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特許7240757補水制御方法、ウォーターサーバーおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】補水制御方法、ウォーターサーバーおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/08 20060101AFI20230309BHJP
【FI】
B67D1/08 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021089986
(22)【出願日】2021-05-28
(62)【分割の表示】P 2017137967の分割
【原出願日】2017-07-14
(65)【公開番号】P2021120305
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2021-06-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000170130
【氏名又は名称】パーパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(74)【代理人】
【識別番号】100206933
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】桂谷 祥太
(72)【発明者】
【氏名】石黒 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】幾留 眞一
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-169121(JP,A)
【文献】特開平09-066998(JP,A)
【文献】特開2016-199300(JP,A)
【文献】特開2006-044698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水容器から原水を冷水タンクに補水するウォーターサーバーの補水制御方法であって、
水位センサーが、前記冷水タンクの水位を検出する工程と、
補水ポンプが、補水管を通して前記原水容器の原水を前記冷水タンクに補水する工程と、
制御部が、前記水位センサーの検出水位を取得し、前記冷水タンクの水位を判定するとともに前記原水容器がセットされているか否かを判定し、前記水位が基準水位未満を所定時間継続しかつ前記原水容器がセットされているとき、前記補水ポンプを動作させる工程と、
を含むことを特徴とする補水制御方法。
【請求項2】
さらに、前記補水ポンプの動作電流に対し、前記原水容器が設置されていないときの動作電流を超える閾値を設定し、該閾値以上の前記動作電流が得られるとき、前記補水ポンプを動作させ、前記動作電流が前記閾値を下回るとき、前記補水ポンプの動作を停止させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の補水制御方法。
【請求項3】
さらに、原水容器がセットされているか否かをセットスイッチで検出する工程と、
前記セットスイッチが原水容器のセットを検出したとき、タイマーが計時を開始し、前記補水ポンプを動作させる工程と、
前記補水ポンプの動作電流が、前記原水容器内の残水がないときの動作電流より高く設定された閾値を超え、かつ前記タイマーの計時時間が所定時間に到達したとき、前記補水ポンプの動作を停止させる工程と、
を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の補水制御方法。
【請求項4】
原水容器から原水が補水される冷水タンクを含むウォーターサーバーであって、
前記原水容器の原水を前記冷水タンクに補水管を通して補水する補水ポンプと、
前記冷水タンクの水位を検出する水位センサーと、
前記水位センサーの検出水位を取得し、前記冷水タンクの水位を判定するとともに前記原水容器がセットされているか否かを判定し、前記水位が基準水位未満を所定時間継続しかつ前記原水容器がセットされているとき、前記補水ポンプを動作させる制御部と、
を含むことを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項5】
さらに、前記制御部は、前記補水ポンプの動作電流に対し、前記原水容器が設置されていないときの動作電流を超える閾値を設定し、該閾値以上の前記動作電流が得られるとき、前記補水ポンプを動作させ、前記動作電流が前記閾値を下回るとき、前記補水ポンプの動作を停止させることを特徴とする請求項4に記載のウォーターサーバー。
【請求項6】
さらに、原水容器がセットされているか否かを検出するセットスイッチと、
タイマーと、
を備え、前記制御部が、前記セットスイッチが原水容器のセットを検出したとき、前記タイマーが計時を開始し、前記補水ポンプを動作させ、前記補水ポンプの動作電流が、前記原水容器内の残水がないときの動作電流より高く設定された閾値を超え、かつ前記タイマーの計時時間が所定時間に到達したとき、前記補水ポンプの動作を停止させることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のウォーターサーバー。
【請求項7】
さらに、前記補水管の端部に前記原水容器の給水栓に着脱可能な可撓部を備えることを特徴とする請求項4ないし請求項6の何れかの請求項に記載のウォーターサーバー。
【請求項8】
さらに、扉によって開閉可能なサーバー筐体と、
前記サーバー筐体に設置され、前記扉を開くと、前記原水容器の着脱可能な装着部と、
温水タンクに接続された管路と三方弁を介して接続され、前記原水容器の給水栓に着脱可能な補水管と、
を備え、前記補水管に設置されて前記補水ポンプが前記三方弁の近傍に配置されるとともに、前記管路に温水循環を可能にしたことを特徴とする請求項4ないし請求項7の何れかの請求項に記載のウォーターサーバー。
【請求項9】
コンピュータに実行させるプログラムであって、
補水管を通して原水容器の原水を冷水タンクに対して補水ポンプで補水させる機能と、
前記冷水タンクの水位を検出する水位センサーの検出水位を取得し、前記冷水タンクの水位を判定するとともに前記原水容器がセットされているか否かを判定し、前記水位が基準水位未満を所定時間継続しかつ前記原水容器がセットされているとき、前記補水ポンプを動作させる機能と、
を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
さらに、前記補水ポンプの動作電流に対し、前記原水容器が設置されていないときの動作電流を超える閾値を設定し、該閾値以上の前記動作電流が得られるとき、前記補水ポンプを動作させ、前記動作電流が前記閾値を下回るとき、前記補水ポンプの動作を停止させる機能を前記コンピュータに実行させるための請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
さらに、原水容器がセットされているか否かの検出出力をセットスイッチから取得する機能と、
前記セットスイッチが原水容器のセットを検出したとき、タイマーが計時を開始し、前記補水ポンプを動作させる機能と、
前記補水ポンプの動作電流が、前記原水容器内の残水がないときの動作電流より高く設定された閾値を超え、かつ前記タイマーの計時時間が所定時間に到達したとき、前記補水ポンプの動作を停止させる機能と、
を前記コンピュータに実行させるための請求項9または請求項10に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえば、原水容器がサーバー筐体の下部側に設置されるなど、補水ポンプにより原水をタンクに補水するウォーターサーバーなどの補水制御に関する。
【背景技術】
【0002】
ウォーターサーバーは冷水または温水を貯留するタンクを備え、このタンクから冷水や温水を提供する。
サーバー筐体の下部に原水容器を備え、補水ポンプにより原水をタンクに補水するウォーターサーバーが知られている。このウォーターサーバーでは、補水ポンプの動作をタンク水位に応じて制御し、タンク水位を一定水位に制御することが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-180811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、原水容器がサーバー筐体の下部に設置されるウォーターサーバーでは、ユーザーが原水容器を筐体上に持ち上げるといった操作が不要になるが、原水容器からタンクに補水する補水ポンプやポンプ制御が必要である。
このようなポンプ制御が必要なウォーターサーバーでは、ポンプ制御の制御不良によるタンク水位のオーバーフロー状態、補水不良などの課題がある。また、サーバー筐体への原水容器の装着不良や、原水不足による補水などの課題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、補水ポンプを用いて原水容器からタンクに補水する補水制御またはウォーターサーバーにおいて、補水不良などを生ずることなく、給水の安定化を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の補水制御方法の一側面によれば、原水容器から原水を冷水タンクに補水するウォーターサーバーの補水制御方法であって、水位センサーが、前記冷水タンクの水位を検出する工程と、補水ポンプが、補水管を通して前記原水容器の原水を前記冷水タンクに補水する工程と、制御部が、前記水位センサーの検出水位を取得し、前記冷水タンクの水位を判定するとともに前記原水容器がセットされているか否かを判定し、前記水位が基準水位未満を所定時間継続しかつ前記原水容器がセットされているとき、前記補水ポンプを動作させる工程とを含む。
この補水制御方法において、さらに、前記補水ポンプの動作電流に対し、前記原水容器が設置されていないときの動作電流を超える閾値を設定し、該閾値以上の前記動作電流が得られるとき、前記補水ポンプを動作させ、前記動作電流が前記閾値を下回るとき、前記補水ポンプの動作を停止させる工程とを含む。
この補水制御方法において、さらに、原水容器がセットされているか否かをセットスイッチで検出する工程と、前記セットスイッチが原水容器のセットを検出したとき、タイマーが計時を開始し、前記補水ポンプを動作させる工程と、前記補水ポンプの動作電流が、前記原水容器内の残水がないときの動作電流より高く設定された閾値を超え、かつ前記タイマーの計時時間が所定時間に到達したとき、前記補水ポンプの動作を停止させる工程とを含んでよい。
上記目的を達成するため、本発明のウォーターサーバーの一側面によれば、原水容器から原水が補水される冷水タンクを含むウォーターサーバーであって、前記原水容器の原水を前記冷水タンクに補水管を通して補水する補水ポンプと、前記冷水タンクの水位を検出する水位センサーと、前記水位センサーの検出水位を取得し、前記冷水タンクの水位を判定するとともに前記原水容器がセットされているか否かを判定し、前記水位が基準水位未満を所定時間継続しかつ前記原水容器がセットされているとき、前記補水ポンプを動作させる制御部とを含んでよい。
このウォーターサーバーにおいて、さらに、前記制御部は、前記補水ポンプの動作電流に対し、前記原水容器が設置されていないときの動作電流を超える閾値を設定し、該閾値以上の前記動作電流が得られるとき、前記補水ポンプを動作させ、前記動作電流が前記閾値を下回るとき、前記補水ポンプの動作を停止させてよい。
このウォーターサーバーにおいて、さらに、原水容器がセットされているか否かを検出するセットスイッチと、タイマーとを備え、前記制御部が、前記セットスイッチが原水容器のセットを検出したとき、前記タイマーが計時を開始し、前記補水ポンプを動作させ、前記補水ポンプの動作電流が、前記原水容器内の残水がないときの動作電流より高く設定された閾値を超え、かつ前記タイマーの計時時間が所定時間に到達したとき、前記補水ポンプの動作を停止させてよい。
このウォーターサーバーにおいて、さらに、前記補水管の端部に前記原水容器の給水栓に着脱可能な可撓部を備えてよい。
このウォーターサーバーにおいて、さらに、扉によって開閉可能なサーバー筐体と、前記サーバー筐体に設置され、前記扉を開くと、前記原水容器の着脱可能な装着部と、
温水タンクに接続された管路と三方弁を介して接続され、前記原水容器の給水栓に着脱可能な補水管とを備え、前記補水管に設置されて前記補水ポンプが前記三方弁の近傍に配置されるとともに、前記管路に温水循環を可能にしてよい。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のプログラムの一側面によれば、コンピュータに実行させるプログラムであって、補水管を通して原水容器の原水を冷水タンクに対して補水ポンプで補水させる機能と、前記冷水タンクの水位を検出する水位センサーの検出水位を取得し、前記冷水タンクの水位を判定するとともに前記原水容器がセットされているか否かを判定し、前記水位が基準水位未満を所定時間継続しかつ前記原水容器がセットされているとき、前記補水ポンプを動作させる機能とを前記コンピュータに実行させる。
このプログラムにおいて、さらに、前記補水ポンプの動作電流に対し、前記原水容器が設置されていないときの動作電流を超える閾値を設定し、該閾値以上の前記動作電流が得られるとき、前記補水ポンプを動作させ、前記動作電流が前記閾値を下回るとき、前記補水ポンプの動作を停止させる機能を前記コンピュータに実行させてよい。
このプログラムにおいて、さらに、原水容器がセットされているか否かの検出出力をセットスイッチから取得する機能と、前記セットスイッチが原水容器のセットを検出したとき、タイマーが計時を開始し、前記補水ポンプを動作させる機能と、前記補水ポンプの動作電流が、前記原水容器内の残水がないときの動作電流より高く設定された閾値を超え、かつ前記タイマーの計時時間が所定時間に到達したとき、前記補水ポンプの動作を停止させる機能とを前記コンピュータに実行させてよい。

【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
【0009】
(1) 原水容器からタンクへの補水ポンプによる補水の信頼性が高められる結果、給水の安定化を図ることができる。
(2) タンク水位が所定時間に継続して基準水位を下回った際に補水ポンプを動作させるので、タンクの水位変化による短時間での補水ポンプの発停繰り返しを防止できる。
(3) 原水容器が適正に装着されていない場合には補水ポンプによる補水を停止するので、補水不良を未然に防止できる。
(4) 原水容器の残水量が不足している場合には補水ポンプの動作を停止するので、補水ポンプの過剰動作を未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施の形態に係るウォーターサーバーの補水機能を説明するための図である。
図2】補水制御の処理手順を示すフローチャートである。
図3】実施例1に係るウォーターサーバーを示す図である。
図4】ウォーターサーバーの操作部を示す図である。
図5】ウォーターサーバーシステムを示す図である。
図6】補水ポンプの動作電流の推移およびその判断を示す図である。
図7】補水制御の処理手順を示すフローチャートである。
図8】Aは補水前の状態を示す図、Bは補水動作を示す図である。
図9】Aは冷水供給および補水動作を示す図、Bは温水供給および補水動作を示す図である。
図10】補水制御の処理手順を示すフローチャートである。
図11】Aは実施例2に係るウォーターサーバーを示す図、Bは前面扉を開状態としてサーバー筐体内を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔一実施の形態〕
<ウォーターサーバー>
図1は一実施の形態に係るウォーターサーバーを示している。図1に示す構成は一例であり、本発明が係る構成に限定されるものではない。
このウォーターサーバー2には原水容器4から補水管5および補水ポンプ6を用いて原水(以下「水」と称する)Wを冷水タンク8に補水する補水機能が備えられる。原水容器4は飲料水などの原水をウォーターサーバー2に提供するたとえば、原水パックであり、冷水タンク8や温水タンク10より下側に着脱可能に設置される。つまり、原水容器4は冷水タンク8や温水タンク10と同一高さ以下に設置される。冷水タンク8は原水を貯留するタンクの一例である。このタンクは温水タンク10でもよいし、冷水タンク8および温水タンク10の双方でもよい。
原水容器センサーとしてセットスイッチ12が備えられる。このセットスイッチ12は原水容器4を検出する手段であり、原水容器4の有無、適正位置に装着されているかなどを検出する。
水位センサー14はタンク水位を検出する手段であり、この実施の形態では冷水タンク8の水位を検出する。
【0012】
制御部16は補水制御手段の一例であり、セットスイッチ12、水位センサー14の検出出力を受け、補水ポンプ6や表示部18の表示制御を行うが、この制御部16には次の機能が含まれる。
a.タンク水位が所定時間に継続して基準水位を下回った際に、原水容器4が装着されていることを条件に補水ポンプ6を動作させ、タンク水位が基準水位に到達するまで冷水タンク8への補水。
b.原水容器4の残水判定、残水レベルが基準レベルを下回った際に補水の停止。
c.原水容器4が未装着または装着不良の場合、原水容器4の未装着通知の出力、または残水レベルが基準レベルを下回った場合、補水動作停止通知または原水容器交換通知の何れかの出力。
【0013】
<補水制御>
図2は、ウォーターサーバー2の補水制御の処理手順を示している。この処理手順は補水制御方法の一例であり、制御部16によって実行される。
この補水制御では、補水に当たり、タンク水位≧基準水位かを判断する(S11)。この判断には水位センサー14の検出出力が用いられる。ここで、基準水位Lrefはたとえば、冷水タンク8の水位がオーバーフローレベルより低い適正な満水レベルを表す。
タンク水位が基準水位未満であれば(S11のNO)、原水容器4がウォーターサーバー2にセットされているかを判断する(S12)。この判断には既述のセットスイッチ12の検出出力が用いられる。原水容器4がセットされているか、セットされていても所定位置に設置されていなければ、未装着状態であると判断する。
ウォーターサーバー2に原水容器4がセットされていれば(S12のYES)、補水動作に移行する(S13)。このとき、補水ポンプ6を駆動し、原水容器4から冷水タンク8に補水する。
【0014】
この補水中、原水容器4に残水があるかの判断を行う(S14)。原水容器4に残水があれば(S14のYES)、S11に戻り、この補水によりタンク水位≧基準水位になれば(S11のYES)、補水動作を停止し(S15)、S11に移行してタンク水位を監視する。
この補水中の残水判断(S14)により、原水容器4に残水がなければ(S14のNO)、補水動作の停止または原水容器4の交換通知を行い(S16)、この補水制御を終了する。
補水の前段階で原水容器4がセットされていなければ(S12のNO)、原水容器4の未装着通知を出力する(S17)。補水中、原水容器4が外れた場合にも同様の動作を行う。この未装着通知は、制御部16から表示部18に出力し、表示部18には原水容器4の未装着表示、その装着を促す表示が発せられる。この表示は、視覚表示の他、聴覚に訴えるアラート音声であってもよい。
【0015】
<一実施の形態の効果>
(1) 冷水タンク8のタンク水位が基準水位にあるか否かを判断し、補水ポンプ6により原水容器4から冷水タンク8に基準水位に到達するまで補水するので、補水の信頼性が高められるとともに、ウォーターサーバー2からの給水の安定化を図ることができる。
(2) 原水容器4がウォーターサーバー2に適正に装着されていない場合には補水ポンプ6の動作を停止するので、補水ポンプ6の動作不良を未然に防止できる。
(3) 原水容器4の残水がない場合には補水ポンプ6の動作を停止するので、補水ポンプ6の無負荷動作を防止できる。
【実施例1】
【0016】
図3は実施例1に係るウォーターサーバー2を示している。図3に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。図3において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
このウォーターサーバー2は、サーバー筐体20の上部側に冷水タンク8、温水タンク10、冷却装置22が備えられ、その下部側に原水容器4の装着部24が設定されている。原水容器4は、装着部24に着脱可能にセット可能である。装着部24には原水容器4のセットを検出するセットスイッチ12が備えられる。
【0017】
原水容器4と冷水タンク8の間に備える補水管5には、原水容器4側端部に可撓部28が備えられる。この可撓部28は逆止弁30を介して原水容器4の給水栓32に着脱可能である。原水容器4内の水Wが補水管5を通して冷水タンク8に補水される。
冷水タンク8は温水タンク10の上側に設置されている。この冷水タンク8には、水位センサー14、蓋部34、空気取入れ口36、分離板38、給水管40、エバポレーター42、冷水センサー44が備えられる。
【0018】
冷水タンク8は、蓋部34により閉じられ、空気取入れ口36により外気に開放されている。蓋部34には補水管5が取り付けられている。分離板38は冷水タンク8内の水Wを上層と下層に分離する。この分離板38の中央に備えられた給水管40が温水タンク10に導入され、冷水タンク8の上層側の水Wが給水管40を通して温水タンク10に供給される。
エバポレーター42には冷却装置22から冷媒が循環し、冷水タンク8内の水Wが冷水CWに冷却される。冷水センサー44が冷水CWの温度を検出する。
冷水タンク8の底部には冷水供給管46が接続され、この冷水供給管46の端部に冷水口48が形成されている。冷水供給管46には冷水供給時に開状態に制御される冷水電磁弁50が設置されている。
【0019】
温水タンク10には既述の給水管40、ヒーター52、温水センサー54が備えられる。ヒーター52は温水タンク10の外壁に設置され、温水タンク10内の水Wを加熱し、温水HWにする。温水センサー54は温水HWの温度を検出する。
この温水タンク10の天井部と冷水タンク8の底部の間にはバイパス管56が備えられる。このバイパス管56に備えられたバイパス弁58は、温水タンク10から高温水hHWを冷水タンク8に循環させる高温水循環時に開状態に制御される。
この温水タンク10の天井部には温水供給管60が接続され、この温水供給管60の端部に温水口62が形成されている。この温水供給管60には温水供給時に開状態に制御される温水電磁弁64が設置されている。
【0020】
冷却装置22にはコンプレッサー66、コンデンサー(凝縮器)68、ドライヤー70、ファン72およびキャピラリーチューブ74が備えられる。この冷却装置22は冷却時、循環する冷媒をエバポレーター42に循環させ、エバポレーター42に循環する冷媒と冷水タンク8内の水Wとの熱交換を行う。コンプレッサー66は循環する冷媒を加圧し、コンデンサー68は冷媒をファン72によって放熱して凝縮させる。ドライヤー70は循環する冷媒から異物を除去する。キャピラリーチューブ74は所要の冷媒量を通過させる膨張弁である。
【0021】
セットスイッチ12、水位センサー14、冷水センサー44または温水センサー54の出力、操作部76の操作入力は制御部16に加えられる。これらの入力を受け、制御部16は補水ポンプ6、表示部18、冷却装置22、ヒーター52などの動作を制御する。
操作部76には表示部18とともに、ロック解除スイッチ78、冷水スイッチ80、温水スイッチ82が備えられる。冷水スイッチ80および温水スイッチ82は操作前、ロック状態に維持され、このロックはロック解除スイッチ78の操作により解除可能である。制御部16は、冷水スイッチ80の操作で冷水供給モード、温水スイッチ82の操作で温水供給モードに切り換えられる。
【0022】
<表示部18および操作部76>
表示部18は、図4に示すように、操作部76のパネル部84に設置されている。パネル部84には、ロック解除スイッチ78、冷水スイッチ80、温水スイッチ82とともに、原水容器ランプ86、扉ランプ88、温水ランプ90、ロック解除ランプ92、冷水ランプ94、給水ランプ96が備えられる。
給水ランプ96にはたとえば、給水通知時に橙色点滅、水張りなどの補水動作中に連続緑色点灯、タンク水位異常時に橙色点滅などの点灯パターンが設定される。扉ランプ88はたとえば、開状態告知を橙色点滅とする。要するに、動作パターンや動作状態を識別するために、ランプの着色や点灯形態を異ならせ、その状態を告知させる。
【0023】
<ウォーターサーバーシステム>
図5は、制御部16を含むウォーターサーバーシステム98を示している。図5において、図3と同一部分には同一符号を付してある。
このウォーターサーバーシステム98には制御部16が備えられる。この制御部16は補水制御などを行うコンピュータの一例である。この制御部16にはプロセッサ100、メモリ部102、タイマー104、入出力部(I/O)106が備えられる。
プロセッサ100はメモリ部102にあるOS(Operating System)や補水制御プログラムなど各種のプログラムを実行し、既述の補水制御、表示制御などを司る。
メモリ部102はROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory )などの記憶素子を備え、OSや補水制御プログラムなどのプログラムの他、演算や制御に必要なデータを格納する。記憶素子には半導体メモリやハードディスクが用いられる。RAMは情報処理のワークエリアを構成する。
【0024】
タイマー104は計時開始、その終了がプロセッサ100で制御され、制御時間や待機時間の計測に用いられる。
I/O106にはセットスイッチ12、水位センサー14などの各種センサー、補水ポンプ6などの機能部、操作部76および表示部18が接続される。
操作部76にはロック解除スイッチ78、冷水スイッチ80、温水スイッチ82とともに表示部18が含まれる。表示部18には原水容器ランプ86、扉ランプ88、温水ランプ90、ロック解除ランプ92、冷水ランプ94、給水ランプ96、ブザー108が含まれる。原水容器ランプ86は原水容器4がセットされている場合に点灯(または消灯)し、その存在の有無を告知する。ロック解除ランプ92はロック時またはロック解除時に点灯し、その状態を表示する。冷水ランプ94は冷水モードで点灯し、温水ランプ90は温水モードで点灯し、これらの状態を表示する。ブザー108は、原水容器4における残水がない場合に発音し、原水容器4の交換要求を発する。この場合、ランプ表示を併用してもよい。
【0025】
<補水ポンプ6の電流変化>
図6は、横軸に原水容器4の残水量の減少、縦軸に駆動中の補水ポンプ6に流れるポンプ電流を表す動作電流値を示している。原水容器4の残水があれば、Aに示すように、動作電流iは最大値i3となる。一方、原水容器4の未接続状態では、Dに示すように、動作電流iは未接続状態を表す無負荷電流値i1を呈する。原水容器4がセットされていない場合、動作電流iはたとえば、i1=0.11〔A〕である。
これに対し、その残水量が減少し残水量=0が近づくと補水ポンプ6の吸水負荷の減少に伴い動作電流iが減少する。Bは、残水量の減少に伴う電流値の変化を示し、動作電流iは、最大値i3から下降し、残水量=0を表す最小値i2で安定化する。
この動作電流iの変化に対し、Cに示すように、動作電流iの電流値を判断するための所定値として一定の閾値ithが設定されている。この閾値ithは、動作電流iが呈する最小値i2より僅かに高い値に設定されている。動作電流iが閾値ithを横切って下降したとき、残水量=0と判定できる。
この結果、動作電流iがi>ithであれば残水量ありの状態、i≦ithであれば残水量なしの状態、i=i1であれば原水容器4の未接続状態を動作電流iから判断することができる。
原水容器4がセットされていない場合には、電流値i1は閾値ithより小さくなる。これは、動作電流i=残水量なしを検出することができる。この場合、補水ポンプ6の無負荷動作により、補水管5にエアー吸い込みが発生することになる。セットスイッチ12はこのような不都合を防止するための手段である。
【0026】
<補水制御>
図7は、制御部16による補水制御の処理手順を示している。この処理手順は本発明の補水制御方法の一例である。
電源投入の初期設定後、冷水タンク8のタンク水位の判定として、水位センサー14がONしたかを判断する(S21)。この水位センサー14の水位判定はたとえば、1分間周期で行う。この水位センサー14がONであれば(S21のYES)、補水の必要がなく待機状態となる。
この処理手順では、水位センサー14=OFFの検出後(S21のNO)、水位判定はたとえば1秒間周期で行い、このOFF状態が一定時間たとえば、5秒間以上継続すれば(S22のYES)、水位センサー14がOFFであると判定する。
【0027】
水位センサー14がOFFであれば(S22のYES)、原水容器4がセットされているか否か、つまり、原水容器4が補水管5に接続されているか否かを、セットスイッチ12がONであるか否かで判定する(S23)。セットスイッチ12がOFFであれば(S23のNO)、補水ポンプ6をOFF状態とし(S24)、S21に戻る。これにより、補水ポンプ6のエアー吸込みを防止することができる。
セットスイッチ12がONであれば(S23のYES)、補水ポンプ6を駆動し(S25)、原水容器4から冷水タンク8に水Wの補水を行う。この補水動作において、補水ポンプ6に流れる動作電流iが閾値ithを超えているか(i>ith)を判断する(S26)。i>ithであれば(S26のYES)原水容器4に水Wがあることを示し、水位センサー14がONしたかを判断する(S27)。この水位センサー14の水位判定はS22のステップ以降たとえば、1秒間周期で行う。この水位センサー14がOFFであれば(S27のNO)、S23~S27の処理を繰り返し、補水を継続する。
【0028】
そして、水位センサー14がONであれば(S27のYES)、このON状態が一定時間たとえば、5秒間以上継続すれば(S28のYES)タンク水位が基準水位に到達したと判定し、補水ポンプ6を停止させる(S29)。つまり、補水完了としてS21に戻り、S21~S29の処理を繰り返す。
S26において、i≦ithであれば(S26のNO)、補水ポンプ6を停止させ(S30)、残水なしエラー表示、つまり、原水容器4の交換要求表示を行い(S31)、セットスイッチ12がONかを判断する(S32)。セットスイッチ12がOFFであれば(S32のNO)、原水容器4が外れているのでS21に戻り、S23にて原水容器4の接続要求などを行う。
この残水なしエラー表示は、水切れを表す表示やブザー音で告知し、原水容器4の交換を促す。この場合、その表示はたとえば、原水容器ランプ86の点滅などで行えばよい。
【0029】
<補水制御の具体例>
タンク水位が基準水位にあれば、図8のAに示すように、補水ポンプ6は停止状態を維持し、原水容器4から冷水タンク8への補水は生じない。
冷水CWまたは温水HWの供給により、冷水タンク8のタンク水位が基準水位未満に低下すると、図8のBに示すように、補水モードに移行して補水ポンプ6を動作させる。この補水モードでは、水Wが補水ポンプ6および補水管5により原水容器4から冷水タンク8に導かれる。この補水は、冷水タンク8のタンク水位が基準水位に到達するまで行われる。
【0030】
冷水供給時(図9のA)には、冷水スイッチ80(図4)を押下する。これにより、冷水電磁弁50が開状態となり、冷水供給が行われる。このとき、冷水タンク8のタンク水位が基準水位未満に低下すると、補水モードに移行して補水ポンプ6を動作させ、補水モード(図8のB)が実行される。この補水速度は、冷水供給(消費)速度より低く設定されているので、補水ポンプ6の発停が抑制される。
【0031】
温水供給時(図9のB)には、温水スイッチ82(図4)を押下する。これにより、温水電磁弁64が開状態となり、温水供給が行われる。温水供給の結果、冷水タンク8のタンク水位が基準水位未満に低下すると、補水モードに移行して補水ポンプ6を動作させ、補水モード(図8のB)が実行される。この補水速度は、温水供給(消費)速度より低く設定されているので、同様に、補水ポンプ6の発停が抑制される。
【0032】
図10は、制御部16によって実行される補水制御の具体的な処理手順を示している。この処理手順は本発明の補水制御方法の一例である。
制御部16は電源投入によって、ウォーターサーバーシステム98(図5)の初期設定が実行される(S41)。つまり、水Wの冷却および加熱の動作開始の前提である。
この初期設定の終了後、タンク水位の判断として水位センサー14はONかを判定する(S42)。水位センサー14のONが一定時間たとえば、5秒間に継続した出力があれば(S42のYES)、通常のサーバー管理(S43)に移行する。このサーバー管理(S43)では、電源が落とされるまでウォーターサーバーとしての通常動作(温水加熱、冷水冷却、補水処理、温水・冷水の供給等)を行う。
【0033】
水位センサー14のOFFを検出すると(S42のNO)、温水タンク10に水Wがあるかを判断する(S44)。この判断では、温水温度によりたとえば、温水タンク内温度≧50〔℃〕であるかで判断する。温水タンク10に水Wがあれば(S44のYES)、通常の補水処理で対応できるので、通常のサーバー管理(S43)に移行する。ここでの温水タンク内温度による判断は、温水センサー54の検出温度により温水温度が常温より高い所定温度(たとえば、50〔℃〕)以上であれば、温水ありとしているが、他の方法、例えば水位センサーを備え、そのレベル検出や、たとえば、特願2016-018847に開示されている加熱に対する温水タンク内温度変化状況を参照情報に用いて温水を判断してもよい。
【0034】
つまり、S42のNO、S44のNOの場合には、タンク水位の低下を表しており、給水ランプ96が点灯し(S45)、給水要を告知する。この場合、給水ランプ96は給水要を表すたとえば、橙色点灯とする。
バイパス弁58を開き(S46)、これにより、冷水タンク8から温水タンク10に給水が行われると共にエアー抜きが行われる。給水管40およびバイパス管56の双方が連通させれば、給水を効率よく行うことができる。バイパス弁58には熱動弁が用いられ、開状態となるまで一定時間たとえば、90秒以上程度の待機時間が必要である。
ここで、原水容器4がセットされているかの判断として、セットスイッチ12がONかを判断する(S47)。セットスイッチ12がOFF(未セットまたはセット不良)であれば(S47のNO)、適正に原水容器4がセットされるまで、原水容器ランプ86を点滅させ、その状態を告知しつつ、待機状態となる。
【0035】
セットスイッチ12がONであれば(S47のYES)、水張り時間の計時のため、タイマー104の計時をスタートさせ(S48)、補水ポンプ6を駆動する(S49)。これにより、原水容器4から冷水タンク8に水Wの補水が行われる。
この補水動作中、補水ポンプ6の動作電流iが取り込まれ、i>ithであるかを判断する(S50)。i>ithであれば(S50のYES)、原水容器4に残水があるので、タイマー104はタイムアップしたかを判断する(S51)。タイマー104が所定時間を計時すれば(S51のYES)、補水の水張り時間が完了する。このとき、補水ポンプ6をOFF状態とし(S52)、バイパス弁58を閉に切り換え(S53)、給水ランプ96を消灯し(S54)、補水の水張り時間の完了を告知する。このとき、水位センサー14がONしたかを判断する(S55)。この水位センサー14のON、OFF確認はたとえば、1秒間隔で行う。水位センサー14のONが一定時間たとえば、5秒以上が継続すれば、水位センサー14=ONとする。水位センサー14がONであれば(S55のYES)、タンク水位が基準水位に到達しているので、通常のサーバー管理(S43)に移行する。つまり、通常のウォーターサーバー管理を行う。
また、水位センサー14がOFFであれば(S55のNO)、水漏れが生じていることが予想されるので、水漏れエラー表示を行い(S56)、この処理を終了する。この場合、S56では排水栓の開放状態など、水漏れが予想されるので、エラー表示やブザー音でそれを告知し、電源をOFFすることや異常状態を解消させることを促す。
【0036】
S50において、i>ithでなければ(S50のNO)、補水ポンプ6を停止させ(S57)、原水容器4の残水がないため、残水なしエラー表示、原水容器4の交換要求表示(たとえば原水容器ランプ86を点滅)を行う(S58)。そして、原水容器4がセットされたかを表すセットスイッチ12がONかを判断する(S59)。セットスイッチ12がOFFであれば(S59のNO)、原水容器4が外されたと判断しS47に移行し、新たに原水容器4がセットされるまで待機処理を経て、S47~S55の処理を実行する。
S51において、タイマー104がタイムアップしなければ(S51のNO)、水位センサー14がONしたかを判断する(S60)。水位センサー14がONしなければ(S60のNO)、S49に戻り、S49~S55の処理を実行する。
【0037】
水位センサー14がONすれば(S60のYES)、補水ポンプ6を停止させ(S61)、S51に移行し、S51~S55、S43の処理を実行する。つまり、水位センサー14のチェックをたとえば、1秒周期で行い、OFF状態からON状態への切り換え時、水位センサー14=ONが5秒以上継続したとき、水位センサー14=ONと判定する(S60のYES)。そして、補水ポンプ6を停止状態にし(S61)、水張り時間の経過を待つ。バイパス弁58の応答、つまり、OFFからONへの移行に時間を要し、一旦ONしてもOFFになる場合もあるので、一定時間たとえば、4分間の待機時間を必要としている。
【0038】
<実施例1の効果>
この実施例1によれば、既述の一実施の形態と同様の効果が得られるとともに、次の効果が得られる。
(1) 残水なしやセット不良などの原水容器4の状態に応じて原水容器4の交換などの操作を行うことができ、水Wの不足、冷水または温水の供給不良を防止できる。
(2) 信頼性の高いウォーターサーバー2を提供できる。
(3) タンク水位が所定時間に継続して基準水位を下回った際に補水ポンプ6を動作させ、所定時間に継続して基準水位を上回った際に補水ポンプ6を停止するので、冷水タンク8の水位変動に起因する短時間内での補水ポンプ6の発停の繰り返しを防止できる。
【実施例2】
【0039】
図11のAは実施例2に係るウォーターサーバー2の正面から見た外観を示している。図11のAに示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されるものではない。図11において、図1と同一部分には同一符号を付してある。
このウォーターサーバー2のサーバー筐体20の前面には、上部側に冷温水供給部110、操作部76および表示部18が備えられ、この下側には扉112が開閉可能に備えられる。
図11のBに示すように、扉112を開くと、原水容器4の装着部24が備えられる。この装着部24には原水容器4が装着可能である。この原水容器4の給水栓32には補水管5が着脱可能である。補水管5には、既述の補水ポンプ6が備えられるとともに、管路114が三方弁116を介して接続されている。管路114は温水タンク10(図3)の底面側に接続され、温水循環が可能である。
【0040】
<実施例2の効果>
この実施例2によれば、実施例1に係るウォーターサーバー2と同様の効果が得られる。
【0041】
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、原水容器4が冷水タンク8または温水タンク10より低い高さに設置されているが、冷水タンク8または温水タンク10と同一高さに設置されてもよい。
(2) 図10に示す処理手順では、通常サーバー管理(S43)に移行すると、通常サーバー管理(S43)のみで実行する処理を記載しているが、通常サーバー管理(S43)の後、S42に戻る処理であってもよい。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
補水ポンプを用いて原水容器からタンクに補水する補水制御またはウォーターサーバーにおいて、補水不良などを生ずることなく、給水の安定化を実現したウォーターサーバーの補水が可能であり、有益である。
【符号の説明】
【0043】
2 ウォーターサーバー
4 原水容器
5 補水管
6 補水ポンプ
8 冷水タンク
10 温水タンク
12 セットスイッチ
14 水位センサー
16 制御部
18 表示部
20 サーバー筐体
22 冷却装置
24 装着部
28 可撓部
30 逆止弁
32 給水栓
34 蓋部
36 空気取入れ口
38 分離板
40 給水管
42 エバポレーター
44 冷水センサー
46 冷水供給管
48 冷水口
50 冷水電磁弁
52 ヒーター
54 温水センサー
56 バイパス管
58 バイパス弁
60 温水供給管
62 温水口
64 温水電磁弁
66 コンプレッサー
68 コンデンサー(凝縮器)
70 ドライヤー
72 ファン
74 キャピラリーチューブ
76 操作部
78 ロック解除スイッチ
80 冷水スイッチ
82 温水スイッチ
84 パネル部
86 原水容器ランプ
88 扉ランプ
90 温水ランプ
92 ロック解除ランプ
94 冷水ランプ
96 給水ランプ
98 ウォーターサーバーシステム
100 プロセッサ
102 メモリ部
104 タイマー
106 入出力部(I/O)
108 ブザー
110 冷温水供給部
112 扉
114 管路
116 三方弁

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11