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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】基板実装型コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6591 20110101AFI20230308BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20230308BHJP
【FI】
H01R13/6591
H01R12/71
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018217427
(22)【出願日】2018-11-20
(65)【公開番号】P2020087602
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000227995
【氏名又は名称】タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
(73)【特許権者】
【識別番号】000240477
【氏名又は名称】Orbray株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀
(74)【代理人】
【識別番号】100109689
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 結
(72)【発明者】
【氏名】川島 祥司
(72)【発明者】
【氏名】菊田 知宏
(72)【発明者】
【氏名】水野 充彦
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-018589(JP,A)
【文献】特開2004-342559(JP,A)
【文献】特開2014-225412(JP,A)
【文献】特開2009-301930(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00-12/91
13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板に表面実装されるタイン部を有する端子と、
前記端子を保持するハウジングと、
前記タイン部を覆う本体部、該本体部の前記回路基板側の下部に設けられ該回路基板の接地面に接触する接触部、および、該本体部の該回路基板から離れた上部に設けられ前記ハウジングと係合して該接触部を該接地面に向けて押圧する押圧部を備えたシールド部材とを具備し、
前記シールド部材は、相手コネクタとの嵌合方向に沿って、前記回路基板を上方から見たときの前記タイン部を露出させる前進位置と該タイン部を覆う後退位置との間で移動可能であることを特徴とする基板実装型コネクタ。
【請求項2】
前記シールド部材は、前記後退位置に移動した際に前記タイン部をシールドすることを特徴とする請求項1に記載の基板実装型コネクタ。
【請求項3】
前記接触部および前記押圧部のうちの少なくとも一方が上下方向に弾性変形するばね部であることを特徴とする請求項1または2に記載の基板実装型コネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記シールド部材が前記後退位置に移動したときに、前記接触部を前記接地面に押し当てるように前記押圧部を押圧することを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の基板実装型コネクタ。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記シールド部材が前記前進位置に移動したときに、前記シールド部材を載せて前記回路基板から離間させる載置部を有することを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の基板実装型コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に表面実装されるタイン部を有する端子を備えた基板実装型コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁障害対策として端子をシールドで覆ったコネクタが広く採用されている。ここで、基板実装型コネクタの場合、回路基板に正しく半田付けされたことを検査するために、端子のタイン部を露出させる必要がある。このタイン部を露出させたままにしておくと、実使用に当たりそのタイン部からノイズが放射され、電磁障害を引き起こすおそれがある。そのため、検査後にはタイン部をシールドで覆うことが望ましい。
【0003】
ここで、特許文献1には、端子のタイン部を覆うシールドカバーを備えたシールドコネクタが開示されている。このシールドコネクタは、シールドカバーの後端を、回路基板に固定されたグラウンドコンタクトに嵌合させる構造を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-342559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上掲の特許文献1のシールドコネクタの場合、シールドカバーをグラウンド端子に嵌合させる構造を有することで、シールドカバーと回路基板との接続信頼性が高められている。しかしながら、この特許文献1のシールドコネクタの場合、タイン部をシールドするに当たり、シールドカバーとグラウンドコンタクトとの2つの部品が必要ある。また、グ
ラウンド端子を回路基板へ半田付けする工程が必要である。このため、この特許文献1のシールドコネクタの場合、コストアップを招くおそれがある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、タイン部をシールドする、1つの部品からなるシールド部材を備えた基板実装型コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の基板実装型コネクタは、
回路基板に表面実装されるタイン部を有する端子と、
端子を保持するハウジングと、
タイン部を覆う本体部、本体部の回路基板側の下部に設けられ回路基板の接地面に接触する接触部、および、本体部の回路基板から離れた上部に設けられハウジングと係合して接触部を回路基板の接地面に向けて押圧する押圧部を備えたシールド部材とを具備し、
上記シールド部材は、相手コネクタとの嵌合方向に沿って、回路基板を上方から見たときのタイン部を露出させる前進位置とタイン部を覆う後退位置との間で移動可能であることを特徴とする。
ここで、上記シールド部材は、上記後退位置に移動した際にタイン部をシールドすることが好ましい。
【0008】
本発明の基板実装型コネクタは、ハウジングに押された押圧部が接触部を回路基板の接地面に向けて押圧する。これにより、シールド部材が接地電位に確実かつ安定的に保持される。このように、本発明の基板実装型コネクタは、1つの部品からなるシールド部材でタイン部のシールドが完成する。
また、本発明の基板実装型コネクタ、シールド部材を、タイン部を露出させる前進位置とタイン部を覆う後退位置との間で移動可能としているため、タイン部の半田付けの検査の前にシールド部材を基板実装型コネクタに組み込んでおくことができる。

【0009】
ここで、上記接触部および上記押圧部のうちの少なくとも一方が上下方向に弾性変形するばね部であることが好ましい。
【0010】
接触部および押圧部のうちの少なくとも一方がばね部であると、ハウジングやシールド部材の公差を吸収して、シールド部材が一層安定的に接地電位に保持される。
【0013】
また、本発明の基板実装型コネクタにおいて、上記ハウジングは、シールド部材がタイン部を覆う後退位置に移動したときに、接触部を回路基板上の接地面に押し当てるように押圧部を押圧することが好ましい。
【0014】
接触部を回路基板上の接地面に、シールド部材が後退位置に移動したときに押し当てることで、シールド部材と回路基板との摺動が抑えられると共に、接圧が増大し接触信頼性が向上する。
【0015】
さらに、本発明の基板実装型コネクタにおいて、上記ハウジングが、シールド部材がタイン部を露出させる前進位置に移動したときにシールド部材を載せて回路基板から離間させる載置部を有することが好ましい。
【0016】
シールド部材が前進位置に移動したときにシールド部材を回路基板から離間させると、シールド部材とタイン部(端子)との不用意な接触が避けられる。
【発明の効果】
【0017】
以上の本発明によれば、1つの部品からなるシールド部材を備えることでタイン部がシールドされる基板実装型コネクタが実現する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態の基板実装型コネクタと相手コネクタとを示した斜視図である。
図2図1に示した基板実装型コネクタが搭載される回路基板を示した斜視図である。
図3図1に示した基板実装型コネクタに嵌合する相手コネクタを示した斜視図である。
図4図3と同じ相手コネクタであって、図3とは別の視点から見た形状を示した斜視図である。
図5】本実施形態の基板実装型コネクタの本体部を、相手コネクタが嵌合する嵌合開口が現れる向きの前方斜めから見た形状を示した斜視図である。
図6図5に示した本体部の、後方斜めから見た形状を示した斜視図である。
図7】シールド部材の斜視図である。
図8】基板実装型コネクタを図1に示す矢印Fの向きに見て示した背面図である。
図9】基板実装型コネクタの、図1に示す矢印X-Xに沿う断面図である。
図10】基板実装型コネクタおよび相手コネクタの、図1に示す矢印X-Xに沿う断面図である。
図11】基板実装型コネクタおよび相手コネクタの、図1に示す矢印Y-Yに沿う断面図である。
図12】基板実装型コネクタおよび相手コネクタの、図11に示す矢印Z-Zに沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態の基板実装型コネクタと相手コネクタとを示した斜視図である。この図1では、基板実装型コネクタ10は、回路基板90に搭載された状態にある。また、相手コネクタ70は、基板実装型コネクタ10に嵌合した状態にある。回路基板90は、基板実装型コネクタ10が搭載される近傍領域のみ示されている。
【0021】
基板実装型コネクタ10は、本体部20とシールド部材60とを備えている。本体部20は、ハウジング30と、そのハウジング30に固定された端子と、ハウジング30を回路基板90に半田固定するペグ50とを備えている。端子は、図6に示すタイン部41を除き、ハウジング30に内蔵されている。そして、シールド部材60は、端子のタイン部41をシールドする。
【0022】
ここで、相手コネクタ70には、2本の光ケーブル80の先端部が保持されている。そして、表面実装型コネクタ10は、光ケーブル80により伝送されてきた光信号を電気信号に変換して回路基板90に伝える。また、この表面実装型コネクタ10は、回路基板90上を伝送されてきた電気信号を光信号に変換して光ケーブル80に伝える。
【0023】
図2は、図1に示した基板実装型コネクタが搭載される回路基板を示した斜視図である。
【0024】
回路基板90には、4本の信号線91と3種類の接地パターン92,93,94が示されている。図6に8本のタイン部41を示すように、基板実装型コネクタ10には、8本の端子が備えられている。そして、4本の信号線91は、それら8本の端子のうちの4本の端子のタイン部41に半田付けされる。また、回路基板10上の3種類の接地パターン92,93,94のうち、接地パターン92は4つ形成されていて、残りの4本の端子のタイン部41に半田付けされる。また、3つの接地パターン93は、シールド部材60が押圧接触してシールド部材60を接地電位に保つ。さらに、2つの接地パターン94には、ペグ50が半田付けされる。この2つの接地パターン94は、ハウジング30を回路基板90に強固に固定する。
【0025】
図3は、図1に示した基板実装型コネクタに嵌合する相手コネクタを示した斜視図である。
【0026】
また、図4は、図3と同じ相手コネクタであって、図3とは別の視点から見た形状を示した斜視図である。
【0027】
図4に示すように、この相手コネクタ70には、背面の開口71から2本の光ケーブル80が挿し込まれている。また、図3に示すように、この相手コネクタ70の前面にも、背面の開口71と連通する開口72が形成されている。この前面の開口72には、基板実装型コネクタ10への嵌合時に、基板実装コネクタ10の導光筒部31(図5参照)が挿し込まれる。これらの導光筒部31は、光ケーブル80から出射した光信号を導いてその奥にある光電変換部34(図9参照)に伝える。また、これらの導光筒部31は、回路基板90上の信号線91により伝送されてきた電気信号が光電変換部34で変換された光信号を光ケーブル80に伝送する。
【0028】
さらに、この相手コネクタ70の左右の側面の前端側には、係合凹部73が形成されている。これら左右の係合凹部73には、シールド部材60の左右の挟持係合部66(図7参照)が嵌まり込んで相手コネクタ70を左右から挟持する。これら係合凹部73と挟持係合部66についての詳細は後述する。
【0029】
また、この相手コネクタ70の上面には、2本の案内溝74が形成されている。これらの案内溝74には、基板実装型コネクタ10への嵌合時に、基板実装型コネクタ10のハウジング30に設けられている案内リブ32(図5参照)が入り込んで、その嵌合を案内する。
【0030】
また、この相手コネクタ70の上部には、ロックアーム75が備えられている。このロックアーム75は前端側を固定端として後方に延びる片持ち梁形状を有する。そして、その途中位置に、上方に突き出たロック突起751が形成され、自由端である後端部に解除操作部752が設けられている。ロック突起751は、基板実装型コネクタ10及び相手コネクタ70の嵌合時に基板実装型コネクタ10の係止突起35に係止する。
【0031】
さらに、この相手コネクタ70は、メインハウジング76と、そのメインハウジング76よりも横幅が広がった後部ハウジング77とを有する。
【0032】
図5は、本実施形態の基板実装型コネクタの本体部を、相手コネクタが嵌合する嵌合開口が現れる向きの前方斜めから見た形状を示した斜視図である。
【0033】
また、図6は、図5に示した本体部の、後方斜めから見た形状を示した斜視図である。
【0034】
図1に示した基板実装型コネクタ10は、図5図6に示す本体部20と、後述する図7に示すシールド部材60とで構成されている。ここでは先ず、図5図6を参照して本体部20について説明する。
【0035】
前述のとおり、この本体部20は、ハウジング30と、端子と、シールド部50を備えている。端子は、回路基板90に半田付けされるタイン部41のみが、ハウジング30から露出している。また、この基板実装型コネクタ10は、光信号と電気信号との間の変換を担う光電変換部34(図9参照)を備えている。端子は、光電変換部34から延びており、光電変換部34と回路基板90とを電気的に接続する。
【0036】
ハウジング30には、相手コネクタ70の案内溝74に入り込んで相手コネクタ70の嵌合を案内する案内リブ32が形成されている。また、このハウジング30の嵌合開口30A内には、導光筒部31が突き出ている。前述のとおり、この導光筒部31は、相手コネクタ70の前面の開口72に挿し込まれ、光ケーブル80との間で光信号の受け渡しを行なう。光ケーブル80から受け取った光信号は、光電変換部34(図9参照)に伝送されて電気信号に変換される。そして、その変換された電気信号は、端子のタイン部41を経由して回路基板90の信号線91に伝達される。また、回路基板90の信号線91を経由して伝達されてきた電気信号は、光電変換部34で光信号に変換され、導光筒部31を経由して光ケーブル80に伝えられる。
【0037】
また、この本体部20の背面側には、図6に示すように、8本の端子のタイン部41が露出して、回路基板90の表面に沿う向きに延びている。また、これら8本のタイン部41の両側には、回路基板90の表面に沿う向きに突き出たシールド支え突起33が設けられている。このシールド支え突起33については、後述する。
【0038】
図7は、シールド部材の斜視図である。
【0039】
このシールド部材60は、図1に示すように、本体部20の後端面側に取り付けられて端子のタイン部41を覆ってシールドする部材である。
【0040】
このシールド部材60は、金属板から形成され、本体部61と、下側ばね部62と、上側ばね部63とを有する。本体部61は、上壁611、後壁612、及び両側壁613を有し、タイン部41を覆う。また、下側ばね部62は、本体部61の回路基板90側に設けられている。この下側ばね部62は、回路基板90の接地パターン93に接触する。また、上側ばね部63は、本体部61の、回路基板90から離れた上部に設けられている。この上側ばね部63は、本体部20のハウジング30と係合して、下側ばね部62を回路基板90上の接地パターン93に向けて押圧する。これら下側ばね部62および上側ばね部63は、いずれもばね性を有する。このため、これらの下側ばね部62および上側ばね部63は、上側ばね部63が本体部20のハウジング30と係合し下側ばね部62が回路基板90上の接地パターン93に向けて押圧されると、弾性的に撓んだ状態となる。これにより、ハウジング30やシールド部材60の公差が吸収され、シールド部材60が接地パターン93に安定的に接して接地電位に保持される。なお、これら下側ばね部62および上側ばね部63のうちの一方のみがばね性を有し、他方はばね性を持っていなくてもよい。下側ばね部62および上側ばね部63は、本発明にいう、それぞれ、接触部および押圧部の各一例に相当する。
【0041】
また、このシールド部材60は、その左右両側に、本体部61の側壁613から前方に延びる一対の被押圧アーム64を有する。さらに、このシールド部材60は、その左右両側に、本体部61の側壁613から前方に延びる一対の挟持アーム65を有する。そして、この挟持アーム65の先端部に、相手コネクタ70の係合凹部73に嵌まり込む挟持係合部66が設けられている。
【0042】
図8は、基板実装型コネクタを図1に示す矢印Fの向きに見て示した背面図である。
【0043】
また、図9は、基板実装型コネクタの、図1に示す矢印X-Xに沿う断面図である。図1には相手コネクタ70も示されているが、この図9は、基板実装型コネクタ10のみの断面図である。
【0044】
さらに、図10は、基板実装型コネクタおよび相手コネクタの、図1に示す矢印X-Xに沿う断面図である。
【0045】
シールド部材60は、矢印Fの向きに移動した、図9に示す前進位置と、矢印Rの向きに移動した、図10に示す後退位置との間で移動自在である。図1に示すシールド部材60は、図10と同じく後退位置にある。また、図8に示すシールド部材60は、図9と同じく前進位置にある。
【0046】
シールド部材60は、相手コネクタ70との嵌合前は、図8図9に示す前進位置に位置している。そして、上側ばね部63は、ハウジング30による押圧から解放されている。また、このシールド部材60は、シールド支え突起33の上に載り、下側ばね部62は、回路基板90上の接地パターン93から浮いた状態にある。これにより、シールド部材60が不用意にタイン部41に接触する危険を避けている。このシールド支え突起33は、本発明にいう載置部の一例に相当する。シールド部材60が前進位置にあるときには、上方から見たときにタイン部41が露出している。したがって、シールド部材60が前進位置にあるときに、タイン部41の半田付け状態を検査することができる。
【0047】
この基板実装型コネクタ10に相手コネクタ70が嵌合すると、シールド部材60の被押圧アーム64が相手コネクタ70に押されて(図12を合わせて参照)、矢印Rの向きに、図10に示した後退位置に移動する。
【0048】
シールド部材60は、図10に示す後退位置に移動すると、シールド支え突起33から外れ、上側ばね部63がハウジング30により下向きに押される。そして、上側ばね部63がハウジング30に押されることにより、下側ばね部62が回路基板90上の接地パターン93に押し当てられる。これにより、シールド部材60が接地電位となる。この時、上側ばね部63および下側ばね部62は弾性的に変形した状態となる。シールド部材60が後退位置に移動すると、タイン部41は、シールド部材60の本体部61に覆われた状態となる。これにより、タイン部41がシールドされる。
【0049】
図11は、基板実装型コネクタおよび相手コネクタの、図1に示す矢印Y-Yに沿う断面図である。
【0050】
また、図12は、基板実装型コネクタおよび相手コネクタの、図11に示す矢印Z-Zに沿う断面図である。ただし、この図12は、理解を容易にするために、相手コネクタ70に関しては概略的に示している。
【0051】
図11は、図10と同様、基板実装コネクタ20に相手コネクタ70が嵌合した状態にあり、シールド部材60は、矢印Rの向きに移動した後退位置にある。この図11に示すように、相手コネクタ70が嵌合すると、シールド部材60の、前方に延びる一対の挟持アーム65の先端の挟持係合部66が、相手コネクタ70の係合凹部73に嵌まり込む。これにより、シールド部材60は、一対の挟持アーム65で相手コネクタ70を挟持した状態となる。その後、基板実装型コネクタ10から相手コネクタ70を抜去しようとして相手コネクタ70を矢印Fの向きに移動させる。すると、図12に示すように、相手コネクタ70を挟持した状態のシールド部材60も相手コネクタ70と一緒に矢印Fの向きに移動する。シールド部材60は所定の前進位置までしか移動できない。したがって、それ以降は、シールド部材60をその前進位置に置き去りにして、相手コネクタ70のみが矢印Fの向きに抜去される。
【0052】
このように、本実施形態によれば、相手コネクタ70の嵌合および抜去に伴ってシールド部材60がそれぞれ後退位置および前進位置に移動する。このように、本実施形態によれば、タイン部41の半田付け検査と、タイン部41のシールドとを両立させた基板実装型コネクタ10が実現する。
【符号の説明】
【0053】
10 基板実装型コネクタ
20 基板実装型コネクタの本体部
30 ハウジング
30A 嵌合開口
31 導光筒部
32 案内リブ
33 シールド支え突起
34 光電変換部
41 端子のタイン部
60 シールド部材
61 シールド部材の本体部
62 下側ばね部
63 上側ばね部
64 被押圧アーム
65 挟持アーム
66 挟持係合部
70 相手コネクタ
71 背面の開口
72 前面の開口
73 係合凹部
74 案内溝
75 ロックアーム
751 ロック突起
752 解除操作部
76 メインハウジング
77 後部ハウジング
771 後部ハウジングの前面
80 光ケーブル
90 回路基板
91 信号線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12