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特許7240398発光積層構造とこれを備えたディスプレイデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】発光積層構造とこれを備えたディスプレイデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/08 20100101AFI20230308BHJP
   H01L 33/38 20100101ALI20230308BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20230308BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
H01L33/08
H01L33/38
H01L33/62
G09F9/33
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020532579
(86)(22)【出願日】2018-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 KR2018016482
(87)【国際公開番号】W WO2019125055
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】62/609,186
(32)【優先日】2017-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/618,573
(32)【優先日】2018-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/228,621
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506029004
【氏名又は名称】ソウル バイオシス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL VIOSYS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】65-16,Sandan-ro 163 Beon-gil,Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】イ,チョン フン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ジョン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ソン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ホ ジュン
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-274376(JP,A)
【文献】特開平07-254732(JP,A)
【文献】特開平06-013655(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01482566(EP,A2)
【文献】特開2006-339646(JP,A)
【文献】特表2010-525555(JP,A)
【文献】特開2012-195529(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102593290(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
G09F 9/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に配置される複数のエピタキシャルサブユニットと、
前記基板と前記複数のエピタキシャルサブユニットとを接着する接着層と、を含み、
前記複数のエピタキシャルサブユニットは、
第1有色光を放出するように構成される第1エピタキシャルスタックと、
前記第1エピタキシャルスタック上に配置され、前記第1有色光と異なる波長を有する第2有色光を放出するように構成される第2エピタキシャルスタックと、
前記第2エピタキシャルスタック上に配置され、前記第1および第2有色光と異なる波長を有する第3有色光を放出するように構成される第3エピタキシャルスタックと、を含み、
前記第1、第2および第3エピタキシャルスタックそれぞれは、
p型半導体層と、
前記p型半導体層上に配置されるアクティブ層と、
前記アクティブ層上に配置されるn型半導体層と、を含み、
前記第1、第2および第3エピタキシャルスタックそれぞれの前記p型半導体層には、第1、第2および第3p型コンタクト電極が接続され、
前記第1p型コンタクト電極は、前記基板と前記第1エピタキシャルスタックとの間に配置され、
前記第1、第2および第3エピタキシャルスタックそれぞれが互いに重なる発光エリアを有し、
前記複数のエピタキシャルサブユニットのうちの少なくとも1つのエピタキシャルサブユニットが他のエピタキシャルサブユニットのエリアと異なるエリアを有する、発光積層構造。
【請求項2】
前記第1、第2および第3エピタキシャルスタックそれぞれの前記エリアは、第1方向に沿って減少する、請求項1に記載の発光積層構造。
【請求項3】
前記複数のエピタキシャルサブユニットの2つの隣接するエピタキシャルサブユニットにおいて、上部エピタキシャルサブユニットがより大きいエリアを有する下部エピタキシャルサブユニットと完全に重なる、請求項2に記載の発光積層構造。
【請求項4】
前記複数のエピタキシャルサブユニットそれぞれから放出される光エネルギー帯域は、第1方向に沿って増加する、請求項1に記載の発光積層構造。
【請求項5】
前記複数のエピタキシャルサブユニットは、独立して駆動可能である、請求項1に記載の発光積層構造。
【請求項6】
前記複数のエピタキシャルサブユニットの下部エピタキシャルサブユニットから放出される光は、前記下部エピタキシャルサブユニット上に配置される上部エピタキシャルサブユニットを通過することにより前記発光積層構造の外部に放出されるように構成される、請求項1に記載の発光積層構造。
【請求項7】
前記上部エピタキシャルサブユニットは、前記下部エピタキシャルサブユニットから放出される光の少なくとも約80%を透過するように構成される、請求項6に記載の発光積層構造。
【請求項8】
前記第1、第2および第3有色光は、それぞれ赤色光、緑色光および青色光である、請求項に記載の発光積層構造。
【請求項9】
前記第1p型コンタクト電極は、前記接着層と前記第1エピタキシャルスタックとの間に配置される、請求項に記載の発光積層構造。
【請求項10】
前記第1、第2および第3エピタキシャルスタックそれぞれのn型半導体層に接続される第1、第2および第3n型コンタクト電極をさらに含む、請求項1に記載の発光積層構造。
【請求項11】
前記第1、第2および第3p型コンタクト電極に共通電圧を印加する共通ラインと、
前記第1、第2および第3n型コンタクト電極それぞれに発光信号を印加する第1、第2および第3発光信号ラインと、
をさらに含む、請求項10に記載の発光積層構造。
【請求項12】
前記第1エピタキシャルスタックと前記第2エピタキシャルスタックとの間に配置される第1波長通過フィルタ、および前記第2エピタキシャルスタックと前記第3エピタキシャルスタックとの間に配置される第2波長通過フィルタのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項に記載の発光積層構造。
【請求項13】
発光ダイオードピクセルが、約10,000μm未満の表面積を有するマイクロLEDを含む、請求項1に記載の発光積層構造。
【請求項14】
前記第1、第2および第3エピタキシャルスタックのうちの少なくとも1つは、その一表面上に形成される凹凸パターンを有する、請求項に記載の発光積層構造。
【請求項15】
複数のピクセルであって、前記ピクセルのうちの少なくとも1つが発光積層構造を含む前記複数のピクセルを含み、
前記発光積層構造は、
基板と、
前記基板の上に配置される複数のエピタキシャルサブユニットと、
前記基板と前記複数のエピタキシャルサブユニットとを接着する接着層と、を含み、
前記複数のエピタキシャルサブユニットは、
第1有色光を放出するように構成される第1エピタキシャルスタックと、
前記第1エピタキシャルスタック上に配置され、前記第1有色光と異なる波長を有する第2有色光を放出するように構成される第2エピタキシャルスタックと、
前記第2エピタキシャルスタック上に配置され、前記第1および第2有色光と異なる波長を有する第3有色光を放出するように構成される第3エピタキシャルスタックと、を含み、
前記第1、第2および第3エピタキシャルスタックそれぞれは、
p型半導体層と、
前記p型半導体層上に配置されるアクティブ層と、
前記アクティブ層上に配置されるn型半導体層と、を含み、
前記第1、第2および第3エピタキシャルスタックそれぞれの前記p型半導体層には、第1、第2および第3p型コンタクト電極が接続され、
前記第1p型コンタクト電極は、前記基板と前記第1エピタキシャルスタックとの間に配置され、
前記第1、第2および第3エピタキシャルサブユニットそれぞれが互いに重なる発光エリアを有し、
前記複数のエピタキシャルサブユニットのうちの少なくとも1つのエピタキシャルサブユニットが他のエピタキシャルサブユニットのエリアと異なるエリアを有する、ディスプレイデバイス。
【請求項16】
前記ディスプレイデバイスは、パッシブマトリクス方式で駆動されるように構成される、請求項15に記載のディスプレイデバイス。
【請求項17】
前記ディスプレイデバイスは、アクティブマトリクス方式で駆動されるように構成される、請求項15に記載のディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示的な実施例は、発光積層構造とこれを備えたディスプレイデバイスに関し、特に、積層構造を有するマイクロ発光デバイスとこれを備えたディスプレイデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)を用いてイメージを実現するディスプレイデバイスが最近開発された。発光ダイオードを用いるディスプレイデバイスは、基板上に個別に成長する赤色、緑色および青色発光ダイオードを含む。
【0003】
発光ダイオードは、無機光源として、ディスプレイ、車両ランプ、一般照明などのような多様な技術分野で用いられた。長寿命、低電力消費および高応答速度の利点により、発光ダイオードは既存の光源を急速に代替している。
【0004】
発光ダイオードは、ディスプレイ装置におけるバックライト光源として主に用いられた。しかし、マイクロLEDディスプレイは、発光ダイオードを直接用いてイメージを実現できる次世代ディスプレイとして開発された。
【0005】
一般的に、ディスプレイ装置は、青色、緑色および赤色の光の混合色を用いて様々な色を実現する。ディスプレイ装置は、青色、緑色および赤色に対応するサブピクセルをそれぞれ有するピクセルを含み、特定のピクセルの色がそのサブピクセルの色に基づいて決定可能であり、イメージはピクセルの組み合わせによりディスプレイされる。
【0006】
マイクロLEDディスプレイにおいて、それぞれのサブピクセルに対応するマイクロLEDは2次元平面上に配置される。そのため、多数のマイクロLEDは1つの基板上に配置される必要がある。しかし、マイクロLEDは約10,000μm2以下の表面積を有する非常に小さいサイズを有し、この小さいサイズによって様々な問題が生じる。特に、その小さいサイズでさらには数十万または数百万以上が必要になるために、マイクロLEDをディスプレイパネル上にマウントしにくい。
【0007】
また、高解像度およびフルカラーディスプレイデバイスに対する必要性と、簡単な方式で製造できる高い水準の色純度と色再現性を有するディスプレイデバイスに対する必要性がある。
【0008】
この背景技術の欄に開示された情報は単に本発明の概念の背景を理解するためのものであり、そのため、先行技術を構成しない情報を含む場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の原理およびいくつかの例示的な実現により構成される発光積層構造は、ピクセルエリアを増加させることなく、それぞれのサブピクセルの発光エリアを増加させることができる。
【0010】
本発明の原理およびいくつかの例示的な実現により構成される、例えば、マイクロLEDのような発光ダイオードおよび、このような発光ダイオードを用いるディスプレイは、簡素化したステップで製造できる簡単な構造を有する。例えば、複数のピクセルはウエハボンディングによってウエハレベルで形成可能で、発光ダイオードの個別のマウントに対する必要性を省くことができる。
【0011】
本発明の概念の付加的な特徴は以下の説明で提示され、部分的には、その説明から明らかになるか、または本発明の概念を実施することにより学習されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
例示的な実施例による発光積層構造は、上下に配置される複数のエピタキシャルサブユニットであって、前記エピタキシャルサブユニットそれぞれは、異なる有色光を放出するように構成される前記複数のエピタキシャルサブユニットを含み、それぞれのエピタキシャルサブユニットが互いに重なる発光エリアを有し、少なくとも1つのエピタキシャルサブユニットが他のエピタキシャルサブユニットのエリアと異なるエリアを有する。
【0013】
それぞれのエピタキシャルサブユニットの前記エリアは、第1方向に沿って減少する。
【0014】
2つの隣接するエピタキシャルサブユニットの間において、上部エピタキシャルサブユニットがより大きなエリアを有する下部エピタキシャルサブユニットと完全に重なってもよい。
【0015】
それぞれのエピタキシャルサブユニットから放出される光は、互いに異なるエネルギー帯域を有し、前記エネルギー帯域は、第1方向に沿って増加してもよい。
前記エピタキシャルサブユニットは、独立して駆動可能である。
【0016】
下部エピタキシャルサブユニットから放出される光は、前記下部エピタキシャルサブユニット上に配置される上部エピタキシャルサブユニットを通過することにより前記発光積層構造の外部に放出されるように構成されてもよい。
【0017】
前記上部エピタキシャルサブユニットは、前記下部エピタキシャルサブユニットから放出される光の少なくとも約80%を透過するように構成されてもよい。
【0018】
前記エピタキシャルサブユニットは、第1有色光を放出するように構成される第1エピタキシャルスタックと、前記第1エピタキシャルスタック上に配置され、前記第1有色光と異なる波長帯域を有する第2有色光を放出するように構成される第2エピタキシャルスタックと、前記第2エピタキシャルスタック上に配置され、前記第1および第2有色光と異なる波長帯域を有する第3有色光を放出するように構成される第3エピタキシャルスタックとを含んでもよい。
【0019】
前記第1、第2および第3有色光は、それぞれ赤色光、緑色光および青色光であってもよい。
【0020】
前記第1、第2および第3エピタキシャルスタックそれぞれは、p型半導体層と、前記p型半導体層上に配置されるアクティブ層と、前記アクティブ層上に配置されるn型半導体層とを含んでもよい。
【0021】
前記発光積層構造は、前記第1、第2および第3エピタキシャルスタックそれぞれのp型半導体層に接続される第1、第2および第3p型コンタクト電極をさらに含んでもよい。
【0022】
前記発光積層構造は、前記第1エピタキシャルスタックの下に配置される基板をさらに含み、前記第1p型コンタクト電極は、前記基板と前記第1エピタキシャルスタックとの間に配置されてもよい。
【0023】
前記発光積層構造は、前記第1、第2および第3エピタキシャルスタックそれぞれのn型半導体層に接続される第1、第2および第3n型コンタクト電極をさらに含んでもよい。
【0024】
前記発光積層構造は、前記第1、第2および第3p型コンタクト電極に共通電圧を印加する共通ラインと、前記第1、第2および第3n型コンタクト電極それぞれに発光信号を印加する第1、第2および第3発光信号ラインとをさらに含んでもよい。
【0025】
前記発光積層構造は、前記第1エピタキシャルスタックと前記第2エピタキシャルスタックとの間に配置される第1波長通過フィルタ、および前記第2エピタキシャルスタックと前記第3エピタキシャルスタックとの間に配置される第2波長通過フィルタのうちの少なくとも1つをさらに含んでもよい。
【0026】
発光ダイオードピクセルが、約10,000μm2未満の表面積を有するマイクロLEDを含んでもよい。
【0027】
前記第1、第2および第3エピタキシャルスタックのうちの少なくとも1つは、その一表面上に形成される凹凸パターンを有してもよい。
【0028】
例示的な実施例によるディスプレイデバイスは、複数のピクセルであって、前記ピクセルのうちの少なくとも1つが発光積層構造を含む前記複数のピクセルを含み、前記発光積層構造は、上下に配置される複数のエピタキシャルサブユニットであって、前記エピタキシャルサブユニットそれぞれは、異なる有色光を放出するように構成される前記複数のエピタキシャルサブユニットを含み、それぞれのエピタキシャルサブユニットが互いに重なる発光エリアを有し、少なくとも1つのエピタキシャルサブユニットが他のエピタキシャルサブユニットのエリアと異なるエリアを有する。
【0029】
前記ディスプレイデバイスは、パッシブマトリクス方式で駆動されるように構成されてもよい。
【0030】
前記ディスプレイデバイスは、アクティブマトリクス方式で駆動されるように構成されてもよい。
【0031】
例示的な実施例によるディスプレイ用発光ダイオードピクセルは、第1LEDサブユニットと、前記第1LEDサブユニットの第1部分上に配置される第2LEDサブユニットと、前記第2LEDサブユニットの第2部分上に配置される第3LEDサブユニットとを含み、前記第1、第2および第3LEDサブユニットそれぞれは、第1導電型半導体層と第2導電型半導体層とを含み、前記第1LEDサブユニットから生成される光は、前記第1部分と異なる第1LEDサブユニットの第3部分を介して前記発光ダイオードピクセルの外部に放出されるように構成され、前記第2LEDサブユニットから生成される光は、前記第2部分と異なる第2LEDサブユニットの第4部分を介して前記発光ダイオードピクセルの外部に放出されるように構成される。
【0032】
前記第1LEDサブユニット、前記第2LEDサブユニットおよび前記第3LEDサブユニットは、それぞれ互いに異なる波長を有する光を放出するように構成されてもよい。
【0033】
前記第1、第2および第3LEDサブユニットは、それぞれ赤色光、緑色光および青色光を放出するように構成される第1LEDスタック、第2LEDスタックおよび第3LEDスタックを含んでもよい。
【0034】
前記発光ダイオードピクセルは、前記第1LEDスタックと前記第2LEDスタックとの間に介挿されて、前記第1LEDスタックから放出される光を再度前記第1LEDスタックに反射する第1反射層と、前記第2LEDスタックと前記第3LEDスタックとの間に介挿されて、前記第2LEDスタックから放出される光を再度前記第2LEDスタックに反射する第2反射層とをさらに含んでもよい。
【0035】
前記発光ダイオードピクセルは、前記第1LEDスタックと前記第1反射層との間に介挿される第1透明絶縁層と、前記第2LEDスタックと前記第2反射層との間に介挿される第2透明絶縁層とをさらに含んでもよい。
【0036】
前記発光ダイオードピクセルは、前記第1反射層と前記第2LEDスタックとの間に介挿される第1ボンディング層と、前記第2反射層と前記第3LEDスタックとの間に介挿される第2ボンディング層とをさらに含んでもよい。
【0037】
前記第1および第2ボンディング層それぞれは、金属を含んでもよい。
【0038】
前記発光ダイオードピクセルは、前記第1LEDサブユニットの第1導電型半導体層と接触する第1上部オーミック電極と、前記第1LEDサブユニットの第2導電型半導体層と接触する第1下部オーミック電極と、前記第2LEDサブユニットの第1導電型半導体層と接触する第2上部オーミック電極と、前記第2LEDサブユニットの第2導電型半導体層と接触する第2下部オーミック電極と、前記第3LEDサブユニットの第1導電型半導体層と接触する第3上部オーミック電極と、前記第3LEDサブユニットの第2導電型半導体層と接触する第3下部オーミック電極とをさらに含んでもよいし、前記第1上部オーミック電極は、前記第1部分と異なる前記第1LEDサブユニットの部分で前記第1LEDサブユニットの第1導電型半導体層と接触してもよいし、前記第2上部オーミック電極は、前記第2部分と異なる前記第2LEDサブユニットの部分で前記第2LEDサブユニットの第1導電型半導体層と接触してもよい。
【0039】
前記第1下部オーミック電極は、前記第1LEDサブユニットの下に配置される第1反射層を含んでもよい。
【0040】
前記第1下部オーミック電極、前記第2下部オーミック電極および前記第3下部オーミック電極は、共通ラインに電気的に接続されてもよい。
【0041】
前記第2下部オーミック電極と前記第3下部オーミック電極それぞれは、それぞれ第2反射層および第3反射層を含んでもよい。
【0042】
前記第1反射層は、前記第1LEDサブユニットから放出される光を反射するように構成されてもよいし、前記第2反射層は、前記第2LEDサブユニットから放出される光を反射するように構成される。
【0043】
前記発光ダイオードピクセルは、約10,000μm2未満の表面積を有するマイクロLEDを含んでもよい。
【0044】
前記第1LEDサブユニットは、赤色、緑色および青色光のうちの任意の1つを放出するように構成されてもよく、前記第2LEDサブユニットは、前記第1LEDサブユニットから放出される光と異なる赤色、緑色および青色光のうちの任意の1つを放出するように構成されてもよいし、前記第3LEDサブユニットは、前記第1および第2LEDサブユニットから放出される光と異なる赤色、緑色および青色光のうちの任意の1つを放出するように構成されてもよい。
【0045】
前記第1LEDサブユニットの第3部分、前記第2LEDサブユニットの第4部分、および前記第3LEDサブユニットは、互いに重なっていなくてもよい。
【0046】
前記第1、第2および第3上部オーミック電極のうちの少なくとも1つが、パッド部と、これから延びる突出部とを含んでもよい。
【0047】
前記パッド部は、実質的に円形状を有してもよいし、前記突出部は、実質的に伸長形状を有してもよい。
【0048】
前記第1、第2および第3LEDサブユニットの突出部は、平面図で互いに実質的に平行であってもよい。
【0049】
前記第1LEDサブユニットは、平面図で前記第3LEDサブユニットを取り囲んでもよい。
【0050】
ディスプレイデバイスが支持基板上に配置される複数のピクセルを含んでもよいし、前記ピクセルのうちの少なくとも1つは、例示的な実施例による前記発光ダイオードピクセルを含む。
【0051】
前述した一般的な説明および以下の詳細な説明はすべて例示的かつ説明的であり、請求の範囲に記載の本発明に関するさらなる説明を提供するように意図されたものと理解されなければならない。
【発明の効果】
【0052】
本発明の原理および一部の例示的な実現により構成される発光積層構造は、ピクセルエリアを増加させることなく、それぞれのサブピクセルの発光エリアを増加させることができる。
【0053】
本発明の原理およびいくつかの例示的な実現により構成される、例えば、マイクロLEDのような発光ダイオードおよび、このような発光ダイオードを用いるディスプレイは、簡素化したステップで製造できる簡単な構造を有する。例えば、複数のピクセルはウエハボンディングによってウエハレベルで形成可能で、発光ダイオードの個別のマウントに対する必要性を省くことができる。
【0054】
本発明のさらなる理解を提供するために含まれて本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の例示的な実施例を示し、以下の詳細な説明とともに本発明の概念を説明する役割をする。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】例示的な実施例により構成される発光積層構造の概略横断面図である。
図2】例示的な実施例により構成される発光積層構造の横断面図である。
図3】例示的な実施例による発光積層構造の概略横断面図である。
図4】例示的な実施例によるディスプレイデバイスの平面図である。
図5図4の部分P1の拡大平面図である。
図6】例示的な実施例によるディスプレイデバイスのブロック図である。
図7】例示的な実施例によるパッシブマトリクスタイプのディスプレイデバイス用の1つのピクセルの回路図である。
図8】例示的な実施例によるアクティブマトリクスタイプのディスプレイデバイス用の1つのピクセルの回路図である。
図9】例示的な実施例によるピクセルの平面図である。
図10図9のラインI-I’に沿った横断面図である。
図11】例示的な実施例により、第1、第2および第3エピタキシャルスタックを形成する方法を例示する平面図である。
図12図11のラインI-I’に沿った横断面図である。
図13】例示的な実施例により、第1、第2および第3エピタキシャルスタックを形成する方法を例示する平面図である。
図14図13のラインI-I’に沿った横断面図である。
図15】例示的な実施例により、第1、第2および第3エピタキシャルスタックを形成する方法を例示する平面図である。
図16図15のラインI-I’に沿った横断面図である。
図17】例示的な実施例により、第1、第2および第3エピタキシャルスタックを形成する方法を例示する平面図である。
図18図17のラインI-I’に沿った横断面図である。
図19】例示的な実施例により、第1、第2および第3エピタキシャルスタックを形成する方法を例示する平面図である。
図20図19のラインI-I’に沿った横断面図である。
図21】例示的な実施例により、第1、第2および第3エピタキシャルスタックを形成する方法を例示する平面図である。
図22図21のラインI-I’に沿った横断面図である。
図23】例示的な実施例により、第1、第2および第3エピタキシャルスタックを形成する方法を例示する平面図である。
図24図23のラインI-I’に沿った横断面図である。
図25】例示的な実施例により、第1、第2および第3エピタキシャルスタックを形成する方法を例示する平面図である。
図26図25のラインI-I’に沿った横断面図である。
図27】例示的な実施例により、第1、第2および第3エピタキシャルスタックを形成する方法を例示する平面図である。
図28図27のラインI-I’に沿った横断面図である。
図29】例示的な実施例により、第1、第2および第3エピタキシャルスタックを形成する方法を例示する平面図である。
図30図29のラインI-I’に沿った横断面図である。
図31】例示的な実施例により、第1、第2および第3エピタキシャルスタックを形成する方法を例示する平面図である。
図32図31のラインI-I’に沿った横断面図である。
図33】例示的な実施例により、第1、第2および第3エピタキシャルスタックを形成する方法を例示する平面図である。
図34図33のラインI-I’に沿った横断面図である。
図35】例示的な実施例によるディスプレイデバイスの概略平面図である。
図36】例示的な実施例によるディスプレイ用の発光ダイオードピクセルの概略横断面図である。
図37】例示的な実施例によるディスプレイデバイスの概略回路図である。
図38】例示的な実施例によるディスプレイデバイスの概略平面図である。
図39図38のディスプレイデバイスの1つのピクセルの拡大平面図である。
図40A図39のラインA-Aに沿った概略横断面図である。
図40B図39のラインB-Bに沿った概略横断面図である。
図40C図39のラインC-Cに沿った概略横断面図である。
図40D図39のラインD-Dに沿った概略横断面図である。
図41A】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図41B】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図41C】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図42A】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図42B】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図43A】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図43B】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図44A】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図44B】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図45A】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図45B】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図46A】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図46B】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図47A】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図47B】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図48A】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図48B】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図49A】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図49B】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図50A】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図50B】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図51】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図52A】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図52B】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図53】例示的な実施例によるディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略平面図および横断面図である。
図54】他の例示的な実施例によるディスプレイデバイスの概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下の説明において、説明の目的のために、本発明の多様な例示的な実施例または実施形態の完全な理解を提供するために特定の詳細な事項が数多く説明される。本明細書に使われる「実施例」および「実施形態」は、本明細書に開示された本発明の概念の1つ以上を利用するデバイスまたは方法の非制限的な例を示す相互に入替可能な単語である。しかし、多様な例示的な実施例がこれら特定の詳細事項を利用しなかったり、1つ以上の等価な配置を用いたりして実施できることが明確に分かる。他の例において、公知の構造およびデバイスは、多様な例示的な実施例を不必要にあいまいにすることを避けるために、ブロック図の形態で示される。また、多様な例示的な実施例が互いに異なるが、排他的である必要はない。例えば、例示的な実施例の特定の形状、構成および特徴は、本発明の概念を逸脱しない限度内で他の例示的な実施例で使用または実現可能である。
【0057】
別途に明示されない限り、図示の例示的な実施例は、本発明の概念が実際に実現できるいくつかの方式の変化する詳細事項の例示的な特徴を提供するものと理解されなければならない。そのため、別途に明示されない限り、多様な実施例の特徴部、構成要素、モジュール、層、膜、パネル、領域および/または態様など(以下、個別にまたは集合的に「要素」と称される)は、本発明の概念を逸脱しない限度内で異なって組み合わされ、分離され、相互に入替えられ、そして/または再配置される。
【0058】
添付した図面における断面ハッチングおよび/または陰影の使用は、一般的に隣接する要素間の境界を明確化するために提供される。このように、断面ハッチングまたは陰影の存在だけでなく不存在のときも、明示されない限り、要素の特定の材料、材料特性、寸法、比率、例示された要素間の共通性および/または任意の他の特徴、属性、特性などに対する何らかの優先度または要求度を意味したり示したりしない。また、添付した図面において、要素の大きさおよび相対的な大きさは、明確性および/または説明の目的のために誇張されることがある。例示的な実施例が異なって実現可能な場合、特定の工程順序は説明された順序と異なって行われてもよい。例えば、2つの連続して説明された工程が実質的に同時に行われるか、または説明された順序と反対の順序で行われてもよい。さらに、同一の参照符号は、同一の要素を表す。
【0059】
層のような要素が他の要素または層「上にあるか」、「それに接続される」か、「それに結合される」ものと言及されたときに、その要素は、直接的に他の要素または層上にあるか、それに接続されるか、それに結合されてもよく、または介在要素または層が存在してもよい。しかし、要素または層が他の要素または層「上に直接あるか」、「それに直接接続されるか」または「それに直接結合される」ものと言及されたときには、介在要素または層が存在しない。このために、「接続された」という用語は、介在要素がある状態でまたはない状態で、物理的な、電気的なおよび/または流体的な接続を指し示すことができる。また、D1軸、D2軸およびD3軸は、x、yおよびz軸のような直交座標系の3つの軸に限定されず、より広い意味で解釈できる。例えば、D1軸、D2軸およびD3軸は、互いに直角であってもよく、または互いに直角でない互いに異なる方向を示すことができる。本開示の目的のために、「X、YおよびZのうちの1つ以上」および「X、YおよびZからなるグループより選択された1つ以上」は、Xのみ、Yのみ、Zのみまたは、例えば、XYZ、XYY、YZおよびZZのような、X、YおよびZのうちの2つ以上の任意の組み合わせとして解釈できる。本明細書に使われる用語「および/または」は、関連するリストされた物品のうちの1つ以上の任意およびすべての組み合わせを含む。
【0060】
本明細書では、たとえ、用語「第1」、「第2」などが多様な形態の要素を説明するために使われるが、これらの要素がこれらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は、1つの要素を他の1つの要素と区別するために使われる。そのため、以下に述べる第1要素は、本開示の教示を逸脱しない限度内で第2要素と名付けられてもよい。
【0061】
「下に」、「の下に」、「真下に」、「下部の」、「上に」、「上部の」、「上方に」、「より高い」(例えば、「側壁」におけるように)「側部」などのような空間的に相対的な用語は、説明的な目的のために、そして、それによって、図面に示されるような1つの要素と他の要素との関係を説明するために、本明細書で使われる。空間的に相対的な用語は、図面に示された方位に付加して、使用、作動および/または製造中の装置の互いに異なる方位を含むように意図される。例えば、図面における装置を上下に反転させると、他の要素または特徴部「の下に」または「下に」として説明された要素は、他の要素または特徴部の「上に」配向されるであろう。そのため、「の下に」という例示的な用語は、上および下の方位をすべて含むことができる。また、装置は異なって配向されてもよく(例えば、90゜回転するか他の方位に配向されてもよく)、このように、本明細書で使われる空間的に相対的な叙述語は対応的に解釈できる。
【0062】
本明細書で使われる専門用語は、特定の実施例を説明するためのものであり、限定的ではない。本明細書で使われる単数形態は、文脈上明らかに異なって指示しない限り、複数の形態をさらに含む。また、本明細書で使われる「備える」、「備えている」、「含む」および/または「含んでいる」という用語は、言及された特徴、整数、段階、作動、要素、構成要素および/またはそのグループの存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、整数、段階、作動、要素、構成要素および/またはそのグループの存在または付加を排除しない。さらに、本明細書で使われる用語「実質的に」、「約」およびその他の類似する用語は、程度を示す用語ではない近似度を示す用語として使われ、このように、当業界における通常の知識を有する者によって認識可能な、測定された、計算された、そして/または提供された値の固有の偏差を説明するために使われる。
【0063】
多様な例示的な実施例は、理想化された例示的な実施例および/または中間構造体の概略例示図である断面および/または分解例示図を参照して以下に説明される。このように、例えば、製造手法および/または公差の結果として例示図の形状からの変形が予想できる。そのため、本明細書に開示された例示的な実施例は、必ずしも特定の図示の領域の形状に限定されると解釈されてはならず、例えば、製造に起因して発生する形状における偏差を含むと解釈されなければならない。この方式により、図面に示された領域は本質的に概略的であってもよく、これら領域の形状はデバイスの領域の実形状を反映しなくてもよいし、このように、必ずしも限定的な意味を有するものとは意図されない。
【0064】
別途に定義されない限り、本明細書で使われる(技術的または科学的な用語を含む)すべての用語は、本開示の属する技術分野における通常の知識を有する者によって通常理解されるのと同じ意味を有する。通常使われる辞書で定義されたような用語は、関連技術の脈絡でそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されなければならず、本明細書で明示的に定義されない限り、理想的または過度に形式的な観点で解釈されてはならない。
【0065】
以下、本開示の例示的な実施例を添付した図面を参照して詳細に説明する。本明細書で使用されているように、例示的な実施例による発光積層構造または発光ダイオードは、従来技術で知られているように、約10,000μm2未満の表面積を有するマイクロLEDを含むことができる。他の例示的な実施例において、マイクロLEDは、特定の応用によっては、約4,000μm2未満または約2,500μm2未満の表面積を有することができる。
【0066】
図1は、例示的な実施例による発光積層構造の横断面図である。
【0067】
図1を参照する。例示的な実施例による発光積層構造は、上下に配置される複数のエピタキシャルスタックを含む。エピタキシャルスタックは、基板10上に配置される。基板10は、前面および後面を有し、実質的に板状を有する。
【0068】
基板10は、様々な形状を有してもよいし、エピタキシャルスタックは、基板10の前面上に配置されてもよい。基板10は、ガラス、石英、シリコン、有機高分子または有機-無機複合素材のような絶縁素材を含んでもよい。しかし、本発明の概念は、基板10が絶縁属性を有する限り、基板10の特定の素材に限定されない。例示的な実施例において、ライン部が基板10上にさらに配置可能で、発光信号と共通電圧をエピタキシャルスタックそれぞれに印加することができる。また、薄膜トランジスタを含む駆動デバイスが基板10上にさらに配置されてもよいし、このような駆動デバイスは、アクティブマトリクス方法でエピタキシャルスタックを駆動してもよい。この場合、基板10は、印刷回路基板や複合基板であってもよいし、このような基板は、例えば、ガラス、石英、シリコン、有機高分子または有機-無機複合素材上にライン部および/または駆動デバイスを形成することにより取得できる。
【0069】
エピタキシャルスタックは基板10の前面上に順に積層される。いくつかの例示的な実施例において、互いに異なる波長帯域を有する光を放出する2つ以上のエピタキシャルスタックが配置されてもよい。このように、エピタキシャルスタックは、複数個提供されてもよいし、エピタキシャルスタックは、互いに異なる相違するエネルギー帯域を有する光を放出することもできる。
【0070】
エピタキシャルスタックそれぞれは、様々な大きさを有してもよい。例示的な実施例において、エピタキシャルスタックのうちの少なくとも1つは、他のエピタキシャルスタックと異なるエリアを有してもよい。
【0071】
エピタキシャルスタックが下部部分から上方向に順に積層されるときに、エピタキシャルスタックのエリアは、上方向に沿って小さくなってもよい。互いに上下に配置される2つの隣接するエピタキシャルスタックの間において、上部エピタキシャルスタックの少なくとも一部分が下部エピタキシャル層と重なってもよい。いくつかの例示的な実施例において、配置される上部エピタキシャルスタックは、下部エピタキシャルスタックと完全に重なってもよいし、この場合に、上部エピタキシャルスタックは、下部エピタキシャルスタックに対応するエリア内に位置してもよい。
【0072】
図示の例示的な実施例において、3つのエピタキシャルスタックが基板10上に順に積層される。配置されるエピタキシャルスタックは、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40を含んでもよい。
【0073】
第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40は、互いに異なる大きさを有してもよい。さらに具体的には、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40は、平面図で互いに異なるエリアを有してもよいし、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40は、横断面図で互いに異なる幅を有してもよい。図示の例示的な実施例において、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40のエリアは、第1エピタキシャルスタック20、第2エピタキシャルスタック30および第3エピタキシャルスタック40の順に徐々に減少する。第2エピタキシャルスタック30が第1エピタキシャルスタック20の一部分上に積層される。それによって、第1エピタキシャルスタック20の一部分は、第2エピタキシャルスタック30によって覆われ、第1エピタキシャルスタック20の残りの部分は、平面図で露出する。第3エピタキシャルスタック40は、第2エピタキシャルスタック30の一部分上に積層される。それによって、第2エピタキシャルスタック30の一部分は、第3エピタキシャルスタック40によって覆われ、第2エピタキシャルスタック30の残りの部分は、平面図で露出する。
【0074】
第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40のエリアは、様々な方式で変化可能である。例えば、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40の面積比は3:2:1であってもよいが、本発明の概念はこれに限定されない。第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40それぞれは、それぞれのエピタキシャルスタックから放出される光の量を考慮して異なる面積比を有してもよい。例えば、第3エピタキシャルスタック40から放出される光量が小さいときには、第3エピタキシャルスタック40の面積比は相対的に増加できる。
【0075】
エピタキシャルスタックそれぞれは、様々な波長帯域のうち可視光帯域で有色光を放出することもできる。例示的な実施例において、最下部エピタキシャルスタックから放出される光は、最低エネルギー帯域の最長波長を有してもよいし、エピタキシャルスタックから放出される有色光の波長は、最下部エピタキシャルスタックから最上部のエピタキシャルスタックへと短くなってもよい。例えば、配置される最上部エピタキシャルスタックから放出される光は、最高エネルギー帯域の最短波長を有してもよい。第1エピタキシャルスタック20は、第1有色光L1を放出し、第2エピタキシャルスタック30は、第2有色光L2を放出し、第3エピタキシャルスタック40は、第3有色光L3を放出する。第1、第2および第3有色光L1、L2およびL3は、互いに異なる色を有してもよいし、第1、第2および第3有色光L1、L2およびL3は、順に短くなる、互いに異なる波長帯域を有してもよい。特に、第1、第2および第3有色光L1、L2およびL3は、第1有色光L1から第3有色光L3に徐々に増加する、互いに異なる波長帯域を有してもよい。
【0076】
例示的な実施例において、第1有色光L1は、赤色光であってもよく、第2有色光L2は、緑色光であってもよいし、第3有色光L3は、青色光であってもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されない。発光積層構造がマイクロLEDを含み、このようなマイクロLEDが、従来技術で知られているように、10,000μm2未満であるか、他の例示的な実施例において約4,000μm2未満であるか、2,500μm2未満である表面積を有するとき、マイクロLEDの小さなフォームファクタ(small form factor)によって、動作に悪影響を及ぼすことなく、第1エピタキシャルスタック20は、赤色、緑色および青色光のうちの任意の1つを放出することもでき、第2および第3エピタキシャルスタック30および40は、赤色、緑色および青色光のうちの異なる1つを放出することもできる。
【0077】
それぞれのエピタキシャルスタックは、基板10の面から離れる方向に光を放出する。この場合、1つのエピタキシャルスタックからの光は、基板10から離れる方向に外部に直に放出されるか、光経路に配置される上部エピタキシャルスタックを介して放出されてもよい。基板10から離れる方向は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40が積層される方向を示すこともできる。以下、基板から離れる方向は、「前面方向」または「上方向」と称され、基板10の面に向かう方向は、「後面方向」または「下方向」と称される。しかし、用語、「上」および「下」は、発光積層構造の配置や積層方向によって変化できる相対的な用語である。
【0078】
それぞれのエピタキシャルスタックは、上方向に向かって光を放出する。それぞれのエピタキシャルスタックから放出される光は、上方向に直にまたはその上に配置される他のエピタキシャルスタックを介して進んでもよい。例示的な実施例において、第1エピタキシャルスタック20から放出される光の第1部分は、その露出した上部表面を介して上方向に直に進み、第1エピタキシャルスタック20から放出される光の第2部分は、第2エピタキシャルスタック30を通過した後、上方向に進みし、第1エピタキシャルスタック20から放出される光の第3部分は、第2および第3エピタキシャルスタック30および40を通過した後、上方向に進む。第2エピタキシャルスタック30から放出される光の一部分は、その露出した上部表面を介して上方向に直に進み、第2エピタキシャルスタック30から放出される光の他の部分は、第3エピタキシャルスタック40を通過した後、上方向に進む。第3エピタキシャルスタック40から放出された光は、上方向に直に進む。
【0079】
それぞれのエピタキシャルスタックは、その下に配置されるエピタキシャルスタックから放出される光の大部分を透過することができる。特に、第1エピタキシャルスタック20から放出される光の一部分は、第2エピタキシャルスタック30および第3エピタキシャルスタック40を通過した後、前面方向に進み、第2エピタキシャルスタック30から放出される光の一部分は、第3エピタキシャルスタック40を通過した後、前面方向に進む。このように、最下部エピタキシャルスタックを除いて他のエピタキシャルスタックの少なくとも一部分または全体部分は、透光素材で形成されてもよい。本明細書で使われるときには、「透光素材」の用語は、全光を透過する素材または予め定められた波長を透過するか、予め定められた波長を有する光の一部分を透過する素材を指し示すこともできる。例示的な実施例において、それぞれのエピタキシャルスタックは、その下に配置されるエピタキシャルスタックから放出される光の約60%以上を透過することができる。他の例示的な実施例により、それぞれのエピタキシャルスタックは、その下に配置されるエピタキシャルスタックから放出される光の約80%以上を透過することができ、他の例示的な実施例により、それぞれのエピタキシャルスタックは、その下に配置されるエピタキシャルスタックから放出される光の約90%以上を透過することができる。
【0080】
例示的な実施例により、エピタキシャルスタックは、発光信号をエピタキシャルスタックにそれぞれ印加する信号ラインがエピタキシャルスタックに独立して接続されるので、独立して駆動可能であり、したがって、光がそれぞれのエピタキシャルスタックから放出されるかによって様々な色をディスプレイすることができる。また、異なる波長を有する光を放出するエピタキシャルスタックが互いに重なるように形成されるので、発光積層構造は狭いエリアで形成されてもよい。
【0081】
図2は、例示的な実施例による発光積層構造の横断面図である。
【0082】
図2を参照する。例示的な実施例による発光積層構造は、基板10上に配置される第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40を含み、これらエピタキシャルスタックの間には第1、第2および第3接着層61、63および65がある。第1接着層61は、導電性または非導電性素材を含んでもよい。いくつかの例示的な実施例において、第1接着層61は、その下に配置される基板10に電気的に接続されるようにその一部分で導電性を有してもよい。第1接着層61は、透明または不透明素材を含んでもよい。基板10が不透明素材を含み、ライン部が基板10上に形成されるときには、第1接着層61は、エポキシ系高分子接着剤のような、例えば、吸光素材である不透明素材を含んでもよい。
【0083】
第2および第3接着層63および65は、非導電性素材を含んでもよいし、透光素材を含んでもよい。例えば、第2および第3接着層63および65は、光学的に透明な接着剤(OCA)を含んでもよい。しかし、本発明の概念は、第2および第3接着剤層63および65が光学的に透明であり、それぞれのエピタキシャルスタックを安定して貼りつけられる限り、第2および第3接着層63および65の特定の素材に限定されない。例えば、第2および第3接着層63および65は、SU-8のようなエポキシ系高分子、様々なレジスト、パリレン、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ベンゾシクロブテン(BCB)およびスピンオンガラス(SOG)のような有機素材と、酸化シリコンと酸化アルミニウムのような無機素材を含んでもよい。いくつかの例示的な実施例において、導電性酸化物が接着層として使用されてもよいし、この場合、導電性酸化物は、他の構成要素から絶縁されてもよい。有機素材が接着層として使用されるときには、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40と基板10は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40と基板10の接着側上に素材をコーティングし、高真空状態下でこの素材に高温および高圧を印加することにより互いに貼りつけることができる。無機素材が接着層として使用されるときには、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40と基板10は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40と基板10の接着側上に素材を蒸着し、化学-機械的平坦化(CMP)を用いて素材を平坦化し、素材の表面上にプラズマ処理を実行し、例えば、高真空状態下で貼りつけることにより互いに貼りつけられる。第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40それぞれは、p型半導体層25、35および45と、アクティブ層23、33および43と、n型半導体層21、31および41とを含み、これらの層は順に積層される。
【0084】
第1エピタキシャルスタック20のp型半導体層25、アクティブ層23およびn型半導体層21は、砒化アルミニウムガリウム(AlGaAs)、リン化ガリウム砒素リン(GaAsP)、リン化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInP)およびリン化ガリウム(GaP)などのように、赤色光を放出する半導体素材を含んでもよいし、半導体素材はこれらに限定されない。
【0085】
第1p型コンタクト電極層25pが第1エピタキシャルスタック20のp型半導体層25の下に配置されてもよい。第1エピタキシャルスタック20の第1p型コンタクト電極層25pは、単層構造または多層構造を有してもよいし、金属を含んでもよい。例えば、第1p型コンタクト電極層25pは、Al、Ti、Cr、Ni、Au、Ag、Sn、W、Cuまたはこれらの合金のような金属を含んでもよい。第1p型コンタクト電極層25pは、第1エピタキシャルスタック20から放出される光を反射することにより上方向への光放出効率を改善するように高い反射率を有する金属を含んでもよい。
【0086】
第1n型コンタクト電極21nが第1エピタキシャルスタック20のn型半導体層上に配置されてもよい。第1エピタキシャルスタック20の第1n型コンタクト電極21nは、単層構造または多層構造を有してもよいし、金属を含んでもよい。例えば、第1n型コンタクト電極25nは、Al、Ti、Cr、Ni、Au、Ag、Sn、W、Cuまたはこれらの合金のような金属を含んでもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されず、他の導電性素材が使用されてもよい。
【0087】
第2エピタキシャルスタック30は、p型半導体層35、アクティブ層33およびn型半導体層31を含み、これらの層は順に積層される。p型半導体層35、アクティブ層33およびn型半導体層31は、例えば、窒化インジウムガリウム(InGaN)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、リン化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInP)およびリン化アルミニウムガリウム(AlGaP)のように、緑色光を放出可能な半導体素材を含んでもよいし、半導体素材はこれらに限定されない。
【0088】
第2p型コンタクト電極層35pは、第2エピタキシャルスタック30のp型半導体層35の下に配置される。第2p型コンタクト電極層35pは、第1エピタキシャルスタック20と第2エピタキシャルスタック30との間に、詳しくは、第2接着層63と第2エピタキシャルスタック30との間に配置される。
【0089】
第2n型コンタクト電極31nが第2エピタキシャルスタック30のn型半導体層上に配置されてもよい。第2エピタキシャルスタック30の第2n型接触電極31nは、単層構造または多層構造を有してもよいし、金属を含んでもよい。例えば、第2n型コンタクト電極31nは、Al、Ti、Cr、Ni、Au、Ag、Sn、W、Cuまたはこれらの合金のような金属を含んでもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されず、他の導電性素材が使用されてもよい。
【0090】
第3エピタキシャルスタック40は、p型半導体層45、アクティブ層43およびn型半導体層41を含み、これらの層は順に積層される。p型半導体層45、アクティブ層43およびn型半導体層41は、例えば、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、セレン化亜鉛(ZnSe)のように、青色光を放出可能な半導体素材を含んでもよいし、半導体素材はこれらに限定されない。
【0091】
第3p型コンタクト電極層45pは、第3エピタキシャルスタック40のp型半導体層45の下に配置される。第3p型コンタクト電極層45pは、第2エピタキシャルスタック30と第3エピタキシャルスタック40との間に、詳しくは、第3接着層65と第3エピタキシャルスタック40との間に配置される。
【0092】
第3n型コンタクト電極41nが第3エピタキシャルスタック40のn型半導体層上に配置されてもよい。第3エピタキシャルスタック40の第3n型コンタクト電極41nは、単層構造または多層構造を有してもよいし、金属を含んでもよい。例えば、第3n型コンタクト電極41nは、Al、Ti、Cr、Ni、Au、Ag、Sn、W、Cuまたはこれらの合金のような金属を含んでもよい。しかし、本発明の概念はこれに限定されず、他の導電性素材が使用されてもよい。
【0093】
図2は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40のn型半導体層21、31および41それぞれとp型半導体層25、35および45それぞれが単層構造を有するものとして示すが、いくつかの例示的な実施例において、これらの層は、多層構造を有してもよいし、超格子層を含んでもよい。第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40のアクティブ層23、33および43は、単一の量子井戸構造や多数の量子井戸構造を有してもよい。
【0094】
第2p型コンタクト電極層35pは、第2エピタキシャルスタック30を実質的に覆うエリアを有してもよい。また、第3p型コンタクト電極層45pは、第3エピタキシャルスタック40を実質的に覆うエリアを有してもよい。この場合、第2および第3p型コンタクト電極層35pおよび45pは、その下に配置されるエピタキシャルスタックから放出される光を透過するように透明な導電性素材を含んでもよい。例えば、第2および第3p型コンタクト電極層35pおよび45pそれぞれは、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム(InO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)および酸化インジウムスズ亜鉛(ITZO)を含む透明な導電性酸化物(TCO)を含んでもよい。透明な導電性混合物が、例えば、蒸着器(evaporator)やスパッタを用いて化学気相蒸着(CVD)や物理気相蒸着(PVD)によって蒸着できる。第2および第3p型コンタクト電極層35pおよび45pは、予め定められた透光度を有しかつ、次の製造工程でエッチングストッパとして機能するように、例えば、約2000Åから約2μmまでの厚さを有してもよい。
【0095】
例示的な実施例において、第1、第2および第3p型コンタクト電極層25p、35pおよび45pは、共通ラインに接続されてもよい。共通ラインは、共通電圧が印加されるラインである。また、発光信号ラインは、それぞれ第1、第2および第3n型コンタクト電極21n、31nおよび41nに接続されてもよい。例示的な実施例において、共通電圧Scは、共通ラインを介して第1p型コンタクト電極層25p、第2p型コンタクト電極層35pおよび第3p型コンタクト電極層45pに印加され、発光信号は、発光信号ラインを介して第1、第2および第3n型コンタクト電極21n、31nおよび41nに印加される。それによって、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40は、独立して制御可能である。発光信号は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40にそれぞれ対応する第1、第2および第3発光信号SR、SGおよびSBを含む。例示的な実施例において、第1、第2および第3発光信号SR、SGおよびSBは、赤色光、緑色光および青色光の光放出にそれぞれ対応する信号である。
【0096】
例示的な実施例において、共通電圧は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40のp型半導体層25、35および45に印加され、発光信号は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40のn型半導体層21、31および41に印加されるが、本発明の概念はこれに限定されない。例えば、いくつかの例示的な実施例において、共通電圧は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40のn型半導体層21、31および41に印加されてもよいし、発光信号は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40のp型半導体層25、35および45に印加されてもよい。
【0097】
第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40は、それに印加される発光信号に応答して駆動できる。さらに具体的には、第1エピタキシャルスタック20は、第1発光信号SRに応答して駆動され、第2エピタキシャルスタック30は、第2発光信号SGに応答して駆動され、第3エピタキシャルスタック40は、第3発光信号SBに応答して駆動される。この場合に、第1、第2および第3発光信号SR、SGおよびSBは、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40に独立して印加され、それによって、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40は、独立して駆動される。発光積層構造は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40から上方向に放出される第1、第2および第3有色光の組み合わせによって様々な色を有する光を提供することもできる。
【0098】
例示的な実施例による上述した構造を有する発光積層構造は、互いに完全に重なるエピタキシャルスタックを有する構造と比較して改善された光抽出効率を有することができる。特に、他のエピタキシャルスタックを通過せずに、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40から上方向に放出される光の量が増加可能で、光抽出効率を改善することができる。
【0099】
また、例示的な実施例による発光積層構造は、平面上に互いに離隔した異なるエリアを介して異なる有色光を提供するよりは、重なるエピタキシャルスタックから放出される異なる色の光の組み合わせによって様々な色をディスプレイすることができ、それによって、例示的な実施例による発光要素は、減少した大きさを有することができ、集積度は増加する。例えば、赤色、緑色および青色光のような異なる色の光を放出する従来の発光要素は、平面上で互いに離隔してフルカラーディスプレイを実現する。それによって、従来の発光要素によって占有されるエリアは相対的に大きく、これはこのような発光要素が平面上で互いに離隔するからである。しかし、異なる色の光を放出する例示的な実施例による発光要素は、発光積層構造を形成するように互いに重なりかつ同一のエリアに配置され、それによって、フルカラーディスプレイは、従来技術のエリアより非常に小さなエリアを介して実現できる。そのため、高解像度ディスプレイデバイスは、小さなエリアで製造できる。
【0100】
また、従来の発光デバイスが積層された方式で製造されるときも、従来の発光デバイスは、例えば、発光要素を個別におよび分離して形成し、発光要素を配線を用いて互いに接続することでそれぞれの発光要素で接触部を個別に形成することにより製造されて、構造的複雑性と製造の複雑性を増加させることができる。しかし、例示的な実施例による発光積層構造は、1つの構造上に複数のエピタキシャルスタックを順次に積層し、簡略化された工程によりエピタキシャルスタックに接触部を形成し、ライン部をエピタキシャルスタックに接続することにより製造できる。また、1つの発光積層構造は、例示的な実施例によりマウントされるので、ディスプレイデバイスの製造方法は、個別カラーの発光要素を分離して製造することもでき、発光要素を個別にマウント可能な従来のディスプレイデバイスの製造方法と比較して非常に簡略化可能である。
【0101】
例示的な実施例による発光積層構造は、高純度有色光および高効率を提供するように様々な構成要素をさらに含んでもよい。例えば、発光積層構造は、相対的により短い波長を有する光が相対的により長い波長を有する光を放出するエピタキシャルスタックに向かって進むのを防止する波長通過フィルタを含んでもよい。
【0102】
以下、上述したものと異なる特性部と要素が重複を回避するために主に記載されるであろう。このように、実質的に同一の要素に関する詳細な説明は重複を回避するように省略される。
【0103】
図3は、例示的な実施例による発光積層構造の横断面図である。
【0104】
図3を参照する。発光積層構造は、第1エピタキシャルスタック20と第2エピタキシャルスタック30との間に配置される第1波長通過フィルタ71を含んでもよい。
【0105】
第1波長通過フィルタ71は、予め定められた波長を有する光を選択的に透過することができる。第1波長通過フィルタ71は、第1エピタキシャルスタック20から放出される第1有色光を透過することもでき、第1有色光を除いた光を遮断または反射することもできる。それによって、第1エピタキシャルスタック20から放出される第1有色光は、上方向に進んでもよいが、第2および第3エピタキシャルスタック30および40からそれぞれ放出される第2および第3有色光が第1エピタキシャルスタック20に向かって進まなくてもよいし、第1波長通過フィルタ71によって反射または遮断可能である。
【0106】
第2および第3有色光は、第1有色光より相対的により短い波長と相対的により高いエネルギーを有してもよい。第2および第3有色光が第1エピタキシャルスタック20内に入射すると、2次光放出が第1エピタキシャルスタック20で誘導される。しかし、例示的な実施例により、第2および第3有色光が、第1波長通過フィルタ71によって第1エピタキシャルスタック20内に入射することを防止することができる。
【0107】
例示的な実施例において、第2波長通過フィルタ73が第2エピタキシャルスタック30と第3エピタキシャルスタック40との間に配置されてもよい。第2波長通過フィルタ73は、第1および第2エピタキシャルスタック20および30からそれぞれ放出される第1および第2有色光を透過することもでき、第1および第2有色光を除いて光を遮断または反射することもできる。それによって、第1および第2エピタキシャルスタック20および30からそれぞれ放出される第1および第2有色光は、上方向に進んでもよいが、第3エピタキシャルスタック40から放出される第3有色光は、第1および第2エピタキシャルスタック20および30に向かって進まなくてもよいし、第2波長通過フィルタ73によって反射または遮断可能である。
【0108】
第3有色光は、第1および第2有色光より相対的により短い波長と相対的により高いエネルギーを有する。第3有色光が第1および第2エピタキシャルスタック20および30内に入射すると、2次光放出が第1および第2エピタキシャルスタック20および30で誘導される。しかし、例示的な実施例により、第3有色光が、第2波長通過フィルタ73によって第1および第2エピタキシャルスタック20および30内に入射することを防止することができる。
【0109】
第1および第2波長通過フィルタ71および73は、様々な方式で形成されてもよい。例えば、第1および第2波長通過フィルタ71および73は、互いに異なる屈折率を有する絶縁層を交互に積層することにより形成できる。例えば、二酸化シリコン(SiO2)および二酸化チタン(TiO2)は、互いの上に交互に積層されてもよいし、光の波長は、二酸化シリコン(SiO2)および二酸化チタン(TiO2)それぞれの積層層の厚さと個数を調整することにより決定できる。いくつかの例示的な実施例において、SiO2、TiO2、HfO2、Nb2O5、ZrO2およびTa2O5は、異なる屈折率を有する絶縁層として使用されてもよい。
【0110】
例示的な実施例による発光積層構造は、高効率の均一な光を提供するように様々な構成要素をさらに含んでもよい。例えば、様々な凹凸部分が発光表面上に形成されてもよい。いくつかの例示的な実施例において、凹凸部分は、発光表面であり得る第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40のうちの少なくとも1つのn型半導体層上に形成されてもよい。
【0111】
凹凸部分は、発光効率を改善することができる。凹凸部分は、多角形ピラミッド、半球、または凹凸部分がランダムに配置される、粗さを有する表面のような様々な形状で提供されてもよい。凹凸部分は、様々なエッチング工程によりテクスチャリングされるか、パターン化されたサファイア基板を用いて形成されてもよい。
【0112】
第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40から放出される第1、第2および第3有色光は、異なる強度を有することがあり、強度の差は可視性の差を引き起こすことがある。例示的な実施例において、発光効率は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40の発光表面上に凹凸部分を選択的に形成することにより改善可能で、第1、第2および第3有色光間の可視性の差を減少させることができる。赤色および/または青色に対応する有色光が緑色に対応する有色光より低い可視性を有するので、可視性の差は、第1エピタキシャルスタック20および/または第3エピタキシャルスタック40をテクスチャリングすることにより減少できる。特に、赤色光は、相対的により小さな強度を有し、これは赤色光が発光積層構造の最下部部分から提供できるからである。この場合において、凹凸部分が第1エピタキシャルスタック20上に形成されると、その発光効率が改善される。
【0113】
上述した構造を有する発光積層構造は、様々な色をディスプレイ可能な発光要素に対応してもよいし、ピクセルとしてディスプレイデバイスで使用可能である。以下、例示的な実施例による発光積層構造を含むディスプレイデバイスがさらに詳細に記載される。
【0114】
図4は、例示的な実施例によるディスプレイデバイスの平面図であり、図5は、図4の部分P1の拡大平面図である。
【0115】
図4および図5を参照する。例示的な実施例によるディスプレイデバイス100は、文字、ビデオ、写真および2Dまたは3Dイメージのような任意の視覚的情報をディスプレイすることができる。
【0116】
ディスプレイデバイス100は、直線の辺を有する閉鎖された多角形状、湾曲辺を有する円形または楕円形状、および直線の辺と湾曲辺を有する半円形または半楕円形状のような様々な形状を有してもよい。図示の例示的な実施例において、ディスプレイデバイス100は、実質的に長方形形状を有するものとして記載される。
【0117】
ディスプレイデバイス100は、イメージをディスプレイする複数のピクセル110を含む。それぞれのピクセル110は、イメージをディスプレイする最小単位であってもよい。それぞれのピクセル110は、例示的な実施例による発光積層構造を含んでもよいし、白色光および/または有色光を放出することもできる。
【0118】
例示的な実施例によるそれぞれのピクセル110は、赤色光を放出する第1ピクセル110Rと、緑色光を放出する第2ピクセル110Gと、青色光を放出する第3ピクセル110Bとを含む。第1、第2および第3ピクセル110R、110Gおよび110Bは、上述した発光積層構造の第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40にそれぞれ対応してもよい。
【0119】
ピクセル110は、マトリクス状に配置される。本明細書で使用されているように、マトリクス状に配置されるピクセル110は、行や列に沿って正確に一列に配置されるピクセル110と実質的に行や列に沿って配置されるピクセル110を指し示すことができるが、ピクセル110の詳細な位置は、例えば、ジグザグ状のように変更されてもよい。
【0120】
図6は、例示的な実施例によるディスプレイデバイスのブロック図である。
【0121】
図6を参照する。例示的な実施例によるディスプレイデバイス100は、タイミングコントローラ350と、スキャンドライバ310と、データドライバ330と、ライン部およびピクセルとを含む。ピクセルのそれぞれは、ライン部を介してスキャンドライバ310とデータドライバ330に個別に接続される。
【0122】
タイミングコントローラ350は、ディスプレイデバイス100を駆動するのに使用可能な様々な制御信号およびイメージデータを外部ソース(例えば、イメージデータを送信する外部システム)から受信する。タイミングコントローラ350は、受信されたイメージデータを再配置してもよいし、再配置されたイメージデータをデータドライバ330に印加してもよい。また、タイミングコントローラ350は、スキャンドライバ310とデータドライバ330を駆動するのに使用可能なスキャン制御信号とデータ制御信号を生成してもよいし、生成されたスキャン制御信号とデータ制御信号をそれぞれスキャンドライバ310とデータドライバ330に印加してもよい。
【0123】
スキャンドライバ310は、タイミングコントローラ350からスキャン制御信号を受信してもよいし、スキャン制御信号に応答してスキャン信号を生成してもよい。
【0124】
データドライバ330は、タイミングコントローラ350からデータ制御信号とイメージデータを受信してもよいし、データ制御信号に応答してデータ信号を生成してもよい。
【0125】
ライン部は、複数の信号ラインを含む。特に、ライン部は、スキャンドライバ310をピクセルに接続するスキャンライン130R、130Gおよび130B(以下、集合的に「130」と称される)と、データドライバ330をピクセルに接続するデータライン120とを含む。スキャンライン130は、それぞれのピクセルに接続されてもよいし、ピクセルにそれぞれ接続されるスキャンラインは、第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bに示される。
【0126】
また、ライン部は、タイミングコントローラ350とスキャンドライバ310を、タイミングコントローラ350とデータドライバ330または他の構成要素を互いに接続して信号を送信するラインをさらに含んでもよい。
【0127】
スキャンライン130は、スキャンドライバ310によって生成されるスキャン信号をピクセルに印加する。データドライバ330によって生成されるデータ信号は、データライン120に印加される。
【0128】
ピクセルは、スキャンライン130とデータライン120に接続される。ピクセルは、スキャンライン130からのスキャン信号がこのピクセルに印加されるときに、データライン120から提供されるデータ信号に応答して光を選択的に放出することもできる。例えば、それぞれのピクセルは、各フレーム期間にそれぞれのピクセルに印加されるデータ信号に対応する明るさを有する光を放出することもできる。黒色の明るさに対応するデータ信号が印加されるピクセルは、対応するフレーム期間に光を放出しなくてもよく、それによって、黒色をディスプレイすることができる。
【0129】
例示的な実施例において、ピクセルは、パッシブまたはアクティブマトリクス方式で駆動できる。ディスプレイデバイスがアクティブマトリクス方式で駆動されるときに、ディスプレイデバイス100は、スキャン信号とデータ信号のほか、第1および第2ピクセル電源がさらに供給されてもよい。
【0130】
図7は、例示的な実施例によるパッシブマトリクスタイプのディスプレイデバイス用の1つのピクセルの回路図である。ピクセルは、例えば、赤色ピクセル、緑色ピクセルおよび青色ピクセルのようなピクセルの1つであってもよいし、ピクセルは、第1ピクセル110Rを参照して記載される。第2および第3ピクセルは、第1ピクセルと同一の方式で実質的に駆動可能であり、したがって、第2および第3ピクセルの回路図の詳細な説明が重複を回避するように省略される。
【0131】
図7を参照する。第1ピクセル110Rは、第1スキャンライン130Rとデータライン120との間に接続される発光要素150を含む。発光要素150は、第1エピタキシャルスタック20に対応してもよい。閾値電圧以上の電圧がp型半導体層とn型半導体層との間に印加されるとき、第1エピタキシャルスタック20が、それに印加される電圧のレベルに対応する明るさを有する光を放出する。このように、第1ピクセル110Rの光放出は、第1スキャンライン130Rに印加されるスキャン信号の電圧および/またはデータライン120に印加されるデータ信号の電圧を制御することにより制御可能である。
【0132】
図8は、例示的な実施例によるアクティブマトリクスタイプのディスプレイデバイス用の1つのピクセルの回路図である。
【0133】
ディスプレイデバイスがアクティブマトリクスタイプのディスプレイデバイスのときには、第1ピクセル110Rは、スキャン信号とデータ信号のほか、第1および第2ピクセル電源ELVDDおよびELVSSがさらに供給されてもよい。
【0134】
図8を参照する。第1ピクセル110Rは、1つ以上の発光要素150と、該発光要素150に接続されるトランジスタ部とを含む。
【0135】
発光要素150は、第1エピタキシャルスタック20に対応してもよく、発光要素150のp型半導体層は、トランジスタ部を介して第1ピクセル電源ELVDDに接続されてもよいし、発光要素150のn型半導体層は、第2ピクセル電源ELVSSに接続されてもよい。第1ピクセル電源ELVDDと第2ピクセル電源ELVSSは、互いに異なる電位を有してもよい。例えば、第2ピクセル電源ELVSSは、第1ピクセル電源ELVDDの電位より発光要素の閾値電圧分だけより低い電位を有してもよい。発光要素それぞれは、トランジスタ部によって制御される駆動電流に対応する明るさを有する光を放出することもできる。
【0136】
例示的な実施例によるトランジスタ部は、第1および第2トランジスタM1およびM2と、ストレージキャパシタCstとを含む。しかし、トランジスタ部の構成は、多様に変更されてもよい。
【0137】
第1トランジスタM1(スイッチングトランジスタ)は、データライン120に接続されるソース電極と、第1ノードN1に接続されるドレイン電極と、第1スキャンライン130Rに接続されるゲート電極とを含む。第1トランジスタM1をターンオンするのに十分な電圧を有するスキャン信号が第1スキャンライン130Rを介して提供されるとき、第1トランジスタM1は、ターンオンされてデータライン120と第1ノードN1とを電気的に接続する。この場合に、対応するフレームのデータ信号はデータライン120に印加され、それによって、データ信号は第1ノードN1に印加される。ストレージキャパシタCstは、第1ノードN1に印加されるデータ信号で充電される。
【0138】
第2トランジスタM2(駆動トランジスタ)は、第1ピクセル電源ELVDDに接続されるソース電極と、発光要素150のn型半導体層に接続されるドレイン電極と、第1ノードN1に接続されるゲート電極とを含む。第2トランジスタM2は、第1ノードN1の電圧に応答して、発光要素150に供給される駆動電流の量を制御する。
【0139】
ストレージキャパシタCstの1つの電極が第1ピクセル電源ELVDDに接続され、ストレージキャパシタCstの他の1つの電極が第1ノードN1に接続される。ストレージキャパシタCstは、第1ノードN1に印加されるデータ信号に対応する電圧で充電されて、次のフレームのデータ信号が提供されるまで充電された電圧を保持する。
【0140】
図示の例示的な実施例において、トランジスタ部は、図8に示すように、2つのトランジスタを含むものとして記載される。しかし、本発明の概念はトランジスタ部に含まれた特定の個数のトランジスタに限定されず、トランジスタ部の構成は様々な方式で変化可能である。例えば、トランジスタ部は、より多いトランジスタと、より多いキャパシタとを含んでもよい。また、第1および第2トランジスタ、ストレージキャパシタおよびラインの構成は、従来技術でよく知られており、それによって、その詳細な説明は省略する。いくつかの例示的な実施例において、第1および第2トランジスタ、ストレージキャパシタおよびラインの構成は、様々な方式で変化可能である。以下、ピクセルは、パッシブマトリクスタイプのピクセルを参照して記載される。
【0141】
図9は、例示的な実施例によるピクセルの平面図であり、図10は、図9のラインI-I’に沿った横断面図である。
【0142】
図9および図10を参照する。例示的な実施例によるピクセルは、上下に積層される複数のエピタキシャルスタックを含み、エピタキシャルスタックは、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40を含む。
【0143】
第1エピタキシャルスタック20は、エピタキシャルスタックのうち最も大きなエリアを有してもよい。第2エピタキシャルスタック30は、第1エピタキシャルスタック20のエリアより小さいエリアを有し、第1エピタキシャルスタック20の一部分上に配置される。第3エピタキシャルスタック40は、第2エピタキシャルスタック30のエリアより小さいエリアを有し、第2エピタキシャルスタック30の一部分上に配置される。図示の例示的な実施例において、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40の上部表面が順に露出するように配置される。
【0144】
接触部は、ライン部を第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40に接続するようにピクセルに配置される。いくつかの例示的な実施例において、ピクセルの積層された構造は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40のどの極性タイプの半導体層に共通電圧が印加されるかによって変化可能である。以下、共通電圧は、例として、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40のp型半導体層に印加されるものとして記載される。
【0145】
発光信号を第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40にそれぞれ印加する第1、第2および第3発光信号ラインと、共通電圧を第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40それぞれに印加する共通ラインは、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40に接続される。第1、第2および第3発光信号ラインは、第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bにそれぞれ対応してもよく、共通ラインは、データライン120に対応してもよく、それによって、第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bとデータライン120は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40に接続される。
【0146】
例示的な実施例による第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bは、第1方向に、例えば、図9の水平方向に延びてもよい。データライン120は、第2方向に、例えば、図9の垂直方向に延びてもよいし、この垂直方向は、第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bと交差する。しかし、第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bとデータライン120が延びる方向はこれに限定されず、ピクセルの配置によって様々な方式で変更可能である。
【0147】
データライン120と第1p型コンタクト電極層25pは、第1方向と交差する第2方向に伸長し、共通電圧を第1エピタキシャルスタック20のp型半導体層に実質的に同時に印加するので、データライン120と第1p型コンタクト電極層25pは、実質的に同一の構成要素であってもよい。このように、以下、第1p型コンタクト電極層25pは、データライン120と称されるか、その逆の関係も可能であろう。
【0148】
オーミック電極25p’が、第1p型コンタクト電極層25pと第1エピタキシャルスタック20との間のオーミックコンタクトのために、第1p型コンタクト電極層25pが配置される発光エリアに配置される。オーミック電極25p’は、様々な形状を有してもよいし、複数個提供されてもよい。図示の例示的な実施例において、オーミック電極25p’は、第1エピタキシャルスタック20の下部表面が露出することとなるエリアに配置されるが、本発明の概念はこれに限定されず、オーミック電極25p’は、他の位置に配置されてもよい。オーミックコンタクトのためのオーミック電極25p’は、様々な素材を含んでもよい。例示的な実施例において、p型オーミック電極25p’に対応するオーミック電極25p’は、Au-Zn合金またはAu-Be合金を含んでもよい。この場合に、オーミック電極25p’のための素材は、Ag、AlおよびAuの反射度より低い反射度を有するので、例えば、AgまたはAuを含む追加の反射電極がさらに配置されてもよい。この場合に、Ti、Ni、CrまたはTaを含む層が隣接した構成要素に接着するための接着層として配置されてもよい。例えば、接着層は、AgまたはAuを含む反射電極の上部表面および下部表面上に薄く蒸着できる。
【0149】
第1n型コンタクト電極21nは、第1エピタキシャルスタック20上に配置される。第1スキャンライン130Rは、第1n型コンタクト電極21nに接続される。第2n型コンタクト電極31nは、第2エピタキシャルスタック30上に配置される。第2スキャンライン130Gは、第2n型コンタクト電極31nに接続される。第3n型コンタクト電極41nは、第3エピタキシャルスタック40上に配置される。第3スキャンライン130Bは、第3n型コンタクト電極41nに接続される。
【0150】
第2エピタキシャルスタック30の1つの側の一部分が除去される。第2p型コンタクト電極35pcが、第2エピタキシャルスタック30の一部分が除去される一部分上に配置される。第2p型コンタクト電極35pcは、第1ブリッジ電極BRGに接続され、第1ブリッジ電極BRGは、第1コンタクトホールCH1を介してデータライン120に接続される。第3p型コンタクト電極45pcは、第2ブリッジ電極BRBに接続され、第2ブリッジ電極BRBは、第2コンタクトホールCH2を介してデータライン120に接続される。それによって、共通電圧がデータライン120を介して第2および第3p型コンタクト電極35pcおよび45pcに印加される。
【0151】
例示的な実施例において、第1、第2および第3n型コンタクト電極21n、31nおよび41nは、第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bそれぞれに容易に接続される相対的に広いエリアを有するパッド部と、該パッド部から1つの方向に延びる延長部とを含んでもよい。パッド部は、例えば、実質的に円形状のような様々な形状を有してもよい。延長部は、均一な電流を第1エピタキシャルスタック20のn型半導体層に提供することを補助してもよいし、パッド部から1つの方向に延びてもよい。延長部は、例えば、実質的に伸長した形状のような様々な形状を有してもよい。
【0152】
接着層、p型コンタクト電極層および波長通過フィルタが、基板10と、第1エピタキシャルスタック20、第2エピタキシャルスタック30および第3エピタキシャルスタック40それぞれとの間に配置される。以下、例示的な実施例によるピクセルが積層順序によって記載される。
【0153】
第1エピタキシャルスタック20が基板10上に配置され、第1接着層61がその間に介挿される。第1エピタキシャルスタック20は、p型半導体層、アクティブ層およびn型半導体層を含み、これらの層は下部部分から上方向に順に積層される。
【0154】
第1絶縁層81は、下部表面、例えば、第1エピタキシャルスタック20の、基板10に面する表面上に配置される。第1絶縁層81は、少なくとも1つのコンタクトホールを有する。オーミック電極25p’は、コンタクトホールに配置されて、第1エピタキシャルスタック20のp型半導体層と接触する。オーミック電極25p’は、様々な素材を含んでもよい。
【0155】
オーミック電極25p’は、第1p型コンタクト電極層25p(例えば、データライン120)と接触する。第1p型コンタクト電極層25pは、第1絶縁層81と第1接触層61との間に配置される。
【0156】
第1p型コンタクト電極層25pは、第1エピタキシャルスタック20、さらに具体的には、第1エピタキシャルスタック20の発光エリアと重なってもよいし、平面図で第1エピタキシャルスタック20の発光エリアの相当部分またはすべてを覆うこともできる。第1p型コンタクト電極層25pは、第1エピタキシャルスタック20で生成される光を反射する反射性素材を含んでもよい。また、第1絶縁層81は、第1エピタキシャルスタック20で光の反射を改善する反射度を有することができる。例えば、第1絶縁層81は、全方向反射器(ODR:Omni-Directional Reflector)構造を有することができる。
【0157】
さらに具体的には、第1p型コンタクト電極層25pは、第1エピタキシャルスタック20から放出される光に対して高い反射度を有する金属を含んでもよい。例えば、第1エピタキシャルスタック20が赤色光を放出するときには、第1p型コンタクト電極層25pは、赤色光に対して高い反射度を有する、Au、AlまたはAgのような金属を含んでもよい。特に、Auは、第2および第3エピタキシャルスタック30および40から放出可能な緑色光と青色光に対して低い反射度を有するので、第2および第3エピタキシャルスタック30および40によって放出される光からの色混合が防止できる。
【0158】
第1n型コンタクト電極21nは、第1エピタキシャルスタック20の上部表面上に配置される。第1n型コンタクト電極21nは、導電性素材を含んでもよい。例示的な実施例において、第1n型コンタクト電極21nは、様々な金属と、例えば、Au-Te合金またはAu-Ge合金のような様々な金属の合金を含んでもよい。
【0159】
第2接着層63が第1エピタキシャルスタック20上に配置され、第1波長通過フィルタ71、第2p型コンタクト電極層35pおよび第2エピタキシャルスタック30が順に第2接着層63上に配置される。
【0160】
第1波長通過フィルタ71は、第1エピタキシャルスタック20の発光エリアの一部分を覆い、第1エピタキシャルスタック20の上部表面の一部分上に配置されて、第2エピタキシャルスタック30が配置されるエリアと重なる。
【0161】
第2エピタキシャルスタック30は、p型半導体層、アクティブ層およびn型半導体層を含み、これらの層は上方向に順に積層される。
【0162】
第2エピタキシャルスタック30は、部分的に除去され、それによって、第2p型コンタクト電極層35pの一部分が露出する。第2p型コンタクト電極35pcは、第2p型コンタクト電極層35pの露出した一部分上に配置される。第2n型コンタクト電極31nは、第2エピタキシャルスタック30上に配置される。
【0163】
第3接着層65は、第2エピタキシャルスタック30上に配置され、第2波長通過フィルタ73、第3p型コンタクト電極層45pおよび第3エピタキシャルスタック40は、第3接着層65上に順に配置される。
【0164】
第2波長通過フィルタ73は、第2エピタキシャルスタック30の発光エリアの一部分を覆い、第2エピタキシャルスタック30の上部表面の一部分上に配置されて、第3エピタキシャルスタック40が配置されるエリアと重なる。
【0165】
第3エピタキシャルスタック40は、p型半導体層、アクティブ層およびn型半導体層を含み、これらの層は上方向に順に積層される。
【0166】
第3エピタキシャルスタック40は部分的に除去され、それによって、第3p型コンタクト電極層45pの一部分が露出する。第3p型コンタクト電極45pcは、第3p型コンタクト電極層45pの露出した一部分上に配置される。第3n型コンタクト電極41nは、第3エピタキシャルスタック40上に配置される。
【0167】
第2および第3絶縁層83および85は、第3エピタキシャルスタック40上で基板10上に順に配置される。第2および第3絶縁層83および85は、様々な有機/無機素材を含んでもよいし、これらに限定されない。例えば、第2および/または第3絶縁層83および85は、窒化シリコンや酸化シリコンを含む無機絶縁素材、またはポリイミドを含む有機絶縁素材を含んでもよい。
【0168】
第1絶縁層81および/または第2絶縁層83は、コンタクトホールが提供されて、第1p型コンタクト電極層25p、第2および第3p型コンタクト電極35pcおよび45pc、および第1、第2および第3n型コンタクト電極21n、31nおよび41nの上部表面を露出する。第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bは、それぞれ第1、第2および第3n型コンタクト電極21n、31nおよび41nに接続される。第1および第2ブリッジ電極BRGおよびBRBは、コンタクトホールを介して第1p型コンタクト電極層25pと第2および第3p型コンタクト電極35pcおよび45pcに接続される。例示的な実施例において、第2スキャンライン130G、第1ブリッジ電極BRGおよび第2ブリッジ電極BRBは、第1絶縁層81上に配置されてもよいし、第1および第3スキャンライン130Rおよび130Bは、第2絶縁層83上に配置されてもよい。
【0169】
いくつかの例示的な実施例において、凹凸部分が第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40の上部表面上に選択的に配置されてもよい。凹凸部分は、発光エリアに対応するエリアでのみ、または各半導体層の全体上部表面上に配置されてもよい。
【0170】
また、いくつかの例示的な実施例において、不透光層が、ピクセルの側表面に対応する第2および/または第3絶縁層83および85の側表面上にさらに配置されてもよい。不透光層は、遮光層として機能することも可能で、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40からの光がピクセルの側表面を介して出射するのを防止することができ、光を吸収または反射する素材を含んでもよい。
【0171】
不透光層は、単層または多層素材を有してもよい。例えば、不透光層は、Al、Ti、Cr、Ni、Au、Ag、Sn、WおよびCuである金属またはこれらの合金を含む様々な素材を含んでもよい。
【0172】
いくつかの例示的な実施例において、不透光層は、別途の層としてこのような金属または金属合金を用いて第2および/または第3絶縁層83および85の側表面上に配置されてもよい。
【0173】
いくつかの例示的な実施例において、不透光層は、第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bと第1および第2ブリッジ電極BRGおよびBRBのうちの少なくとも1つが該側部分に向かって延びることにより提供されてもよい。この場合に、第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bと第1および第2ブリッジ電極BRGおよびBRBのうちの少なくとも1つから延びる不透光層は、他の導電性構成要素から絶縁されてもよい。
【0174】
いくつかの例示的な実施例において、不透光層は、同一の工程で形成されてもよく、同一の素材を含み、第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bと第1および第2ブリッジ電極BRGおよびBRBのうちの少なくとも1つと同一層上に配置されるか、第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bと第1および第2ブリッジ電極BRGおよびBRBと別途に提供されてもよい。
【0175】
他の例示的な実施例により、不透光層が別途に提供されないときには、第2および第3絶縁層83および85は、不透光層として機能することもできる。この場合に、第2および第3絶縁層83および85は、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40の上部部分(例えば、前面方向)上に配置されなくてもよく、第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40から放出された光は、前面方向に進んでもよい。
【0176】
例示的な実施例による不透光層は、不透光層が光を吸収または反射して光の透過を遮断する限り、特に限定されない。例えば、不透光層は、分布ブラッグ反射器(DBR:Distributed Bragg Reflector)誘電体ミラーや、絶縁層上に形成される金属反射層や、黒色有機高分子層であってもよい。金属反射層が不透光層として使用されるときには、金属反射層は、金属反射層が他のピクセルの構成要素から電気的に絶縁されるようにフローティング状態にあり得る。
【0177】
この方式により、不透光層がピクセルの側表面上に配置されるときに、光が該側表面を介して出射することを防止することが可能で、1つのピクセルはそれに隣接したピクセルに影響を及ぼすことなく、隣接するピクセル間の光の混合を防止することができる。
【0178】
例示的な実施例によるピクセルは、基板10上で第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40を順に積層することにより製造可能であり、この点は後に記載される。
【0179】
図11図13図15図17図19図21図23図25図27図29図31および図33は、その上に第1、第2および第3エピタキシャルスタックが順に積層される基板の平面図である。図12図14図16図18図20図22図24図26図28図30図32および図34は、それぞれ図11図13図15図17図19図21図23図25図27図29図31および図33のラインI-I’に沿った横断面図である。
【0180】
図11および図12を参照する。第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40は基板10上に順に形成される。
【0181】
特に、第1エピタキシャルスタック20とオーミック電極25p’は、第1仮基板上に形成される。第1仮基板は、例えば、砒化ガリウム(GaAs)のような半導体基板であってもよいし、その上には第1エピタキシャルスタック20が成長できる。第1エピタキシャルスタック20は、第1仮基板上にn型半導体層、アクティブ層およびp型半導体層を形成することにより製造される。コンタクトホールを含む第1絶縁層81は、第1仮基板上に形成され、オーミック電極25p’は、第1絶縁層81のコンタクトホールに形成される。
【0182】
オーミック電極25p’は、例えば、第1仮基板上に第1絶縁層81を形成し、フォトレジストをコーティングし、フォトレジストをパターン化し、パターン化されたフォトレジスト上にオーミック電極25p’のための素材を蒸着し、フォトレジストパターンをリフトオフ(lift-off)することにより形成可能である。いくつかの例示的な実施例において、オーミック電極25p’は、第1絶縁層81を形成し、フォトリソグラフィー工程を用いて第1絶縁層81をパターン化し、オーミック電極25p’用素材を用いてオーミック電極25p’のための層を形成し、フォトリソグラフィー工程を用いてオーミック電極25p’のための層をパターン化することにより形成可能である。
【0183】
例えば、データライン120のような第1p型コンタクト電極層25pが第1仮基板上に形成され、該第1仮基板上にオーミック電極25p’が形成される。第1p型コンタクト電極層25pは、反射性素材を含んでもよい。第1p型コンタクト電極層25pは、第1仮基板上に金属素材を蒸着し、フォトリソグラフィー工程を用いて蒸着された金属素材をパターン化することにより形成可能である。
【0184】
第1仮基板上に形成される第1エピタキシャルスタック20は、第1エピタキシャルスタック20と基板10との間に介挿された第1接着層61によって、基板10に反転して貼りつけられる。
【0185】
第1エピタキシャルスタック20が基板10に貼りつけられた後、第1仮基板は除去される。第1仮基板は、ウェットエッチング工程、ドライエッチング工程、物理的除去工程またはレーザリフトオフ工程のような様々な方法によって除去されてもよい。
【0186】
第1仮基板が除去された後、第1n型コンタクト電極21nが第1エピタキシャルスタック20上に形成される。第1n型コンタクト電極21nは、導電性素材を形成し、フォトリソグラフィー工程などを用いて導電性素材をパターン化することにより形成可能である。
【0187】
いくつかの例示的な実施例において、第1仮基板が除去された後、凹凸部分が第1エピタキシャルスタック20の上部表面(n型半導体層)上に形成されてもよい。凹凸部分は、様々なエッチング工程によりテクスチャリングされてもよい。例えば、凹凸部分は、マイクロフォトグラフィーを利用したドライエッチング工程、結晶性を利用したウェットエッチング工程、サンドブラストのような物理的方法を利用したテクスチャリング工程、イオンビームエッチング工程、またはブロック共重合体のエッチング速度の差を利用したテクスチャリング工程のような様々な工程により形成できる。
【0188】
第2エピタキシャルスタック30、第2p型コンタクト電極層35pおよび第1波長通過フィルタ71は、第2仮基板上に形成される。
【0189】
第2仮基板は、サファイア基板であってもよい。第2エピタキシャルスタック30は、第2仮基板上にn型半導体層、アクティブ層およびp型半導体層を形成することにより製造できる。
【0190】
第2仮基板上に形成される第2エピタキシャルスタック30は、第2エピタキシャルスタック30と第1エピタキシャルスタック20との間に介挿された第2接着層63によって、第1エピタキシャルスタック20に反転して貼りつけられる。第2エピタキシャルスタック30が第1エピタキシャルスタック20に貼りつけられた後、第2仮基板は除去される。第2仮基板は、ウェットエッチング工程、ドライエッチング工程、物理的除去工程またはレーザリフトオフ工程のような様々な方法によって除去されてもよい。いくつかの例示的な実施例において、第2仮基板が除去された後、凹凸部分が第2エピタキシャルスタック30の上部表面(n型半導体層)上に形成されてもよい。凹凸部分は、様々なエッチング工程によりテクスチャリングされるか、第2仮基板としてパターン化されたサファイア基板を用いて形成されてもよい。
【0191】
第3エピタキシャルスタック40、第3p型コンタクト電極層45pおよび第2波長通過フィルタ73は、第3仮基板上に形成される。
【0192】
第3仮基板は、サファイア基板であってもよい。第3エピタキシャルスタック40は、第3仮基板上にn型半導体層、アクティブ層およびp型半導体層を形成することにより製造できる。
【0193】
第3仮基板上に形成される第3エピタキシャルスタック40は、第3エピタキシャルスタック40と第2エピタキシャルスタック30との間に介挿された第3接着層65によって、第2エピタキシャルスタック30に反転して貼りつけられる。第3エピタキシャルスタック40が第2エピタキシャルスタック30に貼りつけられた後、第3仮基板は除去される。第3仮基板は、ウェットエッチング工程、ドライエッチング工程、物理的除去工程またはレーザリフトオフ工程のような様々な方法によって除去されてもよい。いくつかの例示的な実施例において、第3仮基板が除去された後、凹凸部分が第3エピタキシャルスタック40の上部表面(n型半導体層)上に形成されてもよい。凹凸部分は、様々なエッチング工程によりテクスチャリングされるか、第2仮基板としてパターン化されたサファイア基板を用いて形成されてもよい。
【0194】
第3n型コンタクト電極41nは、第3エピタキシャルスタック40の上部表面上に形成される。第3n型コンタクト電極41nは、第3エピタキシャルスタック40の上部表面上に導電性素材層を形成し、例えば、フォトリソグラフィー工程を用いて導電性素材層をパターン化することにより形成可能である。
【0195】
図13および図14を参照する。第3エピタキシャルスタック40がパターン化される。第3エピタキシャルスタック40の一部分がピクセルの予め定められたエリアから除去されて、第3エピタキシャルスタック40は、後に形成される第1および第2エピタキシャルスタック20および30より小さいエリアを有する。また、第3エピタキシャルスタック40はさらに、第3p型コンタクト電極45pcが形成されるエリアから除去される。第3エピタキシャルスタック40は、フォトリソグラフィー工程を用いてウェットエッチング工程やドライエッチング工程のような様々な方法によって除去されてもよいし、この場合に、第3p型コンタクト電極層45pは、エッチングストッパとして動作する。
【0196】
図15および図16を参照する。第3p型コンタクト電極45pcは、第3エピタキシャルスタック40を除去することにより露出する第3p型コンタクト電極層45pの一部分上に形成される。第3p型コンタクト電極45pcは、基板10の上部表面上に導電性素材層(該層上に第3p型コンタクト電極層45pが形成される)を形成し、フォトリソグラフィー工程を用いて導電性素材層をパターン化することにより形成可能である。
【0197】
図17および図18を参照する。第3p型コンタクト電極層45p、第2波長通過フィルタ73および第3接着層65の部分が、第3エピタキシャルスタック40が形成される箇所を除いたエリアから除去される。それによって、第2エピタキシャルスタック30の上部表面が露出する。
【0198】
第3p型コンタクト電極層45p、第2波長通過フィルタ73および第3接着層65は、フォトリソグラフィー工程を用いてウェットエッチング工程やドライエッチング工程のような様々な方法によって除去されてもよい。
【0199】
図19および図20を参照する。第2n型コンタクト電極31nは、第2エピタキシャルスタック30の露出した上部表面上に形成される。第2n型コンタクト電極31nは、第2エピタキシャルスタック30の上部表面上に導電性素材層を形成し、例えば、フォトリソグラフィー工程を用いて導電性素材層をパターン化することにより形成可能である。
【0200】
図21および図22を参照する。第2エピタキシャルスタック30がパターン化される。第2エピタキシャルスタック30の一部分がピクセルの予め定められたエリアを除いて除去されて、第2エピタキシャルスタック30は、後に形成される第1エピタキシャルスタック20より小さいエリアを有する。また、第2エピタキシャルスタック30はさらに、第2p型コンタクト電極35pcが形成されるエリアから除去される。第2エピタキシャルスタック30は、フォトリソグラフィー工程を用いてウェットエッチング工程やドライエッチング工程のような様々な方法によって除去されてもよいし、この場合に、第2p型コンタクト電極層35pは、エッチングストッパとして動作する。
【0201】
図23および図24を参照する。第2p型コンタクト電極35pcは、第2p型コンタクト電極層35p上に形成され、この層から、第2エピタキシャルスタック30の一部分が除去される。第2p型コンタクト電極35pcは、基板10の上部表面上に導電性素材層(該層上に第2p型コンタクト電極層35pが形成される)を形成し、例えば、フォトリソグラフィー工程を用いて導電性素材層をパターン化することにより形成可能である。
【0202】
第3n型コンタクト電極41n、第3p型コンタクト電極45pc、第2n型コンタクト電極31nおよび第2p型コンタクト電極35pcは、上述のように、別途のマスク工程によりそれぞれ形成されてもよいが、本発明の概念はこれに限定されない。さらに具体的には、第3エピタキシャルスタック40がパターン化される前に第3n型コンタクト電極41nが形成され、第3エピタキシャルスタック40がパターン化された後に第3p型コンタクト電極45pcが形成され、第2エピタキシャルスタック30がパターン化される前に第2n型コンタクト電極31nが形成され、第2エピタキシャルスタック30がパターン化された後に第2p型コンタクト電極35pcが形成されるが、コンタクト電極を形成するための方法は、多様に変更されてもよい。
【0203】
例えば、いくつかの例示的な実施例において、第3n型コンタクト電極41n、第3p型コンタクト電極45pc、第2n型コンタクト電極31nおよび第2p型コンタクト電極35pcは、第3エピタキシャルスタック40と第2エピタキシャルスタック30が順にパターン化された後、単一のマスク工程により実質的に同時に形成されてもよい。第3n型コンタクト電極41nと第2n型コンタクト電極31nが第3p型コンタクト電極45pcおよび第2p型コンタクト電極35pcと異なる素材で形成されるときには、2つのタイプのコンタクト電極が互いに異なるマスクを用いて形成されてもよい。特に、第3エピタキシャルスタック40と第2エピタキシャルスタック30が順にパターン化された後、第3n型コンタクト電極41nと第2n型コンタクト電極31nは、単一のマスク工程により実質的に同時に形成されてもよいし、第3p型コンタクト電極45pcと第2p型コンタクト電極35pcは、他の単一のマスク工程により実質的に同時に形成されてもよい。
【0204】
図25および図26を参照する。第2p型コンタクト電極層35p、第1波長通過フィルタ71および第2接着層63の一部分は、第2エピタキシャルスタック30が配置されるエリアを除いたエリアから除去される。それによって、第1エピタキシャルスタック20の上部表面が露出する。第2p型コンタクト電極層35p、第1波長通過フィルタ71および第2接着層63は、フォトリソグラフィー工程を用いてウェットエッチング工程やドライエッチング工程のような様々な方法によって除去されてもよい。エッチング工程により、第1エピタキシャルスタック20の上部表面上に配置される第1n型コンタクト電極21nが露出する。
【0205】
図27および図28を参照する。第1エピタキシャルスタック20がパターン化される。第1エピタキシャルスタック20がエピタキシャルスタックのうち最も大きなエリアを有する。第1エピタキシャルスタック20は、フォトリソグラフィー工程を用いてウェットエッチング工程やドライエッチング工程のような様々な方法によって除去されてもよい。
【0206】
この場合に、第1絶縁層81は、実質的に同時にまたは追加的に除去されてもよいし、第1p型コンタクト電極25pの上部表面、例えば、データラインが露出する。
【0207】
図29および図30を参照する。コンタクトホールを有する第2絶縁層83は、パターン化された第1、第2および第3エピタキシャルスタック20、30および40上に形成される。
【0208】
コンタクトホールは、第1、第2および第3n型コンタクト電極21n、31nおよび41nと第1~第3p型コンタクト電極25pc、35pcおよび45pcに対応する位置に形成されて、第1、第2および第3n型コンタクト電極21n、31nおよび41nと第1~第3p型コンタクト電極25pc、35pcおよび45pcの一部分を露出する。コンタクトホールを有する第2絶縁層83は、例えば、フォトリソグラフィー工程により形成されてもよい。
【0209】
図31および図32を参照する。第2スキャンライン130G、第1ブリッジ電極BRGおよび第2ブリッジ電極BRBは、第2絶縁層83上に形成される。第2スキャンライン130Gは、第2n型コンタクト電極31nに対応して定められるコンタクトホールを介して第2n型コンタクト電極31nに接続される。第1ブリッジ電極BRGの一端部は、第2p型コンタクト電極35pcに対応して定められるコンタクトホールを介して第2p型コンタクト電極35pcに接続され、第1ブリッジ電極BRGの他の端部は、第1p型コンタクト電極層25p上に定められる第1コンタクトホールCH1を介して第1p型コンタクト電極層25p(例えば、データライン120)に接続される。第2ブリッジ電極BRBの一端部は、第3p型コンタクト電極45pcに対応して定められるコンタクトホールを介して第3p型コンタクト電極45pcに接続され、第2ブリッジ電極BRBの他の端部は、第1p型コンタクト電極層25p上に定められる第2コンタクトホールCH2を介して第1p型コンタクト電極層25p(例えば、データライン120)に接続される。
【0210】
図33および図34を参照する。コンタクトホールを有する第3絶縁層85は、第2絶縁層83上に形成される。
【0211】
コンタクトホールは、第1および第3n型コンタクト電極21nおよび41nに対応する位置に形成されて、第1および第3n型コンタクト電極21nおよび41nの一部分を露出する。コンタクトホールを有する第3絶縁層85は、例えば、フォトリソグラフィー工程により形成されてもよい。
【0212】
第1および第3スキャンライン130Rおよび130Bは、第3絶縁層85上に形成される。第1スキャンライン130Rは、第1n型コンタクト電極21nに対応して定められるコンタクトホールを介して第1n型コンタクト電極21nに接続される。第3スキャンライン130Bは、第3n型コンタクト電極41nに対応して定められるコンタクトホールを介して第3n型コンタクト電極41nに接続される。
【0213】
いくつかの例示的な実施例において、第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bと第1および第2ブリッジ電極BRGおよびBRBを形成する順序は、多様に変更されてもよい。さらに具体的には、第2スキャンライン130Gと第1および第2ブリッジ電極BRGおよびBRBは、同一の工程により形成されているものとして記載され、その後、第1および第3スキャンライン130Rおよび130Bが形成されるが、いくつかの例示的な実施例において、第3スキャンライン130Bは、第1および第2スキャンライン130Rおよび130Gが同一の工程により形成された後に形成されてもよい。他の例として、第2スキャンライン130Gは、第1および第3スキャンライン130Rおよび130Bが同一の工程により形成された後に形成されてもよい。また、第1および/または第2ブリッジ電極BRGおよびBRBは、第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bを形成する動作のうち任意の動作とともに形成されてもよい。
【0214】
また、エピタキシャルスタック20、30および40それぞれの接触部は、異なる位置上に形成されてもよいし、第1、第2および第3スキャンライン130R、130Gおよび130Bと第1および第2ブリッジ電極BRGおよびBRBの位置は変化可能である。
【0215】
いくつかの例示的な実施例において、不透光層が、ピクセルの側表面に対応するエリアで第2絶縁層83や第3絶縁層85上にさらに配置されてもよい。不透光層は、分布ブラッグ反射器(DBR)誘電体ミラーや、絶縁層上に形成される金属反射層や、有機高分子層によって形成されてもよい。金属反射層が不透光層として使用されるときには、金属反射層は、他のピクセルの構成要素から電気的に絶縁されるようにフローティング状態にあり得る。不透光層は、互いに異なる屈折率を有する2つ以上の絶縁層を蒸着することにより形成できる。例えば、不透光層は、相対的に低い屈折率を有する素材と相対的に高い屈折率を有する素材を順に積層するか、互いに異なる屈折率を有する絶縁層を交互に積層することにより形成可能である。互いに異なる屈折率を有する素材は、例えば、SiO2およびSiNxを含んでもよい。
【0216】
上述のように、例示的な実施例によるディスプレイデバイスにおいて、エピタキシャルスタックは、順に積層されてもよいし、その後、ライン部との接触がエピタキシャルスタックに実質的に同時に形成されてもよい。
【0217】
例示的な実施例において、第1スキャンラインと第3スキャンラインは、同一の工程により形成されるか、第2スキャンラインと第3スキャンラインが同一の工程により形成されるか、第1、第2および第3スキャンラインは、それぞれ異なる工程により形成されてもよい。
【0218】
図35は、例示的な実施例によるディスプレイデバイスの概略平面図であり、図36は、例示的な実施例によるディスプレイ用発光ダイオードピクセルの概略横断面図である。
【0219】
図35を参照する。ディスプレイデバイス2000は、支持基板251と、支持基板251上に配置される複数のピクセル200とを含む。ピクセル200それぞれは、第1~第3サブピクセルR、G、Bを含む。
【0220】
図36を参照する。支持基板251は、LEDスタック223、233、243を支持する。支持基板251は、その表面またはその内部に回路を含んでもよいが、これに限定されない。支持基板251は、例えば、Si基板やGe基板を含んでもよい。
【0221】
第1サブピクセルRは、第1LEDスタック223を含み、第2サブピクセルGは、第2LEDスタック233を含み、第3サブピクセルBは、第3LEDスタック243を含む。第1サブピクセルRが第1LEDスタック223を介して光を放出し、第2サブピクセルGが第2LEDスタック233を介して光を放出し、第3サブピクセルBが第3LEDスタック243を介して光を放出する。第1~第3LEDスタック223、233、243は、独立して駆動可能である。
【0222】
第1LEDスタック223、第2LEDスタック233および第3LEDスタック243は、互いに重なるように垂直方向に上下に積層される。特に、第2LEDスタック233は、第1LEDスタック223上で一部領域に配置される。図示のように、第2LEDスタック233は、第1LEDスタック223上に一側に向かって配置されてもよい。また、第3LEDスタック243は、第2LEDスタック233上に一部領域に配置されてもよい。図示のように、第3LEDスタック243は、第2LEDスタック233上に一側に向かって配置されてもよい。第2および第3LEDスタック233および243が図中の右側に向かって配置される(バイアスされる)ものとして示されるが、本発明の概念はこれに限定されず、第2および第3LEDスタック233および243のうちの少なくとも1つは、左側に向かって配置されてもよい。
【0223】
第1LEDスタック223から生成される光Rは、第2LEDスタック233によって覆われない第1LEDスタック223の領域を介して放出されてもよいし、第2LEDスタック233から生成される光Gは、第3LEDスタック243によって覆われない第2LEDスタック233の領域を介して放出されてもよい。さらに具体的には、第1LEDスタック223から生成される光は、第2LEDスタック233と第3LEDスタック243を通過せずに外部に放出されてもよいし、第2LEDスタック233から生成される光は、第3LEDスタック243を通過せずに外部に放出されてもよい。
【0224】
また、光Rが放出されるときに通過する第1LEDスタック223の領域のエリアと、光Gが放出されるときに通過する第2LEDスタック233の領域のエリアと、第3LEDスタックの領域は互いに異なっていてもよいし、LEDスタック223、233、243それぞれから放出される光の明るさ強度は、発光エリアの調整により調整可能である。
【0225】
第1LEDスタック223、第2LEDスタック233および第3LEDスタック243それぞれは、その間に介挿されるn型半導体層、p型半導体層およびアクティブ層を含む。アクティブ層は、複数の量子井戸層構造を有してもよい。第1~第3LEDスタック223、233、243は、異なるアクティブ層を含むことも可能で、異なる波長を有する光を放出することができる。例えば、第1LEDスタック223は、赤色光を放出する無機発光ダイオードであってもよく、第2LEDスタック233は、緑色光を放出する無機発光ダイオードであってもよいし、第3LEDスタック243は、青色光を放出する無機発光ダイオードであってもよい。この場合に、第1LEDスタック223は、GaInP系井戸層を含んでもよく、第2LEDスタック233と第3LEDスタック243は、GaInN系井戸層を含んでもよい。しかし、本発明はこれらに限定されない。ピクセルが、従来技術で知られているように、約10,000μm2未満であるか、他の例示的な実施例において約4,000μm2または2,5000μm2未満である表面積を有するマイクロLEDを含むとき、マイクロLEDの小さなフォームファクタによって、動作に悪影響を及ぼすことなく、第1LEDスタック223は、赤色、緑色および青色光のうちの任意の1つを放出することもでき、第2および第3LEDスタック233および243は、赤色、緑色および青色光のうちの異なる1つを放出することもできる。図37は、例示的な実施例によるディスプレイデバイスの概略回路図である。
【0226】
図37を参照する。例示的な実施例によるディスプレイデバイスは、パッシブマトリクス方式で駆動できる。図35および図36を参照して記載されているように、1つのピクセルは、第1~第3サブピクセルR、G、Bを含む。第1サブピクセルRの第1LEDスタック223は、第1波長を有する光を放出し、第2サブピクセルGの第2LEDスタック233は、第2波長を有する光を放出し、第3サブピクセルBの第3LEDスタック243は、第3波長を有する光を放出する。第1~第3サブピクセルR、G、Bのアノードは、共通ライン、例えば、データライン(Vdata)225に接続されてもよいし、そのカソードは、異なるライン、例えば、スキャンライン(Vscan)271、273、275に接続されてもよい。
【0227】
例えば、第1ピクセルで、第1~第3サブピクセルR、G、Bのアノードは、データラインVdata1に接続されてもよいし、そのカソードは、それぞれスキャンラインVscan1-1、Vscan1-2、Vscan1-3に接続されてもよい。それによって、同一のピクセルでサブピクセルR、G、Bは個別に駆動できる。
【0228】
また、LEDスタック223、233、243それぞれは、パルス幅変調によって、または電流の大きさを変えることにより駆動可能で、各サブピクセルの明るさの調節を可能にする。これとは別に、明るさは、第1~第3LEDスタック223、233、243のエリアと、光が放出されるときに通過する第1~第3LEDスタック223、233、243の領域のエリアとの調整により調整可能である。例えば、低い可視性を有する光を放出するLEDスタック、例えば、第1LEDスタック223は、第2LEDスタック233または第3LEDスタック243よりも大きいエリアを有し、同一の電流密度下でより高い明るさ強度を有する光を放出するように形成されてもよい。また、第2LEDスタック233のエリアは、第3LEDスタック243より大きいので、第2LEDスタック233は、同一の電流密度下で第3LEDスタック243よりも高い明るさ強度を有する光を放出することができる。この方式により、第1~第3LEDスタック223、233、243から放出される光の明るさ強度は、第2LEDスタック233および第3LEDスタック243のエリアを調整することによりその可視性によって調整可能である。
【0229】
図38は、例示的な実施例によるディスプレイデバイスの概略平面図である。図39は、図38に示すディスプレイデバイスの1つのピクセルの拡大平面図であり、図40A図40B図40Cおよび図40Dは、それぞれ図39のラインA-A、B-B、C-CおよびD-Dに沿った概略横断面図である。
【0230】
図38図39図40A図40B図40Cおよび図40Dを参照する。例示的な実施例によるディスプレイデバイス2000Aは、支持基板251、複数のピクセル200A、第1~第3サブピクセルR、G、B、第1LEDスタック223、第2LEDスタック233、第3LEDスタック243、反射性電極(第1-2オーミック電極)225、第1-1オーミック電極229、第2-1オーミック電極239、第2-2オーミック電極235、第3-1オーミック電極249、第3-2オーミック電極245、電極パッド236、246、第1ボンディング層253、第2ボンディング層237、第3ボンディング層247、第1透明絶縁層261、第1反射層263、第2透明絶縁層265、第2反射層267、下部絶縁層268、上部絶縁層269、相互接続ライン271、273、275および接続部271a、273a、275a、277a、277bを含んでもよい。
【0231】
サブピクセルR、G、Bそれぞれは、反射性電極225と相互接続ライン271、273、275に接続される。図37に示されるように、反射性電極225は、データラインVdataとして使用されてもよいし、相互接続ライン271、273、275は、スキャンラインVscanとして使用されてもよい。
【0232】
図38に示されるように、ピクセルは、マトリクスに配置されてもよいし、ここで、各ピクセルでサブピクセルR、G、Bのアノードは共通に反射性電極225に接続され、そのカソードは互いに分離される相互接続ライン271、273、275に接続される。接続部271a、273a、275aは、相互接続ライン271、273、275をサブピクセルR、G、Bに接続してもよい。
【0233】
支持基板251は、LEDスタック223、233、243を支持する。支持基板251は、その表面にまたはその内部に回路を含んでもよいが、これに限定されない。支持基板251は、例えば、ガラス基板、サファイア基板、Si基板またはGe基板を含んでもよい。
【0234】
第1LEDスタック223は、第1導電型半導体層223aと第2導電型半導体層223bとを含み、第2LEDスタック233は、第1導電型半導体層233aと第2導電型半導体層233bとを含み、第3LEDスタック243は、第1導電型半導体層243aと第2導電型半導体層243bとを含む。また、アクティブ層がそれぞれ第1導電型半導体層223a、233a、243aと第2導電型半導体層223b、233b、243bとの間に介挿されてもよい。
【0235】
例示的な実施例において、第1導電型半導体層223a、233a、243aそれぞれは、n型半導体層であってもよいし、第2導電型半導体層223b、233b、243bそれぞれは、p型半導体層であってもよい。粗い表面が、表面テクスチャリングによって第1導電型半導体層223a、233a、243aのうちの少なくとも1つの表面上に形成されてもよい。いくつかの例示的な実施例において、LEDスタックそれぞれにおける半導体タイプは、多様に変更されてもよい。
【0236】
第1LEDスタック223は、支持基板251近傍に配置される。第2LEDスタック233は、第1LEDスタック223上に配置され、第3LEDスタック243は、第2LEDスタック233上に配置される。また、第2LEDスタック233は、第1LEDスタック223上のいくつかの領域で配置されて、第1LEDスタック223は、第2LEDスタック233と部分的に重なる。また、第3LEDスタック243は、第2LEDスタック233上のいくつかの領域で配置されて、第2LEDスタック233は、第3LEDスタック243と部分的に重なる。それによって、第1LEDスタック223から生成される光は、第2および第3LEDスタック233、243を通過せずに外部に放出されてもよい。また、第2LEDスタック233から生成される光は、第3LEDスタック243を通過せずに外部に放出されてもよい。
【0237】
第1LEDスタック223、第2LEDスタック233および第3LEDスタック243を形成する素材の詳細は、図36を参照して記載したものと実質的に同一であり、それによって、その詳細な説明は重複を回避するように省略される。
反射性電極225は、第1LEDスタック223の下部表面、特にその第2導電型半導体層223bとオーミックコンタクトを形成する。反射性電極225は、第1LEDスタック223から放出される光を反射する反射層を含む。図示のように、反射性電極225は、第1LEDスタックの全体下部表面を実質的に覆うこともできる。さらに、反射性電極225は、複数のピクセル200Aに共通に接続されてもよいし、データラインVdataとして使用されてもよい。
【0238】
反射性電極225は、例えば、第1LEDスタック223の第2導電型半導体層223bとオーミックコンタクトを形成する素材層で形成されてもよいし、第1LEDスタック223から生成される光、例えば、赤色光を反射可能な反射層を含んでもよい。
【0239】
反射性電極225は、オーミック反射層を含んでもよいし、例えば、Au-Zn合金またはAu-Be合金で形成されてもよい。これらの合金は、赤色範囲の光に対して高い反射度を有し、第2導電型半導体層223bとオーミックコンタクトを形成する。
【0240】
第1-1オーミック電極229は、第1サブピクセルRの第1導電型半導体層223bとオーミックコンタクトを形成する。第1-1オーミック電極229は、パッド領域と延長部とを含んでもよいし、接続部275aは、図40Bに示されるように、第1-1オーミック電極229のパッド領域に接続されてもよい。第1-1オーミック電極229は、第2LEDスタック233が配置される領域から離隔してもよい。
【0241】
第2-1オーミック電極239は、第2LEDスタック233の第1導電型半導体層233aとオーミックコンタクトを形成する。第2-1オーミック電極239はさらに、パッド領域と延長部とを含んでもよいし、接続部273aは、図40Cに示されるように、第2-1オーミック電極239のパッド領域に接続されてもよい。第2-1オーミック電極239は、第3LEDスタック243が配置される領域から離隔してもよい。
【0242】
第2-2オーミック電極235は、第2LEDスタック233の第2導電型半導体層233bとオーミックコンタクトを形成する。第2-2オーミック電極235は、第2LEDスタック233から生成される光を反射する反射層を含んでもよい。例えば、第2-2オーミック電極235は、金属反射層を含んでもよい。
【0243】
電極パッド236は、第2-2オーミック電極235上に形成されてもよい。電極パッド236は、第2-2オーミック電極235の一部分上に制限的に配置され、接続部277bは、電極パッド236に接続されてもよい。
【0244】
第3-1オーミック電極249は、第3LEDスタック243の第1導電型半導体層243aとオーミックコンタクトを形成する。第3-1オーミック電極249はさらに、パッド領域と延長部とを含んでもよいし、接続部271aは、図40Dに示されるように、第3-1オーミック電極249のパッド領域に接続されてもよい。
【0245】
第3-2オーミック電極245は、第3LEDスタック243の第2導電型半導体層243bとオーミックコンタクトを形成する。第3-2オーミック電極245は、第2LEDスタック243から生成される光を反射する反射層を含んでもよい。例えば、第3-2オーミック電極245は、金属層を含んでもよい。
【0246】
電極パッド246は、第3-2オーミック電極245上に形成されてもよい。電極パッド246は、第3-2オーミック電極245の一部分上に制限的に配置され、接続部277aは、電極パッド246に接続されてもよい。
【0247】
反射性電極225、第2-2オーミック電極235および第3-2オーミック電極245は、それぞれのLEDスタックのp型半導体層とオーミックコンタクトにより電流が拡散することを補助してもよい。第1-1オーミック電極229、第2-1オーミック電極239および第3-1オーミック電極249は、それぞれのLEDスタックのn型半導体層とオーミックコンタクトにより電流が拡散することを補助してもよい。
【0248】
第1ボンディング層253は、第1LEDスタック223を支持基板251に結合する。図示のように、反射性電極225は、第1ボンディング層253と隣接してもよい。第1ボンディング層253は、透光性または不透明層であってもよい。
【0249】
第1ボンディング層253は、有機または無機素材で形成されてもよい。有機素材の例は、SU8、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリイミド、パリレン、ベンゾシクロブテン(BCB)またはその他のもので形成されてもよいし、無機素材の例は、Al2O3、SiO2、SiNxまたはその他を含んでもよい。有機素材層は、高真空および高圧力の条件下でボンディングされてもよいし、無機素材層は、例えば、化学機械的研磨によりプラズマを用いて表面エネルギーを変化させた後、高真空下でボンディング可能で、無機素材層の表面を平らにできる。特に、光を吸収可能な黒色エポキシ樹脂で形成されるボンディング層は、第1ボンディング層253として使用可能で、ディスプレイデバイスのコントラストを改善することができる。第1ボンディング層253は、例えば、スピンオンガラスで形成されてもよい。
【0250】
第1反射層263は、第1LEDスタック223と第2LEDスタック233との間に介挿される。第1反射層263は、第1LEDスタック223から生成されて、第2LEDスタック233に向かって進む光を再度第1LEDスタック223に反射する。第1LEDスタック223に再度反射した光は、第2LEDスタック233によって覆われない領域を介して外部に放出されてもよい。この方式により、第1反射層263は、第1LEDスタック223から生成される光が第2LEDスタック233に入射して第2LEDスタック233によって吸収されるのを防止して、第1LEDスタック223の光抽出効率を改善する。第1反射層263は、第1LEDスタック223から生成される光に対して高い反射度を有する金属層を含み、例えば、Au層、Al層またはAg層を含んでもよい。
【0251】
第2反射層267は、第2LEDスタック233と第3LEDスタック243との間に介挿される。第2反射層267は、第2LEDスタック233から生成されて、第3LEDスタック243に向かって進む光を再度第2LEDスタック233に反射する。第2LEDスタック233に再度反射した光は、第3LEDスタック243によって覆われない領域を介して外部に放出されてもよい。この方式により、第2反射層267は、第2LEDスタック233から生成される光が第3LEDスタック243に入射して第3LEDスタック243によって吸収されるのを防止して、第2LEDスタック233の光抽出効率を改善する。第2反射層267は、第2LEDスタック233から生成される光に対して高い反射度を有する金属層を含み、例えば、Au層、Al層またはAg層を含んでもよい。
【0252】
第1透明絶縁層261は、第1反射層263と第1LEDスタック223との間に介挿される。第1透明絶縁層261は、第1LEDスタック223から第1反射層263を絶縁する。また、第1透明絶縁層261は、SiO2のような誘電体層を含んでもよいし、このような誘電体層は、第1LEDスタック223より低い屈折率を有する。したがって、高い屈折率を有する第1LEDスタック223、低い屈折率を有する第1透明絶縁層261および第1反射層263は、上下に順に積層されて、全方向反射器(ODR)を形成する。
【0253】
第2透明絶縁層265は、第2反射層267と第2LEDスタック233との間に介挿される。第2透明絶縁層265は、第2LEDスタック233から第2反射層267を絶縁する。また、第2透明絶縁層265は、SiO2のような誘電体層を含んでもよいし、このような誘電体層は、第2LEDスタック233より低い屈折率を有する。したがって、高い屈折率を有する第2LEDスタック233、低い屈折率を有する第2透明絶縁層265および第2反射層267は、上下に順に積層されて、全方向反射器(ODR)を形成する。
【0254】
第2ボンディング層237は、第1LEDスタック223を第2LEDスタック233に結合する。第2ボンディング層237は、第1反射層263と第2-2オーミック電極235との間に介挿可能で、第1反射層263を第2-2オーミック電極235にボンディングすることができる。第2ボンディング層237は、AuSnのような金属ボンディング層を含んでもよいし、これに限定されない。これとは別に、第2ボンディング層237は、第1ボンディング層253と実質的に同一のボンディング素材で形成されてもよい。
【0255】
第3ボンディング層247は、第2LEDスタック233を第3LEDスタック243に結合する。第3ボンディング層247は、第2反射層267と第3-2オーミック電極245との間に介挿可能で、第2反射層267を第3-2オーミック電極245にボンディングすることができる。第3ボンディング層247は、AuSnのような金属ボンディング層をさらに含んでもよいし、これに限定されない。これとは別に、第3ボンディング層247は、第1ボンディング層253と実質的に同一のボンディング素材で形成されてもよい。
【0256】
下部絶縁層268は、第1~第3LEDスタック223、233、243を覆うこともできる。下部絶縁層268は、第1LEDスタック223の周りに露出する反射性電極225を覆う。特に、下部絶縁層268は、電気接続通路を提供する開口を有してもよい。
【0257】
上部絶縁層269は、下部絶縁層268を覆う。上部絶縁層269は、電気接続通路を提供する開口を有してもよい。
【0258】
下部絶縁層268と上部絶縁層269は、任意の絶縁素材、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンで形成されてもよいし、これらに限定されない。
【0259】
図38および図39に示されるように、相互接続ライン271、273、275は、反射性電極225に直交するように配置されてもよい。相互接続ライン271、275は、上部絶縁層269上に配置され、それぞれ接続部271a、275aを介して第3-1オーミック電極249と第1-1オーミック電極229に接続されてもよい。例示的な実施例において、上部絶縁層269と下部絶縁層268は、第3-1オーミック電極249と第1-1オーミック電極229を露出する開口を有してもよい。
【0260】
相互接続ライン273は、下部絶縁層268上に配置され、反射性電極225から絶縁される。相互接続ライン273は、下部絶縁層268と上部絶縁層269との間に配置されてもよいし、接続部273aを介して第2-1オーミック電極239に接続されてもよい。例示的な実施例において、下部絶縁層268は、第2-1オーミック電極239を露出する開口を有する。
【0261】
接続部277a、277bは、上部絶縁層268と下部絶縁層269との間に配置され、電極パッド246、236を反射性電極225に電気的に接続する。例示的な実施例において、下部絶縁層268は、電極パッド236、246と反射性電極225を露出する開口を有してもよい。
【0262】
相互接続ライン271と相互接続ライン273は、上部絶縁層269によって互いに絶縁され、垂直方向に重なるように配置されてもよい。
【0263】
それぞれのピクセルの電極は、データラインとスキャンラインに接続される。特に、相互接続ライン271、275は、下部絶縁層268上に形成され、相互接続ライン273は、下部絶縁層268と上部絶縁層269との間に配置される。しかし、本発明の概念はこれに限定されない。例えば、相互接続ライン271、273、275のすべては、下部絶縁層268上に形成されてもよいし、上部絶縁層81によって覆われてもよいし、接続部271a、275aは、上部絶縁層269上に形成されてもよい。
【0264】
次に、例示的な実施例により、ディスプレイデバイス2000Aを製造する方法を説明する。
【0265】
図41図53は、例示的な実施例により、ディスプレイデバイスを製造する方法を例示する概略横断面図である。横断面図それぞれは、対応する平面図のラインA-Aに沿って切り取る。
【0266】
まず、図41Aを参照する。第1LEDスタック223が第1基板221上に成長する。第1基板221は、例えば、GaAs基板であってもよい。また、第1LEDスタック223は、AlGaInP系半導体層で形成されてもよいし、第1導電型半導体層223a、アクティブ層および第2導電型半導体層223bを含む。
【0267】
その後、反射性電極225が第1LEDスタック223上に形成される。反射性電極225は、例えば、Au-Zn合金またはAu-Be合金で形成されてもよい。
【0268】
反射性電極225は、リフトオフ工程により形成されてもよいし、特定の形状を有するようにパターン化されてもよい。例えば、反射性電極225は、複数のピクセルに沿って延びるようにパターン化されてもよい。しかし、本発明はこれに限定されない。これとは別に、反射性電極225は、パターン化なしに第1LEDスタック223の全体上部表面上に形成されるか、その上に形成された後にパターン化されてもよい。
【0269】
反射性電極225は、第1LEDスタック223の第2導電型半導体層223b、例えば、p型半導体層とオーミックコンタクトを形成してもよい。
【0270】
図41Bを参照する。第2LEDスタック233が第2基板231上に成長し、第2-2オーミック電極235が第2LEDスタック233上に形成される。第2LEDスタック233は、GaN系半導体層で形成されてもよいし、第1導電型半導体層233a、GaInN井戸層および第2導電型半導体層233bを含んでもよい。第2基板231は、その上にGaN系半導体層を成長させることができる基板であり、第1基板221と異なっていてもよい。第2LEDスタック233のGaInNの組成は、第2LEDスタック233が、例えば、緑色光を放出できるように決定可能である。第2-2オーミック電極235は、第2LEDスタック233の第2導電型半導体層233b、例えば、p型半導体層とオーミックコンタクトを形成する。第2-2オーミック電極235は、第2LEDスタック233から生成される光を反射する反射層を含んでもよい。
【0271】
ボンディング素材層237aは、第2-2オーミック電極235上に形成されてもよい。ボンディング素材層237aは、AuSnのような金属層を含んでもよいが、これに限定されない。
【0272】
図41Cを参照する。第3LEDスタック243が第3基板241上に成長し、第3-2オーミック電極245が第3LEDスタック243上に形成される。第3LEDスタック243は、GaN系半導体層で形成されてもよいし、第1導電型半導体層243a、GaInN井戸層および第2導電型半導体層243bを含んでもよい。第3基板241は、その上にGaN系半導体層を成長させることができる基板であり、第1基板221と異なっていてもよい。第3LEDスタック243のGaInNの組成は、第3LEDスタック243が、例えば、青色光を放出できるように決定可能である。第3-2オーミック電極245は、第3LEDスタック243の第2導電型半導体層243b、例えば、p型半導体層とオーミックコンタクトを形成する。第3-2オーミック電極245は、第3LEDスタック243から生成される光を反射する反射層を含んでもよい。
【0273】
ボンディング素材層247aは、第3-2オーミック電極245上に形成されてもよい。ボンディング素材層247aは、AuSnのような金属層を含んでもよいが、これに限定されない。
【0274】
第1LEDスタック223、第2LEDスタック233および第3LEDスタック243がそれぞれ異なる基板上に成長し、第1~第3LEDスタック223、233および243を形成する順序は特に限定されない。
【0275】
図42Aおよび図42Bを参照する。図41Aの第1LEDスタック223は、第1ボンディング層253を介して支持基板251の上部側に結合される。反射性電極225は、支持基板251に面するように配置されてもよいし、第1ボンディング層253にボンディングされてもよい。第1基板221は、化学的エッチングなどによって第1LEDスタック223から除去される。このように、第1LEDスタック223の第1導電型半導体層223aの上部表面が露出する。粗い表面が、例えば、表面テクスチャリングによって第1導電型半導体層223aの露出した表面上に形成されてもよい。
【0276】
その後、第1-1オーミック電極229が第1LEDスタック223の露出した表面上に形成される。オーミック電極229は、例えば、Au-Te合金またはAu-Ge合金で形成されてもよい。オーミック電極229は、それぞれのピクセル領域に形成されてもよい。オーミック電極229は、各ピクセル領域で一側に向かって配置されてもよい。オーミック電極229は、図42Aに示されるように、パッド領域と延長部とを含んでもよい。ここで、延長部は、実質的に反射性電極225の長手方向に延びてもよい。
【0277】
図43Aおよび図43Bを参照する。第1透明絶縁層261が第1LEDスタック223上に形成され、その後、第1反射層263がその上に形成される。図示のように、第1透明絶縁層261は、第1-1オーミック電極229を覆うように形成されてもよいし、第1反射層263は、第1-1オーミック電極229を覆わなくてもよい。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、第1反射層263は、第1-1オーミック電極229を覆うこともできる。
【0278】
ボンディング素材層237bが第1反射層263上に形成され、図41Bの第2LEDスタック233がボンディング素材層237bの上部側に結合される。ボンディング素材層237aは、支持基板251に面するように配置され、ボンディング素材層237aにボンディングされて第2ボンディング層237を形成し、該第2ボンディング層237によって、第1LEDスタック223が第2LEDスタック233に結合される。
【0279】
第2基板231は、レーザリフトオフまたは化学的リフトオフによって第2LEDスタック233から除去される。このように、第2LEDスタック233の第1導電型半導体層233aの上部表面が露出する。粗い表面が、表面テクスチャリングなどによって第1導電型半導体層233aの露出した表面上に形成されてもよい。
【0280】
図44Aおよび図44Bを参照する。まず、第2透明絶縁層265が第2LEDスタック233上に形成され、その後、第2反射層267がその上に形成される。この後、ボンディング素材層247bが第2反射層267上に形成され、図42Bの第2LEDスタック233は、ボンディング素材層247bの上部側に結合される。ボンディング素材層247aは、支持基板251に面するように配置され、ボンディング素材層247aにボンディングされて第3ボンディング層247を形成し、該第3ボンディング層247によって、第2LEDスタック233が第3LEDスタック243に結合される。
【0281】
第3基板241は、レーザリフトオフまたは化学的リフトオフによって第3LEDスタック243から除去される。このように、第3LEDスタック243の第1導電型半導体層243aの上部表面が露出する。粗い表面が、表面テクスチャリングなどによって第1導電型半導体層243aの露出した表面上に形成されてもよい。
【0282】
次に、第3-1オーミック電極249が第1導電型半導体層243a上に形成される。第3-1オーミック電極249は、ピクセルの他側に向かって形成されて、第1-1オーミック電極229に対向してもよい。第3-1オーミック電極249は、パッド領域と延長部とを含んでもよい。延長部は、実質的に反射性電極225の長手方向に延びてもよい。
【0283】
図45A図45Bを参照する。それぞれのピクセル領域で、第3LEDスタック243は、第3LEDスタック243をパターン化することにより、第3サブピクセルBの領域を除いて除去される。このように、第3-2オーミック電極245は、図示のように露出する。また、凹部が、第3サブピクセルB用の領域で第3LEDスタック243上に形成されてもよい。
【0284】
電極パッド246が凹部に露出する第3-2オーミック電極245上に形成されてもよい。第3-2オーミック電極245と電極パッド246が別途の工程により形成されるものとして記載されるが、いくつかの例示的な実施例において、第3-2オーミック電極245と電極パッド246は、同一の工程により併せて形成されてもよい。例えば、第3-2オーミック電極245が露出した後、第3-1オーミック電極249と電極パッド246は、例えば、リフトオフ工程により併せて形成されてもよい。
【0285】
図46Aおよび図46Bを参照する。各ピクセル領域で、第3-2オーミック電極245、第3ボンディング層247、第2反射層267および第2透明絶縁層265は、順にパターン化されて第2LEDスタック233を露出する。第3-2オーミック電極245は、第3サブピクセルB用の領域近傍に制限的に配置される。
【0286】
各ピクセル領域で、第2-1オーミック電極239が第2LEDスタック233上に形成される。図46Aに示されるように、第2-1オーミック電極239は、パッド領域と延長部とを含んでもよい。延長部は、実質的に反射性電極225の長手方向に延びてもよい。第2-1オーミック電極239は、第1導電型半導体層233aとオーミックコンタクトを形成する。図示のように、第2-1オーミック電極239は、第1-1オーミック電極229と第3-1オーミック電極249との間に配置されてもよいし、これに限定されない。
【0287】
図47Aおよび図47Bを参照する。第2LEDスタック233は、第2LEDスタック233をパターン化することにより、各ピクセルで第2サブピクセルGの領域を除いて除去される。第2サブピクセルG用の領域で、第2LEDスタック233は、第3LEDスタック243と重なってもよい。
【0288】
第2LEDスタック233がパターン化されるので、第2-2オーミック電極235が露出する。第2LEDスタック233は、凹部を含むことが可能で、電極パッド236は、凹部で第2-2オーミック電極235上に形成できる。
【0289】
第2-1オーミック電極239と電極パッド236は、別途の工程により形成されるものとして記載されるが、いくつかの例示的な実施例において、第2-1オーミック電極239と電極パッド236は、同一の工程により併せて形成されてもよい。例えば、第2-2オーミック電極235が露出した後、第2-1オーミック電極239と電極パッド236は、例えば、リフトオフ工程などによって併せて形成されてもよい。
【0290】
図48Aおよび図48Bを参照する。第2-2オーミック電極235、第2ボンディング層237、第1反射層263および第1透明絶縁層261は、順にパターン化されて第1LEDスタック223を露出する。第2-2オーミック電極235は、第2サブピクセルG用の領域近傍に制限的に配置される。
【0291】
各ピクセル領域で、第1LEDスタック223上に形成された第1-1オーミック電極229が露出する。図48Bに示されるように、第1-1オーミック電極229は、パッド領域と延長部とを含んでもよい。延長部は、実質的に反射性電極225の長手方向に延びてもよい。
【0292】
図49Aおよび図49Bを参照する。第1LEDスタック223が、第1LEDスタック223をパターン化することにより、各ピクセルで第1サブピクセルRの領域を除いて除去される。第1-1オーミック電極229は、第1サブピクセルR用の領域で保持できる。第1LEDスタック223は、第2LEDスタック233および第3LEDスタック243と重なる。特に、第2LEDスタック233と第3LEDスタック243は、第1LEDスタック223の上部表面に制限的に配置される。
【0293】
第1LEDスタック223がパターン化されるので、反射性電極225は露出し、第1ボンディング層253の表面は部分的に露出してもよい。他の例示的な実施例において、絶縁層が第1ボンディング層253上に配置されてもよい。この場合に、絶縁層は露出し、第1ボンディング層253の表面は露出しなくてもよい。
【0294】
図50Aおよび図50Bを参照する。下部絶縁層268が形成される。下部絶縁層268は、第1~第3LEDスタック223、233、243、反射性電極225および第1ボンディング層253を覆うこともできる。下部絶縁層268は、パターン化されて開口を形成してもよいし、これらの開口は、第1-1オーミック電極229、第2-1オーミック電極239、第3-1オーミック電極249、電極パッド236、246および反射性電極225を露出する。
【0295】
図51を参照する。相互接続ライン273と接続部273a、277a、277bが下部絶縁層268上に形成される。接続部273aは、第2-1オーミック電極239を相互接続ライン273に接続し、接続部277aは、電極パッド246を反射性電極225に接続し、接続部277bは、電極パッド236を反射性電極225に接続する。図51のラインA-Aに沿った横断面図は、図50Bと同一であり、それによって、重複を回避するように省略される。
【0296】
図52Aおよび図52Bを参照する。上部絶縁層269が形成される。上部絶縁層269は、相互接続ライン273と接続部273a、277a、277bを覆う。上部絶縁層269はパターン化されて、第1-1オーミック電極229と第3-1オーミック電極249のパッド領域を露出してもよい。
【0297】
図53を参照する。相互接続ライン271、275と接続部271a、275aが上部絶縁層269上に形成される。接続部271aは、相互接続ライン271を第3-1オーミック電極249に接続し、接続部275aは、相互接続ライン275を第1-1オーミック電極229に接続する。
【0298】
この方式により、図38図39を参照して記載したディスプレイデバイス2000Aが提供されてもよい。図53のラインA-Aに沿った横断面図は、図52Bと同一であり、それによって、重複を回避するように省略される。
【0299】
ピクセルが示される例示的な実施例でパッシブマトリクス方式で駆動されるものとして記載されるが、本発明の概念はこれに限定されず、ピクセルは、いくつかの例示的な実施例でアクティブマトリクス方式で駆動できる。
【0300】
図54は、他の例示的な実施例により、ディスプレイデバイスの概略横断面図である。反射性電極225は、図41Aに示されるように、第2導電型半導体層223b上に直に形成されてもよいが、本発明の概念はこれに限定されない。
【0301】
特に、図54を参照する。反射性電極225は、オーミックコンタクト層225aと反射層225bとを含んでもよい。オーミックコンタクト層225aは、例えば、Au-Zn合金またはAu-Be合金で形成されてもよいし、反射層225bは、Al、AgまたはAuで形成されてもよい。反射層225bがAuで形成されるときには、反射層225bは、第1LEDスタック223から生成される光、例えば、赤色光に対して相対的に高い反射度を示すこともでき、第2LEDスタック233と第3LEDスタック243から生成される光、例えば、緑色光や青色光に対して相対的に低い反射度を示すこともできる。
【0302】
絶縁層227は、反射層225bと第2導電型半導体層223bとの間に配置されてもよい。絶縁層227は、第2導電型半導体層223bを露出する開口を有してもよいし、オーミックコンタクト層225aは、絶縁層227の開口に形成されてもよい。
【0303】
反射層225bが絶縁層227を覆うので、全方向反射器(ODR)は、高い屈折率を有する第1LEDスタック223、低い屈折率を有する絶縁層227および反射層225bの積層構造によって形成されてもよい。
【0304】
反射性電極225は、次の工程により形成されてもよい。まず、第1LEDスタック223は、基板221上に成長し、絶縁層227は、第1LEDスタック223上に形成される。その後、開口は、絶縁層227をパターン化することにより形成される。例えば、SiO2が第1LEDスタック223上に形成され、フォトレジストがその上に蒸着され、その後に、フォトリソグラフィーと現像によりフォトレジストパターンを形成する。その後、SiO2層は、エッチングマスクとしてフォトレジストパターンを用いてパターン化されて、開口がその内部に形成される絶縁層227を形成する。
【0305】
その後、オーミックコンタクト層225aが絶縁層227の開口に形成される。オーミックコンタクト層225aは、例えば、リフトオフ工程により形成されてもよい。オーミックコンタクト層225aの形成後、反射層225bは、オーミックコンタクト層225aと絶縁層227を覆うように形成される。反射層225bは、例えば、リフトオフ工程により形成されてもよい。反射層225bは、図示のように、オーミックコンタクト層225aを部分的または完全に覆うこともできる。反射性電極225は、オーミックコンタクト層225aと反射層225bによって形成される。反射性電極225の形状は、上述した反射性電極の形状と実質的に同一であり、それによって、その詳細な記載は重複を回避するように省略される。
【0306】
第1LEDスタック223が赤色光を放出するようにAlGaInP系半導体層で形成されるものとして記載されても、本発明の概念はこれに限定されない。例えば、第1LEDスタック223は、緑色光や青色光を放出することもできる。この場合に、第1LEDスタック223は、AlGaInN系半導体層で形成されてもよい。また、第2LEDスタック233や第3LEDスタック243は、AlGaInP系半導体層で形成されてもよい。
【0307】
例示的な実施例により、複数のピクセルがウエハボンディングによってウエハレベルで形成可能で、発光ダイオードの個別のマウントのための必要性を省くことができる。
【0308】
特定の例示的な実施例および実施形態が本明細書で説明されたが、他の実施例および変形例もこのような説明から明らかになろう。したがって、本発明の概念はこのような実施例に限定されず、当業界における通常の知識を有する者にとって自明なように、添付した請求の範囲のより広い範囲および多様な自明な変形例と等価の配置に限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40A
図40B
図40C
図40D
図41A
図41B
図41C
図42A
図42B
図43A
図43B
図44A
図44B
図45A
図45B
図46A
図46B
図47A
図47B
図48A
図48B
図49A
図49B
図50A
図50B
図51
図52A
図52B
図53
図54