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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-07
(45)【発行日】2023-03-15
(54)【発明の名称】超高電流用ポゴピン
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20230308BHJP
   G01R 1/06 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R1/06 D
G01R1/067 B
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021571769
(86)(22)【出願日】2021-04-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(86)【国際出願番号】 KR2021004772
(87)【国際公開番号】W WO2021235704
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2021-12-01
(31)【優先権主張番号】10-2020-0061715
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521525675
【氏名又は名称】アイウィン ソリューション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】パク ホジュン
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0005042(KR,A)
【文献】実開平06-050260(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0009233(KR,A)
【文献】特表2012-506552(JP,A)
【文献】特許第6647451(JP,B2)
【文献】特開2005-009927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06-1/067
H01R 13/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブを弾性支持するバネを内蔵し、前記プローブのスライドをガイドする外筒を備えるポゴピンであって、
前記プローブは、
小径部と、
前記小径部に一体に連結され、前記小径部より外径が大きく、前記外筒の内部に位置する大径部と、を備え、
当該ポゴピンはスリーブをさらに含み、該スリーブは、
前記プローブの大径部を包みながら前記大径部に結合して固定される円筒状結合部と、
前記円筒状結合部から延長され、前記外筒の内周面を弾性接触しながらスライド可能な複数のブラシと、を備えることを特徴とする
ゴピン。
【請求項2】
前記プローブと前記スリーブは、いずれも平板材を加工して形成したものであり、
前記スリーブは、前記プローブより薄い平板材を加工して形成したものであることを特徴とする
請求項1に記載のポゴピン。
【請求項3】
前記スリーブは平板材を加工して形成したものであり、
前記外筒の内周面に弾性接触する前記ブラシの接触面は、前記平板材の切断面ではない、前記平板材の一側平面から由来するものであることを特徴とする
請求項1に記載のポゴピン。
【請求項4】
前記スリーブの円筒状結合部の下端に、一部がパンチングされて内側に折り曲げられる引っ掛かり部、を備え、
前記引っ掛かり部は、当該ポゴピンの圧縮時に前記プローブの大径部の一端が前記スリーブの外側に離脱されるのを防止することを特徴とする
請求項2または3に記載のポゴピン。
【請求項5】
前記スリーブの円筒状結合部の上方に窄部が構成され、
前記窄め部は、当該ポゴピンの伸張時に前記プローブの大径部の他端が前記スリーブの外側に離脱されるのを防止することを特徴とする
請求項4に記載のポゴピン。
【請求項6】
プローブを弾性支持するバネを内蔵し、前記プローブのスライドをガイドする外筒を備えるポゴピンであって、
前記プローブは、
小径部と、
前記小径部に一体に連結され、前記小径部よりも外径が大きい大径部と、
前記大径部から延長され、前記外筒の内周面を弾性接触しながらスライド可能な複数のブラシと、を備え、
前記プローブは、平板材を加工して形成されたものであり、
前記外筒も、平板材を加工して形成されたものであり、
前記外筒に、前記外筒の円周上から内側に押し込まれて円形の突起を構成する円形突起部を設け、前記大径部と前記小径部との間の第1段差部が前記円形突起部に引っ掛かることで、前記プローブが前記外筒の外側に離脱されるのを防止し、
前記外筒は、前記外筒の円形突起部を境界に、
前記大径部をガイドし、前記ブラシがスライドされる内周面を提供する第1円筒部と、前記第1円筒部と結合して前記外筒の一側または両側端部に形成される第2円筒部と、を備え、
前記第1円筒部と前記第2円筒部の内径は、同一であることを特徴とする
ゴピン。
【請求項7】
プローブを弾性支持するバネを内蔵し、前記プローブのスライドをガイドする外筒を備えるポゴピンであって、
前記プローブは、
小径部と、
前記小径部に一体に連結され、前記小径部よりも外径が大きい大径部と、
前記大径部から延長され、前記外筒の内周面を弾性接触しながらスライド可能な複数のブラシと、を備え、
前記プローブは、平板材を加工して形成されたものであり、
前記プローブは、前記小径部から第2段差部を形成した後に延長される接触部をさらに備え、前記接触部の内径は前記小径部の内径よりも小さく、前記バネの一端が前記第2段差部によって支持されることを特徴とする
ゴピン。
【請求項8】
前記プローブにおいて、
前記外筒の内周面に弾性接触する前記ブラシの接触面は、前記平板材の切断面ではない、前記平板材の一側平面から由来するものであることを特徴とする
請求項6または7に記載のポゴピン。
【請求項9】
前記プローブにおいて、
前記ブラシの厚さは、前記小径部および前記大径部の厚さより薄くなるように前記平板材が加工されることを特徴とする
請求項6または7に記載のポゴピン。
【請求項10】
前記ブラシは、
前記大径部の円周上で長さ方向に長く延長するケンチレバーと、前記ケンチレバーの自由端に一体に構成され、前記外筒の内周面を弾性接触するスライド接触部と、を備えることを特徴とする
請求項6または7に記載のポゴピン。
【請求項11】
前記スライド接触部は、前記外筒の内周面に接触する折り曲げ部分を有することを特徴とする
請求項10に記載のポゴピン。
【請求項12】
前記外筒の一点に、一部がパンチングされ、前記外筒から延長される状態で自由端が外側に突出湾曲されているストップ突起が形成されることを特徴とする
請求項6または7に記載のポゴピン。
【請求項13】
前記プローブは、円柱状素材を切削して形成されるものであり、
前記スリーブは平板材を加工して形成されるものであることを特徴とする
請求項1に記載のポゴピン。
【請求項14】
前記プローブは、前記大径部の反対側に前記小径部から延長され、前記小径部よりも外径が大きく、前記外筒の外側に位置するヘッド部、をさらに備え、
前記ヘッド部の上面に、外部との接触のために尖った突起の配列が切削によって形成される接触部が設けられることを特徴とする
請求項13に記載のポゴピン。
【請求項15】
前記プローブの大径部に、円周に沿って内側に切削される第1円形トレンチを備え
前記スリーブの円筒状結合部に、円周に沿って内側に折り曲げられる第2円形トレンチを備え、
前記第1円形トレンチに前記第2円形トレンチが安着されることにより、前記プローブと前記スリーブとが互いに固定されることを特徴とする
請求項1に記載のポゴピン。
【請求項16】
プローブを弾性支持するばねを内蔵し、前記プローブのスライドをガイドする外筒を備えるポゴピンであって、
当該ポゴピンはスリーブをさらに含み、該スリーブは、
前記プローブの一部を包んで前記一部と結合して固定される円筒状結合部と、
前記円筒状結合部から延長され、前記外筒の内周面に弾性接触しながらスライド可能な複数のブラシと、を備えることを特徴とする
ゴピン。
【請求項17】
前記プローブにおいて前記一部は、前記外筒の内部に位置し、
前記一部は円柱形状であることを特徴とする
請求項16に記載のポゴピン。
【請求項18】
前記プローブにおいて前記一部に円周に沿って内側に切削される第1円形トレンチを備え
前記スリーブの円筒状結合部に、円周に沿って内側に折り曲げられる第2円形トレンチを備え、
前記第1円形トレンチに前記第2円形トレンチが安着されることにより、前記プローブと前記スリーブとが互いに固定されることを特徴とする
請求項16に記載のポゴピン。
【請求項19】
前記スリーブは平板材を加工して形成されるものであり、
前記外筒の内周面に弾性接触する前記ブラシの接触面は、前記平板材の切断面ではない、前記平板材の一側平面から由来するものであることを特徴とする
請求項16に記載のポゴピン。
【請求項20】
前記プローブにおいて前記一部の反対側に、前記外筒の外部に位置するヘッド部をさらに備え、
前記ヘッド部の上面に、外部との接触のために尖った突起の配列が切削によって形成される接触部が設けられることを特徴とする
請求項16に記載のポゴピン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超高電流の伝送を可能にするポゴピンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的なポゴピンでは、バネによって支持されるプローブの先端を押圧するとき、その不安定性に依存してプローブが若干倒れながらプローブの一部が外筒と接触され、このような接触によりプローブと外筒と間の電気的通路が構成される。例えば、ポゴピンの上下両端にプローブ(上部プローブおよび下部プローブ)が構成される場合、電気的経路は上部プローブ-外筒-下部プローブの経路で構成され、プローブの倒れに応じてプローブと外筒との間の接触が可能である。そのため、従来のポゴピンでは接触インピーダンスのばらつきが大きく、接触インピーダンスが比較的大きくなるしかなく、超高電流の伝送にあたって難しい問題がある。
【0003】
このような問題を解決するためには、多様な構造の変形されたポゴピンや連結ピンが研究されており、ストローク、バネ力、集積度(小型化)、耐久性、安定性などの物理的特性を維持または向上させながらも超高電流または超低インピーダンスなどの電気的特性を有するポゴピンの開発が必要である。
【0004】
以上で、従来技術の問題および課題に対して説明したが、このような問題および課題に対する認識は、本発明の技術分野における通常の知識を有する者には自明ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ポゴピンの物理的特性を犠牲にせずに電気的特性をより優れたものにすること、または電気的特性を犠牲にせずに物理的特性を向上させることができるポゴピンを提供することにある。
【0006】
本発明のもう1つの目的は、製造工程がより簡単で製造コストを削減することができるポゴピンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様によるポゴピンは、プローブを弾性支持するバネ30を内蔵し、前記プローブのスライドをガイドする外筒40を備えるポゴピンであって、前記プローブは、小径部と、前記小径部から延長されて前記小径部より外径が大きく、前記外筒40の内部に位置する大径部と、前記プローブの大径部を包みながら大径部に結合して固定される円筒状結合部と、前記円筒状結合部から延長されて外筒40の内周面を弾性接触しながらスライド可能な複数のブラシと、を備えるスリーブからなることを特徴とする。
【0008】
前記ポゴピンにおいて、前記プローブ10と前記スリーブ20は、いずれも平板材を加工して形成されるものであるが、前記スリーブ20は前記プローブ10より薄い平板材を加工して形成されるものであり得る。
【0009】
前記ポゴピンにおいて、前記スリーブは平板材を加工して形成されものであるが、前記外筒40の内周面に弾性接触する前記ブラシの接触面は、前記平板材の切断面ではない、前記平板材の一側平面から由来するものであり得る。
【0010】
前記ポゴピンにおいて、前記スリーブの円筒状結合部の下部には、一部がパンチングされて内側に折り曲げられる引っ掛かり部21aとを備え、前記引っ掛かり部21aは、ポゴピンの圧縮時、前記プローブの大径部12の一端が前記スリーブ20の外側に離脱されるのを防止することができる。
【0011】
前記ポゴピンにおいて、前記プローブは円柱状素材を切削して形成されるものであり、前記スリーブは平板材を加工して形成されるものであってもよい。
【0012】
前記ポゴピンにおいて、前記プローブは、前記大径部の反対側に前記小径部から延長され、前記小径部よりも外径が大きく、前記外筒40の外部に位置するヘッド部と、をさらに備え、前記ヘッド部の上面には、外部との接触のために尖った突起の配列が切削によって形成される接触部14 'が備えられる。
【0013】
前記ポゴピンにおいて、前記プローブの大径部には、円周に沿って内側に切削される第1円形トレンチE1と、前記スリーブの円筒状結合部には、円周に沿って内側に折り曲げられる第2円形トレンチE2と、を備え、前記第1円形トレンチE1に前記第2円形トレンチE2が安着されることにより、プローブとスリーブが互いに固定される。
【0014】
前記ポゴピンにおいて、前記スリーブ20の円筒状結合部21の上方には窄め部23が構成され、前記窄め部23は、ポゴピンの伸張時に、前記プローブ10の大径部12の他端が前記スリーブ20の外側に離脱されるのを防止することができる。
【0015】
本発明の一実施態様によるポゴピンは、プローブ50を弾性支持するバネ60を内蔵し、前記プローブ50のスライドをガイドする外筒70を備えるポゴピンであって、前記プローブ50は、小径部51と、小径部51から延長されて小径部51より外径が大きい大径部52と、前記大径部52から延長され、前記外筒40の内周面を弾性接触しながらスライド可能な複数のブラシ53と、を備え、前記プローブ50は平板材を加工して形成されることを特徴とする。
【0016】
前記ポゴピンにおいて、前記外筒40の内周面に弾性接触する前記ブラシ53の接触面は、前記平板材の切断面ではない、前記平板材の一側平面から由来するものであり得る。
【0017】
前記ポゴピンにおいて、前記プローブ50で前記ブラシ53の厚さt2は、前記小径部51および前記大径部52の厚さt1より薄くなるように前記平板材が加工されることを特徴とする。
【0018】
前記ポゴピンにおいて、前記ブラシ53は、前記大径部52の円周上で長さ方向に長く延長するケンチレバー53aと、前記ケンチレバー53aの自由端に一体に構成され、外筒40の内周面を弾性接触するスライド接触部53bと、を備えてもよい。
【0019】
前記ポゴピンにおいて、前記スライド接触部53aは、外筒70の内周面に接触する折り曲げ部分を有し得る。
【0020】
前記ポゴピンにおいて、前記外筒70も平板材を加工して形成されたものであり、前記外筒70には、前記外筒70の円周上から内側へ押し込まれて円形の突起を構成する円形突起部Bとを備え、前記大径部52と前記小径部51との間の第1段差部A1を引っ掛けることで、前記プローブ50が前記外筒70の外側に離脱されるのを防止すことができる。
【0021】
前記ポゴピンにおいて、前記外筒70は、前記外筒70の円形突起部Bを境界に前記大径部52をガイドし、前記ブラシ53がスライドされる内周面を提供する第1円筒部71と、第1円筒部71と結合し、前記外筒70の一側または両側端部に形成される第2円筒部72と、を備えるが、前記第1円筒部71と第2円筒部72の内径は同じであることを特徴とする。
【0022】
前記ポゴピンにおいて、前記プローブ50は、前記小径部51から第2段差部A2を形成した後に延長される接触部54と、をさらに備えるが、前記接触部54の内径は、前記小径部51の内径よりも小さく、前記バネ60の一端が前記第2段差部A2によって支持されてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一実施態様によれば、ブラシの弾性変形の範囲を増大させ、より短い長さを有するブラシの使用を可能にし、ポゴピンの長さを大幅に増大させることなく、ブラシの使用によりポゴピンの電気的特性を向上させることができる効果がある。
【0024】
本発明の一実施態様によれば、従来のポゴピンの製造過程において必要であったコーキングが不要であり、これにより不良率を低くし、製造コストを大幅に低減することができる効果がある。
【0025】
本発明の一実施態様によれば、プローブの内部へバネの通過を許容する構造であるため、より長いバネの長さとより長いバネのストロークを可能にする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1実施例による超高電流用ポゴピンで、外観を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施例による超高電流用ポゴピンで、分解斜視図である。
図3】本発明の第1実施例による超高電流用ポゴピンで、垂直断面図である。
図4】本発明の第2実施例による超高電流用ポゴピンの構造を示しているもので、外観を示す斜視図である。
図5】本発明の第2実施例による超高電流用ポゴピンの構造を示しているもので、分解斜視図である。
図6】本発明の第2実施例による超高電流用ポゴピンの構造を示しているもので、断面図である。
図7】本発明の第1実施例による超高電流用ポゴピンを変形した変形例で、外観を示す斜視図である。
図8】本発明の第1実施例による超高電流用ポゴピンを変形した変形例で、分解斜視図である。
図9】本発明の第1実施例による超高電流用ポゴピンを変形した変形例で、垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付の図面を参照して本発明の実施例に対して、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかしながら、本発明は、多様で異なる形態で実施され、本明細書で説明される実施例に限定されない。なお、図面において本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略しており、明細書全体を通して類似の部分に対しては類似の名称および参照符号を使用する。
【0028】
図1図3は本発明の第1実施例による超高電流用ポゴピンとして、図1は外観を示す斜視図であり、図2は分解斜視図であり、図3は縦断面図である。
【0029】
本発明の第1実施例によるポゴピンは、プローブ10、スリーブ20、バネ30および外筒40を含む。バネ30を除いたプローブ10、スリーブ20および外筒40は、平板材を加工して製造される。
【0030】
外筒40は、プローブ10を弾性支持するコイル型バネ30を内蔵し、プローブ10のスライドをガイドし、バネ30の圧縮および伸張時にバネ30をガイドする。本発明の第1実施例は、一方向にプローブ10を有することを示しており、これによって外筒の一方向(上方)ではプローブ10が部分的に外部に露出され、状況によっては露出部分が可変される。外筒の他方向(下方)は底面の円盤部41として閉塞されているが、平板材の加工から製造される外筒において外筒の円筒部43の下端一側で、円筒部43に円盤部41が物理的に連結されており、円盤部41が連結される反対側では、円筒部43の下端に設けられているフックホームHに円盤部41から延長されるフック42が折り曲げられる状態に安着されるようにすることで、円盤部41を円筒部43に固定する。
【0031】
例えば、ポゴピンがソケットに使用されるとき、ポゴピンのプローブ10、具体的にはプローブ10の接触部14は、半導体素子の端子に接触するためのものであり、円盤部41を含む外筒40の下端は、PCBのパッドに直接接触するか、またはソルダリング方式で接触するためのものである。また、必要に応じて外筒40の外壁が他の接触部と接触する場合もある。
【0032】
本発明の第1実施例は、一方向にプローブ10を有することを示しており、他の実施例としてポゴピンの両方向、すなわち長さ方向の両側にプローブ10を備えてもよい。このとき、使用の目的に応じて、すなわち接触の対象に応じてプローブ10における接触部14の形状は、クラウン形状、コーン形状、円筒形状など多様な形状で適用されてもよい。
【0033】
プローブ10は段差を有する略円筒形状であり、小径部11および大径部12のそれぞれは円筒形状を有する。プローブ10の大径部12は、小径部11に一体に連結され、小径部11よりも外径が大きく、外筒40の内部に位置する。小径部11から見ると、大径部12が延長される方向の反対側には、接触部14が小径部11から延長されて形成される。
【0034】
プローブ10は小径部11と大径部12との間に段差部A1を形成し、バネ30の外径は小径部11の内径より大きく、大径部12の内径よりは小さく、バネ30は大径部12を通過して小径部11の下端により支持される。プローブ10の大径部12は、プローブ10のガイド機能のため利用されると同時にバネ30の通過を許容する構造であるため、結果的に、より長いバネ30の長さとより長いバネのストロークを可能にする。これにより、ポゴピンの長さに比べてより長いストロークを可能にする。
【0035】
スリーブ20は、本発明の最も重要な特徴の一つであり、プローブ10の大径部12を包みながら大径部12に結合して固定される略円筒状の円筒状結合部21と、このような円筒状結合部21から延長され、外筒40の内周面を弾性接触しながらスライド可能な複数のブラシ22と、を備える。
【0036】
円筒状結合部21の上方には窄め部23が構成されるが、窄め部23はスリーブの長さ方向に対して略90°折り曲げられてプローブ10の段差部A1を包むようにし、ポゴピンの伸張時にプローブ10の大径部12がスリーブ20の外側に離脱されるのを防止する。
【0037】
スリーブ20の円筒状結合部21の下端には、一部がパンチングされて内側に折り曲げられる引っ掛かり部21aを備えるが、略
字状にパンチングされ、スリーブ20の長さ方向においてブラシ22が構成される側からパンチングされない辺を有する。したがって、引っ掛かり部21aの自由端はスリーブ20の上方に向けて内側に折り曲げられるが、プローブ10とスリーブ20の組み立て時、引っ掛かり部21aは、プローブ10の大径部12がスリーブ20の円筒状結合部21内に進入するのを容易にしながらも、組み立て後、ポゴピンの使用段階で引っ掛かり部21aは、ポゴピンの圧縮時にプローブ10の大径部12の一端(下端)が、スリーブ20の外側に離脱されるのを防止する。
【0038】
組み立て後、プローブ10とスリーブ20とは一体化され、バネ30に支持される状態で一体に上下方向の往復運動を行うことができる。
【0039】
ブラシ22は、円筒状結合部21から延長されるが、円筒状結合部21の下端円周上に複数個、例えば10個が等間隔で立設されている。隣接するブラシの間には空間があり、ブラシの固定端は円筒状結合部21に結合され、ブラシの自由端または自由端の近傍を含む部分は、外筒40の内周面を弾性接触している。
【0040】
プローブ10およびスリーブ20などは、いずれも平板材を加工して形成されものである。外筒40の内周面に弾性接触するブラシ22の接触面は、平板材の切断面ではない平板材の一側平面から由来するものである。これにより、ブラシがケンチレバーとして作用する場合、ケンチレバーの厚さを薄くすることが容易である。
【0041】
スリーブ20は、プローブ10よりも薄い平板材を加工して形成されるものであり、スリーブ20の厚さは、プローブ10の厚さより薄く選択される。プローブより薄いスリーブの厚さに起因してスリーブの窄め部23の折り曲げ部分は、より小さい曲率半径を有し得る。これによって、外筒40の円筒部43と入口部44との間に構成される段差部A2により、確実に一体化されるプローブおよびスリーブがかかることができるようにして、外部への離脱をより確実に防止する。
【0042】
そして、より薄いスリーブ20は、ブラシ22の弾性変形の範囲を増大させ、これにより短い長さを有するブラシの使用を可能にし、これによりポゴピンの長さを増大させずに、または大幅に増大させずに、ブラシの使用でポゴピンの電気的特性を向上させることができる。
【0043】
スリーブ20を外筒40に挿入する前に、スリーブ20のブラシ22は外側に折り曲げられていなければならない。そうすることで、組み立て後に、ブラシ22は、外筒40に対して要求される弾性接触が可能である。しかし、要求レベル以下の弾性変形の範囲を有すると、組み立て後に、スリーブ20の塑性変形と不良を発生させることができる問題がある。
【0044】
例えば、スリーブ20の厚さが1/2に減少すると、ブラシの弾性変形の範囲は8倍に増加する。スリーブ20の厚さを薄くすることなく同じ弾性変形の範囲を達成しようと仮定すると、ブラシの長さを大幅に増大させなければならず、プローブの自由な上下往復移動を保障する余裕空間まで勘案すると、ポゴピンの長さが長すぎてしまう問題がある。本発明の第1実施例によれば、プローブとは別途に、プローブと組み立てられるスリーブを採用することにより、プローブより薄いスリーブの使用を容易にし、さらにポゴピンの長さを増大させずに、または大幅に増大させずに、ブラシの使用でポゴピンの電気的特性を向上させることができる効果がある。
【0045】
図4図6は、本発明の第2実施例による超高電流用ポゴピンの構造を示しており、図4は外観を示す斜視図であり、図5は分解斜視図であり、図6は断面図である。
【0046】
図4図6では、便宜上、プローブがポゴピンの両端にある形態を説明しているが、同じ特徴を有しつつポゴピンの一端のみにある形態も本発明の範囲に含まれることは自明である。第2実施例に関する説明において、第1実施例の構造と類似した部分については省略されてもよく、第1実施例にある構成は借用されることもある。
【0047】
本発明の第2実施例によるポゴピンは、両端にそれぞれ位置する2つのプローブ50、バネ60および外筒70を含み、バネ60を除いて2つのプローブ50および外筒は、平板材を加工して製造される。
【0048】
外筒70は、プローブ10を弾性支持するコイル型バネ60を内蔵し、プローブ10のスライドをガイドし、バネ60の圧縮および伸張時にバネ60をガイドする。組み立て後、外筒70は、バネ60の弾性力にもかかわらず、プローブ50が定められた範囲以上外筒70から離脱するのを防止しながら、ポゴピンの圧縮および伸張時にプローブおよびバネをガイドする。
【0049】
外筒70は、円形突起部Bを境界にプローブ50の大径部52をガイドし、プローブ50のブラシ53がスライドされる内周面を提供する第1円筒部71と、前記第1円筒部71と結合され、外筒70の一側端部または両側端部(図示された実施例)に形成される第2円筒部72と、を備える。
【0050】
外筒70も平板材を加工して形成されたものであり、外筒70には外筒70の一側または両側に円周上から内側に押し込まれて円形の突起を構成する円形突起部Bを備えるが、プローブ50の大径部52と小径部51との間の第1段差部A1をかけることにより、プローブ50が外筒70の外部に離脱されるのを防止する。
【0051】
しかし、特異なことであるが、本発明の第2実施例において、第1円筒部71と第2円筒部72の内径は、同一であることを特徴とする。これにより、プローブ50の大径部52と第1円筒部71との間の間隔に比べて、プローブ50の小径部51と第2円筒部72との間の間隔がかなり存在して一見奇妙に見えるが、上記した特徴は、ポゴピンの組み立て工程をより容易にする長所がある。
【0052】
従来のポゴピンの製造過程では、バネの弾発力に抵抗しながらプローブを外筒内に位置させた後、外筒の先端を窄めてプローブが外筒から離脱されるのを防止するいわゆるコーキング(calking)が必要である。コーキングは、各部品の製造とは別途に、組み立て過程でのみ行われ、バネの弾発力を制御した状態で遂行され、精密な作業が必要であるため、工程難易度が高く、工程コストが非常に大きい。
【0053】
しかし、本発明によれば、第2外筒部72の内径が第1円筒部71の内径と同じであるため、プローブと外筒の組み立て時に、プローブ50の大径部52が外筒の入り口の第2外筒部72に進入することが容易であり(ブラシは、窄めるか窄めない状態で第2外筒部に進入する)、円形突起部Bに会っては平板材でできている外筒を軽く広げながら乗り越えることができて外筒内部に進入することが容易である。そのため、従来のポゴピンの製造過程で必要であったコーキング(calking)が不要であり、これにより不良率を下げて製造コストを大幅に削減できる効果がある。
【0054】
外筒の一点には、一部がパンチングされ、外筒から延長される状態で自由端が外側に突出湾曲されているストップ突起Dが形成され、ストップ突起Dはソケット本体(ハウジング)などにポゴピンを搭載するとき、ソケット本体のホール(hole)に安着された後、製造中にポゴピンがソケット本体から離脱されるのを防止する。従来のソケット本体(ハウジング)は、上部ハウジングと下部ハウジングの2つが必要であり、ポゴピンを一側に収容した後、2つのハウジングを結合する必要があるものの、ストップ突起Dを用いると単一のハウジングでポゴピンを収容することができる利点がある。
【0055】
プローブ50は、外径が大径部52より小さい小径部51と、前記小径部51に一体に連結され、小径部51より外径が大きい大径部52と、外部との電気的接触のための接触部53と、大径部52から延長され、外筒40の内周面と弾性接触しながらスライド可能な複数のブラシ53と、を備える。大径部52は、プローブが直立された状態で外筒によってガイドされるにあたって主要な役割を果たす。
【0056】
プローブ50も平板材を加工して形成されるものであり、プローブ50は外筒の外に進出入する小径部51と外筒の内部で上下往復する大径部52との間に第1段差部A1を形成する。上述したように、第1段差部A1が外筒の円形突起部Bに掛けられて、プローブ50の離脱が防止される。そして、小径部51から第2段差部A2を形成した後に延長される接触部54を有するが、図6に示すように、接触部54の内径は小径部51の内径よりも小さく、バネ60の一端が第2段差部A2によって支持される。そして、使用の目的によって、すなわち接触の対象に応じてプローブ50における接触部54の形状は、クラウン形状、コーン形状および円筒形状などの多様な形状に適用されてもよい。
【0057】
平板材で加工形成される小径部51、大径部52およびブラシ53の内側空間を介してバネの挿通を許容し、これにより十分な長さのバネを容易に構成することができ、十分なストロークを提供することができる。
【0058】
ブラシ53は、大径部52の円周上に示されるように、段差(第3段差部A3)を有した後に延長されるか、または段差なしに延長されてもよい。ブラシ53は、大径部52の円周に沿って複数個立設されるが、大径部52の円周上から長さ方向に長く延長されるケンチレバー53aと、前記ケンチレバー53aの自由端に一体に構成され、外筒40の内周面を弾性接触する状態でスライド可能なスライド接触部53bと、を備える。
【0059】
スライド接触部53aは、外筒70の内周面に向けてクランプ形状または半円形状などに折り曲げられて内周面に接触する折り曲げ部分を有するが、スライド接触部53aの先端は、組み立て時に、より容易に外筒に挿入されうるように中心側に斜めに向ける角度となっている。
【0060】
そして、外筒40の内周面に弾性接触するブラシ53の接触面(接触部の接触面)は、平板材の切断面ではない平板材の一側平面から由来するものである。これにより、ケンチレバーの厚さを小さくすることが容易である。
【0061】
本発明によると、プローブ50において、ブラシ53の厚さt2は、小径部51および大径部52の厚さt1よりも薄くなるように金属平板材が加工されることを特徴とする。厚さが変わる点は、大径部52の先端またはブラシ53の入口や正確に2つの間に選択されることがあるが、いずれの場合も上記した範囲に含まれるものとする。好ましいものとしては、第3段差部A3を含めてより厚い厚さt1とするのが選好される。
【0062】
小径部51、大径部52およびブラシ53はいずれも一体となるものとして、それぞれ平板材の製造後に結合されるものではないながらも、その厚さを前記のように異にするが、このためにはプローブの製造工程のうちプレス工程などによりブラシを形成する該当部分がより薄くなるように加工することができる。
【0063】
第1実施例では、プローブとは別のスリーブを用いてより薄い厚さを実現したが、第2実施例では、ブラシがプローブに一体に構成されながらより薄い厚さを有するようにする。
【0064】
より薄いブラシは、その弾性変形の範囲を増大させ、これによりもっと短い長さを有するブラシの使用を可能にし、これによりポゴピンの長さを増大させずに、または大幅に増大させずに、ブラシの使用によりポゴピンの電気的特性を向上させることができる効果があり、これに対する具体的な説明は、第1実施例の関連説明を援用する。例えば、厚さを25%減少させると、弾性変形の範囲は約2.37倍に増加する。
【0065】
以下では、ポゴピンの製造方法について簡単に察するが、第2実施例のプローブを製造する過程について調べ、他の部品、すなわち第1実施例の部品や第2実施例の外筒などは、このような説明を通して容易に類推して実施されてもよいだろう。
【0066】
まず、プローブの展開図に基づく金型を用いてシート状の金属平板材をパンチングすることにより、予め定められた展開図の形状どおり取られる平板状の中間材を作る。
【0067】
そして、上述したようにプレス工程でブラシを形成する部分を圧着してその厚さをさらに薄くし、もう一度同じ金型を用いてパンチングすることにより、上記したプレス工程で外枠線が拡張される中間材の形状を整えることができ、このような第2プレス工程は省略されてもよい。そして、コイニング工程により折り曲げられるスライド接触部と段差部(これは後続のローリング工程で形成されることもあり)などを形成することができ、その後ローリング工程により円筒状に巻いて図5および図6に示される形状のプローブを製造することができる。このような工程(プロセス)はプログレッシブスタンピングによって遂行されてもよい。
【0068】
図7図8は、本発明の第1実施例による超高電流用ポゴピンを変形する変形例として、図7は外観を示す斜視図であり、図8は分解斜視図であり、図9は垂直断面図である。
【0069】
本発明の変形例は、第1実施例によるポゴピンと類似しているため、同一または類似の部分の具体的な説明は大幅に省略される。変形例によるポゴピンは、プローブ10'、スリーブ20'、バネ30および外筒40を含む。バネ30およびプローブ10'を除いたスリーブ20'および外筒40は、平板材を加工して製造される。
【0070】
ポゴピンがソケットに使用されるとき、ポゴピンのプローブ10'、具体的にはプローブ10'の接触部14'は、半導体素子の端子に接触するためのものである。
【0071】
プローブ10'は、円柱状の素材を切削して形成したもので、段差を有する略円柱状である。プローブ10'において、小径部11'、ヘッド部13'および大径部12'のそれぞれも略円柱状を有するが、プローブ10'の大径部12'は小径部11'に一体に連結され、小径部11'より外径が大きく、外筒40の内部に位置する。小径部11'から見ると、大径部12'が延長される方向の反対側には、ヘッド部13'が小径部11'から延長・形成される。ヘッド部13 'の上面には、外部との接触のために尖った突起の配列は、切削によって形成される接触部14'が設けられる。尖った突起は、2次元配列されるが、切削加工によってV字型グルーブを格子状に形成することによって突起の配列が形成されることがある。
【0072】
プローブ10'における大径部12'の下端は円錐形状を有することで、バネ30の上端を安定的に支持することができる。バネ30の中間部分から上端にいくほど外径が小さくなるようにすることで、プローブとバネの組み立て時にプローブとバネとの間の干渉を低減し、より円滑な組み立てが可能となることもできる。
【0073】
プローブ10'の大径部12'には、円周に沿って内側に切削される第1円形トレンチE1が設けられ、スリーブ20'の円筒状結合部21'には、円周に沿って内側に折り曲げられる第2円形トレンチE2が設けられる。第1円形トレンチE1に第2円形トレンチE2が安着されることにより、プローブ10 'とスリーブ20'とが互いに固定される。すなわち、組み立て後プローブ10'とスリーブ20'は一体化され、バネ30に支持される状態で一体に上下方向の往復運動を行うことができる。
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9(a)】
図9(b)】