(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】保守形態を含む医療流体治療機械
(51)【国際特許分類】
A61M 1/16 20060101AFI20230308BHJP
A61M 1/14 20060101ALI20230308BHJP
G16Y 10/60 20200101ALI20230308BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20230308BHJP
G16Y 40/40 20200101ALI20230308BHJP
【FI】
A61M1/16 111
A61M1/14 110
G16Y10/60
G16Y20/20
G16Y40/40
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021102214
(22)【出願日】2021-06-21
(62)【分割の表示】P 2019517879の分割
【原出願日】2017-10-03
【審査請求日】2021-06-21
(32)【優先日】2016-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(73)【特許権者】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ショーン コリン オペガード
(72)【発明者】
【氏名】マーク アレクサンダー バーテン
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-523772(JP,A)
【文献】特表平11-506682(JP,A)
【文献】特開2011-206399(JP,A)
【文献】特開2015-205056(JP,A)
【文献】特表2014-529409(JP,A)
【文献】国際公開第2006/059597(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/14-1/38
G16Y 10/60
G16Y 20/20
G16Y 40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療流体送達システムであって、
少なくとも1つの構成要素、空気圧源、および圧力センサを含む医療流体送達機械であって、前記少なくとも1つの構成要素は、前記圧力センサまたは前記少なくとも1つの構成要素のうちの少なくとも1つによって提供される試験データを生産するために前記少なくとも1つの構成要素が前記空気圧源からの空気圧を介して加圧される圧力減衰試験を受ける、医療流体送達機械と、
前記少なくとも1つの構成要素に関する少なくとも1つの構成要素交換限界と、
前記少なくとも1つの構成要素の動作または性能における劣化を示す少なくとも1つの構成要素ソフト限界と、
前記少なくとも1つの構成要素交換限界を記憶することと、前記試験データを分析することにより、前記少なくとも1つの構成要素が前記少なくとも1つの構成要素交換限界に対して良好に試験している程度のインジケーションを提供することを実行するようにプログラムされるコンピュータ
であって、前記少なくとも1つの構成要素が前記少なくとも1つの構成要素交換限界に対して良好に試験している程度のインジケーションは、構成要素試験性能が前記少なくとも1つの構成要素ソフト限界と前記少なくとも1つの構成要素交換限界との間にあるかどうかを含む、コンピュータと
を備える、医療流体送達システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの構成要素は、前記医療流体送達機械のためのセンサを含み、前記試験は、前記センサからの出力を分析する、請求項1に記載の医療流体送達システム。
【請求項3】
前記センサは、前記圧力センサ、伝導率センサ、または温度センサである、請求項2に記載の医療流体送達システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの構成要素は、(i)濾過膜を含む濾過器であって、前記圧力減衰試験は、前記濾過膜を試験する、濾過器、(ii)流体送達構成要素であって、前記圧力減衰試験は、漏出に関して前記流体送達構成要素を試験する、流体送達構成要素、(iii)使い捨て構成要素であって、前記圧力減衰試験は、漏出に関して前記使い捨て構成要素を試験する、使い捨て構成要素、または(iv)流体ラインであって、前記圧力減衰試験は、漏出に関して前記流体ラインを試験する、流体ラインを含む、請求項1に記載の医療流体送達システム。
【請求項5】
前記医療流体送達機械は、ディスプレイデバイスを含み、前記コンピュータは、前記医療流体送達機械の制御ユニットによって提供され、前記インジケーションは、前記医療流体送達機械の前記ディスプレイデバイスによって表示される、請求項1に記載の医療流体送達システム。
【請求項6】
前記コンピュータは、ディスプレイデバイスを有する遠隔コンピュータであり、前記医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して前記遠隔コンピュータとデータ通信し、前記インジケーションは、前記遠隔コンピュータの前記ディスプレイデバイスによって表示される、請求項1に記載の医療流体送達システム。
【請求項7】
前記コンピュータは、前記少なくとも1つの構成要素ソフト限界および前記少なくとも1つの構成要素交換限界に対する前記構成要素試験性能を示す少なくとも1つの試験性能グラフを生成するようにプログラムされる、請求項
1に記載の医療流体送達システム。
【請求項8】
前記コンピュータは、前記構成要素試験性能が前記少なくとも1つの構成要素ソフト限界とその構成要素交換限界との間にあるとき、前記構成要素試験性能が前記少なくとも1つの交換限界に到達するであろうときの推定値を生成するようにプログラムされる、請求項
1に記載の医療流体送達システム。
【請求項9】
前記コンピュータは、遠隔コンピュータであり、前記医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して前記遠隔コンピュータとデータ通信し、前記少なくとも1つの構成要素のうちのどれが前記少なくとも1つの構成要素ソフト限界と前記少なくとも1つの構成要素交換限界との間で機能しているかを示す前記コンピュータによって提供されるファイルを含む、請求項
1に記載の医療流体送達システム。
【請求項10】
前記コンピュータは、遠隔コンピュータであり、前記医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して前記遠隔コンピュータとデータ通信し、他の医療流体送達機械および前記医療流体送達機械の前記少なくとも1つの構成要素のうちのどれが前記少なくとも1つの構成要素ソフト限界と前記少なくとも1つの構成要素交換限界との間で機能しているかを示す前記コンピュータによって提供されるファイルを含む、請求項
1に記載の医療流体送達システム。
【請求項11】
前記コンピュータは、各処置が前記医療流体送達
機械によって実施された後、前記少なくとも1つの構成要素と関連付けられる前記試験データを受信する、請求項1に記載の医療流体送達システム。
【請求項12】
医療流体送達システムであって、
少なくとも1つの構成要素、空気圧源、および圧力センサを含む医療流体送達機械であって、前記少なくとも1つの構成要素は、前記少なくとも1つの構成要素の動作または性能に関連する関連付けられる
性能データおよび関連付けられる試験データを生産するために前記少なくとも1つの構成要素が前記空気圧源からの空気圧を介して加圧される圧力減衰試験を受け、前記関連付けられる
性能データおよび前記関連付けられる試験データは、前記圧力センサまたは前記少なくとも1つの構成要素のうちの少なくとも1つによって生産される、医療流体送達機械と、
前記少なくとも1つの構成要素に関する少なくとも1つの構成要素出力交換限界と、
前記少なくとも1つの構成要素に関する少なくとも1つの構成要素ソフト限界であって、前記少なくとも1つの構成要素ソフト限界は、前記少なくとも1つの構成要素の前記動作または前記性能における劣化を示す、少なくとも1つの構成要素ソフト限界と、
前記少なくとも1つの構成要素に関する少なくとも1つの構成要素試験交換限界と、
コンピュータと
を備え、
前記コンピュータは、
前記少なくとも1つの構成要素出力交換限界、前記少なくとも1つの構成要素ソフト限界、および前記少なくとも1つの構成要素試験交換限界を記憶することと、
前記少なくとも1つの構成要素出力交換限界および前記少なくとも1つの構成要素ソフト限界に関連して前記
性能データを分析することと、
前記少なくとも1つの構成要素試験交換限界に関連して前記試験データを分析することと、
前記少なくとも1つの構成要素が前記少なくとも1つの構成要素出力交換限界に対して良好に機能している程度の第1のインジケーションを提供することであって、前記第1のインジケーションは、前記少なくとも1つの構成要素が前記少なくとも1つの構成要素ソフト限界と前記少なくとも1つの構成要素出力交換限界との間で機能しているかを含む、ことと、
前記少なくとも1つの構成要素が前記少なくとも1つの構成要素試験交換限界に対して良好に試験している程度の第2のインジケーションを提供することと
を実行するようにプログラムされる、医療流体送達システム。
【請求項13】
前記コンピュータは、各処置が前記医療流体送達
機械によって実施された後、前記少なくとも1つの構成要素と関連付けられる前記
性能データを受信する、請求項
12に記載の医療流体送達システム。
【請求項14】
前記医療流体送達機械は、ディスプレイデバイスを含み、前記コンピュータは、前記医療流体送達機械の制御ユニットによって提供され、前記第1および第2のインジケーションは、前記医療流体送達機械の前記ディスプレイデバイスによって表示される、請求項
12に記載の医療流体送達システム。
【請求項15】
前記コンピュータは、ディスプレイデバイスを有する遠隔コンピュータであり、前記医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して前記遠隔コンピュータとデータ通信し、前記第1および第2のインジケーションは、前記遠隔コンピュータの前記ディスプレイデバイスによって表示される、請求項
12に記載の医療流体送達システム。
【請求項16】
前記関連付けられる
性能データは、流率を含み、前記
少なくとも1つの構成要素
出力交換限
界は、構成要素交換流率である、請求項
12に記載の医療流体送達システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの構成要素は、(i)濾過器であって、前記流率は、前記濾過器の下流の流率である、濾過器、(ii)医療流体送達ポンプであって、前記流率は、前記医療流体送達ポンプの下流の流率である、医療流体送達ポンプ、または(iii)使い捨てアイテムであって、前記流率は、前記使い捨てアイテムの下流の流率である、使い捨てアイテムを含む、請求項
16に記載の医療流体送達システム。
【請求項18】
前記第1のインジケーションは、前記少なくとも1つの構成要素出力交換限界に到達する前に、前記少なくとも1つの構成要素に残っている使用数または処置数を含む、請求項
12に記載の医療流体送達システム。
【請求項19】
前記コンピュータは、前記少なくとも1つの構成要素ソフト限界および前記少なくとも1つの構成要素出力交換限界に対して機能する前記少なくとも1つの構成要素を示す少なくとも1つの構成要素性能グラフを生成するようにプログラムされる、請求項
12に記載の医療流体送達システム。
【請求項20】
医療流体送達システムであって、
構成要素、空気圧源、および圧力センサを含む医療流体送達機械であって、前記構成要素は、前記構成要素の動作または性能に関連する関連付けられる
性能データまたは関連付けられる試験データのうちの少なくとも1つを生産するために前記構成要素が前記空気圧源からの空気圧を介して加圧される圧力減衰試験を受け、関連付けられる
性能データまたは関連付けられる試験データのうちの前記少なくとも1つは、前記圧力センサまたは前記構成要素のうちの少なくとも1つによって生産される、医療流体送達機械と、
(i)前記構成要素に関する構成要素出力交換限界および構成要素出力ソフト限界、または(ii)前記構成要素に関する構成要素試験交換限界または構成要素試験ソフト限界、のうちの少なくとも1つと、
コンピュータと
を備え、
前記コンピュータは、
(i)または(ii)のうちの少なくとも1つを記憶することと、
(i)が記憶される場合に、前記
性能データを分析して、前記構成要素が前記構成要素出力交換限界および前記構成要素出力ソフト限界に対して良好に機能している程度の第1のインジケーションを提供することと、
(ii)が記憶される場合に、前記試験データを分析して、前記構成要素が前記構成要素試験交換限界および前記構成要素試験ソフト限界に対して良好に試験している程度の第2のインジケーションを提供することと
を実行するようにプログラムされる、医療流体送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張)
本願は、2017年8月28日に出願され“Medical Fluid Therapy Machine Including Servicing Regime Therefore”と題された米国特許出願第15/688,062号に対する優先権およびその利益を主張するものであり、該出願は、2016年10月3日に出願され“Medical Fluid Therapy Machine Including Servicing Regime Therefore”と題された米国仮出願第62/403,568号に対する優先権およびその利益を主張するものであり、これらの各々の内容は参照により、本明細書中に援用され、依拠される。
【0002】
本開示は、概して、医療流体送達機械のためのデバイス、システム、および方法に関する。より具体的には、本開示は、腎不全治療機械等の医療流体送達機械において使用される構成要素の保守に関する。
【背景技術】
【0003】
腎不全治療機械に関して、種々の原因に起因して、人物の腎臓系は、機能しなくなり得る。腎不全は、いくつかの生理学的撹乱を生じさせる。水分およびミネラルの平衡を保つ、または日常の代謝負荷を排泄することは、もはや可能ではなくなる。窒素代謝の毒性最終生産物(尿素、クレアチニン、尿酸、およびその他)は、血液および組織中に蓄積し得る。
【0004】
腎臓不全および低減された腎臓機能は、透析を用いて処置されている。透析は、身体から、正常に機能している腎臓がそうでなければ除去するであろう老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。腎臓機能の置換のための透析処置は、処置が救命的であるため、多くの人々にとって重要である。
【0005】
1つのタイプの腎臓不全治療は、一般に、患者の血液から老廃物を除去するために拡散を使用する、血液透析(「HD」)である。拡散勾配が、拡散を引き起こすために、血液と透析液または透析流体と呼ばれる電解質溶液との間の半浸透性透析器を横断して起こる。
【0006】
血液濾過(「HF」)は、患者の血液からの毒素の対流輸送に依拠する代替腎置換治療である。HFは、処置の間に体外回路に代替液または補液(典型的には、10~90リットルのそのような流体)を添加することによって遂行される。代替液および処置の間に患者によって蓄積される流体は、一連のHF処置にわたって限外濾過され、中および大分子を除去する際に特に有益である対流輸送機構を提供する(血液透析では、透析セッションの間に得られる流体とともに、少量の老廃物が除去されるが、しかしながら、その限外濾過液の除去からの溶質牽引は、対流クリアランスを提供するために十分ではない)。
【0007】
血液透析濾過(「HDF」)は、対流および拡散クリアランスを組み合わせる処置モダリティである。HDFは、拡散クリアランスを提供するために、標準的血液透析と同様に、透析器を通して流動する透析流体を使用する。加えて、代替液が、体外回路に直接提供され、対流クリアランスを提供する。
【0008】
大部分のHD(HF、HDF)処置は、センターで行われる。在宅血液透析(「HHD」)への傾向が、部分的に、HHDが毎日実施され得、典型的には、週に2または3回行われるセンター内血液透析処置に優る治療利益を提供するため、今日存在する。研究によって、頻繁な処置が、より頻度が低いが、おそらく、より長い処置を受ける患者よりも多くの毒素および老廃物を除去することが示されている。より頻繁な処置を受ける患者は、処置に先立って2または3日分の毒素を蓄積しているセンター内患者ほど多くのダウンサイクルを被らない。ある地域では、最も近い透析センターは、患者の自宅から何マイルも離れ、ドアツードアの処置時間で1日の大部分を費やす場合がある。HHDは、1晩で、または患者がリラックスしている、働いている、または別様に生産的である間の日中に行われ得る。
【0009】
別のタイプの腎臓不全治療は、腹膜透析であり、これは、透析流体とも呼ばれる透析液をカテーテルを介して患者の腹膜腔の中に注入する。透析流体は、腹膜腔の腹膜に接触する。老廃物、毒素、および過剰な水分が、拡散および浸透に起因して、患者の血流から、腹膜を通して、透析流体の中に通過し、すなわち、浸透勾配が、膜を横断して起こる。透析における浸透剤が、浸透勾配を提供する。使用済みまたは消耗済み透析流体は、患者から排出され、患者から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。本サイクルは、例えば、複数回繰り返される。
【0010】
持続的外来腹膜透析(「CAPD」)、自動化腹膜透析(「APD」)、および潮汐流透析、および持続的流動腹膜透析(「CFPD」)を含む、種々のタイプの腹膜透析治療が存在する。CAPDは、手動透析処置である。ここでは、患者は、使用済みまたは消耗済み透析液流体が腹膜腔から排出することを可能にするために、埋込されたカテーテルをドレインに手動で接続する。患者は、次いで、カテーテルを通して患者の中に新鮮な透析流体を注入するために、新鮮な透析流体のバッグにカテーテルを接続する。患者は、カテーテルを新鮮な透析流体バッグから切り離し、透析流体が腹膜腔内で滞留することを可能にし、老廃物、毒素、および過剰な水分の移送が、起こる。ある滞留周期後、患者は、例えば、1日あたり4回手動透析手技を繰り返し、各処置は、約1時間続く。手動腹膜透析は、患者から有意な量の時間および努力を要求し、改良の余地がある。
【0011】
自動化腹膜透析(「APD」)は、透析処置が排出、充填、および滞留サイクルを含む点においてCAPDに類似する。しかしながら、APD機械は、典型的には、患者が眠っている間に自動的にサイクルを実施する。APD機械は、処置サイクルを手動で実施する必要性から、かつ日中に供給物を輸送する必要性から患者を解放する。APD機械は、埋込されたカテーテルに、新鮮な透析流体の源またはバッグに、および流体ドレインに流体的に接続する。APD機械は、新鮮な透析流体を透析流体源から、カテーテルを通して、患者の腹膜腔の中に圧送する。APD機械はまた、透析流体が腔内で滞留することを可能にし、廃棄物、毒素、および過剰な水分の移送が起こることを可能にする。源は、複数の無菌透析流体バッグを含み得る。
【0012】
APD機械は、使用済みまたは消耗済み透析液を腹膜腔から、カテーテルを通して、ドレインに圧送する。手動プロセスのように、いくつかの排出、充填、および滞留サイクルは、透析の間に起こる。「最後の充填」は、APDの終わりに起こり、次の処置まで患者の腹膜腔内に留まる。
【0013】
機械によって実施される上記のモダリティのいずれも、経時的に摩耗し、交換を必要とする構成要素を含む。構成要素を頻繁に交換しすぎないための本質的な苦労が存在し、その後で構成要素が交換されるまで機械が中断する、完全な構成要素故障を待つことに対する過剰なコストおよび修復時間につながり、患者の処置スケジュールの混乱、可能性として考えられる機械の否定的な患者および医師/臨床医認識、ならび即座に保守する必要性につながる。
【0014】
「Dialysis Machine with Servicing Indicator」と題された米国特許第7,873,489号が、1つの保守形態を開示している。本形態は、基本的に、2つの因子、すなわち、構成要素が配設されている時間対使用された持続時間に注目する。本形態は、使用された持続時間に関する上限と、構成要素が配設されている時間に関する下限と、構成要素が配設されている時間に関する上限とを含む、3つの限界を設定する。構成要素は、使用された持続時間に関する上限を満たしている、または超えている場合であっても、これが構成要素が配設されている時間に関するその下限に到達するまで交換に適格ではない。しかしながら、構成要素は、その使用された持続時間にかかわらず、これが構成要素が配設されている時間に関するその上限に到達すると、交換されるであろう。
【0015】
米国特許第7,873,489号の保守形態は、従来技術において存在していたものと異なり得るが、依然として実質的な改良の余地が存在すると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本明細書に説明される保守形態は、例えば、血漿交換、血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、および持続的腎置換治療(「CRRT」)処置のための流体送達に適用可能である。本明細書に説明される保守形態はまた、腹膜透析(「PD」)および静脈内薬物送達にも適用可能である。これらのモダリティは、本明細書では、集合的に、または実質的に個別に、医療流体送達と称され得る。
【0018】
さらに、本明細書に説明される保守形態は、臨床または在宅ベースの機械と併用されてもよい。例えば、本システムは、1日全体を通して起動するセンター内HD、HF、またはHDF機械において採用されてもよい。代替として、本システムは、患者の便宜に応じて動作される在宅HD、HF、またはHDF機械と併用されてもよい。1つのそのような在宅システムが、2011年10月4日に発行され、「High Convection Home Hemodialysis/Hemofiltration And Sorbent System」と題され、2004年11月4日に出願され、本願の譲受人に譲渡された米国特許第8,029,454号(「第’454号特許」)に説明されている。他のそのような在宅システムも、2013年5月12日に発行され、「Enclosure for a Portable Hemodialysis System」と題され、2008年8月27日に出願された米国特許第8,393,690号(「第’690号特許」)に説明されている。上記の参照文献のそれぞれの全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれ、依拠される。
【0019】
ある実施形態では、医療流体送達シャーシを含む医療流体送達機械が、提供される。医療流体送達シャーシは、1つ以上のポンプ、複数の弁、必要に応じて、ヒータ、必要および所望に応じて、直結医療流体生成機器、圧力センサ、伝導率センサ、温度センサ、空気検出器、血液漏出検出器、および同等物のうちのいずれか1つ、それよりも多くのもの、または全て等の複数のセンサ、ユーザインターフェース、および上記に説明される機器を制御するための1つ以上のプロセッサおよびメモリを採用し得る制御ユニット等の医療流体を送達するために必要とされる構成要素を格納する。医療流体送達機械はまた、血液を清潔にするための透析器または血液濾過器および/または水、透析流体、または他の流体を浄化するための限外濾過器等の1つ以上の濾過器を含んでもよい。
【0020】
医療流体送達機械と関連して使用される動作構成要素のうちのいずれかが、本開示の保守形態を受けてもよい。ポンプアクチュエータ、弁アクチュエータ、またはヒータ等の構成要素のうちのあるものが、長時間にわたって存続するように構築される。濾過器等の他の構成要素は、長寿命構成要素と比較して比較的に短い寿命を有することが公知である。したがって、機械の各構成要素は、その独自の保守耐用年数を有する、または異なるカテゴリの耐用年数のうちの1つに分類され得る。ある程度まで、本開示の保守形態は、より短い耐用年数の構成要素およびそれらの予期される寿命の終わり近くにあるより長い寿命の構成要素により適用可能である。しかしながら、いずれの場合も、本開示の保守形態は、医療流体送達機械の任意の動作構成要素に適用され得る。「動作構成要素」は、そうである必要性はないが、動作データまたは試験データを生成するために試験され得るデータを生成する、医療流体送達機械の構成要素またはその周辺機器を意味し得る。
【0021】
一実施形態では、保守形態は、構成要素を分析するために、経時的に自己試験データを分析する。例えば、機械が、水、透析流体、または他の流体を浄化する限外濾過器を提供すると仮定する。機械は、次いで、各処置前に限外濾過器に自己試験を実行し得る。限外濾過器は、薄い半浸透性膜を含み、その壁は、液体が通過し、濾過されることを可能にする微小な細孔を有する。膜のうちの1つが裂ける場合、または細孔が開放し始める場合、濾過されることが意図される微粒子は、限外濾過器が、これが以前できたほど液体を清浄にできないように、裂け目または開放された細孔を通過し得る。1つの自己試験は、次いで、膜が漏出する量を確認するために、処置に先立って膜に圧力減衰試験を実行することである。
【0022】
本開示の形態では、圧力減衰試験に関する2つの限界、すなわち、到達した場合、限外濾過器が交換される必要性をもたらす、第1の交換限界を設定することが考慮される。第2のソフト限界もまた、設定され、これは、限外濾過器が、その漏出率が交換限界に近接するが、それにないときに交換され得るように、本特定の限外濾過器が劣化し始めており、これがより厳密に監視されるべきであることをオペレータに伝える。ソフト限界警告の複数の利点が存在する。第1に、機械は、限外濾過器の有用寿命の大部分またはさらにはその殆ど全てを享有している。第2に、交換は、関与する全ての関係者にとって便宜的な時間に推定的に成され、「必須」ベースとは対照的に、「分別」ベースでそのように行われる。機械は、構成要素を交換するために必要とされる時間だけ中断する。患者および臨床医/医師は、別の処置を実行するために部品が到着するまで待機する必要性がない。
【0023】
別の実施形態では、保守形態は、自己試験データの代替として、またはそれに加えて、経時的に構成要素性能データを分析する。上記に議論されるように、限外濾過器に関する一例示的自己試験は、漏出を探求する圧力減衰試験である。漏出に加えて、限外濾過器は、それらが閉塞した状態になる場合に交換される必要があり得る。上記に言及されるように、適切に機能する限外濾過器膜は、微粒子を閉じ込め、浄化された液体が通過することを可能にする。閉じ込められた微粒子は、膜を通過しない液体を伴う濃縮スラリーを形成する。スラリーは、限外濾過器の入口側に戻るように、または排出されるように押進されることが意図される。しかしながら、スラリーとともに進行する代わりに、微粒子は、代わりに、膜の壁の中にそれ自体を埋入させ、限外濾過器を閉塞させ始め得る。
【0024】
故に、限外濾過器等の構成要素の性能出力を監視することが、考慮される。例えば、限外濾過器の下流の流率を監視することが、考慮される。交換およびソフト限界が、流率監視のために再び設定される。ソフト限界に到達した後、限外濾過器の出力流率性能が、厳密に監視される。限外濾過器は、次いで、交換流率限界に到達するわずかに前に交換され得、したがって、比較的に高い性能レベルを依然として維持しながら、可能な限り限外濾過器寿命を延長する。
【0025】
限外濾過器実施例等の単一の構成要素が、それによってそれらが本開示の保守形態下で判断される複数の基準をそれに応じて有してもよい。各基準は、構成要素を交換するときを決定するために独立して評価される、その独自のソフト限界を有する。
【0026】
基準は、可能性として考えられる構成要素の交換に加えた理由から評価されてもよい。例えば、データが、複数の機械から収集され、構成要素のうちの新しいものを注文または構築するために最も適切な時間を決定するために評価され得る。例えば、限外濾過器は、外部企業から購入される、または社内で作製され得る。しかし、いずれの場合も、構成要素は、最小数量において生産および注文される必要がある可能性が高い。例えば、限外濾過器に関する最小注文または生産数量が100個であり、在庫に残っている限外濾過器が20個しか存在せず、ソフト限界またはそれを下回る現場の限外濾過器が30個存在する場合、本開示のシステムは、購入人員が限外濾過器のための新しい注文を迅速に行い得るように促し得る。このように、新しい構成要素が、構成要素のいかなる不足も存在しないように、必要とされるときだけ間に合うように注文される。
【0027】
本開示の保守形態は、機械レベルで、多くの機械を監督する包括的プラットフォームシステムレベルで、または同一物の組み合わせで実装されてもよい。限外濾過器実施例を継続すると、一実施形態では、各機械は、圧力減衰試験、下流流率監視、交換限界、およびソフト限界の結果を追跡する。ソフト限界に到達する場合、機械のディスプレイデバイスが、発生を知らせるオーディオ、視覚、または視聴覚アラートをオペレータに表示する、および/または同一物を共有する保守画面を提供してもよい。アラートまたは保守画面は、ソフト限界をトリガした日に至り、それからのデータを含む日々における圧力減衰データまたは下流流率データを示すグラフを含んでもよい。機械は、ユーザが限外濾過器が傾向を示す様子を確認し得るように、ソフト限界に到達した後、新しいデータが生成される度にグラフが更新される「監視モード」に入るようにプログラムされてもよい。おそらく、データは、限外濾過器が依然として使用され得るように、ソフト限界の周囲を移動する。またはおそらく、データは、交換限界に向かって下降線を辿り、限外濾過器がすぐに交換される必要があることを示す。
【0028】
機械はまた、グラフからのデータ線の現在の傾斜または複数のデータ点から数学的に形成された曲線を使用して、傾斜または曲線が変化しないと仮定して、線が交換限界と交差するであろうときを計算してもよい。したがって、グラフとともに、「監視モード」における機械は、交換が必須になるまでの推定された量の日数または処置を表示し得る。機械は、傾斜が変化する場合、それに応じて推定値を更新する。
【0029】
グラフおよび交換までの日数または処置数を含む、「監視モード」出力は、加えて、または代替として、臨床医のコンピュータおよび/または保守担当者のコンピュータ等の遠隔コンピュータにおいて表示されてもよい。下記に詳細に議論されるように、機械を1つ以上のサーバを介して遠隔臨床医コンピュータおよび/または保守担当者のコンピュータに接続することが、考慮される。各処置後、機械は、データを1つ以上のサーバを介して、臨床医コンピュータおよび/または保守担当者のコンピュータによってアクセス可能なデータベースに送信する。複数の機械からの「監視モード」データは、フラグ付きフォルダに投入され得る。保守担当者は、例えば、複数の機械に関する「監視モード」データを閲覧するために、フラグ付きフォルダに日常的にアクセスする業務を課され得る。保守担当者は、次いで、「監視モード」シナリオ毎に構成要素交換をスケジューリングするかどうかの決定を行うことができる。
【0030】
本開示の医療流体送達機械を複数の診療所に提供し、診療所のそれぞれを本開示の全体的システム下に含むことが、考慮される。一方、保守担当者は、典型的には、機械の製造業者をサポートするであろう。本システムは、カスタマイズ可能であり、次いで、各診療所が、診療所がその独自の機械を保守するか、または代わりに機械を保守するように製造業者の保守人員と契約するかを決定することを可能にする。診療所がその独自の機械を保守する場合、診療所は、本明細書に説明されるように、機械自体に「監視モード」を表示させることを決定してもよい。代替として、診療所は、「監視モード」データを分析するために、サーバを経由してフラグファイルにアクセスしてもよい。診療所が機械を保守するように製造業者の保守人員と契約することを決定する場合、製造業者の保守人員は、「監視モード」データにアクセスするために、サーバを経由して遠隔にフラグファイルを監視する。
【0031】
限外濾過器の実施例が本開示の保守形態から明確に利益を享受する構成要素であるため、該実施例が、本明細書全体を通して使用される。限外濾過器は、限定された寿命を有することが公知であり、比較的に高価な構成要素である。したがって、交換前に可能な限りそれらから多くの使用を得ることが、望ましい。透析器および血液濾過器は、他の良好な実施例である。透析器および血液濾過器は、透析器が漏出または劣化(限外濾過器の場合のように閉塞)すると交換される必要性がある、完全な血液セットの一部として滅菌および包装され得る。
【0032】
圧力減衰試験等の漏出試験を受ける任意の構成要素が、本開示の保守形態から利益を享受し得ることを理解されたい。例えば、処置流体通路または血流通路、またはそれらの一部が、圧力チェックされ、「監視モード」に置かれる、または必要に応じて交換され得る。流体弁およびポンプが、圧力チェックされ、「監視モード」に置かれる、または必要に応じて交換され得る。流体ポンプはまた、下流流率出力に関して評価され得る。機械が空気圧で駆動される場合、その空気圧ソレノイド弁もまた、圧力チェックされ、「監視モード」に置かれる、または必要に応じて交換され得る。
【0033】
また、その出力が、例えば、既知の圧力、温度、または伝導率サンプルに曝すことによって試験されることが可能である任意の感知構成要素が、本開示の保守形態から利益を享受し得ることも理解されたい。他の好適な構成要素も、本明細書に説明される。
【0034】
本明細書の開示に照らして、かついかように本開示を限定することなく、別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第1の側面では、医療流体送達システムは、関連付けられる出力データを生産する少なくとも1つの構成要素を含む、医療流体送達機械と、少なくとも1つの構成要素に関する少なくとも1つの構成要素交換限界と、少なくとも1つの構成要素交換限界を記憶し、かつ出力データを分析し、少なくとも1つの構成要素がその構成要素交換限界に対して良好に機能している程度のインジケーションを提供するようにプログラムされる、コンピュータとを含む。
【0035】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第2の側面では、医療流体送達機械は、ディスプレイデバイスを含み、コンピュータは、医療流体送達機械の制御ユニットによって提供され、インジケーションは、医療流体送達機械のディスプレイデバイスによって表示される。
【0036】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第3の側面では、コンピュータは、ディスプレイデバイスを有する遠隔コンピュータであり、医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して遠隔コンピュータとデータ通信し、インジケーションは、遠隔コンピュータのディスプレイデバイスによって表示される。
【0037】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第4の側面では、関連付けられる出力データは、流率を含み、構成要素交換限界のうちの少なくとも1つは、構成要素交換流率である。
【0038】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第4の側面と組み合わせられ得る、本開示の第5の側面では、少なくとも1つの構成要素は、(i)濾過器であって、流率は、濾過器の下流の流率である、濾過器、(ii)医療流体送達ポンプであって、流率は、医療流体送達ポンプの下流の流率である、医療流体送達ポンプ、または(iii)使い捨てアイテムであって、流率は、使い捨てアイテムの下流の流率である、使い捨てアイテムを含む。
【0039】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第6の側面では、本システムは、コンピュータによって記憶される少なくとも1つの構成要素交換限界に加えて、少なくとも1つの構成要素ソフト限界を含み、少なくとも1つの構成要素がその構成要素交換限界に対して良好に機能している程度のインジケーションは、構成要素がそのソフト限界とその構成要素交換限界との間で機能しているかどうかを含む。
【0040】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第6の側面と組み合わせられ得る、本開示の第7の側面では、コンピュータは、そのソフト限界およびその構成要素交換限界に対して機能する少なくとも1つの構成要素を示す、少なくとも1つの構成要素性能グラフを生成するようにプログラムされる。
【0041】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第6の側面と組み合わせられ得る、本開示の第8の側面では、コンピュータは、少なくとも1つの構成要素がそのソフト限界とその構成要素交換限界との間で機能しているとき、構成要素性能がその交換限界に到達するであろうときの推定値を生成するようにプログラムされる。
【0042】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第6の側面と組み合わせられ得る、本開示の第9の側面では、コンピュータは、遠隔コンピュータであり、医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して遠隔コンピュータとデータ通信し、そのソフト限界とその構成要素交換限界との間で機能する各構成要素を示す、コンピュータによって提供されるファイルを含む。
【0043】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第6の側面と組み合わせられ得る、本開示の第10の側面では、コンピュータは、遠隔コンピュータであり、医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して遠隔コンピュータとデータ通信し、そのソフト限界とその構成要素交換限界との間で機能する各機械の各構成要素を示す、コンピュータによって提供されるファイルを含む。
【0044】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第11の側面では、コンピュータは、各処置が医療流体送達デバイスによって実施された後、構成要素と関連付けられる出力データを受信する。
【0045】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第12の側面では、医療流体送達システムは、試験データを生産するために試験を受ける少なくとも1つの構成要素を含む、医療流体送達機械と、少なくとも1つの構成要素に関する少なくとも1つの構成要素交換限界と、少なくとも1つの構成要素交換限界を記憶し、かつ試験データを分析し、少なくとも1つの構成要素がその構成要素交換限界に対して良好に試験している程度のインジケーションを提供するようにプログラムされる、コンピュータとを含む。
【0046】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第13の側面では、少なくとも1つの構成要素は、医療流体送達機械のためのセンサを含み、試験は、センサからの出力を分析する。
【0047】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第13の側面と組み合わせられ得る、本開示の第14の側面では、センサは、圧力センサ、伝導率センサ、または温度センサである。
【0048】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第15の側面では、医療流体送達機械は、空気圧源、圧力センサを含み、試験は、少なくとも1つの構成要素が、圧力センサによって感知される源を介した空気圧を受ける圧力減衰試験である。
【0049】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第15の側面と組み合わせられ得る、本開示の第16の側面では、少なくとも1つの構成要素は、(i)濾過膜を含む濾過器であって、圧力減衰試験は、濾過膜を試験する、濾過器、(ii)流体送達構成要素であって、圧力減衰試験は、漏出に関して流体送達構成要素を試験する、流体送達構成要素、(iii)使い捨て構成要素であって、圧力減衰試験は、漏出に関して使い捨て構成要素を試験する、使い捨て構成要素、または(iv)流体ラインであって、圧力減衰試験は、漏出に関して流体ラインを試験する、流体ラインを含む。
【0050】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第17の側面では、医療流体送達機械は、ディスプレイデバイスを含み、コンピュータは、医療流体送達機械の制御ユニットによって提供され、インジケーションは、医療流体送達機械のディスプレイデバイスによって表示される。
【0051】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第18の側面では、コンピュータは、ディスプレイデバイスを有する遠隔コンピュータであり、医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して遠隔コンピュータとデータ通信し、インジケーションは、遠隔コンピュータのディスプレイデバイスによって表示される。
【0052】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第19の側面では、本システムは、コンピュータによって記憶される少なくとも1つの構成要素交換限界に加えて、少なくとも1つの構成要素ソフト限界を含み、少なくとも1つの構成要素がその構成要素交換限界に対して良好に試験している程度のインジケーションは、構成要素試験性能がそのソフト限界とその構成要素交換限界との間にあるかどうかを含む。
【0053】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第19の側面と組み合わせられ得る、本開示の第20の側面では、コンピュータは、そのソフト限界およびその構成要素交換限界に対する少なくとも1つの構成要素試験性能を示す、少なくとも1つの試験性能グラフを生成するようにプログラムされる。
【0054】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第19の側面と組み合わせられ得る、本開示の第21の側面では、コンピュータは、少なくとも1つの構成要素試験性能がそのソフト限界とその構成要素交換限界との間にあるとき、構成要素試験性能がその交換限界に到達するであろうときの推定値を生成するようにプログラムされる。
【0055】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第19の側面と組み合わせられ得る、本開示の第22の側面では、コンピュータは、遠隔コンピュータであり、医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して遠隔コンピュータとデータ通信し、そのソフト限界とその構成要素交換限界との間の試験性能を有する各構成要素を示す、コンピュータによって提供されるファイルを含む。
【0056】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第19の側面と組み合わせられ得る、本開示の第23の側面では、コンピュータは、遠隔コンピュータであり、医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して遠隔コンピュータとデータ通信し、そのソフト限界とその構成要素交換限界との間の試験性能を有する各機械の各構成要素を示す、コンピュータによって提供されるファイルを含む。
【0057】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第24の側面では、コンピュータは、各処置が医療流体送達デバイスによって実施された後、構成要素と関連付けられる試験データを受信する。
【0058】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第25の側面では、医療流体送達システムは、関連付けられる出力データおよび関連付けられる試験データを産出する少なくとも1つの構成要素を含む、医療流体送達機械と、少なくとも1つの構成要素に関する少なくとも1つの構成要素出力交換限界と、少なくとも1つの構成要素に関する少なくとも1つの構成要素試験交換限界と、少なくとも1つの構成要素出力交換限界および少なくとも1つの構成要素試験交換限界を記憶し、かつ出力データおよび試験データを分析し、少なくとも1つの構成要素がその構成要素出力交換限界に対して良好に機能している程度の第1のインジケーションおよび少なくとも1つの構成要素がその構成要素試験交換限界に対して良好に試験している程度の第2のインジケーションを提供するようにプログラムされる、コンピュータとを含む。
【0059】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第26の側面では、医療流体送達システムは、関連付けられる出力データまたは関連付けられる試験データのうちの少なくとも1つを産出する構成要素を含む、医療流体送達機械と、(i)構成要素に関する構成要素出力交換限界および構成要素出力ソフト限界または(ii)構成要素に関する構成要素試験交換限界または構成要素試験ソフト限界のうちの少なくとも1つと、(i)または(ii)のうちの少なくとも1つを記憶し、かつ(i)に関して出力データを分析し、構成要素が構成要素出力交換限界および構成要素出力ソフト限界に対して良好に機能している程度の第1のインジケーションを提供し、(ii)に関して試験データを分析し、少なくとも1つの構成要素が構成要素試験交換限界および構成要素試験ソフト限界に対して良好に試験している程度の第2のインジケーションを提供するようにプログラムされる、コンピュータとを含む。
【0060】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第27の側面では、医療流体送達システムは、処置毎に、少なくとも1つの濃縮物を所望の医療流体処置のために好適にされた水と混合し、医療流体を形成するために、複数の処置にわたって使い捨てセットを用いて動作する、医療流体送達機械と、医療流体送達機械によって混合された医療流体の正確度を試験するように構成される、センサであって、混合正確度が決定されることを可能にする出力を生産する、センサと、センサによって生産された混合正確度出力から混合正確度を決定し、使い捨てセットが交換される必要があるかどうかを決定するようにプログラムされる、コンピュータとを含む。
【0061】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第27の側面と組み合わせられ得る、本開示の第28の側面では、コンピュータは、ローリング平均を使用し、使い捨てセットが交換される必要があるかどうかを決定するようにプログラムされる。
【0062】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第27の側面と組み合わせられ得る、本開示の第29の側面では、コンピュータは、医療流体送達機械のためのコンピュータまたは医療流体送達機械から遠隔に位置するコンピュータである。
【0063】
別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて第27の側面と組み合わせられ得る、本開示の第30の側面では、コンピュータは、使い捨てセットが(i)現在交換される必要があるか、または(ii)将来の処置のために交換される必要があるかのうちの少なくとも1つを決定するようにプログラムされる。
【0064】
本開示の第31の側面では、
図1-8と関連して開示される構造および機能性のうちのいずれかは、
図1-8と関連して開示される他の構造および機能性のうちのいずれかと組み合わせられてもよい。
【0065】
本開示および上記の側面に照らして、したがって、改良された医療流体送達デバイスを提供することが、本開示の利点である。
【0066】
医療流体送達デバイスのための改良された保守形態を提供することが、本開示の別の利点である。
【0067】
医療流体送達機械構成要素を効率的に交換することが、本開示のさらなる利点である。
【0068】
構成要素交換を待機する必要性に起因する中断時間を防止することに役立つことが、本開示のなおも別の利点である。
【0069】
医療流体送達機械構成要素を注文および備蓄するための効率的な方法を提供することが、本開示のなおもさらなる利点である。
【0070】
異なる医療流体送達機械ユーザの保守必要性に柔軟であるシステムを提供することが、本開示のさらに別の利点である。
【0071】
医療流体送達機械において使用される異なるタイプの構成要素に適用可能である保守形態を提供することが、本開示のなおもさらなる利点である。
【0072】
本明細書に議論される利点は、本明細書に開示される実施形態のうちの1つまたはいくつかに見出され得、おそらく、その全てに見出されるわけではない。付加的特徴および利点が、本明細書に説明され、以下の詳細な説明および図から明白となるであろう。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
医療流体送達システムであって、
関連付けられる出力データを生産する少なくとも1つの構成要素を含む医療流体送達機械と、
前記少なくとも1つの構成要素に関する少なくとも1つの構成要素交換限界と、
前記少なくとも1つの構成要素交換限界を記憶し、かつ前記出力データを分析し、前記少なくとも1つの構成要素がその構成要素交換限界に対して良好に機能している程度のインジケーションを提供するようにプログラムされる、コンピュータと
を備える、医療流体送達システム。
(項目2)
前記医療流体送達機械は、ディスプレイデバイスを含み、前記コンピュータは、前記医療流体送達機械の制御ユニットによって提供され、前記インジケーションは、前記医療流体送達機械の前記ディスプレイデバイスによって表示される、項目1に記載の医療流体送達システム。
(項目3)
前記コンピュータは、ディスプレイデバイスを有する遠隔コンピュータであり、前記医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して前記遠隔コンピュータとデータ通信し、前記インジケーションは、前記遠隔コンピュータの前記ディスプレイデバイスによって表示される、項目1に記載の医療流体送達システム。
(項目4)
前記関連付けられる出力データは、流率を含み、前記構成要素交換限界のうちの少なくとも1つは、構成要素交換流率である、項目1に記載の医療流体送達システム。
(項目5)
前記少なくとも1つの構成要素は、(i)濾過器であって、前記流率は、前記濾過器の下流の流率である、濾過器、(ii)医療流体送達ポンプであって、前記流率は、前記医療流体送達ポンプの下流の流率である、医療流体送達ポンプ、または(iii)使い捨てアイテムであって、前記流率は、前記使い捨てアイテムの下流の流率である、使い捨てアイテムを含む、項目4に記載の医療流体送達システム。
(項目6)
前記コンピュータによって記憶される前記少なくとも1つの構成要素交換限界に加えて、少なくとも1つの構成要素ソフト限界を含み、前記少なくとも1つの構成要素がその構成要素交換限界に対して良好に機能している程度のインジケーションは、前記構成要素がそのソフト限界とその構成要素交換限界との間で機能しているかどうかを含む、項目1に記載の医療流体送達システム。
(項目7)
前記コンピュータは、そのソフト限界およびその構成要素交換限界に対して機能する前記少なくとも1つの構成要素を示す少なくとも1つの構成要素性能グラフを生成するようにプログラムされる、項目6に記載の医療流体送達システム。
(項目8)
前記コンピュータは、前記少なくとも1つの構成要素がそのソフト限界とその構成要素交換限界との間で機能しているとき、構成要素性能がその交換限界に到達するであろうときの推定値を生成するようにプログラムされる、項目6に記載の医療流体送達システム。
(項目9)
前記コンピュータは、遠隔コンピュータであり、前記医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して前記遠隔コンピュータとデータ通信し、そのソフト限界とその構成要素交換限界との間で機能する各構成要素を示す前記コンピュータによって提供されるファイルを含む、項目6に記載の医療流体送達システム。
(項目10)
前記コンピュータは、遠隔コンピュータであり、前記医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して前記遠隔コンピュータとデータ通信し、そのソフト限界とその構成要素交換限界との間で機能する各機械の各構成要素を示す前記コンピュータによって提供されるファイルを含む、項目6に記載の医療流体送達システム。
(項目11)
前記コンピュータは、各処置が前記医療流体送達デバイスによって実施された後、前記構成要素と関連付けられる前記出力データを受信する、項目1に記載の医療流体送達システム。
(項目12)
医療流体送達システムであって、
試験データを生産するために試験を受ける少なくとも1つの構成要素を含む医療流体送達機械と、
前記少なくとも1つの構成要素に関する少なくとも1つの構成要素交換限界と、
前記少なくとも1つの構成要素交換限界を記憶し、かつ前記試験データを分析し、前記少なくとも1つの構成要素がその構成要素交換限界に対して良好に試験している程度のインジケーションを提供するようにプログラムされる、コンピュータと
を備える、医療流体送達システム。
(項目13)
前記少なくとも1つの構成要素は、前記医療流体送達機械のためのセンサを含み、前記試験は、前記センサからの出力を分析する、項目12に記載の医療流体送達システム。
(項目14)
前記センサは、圧力センサ、伝導率センサ、または温度センサである、項目13に記載の医療流体送達システム。
(項目15)
前記医療流体送達機械は、空気圧源、圧力センサを含み、前記試験は、前記少なくとも1つの構成要素が、前記圧力センサによって感知される前記源を介した空気圧を受ける圧力減衰試験である、項目12に記載の医療流体送達システム。
(項目16)
前記少なくとも1つの構成要素は、(i)濾過膜を含む濾過器であって、前記圧力減衰試験は、前記濾過膜を試験する、濾過器、(ii)流体送達構成要素であって、前記圧力減衰試験は、漏出に関して前記流体送達構成要素を試験する、流体送達構成要素、(iii)使い捨て構成要素であって、前記圧力減衰試験は、漏出に関して前記使い捨て構成要素を試験する、使い捨て構成要素、または(iv)流体ラインであって、前記圧力減衰試験は、漏出に関して前記流体ラインを試験する、流体ラインを含む、項目15に記載の医療流体送達システム。
(項目17)
前記医療流体送達機械は、ディスプレイデバイスを含み、前記コンピュータは、前記医療流体送達機械の制御ユニットによって提供され、前記インジケーションは、前記医療流体送達機械の前記ディスプレイデバイスによって表示される、項目12に記載の医療流体送達システム。
(項目18)
前記コンピュータは、ディスプレイデバイスを有する遠隔コンピュータであり、前記医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して前記遠隔コンピュータとデータ通信し、前記インジケーションは、前記遠隔コンピュータの前記ディスプレイデバイスによって表示される、項目12に記載の医療流体送達システム。
(項目19)
前記コンピュータによって記憶される前記少なくとも1つの構成要素交換限界に加えて、少なくとも1つの構成要素ソフト限界を含み、前記少なくとも1つの構成要素がその構成要素交換限界に対して良好に試験している程度のインジケーションは、構成要素試験性能がそのソフト限界とその構成要素交換限界との間にあるかどうかを含む、項目12に記載の医療流体送達システム。
(項目20)
前記コンピュータは、そのソフト限界およびその構成要素交換限界に対する前記少なくとも1つの構成要素試験性能を示す少なくとも1つの試験性能グラフを生成するようにプログラムされる、項目19に記載の医療流体送達システム。
(項目21)
前記コンピュータは、前記少なくとも1つの構成要素試験性能がそのソフト限界とその構成要素交換限界との間にあるとき、構成要素試験性能がその交換限界に到達するであろうときの推定値を生成するようにプログラムされる、項目19に記載の医療流体送達システム。
(項目22)
前記コンピュータは、遠隔コンピュータであり、前記医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して前記遠隔コンピュータとデータ通信し、そのソフト限界とその構成要素交換限界との間の試験性能を有する各構成要素を示す前記コンピュータによって提供されるファイルを含む、項目19に記載の医療流体送達システム。
(項目23)
前記コンピュータは、遠隔コンピュータであり、前記医療流体送達機械は、少なくとも1つのサーバを介して前記遠隔コンピュータとデータ通信し、そのソフト限界とその構成要素交換限界との間の試験性能を有する各機械の各構成要素を示す前記コンピュータによって提供されるファイルを含む、項目19に記載の医療流体送達システム。
(項目24)
前記コンピュータは、各処置が前記医療流体送達デバイスによって実施された後、前記構成要素と関連付けられる前記試験データを受信する、項目12に記載の医療流体送達システム。
(項目25)
医療流体送達システムであって、
関連付けられる出力データおよび関連付けられる試験データを産出する少なくとも1つの構成要素を含む医療流体送達機械と、
前記少なくとも1つの構成要素に関する少なくとも1つの構成要素出力交換限界と、
前記少なくとも1つの構成要素に関する少なくとも1つの構成要素試験交換限界と、
前記少なくとも1つの構成要素出力交換限界および前記少なくとも1つの構成要素試験交換限界を記憶し、かつ前記出力データおよび前記試験データを分析し、前記少なくとも1つの構成要素がその構成要素出力交換限界に対して良好に機能している程度の第1のインジケーションおよび前記少なくとも1つの構成要素がその前記構成要素試験交換限界に対して良好に試験している程度の第2のインジケーションを提供するようにプログラムされる、コンピュータと
を備える、医療流体送達システム。
(項目26)
医療流体送達システムであって、
関連付けられる出力データまたは関連付けられる試験データのうちの少なくとも1つを産出する構成要素を含む、医療流体送達機械と、
(i)前記構成要素に関する構成要素出力交換限界または構成要素出力ソフト限界または(ii)前記構成要素に関する構成要素試験交換限界または構成要素試験ソフト限界のうちの少なくとも1つと、
(i)または(ii)のうちの少なくとも1つを記憶し、かつ(i)に関して前記出力データを分析し、前記構成要素が前記構成要素出力交換限界および前記構成要素出力ソフト限界に対して良好に機能している程度の第1のインジケーションを提供し、(ii)に関して前記試験データを分析し、前記少なくとも1つの構成要素が前記構成要素試験交換限界および前記構成要素試験ソフト限界に対して良好に試験している程度の第2のインジケーションを提供するようにプログラムされる、コンピュータと
を備える、医療流体送達システム。
(項目27)
医療流体送達システムであって、
処置毎に、少なくとも1つの濃縮物を所望の医療流体処置のために好適にされた水と混合し、医療流体を形成するために、複数の処置にわたって使い捨てセットを用いて動作する医療流体送達機械と、
前記医療流体送達機械によって混合された前記医療流体の正確度を試験するように構成されるセンサであって、前記センサは、混合正確度出力を生産する、センサと、
前記センサによって提供された前記混合正確度出力を分析し、前記使い捨てセットが交換される必要があるかどうかを決定するようにプログラムされるコンピュータと
を備える、医療流体送達システム。
(項目28)
前記コンピュータは、ローリング平均を使用し、前記使い捨てセットが交換される必要があるかどうかを決定するようにプログラムされる、項目28に記載の医療流体送達システム。
(項目29)
前記コンピュータは、前記医療流体送達機械のためのコンピュータまたは前記医療流体送達機械から遠隔に位置するコンピュータである、項目28に記載の医療流体送達システム。
(項目30)
前記コンピュータは、前記使い捨てセットが(i)現在交換される必要があるか、または(ii)将来の処置のために交換される必要があるかのうちの少なくとも1つを決定するようにプログラムされる、項目28に記載の医療流体送達システム。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】
図1は、本開示の医療流体送達機械の一実施形態の概略図である。
【0074】
【
図2】
図2は、
図1の医療流体送達機械の一実施形態と併用するための血液セットを図示する、斜視図である。
【0075】
【
図3】
図3は、データがそのような機械から取得され得るように、本開示の医療流体送達機械を組み込むシステムに関する一実施形態を図示する、概略図である。
【0076】
【
図4】
図4は、
図3のシステムにおいて実装され、本明細書に議論される保守形態実施形態のうちのいずれかを使用し得る、サイクラと、したがって、使い捨てセットとを含む、腹膜透析システムの一実施形態の斜視図である。
【0077】
【
図5】
図5は、本開示の保守形態に関する一実施形態を図示する、プロットである。
【0078】
【
図6】
図6は、その構成要素のうちのどれが本開示のソフト限界またはそれを下回る出力メトリックを有するかを示す、単一の機械に関する監視モード画面を図示する。
【0079】
【
図7】
図7は、どの機械が本開示のソフト限界またはそれを下回る出力メトリックを伴う少なくとも1つの構成要素を有するかを示す、複数の機械に関するフラグまたは監視モード画面を図示する。
【0080】
【
図8】
図8は、複数の交換サイクルにわたる機械構成要素に関するチャート化データを示す、スクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0081】
本明細書に説明される実施例は、血液、透析流体、代替液、および/または静脈内薬物(「IV」)等の医療流体を送達する、任意の医療流体送達システムに適用可能である。実施例は、特に、本明細書では、集合的に、または概して、個別に腎不全治療と称される、全ての形態の血液透析(「HD」)、血液濾過(「HF」)、血液透析濾過(「HDF」)、持続的腎置換治療(「CRRT」)、および腹膜透析(「PD」)等の腎臓不全治療のために非常に好適である。さらに、本明細書に説明される機械および保守形態は、臨床または在宅設定において使用されてもよい。例えば、本開示の保守形態で動作する機械は、1日全体を通して事実上連続的に起動する、センター内HD機械において採用されてもよい。代替として、本開示の保守形態は、例えば、患者が眠っている間の夜に起動され得る、在宅HD機械において使用されてもよい。
【0082】
ここで
図1を参照すると、本開示の保守形態で動作する医療流体送達システム10に関するHDフロー概略図の実施例が、図示される。
図1のHDシステムは、比較的に複雑であるため、
図1およびその議論はまた、上記に議論される腎不全治療モダリティのうちのいずれかおよびIVまたは薬物送達機械のためのサポートも提供する。概して、非常に簡略化されたバージョンの透析流体またはプロセス流体送達回路を有するシステム10が、示される。血液回路もまた、簡略化されるが、透析流体回路が簡略化されるほどではない。回路は、本開示の説明をより容易にするために簡略化されており、本システムは、実装される場合、上記の参照することによって組み込まれる刊行物に見出されるもの等の付加的構造および機能性を有するであろうことを理解されたい。
【0083】
図1のシステム10は、血液回路20を含む。血液回路20は、患者12から血液を引動し、それに血液を戻す。血液は、動脈ライン14を介して患者12から引動され、静脈ライン16を介して患者に戻される。動脈ライン14は、患者12と採血連通する、動脈針14bに接続する動脈ラインコネクタ14aを含む。静脈ライン16は、患者と返血連通する、静脈針16bに接続する静脈ラインコネクタ16aを含む。動脈および静脈ライン14および16はまた、ばね荷重フェールセーフ機械的ピンチクランプであり得る、ラインクランプ18aおよび18vを含む。ラインクランプ18aおよび18vは、一実施形態では、緊急状況において自動的に閉鎖される。
【0084】
動脈および静脈ライン14および16はまた、それぞれ、超音波空気検出器であり得る、空気または気泡検出器22aおよび22vを含む。空気または気泡検出器22aおよび22vは、それぞれ、動脈および静脈ライン14および16内の空気を探求する。空気が空気検出器22aおよび22vのうちの1つによって検出される場合、システム10は、ラインクランプ18aおよび18vを閉鎖し、血液および透析流体ポンプを一時停止させ、処置が再開され得るように空気を一掃するように患者に命令を提供する。
【0085】
血液ポンプ30が、図示される実施形態では、動脈ライン14内に位置する。図示される実施形態では、血液ポンプ30は、第1の血液ポンプポッド30aと、第2の血液ポンプポッド30bとを含む。血液ポンプポッド30aは、入口弁32iおよび出口弁32oとともに動作する。血液ポンプポッド30bは、入口弁34iおよび出口弁34oとともに動作する。ある実施形態では、血液ポンプポッド30aおよび30bは、それぞれ、シェル内に位置する可撓性ダイヤフラムを伴う、例えば、球形の硬質外側シェルを含む血液容器であり、ダイヤフラムポンプを形成する。各ダイヤフラムの片側は、血液を受容する一方、各ダイヤフラムの他方の側は、正および負の空気圧によって動作される。血液ポンプ30は、代替として、動脈ライン14管とともに動作する蠕動ポンプである。
【0086】
ヘパリンバイアル24およびヘパリンポンプ26が、図示される実施形態では、血液ポンプ30と血液濾過器40(例えば、透析器)との間に位置する。ヘパリンポンプ26は、空気圧ポンプまたはシリンジポンプ(例えば、ステッパモータ駆動シリンジポンプ)であり得る。血液濾過器40の上流にヘパリンを供給することは、濾過器の膜の凝固を防止することに役立つ。
【0087】
一次制御プロセッサ(「ACPU」)または制御ユニット50が、1つ以上のプロセッサおよびメモリを含む。制御ユニット50は、空気検出器22aおよび22v(および温度センサ、血液漏出検出器、伝導率センサ、圧力センサ、およびアクセス切断トランスデューサ102、104等のシステム10の他のセンサ)から空気検出信号を受信し、ラインクランプ18aおよび18v、血液ポンプ30、ヘパリンポンプ26、および透析流体ポンプ等の構成要素を制御する。静脈ライン16を介して血液濾過器40から退出する血液は、空気トラップ28を通して流動する。空気トラップ28は、透析された血液が静脈ライン16を介して患者12に戻される前に、血液から空気を除去する。
【0088】
図1のシステム10の血液透析バージョンでは、透析流体または透析液は、血液濾過器40の膜の外側に沿って圧送される一方、血液は、血液濾過器膜の内側を通して圧送される。透析流体または透析液は、水浄化ユニット60を介した水の浄化を始めとして調製される。1つの好適な水浄化ユニットが、「Water Purification System and Method」と題され、2011年4月25日に出願された米国特許公開第2011/0197971号(その全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれ、依拠される)に記載されている。一実施形態では、水浄化ユニットは、水が、一実装では、0.03エンドトキシン単位/ml(「EU/ml」)を下回り、0.1コロニー形成単位/ml(「CFU/ml」)を下回るように、水道水を浄化する(例えば、病原体および塩素等のイオンを除去する)ための濾過器および他の構造を含む。水浄化ユニット60は、血液回路20と、透析流体回路70とを含む、血液透析機械の筐体またはシャーシとは別個の筐体内に提供されてもよい。
【0089】
透析流体回路70が、図示を容易にするために、再び、
図1において大幅に簡略化される。現実における透析流体回路70は、上記の参照することによって組み込まれる刊行物に記載される関連構造および機能性の全てを含んでもよい。透析流体回路70のある特徴が、
図1に図示される。図示される実施形態では、透析流体回路70は、血液濾過器行き透析流体ポンプ64を含む。ポンプ64は、一実施形態では、血液ポンプ30と同一に構成される。ポンプ64は、ポンプ30のように、それぞれ、入口弁68iおよび出口弁68oを有する、ポンプポッド66の対を含み、これは、再び、球状に構成され得る。2つのポンプポッドは、血液ポンプ30のように、一方のポンプポッドがHD透析流体を用いて充填する一方、他方のポンプポッドがHD透析流体を放出するように交互に動作される。
【0090】
ポンプ64は、血液濾過器行き透析流体ポンプである。使用された透析流体を排出するように押動するために、排出ライン82に位置する弁98iおよび98oとともに動作する別の二重ポッドポンプチャンバ96が存在する。重炭酸塩カートリッジ72を通してポンプ浄化水を圧送するための第3のポッドポンプ(図示せず)が存在する。酸容器74から混合ライン62の中に酸を圧送するために使用される第4のポッドポンプ(図示せず)が存在する。第3および第4のポンプ、すなわち、濃縮物ポンプは、一実施形態では、混合ライン62と血液濾過器行き透析流体ポンプ64との間の緩衝透析流体タンク(図示せず)に起因して、連続圧送が混合ライン62においてあまり重要ではないため、単一のポッドポンプであってもよい。
【0091】
排出ライン82において提供される第5のポッドポンプ(図示せず)が、HD治療が提供されるときに既知の量の限外濾過(「UF」)を除去するために使用される。システム10は、限外濾過液が患者から除去された量を制御および把握するために、UFポンプを追跡する。システム10は、必要な量の限外濾過液が処置の終わりまでに患者から除去されることを確実にする。
【0092】
上記に説明されるポンプはそれぞれ、代替として、圧送管とともに動作する蠕動ポンプであってもよい。該当する場合、システム弁は、依然として、本開示の特徴に従って空気圧で作動されてもよい。
【0093】
一実施形態では、水浄化ユニット60からの浄化水は、重炭酸塩カートリッジ72を通して混合ライン62に沿って圧送される。容器74からの酸が、混合ライン62に沿って、重炭酸塩カートリッジ72から流動する重炭酸塩水の中に圧送され、電解的かつ生理学的に適合性の透析流体溶液を形成する。浄化水を重炭酸塩および酸と適切に混合するために使用されるポンプおよび温度補償伝導率センサは、図示されないが、上記の参照することによって組み込まれる刊行物に詳細に開示されている。
【0094】
図1はまた、透析流体が血液濾過器40に到達する前に、ヒータ78および限外濾過器80を通して新鮮な透析流体ライン76に沿って圧送され、その後で使用された透析流体が排出ライン82を介して排出されるように圧送されることを図示する。ヒータ78は、透析流体を体温または約37℃まで加熱する。限外濾過器80はさらに、血液濾過器40に到達する前に透析流体を清浄にし、浄化し、透析流体から、例えば、重炭酸塩カートリッジ72または酸容器74を介して導入される微生物または汚染物質を濾過する。
【0095】
透析流体回路70はまた、図示される実施形態では、サンプルポート84を含む。透析流体回路70はさらに、血液漏出検出器(図示されないが、血液濾過器40の繊維が断裂しているかどうかを検出するために使用される)と、全てが上記の参照することによって組み込まれる刊行物に詳細に例証および説明される、平衡チャンバ、複数の透析流体弁、および透析流体保持タンク等の図示されない他の構成要素とを含むであろう。
【0096】
図示される実施形態では、血液透析システム10は、透析流体を血液濾過器を通して一度圧送し、次いで、使用された透析流体を排出するように圧送する、直結通過システムである。血液回路20および透析流体回路70は両方とも、血液回路20および透析流体回路70が再使用され得るように、各処置後に温水消毒されてもよい。一実装では、血液濾過器40を含む血液回路20は、約1カ月にわたって毎日温水消毒および再使用される一方、透析流体回路70は、約6カ月にわたって温水消毒および再使用される。
【0097】
代替実施形態では、例えば、CRRTに関して、滅菌された透析流体または注入液の複数のバッグが、ともにまとめられ、次々と使用される。そのような場合では、空の供給バッグは、排出または使用済み流体バッグとしての役割を果たすことができる。
【0098】
システム10の機械90は、
図1の破線によって示されるようなエンクロージャを含む。機械90のエンクロージャは、処置のタイプ、処置がセンター内であるかまたは在宅処置であるか、および透析流体/注入液供給がバッチタイプ(例えば、袋詰め)であるかまたは直結であるかに応じて変動する。
【0099】
図2は、
図1のシステム10の機械90が血液セット100とともに動作し得ることを図示する。血液セット100は、動脈ライン14と、静脈ライン16と、ヘパリンバイアル24と、ヘパリンポンプ26/血液ポンプ30と、血液濾過器40(例えば、透析器)とを含む。空気トラップ28が、患者12に戻される前に血液から空気を除去するために、静脈ライン16に位置してもよい。空気検出器22aおよび22vが、それぞれ、動作のために動脈および静脈ライン14および16に接触する。
【0100】
図1および2では、ポンプ26、30(30aおよび30b)、64、96(および図示されない他のポンプ)のうちのいずれかおよび弁32i、32o、34i、34o、68i、68o、98i、および98o等の弁のうちのいずれかが、空気圧で作動されてもよい。ある実施形態では、ポンプおよび弁はそれぞれ、可撓性膜によって分離される、流体側および空気側を有する。負の空気圧が、流体をポンプチャンバの中に引き込むために、または弁を開放するために、膜の空気側に印加され得る(またはポンプまたは弁は、正の閉鎖圧力を大気に通気し、流体圧力が開放することを可能にすることによって開放され得る)。正の空気圧が、ポンプチャンバから流体を放出するために、または弁を閉鎖するために、膜の空気側に印加される。
【0101】
ここで
図3を参照すると、より大きいプラットフォームシステム110内で動作するシステム10が、図示される。システム110は、多くの医療流体送達機械90、したがって、多くの関連付けられる医療流体送達機械システム10を組み込む。プラットフォームシステム110の機械90は、同一のタイプ(例えば、全てHD機械)であってもよい、または異なるタイプ(例えば、HD、PD、CRRT、医療送達の混合)であってもよい。
【0102】
単一の医療流体送達機械90が、コネクティビティサーバ118と通信するものとして図示されるが、システム110は、同一のタイプまたは上記に列挙される異なるタイプの複数の医療流体送達機械の動作を監督する。例えば、サーバ118に接続され、システム110とともに動作する、M個の数の血液透析機械90、N個の数の血液濾過機械90、O個の数のCRRT機械90、P個の数の腹膜透析機械90、Q個の数の在宅薬物送達機械90、およびR個の数の栄養在宅治療機械90が存在してもよい。MからRまでの数は、同一または異なる数であってもよく、ゼロ、1、または1を上回るものであってもよい。
図3では、医療流体送達機械90は、在宅治療機械90として図示される。しかしながら、下記に議論されるように、医療流体送達機械90は、(破線によって示される)自宅で使用される必要性はなく、代わりに、病院または診療所で使用されてもよい。
【0103】
在宅治療機械90は、その前端部において、上記に議論されるような水処理デバイス60から浄化水を受容し得る。水処理デバイス60は、ある実施形態では、イーサネット(登録商標)ケーブルを介して在宅治療機械90に接続する。図示される実施形態におけるシステム110の在宅治療機械90は、血圧モニタ104、計量器、例えば、無線計量器106、および無線タブレットユーザインターフェース122等のユーザインターフェース等の水処理デバイス60以外の他のデバイスとともに動作する。在宅治療機械90は、一実施形態では、モデム102を介して無線でサーバ118に接続する。これらの構成要素はそれぞれ、(そうである必要性はないが)
図3の破線によって境界画定されるように、患者の自宅内に位置してもよい。構成要素60、104、106、および122のうちのいずれか1つ、それよりも多くのもの、または全ては、在宅治療機械90と有線または無線で通信してもよい。無線通信は、Bluetooth(登録商標)、WiFi(TM)、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(R)、無線ユニバーサルシリアルバス(「USB」)、赤外線、または任意の他の好適な無線通信技術を介してであってもよい。代替として、構成要素60、104、106、および122のうちのいずれか1つ、それよりも多くのもの、または全ては、有線通信を介して在宅治療機械90と通信してもよい。
【0104】
コネクティビティサーバ118は、在宅医療デバイスシステムハブ120を介して在宅医療デバイスシステム110の多くと通信する。システムハブ120は、各在宅治療機械90およびその周辺機器に関するデータおよび情報が、機械90とサーバ118に接続される他のクライアントとの間でコネクティビティサーバ118を介して行き来することを可能にする。図示される実施形態では、システムハブ120は、サービスポータル130、企業リソース計画システム140、ウェブポータル150、ビジネスインテリジェンスポータル160、HIPAA準拠データベース124、製品開発チーム128、および電子医療記録データベース126a-126nに接続される。
【0105】
電子医療記録(「EMR」)データベース126a-126nは、患者に関する電子情報を記憶する。システムハブ120は、機械90のログファイルから収集されたデータを病院または診療所データベース126a-126nに送信し、その患者の医療記録を併合または補完してもよい。データベース126a-126nは、患者特有処置および処方データを含有してもよく、したがって、そのようなデータベースへのアクセスは、高度に制限されてもよい。企業リソース計画システム140は、苦情、請求情報、およびライフサイクル管理情報等の患者および臨床医ウェブサイトアクセスを介して生成されたデータを取得およびコンパイルする。ウェブポータル150は、患者および患者を処置する診療所152a-152nが、システム110のユーザのために公的に利用可能なウェブサイトにアクセスすることを可能にする。ビジネスインテリジェンスポータル160は、システムハブ120からデータを収集し、データをマーケティング162、研究および開発164、および品質/医薬品安全性監視166に提供する。
【0106】
本明細書に説明されるシステム、方法、およびプロシージャは、1つ以上のコンピュータプログラムまたはコンポーネントを使用して実装され得ることを理解されたい。コンポーネントのプログラムは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読取専用メモリ(「ROM」)、フラッシュメモリ、磁気または光学ディスク、光学メモリ、または他の記憶媒体を含む、任意の従来のコンピュータ可読媒体上の一連のコンピュータ命令として提供されてもよい。命令は、一連のコンピュータ命令を実行すると、開示される方法およびプロシージャの全てまたは一部を実施する、またはその実施を促進する、プロセッサによって実行されるように構成されてもよい。
【0107】
一実施形態では、在宅治療機械90は、患者の自宅で患者に在宅血液透析等の在宅処置を実施し、次いで、その処置の結果を、その患者の健康および福祉を管理することに関与する臨床医、医師、および看護師に報告する。処置の結果は、治療機械からのデータと、水処理デバイス60を含むその周辺機器からのデータとを含んでもよい。水処理デバイス60のデータは、例えば、送達された水の合計体積、送達された水の品質(例えば、塩素含有量)、一連の処置にわたって異なる時間に水処理デバイス60が水を治療機械90に送達した回数(本データは、デバイス60または機械90によって監視され得る)、送達された水の平均流率、水処理デバイス60が処置にわたって被った任意のアラームまたはアラート、および/または、例えば、構成要素交換情報に関する一連の処置にわたる時間の量または実施されたサイクルの数を含んでもよい。
【0108】
ある実施形態における在宅治療機械90は、例えば、Linux(登録商標)オペレーティングシステムを使用してログファイルを書き込む。ログファイルは、周辺デバイスデータを含む、関連する在宅治療機械90のデータを文書化する。ログファイルは、拡張マークアップ言語(「XML」)、コンマ区切り値(「CSV」)、またはテキストファイルのうちのいずれか1つ以上のものを含んでもよい。ログファイルは、在宅治療機械90のソフトウェアのファイルサーバボックスの中に設置される。また、機械90に送信されないデータを、周辺デバイス、例えば、水処理デバイス60において記憶することも、考慮される。そのようなデータは、別様に周辺デバイスへの有線または無線接続を介して取得される、または他のデータ接続または記憶媒体を通してダウンロードされてもよい。例えば、保守担当者は、例えば、イーサネット(登録商標)接続を介して、水処理デバイス60または無線計量器106に接続されるラップトップを介して付加的データにアクセスすることができる。または、付加的データは、周辺デバイスから遠隔に読み出されてもよく、在宅治療機械90は、周辺デバイスとシステム110の認可されたクライアントとの間のデータ転送通信路としての役割を果たす。
【0109】
一実施形態では、在宅治療機械90は、例えば、インターネットを介して、コネクティビティサービスを使用し、モデム102とシステムハブ120との間でデータを転送する。ここでは、専用回線が、在宅治療機械90をモデム102を介してコネクティビティサーバ118に接続するために、各患者の自宅において提供されてもよい。一実施形態における在宅治療機械90は、別個の、例えば、3G、4G、または5Gモデム102を使用してインターネットにアクセスする。モデム102は、Vodafone(TM)等のインターネットサービスプロバイダ(ISP)を使用してもよい。一実装では、コネクティビティサービスプロバイダ(例えば、コネクティビティサーバ118のプロバイダ)によって開発されたコネクティビティエージェント114が、在宅治療機械90上にインストールされ、機械のACPU50上で起動される。1つの好適なコネクティビティサービスは、Axeda(TM)によって提供され、これは、医療デバイスとコネクティビティサーバ118との間にセキュアに管理される接続116を提供する。
【0110】
コネクティビティエージェント114は、在宅治療機械90が、コネクティビティサーバ118に接続し、データをコネクティビティサーバ118に、およびそれから転送することを可能にする。エージェント114およびサーバ118を介して動作するコネクティビティサービスは、機械90との接続がセキュアであることを確実にし、データが機械90のファイアウォールを正しく通過することを確実にし、データまたはシステムクラッシュが存在しているかどうかをチェックし、コネクティビティサーバ118が正しい在宅治療機械90と通信していることを確実にする。
【0111】
一実施形態では、在宅治療機械90は、コネクティビティエージェント114がオンにされる、またはアクティブ化されているときのみコネクティビティサーバ118に接続してもよい。処置および処置後消毒の間、機械90およびその周辺機器が機能している間に、一実施形態では、コネクティビティエージェント114は、オフにされ、これは、処置および消毒の間、または機械90が作動中である、または起動しているとき、在宅治療機械90がなんらかのエンティティと通信すること、または、データを送信または受信することを防止する。在宅治療機械90がアイドル状態であるとき、例えば、処置および事後消毒が完了した後、ACPU112は、一実施形態では、コネクティビティエージェント114をオンにする。ある実施形態では、コネクティビティエージェント114は、処置(事前処置を含む)の間のみオフである。処置後、コネクティビティエージェント114は、コネクティビティサービスを使用して、在宅治療機械90からログファイルを読み出し、データをコネクティビティサーバ118に転送する。コネクティビティサービスは、データパケットをそれらの適切な宛先にルーティングするが、一実施形態では、データを修正しない、それにアクセスしない、またはそれを暗号化しない。
【0112】
図3のシステム110では、コネクティビティサーバ118を介したコネクティビティサービスは、システムハブ120を介して、サービスポータル130、診療所または病院126a-126n、およびウェブポータル150等の種々の場所にデータを通信してもよい。コネクティビティサーバ118は、保守人員132a-132nおよび/または臨床医が、適切な在宅治療機械90および3G、4G、または5Gモデム102等のネットワークを横断する種々のアセットおよび機械またはモデムシリアル番号を含むそれらの関連付けられる情報を追跡し、読み出すことを可能にする。コネクティビティサーバ118はまた、保守人員の監督者134によって承認され、サービスポータル130を介して遠隔に取得されるファームウェアアップグレードを受信し、それを認可された在宅治療機械90および水処理デバイス60等の関連付けられる周辺機器に提供するために使用されてもよい。
【0113】
本明細書に説明される保守形態は、
図3を閲覧すると、複数の場所で実施されてもよい。医療流体送達機械90が在宅治療機械であるとき、保守形態または本開示は、保守人員132a-132nのコンピュータにおいて、または医師または臨床医126a-126nのコンピュータにおいて提供されてもよい。自宅における患者は、概して、病院または診療所126a-126nと関連付けられる。その病院または診療所は、その独自の機械を保守することを決定してもよく、その場合では、本開示の保守形態は、医師または臨床医126a-126nのコンピュータにおいて提供される。または、その病院または診療所は、全体的システム110と関連付けられる機械製造業者に機械を保守させることを決定してもよく、その場合では、本開示の保守形態は、保守人員132a-132nのコンピュータにおいて提供される(但し、医師または臨床医126a-126nのコンピュータにおいて依然として閲覧可能であってもよい)。
【0114】
別の実施形態では、医療流体送達機械90は、患者の自宅において提供されず、代わりに、病院または診療所126a-126nにおいて提供される。ここでは、病院または診療所は、3つの選択肢、すなわち、(i)本開示の保守形態が保守人員132a-132のコンピュータにおいて提供されるように、病院または診療所が、機械を保守するように全体的システム110と関連付けられる機械製造業者と契約する、(ii)病院または診療所が、その独自の機械を保守し、本開示の保守形態を医師または臨床医126a-126nのコンピュータにおいて提供する、または(iii)病院または診療所が、その独自の機械を保守し、本開示の保守形態を機械90自体において提供することを有する。選択肢(iii)では、機械90は、そうである必要性はないが、例えば、コネクティビティサーバ118またはシステムハブ120を使用して、本明細書に説明されるネットワーキングを有してもよい。
【0115】
透析器40は、ある血液透析システムと併用されるときに単一の構成要素であり、他の血液透析システムと併用されるときに多処置構成要素である構成要素の実施例である。透析器40の複数の使用を要求するシステムに関して、透析器は、上記に議論されるようなクリアランスおよび/または完全性試験を受けてもよい。同様に、
図4は、一度だけ、または複数の処置にわたって使い捨てセットを使用するように動作し得る、腹膜透析システム210に関する一実施形態を図示する。腹膜透析システム210は、使い捨てセット220を動作させる、腹膜透析機械またはサイクラ212を含む。使い捨てセット220は、可撓性プラスチックシートダイヤフラムまたは膜226によって両面上をシールされる硬質プラスチック中間区分224を含み得る、使い捨て圧送カセット222を含む。硬質プラスチック中間区分224は、ポンプおよび弁チャンバ、剛性流体流路、および使い捨てセット220の管類228および溶液バッグ230と関連付けられる管類232と噛合するためのポートを画定する。一実施形態における管類228は、患者、ドレイン、および使い捨てセット220のヒータバッグ234へと延設される。
【0116】
使用時、ヒータバッグ234は、サイクラ212の加熱トレイ214上に設置される。使用時ではないとき、
図4に図示されるように、サイクラ212のユーザインターフェース216が、加熱トレイ214の中に折畳され、サイクラ212の蓋によって被覆される。使用時、使い捨て圧送カセット222が、サイクラ212のポンプおよび弁作動面積218に対して装填される。膨張可能ブラダおよび押板240を含む扉が、閉鎖および加圧され、サイクラ212のポンプおよび弁作動面積218とともに動作するように使い捨て圧送カセット222を押動する。ある実施形態では、使い捨て圧送カセット222の流体ポンプおよび弁は、空気圧で作動される。代替として、使い捨て圧送カセット222の流体ポンプおよび弁は、電気機械的に、例えば、蠕動圧送を介して作動される。
【0117】
使い捨てセット220は、一実施形態では、単回使用または処置アイテムであり、単回使用後に廃棄される。別の実施形態では、使い捨てセット220は、複数回再使用される。例えば、使い捨てセット220は、使用間に、化学的に、および/または放射を介して、例えば、紫外線を介して消毒されてもよい。再使用されるとき、本開示のソフトおよびハード限界が、採用されてもよい。例えば、使い捨て圧送カセット222、管類228、232、溶液バッグ230、およびヒータバッグ234は、それぞれ、各処置後に1つ以上の共通のまたは個別化された完全性試験を受けてもよい。ソフト限界は、例えば、測定された完全性の空気圧が、ある期間内にある量だけ降下すると、トリガされ得る。使い捨てセット220は、ソフト限界に到達した後に依然として再使用されてもよいが、患者またはユーザは、使い捨てセットがすぐに交換される必要があるであろうことを通告される。別の実施形態では、患者またはユーザは、ソフト限界に到達すると、使い捨てセットを交換するように指示される。
【0118】
別の実施例では、圧送性能は、処置の前、その間、および/またはその後に測定される。ここでは、サイクラ212は、使い捨て圧送カセット222のポンプチャンバまたは弁チャンバが、ある期間内にそのストローク終了位置に到達するはずであることを予期し得る。サイクラ212は、膜226が硬質プラスチック中間区分224のポンプまたは弁チャンバ壁に突き当たると起こる圧力スパイクを探求することによって、ストローク終了位置を感知し得る。膜226が複数の処置にわたってますます使用された状態になるにつれて、これは、同一の印加動作圧力に対して見られるように、より長い期間が、膜226がストローク終了位置に突き当たるために必要とされるように、摩耗する傾向にあり得る。ここでは、ソフト限界は、膜226の性能が、例えば、20パーセントだけ劣化しているときにトリガするように設定されてもよい。そのようなときに、患者またはユーザは、使い捨てセット220を交換するように、またはすぐに使い捨てセット220を交換するように準備するように指示され得る。ストローク終了性能測定は、膜226が硬質プラスチック中間区分224に突き当たるように正圧を使用して、膜226がポンプおよび弁界面218に対して外向きに突き当たるように負圧を使用して、または両方を使用して行われてもよい。
【0119】
電気機械的実施例では、例えば、蠕動ポンプが使用されるとき、性能メトリックは、出力圧力であってもよい。ある圧力出力が、蠕動ポンプのある回転ポンプ速度において提供されることが予期され得る。圧力出力が、複数の処置にわたって摩耗する蠕動ポンプ管に起因して減少すると、ソフト限界、例えば、20パーセント圧力損失が、トリガされ得る。そのようなときに、患者またはユーザは、使い捨てセットを交換するように、またはすぐに使い捨てセットを交換するように準備するように指示され得る。蠕動ポンプ性能測定は、電気機械的ポンプの正圧出力を使用して、電気機械的ポンプの負圧入力を使用して、または両方を使用して行われてもよい。
【0120】
別の実施例では、正圧下にあるときに閉鎖されたままであるような使い捨て圧送カセット222の弁の能力が、評価されてもよい。ここでは、流体を事前注入されたときのカセット222の弁が、空気圧で、例えば、5psigの正圧下で閉鎖されてもよい。閉鎖された弁は、次いで、例えば、3psigで開始し、逓増する、弁と流体連通するポンプチャンバの作動を介したその中からの流体圧力を受ける。弁は、圧送圧力が5psigの弁保持圧力を超えると開放されるであろうことが予期される。これが起こると、流体がここで弁を通して進行し得るため、測定可能圧力降下が、ポンプチャンバにおいて起こるであろう。しかし、弁開放を示す測定された圧力降下が、5psigの弁閉鎖圧力に到達する前に起こる場合、これは、不適切に着座された弁または摩耗した弁膜226を示し得る。弁保持圧力が、例えば、いずれかの理由で弁閉鎖圧力の20パーセントまで減少すると、ソフト限界が、トリガされ得る。そのようなときに、患者またはユーザは、使い捨てセット220を交換するように、またはすぐに使い捨てセット220を交換するように準備するように指示され得る。
【0121】
さらなる実施例では、溶液を適切に混合するように空気圧で作動される、または電気機械的に駆動される流体ポンプの能力が、監視される。1つ以上の伝導率センサが、例えば、サイクラ212(または血液透析機械90)が正しい割合における1つ以上の濃縮物を、実施されている処置が何であっても好適であるように浄化された水と混合していることを検証するために使用されてもよい。ここでは、本開示のソフトおよびハード限界システムおよび方法論は、(そうである必要性はないが)ソフト限界に到達しているかどうかを決定するために、加重傾向または複数の日および/または処置にわたる傾向を探求してもよい。例えば、移動平均3日または処置傾向が、命令された伝導率のある正確度パーセンテージを下回る、例えば、95パーセント正確度またはそれを下回る場合、ソフト限界に到達する。そのようなときに、患者またはユーザは、使い捨てセットを交換するように、またはすぐに使い捨てセットを交換するように準備するように指示され得る。加重傾向は、規定された正確度レベルを下回る1つ以上の混合伝導率結果が、ソフト限界をトリガすることなく生じることを可能にする。3日平均傾向では、例えば、3日で96%、96%、および94%の混合伝導率正確度を生じる場合、95.3%の平均は、ソフト限界がトリガされないように、95%の正確度限界を上回ったままである。しかし、次の日もまた、例えば、94%の混合伝導率正確度を産出する場合、現在の3日の結果は、96%、94%、および94%になり、94.7%の平均を生じ、これは、本開示のソフト限界をトリガする。混合物が、過剰反応しないように、それによって、使い捨てセットの寿命を延長するように、移動平均は、異常が典型的に起こる状況では、例えば、完全に均質ではない場合がある混合状況では、異常が起こることを可能にする。
【0122】
図4の腹膜透析システム210と関連して議論される実施例はそれぞれ、本明細書に議論される任意の血液清浄化モダリティ、例えば、医療流体送達機械90および/または血液セット100を採用するものに等しく適用可能であることを理解されたい。
図2は、例えば、空気圧完全性および性能試験、圧送出力試験、および/またはちょうど説明されたような混合正確度試験を受け得る、空気圧で動作される血液セット100を示す。
【0123】
ここで
図5を参照すると、図示されるような保守形態は、保守人員132a-132(
図3)のコンピュータにおいて、医師または臨床医126a-126n(
図3)のコンピュータにおいて、および/または機械90(
図3)および/または212(
図4)自体の上に実装されてもよい。
図5は、本開示の保守形態の実施形態を図示する。構成要素使用カウントが、x軸に沿って提供される一方、構成要素に関する性能メトリックが、y軸に沿って提供される。図示される実施例では、より良好な性能は、y軸に沿ったより大きい数、例えば、限外濾過器80(
図1)を通した流体流率によって示される。
【0124】
図5に図示されるように、第1の構成要素交換シナリオ(1)では、構成要素、例えば、限外濾過器80は、ある数の処置後またはある数の使用時間後に交換される。本シナリオは、構成要素が故障後に使用されないことを確実にするために、処置数限界または使用時間限界が、本シナリオ下で分析される構成要素のそれぞれにおける変動を考慮するために、安全係数を用いて低く設定される必要性があるため、不利である。
【0125】
図5に図示されるように、第2の構成要素交換シナリオ(2)では、構成要素は、これが故障した後に即応に交換される。本シナリオもまた、別の処置が実行され得る前に交換がここでで必要であり、これは、新しい構成要素が復旧される間に機械を非直結にし得るため、不利である。また、構成要素は、処置の間に故障し得、潜在的に、安全性問題を生じる。さらに、構成要素故障は、機械90またはサイクラ212に関して患者、医師、および/または臨床医に否定的な印象を残し得る。
【0126】
図5に図示されるように、本開示の保守形態では、ソフト限界が、ハード限界を上回るある程度の安全係数において設定され、これは、y軸に沿って構成要素故障性能を示す。図示されるようなソフト限界は、概して、保守的時間または使用ベースの限界よりも多くの数の処置または動作時間を可能にするであろう。構成要素がソフト限界において交換される場合であっても、保守的限界に対して、経時的に構成要素寿命の延長および構成要素および保守コストの減少が存在する可能性が高い。
【0127】
しかしながら、ソフト限界に到達するときに構成要素を交換することは、要求されない。ソフト限界は、代わりに、構成要素交換が差し迫っていることを関連する人々に通告する。ソフト限界は、構成要素が構成要素交換限界に対して良好に機能している程度のインジケーションを提供するための本開示による1つの方法である。
【0128】
図5のx軸を構成するために、すなわち、ユニットに構成要素の(i)使用カウント(例えば、処置の数)または(ii)構成要素使用時間(例えば、実際に実施された運用の時間)を表させるための少なくとも2つの方法が存在する。また、y軸に沿った性能メトリックが測定され得る、少なくとも2つの一般的方法も存在する。第1の方法では、機械構成要素の性能メトリックは、構成要素の出力を測定することによって測定される。一実施例では、限外濾過器80が、設定入口流体圧力における限外濾過器から限外濾過器までの浄化流体の出力流率を測定することによって評価されてもよい。第2の方法では、機械構成要素の性能メトリックは、構成要素を試験することによって測定される。一実施例では、限外濾過器80が、圧力試験、例えば、圧力減衰試験を介して評価されてもよい。出力および試験メトリックは両方とも、限外濾過器80の多孔性中空繊維膜を評価する。流率メトリックは、多孔性中空繊維膜が閉塞または遮断されているかどうかを確認するようにチェックする一方、圧力試験メトリックは、多孔性中空繊維膜が漏出しているかどうか、例えば、膜のうちの1つ以上のものに裂け目が存在しているかどうかを確認するようにチェックする。
【0129】
したがって、例えば、データベースを介して、または
図5のもの等のグラフを介して、同一の構成要素、例えば、限外濾過器80に関する2つ以上の性能メトリックを追跡することが、考慮される。アルゴリズムが、次いで、性能メトリックのうちのいずれかが個別のソフト限界または個別のハード限界に到達すると、信号伝達するようにプログラムされる。すなわち、最初に失敗する、または失敗し始めるメトリックが、構成要素の交換を制御する。
【0130】
両方の性能メトリック分析、すなわち、構成要素出力および構成要素試験は、医療流体送達機械90またはサイクラ212を使用して、処置毎に1回以上の回数実施されてもよい。例えば、限外濾過器80の圧力試験は、限外濾過器80が漏出していないことを確実にするために、各処置前に実施されてもよい。限外濾過器80の出力は、例えば、新鮮な透析流体ポンプ64によって提供される設定圧送圧力における、限外濾過器80から透析器40までのライン76(
図1)に沿った新鮮な透析流体の流率である。処置のための平均流率は、透析器40に送達された透析流体の合計量を透析流体ポンプ64が処置の間に起動している合計時間(例えば、アラームのための中断時間を差し引いた合計処置時間等)で除算することによって決定され得る。処置性能メトリックデータの生成は、本開示のソフト限界を監視し、構成要素が構成要素交換限界に対して良好に機能している程度を追跡するために重要である。処置あたり性能データが、上記に議論されるような全体的システム110の所望の場所にアップロードされる、および/または機械90またはサイクラ212において維持されてもよい。
【0131】
以下は、
図5による性能メトリックとして監視され得る出力を有する
図1-4からの構成要素、すなわち、(i)浄化水流率出力を有する水浄化ユニット60の限外濾過器、(ii)浄化水流率出力を有する水浄化ユニット60のポンプ、(iii)塩素除去能力出力を有する水浄化ユニット60の濾過器前パック、(iv)血液流率出力を有する血液ポンプ30、(v)血液流率出力を有する透析器40、(vi)それぞれ、新鮮な水および濃縮物流率出力を有する新鮮な水および濃縮物ポンプ(
図1に図示せず)、(vii)新鮮な透析流体流率出力を有する新鮮な透析流体ポンプ66、(viii)新鮮な透析流体流率出力を有する限外濾過器80、(ix)使用された透析流体流率出力を有する透析器40、(x)使用された透析流体流率出力を有する使用された透析流体ポンプ96、(xi)限外濾過液流率出力を有する限外濾過液ポンプ(
図1に図示せず)、および(xii)血液セット100および使い捨てセット220に関する出力メトリックの非包括的リストである。
【0132】
上記のリストから、新鮮な透析流体流率等のある出力は、複数の構成要素、例えば、新鮮な透析流体ポンプ66および限外濾過器80と関連付けられることを理解されたい。下記に詳細に議論されるように、医療流体送達機械90またはサイクラ212の異なる構成要素に関する特徴的な性能曲線を展開および維持することが、考慮される。同一の出力と関連付けられる2つの異なる構成要素に関する特徴的な性能曲線は、実際の性能曲線がどの構成要素が故障しているかを指示するように十分に異なり得る。例えば、限外濾過器80からの特徴的な出力流率は、
図5のように経時的に傾斜し得る一方、新鮮な透析流体ポンプ66からの特徴的な出力流率は、性能の急激な低下を示し得る。実際の新鮮な透析流体流率の劣化が、特徴的な新鮮な透析流体流率の劣化のうちの1つと合致する場合、対応する構成要素が、原因であると仮定され得る。代替として、保守担当者は、いずれかの構成要素、例えば、保守が実施されるときに必要とされるいずれかの透析流体ポンプ66または限外濾過器80を交換するように準備してもよい。
【0133】
以下は、
図5による性能メトリックとして試験され得る出力を有する、
図1-4からの構成要素、すなわち、(i)水浄化ユニット60の限外濾過器の圧力試験、(ii)既知の脱塩素処理水および/または既知の量の塩素の水を使用する水浄化ユニット60の塩素センサの試験、(iii)ゼロ伝導率の流体および/または既知の伝導率の流体を使用する
図1の透析流体回路70内の任意または全ての伝導率センサの試験、(iv)既知の圧力における試験流体(例えば、空気)を使用する
図1の血液回路20および透析流体回路70と関連付けられる任意または全ての圧力センサ(例えば、空気圧センサ)の試験、(v)
図1の血液回路20および透析流体回路70と関連付けられる任意または全ての弁(例えば、空気圧弁)の漏出試験(例えば、圧力減衰試験)、(vi)
図1の血液回路20および透析流体回路70と関連付けられる任意の流体ライン区分の圧力試験(例えば、圧力減衰)であって、区分は、区画を画定し、ポンプチャンバがライン区画を流体的に加圧することを可能にする流体弁の間に流体ポンプチャンバを含む、(vii)限外濾過器80の圧力試験(例えば、圧力減衰)、(viii)透析器40の膜のクリアランス能力を評価するための当業者に公知の繊維束試験、(ix)透析器40の膜のクリアランス能力を評価するための当業者に公知の伝導率またはナトリウムスパイク試験(例えば、透析器40の上流および下流)、(x)センサを通して空気を取り込んでいることが既知の液体を通過させることを介した空気検出器22aおよび22vの試験、および(xi)血液セット100および使い捨てセット220に実施される試験の非包括的リストである。
【0134】
一実施形態では、構成要素の性能が
図5に図示されるようなソフト限界に到達すると、構成要素は、「監視モード」に置かれる。監視モード構成要素は、種々の方法で必要な個人に通信され得る。
図6は、むしろ、保守担当者または臨床医が、コンピュータにおいて遠隔にではなく、機械自体において情報にアクセスするであろう、診療所126a-126nにおける機械90(またはサイクラ212の画面216)の無線タブレットユーザインターフェース122(
図3)上に提供され得る、監視モード画面242を図示する。監視モード画面242は、一実施形態では、その機械90またはサイクラ212に特有である。監視モード画面242は、その性能データまたは試験データが
図5に図示されるソフト限界まで劣化している、機械90またはサイクラ212の各構成要素を列挙する。構成要素毎に、
図6の例示的監視モード画面242は、(i)構成要素の名称、(ii)機械90またはサイクラ212内の構成要素の場所(例えば、同一の構成要素のうちの複数のもののどれかを規定する)、(iii)製品注文または交換番号、(iv)交換限界前の推測される使用または時間の数、(v)推測される交換限界日付、および(vi)
図5のような性能データまたは試験データ(例えば、推測される交換限界日付も示す)のチャートまたはグラフへのリンクを提供する。
【0135】
図示される実施形態では、構成要素は、交換緊急度によって順序付けられ、最も高い緊急度を有する構成要素が、最上部に列挙される。画面242は、ソフト限界データを精査するように臨床医または保守担当者を促すためのフラグまたはアラートとして機械90(またはサイクラ212の画面216)によって提供されてもよい。代替として、画面242は、臨床医または保守担当者が日常的にチェックするように命令される、機械90(またはサイクラ212の画面216)の保守モードの一部として提供される。
【0136】
推測される使用または時間の交換限界数は、一実施形態では、少なくとも2つのデータ点からの線の傾斜を決定し、チャートのx軸に沿って将来の間隔に関して決定された傾斜において最後のデータ点から線を延在させ、延在された線が水平交換限界線(
図5)に当たる場所を決定し、そこから構成要素故障が起こる前に利用可能であり得る付加的処置または運用時間の数を推定することによって提供される。週末、休日、休業日等を考慮して、1日毎に実施される処置または運用時間の数が把握される場合、推定された付加的処置または運用時間は、加えて、必須構成要素交換の推測される将来の日付に変換され得る。
【0137】
最後の2つのデータ点にわたる線形傾斜を使用することは、反応的すぎると見出される場合がある。故に、代替として、曲線を全ての関連するデータ点に数学的に適合させることが、考慮される。例えば、
図5に図示されるように、曲線が、例えば、10回または11回使用(x軸)において起こる、8の出力(y軸)において始まる、ソフト限界出力(6の出力)を上回る所定のパーセンテージである全ての性能メトリックデータ点に適合され得る。いったん実際の出力がソフト限界出力(19回の構成要素使用における)に当たると、構成要素は、監視モード画面242に追加され、故障までの予測された付加的構成要素使用の数が、提供される。10~19回使用の
図5の線l1の傾斜は、故障前の約27回の合計使用を予測する。しかしながら、いったん監視リスト上に挙げられると、21回および22回使用における性能メトリック出力を考慮する数学的曲線は、24回の合計使用であるように線l2を介して故障(4の出力)までの予測を調節する。22回使用において、保守担当者または他の認可された人員は、したがって、構成要素を迅速に交換すべきことを把握する。
【0138】
ここで
図7を参照すると、保守人員132a-132nのコンピュータおよび/または病院または診療所126a-126nのコンピュータにおいて示される例示的監視モード画面244が、図示される。保守人員132a-132nおよび病院または診療所126a-126nは、複数の機械90またはサイクラ212を監視する。監視モード画面244は、それに応じて、ソフト限界またはそれを下回る性能または試験データを伴う少なくとも1つの構成要素を有する、保守人員132a-132nまたは病院または診療所126a-126nの制御下の各機械を列挙する。一覧毎に、例示的監視モード画面244は、(i)場所(例えば、施設、施設における部屋、または患者の自宅)、(ii)機械識別/タイプ、(iii)その機械に関するソフト限界における構成要素の数、(iv)故障までの最も短い使用/時間の数、および(v)最も早い故障の日付を提供する。再び、監視モード画面244の一覧は、交換緊急度によって順序付けられてもよく、最も高い緊急度を有する構成要素を伴う機械90またはサイクラ212が、最上部に列挙される。
【0139】
図7は、1つの診療所または病院下の異なるタイプの機械、例えば、血液透析機械(「HD」)、腹膜透析機械(「PD」)、注入または大容量ポンプ(「LVP」)、およびCRRT機械を図示する。場所列に関して、診療所場所は、センター内機械90またはサイクラ212に関して列挙され得る一方、患者の名前(例えば、J. Doe、P. Shent)は、在宅機械90またはサイクラ212に関して列挙され得ることに留意されたい。
【0140】
監視モード画面244は、プロンプトとして診療所126a-126nまたは保守人員132のコンピュータにおいてフラグまたはアラートファイルとして提供されてもよい。代替として、臨床医、保守担当者、または他の認可された人物が、日常的に監視モード画面244をチェックする業務を課されてもよい。保守担当者、臨床医、または他の認可された人物が、監視モード画面244上の機械一覧のうちの1つを選択すると、
図6において上記に議論される監視モード画面242と同一または類似する画面が、臨床医コンピュータ126a-126nまたは保守担当者コンピュータ132上に現れ、上記に議論される画面242によって提供される全ての情報を含む、ソフト限界またはそれを下回る性能または試験データを伴う選択された機械の各構成要素を示す。保守担当者、臨床医、または他の認可された人物は、それに応じて、進行する。
【0141】
データにおける傾向を観察する試みにおいて複数のサイクルにわたって性能または試験データを分析および追跡することが、本開示の別の特徴である。例えば、
図6は、特定の機械90(またはサイクラ212の画面216)に関する監視モード画面242が、限外濾過器傾向ボタン246、透析器傾向ボタン248、圧力センサ傾向ボタン250、および空気圧弁傾向ボタン252等の頻繁に交換される構成要素のための傾向ボタンを提供し得ることを示す。傾向ボタンのうちのいずれか、例えば、限外濾過器傾向ボタン246を選択することは、
図8の限外濾過器傾向画面254等の専用傾向画面をユーザにもたらし、これは、機械ユーザインターフェースまたはタブレット122、サイクラ212の画面216、病院または診療所126のコンピュータ、または保守担当者132のコンピュータのうちのいずれかの上に表示されてもよい。
【0142】
限外濾過器傾向画面254は、限外濾過器80(
図1)が、同一の機械90またはサイクラ212上で、および一実施形態では、同一の患者に関して交換された(垂直破線)、4つの異なる連続的事例を図示する。同一の日付に関して、上側プロットは、流率出力を示す一方、下側プロットは、駆動圧力を示す。
図8の限外濾過器傾向画面254を閲覧する保守担当者、臨床医、または他のユーザは、(i)限外濾過器80が特定の患者を処置する特定の機械に関して持続する平均の長さ、(ii)限外濾過器80の交換のすぐ前の流率曲線の状態、および(iii)限外濾過器80の交換のすぐ前の駆動圧力曲線の状態を感知する。画面254の最も右側における、日付02/06/2016~02/18/2016からのプロットを閲覧すると、ユーザは、全ての3つのインジケータ、すなわち、運用の持続時間、流率出力、および要求される駆動圧力が、現在の限外濾過器80が現在良好に機能しており、交換が差し迫っていないことを示すことを確認することができる。類似する結論が、
図6に図示される透析器傾向ボタン248を介した透析器、圧力センサ傾向ボタン250を介した圧力センサ、および空気圧弁傾向ボタン252を介した空気圧弁に関する性能傾向を閲覧して下され得ることが考慮される。
【0143】
図6は、単一の機械90またはサイクラ212に関する傾向ボタンを提供する。機械90またはサイクラ212が自宅において提供される場合、傾向ボタンはまた、単一の患者のためのものであろう。したがって、本開示のシステム10および保守形態は、どの構成要素を患者が最も頻繁に消費しているか、および頻度を追跡することを含む、具体的患者に関する傾向を展開することが、明確に考慮される。1人の患者の傾向を別のものと比較することは、ある構成要素がある患者に関してより速く摩耗する理由を明らかにし得る。そのような分析は、あるタイプの処置または処置処方、例えば、より頻繁な処置、より長い処置、より高い温度処置等が、ある機械構成要素のより頻繁な交換につながるという決定につながり得る。
【0144】
機械90またはサイクラ212が診療所126a-126nにおいて提供される場合、傾向ボタンは、複数の患者のためのものである可能性が高いであろう。複数の患者を処置する機械に関するデータを分析することは、個々の患者を方程式から除外する傾向がある。本データは、システム10が、同一の機械の2つの異なる型、例えば、異なる製造業者またはより古い機械対より新しい機械を比較するために良好である。そのような分析は、機械90またはサイクラ212のあるタイプの型またはブランドが、ある機械構成要素のより頻繁な交換につながるという決定につながり得る。
【0145】
図7は、ユーザが、診療所全体を横断して、複数の診療所を横断して、または製造業者のプラットフォーム全体を横断して同様の機械(HD、PD、LVP、CRRT)から組み合わせられたデータを確認することを可能にするボタンを図示する。限外濾過器平均化ボタン256は、例えば、平均化された交換持続時間を提供し、異なるものが存在する場合、限外濾過器ブランドによって、および/または平均動作圧力、透析流体温度等の任意の他の所望の特徴によってそのようなデータを分割し得る。類似する情報が、透析器平均化ボタン258を介して透析器40に関して提供されてもよく、加えて、血液流率に照らした分析を含んでもよい。平均化はまた、圧力センサ、空気圧弁、およびポンプおよび弁ダイヤフラム等の他の望ましい構成要素に関して実施および表示されてもよい。
【0146】
図7はまた、どの構成要素が速やかに再注文されるべきか、および理由をユーザに示す、即時再注文ボタン260を図示する。それぞれ、限外濾過器80に関するリードタイムおよび最小注文数量が、4週間および100個であり、20個の限外濾過器が現在在庫にあると仮定する。また、本開示の保守形態が、平均して、3つの限外濾過器80が毎週交換されることを示すが、現在のソフト限界リストが、6つの限外濾過器80が現在それらのソフト限界にあることを示し、推測される必須交換まで5日またはそれを下回る日を伴うと仮定する。次の4週間(1つのリードタイム周期)に関する推定は、したがって、6(第1週に関するソフト限界)+3(第2週に関する平均)+3(第3週に関する平均)+3(第4週に関する平均)、または15個の限外濾過器80が消費されるであろうことである。保守形態は、4週間(1つのリードタイム周期)推測が在庫に残っている5つまたはそれよりも少ない限外濾過器80を示すときは常に、即時再注文ボタン260を介してユーザにアラートするようにプログラムされてもよい。即時再注文ボタン260を押すと、それによって、限外濾過器80を再注文するようにユーザに通知し、一実施形態では、したがって、推測を提供する。
【0147】
本明細書に説明される本好ましい実施形態の種々の変更および修正が、当業者に明白となるであろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図される利点を減少させることなく成されることができる。したがって、そのような変更および修正は、添付される請求項によって網羅されることが意図される。