(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】噴射された塗料回収装置及び塗装ブース
(51)【国際特許分類】
B05B 14/44 20180101AFI20230309BHJP
B05B 16/40 20180101ALI20230309BHJP
B05B 16/60 20180101ALI20230309BHJP
【FI】
B05B14/44
B05B16/40
B05B16/60
(21)【出願番号】P 2021081352
(22)【出願日】2021-05-13
【審査請求日】2021-05-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0091728
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521205652
【氏名又は名称】イ、ミヨン ジョン
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ミヨン ジョン
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-288441(JP,A)
【文献】特開2004-089948(JP,A)
【文献】特開2004-002633(JP,A)
【文献】特開2001-286710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B12/16-12/36
14/00-16/80
B01D46/00-46/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状で噴射された塗料を回収することに使われる回収板(90)が塗装ブースの前面壁1に配置されてなされる塗料回収装置として、
前記回収板(90)は、
左右側面フレーム(91)と上側フレーム(92)及びベースフレーム(93)でなされる四角フレームと、
前記四角フレーム内に一定間隔で配置されるスラット(94)を含んで、
相互見合わせる前記左右側面フレーム(91)は後方に傾くようにして前記ベースフレーム(93)の後方延長部と鋭角(α)を成すようにして、
前記スラット(94)は、側方から見た時に前方が挙げられて後方に下がるように斜めな状態で前記左右側面フレーム(91)に固定されるが、多数個スラットが上下方向に一定間隔を有して連続して配置され、
前記スラット(94)は、水平面と鋭角(β)を成しながら側方から見た時に前方が挙げられて後方に下がるように斜めな長い板状のスラット胴体(94a)と、前記スラット胴体(94a)の上側に延長されるが、前記スラット胴体(94a)と鈍角(δ)を成しながら延長される上側羽(94b)と、前記スラット胴体(94a)の下側に延長される下側羽(94c)を有する形態で
あることを特徴とする塗料回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は製品表面に対して、特に、小型物品、一つの例を挙げると、化粧品容器のふたなどに塗装コーティングのために、塗装ブースで塗料をスプレー噴射して使われた塗料を回収して再活用が可能で大気汚染及び周辺の汚染を防止することができる噴射された塗料回収装置及び塗装ブースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
塗装ブースで所定の物品の外面にスプレー塗装をする場合、例えば、容器のふたなどの製品外部表面に塗装塗料をスプレー塗布する工程で、従来の塗装ブースはブース下部に水受け水桶が設置されていて、上部には水をスプレーしながら塗装をして来た。この時、スプレーされる塗料の飛散を阻むために上部で水を必ず振り撤いて周辺の外部及び大気汚染を防止しなければならない。
【0003】
この場合、水とスプレーされた粉じん状態の塗料が混合して下部に落ちてスラッジが発生するが、これは循環ポンプなどの故障の原因になる。また、塗料と水混合物のスラッジは汚染水処理が困って処理時に費用がたくさん発生して処置が困る。また、水塗料混合スラッジは粘っこくて経時的に餠のような形態で固くなって処理が困るだけでなく、それによって施設の維持補修に困難を経験して維持補修に多い時間が必要となって施設維持補修費の上昇原因になる。
【0004】
また、従来の場合噴射された塗料噴射物はブース内壁にくっついて、これを掃除するのが非常に困って難しくて、掃除のためには施設の稼動を中断しなければならないので、生産性が落ちる問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記した従来の問題点を解決するために発明したものであり、水を使わないで廃棄される塗料を回収して再活用することによって塗料資材費を節減し、使われる水供給装置が不必要で、水を使わないことにより、施設費及び稼動維持費の節減が可能にさせることに本発明の目的がある。
【0006】
また本発明は、水とスプレーされた粉じん状態の塗料が混合されて発生されるスラッジによって塗装設備のあちこちに発生する故障の原因を除去することができて、また、塗料粉じんと水混合物のスラッジによる汚染水処理問題と汚染水処理施設費及び汚染水処理費用を節減して環境汚染の問題も解決可能な噴射された塗料回収装置及び塗装ブースを提供することに本発明の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題を解決するための本発明の一側面による噴射された塗料回収装置に使われる回収板90は、左右側面フレーム91と上側フレーム92及びベースフレーム93でなされる四角フレームと、前記四角フレーム内に一定間隔で配置されるスラット94を含んで、相互見合わせる前記左右側面フレーム91は一側方向に傾くようにして、前記スラット94は、側方から見た時に前方が上げられて後方に下がるように斜めな状態で左右側面フレーム91に固定されるが、多数個のスラットが上下方向に一定間隔を有して連続して配置されることを特徴とする。
【0008】
前記問題を解決するための本発明の他の側面による噴射された塗料回収装置は、前記回収板94が前面壁1に配置されることを特徴とする、
【0009】
望ましくは、前記回収板94は側面壁3及び底部5にも配置され、前記回収板94の内側には金属網のフィルター板2が重ね塗りされるはことを特徴とする。
【0010】
一方、前記問題を解決するための本発明の他の側面による噴射された塗料を回収して再活用が可能な塗装ブースは、塗装しようとする製品表面に塗料をノズルで噴射して被覆する塗装ブースで、噴射された塗料を回収して再活用が可能な塗装ブースとして、ブースの上部に設置する排気ファン42を備えた排気ダクト4と、ブースの前面壁1に設置する金属網でなされるフィルター板2と、ブースの底部5に設置する底フィルター板60と、底に落ちた塗料スラッジを収集する収集桶35と、収集桶35への塗料スラッジをポンピングする循環ポンプ46と、循環ポンプ46によって、塗料を再活用するために送られる塗料タンク40を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、水を使わないで廃棄される塗料を回収して再活用することによって塗料資材費を節減し、使われる水供給装置が不必要で、水を使わないことにより施設費及び稼動維持費の節減が可能である。
【0012】
また本発明は、水とスプレーされた粉じん状態の塗料が混合して発生されるスラッジによって塗装設備のあちこちに発生する故障の原因を除去することができて、また塗料粉じんと水混合物のスラッジによる汚染水処理問題を解決し、汚染水処理施設費及び汚染水処理費用を節減して環境汚染の問題も解決可能である。
【0013】
また本発明によれば、塗装設備の維持補修が簡単で維持管理費が少しかかって、塗装後発生される汚染物質がめっきり減って親環境的な設備が可能である。
【0014】
また本発明ではフィルター板2を上から持ち上げて抜き取って他のきれいなフィルター板2で入れ替え可能にフィルター板2自体を一つの組立体でモジュール化させることによってフィルター板2の入れ替え作業時間を迅速にさせて生産性を高めた。
【0015】
また本発明によれば、集塵施設が小くなって狭い空間に設置が可能で初期投資費用も少しかかる
【0016】
また、微細粉じん発生を従来よりさらに減らすことができて作業場内のにおいを減らす。その理由は、スプレー塗装後発生される汚染物質を金属網構造のフィルター板が近接するように捕執して作業場外部に排出するためである。
【0017】
特に、金属網フィルター板外にも追加的に粉じん発生を減らしながらも噴射された塗料を効果的に回収することができる回収板を二重で設置することで、さらに上昇された回収効果を発揮することができる。
【0018】
前記目的及び効果外に本発明の他の目的及び利点らは添付した図面を参照した実施例に対する詳細な説明を通じて明白に現われるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1側面に関する塗装ブース発明による塗装ブースの一実施例である。
【
図2】塗装ブースの前面壁1部位を後から反らして開けてみた状態を示す図面である。
【
図3】本発明の第1側面に関する塗装ブース発明によるブース内部のフィルター板設置構成図である。
【
図4B】回転フィルター板30に対する構成例を説明するための図面である。
【
図5】スラッジの回収循環装置と排気を見せてくれるための図面である。
【
図6】本発明の第2側面に関する塗料回収装置の概略的な模式図である。
【
図7】本発明の第2側面に関する塗料回収装置の回収板設置写真である。
【
図8A】本発明の第2側面に関する塗料回収装置の回収板の実物写真である。
【
図8B】本発明の第2側面に関する塗料回収装置の回収板の実物写真である。
【
図8C】本発明の第2側面に関する塗料回収装置の回収板の実物写真である。
【
図9】本発明の第2側面に関する塗料回収装置の回収板の部分拡大写真である。
【
図10】本発明の第2側面に関する塗料回収装置の回収板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を添付図面と共に追加で詳述する。
【0021】
(本発明の第1側面に関する塗装ブース発明)
まず、本発明の第1側面に関する塗装ブース発明に対して
図1乃至
図5を参照して詳述する。
【0022】
図1は、本発明の第1側面に関する塗装ブース発明による塗装ブースの一実施例であり、
図2は塗装ブースの前面壁1部位を後から反らして開けてみた状態を示す図面であり、
図3は本発明の第1側面に関する塗装ブース発明によるブース内部のフィルター板設置構成図であり、
図4Aは
図3の他の実施例であり、
図4Bは回転フィルター板30に対する構成例を説明するための図面である。また、
図5はスラッジの回収循環装置と排気を見せてくれるための図面である。
【0023】
図1に示したように前面壁1には金属網フィルター板2が設置される。フィルター板2は1枚だけ設置されるものではなく、複数の枚が設置されることが望ましい。単純平板上の板を設置しないで金属網フィルターを使用する理由は、ノズルによって噴射される塗料ミストがもし平板にぶつかれば、噴射液が再反射されて塗布しようとする製品の表面にくっついて製品不良が発生するためである。鉄網を使えば噴射によって反射される塗料ミストが発生しないで、鉄網に付着されるか、または鉄網の孔を通過して後方に位置した鉄網に付着される。フィルター板2はブース内部左右側面壁3にも設置することができる。そして、底部5にもフィルター板2が設置される。特に、塗料スプレーノズル4の下にも金属フィルター板2が設置される。
【0024】
参照で、化粧品などの各種容器のキャップに塗料を塗布する作業を、
図1を参照で説明すれば次のようである。
【0025】
キャップ7は回転軸8の上端に設置され、回転をしながらレールに乗って左側の投入口10に進入して塗装ブースの右側吐出口11に進む。この時、左側に設置された塗料噴射ノズル4の2個は水平に噴射し、右側のノズル4の3個は少し上部から下部に斜めに噴射する。そうすると、回転するキャップ7の表面に塗料が噴射される。
【0026】
この時噴射された塗装塗料は微細ほこり形態で飛散するが、その飛散される塗料はノズルの噴射圧によって前面壁1に一番多くくっつく。そして、飛散される粉じん形態の塗料は、上部及び左、右側壁に飛散してくっついて、時間が経てば壁に付いた塗料は下部に垂れ下がって落ちる。
【0027】
したがって、本発明では前面壁1に一番多い個数のフィルター板2を複数の層で設置し、そして、側壁及び底部5にも少なくとも1枚以上の金属網フィルター板2を設置する。
【0028】
噴射する塗料は種々多様である。例えば、UV塗料は流動性が良くて垂れ下がるが、経時的には固くなる。ウレタン及びアクリル塗料、例えばウレタン及びアクリル塗料(液型塗料)2は、乾燥すれば易しくパウダー形態になる。すなわち、流動性が少なくて一部は垂れ下がることができずに壁面に接着されてくっつくようになる。
【0029】
【0030】
図2に示すように、前面壁1は下部にヒンジを構成(図示せず)し、上部で開閉式に開放されるように構成される。前面壁1の上部には掛けがね13を連結して掛け金12にかけることができるようにし、フィルター板2の入れ替え作業ができるように構成されている。
【0031】
分離されるフィルター板2はシンナーに浸漬して洗滌するか、またはシンナーでスプレーして洗滌する。フィルター板2に経時的に古くて固いまたはスラッジ形態でくっついた塗料は灰汁を沸かし、この灰汁中にフィルター板2を浸漬して洗滌すれば易しく洗滌がなされる。
【0032】
図3は、本発明の第1側面に関する塗装ブース発明の他の実施例である。
【0033】
図3に示すように、本実施例では、フィルター板2を収納引き出し式で複数枚、望ましくは、10枚まで設置した。すなわち、前面壁の上部でフィルター板2を上から持ち上げて抜き取って他のきれいなフィルター板2で入れ替え可能にフィルター板2自体を一つの組立体でモジュール化させた。そして、フィルター板2の収納のための区分された収納フレーム15が設置され、この収納フレーム15に挿入すれば入れ替えが容易である。そして、フィルター板2の入れ替え作業時間を迅速にさせて生産性を高めた。
【0034】
一番先方のフィルター板2は汚染度が一番ひどいため頻りに入れ替って、前面から後に行くほど設置されたフィルター板2は汚染が減るので、入れ替え周期が長い。したがって、一番前にあるフィルター板2とその後の1-3枚程度だけ頻りに入れ替れば、その後方にあるフィルター板2は長期間使っても良いので、フィルター板の入れ替えが効率的になされて作業能率も向上する。フィルター板2上端には収納フレーム15から引き出しが容易であるように掛け部17を形成する。
【0035】
このような構成のフィルター板2は左右側面壁3にも構成可能である。側面壁3では塗料粉じんがあんまり付着されないので、おおよそ3枚程度のフィルター2だけ設置しても十分である。以前の前面壁1に構成したフィルター板2と同じく収納フレーム15が設置され、その収納フレーム15にフィルター板2が挿入及び除去を可能に構成する。側面壁3に構成されるフィルター板2は上部から引き出すか、または側部から引き出すかどのように構成しても良い。
【0036】
底部5にも底フィルター板60が設置されるが、底部にも1-3枚程度設置するが、側方または先後で引き出し式で引き出し可能な構造の収納型で設置可能である。
図4Aは、
図3に示した(すなわち、前面壁に示した)フィルター板2の他の構成例である。
【0037】
前面壁に構成されるフィルター板2は汚染度がひどくて、一番頻繁に掃除をしなければならないので、これを自動で掃除が可能に構成した。すなわち、上端部にスクレーパー23を設置し、このスクレーパー23を接触しながらフィルター板が回転するように回転フィルター板30を構成した。回転フィルター板30はその回転のために左右上下両端にスプロケット31を設置した。回転フィルター板30の回転はいつも徐徐に帰るようにするか、または一定時間の間隔のインターバルで作動するように構成することもできる。一方、インターバルがとても長ければ塗料が固いので、回収される塗料の再活用度が低くなるので望ましくない。
【0038】
スプロケット31の回転はモータの作動によって前後進が可能に構成されるか、または一方向回転だけ可能になるように構成することができる。すなわち、モータ(図示せず)の正逆回転方向によって回転フィルター板30が上から下に下るように作動するか、または下から上に上昇するように作動することができる。回転フィルター板30の後には、前述した実施例のフィルター板2が複数枚設置され、一番後には選択的にカバー75を設置する。一番後のフィルター板2には塗料粉じんが非常に少なく塗布され、そして、最終的に一番後には、フィルターではない平板でなされたカバー75を設置して塗料粉じんがブースボックス外部に排出されることを完全に阻むことができるようにする。
【0039】
図4Bは、回転フィルター板30に対する具体的な構成例である。
【0040】
一般に、市販される金属網76を準備し、これを固定することができる固定ストリップ80を準備する。固定ストリップ80は一番外側にスプロケット31(
図4aに図示)の歯と噛まれることができる通孔78を形成してその内側にはねじなどの結合口77を締結することができる孔が形成される。固定ストリップ80二枚を重ねてその間に網76を挟んで結合口77を通じてねじなどで締結する。左右両方すべてこのように締結する。そして、上下両端部を結合することができる結合板82を網76の上下両端部に重ねて当てて組立てる。このように設けられた組合体をスプロケット31にかけて網の上下両端部に組み立てされた結合板82を相互重ねて当てて締結孔79を通じて結合させれば、回転フィルター板30の装着が完了される。
【0041】
図4Aに戻って、下端部にはスクレーパー23によって落ちた流動性塗料及びスラッジ33を排出するためのピストン34及びプッシュロッド38が設置され、ピストン34によって一方側部に押されて排出される流動性塗料及びスラッジ33はろ過フィルター70を経って収集桶35に集められて別に処理する。収集桶35で流動性がある廃塗料は循環ポンプ46及び第2フィルター36を経って塗料タンク40に回収されて塗料噴射ノズルが設置されたブースで循環再活用がなされてフィルター36でろ過された餅形態のスラッジ33は廃処理する。このように構成すれば、フィルター板の掃除がさらに便利でフィルター板の掃除及び入れ替えなしに長期間稼動をしても良い長所がある。
【0042】
図5は、塗料塗布ブース50の排気と下部への塗料循環システムを説明するための図面である。
図5に示すように、ブース50上部には排気のための排気ダクト41が設置されて排気ファン42による吸入がなされて塗料粉じんが排気される。この時、排気ダクト41下部に排気フィルター44を設置し、粉じん粒子をある程度つかみ出して作業場周辺環境と大気汚染を防止できるようにする。この排気フィルター44も側部で挿入及び引き出し可能な引き出し式で構成してフィルター入れ替えが容易であるようにする。
【0043】
ブース40下部の底部5には複数層のフィルター板2が設置されてその下には垂れ下がった塗料及びスラッジ33が集まる。これらはピストン34によって側部に押されてろ過フィルター70及び収集桶35を経って、循環ポンプ46の作動で第2フィルター36を再び経って塗料タンク40に回収される。塗料タンク40には撹拌ファン49が設置されて回収される塗料とよく混合するようにして、また塗料が固くならないようにする。
【0044】
このように構成すれば水を使わないことにより塗料廃水が発生しないで塗料の循環再使用が可能であり、作業環境が非常に清潔になって大気に排気される塗料粉じんによる大気汚染度が防止される。
【0045】
(本発明の第2側面に関する塗料回収装置)
ところが、前記本発明の第1側面に関する塗装ブース発明の場合、ノズルによって噴射される塗料ミストが平板にぶつかって再反射される問題点をある程度解決することができることはあるが、噴射される塗料の多様な噴射強度や角度によっては金属網のフィルター板2が完璧に遮断することができないので、金属網フィルター板2後には相変らず平板のカバー(
図4Aの75)が設置されなければならないが、噴射される塗料が金属網のフィルター板2を通過して後方の平板カバー75に反射した後、再びミスト化されて上に上昇するため、粉じん発生を完全に遮断することに限界があったし、そのような理由で複数枚の金属網フィルター板2を使わなければならないので、厚さが厚くなるという新しい問題点が発生したりして管理の困難があったりした。
【0046】
これに、本発明者は、金属網のフィルター板2後方のカバーを改善し、粉じんの発生を最小化しながら塗料の回収もさらに効果的に改善した回収板90を発明した。
【0047】
これから、前記本発明の第1側面に関する塗装ブース発明を補助的に参考しながら、本発明の最適実施例に関する塗料回収装置100及び回収板90に対して
図6乃至
図10を参照して詳述する。
【0048】
図6は、本発明の第2側面に関する塗料回収装置100の概略的な模式図であり、
図7は本発明の第2側面に関する塗料回収装置の回収板設置写真であり、
図8A乃至
図8Cは本発明の第2側面に関する塗料回収装置の回収板の実物写真であるが、
図8Aは前方斜視写真であり、
図8Bは後方斜視写真であり、
図8Cは側面写真である。
【0049】
図9は、本発明の第2側面に関する塗料回収装置の回収板の部分拡大写真であり、
図10は本発明の第2側面に関する塗料回収装置の回収板90の断面図である。
【0050】
前記本発明の第1側面に関する塗装ブース発明と対比される本発明の第2側面に関する塗料回収装置100の特徴は、金属網のフィルター板2後方のカバー75を回収板90で取り替えることである。
【0051】
前記回収板90も前記フィルター板2と類似に、
図1を参照して
図6及び
図7で示すように、前記塗料噴射ノズル4と見合わせる前面壁1には勿論、側面壁3と底部5にも、フィルター板2の背面にそれぞれ設置されることが望ましい。さらに、本発明の回収板90が一番内側のフィルター板2の背面に設置される場合、前記フィルター板2は1~2個程度に充分にカバー可能である。
【0052】
これから、前記回収板90の構成に対して、
図8A乃至
図10を参照して詳しく説明すれば、先ず本発明の回収板90は窓などに設置されるルーバーと類似な構造として、左右側面フレーム91と上側フレーム92及びベースフレーム93でなされる四角フレーム内に一定間隔でスラット94が配置されている構造である。前記フレームは中空の四角フレームであっても良い。
【0053】
但し、この時前記左右側面フレーム91は、
図8Cで示すように、垂直方向に少し後方へ傾くように(すなわち、側面フレーム91とベースフレーム93の後方延長部が各‘α'を成すように)して、ベースフレーム93の後方延長部と側面フレームは補助フレーム95によって支持されるようにする。
【0054】
この時、前記スラット94は、側方から見た時に前方が挙げられて後方に下がるように(すなわち、スラット胴体94aが水平面と各‘β'を成すように)斜めな状態で左右側面フレーム91に固定されるが、多数個のスラットが上下方向に一定間隔を有して連続して配置される平板形状であっても良いが、望ましくは、長い板状のスラット胴体94aの上下側に一定な鈍角で角を成しながら延長される上側羽94bと下側羽94cを有する形態(すなわち、スラット胴体94aとスラット羽94b、94cがそれぞれ、‘δ'角を成す形態)が望ましくて、“〕”形態がさらに望ましい。
【0055】
そのようにして、
図10で示すように、塗料が噴射ノズル4から相異な角度で噴射される場合でも(
図10の“A”、“B”、“C”矢印参照)、 甚だしくは
図10の矢印“A”方向に塗料が噴射されても、塗料が上方向に飛びながらミスト化されないで下方向に再反射されながら、結局上方向に噴霧されないようにする機能及び下方向に垂れ下がることで(
図10の“D”矢印参照)塗料の損失なしに回収される機能を遂行するようになる。
【0056】
未説明符号‘96'は回収板90を据え置きするか、または移動する時に使われる連結の輪である。
【0057】
前記スラット胴体94aの角度βは、前記ノズル4からの塗料噴射角度、側面フレームの傾きαなどを考慮し、塗料がスラットにぶつかった後に上方向に再反射されながらミスト化されることを防止するように適正な角度で傾くようにすればよい。
【0058】
一番望ましくは、前記スラット胴体の角度を可変的に調節可能なことであるが、このためには構造が少し複雑になるという点があり得る。
【0059】
前記回収板9は単独で使われられても良いが、より望ましくは、金属網のフィルター板3と共に使われることが、塗料の再反射を防止することができてさらに望ましい。
【0060】
このように、本発明のルーバー形状の回収板90を使用時、塗料が反射されて上方向に飛びながらミスト化される従来技術の問題点を防止することができるし、したがって、フィルター板2の個数も減らすことができるし、さらに、スラット94によって下方向に反射しながら塗料の回収も容易になるという追加的な長所がある。
【0061】
結局、一番望ましくは、本発明の塗料回収装置は、液状で噴射された塗料を回収することに使われる回収板90が塗装ブースの前面壁1に配置されてなされる塗料回収装置として、前記回収板90は、左右側面フレーム91と上側フレーム92及びベースフレーム93でなされる四角フレームと、前記四角フレーム内に一定間隔で配置されるスラット94を含んで、相互見合わせる前記左右側面フレーム91は後方に傾くようにして前記ベースフレーム93の後方延長部と鋭角(α)を成すようにして、前記スラット94は、側方から見た時に前方が挙げられて後方に下がるように斜めな状態で左右側面フレーム91に固定されるが、多数個スラットが上下方向に一定間隔を有して連続して配置され、前記スラット94は、水平面と鋭角(β)を成しながら側方から見た時に前方が挙げられて後方に下がるように斜めな長い板状のスラット胴体94aと、前記スラット胴体94aの上側に延長されるが、前記スラット胴体94aと鈍角(δ)を成しながら延長される上側羽94bと、前記スラット胴体94aの下側に延長される下側羽94cを有する形態であり、塗料が噴射ノズル4から相異な角度で噴射される場合でも、塗料が上方向に飛びながらミスト化されないようにしながら下方向にまっすぐに下がるように回収される機能を遂行するようになるようにする。
【0062】
以上では本発明の一実施例によって本発明を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者が本発明の技術的思想を脱しない範囲内で変更及び変形したことも本発明に属することは当然である。
【符号の説明】
【0063】
1 前面壁
2 フィルター板
4 塗料噴射ノズル
5 底部
7 キャップ
10 投入口
11 吐出口
75 カバー
90 回収板
100 塗料回収装置