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特許7240392ビームフォーミング動的情報を用いた中央コントローラによる動き検出
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】ビームフォーミング動的情報を用いた中央コントローラによる動き検出
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/46 20060101AFI20230308BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20230308BHJP
【FI】
G01S13/46
H04W16/28
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2020521438
(86)(22)【出願日】2018-11-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-04
(86)【国際出願番号】 CA2018051446
(87)【国際公開番号】W WO2019095059
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】62/586,824
(32)【優先日】2017-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/633,789
(32)【優先日】2018-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/648,110
(32)【優先日】2018-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/184,724
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】318010214
【氏名又は名称】コグニティヴ システムズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【弁理士】
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】クラヴェッツ オレクシー
(72)【発明者】
【氏名】オマー モハンマド
(72)【発明者】
【氏名】イトゥア スタンリー
(72)【発明者】
【氏名】チャッタ カランヴィル
(72)【発明者】
【氏名】マンク タジンダー
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-219222(JP,A)
【文献】国際公開第2016/005977(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0312877(US,A1)
【文献】特開2015-208008(JP,A)
【文献】特開2010-171645(JP,A)
【文献】特表2016-500942(JP,A)
【文献】国際公開第2017/039818(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00- 5/14
G01S 7/00- 7/42
G01S 13/00-13/95
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動き検出方法であって、
第2の無線通信デバイスで第1の無線通信デバイスから空間を介して送信された無線信号を受信することと、
前記無線信号に基づいて動的ビームフォーミング情報を生成することと、
前記第2の無線通信デバイスの動作により、以下のことの1つを実行することと、
を含み、
前記以下のことの1つは、
前記空間内の動きを検出するために前記動的ビームフォーミング情報を使用すること、又は、
前記空間内の動きを検出する際に使用される前記第1の無線通信デバイスに前記動的ビームフォーミング情報を送信すること、であり、
前記空間内の動きを検出することは、
前記動的ビームフォーミング情報に基づいて、前記第2の無線通信デバイスで受信された無線信号の相対強度を前記第2の無線通信デバイスに対する方向の関数として表す空間マップを生成することと、
前記空間マップの経時的な変化を分析することと、
を含む、
動き検出方法。
【請求項2】
前記第1の無線通信デバイスは、中央コントローラであり、前記第2の無線通信デバイスは、観測デバイスである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線信号のうちの第1の無線信号は、無線標準プロトコルメッセージであり、前記第2の無線通信デバイスは、対応する無線標準プロトコル応答において前記第1の無線通信デバイスに前記動的ビームフォーミング情報を送る、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記無線信号は、ブロードキャスト信号を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の無線通信デバイス及び前記第2の無線通信デバイスは、アドホック動き感知ネットワークを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の無線通信デバイス及び前記第2の無線通信デバイスは、メッシュネットワークを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記動的ビームフォーミング情報は、
H-行列、
V-行列、又は、
圧縮V-行列のうちの1つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記無線信号は、無線通信規格に従って前記第1の無線通信デバイスによって生成された無線標準プロトコルメッセージを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記無線標準プロトコルメッセージは、前記第2の無線通信デバイスにアドレス指定されたpingを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記無線標準プロトコルメッセージは、前記第2の無線通信デバイスを含む複数の近隣デバイスに対するpingを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記無線標準プロトコルメッセージは、データトラフィックを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記空間内の前記物体の位置を検出するために前記動的ビームフォーミング情報を使用することを含む、
請求項1から11の何れかに記載の方法。
【請求項13】
前記第2の無線通信デバイスが動き検出ソフトウェアを備えると識別することに基づいて、前記第2の無線通信デバイス上の動き検出ソフトウェアの動作によって動きを検出するために前記動的ビームフォーミング情報を使用することを決定することを含む、
請求項1から11の何れかに記載の方法。
【請求項14】
前記第2の無線通信デバイスが動き検出ソフトウェアを備えないことを識別することに基づいて、動き検出のために前記第1の無線通信デバイスに前記動的ビームフォーミング情報を送信することを決定することを含む、
請求項1から11の何れかに記載の方法。
【請求項15】
無線通信デバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサにより実行されたときに、前記無線通信デバイスに以下の動作を実行させる命令を含むメモリと、
を備え、
前記動作が、
第1の無線通信デバイスから空間を介して送信された無線信号を受信することと、
前記無線信号に基づいて動的ビームフォーミング情報を生成することと、
以下のことの1つを実行することと、
を含み、
前記以下のことの1つは、
前記空間内の動きを検出するために前記動的ビームフォーミング情報を使用すること、又は、
前記空間内の動きを検出する際に使用される前記第1の無線通信デバイスに前記動的ビームフォーミング情報を送信すること、であり、
前記空間内の動きを検出することは、
前記動的ビームフォーミング情報に基づいて、前記無線通信デバイスで受信された無線信号の相対強度を前記無線通信デバイスに対する方向の関数として表す空間マップを生成することと、
前記空間マップの経時的な変化を分析することと、
を含む、
無線通信デバイス。
【請求項16】
前記第1の無線通信デバイスは、中央コントローラであり、前記第2の無線通信デバイスは、観測デバイスである、
請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記無線信号は、無線標準プロトコルメッセージであり、前記第2の無線通信デバイスは、対応する無線標準プロトコル応答において前記第1の無線通信デバイスに前記動的ビームフォーミング情報を送る、
請求項15に記載のデバイス。
【請求項18】
前記無線信号は、ブロードキャスト信号を含む、
請求項15に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第1の無線通信デバイス及び前記第2の無線通信デバイスは、アドホック動き感知ネットワークを含む、
請求項15に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第1の無線通信デバイス及び前記第2の無線通信デバイスは、メッシュネットワークを含む、
請求項15に記載のデバイス。
【請求項21】
前記動的ビームフォーミング情報は、
H-行列、
V-行列、又は、
圧縮V-行列のうちの1つである、
請求項15に記載のデバイス。
【請求項22】
前記無線信号は、無線通信規格に従って前記第1の無線通信デバイスによって生成された無線標準プロトコルメッセージを含む、
請求項15に記載のデバイス。
【請求項23】
前記無線標準プロトコルメッセージは、前記第2の無線通信デバイスにアドレス指定されたpingを含む、
請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
データ処理装置によって実行されたときに、以下の動作を実行する命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、
前記動作が、
第2の無線通信デバイスで第1の無線通信デバイスから空間を介して送信された無線信号を受信することと、
前記無線信号に基づいて動的ビームフォーミング情報を生成することと、
前記第2の無線通信デバイスで、以下のことの1つを実行することと、
を含み、
前記以下のことの1つは、
前記空間内の動きを検出するために前記動的ビームフォーミング情報を使用すること、又は、
前記空間内の動きを検出する際に使用される前記第1の無線通信デバイスに前記動的ビームフォーミング情報を送信すること、であり、
前記空間内の動きを検出することは、
前記動的ビームフォーミング情報に基づいて、前記第2の無線通信デバイスで受信された無線信号の相対強度を前記第2の無線通信デバイスに対する方向の関数として表す空間マップを生成することと、
前記空間マップの経時的な変化を分析することと、
を含む、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項25】
前記第1の無線通信デバイスは、中央コントローラであり、前記第2の無線通信デバイスは、観測デバイスである、
請求項24に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項26】
前記無線信号は、無線標準プロトコルメッセージであり、前記第2の無線通信デバイスは、対応する無線標準プロトコル応答において前記第1の無線通信デバイスに前記動的ビームフォーミング情報を送る、
請求項24に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項27】
前記第1の無線通信デバイス及び前記第2の無線通信デバイスは、アドホック動き感知ネットワークを含む、
請求項24に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項28】
前記動的ビームフォーミング情報は、
H-行列、
V-行列、又は、
圧縮V-行列のうちの1つである、
請求項24に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項29】
前記無線信号は、無線通信規格に従って前記第1の無線通信デバイスによって生成された無線標準プロトコルメッセージを含む、
請求項24に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項30】
前記無線標準プロトコルメッセージは、前記第2の無線通信デバイスにアドレス指定されたpingを含む、
請求項29に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「ビームフォーミング動的情報に基づく動き検出」という名称の、2018年11月8日に出願された米国特許出願第16/184,724号、「ビームフォーミング動的情報を用いた中央コントローラによる動き検出」という名称の、2017年11月15日に出願された米国特許仮出願第62/586,824号、「中央コンピューティングノードを用いた動き検出」という名称の、2018年2月22日に出願された米国特許仮出願第62/633,789号明細書、及び「ビームフォーミング動的情報に基づく動き検出」という名称の、2018年3月26日に出願された米国特許仮出願第62/648,110号に対する優先権を主張するものであり、これらの全ては、引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
以下の説明は、動き検出に関する。
【0003】
動き検出システムは、例えば、室内又は屋外のエリアにおける物体の動きを検出するために使用されてきた。一部の例示的な動き検出システムでは、赤外線センサ又は光センサは、センサの視界内の物体の動きを検出するために使用される。動き検出システムは、セキュリティシステム、自動制御システム、及び他の形式のシステムにおいて使用されてきている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】例示的な無線ネットワークシステムを示す図である。
図2A】ビームフォーマ及びビームフォーミを備える例示的なビームフォーミングシステムを示す図である。
図2B】ビームフォーマ及びビームフォーミを備える例示的なビームフォーミングシステムを示す図である。
図3A】ビームフォーミング行列に基づいて動きを検出する例示的な無線通信システムの図である。
図3B】ビームフォーミング行列に基づいて動きを検出する例示的な無線通信システムの図である。
図4A】送信機と受信機との間の空間内の物体を含む例示的な無線通信システムを示す図である。
図4B】送信機と受信機との間の空間内の物体を含む例示的な無線通信システムを示す図である。
図5A】動き検出システムの第1のモードに対する例示的な空間マップ生成プロセスを示す図である。
図5B】動き検出システムの第1のモードに対する例示的な空間マップ生成プロセスを示す図である。
図6A】動き検出システムの例示的な空間マップ生成プロセスを示す図である。
図6B】動き検出システムの例示的な空間マップ生成プロセスを示す図である。
図6C】動き検出システムの例示的な空間マップ生成プロセスを示す図である。
図7】空間内の人と共に図4A及び図4Bの例示的なシステムを示す図である。
図8】受信した無線信号に基づいて空間マップを生成する例示的なシステムを示す図である。
図9】受信した無線信号に基づいて動きを検出する例示的なプロセスを示すフロー図である。
図10】中央コントローラを使用して動きを検出する例示的なプロセスを示すフロー図である。
図11】ping要求を処理する例示的なプロセスを示すフロー図である。
図12A】動き検出システムのシステムアーキテクチャの実施例を示す。
図12B】動き検出システムのシステムアーキテクチャの実施例を示す。
図12C】動き検出システムのシステムアーキテクチャの実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
記載される内容の一部の態様において、空間内の動きは、ビームフォーミング動的情報に基づいて検出される。ビームフォーミング動的情報は、ビームフォーミング動作を経時的に実行する際に無線通信デバイスの挙動、又は無線通信デバイスによって生成又は使用される情報を指すことができる。例えば、ビームフォーミング動的情報は、IEEE802.11規格(例えば、IEEE802.11-2012規格又はIEEE802.11ac-2013規格、これらは両方とも引用により本明細書に組み入れられる)に従って通信する無線通信デバイスによって生成されたフィードバック又はステアリング行列を含むことができる。無線通信デバイスのビームフォーミング動的情報の変化を分析することによって、空間内の動きを検出することができる。例えば、一部の実施構成において、ビームフォーミング無線通信システム内の無線通信デバイスによって生成されたフィードバック行列及びステアリング行列を経時的に分析して、(物体の動きによって引き起こされる場合がある)チャネル状態の変化を検出することができる。ビームフォーミングは、(例えば、受信機によって生成されたフィードバック特性を介して)チャネル状態の何らかの知識に基づいてデバイス間で実行することができ、該知識を使用して、透過ビーム/信号を1又は複数の特定の方向に整形するために送信機デバイスによって適用される1又は2以上のステアリング特性(例えば、ステアリング行列)を生成することができる。従って、ビームフォーミングプロセスにおいて使用されるステアリング特性又はフィードバック特性に対する変更は、チャネル状態の変化を示し、この変化は、無線通信システムによりアクセスされた空間内の移動中の物体によって引き起こされる場合がある。
【0006】
一部の実施構成において、例えば、ステアリング行列は、チャネルサウンディングに基づいて受信機デバイス(ビームフォーミ)によって提供されたフィードバック行列に基づき送信機デバイス(ビームフォーマ)で生成することができる。ステアリング行列及びフィードバック行列は、チャネルの伝播特性に関係するので、物体がチャネル内で移動すると、これらの行列は変化する。チャネル特性の変化は、相応してこれらの行列にて反映され、行列を分析することによって、動きを検出することができ、検出された動きの異なる特性を決定することができる。一部の実施構成において、空間マップは、1又は2以上のビームフォーミング行列に基づいて生成することができる。空間マップは、無線通信デバイスに対する空間内での物体の全体的な方向を示すことができる。一部の例において、ビームフォーミング行列の「モード」(例えば、フィードバック行列又はステアリング行列)を使用して、空間マップを生成することができる。空間マップを用いて、空間内の動きの存在を検出すること、又は検出された動きの場所を検出することができる。
【0007】
チャネルサウンディングは、無線通信システム内の異なる受信機デバイスの各々からチャネル状態情報(CSI)を取得するために実行されるプロセスを指すことができる。一部の事例において、チャネルサウンディングは、トレーニングシンボル(例えば、IEEE802.11ac-2013規格で明記されているようなヌルデータパケット(NDP))を送り、受信機デバイスがチャネルの尺度を含むフィードバックを提供するのを待機することによって実行される。一部の事例において、フィードバックは、受信機デバイスの各々によって算出されたフィードバック行列を含む。次いで、このフィードバックを使用して、1セットのステアリングされたビームを生成することによってデータ送信をプリコードするのに使用されるステアリング行列を生成することができ、これによって、1又は2以上の受信機デバイスでの受信を最適化することができる。チャネルサウンディングプロセスは、無線通信システムによって繰り返し実行することができる。従って、ステアリング行列は、例えば、データ伝送品質に対する伝播チャネルの変化の影響を最小限に抑えるためなど、繰り返し更新されることになる。ステアリング行列(又はフィードバック行列)の変化を経時的に観測することによって、チャネル内の物体による動きを検出することができる。更に、一部の例において、動きの異なるカテゴリ(例えば、人の動き対犬/猫の動き)を識別することができる。
【0008】
ビームフォーミング又はフィードバック行列の変化を分析して、幾つかの方法で動きを検出することができる。一部の例において、例えば、行列内の各成分の変動が分析され、又は行列の列の線形独立性(例えば、ランク)を分析することができる。この情報は、例えば、チャネル内に存在する幾つかの独立フェーディングパスを決定可能にすることができる。一部の例において、この線形独立性の係数が変化している場合、この変化は、特定のゾーンに限定された移動中の物体に起因する可能性がある。線形的に独立した列の数自体が変化する場合、この変化は、チャネルにわたって幅広い変化に起因する可能性があり、異なる種類のマルチパスを作成及び抹消することができる。一部の例において、この列間相関関係の時系列を分析して、例えば、これらの変化がどのくらい遅く又は速く発生しているかを決定することができる。
【0009】
一部の事例において、ビームフォーミングは、標準化されたプロセスに従って実行される。例えば、ビームフォーミングは、IEEE802.11規格(例えば、802.11g、802.11n又は802.11ac規格)に従って実行することができる。ビームフォーミングは、規格の任意選択的又は必須の特徴とすることができる。ビームフォーミングは、別の規格に従って、又は別の方法で実行することができる。一部の例において、802.11規格では、マルチアンテナ空間ダイバーシティを使用してアダプティブビームフォーミングを適用して、ネットワークノード間のデータ伝送品質を向上させる。移動中の物体は、送信された無線信号のマルチパス伝播を変更することによって、環境の空間特性を変化させる。その結果、このような移動は、802.11規格に従うデバイスによって実行されたビームフォーミングステアリング構成に影響を及ぼす可能性がある。ビームフォーマの空間構成(例えば、ビームフォーミング)が経時的にどのように変わるかを観測することによって(例えば、フィードバック行列に基づいてビームフォーマによって生成されたステアリング行列を介して)、無線送信によりカバーされる領域内の物理的な動きを検出することができる。
【0010】
本明細書で記載されるシステム及び技法は、一部の事例において1又は2以上の利点をもたらすことができる。例えば、2又は3以上の無線通信デバイスを用いて空間を通って送信された無線信号を使用して、動きを検出することができる。加えて、動きは、無線通信デバイス上で既に実施されている既知のプロトコル又はプロセス(例えば、IEEE802.11規格の態様)に従って検出することができる。
【0011】
図1は、例示的な無線通信システム100を示す。例示的な無線通信システム100は、3つの無線通信デバイス、すなわち、第1の無線通信デバイス102A、第2の無線通信デバイス102B及び第3の無線通信デバイス102Cを含む。例示的な無線通信システム100は、追加の又はより少数の(例えば、2つの)無線通信デバイスを含むことができ、また、他の構成要素(例えば、追加の無線通信デバイス、1又は2以上のネットワークサーバー、ネットワークルーター、ネットワークスイッチ、ケーブル又は他の通信リンクなど)を含むことができる。一部の事例において、無線通信デバイス102は、ネットワーク効率の向上(例えば、より高いSNRを介して)又は他の目的のためにビームフォーミング動作を実行する。
【0012】
例示的な無線通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、無線ネットワーク規格又は別の形式の無線通信プロトコルに従って無線ネットワークにおいて動作することができる。例えば、無線ネットワークは、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、又は別の形式の無線通信ネットワークとして動作するように構成することができる。WLANの実施例としては、IEEEによって開発された規格の802.11ファミリの1又は2以上(例えば、Wi-Fiネットワーク)及びその他に従って動作するように構成されるネットワークが挙げられる。PANの実施例としては、短距離通信規格(例えば、Bluetooth(登録商標)、近距離通信(NFC)、ZigBee(登録商標))、ミリ波通信方式、及びその他に従って動作するネットワークが挙げられる。
【0013】
一部の実施構成において、無線通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、セルラネットワーク規格に従ってセルラネットワークで通信するように構成することができる。セルラネットワークの実施例としては、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM)及びGSM進化型高速データレート(EDGE)又はEGPRSなどの2G規格、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)及び時分割複信-符号分割多元接続(TD-SCDMA)などの3G規格、ロングタームエボリューション(LTE)及び高度LTE(LTE-A)などの4Gの規格、及びその他に従って構成されたネットワークが挙げられる。
【0014】
図1に示す実施例において、無線通信デバイス102A、102B、102Cは、標準的な無線ネットワーク構成要素とすることができ、又は標準的な無線ネットワーク構成要素を含むことができる。例えば、無線通信デバイス102A、102B、102Cは、商業的に利用可能なWi-Fiアクセスポイント、又は別の形式の無線アクセスポイント(WAP)とすることができ、これらは、WAPのモデム上で命令(例えば、ソフトウェア又はファームウェア)として埋め込まれた、本明細書で記載されるような1又は2以上の動作を実行する。一部の例において、無線通信デバイス102A、102B、102Cは、例えば、商業的に利用可能なメッシュネットワークシステム(例えば、Google WiFi)など、無線メッシュネットワークのノードとすることができる。一部の例において、無線メッシュネットワークは、IEEE802.11メッシュ標準プロトコル(例えば、802.11s)に従って動作する。他の例において、無線通信デバイス102A、102B、102Cは、スター型ネットワーク又はアドホックネットワークを形成することができる。これらのネットワーク、例えば、メッシュ、スター、アドホックは、動き感知ネットワークを形成することができる。一部の例において、別の形式の標準的な又は従来のWi-Fi送信機デバイスを使用することができる。無線通信デバイス102A、102B、102Cは、Wi-Fi構成要素なしで実施することができ、例えば、他の形式の標準的な又は非標準的な無線通信を動き検出に使用することができる。一部の例において、無線通信デバイス102A、102B、102Cは、専用の動き検出システムとすることができ、又は専用の動き検出システムの一部とすることができる。例えば、専用の動き検出システムは、ハブデバイス及び1又は2以上のビーコンデバイス(遠隔センサ装置として)を含むことができ、無線通信デバイス102A、102B、102Cは、動き検出システムにおいてハブデバイス又はビーコンデバイスの何れかとすることができる。一部の実施構成において、無線通信デバイス102A、102B、102Cは、ユーザ装置(UE)、移動体電話、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、PDA、モノのインターネット(IoT)デバイス、スマートデバイス、ウェアラブルデバイス、又は無線通信可能な何れかのデバイスとすることができる。
【0015】
図1に示すように、例示的な無線通信デバイス102Cは、モデム112、プロセッサ114、メモリ116及び電源ユニット118を含み、無線通信システム100内の無線通信デバイス102A、102B、102Cの何れかは、同じ構成要素、追加の構成要素又は異なる構成要素を含むことができ、構成要素は、図1に示すように又は別の方法で動作するように構成することができる。一部の実施構成において、無線通信デバイスのモデム112、プロセッサ114、メモリ116及び電源ユニット118は、共通ハウジング又は他の組立体内に共に収容される。一部の実施構成において、無線通信デバイスの構成要素のうちの1又は2以上は、例えば、別個のハウジング又は他の組立体内に別個に収容することができる。
【0016】
例示的なモデム112は、無線信号を通信(受信、送信、又は両方)することができる。例えば、モデム112は、無線通信規格(例えば、Wi-Fi又はブルートゥース)に従ってフォーマットされた無線周波数(RF)信号を通信するように構成することができる。モデム112は、図2Bに示す例示的な送信機212又は受信機222として実行することができ、又はモデム112は、別の方法で、例えば、他の形式の構成要素又はサブシステムと共に実施することができる。一部の実施構成では、例示的なモデム112は、無線サブシステム及びベースバンドサブシステムを含む。一部の例において、ベースバンドサブシステム及び無線サブシステムは、共通のチップ又はチップセット上で実施することができ、又はカード又は別の形式の組み立てデバイスにおいて実施することができる。ベースバンドサブシステムは、例えば、リード、ピン、ワイヤー又は他の形式の接続によって無線サブシステムに結合することができる。
【0017】
一部の例において、モデム112内の無線サブシステムは、1又は2以上のアンテナ及び無線周波数回路を含むことができる。無線周波数回路としては、例えば、アナログ信号をフィルタリング、増幅、又は他の方法で調整する回路、ベースバンド信号をRF信号にアップコンバートする回路、RF信号をベースバンド信号にダウンコンバートする回路などを挙げることができる。このような回路は、例えば、フィルタ、増幅器、ミキサー、局部発振器などを含むことができる。無線サブシステムは、無線通信チャネル上で無線周波数無線信号を通信するように構成することができる。一例として、無線サブシステムは、無線チップ、RFフロントエンド及び1又は2以上のアンテナを含むことができる。無線サブシステムは、追加の又は異なる構成要素を含むことができる。一部の実施構成において、無線サブシステムは、従来のモデムから、例えば、Wi-Fiモデム、ピコ基地局モデムなどから無線電子機器(例えば、RFフロントエンド、無線チップ又は類似の構成要素)とすることができ、又は当該無線電子機器を含むことができる。一部の実施構成において、アンテナは、複数のアンテナを含む。
【0018】
一部の例において、モデム112内のベースバンドサブシステムは、例えば、デジタルベースバンドデータを処理するように構成されたデジタル電子機器を含むことができる。一例として、ベースバンドサブシステムは、ベースバンドチップを含むことができる。ベースバンドサブシステムは、追加の又は異なる構成要素を含むことができる。一部の例において、ベースバンドサブシステムは、デジタル信号プロセッサ(DSP)デバイス又は別の形式のプロセッサデバイスを含むことができる。一部の例において、ベースバンドシステムは、無線サブシステムを動作するか、無線サブシステムを介して無線ネットワークトラフィックを通信する、無線サブシステムを介して受信された動き検出信号に基づいて動きを検出する、又は他の形式のプロセスを実施するためのデジタル処理論理回路を含む。例えば、ベースバンドサブシステムは、信号を符号化して符号化された信号を送信のため無線サブシステムに送出する、又は無線サブシステムからの信号において符号化されたデータを識別及び分析する(例えば、信号を無線通信規格に従って復号することによって、信号を動き検出プロセスに従って処理することによって、又は他の方法で)ように構成された、1又は2以上のチップ、チップセット又は他の形式のデバイスを含むことができる。
【0019】
一部の事例において、例示的なモデム112内の無線サブシステムは、ベースバンド信号をベースバンドサブシステムから受信し、ベースバンド信号を無線周波数(RF)信号にアップコンバートして、無線周波数信号を無線で送信(例えば、アンテナを介して)する。一部の事例において、例示的なモデム112内の無線サブシステムは、無線周波数信号を(例えば、アンテナを介して)無線受信し、無線周波数信号をベースバンド信号にダウンコンバートして、ベースバンド信号をベースバンドサブシステムに送る。無線サブシステムとベースバンドサブシステムとの間で交換される信号は、デジタル信号又はアナログ信号とすることができる。一部の実施例において、ベースバンドサブシステムは、変換回路(例えば、デジタル/アナログ変換器、アナログ/デジタル変換器)を含み、アナログ信号を無線サブシステムと交換する。一部の実施例において、無線サブシステムは、変換回路(例えば、デジタル/アナログ変換器、アナログ/デジタル変換器)を含み、デジタル信号をベースバンドサブシステムと交換する。
【0020】
一部の例において、例示的なモデム112は、1又は2以上の無線通信チャネル上の無線サブシステムを介して無線通信ネットワーク上で無線ネットワークトラフィック(例えば、データパケット)を通信することができる。例えば、一部の実施構成において、第1の無線通信デバイスの第1のモデムは、無線通信ネットワーク上でヌルデータパケット(NDP)を通信することができる。第2の無線通信デバイスの第2のモデムは、NDPを受信し、フィードバック行列をNDPに基づいて生成することができ、該フィードバック行列は、ステアリング行列の決定に使用するため第1のモデムに通信して戻すことができ、該ステアリング行列を用いて、1又は2以上の無線通信チャネル上で送られた無線ネットワークトラフィックをステアリング又はビームフォーミングすることができる。同様の方法で、他の形式のデータパケットを使用することもできる。
【0021】
例示的なプロセッサ114は、命令を実施して、例えば、データ入力に基づいて出力データを生成することができる。命令は、プログラム、コード、スクリプト、又はメモリに記憶された他の形式のデータを含むことができる。付加的、又は代替的に、命令は、予めプログラムされた又は再プログラム可能な論理回路、論理ゲート、又は他の形式のハードウェア又はファームウェア構成要素として符号化することができる。プロセッサ114は、専用のコプロセッサ又は別の形式のデータ処理装置として、汎用マイクロプロセッサとすることができ、又は汎用マイクロプロセッサを含むことができる。一部の例において、プロセッサ114は、無線通信デバイス102Cの高レベルな動作を実行する。例えば、プロセッサ114は、ソフトウェア、スクリプト、プログラム、機能、実行ファイル又はメモリ116に記憶された他の命令を実行又は解釈するように構成することができる。一部の実施構成において、プロセッサ114は、モデム112内に含めることができる。
【0022】
例示的なメモリ116は、コンピュータ可読ストレージ媒体、例えば、揮発性メモリデバイス、不揮発性メモリデバイス、又はその両方を含むことができる。メモリ116は、1又は2以上の読み取り専用メモリデバイス、ランダムアクセスメモリデバイス、バッファメモリデバイス、又はこれらの組み合わせ及び他のタイプのメモリデバイスを含むことができる。一部の事例において、メモリの1又は2以上の構成要素は、無線通信デバイス102Cの別の構成要素と一体化するか又は他の方法で関連付けることができる。メモリ116は、プロセッサ114によって実行可能な命令を記憶することができる。例えば、命令は、図9の例示的なプロセス900、図10の例示的なプロセス1000又は図11の例示的なプロセス1100の動作のうちの1又は2以上を介してなど、動きを検出するための命令を含むことができる。
【0023】
例示的な電源ユニット118は、無線通信デバイス102Cの他の構成要素に電力を提供する。例えば、他の構成要素は、電圧バス又は他の接続を介して電源ユニット118によって提供される電力に基づいて動作することができる。一部の実施構成において、電源ユニット118は、バッテリ又はバッテリシステム、例えば、充電式バッテリを含む。一部の実施構成において、電源ユニット118は、(外部源から)外部電力信号を受信し、外部電力信号を無線ネットワークデバイス1012Cの構成要素に合わせて調整された内部電力信号に変換するアダプタ(例えば、ACアダプタ)を含む。電源ユニット118は、他の構成要素を含むか又は別の方法で動作することができる。
【0024】
図1に示す実施例において、無線通信デバイス102A、102Bは、無線信号を(例えば、無線ネットワーク規格、動き検出プロトコル、又はその他に従って)送信する。例えば、無線通信デバイス102A、102Bは、無線信号(例えば、基準信号、ビーコン信号、ステータス信号など)をブロードキャストすることができ、又は他のデバイス(例えば、ユーザ装置、クライアントデバイス、サーバーなど)にアドレス指定された無線信号を送ることができ、他のデバイス(図示せず)並びに無線通信デバイス102Cは、無線通信デバイス102A、102Bによって送信された無線信号を受信することができる。一部の例において、無線通信デバイス102A、102Bによって送信された無線信号は、例えば、無線通信規格又はその他に従って定期的に繰り返される。
【0025】
図示の実施例において、無線通信デバイス102Cは、無線信号によってアクセスされた空間内の物体の動きを検出するため、又は検出された動きの場所を決定するため、或いはその両方のために、無線通信デバイス102A、102Bからの無線信号を処理する。例えば、無線通信デバイス102Cは、図3図11に関して以下で説明する例示的なプロセスの1又は2以上の動作、或いは、動きを検出するか又は検出された動きの場所を決定するための別の形式のプロセスを実行することができる。無線信号によってアクセスされる空間は、屋内又は屋外の空間とすることができ、これは、例えば、1又は2以上の完全に又は部分的に囲まれたエリア、囲いのないオープンエリアなどを含むことができる。空間は、部屋、複数の部屋、建物、又は同様のものの内部とすることができ、又は該内部を含むことができる。一部の例において、無線通信システム100は、例えば、無線通信デバイス102Cが無線信号を送信することができ、無線通信デバイス102A、102Bが無線通信デバイス102Cからの無線信号を処理して、動きを検出するか又は検出された動きの場所を決定することができるように修正することができる。
【0026】
動き検出に使用される無線信号は、例えば、ビーコン信号(例えば、ブルートゥースビーコン、Wi-Fiビーコン、他の無線ビーコン信号)、無線ネットワーク規格に従って他の目的のために生成された別の標準信号又は動き検出又は他の目的のために生成された非標準的な信号(例えば、不規則信号、基準信号など)を含むことができる。一部の実施例において、無線信号は、移動中の物体と相互作用する前又は相互作用した後に、物体(例えば、壁部)を通って伝播し、これにより、移動中の物体と送信又は受信ハードウェアとの間の光学的な見通し線がなくても、移動中の物体の動きを検出することができる。受信信号に基づいて、第3の無線通信デバイス102Cは、動き検出データを生成することができる。一部の事例において、第3の無線通信デバイス102Cは、セキュリティシステムなど、別のデバイス又はシステムに動き検出データを通信することができ、別のデバイス又はシステムは、部屋、建物、屋外エリアなどの空間内の動きを監視するコントロールセンタを含むことができる。
【0027】
図1に示す実施例において、無線通信システム100は、それぞれの無線通信デバイス102の各々間に無線通信リンクを有する無線メッシュネットワークである。図示の実施例において、第3の無線通信デバイス102Cと第1の無線通信デバイス102Aとの間の無線通信リンクを使用して、第1の動き検出フィールド110Aを探索し、第3の無線通信デバイス102Cと第2の無線通信デバイス102Bとの間の無線通信リンクを使用して、第2の動き検出フィールド110Bを探索し、第1の無線通信デバイス102Aと第2の無線通信デバイス102Bとの間の無線通信リンクを使用して、第3の動き検出フィールド110Cを探索することができる。一部の事例において、各無線通信デバイス102は、動き検出フィールド110を介して無線通信デバイス102によって送信される無線信号に基づく受信信号を処理することによって、このデバイスがアクセスする動き検出フィールド110内の動きを検出する。例えば、図1に示す人106が、第1の動き検出フィールド110A及び第3の動き検出フィールド110C内で移動すると、無線通信デバイス102は、それぞれの動き検出フィールド110を介して送信された無線信号に基づく、無線通信デバイス102が受信した信号に基づいて動きを検出することができる。例えば、第1の無線通信デバイス102Aは、動き検出フィールド110A、110C両方における人の動きを検出することができ、第2の無線通信デバイス102Bは、動き検出フィールド110C内の人106の動きを検出することができ、第3の無線通信デバイス102Cは、動き検出フィールド110A内の人106の動きを検出することができる。
【0028】
一部の事例において、動き検出フィールド110は、例えば、空気、固体材料、液体、又は無線電磁信号が伝播することができる別の媒体を含むことができる。図1に示す実施例において、第1の動き検出フィールド110Aは、第1の無線通信デバイス102Aと第3の無線通信デバイス102Cとの間の無線通信チャネルを提供し、第2の動き検出フィールド110Bは、第2の無線通信デバイス102Bと第3の無線通信デバイス102Cとの間の無線通信チャネルを提供し、第3の動き検出フィールド110Cは、第1の無線通信デバイス102Aと第2の無線通信デバイス102Bとの間の無線通信チャネルを提供する。動作の一部の態様において、無線通信チャネル(ネットワークトラフィック用の無線通信チャネルとは別個の又は該チャネルと共有された)上で送信された無線信号を用いて、空間内の物体の動きを検出する。物体は、あらゆる形式の静止又は移動可能な物体とすることができ、生物又は無生物とすることができる。例えば、物体は、人間(例えば、図1に示した人106)、動物、無機物又は別のデバイス、装置、又は組立体、空間の境界の全て又は一部を定める物体(例えば、壁、ドア、窓など)、又は別の形式の物体とすることができる。一部の実施構成において、無線通信デバイスからの動き情報を分析して、検出された動きの場所を決定することができる。例えば、以下で更に説明するように、無線通信デバイス102のうちの1つ(又はデバイス102に通信可能に結合された別のデバイス)は、検出された動きが特定の無線通信デバイスの近くであると決定することができる。
【0029】
図2A及び図2Bは、ビームフォーマ210及びビームフォーミ220を備える例示的なビームフォーミングシステム200を示す図である。図示の実施例において、ビームフォーマ210は、送信機212を使用してチャネル230上で信号202をビームフォーミ220に送る。一部の事例において、信号202は、サウンディングパケットとも呼ばれるヌルデータパケット(NDP)を含む。ビームフォーミ220は、受信機222を使用して信号202を受信する。送信機212は、図2Bに示すように、無線サブシステム215、ベースバンドサブシステム213、及び複数のアンテナ217を含むことができる。同様に、受信機222は、図2Bに示すように、無線サブシステム223、ベースバンドサブシステム225、及び複数のアンテナ227を含むことができる。それぞれの無線及びベースバンドサブシステムは、上述のように実装することができる。一部の例において、送信機212及び受信機222は各々、複数のアンテナを含み、多重入力/多重出力(MIMO)システムを形成する。
【0030】
ビームフォーミ220は、受信機222にて受信された信号に基づいてチャネル状態情報(CSI)224を決定する。その後、ビームフォーミ220は、フィードバック行列計算機226を使用してCSI224に基づいてフィードバック行列204を演算する。一部の例において、フィードバック行列計算機226は、環境、例えば信号202が送信されるチャネルの変化に相関するフィードバック行列204を生成する。例えば、フィードバック行列内の変化は、動きの場所及び強度に相関付けることができる。その後、フィードバック行列204は、ビームフォーマ210に送られる。一部の例において、フィードバック行列204は、圧縮形式(例えば、フィードバック行列計算機226によって演算されたフィードバック行列204の圧縮バージョンとして)でビームフォーマに送られる。その後、ビームフォーマ210は、ステアリング行列計算機216を使用して、フィードバック行列204に基づいてステアリング行列214を生成する。その後、ステアリング行列214は、ビームフォーミ220に送信された次の信号に対するビームを整形するために送信機212によって使用される。一部の例において、無線送信機212又は受信機222の周囲状況に対する何らかの変更によって、信号202の伝播の変化が生じることになるので、ステアリング行列214に対する変更は、環境の変化を定量化している。例えば、システム200によって実行された連続的なチャネルサウンディングの結果として、ステアリング行列214は、データ伝送品質(例えば信号202の伝送品質)に対する伝播チャネルの変化の影響を最小限に抑えようとして、連続的に更新されることになる。ステアリング行列214の変化を経時的に観測することによって、動き又は存在検出プロセスは、物理的環境の変化を決定し、一部の例においては、物理的な動きの形式を分類することができる。
【0031】
一部の実施構成において、システム200によって実行されたビームフォーミングプロセスは、例えば、IEEE802.11規格などの規格に基づいている。例えば、一部の例において、ビームフォーミングプロセスは、IEEE802.11ac-2013規格の第9節、第20節及び/又は第22節に基づいている。一部の例において、システム200は、式(1)
【数1】
によってモデル化することができ、式中、
は、送信機212によってサブキャリア周波数kで送信されたベクトル
を表し、
は、受信機222によって受信されたベクトル
を表し、
は、寸法(dimensions)NRX×NTxのチャネル応答行列を表し(式中、NRXは、受信機でのアンテナの数であり、NRXは、送信機でのアンテナの数である)、
は、白色(空間的及び時間的に)のガウス雑音を表す。ビームフォーミングプロセスが使用される場合、ビームフォーマ210は、ステアリング行列
を送信信号に適用する。従って、システム200は、式(2)
【数2】
によってモデル化することができ、式中、
は、寸法(dimensions)NTx×NSTSの行列である(式中NSTSは、
の要素数である)。
【0032】
一部の実施構成において、明示的ビームフォーミングを使用することができる。例えば、明示的ビームフォーミングは、現在のチャネル状態のビームフォーミ220からの明示的フィードバックを必要とする。このような実施構成において、ビームフォーミ220は、(ビームフォーマ210によって送信されたヌルデータパケット内に含まれる)ビームフォーマ210のロングトレーニングフィールド(LTF)に基づいて、チャネル行列
を演算する。その後、チャネル行列は、行列
に符号化することができる。例示的な符号化プロセスは、IEEE802.11規格のセクション20.3.12.5(非圧縮)及び20.3.12.6(圧縮)において概説されている。一部の例において、行列
は、動作番号Ack管理フレーム(IEEE802.11ac-2013規格のセクション8.3.3.14で論じられているような)を使用して、ビームフォーミングレポートフィールド(IEEE802.11ac-2013規格のセクション8.4.1.28及びセクション8.4.1.29で論じられているような)で送られる。ビームフォーミ220はまた、同様のビームフォーミングプロセスを実施して、ビームフォーミングされた信号をビームフォーマ210に送るステアリング行列を決定することができる。他の実施構成において、暗示的ビームフォーミングを使用することができる。例えば、暗示的ビームフォーミングでは、ビームフォーマ210は、現在のチャネル状態に関するフィードバックがビームフォーミ220によって提供されないので、ビームフォーミング情報を演算することが必要とされる。そのような実施構成において、ビームフォーマ210は、ビームフォーミ220にサウンディングフレームを送るように要求する。ビームフォーミ220は、要求に応答して、サウンディングフレーム(例えば、ヌルデータパケット)をビームフォーマ210に送る。ビームフォーマ210は、サウンディングフレームを受信し、現在のチャネル状態を決定し、例えば、ビームフォーミ220とのチャネルの相互関係に基づいて行列Hkを演算する。
【0033】
図3A及び図3Bは、ビームフォーミング行列に基づいて動きを検出するための例示的な無線通信システム310、320の図である。一部の例において、無線通信システム310、320は、IEEE802.11無線通信規格の1又は2以上の態様に従って通信する。図3Aに示す実施例において、無線通信システム310は、無線アクセスポイント(WAP)302、WAP302に接続された複数のクライアントデバイス304、ネットワーク306、及びサーバー308を含む。図3Bに示す実施例において、無線通信システム320は、無線メッシュプロトコルに従って通信する複数のWAP302、WAP302に接続された複数のクライアントデバイス304、ネットワーク306、及びサーバー308を含む。サーバー308は、モデム312、プロセッサ314、メモリ316、及び電源ユニット318を含む。モデム312は、図1のモデム112と同様に実施することができ、プロセッサ314は、図1のプロセッサ114と同様に実施することができ、メモリ316は、図1のメモリ116と同様に実施することができ、電源ユニット318は、図1の電源ユニット118と同様に実施することができる。ネットワーク306は、サーバー308をWAP302及びクライアントデバイス304に通信可能に結合する何れかの形式のネットワーク(例えば、LAN、WAN、インターネット又はその組み合わせ)とすることができる。
【0034】
図示の実施例において、無線通信システム310、320は、例えば、ビームフォーミング情報を生成して1つの無線デバイスから別の無線デバイスに送信するためにビームフォーミングプロトコルを実装する。例えば、無線通信デバイスは、上述したものと類似のビームフォーミングプロトコルを実装することができる。各実施例において、1又は複数のWAP302、クライアントデバイス304、又はこれらの両方は、ビームフォーミング動的情報(例えば、ステアリング行列又はフィードバック行列)の分析に基づいて物体330の動きを検出することができる。一部の実施例(例えば、無線通信システム310)において、サウンディング及びビームフォーミングは、WAP302とクライアントデバイス304との間で実施され、動きは、ビームフォーミング行列の変化を観測する(例えば、ステアリング行列)ことによってWAP302にて検出される。動きはまた、クライアントデバイス304との接続毎にそれぞれのビームフォーミング行列の変化に基づいて、WAP302によって位置特定することができる。メッシュ実施例(例えば、無線通信システム320)において、サウンディング及びビームフォーミングは、WAP302とそれぞれのクライアントデバイス304との間で実施され、動き情報は、WAP302の各々において決定される。その後、動き情報は、ハブデバイス(例えば、WAP302のうちの1つ)又は別のデバイス(例えば、サーバー308)に送られ、動き情報を分析して、動きが空間内で発生したかどうかの全体的な決定を行うか、又は検出された動きの場所を検出するか、もしくはその両方を行うことができる。一部の実施例において、クライアントデバイス304はまた、ビームフォーミング行列(例えば、フィードバック行列)に基づいて動き情報を決定することができる。このような場合、動きは、ヌルデータパケットフレーム又は他の形式のWiFiフレームを受信した結果として算出されるチャネル状態情報(CSI)又はフィードバック行列推定に基づいて検出することができる。その後、動き情報は、ハブデバイス(例えば、WAP302のうちの1つ)又は別のデバイス(例えば、サーバー308)にわたされ、動きが空間内で発生したかどうかの全体的な決定を行うか、又は検出された動きの場所を検出するか、もしくはその両方を行うことができる。
【0035】
図4A及び図4Bは、物体410、420、430が送信機402と受信機404と間の空間内にある例示的な無線通信システム400を示す図である。図示の実施例において、信号406、408は、送信機402及び受信機404のそれぞれのアンテナ間で送信される。この実施例において、信号406は、物体410から反射され、信号408は、物体420から反射される。
【0036】
図4Aの右側の図を示す図4Bに示されるように、信号(例えば、信号406)の到来角θ及び受信機404のそれぞれのアンテナ間の距離dに起因して、信号は、受信機404のRX2アンテナ404-2対RX1アンテナ404-1に到着するために追加の距離δθを通過する必要がある。従って、実施例において、信号406は、異なる時間に受信機404のアンテナ404-1、404-2に到着する。図示するように、距離δθは、角度θ、距離d及び信号の波長λの関数として決定することができる。値d及びλは、一般に一定であり、従って、距離δθは、主として角度θに基づくことができる。システム400は、一般に、式(3)
【数3】
又は具体的には、図示の実施例において、式(4)
【数4】
によってモデル化することができる。ここでは、
は、アンテナ404-1によって受信された信号を表し、
は、アンテナ404-2によって受信された信号を表し、
は、送信機402の第1のアンテナによって送信された信号を表し、
は、送信機402の第1のアンテナによって送信された信号を表す。上記のことから、2つの送信機アンテナ及び2つの受信機アンテナを有するこの実施例において、H-行列は次式のように記述することができることがわかる。
【数5】
【0037】
一部の実施構成において、観測された「モード」(空間において物体によって生成された)の空間マップを生成することができる。各モードは、式(3)及び(4)において正方行列Hの一部で表すことができる。例えば、第1のモードは、行列
【数6】
で表すことができ、他方、第2のモードは、
【数7】
で表すことができる。
【0038】
式(3)及び(4)の行列Hの構成は、行が送信機への影響を表し、列は受信機への影響を表すことを示している。チャネル応答は、多くの異なる散乱モードの重ね合わせと考えることができる。しかしながら、受信機の近くでは、受信モードが支配的となることができる。従って、H行列から列を抽出し、これら列を空間情報を伝える受信モードと理解することができる。各受信モードは、角領域において受信された信号の相対電力レベルを示す空間マップに変換することができる。一部の例において、空間マップは、H行列の抽出された列に対してフーリエ解析を実施することによって生成することができる。フーリエ解析は、受信アンテナアレイ上の異なる到来角の投影を表す指数関数で抽出列を乗算及び累算することに対応することができる。この投影は、特定の傾斜光線が複数の受信アンテナ上で生成されることになる角正弦波を表す。列ベクトルを差分フーリエ基底で乗算及び累算することによって、角度領域のどこにエネルギが配置されているかを示す画像を生成することができる。このエネルギ-角度の画像は、受信機の近傍ではますます正確となる。一部の実施構成において、空間マップ又は全体形状のピークは、異なる追跡フィルタを使用して追跡し、動きが空間内で発生したかどうか決定することができる。
【0039】
一部の例において、抽出されたモードの各々をフーリエ分析して、その構成成分を生成することができ、これらの成分を追跡して、チャネル内で発生する変化に関する情報を得ることができる。角度などの一部の変化は、物理直観性に直接変換可能であり、一方、他の変化は、間接的に関係がある。変化は、間接的に関係があるとしても、(例えば、ニューラルネットワークなどの管理下でのトレーニング分類子を使用して)異なる動作に関連付けることができる。
【0040】
一部の実施構成において、フィードバック行列204は上記の行列Hを表すので、受信機によって生成されたフィードバック行列(例えば、図2Aのフィードバック行列204)を使用して、空間マップを生成することができる。一部の実施構成において、ステアリング行列は、フィードバック行列の逆行列と考えることができる(一方が他方を再構成するのに使用することができる)ので、送信機によって生成されたステアリング行列(例えば、図2Aのステアリング行列214)を使用して、空間マップを生成することができる。一部の例において、ビームフォーマ及びビームフォーミは、役割を変更して、相互チャネルに関する情報を決定することができる。例えば、ビームフォーマ210及びビームフォーミ220の役割は、これらが互いに通信するときに、2つの無線通信デバイス間で交番することができる。デバイスの一方又は両方は、ビームフォーミングプロセスによって生成された情報を使用して、デバイス間で空間内に動きが発生したかどうかを決定することができる。
【0041】
一部の事例において、第1のデバイスは、無線信号を第2のデバイスに送ることができ、該第2のデバイスは、観測結果デバイスとして表すことができる。1つの実施例において、図3Aに関して、WAP302は、第1のデバイスとすることができる。第1のデバイスと通信する1つ又は多くの観測デバイスが存在する場合があり、例えば、図3Aに示すクライアントデバイス304A~Cのうちの1又は2以上は、観測デバイスとすることができる。1つの実施例において、第1のデバイスは、中央コントローラとすることができる。一部の例において、中央コントローラは、動きを検出するように構成することができる。一部の例において、第1のデバイスは、動き検出システムに備えることができる。この実施例において、第2のデバイスは、ユーザ装置を、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、移動体電話、スマートフォン及びウェアラブルデバイス、モノのインターネット(IOT)デバイス又は他の無線デバイスを備えることができる。1つの実施構成において、1又は2以上の第2のデバイスは、動き検出ソフトウェアを含まず、他の方法で動き検出システムにおいて動き検出を実施するように構成されていない。
【0042】
1つの態様において、第1のデバイスから無線信号を受信することに応答して、第2のデバイスは、フィードバック行列又は他のビームフォーミング動的情報を演算する。例えば、第2のデバイスは、H-行列及び/又はV-行列を演算することができる。H-行列(例えば、Hk)及びV-行列(又は行列V)(例えば、Vk)は、上記で説明された。一部の例において、第2のデバイスは、無線信号に基づいて無線環境に関係する他の何れかのビームフォーミング動的情報を演算することができる。実施構成において、演算されたH-行列、V-行列及び/又は環境に関係する他のビームフォーミング動的情報は、第2のデバイスからフィードバックされる。この実施例において、無線信号は、動き検出信号又は動き計測を要求する他の信号として示されていない。一部の例において、第1のデバイスは、第2のデバイスからフィードバックに基づいてステアリング行列を演算しない。第2のデバイスによって演算されたH-行列、V-行列及び/又は他のビームフォーミング動的情報は、第1のデバイスによって送信された無線信号に基づいている。一部の例において、第2のデバイスによって演算されたH-行列、V-行列及び/又は他のビームフォーミング動的情報は、2つの無線デバイスの間に存在する無線プロトコルを介して第1のデバイスに送信される。一部の例において、プロトコルは、無線標準プロトコルである。一部の例において、第2のデバイスは、H-行列フィードバック応答を送る。他の例において、第2のデバイスは、V-行列フィードバック応答を送ることができる。他の例において、第2のデバイスは、無線信号に基づく他のビームフォーミング動的情報を送ることができる。1つの実施構成において、第1のデバイスは、1又は2以上の第2のデバイスから受信されたフィードバックに基づいて、第1のデバイスと第2のデバイスの間で発生する動きを検出することができる。
【0043】
図5A及び図5Bは、動き検出システムの第1のモードに対する例示的な空間マップ生成プロセスを示す図である。詳細には、図5Aは、上記で挙げた第1のモード(図4Aの物体410に対応する)について空間マップを生成するための例示的なフィルタ500を示し、図5Bは、フィルタ500の出力から生成された例示的な空間マップ510を示す。例示的なフィルタ500は、n及びθの値の範囲にわたって加算演算を実施し、nは、1~Nの範囲の整数であり(Nは、空間マップの粒度を表す)、θは、0~π/2の範囲の値である。フィルタ500は、図5Bのフィルタ出力512によって示すように、出力を生成することができる。一部の例において、フィルタ500によって実施される加算演算によって幾つかの値が生成され、各値は、角度θに関連付けられる。値は、空間マップ510によって示すようにマッピングされ、(角度θに対する)空間内の物体の空間読み出しを表示することができる。空間マップ510は、放射線の相対強度を方向の関数として表すことができる。従って、空間マップ510の最大値は、受信無線通信デバイスに対する空間内の物体(例えば、物体410)の方向を示すことができる。
【0044】
図6A及び図6Bは、動き検出システムの第2のモードの例示的な空間マップ生成プロセスを示す図である。詳細には、図6Aは、上記で挙げた第2のモード(図4Aの物体420に対応する)について空間マップを生成するための例示的なフィルタ500を示し、図6Bは、フィルタ500の出力によって生成された空間マップ510と共に、フィルタ600の出力から生成された例示的な空間マップ610を示す。空間マップ610は、放射線の相対強度を方向の関数として表すことができる。従って、空間マップ610の最大値は、受信無線通信デバイスに対する空間内の物体(例えば、物体420)の方向を示すことができる。
【0045】
フィルタ500及び600と類似のフィルタは、図6Cに示すように、高次MIMOシステム用にセットアップすることができる。図6Cは、第1の列における成分によって示される、3つの受信アンテナが存在するモードに対する空間マップを生成するための例示的なフィルタ650を示す。フィルタ500及び600と同様に、例示的なフィルタ650は出力を生成し、その値がマッピングされ、(角度θに対する)空間内の物体の空間読み出し(図示せず)を表示することができる。一部の例において、無線通信システムのモードの数は、送信/受信アンテナペアの数に左右される場合がある。
【0046】
図7は、空間内に人702が存在する図4A及び図4Bの例示的なシステム400を示す図である。図7にはまた、物体410によって表されたモードの空間マップ710が示されている。人702が図示のように空間内で移動するときには、受信機404のアンテナへの無線信号の入射角720が変化することになり、空間マップ710の最大値730の対応する変化が生じる。従って、空間マップの最大値の変化を分析又は追跡することによって、物体(例えば、人702又は別の形式の物体)の動きは、無線信号によってアクセスされる空間内で検出することができる。更に、最大値は、空間内の信号を散乱させる物体の方向を示すことができるので、検出された動きの相対位置は、空間マップを使用して決定することができる。
【0047】
図8は、受信無線信号に基づいて空間マップを生成する例示的なシステム800を示す図である。図示の実施例において、システム800は、特定のモードを抽出し、空間マップ(例えば、それぞれ、図5B図6B、及び図7の空間マップ510、610、710と類似の)に変換する。図示の実施例において、MIMOチャネル802から固有モードが抽出される。一部の例において、固有モードは、チャネル内に存在する固有の経路の数を指定することができるので、固有モードは、チャネル行列(例えば、式(3)の行列H)のランクに相当する。チャネル内のパスの独立性は、MIMOシステムが同時に複数のデータストリームを送ることを可能にするものである。一部の実施構成において、チャネル行列内に存在する幾つかの独立したモードが決定される。この決定は、チャネル行列を固有(有効)成分に分解するステップと、チャネル行列を含む有効数の有意な成分を見つけ出すために非線形閾値処理をこれらの固有成分にわたって実施するステップとを含むことができる。
【0048】
有意な成分及び有意性値が決定されると、値のうちの1又は2以上を追跡することができる。図8に示す実施例において、モード単一性計算機804は、これらの成分を演算してモード選択器806に送り、該モード選択器806は、有意な成分を追跡する。追跡成分の各々は、モードに対応する空間マッパー808A、808Bへのチャネルに伝えられる。空間マッパーに至る例示的なチャネルは、それぞれの成分をチャネル内で起こる変動の何らかの尺度に変換する。例えば、空間マッパーへのチャネルは、固有成分を時間領域、角領域又は他の領域の異なる表現にマッピングし、何れかの所与の瞬間にチャネル内で起こる物理変化の尺度を導出することができる。空間マッパーへのチャネルは、出力をコンバイナ810に提供し、該コンバイナ810は、検出された変化全てを結合し、(例えば、カルマンのようなトラッキングフィルタを使用して)変化を追跡するトラッカー812に出力を提供する。図示の実施例において、コンバイナは、リンク信号対雑音比率(SNR)情報814でシードされ、これによって、コンバイナは、それぞれのSNRに基づいて異なるチャネルインスタンスから決定事項を重み付けすることができる。
【0049】
図9は、ビームフォーミング動的情報に基づいて動きを検出する例示的なプロセス900を示すフロー図である。一部の事例において、プロセス900を実施して、選択された無線通信チャネル上で送信された信号に基づいて、空間内の物体の動きを検出することができる。例示的なプロセス700における動作は、データ処理装置(例えば、図1の例示的な無線通信デバイス102Cのプロセッサ114)によって実施されて、無線通信デバイス(例えば、図1の無線通信デバイス102C)にて受信された信号に基づいて動きを検出することができる。例示的なプロセス900は、別の形式のデバイスによって実施することができる。例えば、プロセス900の動作は、信号を受信する無線通信デバイス102C以外のシステム(例えば、無線通信デバイス102Cによって受信された信号を集約及び分析する図1の無線通信システム100に接続されたコンピュータシステム)によって実施することができる。
【0050】
例示的なプロセス900は、追加の又は異なる動作を含むことができ、動作は、図示する順番又は別の順番で実施することができる。一部の例において、図9に示す動作のうちの1又は2以上は、複数の動作を含むプロセス、サブプロセス又は他の形式のルーチンとして実施される。一部の例において、動作は、組み合わせるか、別の順番で実施するか、並行して実施するか、反復するか、又は他の方法で繰り返すか、又は別の方法で実施することができる。
【0051】
902において、ビームフォーミング動的情報を取得する。ビームフォーミング動的情報は、図3Aに示す無線通信デバイス302及び304など、第1の無線通信デバイスから第2の無線通信デバイスに空間を介して送信された1セットの無線信号に基づくことができる。ビームフォーミング動的情報は、ビームフォーミング通信プロトコルにおいて、ビームフォーミ又はビームフォーマそれぞれによって生成されたフィードバック行列又はステアリング行列などのビームフォーミング行列を含むことができる。例えば、ビームフォーミング行列は、図2Aのフィードバック行列204と類似のフィードバック行列、又は図2Aのステアリング行列214と類似のステアリング行列を含むことができる。一部の実施構成において、ビームフォーミング動的情報は、標準化されたプロセスの一部として取得される。例えば、一部の例において、ビームフォーミング動的情報は、IEEE802.11規格(例えば、IEEE802.11ac-2013規格)の一部として取得される。
【0052】
904において、空間マップは、902で取得したビームフォーミング動的情報に基づいて生成する。空間マップは、(受信機に対する)方向の関数としての受信された無線信号の相対放射強度の表現とすることができる。一部の実施構成において、空間マップは、902で取得したビームフォーミング行列(例えば、フィードバック又はステアリング行列)に基づいて生成される。空間マップは、無線通信システムにおいて各モードの表現を含むことができる。例えば、空間マップは、図6Bの空間マップ610と類似とすることができる。空間マップは、フィルタを使用して生成することができ、図5A図6Aのフィルタ500、600と類似のものである。
【0053】
906において、空間内の物体の動きを検出する。動きは、902で取得したビームフォーミング動的情報、904で生成された空間マップ、又はこれらの組み合わせに基づいて検出することができる。例えば、動きは、902で取得したフィードバック行列に見られる経時的な変化に基づいて検出することができる。別の実施例として、動きは、904で生成した空間マップに見られる経時的な変化に基づいて検出することができる。一部の例において、ニューラルネットワークを908で使用して、空間内で動きが発生したかどうか検出することができる。例えば、ニューラルネットワーク(畳み込み又は完全に接続された)は、過去の既知の動き/動きなしデータでトレーニングすることができ、ニューラルネットワークが、ビームフォーミング動的情報、空間マップ又はその両方の未知の入力に基づいて現時点で動きが発生しているかどうかを出力として確認することができるようになる。
【0054】
図10は、観測デバイス(例えば受信機)がコンピュータデバイス(例えば、送信機デバイス)から無線信号を受信する例示的なプロセス1000を示すフロー図である。1つの実施構成において、中央コントローラとして更に構成することができるコンピューティングデバイス、例えば、図3A及び図3Bに示すWAP302が、無線信号を送る。コンピューティングデバイスは、コンピューティングデバイスの1又は2以上のアンテナを用いて、無線信号を送信することができる。1002において、無線信号は、1又は2以上の観測デバイス、例えば、図3Aのデバイス304A-Cの何れかによって受信することができる。観測デバイスは、観測デバイスの1又は2以上のアンテナを使用して無線信号を受信することができる。実施例において、中央コントローラは、空間内の動きの検出に使用される1又は2以上の観測デバイスからフィードバックを収集することによって、動き検出プロセス1000を制御することができる。一部の例において、コンピューティングデバイス及び1又は2以上の観測デバイスは、アドホックネットワークを形成することができる。
【0055】
1004において、無線信号を受信する観測デバイスの各々は、H-行列、V-行列、又は環境に関係する他のビームフォーミング動的情報を演算する。1006において、観測デバイスは、それぞれのH-行列、V-行列又は他のビームフォーミング動的情報をコンピューティングデバイスにフィードバックする。動きは、観測デバイスによって提供されたH-行列、V-行列、及び/又は環境に関係する他の何れかのビームフォーミング動的情報において発生する何れかの変化を分析することによって、コンピューティングデバイスにて検出することができる。一部の例において、コンピューティングデバイスは、観測デバイスとコンピューティングデバイスとの間で送信された無線信号により通過された空間内で発生する動きを検出することができる。一部の事例において、コンピューティングデバイスは、無線信号で無線標準プロトコルメッセージを1又は2以上の観測デバイスに送信する。例えば、無線標準プロトコルメッセージは、明示的ビームフォーミング要求、暗示的ビームフォーミング要求、プローブ要求、pingなどとすることができる。一部の例において、無線標準プロトコルメッセージはまた、標準データトラフィックを含むことができる。1つの場合において、無線標準プロトコルメッセージは、IEEE802.11規格のうちの1つによって定義することができる。一部の例において、1又は2以上の観測デバイスは、コンピューティングデバイスから受信された無線信号への無線標準プロトコル応答に応答する。例えば、観測デバイスのうちの1又は2以上は、コンピューティングデバイスからの無線標準プロトコルメッセージに対して、無線規格(例えば、IEEE802.11規格)のプロトコルに従った応答で応答することができる。1つの実施例において、観測デバイスのうちの1又は2以上は、コンピューティングデバイスから無線標準プロトコルメッセージを受信することに応答して、H-行列、V-行列、又は他のビームフォーミング動的情報をコンピューティングデバイスに送信することができる。一部の例において、無線標準プロトコルメッセージは、1又は2以上のデバイス、例えば、デバイス304Aに個別に送ることができ、他の例において、コンピューティングデバイスと無線通信する観測デバイス(例えばデバイス304A~C)の全てにブロードキャストすることができる。一部の例において、コンピューティングデバイスと通信する観測デバイスの数は、一定ではない。一部の事例において、観測デバイス(例えば、デバイス304A~C)は、動き検出用には構成されておらず、例えば、観測デバイスは、動き検出システムにおいて、例えば、プログラムされた動き検出ハードウェア又はソフトウェアで動き検出デバイスとして構成されていない場合がある。一部の例において、コンピューティングデバイス及び観測デバイスは、アドホックな動き検出ネットワークを形成する。実施例において、コンピューティングデバイスによって送られた標準プロトコルメッセージは、標準プローブ要求メッセージであり、観測デバイスは、プロトコルに従ってプローブ要求メッセージに対する応答を送る。一部の例において、コンピューティングデバイスは、サウンディング信号、ヌルデータパケット(NDP)チャネルサウンディング信号又はパイロット信号とも呼ばれるping信号を送る。例えば、観測デバイスは、ping信号及びその構造を認識することができる。他の例において、コンピューティングデバイスは、観測デバイスが認識しない信号を送ることができる。その構造が観測デバイスによって認識されない信号は、ブラインド支援チャネル推定器、データ支援チャネル推定器、又は決定支援チャネル推定器と呼ぶことができる。しかしながら、これらの形式の信号は、大量の雑音を生成する可能性があり、一部の例において、観測デバイスの測定に影響を与える場合がある。
【0056】
別の態様において、コンピューティングデバイス(例えば送信機デバイス)は、全ての近隣デバイスに無線信号を送ることができる。上述したように、送信機デバイスは、一部の実施例において、第1のデバイスとすることができる。例えば、送信機デバイスは、WAP302(図3A又は3Bの何れかに例示される)として構成することができ、又は中央コントローラとすることができる。近隣デバイスは、送信機デバイスによって到達可能である観測デバイス、例えば送信機デバイスに近隣しているデバイスであって、送信機デバイスから送信された無線信号を受信できるデバイスとすることができる。しかしながら、送信機デバイスは、送信機デバイスに近隣している可能性があるのがどのデバイスであるか、又はデバイスの数に関する知識を有していない可能性がある。近隣デバイスは、上述したように、一部の実施例において、第2のデバイス(つまり観測デバイス)とすることができる。一部の例において、近隣デバイスは、ユーザ装置、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、移動体電話、スマートフォン、及びウェアラブル端末、モノのインターネット(IOT)デバイス、又は他の無線デバイス、もしくはこれらの組み合わせなど、無線信号を受信することができる他のWAP302又は他の何れかの無線デバイスとして構成されたデバイスを含むことができる。
【0057】
1つの事例において、送信機デバイスは、単一の無線信号を全ての近隣デバイスに送信することができる。1つの実施例において、無線信号は、(上述した)ping信号とすることができる。ping信号は、全ての近隣デバイスへのブロードキャストを介して送信することができるか、又は近隣デバイスを選択するマルチキャスト又はユニキャストすることができ、これは、無線規格又は送信機デバイスの無線構成に基づいて決定することができる。近隣デバイスが、ping信号を受信するときには、フィードバック行列をとも呼ばれるH-行列(又はV-行列)を生成する基準信号として、ping信号を使用することができる。一部の例において、ping信号は、標準プロトコル(例えばIEEE802.11)に従って送信され、近隣デバイスは、ping信号を処理し、対応する無線標準プロトコル応答に従ってフィードバック行列を生成する。近隣デバイスは、一部の例において、H-行列及び/又はV-行列を使用して、近隣デバイスにて動きインジケータを演算することができる。一部の例において、演算された値は、動きを検出するために近隣デバイスによって使用することができ、又は他の例において、追加の分析のために送信機デバイスに返信することができる。別の実施例において、ping信号は、近隣デバイスに対して、ping信号に基づいてH-行列及び/又はV-行列を演算して行列又は複数の行列を未加工の形で、例えば近隣デバイスによる追加の処理なしに送信するように指示する。この場合、送信機デバイスは、H-行列(又はV-行列)に関して追加の分析を実施して動きを検出する。
【0058】
図11は、送信機デバイスからのping信号を処理する近隣デバイスの実施例を例示するフローチャート1100である。一部の例において、送信機デバイスは、異なる形式の無線信号、例えば、図10で論じたように、明示的ビームフォーミング要求、暗示的ビームフォーミング要求又はプローブ要求を送ることができる。一部の例において、各近隣デバイスは、各近隣デバイスが動き検出能力を有して構成されているかどうか、例えば、(以下及び図12で説明される)動き検出デバイス1220などの各近隣デバイスが、動き検出ソフトウェアを有するかどうかに関して決定するか、又はそのことに関する知識を有することができる。1102において、各近隣デバイスは、送信機デバイスからping信号を受信する。1104において、各近隣デバイスは、ping信号を受信することに応答して、(デバイス能力に応じて)フィードバック行列、例えば、H-行列及び/又はV-行列、及び一部の例において圧縮V-行列など、ビームフォーミング情報フィードバックを生成する。1106において、近隣デバイスの各々は、1108においてデバイス自体にて動きインジケータ値を演算するかどうか、又は1110において送信機が動きインジケータ値を演算できるように送信機に情報をフィードバックするかどうかを決定する。例えば、1つの場合において、ping信号は、デバイスがそれぞれのH-行列又はV-行列をフィードバックする必要があることを近隣デバイスに示すことができる。別の場合において、近隣デバイスが動き検出能力を有して構成されていない場合には、近隣デバイスは、それぞれのH-行列又はV-行列をフィードバックすることができる。しかしながら、他の例において、近隣デバイスが動き検出能力を有して構成されているときには、対応する動き検出プロセスは、近隣デバイスがどの動作を取るかを決定することができ、例えば、動き検出プロセスは、近隣デバイスに対して、デバイスにて動きインジケータを演算するか、又は他の例において、近隣デバイスにて動きを演算するのではなく、それぞれのH-行列又はV-行列をフィードバックするように指示することができる。一部の例において、H-行列及び/又はV-行列は、例えば、近隣デバイスによる追加の処理なしで、未加工の形で送信機デバイスに送られる。
【0059】
実施例において、デバイスによって(例えば近隣デバイスにて)空間内で動きが検出された場合、動きインジケータ値(MIV)は、デバイスによって演算される。MIVは、デバイスによって送信又は受信された無線信号に基づいて、デバイスによって検出された動きの程度を表す。例えば、より高いMIVは、(検出された動きに起因する)高いレベルのチャネル摂動を示すことができ、一方、より低いMIVは、より低いレベルのチャネル摂動を示すことができる。より高いレベルのチャネル摂動は、デバイスに極接近した動きを示すことができる。MIVは、集計MIV(それぞれのデバイス402によって集計において検出された動きの程度を表す)、リンクMIV(それぞれのデバイス402間の特定の通信リンク上で検出された動きの程度を表す)、パスMIV(それぞれのデバイス402のハードウェア信号経路間の特定の通信経路上で検出された動きの程度を表す)、又はこれらの組み合わせを含むことができる。一部の実施構成において、MIVは、例えば、ゼロ(0)~100(100)の値に正規化される。
【0060】
図12A図12B、及び図12Cは、動き検出システムのシステムアーキテクチャの実施例を示す。これらのシステムアーキテクチャの実施例は、例えば、図1図3A及び図3Bに示すシステムなど、動き検出システムを形成するノード間でサポートされた接続性の形式を記載しており、一部の例においては拡張している。図12Aに示す例示的なシステムアーキテクチャ1200Aにおいて、異なる形式のノードは、動き検出システムにて接続できるという点で限定される。例えば、ノード接続性は、動き検出システムを形成するために同様のデバイスが同様のデバイスに接続されるという点でほとんど均質である。図12Aの例示的な構成の各々において、動きは、壁部を通ることを含めて、接続されたノード各ペア間で検出することができる。図12Aに記載される各動き検出システム構成は、広いエリアの動き検出カバレッジをもたらすことができる。図12Aの動き検出システム構成はまた、特定のノードに対する動きの近接性を決定することができる。図12Aの動き検出システム構成はまた、カバレッジエリア内の動きの誤検出を制限することができる。例示的な構成1200A-1において、動き検出システムは、アクセスポイント(AP)1210(例えば、図3AのWAP302)及びリーフノード1215(例えば、図3Aのデバイス304)から構成することができる。AP1210は、例えば、AP1210の各々が少なくとも1つの他のAPに接続されるメッシュネットワークを形成することができる。メッシュネットワークは、2又は3以上のデバイス(例えば、AP1210(例えば、図3BのWAP302A、302B、302C)から構成することができる。リーフノード1215は、AP(例えば、図3Bのデバイス304A、304B、30C)の各々に接続することができる。リーフノード1215は、センサデバイスとして機能するWi-Fiデバイスとすることができる。1つの実施例において、スマートフォンは、リーフノード(例えば、図3Bのデバイス34B)とすることができる。一部の例において、動き検出システムのリーフノード1215は定置型であり、安定した電源を有することが好ましく、例えば、スマートフォンはプラグ接続される。一部の例において、AP1210及びリーフノード1215は、IEEE802.11ac又はより高度の標準プロトコルに準拠することができ、動き検出システムを形成するために動き検出特有のハードウェア又はソフトウェアが必要ではない。
【0061】
例示的な構成1200A-2において、動き検出システムは、動き検出能力を有して構成された少なくとも2つの動き検出デバイス1220(例えば、図1の無線通信デバイス102A、102B、102C)から構成されている。動き検出デバイス1220は、例えば、2又は3以上の動き検出デバイス1220のメッシュネットワークを形成するために接続することができる。一部の事例において、動き検出デバイス1220は、動き検出ソフトウェアを有して構成することができる。動き検出デバイス1220は、専用の動き検出ハードウェア及び/又はソフトウェアを備えることができる。図示の実施例において、例示的な動き検出デバイス1220は、同様に構成された他の動き検出デバイスだけに接続することができる。
【0062】
例示的な構成1200A-3において、動き検出システムは、クライアント間接続を形成する2つのクライアントデバイス1230を備えることができる。クライアントデバイス1230は、Wi-Fi対応デバイスとすることができ、例えば、図3Bのデバイス304は、動き検出ソフトウェアを有して構成されるWi-Fiカメラ又は他のWi-Fiデバイスとすることができる。一部の例において、クライアントデバイス1230の構成は、2地点間動きセンサを提供する。実施例において、クライアントデバイス1230は、デバイス間で発生する動きを決定するために互いに相互作用することができる。
【0063】
図12Bは、動き検出システムにおいて異なる形式のノードの制限が緩和された接続性を有する別のシステムアーキテクチャ1200Bを示す。例えば、異なる形式のノードの各々は、メッシュネットワーク(例えば、図3BのWAP302A、302B、302C)で構成されたAP1210に接続することができる。この実施例において、リーフノード1215(例えば、802.11ac以上に準拠するデバイス又はビームフォーミング情報(例えば、H-行列及び/又はV-行列)を提供することができるデバイス)、また改善形リーフノード1225(例えば、H-行列及び/又はV-行列、及び/又は圧縮V-行列を提供する何れかの802.11デバイス)は、AP1210(例えば、図3B内のデバイス304A、304B、304C)の何れにも接続することができる。クライアントデバイス1230は、互いのクライアントデバイスに加えて、AP1210に接続することができ、例えば、この構成は、ノード1210を含むAPメッシュネットワーク(例えば、図3Bに示すデバイス302A、302B、302Cのネットワーク)と、リーフノード1215、1225又はクライアントノード1230(例えば、デバイス304A、304B、304C)の何れかを含むクライアントメッシュネットワークと、を備えることができる。更に、改善形動き検出デバイス1240は、動き検出ハードウェア、例えば専用ハードウェアを有して構成することができるが、AP1210への接続性を更にサポートすることができる。図12Bに示すような動き検出システムにおいて動きを検出するための追加のノード及びひいては追加のデータを利用するこの形式の構成は、改善形データ収集、従って占有検出(例えば、人又は物体が存在するかどうか)、管理されていない機械学習に基づく動きのローカライゼーション(人の入力/援助なしでどこで動きが発生しているかの決定)、及び高度動き形式の検出(例えば、移動している人間/犬/猫など)など改善された特徴を提供する。
【0064】
図12Cは、異なる形式のデバイスが他の何れかのデバイスに接続することができる別のシステムアーキテクチャ1200Cを示す。例えば、リーフデバイス1215、1225は、クライアントデバイス1230に接続することができ(例えば、デバイス304A、304B、304Cは各々、この実施例において互いに接続することができる)、これらの接続は、図12Bに示す構成ではサポートされていなかった。更に、この構成は、任意の動き検出デバイス1220、1240(例えば、専用動き検出ハードウェア及び/又はソフトウェアを有して特定的に構成されるデバイス)を含まないか又は必要としない。一部の例において、図12Cの動き検出システムにおけるハードウェア構成要素は、商業的に利用可能なデバイス、例えば、リーフ1215、1225、クライアント1230、及びAP1210(図3Bに示すデバイス304及びWAP302を含むことができる)から構成することができる。従って、この構成は、動き検出システムにデータを提供する有意に多くのノードを有することを容易にする。この実施例において、本構成は、(例えば、10を超えるノードを有する)大規模マルチスタンタードネットワークを形成することができる。更に、各デバイス間接続(例えばリーフ1215、1225とクライアント1230との間の接続)は、動きリンクを構成することができ、ここでは動き測定を行うことができる。この実施例において、動きデータを提供する何百もの動きリンクが存在することができ、これによりシステムによって収集されるデータ量が増大する。その結果として、データが多いほど、データに対する特定のより多くのコンテンツを分析し開発するのに利用可能であるので、動き検出分析が改善される。例えば、図12Cの構成を有する動き検出システムは、管理されないマルチターゲットローカライゼーション及びターゲットカウントを提供する(例えば、複数の動き及び物体を追跡する)、統計上のターゲット識別(例えば、迅速に動いている人と比べた緩慢に動いている人又は電動ファンなど、経時的に統計学的に同じである動きをラベル付けすることに基づいて)を提供する、並びに呼吸活動を確実に検出する(例えば、人又は動物が静止している場合に)ことを可能にするのに十分なデータを収集することができる。
【0065】
本明細書で説明した主題及び動作の一部は、デジタル電子回路で、又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、又は本明細書及びこの構造的等価物に開示された構造を含むハードウェアで、又はこれらの1又は2以上の組み合わせで実施することができる。本明細書で説明した主題の一部は、1又は2以上のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のための又はデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ可読ストレージ媒体に符号化されたコンピュータプログラム命令の1又は2以上のモジュールとして実施することができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、コンピュータ可読ストレージデバイス、コンピュータ可読ストレージ基板、ランダム又はシリアルアクセスメモリアレイ又はデバイス、又はこれらの1又は2以上の組み合わせとすることができるか、又はこれに含めることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体が伝播信号でない場合、コンピュータ可読ストレージ媒体は、人工的に生成された伝播信号に符号化されたコンピュータプログラム命令の発信元又は宛先とすることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、1又は2以上の別々の物理的構成要素又は媒体(例えば、マルチCD、ディスク、又は他のストレージデバイス)とすることができるか、又はこれに含めることができる。コンピュータ可読ストレージ媒体は、複数のコンピュータ可読ストレージデバイスを含むことができる。コンピュータ可読ストレージデバイスは、同一場所に配置される(単一のストレージデバイス内に記憶された命令)か、又は異なる場所に配置することができる(例えば、分散された場所に記憶された命令)。
【0066】
本明細書で説明する動作の一部は、メモリに(例えば、1又は2以上のコンピュータ可読ストレージデバイス上に)記憶されたか、又は他のソースから受信されたデータにデータ処理装置によって実施される動作として実施することができる。「データ処理装置」という用語は、一例として、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、チップ上のシステム又は複数のチップ又は上記の組み合わせを含め、データを処理する全ての種類の装置、デバイス及びマシンを包含する。本装置は、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)を含むことができる。本装置はまた、ハードウェアに加えて、問題になっているコンピュータプログラムの実施環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、又はこれらのうちの1又は2以上の組み合わせを構成するコードを含むこともできる。一部の事例において、データ処理装置は、1セットのプロセッサを含む。1セットのプロセッサは、同一場所に配置する(例えば、同じコンピューティングデバイス内に複数のプロセッサ)か、又は互いに異なる場所に配置する(例えば、分散型コンピューティングデバイス内の複数のプロセッサ)ことができる。データ処理装置によって実施されたデータを記憶するメモリは、データ処理装置と同一場所に配置する(例えば、同じコンピューティングデバイスのメモリに記憶された命令を実施するコンピューティングデバイス)か、又はデータ処理装置から異なる場所に配置する(例えば、サーバーデバイス上に記憶された命令を実施するクライアントデバイス)ことができる。
【0067】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、又はコードとしても公知)は、コンパイル又は解釈言語、宣言型又は手続き型言語を含むプログラミング言語の何れかの形態で書くことができ、独立型プログラムとして、又はモジュール、構成要素、サブルーチン、オブジェクト、又はコンピュータ環境で使用するのに適した他のユニットとして含む何れかの形態で備えることができる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応することができるが、必ずしも対応する必要はない。プログラムを、他のプログラム又はデータ(例えば、マークアップ言語文書に格納された1又は2以上のスクリプト)を保持するファイルの一部に、プログラム専用の単一のファイルに、又は複数の協調ファイル(例えば、1又は2以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部分を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトに位置付けられるか又は複数のサイトにわたって分散され通信ネットワークによって相互接続される複数のコンピュータ上で実行されるように導入することができる。
【0068】
本明細書で説明するプロセス及び論理フローの一部は、入力データで動作して出力を生成することによって動作を実施するために1又は2以上のコンピュータプログラムを実施する1又は2以上のプログラム可能なプロセッサによって実施することができる。プロセス及び論理フローは、専用論理回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって実施することができ、また、装置は専用論理回路として実装することができる。
【0069】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサとしては、一例として、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びにあらゆる種類のデジタルコンピュータのプロセッサが挙げられる。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリ又はランダムアクセスメモリー又はその両方から命令及びデータを受信することになる。コンピュータの要素は、命令に従って動作を実施するプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶する1又は2以上のメモリデバイスを含むことができる。コンピュータは、例えば、非磁気ドライブ(例えば、半導体ドライブ)、磁気ディスク、光磁気ディスク又は光ディスクなど、データを記憶する、1又は2以上の大容量ストレージデバイスを含むこともでき、或いはこのようなストレージデバイスとの間でのデータの受け取り及びデータの転送、又はこれらの両方を行うように動作可能に結合することもできる。しかしながら、コンピュータは、このようなデバイスを有していなくてもよい。更に、コンピュータは、例えば電話機、タブレットコンピュータ、電子装置、モバイルオーディオプレーヤ又はビデオプレーヤ、ゲーム機、全地球測位システム(GPS)受信機、モノのインターネット(IoT)デバイス、マシンツーマシン(M2M)センサ又はアクチュエータ、又はポータブルストレージデバイス(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)などの別のデバイスに組み込むことができる。コンピュータプログラム命令及びデータの記憶に適したデバイスとしては、一例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイスなど)、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスク又はリムーバブルディスクなど)、磁気光学ディスク、並びにCD ROM及びDVD-ROMディスクを含む全ての形態の不揮発性メモリ、媒体及びメモリデバイスが挙げられる。一部の例では、プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完するか、又は専用論理回路に組み込むことができる。
【0070】
ユーザとの相互作用を提供するために、動作は、ユーザに情報を表示するディスプレイデバイス(例えば、モニター又は別の形式のディスプレイデバイス)と、ユーザが入力をコンピュータに提供することができるキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチスクリーン又は別の形式のポインティングデバイス)とを有するコンピュータ上で実行することができる。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの相互作用を提供することもでき、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形のセンサフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック又は触覚フィードバック)とすることができ、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力又は触覚型入力を含め、あらゆる形態で受け取ることができる。加えて、コンピュータは、例えばウェブブラウザから受け取られた要求に応答してユーザのクライアント装置上のウェブブラウザにウェブページを送信することなどの、ユーザが使用する装置との間で文書を送受信することによってユーザと相互作用することもできる。
【0071】
コンピュータシステムは、単一のコンピューティングデバイス又は近接して又は一般的には互いから離れて動作して、典型的には通信ネットワークを介して相互作用する複数のコンピュータを含むことができる。通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)及びワイドエリアネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(例えば、インターネット)、衛星リンクを備えるネットワーク、及びピアツーピアネットワーク(例えば、アドホックピアツーピアネットワーク)のうちの1又は2以上を含むことができる。クライアントとサーバーの関係は、それぞれのコンピュータ上で動作してれ、互いにクライアントサーバー関係を有するコンピュータプログラムによって生じることができる。
【0072】
記載された実施例の一部の一般的な態様において、動きは、ビームフォーミング行列に基づいて検出される。
【0073】
第1の実施例において、ビームフォーミング動的情報は、空間を介して第1の無線通信デバイスから第2の無線通信デバイスに送信された1セットの無線信号に基づいて取得される。空間内の物体の動きは、ビームフォーミング動的情報に基づいて検出される。
【0074】
第1の実施例の実施構成は、一部の例において、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。動きは、ビームフォーミング動的情報の経時的な変化を分析することによって検出される。空間マップは、各それぞれの無線信号についてのビームフォーミング動的情報に基づいて生成され、経時的な空間マップの変化は、動きを検出するために分析される。空間マップは、受信された無線信号の相対強度を方向の関数として表す。空間内の物体の場所を検出することは、ビームフォーミング動的情報に基づいている。
【0075】
ビームフォーミング動的情報は、フィードバック行列を各それぞれの無線信号について1セットの無線信号に含み、各フィードバック行列は、第2の無線通信デバイスによって生成される。ビームフォーミング動的情報は、1セットの無線信号において各それぞれの無線信号に関連したステアリング行列を含み、各ステアリング行列は、第2の無線通信デバイスから受信されたフィードバックに基づいて第1の無線通信デバイスによって生成される。フィードバック行列は、第1の無線デバイスで実行されたチャネルサウンディングプロセスに応答して第2の無線デバイスによって生成される。フィードバック行列は、H-行列、V-行列又は圧縮V-行列のうちの1つである。第1のデバイスは、複数の送信のアンテナを有するビームフォーマであり、第2のデバイスは、多重入力多重出力(MIMO)システムにおいて複数の受信アンテナを有し、空間マップは、それぞれのモードに関連し、モードは、送信アンテナ及び受信アンテナのそれぞれのペア間の通信に対応する。
【0076】
第2の実施例において、第2の無線通信デバイスは、空間を介して第1の無線デバイスから送信された無線信号を受信する。動的ビームフォーミング情報は、無線信号に基づいて生成される。動的ビームフォーミング情報は、空間内の動きを検出するのに使用され、又は動的ビームフォーミング情報は、空間内の動きを検出する際に使用される第1の無線通信デバイスに送信される。
【0077】
第2の実施例の実施構成は、一部の例において、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。第1の無線通信デバイスは、中央コントローラであり、第2の無線通信デバイスは、観測デバイスである。第1の無線通信デバイス及び第2の無線通信デバイスは、アドホック動き感知ネットワークを備える。無線信号は、無線標準プロトコルメッセージであり、第2の無線通信デバイスは、動的ビームフォーミング情報を対応する無線標準プロトコル応答において第1の無線通信デバイスに送る。無線標準プロトコルメッセージは、データトラフィックを含む。無線信号は、ブロードキャスト信号を含む。動的ビームフォーミング情報は、H-行列、V-行列又は圧縮V-行列である。第1の無線通信デバイス及び第2の無線通信は、メッシュネットワークにおいて通信する。無線信号は、無線通信規格に従って第1の無線通信デバイスによって生成された無線標準プロトコルメッセージを含む。無線標準プロトコルメッセージは、第2の無線通信デバイスにアドレス指定されたpingを含む。無線標準プロトコルメッセージは、第2の無線通信デバイスを含む複数の近隣デバイスに対するpingを含む。無線標準プロトコルメッセージは、データトラフィックを含む。フィードバック行列を使用して空間内の物体の場所を検出する。第2の無線通信デバイス上の動き検出ソフトウェアの動作によって動きを検出するために動的ビームフォーミング情報を使用することを決定することは、第2の無線通信デバイスが動き検出ソフトウェアを備えると識別することに基づいている。動的ビームフォーミング情報を動き検出のために第1の無線通信デバイスに送信することを決定することは、第2の無線通信デバイスが動き検出ソフトウェアを備えないことを識別することに基づいている。
【0078】
第3の実施例において、無線通信デバイスは、空間を介して1又は2以上の近隣デバイスに無線標準プロトコルメッセージを送信する。1又は2以上の近隣デバイスの各々からの無線標準プロトコルメッセージに応答したビームフォーミング情報フィードバックを含む対応する無線標準プロトコル応答が受信される。物体の動きは、近隣デバイスの各々からビームフォーミング情報フィードバックに基づいて空間内で検出される。
【0079】
第3の実施例の実施構成は、一部の例において、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる。無線標準プロトコルメッセージは、無線通信規格に従って無線通信デバイスによって生成され、無線標準プロトコル応答は、無線通信規格に従って生成される。ビームフォーミング情報フィードバックは、H行列、圧縮H行列又はV行列を含む。無線通信デバイス及び1又は2以上の近隣デバイスは、スターネットワーク、メッシュネットワーク又はアドホック動き感知ネットワークを形成する。無線標準プロトコルメッセージは、明示的ビームフォーミング要求、暗示的ビームフォーミング要求、プローブ要求又はpingを含む。無線標準プロトコルメッセージは、データトラフィックを更に含む。無線通信デバイスは、ビームフォーミング情報から動きインジケータ値を演算する。無線標準プロトコルは、IEEE802.11である。無線標準プロトコルは、メッシュネットワーク規格である。無線標準プロトコルメッセージは、特定の近隣デバイスにアドレス指定されたpingを含む。無線標準プロトコルメッセージは、複数の近隣デバイスにブロードキャストされたpingを含む。無線標準プロトコルメッセージは、データトラフィックを含む。ビームフォーミング情報は、H-行列、V-行列又は圧縮V-行列である。無線通信デバイス及び1又は2以上の近隣デバイスは、アドホック動き感知ネットワークを形成する。ビームフォーミング情報フィードバックを使用して、空間内の物体の場所を検出する。
【0080】
幾つかの実施構成では、コンピュータ可読媒体は、データ処理装置によって実行されたときに第1又は第2の実施例の1又は2以上の動作を実行する命令を記憶する。幾つかの実施構成では、システム(例えば、無線通信デバイス、コンピュータシステム、これらの組み合わせ、又は無線通信デバイスに通信可能に結合された他のタイプのシステム)が、1又は2以上のデータ処理装置と、データ処理装置によって実行されたときに第1及び第2の実施例の1又は2以上の動作を実行するよう動作可能な命令を記憶するメモリと、を含む。
【0081】
本明細書は多くの詳細を含んでいるが、これらの詳細は、特許請求できる内容の範囲に対する限定ではなく、むしろ特定の例に固有の特徴の説明として解釈されたい。本明細書において別個の実装の文脈で説明した幾つかの特徴は、組み合わせることもできる。これとは逆に、単一の実装の文脈で説明した様々な特徴は、複数の実施形態において単独で実装することも、或いはあらゆる好適な部分的組み合わせで実装することもできる。
【0082】
幾つかの実施形態について説明してきた。それでもなお、様々な修正を行うことができることは理解されるであろう。従って、他の実施形態は、添付の特許請求項の範囲内にある。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C