に戻り、ユーザの口がストロー24から離れると(すなわち検出値Mが第1閾値THm1以下であると)(S12:偽)、ステップS15に進む。ステップS15において、制御装置34は、開閉弁32を開かせる。これにより、
図4の矢印A13に示すように、容器本体20内のエア14がエアチューブ30(第2流路42)を介して容器本体20の外部に放出される。これに伴って、容器本体20内の気圧が下降し、ストロー24内の飲料12が容器本体20内に戻る(
図4の矢印A14)。
【0040】
続く
図2のステップS16において、制御装置34は、エアポンプ28を停止させる。これにより、
図4の矢印A13、A14の動きが促進される。なお、
図4では図示していないが、エアポンプ28の停止時は、エアポンプ28又は第1流路40を介して容器本体20内のエアを容器本体20の外部に放出してもよい。但し、飲料12の漏れを防ぐためには、後述する第2実施形態の逆止弁500(
図6)のような弁を設けること(エアポンプ28自体がそのような弁を有する場合を含む。)が好ましい。
【0041】
<A-3.第1実施形態の効果>
第1実施形態によれば、ユーザの口がストロー24の先端に接触すると(
図2のS12:真)、開閉弁32を閉状態にしつつ(S13)、エアポンプ28を作動させて容器本体20内の気圧を上昇させる(S14、
図3)。これにより、ストロー24を介して飲料12を外側に押し出す力が生じることで、ユーザによる飲料12の摂取を補助することが可能となる。また、ストロー24の先端に配置されたセンサ26により口の接触(すなわち、飲料摂取の意思)を検出する。そのため、ユーザは、比較的自然な動作で飲料摂取の補助を受けることが可能となる。
【0042】
また、ユーザの口がストロー24の先端への接触を終了したとき(すなわち、ユーザの飲料摂取の意思がなくなったとき)(
図2のS12:偽)、開閉弁32を開くこと(S15)で第2流路42を介して容器本体20内のエア14を外部に放出させて容器本体20内の気圧を低下させる。また、これと共に、エアポンプ28を停止すること(S16)で、飲料摂取補助を速やかに停止し、余剰圧力によりストロー24を介して飲料12が漏れる可能性を低減することができる。
【0043】
第1実施形態において、センサ26は、ユーザの口からストロー24に加えられる圧力Pを検出する圧力センサである。また、制御装置34は、センサ検出値Mとしての圧力Pが増加すると、エアポンプ28の出力を増加させる(
図5)。これにより、ユーザがストロー24を咥える力に応じて容器本体20内の気圧の増加速度を変化させる。これにより、ユーザの意思に応じた飲料摂取補助が可能となる。
【0044】
B.第2実施形態
<B-1.第2実施形態の構成>
[B-1-1.構成の概要]
図6(A)は、本発明の第2実施形態に係る飲料摂取補助装置10Aの概略側面図であり、
図6(B)は、飲料摂取補助装置10Aの一部の概略正面断面図である。第2実施形態の飲料摂取補助装置10A(以下「補助装置10A」ともいう。)は、基本的に、第1実施形態の飲料摂取補助装置10と同じ構成を有する。特に言及しない限り、
図6(A)及び
図6(B)に示されていないが、
図1に示されている構成も補助装置10Aに含み得る。以下では、第2実施形態の補助装置10Aにおいて、第1実施形態と同様の構成については同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0045】
第2実施形態の補助装置10Aは、洗浄の容易さ等を考慮して、各部を分解可能にする構成を有する点に特徴がある。換言すると、第2実施形態の補助装置10Aは、第1実施形態の補助装置10の構成をより具体的に示したものと位置付けることも可能である。
【0046】
図6(A)に示すように、補助装置10Aは、容器本体20と、容器キャップ22と、ストロー24と、センサ26と、エアポンプ28と、第1エアチューブ50と、開閉弁32と、第2エアチューブ52と、制御装置34(コントローラ340、ドライバ342、344)と、電源36と、電源スイッチ38とを有する。さらに、補助装置10Aは、ストローアタッチメント60と、容器アタッチメント70とを有する。
【0047】
[B-1-2.ストローアタッチメント60]
ストローアタッチメント60は、先端側においてセンサ26を収容又は封止する。また、ストローアタッチメント60には、ストロー24を差し込む孔部600が形成されていることで、ストロー24に着脱自在である。
図6(B)に示すように、ストローアタッチメント60は、全体として円筒状である。また、ストローアタッチメント60は、根本側に第1コネクタ602を有する。この第1コネクタ602を介して、ストローアタッチメント60は、容器アタッチメント70の第2コネクタ720に着脱自在に連結する。
【0048】
ストローアタッチメント60内において、センサ26と第1コネクタ602の間には、第1通信線604が設けられる。第1通信線604は、第1コネクタ602及び第2コネクタ720を介して容器アタッチメント70の第2通信線722に接続される。センサ26の検出値Mは、第1通信線604及び第2通信線722を介して制御装置34に送信される。
【0049】
なお、
図6(A)では図示していないが、ストローアタッチメント60内において、センサ26と第1コネクタ602の間には、第1電力線も設けられる。第1電力線は、第1コネクタ602及び第2コネクタ720を介して容器アタッチメント70の第2電力線(図示せず)に接続される。これにより、電源36からの電力は、第2電力線及び第1電力線を介してセンサ26に供給される。
【0050】
図6(A)に示すように、ストローアタッチメント60は、先端部610と根本部612を有する。先端部610は、軟質素材(シリコーンゴム等)で構成されてセンサ26を収容する。根本部612は、硬質素材(プラスチック等)で構成されて第1コネクタ602を介して容器アタッチメント70に連結される。
【0051】
[B-1-3.容器アタッチメント70]
容器アタッチメント70は、エアポンプ28、開閉弁32、制御装置34、電源36、電源スイッチ38等を収容する。また、容器アタッチメント70は、第1エアチューブ50の先端側に図示しないコネクタ(第3コネクタ)を設け、この第3コネクタを容器本体20側の第4コネクタ(図示せず)と連結すること等により、容器本体20に着脱自在である。
【0052】
図6(A)に示すように、容器アタッチメント70は、底部700及び側部710を有する。底部700は、容器本体20と同等(又は容器本体20よりも大きい若しくは小さい)直径を有する略円筒状の部位であり、容器本体20の底部と接触する。底部700は、エアポンプ28、制御装置34、電源36等を収容する。
【0053】
側部710は、底部700から上方に延在する略直方体状の部位であり、容器本体20の側面と接触する。側部710は、図示しない連結機構を介して底部700に連結される。また、側部710には、ストローアタッチメント60の第1コネクタ602と連結される第2コネクタ720が設けられる。底部700及び側部710に亘って、第1エアチューブ50、第2通信線722及び第2電力線(図示せず)が設けられる。第1エアチューブ50(第1流路)は、エアポンプ28と容器本体20を連通するものであり、第1実施形態の第1流路40に相当する。第2実施形態の第1エアチューブ50には、容器本体20からエアポンプ28への飲料12の逆流を防止する逆止弁500が設けられている。側部710は、第2エアチューブ52等を収容する。第2エアチューブ52(第2流路)は、容器本体20の内部と外部を連通するものであり、第1実施形態の第2流路42に相当する。第2エアチューブ52には、開閉弁32が配置される。制御装置34(ドライバ344)と開閉弁32の間には、第3制御線724が設けられ、開閉弁32を駆動する。
【0054】
<B-2.第2実施形態の制御>
第2実施形態の制御は、第1実施形態の制御(
図2~
図5)と同じである。
【0055】
<B-3.第2実施形態の効果>
第2実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて又はこれに代えて、以下の効果を奏することができる。
【0056】
すなわち、第2実施形態において、飲料摂取補助装置10Aは、センサ26を収容し、ストロー24に着脱自在なストローアタッチメント60と、エアポンプ28、制御装置34等を収容し、容器本体20に着脱自在な容器アタッチメント70とを有する(
図6(A))。これにより、飲料摂取補助装置10Aの各部(容器本体20、キャップ22、ストローアタッチメント60、容器アタッチメント70)を互いに分離させた状態で、各部を洗浄することが可能となる。これにより、飲料摂取補助装置10A全体として洗浄が容易となる。
【0057】
第2実施形態において、ストローアタッチメント60は、ストロー24を差し込む孔部600を有する(
図6(A))。これにより、ストローアタッチメント60とストロー24との間の位置決め及び着脱が容易となる。
【0058】
第2実施形態において、容器アタッチメント70は、容器本体20の底部と接触し、エアポンプ28、制御装置34等を収容する底部700と、底部700から上方に延在して容器本体20の側面と接触する側部710とを有する(
図6(A))。また、ストローアタッチメント60は、第1コネクタ602及び第2コネクタ720(連結部)を介して容器アタッチメント70の側部710に着脱自在に連結する(
図6(A))。さらに、ストローアタッチメント60は、センサ26と第1コネクタ602を結ぶ第1通信線604を有し、容器アタッチメント70は、制御装置34と第2コネクタ720を結ぶ第2通信線722を有する。センサ検出値Mは、第1通信線604及び第2通信線722を介して制御装置34に送信される(
図6(A))。これにより、センサ26と制御装置34の間で有線通信を用いつつ、各部を着脱自在となり、洗浄が容易となる。
【0059】
第2実施形態において、ストローアタッチメント60は、軟質素材で構成されてセンサ26を収容する先端部610と、硬質素材で構成されて側部710に連結される根本部612とを有する(
図6(A))。上記によれば、ストローアタッチメント60の先端部610が軟質素材で構成されることで、ストロー24を咥えることによる圧力を効果的にセンサ26に伝えることができる。また、ストローアタッチメント60の根本部612が硬質素材で構成されることで、根本部612を容器アタッチメント70の側部710に着脱する際、ストローアタッチメント60が変形し難くなり、着脱が容易となる。
【0060】
第2実施形態において、第1エアチューブ50(第1流路)には、容器本体20からエアポンプ28への逆流を防止する逆止弁500が設けられる(
図6(A))。これにより、容器本体20が倒れた際に第1エアチューブ50を介してエアポンプ28に対する飲料12の流入を防止して、エアポンプ28を保護し易くなると共に、第1エアチューブ50を介しての外部への飲料漏れを防ぐことが可能となる。
【0061】
C.第3実施形態
<C-1.第3実施形態の構成>
図7は、本発明の第3実施形態に係る飲料摂取補助装置10Bの概略構成図である。
図8は、飲料摂取補助装置10Bの一部を構成する攪拌機構80の概略斜視図である。第3実施形態の飲料摂取補助装置10B(以下「補助装置10B」ともいう。)は、基本的に、第1実施形態の飲料摂取補助装置10と同じ構成を有する。特に言及しない限り、
図7に示されていないが、
図1に示されている構成も補助装置10Bに含み得る。以下では、第3実施形態の補助装置10Bにおいて、第1実施形態と同様の構成については同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0062】
第3実施形態の補助装置10Bは、容器本体20内の飲料12を攪拌する点を特徴とする。
図7に示すように、補助装置10Bは、エアポンプ28と容器本体20を連通する第1エアチューブ50と、容器本体20の内側と外側を連通する第2エアチューブ52とを有する。
図7及び
図8に示すように、補助装置10Bは、エアポンプ28からのエアに基づいて容器本体20内の飲料12を攪拌する攪拌機構80を有する。第3実施形態の攪拌機構80は、第1エアチューブ50の先端に設けられたエア拡散器82を有する。
【0063】
図8に示すように、エア拡散器82は、略円筒状の拡散器本体820と、拡散器本体820よりも小さな直径を有する略円筒状であり拡散器本体820の上側に形成された導入口822とを有する。拡散器本体820の上側の面824には、複数の孔826が形成されている。そのため、第1エアチューブ50から導入口822に導入されたエアは、拡散器本体820内で径方向(又は水平方向)に拡散されて孔826を通過する際に微少な泡となって放出される。多量の微少な泡が発生することで容器本体20内の飲料12を攪拌することが可能となる。容器本体20に残っている飲料12が少量であっても、エア拡散器82を作用させるため、第1エアチューブ50の先端及びエア拡散器82は、容器本体20の底又はその近傍に配置される。
【0064】
上記のように、第3実施形態では攪拌機構80が設けられることから、制御装置34のコントローラ340は、攪拌機構80を活用するための制御を行う(詳細は、
図9~
図12を参照して後述する。)。
【0065】
<C-2.第3実施形態の制御>
図9は、第3実施形態における制御装置34の制御を示すフローチャートである。
図9のフローチャートは、電源スイッチ38がオンのときに実行される。
図10は、第3実施形態においてユーザが飲料摂取中であるときの各部の動きを示す図であり、
図11は、第3実施形態においてユーザが飲料摂取終了後(再摂取前)の各部の動きを示す図である。
【0066】
図9のステップS21、S22、S23、S24は、第1実施形態のステップS11、S12、S13、S14(
図2)と同様である。すなわち、
図9のステップS21において、制御装置34(コントローラ340)は、センサ26からの検出値M(圧力P)を取得する。ステップS22において、制御装置34は、ユーザの口がストロー24に接触したか否かを判定する。口がストロー24に接触した場合(S22:真)、ステップS23に進む。
【0067】
ステップS23において、制御装置34は、開閉弁32を閉じさせる。これにより、容器本体20内は、ストロー24以外の部分が密閉される。続くステップS24において、制御装置34は、エアポンプ28を作動させる。従って、
図10の矢印A21で示すように、第1エアチューブ50を介してエアポンプ28から容器本体20にエアが供給される。これにより、容器本体20内の気圧が上昇し、ユーザによる飲料12の吸い込みを補助する(
図10の矢印A22)。或いは、気圧の上昇のみで(ユーザの吸い込み無しに)ストロー24内において飲料12を押し上げてもよい。
【0068】
図9のステップS22に戻り、ユーザの口がストロー24から離れると(S22:偽)、ステップS25に進む。ステップS25において、制御装置34は、開閉弁32を開かせる。これにより、
図11の矢印A23に示すように、容器本体20内のエア14が第2エアチューブ52を介して容器本体20の外部に放出される。これに伴って、容器本体20内の気圧が下降し、ストロー24内の飲料12が容器本体20内に戻る(
図11の矢印A24)。
【0069】
続くステップS26において、制御装置34は、エアポンプ28による攪拌処理を実行させる。攪拌処理は、ユーザの口がストロー24(センサ26)に接触していないとき(すなわち、ユーザが飲料12を摂取していないとき)、容器本体20内の飲料12を攪拌する処理である。第3実施形態の攪拌処理では、ユーザの口がストロー24(センサ26)から離れた後、所定時間Tの間、エアポンプ28を最大出力で作動させる(
図11の矢印A25)。所定時間Tが経過する前にユーザの口が再度ストロー24(センサ26)に接触した場合(
図9のS22:真)、攪拌処理を中断してステップS23、S24を実行する。
【0070】
図12は、第3実施形態においてセンサ検出値M(すなわち圧力P)と、エアポンプ28の駆動電圧Vd及び開閉弁32の制御状態との関係を示す図である。
図12において、横軸は、センサ検出値M(すなわち圧力)が示され、縦軸には、エアポンプ28の駆動電圧Vd及び開閉弁32の制御状態が示されている。検出値Mが第1閾値THm1を超えると、開閉弁32は開状態から閉状態に移行する。また、検出値Mが第1閾値THm1を超えると、ポンプ駆動電圧Vdが増加を開始し、第2閾値THm2以上で最大となる。また、第3実施形態では、検出値Mが第1閾値THm1以下の場合も、ポンプ駆動電圧Vdが最大である。この部分が、攪拌処理時のエアポンプ28の出力に対応する。所定時間Tが経過すると、エアポンプ28の出力はゼロとなる(エアポンプ28は停止する。)。
【0071】
<C-3.第3実施形態の効果>
第3実施形態によれば、第1・第2実施形態の効果に加えて又はこれに代えて、以下の効果を奏することができる。
【0072】
すなわち、第3実施形態において、飲料摂取補助装置10Bは、エアポンプ28からのエアに基づいて容器本体20内の飲料12を攪拌する攪拌機構80を備える(
図7及び
図8)。また、制御装置34は、センサ26によりユーザの口の接触の終了が検出された際(
図9のS22:真→S22:偽)、開閉弁32を開状態にさせると共に(S25)、エアポンプ28の作動を継続する(S26)。これにより、容器本体20内の気圧を上昇させずに容器本体20内の飲料12を攪拌することで、次の飲料摂取時に飲料12をかき混ぜ済みの状態で摂取することが可能となる。従って、飲料12がスープ等の粘度の高いものである場合、飲料12に氷が含まれている場合等でも、均一化した状態の飲料12を摂取することが可能となる。
【0073】
D.第4実施形態
<D-1.第4実施形態の構成>
図13は、本発明の第4実施形態に係る飲料摂取補助装置10Cの概略構成図である。第4実施形態の飲料摂取補助装置10C(以下「補助装置10C」ともいう。)は、基本的に、第1実施形態の飲料摂取補助装置10と同じ構成を有する。特に言及しない限り、
図13に示されていないが、
図1に示されている構成も補助装置10Cに含み得る。以下では、第4実施形態の補助装置10Cにおいて、第1実施形態と同様の構成については同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0074】
第4実施形態の補助装置10Cは、容器本体20内の飲料12の残量が少なくなった場合(換言すると、容器本体20内のエア14の量が多くなった場合)でも、飲料12の吐出量の減少を抑える構成(エアポンプ28の出力の効果を十分に発揮させ続ける構成)を有する点を特徴とする。
図13に示すように、補助装置10Cの容器本体20は、上部90と、下部92と、上部90及び下部92を区切る境界面94とを有する。上部90と下部92は、ねじ構造により連結される。すなわち、上部90の下端に雄ねじ部を形成し、下部92の上端に雌ねじ部を形成して両者を螺合させる(雄ねじ部と雌ねじ部の位置は逆であってもよい。)。また、
図13の例では、境界面94は、上部90の底面により形成される。境界面94は、下部92の上面により形成されてもよい。或いは、境界面94は、上部90の底面及び下部92の上面の両方から形成されてもよい。エアチューブ30(第1流路40)の先端は、下部92に連通される(
図13)。
【0075】
境界面94には、自力式開閉弁96が設けられる。下部92は、ストロー24の部分と、自力式開閉弁96の部分以外は密閉されている(自力式開閉弁96の部分も、自力式開閉弁96が閉じているときは閉塞する。)。自力式開閉弁96は、一方からの力(ここでは上部90内の飲料12からの押圧力)が、所定値を超えると開く弁である。但し、第4実施形態では、他方からの力(ここでは下部92内の飲料12又はエア14からの抗力又は背圧)が作用する。そのため、自力式開閉弁96は、上部90内の飲料12からの押圧力と下部92内のエア14からの抗力の差分が、差分閾値を超えるとき、下向きに開いて上部90の飲料12を下部92に移動させると共に、下部92のエア14を上部90に移動させる。力の差分が差分閾値を下回ると、自力式開閉弁96は、図示しない復帰ばね等により閉状態に戻る。
【0076】
従って、ユーザがストロー24を介して下部92の飲料12を摂取している場合であっても、下部92に供給されるエア14からの抗力により自力式開閉弁96を閉状態に保っている間は、下部92内にエア14が溜まり続ける。そのため、容器本体20全体における飲料12の残量が少なくなった場合でも、下部92内のみで、エアポンプ28から供給されるエア14が飲料12を押圧するため、ストロー24を介しての飲料12の吐出量の減少を抑えること(換言すると、エアポンプ28の出力の効果を十分に発揮させ続けること)が可能となる。
【0077】
エアポンプ28が停止すると共に、開閉弁32が開くと、下部92内のエア14の圧力が低下するため、自力式開閉弁96は開き易くなる(すなわち、上部90から下部92に飲料12が供給され易くなる)。
【0078】
<D-2.第4実施形態の制御>
第4実施形態の制御は、基本的に、第1実施形態の制御(
図2~
図5)と同じである。但し、エアポンプ28からのエア14による飲料12の押圧は、下部92内のみで行われるため、飲料12の摂取補助に必要なエアポンプ28の出力(又はエアポンプ28の仕様)は、第1実施形態と異ならせることができる。
【0079】
<D-3.第4実施形態の効果>
第4実施形態によれば、第1~第3実施形態の効果に加えて又はこれに代えて、以下の効果を奏することができる。
【0080】
すなわち、第4実施形態によれば、容器本体20は、上部90と、下部92と、上部90及び下部92を区切る境界面94と、境界面94に設けられる自力式開閉弁96とを備える(
図13)。また、エアチューブ30(第1流路40)の先端は、下部92に連通される(
図13)。さらに、自力式開閉弁96は、上部90の飲料12からの押圧力と下部92のエア14からの抗力の差分が、差分閾値を超えるとき、下向きに開いて上部90から下部92への飲料12の移動を許容する。
【0081】
これにより、飲料摂取の際、エアポンプ28からのエアは、一旦、下部92に送られ、下部92の圧力が高まることで、自力式開閉弁96が閉じると共に、ストロー24からの飲料摂取が補助される。下部92の飲料12が減って下部92内のエア14の領域が増えた状態で飲料摂取を停止して開閉弁32が開状態になると、下部92のエア14の圧力が開放されて上部90の飲料12からの押圧力に抗しきれなくなって自力式開閉弁96が下向きに開いて上部90から下部92に飲料12が供給される。その結果、下部92に飲料12が満たされる。これにより、容器本体20全体のエア14の量に応じて飲料摂取を補助する場合と比較して、少ない量のエア14で同等の飲料摂取補助を実現可能となる。換言すると、容器本体20全体における飲料12の残量が変化しても、飲料12の吐出量の変化を小さく抑えることが可能となる。その結果、飲料12の残量が減った際にも自然な飲料摂取補助が可能となる。
【0082】
E.第5実施形態
<E-1.第5実施形態の構成>
図14は、本発明の第5実施形態に係る飲料摂取補助装置10Dの概略構成図である。第5実施形態の飲料摂取補助装置10D(以下「補助装置10D」ともいう。)は、基本的に、第1実施形態の飲料摂取補助装置10又は第2実施形態の飲料摂取補助装置10Aと同じ構成を有する。特に言及しない限り、
図14に示されていないが、
図1又は
図6(A)若しくは
図6(B)に示されている構成も補助装置10Dに含み得る。以下では、第5実施形態の補助装置10Dにおいて、第1実施形態又は第2実施形態と同様の構成については同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0083】
第5実施形態の補助装置10Dは、第2実施形態の補助装置10Aの構成の一部を簡略化させた構成を有する点を特徴とする。
図14に示すように、補助装置10Dは、容器本体20と、容器キャップ22と、ストロー24と、センサ26と、エアポンプ28と、エアチューブ50aと、開閉弁32と、制御装置34(コントローラ340、ドライバ342、344)と、電源36と、電源スイッチ38とを有する。さらに、補助装置10Dは、ストローアタッチメント60aと、容器アタッチメント70aとを有する。
【0084】
第2実施形態の補助装置10Aは、2本のエアチューブ(第1エアチューブ50及び第2エアチューブ52)を有していた(
図6(A))。これに対し、第5実施形態の補助装置10Dは、途中で分岐した1本のエアチューブ(エアチューブ50a)を有する(
図14)。すなわち、第5実施形態のエアチューブ50aは、第1実施形態のエアチューブ30(
図1)に相当する構成であり、エアポンプ28と容器本体20を連通する第1流路54と、容器本体20の内部と外部を連通する第2流路56を含んでいる。これにより、容器本体20と容器アタッチメント70aとの間の流路を1つにすることができる。そして、第2流路56には開閉弁32が設けられると共に、第1流路54及び第2流路56の共通部分には逆止弁500が設けられる。
【0085】
また、第5実施形態では、ストローアタッチメント60aの第1コネクタ602aと、容器アタッチメント70aの第2コネクタ720aは、容器本体20の垂直方向に対して斜めとなっている。これにより、ストローアタッチメント60a及びストロー24の先端側は、先端に向かうに連れて上方に位置する。
【0086】
<E-2.第5実施形態の制御>
第5実施形態の制御は、基本的に、第2実施形態の制御(すなわち、第1実施形態の制御(
図2~
図5))と同じである。但し、飲料摂取補助を開始した後(
図2のS12:真→S13、S14)、補助を終了する場合(
図2のS12:偽)、開閉弁32の開動作(S15)後、所定時間が経過してからエアポンプ28の停止(S16)を行ってもよい。換言すると、飲料摂取補助の停止に際して、開閉弁32を開状態にしても(S15)、所定時間エアポンプ28を作動させ続けてもよい。
【0087】
開閉弁32を開状態にしてもエアポンプ28を作動させ続けると、エアポンプ28からのエアは、第1流路54を介して容器本体20内に行こうとする分と、第2流路56を介して容器本体20外に行こうとする分に分かれる。しかしながら、第1流路54を介して容器本体20内に行こうとするエアの圧力よりも、容器本体20内のエア圧力の方が大きい場合、容器本体20の内部から第2流路56を介して容器本体20の外部に出ていこうとするエアの流れが生じる。このようなエアの流れは、開閉弁32の開動作(S15)とエアポンプ28の停止(S16)を同時に行う場合の容器本体20の内部から外部へのエアの流れよりも圧力差が小さい分、緩やかになる。そのため、開閉弁32の開動作とエアポンプ28の停止を同時に行う場合と比較して、逆止弁500が閉じるまでの時間が長くなり、容器本体20内のエア圧力をより下げる効果が期待される。
【0088】
<E-3.第5実施形態の効果>
第5実施形態によれば、第1~第4実施形態の効果に加えて又はこれに代えて、以下の効果を奏することができる。
【0089】
すなわち、第5実施形態によれば、エアポンプ28と容器本体20を連通させる第1流路54と、容器本体20の内側と外側を連通させる第2流路56は、合流して容器本体20に連通する(
図14)。また、逆止弁500は、第1流路54と第2流路56の合流部分に配置される(
図14)。さらに、開閉弁32(制御弁)は、合流部分以外の第2流路56の単独部分に配置される(
図14)。これにより、逆止弁500によりエアポンプ28を保護しつつ、容器本体20に対する流路を1つにまとめることが可能となる。
【0090】
F.変形例
なお、本発明は、上記第1~第5実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
【0091】
<F-1.構成>
第1実施形態では、開閉弁32を設けた(
図1)。しかしながら、例えば、ユーザの口がストロー24の先端に接触又は接近したこと(換言すると、ユーザに飲料摂取意図があること)を条件として、エアポンプ28を作動させて飲料摂取補助を行う点に着目すれば、これに限らず、開閉弁32を省略することも可能である。その場合、エアポンプ28の作動後にエアポンプ28を停止させた場合の高圧は、例えば、エアチューブ30(第1流路40)を介してエアポンプ28側から逃がしてもよい。他の実施形態も同様である。
【0092】
第1実施形態では、センサ26として圧力センサを設けた(
図1)。しかしながら、例えば、ユーザの口がストロー24の先端に接触又は接近したこと(換言すると、ユーザに飲料摂取意図があること)を検出する点に着目すれば、これに限らない。センサ26は、例えば、静電容量センサ、光センサ又は画像センサであってもよい。静電容量センサの場合、例えば、ストロー24の先端に対するユーザの口の接近又は接触による静電容量の変化に応じて口の接触又は接近を検出する。光センサの場合、例えば、ユーザの口の接触又は接近に伴う受光素子の受光量変化に応じて口の接触又は接近を検出する。画像センサの場合、ストロー24の先端を撮像し、撮像範囲内にユーザの口が接近又は接触しているか否かを検出する。他の実施形態も同様である。
【0093】
第1実施形態では、センサ26をストロー24の先端に設けた(
図1)。しかしながら、例えば、ユーザに飲料12の摂取意図があることを検出する点に着目すれば、これに限らない。例えば、第2実施形態の容器アタッチメント70の底部700又は側部710に押しボタン(図示せず)を設け、当該押しボタンのプッシュ操作に基づいて摂取意図を判定してもよい。或いは、飲料摂取補助装置10に無線通信装置を設け、無線端末(リモートコントローラ等)の操作に基づいて摂取意図を判定してもよい。他の実施形態も同様である。
【0094】
第2実施形態では、センサ26、エアポンプ28等の電動機器に供給する電源36を、容器アタッチメント70の底部700内に設けた(
図6(A))。しかしながら、例えば、電動機器に電力を供給する方法は、これに限らない。例えば、容器アタッチメント70に電源コードを設け、有線で外部電源からの電力を供給してもよい。或いは、容器アタッチメント70、センサ26等に無線給電機器を設け、無線給電により電力供給を行うことも可能である。他の実施形態でも同様である。
【0095】
第2実施形態では、センサ26の検出値Mを第1通信線604及び第2通信線722を介して(換言すると、有線通信により)制御装置34に送信した(
図6(A))。しかしながら、これに限らず、無線通信を用いてセンサ26から制御装置34に検出値Mを送信してもよい。他の実施形態でも同様である。
【0096】
第2実施形態では、ストローアタッチメント60には、ストロー24を差し込む孔部600を形成した(
図6(A))。しかしながら、例えば、ストロー24の先端に対してセンサ26を固定する点に着目すれば、これに限らない。例えば、結索バンド等のバンドを用いてセンサ26をストロー24に固定すること(換言すると、当該バンドをストローアタッチメント60として利用すること)も可能である。
【0097】
第2実施形態では、ストローアタッチメント60を容器アタッチメント70に着脱自在とした(
図6(A))。しかしながら、例えば、ストロー24の先端に対してセンサ26を着脱自在とする点に着目すれば、これに限らず、ストローアタッチメント60は、容器アタッチメント70に接続せず、ストロー24の先端のみに着脱自在としてもよい。
【0098】
第3実施形態の攪拌機構80は、エア拡散器82を有していた(
図7及び
図8)。しかしながら、例えば、エアポンプ28からのエア14により飲料12を攪拌する点に着目すれば、攪拌機構80はその他の構成を有してもよい。そのような構成としては、例えば、第1エアチューブ50の先端に、エアポンプ28からのエアにより回転するプロペラを有する構成であってもよい。
【0099】
1つの実施形態の特徴は、他の実施形態と組み合わせて用いることもできる。例えば、第2実施形態又は第5実施形態に記載の逆止弁500を第1実施形態、第3実施形態又は第4実施形態と組み合わせて用いることも可能である。また、第3実施形態に記載の攪拌機構80を第1実施形態、第2実施形態、第4実施形態又は第5実施形態と組み合わせて用いることも可能である。
【0100】
<F-2.制御>
第1実施形態では、センサ検出値M(圧力P)の増加に応じてエアポンプ28の出力を増加させた(
図5)。しかしながら、例えば、ユーザの口がストロー24の先端に接触又は接近したこと(換言すると、ユーザに飲料摂取意図があること)を条件として、エアポンプ28を作動させて飲料摂取補助を行う点に着目すれば、これに限らず、飲料摂取補助を実行する際のエアポンプ28の出力は一定にしてもよい。或いは、検出値M以外の指標(例えば、エアポンプ28の作動時間)に応じて、飲料摂取補助実行時のエアポンプ28の出力を変化させてもよい。他の実施形態も同様である。
【0101】
第1実施形態では、センサ検出値Mの増加に応じてエアポンプ28の駆動電圧Vdを増加させた(
図5)。しかしながら、例えば、ユーザの口がストロー24の先端に接触又は接近したこと(換言すると、ユーザに飲料摂取意図があること)を条件として、エアポンプ28を作動させて飲料摂取補助を行う点に着目すれば、これに限らない。例えば、駆動電圧Vdの代わりに、エアポンプ28の駆動周波数F[rpm]を変化させてもよい。他の実施形態も同様である。
【0102】
また、第3実施形態に関連して触れたが、容器本体20内の飲料12の残量が減るほど、同じエア14の内圧を得るために必要となるエアポンプ28のエア供給量が増える。そこで、例えば、第1・第2・第4実施形態では容器本体20内の飲料12の残量が減るほど(第3実施形態では下部92内の飲料12の残量が減るほど)、エアポンプ28の出力を増加させてもよい。飲料12の残量は、液面センサ等を別に設けて検出してもよい。或いは、エアポンプ28の作動時間から残量を推定してもよい。その場合、エアポンプ28の作動時間が長くなるほど、エアポンプ28の出力を増加させるようにエアポンプ28の出力を制御してもよい。
【0103】
さらに、エアポンプ28の作動開始直後は、容器本体20内のエア14の気圧が十分に高まっていないため、エア14により飲料12を押す力が十分でないことも考えられる。そこで、エアポンプ28の作動開始直後は、センサ検出値Mにかかわらず、一定時間、エアポンプ28の出力を最大値又はその近似値に設定してもよい。
【0104】
ここでの一定時間の代わりに、容器本体20の内圧の測定値を用いて、エアポンプ28の出力を最大値又はその近似値に設定する期間を判定してもよい。内圧の測定値を用いるためには、そのための別の圧力センサを容器本体20内に設けてもよい。或いは、ストロー24の一部において、ストロー24内の電気抵抗を計測し、ストロー24内に飲料12が通過したことを電気抵抗に基づいて判定することで、エアポンプ28の出力を最大値又はその近似値に設定する期間を判定してもよい。
【符号の説明】
【0105】
10、10A、10B、10C…飲料摂取補助装置
12…飲料 14…エア
20…容器本体 22…容器キャップ
24…ストロー 26…センサ
28…エアポンプ 30…エアチューブ
32…開閉弁(制御弁) 34…制御装置
40…第1流路 42…第2流路
50…第1エアチューブ(第1流路)
52…第2エアチューブ(第2流路) 54…第1流路
56…第2流路
60、60a…ストローアタッチメント
70、70a…容器アタッチメント 80…攪拌機構
90…上部 92…下部
94…境界面 96…自力式開閉弁
500…逆止弁 600…孔部
602、602a…第1コネクタ(連結部)
604…第1通信線 610…先端部
612…根本部 700…底部
710…側部
720、720a…第2コネクタ(連結部)
722…第2通信線
【要約】
【課題】ユーザが比較的自然な動作で飲料摂取の補助を受けることが可能な飲料摂取補助装置及び飲料摂取補助方法を提供する。
【解決手段】本発明の飲料摂取補助装置10において、制御装置34は、センサ26によりユーザの口の接触又は接近が検出された際、制御弁32を閉状態にさせると共に、エアポンプ28を作動させる。また、制御装置34は、センサ26によりユーザの口の接触又は接近の終了が検出された際、制御弁32を開状態にさせると共に、エアポンプ28を停止させる又は作動させ続ける。
【選択図】
図1