(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】鋼材同定用治具
(51)【国際特許分類】
E02D 5/04 20060101AFI20230309BHJP
E02D 7/00 20060101ALI20230309BHJP
E04G 21/16 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
E02D5/04
E02D7/00 Z
E04G21/16
(21)【出願番号】P 2019091343
(22)【出願日】2019-05-14
【審査請求日】2022-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000232759
【氏名又は名称】日本防蝕工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】小泉 文人
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-280098(JP,A)
【文献】特開2008-240310(JP,A)
【文献】実開昭62-073202(JP,U)
【文献】特開2017-193908(JP,A)
【文献】特開2001-131957(JP,A)
【文献】特開平11-051602(JP,A)
【文献】特開2020-002538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 5/00-5/80
E02D 29/00,29/045-37/00
E02D 7/00-13/10
E02B 3/04- 3/14
G01B 3/00- 3/08,3/11-3/56
E04G 21/16-21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
U字型鋼材の形状を同定するための鋼材同定用治具であって、
U字型鋼材における内側面の被測定箇所の形状に嵌合する形状に形成された第1の嵌合部と、
前記U字型鋼材における外側面の被測定箇所の形状に嵌合する形状に形成された第2の嵌合部とを備えたことを特徴とする鋼材同定用治具。
【請求項2】
前記鋼材同定用治具は、2組の互いに対向する位置に4つの側面を有する板状部材から成り、前記4つの側面のうち第1の側面に前記第1の嵌合部の一部が形成され、前記第1の側面に対向する第2の側面に前記第2の嵌合部の一部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼材同定用治具。
【請求項3】
前記鋼材同定用治具は、2組の互いに対向する位置に4つの側面を有する板状部材から成り、前記4つの側面のうち第1の側面に前記第1の嵌合部の一部が形成され、前記第1の側面に隣接する第2の側面に前記第2の嵌合部の一部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の鋼材同定用治具。
【請求項4】
前記鋼材同定用治具は、前記第1の嵌合部が形成された第1の板状部材と、前記第2の嵌合部が形成された第2の板状部材とを一体として備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載の鋼材同定用治具。
【請求項5】
前記鋼材同定用治具は、前記第1の嵌合部が形成された第1の板状部材と、前記第2の嵌合部が形成された第2の板状部材とを別部材として備え、前記第1の板状部材の一部と前記第2の板状部材の一部とが重なるようにして、その重なった部分を回転軸によって軸支するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の鋼材同定用治具。
【請求項6】
複数の異なる前記鋼材同定用治具を重ねて、当該複数の鋼材同定用治具を回転軸によって連結したことを特徴とする請求項5に記載の鋼材同定用治具。
【請求項7】
前記鋼材同定用治具は、前記U字型鋼材の第1の形状に合わせて成る前記第1の嵌合部と、前記U字型鋼材の第2の形状に合わせて成る前記第1の嵌合部とが互いに対向し、前記U字型鋼材の第1の形状に合わせて成る前記第2の嵌合部と、前記U字型鋼材の第2の形状に合わせて成る前記第2の嵌合部とが互いに対向して形成された、各嵌合部が4つの側面を構成することを特徴とする請求項3に記載の鋼材同定用治具。
【請求項8】
前記鋼材同定用治具は、開口部を備えたことを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の鋼材同定用治具。
【請求項9】
前記鋼材同定用治具は、2n個(nは1以上の整数)の枠状部材を別部材として備え、当該2n個の枠状部材を順次連結することによって構成され、隣接する枠状部材どうしがそれぞれの一部において重なるようにして、それらの重なった部分をそれぞれ回転軸によって軸支するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の鋼材同定用治具。
【請求項10】
前記鋼材同定用治具を構成する部材が、中空状に形成されたことを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の鋼材同定用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鋼材同定用治具に関し、特に、腐食性の厳しい海水環境域に設置された鋼構造物施設(岸壁・物揚場・護岸・防波堤等)に使用されている鋼矢板等の鋼材の形状を同定するための治具に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、海水環境域に設置された鋼構造物(主に港湾鋼構造物)は、飛沫帯から海水中にかけて大きな腐食速度を示し、減肉した鋼材は構造物の耐久性に大きな影響を及ぼす。一方、海底土中の鋼材腐食量は微少であり、構造物の耐久性への影響は小さい。これらの鋼構造物への防食対策としては、一般的に被覆防食と電気防食が挙げられる。海水中においては、電気防食工法が一般的に採用されている。これに対し、飛沫帯から干満帯にかけての範囲は、原理上、電気防食の効果が期待できないため、鋼材表面に耐食性金属や合成樹脂から成る防食材付きの保護カバーを被覆する被覆防食工法を用いるのが一般的である(例えば、特許文献1~3参照)。
【0003】
ここに、鋼矢板には種々の形状が存在するが、鋼矢板に対して保護カバーを取り付ける場合、その前提として、現場で作業員(潜水士)が鋼矢板の寸法を計測し、鋼矢板の種類を予め確認しておく必要がある。
図8に示すようなJIS A 5528に規定されるU字型の鋼矢板の場合、主にU字の底部に当たるウェブ長および両脚部に当たるフランジ高さを共に計測することにより、その鋼矢板の種類を確認する。
【0004】
しかしながら、作業員が作業現場でメジャー等を用いて鋼矢板の寸法を測定する際、両手が塞がるため、不安定な状態での作業を余儀なくされる。そのため、波浪の影響が大きくなるにつれて計測精度が低下し、鋼矢板の種類を誤判定してしまうことがあるという問題があった。また、
図8に示すように、鋼矢板におけるウェブ長およびフランジ高さの計測箇所に作業員による個人差が生じ、また、鋼矢板相互の形状が似ている場合もあることから、作業員が計測誤差に気づかず、形状判定における間違いが発生しやすいという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-193908号公報
【文献】特開2001-131957号公報
【文献】特開平11-280098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、波浪や作業員による個人差の影響を受けることなく、誰が如何なる環境下で作業をしても鋼矢板等の鋼材の形状を誤りなく同定できる鋼材同定用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決するために、本発明の鋼材同定用治具は、U字型鋼材における内側面の被測定箇所の形状に嵌合する形状に形成された第1の嵌合部と、U字型鋼材における外側面の被測定箇所の形状に嵌合する形状に形成された第2の嵌合部とを備えている。
【発明の効果】
【0008】
前述のように構成した本発明によれば、U字型鋼材における内側面の被測定箇所に第1の嵌合部をあてがい、また、U字型鋼材における外側面の被測定箇所に第2の嵌合部をあてがうのみでU字型鋼材の形状を同定することができる。すなわち、形状の異なる複数種類のU字型鋼材に合わせて複数種類の鋼材同定用治具を用意し、複数種類の鋼材同定用治具を測定対象のU字型鋼材に順次あてがっていくことにより、最も正確に嵌合した鋼材同定用治具に対応する形状をU字型鋼材の形状として同定することができるのである。このように、本発明によれば、波浪の影響や作業員の熟練度によって差異が生じやすい寸法の計測が不要となるため、波浪や作業員による個人差の影響を受けることなく、誰が如何なる環境下で作業をしても鋼材の形状を誤りなく同定することができるようになる。
【0009】
また、本発明によれば、1つの鋼材同定用治具で、U字型鋼材における内側面の被測定箇所および外側面の被測定箇所の何れにも対応が可能である。そのため、作業現場に設置されているU字型鋼材の状態に応じて、内側面の被測定箇所または外側面の被測定箇所の何れかに鋼材同定用治具をあてがうことによって鋼材の形状を同定することができる。これにより、内側面の被測定箇所用と外側面の被測定箇所用とで別々に用意した治具を取り換えるといった作業を行う必要がなく、作業効率を向上させることができる。作業現場に設置されているU字型鋼材の状態によっては、内側面の被測定箇所および外側面の被測定箇所の両方に鋼材同定用治具をあてがうことにより、効率的な作業で鋼材の形状の同定精度を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態による鋼材同定用治具の構成例を、同定対象の鋼矢板と共に示す図である。
【
図2】種々の鋼矢板に合わせて形成される複数の鋼材同定用治具の一例を示す図である。
【
図3】第1の実施形態による鋼材同定用治具を用いて鋼矢板の形状を同定する際の作業イメージを示す図である。
【
図4】第2の実施形態による鋼材同定用治具の構成例を示す図である。
【
図5】第2の実施形態による鋼材同定用治具の他の構成例を示す図である。
【
図6】第3の実施形態による鋼材同定用治具の構成例を示す図である。
【
図7】第3の実施形態による鋼材同定用治具の他の構成例を示す図である。
【
図8】U字型鋼矢板の従来の計測方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1の実施形態による鋼材同定用治具の構成例を、同定対象のU字型鋼材と共に示す図である。
図1(a)が第1の実施形態による鋼材同定用治具1を示し、
図1(b)がU字型鋼材の一例である鋼矢板100を示す。なお、説明の便宜上、
図1に示した鋼材同定用治具1および鋼矢板100の向きにおいて、
図1の上下方向を鋼材同定用治具1および鋼矢板100の前後方向とし、
図1の左右方向を鋼材同定用治具1および鋼矢板100の左右方向とする。
【0012】
図1に示すように、第1の実施形態による鋼材同定用治具1は、鋼矢板100における内側面の被測定箇所101a~101cの形状に嵌合する形状に形成された第1の嵌合部11と、鋼矢板100における外側面の被測定箇所102a~102cの形状に嵌合する形状に形成された第2の嵌合部12とを備える。
【0013】
第1の嵌合部11は、鋼矢板100のU字の底部に当たるウェブ部の内側面101aにフィットするような形状に形成されたウェブ接触部11aと、鋼矢板100のU字の両脚部に当たるフランジ部の内側面101bにフィットするような形状に形成されたフランジ接触部11bと、ウェブ部とフランジ部とを繋ぐベンドの内側面101cにフィットするような形状に形成されたベンド接触部11cとから成る。
【0014】
第2の嵌合部12は、鋼矢板100のウェブ部の外側面102aにフィットするような形状に形成されたウェブ接触部12aと、鋼矢板100のフランジ部の外側面102bにフィットするような形状に形成されたフランジ接触部12bと、ウェブ部とフランジ部とを繋ぐベンドの外側面102cにフィットするような形状に形成されたベンド接触部12cとから成る。
【0015】
第1の嵌合部11は、鋼矢板100の内側面に嵌合する凸形状であり、第2の嵌合部12は、鋼矢板100の外側面に嵌合する凹形状である。本実施形態の鋼材同定用治具1は、2組の互いに対向する位置に4つの側面を有する板状部材から成る。すなわち、鋼材同定用治具1を構成する板状部材は、前後方向に対向する1組の(2つの)側面を有し、左右方向に対向するもう1組の(2つの)側面を有している。板状部材の材質は金属でも非金属でもよい。
【0016】
この板状部材が有する4つの側面のうち、前後方向に対向する側面のうち一方の側面である第1の側面に、凸形状である第1の嵌合部11におけるウェブ接触部11a(特許請求の範囲の「第1の嵌合部の一部」に相当)が形成されている。また、当該第1の側面に対向する第2の側面に、凹形状である第2の嵌合部12におけるウェブ接触部12a(特許請求の範囲の「第2の嵌合部の一部」に相当)が形成されている。
図1に示す構成において、第1の側面および第2の側面は平行であり、シンメトリ的な意匠性に優れた構成としているが、必ずしも平行であることは必須ではない。
【0017】
第1の嵌合部11のフランジ接触部11bは、鋼材同定用治具1を構成している板状部材の本体の側面(第1の側面と第2の側面ではない、板状部材の左右方向に形成されたもう1組の対向する側面)に形成されている。ここでいう本体とは、板状部材の第1の側面(第1の嵌合部11におけるウェブ接触部11a)から第2の側面(第2の嵌合部12におけるウェブ接触部12a)までの部分である。一方、第2の嵌合部12のフランジ接触部12bは、板状部材の本体の両側面(左右方向に対向する2つの側面)から当該側面の長手方向に沿って突出した脚部に形成されている。
【0018】
板状部材の第1の側面(第1の嵌合部11におけるウェブ接触部11a)と第2の側面(第2の嵌合部12におけるウェブ接触部12a)との間には、持ち手用の開口部13が設けられている。開口部13は、その周縁の一部が、第1の側面および第2の側面の双方からそれぞれ所定長さ以内の近接位置となるように構成されている。所定長さとは、標準的な手の大きさの作業員が手の平を広げたときにおける親指の先端と人差し指の先端との離間距離よりも若干短い長さである。作業員は、例えばウェブ接触部11aまたはウェブ接触部12aを親指で支えるとともに、開口部13に残り4本の指を入れて鋼材同定用治具1を把持することが可能である。あるいは、開口部13に親指を入れて支えるとともに、残り4本の指でウェブ接触部11aまたはウェブ接触部12aを握って鋼材同定用治具1を把持することも可能である。
【0019】
開口部13は、板状部材の本体の部分に大きく開けられた穴であり、開口部13とウェブ接触部11aとの間、および開口部13とウェブ接触部12aとの間の長さが短くなるようにすることで、前述のような方法で鋼材同定用治具1を把持しやすくなるようにしている。また、開口部13として大きな穴を開けることにより、鋼材同定用治具1を軽量化している。これにより、種類の異なる複数の鋼材同定用治具1を作業員が同時に持つ場合でも、大きな負荷なく持ち運ぶことができる。さらに、開口部13を大きくすることで、水中で移動させる際に水の抵抗を低減でき、作業員への負荷を軽減できる。なお、開口部13の形状や数は、任意に設計することが可能である。
【0020】
図1では、鋼矢板100を1つのみ図示しているが、実際には種々の形状の鋼矢板が存在する。本実施形態では、鋼矢板100の種々の形状に合わせて、それらの形状にそれぞれフィットする複数の鋼材同定用治具1を用意する。
図2は、種々の形状の鋼矢板100に合わせて形成される複数の鋼材同定用治具1の一例を示したものである。
【0021】
図3は、以上のように構成した本実施形態の鋼材同定用治具1を用いて鋼矢板100の形状を同定する際の作業イメージを示す図である。
図3は、複数の鋼矢板100を上方から見た状態を示しており、一般的に複数の鋼矢板100が凹凸交互となるように連結して設置されている。
【0022】
作業員(潜水士)200は、複数種類の鋼材同定用治具1を用意し、
図3(a)のように当該複数種類の鋼材同定用治具1における第1の嵌合部11を鋼矢板100の内側面に順次あてがっていくことにより、最も正確に嵌合した鋼材同定用治具1に対応する形状を鋼矢板100の形状として同定する。同様に、作業員200は、
図3(b)のように複数種類の鋼材同定用治具1における第2の嵌合部12を鋼矢板100の外側面に順次あてがっていくことにより、最も正確に嵌合した鋼材同定用治具1に対応する形状を鋼矢板100の形状として同定することも可能である。
【0023】
このように、第1の実施形態によれば、波浪の影響や作業員の熟練度によって差異が生じやすい寸法の計測が不要となるため、波浪や作業員による個人差の影響を受けることなく、誰が如何なる環境下で作業をしても鋼矢板100の形状を誤りなく同定することができるようになる。
【0024】
また、第1の実施形態によれば、1つの鋼材同定用治具1で、U字型の鋼矢板100における内側面の被測定箇所101a~101cおよび外側面の被測定箇所102a~102cの何れにも対応が可能である。そのため、作業現場に設置されている鋼矢板100の状態(例えば、鋼矢板100に対する海洋生物等の付着状況、鋼矢板100の腐食状態、鋼矢板100の変形状態など)に応じて、鋼矢板100の内側面の被測定箇所101a~101cまたは外側面の被測定箇所102a~102cの何れかに鋼材同定用治具1をあてがうことによって鋼矢板100の形状を同定することができる。
【0025】
これにより、鋼矢板100の内側面用と外側面用とで別々に用意した治具を取り換えるといった作業を行う必要がなく、作業効率を向上させることができる。作業現場に設置されている鋼矢板100の状態によっては、内側面の被測定箇所101a~101cおよび外側面の被測定箇所102a~102cの両方に鋼材同定用治具1をあてがうことにより、効率的な作業で鋼矢板100の形状の同定精度を向上させることもできる。
【0026】
また、第1の実施形態では、持ち手となる開口部13を設けているので、片手での作業が可能となり、鋼材同定用治具1を持っていない方の手で身体を支えることが可能で、安全性の向上に繋がる。また、第1の実施形態による鋼材同定用治具1は板状部材であることから、複数の鋼材同定用治具1を持ち運ぶ際に重ねることが可能で、可搬性にも優れている。
【0027】
また、第1の実施形態による鋼材同定用治具1では、板状部材の4つの側面のうち第1の側面に第1の嵌合部11の一部(ウェブ接触部11a)を形成するとともに、第1の側面に対向する第2の側面に第2の嵌合部12の一部(ウェブ接触部12a)を形成している。このようにすることにより、4つの側面のうち3つの側面(この中の1つが第1の側面)を使って第1の嵌合部11を形成するとともに、残り1つの側面(これが第2の側面)を使って第2の嵌合部12のウェブ接触部12aを形成し、第2の嵌合部12のフランジ接触部12bとベンド接触部12cは板状部材の本体から突出させた脚部を設けるだけで形成することができる。また、各側面の形状を凹凸が殆どない構成とすることもできる。これにより、後述する第2の実施形態および第3の実施形態にて説明する鋼材同定用治具1’,1”と比べて、鋼材同定用治具1をシンプルでコンパクトに構成することができる。
【0028】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。
図4は、第2の実施形態による鋼材同定用治具1’の構成例を示す図である。なお、この
図4において、
図1に示した構成要素と対応する構成要素には、
図1に示した符号と同一の符号で「’」の記号を付して示している。
【0029】
図4に示すように、第2の実施形態による鋼材同定用治具1’は、鋼矢板100における内側面の被測定箇所101a~101cの形状に嵌合する形状に形成された第1の嵌合部11’と、鋼矢板100における外側面の被測定箇所102a~102cの形状に嵌合する形状に形成された第2の嵌合部12’とを備えている。
【0030】
第1の嵌合部11’は、鋼矢板100のU字の底部に当たるウェブ部の内側面101aにフィットするような形状に形成されたウェブ接触部11a’と、鋼矢板100のU字の両脚部に当たるフランジ部の内側面101bにフィットするような形状に形成されたフランジ接触部11b’と、ウェブ部とフランジ部とを繋ぐベンドの内側面101cにフィットするような形状に形成されたベンド接触部11c’とから成る。
【0031】
第2の嵌合部12’は、鋼矢板100のウェブ部の外側面102aにフィットするような形状に形成されたウェブ接触部12a’と、鋼矢板100のフランジ部の外側面102bにフィットするような形状に形成されたフランジ接触部12b’と、ウェブ部とフランジ部とを繋ぐベンドの外側面102cにフィットするような形状に形成されたベンド接触部12c’とから成る。
【0032】
第2の実施形態は、第1の嵌合部11’のウェブ接触部11a’と、第2の嵌合部12’のウェブ接触部12a’とが板状部材の互いに対向する側面に設けられていない場合の構成を示すものである。第2の実施形態による鋼材同定用治具1’は、第1の嵌合部11’が形成された第1の板状部材と、第2の嵌合部12’が形成された第2の板状部材とを一体として備えて構成される。第1の板状部材は、鋼矢板100の内側面の被測定箇所101a~101cの形状に嵌合するような形状に第1の嵌合部11’を構成すればよく、他の部分の構成は任意である。第2の板状部材は、鋼矢板100の外側面の被測定箇所102a~102cの形状に嵌合するような形状に第2の嵌合部12’を構成すればよく、他の部分の構成は任意である。
【0033】
図4に示す構成では、第1の嵌合部11’を構成する一方のフランジ接触部11b’の末端と、第2の嵌合部12’を構成する一方のフランジ接触部12b’の末端とを介して、第1の板状部材(第1の嵌合部11’)と第2の板状部材(第2の嵌合部12’)とが繋がった状態となっている。ここで、第1の板状部材と第2の板状部材とを一体的に成形してもよいし、第1の板状部材と第2の板状部材とを別々に成形した後、両部材を溶接や溶着等の手段によって連結させるようにしてもよい。また、第1の板状部材と第2の板状部材とを別々に成形し、第1の嵌合部11’を構成する一方のフランジ接触部11b’の末端側の一定範囲と、第2の嵌合部12’を構成する一方のフランジ接触部12b’の末端側の一定範囲とが重なるようにして、その重なった部分をネジ止めするようにしてもよい。
【0034】
図4に示す構成では、第1の嵌合部11’を構成するウェブ接触部11a’と、第2の嵌合部12’を構成するウェブ接触部12a’とが略直角の角度を成すように、第1の板状部材(第1の嵌合部11’)と第2の板状部材(第2の嵌合部12’)とが繋がれている。なお、この角度が直角であることは必須ではなく、直角より小さい角度または大きい角度であってもよい。ウェブ接触部11a’とウェブ接触部12a’との角度を90度より小さくすることにより、第1の板状部材と第2の板状部材とを近付けて、鋼材同定用治具1’をよりコンパクトに構成することが可能となる。
【0035】
第2の嵌合部12’が形成された第2の板状部材には、持ち手用の開口部13が設けられている。開口部13は、第1の実施形態と同様、第2の板状部材の本体に大きく開けられた穴であり、ウェブ接触部12a’と開口部13との間、およびウェブ接触部12a’に対向する側面と開口部13との間の長さが短くなるようにすることで、作業者が鋼材同定用治具1’を把持しやすくなるようにしている。
【0036】
以上のように構成した第2の実施形態による鋼材同定用治具1’においても第1の実施形態と同様、波浪や作業員による個人差の影響を受けることなく、誰が如何なる環境下で作業をしても鋼矢板100の形状を誤りなく同定することができる。また、第2の実施形態によれば、鋼矢板100の内側面の被測定箇所101a~101cに第1の嵌合部11’をあてがうときと、鋼矢板100の外側面の被測定箇所102a~102cに第2の嵌合部12’をあてがうときとで、作業員が鋼材同定用治具1’を持ち直す必要がないというメリットも有する。
【0037】
なお、ウェブ接触部11a’とウェブ接触部12a’との角度を90度より大きくすることにより、鋼矢板100の内側面の被測定箇所101a~101cに第1の嵌合部11’をあてがうときに手を向ける方向と、鋼矢板100の外側面の被測定箇所102a~102cに第2の嵌合部12’をあてがうときに手を向ける方向との差を小さくすることができる。これにより、作業員が鋼材同定用治具1’を持ったままの状態で鋼矢板100の内側面の被測定箇所101a~101cまたは外側面の被測定箇所102a~102cにあてがうときにおける手の角度調整量を少なくすることができ、作業がしやくなるというメリットを有する。
【0038】
第1の板状部材(第1の嵌合部11’)と第2の板状部材(第2の嵌合部12’)とを別々に成形し、第1の嵌合部11’を構成する一方のフランジ接触部11b’の末端側の一定範囲と、第2の嵌合部12’を構成する一方のフランジ接触部12b’の末端側の一定範囲とが重なるようにして、その重なった部分を回転軸によって軸支するようにすることで、ウェブ接触部11a’とウェブ接触部12a’との角度を任意に変えることができるようにしてもよい。このようにすれば、鋼材同定用治具1’を使用しないときは角度を小さくしてコンパクトに折り畳み、鋼材同定用治具1’を使用するときは角度を大きくして作業がしやすい状態とすることができる。
【0039】
また、このように、鋼材同定用治具1’のウェブ接触部11a’とウェブ接触部12a’との角度を回転軸によって任意に変えることができるように構成する場合において、形状の異なる複数の鋼矢板100に対応した複数の鋼材同定用治具1’を重ねて、当該複数の鋼材同定用治具1’を回転軸によって連結させるようにしてもよい。このようにすれば、使わない鋼材同定用治具1’については角度を小さくしてコンパクトに折り畳み、使用する鋼材同定用治具1’については角度を大きくして作業がしやすい状態とすることができる。
【0040】
なお、以上のように説明した
図4の構成は、第1の嵌合部11’のウェブ接触部11a’と第2の嵌合部12’のウェブ接触部12a’とが板状部材の互いに対向する側面に設けられていない場合の1つの構成例を示すものであり、本発明はこれに限定されない。例えば、
図5に示すように、少なくとも4つの側面を有する板状部材により鋼材同定用治具1’を構成し、4つの側面のうち第1の側面に第1の嵌合部11’の一部を少なくとも形成するとともに、第1の側面に隣接する第2の側面に第2の嵌合部12’ の一部を少なくとも形成するようにしてもよい。
【0041】
図5に示す例では、第1の側面において第1の嵌合部11’の一部(ウェブ接触部11a’)が形成され、第1の側面に隣接する第2の側面において第2の嵌合部12’ の全体と第1の嵌合部11’の一部(一方のフランジ接触部11b’)とが形成され、第3の側面(第1の側面に隣接し、第2の側面に対向する側面)において第1の嵌合部11’の一部(他方のフランジ接触部11b’)とが形成されている。この構成の場合、第1の側面は凹凸がなくほぼ直線的に形成される一方、第2の側面および第3の側面には凹凸が形成されている。
【0042】
また、
図5に示す構成では、第1の嵌合部11’のウェブ接触部11a’が形成された第1の側面と、第2の嵌合部12’のウェブ接触部12a’が形成された第2の側面との両方に対して略同じ角度を成すようにした斜めの側面14を形成し、この斜めの側面14から所定長さ以内の近接位置に開口部13’を設けている。このようにすることにより、鋼矢板100の内側面の被測定箇所101a~101cに第1の嵌合部11’をあてがうときと、鋼矢板100の外側面の被測定箇所102a~102cに第2の嵌合部12’をあてがうときとで、作業員が開口部13’を掴んで鋼材同定用治具1’を持ったままの状態で鋼矢板100の内側面の被測定箇所101a~101cまたは外側面の被測定箇所102a~102cに鋼材同定用治具1’をあてがうときにおける手の角度調整量を少なくすることができ、作業がしやくなる。なお、斜めの側面14は必ずしも直線状である必要はなく、曲線状であってもよい。
【0043】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図面に基づいて説明する。
図6は、第3の実施形態による鋼材同定用治具1”の構成例を示す図である。なお、この
図6において、
図1に示した構成要素と対応する構成要素には、
図1に示した符号と同一の符号で「-1」または「-2」の枝番を付して示している。
【0044】
図6に示すように、第3の実施形態による鋼材同定用治具1”は、4つの側面を有する枠状部材であり、当該4つの側面を形成する枠の内側が開口されている。枠状部材は、どの位置においても作業者が無理なく握ることができる程度の太さに形成されている。よって、作業者は、鋼材同定用治具1”を鋼矢板100にあてがうときに作業しやすい任意の位置を把持することが可能である。また、作業者は、鋼材同定用治具1”を持ち運ぶときにも、持ちやすい任意の位置を把持することが可能である。
【0045】
第3の実施形態による鋼材同定用治具1”は、鋼矢板100の第1の形状(ある特定の種類の鋼矢板100の内側面および外側面の形状)に合わせて成る第1の嵌合部11-1と、鋼矢板100の第2の形状(別の種類の鋼矢板100の内側面および外側面の形状)に合わせて成る第1の嵌合部11-2とが互いに対向し、鋼矢板100の第1の形状に合わせて成る第2の嵌合部12-1と、鋼矢板100の第2の形状に合わせて成る第2の嵌合部12-2とが互いに対向して形成された、各嵌合部が4つの側面を構成する。
【0046】
具体的には、第3の実施形態による鋼材同定用治具1”が備える4つの側面は、それぞれ次のように形成されている。すなわち、4つの側面のうち第1の側面には、鋼矢板100の第1の形状に合わせて成る第1の嵌合部11-1の一部(ウェブ接触部11a-1)が形成されている。第1の側面に隣接する第2の側面には、鋼矢板100の第1の形状に合わせて成る第2の嵌合部12-1の全体と、鋼矢板100の第1の形状に合わせて成る第1の嵌合部11-1の一部(フランジ接触部11b-1)と、鋼矢板100の第2の形状に合わせて成る第1の嵌合部11-2の一部(フランジ接触部11b-2)とが形成されている。
【0047】
また、第2の側面に隣接し第1の側面に対向する第3の側面には、鋼矢板100の第2の形状に合わせて成る第1の嵌合部11-2の一部(ウェブ接触部11a-2)が形成されている。さらに、第3の側面に隣接し第2の側面に対向する第4の側面には、鋼矢板100の第2の形状に合わせて成る第2の嵌合部12-2の全体と、鋼矢板100の第1の形状に合わせて成る第1の嵌合部11-1の一部(フランジ接触部11b-1)と、鋼矢板100の第2の形状に合わせて成る第1の嵌合部11-2の一部(フランジ接触部11b-2)とが形成されている。
【0048】
第3の実施形態も第2の実施形態と同様に、1組の第1の嵌合部11-1および第2の嵌合部12-1に関して、ウェブ接触部11a-1とウェブ接触部12a-1とが互いに対向する側面に設けられておらず、互いに隣接する側面に設けられている。もう1組の第1の嵌合部11-2および第2の嵌合部12-2に関しても、ウェブ接触部11a-2とウェブ接触部12a-2とが互いに対向する側面に設けられておらず、互いに隣接する側面に設けられている。これにより、鋼材同定用治具1”は、形状の異なる第1の嵌合部11-1,11-2同士が対向し、同じく形状の異なる第2の嵌合部12-1,12-2同士が対向する形状となっている。
【0049】
以上のように、第3の実施形態では、1つの鋼材同定用治具1”に対して種類の異なる鋼矢板100の形状に対応した2組の第1の嵌合部11-1,11-2および第2の嵌合部12-1,12-2を設けている。これにより、第3の実施形態によれば、波浪や作業員による個人差の影響を受けることなく、誰が如何なる環境下で作業をしても鋼矢板100の形状を誤りなく同定することができるとともに、作業員が作業時に鋼材同定用治具1’を持ち直す必要がないという第2の実施形態と同様の効果に加え、1つの鋼材同定用治具1”によって2種類の鋼矢板100の形状を同定することができるという効果を奏する。このため、複数種類の形状の鋼矢板100に対して用意すべき鋼材同定用治具1”の数量を削減することができる。
【0050】
図6に示した構成に対する変形例として、第1の形状の第1の嵌合部11-1が形成された第1の枠状部材と、第1の形状の第2の嵌合部12-1が形成された第2の枠状部材と、第2の形状の第1の嵌合部11-2が形成された第3の枠状部材と、第2の形状の第2の嵌合部12-2が形成された第4の枠状部材とを別部材として備え、第1の枠状部材の一部と第2の枠状部材の一部とが重なり、第2の枠状部材の一部と第3の枠状部材の一部とが重なり、第3の枠状部材の一部と第4の枠状部材の一部とが重なり、第4の枠状部材の一部と第1の枠状部材の一部とが重なるようにして、それらの重なった4箇所の部分をそれぞれ回転軸によって軸支するように構成してもよい。4箇所において重なりを持たせる部分は、各フランジ接触部の末端側の一定範囲の部分である。
【0051】
このようにすれば、第1の枠状部材と第2の枠状部材とが成す角度、第2の枠状部材と第3の枠状部材とが成す角度、第3の枠状部材と第4の枠状部材とが成す角度および第4の枠状部材と第1の枠状部材とが成す角度を任意に変えることができる。例えば、
図6に示したのと同様に、4つの角度が略90度となるようにすることで、4つの枠状部材で形成される全体的な形状を長方形に近い状態としたり、4つのうち2つの角度を90度より大きくするとともに残り2つの角度を90度より小さくすることで、4つの枠状部材で形成される全体的な形状を平行四辺形に近い状態としたりすることができる。平行四辺形に近い形状とすることにより、作業員が鋼材同定用治具1”を持ったままの状態で鋼矢板100の内側面の被測定箇所101a~101cまたは外側面の被測定箇所102a~102cにあてがうときにおける手の角度調整量を少なくすることができ、作業がしやすくなる。
【0052】
ここでは、4つの枠状部材によって2つの異なる形状の鋼矢板100に対応する鋼材同定用治具1”を構成する例について示したが、6つの枠状部材によって3つの異なる形状の鋼矢板100に対応する鋼材同定用治具を構成することも可能である。この場合においても、6つの枠状部材を別部材として構成し、隣接するものどうしを一部が重なるようにして回転軸で軸支するようにしてもよい。これと同様に、4つ以上の異なる形状の鋼矢板100に対応する鋼材同定用治具を構成することも可能である。要するに、2n個(nは1以上の整数)の枠状部材によってn個の異なる形状の鋼矢板100に対応する鋼材同定用治具を構成することが可能である。このようにすれば、使用しない第1の枠状部材と第2の枠状部材については角度を小さくしてコンパクトに折り畳み、使用する第1の枠状部材と第2の枠状部材については角度を大きくして作業がしやすい状態とすることもできる。
【0053】
なお、以上のように説明した
図6の構成は、1つの鋼材同定用治具1”に対して2組の第1の嵌合部11-1,11-2および第2の嵌合部12-1,12-2を設ける場合の1つの構成例を示すものであり、本発明はこれに限定されない。例えば、
図7に示すように、4つの側面を有する板状部材により鋼材同定用治具1”を構成し、第1の側面および第2の側面の少なくとも一方から所定長さ以内の近接位置、および、第3の側面および第4の側面の少なくとも一方から所定長さ以内の近接位置にそれぞれ開口部13-1,13-2を備える構成としてもよい。
図7の例では、互いに対向する第2の側面および第4の側面のそれぞれから所定長さ以内の近接位置に2つの開口部13-1,13-2を備えた構成を示している。
【0054】
また、第3の実施形態において、鋼材同定用治具1”を折り畳み構造とすることで、持ち運びが容易となるようにしてもよい。この場合における折り畳み構造とは、前述したように鋼材同定用治具1”を複数の枠状部材により構成して隣接するものどうしを回転軸で軸支する構成ではなく、例えば、鋼材同定用治具1”の左右方向または上下方向の真ん中の位置において、鋼材同定用治具1”を左右対称または上下対称として2つ折りにする構造をいう。なお、2つ折りにするというのは一例に過ぎない。例えば、3つ折りまたは4つ折り以上に折り畳む構造としてもよい。また、対称形に折り畳む構造に限定されるものでもない。
【0055】
なお、前述した第1~第3の実施形態では、U字型の鋼矢板100の形状を同定するための鋼材同定用治具1,1’,1”を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、鋼矢板100以外のU字型鋼材にも本発明を適用することが可能である。
【0056】
また、前述した第1~第3の実施形態で示した鋼材同定用治具1,1’,1”に対して、浮きを接続するようにしてもよい。このようにすれば、作業員が海に入って作業をしているときに鋼材同定用治具1,1’,1”を手放した場合でも、鋼材同定用治具1,1’,1”が沈降しないようにすることができる。一方、鋼材同定用治具1,1’,1”自体を水に浮く材質で作製してもよい。例えば、密度の小さい木材が挙げられる。あるいは、樹脂等で中空状に形成すれば、浮力を大きくすることができる。板状タイプより厚みは増すが、作業時は束ねて浮かべておくことができる。何れの場合も、第1の嵌合部と第2の嵌合部とを備えていれば、両部位は必ずしも対向し、平行である必要はない。
【0057】
その他、前述した第1~第3の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明の鋼材同定用治具は、第1の嵌合部と第2の嵌合部とを備えていればはどんな形状であってもよく、本発明の要旨またはその主要な特徴から逸脱しない範囲において様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0058】
1,1’,1” 鋼材同定用治具
11,11’,11-1,11-2 第1の嵌合部
12,12’,12-1,12-2 第2の嵌合部
13,13-1,13-2 開口部