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特許7240532カートリッジ及びカートリッジの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】カートリッジ及びカートリッジの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20230308BHJP
   A24F 40/70 20200101ALI20230308BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/70
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021568774
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(86)【国際出願番号】 JP2020042580
(87)【国際公開番号】W WO2022102118
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2021-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】岡田 充
(72)【発明者】
【氏名】木村 将之
(72)【発明者】
【氏名】芹澤 友哉
【審査官】武市 匡紘
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-503866(JP,A)
【文献】特開2002-018960(JP,A)
【文献】特開昭62-221526(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/42
A24F 40/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル源を加熱する加熱要素を備えるベイパー製品の一部に組み込まれるカートリッジであって、
少なくともいずれか一方が樹脂から形成される第1部品及び第2部品と、
一端が前記第1部品に接続され、他端が前記第2部品と接続されて前記第1部品と前記第2部品との間に延びる接続部と、
前記第1部品から延び、前記第2部品とは溶接されないガイド部と、
前記エアロゾル源を収容可能な空間と、を有し、
前記空間の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定され、
前記第2部品は、前記ガイド部が嵌合する受容部を有し、
前記第2部品は、前記第1部品と対向する対向面と、前記対向面に形成され、前記空間と連通する第1開口と、前記第1開口の少なくとも一部を画定する第1開口縁と、を有し、
前記受容部は、前記第1開口であり、
前記ガイド部は、前記接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて環状の形状を有し、前記第1開口縁に嵌合するように構成され、
前記接続部の前記他端は、前記第1開口の周縁に配置される、カートリッジ。
【請求項2】
請求項1に記載されたカートリッジにおいて、
前記エアロゾル源が蒸発して生成されるエアロゾルが通過するエアロゾル流路を有し、
前記エアロゾル流路の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定される、カートリッジ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載されたカートリッジにおいて、
前記加熱要素の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つに収容される、カートリッジ。
【請求項4】
請求項1からのいずれか一項に記載されたカートリッジにおいて、
前記ガイド部は、前記接続部が前記第1部品と前記第2部品との間に延びる方向と直交する方向からみて、前記接続部の前記他端と重なるように配置される、カートリッジ。
【請求項5】
請求項に記載されたカートリッジにおいて、
前記第1開口は、前記接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて環状の形状を有し、
前記第1開口縁は、前記第1開口を画定する外側開口縁及び内側開口縁を含み、
前記ガイド部は、前記外側開口縁又は前記内側開口縁と嵌合する、カートリッジ。
【請求項6】
請求項1からのいずれか一項に記載されたカートリッジの製造方法であって、
前記第1部品は蓋部材であり、前記第2部品は筒状部材であり、
前記筒状部材の一端に、前記加熱要素を含む加熱アセンブリを接続して、前記筒状部材の前記一端の開口を閉止し、
前記加熱アセンブリが接続された前記筒状部材の内部に前記エアロゾル源を充填し、
前記エアロゾル源が充填された前記筒状部材の他端に前記接続部を溶接する、ことを含む、カートリッジの製造方法。
【請求項7】
請求項に記載されたカートリッジの製造方法において、
前記筒状部材の前記他端に、前記蓋部材の前記接続部を超音波溶接することを含む、カートリッジの製造方法。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載されたカートリッジの製造方法であって、
前記ガイド部を前記受容部に嵌合させて、前記第1部品と前記第2部品とを位置合わせし、
前記接続部の前記他端を前記第2部品と溶接する、ことを含む、カートリッジの製造方法。
【請求項9】
請求項に記載されたカートリッジの製造方法において、
前記ガイド部は、前記接続部と平行に延び、前記接続部の延びる方向において前記第2部品と溶接する前の前記接続部よりも長く、
前記製造方法は、前記接続部の前記他端を前記第2部品に溶接する前に、前記ガイド部を前記受容部に嵌合させて、前記第1部品と前記第2部品とを位置合わせする、ことを含む、カートリッジの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートリッジ及びカートリッジの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、Nicotiana tobacum属の植物に由来する乾燥葉たばこや、同属植物を含む再構成たばこ・再構成たばこの細片・顆粒、及び/又は、それらの混合物を、燃焼させることなく、それらにアルコール類の蒸気を通過させ、葉たばこ由来の成分等が気相へ移行したエアロゾルを含む雰囲気を吸引するための加熱式たばこが知られている。また、香料のアルコール溶液又は水溶液を適宜の電気部品で、霧化又は気化させ、発生した蒸気と外気が混合した雰囲気を吸引するための電子たばこが知られている(以降、本明細書において、このような加熱式たばこと電子たばこを総称して「ベイパー製品」と称する)。そのようなベイパー製品は、エアロゾル源を収容する部品、エアロゾルを発生させる部品、又はエアロゾルの流路を形成する部品等を有する。そのような部品として、加工の容易さ、重量などの観点から、樹脂製の部品を用いることが一般的である。
【0003】
ベイパー製品を製造する工程において、樹脂製の部品は、他の部品と接合又は溶接されることがある。ベイパー製品を構成する樹脂製の部品同士や、樹脂製の部品と金属製の部品とを接合する方法としてレーザー溶接法及び超音波溶接法が知られている(特許文献1-4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2020/081849号公報
【文献】国際公開第2020/023540号公報
【文献】米国特許公開第2020/0214343号公報
【文献】特開2018-019681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような両部品を溶接するとき、両部品同士の位置合わせをする必要がある。部品同士の位置合わせをするために、一方の部品に段状部を設け、他方の部品に段状部に嵌合する凸状部を設けることが考えられる。しかしながら、このような凸状部と段状部とが接合されると、溶融した樹脂が接合部から押し出され、固化した樹脂(余剰部材)が接合部の周囲に残る。このような余剰部材がベイパー製品のエアロゾル流路中に存在する場合、エアロゾル流路を通過するエアロゾルが余剰部材に凝縮して、液滴が溜まる虞がある。その結果、溜まった液滴がユーザの口内に入り込んでしまったり、エアロゾル流路の断面積が狭められることによりベイパー製品の性能が設計から逸脱したりする虞がある。
【0006】
また、このような余剰部材は、ベイパー製品の製造における後工程で脱落して、搬送路に堆積したり、製品に混入したりする虞もある。余剰部材が脱落しなかったとしても、ベイパー製品の美観を損ねる。特に、ベイパー製品を構成する、主にエアロゾル源を収容するタンク(カートリッジ)に余剰部材が形成された場合には、露出した余剰部材がエアロゾル源中の異物と誤認される虞がある。さらに、余剰部材が生じた半製品は、設計寸法から逸脱することになるので、後工程において転倒しやすくなり、搬送路を閉塞する虞もある。
【0007】
本発明の目的は、ベイパー製品を構成するカートリッジにおいて位置決めするための部分から余剰部材が発生することを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1形態によれば、エアロゾル源を加熱する加熱要素を備えるベイパー製品の一部に組み込まれるカートリッジが提供される。このカートリッジは、少なくともいずれか一方が樹脂から形成される第1部品及び第2部品と、一端が前記第1部品に接続され、他端が前記第2部品と接続されて前記第1部品と前記第2部品との間に延びる接続部と、前記第1部品から延び、前記第2部品とは接合又は溶接されないガイド部と、を有する。前記第2部品は、前記ガイド部が嵌合する受容部を有する。
【0009】
第1形態によれば、第1部品がガイド部を有し、第2部品が受容部を有するので、接続部を介して第1部品と第2部品とを接続するときに、ガイド部が受容部に嵌合することにより、第2部品に対して第1部品を位置決めすることができる。また、このガイド部は第2部品には接合又は溶接されないので、ガイド部から余剰部材が生じることを防止できる。なお、本明細書における「嵌合」とは、ガイド部と受容部とが隙間なく嵌め合わされる場合に限らず、第2部品に対する接続部の位置を許容範囲にガイドすることができる程度にガイド部と受容部との間に隙間を有しながらガイド部が受容部に嵌め合わされる場合も含み得る。即ち、本明細書における「嵌合」には「遊嵌」も含まれ得る。
【0010】
第2形態は、第1形態のカートリッジにおいて、前記エアロゾル源が蒸発して生成されるエアロゾルが通過するエアロゾル流路を有し、前記エアロゾル流路の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定される、ことを要旨とする。
【0011】
第2形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つがエアロゾル流路を画定するので、このようなエアロゾル流路を画定する部品において、接続部を介して第1部品と第2部品とを接続するときに、ガイド部が受容部に嵌合することにより、第2部品に対して接続部及び第1部品を位置決めすることができる。また、このようなエアロゾル流路を画定する部品において、ガイド部から余剰部材が生じることを防止できる。さらに述べれば、第2形態に係るカートリッジは、先に述べた通り樹脂で形成される。前出の、エアロゾル流路を第1部品及び第2部品の少なくとも一部で画定することは、両部品は、それぞれエアロゾル流路を部品の少なくとも一部が構成する箇所を有するよう、一体に金型成型されるということで実現できる。これにより、別体で成形された場合に必要となる組み合わせ工程や接着する工程は省略され、篏合部や接着箇所がないため小型の樹脂部品でありながら消費者が使用の際に手に取っても壊れにくく扱い易くなる。一方で、エアロゾル流路の形状は、両部品それぞれが金型で一体に成型ができる範囲に、設計が制約される。
【0012】
第3形態は、第1形態又は第2形態のカートリッジにおいて、前記エアロゾル源を収容可能な空間を有し、前記空間の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定される、ことを要旨とする。
【0013】
第3形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つがエアロゾル源を収容可能な空間を画定するので、このような空間を画定する部品において、接続部を介して第1部品と第2部品とを接続するときに、ガイド部が受容部に嵌合することにより、第2部品に対して接続部及び第1部品を位置決めすることができる。また、このような空間を画定する部品において、ガイド部から余剰部材が生じることを防止できる。さらに述べれば、第1形態及び第2形態を引用する第3形態に係るカートリッジは、先に述べた通り樹脂で形成される。前出の、エアロゾル源を収容可能な空間を有し、前記空間の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定されることは、両部品は、それぞれ、エアロゾル流路を部品の少なくとも一部が構成する箇所を有しつつ、エアロゾル源を収容可能な空間を構成する箇所を有するよう、一体に金型成型されることで実現できる。これにより、第2形態で述べた効用もまた得られる。
【0014】
第4形態は、第1形態から第3形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記加熱要素の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つに収容される、ことを要旨とする。
【0015】
第4形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つが加熱要素の少なくとも一部を収容するので、このような加熱要素を収容する部品において、接続部を介して第1部品と第2部品とを接続するときに、ガイド部が受容部に嵌合することにより、第2部品に対して接続部及び第1部品を位置決めすることができる。また、このような加熱要素を収容する部品において、ガイド部から余剰部材が生じることを防止できる。さらに述べれば、第4形態に係るカートリッジは、消費者がそれを使用する際に、加熱要素と組み合わせることを要求せず、簡便に使用することができる。
【0016】
第5形態は、第1形態から第4形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記ガイド部は、前記接続部が前記第1部品と前記第2部品との間に延びる方向と直交する方向からみて、前記接続部の前記他端と重なるように配置される、ことを要旨とする。
【0017】
第5形態によれば、ガイド部が接続部の他端を側方から覆うように配置されるので、接続部を第2部品に接合又は溶接する際に生じる余剰部材がガイド部によって覆われて、露出されることを防止することができる。
【0018】
第6形態は、第1形態から第5形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記第2部品は、前記第1部品と対向する対向面と、前記対向面に形成された第1開口と、前記第1開口の少なくとも一部を画定する第1開口縁と、を有し、前記受容部は、前記第1開口である、ことを要旨とする。
【0019】
第6形態によれば、ガイド部が第1開口に嵌合することで、第2部品に対して接続部及び第1部品を位置決めすることができる。このとき、ガイド部が第1開口に嵌合するので、接続部から生じる余剰部材が第1開口に向けて露出されることがガイド部によって抑制される。言い換えれば、ガイド部は、余剰部材が第1開口に入り込むことを防止することができる。なお、本明細書において、第1部品と第2部品の「対向面」とは、接続部が第1部品と第2部品との間を延びる方向において直接対向する面をいう、第1部品の対向面と第2部品の対向面との間には接続部以外の部材は介在しない。第1部品と第2部品の「対向面」とは、接続部が第1部品と第2部品との間を延びる方向に対して角度を有する面ということもできる。
【0020】
第7形態は、第6形態のカートリッジにおいて、前記第1開口は、前記接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて環状の形状を有し、前記第1開口縁は、前記第1開口を画定する外側開口縁及び内側開口縁を含み、前記ガイド部は、前記接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて環状の形状を有し、前記外側開口縁又は前記内側開口縁と嵌合する、ことを要旨とする。
【0021】
第7形態によれば、環状の形状を有するガイド部が、第1開口の外側開口縁又は内側開口縁に対して嵌合することになり、これにより第2部品に対して接続部及び第1部品を位置決めすることができる。このとき、ガイド部が外側開口縁又は内側開口縁に嵌合するので、接続部から生じる余剰部材が第1開口に向けて露出されることがガイド部によって抑制され得る。言い換えれば、ガイド部は、余剰部材が第1開口に入り込むことを防止することができる。
【0022】
第8形態によれば、第1形態から第7形態のいずれかのカートリッジの製造方法が提供される。このカートリッジの製造方法において、前記第1部品は蓋部材であり、前記第2部品は筒状部材である。このカートリッジの製造方法は、前記筒状部材の一端に、前記加熱要素を含む加熱アセンブリを接続して、前記筒状部材の前記一端の開口を閉止し、前記加熱アセンブリが接続された前記筒状部材の内部に前記エアロゾル源を充填し、前記エアロゾル源が充填された前記筒状部材の他端に前記接続部を接合又は溶接する、ことを含む。
【0023】
加熱アセンブリが組み込まれていない有底の筒状部材にエアロゾル源を入れると、エアロゾル源が筒状部材から漏れることを防止するために加熱アセンブリの組み立てまで完了させる必要がある。これに対して、第8形態によれば、エアロゾル源を充填する前に加熱アセンブリを筒状部材に組み込むことができるので、例えば、予め加熱アセンブリが接続された筒状部材を一つのユニットとして製造して、その後輸送して、別の場所においてエアロゾル源の充填及び蓋部材の接合又は溶接を行うことができる。
【0024】
第9形態は、第8形態のカートリッジの製造方法において、前記筒状部材の前記他端に、前記蓋部材の前記接続部を超音波溶接することを含む、ことを要旨とする。
【0025】
第10形態によれば、第1形態から第7形態のいずれかのカートリッジの製造方法が提供される。このカートリッジの製造方法は、前記ガイド部を前記受容部に嵌合させて、前記第1部品と前記第2部品とを位置合わせし、前記接続部の前記他端を前記第2部品と接合又は溶接する、ことを含む、カートリッジの製造方法。
【0026】
第10形態によれば、第1部品に接続された接続部を第2部品に接合又は溶接するときに、ガイド部を受容部に嵌合させて、第2部品に対して接続部及び第1部品を位置決めすることができる。
【0027】
第11形態は、第10形態のカートリッジの製造方法において、前記ガイド部は、前記接続部と平行に延び、前記接続部の延びる方向において前記第2部品と接合又は溶接する前の前記接続部よりも長く、前記製造方法は、前記接続部の前記他端を前記第2部品に接合又は溶接する前に、前記ガイド部を前記受容部に嵌合させて、前記第1部品と前記第2部品とを位置合わせする、ことを含む、ことを要旨とする。
【0028】
第11形態によれば、ガイド部が第2部品と接合又は溶接する前の接続部よりも長いので、第1部品に接続された接続部を第2部品に接合又は溶接する前に、第1部品と第2部品とを位置合わせすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本実施形態に係るベイパー製品の分解斜視図である。
図2】カートリッジの分解斜視図である。
図3A】タンク本体の斜視図である。
図3B図3Aに示す矢視3B-3Bから見たタンク本体の断面図である。
図4A】蓋の斜視図である。
図4B】蓋の中心を含む断面図である。
図5A】タンクの長手方向に沿って切断した断面図である。
図5B図5Aに示した蓋とタンク本体との接続部の拡大図である。
図6A】カートリッジの製造プロセスを示す概略図である。
図6B】カートリッジの製造プロセスを示す概略図である。
図6C】カートリッジの製造プロセスを示す概略図である。
図6D】カートリッジの製造プロセスを示す概略図である。
図6E】カートリッジの製造プロセスを示す概略図である。
図6F】カートリッジの製造プロセスを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本実施形態に係るベイパー製品の分解斜視図である。ベイパー製品100は、ベイパー製品100において、複数あるエアロゾルを発生させる方式のうち、カートリッジの収容部から外部へ導出させたエアロゾル源を電気的なヒータで加熱する又はこのエアロゾル源に超音波を作用させて霧化することにより生成されたエアロゾルを再構成たばこの細片・顆粒に通すことにより、葉たばこ由来の成分等が気相へ移行したエアロゾルを含む雰囲気を吸引するための装置である。なお、これに限らず、ベイパー製品100は、ニコチン・メンソール等の成分、香料とアルコール類を混合したエアロゾル源を加熱又は霧化して、香味成分を含むエアロゾルを吸引するための装置であってもよい。
【0031】
図1に示すように、ベイパー製品100は、本体ユニット10と、本体ユニット10に着脱可能に装着されるカートリッジ30及びたばこカプセル12と、を有する。本体ユニット10は、電源ユニット14と、保持ユニット16と、マウスピース18と、を有する。電源ユニット14、保持ユニット16、及びマウスピース18は、それぞれ筒状に形成される。マウスピース18は、保持ユニット16の一端に例えばねじ接続され得、電源ユニット14は、保持ユニット16の他端に接続され得る。本明細書において、マウスピース18、保持ユニット16、及び電源ユニット14が連結する方向を長手方向という。
【0032】
電源ユニット14は、バッテリ14aと、スイッチ14bと、ピン電極14cと、係合部14dと、を有する。バッテリ14aは、電源ユニット14の内部に収納される。スイッチ14bは、ベイパー製品100を組み立てた状態で例えば長押しされることにより、ベイパー製品100の電源のオンとオフを切り替えることができる。ピン電極14cは、カートリッジ30を保持ユニット16内に収容した状態でベイパー製品100を組みたてることで、カートリッジ30の後述する電極と接触し、バッテリ14aと電極とを電気的に接続することができる。係合部14dは、保持ユニット16内の図示しない被係合部と係合することで、保持ユニット16と電源ユニット14とを係合することができる。電源ユニット14は、バッテリ14aからカートリッジ30の電極に供給する電力を制御する制御部14eを備える。また、電源ユニット14は、図示しないパフセンサを備え得る。この場合、制御部14eは、パフを検知したときにバッテリ14aからカートリッジ30に電力を供給するようにバッテリ14aを制御することができる。
【0033】
保持ユニット16は、筒体16aを有し、カートリッジ30の後述する電極が電源ユニット14側を向くようにしてカートリッジ30を筒体16a内に収容する。保持ユニット16がカートリッジ30を収容した状態で、保持ユニット16にマウスピース18を取り付けることにより、カートリッジ30が保持ユニット16内で固定され得る。保持ユニット16は、カートリッジ30に収容されるエアロゾル源を視認するための窓16cと、カートリッジ30に空気を供給するための空気孔16bと、を筒体16aに有する。
【0034】
マウスピース18は、保持ユニット16と螺合する螺合部18aと、螺合部18aから長手方向に延びる筒状部18bとを有する。ユーザは、筒状部18bを咥えてベイパー製品100で生成されるエアロゾルを吸引することができる。
【0035】
たばこカプセル12は、内部に再構成たばこの細片・顆粒を収容するカプセル部12aと、フィルタ部12bとを有する。カプセル部12aは、筒状であり、一方の端面に例えばメッシュが形成され、他方の端面に開口が形成される。カプセル部12aの一方の端面に形成されるメッシュのサイズは、カプセル部12aに収容される再構成たばこの細片・顆粒がカプセル部12aから漏れ出さないように設計され得る。フィルタ部12bは、カプセル部12aの開口を閉止するように開口に嵌合される。たばこカプセル12は、マウスピース18の筒状部18b内に、保持ユニット16と反対側から、長手方向に着脱可能に装着され得る。
【0036】
カートリッジ30は、液体のエアロゾル源を貯留し、電源ユニット14からの電力の供給に応じて、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成するように構成される。エアロゾル源は、例えば、水、プロピレングリコール、及びグリセリンの少なくとも一つから構成され得る。カートリッジ30の具体的な構成は後述する。このように、エアロゾル源を霧化するアトマイジング機能を有するカートリッジ30はカートマイザと呼ばれることがある。
【0037】
ベイパー製品100の使用方法について説明する。まず、ベイパー製品100を組み立てた状態で、スイッチ14bを押下して、電源をオンする。続いて、ユーザが筒状部18bを咥えて吸引する。このとき、電源ユニット14の図示しないパフセンサがユーザの吸引を検知すると、電源ユニット14のバッテリ14aからカートリッジ30の電極に電力が供給され、カートリッジ30においてエアロゾルが生成される。カートリッジ30で生成されたエアロゾルは、ユーザの吸引に伴い、たばこカプセル12内の再構成たばこの細片・顆粒を通過して、葉たばこ由来の成分等を伴いながらユーザの口内に供給される。
【0038】
次に、図1に示したカートリッジ30について詳細に説明する。図2は、カートリッジ30の分解斜視図である。図2に示すように、カートリッジ30は、有底円筒状のタンク50と、タンク50内に収納される略円板状のガスケット31と、略円板状のメッシュ体32と、加熱部33と、霧化容器34と、ヒータホルダ35と、を有する。
【0039】
タンク50は、ガスケット31、メッシュ体32、加熱部33、霧化容器34、ヒータホルダ35を内部に投入するための開口51と、開口51を画定する周壁52と、周壁52に形成される一対の係合孔53を有する。係合孔53は、タンク50にヒータホルダ35を固定するためのものである。
【0040】
ガスケット31は、外径がタンク50の内径と略同一になるように形成されている。ガスケット31は、メッシュ体32の位置決めを行うとともに、メッシュ体32の形状を保持する。ガスケット31は、タンク50の後述する流路管61(図3A図3B参照)を挿入可能な挿入孔31aを径方向中央に有し、挿入孔31aの周囲にタンク50内のエアロゾル源が流通する開口31b(図では4つ)を有する。この挿入孔31aに後述する流路管61が挿入されるように、タンク50内にガスケット31が収容される。
【0041】
メッシュ体32は、ガスケット31の開口31bを覆うようにガスケット31と接して配置される。メッシュ体32は、例えばコットン等の繊維からなる多孔質部材であり、ガスケット31の開口31bを通過したエアロゾル源を保持するように構成される。メッシュ体32の径方向中央には、後述する流路管61を挿入可能な挿入孔32aが形成されている。この挿入孔32aに後述する流路管61が挿入され、ガスケット31にメッシュ体32が接触することで、メッシュ体32が位置決めされる。
【0042】
加熱部33は、液体のエアロゾル源を霧化するように構成される。加熱部33は、略U字状のウィック33aと、ウィック33aの周囲に巻かれた電熱線33b(加熱要素の一例に相当する)と、を有する。ウィック33aは、ガラス繊維等からなり、メッシュ体32に保持されたエアロゾル源を吸収して保持するように構成される。電熱線33bによってウィック33aに保持されたエアロゾル源が加熱されて霧化し、エアロゾルが生成される。図2では、メッシュ体32と加熱部33とが一体のように図示されているが、加熱部33は、霧化容器34内に収容され、ヒータホルダ35に接続されて、霧化容器34及びヒータホルダ35とともに加熱アセンブリ38を構成する。
【0043】
霧化容器34は、加熱部33を収容する容器部34aと、ヒータホルダ35に嵌合される嵌合部34bとを有する。霧化容器34は、弾性を有する部材、例えばシリコーン樹脂等の樹脂材料により形成される。嵌合部34bは、図示のように、十字状の溝部34cと、溝部34cにより形成される突部34dとを有する。容器部34aに収容された加熱部33の電熱線33bの端部は、図示しない孔から溝部34cに入り込み、突部34dに巻き付けられる。
【0044】
ヒータホルダ35は、全体として略カップ状に形成され、側壁部35aと、底壁部35bと、一対の電極35cと、を有する。一対の電極35cは、図示のように底壁部35bの底面に露出されるとともに、側壁部35aの内側にも露出される。霧化容器34の嵌合部34bは、側壁部35aに嵌合される。このとき、嵌合部34bの突部34dに巻き付けられた電熱線33bの端部の各々が、一対の電極35cの各々と接触するように構成される。側壁部35aは、タンク50の係合孔53と係合する爪35dを有する。
【0045】
霧化容器34の嵌合部34bをヒータホルダ35に嵌合し、且つ加熱部33を霧化容器34の容器部34aに収容することで加熱アセンブリ38が組み立てられる。加熱アセンブリ38をタンク50に嵌合させて、爪35dをタンク50の係合孔53に係合させることで、加熱部33のウィック33aがメッシュ体32と接触しながら、加熱アセンブリ38がタンク50に固定される。これにより、タンク50の開口51が加熱アセンブリ38によって閉止される。
【0046】
次に、図2に示したタンク50の構造を詳細に説明する。本実施形態では、タンク50は、少なくとも2つの部品と、2つの部品を互いに接続する接続部とにより形成される。具体的には、本実施形態のタンク50は、タンク本体60(筒状部材の一例に相当する)と、蓋80(蓋部材の一例に相当する)と、を有し、これらのタンク本体60と蓋80とが接続部を介して互いに接続されることにより、タンク50が形成される(タンク本体60と蓋80は、それぞれ、第1部品又は第2部品の一例に相当する)。本実施形態では、タンク本体60及び蓋80はともに樹脂から形成されるが、これに限らず、タンク本体60及び蓋80のいずれか一方が樹脂から形成され、他方が別の材料、例えば金属から形成され得る。
【0047】
図3Aは、タンク本体60の斜視図である。図3Bは、図3Aに示す矢視3B-3Bから見たタンク本体60の断面図である。図3Aに示すように、本明細書では、タンク本体60のマウスピース18側の端部を第1端部60aとし、反対側の端部を第2端部60bという。図3A及び図3Bに示すように、タンク本体60は、周壁52と、流路管61と、を有する。周壁52は、エアロゾル源を収容可能な空間52aの一部を画定する。流路管61は、エアロゾル源が蒸発することで生成されるエアロゾルが通過するエアロゾル流路61aの一部を画定する。本明細書において、流路管61及び周壁52が延びる方向を長手方向という。流路管61は、周壁52の内部に配置され、周壁52とともに空間52aの一部を画定する。言い換えれば、周壁52の内面と流路管61の外面との間に空間52aが形成される。図3Bに示すように、流路管61は、タンク本体60の第1端部60aまで延び、第1端部60aの端面の一部を構成する。図示の例では、タンク本体60は全体として円筒状又は円柱状であるがこれに限らず、角筒状等、任意の形状を有し得る。
【0048】
周壁52の内面と流路管61の外面との間には、これら周壁52と流路管とに跨る複数(図示の例では3つ)のリブ62が設けられる。即ち、リブ62は、流路管61を支持するように構成される。図示の例では、リブ62は、タンク本体60の第1端部60a側に設けられ、長手方向からみて放射状となるように、周方向に等間隔で配置されている。
【0049】
周壁52の内面には、凸部63がリブ62と一体に形成される。凸部63は、リブ62から第2端部60bに向かって長手方向に延在する。凸部63は、第2端部60b側のリブ62の端部から、流路管61の第2端部60b側の先端の手前まで延在する。凸部63は、タンク本体60の機械的強度を高めるとともに、ガスケット31の位置決めを行う。
【0050】
タンク本体60は、図2に示したガスケット31、メッシュ体32、及び加熱アセンブリ38を挿入するための開口51を有する。タンク本体60の流路管61よりも第2端部60b側の空間64に、電熱線33bを含む加熱アセンブリ38の少なくとも一部が収容される。加熱アセンブリ38の一部は、空間64に収容されず、タンク本体60の外部に突出していてもよい。
【0051】
タンク本体60は、第1端部60aにおいて、後述する蓋80と対向する対向面65(第2対向面の一例に相当する)を有する。ここで、タンク本体60の対向面65とは、後述する第1接続部90及び第2接続部92が延びる方向(長手方向)において、蓋80と直接対向する面をいう。第1接続部90及び第2接続部92が延びる方向を、以下、長手方向ということがある。対向面65とは、蓋80と直接対向し、且つ長手方向に対して角度を有する面ということもできる。したがって、タンク本体60の周壁52の外面は長手方向と略平行に延びるので蓋80の対向面ではないし、タンク本体60の第2端部60bの端面は、蓋80と直接対向しないので、対向面ではない。図3Bに示すように、対向面65は、最外縁65a(第2最外縁の一例に相当する)を有する。図示の例では、最外縁65aは、長手方向からみて円形であるが、これに限らず、最外縁65aは任意の形状を有し得る。
【0052】
図3A及び図3Bに示すように、対向面65には、第1開口66が形成され得る。図示の例では、第1開口66は、長手方向からみて環状の形状を有し、対向面65に形成される内側開口縁66a(第1開口縁の一例に相当する)と外側開口縁66b(第1開口縁の一例に相当する)によって画定される。したがって、内側開口縁66a及び外側開口縁66bは、長手方向からみてそれぞれ円形である。この場合、内側開口縁66a及び外側開口縁66bは同心円上に位置することが好ましい。本実施形態では、第1開口66は、エアロゾル源を収容可能な空間52aと連通する。
【0053】
また、対向面65には、さらに、第2開口67が形成され得る。図示の例では、第2開口67は、長手方向からみて円形の形状を有し、対向面65に形成される第2開口縁67aによって画定される。したがって、第2開口縁67aは、長手方向からみて円形である。本実施形態では、第2開口67は、エアロゾル流路61aと連通する。なお、本実施形態では、第2開口67の形状は円形であるが、これに限らず第1開口66と同様に環状であってもよく、この場合、第2開口縁67aは外側の開口縁として第2開口67の一部を画定する。
【0054】
図3A及び図3Bに示すように、対向面65は、最外縁65aと外側開口縁66bとの間に設けられる第1凹部68(凹部の一例に相当する)と、内側開口縁66aと第2開口縁67aとの間に設けられる第2凹部69(凹部の一例に相当する)と、を有し得る。第1凹部68と第2凹部69は、少なくともいずれか一方を対向面65に設けることができる。或いは、第1凹部68と第2凹部69を省略することもできる。
【0055】
図3Aに示すように、本実施形態では、第1凹部68及び第2凹部69は、タンク本体60の周方向に沿って延びる、環状の溝である。しかしながら、これに限らず、第1凹部68及び第2凹部69の平面形状は任意である。図3Bに示すように、第1凹部68は、底部68aと、側壁部68bと、を有する。図示の例では、側壁部68bは、底部68aに向かって第1凹部68の幅が縮小するようにテーパ面68bを有する。また、第2凹部69は、底部69aと、側壁部69bと、を有する。図示の例では、側壁部69bは、底部69aに向かって第2凹部69の幅が縮小するようにテーパ面69bを有する。
【0056】
図4Aは、蓋80の斜視図である。図4Bは蓋80の中心を含む断面図である。図4A及び図4Bに示すように、蓋80は、略円盤状の平板部80aを有する。平板部80aの略中央部には、タンク本体60の第2開口67と連通する開口80bが設けられ得る。蓋80には、その一端が平板部80aの一方の面に接続された第1接続部90(接続部の一例に相当する)及び第2接続部92(接続部の一例に相当する)が設けられる。第1接続部90又は第2接続部92は、蓋80と一体に形成されてもよいし、蓋80に接合又は溶接により接続されていてもよい。また、第1接続部90と第2接続部92は、いずれか一方のみが蓋80に設けられていてもよい。第1接続部90及び第2接続部92の他端は、タンク本体60と接合又は溶接される。第2接続部92は、第2接続部92が蓋80とタンク本体60との間を延びる方向からみて、第1接続部90の内側に位置する。また、図4Aに示すように、第1接続部90及び第2接続部92は、第1接続部90及び第2接続部92が蓋80とタンク本体60との間を延びる方向(長手方向)からみて環状の形状を有する突条部であり得る。この突条部の断面形状は、図4Bにおいては矩形であるが、それに限らず、三角形等の多角形でもよいし、円形のように突条部の先端が丸みを帯びていてもよい。また、この突条部の断面形状と第1凹部68又は第2凹部69の断面形状は非相似であることが好ましい。また、第1接続部90と第2接続部92は、長手方向と直交する断面において略同心円上に配置されることが好ましい。これにより、タンク50の中央に収容可能な空間52aとは分離したエアロゾル流路61aを形成することができる。
【0057】
第1接続部90の他端は、タンク本体60の第1凹部68と接合又は溶接される。これにより、第1接続部90の接合又は溶接により生じる溶けた材料(余剰部材)を第1凹部68内に溜めることができる。このため、第1接続部90の余剰部材が蓋80とタンク本体60の間から露出することを抑制することができる。また、第1接続部90の他端は、タンク本体60の対向面65の最外縁65aから離間して、対向面65と接合又は溶接されるということもできる。これにより、第1接続部90の余剰部材がタンク本体60の対向面65の最外縁65aから露出することを抑制することができる。第1接続部90の他端は、外側開口縁66bから離間して、タンク本体60の対向面65と接合又は溶接されるということもできる。これにより、第1接続部90の余剰部材が第1開口66に露出することを抑制することができる。第1接続部90の他端は、第1凹部68の底部68aに接合又は溶接されることが好ましい。これにより、第1接続部90の余剰部材を底部68aに溜めることができ、第1凹部68が効率よく余剰部材を収容することができる。
【0058】
第2接続部92の他端は、タンク本体60の第2凹部69と接合又は溶接される。これにより、第2接続部92の接合又は溶接により生じる溶けた材料(余剰部材)を第2凹部69内に溜めることができる。このため、第2接続部92の余剰部材が蓋80とタンク本体60の間から露出することを抑制することができる。第2接続部92の他端は、内側開口縁66aから離間して、タンク本体60の対向面65と接合又は溶接されるということもできる。これにより、第2接続部92の余剰部材が第1開口66に露出することを抑制することができる。また、第2接続部92の他端は、第2開口縁67aから離間して、対向面65と接合又は溶接されるということもできる。これにより、第2接続部92の余剰部材が第2開口67に露出することを抑制することができる。第2接続部92の他端は、第2凹部69の底部69aに接合又は溶接されることが好ましい。これにより、第2接続部92の余剰部材を底部69aに溜めることができ、第2凹部69が効率よく余剰部材を収容することができる。第1接続部90と第2接続部92は、タンク本体60と、好ましくは超音波溶接により溶接され得る。
【0059】
蓋80は、タンク本体60と対向する対向面80d(第1対向面の一例に相当する)を有する。ここで、蓋80の対向面80dとは、長手方向において、タンク本体60と直接対向する面をいう。また、対向面80dとは、タンク本体60と直接対向し、且つ長手方向に対して角度を有する面ということもできる。図4Bに示すように、対向面80dは、最外縁80c(第1最外縁の一例に相当する)を有する。図示の例では、最外縁80cは、長手方向からみて円形であるが、これに限らず、最外縁80cは任意の形状を有し得る。また、対向面80dは、開口80bを画定する開口縁80eを有する。開口縁80eは、蓋80の最内縁ということもできる。
【0060】
蓋80が第1接続部90及び第2接続部92を介してタンク本体60に接続されることにより、タンク本体60の第1開口66が閉止される。このとき、蓋80は、エアロゾル流路61aの一部を画定し、蓋80の開口80bは、エアロゾル流路61aの一部を構成する。また、タンク本体60の第1開口66が蓋80によって閉止されることにより、蓋80は、エアロゾル源を収容可能な空間52aの一部を画定する。
【0061】
蓋80には、さらに、蓋80の対向面80dから延びるガイド部95が設けられる。図4Aに示すように、ガイド部95は、長手方向からみて環状の形状を有し得る。ガイド部95の形状は任意であり、例えば、ピン状の複数のガイド部95が設けられてもよい。本実施形態では、ガイド部95は、タンク本体60の第1開口66に嵌合するように構成される。より具体的には、ガイド部95は、第1開口66を画定する外側開口縁66bに嵌合するように構成される。これにより、第1接続部90及び第2接続部92をタンク本体60に接合又は溶接するときに、タンク本体60に対して蓋80を位置決めすることができる。このとき、ガイド部95が第1開口66の外側開口縁66bに嵌合するので、第1接続部90から生じる余剰部材が第1開口66に向けて露出されることがガイド部95によって抑制される。言い換えれば、ガイド部95は、第1接続部90の余剰部材が第1開口66に入り込むことを防止することができる。
【0062】
ガイド部95は、第1開口66を画定する内側開口縁66aに嵌合するように蓋80に設けられてもよい。また、内側開口縁66aと外側開口縁66bの両方に嵌合するように、2つのガイド部95が蓋80に設けられてもよい。図4Bに示すように、ガイド部95は、第1接続部90又は第2接続部92よりも、長手方向において長いことが好ましい。
【0063】
図5Aは、タンク50の長手方向に沿って切断した断面図である。図5Bは、図5Aに示した蓋80とタンク本体60との接続部の拡大図である。図5A及び図5Bに示すように蓋80は、長手方向と直交する方向において、第1接続部90と蓋80との接続部分から、タンク本体の最外縁65aに向かって延びる延在部82を有する。これにより、第1接続部90の余剰部材が、蓋80とタンク本体60との隙間から外に露出することを抑制することができる。
【0064】
図5A及び図5Bに示すように、ガイド部95は、タンク本体60とは接合又は溶接されない。これにより、ガイド部95から、ガイド部95が溶けることによって生じる余剰部材が発生することを防止できる。また、図示のように、ガイド部95は、第1接続部90及び第2接続部92が蓋80とタンク本体60との間に延びる方向(長手方向)と直交する方向からみて、第1接続部90の第1凹部68との接続箇所と重なるように配置される。これにより、第1接続部90をタンク本体60(第1凹部68)に接合又は溶接する際に生じる余剰部材がガイド部95によって覆われて、第1開口66に露出されることを防止することができる。
【0065】
また、本実施形態では、蓋80がタンク本体60に接合された状態において、蓋80の最外縁80cとタンク本体60との間に隙間が設けられ、これらは接合又は溶接されない。また、タンク本体60の対向面65の最外縁65aと蓋80との間にも隙間が設けられ、これらは接合又は溶接されない。蓋80の最外縁80c又はタンク本体60の最外縁65aがいずれかの部品に接合又は溶接されると、これらの部分が溶けた材料(余剰部材)がタンク50の外部に露出される虞がある。これに対して、本実施形態によれば、蓋80の最外縁80c又はタンク本体60の最外縁65aが、いずれの部分とも接合又は溶接されないので、最外縁80c及び最外縁65aが溶けることがなく、これらの余剰部材がタンク50の外部に露出することが防止される。より具体的には、本実施形態では、蓋80の最外縁80cとタンク本体60の最外縁65aとが互いに接合又は溶接されないことが好ましい。蓋80の最外縁80cとタンク本体60の最外縁65aとが接合又は溶接されると、余剰部材が最外縁80cと最外縁65aとから露出する虞がある。これに対して、蓋80の最外縁80cとタンク本体60の最外縁65aとが互いに接合又は溶接されない場合、最外縁80cと最外縁65aとから余剰部材が露出することを防止することができる。
【0066】
図5A及び図5Bに示すように、タンク50は、蓋80の最外縁80cとタンク本体60の最外縁65aとの間に隙間を有することができる。これにより、蓋80とタンク本体60との間に生じた余剰部材がこの隙間に留まることができるので、第1接続部90及び第2接続部92から生じる余剰部材がこの隙間に留まることができ、余剰部材がタンク50の外部に露出されることを一層抑制することができる。
【0067】
図5A及び図5Bに示すように、タンク50では、第1開口66の内側開口縁66a又は外側開口縁66bが、蓋80と接合又は溶接されないことが好ましい。これにより、内側開口縁66a又は外側開口縁66bから余剰部材が発生せず、第1開口66(空間52a)に余剰部材が露出することを抑制することができ、エアロゾル源中に異物が混入していると誤認されることを防止することができる。
【0068】
図5A及び図5Bに示すように、タンク50では、第2開口67の第2開口縁67aが蓋80と接合又は溶接されないことが好ましい。これにより、第2開口縁67aから余剰部材が発生せず、第2開口67(エアロゾル流路61a)に余剰部材が露出することを抑制することができ、エアロゾルが余剰部材に凝縮することを防止することができる。また、タンク50では、蓋80の開口80bを画定する開口縁80eが、タンク本体60と接合又は溶接されないことが好ましい。これにより、開口縁80eから余剰部材が発生せず、開口80bに余剰部材が露出することを抑制することができる。
【0069】
図5A及び図5Bに示すように、蓋80の対向面80dと、タンク本体60の対向面65とは、互いに接合又は溶接されないことが好ましい。言い換えれば、蓋80とタンク本体60とは、第1接続部90及び第2接続部92のみを介して互いに固定されることが好ましい。これにより、対向面80d及び対向面65から余剰部材が発生することが防止でき、その結果、余剰部材が外部に露出することも防止できる。
【0070】
図5A及び図5Bに示すように、タンク本体60の第1凹部68の一部が、蓋80の第1接続部90の一部(余剰部材を含む)によって埋められることが好ましい。言い換えれば、第1凹部68が第1接続部90によって完全に埋められないことが好ましい。これにより、第1凹部68は、第1接続部90が溶けることで生じる余剰部材の全てを収容することができ、余剰部材が第1凹部68の外に出ることを抑制することができる。また、タンク本体60の第2凹部69の一部が、蓋80の第2接続部92の一部(余剰部材を含む)によって埋められることが好ましい。言い換えれば、第2凹部69が第2接続部92によって完全に埋められないことが好ましい。これにより、第2凹部69は、第2接続部92が溶けることで生じる余剰部材の全てを収容することができ、余剰部材が第2凹部69の外に出ることを抑制することができる。
【0071】
次に、ベイパー製品100のカートリッジ30の製造方法について説明する。図6Aから図6Fは、カートリッジ30の製造プロセスを示す概略図である。図6Aに示すように、まず、カートリッジ30を構成するタンク本体60を用意する。このとき、タンク本体60は、第2端部60bが上方に位置するように設置され得る。なお、図6Aにおいては、タンク本体60の周壁52のみが示され、その他の構成要素は図示省略されている。
【0072】
図6Bに示すように、ガスケット31がタンク本体60の開口51からタンク本体60の内部に配置される。このとき、ガスケット31の挿入孔31a(図2参照)にタンク本体60の流路管61が挿入され、ガスケット31は、タンク本体60の凸部63(図3B参照)によって位置決めされる。また、図6Cに示すように、メッシュ体32がタンク本体60の開口51からタンク本体60の内部に、ガスケット31に重なるように配置される。このとき、メッシュ体32の挿入孔32a(図2参照)にタンク本体60の流路管61が挿入される。その後、図6Dに示すように、加熱アセンブリ38がタンク本体60の第2端部60bに接続されて、開口51が閉止される。加熱アセンブリ38の一部は、開口51を通じてタンク本体60の内部に挿入されてもよい。
【0073】
続いて、図6Eに示すように、加熱アセンブリ38が接続されたタンク本体60の空間52aにエアロゾル源L1が充填される。このとき、タンク本体60は、第1端部60aが上方に位置するように設置され得る。最後に、図6Fに示すように、蓋80がタンク本体60の第1端部60aに、例えば超音波溶接により接合又は溶接されて、カートリッジ30が製造される。加熱アセンブリ38が組み込まれていない有底のタンク本体60にエアロゾル源L1を入れると、エアロゾル源L1がタンク本体60から漏れることを防止するために加熱アセンブリ38の組み立てまで完了させる必要がある。これに対して、図6Aから図6Eに示すプロセスによれば、エアロゾル源L1を充填する前に加熱アセンブリ38をタンク本体60に組み込むことができるので、例えば、図6Dに示す加熱アセンブリ38が接続されたタンク本体60を一つのユニットとして製造して、その後輸送して、別の場所において図6E及び図6Fに示すように、エアロゾル源の充填及び蓋80の接合又は溶接を行うことができる。
【0074】
図6Fに示すプロセスにおいて、タンク本体60の第1凹部68の一部が、蓋80の第1接続部90の一部(余剰部材を含む)によって埋められることが好ましい。言い換えれば、第1凹部68が第1接続部90によって完全に埋められないことが好ましい。これにより、第1凹部68は、第1接続部90が溶けることで生じる余剰部材の全てを収容することができ、余剰部材が第1凹部68の外に出ることを抑制することができる。また、タンク本体60の第2凹部69の一部が、蓋80の第2接続部92の一部(余剰部材を含む)によって埋められることが好ましい。言い換えれば、第2凹部69が第2接続部92によって完全に埋められないことが好ましい。これにより、第2凹部69は、第2接続部92が溶けることで生じる余剰部材の全てを収容することができ、余剰部材が第2凹部69の外に出ることを抑制することができる。
【0075】
図6Fに示すプロセスにおいて、蓋80の対向面80dとタンク本体60の対向面65とが互いに接合又は溶接されないように、第1接続部90及び第2接続部92がタンク本体60に接合又は溶接されることが好ましい。これにより、対向面80dと対向面65からから余剰部材が発生することが防止でき、その結果、余剰部材が外部に露出することも防止できる。
【0076】
図6Fに示すプロセスにおいて、ガイド部95が第1開口66(外側開口縁66b)に嵌合されることにより蓋80とタンク本体60とが位置合わせされた状態で、第1接続部90及び第2接続部92がタンク本体60に接合又は溶接されることが好ましい。また、図4Bに示したように、ガイド部95は、第1接続部90及び第2接続部92と平行に延び、第1接続部90及び第2接続部92の延びる方向(長手方向)において、タンク本体60と接合又は溶接される前の第1接続部90及び第2接続部92よりも長い。これにより、第1接続部90及び第2接続部92がタンク本体60と接合又は溶接する前に、ガイド部95を第1開口66に嵌合させて、蓋80とタンク本体60とを位置合わせすることができる。
【0077】
以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
【0078】
以下に本明細書が開示する形態のいくつかを記載する。
第1形態によれば、エアロゾル源を加熱する加熱要素を備えるベイパー製品の一部に組み込まれるカートリッジが提供される。このカートリッジは、少なくともいずれか一方が樹脂から形成される第1部品及び第2部品と、一端が前記第1部品に接続され、他端が前記第2部品と接合又は溶接される接続部と、を有する。前記第2部品は凹部を有する。前記接続部の前記他端は前記凹部に接合又は溶接される。
【0079】
第1形態によれば、第2部品が、接続部の他端が接合又は溶接される凹部を有するので、接続部の溶けた材料を凹部内に溜めることができる。このため、接続部の溶けた材料(余剰部材)が第1部品と第2部品の間から露出することを抑制することができる。
【0080】
第2形態は、第1形態のカートリッジにおいて、前記エアロゾル源が蒸発して生成されるエアロゾルが通過するエアロゾル流路を有し、前記エアロゾル流路の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定される、ことを要旨とする。
【0081】
第2形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つがエアロゾル流路を画定するので、このようなエアロゾル流路中に余剰部材が露出することが抑制され、エアロゾルが余剰部材に凝縮することを防止することができる。さらに述べれば、第2形態に係るカートリッジは、先に述べた通り樹脂で形成される。前出の、エアロゾル流路を第1部品及び第2部品の少なくとも一部で画定することは、両部品は、それぞれ前出の凹部の一部を構成する箇所を有しつつ、エアロゾル流路を部品の少なくとも一部が構成する箇所を有するよう、一体に金型成型されるということで実現できる。これにより、別体で成形された場合に必要となる組み合わせ工程や接着する工程は省略され、篏合部や接着箇所がないため小型の樹脂部品でありながら消費者が使用の際に手に取っても壊れにくく扱い易くなる。一方で、凹部とエアロゾル流路の形状は、両部品それぞれが金型で一体に成型ができる範囲に、設計が制約される。
【0082】
第3形態は、第1形態又は第2形態のカートリッジにおいて、前記エアロゾル源を収容可能な空間を有し、前記空間の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定される、ことを要旨とする。
【0083】
第3形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つがエアロゾル源を収容可能な空間を画定するので、このような空間に余剰部材が露出することが抑制され、エアロゾル源中に異物が混入していると誤認されることを防止することができる。さらに述べれば、第1形態及び第2形態を引用する第3形態に係るカートリッジは、先に述べた通り樹脂で形成される。前出の、エアロゾル源を収容可能な空間を有し、前記空間の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定されることは、両部品は、それぞれ前出の凹部の一部を構成する箇所を有するか、エアロゾル流路を部品の少なくとも一部が構成する箇所を有するかのいずれかを満たしつつ、エアロゾル源を収容可能な空間を構成する箇所を有するよう、一体に金型成型されることで実現できる。これにより、第2形態で述べた効用もまた得られる。
【0084】
第4形態は、第1形態から第3形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記加熱要素の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つに収容される、ことを要旨とする。
【0085】
第4形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つが加熱要素の少なくとも一部を収容するので、このような加熱要素に対して余剰部材が露出することを抑制することができる。さらに述べれば、第4形態に係るカートリッジは、消費者がそれを使用する際に、加熱要素と組み合わせることを要求せず、簡便に使用することができる。
【0086】
第5形態は、第1形態から第4形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記第1部品は、平板部を有し、前記接続部は、前記平板部の平面に設けられた環状の突条部であり、前記凹部は、前記突条部に沿って延びる溝である、ことを要旨とする。
【0087】
第5形態によれば、環状の突条部が、環状の溝に接合又は溶接される。これにより、環状の接合又は溶接箇所において、余剰部材が露出することを抑制することができる。また、環状の突条部が環状の溝に接合される又は溶接されることにより、第1部品、第2部品、及び接続部によって、閉じられた空間を形成することができ、この空間を、例えばエアロゾル源を収容する空間とすることができる。
【0088】
第6形態は、第1形態から第5形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記第1部品は、前記第2部品と対向する対向面を有し、前記接続部は、第1接続部及び第2接続部を含み、前記第1接続部及び前記第2接続部の各々は、一端が前記第1部品に接続され、他端が前記第2部品と接合又は溶接され、前記第1接続部及び前記第2接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて環状の形状を有し、前記第2接続部は、前記第2接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて前記第1接続部の内側に位置し、前記凹部は、前記第1接続部の前記他端が接合又は溶接される第1凹部と、前記第2接続部の前記他端が接合又は溶接される第2凹部とを含む、ことを要旨とする。
【0089】
第6形態によれば、環状の第1接続部及び第2接続部が、第1凹部及び第2凹部にそれぞれ接合又は溶接される。これにより、環状の接合又は溶接箇所において、余剰部材が露出することを抑制することができる。また、環状の第1接続部及び第2接続部が、第1凹部及び第2凹部に接合される又は溶接されることにより、第1部品、第2部品、第1接続部、及び第2接続部によって、環状の閉じられた空間と、その内側に分離した空間を形成することができる。このため、閉じられた空間を、例えばエアロゾル源を収容する空間とし、分離した空間をエアロゾル流路とすることができる。なお、本明細書において、第1部品と第2部品の「対向面」とは、接続部が第1部品と第2部品との間を延びる方向において直接対向する面をいい、第1部品の対向面と第2部品の対向面との間には接続部以外の部材は介在しない。第1部品と第2部品の「対向面」とは、接続部が第1部品と第2部品との間を延びる方向に対して角度を有する面ということもできる。
【0090】
第7形態は、第6形態のカートリッジにおいて、前記第1接続部と前記第2接続部は、前記第1方向と直交する断面において略同心円上に配置される、ことを要旨とする。
【0091】
第7形態によれば、第1部品及び第2部品の環状の閉じられた空間の中央に分離した空間を形成することができる。このため、中央の空間をエアロゾル流路とすることができる。
【0092】
第8形態は、第1形態から第7形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記凹部は、底部を有し、前記接続部の前記他端は、前記凹部の前記底部に接合又は溶接される、ことを要旨とする。
【0093】
第8形態によれば、接続部の他端が凹部の底部に接合又は溶接されるので、接続部の溶けた材料(余剰部材)を底部に溜めることができ、凹部が効率よく余剰部材を収容することができる。
【0094】
第9形態は、第8形態のカートリッジにおいて、前記凹部は、側壁部を有し、前記側壁部は、前記底部に向かって前記凹部の幅が縮小するようなテーパ面を有する、ことを要旨とする。
【0095】
第9形態によれば、接続部の他端を凹部に接合又は溶接する際、接合部の他端がテーパ面に沿ってガイドされるので、接続部の他端を凹部の底部に容易に接合又は溶接することができる。
【0096】
第10形態は、第1形態から第9形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記第2部品の前記凹部の一部が前記接続部の一部で埋められるように構成される、ことを要旨とする。
【0097】
第10形態によれば、凹部の一部が接続部によって埋められる、即ち、凹部の全部が接続部によって埋められないので、凹部が接続部の溶けた材料(余剰部材)の全てを収容することができ、余剰部材が凹部の外に出ることを抑制することができる。
【0098】
第11形態によれば、第1形態から第10形態のいずれかのカートリッジの製造方法が提供される。このカートリッジの製造方法において、前記第1部品は蓋部材であり、前記第2部品は筒状部材である。このカートリッジの製造方法は、前記筒状部材の一端に、前記加熱要素を含む加熱アセンブリを接続して、前記筒状部材の前記一端の開口を閉止し、前記加熱アセンブリが接続された前記筒状部材の内部に前記エアロゾル源を充填し、前記エアロゾル源が充填された前記筒状部材の他端に前記接続部を接合又は溶接する、ことを含む。
【0099】
加熱アセンブリが組み込まれていない有底の筒状部材にエアロゾル源を入れると、エアロゾル源が筒状部材から漏れることを防止するために加熱アセンブリの組み立てまで完了させる必要がある。これに対して、第11形態によれば、エアロゾル源を充填する前に加熱アセンブリを筒状部材に組み込むことができるので、例えば、予め加熱アセンブリが接続された筒状部材を一つのユニットとして製造して、その後輸送して、別の場所においてエアロゾル源の充填及び蓋部材の接合又は溶接を行うことができる。
【0100】
第12形態は、第11形態のカートリッジにおいて、前記筒状部材の前記他端に、前記蓋部材の前記接続部を超音波溶接することを含む、ことを要旨とする。
【0101】
第13形態によれば、第1形態から第10形態のいずれかのカートリッジの製造方法が提供される。このカートリッジの製造方法は、前記第2部品に前記第1部品の前記接続部を接合又は溶接して、前記第2部品の前記凹部の一部を前記接続部の一部で埋めることを含む。
【0102】
第13形態によれば、凹部の一部が接続部によって埋められる、即ち、凹部の全部が接続部によって埋められないので、凹部が接続部の溶けた材料(余剰部材)の全てを収容することができ、余剰部材が凹部の外に出ることを抑制することができる。
【0103】
第14形態によれば、エアロゾル源を加熱する加熱要素を備えるカートリッジが提供される。このカートリッジは、少なくともいずれか一方が樹脂から形成される第1部品及び第2部品と、一端が前記第1部品に接続され、他端が前記第2部品と接合又は溶接される接続部と、を有する。前記第2部品は、前記第1部品と対向する対向面と、前記対向面の最外縁と、を有する。前記接続部の前記他端は、前記最外縁から離間して、前記第2部品の前記対向面と接合又は溶接される。
【0104】
第14形態によれば、接続部が第2部品の対向面の最外縁から離間するので、接続部の溶けた材料(余剰部材)が第2部品の対向面の最外縁から露出することを抑制することができる。なお、本明細書において、第1部品と第2部品の「対向面」とは、接続部が第1部品と第2部品との間を延びる方向において直接対向する面をいう、第1部品の対向面と第2部品の対向面との間には接続部以外の部材は介在しない。第1部品と第2部品の「対向面」とは、接続部が第1部品と第2部品との間を延びる方向に対して角度を有する面ということもできる。
【0105】
第15形態は、第14形態のカートリッジにおいて、前記エアロゾル源が蒸発して生成されるエアロゾルが通過するエアロゾル流路を有し、前記エアロゾル流路の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定される、ことを要旨とする。
【0106】
第15形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つがエアロゾル流路を画定するので、このようなエアロゾル流路中に余剰部材が露出することが抑制され、エアロゾルが余剰部材に凝縮することを防止することができる。さらに述べれば、第15形態に係るカートリッジは、先に述べた通り樹脂で形成される。前出の、エアロゾル流路を第1部品及び第2部品の少なくとも一部で画定することは、両部品は、それぞれ前出の凹部の一部を構成する箇所を有しつつ、エアロゾル流路を部品の少なくとも一部が構成する箇所を有するよう、一体に金型成型されるということで実現できる。これにより、別体で成形された場合に必要となる組み合わせ工程や接着する工程は省略され、篏合部や接着箇所がないため小型の樹脂部品でありながら消費者が使用の際に手に取っても壊れにくく扱い易くなる。一方で、凹部とエアロゾル流路の形状は、両部品それぞれが金型で一体に成型ができる範囲に、設計が制約される。
【0107】
第16形態は、第14形態又は第15形態のカートリッジにおいて、前記エアロゾル源を収容可能な空間を有し、前記空間の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定される、ことを要旨とする。
【0108】
第16形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つがエアロゾル源を収容可能な空間を画定するので、このような空間に余剰部材が露出することが抑制され、エアロゾル源中に異物が混入していると誤認されることを防止することができる。さらに述べれば、第14形態及び第15形態を引用する第16形態に係るカートリッジは、先に述べた通り樹脂で形成される。前出の、エアロゾル源を収容可能な空間を有し、前記空間の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定されることは、両部品は、それぞれ前出の凹部の一部を構成する箇所を有するか、エアロゾル流路を部品の少なくとも一部が構成する箇所を有するかのいずれかを満たしつつ、エアロゾル源を収容可能な空間を構成する箇所を有するよう、一体に金型成型されることで実現できる。これにより、第15形態で述べた効用もまた得られる。
【0109】
第17形態は、第14形態から第16形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記加熱要素の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つに収容される、ことを要旨とする。
【0110】
第17形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つが加熱要素の少なくとも一部を収容するので、このような加熱要素に対して余剰部材が露出することを抑制することができる。さらに述べれば、第17形態に係るカートリッジは、消費者がそれを使用する際に、加熱要素と組み合わせることを要求せず、簡便に使用することができる。
【0111】
第18形態は、第14形態から第17形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記第2部品は、前記対向面に形成された第1開口と、前記第1開口の少なくとも一部を画定する第1開口縁と、を有し、前記接続部の前記他端は、前記第1開口縁から離間して、前記第2部品の前記端面と接合又は溶接される、ことを要旨とする。
【0112】
第18形態によれば、第1開口に余剰部材が露出することを抑制することができる。
【0113】
第19形態は、第18形態のカートリッジにおいて、前記第1開口は、前記接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて環状の形状を有し、前記第1開口縁は、前記第1開口を画定する外側開口縁及び内側開口縁を含み、前記接続部は、第1接続部及び第2接続部を含み、前記第1接続部及び前記第2接続部の各々は、一端が前記第1部品に接続され、他端が前記第2部品と接合又は溶接され、前記第1接続部及び前記第2接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて環状の形状を有し、前記第2接続部は、前記第2接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて前記第1接続部の内側に位置し、前記第1接続部の前記他端は、前記外側開口縁から離間して、前記第2部品と接合又は溶接され、前記第2接続部の前記他端は、前記内側開口縁から離間して、前記第2部品と接合又は溶接される、ことを要旨とする。
【0114】
第19形態によれば、第1接続部及び第2接続部が溶けた材料(余剰部材)が、第1開口に露出することを抑制することができる。
【0115】
第20形態は、第19形態のカートリッジにおいて、前記第2部品は、前記第2接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて前記第1開口より内側に位置する第2開口と、前記第2開口の少なくとも一部を画定する第2開口縁と、を有し、前記第2接続部の前記他端は、前記第2開口縁から離間して、前記第2部品と接合又は溶接される、ことを要旨とする。
【0116】
第20形態によれば、第2接続部が溶けた材料(余剰部材)が、第2開口に露出することを抑制することができる。
【0117】
第21形態は、第14形態から第20形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記第1部品は、前記接続部の延びる方向と直交する方向において、前記接続部の前記一端から前記第2部品の前記最外縁に向かって延びる延在部を有する、ことを要旨とする。
【0118】
第21形態によれば、第1部品が延在部を有するので、余剰部材が、第1部品と第2部品との隙間から外に露出することを抑制することができる。
【0119】
第22形態によれば、第14形態から第21形態のいずれかのカートリッジの製造方法が提供される。このカートリッジの製造方法において、前記第1部品は蓋部材であり、前記第2部品は筒状部材である。このカートリッジの製造方法は、前記筒状部材の一端に、前記加熱要素を含む加熱アセンブリを接続して、前記筒状部材の前記一端の開口を閉止し、前記加熱アセンブリが接続された前記筒状部材の内部に前記エアロゾル源を充填し、前記エアロゾル源が充填された前記筒状部材の他端に前記接続部を接合又は溶接する、ことを含む。
【0120】
加熱アセンブリが組み込まれていない有底の筒状部材にエアロゾル源を入れると、エアロゾル源が筒状部材から漏れることを防止するために加熱アセンブリの組み立てまで完了させる必要がある。これに対して、第22形態によれば、エアロゾル源を充填する前に加熱アセンブリを筒状部材に組み込むことができるので、例えば、予め加熱アセンブリが接続された筒状部材を一つのユニットとして製造して、その後輸送して、別の場所においてエアロゾル源の充填及び蓋部材の接合又は溶接を行うことができる。
【0121】
第23形態は、第22形態のカートリッジの製造方法において、前記筒状部材の前記他端に、前記蓋部材の前記接続部を超音波溶接することを含む、ことを要旨とする。
【0122】
第24形態によれば、エアロゾル源を加熱する加熱要素を備えるベイパー製品の一部に組み込まれるカートリッジが提供される。このカートリッジは、少なくともいずれか一方が樹脂から形成される第1部品及び第2部品と、一端が前記第1部品に接続され、他端が前記第2部品と接合又は溶接される接続部と、を有する。前記第1部品は、前記第2部品と対向する第1対向面と、前記第1対向面の第1最外縁と、を有する。前記第2部品は、前記第1部品と対向する第2対向面と、前記第2対向面の第2最外縁と、を有する。前記第1最外縁と前記第2部品とが互いに接合又は溶接されず、且つ前記第2最外縁と前記第1部品とが互いに接合又は溶接されない。
【0123】
第1最外縁又は第2最外縁がいずれかの部品と接合又は溶接されると、これらの部分が溶けた材料(余剰部材)が部品の外部に露出されることになる。第24形態によれば、第1部品の第1最外縁と第2部品の第2最外縁とが、いずれの部分とも接合又は溶接されないので、第1最外縁及び第2最外縁が溶けることがなく、これらの余剰部材が部品の外部に露出することを防止できる。なお、本明細書において、第1部品の「第1対向面」及び第2部品の「第2対向面」とは、それぞれ、接続部が第1部品と第2部品との間を延びる方向において直接対向する第1部品及び第2部品の面をいう、第1部品の対向面と第2部品の対向面との間には接続部以外の部材は介在しない。第1部品と第2部品の「対向面」とは、接続部が第1部品と第2部品との間を延びる方向に対して角度を有する面ということもできる。
【0124】
第25形態は、第24形態のカートリッジにおいて、前記エアロゾル源が蒸発して生成されるエアロゾルが通過するエアロゾル流路を有し、前記エアロゾル流路の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定される、ことを要旨とする。
【0125】
第25形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つがエアロゾル流路を画定するので、このようなエアロゾル流路中に余剰部材が露出することが抑制され、エアロゾルが余剰部材に凝縮することを防止することができる。さらに述べれば、第25形態に係るカートリッジは、先に述べた通り樹脂で形成される。前出の、エアロゾル流路を第1部品及び第2部品の少なくとも一部で画定することは、両部品は、それぞれ前出の凹部の一部を構成する箇所を有しつつ、エアロゾル流路を部品の少なくとも一部が構成する箇所を有するよう、一体に金型成型されるということで実現できる。これにより、別体で成形された場合に必要となる組み合わせ工程や接着する工程は省略され、篏合部や接着箇所がないため小型の樹脂部品でありながら消費者が使用の際に手に取っても壊れにくく扱い易くなる。一方で、凹部とエアロゾル流路の形状は、両部品それぞれが金型で一体に成型ができる範囲に、設計が制約される。
【0126】
第26形態は、第24形態又は第25形態のカートリッジにおいて、前記エアロゾル源を収容可能な空間を有し、前記空間の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定される、ことを要旨とする。
【0127】
第26形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つがエアロゾル源を収容可能な空間を画定するので、このような空間に余剰部材が露出することが抑制され、エアロゾル源中に異物が混入していると誤認されることを防止することができる。さらに述べれば、第24形態及び第25形態を引用する第26形態に係るカートリッジは、先に述べた通り樹脂で形成される。前出の、エアロゾル源を収容可能な空間を有し、前記空間の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定されることは、両部品は、それぞれ前出の凹部の一部を構成する箇所を有するか、エアロゾル流路を部品の少なくとも一部が構成する箇所を有するかのいずれかを満たしつつ、エアロゾル源を収容可能な空間を構成する箇所を有するよう、一体に金型成型されることで実現できる。これにより、第25形態で述べた効用もまた得られる。
【0128】
第27形態は、第24形態から第26形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記加熱要素の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つに収容される、ことを要旨とする。
【0129】
第27形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つが加熱要素の少なくとも一部を収容するので、このような加熱要素に対して余剰部材が露出することを抑制することができる。さらに述べれば、第27形態に係るカートリッジは、消費者がそれを使用する際に、加熱要素と組み合わせることを要求せず、簡便に使用することができる。
【0130】
第28形態は、第24形態から第27形態のいずれか一項に記載されたカートリッジにおいて、前記第1最外縁と前記第2最外縁とが互いに接合又は溶接されない、ことを要旨とする。
【0131】
第1部品の第1最外縁と第2部品の第2最外縁とが接合又は溶接されると、余剰部材が第1最外縁及び第2最外縁から露出する。これに対して、第28形態によれば、第1最外縁と第2最外縁とが互いに接合又は溶接されないので、第1最外縁と第2最外縁から余剰部材が露出することを防止することができる。
【0132】
第29形態は、第28形態のカートリッジにおいて、前記第1最外縁と前記第2最外縁との間に隙間を有する、ことを要旨とする。
【0133】
第29形態によれば、第1部品と第2部品との間に生じた余剰部材が留まることができる隙間を有するので、第2部品と接合又は溶接される接続部から生じる余剰部材が外部に露出されることを一層抑制することができる。
【0134】
第30形態は、第24形態から第29形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記第2部品は、前記第2対向面に形成された第1開口と、前記第1開口の少なくとも一部を画定する第1開口縁と、を有し、前記第1開口縁は、前記第1部品と接合又は溶接されない、ことを要旨とする。
【0135】
第30形態によれば、第1開口縁が第1部品と接合又は溶接されないので、第1開口縁から余剰部材が発生せず、第1開口に余剰部材が露出することを抑制することができる。
【0136】
第31形態は、第30形態のカートリッジにおいて、前記第1開口は、前記接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて環状の形状を有し、前記第1開口縁は、前記第1開口を画定する外側開口縁及び内側開口縁を含み、前記外側開口縁及び前記内側開口縁は、前記第1部品と接合又は溶接されない、ことを要旨とする。
【0137】
第31形態によれば、外側開口縁及び内側開口縁が第1部品と接合又は溶接されないので、外側開口縁及び内側開口縁から第1開口に余剰部材が露出することを抑制することができる。
【0138】
第32形態は、第31形態のカートリッジにおいて、前記第2部品は、前記第2対向面に形成され、前記接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて前記第1開口より内側に位置する第2開口と、前記第2開口の少なくとも一部を画定する第2開口縁と、を有し、前記第2開口縁は、前記第1部品と接合又は溶接されない、ことを要旨とする。
【0139】
第32形態によれば、第2開口縁が第1部品と接合又は溶接されないので、第2開口縁から余剰部材が発生せず、第2開口に余剰部材が露出することを抑制することができる。
【0140】
第33形態は、第24形態から第32形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記第1部品の第1対向面と前記第2部品の第2対向面とは、互いに接合又は溶接されない、ことを要旨とする。
【0141】
第33形態によれば、第1部品の第1対向面と第2部品の第2対向面とが接合又は溶接されないので、これらの第1対向面及び第2対向面から余剰部材が発生することが防止でき、その結果、余剰部材が外部に露出することも防止できる。
【0142】
第34形態によれば、第24形態から第33形態のいずれかのカートリッジの製造方法が提供される。このカートリッジの製造方法において、前記第1部品は蓋部材であり、前記第2部品は筒状部材である。このカートリッジの製造方法は、前記筒状部材の一端に、前記加熱要素を含む加熱アセンブリを接続して、前記筒状部材の前記一端の開口を閉止し、前記加熱アセンブリが接続された前記筒状部材の内部に前記エアロゾル源を充填し、前記エアロゾル源が充填された前記筒状部材の他端に前記接続部を接合又は溶接する、ことを含む。
【0143】
加熱アセンブリが組み込まれていない有底の筒状部材にエアロゾル源を入れると、エアロゾル源が筒状部材から漏れることを防止するために加熱アセンブリの組み立てまで完了させる必要がある。これに対して、第34形態によれば、エアロゾル源を充填する前に加熱アセンブリを筒状部材に組み込むことができるので、例えば、予め加熱アセンブリが接続された筒状部材を一つのユニットとして製造して、その後輸送して、別の場所においてエアロゾル源の充填及び蓋部材の接合又は溶接を行うことができる。
【0144】
第35形態は、第33形態のカートリッジの製造方法において、前記筒状部材の前記他端に、前記蓋部材の前記接続部を超音波溶接することを含む、ことを要旨とする。
【0145】
第36形態によれば、第24形態から第33形態のいずれかのカートリッジの製造方法が提供される。このカートリッジの製造方法は、前記第1部品の第1対向面と前記第2部品の第2対向面とが互いに接合又は溶接されないように、前記接続部の前記他端を前記第2部品と接合又は溶接することを含む。
【0146】
第36形態によれば、第1部品の第1対向面と第2部品の第2対向面とが接合又は溶接されないので、これらの第1対向面及び第2対向面から余剰部材が発生することが防止でき、その結果、余剰部材が外部に露出することも防止できる。
【0147】
第37形態によれば、エアロゾル源を加熱する加熱要素を備えるベイパー製品の一部に組み込まれるカートリッジが提供される。このカートリッジは、少なくともいずれか一方が樹脂から形成される第1部品及び第2部品と、一端が前記第1部品に接続され、他端が前記第2部品と接続されて前記第1部品と前記第2部品との間に延びる接続部と、前記第1部品から延び、前記第2部品とは接合又は溶接されないガイド部と、を有する。前記第2部品は、前記ガイド部が嵌合する受容部を有する。
【0148】
第37形態によれば、第1部品がガイド部を有し、第2部品が受容部を有するので、接続部を介して第1部品と第2部品とを接続するときに、ガイド部が受容部に嵌合することにより、第2部品に対して第1部品を位置決めすることができる。また、このガイド部は第2部品には接合又は溶接されないので、ガイド部から余剰部材が生じることを防止できる。なお、本明細書における「嵌合」とは、ガイド部と受容部とが隙間なく嵌め合わされる場合に限らず、第2部品に対する接続部の位置を許容範囲にガイドすることができる程度にガイド部と受容部との間に隙間を有しながらガイド部が受容部に嵌め合わされる場合も含み得る。即ち、本明細書における「嵌合」には「遊嵌」も含まれ得る。
【0149】
第38形態は、第37形態のカートリッジにおいて、前記エアロゾル源が蒸発して生成されるエアロゾルが通過するエアロゾル流路を有し、前記エアロゾル流路の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定される、ことを要旨とする。
【0150】
第38形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つがエアロゾル流路を画定するので、このようなエアロゾル流路を画定する部品において、接続部を介して第1部品と第2部品とを接続ときに、ガイド部が受容部に嵌合することにより、第2部品に対して接続部及び第1部品を位置決めすることができる。また、このようなエアロゾル流路を画定する部品において、ガイド部から余剰部材が生じることを防止できる。さらに述べれば、第38形態に係るカートリッジは、先に述べた通り樹脂で形成される。前出の、エアロゾル流路を第1部品及び第2部品の少なくとも一部で画定することは、両部品は、それぞれエアロゾル流路を部品の少なくとも一部が構成する箇所を有するよう、一体に金型成型されるということで実現できる。これにより、別体で成形された場合に必要となる組み合わせ工程や接着する工程は省略され、篏合部や接着箇所がないため小型の樹脂部品でありながら消費者が使用の際に手に取っても壊れにくく扱い易くなる。一方で、エアロゾル流路の形状は、両部品それぞれが金型で一体に成型ができる範囲に、設計が制約される。
【0151】
第39形態は、第37形態又は第38形態のカートリッジにおいて、前記エアロゾル源を収容可能な空間を有し、前記空間の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定される、ことを要旨とする。
【0152】
第39形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つがエアロゾル源を収容可能な空間を画定するので、このような空間を画定する部品において、接続部を介して第1部品と第2部品とを接続するときに、ガイド部が受容部に嵌合することにより、第2部品に対して接続部及び第1部品を位置決めすることができる。また、このような空間を画定する部品において、ガイド部から余剰部材が生じることを防止できる。さらに述べれば、第37形態及び第38形態を引用する第39形態に係るカートリッジは、先に述べた通り樹脂で形成される。前出の、エアロゾル源を収容可能な空間を有し、前記空間の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つによって画定されることは、両部品は、それぞれ、エアロゾル流路を部品の少なくとも一部が構成する箇所を有しつつ、エアロゾル源を収容可能な空間を構成する箇所を有するよう、一体に金型成型されることで実現できる。これにより、第38形態で述べた効用もまた得られる。
【0153】
第40形態は、第37形態から第39形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記加熱要素の少なくとも一部は、前記第1部品及び前記第2部品の少なくとも一つに収容される、ことを要旨とする。
【0154】
第40形態によれば、第1部品及び第2部品の少なくとも一つが加熱要素の少なくとも一部を収容するので、このような加熱要素を収容する部品において、接続部を介して第1部品と第2部品とを接続するときに、ガイド部が受容部に嵌合することにより、第2部品に対して接続部及び第1部品を位置決めすることができる。また、このような加熱要素を収容する部品において、ガイド部から余剰部材が生じることを防止できる。さらに述べれば、第40形態に係るカートリッジは、消費者がそれを使用する際に、加熱要素と組み合わせることを要求せず、簡便に使用することができる。
【0155】
第41形態は、第37形態から第40形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記ガイド部は、前記接続部が前記第1部品と前記第2部品との間に延びる方向と直交する方向からみて、前記接続部の前記他端と重なるように配置される、ことを要旨とする。
【0156】
第41形態によれば、ガイド部が接続部の他端を側方から覆うように配置されるので、接続部を第2部品に接合又は溶接する際に生じる余剰部材がガイド部によって覆われて、露出されることを防止することができる。
【0157】
第42形態は、第37形態から第41形態のいずれかのカートリッジにおいて、前記第2部品は、前記第1部品と対向する対向面と、前記対向面に形成された第1開口と、前記第1開口の少なくとも一部を画定する第1開口縁と、を有し、前記受容部は、前記第1開口である、ことを要旨とする。
【0158】
第42形態によれば、ガイド部が第1開口に嵌合することで、第2部品に対して接続部及び第1部品を位置決めすることができる。このとき、ガイド部が第1開口に嵌合するので、接続部から生じる余剰部材が第1開口に向けて露出されることがガイド部によって抑制される。言い換えれば、ガイド部は、余剰部材が第1開口に入り込むことを防止することができる。なお、本明細書において、第1部品と第2部品の「対向面」とは、接続部が第1部品と第2部品との間を延びる方向において直接対向する面をいう、第1部品の対向面と第2部品の対向面との間には接続部以外の部材は介在しない。第1部品と第2部品の「対向面」とは、接続部が第1部品と第2部品との間を延びる方向に対して角度を有する面ということもできる。
【0159】
第43形態は、第42形態のカートリッジにおいて、前記第1開口は、前記接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて環状の形状を有し、前記第1開口縁は、前記第1開口を画定する外側開口縁及び内側開口縁を含み、前記ガイド部は、前記接続部が前記第1部品と前記第2部品との間を延びる方向からみて環状の形状を有し、前記外側開口縁又は前記内側開口縁と嵌合する、ことを要旨とする。
【0160】
第43形態によれば、環状の形状を有するガイド部が、第1開口の外側開口縁又は内側開口縁に対して嵌合することになり、これにより第2部品に対して接続部及び第1部品を位置決めすることができる。このとき、ガイド部が外側開口縁又は内側開口縁に嵌合するので、接続部から生じる余剰部材が第1開口に向けて露出されることがガイド部によって抑制され得る。言い換えれば、ガイド部は、余剰部材が第1開口に入り込むことを防止することができる。
【0161】
第44形態によれば、第37形態から第43形態のいずれかのカートリッジの製造方法が提供される。このカートリッジの製造方法において、前記第1部品は蓋部材であり、前記第2部品は筒状部材である。このカートリッジの製造方法は、前記筒状部材の一端に、前記加熱要素を含む加熱アセンブリを接続して、前記筒状部材の前記一端の開口を閉止し、前記加熱アセンブリが接続された前記筒状部材の内部に前記エアロゾル源を充填し、前記エアロゾル源が充填された前記筒状部材の他端に前記接続部を接合又は溶接する、ことを含む。
【0162】
加熱アセンブリが組み込まれていない有底の筒状部材にエアロゾル源を入れると、エアロゾル源が筒状部材から漏れることを防止するために加熱アセンブリの組み立てまで完了させる必要がある。これに対して、第44形態によれば、エアロゾル源を充填する前に加熱アセンブリを筒状部材に組み込むことができるので、例えば、予め加熱アセンブリが接続された筒状部材を一つのユニットとして製造して、その後輸送して、別の場所においてエアロゾル源の充填及び蓋部材の接合又は溶接を行うことができる。
【0163】
第45形態は、第44形態のカートリッジの製造方法において、前記筒状部材の前記他端に、前記蓋部材の前記接続部を超音波溶接することを含む、ことを要旨とする。
【0164】
第46形態によれば、第37形態から第43形態のいずれかのカートリッジの製造方法が提供される。このカートリッジの製造方法は、前記ガイド部を前記受容部に嵌合させて、前記第1部品と前記第2部品とを位置合わせし、前記接続部の前記他端を前記第2部品と接合又は溶接する、ことを含む、カートリッジの製造方法。
【0165】
第46形態によれば、第1部品に接続された接続部を第2部品に接合又は溶接するときに、ガイド部を受容部に嵌合させて、第2部品に対して接続部及び第1部品を位置決めすることができる。
【0166】
第47形態は、第46形態のカートリッジの製造方法において、前記ガイド部は、前記接続部と平行に延び、前記接続部の延びる方向において前記第2部品と接合又は溶接する前の前記接続部よりも長く、前記製造方法は、前記接続部の前記他端を前記第2部品に接合又は溶接する前に、前記ガイド部を前記受容部に嵌合させて、前記第1部品と前記第2部品とを位置合わせする、ことを含む、ことを要旨とする。
【0167】
第47形態によれば、ガイド部が第2部品と接合又は溶接する前の接続部よりも長いので、第1部品に接続された接続部を第2部品に接合又は溶接する前に、第1部品と第2部品とを位置合わせすることができる。
【0168】
第48形態によれば、第1形態から第47形態のいずれか一項に記載されたカートリッジを備えるベイパー製品が提供される。
【符号の説明】
【0169】
30 :カートリッジ
33b :電熱線
38 :加熱アセンブリ
50 :タンク
51 :開口
52 :周壁
52a :空間
60 :タンク本体
60a :第1端部
60b :第2端部
61a :エアロゾル流路
65 :対向面
65a :最外縁
66 :第1開口
66a :内側開口縁
66b :外側開口縁
67 :第2開口
67a :第2開口縁
68 :第1凹部
68a :底部
68b :テーパ面
69 :第2凹部
69a :底部
69b :テーパ面
80 :蓋
80a :平板部
80b :開口
80c :最外縁
80d :対向面
80e :開口縁
82 :延在部
90 :第1接続部
92 :第2接続部
95 :ガイド部
100 :ベイパー製品
L1 :エアロゾル源
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F