(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】ライブラリー調製方法ならびにそのための組成物および使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/11 20060101AFI20230308BHJP
C12Q 1/686 20180101ALI20230308BHJP
C12Q 1/6869 20180101ALI20230308BHJP
C12Q 1/6855 20180101ALI20230308BHJP
C40B 40/06 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
C12N15/11 Z
C12Q1/686 Z ZNA
C12Q1/6869 Z
C12Q1/6855 Z
C40B40/06
(21)【出願番号】P 2019572673
(86)(22)【出願日】2018-06-29
(86)【国際出願番号】 US2018040432
(87)【国際公開番号】W WO2019006392
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-06-08
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514078933
【氏名又は名称】ライフ テクノロジーズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】アンダーセン マーク
(72)【発明者】
【氏名】メイザー ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】チェン シホン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ グオビン
(72)【発明者】
【氏名】ペン シンチャン
【審査官】小金井 悟
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/081864(WO,A1)
【文献】Genome Res.,2008年11月,Vol.18, No.11,pp.1844-1850
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C12Q 1/00- 3/00
Google/Google Scholar
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法であって、
(a)標的核酸が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を前記試料中の1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能である複数のアダプターと接触させることと、
(b)もたらされる第1の増幅生成物を消化して、もたらされるプライマーダイマーを低減または排除し、かつ部分的に消化された標的アンプリコンを調製すること、ギャップのある二本鎖アンプリコンを生成すること、次いで前記部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、
(c)前記修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅することと、
それにより標的核酸配列のライブラリーを生成することとを含み、
前記複数のアダプターのそれぞれが、ユニバーサルハンドル配列と、標的核酸配列と、切断可能な部分と、任意に1つ以上のタグ配列とを含み、少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が含まれ、
前記アダプターの前記標的核酸配列が、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、前記ユニバーサルハンドル配列が、前記切断可能な部分を含まない、方法。
【請求項2】
任意のタグ配列が、少なくとも1つのアダプターに含まれ、前記切断可能な部分が、前記タグ配列のいずれかの末端に隣接するアダプター配列に含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各ユニバーサル配列の融解温度が、各標的核酸配列および存在する各タグ配列の融解温度よりも高い、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
単一の
反応混合物で、追加のみのワークフロー
で行われ、高度に多重化された標的とされたライブラリーの迅速な生成を可能にする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アダプターの全てが、タグ配列を含み、前記タグ配列が、該タグ配列のいずれかの末端に隣接する切断可能な基を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(b)の前記消化および修復が、単一ステップで行われるか、またはステップ(b)の前記消化および修復が、異なる温度で時間的に離れて行われる、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記方法ステップの1つ以上が、手動モードもしくは自動モード、またはそれらの組み合わせで行われる、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの精製ステップをさらに含み、精製ステップがステップ(c)の後にのみ行われてもよく、または第1の精製ステップがステップ(b)の後に行われ第2の精製ステップがステップ(c)の後に行われてもよい、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(a)の第1の増幅から得られるアダプター-ダイマー副生成物が、もたらされるライブラリーから除去されるか、または増幅された標的核酸の富化集団が、低減した量のアダプター-ダイマー副生成物を含有するか、またはアダプター-ダイマー副生成物が排除される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能である前記複数のアダプターが、少なくとも2つの異なる標的核酸配列の増幅が可能であるアダプター対のマルチプレックスを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のアダプターの各標的特異的対が、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なるアダプターの組み合わせを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
生成された各標的特異的アンプリコン配列が、少なくとも1個の異なる配列および最大10
7個の異なる配列を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
標的核酸配列のもたらされるライブラリーの配列を分析することをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
分析が、従来のシーケンシング反応、高スループット次世代シーケンシング、標的化多重アレイ配列検出、またはこれらの2つ以上の組み合わせによるシーケンシングを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記試料中の前記標的核酸配列の少なくとも1つの存在量を決定することをさらに含む、請求項13または請求項14に記載の方法。
【請求項16】
分析が、高スループット次世代シーケンシングによって行われ、かつ任意に、シーケンシングが双方向様式で行われ、それにより所定のアンプリコンについて順方向鎖および逆方向鎖の両方で配列リードを生成する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
消化試薬が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちのいずれか1つまたはそれらの組み合わせを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
修復試薬が、Phusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/もしくはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、ならびに/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたはそれらの組み合わせを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(b)における、複数の、ギャップのあるポリヌクレオチド生成物を消化試薬および修復試薬と同時に接触させるか、またはステップ(b)における、複数の、ギャップのあるポリヌクレオチド生成物を消化試薬および修復試薬と順次接触させる、請求項6に記載の方法。
【請求項20】
消化試薬および修復試薬が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたはそれらの組み合わせを含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
消化試薬および修復試薬が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、Phusion U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T4 PNKおよびT7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたはそれらの組み合わせを含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許法119条(e)に基づき、2017年6月30日に出願された米国仮出願第62/527,893号、2018年1月6日に出願された米国仮出願第62/614,362号、および2018年6月15日に出願された米国仮出願第62/685,424号の優先権および利益を主張する。前述の出願のそれぞれの全内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、これと同時に提出された電子配列表の資料を参照により組み込む。電子配列表中の資料は、2018年6月27日に作成された「20180627_LT01273_ST25.txt」と題されたテキスト(.txt)ファイルとして提出され、これは359KBのファイルサイズを有し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、標的核酸配列のライブラリーを調製する方法ならびにそのための組成物および使用に関する。
【発明の概要】
【0004】
標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法、ならびにそのための組成物および使用が提供される。方法は、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化することと、消化された標的アンプリコンを修復することと、修復された生成物を第2の増幅において増幅し、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成することと、を含む。複数のアダプター組成物のそれぞれは、ハンドルおよび標的化された核酸配列、ならびに任意に1つ以上のタグ配列を含む。提供される方法は、単一の追加のみのワークフロー反応において行われ得、任意にユニークなタグ配列を含む、高度に多重化された標的とされたライブラリーの迅速な生成を可能にする。得られるライブラリー組成物は、配列決定用途を含む、種々の用途に有用である。
【0005】
本発明の一態様は、標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法を含む。特定の実施形態では、方法は、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能である複数のアダプターと接触させることを含む。方法は、得られる第1の増幅生成物を消化して、反応を引き起こす任意のプライマーダイマーを低減または排除することと、部分消化アンプリコンを調製し、それによりギャップのある二本鎖部分消化アンプリコンを調製することをさらに含む。方法は、部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、次いで修復された生成物を第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅して、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成することと、をさらに含む。提供される方法において使用される複数のアダプターのそれぞれは、5’ユニバーサルハンドル配列ならびに3’標的核酸配列および切断可能な部分を含む。2つ以上の標的特異的アダプター対は、提供される方法における使用のために含まれ、3’標的特異的配列のそれぞれは、切断可能な部分を含む。任意に、1つ以上のタグ配列が含まれる。
【0006】
本発明の別の態様では、ユニークなタグ配列を有する標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法が提供される。特定の実施形態では、方法は、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能である複数のアダプターと接触させることを含む。方法は、得られる第1の増幅生成物を消化して、反応を引き起こす任意のプライマーダイマーを低減または排除することと、部分消化アンプリコンを調製し、それによりギャップのある二本鎖部分消化アンプリコンを調製することをさらに含む。方法は、部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、次いで修復された生成物を第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅して、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成することと、をさらに含む。提供される方法において使用される複数のアダプターのそれぞれは、5’ユニバーサルハンドル配列、1つ以上のユニークなタグ配列、ならびに3’標的核酸配列および切断可能な部分を含む。2つ以上の標的特異的アダプター対は、提供される方法における使用のために含まれ、3’標的特異的配列のそれぞれは、切断可能な部分を含み、各タグ配列は、切断可能な部位に隣接し、各ユニバーサルハンドルは、切断可能な部分を含まない。
【0007】
さらなる態様では、組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法によって生成された核酸ライブラリーを含む組成物が提供される。他の実施形態では、複数の核酸アダプターを含む組成物が提供され、複数のアダプターのそれぞれは、5’ユニバーサルハンドル配列、1つ以上のユニークなタグ配列、および3’標的核酸配列を含み、各アダプターは、切断可能な部分を含む。特定の実施形態では、アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、切断可能な部分は、タグ配列のいずれかの末端に隣接して含まれ、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まない。特定の実施形態では、組成物は、少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対を含む。
【0008】
またさらに、核酸ライブラリーの配列の分析のための、提供される組成物および提供される組成物を含むキットの使用は、本発明の追加の態様である。いくつかの実施形態では、得られるライブラリーの配列の分析は、目的のある試料中の低頻度対立遺伝子の検出を可能にする。
【0009】
本明細書に言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個別の刊行物、特許、または特許出願が、具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
複雑な試料からの標的とされたライブラリーの生成のための効率的な方法は、種々の核酸分析に望ましい。本発明は、とりわけ、標的核酸配列のライブラリーを調製する方法を提供し、ユニークタグ配列を任意に含む、高度に多重化された標的とされたライブラリーの迅速な生成を可能にし、得られるライブラリー組成物は、配列決定用途を含む、様々な用途に有用である。本発明の新規特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載され、本発明の特徴および利点の完全な理解は、本発明の原理が利用される、例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することにより得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】効率的かつ迅速な、高度に多重化されたライブラリー調製を可能にする本発明のワークフロー方法を示す。
【
図2】実施例2Aにおける実験内容からの結果を示す。
【
図3】実施例2Bにおける実験内容からの結果を示す。
【
図4A】実施例4における実験内容からの結果を示す。
【
図4B】実施例4における実験内容からの結果を示す。
【
図4C】実施例4における実験内容からの結果を示す。
【
図5】実施例5における実験内容からの結果を示す。
【
図6A】実施例6における実験内容からの結果を示す。
【
図6B】実施例6における実験内容からの結果を示す。
【
図6C】実施例6における実験内容からの結果を示す。
【
図7】双方向配列決定を容易にするアダプター配列の追加を可能にする本発明のワークフローの追加の態様を示す。
【
図8】Illuminaプラットフォームでの配列決定を可能にする本発明のワークフローの追加の態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に使用されるセクションの見出しは、構成目的のものに過ぎず、決して記載される主題を限定すると解釈されるものではない。それらに限定されるものではないが、特許、特許出願、記事、書籍、論文、およびインターネットウェブページを含む、本出願で引用された全ての文献および同様の資料が、任意の目的でそれらの全体が参照によって明示的に組み込まれる。組み込まれる参照文献における用語の定義が、本教示に提供される定義と異なる場合、本教示に提供される定義が優先されるものとする。ごく少量かつごくわずかな偏差が本明細書における本教示の範囲内であるように、本教示で論じられる温度、濃度、時間などの前に「約」が暗示されることが理解されるであろう。本出願において、単数形の使用は、別段具体的に記載されない限り、複数形を含む。本明細書で使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」、ならびに単語の任意の単数使用は、明確かつ疑いの余地なく1つの指示対象に限定されない限り、複数の指示対象を含むことが留意される。また、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含有する(contain)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」、「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含む(including)」の使用は、限定することを意図していない。一般的な説明は両方とも例示的かつ説明的なものに過ぎず、本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0013】
別段に定義されない限り、本明細書に記載される本発明に関連して使用される科学および技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈によって別段必要とされない限り、単数の用語は複数を含み、複数の用語は単数を含むものとする。一般的には、本明細書で使用される細胞および組織培養、分子生物学、ならびにタンパク質およびオリゴまたはポリヌクレオチド化学およびハイブリダイゼーションに関連して利用される術語、ならびにその技法は、当該技術分野で周知であり、一般的に使用されるものである。標準的な技法は、例えば、核酸精製および調製、化学分析、組換え核酸、ならびにオリゴヌクレオチド合成に使用される。酵素反応および精製技法は、製造業者の仕様に従って、または当該技術分野で一般的に達成されるように、もしくは本明細書に記載されるように行われる。本明細書に記載される技法および手順は、一般的には、当該技術分野で周知の従来の方法に従って、かつ本明細書全体を通して引用および議論される様々な一般的およびより具体的な参照文献に記載されるように行われる。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Third ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.2000)を参照されたい。具体的に提供されない限り、関連して利用される任意の術語、ならびに本明細書に記載される実験室手順および技法は、当該技術分野で周知であり、一般的に使用されるものである。本明細書で提供される実施形態に従って利用されるとき、以下の用語は、別段に示されない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「増幅する」、「増幅すること」、または「増幅反応」、およびそれらの派生語は、一般的には、(鋳型核酸分子と呼ばれる)核酸分子の少なくとも一部分が複製されるか、または少なくとも1つの追加の核酸分子にコピーされる作用またはプロセスを指す。追加の核酸分子は、鋳型核酸分子の少なくともいくらかの部分と実質的に同一または実質的に相補的である配列を任意に含む。鋳型標的核酸分子は、一本鎖または二本鎖であり得る。追加の得られる複製核酸分子は、独立して一本鎖または二本鎖であり得る。いくつかの実施形態では、増幅は、標的核酸分子の少なくともいくらかの部分の少なくとも1つのコピーの生成、または標的核酸分子の少なくともいくらかの部分に相補的である標的核酸配列の少なくとも1つのコピーの生成のための鋳型依存性インビトロ酵素触媒反応を含む。増幅は、核酸分子の線形または指数関数的複製を任意に含む。いくつかの実施形態では、かかる増幅は、等温条件を用いて行われ、他の実施形態では、かかる増幅は、熱サイクリングを含むことができる。いくつかの実施形態では、増幅は、単一の増幅反応における複数の標的配列の同時増幅を含む多重増幅である。少なくともいくつかの標的配列は、単一の増幅反応に含まれる同じ核酸分子または異なる標的核酸分子上に位置することができる。いくつかの実施形態では、「増幅」は、単独または組み合わせにかかわらず、DNAベースの核酸および/またはRNAベースの核酸の少なくともいくらかの部分の増幅を含む。増幅反応は、一本鎖または二本鎖核酸基質を含むことができ、当業者に知られている任意の増幅プロセスをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、増幅反応は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。いくつかの実施形態では、増幅反応は、等温増幅を含む。
【0015】
本明細書で使用されるとき、「増幅条件」および派生語(例えば、増幅の条件など)は、一般的には、1つ以上の核酸配列を増幅するのに好適な条件を指す。増幅は、線形または指数関数的であり得る。いくつかの実施形態では、増幅条件は、等温条件を含むか、あるいは熱サイクル条件、または等温条件および熱サイクリング条件の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的核酸配列を増幅するのに好適な条件は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)条件を含む。典型的には、増幅条件は、1つ以上の標的配列などの核酸を増幅するか、または1つ以上のアダプターに連結または結合した増幅標的配列、例えば、アダプター結合増幅標的配列を増幅するのに十分な反応混合物を指す。一般的には、増幅条件は、増幅用または核酸合成用の触媒、例えば、ポリメラーゼ、増幅される核酸に対してある程度の相補性を有するプライマー、および核酸にハイブリダイズされるとプライマーの伸長を促進するデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP)などのヌクレオチドを含む。増幅条件は、核酸へのプライマーのハイブリダイゼーションまたはアニーリング、プライマーの伸長、および伸長されたプライマーが増幅中の核酸配列から分離される変性ステップを必要とし得る。典型的には、必ずしもそうではないが、増幅条件は、熱サイクリングを含むことができる。いくつかの実施形態では、増幅条件は、アニーリング、伸長、および分離のステップが繰り返される複数のサイクルを含む。典型的には、増幅条件は、Mg++またはMn++などのカチオン(例えば、MgCl2など)を含み、イオン強度の種々の調整剤を任意に含むこともできる。
【0016】
本明細書で使用されるとき、「標的配列」、「標的核酸配列」、または「目的の標的配列」および派生語は、一般的には、試料中に存在することが疑われるか、または予想される任意の核酸配列を含む、本開示に従って増幅または合成することができる任意の一本鎖または二本鎖核酸配列を指す。いくつかの実施形態では、標的配列は、二本鎖形態で存在し、標的特異的プライマーまたは付加アダプターの追加前に、増幅もしくは合成される特定のヌクレオチド配列、またはその補体の少なくとも一部分を含む。標的配列は、増幅または合成反応に有用なプライマーがポリメラーゼによる伸長の前にハイブリダイズすることができる核酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、用語は、ヌクレオチドの配列同一性、順序、または位置が本開示の方法の1つ以上によって決定される核酸配列を指す。
【0017】
本明細書で使用される、「部分」という用語およびその変形は、所定の核酸分子、例えば、プライマーまたは鋳型核酸分子に関して使用される場合、核酸分子の部分または全長を含む、核酸分子の長さ内の任意の数の連続ヌクレオチドを含む。
【0018】
本明細書で使用されるとき、「接触させること」およびその派生語は、2つ以上の成分に関して使用される場合、参照される成分の接近、近接、混合、または混入が、かかる成分の物理的な接触を必ずしも必要とせずに促進または達成される任意のプロセスを指し、参照される成分のいずれか1つ以上を含有する溶液を相互に混合することを含む。参照される成分は、任意の特定の順序または組み合わせで接触され得、成分の列挙の特定の順序は、限定的ではない。例えば、「AをBおよびCと接触させること」は、AをまずB、次いでCと接触させる実施形態、ならびにCをA、次いでBと接触させる実施形態、ならびにAおよびCの混合物をBと接触させる実施形態などを包含する。さらに、かかる接触させることは、接触プロセス中のある時点で、参照される成分の全てが同時に存在するか、または同じ混合物もしくは溶液に同時に含まれる限り、接触プロセスの最終結果が参照される成分の全てを含む混合物であることを必ずしも必要としない。例えば、「AをBおよびCと接触させること」は、CをまずAと接触させて第1の混合物を形成し、第1の混合物を次いでBと接触させて第2の混合物を形成し、続いてCを第2の混合物から除去する実施形態を含むことができ、任意にAを次いで除去し、Bのみを残すこともできる。接触させる参照成分の1つ以上が複数を含む(例えば、「標的配列を複数の標的特異的プライマーおよびポリメラーゼと接触させる」)場合、複数の各メンバーは、接触させることが、複数のいずれか1つ以上のメンバーを複数のいずれかの他のメンバーと、および/またはいずれかの他の参照成分と(例えば、複数の標的特異的プライマーの全てではないがいくつかは、標的配列、次いでポリメラーゼ、および次いで複数の標的特異的プライマーの他のメンバーと接触させることができる)いずれかの順序または組み合わせで接触させることを含むことができるように、接触プロセスの個々の成分として見ることができる。
【0019】
本明細書で使用されるとき、「プライマー」という用語およびその派生語は、一般的には、目的の標的配列にハイブリダイズすることができる任意のポリヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態では、プライマーは、核酸合成を開始するのに役立つこともできる。典型的には、プライマーは、ヌクレオチドがポリメラーゼによって重合され得る基質として機能するが、いくつかの実施形態では、プライマーは、合成核酸鎖に組み込まれ、別のプライマーがハイブリダイズして、合成核酸分子に相補的である新たな鎖の合成を開始することができる部位を提供することができる。プライマーは、任意の好適な長さの線状ポリマーを形成するために任意に連結され得る、ヌクレオチドまたはその類似体の任意の組み合わせから構成され得る。いくつかの実施形態では、プライマーは、一本鎖オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドである。(本開示の目的のために、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、本明細書において互換的に使用され、両者間の長さにおける任意の違いを必ずしも示さない)。いくつかの実施形態では、プライマーは、二本鎖である。二本鎖の場合、プライマーは、伸長生成物を調製するために使用される前に、その鎖を分離するようにまず処理される。好ましくは、プライマーは、オリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーは、伸長生成物の合成を開始するのに十分に長くなければならない。プライマーの長さは、温度、プライマーの供給源、および方法の使用を含む、多くの因子に依存するであろう。いくつかの実施形態では、プライマーは、増幅または合成条件に曝露される場合、増幅または合成の開始点として機能し、かかる増幅または合成は、鋳型依存様式で起こり得、任意に標的配列の少なくとも一部分に相補的であるプライマー伸長生成物の形成をもたらす。例示的な増幅または合成条件は、プライマーをポリヌクレオチド鋳型(例えば、標的配列を含む鋳型)、ヌクレオチド、およびポリメラーゼなどの誘導剤と好適な温度およびpHで接触させて、標的特異的プライマーの末端へのヌクレオチドの重合を誘導することを含むことができる。二本鎖の場合、プライマーは、プライマー伸長生成物を調製するために使用される前に、その鎖を分離するように任意に処理することができる。いくつかの実施形態では、プライマーは、オリゴデオキシリボヌクレオチドまたはオリゴリボヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、プライマーは、1つ以上のヌクレオチド類似体を含むことができる。標的特異的プライマーの、配列を含む、正確な長さおよび/または組成は、融解温度(Tm)、GC含有量、二次構造の形成、反復ヌクレオチドモチーフ、予測されるプライマー伸長生成物の長さ、目的の核酸分子にわたるカバレッジの程度、単一の増幅または合成反応に存在するプライマーの数、プライマー内のヌクレオチド類似体または修飾ヌクレオチドの存在などを含む、多くの特性に影響を及ぼすことができる。いくつかの実施形態では、プライマーは、増幅または合成反応内で適合性プライマーと対合して、順方向プライマーおよび逆方向プライマーからなるプライマー対を形成することができる。いくつかの実施形態では、プライマー対の順方向プライマーは、核酸分子の鎖の少なくとも一部分と実質的に相補的である配列を含み、プライマー対のプライマーの逆方向プライマーは、鎖の少なくとも一部分と実質的に同一である配列を含む。いくつかの実施形態では、順方向プライマーおよび逆方向プライマーは、核酸二重鎖の反対の鎖にハイブリダイズすることができる。任意に、順方向プライマーは、第1の核酸鎖の合成を開始し、逆方向プライマーは、第2の核酸鎖の合成を開始し、第1および第2の鎖は、互いに実質的に相補的であるか、またはハイブリダイズして二本鎖核酸分子を形成することができる。いくつかの実施形態では、増幅または合成生成物の一末端は、順方向プライマーによって定義され、増幅または合成生成物の他端は、逆方向プライマーによって定義される。いくつかの実施形態では、エクソン、コーディング領域、または遺伝子の増幅などの、長いプライマー伸長生成物の増幅または合成が必要である場合、領域の十分な増幅を可能にするために所望の長さに及ぶよりもいくつかのプライマー対を作成することができる。いくつかの実施形態では、プライマーは、1つ以上の切断可能な基を含むことができる。いくつかの実施形態では、プライマー長さは、約10~約60ヌクレオチド、約12~約50ヌクレオチド、および約15~約40ヌクレオチドの範囲の長さである。典型的には、プライマーは、dNTPSおよびポリメラーゼの存在下で増幅条件に曝露される場合、対応する標的配列にハイブリダイズし、プライマー伸長を受けることができる。いくつかの場合、特定のヌクレオチド配列またはプライマーの一部分は、増幅反応の開始時に既知であるか、または本明細書に開示される方法の1つ以上によって決定することができる。いくつかの実施形態では、プライマーは、プライマー内の1つ以上の位置に1つ以上の切断可能な基を含む。
【0020】
本明細書で使用されるとき、「標的特異的プライマー」およびその派生語は、一般的には、標的配列を含む核酸分子の少なくとも一部分に対して、少なくとも50%相補的、典型的には少なくとも75%相補的、もしくは少なくとも85%相補的、より典型的には少なくとも90%相補的、より典型的には少なくとも95%相補的、より典型的には少なくとも98%、もしくは少なくとも99%相補的、または同一である少なくとも1つの配列を含む、一本鎖または二本鎖ポリヌクレオチド、典型的にはオリゴヌクレオチドを指す。かかる場合、標的特異的プライマーおよび標的配列は、互いに「対応する」と記載される。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、その対応する標的配列の少なくとも一部分(または標的配列の補体)にハイブリダイズすることができ、かかるハイブリダイゼーションは、標準的なハイブリダイゼーション条件下またはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で任意に行うことができる。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、標的配列またはその補体にハイブリダイズすることができないが、標的配列またはその補体を含む核酸鎖の一部分にハイブリダイズすることができる。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、標的配列自体の少なくとも一部分に対して、少なくとも75%相補的、典型的には少なくとも85%相補的、より典型的には少なくとも90%相補的、より典型的には少なくとも95%相補的、より典型的には少なくとも98%相補的、またはより典型的には少なくとも99%相補的である少なくとも1つの配列を含み、他の実施形態では、標的特異的プライマーは、標的配列以外の核酸分子の少なくとも一部に対して、少なくとも75%相補的、典型的には少なくとも85%相補的、より典型的には少なくとも90%相補的、より典型的には少なくとも95%相補的、より典型的には少なくとも98%相補的、またはより典型的には少なくとも99%相補的である少なくとも1つの配列を含む。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、試料中に存在する他の標的配列に対して実質的に非相補的であり、任意に、標的特異的プライマーは、試料中に存在する他の核酸分子に対して実質的に非相補的である。いくつかの実施形態では、標的配列(または標的配列の補体)を含まないか、またはそれに対応しない試料中に存在する核酸分子は、「非特異的」配列または「非特異的核酸」と呼ばれる。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、その対応する標的配列の少なくとも一部分と実質的に相補的であるヌクレオチド配列を含むように設計される。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、その対応する標的配列を含む核酸分子の少なくとも一部分に対してその全長にわたって、少なくとも95%相補的、もしくは少なくとも99%相補的、または同一である。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、その対応する標的配列の少なくとも一部分に対してその全長にわたって、少なくとも90%、少なくとも95%相補的、少なくとも98%相補的、もしくは少なくとも99%相補的、または同一であり得る。いくつかの実施形態では、順方向標的特異的プライマーおよび逆方向標的特異的プライマーは、鋳型依存的プライマー伸長を介して標的配列を増幅するために使用することができる標的特異的プライマー対を定義する。典型的には、標的特異的プライマー対の各プライマーは、対応する標的配列を含む核酸分子の少なくとも一部分と実質的に相補的であるが、試料中の少なくとも1つの他の標的配列と50%未満相補的である少なくとも1つの配列を含む。いくつかの実施形態では、増幅は、単一の増幅反応において複数の標的特異的プライマー対を用いて行うことができ、各プライマー対は、順方向標的特異的プライマーおよび逆方向標的特異的プライマーを含み、それぞれ試料中の対応する標的配列と実質的に相補的または実質的に同一である少なくとも1つの配列を含み、各プライマー対は、異なる対応する標的配列を有する。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、増幅反応に存在する任意の他の標的特異的プライマーに対して、その3’末端またはその5’末端で実質的に非相補的であり得る。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、増幅反応における他の標的特異的プライマーへの最小限のクロスハイブリダイゼーションを含むことができる。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、増幅反応混合物中の非特異的配列への最小限のクロスハイブリダイゼーションを含む。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、最小限の自己相補性を含む。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、3’末端に位置する1つ以上の切断可能な基を含むことができる。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、標的特異的プライマーの中心ヌクレオチドの近くまたは周囲に位置する1つ以上の切断可能な基を含むことができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的特異的プライマーは、標的特異的プライマーの5’末端に切断不可能なヌクレオチドのみを含む。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーは、任意に同じ増幅反応において、1つ以上の異なる標的特異的プライマーと比較して、プライマーの3’末端または5’末端で最小限のヌクレオチド配列重複を含む。いくつかの実施形態では、単一の反応混合物中の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個以上の標的特異的プライマーは、上記の実施形態の1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、単一の反応混合物中の複数の標的特異的プライマーの実質的に全ては、上記の実施形態の1つ以上を含む。
【0021】
本明細書で使用されるとき、「アダプター」という用語は、目的のポリヌクレオチドの操作に使用することができる核酸分子を指す。いくつかの実施形態では、アダプターは、1つ以上の標的核酸の増幅に使用される。いくつかの実施形態では、アダプターは、配列決定のための反応において使用される。いくつかの実施形態では、アダプターは、5’リン酸残基を欠く1つ以上の末端を有する。いくつかの実施形態では、アダプターは、少なくとも1つのプライミング部位を含むか、これからなるか、またはこれから本質的になる。アダプターを含有するかかるプライミング部位は、「プライマー」アダプターと呼ぶことができる。いくつかの実施形態では、アダプタープライミング部位は、PCRプロセスにおいて有用であり得る。いくつかの実施形態では、アダプターは、本明細書において遺伝子特異的標的配列、標的特異的配列、または標的特異的プライマーと呼ばれる、試料内の少なくとも1つの標的配列の3’末端または5’末端に実質的に相補的である核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アダプターは、試料中に存在する任意の標的配列の3’末端または5’末端に対して実質的に非相補的である核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、アダプターは、標的核酸配列に実質的に相補的ではない一本鎖または二本鎖線状オリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、アダプターは、試料の核酸分子の少なくとも1つ、好ましくはいくつかまたは全てに対して実質的に非相補的である核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、好適なアダプター長さは、約10~75ヌクレオチド、約12~50ヌクレオチド、および約15~40ヌクレオチドの範囲の長さである。一般的には、アダプターは、ヌクレオチドおよび/または核酸のいずれかの組み合わせを含むことができる。いくつかの態様では、アダプターは、1つ以上の場所に1つ以上の切断可能な基を含む。いくつかの実施形態では、アダプターは、プライマー、例えば、ユニバーサルプライマーの少なくとも一部分と実質的に同一または実質的に相補的である配列を含む。いくつかの実施形態では、アダプターは、カタログ化、同定、または配列決定を補助するタグ配列を含む。いくつかの実施形態では、アダプターは、特に好適な温度およびpH下でポリメラーゼおよびdNTPの存在下、標的配列の増幅のための基質として作用する。
【0022】
本明細書で使用されるとき、「ポリメラーゼ」およびその派生語は、一般的には、ヌクレオチド(その類似体を含む)の核酸鎖への重合を触媒することができる任意の酵素を指す。必ずしもそうではないが、典型的には、かかるヌクレオチド重合は、鋳型依存様式で生じ得る。かかるポリメラーゼには、限定することなく、天然ポリメラーゼおよびその任意のサブユニットおよびトランケーション、変異ポリメラーゼ、変異型ポリメラーゼ、組換え、融合、または他の様式で操作されたポリメラーゼ、化学的に修飾されたポリメラーゼ、合成分子または集合体、ならびにかかる重合を触媒する能力を保持するそれらの任意の類似体、誘導体、または断片が含まれ得る。任意に、ポリメラーゼは、1つ以上のアミノ酸の他のアミノ酸との置換、ポリメラーゼからの1つ以上のアミノ酸の挿入もしくは欠失、または2つ以上のポリメラーゼの部分の結合を伴う1つ以上の変異を含む変異ポリメラーゼであり得る。典型的には、ポリメラーゼは、ヌクレオチド結合および/またはヌクレオチド重合の触媒が生じ得る1つ以上の活性部位を含む。いくつかの例示的なポリメラーゼは、限定なしに、DNAポリメラーゼおよびRNAポリメラーゼを含む。本明細書で使用される、「ポリメラーゼ」という用語およびその変形は、互いに連結した少なくとも2つの部分を含む融合タンパク質も指し、第1の部分は、ヌクレオチドの核酸鎖への重合を触媒することができるペプチドを含み、第2のポリペプチドを含む第2の部分に連結している。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドは、レポーター酵素または加工性増強ドメインを含むことができる。任意に、ポリメラーゼは、5’エキソヌクレアーゼ活性またはターミナルトランスフェラーゼ活性を有することができる。いくつかの実施形態では、例えば、熱、化学物質の使用、または反応混合物への新たな量のポリメラーゼの再追加により、ポリメラーゼを任意に再活性化することができる。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、任意に再活性化することができるホットスタートポリメラーゼおよび/またはアプタマーベースのポリメラーゼを含むことができる。
【0023】
本明細書で使用される「同一性」および「同一」という用語ならびにそれらの変形は、2つ以上の核酸配列を参照して使用される場合、2つ以上の配列(例えば、ヌクレオチドまたはポリペプチド配列)の配列類似性を指す。2つ以上の相同配列の状況下において、配列またはその部分配列の同一性または相同性パーセントは、同じ(すなわち、約70%同一性、好ましくは75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%同一性)である全てのモノマー単位(例えば、ヌクレオチドまたはアミノ酸)のパーセンテージを示す。同一性パーセントは、比較ウィンドウ上で最大の一致について比較および整列される場合、特定される領域、または以下に記載されるデフォルトパラメータでBLASTもしくはBLAST 2.0配列比較アルゴリズムを使用して、または手動アライメントおよび目視検査により、指定される領域を超えることができる。アミノ酸レベルまたはヌクレオチドレベルで少なくとも85%同一性がある場合、配列は「実質的に同一」であると言われる。好ましくは、同一性は、長さが少なくとも約25、50、もしくは100残基である領域にわたって、または少なくとも1つの比較配列の全長にわたって存在する。配列同一性および配列類似性パーセントを決定するための典型的なアルゴリズムは、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムであり、これらは、Altschul et al,Nuc.Acids Res.25:3389-3402(1977)に記載される。他の方法は、Smith&Waterman,Adv.Appl.Math.2:482(1981)、およびNeedleman&Wunsch,J.Mol.Biol.48:443(1970)などのアルゴリズムを含む。2つの核酸配列が実質的に同一であるという別の指標は、2つの分子またはそれらの補体がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で互いにハイブリダイズすることである。
【0024】
本明細書で使用される「相補的」および「補体」という用語ならびにそれらの変形は、ハイブリダイズされた二重鎖のように、逆平行配向にある2つ以上の個々の対応する位置で累積塩基対合を受けることができる任意の2つ以上の核酸配列(例えば、鋳型核酸分子の部分または全体、標的配列および/またはプライマー)を指す。かかる塩基対合は、確立された規則の任意のセットに従って、例えば、ワトソン-クリック塩基対合規則に従って、またはいくらかの他の塩基対合パラダイムに従って進めることができる。任意に、第1および第2の核酸配列の間に「完全」または「総」相補性があり得、第1の核酸配列中の各ヌクレオチドは、第2の核酸配列上の対応する逆平行位置のヌクレオチドとの安定化塩基対合相互作用を受けることができる。「部分的」相補性は、1つの核酸配列の残基の少なくとも20%であるが、100%未満が、他の核酸配列中の残基と相補的である核酸配列を記載する。いくつかの実施形態では、1つの核酸配列の残基の少なくとも50%であるが、100%未満は、他の核酸配列中の残基と相補的である。いくつかの実施形態では、1つの核酸配列の残基の少なくとも70%、80%、90%、95%、または98%であるが、100%未満は、他の核酸配列中の残基と相補的である。1つの核酸配列の残基の少なくとも85%が他の核酸配列中の残基と相補的である場合、配列は、「実質的に相補的」であると言われる。いくつかの実施形態では、2つの相補的または実質的に相補的な配列は、標準的またはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で互いにハイブリダイズすることができる。「非相補的」は、1つの核酸配列の残基の20%未満が他の核酸配列中の残基と相補的である核酸配列を記載する。1つの核酸配列の残基の15%未満が他の核酸配列中の残基と相補的である場合、配列は、「実質的に非相補的」であると言われる。いくつかの実施形態では、2つの非相補的または実質的に非相補的な配列は、標準的またはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で互いにハイブリダイズすることができない。「不一致」は、2つの対向したヌクレオチドが相補的ではない任意の位置に存在する。相補的ヌクレオチドは、生理学的条件下でのDNA複製中に互いに対向するDNAポリメラーゼにより効率的に組み込まれるヌクレオチドを含む。典型的な実施形態では、相補的ヌクレオチドは、互いに逆平行な位置にあるヌクレオチドおよび/またはポリヌクレオチドの核酸塩基の間に、特定のワトソン-クリック型水素結合を通して形成されたA-T/UおよびG-C塩基対、またはいくらかの他のタイプの塩基対合パラダイムを通して形成された塩基対などの、互いの塩基対を形成することができる。他の人工塩基対の相補性は、塩基の他のタイプの水素結合および/もしくは疎水性ならびに/または塩基間の形状相補性に基づくことができる。
【0025】
本明細書で使用されるとき、「増幅された標的配列」およびその派生語は、一般的には、標的特異的プライマーおよび本明細書で提供される方法を使用して標的配列の増幅/これらを増幅することにより生成された核酸配列を指す。増幅された標的配列は、標的配列に関して同じセンス(2回以降の偶数回の増幅で生成されたプラス鎖)またはアンチセンス(すなわち、1回以降の奇数回の増幅中に生成されたマイナス鎖)のいずれかであり得る。本開示の目的のために、増幅された標的配列は、典型的には、反応における別の増幅された標的配列の任意の部分と50%未満相補的である。
【0026】
本明細書で使用されるとき、「連結する」、「連結」という用語および派生語は、一般的には、2つ以上の分子を一緒に共有結合する、例えば、2つ以上の核酸分子を互いに共有結合するための行為またはプロセスを指す。いくつかの実施形態では、連結は、核酸の隣接するヌクレオチド間のニックを接合することを含む。いくつかの実施形態では、連結は、第1の核酸分子の末端と第2の核酸分子の末端との間に共有結合を形成することを含む。いくつかの実施形態、例えば、連結される核酸分子が従来のヌクレオチド残基を含む実施形態では、連結は、1つの核酸の5’リン酸基と第2の核酸の3’ヒドロキシル基との間に共有結合を形成し、これにより連結された核酸分子を形成することを含むことができる。いくつかの実施形態では、ニックを接合するか、または隣接するヌクレオチド間で5’リン酸を3’ヒドロキシルに結合するための任意の手段を使用することができる。例示的な実施形態では、リガーゼなどの酵素を使用することができる。
【0027】
本明細書で使用されるとき、「リガーゼ」およびその派生語は、一般的には、2つの基質分子の連結を触媒することができる任意の薬剤を指す。いくつかの実施形態では、リガーゼは、核酸の隣接するヌクレオチド間のニックの接合を触媒することができる酵素を含む。いくつかの実施形態では、リガーゼは、1つの核酸分子の5’リン酸と別の核酸分子の3’ヒドロキシルとの間の共有結合の形成を触媒し、それにより連結核酸分子を形成することができる酵素を含む。好適なリガーゼは、これらに限定されないが、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、およびE.coli DNAリガーゼを含み得る。
【0028】
本明細書で定義されるように、「切断可能な基」は、一般的には、いったん核酸に組み込まれると適切な条件下で切断することができる任意の部分を指す。例えば、切断可能な基は、試料の標的特異的プライマー、増幅された配列、アダプター、または核酸分子に組み込むことができる。例示的な実施形態では、標的特異的プライマーは、増幅生成物に組み込まれる切断可能な基を含むことができ、その後増幅後に切断され、それにより増幅生成物から標的特異的プライマーの一部または全部を除去する。切断可能な基は、任意の許容可能な手段により、試料の標的特異的プライマー、増幅された配列、アダプター、または核酸分子から切断またはそうでなければ除去することができる。例えば、切断可能な基は、酵素、熱、光酸化、または化学処理により、試料の標的特異的プライマー、増幅された配列、アダプター、または核酸分子から除去することができる。一態様では、切断可能な基は、天然に存在しない核酸塩基を含むことができる。例えば、オリゴデオキシリボヌクレオチドは、ウラシルグリコシラーゼによって除去することができるウラシルなどの1つ以上のRNA核酸塩基を含むことができる。いくつかの実施形態では、切断可能な基は、1つ以上の修飾された核酸塩基(7-メチルグアニン、8-オキソ-グアニン、キサンチン、ヒポキサンチン、5,6-ジヒドロウラシル、または5-メチルシトシンなど)または1つ以上の修飾されたヌクレオシド(すなわち、7-メチルグアノシン、8-オキソ-デオキシグアノシン、キサントシン、イノシン、ジヒドロウリジン、または5-メチルシチジン)を含むことができる。修飾された核酸塩基またはヌクレオチドは、酵素的、化学的、または熱的手段により核酸から除去することができる。一実施形態では、切断可能な基は、増幅(または合成)後、紫外線(すなわち、ブロモデオキシウリジン)への曝露時に、プライマーから除去することができる部分を含むことができる。別の実施形態では、切断可能な基は、メチル化シトシンを含むことができる。典型的には、メチル化シトシンは、例えば、増幅(または合成)の誘導後、亜硫酸水素ナトリウム処理時に、プライマーから切断することができる。いくつかの実施形態では、切断可能な部分は、制限部位を含むことができる。例えば、プライマーまたは標的配列は、1つ以上の制限酵素に特異的な核酸配列を含むことができ、増幅(または合成)に続いて、プライマーまたは標的配列は、切断可能な基が除去されるように1つ以上の制限酵素で処理することができる。典型的には、試料の標的特異的プライマー、増幅された配列、アダプター、または核酸分子と共に、1つ以上の位置に1つ以上の切断可能な基を含めることができる。
【0029】
本明細書で使用されるとき、「消化」、「消化ステップ」、およびその派生語は、一般的には、切断可能な基が、試料の標的特異的プライマー、増幅された配列、アダプター、または核酸分子から切断されるか、そうでなければ除去される任意のプロセスを指す。いくつかの実施形態では、消化ステップは、化学的、熱的、光酸化的、または消化的プロセスを含む。
【0030】
本明細書で使用されるとき、「ハイブリダイゼーション」という用語は、当該技術分野でのその使用と一致しており、一般的には、2つの核酸分子が塩基対合相互作用を受けるプロセスを指す。2つの核酸分子は、一方の核酸分子の任意の部分が他方の核酸分子の任意の部分と塩基対合される場合、ハイブリダイズされると言われ、2つの核酸分子がそれらのそれぞれの全長にわたってハイブリダイズされることは必ずしも必要ではなく、いくつかの実施形態では、核酸分子の少なくとも1つは、他の核酸分子とハイブリダイズされない部分を含むことができる。「ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすること」という句およびその変形は、一般的には、標的特異的プライマーの標的配列へのハイブリダイゼーションが、高いハイブリダイゼーション温度および低いイオン強度の存在下で起こる条件を指す。本明細書で使用されるとき、「標準的なハイブリダイゼーション条件」という句およびその変形は、一般的には、プライマーのオリゴヌクレオチド(すなわち、標的配列)へのハイブリダイゼーションが、低いハイブリダイゼーション温度および高いイオン強度の存在下で起こる条件を指す。1つの例示的な実施形態では、標準的なハイブリダイゼーション条件には、約100mmの硫酸マグネシウム、pH8.9の約500mMのトリス硫酸塩、および約50~55℃の約200mMの硫酸アンモニウム、またはその等価物を含有する水性環境が含まれる。
【0031】
本明細書で使用されるとき、「末端」という用語およびその変形は、核酸分子、例えば、標的配列または増幅された標的配列に関して使用される場合、核酸分子の末端30ヌクレオチド、末端20、およびさらにより典型的には末端15ヌクレオチドを含むことができる。結合した一連の連続ヌクレオチドからなる線状核酸分子は、典型的には少なくとも2つの末端を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子の一末端は、3’ヒドロキシル基またはその等価物を含むことができ、「3’末端」およびその派生語として呼ぶことができる。任意に、3’末端は、モノヌクレオチドペントース環の5’リン酸基に結合していない3’ヒドロキシル基を含む。典型的には、3’末端は、非結合3’ヒドロキシル基を含むヌクレオチドに隣接して位置する1つ以上の5’結合ヌクレオチド、典型的には3’ヒドロキシルに隣接して位置する30ヌクレオチド、典型的には末端20、およびさらにより典型的には末端15ヌクレオチドを含む。一般的には、1つ以上の結合ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド中に存在するヌクレオチドのパーセンテージとして表すことができ、または非結合3’ヒドロキシルに隣接するいくつかの結合ヌクレオチドとして提供することができる。例えば、3’末端は、オリゴヌクレオチドのヌクレオチド長の50%未満を含むことができる。いくつかの実施形態では、3’末端は、いずれの非結合3’ヒドロキシル基も含まないが、プライマー伸長および/またはヌクレオチド重合によるヌクレオチドの付着部位として機能することができる任意の部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、「3’末端」という用語は、例えば、標的特異的プライマーを指す場合、3’末端に末端10ヌクレオチド、末端5ヌクレオチド、末端4、3、2、またはそれより少ないヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、「3’末端」という用語は、標的特異的プライマーを指す場合、3’末端から10ヌクレオチド位以下に位置するヌクレオチドを含むことができる。本明細書で使用されるとき、「5’末端」、およびその派生語は、一般的には核酸分子の末端、例えば、遊離5’リン酸基またはその等価物を含む、標的配列または増幅された標的配列を指す。いくつかの実施形態では、5’末端は、隣接するモノヌクレオチドペントース環の3’ヒドロキシルに結合していない5’リン酸基を含む。典型的には、5’末端は、5’リン酸に隣接して位置する1つ以上の結合ヌクレオチド、典型的には5’リン酸基を含むヌクレオチドに隣接して位置する30ヌクレオチド、典型的には末端20、およびさらにより典型的には末端15ヌクレオチドを含む。一般的には、1つ以上の結合ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチド中に存在するヌクレオチドのパーセンテージとして表すことができ、または5’リン酸に隣接するいくつかの結合ヌクレオチドとして提供することができる。例えば、5’末端は、オリゴヌクレオチドのヌクレオチド長の50%未満であり得る。別の例示的な実施形態では、5’末端は、末端5’リン酸を含むヌクレオチドに隣接する約15ヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、5’末端は、いずれの非結合5’リン酸基も含まないが、3’ヒドロキシル基、または別の核酸分子の3’末端への付着部位として機能することができる任意の部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、「5’末端」という用語は、例えば、標的特異的プライマーを指す場合、5’末端に末端10ヌクレオチド、末端5ヌクレオチド、末端4、3、2、またはそれより少ないヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、「5’末端」という用語は、標的特異的プライマーを指す場合、5’末端から10位以下に位置するヌクレオチドを含むことができる。いくつかの実施形態では、標的特異的プライマーの5’末端は、切断不可能なヌクレオチドのみ、例えば、本明細書に開示される1つ以上の切断可能な基を含有しないヌクレオチド、または当業者によって容易に決定される切断可能なヌクレオチドを含むことができる。ポリヌクレオチドの「第1の末端」および「第2の末端」とは、ポリヌクレオチドの5’末端または3’末端を指す。ポリヌクレオチドの第1の末端または第2の末端のいずれかは、ポリヌクレオチドの5’末端または3’末端であり得、「第1」および「第2」という用語は、末端が具体的に5’末端または3’末端であることを示すことを意図していない。
【0032】
本明細書で使用されるとき、「タグ」、「バーコード」、「ユニークタグ」、または「タグ配列」、およびその派生語は、一般的には、試料中の複数の増幅された標的配列を区別または分離するための「鍵」として機能することができるアダプターまたはプライマー内のユニークな短い(6~14ヌクレオチド)核酸配列を指す。本開示の目的のために、バーコードまたはユニークタグ配列は、アダプターまたはプライマーのヌクレオチド配列に組み込まれる。本明細書で使用されるとき、「バーコード配列」は、目的の核酸配列の試料または供給源の同定を可能にするのに十分である核酸固定配列を示す。バーコード配列は、そうである必要はないが、同定が基づく元の核酸配列の小区分であり得る。いくつかの実施形態では、バーコードは、5~20核酸長である。いくつかの実施形態では、バーコードは、L-DNA、LNA、PNAなどのような、アナログヌクレオチドで構成される。本明細書で使用されるとき、「ユニークタグ配列」は、少なくとも1つのランダム配列および少なくとも1つの固定配列を有する核酸配列を示す。ユニークタグ配列は、単独で、または第2のユニークタグ配列と共に、試料中の単一の標的核酸分子の同定を可能にするのに十分である。ユニークタグ配列は、そうである必要はないが、元の標的核酸配列の小区分を含むことができる。いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列は、長さが2~50ヌクレオチドもしくは塩基対、または2~25ヌクレオチドもしくは塩基対、または2~10ヌクレオチドもしくは塩基対である。ユニークタグ配列は、固定配列が点在する少なくとも1つのランダム配列を含むことができる。
【0033】
本明細書で使用されるとき、「比較可能な最高最低融解温度」およびその派生語は、一般的には、切断可能な基の消化後の単一アダプターまたは標的特異的プライマーの各核酸断片の融解温度(Tm)を指す。アダプターまたは標的特異的プライマーによって生成された各核酸断片のハイブリダイゼーション温度は、標的特異的プライマーもしくはアダプターまたはその断片もしくは部分からの核酸配列のそれぞれの標的へのハイブリダイゼーションを防止するのに必要な最高最低温度を決定するために比較される。最高ハイブリダイゼーション温度がわかると、例えば、プライマーの長さに沿って1つ以上の切断可能な基(複数可)の位置を移動することにより、アダプターまたは標的特異的プライマーを操作して、各核酸断片に対して比較可能な最高最低融解温度を達成して、これによりライブラリー調製の消化および修復ステップを最適化することが可能である。
【0034】
本明細書で使用されるとき、「追加のみ」およびその派生語は、一般的には、試薬および成分が第1または単一の反応混合物に追加される一連のステップを指す。典型的には、一連のステップは、一連のステップを完了するために、第1の容器から第2の容器に反応混合物を取り出すことを除外する。一般的には、追加のみのプロセスでは、反応混合物を含有する容器の外側での反応混合物の操作を除外する。典型的には、追加のみのプロセスは、自動化および高スループットに適している。
【0035】
本明細書で使用されるとき、「重合条件」およびその派生語は、一般的には、ヌクレオチド重合に好適な条件を指す。典型的な実施形態では、かかるヌクレオチド重合は、ポリメラーゼによって触媒される。いくつかの実施形態では、重合条件は、合成された核酸配列の生成をもたらす、任意に鋳型依存様式での、プライマー伸長のための条件を含む。いくつかの実施形態では、重合条件には、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が含まれる。典型的には、重合条件は、核酸を合成するのに十分であり、ポリメラーゼおよびヌクレオチドを含む反応混合物の使用を含む。重合条件は、標的特異的プライマーの標的配列へのアニーリングおよびポリメラーゼの存在下での鋳型依存様式でのプライマーの伸長のための条件を含むことができる。いくつかの実施形態では、重合条件は、熱サイクリングを使用して実施することができる。加えて、重合条件は、2つの核酸鎖のアニーリング、伸長、および分離のステップが繰り返される複数のサイクルを含むことができる。典型的には、重合条件には、MgCl2などのカチオンが含まれる。一般的には、核酸鎖を形成するための1つ以上のヌクレオチドの重合には、ヌクレオチドがホスホジエステル結合を介して互いに結合されることが含まれるが、特定のヌクレオチド類似体の状況下において代替結合が可能であり得る。
【0036】
本明細書で使用されるとき、「核酸」という用語は、ポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドを含む、天然の核酸、人工の核酸、それらの類似体、またはそれらの組み合わせを指す。本明細書で使用されるとき、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、互換的に使用され、これらに限定されないが、ヌクレオチド間ホスホジエステル結合、例えば、3’-5’および2’-5’、逆結合、例えば、3’-3’および5’-5’、分岐構造、またはアナログ核酸によって結合した2’-デオキシリボヌクレオチド(核酸)およびリボヌクレオチド(RNA)を含む、ヌクレオチドの一本鎖および二本鎖ポリマーを意味する。ポリヌクレオチドは、H+、NH4
+、トリアルキルアンモニウム、Mg2+、Na+などの関連する対イオンを有する。オリゴヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドのみ、リボヌクレオチドのみ、またはそれらのキメラ混合物で構成することができる。オリゴヌクレオチドは、核酸塩基および糖の類似体で構成することができる。ポリヌクレオチドは、典型的には、それらがより一般的には当該技術分野において頻繁にオリゴヌクレオチドと呼ばれる場合、数個のモノマー単位、例えば、5~40個から、それらがより一般的には当該技術分野においてポリヌクレオチドと呼ばれる場合、数千個のモノマーヌクレオチド単位までのサイズの範囲であり、本開示の目的では、しかしながら、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの両方は、任意の好適な長さのものであり得る。別段に示されない限り、オリゴヌクレオチド配列が表されるときはいつでも、ヌクレオチドは左から右へ5’~3’の順序であり、「A」はデオキシアデノシンを示し、「C」はデオキシシチジンを示し、「G」はデオキシグアノシンを示し、「T」はチミジンを示し、「U」はデオキシウリジンを示すことが理解されるであろう。本明細書で議論され、当該技術分野で知られるように、モノヌクレオチドは、典型的には、1つのヌクレオチドの5’リン酸または同等の基の、その隣接するヌクレオチドの3’ヒドロキシルまたは同等の基への付着を介して、任意にホスホジエステルまたは他の好適な結合を介してオリゴヌクレオチドを形成するように反応させるので、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドは、「5’末端」および「3’末端」を有すると言われる。
【0037】
本明細書で使用されるとき、「ポリメラーゼ連鎖反応」(「PCR」)という用語は、クローニングまたは精製なしにゲノムDNAの混合物中の目的のポリヌクレオチドのセグメントの濃度を増加させるための方法を記載する、参照により本明細書に組み込まれる、K.B.Mullis米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号の方法を指す。目的のポリヌクレオチドを増幅するためのこのプロセスは、大過剰の2つのオリゴヌクレオチドプライマーを目的の所望のポリヌクレオチドを含有するDNA混合物に導入し、続いてDNAポリメラーゼの存在下で正確な順序の熱サイクリングを行うことからなる。2つのプライマーは、目的の二本鎖ポリヌクレオチドのそれらのそれぞれの鎖と相補的である。増幅を行うために、混合物は変性され、プライマーは次いで目的分子のポリヌクレオチド内のそれらの相補的な配列にアニールされる。アニーリングに続いて、プライマーは、ポリメラーゼで伸長され、相補的な鎖の新しい対を形成する。変性、プライマーアニーリング、およびポリメラーゼ伸長のステップは、高濃度の目的の所望のポリヌクレオチドの増幅されたセグメントを得るために、多数回繰り返すことができる(すなわち、変性、アニーリング、および伸長は、1つの「サイクル」を構成し、多数の「サイクル」があり得る)。目的の所望のポリヌクレオチドの増幅されたセグメント(アンプリコン)の長さは、互いに対するプライマーの相対位置によって決定され、したがって、この長さは制御可能なパラメータである。プロセスを繰り返すことにより、方法は、「ポリメラーゼ連鎖反応」(以下「PCR」)と呼ばれる。目的のポリヌクレオチドの所望の増幅されたセグメントは、混合物において(濃度に関して)主要な核酸配列になるので、「PCR増幅された」と言われる。本明細書で定義されるとき、複数の標的核酸分子を含む試料内の標的核酸分子は、PCRを介して増幅される。上記で議論される方法の変更において、標的核酸分子は、複数の異なるプライマー対、いくつかの場合では目的の標的核酸分子あたり1つ以上のプライマー対を使用してPCR増幅することができ、それにより多重PCR反応物を形成する。多重PCRを使用すると、試料から複数の目的の核酸分子を同時に増幅して、増幅された標的配列を形成することが可能である。いくつかの異なる方法論(例えば、バイオアナライザーまたはqPCRによる定量化、標識プローブでのハイブリダイゼーション、ビオチン化プライマーの組み込み、続いてアビジン酵素共役検出、dCTPまたはdATPなどの32P標識デオキシヌクレオチド三リン酸の増幅された標的配列への組み込み)によって増幅された標的配列を検出することも可能である。任意のオリゴヌクレオチド配列は、適切なプライマーのセットで増幅することができ、これによりゲノムDNA、cDNA、ホルマリン固定パラフィン包埋DNA、細針生検、および様々な他の供給源からの標的核酸分子の増幅を可能にする。特に、本明細書に開示される多重PCRプロセスによって作成された増幅標的配列は、それ自体が後続のPCR増幅または様々な下流アッセイもしくは操作のための効率的な基質である。
【0038】
本明細書で定義されるとき、「多重増幅」とは、少なくとも1つの標的特異的プライマーを使用した試料内の2つ以上の標的配列の選択的かつ非ランダムな増幅を指す。いくつかの実施形態では、多重増幅は、標的配列のいくつかまたは全てが単一の反応容器内で増幅されるように行われる。所定の多重増幅の「プレキシー」または「プレックス」は、一般的には、その単一の多重増幅中に増幅される異なる標的特異的配列の数を指す。いくつかの実施形態では、プレキシーは、約12プレックス、24プレックス、48プレックス、96プレックス、192プレックス、384プレックス、768プレックス、1536プレックス、3072プレックス、6144プレックス以上であり得る。
【0039】
核酸ライブラリーを調製する方法
本発明の提供される方法は、下流分析に好適な高度に多重化されたライブラリーの迅速な調製を可能にする効率的な手順を含む。
図1を参照されたい。方法は、必要に応じて、1つ以上のユニークタグ配列の組み込みを任意に可能にする。特定の方法は、非常に迅速なライブラリー生成を伝達する合理化された追加のみの手順を含む。
【0040】
本発明の一態様では、標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、それによりギャップのある二本鎖アンプリコンを生成することと、を含む。方法は、部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、次いで修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅し、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成することと、をさらに含む。本明細書の方法において使用される複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と、標的核酸配列と、切断可能な部分と、任意に1つ以上のタグ配列とを含む。少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が提供される方法に含まれ、各アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まない。任意のタグ配列が少なくとも1つのアダプターに含まれるいくつかの実施形態では、切断可能な部分は、タグ配列のいずれかの末端に隣接するアダプター配列に含まれる。
【0041】
本発明の一態様では、標的核酸配列のタグ付けされたライブラリーを調製するための方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、それによりギャップのある二本鎖アンプリコンを生成することと、を含む。方法は、部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、次いで修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅し、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成することと、をさらに含む。本明細書の方法において使用される複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と、標的核酸配列と、切断可能な部分と、1つ以上のタグ配列とを含む。少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が提供される方法に含まれ、各アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まず、切断可能な部分は、タグ配列のいずれかの末端に隣接して含まれる。
【0042】
特定の実施形態では、各ユニバーサル配列の比較可能な最高最低融解温度は、アダプター中に存在する各標的核酸配列および各タグ配列の比較可能な最高最低融解温度よりも高い。
【0043】
いくつかの実施形態では、アダプターのそれぞれは、本明細書でさらに記載されるユニークタグ配列を含み、それぞれ各アダプターにおいてタグ配列のいずれかの末端に隣接する切断可能な基をさらに含む。ユニークタグ配列が使用されるいくつかの実施形態では、生成された各標的特異的アンプリコン配列は、少なくとも1個の異なる配列および最大107個の異なる配列を含む。特定の実施形態では、複数のアダプターの各標的特異的対は、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なるアダプターの組み合わせを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、方法は、複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物を消化試薬および修復試薬と同時に接触させることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物を消化試薬、次いで修復試薬と順次に接触させることを含む。
【0045】
本明細書で提供される方法において有用な消化試薬は、アダプター中に存在する切断可能な部位を切断することができる任意の試薬を含み、いくつかの実施形態では、これらに限定されないが、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちの1つまたは組み合わせを含む。
【0046】
本明細書で提供される方法において有用な修復試薬は、ギャップのあるアンプリコンの修復が可能な任意の試薬を含み、いくつかの実施形態では、これらに限定されないが、Phusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/またはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、および/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。
【0047】
よって、特定の実施形態では、消化および修復試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちの1つまたは組み合わせ、ならびにPhusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/またはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、および/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。特定の実施形態では、消化および修復試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。特定の実施形態では、消化および修復試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、Phusion U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T4 PNKおよびT7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、方法は、単一ステップで行われる消化および修復ステップを含む。他の実施形態では、方法は、異なる温度で時間的に離れて行われるステップの消化および修復を含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、本発明の方法が行われ、方法ステップの1つ以上は、手動モードで行われる。特定の実施形態では、本発明の方法が行われ、方法ステップのそれぞれは、手動で行われる。いくつかの実施形態では、本発明の方法が行われ、方法ステップの1つ以上は、自動モードで行われる。特定の実施形態では、本発明の方法が行われ、方法ステップのそれぞれは、自動化される。いくつかの実施形態では、本発明の方法が行われ、方法ステップの1つ以上は、手動および自動モードの組み合わせで行われる。
【0050】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、少なくとも1つの精製ステップを含む。例えば、特定の実施形態では、精製ステップは、修復されたアンプリコンの第2の増幅後にのみ行われる。いくつかの実施形態では、2つの精製ステップが利用され、第1の精製ステップは、消化および修復後に行われ、第2の精製ステップは、修復されたアンプリコンの第2の増幅後に行われる。
【0051】
いくつかの実施形態では、精製ステップは、固相付着反応、固相固定化反応、またはゲル電気泳動を実施することを含む。特定の実施形態では、精製ステップは、固相可逆的固定化(SPRI)ビーズを使用して行われる分離を含む。特定の実施形態では、精製ステップは、SPRIビーズを使用して行われる分離を含み、SPRIビーズは、常磁性ビーズを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、方法は、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、それによりギャップのある二本鎖アンプリコンを生成することと、を含む。方法は、部分的に消化された標的アンプリコンを修復し、次いで修復されたアンプリコンを精製することと、次いで修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅し、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成することと、次いで得られるライブラリーを精製することと、をさらに含む。本明細書の方法において使用される複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と、標的核酸配列と、切断可能な部分と、任意に1つ以上のタグ配列とを含む。少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が提供される方法に含まれ、各アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まない。任意のタグ配列が少なくとも1つのアダプターに含まれるいくつかの実施形態では、切断可能な部分は、タグ配列のいずれかの末端に隣接するアダプター配列に含まれる。
【0053】
いくつかの実施形態では、方法は、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、それによりギャップのある二本鎖アンプリコンを生成することと、を含む。方法は、部分的に消化された標的アンプリコンを修復し、修復されたアンプリコンを精製することと、次いで修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅し、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成することと、次いで得られるライブラリーを精製することと、をさらに含む。本明細書の方法において使用される複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と、標的核酸配列と、切断可能な部分と、1つ以上のタグ配列とを含む。少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が提供される方法に含まれ、各アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まず、切断可能な部分は、タグ配列の隣接するいずれかの末端に含まれる。
【0054】
いくつかの実施形態では、方法は、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、それによりギャップのある二本鎖アンプリコンを生成することと、を含む。方法は、部分的に消化された標的アンプリコンを修復し、次いで修復されたアンプリコンを精製することと、次いで修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅し、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成することと、次いで得られるライブラリーを精製することと、をさらに含む。本明細書の方法において使用される複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と、標的核酸配列と、切断可能な部分と、任意に1つ以上のタグ配列とを含む。少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が提供される方法に含まれ、各アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まない。任意のタグ配列が少なくとも1つのアダプターに含まれるいくつかの実施形態では、切断可能な部分は、タグ配列のいずれかの末端に隣接するアダプター配列に含まれる。いくつかの実施形態では、消化および修復試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちの1つまたは組み合わせ、ならびにPhusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/またはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、および/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。特定の実施形態では、消化および修復試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。特定の実施形態では、消化および修復試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、Phusion U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T4 PNKおよびT7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、方法は、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、それによりギャップのある二本鎖アンプリコンを生成することと、を含む。方法は、部分的に消化された標的アンプリコンを修復し、修復されたアンプリコンを精製することと、次いで修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅し、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成することと、次いで得られるライブラリーを精製することと、をさらに含む。本明細書の方法において使用される複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と、標的核酸配列と、切断な可能部分と、1つ以上のタグ配列とを含む。少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が提供される方法に含まれ、各アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まず、切断可能な部分は、タグ配列の隣接するいずれかの末端に含まれる。いくつかの実施形態では、消化および修復試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちの1つまたは組み合わせ、ならびにPhusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/またはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、および/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。特定の実施形態では、消化および修復試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。特定の実施形態では、消化および修復試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、Phusion U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T4 PNKおよびT7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。
【0056】
特定の実施形態では、本発明の方法は、単一の追加のみのワークフロー反応において行われ、高度に多重化された標的とされたライブラリーの迅速な生成を可能にする。例えば、1つの実施形態では、標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法は、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、それによりギャップのある二本鎖アンプリコンを生成することと、を含む。方法は、部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、次いで修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅し、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成し、得られるライブラリーを精製することと、をさらに含む。特定の実施形態では、精製は、第2の増幅後のライブラリーの生成に続いて行われる単一または繰り返しの分離ステップを含み、他の方法ステップは、ステップで生成された生成物のいずれかの一部分(アリコート)の別の反応容器への必要な移送なしに、単一の反応容器で行われる。本明細書の方法において使用される複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と、標的核酸配列と、切断可能な部分と、任意に1つ以上のタグ配列とを含む。少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が提供される方法に含まれ、各アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まない。任意のタグ配列が少なくとも1つのアダプターに含まれるいくつかの実施形態では、切断可能な部分は、タグ配列のいずれかの末端に隣接するアダプター配列に含まれる。
【0057】
別の実施形態では、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、それによりギャップのある二本鎖アンプリコンを生成することと、を含む、標的核酸配列のタグ付けされたライブラリーを調製するための方法が提供される。方法は、部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、次いで修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅し、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成し、得られるライブラリーを精製することと、をさらに含む。特定の実施形態では、精製は、単一または繰り返しの分離ステップを含み、他の方法ステップは、ステップで生成された生成物のいずれかの一部分の別の反応容器への必要な移送なしに、単一の反応容器で任意に行われる。本明細書の方法において使用される複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と、標的核酸配列と、切断可能な部分と、1つ以上のタグ配列とを含む。少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が提供される方法に含まれ、各アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まず、切断可能な部分は、タグ配列のいずれかの末端に隣接して含まれる。
【0058】
1つの実施形態では、標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法は、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、それによりギャップのある二本鎖アンプリコンを生成することと、を含む。方法は、部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、次いで修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅し、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成し、得られるライブラリーを精製することと、をさらに含む。
【0059】
特定の実施形態では、消化試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、APエンドヌクレアーゼ(APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。特定の実施形態では、消化試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、APエンドヌクレアーゼ(APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含み、消化試薬は、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)を欠いている。
【0060】
いくつかの実施形態では、消化試薬は、5’~3’方向に分解する一本鎖DNAエキソヌクレアーゼを含む。いくつかの実施形態では、切断試薬は、脱塩基部位を分解する一本鎖DNAエキソヌクレアーゼを含む。本明細書のいくつかの実施形態では、消化試薬は、RecJfエキソヌクレアーゼを含む。特定の実施形態では、消化試薬は、APE1およびRecJfを含み、切断試薬は、アプリン/アピリミジンエンドヌクレアーゼを含む。特定の実施形態では、消化試薬は、APエンドヌクレアーゼ(APE1)を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、修復試薬は、少なくとも1つのDNAポリメラーゼを含み、ギャップ充填試薬は、Phusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/またはT7 DNAポリメラーゼおよび/またはSuperFi U DNAポリメラーゼのうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、修復試薬は、複数のヌクレオチドをさらに含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、修復試薬は、ATP依存性またはATP非依存性リガーゼを含み、修復試薬は、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。
【0063】
特定の実施形態では、消化および修復試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちの1つまたは組み合わせ、ならびにPhusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/またはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、および/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。特定の実施形態では、消化および修復試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。特定の実施形態では、精製は、第2の増幅後のライブラリーの生成に続いて行われる単一または繰り返しの分離ステップを含み、方法ステップは、ステップで生成された生成物のいずれかの一部分の別の反応容器への必要な移送なしに、第1の精製まで単一の反応容器で行われる。本明細書の方法において使用される複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と、標的核酸配列と、切断可能な部分と、任意に1つ以上のタグ配列とを含む。少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が提供される方法に含まれ、各アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まない。任意のタグ配列が少なくとも1つのアダプターに含まれるいくつかの実施形態では、切断可能な部分は、タグ配列のいずれかの末端に隣接するアダプター配列に含まれる。
【0064】
別の実施形態では、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、それによりギャップのある二本鎖アンプリコンを生成することと、を含む、標的核酸配列のタグ付けされたライブラリーを調製するための方法が提供される。方法は、部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、次いで修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅し、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成し、得られるライブラリーを精製することと、をさらに含む。特定の実施形態では、消化および修復試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちの1つまたは組み合わせ、ならびにPhusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/またはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、および/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。特定の実施形態では、消化および修復試薬は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む。特定の実施形態では、精製は、第2の増幅後のライブラリーの生成に続いて行われる単一または繰り返しの分離ステップを含み、他の方法ステップは、ステップで生成された生成物のいずれかの一部分(アリコート)の別の反応容器への必要な移送なしに、単一の反応容器で行われる。本明細書の方法において使用される複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と、標的核酸配列と、切断可能な部分と、1つ以上のタグ配列とを含む。少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が提供される方法に含まれ、各アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まず、切断可能な部分は、タグ配列のいずれかの末端に隣接して含まれる。
【0065】
いくつかの実施形態では、方法のステップの第1の増幅から得られるアダプター-ダイマー副生成物は、得られるライブラリーから大幅に除去される。特定の実施形態では、増幅された標的核酸の富化集団は、低減した量のアダプター-ダイマー副生成物を含有する。特定の実施形態では、アダプターダイマー副生成物は、排除される。
【0066】
いくつかの実施形態では、ライブラリーは、4時間未満で調製される。いくつかの実施形態では、ライブラリーは、3時間未満で調製、濃縮、および配列決定される。いくつかの実施形態では、ライブラリーは、2~3時間で調製、濃縮、および配列決定される。いくつかの実施形態では、ライブラリーは、約2.5時間で調製される。いくつかの実施形態では、ライブラリーは、約2.75時間で調製される。いくつかの実施形態では、ライブラリーは、約3時間で調製される。
【0067】
組成物
本発明の追加の態様は、複数の核酸アダプターを含む組成物、ならびに本発明の方法に従って調製されたライブラリー組成物を含む。提供される組成物は、本明細書に記載される方法と併せて、ならびに当該技術分野において知られる追加の分析および用途に有用である。
【0068】
よって、複数の核酸アダプターを含む組成物が提供され、複数のアダプターのそれぞれは、5’ユニバーサルハンドル配列、任意に1つ以上のタグ配列、および3’標的核酸配列を含み、各アダプターは、切断可能な部分を含み、アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、タグ配列が存在する場合、切断可能な部分は、タグ配列のいずれかの末端に隣接して含まれ、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まない。少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が、提供される組成物に含まれる。提供される組成物は、高度に多重化された標的とされたライブラリーの迅速な生成を可能にする。
【0069】
いくつかの実施形態では、提供される組成物は、複数の核酸アダプターを含み、複数のアダプターのそれぞれは、5’ユニバーサルハンドル配列、1つ以上のタグ配列、および3’標的核酸配列を含み、各アダプターは、切断可能な部分を含み、アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、切断可能な部分は、タグ配列のいずれかの末端に隣接して含まれ、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まない。少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が、提供される組成物に含まれる。提供される組成物は、高度に多重化され、タグ付けられた、標的とされたライブラリーの迅速な生成を可能にする。
【0070】
プライマー/アダプター組成物は、一本鎖でも二本鎖でもよい。いくつかの実施形態では、アダプター組成物は、一本鎖アダプターを含む。いくつかの実施形態では、アダプター組成物は、二本鎖アダプターを含む。いくつかの実施形態では、アダプター組成物は、一本鎖および二本鎖アダプターの混合物を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも2つの異なる標的核酸配列の増幅が可能なアダプター対のマルチプレックス(multiplex)を含む1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターを含み、標的特異的プライマー配列は、組成物中の他の標的特異的プライマー配列と実質的に非相補的である。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも25、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、750、1000、1250、1500、1750、2000、2250、2500、2750、3000、3250、3500、3750、4000、4500、5000、5500、6000、7000、8000、9000、10000、11000、または12000個以上の標的特異的アダプター対を含む。いくつかの実施形態では、標的特異的アダプター対は、長さ約15ヌクレオチド~約40ヌクレオチドを含み、少なくとも1つのヌクレオチドは、切断可能な基で置き換えられる。いくつかの実施形態では、切断可能な基は、ウリジンヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、標的特異的アダプター対は、臨床的もしくは病理学的状態に関連するゲノムのエクソン、遺伝子、エクソーム、もしくは領域の増幅、例えば、癌、例えば、肺、結腸、乳癌などに関連する1つ以上の変異(例えば、ドライバー変異)を含む1つ以上の部位の増幅、または遺伝性疾患、例えば、嚢胞性線維症、筋ジストロフィーなどに関連する変異の増幅のために設計される。いくつかの実施形態では、標的特異的アダプター対は、標的配列にハイブリダイズされ、本明細書で提供されるように増幅される場合、長さが約100~約600塩基対であるアダプター連結増幅標的配列のライブラリーを生成する。いくつかの実施形態では、アダプター連結増幅標的配列が、ライブラリーにおける他のアダプター連結増幅標的配列の残部と比較して30%超でライブラリーにおいて過剰発現されることはない。いくつかの実施形態では、アダプター連結増幅標的配列ライブラリーは、それぞれの標的配列のGC含有量、増幅標的配列長、または融解温度(Tm)に関して実質的に均質である。
【0072】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物中のアダプター対の標的特異的プライマー配列は、核酸分子の特定の領域を増幅することができる標的特異的配列である。いくつかの実施形態では、標的特異的アダプターは、ゲノムDNAまたはcDNAを増幅することができる。いくつかの実施形態では、標的特異的アダプターは、これらに限定されないが、ヒトDNAもしくはRNA、マウスDNAもしくはRNA、ウシDNAもしくはRNA、イヌDNAもしくはRNA、ウマDNAもしくはRNA、または目的の任意の他の哺乳動物などの哺乳動物核酸を増幅することができる。他の実施形態では、標的特異的アダプターは、目的の植物核酸を増幅するように向けられた配列を含む。他の実施形態では、標的特異的アダプターは、感染因子、例えば、細菌および/またはウイルス核酸を増幅するように向けられた配列を含む。いくつかの実施形態では、選択的増幅に必要な核酸の量は、約1ng~1マイクログラムである。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的配列の選択的増幅に必要な核酸の量は、約1ng、約5ng、または約10ngである。いくつかの実施形態では、標的配列の選択的増幅に必要な核酸の量は、約10ng~約200ngである。
【0073】
本明細書に記載されるように、複数のアダプターのそれぞれは、5’ユニバーサルハンドル配列を含む。いくつかの実施形態では、ユニバーサルハンドル配列は、増幅プライマー結合配列、配列決定プライマー結合配列、および/または捕捉プライマー結合配列のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、各アダプターユニバーサルハンドル配列の比較可能な最高最低融解温度は、同じアダプター中に存在する各標的核酸配列および各タグ配列の比較可能な最高最低融解温度よりも高い。好ましくは、提供されるアダプターのユニバーサルハンドル配列は、目的のユニークタグ配列および/または標的核酸配列の任意の部分に対して有意な相補性および/またはハイブリダイゼーションを示さない。いくつかの実施形態では、第1のユニバーサルハンドル配列は、増幅プライマー結合配列、配列決定プライマー結合配列、および/または捕捉プライマー結合配列のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第2のユニバーサルハンドル配列は、増幅プライマー結合配列、配列決定プライマー結合配列、および/または捕捉プライマー結合配列のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。特定の実施形態では、第1および第2のユニバーサルハンドル配列は、順方向および逆方向ユニバーサルハンドル配列に対応し、特定の実施形態では、複数の標的特異的アダプター対のそれぞれについて同じ第1および第2のユニバーサルハンドル配列が含まれる。かかる順方向および逆方向ユニバーサルハンドル配列は、本発明の方法に従ったライブラリーの生成において修復されたアンプリコンの第2の増幅を実施するために、ユニバーサルプライマーと共に標的化される。特定の実施形態では、第1の5’ユニバーサルハンドル配列は、2つのユニバーサルハンドル配列(例えば、増幅プライマー結合配列、配列決定プライマー結合配列、および/または捕捉プライマー結合配列の組み合わせ)を含み、第2の5’ユニバーサル配列は、2つのユニバーサルハンドル配列(例えば、増幅プライマー結合配列、配列決定プライマー結合配列、および/または捕捉プライマー結合配列の組み合わせ)を含み、5’第1および第2のユニバーサルハンドル配列は、目的の標的核酸配列の任意の部分に対して有意なハイブリダイゼーションを示さない。
【0074】
ユニバーサル増幅プライマーまたはユニバーサルプライマーの構造および特性は、当業者に周知であり、特定の分析プラットフォームに適合するように提供される方法および組成物と併せた利用のために実装することができる。本明細書で提供されるアダプターのユニバーサルハンドル配列は、好ましいユニバーサルプライマー配列を適応させるように適宜に適合される。例えば、例えば、本明細書に記載されるように、任意のバーコード配列を有するユニバーサルP1およびAプライマーは、当該技術分野において記載されており、Ion Torrentシーケンシングプラットフォーム(Ion Xpress(商標)Adapters、Thermo Fisher Scientific)での配列決定に利用される。同様に、当該技術分野において記載され、知られている追加および他のユニバーサルアダプター/プライマー配列(例えば、Illuminaユニバーサルアダプター/プライマー配列は、例えば、https://support.illumina.com/content/dam/illumina-support/documents/documentation/chemistry_documentation/experiment-design/illumina-adapter-sequences_1000000002694-01.pdfで見つけることができ、PacBioユニバーサルアダプター/プライマー配列は、例えば、https://s3.amazonaws.com/files.pacb.com/pdf/Guide_Pacific_Biosciences_Template_Preparation_and_Sequencing.pdfで見つけることができるなど)は、本明細書で提供される方法および組成物と共に使用することができる。本発明のアダプターと共に使用するための適切なヌクレオチド配列の好適なユニバーサルプライマーは、当該技術分野での日常的な使用における標準的な自動化核酸合成機器および試薬を使用して容易に調製される。1つの単一タイプのユニバーサルプライマーまたは2つの異なるユニバーサルプライマーの別個のタイプ(またはさらに混合物)、例えば、第2の増幅における修復されたアンプリコンの増幅に好適な一対のユニバーサル増幅プライマーが、本発明の方法における使用のために含まれる。ユニバーサルプライマーは、任意に異なるタグ(バーコード)配列を含み、タグ(バーコード)配列は、アダプターにハイブリダイズしない。第2のユニバーサル増幅においてアンプリコンに組み込まれたバーコード配列は、例えば、試料供給源の効果的な同定のために利用することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、アダプターは、5’第1のユニバーサルハンドル配列と3’標的特異的配列との間に位置するユニークタグ配列をさらに含み、ユニークタグ配列は、目的のユニークタグ配列および/または標的核酸配列の任意の部分に対して有意な相補性および/またはハイブリダイゼーションを示さない。いくつかの実施形態では、複数のプライマーアダプター対は、104~109個の異なるタグ配列の組み合わせを有する。よって特定の実施形態では、生成された各標的特異的アダプター対は、104~109個の異なるタグ配列を含む。いくつかの実施形態では、複数のプライマーアダプターは、少なくとも1個の異なるユニークタグ配列および最大105個の異なるユニークタグ配列を含む各標的特異的アダプターを含む。いくつかの実施形態では、複数のプライマーアダプターは、少なくとも1個の異なるユニークタグ配列および最大105個の異なるユニークタグ配列を含む各標的特異的アダプターを含む。特定の実施形態では、生成された各標的特異的アンプリコンは、それぞれが2個の異なるユニークタグ配列を有する、異なるタグ配列を含む少なくとも2個および最大109個の異なるアダプター組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数のプライマーアダプターは、4096個の異なるタグ配列を含む各標的特異的アダプターを含む。特定の実施形態では、生成された各標的特異的アンプリコンは、それぞれが2個の異なるユニークタグ配列を有する、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なるアダプター組み合わせを含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、複数のアダプター中の個々プライマーアダプターは、固定タグ配列と交互になっている異なるランダムタグ配列を含むユニークタグ配列(例えば、タグアダプターに含有される)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのユニークタグ配列は、少なくとも1つのランダム配列および少なくとも1つの固定配列を含むか、または両側で固定配列に隣接するランダム配列を含むか、または両側でランダム配列に隣接する固定配列を含む。いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列は、長さが2~2000ヌクレオチドまたは塩基対である固定配列を含む。いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列は、長さが2~2000ヌクレオチドまたは塩基対であるランダム配列を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列は、固定配列が点在する少なくとも1つのランダム配列を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、複数のユニークタグ中の個々のタグは、構造(N)n(X)x(M)m(Y)yを有し、式中、「N」は、A、G、C、T、U、またはIから生成されたランダムタグ配列を表し、「N」ランダムタグ配列のヌクレオチド長を表す「n」は、2~10であり、「X」は、固定タグ配列を表し、「X」ランダムタグ配列のヌクレオチド長を表す「x」は、2~10であり、「M」は、A、G、C、T、U、またはIから生成されたランダムタグ配列を表し、ランダムタグ配列「M」は、ランダムタグ配列「N」とは異なるか、またはそれと同じであり、「M」ランダムタグ配列のヌクレオチド長を表す「m」は、2~10であり、「Y」は、固定タグ配列を表し、「Y」の固定タグ配列は、「X」の固定タグ配列と同じであるか、またはそれとは異なり、「Y」ランダムタグ配列のヌクレオチド長を表す「y」は、2~10である。いくつかの実施形態では、固定タグ配列「X」は、複数のタグにおいて同じである。いくつかの実施形態では、固定タグ配列「X」は、複数のタグにおいて異なる。いくつかの実施形態では、固定タグ配列「Y」は、複数のタグにおいて同じである。いくつかの実施形態では、固定タグ配列「Y」は、複数のタグにおいて異なる。いくつかの実施形態では、複数のアダプター内の固定タグ配列「(X)x」および「(Y)y」は、配列アライメントアンカーである。
【0078】
いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列内のランダム配列は、「N」で表され、固定配列は、「X」で表される。よって、ユニークタグ配列は、N1N2N3X1X2X3またはN1N2N3X1X2X3N4N5N6X4X5X6で表される。任意に、ユニークタグ配列は、ヌクレオチド位置のうちのいくつかまたは全てがA、G、C、T、U、およびIからなる群からランダムに選択されるランダム配列を有することができる。例えば、ランダム配列内の各位置のヌクレオチドは、A、G、C、T、U、もしくはIのうちのいずれか1つから独立して選択されるか、またはこれらの6つの異なるタイプのヌクレオチドのサブセットから選択される。任意に、ランダム配列内の各位置のヌクレオチドは、A、G、C、またはTのうちのいずれか1つから独立して選択される。いくつかの実施形態では、第1の固定タグ配列「X1X2X3」は、複数のタグにおいて同じであるか、または異なる。いくつかの実施形態では、第2の固定タグ配列「X4X5X6」は、複数のタグにおいて同じであるか、または異なる。いくつかの実施形態では、複数のアダプター内の第1の固定タグ配列「X1X2X3」および第2の固定タグ配列「X4X5X6」は、配列アライメントアンカーである。
【0079】
いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列は、配列5’-NNNACTNNNTGA-3’を含み、式中、「N」は、A、G、C、またはTからランダムに生成されたランダム配列内の位置を表し、生じ得る別個のランダムタグの数は、4
6(または4^6)と計算され、約4096であり、2つのユニークタグの生じ得る異なる組み合わせの数は、4
12(または4^12)であり、約1678万である。いくつかの実施形態では、
の下線位置は、配列アライメントアンカーである。
【0080】
いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列内の固定配列は、エラーが訂正された配列決定データを生成するために使用することができる配列アライメントアンカーである。いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列内の固定配列は、エラーが訂正された配列決定リードのファミリーを生成するために使用することができる配列アライメントアンカーである。
【0081】
本明細書で提供されるアダプターは、少なくとも1つの切断可能な部分を含む。いくつかの実施形態では、切断可能な部分は、3’標的特異的配列内にある。いくつかの実施形態では、切断可能な部分は、5’第1のユニバーサルハンドル配列と3’の標的特異的配列との間の接合部またはその近くにある。いくつかの実施形態では、切断可能な部分は、5’第1のユニバーサルハンドル配列とユニークタグ配列との間の接合部またはその近く、ならびにユニークタグ配列と3’標的特異的配列との間の接合部またはその近くにある。切断可能な部分は、修飾されたヌクレオチド、ヌクレオシド、または核酸塩基中に存在することができる。いくつかの実施形態では、切断可能な部分は、目的の標的配列に天然に存在しない核酸塩基を含むことができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、複数のアダプター中の少なくとも1つの切断可能な部分は、ウラシル塩基、ウリジン、またはデオキシウリジンヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、切断可能な部分は、3’標的特異的配列、ならびに5’ユニバーサルハンドル配列とユニークタグ配列および/または3’標的特異的配列との間の接合部内にあり、複数のアダプター中の少なくとも1つの切断可能な部分は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)で切断可能である。いくつかの実施形態では、切断可能な部分が切断され、感受性の脱塩基部位をもたらし、脱塩基部位で反応することができる少なくとも1つの酵素は、伸長可能な3’末端を含むギャップを生成する。特定の実施形態では、得られるギャップは、5’-デオキシリボースリン酸基を含む。特定の実施形態では、得られるギャップは、伸長可能な3’末端および5’連結可能なリン酸基を含む。
【0083】
別の実施形態では、イノシンは、切断可能な基としてDNAベースの核酸に組み込むことができる。1つの例示的な実施形態では、EndoVを使用して、イノシン残基の近くを切断することができる。別の例示的な実施形態では、酵素hAAGを使用して、イノシン残基を核酸から切断し、脱塩基部位を作成することができる。
【0084】
切断可能な部分が存在する場合、アダプターにおける少なくとも1つの切断可能な部分の位置は、複数の二本鎖アダプターにおける任意の所定の二本鎖アダプターの融解温度(Tm)を有意に変化させない。複数の二本鎖アダプターからの任意の2つの所定の二本鎖アダプターの融解温度(Tm)は、実質的に同じであり、任意の2つの所定の二本鎖アダプターの融解温度(Tm)は、互いの10℃を超えて異ならない。しかしながら、複数のアダプターのそれぞれの中で、配列領域の融解温度は異なり、例えば、ユニバーサルハンドル配列の比較可能な最高最低融解温度が、任意のアダプターのいずれかのユニークタグ配列および/または標的特異的配列の比較可能な最高最低融解温度よりも高い。比較可能な最高最低融解温度のこの局在化された差異は、アンプリコンの消化および修復、ならびに本明細書で提供される方法の最終的に改善された有効性を最適化するように調整することができる。
【0085】
本発明の方法によって生成された核酸ライブラリーを含む組成物がさらに提供される。よって、複数の増幅された標的核酸アンプリコンを含む組成物が提供され、複数のアンプリコンのそれぞれは、5’ユニバーサルハンドル配列、任意に第1のユニークタグ配列、中間標的核酸配列、任意に第2のユニークタグ配列、および3’ユニバーサルハンドル配列を含む。提供される組成物には、少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アンプリコンが含まれる。提供される組成物は、高度に多重化された標的とされたライブラリーを含む。いくつかの実施形態では、提供される組成物は、複数の核酸アンプリコンを含み、複数のアンプリコンのそれぞれは、5’ユニバーサルハンドル配列、第1のユニークタグ配列、中間標的核酸配列、第2のユニークタグ配列、および3’ユニバーサルハンドル配列を含む。提供される組成物には、少なくとも2個および最大10万個の標的特異的タグ付きアンプリコンが含まれる。提供される組成物は、高度に多重化され、タグ付けられた、標的とされたライブラリーを含む。
【0086】
いくつかの実施形態では、ライブラリー組成物は、少なくとも2つの異なる標的核酸配列の多重を含む複数の標的特異的アンプリコンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも25、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、750、1000、1250、1500、1750、2000、2250、2500、2750、3000、3250、3500、3750、4000、4500、5000、5500、6000、7000、8000、9000、10000、11000、または12000個以上の標的特異的アンプリコンを含む。いくつかの実施形態では、標的特異的アンプリコンは、臨床的もしくは病理学的状態に関連するゲノムの1つ以上のエクソン、遺伝子、エクソーム、もしくは領域、例えば、癌、例えば、肺、結腸、乳癌などに関連する1つ以上の変異(例えば、ドライバー変異)を含む1つ以上の部位を含むアンプリコン、または遺伝性疾患、例えば、嚢胞性線維症、筋ジストロフィーなどに関連する変異を含むアンプリコンを含む。いくつかの実施形態では、標的特異的アンプリコンは、長さが約100~約750塩基対であるアダプター連結アンプリコン標的配列のライブラリーを含む。
【0087】
本明細書に記載されるように、複数のアンプリコンのそれぞれは、5’ユニバーサルハンドル配列を含む。いくつかの実施形態では、ユニバーサルハンドル配列は、増幅プライマー結合配列、配列決定プライマー結合配列、および/または捕捉プライマー結合配列のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。好ましくは、提供されるアダプターのユニバーサルハンドル配列は、目的のユニークタグ配列および/または標的核酸配列の任意の部分に対して有意な相補性および/またはハイブリダイゼーションを示さない。いくつかの実施形態では、第1のユニバーサルハンドル配列は、増幅プライマー結合配列、配列決定プライマー結合配列、および/または捕捉プライマー結合配列のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、第2のユニバーサルハンドル配列は、増幅プライマー結合配列、配列決定プライマー結合配列、および/または捕捉プライマー結合配列のうちのいずれか1つまたはいずれかの組み合わせを含む。特定の実施形態では、第1および第2のユニバーサルハンドル配列は、順方向および逆方向ユニバーサルハンドル配列に対応し、特定の実施形態では、複数の標的特異的アンプリコンのそれぞれについて同じ第1および第2のユニバーサルハンドル配列が含まれる。かかる順方向および逆方向ユニバーサルハンドル配列は、本発明の方法に従って得られる増幅生成物の生成において予備ライブラリー組成物の第2の増幅を実施するために、ユニバーサルプライマーと共に標的化される。特定の実施形態では、第1の5’ユニバーサルハンドル配列は、2つのユニバーサルハンドル配列(例えば、増幅プライマー結合配列、配列決定プライマー結合配列、および/または捕捉プライマー結合配列の組み合わせ)を含み、第2の5’ユニバーサル配列は、2つのユニバーサルハンドル配列(例えば、増幅プライマー結合配列、配列決定プライマー結合配列、および/または捕捉プライマー結合配列の組み合わせ)を含み、5’第1および第2のユニバーサルハンドル配列は、目的の標的核酸配列の任意の部分に対して有意なハイブリダイゼーションを示さない。
【0088】
ユニバーサル増幅プライマーまたはユニバーサルプライマーの構造および特性は、当業者に周知であり、特定の分析プラットフォームに適合するように提供される方法および組成物と併せた利用のために実装することができる。本明細書で提供されるアダプターおよびアンプリコンのユニバーサルハンドル配列は、好ましいユニバーサルプライマー配列を適応させるように適宜に適合される。例えば、例えば、本明細書に記載されるように、任意のバーコード配列を有するユニバーサルP1およびAプライマーは、当該技術分野において記載されており、Ion Torrentシーケンシングプラットフォーム(Ion Xpress(商標)Adapters、Thermo Fisher Scientific)での配列決定に利用される。同様に、当該技術分野において記載され、知られている追加および他のユニバーサルアダプター/プライマー配列(例えば、Illuminaユニバーサルアダプター/プライマー配列は、例えば、https://support.illumina.com/content/dam/illumina-support/documents/documentation/chemistry_documentation/experiment-design/illumina-adapter-sequences_1000000002694-01.pdfで見つけることができ、PacBioユニバーサルアダプター/プライマー配列は、例えば、https://s3.amazonaws.com/files.pacb.com/pdf/Guide_Pacific_Biosciences_Template_Preparation_and_Sequencing.pdfで見つけることができるなど)は、本明細書で提供される方法および組成物と共に使用することができる。本発明のライブラリーと共に使用するための適切なヌクレオチド配列の好適なユニバーサルプライマーは、当該技術分野での日常的な使用における標準的な自動化核酸合成機器および試薬を使用して容易に調製される。1つの単一タイプまたは2つの異なるユニバーサルプライマーの別個のタイプ(またはさらに混合物)、例えば、予備ライブラリーの増幅に好適な一対のユニバーサル増幅プライマーが、本発明のライブラリーの生成において使用され得る。ユニバーサルプライマーは、任意にタグ(バーコード)配列を含み、タグ(バーコード)配列は、アダプター配列または標的核酸配列にハイブリダイズしない。第2のユニバーサル増幅においてアンプリコンに組み込まれたバーコード配列は、例えば、試料供給源の効果的な同定のために利用して、それによりバーコード化ライブラリーを生成することができる。よって提供される組成物は、高度に多重化され、バーコード化された、標的とされたライブラリーを含む。提供される組成物は、高度に多重化され、バーコード化され、タグ付けられた、標的とされたライブラリーも含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、アンプリコンライブラリーは、5’第1のユニバーサルハンドル配列と3’標的特異的配列との間に位置するユニークタグ配列を含み、ユニークタグ配列は、ユニークタグ配列および/または標的核酸配列の任意の部分に対して有意な相補性および/またはハイブリダイゼーションを示さない。いくつかの実施形態では、複数のアンプリコンは、104~109個の異なるタグ配列の組み合わせを有する。よって特定の実施形態では、ライブラリーにおける複数のアンプリコンのそれぞれは、104~109個の異なるタグ配列を含む。いくつかの実施形態では、ライブラリーにおける複数のアンプリコンのそれぞれは、少なくとも1個の異なるユニークタグ配列および最大105個の異なるユニークタグ配列を含む。特定の実施形態では、ライブラリーにおける各標的特異的アンプリコンは、それぞれが2個の異なるユニークタグ配列を有する、異なるタグ配列を含む少なくとも2個および最大109個の異なる組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ライブラリーにおける複数のアンプリコンのそれぞれは、4096個の異なるタグ配列を含むタグ配列を含む。特定の実施形態では、ライブラリーの各標的特異的アンプリコンは、それぞれが2個の異なるユニークタグ配列を有する、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なる組み合わせを含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、ライブラリーの複数のアンプリコン中の個々のアンプリコンは、固定タグ配列と交互になっている異なるランダムタグ配列を含むユニークタグ配列(例えば、タグアダプター配列に含まれる)を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのユニークタグ配列は、少なくとも1つのランダム配列および少なくとも1つの固定配列を含むか、または両側で固定配列に隣接するランダム配列を含むか、または両側でランダム配列に隣接する固定配列を含む。いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列は、長さが2~2000ヌクレオチドまたは塩基対である固定配列を含む。いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列は、長さが2~2000ヌクレオチドまたは塩基対であるランダム配列を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列は、固定配列が点在する少なくとも1つのランダム配列を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、複数のユニークタグ中の個々のタグは、構造(N)n(X)x(M)m(Y)yを有し、式中、「N」は、A、G、C、T、U、またはIから生成されたランダムタグ配列を表し、「N」ランダムタグ配列のヌクレオチド長を表す「n」は、2~10であり、「X」は、固定タグ配列を表し、「X」ランダムタグ配列のヌクレオチド長を表す「x」は、2~10であり、「M」は、A、G、C、T、U、またはIから生成されたランダムタグ配列を表し、ランダムタグ配列「M」は、ランダムタグ配列「N」とは異なるか、またはそれと同じであり、「M」ランダムタグ配列のヌクレオチド長を表す「m」は、2~10であり、「Y」は、固定タグ配列を表し、「Y」の固定タグ配列は、「X」の固定タグ配列と同じであるか、またはそれとは異なり、「Y」ランダムタグ配列のヌクレオチド長を表す「y」は、2~10である。いくつかの実施形態では、固定タグ配列「X」は、複数のタグにおいて同じである。いくつかの実施形態では、固定タグ配列「X」は、複数のタグにおいて異なる。いくつかの実施形態では、固定タグ配列「Y」は、複数のタグにおいて同じである。いくつかの実施形態では、固定タグ配列「Y」は、複数のタグにおいて異なる。いくつかの実施形態では、複数のアンプリコン内の固定タグ配列「(X)x」および「(Y)y」は、配列アライメントアンカーである。
【0092】
いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列内のランダム配列は、「N」で表され、固定配列は、「X」で表される。よって、ユニークタグ配列は、N1N2N3X1X2X3またはN1N2N3X1X2X3N4N5N6X4X5X6で表される。任意に、ユニークタグ配列は、ヌクレオチド位置のうちのいくつかまたは全てがA、G、C、T、U、およびIからなる群からランダムに選択されるランダム配列を有することができる。例えば、ランダム配列内の各位置のヌクレオチドは、A、G、C、T、U、もしくはIのうちのいずれか1つから独立して選択されるか、またはこれらの6つの異なるタイプのヌクレオチドのサブセットから選択される。任意に、ランダム配列内の各位置のヌクレオチドは、A、G、C、またはTのうちのいずれか1つから独立して選択される。いくつかの実施形態では、第1の固定タグ配列「X1X2X3」は、複数のタグにおいて同じであるか、または異なる。いくつかの実施形態では、第2の固定タグ配列「X4X5X6」は、複数のタグにおいて同じであるか、または異なる。いくつかの実施形態では、複数のアンプリコン内の第1の固定タグ配列「X1X2X3」および第2の固定タグ配列「X4X5X6」は、配列アライメントアンカーである。
【0093】
いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列は、配列5’-NNNACTNNNTGA-3’を含み、式中、「N」は、A、G、C、またはTからランダムに生成されたランダム配列内の位置を表し、生じ得る別個のランダムタグの数は、4
6(または4^6)と計算され、約4096であり、2つのユニークタグの生じ得る異なる組み合わせの数は、4
12(または4^12)であり、約1678万である。いくつかの実施形態では、
の下線部分は、配列アライメントアンカーである。
【0094】
いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列内の固定配列は、エラーが訂正された配列決定データを生成するために使用することができる配列アライメントアンカーである。いくつかの実施形態では、ユニークタグ配列内の固定配列は、エラーが訂正された配列決定リードのファミリーを生成するために使用することができる配列アライメントアンカーである。
【0095】
キット、システム
本発明の第1または第2の態様の方法を使用する標的核酸のライブラリーの調製における使用のためのキットが、本明細書でさらに提供される。キットの実施形態は、第1の増幅生成物を生成することができる本明細書で定義される少なくとも一対の標的特異的アダプターの供給、および任意に、アダプターのユニバーサルハンドル(複数可)にアニールし、増幅生成物の合成を開始することができる増幅プライマーの少なくとも1つのユニバーサル対の供給を含み、増幅生成物は、ユニバーサル配列に連結した目的の標的配列を含む。アダプターおよび/またはプライマーは、すぐに使用できるキットにおいて、またはより好ましくは使用前に希釈が必要な濃縮物として、またはさらに使用前に再構成が必要な凍結乾燥もしくは乾燥形態で提供給され得る。特定の実施形態では、キットは、成分の希釈または再構成のための好適な希釈剤の供給をさらに含む。任意に、キットは、本明細書で提供されるライブラリーの生成において増幅、消化、修復、および/または精製を実施する際の使用のための試薬、緩衝液、酵素、dNTPなどの供給をさらに含む。かかる試薬の非限定的な例は、添付の例示の材料および方法セクションに記載されるとおりである。任意にキットにおいて供給されるさらなる成分には、提供される方法を使用して調製されたライブラリーの精製に好適な成分が含まれる。いくつかの実施形態では、5’ユニバーサルハンドル配列、3’標的特異的配列、および切断可能な基を有する複数の標的特異的アダプター、DNAポリメラーゼ、アダプター、dATP、dCTP、dGTP、dTTP、ならびに消化試薬を含む標的特異的ライブラリーを生成するためのキットが提供される。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上の抗体、修復試薬、任意に核酸バーコードを含むユニバーサルプライマー、精製溶液、またはカラムをさらに含む。
【0096】
キットに含めるためのアダプターの特定の特徴は、本発明の他の態様に関連して本明細書の他の場所に記載されるとおりである。ユニバーサル増幅プライマーの構造および特性は、当業者に周知であり、特定の分析プラットフォームに適合させるように、提供される方法および組成物と共に利用するために実装することができる(例えば、本明細書に記載されるように、ユニバーサルP1およびAプライマーは、当該技術分野において記載されており、Ion Torrentシーケンスプラットフォームでの配列決定に利用されている)。同様に、当該技術分野において記載され、知られている追加および他のユニバーサルアダプター/プライマー配列(例えば、Illuminaユニバーサルアダプター/プライマー配列、PacBioユニバーサルアダプター/プライマー配列など)は、本明細書で提供される方法および組成物と共に使用することができる。キットに含まれるアダプターと共に使用するための適切なヌクレオチド配列の好適なプライマーは、当該技術分野での日常的な使用における標準的な自動化核酸合成機器および試薬を使用して容易に調製される。キットは、1つの単一タイプのユニバーサルプライマーまたは2つの異なるユニバーサルプライマーの別個のタイプ(またはさらに混合物)、例えば、第1の増幅におけるアダプターで修飾された鋳型の増幅に好適な一対の増幅プライマーの供給を含む。キットは、本発明の方法による目的の試料の第1の増幅のための少なくとも一対のアダプターに加えて、任意に異なるタグ(バーコード)配列を有する少なくとも2つの異なる増幅プライマーを含み得、タグ(バーコード)配列は、アダプターにハイブリダイズしない。キットを使用して、少なくとも2つの異なる試料を増幅することができ、各試料は、別々に本発明の方法に従って増幅され、第2の増幅は、バーコードを有する単一のユニバーサルプライマーを使用し、次いでライブラリー調製後に調製された試料ライブラリーをプールすることを含む。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に記載される第2の増幅ステップにおける使用のための異なるユニバーサルプライマー対を含む。この文脈において、「ユニバーサル」プライマー対は、実質的に同一のヌクレオチド配列を有するが、いくつかの他の特徴または修飾に関して異なり得る。
【0097】
システム、例えば、本明細書で提供される方法を実施するために使用される、および/または本明細書で提供される組成物を含むシステムがさらに提供される。いくつかの実施形態では、システムは、自動モードで行われる方法を促進する。特定の実施形態では、システムは、高スループットモードを促進する。特定の実施形態では、システムは、例えば、流体取扱要素、流体含有要素、所望の反応温度を達成および維持するための熱源および/もしくはヒートシンク、ならびに/または必要に応じて配置する場所からシステムの構成要素を移動させることができるロボット要素(例えば、マルチウェルプレート取扱要素)を含む。
【0098】
試料
本明細書で定義されるように、「試料」およびその派生語は、その最も広い意味で使用され、標的核酸を含むことが疑われる任意の標本、培養物、および/または類似物を含む。いくつかの実施形態では、試料は、DNA、RNA、キメラ核酸、ハイブリッド核酸、多重形態の核酸、または前述の2つ以上の任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法に関連して有用な試料には、目的の1つ以上の標的核酸を含有する任意の生体、臨床、外科、農業、大気、または水ベースの標本が含まれる。いくつかの実施形態では、試料は、ヒトまたは哺乳動物供給源などの動物から得られる核酸分子を含む。別の実施形態では、試料は、植物、細菌、ウイルス、または真菌などの非哺乳動物供給源から得られる核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、核酸分子の供給源は、保管または絶滅試料または種であり得る。いくつかの実施形態では、試料は、例えば、ゲノムDNA、RNAなどの供給源から調製された単離核酸試料、または例えば、新鮮凍結もしくはホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)核酸標本などの調製試料を含む。試料が、単一個体、遺伝的に関連するメンバーからの核酸試料の集合体、遺伝的に関連しないメンバーからの複数の核酸試料、腫瘍試料および正常組織試料などの単一個体からの複数の核酸試料(一致)、または母体対象から得られる母体および胎児DNAなどの2つの異なる形態の遺伝物質を含有する単一供給源からの遺伝物質、または植物もしくは動物DNAを含有する試料中の汚染細菌DNAの存在からのものであることも想定される。いくつかの実施形態では、核酸材料の供給源は、新生児から得られる核酸(例えば、新生児スクリーニングのための血液試料)を含む。いくつかの実施形態では、提供される方法は、単一の核酸試料からの複数の標的特異的配列の増幅を含む。いくつかの実施形態では、提供される方法は、2つ以上の核酸試料または種からの2つ以上の標的配列の標的特異的増幅を含む。特定の実施形態では、提供される方法は、単一の試料からの高度に多重化された標的核酸配列の増幅を含む。特定の実施形態では、提供される方法は、それぞれ同じ供給源生物からの、複数の試料からの高度に多重化された標的核酸配列の増幅を含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、試料は、標的核酸および非標的核酸の混合物を含む。特定の実施形態では、試料は、1つ以上の標的核酸の混合物を含み、かつ1つ以上の非標的核酸を含み得る複数の初期ポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、複数のポリヌクレオチドを含む試料は、元の試料の一部分またはアリコートを含み、いくつかの実施形態では、試料は、元の試料全体である複数のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、試料は、異なる時点で同じ供給源または同じ対象から単離される複数の初期ポリヌクレオチドを含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、核酸試料は、体液からのセルフリー核酸、組織からの核酸、生検組織からの核酸、針生検からの核酸、単一の細胞からの核酸、または2つ以上の細胞からの核酸を含む。特定の実施形態では、単一の反応混合物は、1~100ngの複数の初期ポリヌクレオチドを含有する。いくつかの実施形態では、複数の初期ポリヌクレオチドは、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)試料、ゲノムDNA、RNA、セルフリーDNAもしくはRNA、循環腫瘍DNAもしくはRNA、新鮮凍結試料、または前述の2つ以上の混合物を含み、いくつかの実施形態では、複数の初期ポリヌクレオチドは、核酸参照標準を含む。いくつかの実施形態では、試料は、生検、腫瘍、擦過物、スワブ、血液、粘液、尿、血漿、精液、毛、レーザー捕捉顕微解剖体、外科的切除物、および他の臨床または実験室で得られた試料から得られた核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、試料は、疫学的、農業的、法医学的、または病原的試料である。特定の実施形態では、試料は、参照物を含む。いくつかの実施形態では、試料は、正常組織または十分に実証された腫瘍試料である。特定の実施形態では、参照物は、標準的な核酸配列(例えば、Hg19)である。
【0101】
標的核酸配列分析
提供される本発明の方法および組成物は、後続の分析のために標的配列を増幅し、任意にタグ付けし、調製するのに特に適している。よって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、得られるライブラリー調製物を分析することを含む。例えば、方法は、標的核酸のポリヌクレオチド配列の分析、および該当する場合、標的核酸に追加された任意のタグ配列(複数可)の分析を含む。複数の標的核酸領域が増幅されるいくつかの実施形態では、提供される方法は、複数の標的核酸のポリヌクレオチド配列を決定することを含む。提供される方法は、任意に、第2のタグ配列(複数可)、例えば、バーコード配列を使用して、標的配列の供給源を同定する(または試料供給源についての他の情報を提供する)ことをさらに含む。特定の実施形態では、調製されたライブラリー組成物の使用は、核酸ライブラリーの配列の分析のために提供される。
【0102】
特定の実施形態では、調製されたタグ付きライブラリー組成物の使用は、標的核酸ライブラリーの配列をさらに分析するために提供される。いくつかの実施形態では、配列の決定は、試料中の標的配列の少なくとも1つの存在量を決定することを含む。いくつかの実施形態では、試料中の低頻度対立遺伝子の決定は、核酸ライブラリーの配列の決定に含まれる。特定の実施形態では、複数のポリヌクレオチド中の変異標的核酸の存在の決定は、核酸ライブラリーの配列の決定に含まれる。いくつかの実施形態では、変異標的核酸の存在の決定は、複数のポリヌクレオチド中の少なくとも1つの変異標的核酸の存在量レベルを検出することを含む。例えば、かかる決定は、少なくとも1つの変異標的核酸が試料中に元の複数のポリヌクレオチドの0.05%~1%で存在することを検出することと、少なくとも1つの変異標的核酸が試料中にポリヌクレオチドの約1%~約5%で存在することを検出することと、および/または試料中に少なくとも85%~100%の標的核酸を検出することと、を含む。いくつかの実施形態では、変異標的核酸の存在の決定は、試料中のコピー数変動および/または遺伝子融合配列の検出および同定を含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、本開示の教示によって生成された増幅標的配列の核酸配列決定は、デノボ配列決定または標的化再配列決定を含む。いくつかの実施形態では、核酸配列決定は、増幅された標的配列の核酸配列決定結果を参照核酸配列に対して比較することをさらに含む。いくつかの実施形態では、標的ライブラリー配列の核酸配列決定は、核酸配列内の変異の有無を決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、核酸配列決定は、疾患(例えば、癌および/または遺伝性疾患)に関連する遺伝子マーカーの同定を含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、開示される方法の標的配列の調製されたライブラリーは、さらなる精製または操作の有無にかかわらず、様々な下流の分析またはアッセイにおいて使用される。いくつかの実施形態では、分析は、従来のシーケンシング反応、高スループット次世代シーケンシング、標的化多重アレイ配列検出、または前述の2つ以上の任意の組み合わせによる配列決定を含む。特定の実施形態では、分析は、高スループット次世代シーケンシングによって行われる。特定の実施形態では、配列決定は、双方向様式で行われ、それにより任意の所定のアンプリコンについて順方向鎖および逆方向鎖の両方で配列リードを生成する。
【0105】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法に従って調製されたライブラリーは、次いで追加の分析のためにさらに操作される。例えば、調製されたライブラリー配列は、ブリッジ増幅またはemPCRなどの当該技術分野において知られる下流富化技法において使用され、次いで次世代シーケンシングにおいて使用される鋳型ライブラリーを生成する。いくつかの実施形態では、標的核酸ライブラリーは、富化用途および配列決定用途において使用される。例えば、提供される標的核酸ライブラリーの配列決定は、任意の好適なDNA配列決定プラットフォームを使用して達成される。いくつかの実施形態では、開示される方法または後続して調製された鋳型ライブラリーのライブラリー配列は、一塩基多型(SNP)分析、遺伝子型決定またはエピジェネティック分析、コピー数変動分析、遺伝子発現分析、これらに限定されないが、希少または低頻度対立遺伝子変異の検出、予後および/または診断、検出、ならびに分析を含む遺伝子変異の分析、これらに限定されないが、デノボ配列決定、標的化再配列決定、および合成アセンブリ分析を含む核酸配列決定に使用される。一実施形態では、調製されたライブラリー配列は、5%未満の対立遺伝子頻度で変異を検出するために使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、4%、3%、2%未満、または約1%の対立遺伝子頻度で核酸の集団における変異を検出するために使用される。別の実施形態では、本明細書に記載されるように調製されたライブラリーは、核酸分子の集団から生殖系列または体細胞変異を検出および/または同定するために配列決定される。特定の実施形態では、配列決定アダプターは、調製されたライブラリーの末端に連結され、核酸配列決定に好適な複数のライブラリーを生成する。
【0106】
いくつかの実施形態では、標的特異的アンプリコンライブラリーを調製するための方法は、核酸配列決定またはクローン増幅などの様々な下流プロセスまたはアッセイにおける使用のために提供される。いくつかの実施形態では、ライブラリーは、核酸配列決定に好適な複数のクローン鋳型を生成するためにブリッジ増幅またはemPCRを使用して増幅される。例えば、任意に標的特異的増幅に続いて、これらに限定されないが、ライブラリー増幅ステップおよび/またはクローン増幅ステップを含む、二次および/または三次増幅プロセスが行われる。「クローン増幅」とは、個々の分子の多数のコピーの生成を指す。当該技術分野において知られる種々の方法は、クローン増幅のために使用される。例えば、エマルジョンPCRは、1つの方法であり、個々のDNA分子を油相内の水泡中のプライマーでコーティングされたビーズと共に単離することを含む。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、次いで各ビーズを単離されたライブラリー分子のクローンコピーでコーティングし、これらのビーズはその後の配列決定のために続いて固定化される。エマルジョンPCRは、Marguilis et al.およびShendure and Porreca et al.(「ポロニー配列決定」としても知られ、Agencourtによって商業化され、最近Applied Biosystemsによって買収された)、Margulies,et al.(2005)Nature 437:376-380、Shendure et al.,Science 309(5741)1728-1732によって公開される方法において使用される。クローン増幅のための別の方法は、「ブリッジPCR」であり、断片が固体表面に付着したプライマーで増幅される。これらの方法は、クローン増幅の他の方法と同様に、それぞれが単一分子ポリヌクレオチド断片に由来する多数のコピーを含有する多数の物理的に単離された場所を生成する。よって、いくつかの実施形態では、1つ以上の標的特異的アンプリコンは、例えば、核酸配列決定に好適な複数のクローン鋳型を生成するためにブリッジ増幅またはemPCRを使用して増幅される。
【0107】
いくつかの実施形態では、クローン的に増幅されるライブラリー配列の少なくとも1つは、支持体または粒子に付着している。支持体は、任意の好適な材料で構成することができ、例えば、平面、回転楕円体、または微粒子を含む、任意の好適な形状を有することができる。いくつかの実施形態では、支持体は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2010/0304982号に記載される足場ポリマー粒子である。特定の実施形態では、方法は、ライブラリー配列の富化集団の少なくとも一部分を支持体(例えば、配列決定支持体)上に堆積させることを含み、支持体は、一連のシーケンシング反応部位を含む。いくつかの実施形態では、ライブラリー配列の富化集団は、支持体上のシーケンシング反応部位に付着しており、支持体は、一連の102~1010個のシーケンシング反応部位を含む。
【0108】
配列決定は、核酸の配列に関する情報の決定を意味し、核酸の部分および完全配列情報の同定または決定を含み得る。配列情報は、異なる程度の統計的確実性または信頼性で決定され得る。いくつかの実施形態では、配列分析は、qPCR、rtPCR、および/または当該技術分野において知られるアレイハイブリダイゼーション検出方法論などによる高スループット、低深度検出を含む。いくつかの実施形態では、配列決定分析は、Sangerシーケンシングまたは他の高スループット次世代シーケンシング法などによる詳細な配列評価の決定を含む。次世代シーケンシングとは、多数(典型的には数千~数十億)の核酸配列を本質的に大規模な並列様式で決定する方法を使用した配列決定を意味し、例えば、多数の配列は、例えば、並列で、またはあるいは、それ自体が並列化され得る超高スループット連続プロセスを使用して読み出される。よって、特定の実施形態では、本発明の方法は、大規模並列配列決定を含む配列決定分析を含む。かかる方法は、これらに限定されないが、パイロシーケンシング(例えば、454 Life Sciences,Inc.,Branford,Conn.によって商業化される)、連結による配列決定(例えば、SOLiD(商標)技術、Life Technologies,Inc.,Carlsbad,Calif.で商業化される)、修飾ヌクレオチドを使用した合成による配列決定(Illumina,Inc.,San Diego,Calif.によるTruSeq(商標)およびHiSeg(商標)技術、Helicos Biosciences Corporation,Cambridge,Mass.によるHeliScope(商標)、ならびにPacific Biosciences of California,Inc.,Menlo Park,Calif.によるPacBio Sequel(登録商標)またはRSシステムで商業化されるもの)、イオン検出技術による配列決定(例えば、Ion Torrent(商標)技術、Life Technologies,Carlsbad,Calif.)、DNAナノボールの配列決定(Complete Genomics,Inc.,Mountain View,Calif.)、ナノポアベースの配列決定技術(例えば、Oxford Nanopore Technologies,LTD,Oxford,UKによって開発される)、および同様の高度に並列化された配列決定法を含む。
【0109】
例えば、特定の実施形態では、本開示の教示により生成されたライブラリーは、Ion Torrent(商標)PGMシステム(例えば、核酸断片ライブラリーのIon Sphere(商標)粒子上へのPCR媒介付加)(Life Technologies、Part No.4467389)またはIon Torrent Proton(商標)システムを使用するIon Xpress(商標)鋳型キットを含む様々な下流の用途において使用されるのに十分な収率である。例えば、アンプリコンライブラリーから鋳型ライブラリーを調製するための指示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Ion Xpress Template Kit User Guide(Life Technologies、Part No.4465884)に見つけることができる。核酸配列決定のために後続の鋳型ライブラリーをIon Torrent(商標)チップに装填するための指示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Ion Sequencing User Guide(Part No.4467391)に記載される。同様に、他のプラットフォーム(例えば、PacBio、Illumina、Helicos、Complete Genomics、Oxford Nanopore)を使用した配列決定は、それぞれのプラットフォームのそれぞれで提供される指示およびガイダンスに従って、関連する鋳型調製を組み込むための適合された方法論を使用して行われ得る。
【0110】
シーケンシング反応の開始点は、配列決定プライマーを固相増幅反応の生成物にアニールすることにより提供され得る。これに関して、鋳型ライブラリーの形成中に追加されるアダプターの一方または両方は、鋳型ライブラリーの全ゲノムまたは固相増幅に由来する増幅生成物への配列決定プライマーのアニーリングを可能にするヌクレオチド配列を含み得る。本発明の実施形態の実装に応じて、タグ配列および/または標的核酸配列は、単一の配列決定プライマーからの単一のリード、または2つの異なる配列決定プライマーからの複数のリードにおいて決定され得る。2つの配列決定プライマーからの2つのリードの場合、「タグリード」および「標的配列リード」は、第1の配列決定リードが完了した後にアニールされたプライマーを除去するための好適な変性ステップと共に、いずれかの順序で行われる。
【0111】
いくつかの実施形態では、シーケンサーは、増幅された標的核酸分子の配列を決定するためにパラメータまたはソフトウェアを適用するサーバーに結合される。特定の実施形態では、シーケンサーは、試料中に存在する低頻度変異対立遺伝子の存在を決定するためにパラメータまたはソフトウェアを適用するサーバーに結合される。
【0112】
実施形態
一実施形態では、標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法が提供され、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、ギャップのある二本鎖アンプリコンを生成し、次いで部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅することと、を含み、複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と標的核酸配列と切断可能な部分とを含み、少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が含まれ、アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まない。任意に、1つ以上のタグ配列が複数のアダプターのそれぞれに含まれる。かかる方法は、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成する。いくつかの実施形態では、消化および修復は、単一ステップで行われる。特定の実施形態では、消化における複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物は、消化および修復試薬と同時に接触させる。他の実施形態では、消化および修復ステップは、異なる温度で時間的に離れて行われる。特定の実施形態では、消化における複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物は、消化および修復試薬と順次に接触させる。いくつかの実施形態では、方法ステップの1つ以上は、手動モードもしくは自動モード、またはそれらの組み合わせで行われる。特定の実施形態では、方法ステップのそれぞれは、自動モードで行われる。いくつかの実施形態では、前述の方法は、少なくとも1つの精製ステップをさらに含む。特定の実施形態では、精製ステップは、第2のユニバーサル増幅ステップ後にのみ行われる。他の特定の実施形態では、精製は消化および修復ステップ後に行われ、追加の精製は第2のユニバーサル増幅後に行われる。実施形態のいくつかでは、第1の増幅から得られるアダプター-ダイマー副生成物は、得られるライブラリーから除去され、いくつかの実施形態では、増幅された標的核酸の富化集団は、低減した量のアダプター-ダイマー副生成物を含有する。特定の実施形態では、アダプター-ダイマー副生成物が排除される。前述の方法では、1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターは、少なくとも2つの異なる標的核酸配列の増幅が可能なアダプター対のマルチプレックスを含む。いくつかの実施形態では、複数のアダプターの各標的特異的対は、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なるアダプターの組み合わせを含む。特定の実施形態では、生成された各標的特異的アンプリコン配列は、少なくとも1個の異なる配列および最大107個の異なる配列を含む。いくつかの実施形態では、前述の方法は、標的核酸配列の得られるライブラリーの配列を分析することをさらに含む。かかる分析は、従来のシーケンシング反応、高スループット次世代シーケンシング、標的化多重アレイ配列検出、または前述の2つ以上の任意の組み合わせによる配列決定を含む。他の実施形態では、前述の方法は、試料中の標的核酸配列の少なくとも1つの存在量を決定することをさらに含む。かかる決定は、特定の実施形態では高スループット次世代シーケンシングによって行われる。特定の実施形態では、かかる配列決定は、双方向様式で行われ、それにより任意の所定のアンプリコンについて順方向鎖および逆方向鎖の両方で配列リードを生成する。いくつかの実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化試薬を含む。いくつかの実施形態では、前述の方法は、Phusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/もしくはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、ならびに/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される修復試薬を含む。特定の実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化および修復試薬を含む。より特定の実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、Phusion U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T4 PNKおよびT7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化および修復試薬を含む。好ましい実施形態では、前述の方法は、核酸ライブラリーを含む組成物を生成する。特に好ましい実施形態では、核酸ライブラリーを含む生成された組成物は、配列の分析に有用である。具体的な実施形態では、使用は、試料中の低頻度対立遺伝子(複数可)の決定を含む。
【0113】
一実施形態では、標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法が提供され、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、ギャップのある二本鎖アンプリコンを生成し、次いで部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅することと、を含み、複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と標的核酸配列と切断可能な部分とを含み、タグ配列が少なくとも1つのアダプターに含まれ、切断可能な部分がタグ配列のいずれかの末端に隣接して含まれ、少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が含まれ、アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まない。かかる方法は、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成する。いくつかの実施形態では、消化および修復は、単一ステップで行われる。特定の実施形態では、消化における複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物は、消化および修復試薬と同時に接触させる。他の実施形態では、消化および修復ステップは、異なる温度で時間的に離れて行われる。特定の実施形態では、消化における複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物は、消化および修復試薬と順次に接触させる。いくつかの実施形態では、方法ステップの1つ以上は、手動モードもしくは自動モード、またはそれらの組み合わせで行われる。特定の実施形態では、方法ステップのそれぞれは、自動モードで行われる。いくつかの実施形態では、前述の方法は、少なくとも1つの精製ステップをさらに含む。特定の実施形態では、精製ステップは、第2のユニバーサル増幅ステップ後にのみ行われる。他の特定の実施形態では、精製は消化および修復ステップ後に行われ、追加の精製は第2のユニバーサル増幅後に行われる。実施形態のいくつかでは、第1の増幅から得られるアダプター-ダイマー副生成物は、得られるライブラリーから除去され、いくつかの実施形態では、増幅された標的核酸の富化集団は、低減した量のアダプター-ダイマー副生成物を含有する。特定の実施形態では、アダプター-ダイマー副生成物が排除される。前述の方法では、1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターは、少なくとも2つの異なる標的核酸配列の増幅が可能なアダプター対のマルチプレックスを含む。いくつかの実施形態では、複数のアダプターの各標的特異的対は、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なるアダプターの組み合わせを含む。特定の実施形態では、生成された各標的特異的アンプリコン配列は、少なくとも1個の異なる配列および最大107個の異なる配列を含む。いくつかの実施形態では、前述の方法は、標的核酸配列の得られるライブラリーの配列を分析することをさらに含む。かかる分析は、従来のシーケンシング反応、高スループット次世代シーケンシング、標的化多重アレイ配列検出、または前述の2つ以上の任意の組み合わせによる配列決定を含む。他の実施形態では、前述の方法は、試料中の標的核酸配列の少なくとも1つの存在量を決定することをさらに含む。かかる決定は、特定の実施形態では高スループット次世代シーケンシングによって行われる。特定の実施形態では、かかる配列決定は、双方向様式で行われ、それにより任意の所定のアンプリコンについて順方向鎖および逆方向鎖の両方で配列リードを生成する。いくつかの実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化試薬を含む。いくつかの実施形態では、前述の方法は、Phusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/もしくはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、ならびに/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される修復試薬を含む。特定の実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化および修復試薬を含む。より特定の実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、Phusion U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T4 PNKおよびT7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化および修復試薬を含む。好ましい実施形態では、前述の方法は、核酸ライブラリーを含む組成物を生成する。特に好ましい実施形態では、核酸ライブラリーを含む生成された組成物は、配列の分析に有用である。具体的な実施形態では、使用は、試料中の低頻度対立遺伝子(複数可)の決定を含む。
【0114】
一実施形態では、標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法が提供され、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、ギャップのある二本鎖アンプリコンを生成し、次いで部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅することと、を含み、複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と標的核酸配列と切断可能な部分とを含み、少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が含まれ、アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まず、各ユニバーサル配列の融解温度は、存在する各標的核酸配列および各タグ配列の融解温度よりも高い。任意に、1つ以上のタグ配列が複数のアダプターのそれぞれに含まれる。かかる方法は、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成する。いくつかの実施形態では、消化および修復は、単一ステップで行われる。特定の実施形態では、消化における複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物は、消化および修復試薬と同時に接触させる。他の実施形態では、消化および修復ステップは、異なる温度で時間的に離れて行われる。特定の実施形態では、消化における複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物は、消化および修復試薬と順次に接触させる。いくつかの実施形態では、方法ステップの1つ以上は、手動モードもしくは自動モード、またはそれらの組み合わせで行われる。特定の実施形態では、方法ステップのそれぞれは、自動モードで行われる。いくつかの実施形態では、前述の方法は、少なくとも1つの精製ステップをさらに含む。特定の実施形態では、精製ステップは、第2のユニバーサル増幅ステップ後にのみ行われる。他の特定の実施形態では、精製は消化および修復ステップ後に行われ、追加の精製は第2のユニバーサル増幅後に行われる。実施形態のいくつかでは、第1の増幅から得られるアダプター-ダイマー副生成物は、得られるライブラリーから除去され、いくつかの実施形態では、増幅された標的核酸の富化集団は、低減した量のアダプター-ダイマー副生成物を含有する。特定の実施形態では、アダプター-ダイマー副生成物が排除される。前述の方法では、1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターは、少なくとも2つの異なる標的核酸配列の増幅が可能なアダプター対のマルチプレックスを含む。いくつかの実施形態では、複数のアダプターの各標的特異的対は、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なるアダプターの組み合わせを含む。特定の実施形態では、生成された各標的特異的アンプリコン配列は、少なくとも1個の異なる配列および最大107個の異なる配列を含む。いくつかの実施形態では、前述の方法は、標的核酸配列の得られるライブラリーの配列を分析することをさらに含む。かかる分析は、従来のシーケンシング反応、高スループット次世代シーケンシング、標的化多重アレイ配列検出、または前述の2つ以上の任意の組み合わせによる配列決定を含む。他の実施形態では、前述の方法は、試料中の標的核酸配列の少なくとも1つの存在量を決定することをさらに含む。かかる決定は、特定の実施形態では高スループット次世代シーケンシングによって行われる。特定の実施形態では、かかる配列決定は、双方向様式で行われ、それにより任意の所定のアンプリコンについて順方向鎖および逆方向鎖の両方で配列リードを生成する。いくつかの実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化試薬を含む。いくつかの実施形態では、前述の方法は、Phusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/もしくはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、ならびに/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される修復試薬を含む。特定の実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化および修復試薬を含む。より特定の実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、Phusion U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T4 PNKおよびT7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化および修復試薬を含む。好ましい実施形態では、前述の方法は、核酸ライブラリーを含む組成物を生成する。特に好ましい実施形態では、核酸ライブラリーを含む生成された組成物は、配列の分析に有用である。具体的な実施形態では、使用は、試料中の低頻度対立遺伝子(複数可)の決定を含む。
【0115】
一実施形態では、標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法が提供され、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、ギャップのある二本鎖アンプリコンを生成し、次いで部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅することと、を含み、複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と標的核酸配列と切断可能な部分とを含み、少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が含まれ、アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まない。任意に、1つ以上のタグ配列が複数のアダプターのそれぞれに含まれる。かかる方法は、単一の追加のみのワークフロー反応において行われ、高度に多重化された標的とされたライブラリーの迅速な生成を可能にし、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成する。いくつかの実施形態では、消化および修復は、単一ステップで行われる。特定の実施形態では、消化における複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物は、消化および修復試薬と同時に接触させる。他の実施形態では、消化および修復ステップは、異なる温度で時間的に離れて行われる。特定の実施形態では、消化における複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物は、消化および修復試薬と順次に接触させる。いくつかの実施形態では、方法ステップの1つ以上は、手動モードもしくは自動モード、またはそれらの組み合わせで行われる。特定の実施形態では、方法ステップのそれぞれは、自動モードで行われる。いくつかの実施形態では、前述の方法は、少なくとも1つの精製ステップをさらに含む。特定の実施形態では、精製ステップは、第2のユニバーサル増幅ステップ後にのみ行われる。他の特定の実施形態では、精製は消化および修復ステップ後に行われ、追加の精製は第2のユニバーサル増幅後に行われる。実施形態のいくつかでは、第1の増幅から得られるアダプター-ダイマー副生成物は、得られるライブラリーから除去され、いくつかの実施形態では、増幅された標的核酸の富化集団は、低減した量のアダプター-ダイマー副生成物を含有する。特定の実施形態では、アダプター-ダイマー副生成物が排除される。前述の方法では、1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターは、少なくとも2つの異なる標的核酸配列の増幅が可能なアダプター対のマルチプレックスを含む。いくつかの実施形態では、複数のアダプターの各標的特異的対は、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なるアダプターの組み合わせを含む。特定の実施形態では、生成された各標的特異的アンプリコン配列は、少なくとも1個の異なる配列および最大107個の異なる配列を含む。いくつかの実施形態では、前述の方法は、標的核酸配列の得られるライブラリーの配列を分析することをさらに含む。かかる分析は、従来のシーケンシング反応、高スループット次世代シーケンシング、標的化多重アレイ配列検出、または前述の2つ以上の任意の組み合わせによる配列決定を含む。他の実施形態では、前述の方法は、試料中の標的核酸配列の少なくとも1つの存在量を決定することをさらに含む。かかる決定は、特定の実施形態では高スループット次世代シーケンシングによって行われる。特定の実施形態では、かかる配列決定は、双方向様式で行われ、それにより任意の所定のアンプリコンについて順方向鎖および逆方向鎖の両方で配列リードを生成する。いくつかの実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化試薬を含む。いくつかの実施形態では、前述の方法は、Phusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/もしくはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、ならびに/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される修復試薬を含む。特定の実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化および修復試薬を含む。より特定の実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、Phusion U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T4 PNKおよびT7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化および修復試薬を含む。好ましい実施形態では、前述の方法は、核酸ライブラリーを含む組成物を生成する。特に好ましい実施形態では、核酸ライブラリーを含む生成された組成物は、配列の分析に有用である。具体的な実施形態では、使用は、試料中の低頻度対立遺伝子(複数可)の決定を含む。
【0116】
一実施形態では、標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法が提供され、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、ギャップのある二本鎖アンプリコンを生成し、次いで部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅することと、を含み、複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列と標的核酸配列と切断可能な部分とを含み、アダプターの全ては、タグ配列のいずれかの末端に隣接する切断可能な基を有するタグ配列を含み、少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が含まれ、アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まない。かかる方法は、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成する。いくつかの実施形態では、消化および修復は、単一ステップで行われる。特定の実施形態では、消化における複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物は、消化および修復試薬と同時に接触させる。他の実施形態では、消化および修復ステップは、異なる温度で時間的に離れて行われる。特定の実施形態では、消化における複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物は、消化および修復試薬と順次に接触させる。いくつかの実施形態では、方法ステップの1つ以上は、手動モードもしくは自動モード、またはそれらの組み合わせで行われる。特定の実施形態では、方法ステップのそれぞれは、自動モードで行われる。いくつかの実施形態では、前述の方法は、少なくとも1つの精製ステップをさらに含む。特定の実施形態では、精製ステップは、第2のユニバーサル増幅ステップ後にのみ行われる。他の特定の実施形態では、精製は消化および修復ステップ後に行われ、追加の精製は第2のユニバーサル増幅後に行われる。実施形態のいくつかでは、第1の増幅から得られるアダプター-ダイマー副生成物は、得られるライブラリーから除去され、いくつかの実施形態では、増幅された標的核酸の富化集団は、低減した量のアダプター-ダイマー副生成物を含有する。特定の実施形態では、アダプター-ダイマー副生成物が排除される。前述の方法では、1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターは、少なくとも2つの異なる標的核酸配列の増幅が可能なアダプター対のマルチプレックスを含む。いくつかの実施形態では、複数のアダプターの各標的特異的対は、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なるアダプターの組み合わせを含む。特定の実施形態では、生成された各標的特異的アンプリコン配列は、少なくとも1個の異なる配列および最大107個の異なる配列を含む。いくつかの実施形態では、前述の方法は、標的核酸配列の得られるライブラリーの配列を分析することをさらに含む。かかる分析は、従来のシーケンシング反応、高スループット次世代シーケンシング、標的化多重アレイ配列検出、または前述の2つ以上の任意の組み合わせによる配列決定を含む。他の実施形態では、前述の方法は、試料中の標的核酸配列の少なくとも1つの存在量を決定することをさらに含む。かかる決定は、特定の実施形態では高スループット次世代シーケンシングによって行われる。特定の実施形態では、かかる配列決定は、双方向様式で行われ、それにより任意の所定のアンプリコンについて順方向鎖および逆方向鎖の両方で配列リードを生成する。いくつかの実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化試薬を含む。いくつかの実施形態では、前述の方法は、Phusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/もしくはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、ならびに/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される修復試薬を含む。特定の実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化および修復試薬を含む。より特定の実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、Phusion U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T4 PNKおよびT7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化および修復試薬を含む。好ましい実施形態では、前述の方法は、核酸ライブラリーを含む組成物を生成する。特に好ましい実施形態では、核酸ライブラリーを含む生成された組成物は、配列の分析に有用である。具体的な実施形態では、使用は、試料中の低頻度対立遺伝子(複数可)の決定を含む。
【0117】
一実施形態では、標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法が提供され、標的核酸(複数可)が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を試料における1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターと接触させることと、得られる第1の増幅生成物を消化して、得られるプライマーダイマーを低減または排除し、部分的に消化された標的アンプリコンを調製し、ギャップのある二本鎖アンプリコンを生成し、次いで部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅することと、を含み、複数のアダプターのそれぞれは、ユニバーサルハンドル配列、1つ以上のタグ配列、標的核酸配列、および切断可能な部分を含み、少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が含まれ、アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、切断可能な部分がタグ配列の隣接するいずれかの末端に含まれ、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まない。特定の実施形態では、各ユニバーサル配列の融解温度は、存在する各標的核酸配列および各タグ配列の融解温度よりも高い。かかる方法は、それにより標的核酸配列のライブラリーを生成する。特定の実施形態では、かかる方法は、単一の追加のみのワークフロー反応において行われ、高度に多重化された標的とされたライブラリーの迅速な生成を可能にする。いくつかの実施形態では、消化および修復は、単一ステップで行われる。特定の実施形態では、消化における複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物は、消化および修復試薬と同時に接触させる。他の実施形態では、消化および修復ステップは、異なる温度で時間的に離れて行われる。特定の実施形態では、消化における複数のギャップのあるポリヌクレオチド生成物は、消化および修復試薬と順次に接触させる。いくつかの実施形態では、方法ステップの1つ以上は、手動モードもしくは自動モード、またはそれらの組み合わせで行われる。特定の実施形態では、方法ステップのそれぞれは、自動モードで行われる。いくつかの実施形態では、前述の方法は、少なくとも1つの精製ステップをさらに含む。特定の実施形態では、精製ステップは、第2のユニバーサル増幅ステップ後にのみ行われる。他の特定の実施形態では、精製は消化および修復ステップ後に行われ、追加の精製は第2のユニバーサル増幅後に行われる。実施形態のいくつかでは、第1の増幅から得られるアダプター-ダイマー副生成物は、得られるライブラリーから除去され、いくつかの実施形態では、増幅された標的核酸の富化集団は、低減した量のアダプター-ダイマー副生成物を含有する。特定の実施形態では、アダプター-ダイマー副生成物が排除される。前述の方法では、2つ以上の標的核酸配列の増幅が可能な複数のアダプターは、標的核酸配列の増幅が可能なアダプター対のマルチプレックスを含む。特定の実施形態では、アダプターの全ては、タグ配列のいずれかの末端に隣接する切断可能な基を有するタグ配列を含む。いくつかの実施形態では、複数のアダプターの各標的特異的対は、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なるアダプターの組み合わせを含む。特定の実施形態では、生成された各標的特異的アンプリコン配列は、少なくとも1個の異なる配列および最大107個の異なる配列を含む。いくつかの実施形態では、前述の方法は、標的核酸配列の得られるライブラリーの配列を分析することをさらに含む。かかる分析は、従来のシーケンシング反応、高スループット次世代シーケンシング、標的化多重アレイ配列検出、または前述の2つ以上の任意の組み合わせによる配列決定を含む。他の実施形態では、前述の方法は、試料中の標的核酸配列の少なくとも1つの存在量を決定することをさらに含む。かかる決定は、特定の実施形態では高スループット次世代シーケンシングによって行われる。特定の実施形態では、かかる配列決定は、双方向様式で行われ、それにより任意の所定のアンプリコンについて順方向鎖および逆方向鎖の両方で配列リードを生成する。いくつかの実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化試薬を含む。いくつかの実施形態では、前述の方法は、Phusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/もしくはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、ならびに/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される修復試薬を含む。特定の実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化および修復試薬を含む。より特定の実施形態では、前述の方法は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、Phusion U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T4 PNKおよびT7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせから選択される消化および修復試薬を含む。好ましい実施形態では、前述の方法は、核酸ライブラリーを含む組成物を生成する。特に好ましい実施形態では、核酸ライブラリーを含む生成された組成物は、配列の分析に有用である。具体的な実施形態では、使用は、試料中の低頻度対立遺伝子(複数可)の決定を含む。
【0118】
一実施形態では、複数の核酸アダプターを含む組成物が提供され、複数のアダプターのそれぞれは、5’ユニバーサルハンドル配列、1つ以上のタグ配列、および3’標的核酸配列を含み、各アダプターは、切断可能な部分を含み、アダプターの標的核酸配列は、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、切断可能な部分は、タグ配列のいずれかの末端に隣接して含まれ、ユニバーサルハンドル配列は、切断可能な部分を含まず、少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が含まれる。いくつかの実施形態では、各アダプターユニバーサル配列の融解温度は、同じアダプターに存在する各標的核酸配列および各タグ配列の融解温度よりも高い。提供される組成物は、高度に多重化された標的とされたライブラリーの迅速な生成を可能にする。特定の実施形態では、組成物は、少なくとも2つの異なる標的核酸配列の増幅が可能なアダプター対のマルチプレックスを含む。特定の実施形態では、複数のアダプターの各標的特異的対は、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なるアダプターの組み合わせを含む。特定の実施形態では、組成物は、複数のアダプターの標的特異的対により生成される各標的特異的アンプリコンをそれぞれ生成し、少なくとも1個の異なる配列および最大107個の異なる配列を生成する。前述の組成物はアダプターを含み、それらは一本鎖または二本鎖である。さらに追加の実施形態は、前述の実施形態のいずれかのアダプター組成物を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、かかるキットは、増幅試薬、消化試薬、および修復試薬のいずれか1つ以上をさらに含む。特定の実施形態では、かかるキットは、増幅試薬、消化試薬、および修復試薬をさらに含む。
【0119】
例証
実施例1
本発明の提供される方法は、迅速な高度に多重化されたPCRを可能にする合理化された手順を含む。
図1を参照されたい。本発明は、所望に応じて、1つ以上のユニークタグ配列の組み込みを任意に可能にする。本発明の例示的な方法は、以下のプロトコルを含む。
【0120】
実施例1A
材料および方法
RNAおよびDNAが分析される試料において任意の逆転写(RT)反応法(10uL反応)が行われ得る。
【0121】
材料
2uL 5x SuperScript(商標)VILO(商標)(Thermo Fisher Scientific)ミックスをマイクロチューブまたはマイクロウェルに加え、≦20ngのDNA+RNA試料(総核酸(TNA)の約1%RNA試料)の総量について≦8uLのDNA+RNA試料の体積であり、
ヌクレアーゼフリーH2Oを上記チューブ/ウェルに加えて、総反応物体積を10uLにする。
【0122】
方法:
42C30分間
85C1分間
4C保持(無期限)
【0123】
増幅:
材料
ul dH2O(~30ul最終)
ul 20ngゲノムDNA試料
48nM アダプターのパネル
15ul PhusionU多重PCRマスターミックス
2.4ul 2u/ul Phusion U DNAポリメラーゼ
増幅:
98C2分間
以下の3サイクル:
98C30秒間
64C2分間
62C2分間
60C4分間
58C2分間
72C30秒間
72C2分間
4C保持(無期限)。
【0124】
消化、フィルイン、連結:
材料
2ul (5u/ul) UDG、
4ul (10u/ul) FPG
0.5ul (10u/ul) T4 PNK
1ul (3000u/ul) T7リガーゼ
1ul (10mM) ATP。
【0125】
方法
上記材料を混合し、反応混合物に加える。
インキュベート:
30C20分間
55C20分間
25C10分間
98C2分間
4C保持(無期限)
【0126】
得られる修復試料は、35ul Ampure(登録商標)ビーズ(Beckman Coulter,Inc.)を製造業者の指示に従って使用して精製される。
【0127】
増幅:
材料
任意にバーコード配列を含有する、各P1およびAユニバーサルプライマーについて1ul(Ion Xpress(商標)アダプター、Thermo Fisher Scientific)
方法
インキュベート:
98C2分間
22サイクル
98C15秒間
64C15秒間
72C15秒間
72C5分間
4C保持(無期限)
【0128】
得られる試料は、35ul Ampure(登録商標)ビーズ(Beckman Coulter,Inc.)を製造業者の指示に従って使用して精製される。任意に、精製ステップは、1X~2X繰り返される。
【0129】
実施例1B
材料および方法
RNAおよびDNAが分析される試料において任意の逆転写(RT)反応法(10uL反応)が行われ得る。
【0130】
材料
2uL 5x SuperScript(商標)VILO(商標)(Thermo Fisher Scientific)ミックスをマイクロチューブまたはマイクロウェルに加え、≦20ngのDNA+RNA試料(総核酸(TNA)の約1%RNA試料)の総量について≦8uLのDNA+RNA試料の体積であり、
ヌクレアーゼフリーH2Oを上記チューブ/ウェルに加えて、総反応物体積を10uLにする。
【0131】
方法:
42C30分間
85C1分間
4C保持(無期限)
【0132】
増幅:
材料
ul dH2O(~30ul最終)
ul 20ngゲノムDNA試料
48 nM アダプターのパネル
15ul PhusionU多重PCRマスターミックス
2.4ul 2u/ul Phusion U DNAポリメラーゼ
増幅:
98C2分間
以下の3サイクル:
98C30秒間
64C2分間
62C2分間
60C4分間
58C2分間
72C30秒間
72C2分間
4C保持(無期限)。
【0133】
消化、フィルイン、連結:
材料
2ul (5u/ul) UDG、
4ul (10u/ul) APE1
0.5ul (1u/ul) Taqポリメラーゼ
1ul (3000u/ul) T7リガーゼ
1ul (10mM) ATP。
【0134】
方法
上記材料を混合し、反応混合物に加える。
インキュベート:
30C20分間
55C20分間
25C10分間
98C2分間
4C保持(無期限)
【0135】
増幅:
材料
任意にバーコード配列を含有する、各P1およびAユニバーサルプライマーについて1ul(Ion Xpress(商標)アダプター、Thermo Fisher Scientific)
方法
インキュベート:
98C2分間
22サイクル
98C15秒間
64C15秒間
72C15秒間
72C5分間
4C保持(無期限)
【0136】
得られる試料は、35ul Ampure(登録商標)ビーズ(Beckman Coulter,Inc.)を製造業者の指示に従って使用して精製される。任意に、精製ステップは、1X~2X繰り返され得る。
【0137】
実施例1C
材料および方法
RNAおよびDNAが分析される試料において任意の逆転写(RT)反応法(10uL反応)が行われ得る。
【0138】
材料
2uL 5x SuperScript(商標)VILO(商標)(Thermo Fisher Scientific)ミックスをマイクロチューブまたはマイクロウェルに加え、≦20ngのDNA+RNA試料(総核酸(TNA)の約1%RNA試料)の総量について≦8uLのDNA+RNA試料の体積であり、
ヌクレアーゼフリーH2Oを上記チューブ/ウェルに加えて、総反応物体積を10uLにする。
【0139】
方法:
42C30分間
85C1分間
4C保持(無期限)
【0140】
増幅:
材料
__ul dH2O(~30ul最終)
__ul ゲノムDNA試料(約20ng)
6ul アダプターパネル250nM
15ul PhusionU 多重PCRマスターミックス(F-562)
3.0ul 2u/ul SuperFiU DNAポリメラーゼ
増幅
96ウェルプレートウェルにおいて反応中の材料の混合物をアセンブルし、以下の方法を使用して増幅する。
99C2分間
以下の3サイクル:
99C30秒間
64C2分間
62C2分間
60C4分間
58C2分間
72C30秒間
72C2分間
4C保持(無期限)
【0141】
消化、フィルイン、連結:
材料
0.1ul VIP Oligo 10uM(P/N 4385451Thermo Fisher Scientific,Inc.)
2ul (5u/ul)UDG
4ul (10u/ul)APE1(NEB、M0282L)
0.5ul (1u/ul)Taqポリメラーゼ(EP0404)
1ul (3000u/ul)T7リガーゼ(NEB M0318L)
1ul (10mM)ATP
【0142】
方法
上記材料を混合し、反応混合物に加える
インキュベート:
30C15分間
50C15分間
55C15分間
25C10分間
98C2分間
4C保持(無期限)
【0143】
増幅
材料
任意にバーコード配列を含有する各P1およびA-バーコード-ユニバーサルプライマーについて1ul(Ion Xpress(商標)アダプター、Thermo Fisher Scientific)
方法
反応ウェルに上記材料を加え、増幅する。
99C2分間
20サイクル:
99C20秒間
64C20秒間
72C20秒間
72C5分間
4C保持(無期限)
【0144】
得られる試料は、1X Ampure(登録商標)ビーズ(Beckman Coulter,Inc.)を製造業者の指示に従って使用して精製される。任意に、精製ステップは、1X~2X繰り返され得る。
【0145】
実施例1D
材料および方法
RNAおよびDNAが分析される試料において任意の逆転写(RT)反応法(10uL反応)が行われ得る。
【0146】
材料
2uL 5x SuperScript(商標)VILO(商標)(Thermo Fisher Scientific)ミックスをマイクロチューブまたはマイクロウェルに加え、≦20ngのDNA+RNA試料(総核酸(TNA)の約1%RNA試料)の総量について≦8uLのDNA+RNA試料の体積であり、
ヌクレアーゼフリーH2Oを上記チューブ/ウェルに加えて、総反応物体積を10uLにする。
【0147】
方法:
42C30分間
85C1分間
4C保持(無期限)
【0148】
増幅:
材料
_x_ul ヌクレアーゼフリーdH2O(x~30ul最終)
_y_ul ゲノムDNA試料(y 約20ng)またはy 10uLのDNA+RNA試料のRT反応物
12.5ul 約50nMの各プライマー濃度のアダプターパネル
7.5ul Platinum(商標)SuperFi(商標)PCRマスターミックス、SuperFi酵素を0.96 U/μL SuperFiU(商標)DNAポリメラーゼで置き換える
3.0ul 2U/ul SuperFiU(商標)DNAポリメラーゼ
任意に、対照が反応に含まれ得る(例えば、Acrometrix Oncology Hotspot Control(Thermo Fisher Scientific))
増幅
96ウェルプレートウェルにおいて反応中の材料の混合物をアセンブルし、プレートを封止し、ボルテックスし、遠心分離し、以下の方法を使用して増幅する。
99C1秒間
以下の3サイクル:
99C30秒間
64C2分間
60C6分間
72C30秒間
次いで72C2分間
4C保持(無期限)
【0149】
消化、フィルイン、連結:
材料
0.1ul VIP Oligo 0.2uM(P/N 4385451Thermo Fisher Scientific,Inc.)
2ul (5u/ul)UDG
4ul (8U/ul)APE1(NEB、M0282L)
0.5ul (0.1U/ul)Taqポリメラーゼ(EP0404)
1ul (6000U/ul)T7リガーゼ(NEB M0318L)
1ul (2mM)ATP
0.5ul mAB2A7(0.6mg/mL)
0.25ul mAB5D3(0.25mg/mL)
【0150】
方法
上記の材料を混合し、反応混合物に加え、プレートを封止し、ボルテックスし、遠心分離する
インキュベート:
30C15分間
50C15分間
55C15分間
25C10分間
98C2分間
4C保持(無期限)
【0151】
増幅
材料
任意にバーコード化された配列の各P1およびA-バーコード-ユニバーサルプライマーについて1ul(Ion Xpress(商標)アダプター、Thermo Fisher Scientific)、または一方向ライブラリーについて、10uM BC1-Ahの各1uL、および10uM P1-P1hの1uL(IonCode(商標)バーコードアダプター、Thermo Fisher Scientific)
【0152】
方法
反応ウェルに上記材料を加え、プレートを密封し、ボルテックスし、遠心分離し、次いで増幅する
99C15秒間
5サイクル:
99C15秒間
62C20秒間
72C20秒間
15サイクル:
99C15秒間
70C40秒間
72C5分間
4C保持(無期限)
【0153】
得られる試料は、1X Ampure(登録商標)ビーズ(Beckman Coulter,Inc.)を製造業者の指示に従って使用して精製される。
【0154】
任意に、精製は、1X~2X繰り返され得る。
【0155】
実施例1E
材料および方法
増幅:
材料
x__ul dH2O(x~30ul最終)
y__ul ゲノムDNA試料(y約20ng)またはy 10uLのDNA+RNA試料のRT反応物
12.5ul 約50nMの各プライマー濃度のアダプターパネル
7.5ul Platinum(商標)SuperFi(商標)PCRマスターミックス、SuperFi酵素を0.96 U/μL SuperFiU(商標)DNAポリメラーゼで置き換える
3.0ul 2u/ul SuperFiU(商標)DNAポリメラーゼ
増幅
96ウェルプレートウェルにおいて反応中の材料の混合物をアセンブルし、プレートを封止し、ボルテックスし、遠心分離し、次いで以下の方法を使用して増幅する。
99C1秒間
以下の3サイクル:
99C30秒間
64C2分間
60C6分間
72C30秒間
72C2分間
4C保持(無期限)
【0156】
消化、フィルイン、連結:
材料
0.1ul VIP Oligo 0.2 uM(P/N 4385451Thermo Fisher Scientific, Inc.)
2ul (5u/ul)UDG
4ul (8U/ul)APE1(NEB、M0282L)
0.5ul (0.1U/ul)Taqポリメラーゼ(EP0404)
1ul (6000U/ul)T7リガーゼ(NEB M0318L)
1ul (2mM)ATP
0.5ul mAB2A7(0.6mg/mL)
0.25ul mAB5D3(0.25mg/mL)
【0157】
方法
上記の材料を混合し、反応混合物に加え、プレートを封止し、ボルテックスし、遠心分離する
インキュベート:
30C15分間
50C15分間
55C15分間
25C10分間
98C2分間
4C保持(無期限)
【0158】
増幅
材料
本明細書における双方向ライブラリー調製のための、10uM BC1-Ahの1uL、10uM P1-Uhの1uL、10uM BC1-Uhの1.5uL、および10uM P1-Ahの1.5uLBC1-Ahは、バーコード配列と、本明細書の順方向アダプターのユニバーサルAハンドルに対する相補的配列とを含み、BC1-Uhは、バーコード配列と、本明細書の逆方向アダプターB、C、D、またはEのいずれかのユニバーサルハンドルに対する相補的配列とを含み、P1-Uhは、IonアダプターP1アダプター配列と、バーコード配列と、本明細書の逆方向アダプターB、C、D、またはEのいずれかのユニバーサルB、C、D、またはEハンドルに対する相補的配列とを含み、P1-Ahは、IonアダプターP1アダプター配列と、バーコード配列と、本明細書の順方向アダプターのAハンドルのユニバーサルハンドルに対する相補的配列とを含む。
図7を参照されたい。
方法
反応ウェルに上記材料を加え、プレートを封止し、ボルテックスし、遠心分離し、次いで増幅する。
99C15秒間
5サイクル:
99C15秒間
62C20秒間
72C20秒間
15サイクル:
99C15秒間
70C40秒間
72C5分間
4C保持(無期限)
【0159】
得られる試料は、1X Ampure(登録商標)ビーズ(Beckman Coulter,Inc.)を製造業者の指示に従って使用して精製される。
【0160】
任意に、精製は、1X~2X繰り返され得る。
【0161】
実施例1F
材料および方法
RNAおよびDNAが分析される試料において任意の逆転写(RT)反応法(10uL反応)が行われ得る。
【0162】
材料
2uL 5x SuperScript(商標)VILO(商標)(Thermo Fisher Scientific)ミックスをマイクロチューブまたはマイクロウェルに加え、≦20ngのDNA+RNA試料(総核酸(TNA)の約1%RNA試料)の総量について≦8uLのDNA+RNA試料の体積であり、
ヌクレアーゼフリーH2Oを上記チューブ/ウェルに加えて、総反応体積を10uLにする。
【0163】
方法:
42C30分間
85C1分間
4C保持(無期限)
【0164】
増幅:
材料
_x_ul ヌクレアーゼフリーdH2O(x~30ul最終)
_y_ul ゲノムDNA試料(y 約20ng)またはy 10uLのDNA+RNA試料のRT反応物
12.5ul 約50nMの各プライマー濃度のアダプターパネル
7.5ul Platinum(商標)SuperFi(商標)PCRマスターミックス、SuperFi酵素を0.96U/μL SuperFiU(商標)DNAポリメラーゼで置き換える
3.0ul 2U/ul SuperFiU(商標)DNAポリメラーゼ
任意に、対照が反応に含まれ得る(例えば、Acrometrix Oncology Hotspot Control(Thermo Fisher Scientific))
増幅
96ウェルプレートウェルにおいて反応中の材料の混合物をアセンブルし、プレートを封止し、ボルテックスし、遠心分離し、以下の方法を使用して増幅する。
99C1秒間
以下の3サイクル:
99C30秒間
64C2分間
60C6分間
72C30秒間
次いで72C2分間
4C保持(無期限)
【0165】
消化、フィルイン、連結:
材料
0.1ul VIP Oligo 0.2 uM(P/N 4385451Thermo Fisher Scientific,Inc.)
2ul (5u/ul)UDG
4ul (8U/ul)APE1(NEB、M0282L)
0.5ul (0.1U/ul)Taqポリメラーゼ(EP0404)
1ul (6000U/ul)T7リガーゼ(NEB M0318L)
1ul (2mM)ATP
0.5ul mAB2A7(0.6mg/mL)
0.25ul mAB5D3(0.25mg/mL)
【0166】
方法
上記の材料を混合し、反応混合物に加え、プレートを封止し、ボルテックスし、遠心分離する
インキュベート:
30C15分間
50C15分間
55C15分間
25C10分間
98C2分間
4C保持(無期限)
【0167】
増幅
材料
(1)P5-インデックス-A-ハンドルプライマー、(2)P5-インデックス-I-ハンドルプライマー、(3)P7-インデックス-A-ハンドルプライマー、(4)P7-インデックス-I-ハンドルプライマーのそれぞれについて1ul。表Fを参照されたい。
【0168】
方法
反応ウェルに上記の材料を加え、プレートを封止し、ボルテックスし、遠心分離し、次いで増幅する:
99C15秒間
5サイクル:
99C15秒間
62C20秒間
72C20秒間
15サイクル:
99C15秒間
70C40秒間
72C5分間
4C保持(無期限)
【0169】
得られる試料は、1X Ampure(登録商標)ビーズ(Beckman Coulter,Inc.)を製造業者の指示に従って使用して精製される。
【0170】
任意に、精製は、1X~2X繰り返され得る。
【0171】
実施例2
提供される方法の第1のステップは、数回の増幅、例えば、3~6サイクルの増幅、特定の例では、各遺伝子特異的標的配列に対して順方向および逆方向アダプターを使用する3サイクルの増幅を含む。各アダプターは、5’ユニバーサル配列、および3’遺伝子特異的標的配列を含有する。いくつかの実施形態では、アダプターは、5’ユニバーサルおよび3’遺伝子特異的標的配列の間に位置するユニークタグ配列を任意に含む。
【0172】
ユニークタグ配列が利用される具体的な実施形態では、各遺伝子特異的標的アダプター対は、各アダプターに多数の異なるユニークタグ配列を含む。例えば、各遺伝子特異的標的アダプターは、最大4096個のTAGを含む。よって、各標的特異的アダプター対は、少なくとも4個および最大16,777,216個の可能な組み合わせを含む。
【0173】
提供されるアダプターのそれぞれは、順方向および逆方向アダプター配列中の特定の位置でチミンの代わりに切断可能なウラシルを含む。ウラシル(U)の位置は、ユニークタグ配列を有する全ての順方向および逆方向アダプターについて一貫しており、ウラシル(U)は、存在する場合ユニークタグ配列の5’および3’末端に隣接して存在し、各遺伝子特異的標的配列の位置は必然的に変動するが、Uは、遺伝子特異的標的配列領域のそれぞれに存在する。各ユニークタグ配列(UT)に隣接し、遺伝子特異的配列領域にあるウラシルは、選択された温度でハイブリダイズしたままであるように設計される、ユニバーサルハンドル配列の融解温度よりも低い温度での断片解離を促進するように、配列およびかかる配列の計算されたTmと共に設計される。UT領域の隣接配列中のUの変動は可能であるが、設計は、融解温度を順方向および逆方向アダプターのそれぞれに対するユニバーサルハンドル配列のそれよりも低く維持する。例示的なアダプター配列構造は、以下を含む。
【0174】
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
RevアダプターE
ここで、各Nは、A、C、G、またはTから選択される塩基であり、UT領域の定常セクションは、可変(N)部分の正しい同定を確保するためにアンカー配列として使用される。UT領域のTmがユニバーサルハンドル領域のそれを下回ったままである限り、UTの定常領域と可変領域は、有意に変更することができる(例えば、代替定常配列、セクションあたり>3N)。重要なことには、切断可能なウラシルは、各順方向(例えば、TCTGTACGGTGACAAGGCG(配列番号6)および逆方向(例えば、CTCTATGGGCAGTCGGTGAT(配列番号7))ユニバーサルハンドル配列に存在しない。
【0179】
増幅に使用される酵素は(これらに限定されないが)、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、Veraseq Ultra DNAポリメラーゼを含む。SuperFi U DNAポリメラーゼは、Thermo Fisher Scientificから入手可能な、高忠実度SuperFi DNAポリメラーゼの修飾版である。SuperFiU DNAは、ウラシル結合ポケット(例えば、AA 36)およびファミリーBポリメラーゼ触媒ドメイン(例えば、AA 762)における修飾を含む。SuperFiUは、2017年6月26日に出願された米国仮特許出願第62/524,730号、および2018年6月25日に出願された国際特許出願第PCT/EP2018/066896号に記載され、これらはそれぞれ本明細書に参照により組み込まれる。ポリメラーゼ酵素は、アダプター配列中に含まれるウラシルおよび/または任意の代替の切断可能な残基(例えば、イノシンなど)を利用するそれらの能力が制限され得る。特定の実施形態では、酵素特異的PCRエラーを低減するためにポリメラーゼの混合物を使用することが有利であり得る。
【0180】
方法の第2のステップは、得られるアンプリコン、および任意の未使用ウラシル含有アダプターの部分消化を含む。例えば、ウラシルが切断可能な部位として組み込まれる場合、消化および修復は、得られるプライマー、プライマーダイマー、およびアンプリコンからのウリジン一リン酸の酵素的切断と、DNA断片を融解し、次いでポリメラーゼフィルインおよび連結によってギャップのあるアンプリコンを修復することと、を含む。このステップは、多重PCRにおいて発生するプライマー-ダイマー生成物を低減し、潜在的に排除する。いくつかの例では、消化および修復は、単一ステップで行われる。特定の例では、消化および修復ステップを時間的に分離することが望ましい場合がある。例えば、熱不安定性ポリメラーゼ阻害剤は、消化がより低い温度(25~40℃)で起こり、修復が、ユニバーサルハンドル配列を融解するには十分に高くないが、ポリメラーゼ阻害剤相互作用(例えば、ポリメラーゼ-Ab)を破壊するには十分に温度を増加させることによって活性化されるように、方法と共に利用され得る。
【0181】
ウラシル-DNAグリコシラーゼ(UDG)酵素を使用して、ウラシルを除去し、脱塩基部位を残すことができ、これは(これらに限定されないが)APE1-アプリン/アピリミジンエンドヌクレアーゼ、FPG-ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ、Nth-Endonuclease III、エンドVIII-エンドヌクレアーゼVIII、PNK-ポリヌクレオチドキナーゼ、Taq-Thermus aquaticus DNAポリメラーゼ、DNA pol I-DNAポリメラーゼI、Polベータ-ヒトDNAポリメラーゼベータを含むいくつかの酵素または酵素の組み合わせによって作用することができる。特定の実装では、方法は、ヒトアプリン/アピリミジンエンドヌクレアーゼ、APE1を使用する。APE1活性は、3’-OHおよび5’-デオキシリボース-リン酸(5’-dRP)を残す。5’-dRPの除去は、recJ、ポリメラーゼベータ、Taq、DNA pol I、または5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を有する任意のDNAポリメラーゼを含む多くの酵素によって達成することができる。これらの酵素のいずれかによる5’-dRPの除去は、連結可能な5’-リン酸末端を作成する。別の実装では、UDG活性は、ウラシルを除去し、脱塩基部位を残し、これはFPGによって除去され、3’および5’-リン酸が残る。次いで3’-リン酸は、T4 PNKによって除去され、ポリメラーゼ伸長可能な3’-OHが残る。次いで5’-デオキシリボースリン酸は、ポリメラーゼベータ、fpg、Nth、Endo VIII、Taq、DNA pol I、または5’-3’エキソヌクレアーゼ活性を有する任意の他のDNAポリメラーゼによって除去することができる。特定の実装では、Taq DNAポリメラーゼが利用される。
【0182】
修復フィルインプロセスは、ほぼ全てのポリメラーゼ、場合によってはステップ1における増幅に使用される増幅ポリメラーゼによって、または(これらに限定されないが)Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、SuperFi U DNAポリメラーゼ、TAQ、Polベータ、T4 DNAポリメラーゼ、およびT7 DNAポリメラーゼを含むステップ2において追加された任意のポリメラーゼによって達成することができる。アンプリコンの連結修復は、(これらに限定されないが)T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼを含む多くのリガーゼによって行うことができる。方法の特定の実装では、Taq DNAポリメラーゼが利用され、連結修復がT7 DNAリガーゼによって達成される。
【0183】
ライブラリー調製の最後のステップは、調製されたアンプリコンの5’および3’末端上のユニバーサルハンドル配列に相補的な配列を含有するユニバーサルプライマーを使用した標準的なPCRプロトコルによる修復アンプリコンの増幅を含む。例えば、A-ユニバーサルプライマー、およびP1ユニバーサルプライマー、Ion Express Adaptor Kit(Thermo Fisher Scientific,Inc.)の各部分は、任意に試料特異的バーコードを含有し得る。最後のライブラリー増幅ステップは、これらに限定されないが、Phusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、SuperFi U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、Veraseq Ultra DNAポリメラーゼを含む多くのポリメラーゼによって行われ得る。
【0184】
2A、1つの具体的な実装では、アダプターは、上記の実施例2に記載されるユニバーサルハンドル-ユニークタグ-遺伝子特異的標的配列を含む、本明細書で提供される組成物設計アプローチを使用して設計され、ONCOMINE(商標)Focus Research Panel(Thermo Fisher Scientific,Inc.)標的配列およびION AMPLISEQ(商標)Designer(Thermo Fisher Scientific,Inc)を使用して遺伝子に標的化された。以下を含む上記の順方向および逆方向アダプターが利用された。
順方向アダプター:
RevアダプターB
表Aのような標的およびアダプターに特異的な標的配列は、各遺伝子特異的標的配列について4096個のユニークタグ配列をそれぞれ含み、各遺伝子特異的標的配列対について16,777,216個の異なるユニークタグの組み合わせの推定値をもたらす。ライブラリーの調製は、実施例1Aについて上述された方法に従って行われた。ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(FPG)/UDG酵素は、全てのウラシル位置に脱塩基部位を作成することが予想される消化に利用され、FPGは、脱塩基部位の5’および3’側で切断することが予想され(3’-リン酸および5’リン酸を残し)、(例えば、T4 PNKによる)3’リン酸の除去は、伸長可能な3’-OHおよび連結可能な5’-リン酸を生成するはずである。しかしながら、BioAnalyzerトレース(
図2参照)によって示されるように、このプロセスは、一貫して回収可能な生成物を生成することができなかった。プロセスは、しかしながら、修理後の追加の精製ステップの追加によって救済することができる。精製プロセスは、次の増幅ステップ前に修復酵素を不活性化し、除去するものであり得る。endoVIIIが利用された場合、同様の結果が得られた。
【0185】
2B.別の具体的な実装では、アダプターは、ONCOMINE(商標)Focus Assayの標的についてセクション2Aに記載されるように調製された。表Bを参照されたい。以下を含む上記の順方向および逆方向アダプターが利用された。
順方向アダプター:
逆方向アダプターは、RevアダプターB、RevアダプターC、RevアダプターD、RevアダプターEのいずれかであった。
RevアダプターB
RevアダプターC
RevアダプターD
RevアダプターE
表Bのような標的およびアダプターに特異的な標的配列は、各遺伝子特異的標的配列について4096個のユニークタグ配列をそれぞれ含み、各遺伝子特異的標的配列対について16,777,216個の異なるユニークタグの組み合わせの推定値をもたらす。ライブラリーの調製は、1Cについて上述された方法に従って行われた。
図3、表1を参照されたい。同様の成功した配列決定結果が、逆方向アダプター対合のそれぞれで生成された。
【0186】
実施例3
調製されたライブラリーは配列決定され、分析される。配列決定は、これらに限定されないが、合成による配列決定、連結による配列決定、および/またはハイブリダイゼーションによる配列決定を含む、様々な既知の方法によって行うことができる。配列決定は、本明細書の例では、Ion Torrentプラットフォーム(Thermo Fisher Scientific,Inc.)を使用して行われたが、ライブラリーは、任意の他のプラットフォーム、例えば、Illumina、PacBioなどを使用した分析、例えば、配列決定のために調製および適合させることができる。結果は、例えば、以下の性能を評価するためのいくつかのメトリックを使用して分析され得る。
○ファミリー数(捕捉されたインプットDNAのng)ファミリー数の中央値は、個々の標的にマッピングされるファミリー数の尺度である。この場合、各ユニーク分子タグは、ファミリーである。
○均一性は、少なくとも0.2x平均リード深度によってカバーされる標的塩基のパーセンテージの尺度である。このメトリックは、技術が特定の標的を選択的に過小増幅しないことを確認するために使用される。
○陽性/陰性:既知の変異を有する対照試料が利用され、分析される場合(例えば、Acrometrix Oncology Hotspot Control DNA、Thermo Fisher Scientific,Inc.)、真陽性の数を追跡することができる。
■真陽性:真陽性の数は、存在し、正しく同定された変異の数を知らせる。
■偽陽性(FP):(ホットスポットおよびターゲット全体)偽陽性の数は、試料中に存在しないことが知られているが、存在すると決定される変異の数を知らせる。
■偽陰性(FN)(アクロメトリクススパイクインが使用される場合)偽陰性の数は、存在したが同定されなかった変異の数を知らせる。
○オン/オフターゲットは、標的領域で整列された/整列されていないマッピングされたリードのパーセンテージである。このメトリックは、技術が、パネルが設計された標的を主に増幅することを確認するために使用される。
○低品質は、データを分析する価値があることを確認するために追跡される。このメトリックは、一般的なシステムメトリックであり、この技術に直接関連するものではない。
【0187】
実施例4
本発明の1つの利点は、提供される方法論と併せてAmpliseq.comデザイナーを使用することができることである。アダプターは、上記の実施例2に記載されるユニバーサルハンドル-ユニークタグ-遺伝子特異的標的配列を含む、本明細書で提供される組成物設計アプローチを使用して設計され、ONCOMINE(商標)Focus Research Panel(Thermo Fisher Scientific,Inc.)標的配列およびION AMPLISEQ(商標)Designer(Thermo Fisher Scientific,Inc)を使用して遺伝子に標的化された。以下を含む上記の順方向および逆方向アダプターが利用された。
順方向アダプター:
RevアダプターB
表Aのような標的およびアダプターに特異的な標的配列は、各遺伝子特異的標的配列について4096個のユニークタグ配列をそれぞれ含み、各遺伝子特異的標的配列対について16,777,216個の異なるユニークタグの組み合わせの推定値をもたらす。ライブラリーは、実施例1Cに上述されたプロトコルに従って、20ngのゲノムDNAおよび約1%Acrometrix Oncomine(商標)Hotspot Control(AOHC)DNA(Thermo Fisher Scientific,Inc.)を使用して調製した。調製されたライブラリーは、Ion 520/530 Templating/Sequencingキットおよび機器(Thermo Fisher Scientific,Inc.)を使用して配列決定した。パネルでの性能(例えば、収率、均一性)は、技術がデザイナーパイプラインを効果的に使用することができることを示す。
図4A~4Cを参照されたい。
【0188】
AOHC DNAを使用する結果(表1に示される)は、このプロトコルを使用して、我々がAOHCに存在する真陽性(71または75)のほとんどを効果的に同定し、重要なことにはいずれの偽陽性も生成しなかったことを示す。
【表1】
【0189】
実施例5
アダプターは、上記の実施例2に記載されるユニバーサルハンドル-ユニークタグ-遺伝子特異的標的配列を含む、本明細書で提供される組成物設計アプローチに従って設計され、BRCA Research Panel(Thermo FisherScientific,Inc.)標的配列およびION AMPLISEQ(商標)Designer(Thermo Fisher Scientific,Inc)を使用して遺伝子に標的化された。以下を含む上記の順方向および逆方向アダプターが利用された。
順方向アダプター:
RevアダプターB
【0190】
表Cのような標的およびアダプターに特異的な標的配列は、各遺伝子特異的標的配列について4096個のユニークタグ配列をそれぞれ含み、各遺伝子特異的標的配列対について16,777,216個の異なるユニークタグの組み合わせの推定値をもたらす。ライブラリーは、実施例1Cに上述されたプロトコルに従って20ngのゲノムDNAを使用して調製した。調製されたライブラリーは、Ion 520/530 Templating/Sequencingキットおよび機器(Thermo Fisher Scientific,Inc.)を使用して配列決定した。実施例5と同様に、パネルでの性能(例えば、収率、均一性)は、技術がデザイナーパイプラインを使用することができることを示す。
図5および表1を参照されたい。
【0191】
実施例6
プライマーは、本明細書で提供される組成物設計アプローチを使用して設計され、ライブラリー増幅ステップが(2つのユニバーサル配列をアンプリコンの各末端、例えば、A-ユニバーサルハンドルおよびP1-ユニバーサルハンドルを各末端に配置して)双方向配列決定を可能にするために2つのプライマー対を利用したことを除き、実施例4に上述されるようにパネル標的配列のものを使用して腫瘍学遺伝子に標的化された。調製されたライブラリーは、Ion 520/530 Templating/Sequencingキットおよび機器(Thermo Fisher Scientific,Inc.)を使用して配列決定した。
図7を参照されたい。インスタントパネルでの性能(例えば、収率、均一性)は、技術がデザイナーパイプラインを使用し、DNAの両方の鎖についての配列決定データを効果的に生成することができることを示す。
図6A~6Cおよび表1を参照されたい。
【0192】
実施例7
プライマーは、本明細書で提供される組成物設計アプローチを使用して設計され、様々な腫瘍学標的配列を標的とした。以下を含む上記の順方向および逆方向アダプターが利用された。
順方向アダプター:
RevアダプターC
【表2】
【表3】
【0193】
表Dのような標的およびアダプターに特異的な標的配列は、各遺伝子特異的標的配列について4096個のユニークタグ配列をそれぞれ含み、各遺伝子特異的標的配列対について16,777,216個の異なるユニークタグの組み合わせの推定値をもたらす。19.8ngのセルフリーDNAおよび0.2ngのトータルRNAを含有する試料を、任意の逆転写酵素ステップで開始して、実施例1Dに記載されるように処理した。列挙されるいくつかの試料のトータルRNAは、5つのスパイクイン融合構成体を含有した。表Dを参照されたい。調製されたライブラリーは、Ion 520/530 Templating/Sequencingキットおよび機器(Thermo Fisher Scientific,Inc.)を使用して配列決定した。インスタントパネルでの性能(例えば、収率、均一性、分子変換、感受性)は、技術がインプットDNAをライブラリーに効率的に変換し、0.1%~0.5%ほどの低頻度で存在する変異を検出することができることを示す。表2A~2Bを参照されたい。加えて、結果は、技術がインプットDNAおよびcDNAをライブラリーに効率的に変換し、約1%の頻度で存在する融合を検出することができることを確認する。表3A~3Bを参照されたい。
【表4】
【表5】
【0194】
実施例8
プライマーは、本明細書で提供される組成物設計アプローチを使用して設計され、ショートタンデムリピート(STR)のものを使用して遺伝子を標的とし、これは複雑な混合物の高解像度遺伝子型決定および分析に有用である。以下を含む上記の順方向および逆方向アダプターが利用された。
順方向アダプター:
RevアダプターE
【0195】
表Eのような標的およびアダプターに特異的な標的配列は、各遺伝子特異的標的配列について4096個のユニークタグ配列をそれぞれ含み、各遺伝子特異的標的配列対について16,777,216個の異なるユニークタグの組み合わせの推定値をもたらす。1~10ngのゲノムDNAを含有する試料は、任意の逆転写酵素ステップなしで、実施例1Dに記載されるように処理した。調製されたライブラリーは、Ion 520/530 Templating/Sequencingキットおよび機器(Thermo Fisher Scientific,Inc.)を使用して配列決定した。インスタントパネルでの性能(例えば、収率、均一性)は、(増幅中に1回以上の繰り返しで短縮されることが多い)困難なSTR標的でさえ、ライブラリーに効率的に変換することができることを示す。結果は、インプットDNAの滴定レベルにわたって一貫していた。表4を参照されたい。同じ標的を評価するためにTorrent Suite Molecular Diagnosticsプラグインを使用して製造業者の指示に従った標準的な操作手順と結果が比較された場合、本明細書で提供される組成物および方法を使用して生成された結果は、スタッターが少なく、反復領域のそれぞれにかけてより一貫した信号をもたらした(データは示されない)。
【表6】
【0196】
実施例9
プライマーは、本明細書で提供される組成物設計アプローチを使用して設計され、実施例6に上述されるように腫瘍学遺伝子標的配列に標的化され、2つのプライマー対は、(2つのユニバーサル配列をアンプリコンの各末端、例えば、A-ユニバーサルハンドルおよびP1-ユニバーサルハンドルを各末端に配置して)双方向配列決定を可能にするためにライブラリー増幅において利用された。ライブラリー調製は、任意のRTステップなしで、上記の実施例1Eの方法に従って記載されるスパイクインAOHC対照を含有する試料に対して行われた。
図7を参照されたい。調製されたライブラリーは、Ion 520/530 Templating/Sequencingキットおよび機器(Thermo Fisher Scientific,Inc.)を使用して配列決定され、次いで一方向配列結果および双方向配列決定から分析された結果について別々に分析された。インスタントパネルでの性能(例えば、収率、均一性、感受性)は、技術がデザイナーパイプラインを使用し、DNAの両方の鎖についての配列決定データを効果的に生成することができ、双方向配列分析が測定されたインデル偽陽性の低減をもたらすことを示す。表5を参照されたい。
【表7】
【0197】
実施例10
Ionバーコードアダプターのそれぞれについて、単一のバーコードがAアダプターに含まれる。P1アダプター上の第2のセットのバーコードの追加は、同定された汚染リードをフィルターで除去することにより、結果における汚染アーチファクトのレベルを効果的に低減することができる。プライマーは、本明細書で提供される組成物設計アプローチを使用して設計され、様々な腫瘍学標的配列を標的とした。20ngのゲノムDNAを含有する試料は、上記の実施例7に記載されるものと同様に、実施例1Dの方法を使用して処理されたが、加えてバーコード化P1アダプターも利用され、バーコード12マー配列が逆方向アダプターのP1アダプター配列に挿入された。ライブラリー調製のためのゲノムDNAを含有する試料は、AおよびP1アダプターの両方においてバーコード8で処理された。追加の試料はまた、ゲノムDNAなしであるが、バーコード1、2、3、4、5、6、7、および9で(それぞれP1およびAバーコード化アダプターの両方において)処理された。インスタントパネルでの性能(例えば、収率、均一性、変換)は、追加のバーコードが汚染を効果的に同定することができることを示す。表6を参照されたい。
【表8】
【0198】
実施例11
別の具体的な実装では、アダプターは、表Bのような、ONCOMINE(商標)Focus Assayの標的について実施例2Aに記載されるように、かつ表Dのような標的に特異的な標的配列で実施例6に記載されるように調製され、アダプターは、各遺伝子特異的標的配列について4096個のユニークタグ配列をそれぞれ含み、各遺伝子特異的標的配列対について16,777,216個の異なるユニークタグの組み合わせの推定値をもたらす。以下を含む利用された順方向および逆方向アダプター
順方向アダプター:
RevアダプターI:
【0199】
ライブラリーの調製は、1Fについて上述された方法に従って行った。
図8も参照されたい。ワークフローは、増幅プライマーを使用して、ライブラリーがIlluminaプラットフォーム上で配列決定ランを行うことを可能にするように適合されている。設計(
図8に模式的に示される)は、(1)P5グラフトプライマー領域と、(2)P5index(A-H)領域と、(3)P5シーケンシング/インデックスリードプライマー領域と、(4)A-ハンドル領域と、(5)UT領域と、(6)遺伝子特異的挿入と、(7)UT領域と、(8)I-ハンドル領域と、(9)P7シーケンシング/インデックスリードプライマー領域と、(10)P7index(1-12)領域と、(11)P7グラフトプライマー領域と、を含有する。idex5-01-idex7-5、idex5-02-index7-6、およびidex5-7-idex7-7をそれぞれ有する表Dの標的を含む腫瘍学パネルで3つのライブラリーを作製した。idex5-01-idex7-5およびidex5-7-idex7-7をそれぞれ持つ表Bの標的を含むFocusパネルで2つのライブラリーを作製した。表Fを参照されたい。全てのライブラリーは、19.6ngのg24385と0.4ngのスパイクインAOHCとで作製されているため、我々は、0.1%対立遺伝子頻度を検出することができた。
【表9-1】
【表9-2】
【0200】
DNA試料中の低レベルの変異バリアント(0.1%)の存在を模倣するために、我々は、精製されたゲノムDNAを使用し、少量のAcroMetrix Oncology Hotpot Controlプラスミドにスパイクした。これらの試料は、ライブラリー調製方法を示し、このアッセイ方法による低レベルの変異バリアント検出についての感受性および特異性を評価する目的で、対照試料として使用される。バイオアナライザー結果は、ライブラリー構造設計と一致し、ライブラリーの収率および純度は、上述された他の方法で調製されたものと同等であった。同様の成功した配列決定結果が、アダプター対合のそれぞれで生成された。
【0201】
MiSeq配列決定ランは、クラスターを正常に生成し、配列決定およびインデックスリードをもたらした。Illumina MiSeqでのパネルランの配列決定結果は、540チップを使用したIon S5での標準AmpliSeq HDバージョンランと比較して同様の性能を示す。表7を参照されたい。
【表10】
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法であって、
(a)標的核酸が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を前記試料中の1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能である複数のアダプターと接触させることと、
(b)もたらされる第1の増幅生成物を消化して、もたらされるプライマーダイマーを低減または排除し、かつ部分的に消化された標的アンプリコンを調製すること、ギャップのある二本鎖アンプリコンを生成すること、次いで前記部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、
(c)前記修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅することと、
それにより標的核酸配列のライブラリーを生成することとを含み、
前記複数のアダプターのそれぞれが、ユニバーサルハンドル配列と、標的核酸配列と、切断可能な部分と、任意に1つ以上のタグ配列とを含み、少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が含まれ、
前記アダプターの前記標的核酸配列が、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、前記ユニバーサルハンドル配列が、前記切断可能な部分を含まない、方法。
〔2〕任意のタグ配列が、少なくとも1つのアダプターに含まれ、前記切断可能な部分が、前記タグ配列のいずれかの末端に隣接するアダプター配列に含まれる、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕各ユニバーサル配列の融解温度が、存在する各標的核酸配列および各タグ配列の融解温度よりも高い、前記〔1〕に記載の方法。
〔4〕単一の追加のみのワークフロー反応において行われ、高度に多重化された標的とされたライブラリーの迅速な生成を可能にする、前記〔1〕に記載の方法。
〔5〕前記アダプターの全てが、タグ配列を含み、前記タグ配列が、該タグ配列のいずれかの末端に隣接する切断可能な基を有する、前記〔2〕に記載の方法。
〔6〕ステップ(b)の前記消化および修復が、単一ステップで行われる、前記〔1〕または前記〔2〕に記載の方法。
〔7〕ステップ(b)の前記消化および修復が、異なる温度で時間的に離れて行われる、前記〔1〕に記載の方法。
〔8〕前記方法ステップの1つ以上が、手動モードもしくは自動モード、またはそれらの組み合わせで行われる、前記〔1〕~〔7〕のいずれか一項に記載の方法。
〔9〕前記方法ステップのそれぞれが、自動モードで行われる、前記〔8〕に記載の方法。
〔10〕少なくとも1つの精製ステップをさらに含む、前記〔1〕~〔9〕のいずれか一項に記載の方法。
〔11〕精製ステップが、ステップ(c)の後にのみ行われる、前記〔10〕に記載の方法。
〔12〕第1の精製ステップが、ステップ(b)の後に行われ、第2の精製ステップが、ステップ(c)の後に行われる、前記〔10〕に記載の方法。
〔13〕ステップ(a)の第1の増幅から得られるアダプター-ダイマー副生成物が、もたらされるライブラリーから除去される、前記〔10〕に記載の方法。
〔14〕増幅された標的核酸の富化集団が、低減した量のアダプター-ダイマー副生成物を含有する、前記〔10〕に記載の方法。
〔15〕アダプター-ダイマー副生成物が排除される、前記〔14〕に記載の方法。
〔16〕1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能である前記複数のアダプターが、少なくとも2つの異なる標的核酸配列の増幅が可能であるアダプター対のマルチプレックスを含む、前記〔1〕~〔15〕のいずれか一項に記載の方法。
〔17〕前記複数のアダプターの各標的特異的対が、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なるアダプターの組み合わせを含む、前記〔2〕に記載の方法。
〔18〕生成された各標的特異的アンプリコン配列が、少なくとも1個の異なる配列および最大10
7
個の異なる配列を含む、前記〔17〕に記載の方法。
〔19〕標的核酸配列のもたらされるライブラリーの配列を分析することをさらに含む、前記〔1〕~〔18〕のいずれか一項に記載の方法。
〔20〕分析が、従来のシーケンシング反応、高スループット次世代シーケンシング、標的化多重アレイ配列検出、またはこれらの2つ以上の組み合わせによるシーケンシングを含む、前記〔19〕に記載の方法。
〔21〕前記試料中の前記標的核酸配列の少なくとも1つの存在量を決定することをさらに含む、前記〔19〕または前記〔20〕に記載の方法。
〔22〕分析が、高スループット次世代シーケンシングによって行われる、前記〔20〕に記載の方法。
〔23〕シーケンシングが、双方向様式で行われ、それにより所定のアンプリコンについて順方向鎖および逆方向鎖の両方で配列リードを生成する、前記〔22〕に記載の方法。
〔24〕消化試薬が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、前記〔1〕~〔23〕のいずれかに記載の方法。
〔25〕修復試薬が、Phusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/もしくはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、ならびに/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、前記〔1〕~〔24〕のいずれかに記載の方法。
〔26〕ステップ(b)における、複数の、ギャップのあるポリヌクレオチド生成物を消化および修復試薬と同時に接触させるか、またはステップ(b)における、複数の、ギャップのあるポリヌクレオチド生成物を消化および修復試薬と順次接触させる、前記〔6〕または前記〔7〕に記載の方法。
〔27〕消化および修復試薬が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、前記〔1〕~〔26〕のいずれかに記載の方法。
〔28〕消化および修復試薬が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、Phusion U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T4 PNKおよびT7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、前記〔1〕~〔27〕のいずれかに記載の方法。
〔29〕前記〔1〕~〔28〕のいずれか一項に記載の方法により生成された核酸ライブラリーを含む組成物。
〔30〕前記核酸ライブラリーの配列の分析のための、前記〔29〕に記載の組成物の使用。
〔31〕標的核酸配列のライブラリーを調製するための方法であって、
(d)標的核酸が第1の増幅を受ける条件下で、核酸試料を前記試料中の1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能である複数のアダプターと接触させることと、
(e)もたらされる第1の増幅生成物を消化して、もたらされるプライマーダイマーを低減または排除し、かつ部分的に消化された標的アンプリコンを調製すること、ギャップのある二本鎖アンプリコンを生成すること、次いで前記部分的に消化された標的アンプリコンを修復することと、
(f)前記修復された標的アンプリコンを第2の増幅においてユニバーサルプライマーを使用して増幅することと、
それにより標的核酸配列のライブラリーを生成することとを含み、
前記複数のアダプターのそれぞれが、ユニバーサルハンドル配列と、1つ以上のタグ配列と、標的核酸配列と、切断可能な部分とを含み、少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が含まれ、
前記アダプターの前記標的核酸配列が、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、切断可能な部分が、前記タグ配列の隣接するいずれかの末端に含まれ、前記ユニバーサルハンドル配列が、前記切断可能な部分を含まない、方法。
〔32〕各ユニバーサル配列の融解温度が、存在する各標的核酸配列および各タグ配列の融解温度よりも高い、前記〔31〕に記載の方法。
〔33〕単一の追加のみのワークフロー反応において行われ、高度に多重化された標的とされたライブラリーの迅速な生成を可能にする、前記〔31〕に記載の方法。
〔34〕前記アダプターの全てが、タグ配列を含み、前記タグ配列が、該タグ配列のいずれかの末端に隣接する切断可能な基を有する、前記〔31〕に記載の方法。
〔35〕ステップ(b)の前記消化および修復が、単一ステップで行われる、前記〔31〕に記載の方法。
〔36〕ステップ(b)の前記消化および修復が、異なる温度で時間的に離れて行われる、前記〔31〕に記載の方法。
〔37〕前記方法ステップの1つ以上が、手動モードもしくは自動モード、またはそれらの組み合わせで行われる、前記〔31〕~〔36〕のいずれか一項に記載の方法。
〔38〕前記方法ステップのそれぞれが、自動モードで行われる、前記〔37〕に記載の方法。
〔39〕少なくとも1つの精製ステップをさらに含む、前記〔31〕~〔38〕のいずれか一項に記載の方法。
〔40〕精製ステップが、ステップ(c)の後にのみ行われる、前記〔39〕に記載の方法。
〔41〕第1の精製ステップが、ステップ(b)の後に行われ、第2の精製ステップが、ステップ(c)の後に行われる、前記〔40〕に記載の方法。
〔42〕ステップ(a)の第1の増幅から得られるアダプター-ダイマー副生成物が、もたらされるライブラリーから除去される、前記〔41〕に記載の方法。
〔43〕増幅された標的核酸の富化集団が、低減した量のアダプター-ダイマー副生成物を含有する、前記〔41〕に記載の方法。
〔44〕アダプター-ダイマー副生成物が排除される、前記〔43〕に記載の方法。
〔45〕1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能である前記複数のアダプターが、少なくとも2つの異なる標的核酸配列の増幅が可能であるアダプター対のマルチプレックスを含む、前記〔31〕~〔43〕のいずれか一項に記載の方法。
〔46〕前記複数のアダプターの各標的特異的対が、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なるアダプターの組み合わせを含む、前記〔31〕に記載の方法。
〔47〕生成された各標的特異的アンプリコン配列が、少なくとも1個の異なる配列および最大10
7
個の異なる配列を含む、前記〔46〕に記載の方法。
〔48〕標的核酸配列のもたらされるライブラリーの配列を分析することをさらに含む、前記〔31〕~〔47〕のいずれか一項に記載の方法。
〔49〕分析が、従来のシーケンシング反応、高スループット次世代シーケンシング、標的化多重アレイ配列検出、またはこれらの2つ以上の組み合わせによるシーケンシングを含む、前記〔48〕に記載の方法。
〔50〕前記試料中の前記標的核酸配列の少なくとも1つの存在量を決定することをさらに含む、前記〔48〕または前記〔49〕に記載の方法。
〔51〕分析が、高スループット次世代シーケンシングによって行われる、前記〔49〕に記載の方法。
〔52〕シーケンシングが、双方向様式で行われ、それにより所定のアンプリコンについて順方向鎖および逆方向鎖の両方で配列リードを生成する、前記〔51〕に記載の方法。
〔53〕消化試薬が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、RecJf、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、NthエンドヌクレアーゼIII、エンドヌクレアーゼVIII、ポリヌクレオチドキナーゼ(PNK)、Taq DNAポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIおよび/またはヒトDNAポリメラーゼベータのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、前記〔31〕~〔52〕のいずれかに記載の方法。
〔54〕修復試薬が、Phusion DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFi DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、ヒトDNAポリメラーゼベータ、T4 DNAポリメラーゼおよび/もしくはT7 DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、E.coli DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T7 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、ならびに/または9°N DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、前記〔31〕~〔53〕のいずれかに記載の方法。
〔55〕ステップ(b)における、複数の、ギャップのあるポリヌクレオチド生成物を消化および修復試薬と同時に接触させるか、またはステップ(b)における、複数の、ギャップのあるポリヌクレオチド生成物を消化および修復試薬と順次接触させる、前記〔54〕または前記〔55〕に記載の方法。
〔56〕消化および修復試薬が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、アプリンエンドヌクレアーゼ(例えば、APE1)、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion U DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、前記〔31〕~〔56〕のいずれか一項に記載の方法。
〔57〕消化および修復試薬が、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、ホルムアミドピリミジン[fapy]-DNAグリコシラーゼ(fpg)、Phusion U DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、SuperFiU DNAポリメラーゼ、T4 PNKおよびT7 DNAリガーゼのうちのいずれか1つまたは組み合わせを含む、前記〔31〕~〔56〕のいずれか一項に記載の方法。
〔58〕前記〔31〕~〔57〕のいずれか一項に記載の方法により生成された核酸ライブラリーを含む組成物。
〔59〕前記核酸ライブラリーの配列の分析のための、前記〔58〕に記載の組成物の使用。
〔60〕試料中の低頻度対立遺伝子の存在の決定のための、前記〔59〕に記載の使用。
〔61〕複数の核酸アダプターを含む組成物であって、前記複数のアダプターのそれぞれが、5’ユニバーサルハンドル配列と、1つ以上のタグ配列と、3’標的核酸配列とを含み、各アダプターが、切断可能な部分を含み、
前記アダプターの前記標的核酸配列が、少なくとも1つの切断可能な部分を含み、切断可能な部分が、前記タグ配列のいずれかの末端に隣接して含まれ、前記ユニバーサルハンドル配列が、前記切断可能な部分を含まず、
少なくとも2個および最大10万個の標的特異的アダプター対が含まれる、組成物。
〔62〕各アダプターユニバーサル配列の融解温度が、同じアダプターに存在する各標的核酸配列および各タグ配列の融解温度よりも高い、前記〔61〕に記載の組成物。
〔63〕前記組成物が、高度に多重化された標的とされたライブラリーの迅速な生成を可能にする、前記〔61〕に記載の組成物。
〔64〕前記アダプターの全てが、タグ配列を含み、前記タグ配列が、該タグ配列のいずれかの末端に隣接する切断可能な基を有する、前記〔61〕に記載の組成物。
〔65〕1つ以上の標的核酸配列の増幅が可能である前記複数のアダプターが、少なくとも2つの異なる標的核酸配列の増幅が可能であるアダプター対のマルチプレックスを含む、前記〔61〕~〔64〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔66〕前記複数のアダプターの各標的特異的対が、異なるタグ配列を含む最大16,777,216個の異なるアダプターの組み合わせを含む、前記〔61〕に記載の組成物。
〔67〕生成された各標的特異的アンプリコン配列が、少なくとも1個の異なる配列および最大10
7
個の異なる配列を含む、前記〔66〕に記載の組成物。
〔68〕前記アダプターが、一本鎖または二本鎖である、前記〔61〕~〔67〕のいずれか一項に記載の組成物。
〔69〕前記〔61〕~〔68〕のいずれかに記載のアダプター組成物を含むキット。
〔70〕増幅試薬、消化試薬、および修復試薬をさらに含む、前記〔69〕に記載のキット。
【0202】
本発明の好ましい実施形態が本明細書において示され、記載されてきたが、かかる実施形態が単に例として提供されることは、当業者には明らかであろう。多くの変化形、変更、および置換が本発明から逸脱することなく当業者に思いつくであろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の種々の代替物が本発明の実施に用いられ得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を定義し、これらの特許請求の範囲の範囲内の方法および構造ならびにそれらの等価物がそれにより網羅されることが意図される。
【表11-1】
【表11-2】
【表11-3】
【表11-4】
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【表12-4】
【表12-5】
【表12-6】
【表12-7】
【表12-8】
【表12-9】
【表12-10】
【表13-1】
【表13-2】
【表13-3】
【表13-4】
【表13-5】
【表14-1】
【表14-2】
【表14-3】
【表14-4】
【表14-5】
【表14-6】
【表14-7】
【表14-8】
【表14-9】
【表14-10】
【表14-11】
【表14-12】
【表14-13】
【表15-1】
【表15-2】
【配列表】