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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】歯を、骨移植材料に変える装置
(51)【国際特許分類】
   A61C 13/38 20060101AFI20230309BHJP
   A61L 27/36 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
A61C13/38
A61L27/36 100
A61L27/36 420
A61L27/36 311
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021547959
(86)(22)【出願日】2018-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 IB2018053174
(87)【国際公開番号】W WO2019215477
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】521184003
【氏名又は名称】ティーティー トゥース トランスフォーマー エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ミネッティ,エリオ
【審査官】岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/017577(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03005977(EP,A1)
【文献】国際公開第2014/111925(WO,A1)
【文献】国際公開第2000/053128(WO,A1)
【文献】特開2006-230686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 13/38
A61L 27/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体に浸すことにより、歯を、歯の治療に適切な骨移植材料に変える装置(1)であって、
接触手段(20)と、反応室(21)と、噴射室(22)とを備えるリアクタ装置(2)と、
互いに液密の状態で分離した、処理及び洗浄液用の複数のコンテナ(30)を備えたカートリッジ(3)と、
前記歯を破砕する破砕装置(4)と、
前記カートリッジ(3)および前記破砕装置(4)を、前記装置(1)に対して取り外し可能に接続するガイド(12)と、
前記リアクタ装置(2)の少なくとも一部を、前記装置(1)に対して取り外し可能に接続する移動装置(11)であって、前記リアクタ装置(2)が、順に、前記歯を前記破砕装置(4)から取り出し、前記液体を前記カートリッジ(3)から取り出すことを許可する移動装置(11)と、を備えることを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
前記コンテナ(30)は、前記コンテナ(30)の底部に配置された接続手段(31)を備え、前記接続手段(31)は、実質、孔によって構成され、
前記孔は、フィルムによって塞がれており、前記フィルムが破けると、重力による前記液体の前記カートリッジ(3)からの流出を許容するのに適している、ことを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記接触手段(20)は、前記リアクタ装置(2)と接続させることで前記コンテナ(30)のうち少なくとも1つを液体で満たすために、前記接続手段(31)の前記フィルムを破るのに適した切断部材(20a)を備えている、ことを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記移動装置(11)は、前後軸(11a)と、前記前後軸(11a)に直交する上下軸(11b)と、を画定し、支持部(13)と、第1の移動部材(14)と、及び、第2の移動部材(15)と、を備え、
前記支持部(13)は、前記リアクタ装置(2)を取り外し可能に接続するのに適しており、
前記第1の移動部材(14)は、前記支持部(13)を前記上下軸(11b)に沿って移動させるのに適しており、
前記第2の移動部材は、前記支持部(13)を前記前後軸(11a)に沿って移動させるのに適している、ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記破砕装置(4)は、二次軸(4a)を画定し、ボックス(42)と、ミル(40)と、ピン(41)とを備え、
前記ボックス(42)は、少なくとも一部前記ミル(40)と、前記ピン(41)とを収容し、
前記ミル(40)は、前記二次軸(4a)周りに回転するのに適しており、
前記ピン(41)は、前記二次軸(4a)および前記ミル(40)に静的に揃えられ、
前記ピンは、1つあるいはそれ以上の前記歯をその中に収容する、少なくとも1つの容積体(43)を画定する、ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記ボックス(42)は、前記歯が内部に載置されるようにする蓋と、少なくとも1つの孔とを備え、
前記少なくとも1つの孔は、前記ボックス(42)の底部で、前記二次軸(4a)に揃うように配置され、前記歯の断片が、前記ボックス(42)から落ち出るよう、あるいは重力によって出てくるようにする、ことを特徴とする、請求項5に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記ピン(41)は、研磨面(41a)を備え、
前記ミル(40)は、外部ギアと連動するのに適した溝を有する外側ベルト(40a)、及び、研磨面を有する内側ベルト(40b)と、を備え、
前記歯は、前記研磨面(41a)と前記内側ベルト(40b)との間の相対動作によって破砕される、ことを特徴とする、請求項5又は6に記載の装置(1)。
【請求項8】
制御部材(16)と、
少なくとも1つのアクチュエータ(17)と、
補助手段(18)と、をさらに備え、
前記補助手段(18)は、前記カートリッジ(3)と前記リアクタ装置(2)との間の相対的な位置、または、前記破砕装置(4)と前記リアクタ装置(2)との間の相対的な位置を把握する手段を備え、
前記アクチュエータ(17)は、前記外側ベルト(40a)によって前記ミル(40)に回転運動を伝えるギアを備えた回転機関であり、
前記制御部材(16)は、前記補助手段(18)と連動することによって、前記移動部材(14,15)の動きを制御するのに適した電動プロセッサである、ことを特徴とする、請求項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記カートリッジ(3)および前記リアクタ装置(2)は、使い捨てタイプである、ことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
歯または歯の断片を直径0.3mm~0.8mmの粒子にまで破砕するのに適した破砕装置(4)を備える、ことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯を、請求項1の序文で特定されたタイプの骨移植材料に変える装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、新しい歯を支える土台を形成するのに適した骨材料や、その他の目的に合わせた骨材料を造成する手順及び方法が知られている。
【0003】
特に、抜歯し、その歯を種々の液体で洗浄・破砕・処理するものがある。
【0004】
特に、こうした処理は、クロロホルム、メタノール、塩酸、過酸化水素の混合物を使用し、数時間、あるいは数日かけて行われる。
【0005】
造成された歯は、したがって、抜歯された患者の骨のDNAと同じ型を有する骨粉からなる。
【0006】
このように形成された骨は、同患者に対し、インプラント歯の土台や、インプラント歯自体の形成、人工歯を嵌める顎等の骨との一体化の際に使用することができる。
【0007】
こうしたプロセスは20年ほど前から知られており、例えば、特許文献1や、特許文献2、また非特許文献1(科学分野記事)に記載されている。また、特許文献3にも同様のプロセスが開示されている。
【0008】
こうした方法は、人工補綴物、特に、歯科治療における人工補綴物を、患者の骨と一体化させ、治癒を早めることにおいて、大きな利点を有している。
【0009】
このプロセスを実施するための装置が、数多く生み出されてきた。
【0010】
しかしながら、これらの装置には大きな欠点があった。
【0011】
実際、こうした装置は、非常に複雑かつ高価であり、さらに、患者に対して、無菌状態を保障し、患者を確実に交差感染から守るものではなかった。
【0012】
その複雑さゆえ、故障も多かった。
【0013】
また、こうした装置では、使用する液体のなかには、中毒性を有するものもあり、また、正確かつ安全な量および構成で、処理液を使用することが困難であった。
【0014】
こうした状況に鑑みて、本発明における技術的課題は、上述の欠点を事実上排除可能な、歯から骨材料を造成する装置を提供することにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【文献】韓国公開特許第2003-0068957号公報
【文献】韓国公開特許第1998-0008980号公報
【文献】国際公開第2017/017577号
【非特許文献】
【0016】
【文献】“Development of a novel bone grafting material using autogenous teeth”,Oral Surgery, Oral Medicine, Oral Pathology, Oral Radiology and Endodontics,2010年,第109巻,第4号,496頁~503頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上記技術的課題において、本発明の主たる目的は、歯から骨材料を造成する装置であって、簡素化された、安価で堅牢なものを得ることにある。
【0018】
本発明における、他の主たる目的としては、正確かつ明瞭な処理液供給を行うことができる、歯から骨材料を造成する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
技術的課題および明示した目的は、添付の請求項1に記載の通り、解決、達成される。
【0020】
好ましい実施形態については、従属請求項において明らかにされる。
【0021】
添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態に関する詳細な説明により、本発明の特徴および利点を明らかにする。添付の図面については、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による、歯から骨材料を造成する装置の図を示す。
図2】本発明による、歯から骨材料を造成する装置の第1の詳細に関する軸測図を示す。
図3】本発明による、歯から骨材料を造成する装置の第1の詳細に関する側面図を示す。
図4】本発明による、歯から骨材料を造成する装置の第1の詳細に関する側面開図を示す。
図5】本発明による、歯から骨材料を造成する装置の第2の部分の上面図を示す。
図6】本発明による、歯から骨材料を造成する装置の第2の部分の側面図を示す。
図7】本発明による、歯から骨材料を造成する装置の第2の部分の展開図を示す。
図8】本発明による、歯から骨材料を造成する装置の第3の部分の上面図を示す。
図9】本発明による、歯から骨材料を造成する装置の第3の部分の側面図を示す。
図10】本発明による、歯から骨材料を造成する装置の第2の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図面全体を通して、本発明に係る、歯から骨移植材料を造成する装置を、参照符号1を付して示す。
【0024】
前記装置は、それ自体は前述のプロセスおよび反応に即して動作し、ヒト自身の歯から、新しい歯を支える骨材料や、その他の目的のための骨材料を、同患者専用に造成するものである。
【0025】
好ましくは、装置1は格納体10の形を有する。
【0026】
例えば、格納体10は、密閉された筐体の形を有し、少なくとも一部が開閉可能となっていることで、必要に応じて、使用者が格納体10内に自由にアクセスできるようになっている。
【0027】
さらに、格納体10は、移動装置11とガイド12とを備えていることが好ましい。
【0028】
移動装置11は、好ましくは、装置1の下部に配置された機構である。
【0029】
移動装置11はまた、例えば、前後軸11aと、前後軸11aに直交する上下軸11bとを画定する。
【0030】
移動装置11は、好ましくは、支持13、第1の移動部材14、および第2の移動部材15を備える。
【0031】
支持13は、好ましくは、移動装置11に接続可能な、少なくとも1つの接続部を備える。
【0032】
詳細には、例えば、支持13は、円形の断面を有する、少なくとも1つのリングを備え、前記リングの軸は、上下軸11bに平行、あるいは合致するよう配置されている。
【0033】
このようにして、任意の略円柱状の部材を、支持部13に対して、例えば、係合することで、または、支持することで、固定することができる。
【0034】
第1の移動部材14は、少なくともその一部が支持13に接続されている。好ましくは、第1の移動部材14は、支持13を上下軸11bに沿って移動させるのに適している。
【0035】
詳細には、第1の移動部材14は、例えば、ベースに接続された1つあるいはそれ以上のピストンからなり、ベースに対して、支持部13を上方向または下方向に移動させる
【0036】
第1の移動部材14は、機械式、電動機械式、電動、磁石式のいずれかであってもよく、また、以下に例示するリニアアクチュエータや、カム、ギア等を有していてもよい。
【0037】
第2の移動部材15は、少なくともその一部が第1の移動部材14に接続されているか、あるいは、その一部第1の移動部材14と一体化されていてもよい。
【0038】
好ましくは、第2の移動部材15は、第1の移動部材14を動かし、ひいては、前後軸11aに沿って支持部13を動かす
【0039】
詳細には、第2の移動部材15また、ベースに接続された1つあるいはそれ以上のピストンからなり、ベースに対して、支持部13を右方向または左方向に移動させる
【0040】
しかしながら、好ましくは、第2の移動部材15は、支持13を、前後軸11aに沿って摺動させるバーまたはレールを備える。
【0041】
レールは、1つあるいはそれ以上のバーから構成されていてもよく、例えば、摺動機構は、従来技術において既知であるような、機械式や電動式のいずれのものであってもよい。
【0042】
さらに、移動部材14,15は、制御部材16に接続されていてもよい。
【0043】
この制御部材16は、例えば、移動部材14,15の動きを制御するのに適した電プロセッサからなる。
【0044】
特に、電プロセッサは、使用者の入力により、所定の経路に沿って支持部13が移動できるよう、設定されてもよい。
【0045】
この入力は、例えば、装置1を形成する筐体に設けられたボタンによって行われてもよい。
【0046】
詳細には、制御部材16は、アルドゥイーノやラズベリーパイタイプなどの電子基板を備えていてもよい。
【0047】
ガイド12は、好ましくは、装置1の上部に配置され支持である。
【0048】
好ましくは、ガイド12は、詳細には、孔の開いた支持台であり、これにより、1つあるいはそれ以上の物体が、前後軸11aに対して平行な方向12aに沿って摺動できる。さらに、孔は、装置1上の領域と、移動装置11を収容する領域とを、動作可能に連通させることが好ましい。
【0049】
そのため、ガイド12は、実質、1つあるいはそれ以上の取り外し可能な物体を装置1に対して、取り外し可能に接続できる支持台であることが好ましい。
【0050】
ガイド12の少なくとも一部は、好ましくは、1つあるいはそれ以上のアクチュエータ17係合している。
【0051】
アクチュエータ17は、例えば、好ましくは、電動回転機関、より好ましくはステッモータからなり、例えば回転軸を画定するギア等の接続部材を端部に有する。
【0052】
したがって、アクチュエータ17は、装置1の少なくとも1つの構成要素に動きを伝えることができる。
【0053】
まとめると、装置1は、特に液体との化学反応を起こすリアクタ装置2、処理洗浄液を含むカートリッジ3と、歯を破砕する歯破砕装置4と、を備える。
【0054】
詳細には、カートリッジ3は、互いに液密の状態で分離した、処理・洗浄液用の複数のコンテナ30を備える。
【0055】
カートリッジ3は、収納され、ガイド12上を移動することが好ましく、よって、その形状および寸法は、ガイド12に合わせたものとなっている。
【0056】
カートリッジ3は、好ましくは、直方体形状の筐体でありコンテナ30は、実質的に、カートリッジ3内に収容された、四角形のベースを有する部位である。好ましくは、6個~8個のコンテナ30が設けられ、そのうち少なくとも3個が処理液(詳細には、酸性溶液、緩衝液、アルコール)を含んでおり、少なくとも4個が洗浄液を含んでいる。コンテナ30は、そのそれぞれが、1回の操作に必要かつ十分な量の液体を含んでいる。
【0057】
コンテナ30は、好ましくは、互いに液密の状態で分離されている。
【0058】
カートリッジ3は、リアクタ装置2に接続するための接続手段31をさらに備える。
【0059】
接続手段31は、好ましくは、コンテナ30の底部の孔である。
【0060】
特に、接続手段31は、円形であり、上下軸11bと平行な軸を有する。
【0061】
詳細には、好ましくは、接続手段31は、コンテナ30の内部容積体をガイド12下の領域接続させカートリッジ3がガイド12に挿入された際、方向12aに沿って並ぶよう配置されている。
【0062】
さらに、好ましくは、コンテナ30内の液体は、重力によって接続手段31を通って、コンテナ30から流れ出る。
【0063】
そのため、接続手段31水密フィルムで覆われていることで、使用していない間、コンテナ30内に含まれている液体が、接続手段31を形成する孔から漏れ出ないようになっている。
【0064】
したがって、このフィルムは、コンテナ30の使用時に、取り外される、あるいは破られることになる。
【0065】
液体自体が、すでに正確に計量され、カートリッジ3に入れられているため、コンテナ30の内容物は、全て、1回の操作で放出される。
【0066】
最後に、カートリッジ3は、好ましくは、シングルユース、つまり、使い捨てタイプである
【0067】
リアクタ装置2では、歯を液体に浸ける処理を行う。
【0068】
特に、リアクタ装置2は、使用時支持13に取り付けられていることが好ましい。そのため、リアクタ装置2は、少なくともその一部が、支持13によって装置1に取り外し可能に取り付けられていることが好ましい。
【0069】
そのため、リアクタ装置2は、主軸2aを画定し、1つあるいはそれ以上の部位からなるコンテナからなり、前記コンテナは略円筒状の形状を有し、その軸は、主軸2aと合致することが好ましい。
【0070】
簡単に言えば、リアクタ装置2はまた、接触手段20と、反応室21と、噴射室22とを備える。接触手段20は、カートリッジ3と接触し、カートリッジ3を機械接続状態にし、および/または、リアクタ装置2との接続により、カートリッジ3を液体で満たす。反応室21には、処理中の歯および処理・洗浄液が入れられる。噴射室22では、反応室21からの液体を噴射する。
【0071】
より詳細には、接触手段20は、鋭利な先端等の既知の切断部材20Aを備える。切断部材20Aは、カートリッジ3の接続手段31を操作可能状態にするよう設計されることが好ましい。
【0072】
特に、切断部材20aは、接続手段31フィルムを破ることで、選択したコンテナ30をリアクタ装置2に接続し、液体で満たす。
【0073】
特に、リアクタ装置2が、第1の移動部材14によって、上下軸11bに沿って上下に移動する際、かつ、カートリッジ3およびリアクタ装置2が正確に位置合わせされた、フィルムが破られることが好ましい
【0074】
特に、主軸2aが、コンテナ30下に配置された孔のうちの1つの中心部に位置合わせされた時が、正確に位置合わせされた状態である。
【0075】
反応21は、反応および洗浄時、歯や、歯または骨の粉末、そして液体が入れられる。反応室21は、好ましくは、金属、より好ましくはステンレス鋼からなり、殺菌用高圧窯で殺菌されるタイプか、使い捨てタイプのものである。反応21は、円筒状を有していることが好ましく、その中心部で、反応が行われる。反応室21はまた、歯を載置するため、あるいは、検査のための開口部を有していてもよい。
【0076】
好ましくは、反応21は、反応21内部に取り外し可能に取り付けられバスケット21aを備える。
【0077】
前記バスケット21aは、好ましくは、円筒状を有し、下部ベースに液体浸透性のグリッドを備える。好ましくは、バスケット21a、反応同様に、ベースを備える。ベースは、バスケット21aが、コンテナ30から落ち出る、あるいは重力によって出てくる液体や、その他素材を受容できるよう、上部に開口している。
【0078】
噴射室22は、排出タンク22aを備えることが好ましい。排出タンク22aは、処理後の液体が、装置2の他の部位に移動できるよう、前記液体を保持することが好ましい。排水孔22bが接続・離間することで、液体が、排出タンク22aおよび反応室21間を、相互に行き来できることが好ましい。
【0079】
好ましくは、体は、反応室22から排出タンク22aに向かって、排水孔22bを通って流れ落ちることで、移動する。
【0080】
歯破砕装置4は、二次軸4aを画定することが好ましい。
【0081】
さらに、歯破砕装置4は、歯または歯の断片を、直径0.3mmから0.8mm粒子にまで破砕することが好ましい。
【0082】
破砕装置4は、格納され、ガイド12上を移動することが好ましく、ひいては、ガイド12に合わせた形状および寸法を有する。
【0083】
破砕装置4はまた、一部が閉じられたボックス42、ミル40およびピン41を備える。特に、ミル40およびピン41は、前記コンテナ42に収容されている。
【0084】
ボックス42は、好ましくは、蓋および少なくとも1つの開口部を有し、これにより、内部の構成要素を外部の要素と接触させることができる。
【0085】
好ましくは、ピン41は、ボックス42に静的に配置され、二次軸4aに対してその中心を合わせている。
【0086】
ピン41は、研磨面41aをさらに有する。研磨面41aは、溝、例えば、接触した物体を研磨する刃溝を有する。
【0087】
好ましくは、ミル40は、少なくともその一部が閉じられたコンテナの外に露出しており、二次軸4aの周りを回転するさらに、軸4aが少なくとも1つのアクチュエータ17に配置されたギアの回転軸と平行になるよう、ミル40を配置することが好ましい。
【0088】
そのため、ピン41およびミル40は、その間に、少なくとも1つの容積体43を画定する。
【0089】
破砕する歯を、この容積体43の中に入れることが好ましい。歯は、ボックス42の蓋を取り外した際に、容積体内に入れてもよい。
【0090】
好ましくは、ミル40は、外側ベルト40aおよび内側ベルト40bを備えるリングからなる。
【0091】
特に、外側ベルト40aは、好ましくは、少なくとも1つのアクチュエータ17のギアと接触することが好ましく、例えば、溝を有するこの溝は、例えば、少なくとも1つのアクチュエータ17のギアと噛み合う、共通ギア上に設けられる種類のもので、これにより、少なくともアクチュエータ17の回転運動が、ミル40に伝わる。
【0092】
一方、内側ベルト40bは、好ましくは、研磨面を有する
【0093】
この研磨面は、容積体43内の歯を削る刃を備える。
【0094】
特に、歯は、ピン41および内側ベルト40bの研磨面間の相対動作により、破砕される。
【0095】
最後に、ボックス42は、その底部に位置し、外部と連する孔を備える。歯の破片や断片が、重力により、前記孔を通って、外に出ることになる。
【0096】
好ましくは、このは二次軸4aと一直線状にあり、容積体43の下に配置される。
【0097】
特に、リアクタ装置2がボックス42下に正確に配置された時に、歯の断片を、リアクタ装置2まで搬送することが好ましく、特に、断片は、反応室21に、より詳細には、バスケット21a内に配置される。
【0098】
装置1は、最後に、補助18を備えていてもよい。
【0099】
補助18の一部は、反応室21の領域、特に、支持部13が接続されている領域に、配置されていてもよく、加熱手段、超音波振動手段、UV光放射器等であることが好ましい。
【0100】
加熱手段、超音波振動手段、およびUV光放射器は、反応21およびその中の液体と相互作用するよう、設計され、電気式であることが好ましく、また、反応1と弾性的に接続・離間できることが好ましい。
【0101】
別の補助18は、カートリッジ3や破砕装置4の位置を把握する手段(図示せず)を備えていてもよく、制御部材16およびカートリッジ3の位置を示す手段と相互作用し、装置2が、カートリッジ3の位置、特に、装置2に対するコンテナ30の位置、さらに詳細には、接触手段20または破砕装置4に対するコンテナ30の位置を把握できるようにする。
【0102】
歯から骨材料を造成する装置1を、構造の観点から説明したが、その動作は以下の通りである。
【0103】
患者から歯を抜く
【0104】
その歯を破砕装置4のボックス42に入れ、ピン41の周りを回転するミル40によって、直径0.3mmから0.8mmの粒子となるまで破砕する。
【0105】
歯を破砕する前段階で、制御部材16は、ボックス42のの下にリアクタ装置を配置する。
【0106】
そして、断片が装置2の反応21に入れられる。
【0107】
同時に、カートリッジ3が、ガイド12内に設置される。
【0108】
リアクタ装置2は、接触手段20が接続手段31と揃うように配置される。
【0109】
特に、カートリッジ3の位置を把握する手段は、カートリッジ3のコンテナ30の位置を把握し、カートリッジ3の移動部材14,15は、所定のコンテナを接触手段20の上に配置する。まず、移動部材14が接触手段20を移動させ、それにより、選択されたコンテナ30の接続手段31を破る。
【0110】
選択されたコンテナ30内の液体が、反応21に流れ落ち、バスケット21aに接触することで、歯の断片に対して、特定の反応または洗浄を開始する。
【0111】
所定の時間間隔をあけて実施される、特定の液体による処理が完了すると、装置2は、支持13から取り外され、そして、バスケット21aを取り出すことで、歯の断片を装置2から取り出すことができる。
【0112】
新たなリアクタ装置2、さらに好ましくは、新たなカートリッジ3装置に配置されることで、1つあるいはそれ以上の別の歯に対し、処理を再度行うことができる。
【0113】
好ましくは、洗浄サイクルは、洗浄液および反応液により、交互に行われる。また、液体、塩酸、過酸化水素水、アルコール等で、周知の時間をかけて実施されることが好ましい。
【0114】
特に、6種の液体が、6種の異なる反応によって使い分けれることが好ましい。
【0115】
破砕装置4は、好ましくは、再利用する前に殺菌用高圧窯で殺菌される。
【0116】
本発明による、歯から骨材料を造成する装置1は、重要な利点を発揮する。
【0117】
つまり、簡素化され、安価で堅牢な装置1が実現される。
【0118】
さらに、無菌状態で、あらかじめ設置された使い捨てのカートリッジ30を使用することで、洗浄反応液を、正確な量かつ正しい構成で使用できる。
【0119】
本発明は、請求項に規定される本発明の範囲を逸脱しない範囲において、変更が可能である。
【0120】
したがって、同等の要素、素材、形状、寸法によって置換可能な全ての詳細部に対しては、任意の素材、形状、寸法を採用できる。
図1
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図10