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特許7240297無線通信システム、無線通信方法及び無線通信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】無線通信システム、無線通信方法及び無線通信プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20230308BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20230308BHJP
   H04W 56/00 20090101ALI20230308BHJP
【FI】
G08G1/09 V
H04W64/00 120
H04W56/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019181839
(22)【出願日】2019-10-02
(65)【公開番号】P2021057853
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2021-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】306020818
【氏名又は名称】トヨタテクニカルディベロップメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】岡田 幸泰
(72)【発明者】
【氏名】西村 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】芦田 賢一
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/093374(WO,A1)
【文献】特開2019-12514(JP,A)
【文献】特開2016-71585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G05D 1/00- 1/12
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
H04W 56/00
H04W 64/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に関する計測と、前記移動体の制御とを行う計測装置と、
前記計測装置と相互に無線通信を行い、前記計測装置から計測結果を受信することが可能な制御装置と、を備える無線通信システムであって、
前記計測装置は、
少なくとも前記移動体の走行速度を計測する計測部と、
位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第1位置情報信号受信部と、
前記位置情報信号に基づいて、前記移動体の位置及び現在時刻を取得する第1取得部と、
前記移動体に関する移動体関連データを前記制御装置との間で送受信する第1通信部と、
時刻を計時し、前記位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第1時計部と、
前記制御装置から前記計測装置に移動体関連データを送信する際に予想される送信の遅延時間を予測する予測部と、を備え、
前記予測部は、
前記第1時計部によって計時及び修正された現在時刻と、前記制御装置から送信された移動体関連データに付与される送信時刻とに基づいて、その移動体関連データとなる第1移動体関連データが送信される際の遅延時間としての第1遅延時間を取得し、
その第1遅延時間と、当該第1遅延時間に対応する第1移動体関連データよりも前に前記制御装置から送信された第2移動体関連データに基づいて予測された遅延時間としての第2遅延時間とに基づいて遅延時間の差を取得し、
第1遅延時間と、位置情報信号に基づく移動体の位置と、前記計測部によって計測された移動体の走行速度と、遅延時間の差とに基づいて、移動体関連データを送信する際の前記移動体の位置及び前記移動体の走行速度に応じた遅延時間を学習し、学習結果と、前記移動体の走行速度とに基づいて遅延時間を予測し、
前記第1通信部は、前記予測部によって予測された遅延時間を前記計測部によって計測された計測結果と共に、移動体関連データとして前記制御装置に送信する、
無線通信システム。
【請求項2】
前記予測部は、第1遅延時間と第2遅延時間との差に応じて、遅延時間を学習する際の重み付けを変化させ、第1遅延時間と第2遅延時間との差が相対的に小さい場合に、第1遅延時間と第2遅延時間との差が相対的に大きい場合よりも重み付けを大きくして学習する
請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第2位置情報信号受信部と、
前記位置情報信号に基づいて現在時刻を取得する第2取得部と、
移動体に関する移動体関連データを前記計測装置との間で送受信する第2通信部と、
時刻を計時し、前記位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第2時計部と、
移動体を制御するための移動体制御シナリオが記憶される記憶部と、
前記第2通信部によって受信された移動体関連データに含まれる遅延時間と、前記第2通信部によって受信された移動体関連データの送信に係る送信時間とに基づいて、移動体を制御するための制御時間を取得する第3取得部と、
移動体関連データに含まれる移動体の位置情報と、前記第3取得部によって取得される制御時間とに基づいて、前記記憶部に記憶される移動体制御シナリオから、移動体を制御するための移動体制御データを生成し、前記第2通信部によって移動体制御データを移動体関連データとして前記計測装置に送信させる生成部と、
を備える請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記移動体は、車両、船舶及び航空機うちのいずれかである
請求項1~3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
【請求項5】
移動体に関する計測と、前記移動体の制御とを行う計測装置と、
前記計測装置と相互に無線通信を行い、前記計測装置から計測結果を受信することが可能な制御装置と、を備えるシステムにおいて実行される無線通信方法であって、
前記計測装置は、
少なくとも前記移動体の走行速度を計測部によって計測する計測ステップと、
位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第1位置情報信号受信ステップと、
前記位置情報信号に基づいて、前記移動体の位置及び現在時刻を取得する第1取得ステップと、
第1通信部によって前記移動体に関する移動体関連データを前記制御装置との間で送受信する第1通信ステップと、
第1時計部によって時刻を計時し、前記位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第1時計ステップと、
前記制御装置から前記計測装置に移動体関連データを送信する際に予想される送信の遅延時間を予測する予測ステップと、を実行し、
前記予測ステップは、
前記第1時計部によって計時及び修正された現在時刻と、前記制御装置から送信された移動体関連データに付与される送信時刻とに基づいて、その移動体関連データとなる第1移動体関連データが送信される際の遅延時間としての第1遅延時間を取得する第1ステップと、
その第1遅延時間と、当該第1遅延時間に対応する第1移動体関連データよりも前に前記制御装置から送信された第2移動体関連データに基づいて予測された遅延時間としての第2遅延時間とに基づいて遅延時間の差を取得する第2ステップと、
第1遅延時間と、位置情報信号に基づく移動体の位置と、前記計測部によって計測された移動体の走行速度と、遅延時間の差とに基づいて、移動体関連データを送信する際の前記移動体の位置及び前記移動体の走行速度に応じた遅延時間を学習し、学習結果と、前記移動体の走行速度とに基づいて遅延時間を予測ステップと、を実行し、
前記第1通信部は、前記予測ステップによって予測された遅延時間を前記計測部によって計測された計測結果と共に、移動体関連データとして前記制御装置に送信するステップを実行する、
無線通信方法。
【請求項6】
前記制御装置は、
位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第2位置情報信号受信ステップと、
前記位置情報信号に基づいて現在時刻を取得する第2取得ステップと、
第2通信部によって移動体に関する移動体関連データを前記計測装置との間で送受信する第2通信ステップと、
第2時計部によって時刻を計時し、前記位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第2時計ステップと、
移動体を制御するための移動体制御シナリオを記憶部に記憶する記憶ステップと、
前記第2通信部によって受信された移動体関連データに含まれる遅延時間と、前記第2通信部によって受信された移動体関連データの送信に係る送信時間とに基づいて、移動体を制御するための制御時間を取得する第3取得ステップと、
移動体関連データに含まれる移動体の位置情報と、前記第3取得ステップによって取得される制御時間とに基づいて、前記記憶部に記憶される移動体制御シナリオから、移動体を制御するための移動体制御データを生成し、前記第2通信部によって移動体制御データを移動体関連データとして前記計測装置に送信させる生成ステップと、
を実行する請求項5に記載の無線通信方法。
【請求項7】
移動体に関する計測と、前記移動体の制御とを行う計測装置と、
前記計測装置と相互に無線通信を行い、前記計測装置から計測結果を受信することが可能な制御装置と、を備える無線通信システムにおける前記計測装置及び前記制御装置で実行されるプログラムであって、
前記計測装置に、
少なくとも前記移動体の走行速度を計測する計測機能と、
位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第1位置情報信号受信機能と、
前記位置情報信号に基づいて、前記移動体の位置及び現在時刻を取得する第1取得機能と、
前記移動体に関する移動体関連データを前記制御装置との間で送受信する第1通信機能と、
時刻を計時し、前記位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第1時計機能と、
前記制御装置から前記計測装置に移動体関連データを送信する際に予想される送信の遅延時間を予測する予測機能と、を実現させ、
前記予測機能は、
前記第1時計機能によって計時及び修正された現在時刻と、前記制御装置から送信された移動体関連データに付与される送信時刻とに基づいて、その移動体関連データとなる第1移動体関連データが送信される際の遅延時間としての第1遅延時間を取得し、
その第1遅延時間と、当該第1遅延時間に対応する第1移動体関連データよりも前に前記制御装置から送信された第2移動体関連データに基づいて予測された遅延時間としての第2遅延時間とに基づいて遅延時間の差を取得し、
第1遅延時間と、位置情報信号に基づく移動体の位置と、前記計測機能によって計測された移動体の走行速度と、遅延時間の差とに基づいて、移動体関連データを送信する際の前記移動体の位置及び前記移動体の走行速度に応じた遅延時間を学習し、学習結果と、前記移動体の走行速度とに基づいて遅延時間を予測し、
前記第1通信機能は、前記予測機能によって予測された遅延時間を前記計測機能によって計測された計測結果と共に、移動体関連データとして前記制御装置に送信する、
無線通信プログラム。
【請求項8】
移動体に関する計測と、前記移動体の制御とを行う計測装置と、
前記計測装置と相互に無線通信を行い、前記計測装置から計測結果を受信することが可能な制御装置と、を備える無線通信システムにおける前記計測装置及び前記制御装置で実行されるプログラムであって、
前記制御装置に、
位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第2位置情報信号受信機能と、
前記位置情報信号に基づいて現在時刻を取得する第2取得機能と、
移動体に関する移動体関連データを前記計測装置との間で送受信する第2通信機能と、
時刻を計時し、前記位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第2時計機能と、
移動体を制御するための移動体制御シナリオが記憶される記憶機能と、
前記第2通信機能によって受信された移動体関連データに含まれる遅延時間と、前記第2通信機能によって受信された移動体関連データの送信に係る送信時間とに基づいて、移動体を制御するための制御時間を取得する第3取得機能と、
移動体関連データに含まれる移動体の位置情報と、前記第3取得機能によって取得される制御時間とに基づいて、前記記憶機能に記憶される移動体制御シナリオから、移動体を制御するための移動体制御データを生成し、前記第2通信機能によって移動体制御データを移動体関連データとして前記計測装置に送信させる生成機能と、
を実現させる無線通信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、無線通信方法及び無線通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、無人搬送車、ドローン及びロボット等を遠隔から制御する技術が存在する。特許文献1に記載された技術は、制御装置によって制御対象装置を遠隔から制御する技術である。特許文献1に記載された技術は、制御装置と制御対象装置との間の通信の遅延時間によって生じるオーバーシュートの量が所定値未満になるように制御用動作速度を算出し、その制御用動作速度で制御対象装置を動作させるための目標値を算出し、その目標値を含む制御信号を制御装置から制御対象装置に送信する。この場合のオーバーシュートは、制御対象装置に停止を指示した時点から、その制御対象装置が実際に停止するまでの距離である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-107568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術は、通信の遅延時間を考慮している。しかし、制御対象装置は、制御装置に相対的に近い位置を移動する場合、及び、制御装置から相対的に遠い位置を移動する場合がある。制御装置と制御対象装置との距離によって通信の遅延時間が変わるが、特許文献1に記載された技術は、遅延時間の変化を考慮していない可能性がある。
【0005】
本発明は、通信の遅延時間を考慮した制御を行うことができる無線通信システム、無線通信方法及び無線通信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の無線通信システムは、移動体に関する計測と、移動体の制御とを行う計測装置と、計測装置と相互に無線通信を行い、計測装置から計測結果を受信することが可能な制御装置と、を備える無線通信システムであって、計測装置は、少なくとも移動体の走行速度を計測する計測部と、位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第1位置情報信号受信部と、位置情報信号に基づいて、移動体の位置及び現在時刻を取得する第1取得部と、移動体に関する移動体関連データを制御装置との間で送受信する第1通信部と、時刻を計時し、位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第1時計部と、制御装置から計測装置に移動体関連データを送信する際に予想される送信の遅延時間を予測する予測部と、を備え、予測部は、第1時計部によって計時される現在時刻と、制御装置から送信された移動体関連データに付与される送信時刻とに基づいて、その移動体関連データとなる第1移動体関連データが送信される際の遅延時間としての第1遅延時間を取得し、その第1遅延時間と、当該第1遅延時間に対応する第1移動体関連データよりも前に制御装置から送信された第2移動体関連データに基づいて予測された遅延時間としての第2遅延時間とに基づいて遅延時間の差を取得し、第1遅延時間と、位置情報信号に基づく移動体の位置と、計測部によって計測された移動体の走行速度と、遅延時間の差とに基づいて、移動体関連データを送信する際の遅延時間を学習し、学習結果に基づいて遅延時間を予測し、第1通信部は、予測部によって予測された遅延時間を計測部によって計測された計測結果と共に、移動体関連データとして制御装置に送信する。
【0007】
一態様の無線通信システムでは、予測部は、第1遅延時間と第2遅延時間との差に応じて、遅延時間を学習する際の重みを変化させることとしてもよい。
【0008】
一態様の無線通信システムでは、制御装置は、位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第2位置情報信号受信部と、位置情報信号に基づいて現在時刻を取得する第2取得部と、移動体に関する移動体関連データを計測装置との間で送受信する第2通信部と、時刻を計時し、位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第2時計部と、移動体を制御するための移動体制御シナリオが記憶される記憶部と、第2通信部によって受信された移動体関連データに含まれる遅延時間と、第2通信部によって受信された移動体関連データの送信に係る送信時間とに基づいて、移動体を制御するための制御時間を取得する第3取得部と、移動体関連データに含まれる移動体の位置情報と、第3取得部によって取得される制御時間とに基づいて、記憶部に記憶される移動体制御シナリオから、移動体を制御するための移動体制御データを生成し、第2通信部によって移動体制御データを移動体関連データとして計測装置に送信させる生成部と、を備えることとしてもよい。
【0009】
一態様の無線通信システムでは、移動体は、車両、船舶及び航空機うちのいずれかであってもよい。
【0010】
一態様の無線通信方法は、移動体に関する計測と、移動体の制御とを行う計測装置と、計測装置と相互に無線通信を行い、計測装置から計測結果を受信することが可能な制御装置と、を備えるシステムにおいて実行される無線通信方法であって、計測装置は、少なくとも移動体の走行速度を計測部によって計測する計測ステップと、位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第1位置情報信号受信ステップと、位置情報信号に基づいて、移動体の位置及び現在時刻を取得する第1取得ステップと、第1通信部によって移動体に関する移動体関連データを制御装置との間で送受信する第1通信ステップと、第1時計部によって時刻を計時し、位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第1時計ステップと、制御装置から計測装置に移動体関連データを送信する際に予想される送信の遅延時間を予測する予測ステップと、を実行し、予測ステップは、第1時計部によって計時される現在時刻と、制御装置から送信された移動体関連データに付与される送信時刻とに基づいて、その移動体関連データとなる第1移動体関連データが送信される際の遅延時間としての第1遅延時間を取得する第1ステップと、その第1遅延時間と、当該第1遅延時間に対応する第1移動体関連データよりも前に制御装置から送信された第2移動体関連データに基づいて予測された遅延時間としての第2遅延時間とに基づいて遅延時間の差を取得する第2ステップと、第1遅延時間と、位置情報信号に基づく移動体の位置と、計測部によって計測された移動体の走行速度と、遅延時間の差とに基づいて、移動体関連データを送信する際の遅延時間を学習し、学習結果に基づいて遅延時間を予測ステップと、を実行し、第1通信部は、予測ステップによって予測された遅延時間を計測部によって計測された計測結果と共に、移動体関連データとして制御装置に送信するステップを実行する。
【0011】
一態様の無線通信方法では、制御装置は、位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第2位置情報信号受信ステップと、位置情報信号に基づいて現在時刻を取得する第2取得ステップと、第2通信部によって移動体に関する移動体関連データを計測装置との間で送受信する第2通信ステップと、第2時計部によって時刻を計時し、位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第2時計ステップと、移動体を制御するための移動体制御シナリオを記憶部に記憶する記憶ステップと、第2通信部によって受信された移動体関連データに含まれる遅延時間と、第2通信部によって受信された移動体関連データの送信に係る送信時間とに基づいて、移動体を制御するための制御時間を取得する第3取得ステップと、移動体関連データに含まれる移動体の位置情報と、第3取得ステップによって取得される制御時間とに基づいて、記憶部に記憶される移動体制御シナリオから、移動体を制御するための移動体制御データを生成し、第2通信部によって移動体制御データを移動体関連データとして計測装置に送信させる生成ステップと、を実行することとしてもよい。
【0012】
一態様の無線通信プログラムは、移動体に関する計測と、移動体の制御とを行う計測装置と、計測装置と相互に無線通信を行い、計測装置から計測結果を受信することが可能な制御装置と、を備える無線通信システムにおける計測装置及び制御装置で実行されるプログラムであって、計測装置に、少なくとも移動体の走行速度を計測する計測機能と、位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第1位置情報信号受信機能と、位置情報信号に基づいて、移動体の位置及び現在時刻を取得する第1取得機能と、移動体に関する移動体関連データを制御装置との間で送受信する第1通信機能と、時刻を計時し、位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第1時計機能と、制御装置から計測装置に移動体関連データを送信する際に予想される送信の遅延時間を予測する予測機能と、を実現させ、予測機能は、第1時計機能によって計時される現在時刻と、制御装置から送信された移動体関連データに付与される送信時刻とに基づいて、その移動体関連データとなる第1移動体関連データが送信される際の遅延時間としての第1遅延時間を取得し、その第1遅延時間と、当該第1遅延時間に対応する第1移動体関連データよりも前に制御装置から送信された第2移動体関連データに基づいて予測された遅延時間としての第2遅延時間とに基づいて遅延時間の差を取得し、第1遅延時間と、位置情報信号に基づく移動体の位置と、計測機能によって計測された移動体の走行速度と、遅延時間の差とに基づいて、移動体関連データを送信する際の遅延時間を学習し、学習結果に基づいて遅延時間を予測し、第1通信機能は、予測機能によって予測された遅延時間を計測機能によって計測された計測結果と共に、移動体関連データとして制御装置に送信する。
【0013】
一態様の無線通信プログラムは、移動体に関する計測と、移動体の制御とを行う計測装置と、計測装置と相互に無線通信を行い、計測装置から計測結果を受信することが可能な制御装置と、を備える無線通信システムにおける計測装置及び制御装置で実行されるプログラムであって、制御装置に、位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第2位置情報信号受信機能と、位置情報信号に基づいて現在時刻を取得する第2取得機能と、移動体に関する移動体関連データを計測装置との間で送受信する第2通信機能と、時刻を計時し、位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第2時計機能と、移動体を制御するための移動体制御シナリオが記憶される記憶機能と、第2通信機能によって受信された移動体関連データに含まれる遅延時間と、第2通信機能によって受信された移動体関連データの送信に係る送信時間とに基づいて、移動体を制御するための制御時間を取得する第3取得機能と、移動体関連データに含まれる移動体の位置情報と、第3取得機能によって取得される制御時間とに基づいて、記憶機能に記憶される移動体制御シナリオから、移動体を制御するための移動体制御データを生成し、第2通信機能によって移動体制御データを移動体関連データとして計測装置に送信させる生成機能と、を実現させることとしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
一態様の無線通信システムは、計測装置及び制御装置を備え、計測装置は、制御装置から計測装置に移動体関連データを送信する際に予想される遅延時間を予想し、制御装置は、計測装置によって予想される遅延時間と、計測装置から制御装置に移動体関連データを送信する際の送信時間とに基づいて制御時間を取得し、移動体の位置と制御時間に基づいて移動体制御データを生成して計測装置に送信するので、通信の遅延時間を考慮した移動体の制御を行うことができる。
また、一態様の無線通信方法及び無線通信プログラムは、上述した一態様の無線通信システムと同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態に係る無線通信システムについて説明するための図である。
図2】一実施形態に係る計測装置について説明するためのブロック図である。
図3】一実施形態に係る制御装置について説明するためのブロック図である。
図4】計測結果の表示方法について説明するための図である。
図5】一実施形態に係り、計測装置が実行する無線通信方法について説明するためのフローチャートである。
図6】一実施形態に係り、制御装置が実行する無線通信方法について説明するためのフローチャートである。
図7】一実施形態に係る無線通信方法について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る無線通信システム1について説明するための図である。
【0017】
無線通信システム1は、移動体を制御するために利用される。移動体は、例えば、車両、船舶及び航空機等であるが、以下では車両10を例示して説明する。本発明の「移動体関連データ」の一例は、「車両関連データ」に対応する。本発明の「移動体制御シナリオ」の一例は、「車両制御シナリオ」に対応する。本発明の「移動体制御データ」の一例は、「車両制御データ」に対応する。
【0018】
無線通信システム1は、計測装置100及び制御装置200を備える。
計測装置100は、例えば、車両10に搭載され、車両10に関する計測と、車両10の制御とを行う。又は、計測装置100は、例えば、車両10の外部に配され、車両10に関する計測を行う。車両10は、例えば、車両10を制御するための車両制御データに基づいて走行が可能な車両であってもよい。車両10は、無人で走行が可能な車両であってもよく、人を乗車させて(人の操作に基づいて)走行可能な車両であってもよい。車両10は、図1に例示するように周回コース(具体例として、テストコース)を走行する車両であってもよく、一般道及び車両専用道を走行する車両であってもよい。
【0019】
制御装置200は、計測装置100と相互に無線通信を行い、計測装置100から計測結果を受信することが可能である。また、制御装置200は、計測装置100を介して車両10を制御することが可能である。すなわち、制御装置200は、車両10を制御するための車両制御データを計測装置100に送信し、計測装置100によって車両10を制御させる。制御装置200は、図1に例示するように2台の車両10を制御してもよく、1台又は3台以上の車両10を制御することとしてもよい。
この場合、制御装置200から計測装置100に車両制御データが送信される際には、制御装置200において車両制御データを送信してから、計測装置100において受信されるまでの時間(遅延時間)が発生することになる。制御装置200は、車両制御データの送信時に生じる遅延時間を考慮して、車両10を制御する。
【0020】
以下、無線通信システム1について詳細に説明する。
図2は、一実施形態に係る計測装置100について説明するためのブロック図である。
図3は、一実施形態に係る制御装置200について説明するためのブロック図である。
【0021】
図2に示すように、計測装置100は、計測部107、アクチュエータ109、アクチュエータ制御部104、GPS(Global Positioning System)アンテナ108、第1位置情報信号受信部101、第1取得部102、第1通信部105、第1時計部106、予測部103及び第1記憶部110を備える。
【0022】
計測部107は、カメラ107a及びセンサ107bである。カメラ107aは、車両10の外部の画像(静止画、動画)を撮像する。センサ107bは、車両10に関する種々の計測を行うセンサであり、一例として車両10の走行速度を計測する車速センサを備える。
【0023】
アクチュエータ109は、例えば、車両10のハンドル及び車両10のペダル(アクセル、ブレーキ)等の車両10の走行に関する装置に接続される。アクチュエータ109が動作することに基づいて、ハンドル及びペダルが動作する。
【0024】
アクチュエータ制御部104は、制御装置200から送信された車両制御データに基づいて、アクチュエータ109の動作を制御する。
【0025】
第1位置情報信号受信部101は、位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する。第1位置情報信号受信部101は、例えば、GPSアンテナ108によって受信された位置情報信号をデコードし、第1取得部102に提供する。
【0026】
第1取得部102は、位置情報信号に基づいて、車両10の位置及び現在時刻を取得する。この場合、第1取得部102は、例えば、現在時刻として協定世界時(UTC:Coordinated Universal Time)を取得することとしてもよい。なお、第1取得部102は、取得した車両10の位置及び時刻に基づいて、車両10の走行速度を取得することとしてもよい。第1取得部102で車両10の走行速度を取得する場合、第1取得部102は、「計測部」として機能することとしてもよい。また、第1取得部102で車両10の走行速度を取得する場合、計測部107は、車速センサを備えなくともよい。
【0027】
第1通信部105は、車両10に関する車両関連データを制御装置200との間で送受信する。第1通信部105は、後述する予測部103によって予測された遅延時間を計測部107によって計測された計測結果と共に、車両関連データとして制御装置200に送信する。第1通信部105は、例えば、所定期間毎に車両関連データを制御装置200に送信することとしてもよい。
車両関連データは、例えば、上述したように、計測部107によって計測された結果、すなわち、カメラ107aによって撮像された画像及びセンサ107bによる測定結果等である。第1通信部105は、計測部107による計測結果を送信する場合、その計測結果を圧縮することとしてもよい。第1通信部105は、後述するように予測部103によって予測された遅延時間(予測送信遅延時間)を車両関連データに含ませる。第1通信部105は、車両関連データを制御装置200に送信する場合、その送信する時の時刻(送信時刻)を車両関連データに含ませる。また、第1通信部105は、車両関連データを制御装置200に送信する場合、CAN(Controller Area Network)情報(一例として、車両10のアクセル、ブレーキ及び操舵角に関する情報等)を車両関連データに含ませてもよい。
【0028】
また、車両関連データは、制御装置200から計測装置100にも送信される。この場合の車両関連データは、例えば、車両10を制御するための車両制御データである。
また、車両関連データには、上述した例に限定されず、車両10に関連する種々のデータが記録されていてもよい。
【0029】
第1時計部106は、時刻を計時し、位置情報信号に基づいてその時刻が修正される。第1時計部106は、時刻を計時する。第1時計部106は、計時する時刻を、第1取得部102によって取得された現在時刻に基づいて修正してもよい。1又は複数の計測装置100それぞれに配される第1時計部106、及び、後述する制御装置200に配される第2時計部207は、衛星から送信される位置情報信号に基づいて計時する時刻を修正するため、第1時計部106及び第2時計部207それぞれの間で時刻を同期することができる。
【0030】
予測部103は、制御装置200から計測装置100に車両関連データを送信する際に予想される送信の遅延時間を予測する。具体的には、予測部103は、以下の処理を行う。
【0031】
予測部103は、第1時計部106によって計時される現在時刻と、制御装置200から送信された車両関連データに付与される送信時刻とに基づいて、その車両関連データとなる第1車両関連データが送信される際の遅延時間としての第1遅延時間を取得する。後述するように、制御装置200から計測装置100に車両関連データ(車両制御データ)が送信される場合、制御装置200の第2通信部206によって、車両関連データを送信した時刻(送信時刻)がその車両関連データに記録される。予測部103は、制御装置200から送信された車両関連データ(車両制御データ)を第1通信部105によって受信すると、その車両関連データに記録される送信時刻を取得する。また、予測部103は、第1通信部105によってその車両関連データ(車両制御データ)を受信した時刻(現在時刻)を第1時計部106から取得する。予測部103は、その車両関連データ(ここでは、第1車両関連データ)の送信時刻と、現在時刻とに基づいて、車両関連データの送信にかかる送信時間(遅延時間(第1遅延時間))を取得する。予測部103は、第1遅延時間を第1記憶部110に記憶することとしてもよい。
第1記憶部110は、例えば、種々のデータ及び種々のプログラムを記憶することが可能な装置である。第1記憶部110は、例えば、メモリ及びハードディスク等である。
【0032】
予測部103は、第1遅延時間と、その第1遅延時間に対応する第1車両関連データよりも前に制御装置200から送信された第2車両関連データに基づいて予測された遅延時間としての第2遅延時間とに基づいて遅延時間の差を取得する。第2車両関連データは、第1車両関連データよりも時間的に前に、制御装置200から計測装置100に送信されたデータ(車両制御データ)である。第2遅延時間は、後述するように、予測部103によって学習結果に基づいて遅延時間が予測された場合のその遅延時間(予測送信遅延時間)である。すなわち、第2遅延時間は、今回送信された第1車両関連データよりも前に送信された第2車両関連データに基づく予測送信遅延時間n-1である。予測部103は、第1遅延時間と第2遅延時間との差(誤差)を取得する。
【0033】
予測部103は、第1遅延時間と、位置情報信号に基づく車両10の位置と、計測部107によって計測された車両10の走行速度と、遅延時間の差とに基づいて、車両関連データを送信する際の遅延時間を学習し、学習結果に基づいて遅延時間(予測送信遅延時間n)を予測する。この場合、予測部103は、遅延時間の差に応じて、遅延時間を学習する際の重みを変化させる。
すなわち、予測部103は、第1遅延時間と、車両10の位置(一例として、第1車両関連データを受信した時の車両10の位置)、車両10の走行速度(一例として、第1車両関連データを受信した時の車両10の走行速度)、第1遅延時間と第2遅延時間との差(誤差)に基づいて、車両10の位置及び走行速度に応じた遅延時間を学習する。学習には、例えば、深層学習及び機械学習等を用いることができ、公知のニューラルネットワーク(一例として、畳み込みニューラルネットワーク)を利用する。
この場合、予測部103は、第1遅延時間と第2遅延時間の差が相対的に小さい場合には、その差についての重みを相対的に大きくして学習することとしてもよい。また、予測部103は、第1遅延時間と第2遅延時間の差が相対的に大きい場合には、その差についての重みを相対的に小さくして学習することとしてもよい。
【0034】
予測部103は、計測部107によって車両10の走行速度が取得された場合等の任意のタイミングで、学習結果に基づいて遅延時間を予測する。その予測される遅延時間は、「予測送信遅延時間」と言い換えることができる。予測送信遅延時間は、次回、制御装置200から計測装置100に車両関連データ(車両制御データ)が送信される際に予想される遅延時間である。予測部103は、予測された遅延時間を第1通信部105に出力する。
【0035】
予測部103は、深層学習等の学習モデルを利用して遅延時間を予測してもよく、一定期間の過去の遅延時間のデータを利用して学習した学習済みモデルを利用して遅延時間を予測してもよい。予測部103が学習しながら遅延時間を予測する場合には、最初は、車両10の走行速度を相対的に遅くし、安全に車両10を走行できる状態にして、遅延時間を学習させてもよい。
【0036】
なお、上述した計測装置100は、車両10に搭載される場合の例について説明した。車両10に搭載されない計測装置100は、上述したアクチュエータ109、アクチュエータ制御部104及び予測部103を備えなくともよい。車両10に搭載されない制御装置200は、例えば、車両10が走行するコース近辺に設置される車両監視装置(例えば、カメラ装置等)、及び、そのコース近辺を飛行するドローンに設置される車両監視装置(例えば、カメラ装置等)であってもよい。
【0037】
図3に示すように、制御装置200は、第2位置情報信号受信部201、第2取得部202、第2通信部206、第2時計部207、第2記憶部209、第3取得部203、生成部204及び表示制御部205を備える。
【0038】
第2位置情報信号受信部201は、位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する。第2位置情報信号受信部201は、例えば、GPSアンテナ208によって受信された位置情報信号を第2取得部202に提供する。
【0039】
第2取得部202は、位置情報信号に基づいて現在時刻を取得する。この場合、第2取得部202は、例えば、現在時刻として協定世界時(UTC)を取得することとしてもよい。
【0040】
第2通信部206は、車両10に関する車両関連データを計測装置100との間で送受信する。第2通信部206は、例えば、計測装置100の計測部107によって計測された結果を記録した車両関連データを計測装置100から受信する。第2通信部206は、例えば、車両10を制御するための車両制御データを車両関連データとして計測装置100に送信する。第2通信部206は、車両制御データ(車両関連データ)を計測装置100に送信する場合、車両制御データを計測装置100に送信する時の送信時刻を車両制御データ(車両関連データ)に含ませてもよい。
【0041】
第2時計部207は、時刻を計時し、位置情報信号に基づいてその時刻が修正される。第2時計部207は、時刻を計時する。第2時計部207は、計時する時刻を、第2取得部202によって取得された現在時刻に基づいて修正してもよい。
【0042】
第2記憶部209は、車両10を制御するための車両制御シナリオが記憶される。第2記憶部209は、例えば、種々のデータ及び種々のプログラムを記憶することが可能な装置である。第2記憶部209は、例えば、メモリ及びハードディスク等である。
車両制御シナリオは、例えば、車両10が周回コース(又は、道路)をどのように走行するかを記録したものである。車両制御シナリオは、具体的な一例として、車両10の走行位置及び車両10の走行速度等を記録したものである。
【0043】
第3取得部203は、第2通信部206によって受信された車両関連データに含まれる遅延時間と、第2通信部206によって受信された車両関連データの送信に係る送信時間とに基づいて、車両10を制御するための制御時間を取得する。車両関連データに含まれる遅延時間は、計測装置100の予測部103によって予測された遅延時間(予測送信遅延時間)である。送信時間は、計測装置100から制御装置200に送信される車両関連データの送信時刻(例えば、第1通信部105によって送信される際の時刻)と、その車両関連データを第2通信部206が受信した際の受信時刻との差である。送信時間は、「現在遅延時間」とも言い換えることができる。第3取得部203は、遅延時間(予測送信遅延時間)と送信時間(現在遅延時間)とを加算することにより、制御時間を算出する。
【0044】
生成部204は、車両関連データに含まれる車両10の位置情報と、第3取得部203によって取得される制御時間とに基づいて、第2記憶部209に記憶される車両制御シナリオから、車両10を制御するための車両制御データを生成し、第2通信部206によって車両制御データを車両関連データとして計測装置100に送信させる。生成部204は、第2通信部206によって受信した車両関連データから車両10の位置情報(例えば、現在位置)を取得する。生成部204は、車両10の現在位置から制御時間分の車両10を制御するためのデータ(車両制御データ)を生成する。この場合、生成部204は、車両10の現在位置に基づいて、車両制御シナリオから車両10の制御情報(例えば、アクセル、ブレーキ及びハンドル操作量等)を制御時間分読み出す。次に、生成部204は、その制御情報と、車両関連データに記録される車両10の情報(例えば、走行速度)とに基づいて車両10を走行させた場合の車両10の移動位置を予測する。次に、生成部204は、予測された移動位置に基づいて、車両制御シナリオから車両10の制御情報を取得し、車両制御データを生成する。
【0045】
すなわち、生成部204は、車両制御シナリオに応じて車両10を走行させるために、その車両10の制御内容を記録した車両制御データを生成する。制御内容は、例えば、車両10のアクセル、ブレーキ及びハンドルの操作量等である。生成部204は、生成した車両制御データを計測装置100に送信する。
【0046】
図4は、計測結果の表示方法について説明するための図である。
表示部210は、例えば、文字及び画像を表示するための装置である。
表示制御部205は、第2通信部206によって車両関連データを受信した場合、車両関連データに記録される計測結果(計測装置100の計測部107による計測結果)を表示部210に表示する。
【0047】
制御装置200には、1又は複数の計測装置100から計測結果が送信される。表示制御部205は、複数の計測装置100の計測結果を表示部210に表示する場合、車両関連データに記録される送信時刻に基づいて、複数の計測装置100の計測結果(計測値)を並べてもよい。すなわち、表示制御部205は、送信時刻に合わせて複数の計測装置100の計測結果(計測値)を整列させる。
【0048】
図4に例示する場合、制御装置200には、計測装置A及び計測装置Bから計測結果が送信される。タイムスタンプは、例えば、計測装置A,Bから制御装置200に計測結果(車両関連データ)が送信される場合、計測結果(計測値)に対応付けて車両関連データに記録される送信時刻である。表示制御部205は、第2通信部206によって計測装置A,Bそれぞれからの計測結果を受信した場合、タイムスタンプ(送信時刻)に基づいて計測装置A,Bの計測結果を並べて表示部210に表示し、及び、計測結果を第2記憶部209に記憶する。計測装置Aと計測装置Bとの間で制御装置200に計測結果の送信のタイミング(例えば、定期送信のタイミング)がずれた場合、すなわち、計測装置Aからタイムスタンプ2以降の計測結果が送信され、計測装置Bからタイムスタンプ1以降の計測結果が送信された場合、制御装置200は、計測装置A,Bの計測結果を、送信されたタイムスタンプの時間的に最も早いもの(タイムスタンプ1)から順に並べて表示部210に表示する。この場合、制御装置200は、計測装置Aのタイムスタンプ1の計測結果に、例えば「0」を表示する。すなわち、制御装置200は、計測装置A,Bから送信されていない計測結果には、例えば、「0」を表示する。
【0049】
次に、一実施形態に係る無線通信方法について説明する。
まず、計測装置100が実行する無線通信方法について説明する。
図5は、一実施形態に係り、計測装置100が実行する無線通信方法について説明するためのフローチャートである。
【0050】
ステップST101において、計測部107は、車両10に関する計測を行い、計測結果(計測値)を取得する。この場合、計測部107としての車速センサは、車両10の走行速度を取得することとしてもよい。
【0051】
ステップST102において、第1取得部102は、第1位置情報信号受信部101によって受信された位置情報信号に基づいて、車両10の位置及び現在時刻を取得する。第1取得部102は、取得した車両10の位置及び時刻に基づいて、車両10の走行速度を取得することとしてもよい。
【0052】
ステップST103において、予測部103は、制御装置200から計測装置100に送信された車両関連データに記録される送信時刻を取得する。送信時刻は、例えば、制御装置200が車両関連データを送信する時の時刻である。
【0053】
ステップST104において、予測部103は、第1時計部106によって計時される時刻(第1通信部105によって車両関連データを受信した時に第1時計部106から取得される時刻)と、ステップST103において取得される送信時刻とに基づいて、遅延時間(第1遅延時間)を取得する。遅延時間(第1遅延時間)は、車両関連データの送信にかかる時間であり、車両関連データが制御装置200によって送信された時から計測装置100によって受信される時までの時間である。予測部103は、遅延時間(第1遅延時間)を第1記憶部110に記憶することとしてもよい。
【0054】
ステップST105において、予測部103は、ステップST104で取得された遅延時間(第1遅延時間)と、以前に、制御装置200から計測装置100に送信された車両関連データに基づいて予想された予測送信遅延時間n-1(第2遅延時間)との差(誤差)を取得する。予測送信遅延時間n-1(第2遅延時間)は、第1記憶部110に記憶されている。
【0055】
ステップST106において、予測部103は、ステップST102で取得された車両10の位置、ステップST101又はステップST102で取得された車両10の走行速度、及び、ステップST105で取得された遅延時間の差(第1遅延時間と第2遅延時間との差)(誤差)に基づいて、車両関連データを送信する際の遅延時間を学習する。この場合、予測部103は、遅延時間の差に応じて、遅延時間を学習する際の重みを変化させる。
【0056】
ステップST107において、予測部103は、ステップST106で学習された結果に基づいて遅延時間(予測送信遅延時間n)を予測する。なお、予測送信遅延時間nよりも前に予測された予測送信遅延時間はn-1,n-2,n-3…となる。例えば、予測部103は、計測部107によって車両10の走行速度が取得され、若しくは、位置情報信号に基づいて走行速度が取得された場合等の任意のタイミングで、学習結果に基づいて遅延時間を予測する。
【0057】
ステップST108において、予測部103は、ステップST107で予測された遅延時間(予測送信遅延時間n)を第1記憶部110に記憶する。
【0058】
ステップST109において、第1通信部105は、車両関連データを制御装置200に送信する際、車両関連データに現在時刻(送信時刻)と、ステップST107で予測された遅延時間(予測送信遅延時間)(又は、ステップST108で記憶部に記憶された予測送信遅延時間)とを車両関連データに含ませて、制御装置200に送信する。
【0059】
次に、制御装置200が実行する無線通信方法について説明する。
図6は、一実施形態に係り、制御装置200が実行する無線通信方法について説明するためのフローチャートである。
【0060】
ステップST201において、第3取得部203は、図5に示すステップST109で送信された車両関連データ(第2通信部206によって受信された受信データ)から、遅延時間(予測送信遅延時間)を取得する。
【0061】
ステップST202において、第3取得部203は、ステップST201に記載の車両関連データから送信時刻を取得する。また、第3取得部203は、第2通信部206によってその車両関連データを受信した時の時刻(受信時刻)を第2時計部207から取得する。
【0062】
ステップST203において、第3取得部203は、ステップST202の送信時刻と受信時刻とに基づいて、ステップST201に記載の車両関連データの送信に係る送信時間(現在遅延時間)を取得する。
【0063】
ステップST204において、第3取得部203は、ステップST201で取得した遅延時間(予測送信遅延時間)と、ステップST203で取得した送信時間(現在遅延時間)とに基づいて、車両10を制御するための制御時間(予測制御時間)を算出する。
【0064】
ステップST205において、生成部204は、ステップST201に記載の車両関連データから車両10の位置情報を取得する。
【0065】
ステップST206において、生成部204は、ステップST204で算出された制御時間(予測制御時間)と、ステップST205で取得された車両10の位置情報とに基づいて、第2記憶部209に記憶される車両制御シナリオから、車両10を制御するための車両制御データを生成する。車両制御データは、車両制御シナリオに応じて車両10を走行させるために、その車両10の制御内容を記録したデータである。
【0066】
ステップST207において、生成部204は、第2通信部206によってステップST206で生成した車両制御データを車両関連データとして計測装置100に送信する。生成部204は、車両関連データを計測装置100に送信する際、車両関連データに現在時刻(送信時刻)を含ませて、計測装置100に送信する。
【0067】
次に、一実施形態に係る無線通信方法について説明する。
図7は、一実施形態に係る無線通信方法について説明するための図である。
【0068】
ステップST301において、制御装置200は、第2通信部206によって車両関連データ(第2車両関連データ)を計測装置100に送信する。
【0069】
ステップST302において、計測装置100は、ステップST301で送信された車両関連データ(第2関連データ)を受信すると、予測部103によって予測送信遅延時間n-1(第2遅延時間)を予測する。予測送信遅延時間n-1の予測は、後述するステップST304~ST307と同様の処理により予測される。
【0070】
ステップST303において、制御装置200は、新たに、第2通信部206によって車両関連データ(第1車両関連データ)を計測装置100に送信する。
【0071】
ステップST304において、計測装置100は、ステップST303で送信された車両関連データ(第1車両関連データ)を受信すると、予測部103によって遅延時間(第1遅延時間)を取得する。
【0072】
ステップSTT305において、計測装置100は、予測部103によって、ステップST302で取得した予測送信遅延時間n-1(第2遅延時間)と、ステップST304で取得した遅延時間(第1遅延時間)との差(誤差)を取得する。
【0073】
ステップST306において、計測装置100は、予測部103によって、ステップST303で送信された車両関連データ(第1車両関連データ)に記録される車両10の位置及び車両10の走行速度と、ステップST305で取得された差(誤差)に基づいて、車両関連データを送信する際の遅延時間を学習する。
【0074】
ステップST307において、計測装置100は、予測部103によって、ステップST306の学習結果に基づいて、遅延時間(予測送信遅延時間n)を予測する。
【0075】
ステップST308において、計測装置100は、第1通信部105によって、ステップST307で予測された遅延時間(予測送信遅延時間n)を車両関連データに含ませて制御装置200に送信する。この場合、計測装置100は、車両関連データを送信する時の送信時刻を車両関連データに記録する。
【0076】
ステップST309において、制御装置200は、第3取得部203によって、ST308で送信された車両関連データに記録される送信時刻と、その車両関連データを第2通信部206によって受信した時の受信時刻とに基づいて、その車両関連データの送信に係る送信時間(現在遅延時間)を取得する。
【0077】
ステップST310において、制御装置200は、第3取得部203によって、ステップST308で送信された車両関連データに記録される遅延時間(予測送信遅延時間)と、ステップST309で取得された送信時間(現在遅延時間)とに基づいて、制御時間を取得する。
【0078】
ステップST311において、制御装置200は、生成部204によって、ステップST310で取得された制御時間と、ステップST308で送信された車両関連データに記録される車両10の位置情報とに基づいて、車両10を制御する車両制御データを生成する。
【0079】
ステップST312において、制御装置200は、第2通信部206によって、ステップST311で生成された車両制御データを計測装置100に送信する。
【0080】
次に、本実施形態の効果を説明する。
無線通信システム1では、計測装置100は、少なくとも車両10の走行速度を計測する計測部107と、位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第1位置情報信号受信部101と、位置情報信号に基づいて、車両10の位置及び現在時刻を取得する第1取得部102と、車両10に関する車両関連データを制御装置200との間で送受信する第1通信部105と、時刻を計時し、位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第1時計部106と、制御装置200から計測装置100に車両関連データを送信する際に予想される送信の遅延時間を予測する予測部103と、を備える。
制御装置200は、予測部103によって予測された遅延時間を利用して、車両10を制御するための車両制御データを生成する。
無線通信システム1は、車両10の位置及び速度に応じた遅延時間を学習するので、計測装置100と制御装置200との距離応じて遅延時間が変わる場合でも、実際の状況に応じた遅延時間を予測することができる。よって、無線通信システム1は、通信の遅延時間を考慮した車両10の制御を行うことができる。
また、無線通信システム1は、衛星から送信される位置情報信号に基づいて、第1時計部106で計時する時刻を修正するので、複数の計測装置100間で同期させることができる。
【0081】
無線通信システム1では、予測部103は、遅延時間の差に応じて、遅延時間を学習する際の重みを変化させることとしてもよい。
無線通信システム1は、遅延時間を学習する際に、現在の遅延時間と過去の遅延時間との差に応じて重み付けを変更するので、実際の通信の状況に応じた遅延時間を予測することができる。
【0082】
無線通信システム1では、制御装置200は、車両10に関する車両関連データを計測装置100との間で送受信する第2通信部206と、車両10を制御するための車両制御シナリオが記憶される記憶部と、第2通信部206によって受信された車両関連データに含まれる遅延時間と、第2通信部206によって受信された車両関連データの送信に係る送信時間とに基づいて、車両10を制御するための制御時間を取得する第3取得部203と、車両関連データに含まれる車両10の位置情報と、第3取得部203によって取得される制御時間とに基づいて、車両制御シナリオから車両10を制御するための車両制御データを生成し、第2通信部206によって車両制御データを車両関連データとして計測装置100に送信させる生成部204と、を備えることとしてもよい。
これにより、無線通信システム1は、遅延時間を考慮し、車両10が現在位置から走行したことを想定した車両制御データを生成することができる。無線通信システム1は、その車両制御データに基づいて車両10が制御を行うことにより、通信の遅延時間を考慮した車両10の制御を行うことができる。また、無線通信システム1は、車両10が無人であってもその車両10を制御することができ、また車両10の運行の安全性を高めることができる。
また、無線通信システム1は、衛星から送信される位置情報信号に基づいて、第2時計部207で計時する時刻を修正するので、1又は複数の計測装置100と制御装置200との間で同期させることができる。すなわち、ユーザによって、計測装置100と制御装置200との間の同期を取る作業が不要になる。
また、無線通信システム1は、複数の計測装置100(車両10)を制御することができ、また車両制御シナリオの通りに車両10を制御することができるため再現性を高めることができる。よって、無線通信システム1が車両10の評価を行う際に利用される場合には、車両評価時間を短縮することができる。
【0083】
無線通信方法では、計測装置100は、少なくとも車両10の走行速度を計測部107によって計測する計測ステップと、位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第1位置情報信号受信ステップと、位置情報信号に基づいて、車両10の位置及び現在時刻を取得する第1取得ステップと、第1通信部105によって車両10に関する車両関連データを制御装置200との間で送受信する第1通信ステップと、第1時計部106によって時刻を計時し、位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第1時計ステップと、制御装置200から計測装置100に車両関連データを送信する際に予想される送信の遅延時間を予測する予測ステップと、を実行する。
制御装置200は、予測部103によって予測された遅延時間を利用して、車両10を制御するための車両制御データを生成する生成ステップを実行する。
無線通信方法は、車両10の位置及び速度に応じた遅延時間を学習するので、計測装置100と制御装置200との距離応じて遅延時間が変わる場合でも、実際の状況に応じた遅延時間を予測することができる。よって、無線通信方法は、通信の遅延時間を考慮した車両10の制御を行うことができる。
また、無線通信方法は、衛星から送信される位置情報信号に基づいて、第1時計部106で計時する時刻を修正するので、複数の計測装置100間で同期させることができる。
【0084】
無線通信方法では、制御装置200は、車両10に関する車両関連データを計測装置100との間で送受信する第2通信ステップと、車両10を制御するための車両制御シナリオを記憶部に記憶する記憶ステップと、第2通信部206によって受信された車両関連データに含まれる遅延時間と、第2通信部206によって受信された車両関連データの送信に係る送信時間とに基づいて、車両10を制御するための制御時間を取得する第3取得ステップと、車両関連データに含まれる車両10の位置情報と、第3取得ステップによって取得される制御時間とに基づいて、車両制御シナリオから車両10を制御するための車両制御データを生成し、第2通信部206によって車両制御データを車両関連データとして計測装置100に送信させる生成ステップと、を実行することとしてもよい。
これにより、無線通信方法は、遅延時間を考慮し、車両10が現在位置から走行したことを想定した車両制御データを生成することができる。無線通信方法は、その車両制御データに基づいて車両10が制御を行うことにより、通信の遅延時間を考慮した車両10の制御を行うことができる。
また、無線通信方法は、衛星から送信される位置情報信号に基づいて、第2時計部207で計時する時刻を修正するので、1又は複数の計測装置100と制御装置200との間で同期させることができる。すなわち、ユーザによって、計測装置100と制御装置200との間の同期を取る作業が不要になる。
また、無線通信方法は、複数の計測装置100(車両10)を制御することができ、また車両制御シナリオの通りに車両10を制御することができるため再現性を高めることができる。よって、無線通信方法が車両10の評価を行う際に利用される場合には、車両評価時間を短縮することができる。
【0085】
無線通信プログラムは、計測装置100に、少なくとも車両10の走行速度を計測する計測機能と、位置情報を提供する衛星から送信される位置情報信号を受信する第1位置情報信号受信機能と、位置情報信号に基づいて、車両10の位置及び現在時刻を取得する第1取得機能と、車両10に関する車両関連データを制御装置200との間で送受信する第1通信機能と、時刻を計時し、位置情報信号に基づいてその時刻が修正される第1時計機能と、制御装置200から計測装置100に車両関連データを送信する際に予想される送信の遅延時間を予測する予測機能と、を実現させる。
無線通信プログラムは、制御装置200に、予測部103によって予測された遅延時間を利用して、車両10を制御するための車両制御データを生成する生成機能を実現させる。
無線通信プログラムは、車両10の位置及び速度に応じた遅延時間を学習するので、計測装置100と制御装置200との距離応じて遅延時間が変わる場合でも、実際の状況に応じた遅延時間を予測することができる。よって、無線通信プログラムは、通信の遅延時間を考慮した車両10の制御を行うことができる。
また、無線通信プログラムは、衛星から送信される位置情報信号に基づいて、第1時計部106で計時する時刻を修正するので、複数の計測装置100間で同期させることができる。
【0086】
無線通信プログラムは、制御装置200に、車両10に関する車両関連データを計測装置100との間で送受信する第2通信機能と、車両10を制御するための車両制御シナリオが記憶される記憶機能と、第2通信機能によって受信された車両関連データに含まれる遅延時間と、第2通信機能によって受信された車両関連データの送信に係る送信時間とに基づいて、車両10を制御するための制御時間を取得する第3取得機能と、車両関連データに含まれる車両10の位置情報と、第3取得機能によって取得される制御時間とに基づいて、車両制御シナリオから車両10を制御するための車両制御データを生成し、第2通信機能によって車両制御データを車両関連データとして計測装置100に送信させる生成機能と、を実現させることとしてもよい。
これにより、無線通信プログラムは、遅延時間を考慮し、車両10が現在位置から走行したことを想定した車両制御データを生成することができる。無線通信プログラムは、その車両制御データに基づいて車両10が制御を行うことにより、通信の遅延時間を考慮した車両10の制御を行うことができる。
また、無線通信プログラムは、衛星から送信される位置情報信号に基づいて、第2時計部207で計時する時刻を修正するので、1又は複数の計測装置100と制御装置200との間で同期させることができる。すなわち、ユーザによって、計測装置100と制御装置200との間の同期を取る作業が不要になる。
また、無線通信プログラムは、複数の計測装置100(車両10)を制御することができ、また車両制御シナリオの通りに車両10を制御することができるため再現性を高めることができる。よって、無線通信プログラムが車両10の評価を行う際に利用される場合には、車両評価時間を短縮することができる。
【0087】
以下、変形例について説明する。
なお、上述した無線通信システム1は、図1に例示するような周回コースを走行する車両10の制御に用いられるばかりでなく、一般道及び車両専用道路を走行する車両10の制御にも用いられてもよい。
この場合、一例として、無線通信システム1の計測装置100は、計測部107によって車両事故を把握し、及び、運転者若しくは同乗者の生体データを計測して、制御装置200に送信する。制御装置200は、事故を起こした車両の近辺を走行する他の車両からも、他の車両の走行に関する計測部107による計測値を取得し、車両及び他の車両の動きを監視する。制御装置200は、事故を起こした車両を安全な場所まで走行させるために、車両制御シナリオに基づいて車両制御データを生成して、事故を起こした車両に送信する。これにより、無線通信システム1は、事故を起こした車両を遠隔から自動制御して、安全を確保することができる。
【0088】
また、無線通信システム1は、車両10ばかりでなく、船舶(一例として、ボート等)及び航空機(一例として、ドローン等)を制御することとしてもよい。
【0089】
上述した計測装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、計測装置100の第1位置情報信号受信部101、第1取得部102、予測部103及びアクチュエータ制御部104は、コンピュータの演算処理装置等による、第1位置情報信号受信機能、第1取得機能、予測機能及びアクチュエータ制御機能としてそれぞれ実現されてもよい。
無線通信プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。無線通信プログラムは、外部メモリ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されていてもよい。
また、上述したように、計測装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、計測装置100の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、計測装置100の第1位置情報信号受信部101、第1取得部102、予測部103及びアクチュエータ制御部104は、コンピュータの演算処理装置等を構成する、第1位置情報信号受信回路、第1取得回路、予測回路及びアクチュエータ制御回路として実現されてもよい。
また、計測装置100の第1通信部105、第1時計部106、計測部107及び第1記憶部110は、例えば、集積回路等によって構成されることにより、第1通信回路、第1時計回路、計測回路及び第1記憶回路として実現されてもよい。また、計測装置100の第1通信部105、第1時計部106、計測部107及び第1記憶部110は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより、第1通信装置、第1時計装置、計測装置100及び第1記憶装置として構成されてもよい。また、計測装置100の第1通信部105、第1時計部106、計測部107及び第1記憶部110は、例えば、演算処理装置を備えることにより、第1通信機能、第1時計機能、計測機能及び第1記憶機能として実現されてもよい。
【0090】
上述した制御装置200の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、制御装置200の第2位置情報信号受信部201、第2取得部202、第3取得部203、生成部204及び表示制御部205は、コンピュータの演算処理装置等による、第2位置情報信号受信機能、第2取得機能、第3取得機能、生成機能及び表示制御機能としてそれぞれ実現されてもよい。
無線通信プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。無線通信プログラムは、外部メモリ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録されていてもよい。
また、上述したように、制御装置200の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、制御装置200の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、制御装置200の第2位置情報信号受信部201、第2取得部202、第3取得部203、生成部204及び表示制御部205は、コンピュータの演算処理装置等を構成する、第2位置情報信号受信回路、第2取得回路、第3取得回路、生成回路及び表示制御回路として実現されてもよい。
また、制御装置200の第2通信部206、第2時計部207、第2記憶部209及び表示部210は、例えば、集積回路等によって構成されることにより、第2通信回路、第2時計回路、第2記憶回路及び表示回路として実現されてもよい。また、制御装置200の第2通信部206、第2時計部207、第2記憶部209及び表示部210は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより、第2通信装置、第2時計装置、第2記憶装置及び表示装置として構成されてもよい。また、制御装置200の第2通信部206、第2時計部207、第2記憶部209及び表示部210は、例えば、演算処理装置を備えることにより、第2通信機能、第2時計機能、第2記憶機能及び表示機能として実現されてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 無線通信システム
10 車両
100 計測装置
101 第1位置情報信号受信部
102 第1取得部
103 予測部
105 第1通信部
106 第1時計部
107 計測部
110 第1記憶部
200 制御装置
201 第2位置情報信号受信部
202 第2取得部
203 第3取得部
204 生成部
206 第2通信部
207 第2時計部
209 第2記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7