(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】美容支援システム、及び美容支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230309BHJP
G16H 40/63 20180101ALI20230309BHJP
【FI】
G06Q50/10
G16H40/63
(21)【出願番号】P 2020132452
(22)【出願日】2020-08-04
【審査請求日】2021-11-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514182160
【氏名又は名称】レナード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002055
【氏名又は名称】弁理士法人iRify国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三原 孔明
(72)【発明者】
【氏名】井上 肇
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-054511(JP,A)
【文献】特表2018-506099(JP,A)
【文献】特開2018-132890(JP,A)
【文献】特開2008-250792(JP,A)
【文献】特開2007-327969(JP,A)
【文献】特開平06-296759(JP,A)
【文献】国際公開第2018/211859(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/106607(WO,A1)
【文献】特開2006-218238(JP,A)
【文献】特開2004-280443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
美容機器と、サーバ装置とを有する美容支援システムにおいて、
前記サーバ装置は、
ユーザの前記美容機器に係る利用履歴情報、前記美容機器に設定した施術条件を含む施術情報、及び施術に係る満足度情報を少なくとも記憶する記憶部と、
前記ユーザの前記美容機器による施術を希望している部位が、以前に施術した部位である場合には、前回の施術条件に基づいて施術パラメータを設定し、以前に施術した部位でない場合において、他の部位を施術した経験がある場合には、施術パラメータを
前回の施術に係る満足度情報、及び肌情報に基づいて更に調整し、他の部位を施術した経験がない場合には、施術パラメータについてデフォルトの
標準的な施術パラメータに設定し、施術条件を決定する施術条件決定部と、
前記施術条件を、前記美容機器に送信する送信部と、を有し、
前記美容機器は、
前記施術条件を受信する受信部と、
前記施術条件により施術に係る設定を行う制御部と、
前記施術条件を表示する表示部と、を有する
美容支援システム。
【請求項2】
前記サーバ装置では、
前記記憶部が肌情報を更に記憶しており、
前記施術条件決定部は、前記肌情報に基づいて施術パラメータを更に調整する
請求項1に記載の美容支援システム。
【請求項3】
前記サーバ装置では、
前記記憶部が、施術条件に対応した前記施術に係るノウハウコメントを更に記憶し、
前記送信部が、前記施術条件に対応する前記施術に係るノウハウコメントを、前記美容機器に送信し、
前記美容機器では、
前記受信部が前記施術に係るコメントを受信し、
前記表示部が前記施術に係るノウハウコメントを表示する
請求項1に記載の美容支援システム。
【請求項4】
前記美容機器とは、脱毛機器、痩身機器、又は美顔機器のいずれかである
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の美容支援システム。
【請求項5】
美容機器と、ユーザの前記美容機器に係る利用履歴情報、前記美容機器に設定した施術条件を含む施術情報、及び施術に係る満足度情報を少なくとも記憶する記憶部を備えたサーバ装置と、を有する美容支援システムによる美容支援方法において、
前記サーバ装置では、
施術条件決定部が、前記ユーザの前記美容機器による施術を希望している部位が、以前に施術した部位である場合には、前回の施術条件に基づいて施術パラメータを設定し、以前に施術した部位でない場合において、他の部位を施術した経験がある場合には、施術パラメータを
前回の施術に係る満足度情報、及び肌情報に基づいて更に調整し、他の部位を施術した経験がない場合には、施術パラメータについてデフォルトの
標準的な施術パラメータに設定し、施術条件を決定し、
送信部が、前記施術条件を、前記美容機器に送信し、
前記美容機器では、
受信部が、前記施術条件を受信し、
制御部が、前記施術条件により施術に係る設定を行い、
表示部が、前記施術条件を表示する
美容支援方法。
【請求項6】
前記サーバ装置では、
前記記憶部が肌情報を更に記憶しており、
前記施術条件決定部が、前記肌情報に基づいて施術パラメータを更に調整する
請求項5に記載の美容支援方法。
【請求項7】
前記サーバ装置では、
前記記憶部が、施術条件に対応した前記施術に係るノウハウコメントを更に記憶し、
前記送信部が、前記施術条件に対応する前記施術に係るノウハウコメントを、前記美容機器に送信し、
前記美容機器では、
前記受信部が前記施術に係るコメントを受信し、
前記表示部が前記施術に係るノウハウコメントを表示する
請求項5に記載の美容支援方法。
【請求項8】
前記美容機器とは、脱毛機器、痩身機器、又は美顔機器のいずれかである
請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の美容支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱毛機器や痩身機器などの美容機器による施術について、ユーザの利用履歴や肌の状態、天候等に基づいて最適な施術となるようマネジメントする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの肌状態データ等に基づいて、好適な美容器を特定することがなされている。例えば、特許文献1では、特定手段は、データベースに登録された肌状態データおよび使用実績データに基づいて、ユーザに対して推奨される美容器の使用態様を特定し、出力手段は、特定手段により特定された使用態様に関する情報を出力する美容支援システムが開示されている。
【0003】
一方、ユーザによる実際の施術を支援するものとして、例えば、特許文献2では、区画された施術室において、ユーザの身体表面にして美容施術を行う1以上のプローブと、ユーザからの操作入力を受け付ける操作入力部と、ユーザに対して、前記プローブを用いた施術方法に関する情報を表示するディスプレイ部と、本体部と、を有する美容機器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-132890号公報
【文献】実用新案登録第3217315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2では、美容器の使用態様の特定、施術支援にあたり、サロンのエステシャンのノウハウを利用することは開示されておらず、さらに過去の施術に係る顧客満足度を参照することは何ら開示されていない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、脱毛機器や痩身機器などの美容機器による施術について、ユーザにとって最適なものとなるように支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る美容支援システムは、美容機器と、サーバ装置とを有する美容支援システムにおいて、前記サーバ装置は、ユーザの前記美容機器に係る利用履歴情報、前記美容機器に設定した施術条件を含む施術情報、及び施術に係る満足度情報を少なくとも記憶する記憶部と、前記ユーザの前記美容機器による施術を希望している部位が、以前に施術した部位である場合には、前回の施術条件に基づいて施術パラメータを設定し、以前に施術した部位でない場合において、他の部位を施術した経験がある場合には、施術パラメータを前回の施術に係る満足度情報、及び肌情報に基づいて更に調整し、他の部位を施術した経験がない場合には、施術パラメータについてデフォルトの標準的な施術パラメータに設定し、施術条件を決定する施術条件決定部と、前記施術条件を、前記美容機器に送信する送信部と、を有し、前記美容機器は、前記施術条件を受信する受信部と、前記施術条件により施術に係る設定を行う制御部と、前記施術条件を表示する表示部と、を有する。
【0008】
そして、本発明の第2の態様に係る美容支援方法は、美容機器と、ユーザの前記美容機器に係る利用履歴情報、前記美容機器に設定した施術条件を含む施術情報、及び施術に係る満足度情報を少なくとも記憶する記憶部を備えたサーバ装置と、を有する美容支援システムによる美容支援方法において、前記サーバ装置では、施術条件決定部が、前記ユーザの前記美容機器による施術を希望している部位が、以前に施術した部位である場合には、前回の施術条件に基づいて施術パラメータを設定し、以前に施術した部位でない場合において、他の部位を施術した経験がある場合には、施術パラメータを前回の施術に係る満足度情報、及び肌情報に基づいて更に調整し、他の部位を施術した経験がない場合には、施術パラメータについてデフォルトの標準的な施術パラメータに設定し、施術条件を決定し、送信部が、前記施術条件を、前記美容機器に送信し、前記美容機器では、受信部が、前記施術条件を受信し、制御部が、前記施術条件により施術に係る設定を行い、表示部が、前記施術条件を表示する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、脱毛機器や痩身機器などの美容機器による施術について、ユーザにとって最適なものとなるように支援する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る美容支援システムの構成図である。
【
図5】同システムによる支援に係る処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】同システムによる特徴的な演算について説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1には、本発明の実施形態に係る美容支援システムの構成を示し説明する。
【0013】
同図に示されるように、美容支援システムは、サーバ装置1と、脱毛機器や痩身機器や美顔機器等の美容機器3と、ユーザ(顧客)の端末装置2と、肌診断用カメラ4とが、インターネット等の通信網5を介して通信自在に接続され、構成されている。ユーザの端末装置2としては、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ等を採用することができる。尚、肌診断用カメラ4は、端末装置2がカメラ機能を備えている場合には当該カメラ機能で代用することも可能である。
【0014】
このような構成において、ユーザは、サロンへの来店時等に、肌診断用カメラ4により自己の肌を撮影する。この撮影データはサーバ装置1へと送信され、肌診断がなされることになる。サーバ装置1は、ユーザの美容機器3に係る利用履歴情報、美容機器3に設定した施術条件を含む施術情報、施術に係る満足度情報、肌診断の結果である肌情報、及び施術条件に対応した施術に係るノウハウコメントを少なくとも記憶している。
【0015】
サーバ装置1は、ユーザの美容機器3による施術が2回目以降である場合、施術情報に基づいて施術パラメータを設定し、施術パラメータを前回の施術に係る満足度情報に基づいて調整し、肌情報に基づいて更に調整し、施術条件を決定する。そして、施術条件、及び施術条件に対応する施術に係るノウハウコメントを美容機器3に送信する。
【0016】
美容機器3は、施術条件、及び施術に係るコメントを受信し、施術条件により施術に係る設定を行うと共に、施術条件と施術に係るノウハウコメントを表示する。従って、ユーザは、自己に最適な施術条件での施術を実行することが可能であると共に、サロンのエステシャン等のノウハウを確認し、より好適なセルフ施術を実行することが可能となる。この施術の後、ユーザは、端末装置2により、当該施術に係る満足度等を入力し、サーバ装置1へと送信することができる。この満足度情報は、サーバ装置1において、利用履歴と共に記憶され、次回以降の施術の際に参照されることになる。
【0017】
図2には、美容支援システムのサーバ装置の構成を示し説明する。
【0018】
同図に示されるように、サーバ装置1は、全体の制御を司るCPU(Central Processing Unit)等からなる制御部11を備えている。制御部11は、バスライン19を介して、通信部12、記憶部13と接続されている。通信部12は、インターネット等の通信網4を介して、美容機器3や端末装置2と通信するための通信インタフェースである。
【0019】
記憶部13は、RAM(Random Access Memory)ROM(Read Only Memory)等のメモリやハードディスクドライブ(HDD;Hard Disc Drive)等で構成されており、制御部11で実行されるプログラムを記憶している。
【0020】
記憶部13は、ユーザの美容機器3に係る利用履歴情報、美容機器3に設定した施術条件を含む施術情報、施術に係る満足度情報、肌情報、及び施術条件に対応する施術に係るノウハウコメントを少なくとも記憶している。より詳細には、記憶部13は、ユーザ記憶部14、施術情報記憶部15、ノウハウ情報記憶部16、気候情報記憶部17、及び肌解析結果記憶部18を少なくとも有している。
【0021】
ユーザ記憶部14は、ユーザIDと紐づけて、ユーザの氏名、性別、年齢、住所、電子メールアドレス等の属性情報と、利用履歴情報(利用店舗、利用日時、利用機器、利用回数、施術条件、満足度情報など)を記憶している。施術情報記憶部15は、施術条件基準テーブル、施術条件調整テーブル等を記憶している。ノウハウ情報記憶部16は、施術条件に対応する施術に係るサロンのエステシャン等のノウハウ情報を記憶している。気候情報記憶部17は、温度、湿度等、天気ファクタに係る情報を記憶している。そして、肌解析結果記憶部18は、肌の画像解析の結果を、肌情報として記憶している。
【0022】
このような構成において、制御部11は、記憶部13のプログラムを読み出し、実行することで、受信部11a、気候情報取得部11b、肌解析部11c、施術条件決定部11d、管理部11e、送信部11f、生成部11g、及び学習部11hとして機能する。
【0023】
受信部11aは、美容機器3等から送信される満足度情報等を受信する。この満足度情報は、ユーザ情報記憶部14に記憶される。気候情報取得部11bは、温度、湿度等の天気ファクタに係る情報を取得する。この天気ファクタに係る情報は、気候情報記憶部17に記憶される。肌解析部11cは、肌診断用カメラ4から送信されてきた撮影データに基づいて画像解析によりユーザの肌の状態を解析する。この解析の結果である肌情報は、肌解析結果記憶部18に記憶される。
【0024】
施術条件決定部11dは、ユーザの美容機器3による施術が2回目以降である場合、施術情報に基づいて施術パラメータを設定し、施術パラメータを前回の施術に係る満足度情報に基づいて調整し、肌情報に基づいて更に調整し、施術条件を決定する。送信部11eは、施術条件、及び施術条件に対応する前記施術に係るノウハウコメントを、美容機器3に送信する。管理部11eは、施術情報及び満足度情報に基づいて、美容機器3のメンテナンス管理を行う。
【0025】
生成部11gは、ユーザに対して、次回来店や商品のレコメンドをするときに、HTML形式等で画面データを生成する。この画面データは、送信部11fによりユーザの端末装置2に送信される。学習部11hは、記憶部13のユーザ情報記憶部14に記憶される施術条件と満足度との関係等に基づいて、機械学習を行い、施術情報記憶部15のテーブルを適宜更新する。
【0026】
図3には、美容支援システムの端末装置の構成を示し説明する。
【0027】
同図に示されるように、ユーザの端末装置2は、制御部21と、通信部22と、操作部23と、表示部24と、記憶部25とを有する。各部21~25は、バスライン26を介して通信自在に接続されている。通信部22は、例えば、NIC等により実現されるもので、インターネット等の通信網5と有線又は無線で接続され、サーバ装置1等との間で通信を行う通信インタフェースである。
【0028】
操作部23は、マウスやキーボード等で実現され、ユーザによる各種操作入力を受け付ける。表示部24は、液晶ディスプレイ等により実現され、各種表示を行う。尚、操作部23と表示部24とをタッチパネルとして一体に構成してもよい。
【0029】
記憶部25は、例えば、RAMやフラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、HDD、または光ディスク装置等で実現されるもので、制御部21で実行されるプログラムを記憶している。制御部21は、CPUやMPU等で実現され、記憶部25に記憶されているプログラムを実行することで、受信部21a、閲覧部21b、及び送信部21cとして機能する。制御部21は、ASICやFPGA等の集積回路で構成されてよい。
【0030】
このような構成において、受信部21aは、サーバ装置1から送られていた表示データ等を、通信部22を介して受信する。閲覧部21bは、表示データに基づく表示を表示部24に行い閲覧可能とする。そして、送信部21cは、満足度等に係るデータ等を、通信部22を介して、サーバ装置1に送信する。
【0031】
図4には、美容支援システムの美容機器の構成を示し説明する。ここでは、脱毛機器、痩身機器、及び美顔機器に共通する構成の一部を示し、説明する。
【0032】
同図に示されるように、美容機器3は、受信部31と制御部32と表示部33と送信部34とを備える。受信部31は、サーバ装置1から送られてきた、施術条件、及び施術に係るコメントを受信する。制御部32は、記施術条件により施術に係る設定を行う。表示部33は、施術条件と施術に係るノウハウコメントを表示する。そして、送信部34は、施術後に入力された満足度情報等をサーバ装置1に送信する。
【0033】
以下、
図5のフローチャートを参照して、美容支援システムによる支援に係る処理手順を詳細に説明する。ここでは、
図6の各種テーブルを参照しつつ、説明を進める。以下の説明では、美容機器3として脱毛機器を採用する場合を例示する。
【0034】
処理を開始すると、サーバ装置1では、施術条件決定部11dが、ユーザ情報記憶部14を参照して、ユーザ情報を読み出す(S1)。このユーザ情報には、利用履歴情報(利用店舗、利用日時、利用機器、利用回数、施術条件など)が含まれる。
【0035】
続いて、施術条件決定部11dは、今回施術を希望している部位が、以前に施術した部位であるかを判定し(S2)、以前に施術した部位である場合(S2をYesに分岐)、施術情報記憶部15の施術条件基準テーブルを参照して、前回の施術条件に基づいて施術パラメータを設定する(S3)。
【0036】
施術条件基準テーブルは、例えば、
図6(a)に示される。この例では、施術回数と施術部位に基づいて、レベル、周波数が定まるような構成となっている。設定される施術パラメータは、レベル、周波数、切替温度、及びジェル量に関わるものである。
【0037】
続いて、施術条件決定部11dは、前回の満足度情報と今回の強さ希望等に基づいて施術パラメータを調整し、ステップS8に移行する(S4)。
【0038】
一方、施術条件決定部11dは、今回施術を希望している部位が、以前に施術した部位でない場合(S2をNoに分岐)、他の部位を施術した経験があるかを判定し(S5)、他の部位を施術した経験がある場合(S5をNoに分岐)、施術パラメータについて経験者考慮設定を行う(S6)。この経験者考慮設定では、前回の設定強度に対する満足度情報の関係に基づいて、後述するデフォルトの初心者設定を増減させる。施術条件決定部11dは、他を静術した経験もない場合(S5をNoに分岐)、施術パラメータについて初心者設定を行う(S7)。この初心者設定とは、経験等を考慮しない、デフォルトの標準的な施術パラメータに設定するものである。
【0039】
続いて、施術条件決定部11dは、肌解析結果記憶部18の肌情報、及び気候情報記憶部17の気候情報を読み出し、それらに基づいて、施術パラメータを調整する(S8)。より詳細には、
図6(b)に示されるような施術条件調整テーブルを参照して、肌の状態(潤い~乾燥)と、天気ファクタ(100~40)との関係で、調整する。調整の結果、施術パラメータ及びユーザへのレコメント情報は、
図6(c)に示されるように定まる。同図において、「+」、「++」、「-」、「- -」とあるのは、パラメータの増減、その度合いを意味している。
【0040】
こうして、送信部11fは、施術パラメータを美容機器3に送信し(S9)、美容機器3による施術を促し(S10)、一連の処理を終了する。美容機器3側では、施術パラメータに基づいて施術条件の設定がなされると共に、ノウハウ情報が画面に表示され、ユーザによる承認を得た後、ユーザの指示により当該条件での施術が実行される。また、ユーザの端末装置3には、商品のレコメンドや、リマインドに関わる情報が提示される。
【0041】
次に、
図7を参照して、美容支援システムによる特徴的な演算について説明する。
【0042】
本実施形態に係る美容支援システムでは、ユーザのカウンセリングデータ、利用履歴データ、肌診断の履歴データ、満足度、及びユーザのゴール(目標)等のデータを過去から現在に至るまで収集することで、電子カルテを構築することができる。そして、複数のユーザについて構築された電子カルテは、ビックデータを構築する。そこで、これらビッグデータを機械学習することで、サロンのエステシャン等のノウハウ情報を更新することでより最適なノウハウコメントを提示することが可能となる。
【0043】
同図の右方には、美容機器3又は端末装置2での表示例を示しているが、施術パラメータに基づいて設定された施術条件に加えて、ノウハウ情報を提示することができる。そして、施術の後に、満足度の入力を促すことで、それが電子カルテに反映され、更なるビッグデータ構築、ノウハウ情報の更新へとつながることになる。
【0044】
最後に、
図8を参照して、美容支援システムの適用例を説明する。
【0045】
前述したように、電子カルテは、脱毛用電子カルテ、痩身用電子カルテ、美顔用電子カルテ等、構築されることになるが、これらと肌解析の結果等に基づいて、脱毛アルゴリズム、痩身アルゴリズム、及び美顔アルゴリズムに基づく演算が行われ、施術条件が決定され、それぞれ脱毛機器、痩身機器、美顔機器に施術条件の設定がなされる。
【0046】
そして、各美容機器での施術のログデータは、各アルゴリズムでの演算の際に参照される。これに加えて、本実施形態では、脱毛、痩身、美顔を横断的に分析する横断アルゴリズムに基づく演算が可能であり、その演算結果に基づいて、施術結果をユーザに提示できると共に、脱毛、痩身、美顔の全域にわたり横断的なレコメンドを実行することが可能となっている。そして、各アルゴリズムの演算結果は、各美容機器からフィードバックされた満足度情報等と併せて、品質管理に役立てられている。
【0047】
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、脱毛機器や痩身機器などの美容機器による施術について、ユーザにとって最適なものとなるように支援することができる。
【0048】
即ち、ユーザの美容機器による施術が2回目以降である場合、施術情報に基づいて施術パラメータを設定し、施術パラメータを前回の施術に係る満足度情報に基づいて調整し、肌情報に基づいて更に調整し、施術条件を決定することができるので、ユーザにより好適な設定を行う事が可能となる。また、施術実施の際には、サロンのエステシャンのノウハウ情報(例えば、脱毛であればジェルの使用量など)が提示されるので、よりエステシャンによる施術に近い施術を自ら行うことができる。更に、施術後のユーザの満足度情報は施術情報とセットとなって、美容機器の実態把握、メンテナンス要否の判断等に用いられるので、美容機器を最適な状態で維持することが可能となる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【0050】
例えば、美容機器は、前述した脱毛機器、痩身機器、及び美顔機器に限定されず、各種のものに適用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…サーバ装置、2…端末装置、3…美容機器、4…肌診断用カメラ、11…制御部、11a…受信部、11b…気候情報取得部、11c…肌解析部、11d…施術条件決定部、11e…管理部、11f…送信部、11g…生成部、11h…学習部、12…通信部、13…記憶部、14…ユーザ情報記憶部、15…施術情報記憶部、16…ノウハウ情報記憶部、17…気候情報記憶部、18…肌解析結果記憶部、19…バスライン、21…制御部、21a…受信部、21b…閲覧部、21c…送信部、22…通信部、23…操作部、24…表示部、25…記憶部、26…バスライン、31…受信部、32…制御部、33…表示部、34…送信部。