(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】木造人工島の海産物農業
(51)【国際特許分類】
A01K 61/60 20170101AFI20230308BHJP
【FI】
A01K61/60 323
(21)【出願番号】P 2022154450
(22)【出願日】2022-09-28
【審査請求日】2022-10-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】715008687
【氏名又は名称】廣田 祐次
(72)【発明者】
【氏名】廣田 祐次
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特表平07-500011(JP,A)
【文献】実開昭64-032060(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
木造人工島から、ワイヤーで木造養殖ユニットを吊り、該ワイヤーをエンコーダー付帯のプーリーを一回転介してから、モーターで巻き取ることで、あるいは該モーターで巻き戻すことで、AIが該養殖ユニットの深さ位置を該エンコーダーのパルス数をカウントすることで正確に制御可能な海産物農業システムであって、海水面の近くまで該養殖ユニットを引き上げ、
餌や栄養を与え、収穫作業を可能とする海産物農業システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造人工島からワイヤーで吊った「養殖ユニット」を海水面近くまで引き上げ、餌や栄養を与え、収穫を行う海産物農業に関するものである。
海水中に潜らなくても各種の作業ができるので、養殖とは言わず、「海産物農業」と呼称する。
【背景技術】
【0002】
海産物を収穫する場合は、海女さんのように海中にもぐるか、あるいは陸上に大きな水槽を設置し、温度管理や水の成分を海水に近づけ維持する管理が必要な養殖が従来からあるが、コストがかかる上に、収穫量が限られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
海に潜らず、また水槽を用意せずとも、海産物の(養殖=)農業を大規模に行えるようにすること。
【課題を解決するための手段】
【0005】
風船を下側に設定し浮力を増した木造人工島から、モーターで巻き取り可能なワイヤー4本で「養殖ユニット」を吊り、AIが、日照や海水温を考慮して、ワイヤーの巻き取り量を調整し、最適な深さで飼育し、また餌や栄養を与えるとき及び収穫のときは、海水面の近くまで「養殖ユニット」を引き上げ、一般の農業と同様な形での作業を可能とする。
【発明の効果】
【0006】
エビ・ウニ・カキなどの動物、サンゴ・昆布・ノリなどの植物の、各海産物の最適な環境での農業が可能であり、しかも干ばつや、水不足、洪水や地震の影響もなく、世界の食糧危機を回避できると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
風船を下側に設定し浮力を増した木造人工島から、モーターで巻き取り可能なワイヤー4本で「養殖ユニット」を吊り、AIが、日照や海水温を考慮して、ワイヤーの巻き取り量を調整し、最適な深さで飼育し、また餌や栄養を与えるとき及び収穫のときは、海水面の近くまで「養殖ユニット」を引き上げ、一般の農業と同様な形での作業を可能とする。
【0009】
図1において、わかめやカキなどを養殖する台:養殖ユニットを4本のワイヤーで吊り、該ワイヤーはエンコーダー付帯のプーリーを一回転介してから、モーターで巻き取ることで、あるいは該モーターで巻き戻すことで、該エンコーダーのパルス数と該養殖ユニットの深さ位置の比例関係が保たれ、正確な該養殖ユニットの深さ調整を可能とする。
AI自動管理システムは、該養殖ユニットが一番上に来た時を該エンコーダーのパルス数の読値を原点と定め、日照や海水温を勘案した、該養殖ユニットの深さ位置になるよう、必要な該エンコーダーのパルス数分での、該モーターに対し、巻き戻し支持を出す。
餌や栄養分を与えたり、収穫の時には、作業員がスマートホンアプリで上で、リクエストを出すと、該AI管理システムが指示を出し、該エンコーダーの原点位置になるように、該モーターの巻き取り指示を出し、該養殖ユニットを水面付近まで持ち上げる。
該養殖ユニットの上側に「囲いネット」を4本の該ワイヤーに蚊帳を吊るような感じで設定し、魚などの外敵を防止するともに、養殖物の逃げ出しや流出を防止する。
尚、該「囲いネット」は、該ワイヤー部での固定がスライド式になっており、固定部及び固定部間を竹材でつなぎ、該竹材の浮力で海水中では該「囲いネット」は上側に最大限広がり、該養殖ユニットが上昇し、木造人工島の木枠に接するようになると、該「囲いネット」は上下方向に凹むようになり、概養殖ユニットを海水面近くに位置することが可能となる。(農作業が可能となる)
また、該「囲いネット」には、ファスナーが二か所設定されていて、農作業を行うときはファスナーを開けて行う。
図2に木造人工島の概要を示す。
木材で□12mのアングルを組み、人工島の基本ユニットとする。また
図2では6個であるが、該人工島の基本ユニットを矢印の方向に継ぎ足していき、大型の人工島にすることができる。また、球2m程度の風船(=約4tの浮力がある)の数を増減させることで、積載重量を調整することができる。
本発明では、養殖ユニットのベースが木製なので、培養土の量が少ない場合には、風船を全く使用せずとも、木造人工島と養殖ユニットのベースの部分の木材の浮力によって、本システムが維持できる可能性がある。
【産業上の利用可能性】
【0010】
海や湖での農業が可能になり、従来作物の育たない地域でも大規模な農業が可能になり、世界の食糧危機が解消する。
【要約】
【課題】
海産物を収穫する場合は、海女さんのように海中にもぐるか、あるいは陸上に大きな水槽を設置し、温度管理や水の成分を海水に近づけ維持する管理が必要な養殖が従来からあるが、コストがかかる上に、収穫量が限られていた。
【解決手段】
風船を下側に設定し浮力を増した木造人工島から、モーターで巻き取り可能なワイヤー4本で「養殖ユニット」を吊り、AIが、日照や海水温を考慮して、ワイヤーの巻き取り量を調整し、最適な深さで飼育し、また餌や栄養を与えるとき及び収穫のときは、海水面の近くまで「養殖ユニット」を引き上げ、一般の農業と同様な形での作業を可能とする。
【選択図】
図1