(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】分離要素を通してケーブルを供給するためのケーブルフィードスルーおよび集合体
(51)【国際特許分類】
H02G 15/013 20060101AFI20230308BHJP
H02G 3/22 20060101ALI20230308BHJP
F16L 5/00 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
H02G15/013
H02G3/22
F16L5/00
(21)【出願番号】P 2021543176
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(86)【国際出願番号】 DE2020100038
(87)【国際公開番号】W WO2020151785
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】202019100362.6
(32)【優先日】2019-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517384796
【氏名又は名称】コンタ-クリップ フェアビンドゥングステヒニック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ノヴァストフスキー-シュトック,イェルク
(72)【発明者】
【氏名】ルドルフ,フランク
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-516062(JP,A)
【文献】国際公開第2018/210892(WO,A1)
【文献】特表2003-512002(JP,A)
【文献】国際公開第2015/044067(WO,A2)
【文献】米国特許第7806374(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 15/013
H02G 3/22
F16L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離要素を通してケーブルを供給するためのケーブルフィードスルーであって、
側方ハウジング壁(8)と、複数のケーブルを供給するための底部開口部(10)を有するハウジング底部(9)とによって画定されたハウジング内部(7)を有するフィードスルーハウジング(2)と、
前記ハウジング内部(7)にて前記ハウジング底部(9)に対向して配置され、レセプタクル(15)を提供する分割部材(3)と、
各々が前記レセプタクル(15)の1つに配置され、各々が、ケーブルを密封状態で受け入れるように設計されたケーブル通路(19)を有するシール要素(4)と、
前記フィードスルーハウジング(2)に対して近位ねじ山部分(22)および遠位ねじ山部分(23)を有するねじ込みおよびロック部材(5)と、
を含み、
前記分割部材(3)および前記シール要素(4)が前記ねじ込みおよびロック部材(5)によって前記ハウジング内部(7)に固定されるように、前記近位ねじ山部分(22)は前記フィードスルーハウジング(2)の雌ねじ山部分(11)にねじ込まれ、
前記遠位ねじ山部分(23)は、ねじ接続相手と共に、前記フィードスルーハウジング(2)を分離要素(1)の開口部(28)の領域に取り付けるためのねじ接続を形成するように設計されていることを特徴とする、ケーブルフィードスルー。
【請求項2】
前記シール要素(4)が弾性材料で作られ、前記ねじ込みおよびロック部材(5)がねじ込み位置で前記シール要素(4)を押圧し、それにより、前記シール要素がそれぞれのケーブルを密封状態で受け入れることを特徴とする、請求項1に記載のケーブルフィードスルー。
【請求項3】
前記分割部材(3)は、自己保持方式で前記ハウジング内部(7)に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のケーブルフィードスルー。
【請求項4】
前記分割部材(3)は、前記フィードスルーハウジング(2)の内部側で関連ガイド(17)内に配置されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のケーブルフィードスルー。
【請求項5】
前記近位ねじ山部分(22)および前記遠位ねじ山部分(23)は、異なる外径を有する、前記ねじ込みおよびロック部材(5)の構成部品上に形成されていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のケーブルフィードスルー。
【請求項6】
前記ねじ込みおよびロック部材(5)は、複数の部品で構成されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載のケーブルフィードスルー。
【請求項7】
前記近位ねじ山部分(22)が配置されている前記ねじ込みおよびロック部材(5)の構成部品上において、前記分離要素(1)の前記開口部(28)に、前記ねじ込みおよびロック部材(5)を挿入するためのストッパーが形成されていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のケーブルフィードスルー。
【請求項8】
前記フィードスルーハウジング(2)は、取り付け中に前記分離要素(1)に接するようになる端面上に、円周方向シール(13)を有することを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のケーブルフィードスルー。
【請求項9】
前記分割部材(3)によって前記ハウジング内部(7)に設けられた前記レセプタクル(15)は、円錐形状であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のケーブルフィードスルー。
【請求項10】
前記ハウジング底部(9)の領域の前記底部開口部(10)は、シール(9a)によって少なくとも部分的に囲まれていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のケーブルフィードスルー。
【請求項11】
集合体であって、
開口部(28)を有する分離要素(1)と、
請求項1~10のいずれか1項に記載のケーブルフィードスルーと、
前記ケーブルフィードスルーによって前記分離要素(1)の開口部(28)を通って密封状態で供給されるケーブルと、
を含み、
前記ケーブルフィードスルーは、ねじ接続によって前記分離要素(1)に取り付けられていることを特徴とする、集合体。
【請求項12】
前記ねじ接続を形成するために、前記ケーブルフィードスルーのねじ込みおよびロック部材(5)の遠位ねじ山部分(23)が、前記分離要素(1)の開口部(28)の領域の雌ねじ山(29)におよび/または締結部材(6)にねじ止めされて、前記ねじ接続を形成することを特徴とする、請求項
11に記載の集合体。
【請求項13】
分離要素を通してケーブルを供給するためのケーブルフィードスルーであって、
側方ハウジング壁(8)と、複数のケーブルを供給するための底部開口部(10)を有するハウジング底部(9)とによって画定されたハウジング内部(7)を有するフィードスルーハウジング(2)と、
前記ハウジング内部(7)にて前記ハウジング底部(9)に対向して配置され、レセプタクル(15)を提供する分割部材(3)と、
各々が前記レセプタクル(15)の1つに配置され、各々が、ケーブルを密封状態で受け入れるように設計されたケーブル通路(19)を有するシール要素(4)と、
を含み、
前記ハウジング底部(9)の領域の前記底部開口部(10)は、前記フィードスルーハウジング(2)上に配置されたシール(9a)によって少なくとも部分的に囲まれ、前記シール要素(4)は、前記レセプタクル(15)内に配置されると、密封状態で前記シールに接するようになることを特徴とする、ケーブルフィードスルー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離要素、例えば、分離壁またはハウジング壁を通してケーブルを供給するためのケーブルフィードスルー、および、集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなケーブルフィードスルーは、分離要素、特に分離壁を通して1つ以上のケーブルを供給するために、様々な用途で使用される。ここでは、特に湿気または汚れの侵入に対してシールされるために、ケーブルが分離要素の開口部を通ってシールされた状態で供給されることがしばしば必要である。ケーブルは、シールフィードスルーのために、関連のシール要素の通路内に配置される。
【0003】
分離要素を通してケーブルを供給するためのケーブルフィードスルーは、ドイツ特許出願公開第10 2013 110 545 A1号明細書から知られている。ケーブルフィードスルーは、フィードスルーハウジングを提供する保持部を有する。フィードスルーハウジングは、底部および横方向に円周方向のハウジング壁を有する。底部は、側方ハウジング壁と一体に形成される。底部にはレセプタクルが設けられており、このレセプタクルにはシール要素が挿入されており、ケーブルを受け入れるためのそれぞれの通路が設けられている。ガイド部は、ポジティブロック接続の助けを借りて保持部に固定される。分離要素の開口部の領域にケーブルフィードスルーを取り付けると、開口部には弾性材料からなるグロメットが配置され、このグロメットはケーブルフィードスルーのガイド部の一部を受け入れる通路を有し、次いで、ケーブルフィードスルーのガイド部が挿入される。分離要素に対向する保持部の端面はストッパーを形成し、このストッパーは、ケーブルフィードスルーが取り付けられたときにグロメットの端面に対して保持部の端面を止める。ケーブルフィードスルーのガイド部は、分離要素の開口部内に密封状態で配置され、グロメットによってそこに保持される。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、分離要素を通してケーブルを供給するためのケーブルフィードスルーと、ケーブルフィードスルーを異なる適用状況に柔軟に適合させ、ケーブルフィードスルーを分離要素上に確実に取り付ける(装着、実装)ことを保証するケーブルフィードスルーを備える集合体とを提供することである。
【0005】
これを達成するために、独立請求項1および独立請求項12に記載の分離要素を通してケーブルを供給するためのケーブルフィードスルーが生成される。さらに、請求項10に記載の集合体が提供される。実施形態は従属請求項の主題である。
【0006】
1つの態様によれば、分離要素を通してケーブルを供給するためのケーブルフィードスルーが生成され、このケーブルフィードスルーは、側方ハウジング壁と、複数のケーブルを供給するための底部開口部を有するハウジング底部とによって画定されたハウジング内部を有するフィードスルーハウジングで形成されている。さらに、ハウジング内部にてハウジング底部に対向して配置され、レセプタクルを提供する分割部材が設けられ、また、各々がレセプタクルの1つに配置され、各々が、ケーブルを密封状態(封止状態)で受け入れるように設計されたケーブル通路を有するシール要素が設けられている。ケーブルフィードスルーはさらに、ねじ込みおよびロック部材を有し、該ねじ込みおよびロック部材は、フィードスルーハウジングに対して近位ねじ山部分および遠位ねじ山部分を有する。分割部材およびシール要素がねじ込みおよびロック部材によってハウジング内部に固定されるように、近位ねじ山部分はフィードスルーハウジングの雌ねじ山部分にねじ込まれる。遠位ねじ山部分は、ねじ接続相手と共に、フィードスルーハウジングを分離要素の開口部の領域に取り付けるためのねじ接続を形成するように設計されている。
【0007】
1つの態様によれば、分離要素を通してケーブルを供給するためのケーブルフィードスルーが生成され、このケーブルフィードスルーは、側方ハウジング壁と、複数のケーブルを供給するための底部開口部を有するハウジング底部とによって画定されたハウジング内部を有するフィードスルーハウジングで形成されている。さらに、ハウジング内部にてハウジング底部に対向して配置され、レセプタクルを提供する分割部材が設けられ、また、各々がレセプタクルの1つに配置され、各々が、ケーブルを密封状態で受け入れるように設計されたケーブル通路を有するシール要素が設けられている。ハウジング底部の領域の底部開口部は、フィードスルーハウジング上に配置されたシールによって少なくとも部分的に囲まれ、シール要素は、レセプタクル内に配置されると、密封状態でそのシールに接するようになる。
【0008】
分割部材のレセプタクル内の分割部材およびシール要素の配置は、ケーブルフィードスルーを異なる適用状況に個別に適合させることを可能にする。シール要素は、次いで、ケーブルフィードスルーを形成するために前記シール要素をレセプタクル内に配置するように、異なるタスクに個別に適合させることができる。シール要素は長手方向に分離カットを有することができ、これにより、シール要素に設けられた通路内にケーブルを配置するために、分離カットの領域でシール要素を開放することができる。
【0009】
遠位ねじ山部分を使用して形成されるねじ接続の助けを借りて、ケーブルフィードスルーは、特に、ケーブルフィードスルーが動作中に振動または衝撃にさらされる用途においても、分離要素上にしっかりと取り付けることができる。このような用途のために、ケーブルフィードスルーは、ねじ込みおよびロック部材がフィードスルーハウジングにねじ込まれた後に、ねじ込みおよびロック部材によって分割部材およびシール要素が取り付けられて固定されるという点で、さらに最適化され、ここで、シール要素が端面側にクランプされるようにすることができる。
【0010】
ハウジング内部は、供給するケーブルの長手方向に対して横方向に、多角形の断面、例えば正方形の断面を有することができる。同様に、分割部材によって提供されるレセプタクルは、シール要素がポジティブロック(陽性ロッキング)方式で嵌合する、角度のある断面を有することができる。
【0011】
ねじ込みおよびロック部材は、複数のケーブルが延在する単一の貫通孔または通路で形成することができる。代替的に、ねじ込みおよびロック部材に複数の通路を設けることができ、これらの通路の各々は、1つまたは複数のケーブルを受け入れるために使用される。
【0012】
ハウジング底部は、ケーブル用の開口部を囲む円周方向縁部で形成することができる。分割部材は、これに接するようになることができる。
【0013】
ケーブルフィードスルーは特に、分離壁またはハウジング壁として設計された分離要素上に取り付けることができる。
【0014】
シール要素は弾性材料で作ることができ、ねじ込みおよびロック部材は、ねじ込み位置でシール要素を押圧し、それにより、シール要素がそれぞれのケーブルを密封状態で受け入れるようにすることができる。ねじ込みおよびロック部材は、ねじ込み位置において、分離要素の開口部に対向する端面(ケーブル通路の出口を囲むシール要素の表面)に対して排他的にまたは追加的に押圧するようにすることができる。弾性材料からなるシール要素を押圧することによって、シール要素内に受け入れられたケーブルの周りにシールが形成される。同時に、シール要素は、シール要素のレセプタクルを囲む壁部に押圧されるので、これらの領域にもシール効果が形成される。シール要素の端面を押圧することの代替としてまたはそれに加えて、圧力要素がねじ込みおよびロック部材上に形成され、この圧力要素は、ねじ込み時に、シール要素の表面部分に対して斜めに、例えば、前縁部に対して斜めに、押圧するようにすることができる。
【0015】
分割部材は、自己保持方式でハウジング内部に配置されることができる。分割部材は、これらの実施形態または他の実施形態では、ハウジング内部に取り外し可能に受け入れられる。自己保持取り付けは、例えば、ハウジング内部の分割部材におけるクランプまたはクリップ留めによって達成することができる。ねじ込み状態では、次いで、ねじ込みおよびロック部材が、ハウジング内部において分割部材を追加的に固定し、その結果、例えば、動作中のケーブルフィードスルーの発振または振動による緩みに対する保護が形成される。
【0016】
分割部材は、フィードスルーハウジングの内部側で関連ガイド内に配置されることができる。関連ガイドはチャネル、溝または窪みで形成されることができ、それは、側方ハウジング壁および/またはハウジング底部の領域内にある。関連ガイドが側方ハウジング壁の領域に(も)形成されている場合、関連ガイドは、例えば分割部材の最も簡単な可能な配置を正しい取り付け位置で支持するために、底部に対向するフィードスルーハウジングの端面開口部から分割部材が挿入されるときに、分割部材をガイドするために使用することができる。
【0017】
近位ねじ山部分および遠位ねじ山部分は、異なる外径を有する、ねじ込みおよびロック部材の構成部品上に形成され得る。例えば、近位ねじ山部分を有する構成部品は、遠位ねじ山部分を有する構成部品よりも小さい直径を有することができる。代替的に、近位ねじ山部分および遠位ねじ山部分は、同じ外径を有し得る。遠位ねじ山部分と近位ねじ山部分とを分離するためのねじ山のない部分を、2つのねじ山部分の間に設けることができる。
【0018】
ねじ込みおよびロック部材は、複数の部品で構成することができる。互いに取り外し可能に接続される構成部品は、ねじ込みおよびロック部材、例えば、2つの構成要素半部、例えば、半管部分の形態で提供することができる。構成部品は例えば、構成部品に形成された突起が、関連のレセプタクルに係合するという事実によって、例えば、取り付けのために一緒に接合することができる。構成部品は、クランプまたはクリップによって接続されるようにすることができる。ねじ込みおよびロック部材を長手方向に分割することができるため、構成部品を接合する前に、間を通して供給されるケーブルを配置することが可能である。代替的に、ねじ込みおよびロック部材は、1つのピースで作ることができる。代替的に、ねじ込みおよびロック部材は、1つのピースまたは1つのパーツで作ることができる。
【0019】
近位ねじ山部分が配置されているねじ込みおよびロック部材の構成部品上において、分離要素の開口部に、ねじ込みおよびロック部材を挿入するためのストッパー(止め具)を形成することができる。ケーブルフィードスルーを取り付けると、ストッパーは、分離要素の表面、例えば、分離壁の外面上で、止まることができる。
【0020】
フィードスルーハウジングは、取り付け中に分離要素に接するようになる端面上に、円周方向シールを有することができる。シールは、弾性材料で作ることができる。シールは、例えば2C射出成形によって、フィードスルーハウジング上に一体に形成されるようにすることができる。代替的に、シールは、例えば着脱自在なシールリングとして、フィードスルーハウジング上に取り外し可能に配置されるようにすることができる。
【0021】
ねじ込みおよびロック部材を有するケーブルフィードスルーの一実施形態では、ハウジング底部の領域の底部開口部は、シールによって少なくとも部分的に囲まれているようにすることができる。シールは、端面上のシールの代替としてまたはそれに加えて、底部開口部の周りで連続的であっても中断されていてもよい。
【0022】
種々の構成において、ハウジング底部の領域におけるシールは、ウェブまたは突起(シールウェブまたはシール突起)で形成され得る。シールは、フィードスルーハウジング上に、例えば、2C射出成形によって、例えば、プラスチック軟質構成要素として一体的に形成することができ、一方、フィードスルーハウジングは、プラスチック硬質構成要素から作製される。このようにして、シールは、ポジティブロックおよびキャプティブ方式でフィードスルーハウジング上に配置または成形することができる。ここで、シールは、シール要素が関連のレセプタクルに挿入または押し込まれたときに、シール要素の後面および/または側面とシール接触する。ハウジング底部を完全にまたは部分的に囲むように形成されたシールが、シール要素の縁部領域を囲むようにすることができる。代替的に、または加えて、シール、例えばシールウェブが、レセプタクル内に導入されたシール要素上の溝内にあるようにすることができる。シールは、L形状の断面を有することができる。
【0023】
一例では、シールは、ケーブルのフィードスルー方向に延びる内壁から突出することができ、したがって、シールは、関連のレセプタクルにシール要素が挿入されるためのストッパーを形成することができる。
【0024】
分割部材によってハウジング内部に設けられたレセプタクルは、円錐形状であってもよい。レセプタクルは、フィードスルーハウジングの底部の方向に、テーパ状になったりサイズが小さくなったりしてもよい。シール要素は、そのポジティブロックフィッティング(positive-locking fitting)のための円錐形の外形を有することができる。
【0025】
ケーブルフィードスルーに関連して上述した構成は、それに応じて集合体(組立体)に関連して提供することができる。分離要素およびケーブルフィードスルーを含む集合体において、ねじ接続を形成するために、ケーブルフィードスルーのねじ込みおよびロック部材の遠位ねじ山部分が、分離要素の開口部の領域の雌ねじ山におよび/または締結部材にねじ止めされるようにすることができる。ケーブルを供給する分離要素の開口部が雌ねじ山を有する場合、ねじ込みおよびロック部材の遠位ねじ山部分は、取り付けのためにねじ込まれることができる。代替的に、または加えて、遠位ねじ山部分が分離要素の開口部を通して押された後に、ケーブルフィードスルーを、分離要素、例えば分離壁の開口部の領域に締結するために、締結部材が遠位ねじ山部分にねじ止めされるようにすることができる。次いで、フィードスルーハウジングは、締結部材を用いて分離要素にしっかりとねじ止めされ、分離要素の壁面は、ねじ止めによって締結部材とフィードスルーハウジングとの間にクランプされる。締結部材は例えば、ロックナットまたはユニオンナットとすることができる。
【0026】
以下、図面を参照して、さらなる実施形態をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】取り付けていない状態の分離要素を通してケーブルを供給するためのケーブルフィードスルーのための集合体の概略的な斜視図を示す。
【
図2】取り付けた状態の分離要素を通してケーブルを供給するための集合体の断面図を示す。
【
図3】組み立てた状態でのケーブルフィードスルーの概略的な斜視図を示す。
【
図4】
図3からの集合体を正面から、および背面から見た概略的な表現を示す。
【
図5】斜め前方および斜め後方からのケーブルフィードスルー用の別の集合体の斜視図を示す。
【
図6】
図5からのケーブルフィードスルーのための他の集合体の正面からの概略的な斜視図および断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、例えば、分離壁またはハウジング壁(筐体壁)、例えば、制御キャビネットまたは電気または電子装置のハウジング壁であり得る、分離要素1を通してケーブル(図示せず)を供給(給送、貫通)するためのケーブルフィードスルー(ケーブル給送装置、ケーブル貫通装置)のための集合体の概略的な斜視図を示す。フィードスルーハウジング2、分割部材3、複数のシール要素4、およびねじ込みおよびロック部材5が、ケーブルフィードスルーのために設けられている。さらに、
図1には締結部材6が示されており、これは、締結部材6とねじ込みおよびロック部材5との間のねじ接続を形成することによって、分離要素1上にケーブルフィードスルーを固定するために、図示された実施形態において設けられている(
図2参照)。
【0029】
フィードスルーハウジング2はハウジング内部7を有し、ハウジング内部は、側方ハウジング壁(横方向ハウジング壁)8とハウジング底部9とによって画定され(区切られ)ている。ハウジング底部9の領域には底部開口部10が形成され、これは、図示の実施形態では、ハウジング底部9を大部分囲むように設計され、ケーブル(図示せず)を供給するために使用される。シール9aは、底部開口部10の周りに円周方向に配置されている。図示の実施形態では、シール9aはウェブ(シールウェブ)で形成されている。シール9aは例えば、2C射出成形によってフィードスルーハウジング2上に一体的に形成される。代替的に、シール9aは、例えば着脱自在なシールリングまたはカラーとして、フィードスルーハウジング2上に取り外し可能(着脱自在)に配置されるようにすることができる。シール要素4が取り付けられた状態(
図2~
図4参照)では、シール9aは、前記シール要素に接し(当接し)、したがって、フィードスルーハウジング2に隣接する部分に沿って横方向にシール(封止、密封)する。ここで、シール9aは、シール要素4の後面4a(特に
図2参照)にシール接触している。シール9aがシール要素4の縁部(エッジ)領域を囲むようにすることができる。代替的に、または加えて、シール9aがシール要素4上の溝4b内にあるようにすることができる。
【0030】
また、フィードスルーハウジング2は、雌ねじ山11を有している。端面12の領域において、フィードスルーハウジング2には円周方向シール13が設けられている。
【0031】
分割部材3は、交差する分割壁14を有しており、フィードスルーハウジング2のハウジング内部7に分割部材3を配置したときにシール要素4をレセプタクルの中に挿入することができるような当該レセプタクル(受け入れ部、収容部)15が設けられている(
図2参照)。フィードスルーハウジング2のハウジング内部7に挿入すると、分離壁14の外部側部分または縁部側部分16が、ハウジング内部7内の関連ガイド17内に配置される。このようにして、分割部材3はハウジング内部7に、自己保持方式で、例えば自己クランプ方式で、配置されることができる。縁部側部分16の領域に、弾性材料(弾性体)からなる表面側シールを設けることができる。
【0032】
図示の実施形態では、シール要素4が長手方向に分離カット18を有し、これを通して、それぞれのシール要素4の通路19にケーブルを導入することができる。シール要素4は、周囲に複数のシールリップ20を有する。同様に、通路19には内側シールリップ21が設けられている。
【0033】
ねじ込みおよびロック部材5は近位ねじ山部分22および遠位ねじ山部分23を有し、これらは、図示の実施形態では、異なる直径を有する構成部品上に配置される。図示の実施形態では、ねじ込みおよびロック部材5は、突起26および関連の凹部27によって互いに取り外し可能に接続することができる2つの構成要素半部24、25を有する複数の部分から成っており、次いで、近位ねじ山部分22をフィードスルーハウジング2の雌ねじ山部分11にねじ止めするようになっており、ここで、分割部材3およびシール要素4は、それらに対向するねじ込みおよびロック部材5の端面が分割部材3およびシール要素4のそれぞれに接するようになるように、固定され、特に、クランプ(締め付け)されるようになっている。
【0034】
分離要素1において開口部28の領域に取り付けるために、遠位ねじ山部分23は、次いで、開口部28を通って部分的に供給されて、締結部材6にねじ止めされることができる。このように設計されたケーブルフィードスルーを
図2に示す。代替的に、または加えて、開口部28の円周方向縁部29に沿って雌ねじ山が形成されて、そこに遠位ねじ山部分23がねじ込まれるようにすることができる。
【0035】
図3および
図4は、ケーブルフィードスルーが分離要素1に取り付けられずに組み立てられた集合体の概略図を示す。
図3および
図4では、同じ特徴について
図1および
図2と同じ参照番号が使用されている。
【0036】
図5および
図6に、ケーブルフィードスルー用の別の集合体の概略図を示す。
図5および
図6では、
図1~
図4の実施形態と同じ特徴には同じ参照番号が使用されている。
【0037】
シール要素4は、フィードスルーハウジング2内に分割部材3によって設けられた、関連のレセプタクル15に挿入される。
【0038】
ねじ込みおよびロック部材5を有する
図1~4の実施形態とは対照的に、貫通孔30がフィードスルーハウジング2に設けられ、この貫通孔にねじ止め手段(図示せず)を挿入して、表示を簡略化するために図示しないがフィードスルーハウジング2を分離壁またはハウジング壁に締結し、円周方向シール13がハウジング内部7をシールするようにすることができる。底部開口部10の領域にてシールするために、フィードスルーハウジング2上にシール9aが配置されている。挿入された端位置に配置されると、シール要素4はここで止まり、底部開口部10の円周に沿って円周方向にシール効果が形成されることになる。
図6の断面表示によれば、シール9aは、シール要素4上の関連の溝4a内に突出部分9bを有している。シール9aは、
図2の例に匹敵するように、断面がL字形状になっているが、これは任意である。
【0039】
上記の説明、特許請求の範囲、および図面に開示された特徴は、様々な実施形態を実施するために、個々に、および任意の組合せで重要であり得る。