(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】衣類処理装置
(51)【国際特許分類】
D06F 58/02 20060101AFI20230308BHJP
D06F 29/00 20060101ALI20230308BHJP
D06F 37/40 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
D06F58/02 P
D06F29/00 A
D06F37/40 A
(21)【出願番号】P 2020515806
(86)(22)【出願日】2018-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2018086396
(87)【国際公開番号】W WO2018219121
(87)【国際公開日】2018-12-06
【審査請求日】2019-11-26
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】201710392186.3
(32)【優先日】2017-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517417854
【氏名又は名称】青島海爾▲滾▼筒洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER DRUM WASHING MACHINE CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park,No.1 Haier Road,Laoshan District,Qingdao,Shandong 266101,China
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ペイシ ルー
(72)【発明者】
【氏名】ウェンウェイ リ
(72)【発明者】
【氏名】ベンフ シン
(72)【発明者】
【氏名】ジンカイ ワン
(72)【発明者】
【氏名】ジフイ パン
(72)【発明者】
【氏名】ユアンユアン チャン
【合議体】
【審判長】佐々木 芳枝
【審判官】柿崎 拓
【審判官】関口 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-272010(JP,A)
【文献】実開昭60-164394(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0119072(US,A1)
【文献】特開2014-050556(JP,A)
【文献】国際公開第2016/090973(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第101113557(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106087355(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102758342(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F29/00
D06F37/40
D06F58/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の衣類処理装置と、乾燥システムと
を備え、前記第1の衣類処理装置は、第1の衣類処理ドラムを備え、前記乾燥システムは、前記第1の衣類処理ドラムを回転駆動する駆動装置と、乾燥気流を生成するための乾燥ユニットと、前記駆動装置によって駆動され、前記乾燥ユニットによって生成された乾燥気流を前記第1の衣類処理ドラム内に送るための乾燥気流循環装置とを備える、衣類処理装置であって、
前記駆動装置は、クラッチ装置を介して前記第1の衣類処理ドラムに接続され、前記第1の衣類処理ドラムを選択的に回転駆動し、
第2の衣類処理ドラムを備える第2の衣類処理装置をさらに備え、前記乾燥システムは、前記乾燥ユニットによって生成された乾燥気流を前記第2の衣類処理ドラム内に送るように構成され
、
前記第1の衣類処理装置は洗濯乾燥機であり、前記第2の衣類処理装置は衣類乾燥機であり、
前記衣類処理装置は複数の第2の衣類処理装置を備え、前記乾燥システムは、前記乾燥ユニットによって生成された乾燥気流を、複数の第2の衣類処理ドラムの全てに同時に送ることと、複数の第2の衣類処理ドラムのうちのいずれかに送ることとを切り換えることができ、
前記クラッチ装置は多位置クラッチ装置であり、前記多位置クラッチ装置の位置の数は、駆動装置が該多位置クラッチ装置を介して各衣類処理ドラムを選択的に回転駆動できるように第1の衣類処理装置と第2の衣類処理装置の数の合計に等しく、
前記駆動装置はさらに、前記多位置クラッチ装置を介して各前記第2の衣類処理装置の第2の衣類処理ドラムに接続され、前記第2の衣類処理ドラムを選択的に回転駆動する、ことを特徴とする衣類処理装置。
【請求項2】
前記乾燥システムは、
それぞれ前記第1の衣類処理ドラムのキャビティに連通する第1の送風ダクト及び第1の排風ダクトと、
それぞれ前記第2の衣類処理ドラムのキャビティに連通する第2の送風ダクト及び第2の排風ダクトと、
前記第1の排風ダクト及び前記第2の排風ダクトに接続される送風端と、前記第1の送風ダクト及び前記第2の送風ダクトに接続される排風端とを備える乾燥ダクトと、
方向切換装置であって、前記乾燥ダクトの送風端が前記方向切換装置を介して前記第1の排風ダクト又は前記第2の排風ダクトに選択的に連通することができ、前記乾燥ダクトの排風端が、前記方向切換装置を介して前記第1の送風ダクト又は前記第2の送風ダクトに選択的に連通することができる方向切換装置と、をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載の衣類処理装置。
【請求項3】
前記乾燥ユニットは、前記乾燥ダクトに設置され、前記乾燥気流循環装置は、各ダクト内に循環するように乾燥気流をガイドすることができる、ことを特徴とする請求項2に記載の衣類処理装置。
【請求項4】
前記乾燥気流循環装置は、前記乾燥ダクトに設置される、ことを特徴とする請求項3に記載の衣類処理装置。
【請求項5】
前記乾燥ユニットは、
湿度の高い熱気流から水分を除去し、乾燥気流を生成するための凝縮装置と、該乾燥気流を加熱するための加熱装置とを備える、ことを特徴とする請求項4に記載の衣類処理装置。
【請求項6】
前記方向切換装置は、前記乾燥ダクトの送風端に設置される第1の方向切換弁と、前記乾燥ダクトの排風端に設置される第2の方向切換弁とを備え、前記第1の方向切換弁が、前記乾燥ダクトの送風端を前記第1の排風ダクト又は前記第2の排風ダクトに選択的に連通させ、前記第2の方向切換弁が、前記乾燥ダクトの排風端を前記第1の送風ダクト又は前記第2の送風ダクトに選択的に連通させる、ことを特徴とする請求項2に記載の衣類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用電化製品の分野に属し、特に衣類処理装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
生活の質の向上に伴い、人々は、高品質で絶妙な生活をますます追求している。衣類乾燥機も、徐々により多くの一般家庭により利用されてきて、高品質の生活に不可欠な家電製品になっている。衣類乾燥機は、通常、ドラム式洗濯機の上に積み重ねられるが、洗濯機と衣類乾燥機が相互に独立した2つのシステムであるため、洗濯機は、衣類乾燥機の加熱及び凝縮装置を使用して衣類を乾燥することができない。一方、洗濯機は、衣類乾燥機能を実現するためには、別に乾燥モジュールを設置しなければならず、このため、洗濯機のコストを増加する。
【0003】
この他、衣類乾燥機は、乾燥操作を実行するとき、ドラムが常に回転し、このようにして、ドラムの回転が不要である場合に、衣類乾燥機のドラムを回転させるための駆動エネルギーが無駄になるだけでなく、乾燥システムの共有にも悪影響をもたらす。
【0004】
対応して、本分野では、上記問題を解決するための新たな衣類処理装置が求められている。
【発明の概要】
【0005】
従来技術の上記問題を解決するために、すなわち衣類乾燥機の乾燥システムが乾燥作業を実行しているときに、ドラムが常に回転すること、及び衣類乾燥機と洗濯機及び/又は他の衣類乾燥機が乾燥システムを共有できないという問題を解決するために、本発明は、第1の衣類処理装置と乾燥システムを備える衣類処理装置を提供し、前記第1の衣類処理装置は、第1の衣類処理ドラムを備え、前記乾燥システムは、前記第1の衣類処理ドラムを回転駆動する駆動装置、乾燥気流を生成するための乾燥ユニット及び前記駆動装置によって駆動された乾燥気流循環装置を備え、前記乾燥気流循環装置は、前記乾燥ユニットによって生成された乾燥気流を前記第1の衣類処理ドラム内に送り、前記駆動装置は、クラッチ装置によって前記第1の衣類処理ドラムに接続され、前記第1の衣類処理ドラムを選択的に回転駆動する。
【0006】
上記衣類処理装置の好ましい技術案では、前記衣類処理装置は、第2の衣類処理装置をさらに備え、前記第2の衣類処理装置は、第2の衣類処理ドラムを備え、前記乾燥システムは、前記乾燥ユニットによって生成された乾燥気流を前記第2の衣類処理ドラム内に送ることもできる。
【0007】
上記衣類処理装置の好ましい技術案では、前記乾燥システムは、それぞれ前記第1の衣類処理ドラムのキャビティに連通する第1の送風ダクト及び第1の排風ダクトと、それぞれ前記第2の衣類処理ドラムのキャビティに連通する第2の送風ダクト及び第2の排風ダクトと、前記第1の排風ダクト及び前記第2の排風ダクトに接続される送風端と、前記第1の送風ダクト及び前記第2の送風ダクトに接続される排風端とを備える乾燥ダクトと、方向切換装置であって、前記乾燥ダクトの送風端が、前記方向切換装置を介して前記第1の排風ダクト又は前記第2の排風ダクトに選択的に連通することができ、前記乾燥ダクトの排風端が、前記方向切換装置を介して前記第1の送風ダクト又は前記第2の送風ダクトに選択的に連通することができる方向切換装置と、をさらに備える。
【0008】
上記衣類処理装置の好ましい技術案では、前記乾燥ユニットは、前記乾燥ダクトに設置され、前記乾燥気流循環装置は、各ダクト内に循環するように乾燥気流をガイドすることができる。
【0009】
上記衣類処理装置の好ましい技術案では、前記乾燥気流循環装置は、前記乾燥ダクトに設置される。
【0010】
上記衣類処理装置の好ましい技術案では、前記乾燥ユニットは、乾燥気流を生成するための加熱装置と、乾燥気流から水分を除去するための凝縮装置とを備える。
【0011】
上記衣類処理装置の好ましい技術案では、前記方向切換装置は、前記乾燥ダクトの送風端に設置される第1の方向切換弁と、前記乾燥ダクトの排風端に設置される第2の方向切換弁とを備え、前記第1の方向切換弁が、前記乾燥ダクトの送風端を前記第1の排風ダクト又は前記第2の排風ダクトに選択的に連通させ、前記第2の方向切換弁が、前記乾燥ダクトの排風端を前記第1の送風ダクト又は前記第2の送風ダクトに選択的に連通させる。
【0012】
上記衣類処理装置の好ましい技術案では、前記衣類処理装置は、複数の第2の衣類処理装置を備え、前記乾燥システムは、前記乾燥ユニットによって生成された乾燥気流を、各前記第2の衣類処理装置の第2の衣類処理ドラム内に同時に又は別々に送ることができる。
【0013】
上記衣類処理装置の好ましい技術案では、前記クラッチ装置は、多位置クラッチ装置であり、前記駆動装置はさらに、前記多位置クラッチ装置によって各前記第2の衣類処理装置の第2の衣類処理ドラムに接続され、前記第2の衣類処理ドラムを選択的に回転駆動する。
【0014】
上記衣類処理装置の好ましい技術案では、前記第1の衣類処理装置は、衣類乾燥機又は洗濯機である。
【0015】
上記衣類処理装置の好ましい技術案では、前記第1の衣類処理装置は、衣類乾燥機であり、前記第2の衣類処理装置は、洗濯機であり、又は、前記第1の衣類処理装置は、衣類乾燥機であり、前記第2の衣類処理装置も、衣類乾燥機であり、又は、前記第1の衣類処理装置は、洗濯機であり、前記第2の衣類処理装置は、衣類乾燥機であり、又は、前記第1の衣類処理装置は、洗濯機であり、前記第2の衣類処理装置も、洗濯機である。
【0016】
上記衣類処理装置の好ましい技術案では、前記駆動装置は、モーターであり、且つ/又は前記乾燥気流循環装置は、送風機である。
【0017】
本発明の好ましい技術案では、駆動装置と第1の衣類処理ドラムとの間にクラッチ装置を設置することにより、駆動装置は、第1の衣類処理装置の乾燥システムが作動するとき、クラッチ装置を介して第1の衣類処理ドラムを回転又は停止させることができ、それにより他の衣類処理装置が第1の衣類処理装置の乾燥システムを簡便に共有できることは、当業者により理解され得る。
【0018】
さらに、本発明の衣類処理装置は、第1の衣類処理装置と第2の衣類処理装置を備え、乾燥システムは、乾燥ダクトを備え、乾燥ダクトの両端には、第1の方向切換弁と第2の方向切換弁がそれぞれ設置され、第1の方向切換弁と第2の方向切換弁の位置を切り替えることにより、乾燥ダクトを第1の衣類処理装置の第1の衣類処理ドラム又は第2の衣類処理装置の第2の衣類処理ドラムに連通させ、第1の衣類処理ドラム内の衣類又は第2の衣類処理ドラム内の衣類を乾燥させることができる。好ましくは、第1の衣類処理装置は、衣類乾燥機であり、第2の衣類処理装置は、洗濯機である。したがって、本発明の衣類処理装置は、1つの乾燥システムで衣類乾燥機と洗濯機内の衣類を別々に又は同時に乾燥させることができ、それにより、ユーザの使用体験を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施例に係る衣類処理装置の正面図である。
【
図2】本発明の実施例に係る衣類処理装置の背面図である。
【
図3】本発明の実施例に係る衣類処理装置の側面図である。
【
図4】本発明の実施例に係る衣類処理装置の第1の斜視図である。
【
図5】本発明の実施例に係る衣類処理装置の第2の斜視図である。
【
図7】本発明の実施例に係る衣類処理装置の原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。これらの実施形態が本発明の技術的原理を説明するためにのみ使用され、本発明の保護範囲を限定するものではないことは、当業者により理解され得る。たとえば、図面における各部材同士は、特定の比例関係で描かれているが、この比例関係は、一定ではなく、当業者は、特定の用途に応じて必要に応じてそれらを調整することができ、調整後の技術案も本発明の保護範囲に含まれる。また、本願について衣類乾燥機と洗濯機を組み合わせて説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、本発明の技術案は、2つの衣類乾燥機、2つの洗濯機、又は複数の衣類乾燥機及び複数の洗濯機の場合にも適用でき、これに関するいかなる調整も、本発明の基本的原理と保護範囲から逸脱するものではない。
【0021】
なお、本発明の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの用語によって示される方向又は位置関係は、図面に示される方向又は位置関係に基づくものであり、これは、単に説明の便宜上のものに過ぎず、前記装置又は素子が必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構造又は操作されたりすることを示し又は示唆するものではなく、したがって、本発明を限定するものとして理解すべきではない。また、「第1」、「第2」、「第3」という用語は、説明のために過ぎず、相対的な重要性を示し又は示唆するものとして理解すべきではない。
【0022】
なお、本発明の説明において、特に明確な規定や限定がない限り、「取り付ける」、「繋がる」、「接続する」という用語は、広義に理解されるべきであり、たとえば、固定的に接続されてもよく、取り外し可能に接続され又は一体に接続されてもよく、機械的に接続されてもよく、電気的に接続されてもよく、直接繋がられてもよく、中間媒体を介して間接的に繋がられてもよく、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者であれば、特定の状況に応じて本発明における上記用語の特定の意味を理解できる。
【0023】
図1~
図3に示すように、本発明の好ましい実施例に係る衣類処理装置は、主に第1の衣類処理装置としての衣類乾燥機1、第2の衣類処理装置としての洗濯機2及び乾燥システム(図中、全体的に示されていない)を備える。衣類乾燥機1は、主に第1の衣類処理ドラムとしての乾燥ドラム11を備え、該乾燥システムは、乾燥ドラム11を回転駆動する駆動装置、乾燥気流を生成するための乾燥ユニット(図中、全体的に示されていない)及び駆動装置によって駆動された乾燥気流循環装置を備え、該乾燥気流循環装置は、乾燥システムによって生成された熱風を乾燥ドラム11内に送ることに用いられる。駆動装置は、乾燥ドラム11を回転駆動することに加えて、洗濯ドラム21を回転駆動することもできることは、当業者により理解され得る。さらに、駆動装置は、クラッチ装置を介して乾燥ドラム11に接続され、乾燥ドラム11を選択的に回転駆動する。さらに、駆動装置は、好ましくはモーター14であり、乾燥気流循環装置は、好ましくは送風機35であり、又は、当業者は、必要に応じて他の形態の駆動装置と他の形態の乾燥気流循環装置を選択してもよい。
【0024】
以下、
図1~
図3及び
図4を参照すると、本発明の衣類処理装置の乾燥システムは、第1の送風ダクト12、第1の排風ダクト13、第2の送風ダクト22、第2の排風ダクト23及び乾燥ダクト3をさらに備える。第1の送風ダクト12及び第1の排風ダクト13は、それぞれ乾燥ドラム11のキャビティに連通し、第2の送風ダクト22及び第2の排風ダクト23は、それぞれ洗濯機2の洗濯ドラム21のキャビティに連通する。さらに、乾燥ダクト3は、送風端(
図3の乾燥ダクト3の左端)と排風端(
図3の乾燥ダクト3の右端)を備え、乾燥ダクト3の送風端は、それぞれ第1の排風ダクト13及び第2の排風ダクト23に連通し、乾燥ダクト3の排風端は、それぞれ第1の送風ダクト12及び第2の送風ダクト22に連通する。
【0025】
図1及び
図2に示すように、乾燥システムは、方向切換装置(図中、全体的に示されていない)をさらに備え、該方向切換装置は、主に第1の方向切換弁31と第2の方向切換弁32を備える。第1の方向切換弁31は、乾燥ダクト3の送風端に設置され、第2の方向切換弁32は、乾燥ダクト3の排風端に設置される。乾燥ダクト3は、第1の方向切換弁31を介して第1の排風ダクト13又は第2の排風ダクト23に選択的に連通することができ、且つ、乾燥ダクト3は、第2の方向切換弁32を介して第1の送風ダクト12又は第2の送風ダクト22に選択的に連通することができる。さらに、第1の方向切換弁31と第2の方向切換弁32の位置を切り替えることにより、乾燥ダクト3を衣類乾燥機1の乾燥ドラム11に連通させ、又は乾燥ダクト3を洗濯機2の洗濯ドラム21に連通させることができる。したがって、乾燥ダクト3内に設置された乾燥ユニット(以下、詳細は後述)が作動するとき、乾燥ダクト3内の熱風は、乾燥ドラム11内の衣類又は洗濯ドラム21内の衣類を選択的に乾燥させることができる。また、当業者は、必要に応じて、方向切換装置を、乾燥システムが乾燥ドラム11と洗濯ドラム21に乾燥気流を同時に供給可能な形態、たとえば、方向切換装置を取り外すような形態としてもよい。
【0026】
図5及び
図6に示すように、本発明の好ましい実施例では、衣類乾燥機1のモーター14は、モーター14とクラッチ15の取り付けを容易にするために、ベルトを介してクラッチ装置としてのクラッチ15に接続される。又は、当業者は、カップリングを介してモーター14とクラッチ15を同軸に固定するなど、他の方法によってモーター14をクラッチ15に接続してもよい。クラッチ15はさらに、第1のベルト16を介して乾燥ドラム11に接続される。モーター14が回転している状態でクラッチ15の状態を切り替えることにより、乾燥ドラム11を選択的に回転又は停止できることは、当業者により理解され得る。
【0027】
さらに、乾燥ドラム11の底部には、第1の送風ダクト12に連通する通気孔(図示せず)が設置される。乾燥ドラム11の開口(具体的には、ドア密閉位置)は、第1の排風ダクト13(
図3の乾燥ドラム11の左端)に密封して接続され、すなわち、衣類乾燥機1のドアが閉じられると、乾燥ダクト3内の熱風は、漏れが発生することなく、第1の送風ダクト12から乾燥ドラム11内に入って第1の排風ダクト13から流出することができる。
【0028】
実行可能な一実施例では、乾燥ドラム11の先端(ドラム開口を有する一端)は、ローラーによって衣類処理装置の本体に固定され、乾燥ドラム11の後端は、回転軸によって衣類処理装置の本体に固定され、それにより、乾燥ドラム11は、その軸心の周りを回転することができる。さらに、衣類処理装置の本体には、リアプレートが設置され、該リアプレートには、貫通孔が設置され、該貫通孔の一端は、乾燥ドラム11の通気孔に連通し、該貫通孔の他端は、第1の送風ダクト12に連通する。乾燥ドラム11の先端には、径方向に沿って貫通孔が設置され、該貫通孔は、乾燥ドラム11のキャビティと第1の排風ダクト13とを連通させる。たとえば、第1の排風ダクト13は、乾燥ドラム11の円周方向に設置された環状ダクトを有し、該環状ダクトは、乾燥ドラム11に密封して接続され、且つ乾燥ドラム11の先端の貫通孔は、該環状ダクト内に位置する。もちろん、本発明の技術案は、この特定のダクト設置形態に限定されるものではなく、乾燥ダクト3内の熱風を乾燥ドラム11内に送り、乾燥ドラム11内の高温高湿空気を乾燥ダクト3に返すことができるダクト構造であれば、本発明の技術案に適用できる。
【0029】
図1、
図2、
図4及び
図5に示すように、洗濯機2は、主に第2の衣類処理装置としての洗濯ドラム21及び外筒24を備える。洗濯ドラム21は、外筒24内に配置され且つ、洗濯ドラム21と外筒24との間の環状キャビティを洗濯ドラム21のキャビティに連通させるように、洗濯ドラム21の円周方向に複数の通気孔が設置される。乾燥ダクト3内の熱風が第2の送風ダクト22から外筒24内に入って第2の排風ダクト23から排出されるときに漏れが発生して、湿った高温空気が室内に侵入し、室内の人々へ不快感を与えることを回避するために、外筒24の先端(洗濯ドラム21のドラム開口に近寄る一端)は、第2の排風ダクト23に密封して接続され、外筒24の後端は、第2の送風ダクト22に密封して接続される。
【0030】
図3~
図5に示すように、乾燥ダクト3の排風端は、それぞれ第1の送風ダクト12及び第2の送風ダクト22に連通し、乾燥ダクト3の送風端は、それぞれ第1の排風ダクト13及び第2の排風ダクト23に連通する。また、乾燥ダクト3が第1の排風ダクト13及び第2の排風ダクト23に連通する位置には、第1の方向切換弁31が設置され、乾燥ダクト3が第1の送風ダクト12及び第2の送風ダクト22に連通する位置には、第2の方向切換弁32が設置される。第1の方向切換弁31及び第2の方向切換弁32の状態を変更することにより、乾燥ダクト3は、第1の送風ダクト12と第1の排風ダクト13を介して乾燥ドラム11に連通し、又は乾燥ダクト3は、第2の送風ダクト22と第2の排風ダクト23を介して外筒24に連通することができる。
【0031】
図3及び
図4に示すように、乾燥ダクト3には、乾燥ユニットが設置され、該乾燥ユニットは、主にヒーター33と凝縮器34を備え、ヒーター33は、第1の送風ダクト12及び第2の送風ダクト22に近寄る位置に設置され、凝縮器34は、第1の排風ダクト13及び第2の排風ダクト23に近寄る位置に設置される。一例として、乾燥ダクト3において、凝縮器34から離れるヒーター33側には、送風機35(
図2参照)が設置され、送風機35は、第2のベルト36を介してモーター14に接続される。また、当業者は、必要に応じて、カップリングを介して送風機35とモーター14を同軸に固定するなど、他の固定方法によって送風機35とモーター14を接続してもよい。モーター14によって送風機35を回転駆動することにより、乾燥ダクト3内の熱風を第1の送風ダクト12又は第2の送風ダクト22に送ることは、容易に理解できる。また、当業者は、必要に応じて、ヒーター33、凝縮器34及び送風機35の位置を変更することで熱風を第1の排風ダクト13又は第2の排風ダクト23に吹くこともできる。なお、送風機35は、遠心式送風機、軸流式送風機、往復式送風機又は回転式送風機などの任意の形態の送風機であってもよく、各ダクト内で乾燥気流を循環できればよい。また、なお、乾燥ダクト3内の空気が加熱されることを確保できれば、ヒーター33は、抵抗ヒーターなどの任意の形態の加熱装置であってもよい。さらに、なお、乾燥ダクト3内の空気中の水分が凝縮されることを確保できれば、凝縮器34は、水冷式凝縮器や空冷式凝縮器などの任意の形態の凝縮装置であってもよい。
【0032】
また、図示されていないが、本発明の好ましい実施形態では、乾燥ダクト3において、ヒーター33から離れる凝縮器34側には、乾燥ドラム11と洗濯ドラム21内の気流に伴って乾燥ダクト3に入る凝集物を濾過するための濾過網がさらに設置され、それにより、凝集物が乾燥ダクト3内に入って蓄積することによってもたらされた送風機35への悪影響、及び衣類処理装置の乾燥効果への影響を防ぐ。
【0033】
以下、
図7を参照して、本発明の衣類処理装置の作動原理を詳細に説明する。
【0034】
図7に示すように、該図には、乾燥ドラム11、洗濯ドラム21、及び乾燥ドラム11と洗濯ドラム21との間に位置する乾燥ダクト3が示されている。
図7における乾燥ドラム11の両端は、それぞれ第1の送風ダクト12及び第1の排風ダクト13に連通し、洗濯ドラム21の両端は、それぞれ第2の送風ダクト22と第2の排風ダクト23に連通する。乾燥ダクト3は、一端がそれぞれ第1の送風ダクト12及び第2の送風ダクト22に連通し、他端がそれぞれ第1の排風ダクト13及び第2の排風ダクト23に連通する。乾燥ダクト3の両端のそれぞれには、第1の方向切換弁31と第2の方向切換弁32がさらに設置され、乾燥ダクト3の中央部には、ヒーター33、凝縮器34及び送風機35がさらに設置される。
【0035】
ユーザが洗濯機2の洗濯ドラム21を使用して衣類を乾燥させる場合、第1の方向切換弁31と第2の方向切換弁32は、
図7に示した位置に切り替えられ、乾燥ダクト3と第1の送風ダクト12及び第1の排風ダクト13との連通を解除する。この場合、クラッチ15は、オフになり(結合解除)、乾燥ドラム11は、静止状態にあり、モーター14は、送風機35のみを回転駆動し、送風機35は、ヒーター33によって加熱された気流を第2の送風ダクト22に送り、熱気流は、洗濯ドラム21内に入って衣類の水分を蒸発させ、湿度の高い気流は、第2の排風ダクト23を経て乾燥ダクト3内に入り、且つ湿度の高い熱気流が凝縮器34に接触すると、空気中の水分が液化され、それにより、空気を乾燥させる。さらに、乾燥させた空気は、ヒーター33によって再び加熱されて、次の循環に進む。
【0036】
ユーザが衣類乾燥機1の乾燥ドラム11を使用して衣類を乾燥させる場合、第1の方向切換弁31と第2の方向切換弁32は、
図7に示した位置から下端に切り替えられ、乾燥ダクト3と第2の送風ダクト22及び第2の排風ダクト23との連通を解除する。クラッチ15は、閉じられ(結合)、モーター14は、乾燥ドラム11と送風機35を同時に回転するように駆動し、送風機35は、ヒーター33によって加熱された気流を第1の送風ダクト12に送り、熱気流は、回転している乾燥ドラム11内に入って衣類の水分を蒸発させ、湿度の高い気流は、第1の排風ダクト13を経て乾燥ダクト3内に入り、且つ湿度の高い熱気流が凝縮器34に接触すると、空気中の水分が液化され、それにより、空気を乾燥させる。さらに、乾燥させた空気は、ヒーター33によって再び加熱されて、次の循環に進む。
【0037】
前記のとおり、本発明の好ましい実施形態では、衣類乾燥機1と洗濯機2が1つの乾燥システムを共有するので、洗濯機2は、衣類の洗濯を完了した後に衣類を直接乾燥させることができ、洗濯機において洗濯された衣類を取り出して衣類乾燥機に入れて乾燥させるという従来技術の操作と比較して、より簡便になり、ユーザの操作を簡略化させて、ユーザの使用体験を向上させる。モーター14と乾燥ドラム11との間にクラッチ15を設置することにより、モーター14は、送風機35を回転駆動すると同時に、選択的に乾燥ドラム11を回転駆動し又は乾燥ドラム11を静止状態にすることができ、モーターを別々に設置して乾燥ドラム11と送風機35を駆動する方法に比較して、モーターの数が減らされる。さらに、当業者は、必要に応じて、モーター14によってクラッチ15を介して洗濯ドラム21を選択的に回転駆動することもでき、それにより、洗濯機2のモーターを省略して、モーターの数をさらに減らす。さらに、衣類乾燥機1と洗濯機2を一体に設置する技術案では、1つの制御パネルで衣類乾燥機1と洗濯機2の運転を同時に制御できるため、操作を簡略化させて、ユーザの使用体験を向上させる。
【0038】
さらに、本発明の衣類処理装置によれば、ユーザは、洗濯機2で衣類を洗濯すると同時に、衣類乾燥機1で衣類を乾燥させることができるので、洗濯時間や乾燥時間を短縮させる。
【0039】
また、本発明の上記好ましい実施形態に加えて、別の実行可能な一実施例では、第1の排風ダクト13、第2の排風ダクト23及び乾燥ダクト3の送風端は、外部に直接連通してもよく、それにより、外部からの空気が乾燥ダクト3に直接入って加熱され、加熱された気流が、衣類乾燥機1又は洗濯機2に入った後、第1の排風ダクト13又は第2の排風ダクト23を経て外部に直接到達する。該実施例は、凝縮器34の設置を省くことができるが、衣類乾燥機1又は洗濯機2から出た気流を凝縮しないので、気流がそのまま室内に入り、暖かく湿った空気は、室内の人々へ不快感をもたらし、且つ暖かく湿った空気は、衣類処理装置の部品を腐食させて、衣類処理装置の耐用年数を縮める。該実施例では、第1の排風ダクト13と第2の排風ダクト23のそれぞれに凝縮器34を設置して、湿った空気の室内への侵入を防ぐこともできる。
【0040】
また、図示していないが、本発明の第2の衣類処理装置は、複数設置され、且つ、乾燥ユニットによって生成された乾燥気流が調整後の方向切換装置を介して各第2の衣類処理装置の第2の衣類処理ドラム内に同時に又は別々に送られるように、方向切換装置を適切に調整するようにしてもよい。
【0041】
さらに、本発明のクラッチ装置は、図面に示されるクラッチの形態に限定されるものではなく、他の任意の実行可能なクラッチ装置であってもよく、モーターと乾燥ドラム又は洗濯ドラムとの間の動力のオンオフを実現できればよい。また、本発明のクラッチ装置は、多位置クラッチ装置として構成されてもよく、それにより、駆動装置(たとえば、モーター14)は、該多位置クラッチ装置を介して複数の第2の衣類処理ドラムを選択的に回転駆動することができる。たとえば、モーター14は、クラッチ15を介して洗濯ドラム21に選択的に接続されてもよく、洗濯ドラム21を使用して衣類を乾燥させる場合、クラッチ15は、洗濯ドラム21に接続される位置に切り替えられ、熱風を供給しながら洗濯ドラム21を回転させ続ける。好ましくは、多位置クラッチ装置の位置の数は、駆動装置が該多位置クラッチ装置を介して各衣類処理ドラムを選択的に回転駆動できるように第1の衣類処理装置と第2の衣類処理装置の数の合計に等しく、それにより、本発明の衣類処理装置は、1つのモーターだけですべての衣類処理ドラムを回転駆動できる。
【0042】
さらに、当業者は、実際のニーズに応じて第1の衣類処理装置と第2の衣類処理装置のタイプを選択することができ、たとえば、第1の衣類処理装置と第2の衣類処理装置は、それぞれ洗濯機、洗濯乾燥機及び衣類乾燥機のいずれか1種であってもよい。
【0043】
以上は、図面に示される好ましい実施形態を参照して本発明の技術案を説明したが、勿論、本発明の保護範囲がこれらの特定の実施形態に限定されるものではないことは、当業者により容易に理解できる。当業者は、本発明の原理から逸脱することなく、関連する技術的特徴に対して同等の変更又は置換を行うことができ、これらの変更又は置換による技術案は、すべて本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1、乾燥機
11、乾燥ドラム
12、第1の送風ダクト
13、第1の排風ダクト
14、モーター
15、クラッチ
16、第1のベルト
2、洗濯機
21、洗濯ドラム
22、第2の送風ダクト
23、第2の排風ダクト
24、外筒
3、乾燥ダクト
31、第1の方向切換弁
32、第2の方向切換弁
33、ヒーター
34、凝縮器
35、送風機
36、第2のベルト。