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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】手術器具用の駆動シャフト
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230308BHJP
【FI】
A61B18/14
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021034926
(22)【出願日】2021-03-05
(65)【公開番号】P2021159756
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2021-06-30
(31)【優先権主張番号】2004697.5
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】594089821
【氏名又は名称】ジャイラス メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ジョン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ティシントン
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-035615(JP,A)
【文献】国際公開第2018/200240(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
A61B 17/28-17/295
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
双極手術器具のための駆動シャフトであって、
第1の軸を規定し、近位端部分および遠位端部分を有する細長い本体を備え、
前記細長い本体は、
前記細長い本体の長さの一部に沿って延びる第1の開放チャネルを規定する第1の部分と、
前記第1の部分とは異なり、前記第1の部分と固定された第2の部分であって、前記第2の部分は前記細長い本体の長さの一部に沿って延びる第2の開放チャネルを規定するものと、を備え、
前記第1および第2の部分の両方は、互いに整列して、前記第1の軸に平行に延びており、前記第1の部分は、それらの間に凹状のブレードトラックを規定するように前記第2の部分から離されており、前記凹状のブレードトラックは前記第1の軸に平行に延びている
駆動シャフト。
【請求項2】
前記第1および第2の開放チャネルは、管状のチャネルを備える、
請求項1に記載の駆動シャフト。
【請求項3】
前記第1および第2の部分の間に位置するスペーサ部分
をさらに備える、
請求項1または2に記載の駆動シャフト。
【請求項4】
前記第1および第2の部分は、前記スペーサ部分に溶接されている、
請求項3に記載の駆動シャフト。
【請求項5】
前記第1および第2の部分ならびに前記スペーサ部分は、互いに一体に形成されている、
請求項3に記載の駆動シャフト。
【請求項6】
前記第1および第2の部分の各々は、手術器具のブレードとの係合のためのブレード係合面を規定している、
請求項1~5のいずれか一項に記載の駆動シャフト。
【請求項7】
前記第1および第2の開放チャネルは、前記細長い本体の前記近位端部分に隣接して位置する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の駆動シャフト。
【請求項8】
前記細長い本体は、手術器具の第1および第2の顎部と係合するように構成された前記遠位端部分に隣接したカムスロットをさらに備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の駆動シャフト。
【請求項9】
本体と、
前記本体に取り付けられ、遠位端まで延びる細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの前記遠位端に位置する対向する第1および第2の顎部であって、前記第1の顎部が、前記第1および第2の顎部が互いに離れて位置する開位置と、前記第1および第2の顎部が互いに隣接する閉位置との間を、前記第2の顎部に対して可動であり、前記第1および第2の顎部が、それぞれの内面を規定しているものと、
請求項1~8のいずれか一項に記載の駆動シャフトであって、前記駆動シャフトは、少なくとも前記第1の顎部に接続され、前記駆動シャフトは、前記顎部らが前記開位置となる第1の位置と、前記顎部らが前記閉位置となる第2の位置との間を、前記本体および前記細長いシャフトに対して可動であるものと、
前記本体に可動に取り付けられ、前記駆動シャフトを操作するように構成された操作グリップであって、前記操作グリップは、前記駆動シャフトが前記第1の位置となる解放位置と、前記駆動シャフトが前記第2の位置となる係合位置とを有しているものと、
前記駆動シャフト内の前記凹状のブレードトラックを通って前記第1および第2の顎部まで延びるブレードと、を備えており、
対向する前記第1および第2の顎部の各々が、当該顎部の近位端から遠位端へと延びるそれぞれのブレードトラックを規定している、
双極手術器具。
【請求項10】
前記ブレードを格納位置と展開位置との間で移動させるように動作することができるブレードアクチュエータをさらに備え、前記ブレードは、前記凹状のブレードトラック内を移動する、
請求項9に記載の双極手術器具。
【請求項11】
ワイヤが前記第1および第2のそれぞれの開放チャネルを通って延びている、
請求項10に記載の双極手術器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術器具の顎部を動作させるための駆動シャフトに関し、とくにはブレードトラックを規定する駆動シャフトに関する。さらに、本発明は、そのような駆動シャフトを有する手術器具に関する。
【背景技術】
【0002】
双極手術器具が、外科的処置において組織、とくには血管を締め付けて封止するために使用される。締め付けは、典型的には、封止される組織を囲んで締め付けるように遠隔操作することができる1対の対向する顎部を使用して達成される。封止は、典型的には、器具の対向する顎部に取り付けられた電極によって封止される組織へともたらされる無線周波数エネルギの印加を使用して達成される。
【0003】
さらに、双極手術器具は、外科医が組織の締め付けおよび封止に用いた同じ器具を使用してその組織を切断することを可能にする切断ブレードも含むことができる。そのような器具においては、切断ブレードが、器具のシャフトを通って適切に支持され、格納位置と、組織を切断すべく器具の顎部に沿ってさらに延びる展開位置との間を、容易に移動できることが重要である。器具のシャフトによる切断ブレードの支持および案内が適切でないと、顎部に対して切断ブレードの位置がずれる可能性がある。このようなずれは、器具が使用されて組織を把持しているときによく見られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、このような問題に対処する器具を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のいくつかの態様が、添付の特許請求の範囲に記載される。
【0006】
1つの例示的な態様によれば、双極手術器具のための駆動シャフトが提供され、この駆動シャフトは、第1の軸を規定し、近位端部分および遠位端部分を有している細長い本体を備えており、細長い本体は、細長い本体の長さの一部に沿って延びる第1の開放チャネルを規定している第1の部分と、第1の部分とは別個であり、細長い本体の長さの一部に沿って延びる第2の開放チャネルを規定している第2の部分とを備え、第1および第2の部分の両方は、互いに整列し、第1の軸に平行に延びており、第1の部分は、第1の軸に平行に延びる凹状のブレードトラックを間に規定するように第2の部分から離されている。
【0007】
第2の部分は、第1の部分とは別個であり、すなわち2つの部分は一体でない。ただ1つの部分を曲げて2つの平行な部分を形成するのではなく、別々の部分を使用することにより、平坦な部材における正確なU字形の曲げの作成において製造時に直面される問題が回避される。
【0008】
あるいは、第1および第2の開放チャネルは、管状のチャネルを備える。ワイヤおよびケーブルなどが、チャネル内で細長い本体に沿って支持される。細長い本体の近位端または遠位端のいずれかからチャネルへと挿入した後に、ワイヤおよび/またはケーブルを、チャネルの他端の開口部から延出するまで、管状のチャネルを通って送ることができる。それぞれの管状のチャネルの両端の開口部を経由する場合を除いて、ワイヤおよび/またはケーブルが管状のチャネルから出る機会が存在しない。
【0009】
一実施形態において、駆動シャフトは、第1および第2の部分の間に位置するスペーサ部分をさらに備える。スペーサ部分の幅が、第1および第2の部分が互いにどのくらい離して保持されるかを決定する。さらに、スペース部分の高さ、ならびに第1および第2の部分の間における位置が、結果として得られるブレードトラックがどのくらいの幅になるかを決定する。
【0010】
ブレードトラックは、その長さの少なくとも一部分、すなわち手術器具のハウジング内に位置し、ブレード展開機構に接続される部分について、均一な寸法であることが好ましい。したがって、ブレードトラックが平行に保たれるように、スペーサは、その長さに沿って同じ幅であることが好ましい。
【0011】
好ましくは、第1および第2の部分は、スペーサ部分に溶接される。しかしながら、第1および第2の部分を互いに保持するために、溶接に加え、あるいは溶接に代えて、他の係合形態を使用することができる。例えば、第1および第2の部分を、互いに接着することができ、あるいは適切なピン、ねじ、リベット、または他の適切な機械的係合の形態を使用して互いに固定することができる。
【0012】
あるいは、第1および第2の部分ならびにスペーサ部分を、互いに一体に形成することができる。例えば、第1および第2の部分のうちの一方に、切り欠き部分を設けることができる。このような切り欠き部分を、第1および第2の部分の間のスペーサとして機能するL字形の部材を形成するように曲げることができる。第1または第2の部分のL字形部材の一方の脚を、第1または第2の部分の他方へと固定することで、第1または第2の部分を互いに固定することができる一方で、L字形部材の他方の脚は、第1および第2の部分を互いに離して位置させる役に立つ。
【0013】
好ましくは、第1または第2の部分のL字形部材のうちの第1または第2の部分の他方へと固定される一方の脚は、溶接によって固定される。しかしながら、溶接に加え、あるいは溶接に代えて、他の係合形態を使用することができる。例えば、第1および第2の部分を、L字形部材を介して、互いに接着することができ、あるいは適切なピン、ねじ、リベット、または他の適切な機械的係合の形態を使用して互いに固定することができる。
【0014】
一実施形態において第1および第2の部分の各々は、手術器具のブレードとの係合のためのブレード係合面を規定する。それぞれのブレード係合面は、使用時に格納式のブレードを受け入れることができるブレードトラックが間に形成されるように、互いに向かい合わせに位置する。
【0015】
一実施形態において、第1および第2の開放チャネルは、細長い本体の近位端部分に隣接して位置する。ワイヤおよび/またはケーブルを、使用時に一方または両方のチャネルを通って延ばし、細長い本体に沿って案内するとともに、使用時に駆動シャフトが位置する手術器具の他の内部の構成要素から離しておくことができる。
【0016】
細長い本体は、手術器具の第1および第2の顎部と係合するように構成された遠位端部分に隣接したカムスロットをさらに備えることができる。カムスロットは、使用時に駆動シャフトを動作させて手術器具の顎部をお互いに対して動かすことができるように、使用時に固定ピンまたは他の適切な固定手段を受け入れるように寸法付けられる。
【0017】
本発明の第2の態様は、双極手術器具を提供し、この手術器具は、本体と、本体に取り付けられ、遠位端まで延びる細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端に位置する第1および第2の対向する顎部であって、第1の顎部が、第1および第2の顎部が互いに離れて位置する開位置と、第1および第2の顎部が互いに隣接する閉位置との間を、第2の顎部に対して可動であり、第1および第2の顎部は、それぞれの内面を規定している第1および第2の顎部と、少なくとも第1の顎部に接続され、顎部が開位置となる第1の位置と、顎部が閉位置となる第2の位置との間を、本体および細長いシャフトに対して可動である本発明の第1の態様による駆動シャフトと、本体に可動に取り付けられ、駆動シャフトを操作するように配置され、駆動シャフトが第1の位置となる解放位置と、駆動シャフトブレードトラックが第2の位置となる係合位置とを有している操作グリップと、駆動シャフト内の凹状のブレードトラックを通って第1および第2の顎部まで延びる先行する請求項のいずれか一項に記載のブレードとを備え、第1および第2の対向する顎部の各々は、この顎部の近位端から遠位端へと延びるそれぞれのブレードトラックを規定している。
【0018】
一実施形態において、この双極手術器具は、ブレードを格納位置と展開位置との間で移動させるように動作することができるブレードアクチュエータをさらに備え、ブレードは、凹状のブレードトラック内を移動する。
【0019】
一実施形態において、例えば組織回収バッグの操作などの器具の他の機能の動作のためのワイヤが、第1および第2のそれぞれの開放チャネルを通って延びる。これにより、ワイヤがブレードアクチュエータから離されていて、ブレードアクチュエータから損傷を被ることがないことが保証される。
【0020】
次に、本発明の実施形態を、あくまでも例として、以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】先行技術の駆動シャフトの一方側の下方からの斜視図である。
図1B図1Aの先行技術の駆動シャフトの正面からの斜視図である。
図1C図1Aの先行技術の駆動シャフトの一端からの図である。
図2】本発明の第1の態様による駆動シャフトの第1の実施形態の一部分の一方側の下方からの斜視図である。
図3図2の実施形態の一部分の一方側の上方からの斜視図である。
図4図2の実施形態の全体の一方側の上方からの斜視図である。
図5図4の実施形態の分解図である。
図6】本発明の第1の態様による駆動シャフトの第2の実施形態の一部分の図である。
図7図6の実施形態の全体図である。
図8図6の実施形態の一端からの図である。
図9】本発明の第3の実施形態の一方側からの斜視図である。
図10図6の実施形態を含む手術器具ハンドルの斜視図の切断図である。
図11】駆動およびトリガ機構の部品を取り除いた図10の手術器具ハンドルの斜視図の切断図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1A図1Cが、手術器具用の先行技術の駆動シャフト10を示している。駆動シャフト10は、遠位端14および近位端16を有する細長い本体12を備え、細長い本体12は、図1Aに示されるように軸Xを規定している。
【0023】
細長い本体12は、細長い本体12の長さの一部に沿って延びる2つの実質的に平坦な部材18、18’を備え、平坦な部材18、18’は、それらの長さに沿って互いに平行である。平坦な部材18、18’は、細長い本体12に沿って延びる均一なチャネル22を形成するように、U字形の部分20によって互いに接続されている。チャネル22は、使用時に格納式のブレード(図示せず)を延在させるブレードトラックを備えるため、U字形の断面形状は、平坦な部材18、18’を互いに正しい間隔に位置させるために不可欠である。
【0024】
実質的に平坦な部材26、26’が、U字形の部分20に対して末梢側でそれぞれの平坦な部材18、18’から実質的に垂直に延びている。平坦な部材18、18’は、細長い本体12の近位端16から遠位端14に向かって延びている。平坦な部材26、26’は、使用時に格納式のブレード(図示せず)が移動するブレードトラックチャネル22の両側に沿って延びる表面をもたらすように機能する。平坦な部材18、18’とそれぞれの平坦な部材26、26’との間の接合部の位置が、ブレードトラックの高さを規定するために重要である。この高さは、チャネル22内に受け入れられたときの使用時の格納式のブレード(図示せず)の滑らかな移動を保証するために、細長い本体12の全長にわたって正確かつ一貫していなければならない。
【0025】
細長い本体12の遠位端14は、手術器具(図示せず)の第1および第2の顎部と係合するためのカムスロット24を備える。カムスロット24は、カムスロット24を通って延び、カムスロット24内の所定の位置に固定されるピン(図示せず)を使用して、第1および第2の顎部に対して所定の位置に保持される。
【0026】
細長い本体12は、一体構造であり、チャネル22を生み出すべくU字形の部分20を形成するように平坦なテンプレート片を曲げることによって形成される。
【0027】
製造時に、チャネル22が、その長さに沿って均一であり、すなわち平坦な部材18、18’の間の距離が、チャネル22の長さに沿って一定であり、平坦な部材18、18’と平坦な部材26、26’との間の曲がりが、チャネル22がその長さに沿って均一な深さであることを保証するように正確に配置されることが、重要である。これは、細長い本体12の高精度の製造に依存し、とりわけ製造時の高精度の曲げ、すなわち曲げの配置および曲げ角度の精度の両方に依存する。しかしながら、長さがその比較的狭い幅と比較して著しく長い細長い本体12に沿ってそのような曲げを形成することは、きわめて困難である。製造時にチャネル22が正確に形成されないと、チャネル22においてブレードがずれ、したがって外科的処置を実行するときの展開および格納時に、チャネル22における格納式のブレードの滑らかな動きが妨げられる可能性が生じる。
【0028】
したがって、単一の細長い金属片の複数の曲げの形成は、外科的要件に対して信頼性および精度が不充分である。
【0029】
図2図5が、本発明の第1の態様による駆動シャフトの第1の実施形態を示している。
【0030】
駆動シャフト110は、図2および図3に示されるように、第1の軸Xを規定する細長い本体112を備える。細長い本体112は、遠位端114および近位端116をさらに備える。
【0031】
細長い本体112は、細長い本体112の長さの一部に沿って延びる第1の開放チャネル120を規定する第1の湾曲部分118をさらに備える。第1の湾曲部分118は、第1の湾曲部分118から軸Xに平行でない方向に延びる第1の平坦な部分122をさらに備える。例えば、第1の平坦な部分122は、第1の湾曲部分から軸Xを横切る方向に延びることができる。
【0032】
細長い本体112は、細長い本体112の長さの一部に沿って延びる第2の開放チャネル126を規定する第2の湾曲部分124をさらに備える。第2の湾曲部分124は、第2の湾曲部分124から軸Xを実質的に横切る方向に延びる第2の平坦な部分128をさらに備える。
【0033】
第1の平坦な部分122および第2の平坦な部分128は、それらの長さに沿って互いに実質的に平行である。
【0034】
細長い本体は、第1の平坦な部分122と第2の平坦な部分128との間に位置するブリッジ部分130をさらに備え、ブリッジ部分130は、第1および第2の平坦な部分122、128の両方としっかりと係合する。
【0035】
ブリッジ部分130は、図5に見られるように実質的に平坦であり、手術器具のハンドルを使用時に駆動シャフト10が位置する手術器具のカムピンおよび顎部のカムスロットに対して位置決めする機構の一部である第1および第2の突起131、131’を有する。
【0036】
ブリッジ部分130は、第1および第2の平坦な部分122、128の両方に溶接されることにより、第1および第2の平坦な部分122、128を互いに固定し、それらを互いに所望の間隔に保持して、第1および第2の平坦な部分122、128の長さに沿って延びる所望の幅のブレードトラック132を規定する。
【0037】
したがって、第1および第2の平坦な部分122、128の両方は、互いに整列し、軸Xに平行に延び、第1の平坦な部分122は、凹状のブレードトラック132を間に規定するように第2の平坦な部分128から離れて位置し、凹状のブレードトラック132は、軸Xに平行に延びている。
【0038】
格納式のブレードの一端が、手術器具の顎部のカムピンまたは枢支ピンによって支持され、他端は、使用時に外科医によって保持される器具の本体によって支持される。
【0039】
ブリッジ部分130の上辺134の限られた長さは、組み立て時のブレードの配置において助けとなる。
【0040】
第1および第2の湾曲部分118、124は、軸Xに平行に延びる第1および第2のそれぞれの開放チャネル120、126をもたらし、第1および第2の開放チャネル120、126の各々の管状の構造が、使用時に手術器具のハンドルの機構を通って延びるワイヤを案内および保持する一体化された手段を提供する。これが、本発明による駆動シャフト110を取り入れた手術器具のハンドル200を示す図10に示されており、そのような手術器具のハンドル200を、器具のハンドル200内の駆動シャフト110の位置を分かりやすく示すために、駆動およびトリガ機構の部品を省略して示している図11にも示されている。
【0041】
図6図9は、本発明による駆動シャフトのさらなる実施形態を示しており、第2の平坦な部分128に、第1の平坦な部分122の平面に平行でない角度で延びる第1の部分142と、第1の平坦な部分122の平面に平行に延びる第2の部分144とを形成するように曲げられた切り欠き部分140を備えるブリッジ部分が設けられている。第2の部分144が、第1の平坦な部分122に溶接され、手術器具におけるドラフトシャフトの使用時に格納式のブレード202が延びるブレードトラック132を規定するように、第1および第2の平坦な部分122、128を互いに特定の距離に離して保持するスペーサとして機能する。第2の平坦な部分128の切り欠き部分140が、第2の平坦な部分128と一体であり、第1および第2の平坦な部分122、128の間のスペーサとして機能するため、第1および第2の平坦な部分122、128を互いに離して位置させるための別個のブリッジ部分130が不要になり、したがって機能の改善を損なうことなく、製造プロセスが単純化される。
【0042】
第1の部分142は、使用時に格納式のベースの中央部分を支持する。さらに、溶接されたブリッジ部分142は、使用時に、駆動シャフトの回転時に駆動シャフトの第1および第2の平坦な部分122、128の間でブレードが挟み付けられることを防止するための剛性を追加する役に立つ。
【0043】
ブレードトラック132の幅は、第1の部分142の寸法によって決定され、第2の部分144は、第1の平坦な部分122との溶接による係合のための表面を提供する。
【0044】
図6図9に示される実施形態において、第2の部分144は第1の平坦な部分122に溶接されるが、当業者に知られており、2つの部品の確実な係合に適している代替の係合手段を、溶接に加え、あるいは溶接に代えて使用することができることを、理解すべきである。例えば、2つの部品を、適切な接着剤を使用して互いに接着することができ、あるいは物理的な固定の手段および方法を使用して互いに堅固に係合させることができる。
【符号の説明】
【0045】
10 (先行技術の)駆動シャフト
12 細長い本体
14 遠位端
16 近位端
18、18’ 平坦な部材
20 U字形の部分
22 チャネル
24 カムスロット
26、26’ 平坦な部材
110 駆動シャフト
112 細長い本体
114 遠位端
116 近位端
118 第1の湾曲部分
120 第1の開放チャネル
122 第1の平坦な部分
124 第2の湾曲部分
126 第2の開放チャネル
128 第2の平坦な部分
130 ブリッジ部分
131、131’ 突起
132 ブレードトラック
134 (ブリッジ部分の)上辺
140 切り欠き部分
142 第1の部分
144 第2の部分
200 ハンドル
202 格納式のブレード
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11