(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】物品収納決済システム
(51)【国際特許分類】
A47G 29/12 20060101AFI20230309BHJP
G06Q 20/14 20120101ALI20230309BHJP
G06Q 10/08 20230101ALI20230309BHJP
G07F 17/12 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
A47G29/12 Z
G06Q20/14
G06Q10/08
G07F17/12
(21)【出願番号】P 2018200385
(22)【出願日】2018-10-24
【審査請求日】2021-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】300076563
【氏名又は名称】原 周平
(74)【代理人】
【識別番号】100081455
【氏名又は名称】橘 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100170966
【氏名又は名称】藤本 正紀
(72)【発明者】
【氏名】原 周平
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-029384(JP,A)
【文献】特開2015-219720(JP,A)
【文献】特開2007-257474(JP,A)
【文献】特開2007-153512(JP,A)
【文献】特開2012-185662(JP,A)
【文献】特表2018-517997(JP,A)
【文献】特開2008-117345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/00~29/30
G07F 17/00~17/42
G06Q 10/00~99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する1以上の収納ボックスを備えた収納装置と、
前記収納ボックスにおいて物品の入庫又は取出しに関する1以上のサービスを利用するユーザが操作するユーザ端末とを有する物品収納決済システムであって、
前記ユーザ端末は、
物品の入庫又は取出しに
関する情報に変換可能なコード情報を発行し表示するコード情報表示部を有し、
前記コード情報表示部は、前記ユーザにより指定された前記物品の入庫又は取出しの料金を引き落とす金融機関の口座情報、信販情報又はプリペイド情報を含む支払情報
が、前記料金の受領のための決済処理を行う決済サーバにおいて対応付けられている前記ユーザの識別情報に変換可能な前記コード情報を発行し表示し、
前記収納装置は、
前記表示されたコード情報を読み取るコード情報読取部と、
前記読み取った
コード情報を変換して、前記物品の入庫又は取出しに関する料金を受領するための決済要求情報を生成し、前記物品の入庫又は取出しに関するサービスの料金の額を決定し、前記決済要求情報、前記決定した料金の額及びサービスを特定する情報を
前記決済サーバへ送信する決済要求部とを有し、
前記ユーザ端末は、
前記決済サーバによる決済処理完了後には、前記決済処理が完了したサービスの料金の額及びサービスを特定する情報を前記決済サーバから受信して表示することを特徴とする物品収納決済システム。
【請求項2】
前記コード情報読取部は、前記ユーザにより利用する前記サービスの種別が指定されると、該指定されたサービスの種別の情報を管理サーバへ送信し、該種別のサービスを前記ユーザが利用することが許可されていることを示す情報を前記管理サーバから受信すると、前記コード情報の読取りを受け付けることを特徴とする請求項1記載の物品収納決済システム。
【請求項3】
物品を収納する1以上の収納ボックスを備えた収納装置と、
前記収納ボックスにおいて物品の入庫又は取出しに関する1以上のサービスを利用するユーザが操作するユーザ端末とを有する物品収納決済システムであって、
前記収納装置は、
物品の入庫又は取出しを要求する旨の情報が入力されると、該物品の入庫又は取出しに関するサービスの料金の額を決定し、該物品の入庫又は取出しに
関する情報に変換可能なコード情報を発行し表示するコード情報表示部を有し、
前記コード情報表示部は、前記物品の入庫又は取出しに関するサービスの料金の額及び前記サービスを特定する情報
に変換可能な前記コード情報を発行し表示し、
前記ユーザ端末は、
前記表示されたコード情報を読み取るコード情報読取部と、
前記読み取った
コード情報を変換して、前記物品の入庫又は取出しに関する料金を支払うための決済要求情報を生成し、該料金の支払いによる決済処理を行う決済サーバへ送信する決済要求部とを有し、
前記決済サーバによる決済処理完了後には、該決済処理が完了したサービスの料金の額及びサービスを特定する情報を前記決済サーバから受信して表示することを特徴とする物品収納決済システム。
【請求項4】
前記コード情報表示部は、前記ユーザにより利用する前記サービスの種別が指定されると、該指定されたサービスの種別の情報を管理サーバへ送信し、該種別のサービスを前記ユーザが利用することが許可されていることを示す情報を前記管理サーバから受信すると、前記コード情報を発行し、表示することを特徴とする請求項3記載の物品収納決済システム。
【請求項5】
前記収納装置は、
前記決済サーバから決済完了通知を受信すると、前記物品の入庫又は取出しに使用する収納ボックスを解錠し、該物品の入庫又は取出しを許可する解錠部を有することを特徴する請求項1から4のいずれか1項に記載の物品収納決済システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収納決済システムに関し、特に、ユーザが収納装置に対して物品の入庫又は取出しを行うことに関連した料金の決済を行う物品収納決済システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、核家族化、未婚・晩婚者の増加や少子高齢化に伴う単身者の増加、さらには共働きの夫婦の増加等が進行し、そのライフスタイルが大きく変わってきている。
また、近年は、ECコマースの隆盛に伴って、購入商品等の物品が各家庭に配送されることが多くなっている一方で、上記のとおり、夫婦の共働き等の割合の増加により家を留守にするケースが増えてきており、上記物品をスムーズに受け取ることのできる環境や設備が望まれている。
【0003】
上記のようなニーズに応えるように、近年、マンション等の集合住宅の共用部等には、いわゆる宅配ロッカーと称される収納装置が設置されることが多くなってきている。
この収納装置は、宅配便等により集合住宅の居住者宛に配送された物品を、一時的に預かり、施錠可能に収納することにより、当該居住者が不在の場合であっても、再配達を依頼することなく、当該収納装置から自身宛の配送物を取り出すことにより、スムーズに当該配送物を受け取ることができるというものである。
【0004】
上記のような居住者宛の配送物等を一時的に預かり保管する収納装置に関する従来技術の1つとして、特許文献1が開示するところの宅配ロッカーが提案されている。
この特許文献1に開示されるインターネット共用ロッカーシステムは、ユーザが物品をロッカー装置に預け入れるときに、クレジットカードをそのロッカー装置に備えられたカードリーダに挿入又はかざして、カード内のデータを読み取らせてそのロッカー装置への物品の預け入れに関する料金の決済を行うことができるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1のインターネット共用ロッカーシステムにおいて決済を行うためには、ユーザがクレジットカードを常に携帯しなければならず、誰でも簡単に決済を行うことが困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザが宅配ロッカーやコインロッカー等の収納装置に物品を入庫したり、取り出したりすることにより発生した料金の決済をコード情報を用いて誰もが容易に決済を行うことが可能な物品収納決済システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するため、本発明は、物品を収納する1以上の収納ボックスを備えた収納装置と、収納ボックスにおいて物品の入庫又は取出しに関する1以上のサービスを利用するユーザが操作するユーザ端末とを有する物品収納決済システムであって、ユーザ端末は、物品の入庫又は取出しに関する情報に変換可能なコード情報を発行し表示するコード情報表示部を有し、コード情報表示部は、ユーザにより指定された物品の入庫又は取出しの料金を引き落とす金融機関の口座情報、信販情報又はプリペイド情報を含む支払情報が、料金の受領のための決済処理を行う決済サーバにおいて対応付けられているユーザの識別情報に変換可能なコード情報を発行し表示し、収納装置は、表示されたコード情報を読み取るコード情報読取部と、読み取ったコード情報を変換して、物品の入庫又は取出しに関する料金を受領するための決済要求情報を生成し、物品の入庫又は取出しに関するサービスの料金の額を決定し、決済要求情報、決定した料金の額及びサービスを特定する情報を決済サーバへ送信する決済要求部とを有し、ユーザ端末は、決済サーバによる決済処理完了後には、決済処理が完了したサービスの料金の額及びサービスを特定する情報を決済サーバから受信して表示することを特徴とする。
【0009】
また、本発明によれば、コード情報読取部は、ユーザにより利用するサービスの種別が指定されると、指定されたサービスの種別の情報を管理サーバへ送信し、種別のサービスをユーザが利用することが許可されていることを示す情報を管理サーバから受信すると、コード情報の読取りを受け付けることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、物品を収納する1以上の収納ボックスを備えた収納装置と、収納ボックスにおいて物品の入庫又は取出しに関する1以上のサービスを利用するユーザが操作するユーザ端末とを有する物品収納決済システムであって、収納装置は、物品の入庫又は取出しを要求する旨の情報が入力されると、物品の入庫又は取出しに関するサービスの料金の額を決定し、物品の入庫又は取出しに関する情報に変換可能なコード情報を発行し表示するコード情報表示部を有し、コード情報表示部は、物品の入庫又は取出しに関するサービスの料金の額及びサービスを特定する情報に変換可能なコード情報を発行し表示し、ユーザ端末は、表示されたコード情報を読み取るコード情報読取部と、読み取ったコード情報を変換して、物品の入庫又は取出しに関する料金を支払うための決済要求情報を生成し、料金の支払いによる決済処理を行う決済サーバへ送信する決済要求部とを有し、決済サーバによる決済処理完了後には、決済処理が完了したサービスの料金の額及びサービスを特定する情報を決済サーバから受信して表示することを特徴とする。
【0011】
また、本発明によれば、コード情報表示部は、ユーザにより利用するサービスの種別が指定されると、指定されたサービスの種別の情報を管理サーバへ送信し、種別のサービスをユーザが利用することが許可されていることを示す情報を管理サーバから受信すると、コード情報を発行し、表示することを特徴とする。
【0012】
また、本発明によれば、収納装置は、決済サーバから決済完了通知を受信すると、物品の入庫又は取出しに使用する収納ボックスを解錠し、物品の入庫又は取出しを許可する解錠部を有することを特徴する。
【0013】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0014】
図1は、本発明における物品収納決済システムの機能ブロック図である。
図に示すように、本発明における物品収納決済システムは、物品の入庫又は取出しに関するコード情報を発行し表示するコード情報表示部と、コード情報表示部により表示されたコード情報を読み取るコード情報読取部と、コード情報読取部により読み取られたコード情報に基づいて、物品の入庫又は取出しに関する料金を支払うための決済要求情報を生成し、決済処理を実行する機器へ送信する決済要求部と、物品の入庫又は取出しに使用する収納ボックスを解錠し、物品の入庫又は取出しを許可する解錠部とを有する。
【0015】
例えば、コード情報表示部の機能は、以下のように実現される。
ユーザ端末30の制御部31は、情報入力部35により入力された又は情報格納部32から抽出したユーザID、決済機関ID、決済機関ユーザID及び決済認証情報に基づいて、例えば2次元バーコード等の決済コード情報を生成する。表示部34は、その生成された決済コード情報を画面上に表示する。
あるいは、収納装置10の制御部11は、情報入力部15により入力された又は情報格納部12から抽出したサービスIDと、サービスの名称と、サービスの料金と、収納装置IDとに基づいて、例えば2次元バーコード等の決済コード情報を生成する。表示部14は、その生成された決済コード情報を画面上に表示する。
【0016】
例えば、コード情報読取部の機能は、以下のように実現される。
収納装置10の情報入力部15は、コードリーダ機能を備え、ユーザ端末30の表示部34上に表示された決済コード情報を読み取り、読み取った決済コード情報を制御部11へ出力する。制御部11は、上記入力した決済コード情報を一般的なCPUが処理可能なデジタルデータに変換する。
あるいは、ユーザ端末30の情報入力部35は、コードリーダ機能を備え、収納装置10の表示部14上に表示された決済コード情報を読み取り、読み取った決済コード情報を制御部31へ出力する。制御部31は、上記入力した決済コード情報を一般的なCPUが処理可能なデジタルデータに変換する。
【0017】
例えば、決済要求部の機能は、以下のように実現される。
収納装置10の制御部11は、サービスDB124を参照し、ユーザが利用を希望しているサービスの料金の額を含む料金情報を抽出し、収納装置10の通信部13は、その抽出された料金情報と、変換された決済コード情報とを管理サーバ20へ送信する。管理サーバ20の通信部23が上記決済コード情報及び料金情報を収納装置10から受信すると、管理サーバ20の制御部21は、決済機関DB224を参照し、当該受信した決済コード情報に含まれる決済機関IDに基づいて、ユーザが料金の支払を行う決済機関を特定して、当該特定した決済機関の決済サーバ40のアドレス情報を抽出し、管理サーバ20の通信部23は、その決済機関の決済サーバ40へ上記変換された決済コード情報及び料金情報を送信する。
あるいは、ユーザ端末30の情報入力部35は、ユーザによる操作により、サービス料金の決済処理を行う決済機関を指定する。ユーザ端末30の通信部33は、変換された決済コード情報及び決済機関情報を上記指定された決済機関の決済サーバ40へ送信する。
【0018】
例えば、解錠部の機能は、以下のように実現される。
収納装置10の収納部16は施解錠部164を有する。施解錠部164は、収納ボックスの扉163を施錠するとともに、制御部11から解錠信号が入力されると当該施錠を解錠する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、物品を収納する1以上の収納ボックスを備えた収納装置と、収納ボックスにおいて物品の入庫又は取出しを行うユーザが操作するユーザ端末とを有する物品収納決済システムであって、ユーザ端末は、物品の入庫又は取出しに関するコード情報を発行し表示するコード情報表示部を有し、収納装置は、表示されたコード情報を読み取るコード情報読取部と、読み取ったコード情報に基づいて、物品の入庫又は取出しに関する料金を受領するための決済要求情報を生成し、料金の受領のための決済処理を行う決済サーバへ送信する決済要求部とを有するので、ユーザが宅配ロッカーやコインロッカー等の収納装置に物品を入庫したり、取り出したりすることにより発生した料金の決済をコード情報を用いて誰もが容易に決済を行うことが可能となる。
【0020】
また、本発明は、物品を収納する1以上の収納ボックスを備えた収納装置と、収納ボックスにおいて物品の入庫又は取出しを行うユーザが操作するユーザ端末とを有する物品収納決済システムであって、収納装置は、物品の入庫又は取出しを要求する旨の情報が入力されると、物品の入庫又は取出しに関するコード情報を発行し表示するコード情報表示部を有し、ユーザ端末は、表示されたコード情報を読み取るコード情報読取部と、読み取ったコード情報に基づいて、物品の入庫又は取出しに関する料金を支払うための決済要求情報を生成し、料金の支払いによる決済処理を行う決済サーバへ送信する決済要求部とを有するので、ユーザが宅配ロッカーやコインロッカー等の収納装置に物品を入庫したり、取り出したりすることにより発生した料金の決済をコード情報を用いて誰もが容易に決済を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明における物品収納決済システムの機能ブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態における物品収納決済システムの構成を示す図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態における収納装置の外観を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態における収納装置の構成を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態における収納装置の情報格納部が格納する各データベースを示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態におけるユーザDBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態における使用状況DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態における利用履歴DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態におけるサービスDBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態における収納ボックスの外観を示す図である。
【
図11】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの構成を示す図である。
【
図12】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの情報格納部が格納する各データベースを示す図である。
【
図13】本発明の第1の実施の形態におけるユーザDBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図14】本発明の第1の実施の形態における決済機関DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図15】本発明の第1の実施の形態におけるユーザ端末の構成を示す図である。
【
図16】本発明の第1の実施の形態における決済サーバの構成を示す図である。
【
図17】本発明の第1の実施の形態における決済サーバの情報格納部が格納するデータベースを示す図である。
【
図18】本発明の第1の実施の形態におけるユーザDBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図19】本発明の第1の実施の形態におけるアカウントDBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図20】本発明の第1の実施の形態において、ユーザ情報を収納装置に登録するときの物品収納決済システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図21】本発明の第1の実施の形態において、物品を収納装置に入庫するときの物品収納決済システムによる決済動作の流れを示すフローチャートである。
【
図22】本発明の第1の実施の形態において、物品を収納装置に入庫するときの物品収納決済システムによる決済動作の流れを示すフローチャートである。
【
図23】本発明の第1の実施の形態において、物品を収納装置に入庫するときの物品収納決済システムによる決済動作の流れを示すフローチャートである。
【
図24】本発明の第1の実施の形態における収納装置が提供するサービスの利用選択画面の一例を示す図である。
【
図25】本発明の第1の実施の形態における決済コード情報の一例を示す図である。
【
図26】本発明の第1の実施の形態における決済情報の一例を示す図である。
【
図27】本発明の第2の実施の形態におけるユーザ端末の情報格納部が格納するデータベースを示す図である。
【
図28】本発明の第2の実施の形態における決済機関DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図29】本発明の第2の実施の形態において、物品を収納装置に入庫するときの物品収納決済システムによる決済動作の流れを示すフローチャートである。
【
図30】本発明の第2の実施の形態において、物品を収納装置に入庫するときの物品収納決済システムによる決済動作の流れを示すフローチャートである。
【
図31】本発明の第2の実施の形態において、物品を収納装置に入庫するときの物品収納決済システムによる決済動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1の実施の形態>
(第1の実施の形態の概要)
本発明の第1の実施の形態において、ユーザは、収納装置10に入庫されている物品を取り出すとき、又は収納装置10に物品を入庫するときに、その取出し又は入庫に関連する料金の決済をコード情報を用いて行う。
上記コード情報は、例えばバーコード又は2次元バーコード等の画像情報であってもよいし、文字情報であってもよい。
【0023】
上記ユーザが収納装置10から物品を取り出す状況としては、以下のものが含まれる。
すなわち、ユーザがユーザ宛の配送物を収納装置10から取り出すとき、ユーザが依頼してクリーニングが完了した衣類等を収納装置10から取り出すとき、ユーザが収納装置10内に保管されている道具等の備品をレンタル又はシェアリングするために取り出すとき、コインロッカーのように収納装置10に預けていた自身の持ち物を取り出すとき等を含む。
上記ユーザ宛の配送物には、ユーザがECサイト又は実店舗で購入した商品が含まれる。
【0024】
上記ユーザが収納装置10から物品を入庫する状況としては、以下のものが含まれる。
すなわち、ユーザが相手方に配送を希望する配送物を収納装置10に入庫するとき、ユーザがクリーニングを依頼する衣類等を収納装置10に入庫するとき、ユーザがレンタル又はシェアリングした道具等の備品を返却するために収納装置10に入庫するとき、コインロッカーのように自身の持ち物を預け入れるために収納装置10に入庫するとき等を含む。
【0025】
ユーザは、上記のように、収納装置10を用いて物品の取出し又は入庫を行うとき、その物品の取出し又は入庫に関連して発生した利用料金を支払うためのコード情報を自身のユーザ端末30のディスプレイ上に表示させ、収納装置10のコード情報の読取部(後述の情報入力部15)にかざす等して読み取らせることにより、その料金の決済を行う。
【0026】
上記利用料金には、ユーザ宛の配送物の配送料金、ユーザがECサイト又は実店舗で購入した商品の購入料金、クリーニング料金、レンタル/シェアリング料金、物品の預入れ料金(コインロッカー料金)等が含まれる。
【0027】
このように、本実施の形態における物品収納決済システムは、収納装置10における物品の取出し又は入庫により発生した料金について、ユーザ端末30に表示させたコード情報を収納装置10に読み取らせるだけで簡単に決済を行うことができるというものである。
【0028】
(第1の実施の形態の構成)
〔1〕物品収納決済システムの全体構成
図2は、本発明の第1の実施の形態における物品収納決済システムの構成を示す図である。
図に示すように、物品収納決済システムは、ユーザの物品を施錠状態で保管する収納装置10と、上記収納装置10を用いてユーザに対して提供されるサービスに関する情報を管理する管理サーバ20と、ユーザが操作するユーザ端末30と、上記収納装置10を用いて提供されるサービスの利用料金の決済処理を行う決済サーバ40と、収納装置10、管理サーバ20、ユーザ端末30及び決済サーバ40を通信可能に接続するインターネット又はLAN等のネットワーク100とを有して構成される。
【0029】
〔2〕収納装置10の構成
(1)収納装置10の概要
収納装置10は、ユーザ宛の物品をユーザの手元に届くまでに一時預け入れる収納装置であって、複数の施錠可能な収納ボックスを備える。
本実施の形態において、収納装置10は、ユーザ端末30が表示する決済コード情報を読み取り、その読み取った決済コード情報をネットワーク100を介して管理サーバ20へ送信する機能を有する。
【0030】
収納装置10は、マンション等の集合住宅の他、オフィス、コンビニエンスストア・スーパーマーケット等の店舗や商業施設、又は駅や病院等の公共施設・機関等に設置されるものとしてもよく、設置場所はこれらに限定されるものではない。
【0031】
収納装置10は、宅配便等の配送物の他、あらゆる物品を預け入れ、保管することができる。
例えば、収納装置10は、ユーザが相手方に配送を希望する配送物を配送業者が配送のため受取りに来るまで一時的に保管する。
また、配送業者がユーザ宛の配送物をユーザが受け取るまでの期間、一時的に保管する。
【0032】
ユーザは、クリーニングサービス利用のために、収納装置10を使用することもできる。
ユーザは自身の衣類等の未クリーニングのクリーニング品を収納装置10に預け入れ、クリーニング業者がその預け入れられた衣服を回収してクリーニングをし、クリーニング済みのクリーニング品を再度収納装置10に収納し、その後、ユーザがそのクリーニング済みのクリーニング品を収納装置10から取り出す。
【0033】
また、ユーザは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等による食料品の配送サービス利用のために、収納装置10を使用することもできる。
業者はユーザから注文を受けた食料品を配送して収納装置10に預け入れ、その後、ユーザがその食料品を収納装置10から取り出す。
【0034】
また、ユーザは、備品のレンタル又はシェアリングサービスの利用のために、収納装置10を使用することもできる。
収納装置10は、例えば、搬送用カート、空気入れ、草刈り機又は会議室の鍵等のレンタル用の備品、あるいは、シェアリング用のシェアカー/シェアサイクルの車両の鍵等を収納する。
ユーザは、収納装置10に収納されている備品を取出し、使用後、再度入庫し、返却する。
備品のレンタルの一例として、下記のように、レンタカーサービス利用のために、収納装置10を使用することもできる。
ユーザがレンタカー会社に対して車両のレンタルの希望を伝えると、レンタカー会社の従業員等は、車両を所定の駐車場まで届けるとともに、その鍵を収納装置10に預け入れて収納する。
ユーザは、収納装置10からその車両の鍵を取り出し、用いて車両を利用し、利用後、その鍵を収納装置10に再度預け入れ収納する。
その後、レンタカー会社の従業員等は、その収納装置10に収納されている鍵を取り出して回収し、利用後の車両とともに、自社の営業所等まで搬送する。
【0035】
以上のように、収納装置10は、ユーザに対して様々なサービスを提供可能である。
【0036】
(2)収納装置10の全体構成
図3は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の外観を示す斜視図である。
また、
図4は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の構成を示す図である。
以下、これら図を用いて、収納装置10の構成について説明する。
図に示すように、収納装置10は、CPU等から構成され収納装置10全体を制御する制御部11と、各種情報を格納する情報格納部12と、ネットワーク100を介して管理サーバ20と通信を行う通信部13と、各種情報を表示する表示部14と、各種キーを備え情報入力が可能であるとともに、ユーザ端末30に表示された決済コード情報を読み取るコードリーダ機能を備えた情報入力部15と、物品を収納する収納ボックスを複数備えた収納部16とを有して構成される。
各部11~16は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部11の制御の下、種々の処理が実行される。
【0037】
収納装置10が集合住宅に設置されている場合、収納装置10の収納ボックスは、同一の集合住宅に居住する複数のユーザが共用可能である。すなわち、収納装置10の収納ボックスには、同一の集合住宅に居住する複数のユーザが配送を希望する配送物又はユーザ宛の配送物をそれぞれ収納することが可能である。
【0038】
収納装置10の収納ボックスにユーザ宛の配送物が既に入庫され、閉扉及び施錠されている場合には、当該ユーザ(同じ住戸に居住するユーザを含む場合がある)のみが当該収納装置10の収納ボックスを解錠可能であり、他の住戸のユーザ及び配送業者は解錠することができない。
収納装置10の収納ボックスは、収納中の物品を1度取り出して空の状態になってはじめて、他の物品を収納することが許可される。
【0039】
(3)制御部11の構成
制御部11は、収納装置10全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により構成される。
制御部11は、情報格納部12から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部12に情報の書込みを実行する。
制御部11は、施解錠及び開閉扉といった収納ボックスの動作制御、収納装置10の使用の際の認証処理、ユーザの個人情報及び各収納ボックスの使用状況の管理等を行う。
【0040】
(4)情報格納部12の構成
情報格納部12は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部12は、制御部11で実行するプログラムを記憶する領域や制御部11が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部11は、その情報格納部12に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
情報格納部12は、後述する各データベースを格納する。
【0041】
図5は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の情報格納部12が格納する各データベースを示す図である。
図に示すように、情報格納部12は、ユーザに関するユーザ情報等を管理するユーザDB121と、収納部16を構成する複数の収納ボックスの使用状況を管理する使用状況DB122と、収納装置10の利用履歴情報を管理する利用履歴DB123と、収納装置10がユーザに提供するサービスに関するサービス情報を管理するサービスDB124とを格納する。
【0042】
図6は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザDB121のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、ユーザDB121は、ユーザ名と、集合住宅においてユーザの居住する部屋の部屋番号情報と、その他、住所等のユーザの個人情報(メールアドレス等)とをそれぞれユーザを特定する個別のID(ユーザID)に対応付けて管理している。
【0043】
図7は、本発明の第1の実施の形態における使用状況DB122のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、使用状況DB122は、収納装置10の各収納ボックスの使用状況を管理するデータベースである。
使用状況DB122は、各収納ボックスの使用状況(「収納中」、「未使用」)と、サービス利用のために使用しているユーザのユーザIDと、配送物が入庫された時期等の使用時期とをそれぞれ各収納ボックスを識別するボックス識別情報(ボックス番号)に対応付けて管理している。
【0044】
本例では、収納部16は、一例として、7つの収納ボックスから構成されており、各収納ボックスには、ボックス識別情報a~gが付されている。
これらボックス識別情報a~gは、
図3に示す収納ボックス16a~16gにそれぞれ対応している。
【0045】
また、
図7に示すように、使用状況DB122における「使用状況」には、「収納中」、「未使用」の2つのステータスがあり、制御部11(CPU)は、各収納ボックスに設けられている後述の物品検知部135による検知結果等に基づいて、これらのステータスのいずれかを書き込む。
収納ボックスが物品を収納し、閉扉及び施錠している場合には、制御部11(CPU)は、当該収納ボックスの使用状況を「収納中」と書き込む。この場合は、制御部11(CPU)は、当該物品の宛先のユーザのユーザIDを、該当する収納ボックスのボックス識別情報に対応付けて書き込む。
一方、収納ボックスが物品を収納しておらず、閉扉している場合には、制御部11(CPU)は、当該収納ボックスの使用状況を「未使用」と書き込む。
物品の入庫作業が終了し、再度収納ボックスが閉扉及び施錠されると、制御部11(CPU)は、当該収納ボックスの使用状況を「収納中」に書き替える。一方、物品の取出し作業が終了し、再度収納ボックスが閉扉されると、制御部11(CPU)は、当該収納ボックスの使用状況を「未使用」のままとする。
なお、本実施の形態においては、「作業」とは、物品の入庫作業及び取出し作業を含むものをいうこととする。
【0046】
図8は、本発明の第1の実施の形態における利用履歴DB123のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、利用履歴DB123は、収納装置10の各収納ボックスにおける利用履歴情報(入庫・取出し等)を管理するデータベースである。
利用履歴DB123は、物品を入庫又は取出したユーザ又は配送業者等の利用者のIDと、利用内容(入庫又は取出し)と、配送先のユーザの部屋番号情報と、配送物が入庫された時期等の使用時期とをそれぞれ各収納ボックスを識別するボックス識別情報(ボックス番号)に対応付けて管理している。
【0047】
図9は、本発明の第1の実施の形態におけるサービスDB124のデータ構成の一例を示す図である。
サービスDB124は、ユーザが収納装置10を使用することによりユーザに提供されるサービスに関するサービス情報を管理するデータベースである。
図に示す例では、サービスDB124は、サービスの名称と、サービスの料金の額(料金情報)と、サービスを提供するサービス事業者の名称と、サービス事業者のアカウント情報とをそれぞれ各サービスを識別するサービスIDに対応付けて管理している。
【0048】
上記料金情報は、各サービスに応じて個別に設定される。
例えば、サービスが「配送依頼」の場合は、配送先の場所や配送物のサイズ・重量等に応じて料金が個別に設定されていてもよい。
また、サービスが「クリーニング」の場合の料金情報は、入庫する衣類の種類に応じて料金が個別に設定されていてもよい。
【0049】
上記サービス事業者のアカウント情報には、サービス事業者の金融機関や電子マネーの口座等の情報、すなわち口座番号等の情報が含まれる。
【0050】
(5)収納部16の構成
収納部16は、複数の収納ボックスから構成される。
収納ボックスは、ユーザ宛の配送物等を一時保管するための収納庫であり、それぞれ施解錠可能に構成されている。
例えば、ユーザが不在の場合でも、配送担当者は、その収納ボックスにユーザ宛の配送物を入庫し施錠することにより、収納部16は、ユーザが取り出すまで配送物等を安全に保管することができる。
後述の施解錠部134を含む収納ボックスにおける施解錠を実現する構造は、入庫取出口132を閉塞するように扉133を収納室131に固定するものであれば特に限定しないが、以下、施解錠の構造の一例を説明する。
【0051】
図3に示す例では、収納装置10は、収納ボックス16a~16gを有している。
【0052】
次に、その収納ボックスの構成について詳細に説明する。
図10は、本発明の第1の実施の形態における収納ボックスの外観を示す図である。
図に示すように、収納ボックスは、ユーザ宛の配送物等の収納空間である収納室161と、開口しており、配送物等の入庫口又は取出口である入庫取出口162と、施錠時には上記入庫取出口162を閉止する開閉部材である扉163と、電気錠等から構成され、上記入庫取出口162を閉止したままの状態で、上記扉163を施錠するとともに、制御部11から解錠信号が入力されると当該施錠を解錠する施解錠部164と、収納室161内に物品が収納されていることを検知する物品検知部165と、収納室161と扉163とを接続するヒンジ部167と、扉163の裏側に取り付けられているフック168とを有する。
【0053】
収納室161は、少なくとも一方の面が開口している直方体形状の箱体である。
収納室161及び扉163は、例えば、鉄やその他金属又は合金で製造され、閉扉時には、外側から容易に破壊されない程度の強度を備えている。
【0054】
扉163はそれぞれヒンジ部167を介して旋回自在に収納室161に取り付けられている。
また、扉163の裏側には、それぞれフック168が取り付けられている。
【0055】
収納ボックスの扉163には、開く方向に付勢力が作用しており、施解錠部164により解錠されると、扉163は自動で開くようになっている。
また、ユーザが物品を収納ボックス内に入庫して施錠しようとする場合には、例えば、ユーザが扉163を上記付勢力に抗して閉じることで、施錠が自動で行われる。
【0056】
施解錠部164は、一般的な電子錠又は機械式の錠等を有し、その形式は特に限定されない。
本実施の形態では、一例として、以下、施解錠部は電子錠を有するものとして説明を進める。
施解錠部164は、施錠時は、扉を収納室の入庫取出口を閉塞したまま固定するものであり、開扉を抑制する。この場合、収納ボックスに収納されている物品を外部から取り出すことはできず、また、収納ボックスに物品を入庫することもできない。
【0057】
施解錠部164は、収納室161の開口面に、閉扉時に上記フック168が挿入されるフック穴169を有する。
また、施解錠部164は、そのフック穴169奥に、扉163の開閉を検知するセンサである開閉扉検知部169cを有する。
開閉扉検知部169cは、例えばスイッチ状の部材を有しており、フック穴169にフック168が挿入されると、その挿入されたフック168の先端が開閉扉検知部169cのスイッチ状の部材を押圧することで、開閉扉検知部169cは扉163が閉扉されたことを検知することができる。
【0058】
また、施解錠部164は、上記挿入されたフック168をフック穴169内で係止して動作を規制する係止部を有する。
例えば、上記フック168及び係止部の素材は金属製であるが、これに限定されない。
例えば、上記係止部において上記フック168を係止する係止部材は、金属製のレバー等で構成され、そのレバーを動作させてフック168に当接させることでフック168を係止し、開扉を抑制する。
【0059】
施解錠部164は、制御部11と通信ケーブル等を介して通信可能に接続されている。
制御部11は、収納ボックスの解錠を要求する旨の解錠要求信号が入力され、この解錠要求を許可すると、解錠信号を該当する収納ボックスの施解錠部164へ出力する。
施解錠部164は、その解錠信号が入力されると、係止部のレバーを動作させる等して係止を解除し、収納ボックスの解錠を行う。
施解錠部164は施錠すると、その施錠状態を検知し、施錠検知信号を制御部11へ送信する。また、施解錠部164(開閉扉検知部169c)は、扉163の開扉又は閉扉の状態を検知し、これら検知した開閉扉の状態を示す開扉検知信号又は閉扉検知信号を制御部11へ送信する。
【0060】
まず、収納ボックスの施錠時の動作について説明する。
扉163が閉扉されて入庫取出口162を閉塞すると、扉163の裏面に取り付けられているフック168が、収納室161に設けられている施解錠部164のフック穴169に挿嵌され、そのフック168の先端がフック穴169の奥に設けられている開閉扉検知部169cを押圧すると、開閉扉検知部169cは、扉163が閉扉されたことを検知する。
ここで、開閉扉検知部169cは、上記閉扉を検知したとき、自身が有するレバーやカム等の金属製等の部材を物理的に移動させ、これをトリガーとして、施解錠部164は、閉扉検知信号を制御部11へ出力してもよい。
【0061】
施解錠部164は、開閉扉検知部169cが扉163の閉扉を検知すると、自身に備えられている係止部を動作させて、そのフック穴169に挿入されたフック168を係止して固定し、開扉を抑制して施錠を行う。
【0062】
次に、収納ボックスの解錠時の動作について説明する。
制御部11は、収納ボックスの解錠が要求され、それを許可すると、解錠信号を生成し、施解錠部164へ出力する。
施解錠部164は、制御部11から解錠信号が入力されると、係止部の係止部材を移動させて、係止しているフック168に対する係止状態を解除して解錠を行う。
フック168に対する係止部による係止が解除されると、扉163は自由に開扉可能となる。
【0063】
各収納ボックスは原則、配送物が収納及又は未収納のいずれの場合においても施錠されている。
一旦、配送物が入庫されると、施錠及び閉扉し、その配送宛の利用者が取り出すまで安全に保管する。配送物が収納されている場合は、当該配送物の宛先のユーザの認証を行い、認証成功であれば解錠する。
【0064】
物品検知部165は、収納室161内に物品が収納されていることを検知するセンサである。
物品検知部165は、制御部11と通信ケーブル等を介して通信可能に接続されている。
物品検知部165は、物品が収納されていることを検知すると、物品検知信号を制御部11へ送信する。
制御部11は、上記物品検知信号及び施錠検知信号、さらには開扉又は閉扉検知信号を受信すると、これら各検知信号に基づいて、使用状況DB122に当該収納ボックスの使用状況のステータスを書き込む。
【0065】
例えば、物品検知部165は、投光器と受光器とを備えた一般的な赤外線センサである。この場合、投光器は収納室161内に赤外線を照射し、受光器が受光する。物品が収納室161に存在すると、上記投光器から照射された赤外線が遮られ、受光器で受光できない。このようなとき、物品検知部165は収納室161内の物品を検知できる。
また、受光器が、投光器から照射された赤外線の反射光を受光するタイプである場合には、物品が収納室161内に存在すると、その赤外線が物品表面を反射し、受光器で受光され、物品の存在を検知できる。
その他の例では、例えば、物品検知部165は重量計を有する。
物品検知部165がこの重量計を有するタイプの場合、収納室161の底面に重量計が設けられ、収納室161内に物品が入庫されると、重量計がその物品の重量を検知する。これにより物品検知部165は、収納室161内の物品の存在を検知する。
【0066】
(6)通信部13の構成
通信部13は、ネットワーク100を介して行う管理サーバ20との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部13は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0067】
(7)表示部14及び情報入力部15の構成
表示部14は、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のディスプレイやLED等の発行素子によるランプ等の表示装置である。
制御部11は、情報格納部12から画像を読み出し、画像出力処理を実行して画面情報を生成する。
制御部11は、上記生成した画像情報を表示部14へ出力する。
表示部14は、上記入力した画像情報をディスプレイ等に画面表示する。
また、制御部11は、制御信号を表示部14へ出力し、表示部14が有するランプを点灯させることもできる。
【0068】
図3に示す例では、表示部14は、収納装置10本体内に設けられているが、有線又は無線を介して通信可能に接続された外部の表示装置であってもよい。
例えば、表示部14は、タブレット端末やディスプレイ装置であって、収納装置10本体の外部に設けられ、上記有線又は無線を介して制御部11から入力される画像情報を表示する。
【0069】
情報入力部15は、例えば各種キー等から構成される情報入力装置を備え、当該情報入力装置は表示部14と連携してポインティングデバイスを提供する。情報入力部15は、ユーザ等による各種操作を受け付けて、その操作内容を示す信号を制御部11等に出力する。
制御部11は、上記操作内容を示す信号を入力すると、当該信号の内容に応じて、表示部14へその操作内容に応じた画面表示を行う旨の制御信号を表示部14へ出力する。
表示部14は、その制御信号を入力すると、当該制御信号に応じて画面表示を行う。
なお、上記表示部14と情報入力部15は一体に構成され、タッチパネルを形成してもよい。
【0070】
また、情報入力部15は、赤外線通信等の近距離無線通信を行って情報記録媒体から情報を読み取る情報読取装置を備えている。
ユーザは、上記収納ボックスの解錠用の認証情報が記録されている情報記録媒体を情報入力部15(情報読取装置)にかざす等して所定距離内まで接近させると、情報入力部15は、上記情報記録媒体から上記認証情報を読み取る。
この情報入力部15による認証情報の読取技術については特に限定しないが、例えば、Felica(登録商標)、MIFARE(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信方式を用いる。また、情報記録媒体の表面にコード情報が印刷又は設けられている場合には、情報入力部15はそのコード情報を光学的に読み取る。
上記情報記録媒体は、例えば、ユーザを識別する認証情報が書き込まれた非接触型のICカードや同様の機能を備えた携帯端末である。
【0071】
さらに、情報入力部15は、バーコード、2次元バーコード又はその他の文字や図形から構成されるコード情報の読取機能を備えている。
本実施の形態では、情報入力部15は、ユーザ端末30の表示部34に表示された決済コード情報の読取りを行う。
【0072】
〔3〕管理サーバ20の構成
管理サーバ20は、ユーザ情報及び収納装置10の使用状況等を管理するサーバ装置である。
管理サーバ20は、例えば、収納装置10の管理事業者又はユーザへの配送物を提供する通販会社により管理される
【0073】
図11は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ20の構成を示す図である。
図に示すように、管理サーバ20は、CPU等により構成され管理サーバ20全体を制御する制御部21と、居住者(ユーザ)の情報等を格納する情報格納部22と、ネットワーク100を介して収納装置10、ユーザ端末30又は決済サーバ40と情報の送受信を無線又は有線を介して行う通信部23とを有して構成される。
各部21~23は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部21の制御の下、種々の処理が実行される。
【0074】
制御部21は、管理サーバ20全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により構成される。
制御部21は、情報格納部22から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部22に情報の書込みを実行する。
【0075】
情報格納部22は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部22は、制御部21で実行するプログラムを記憶する領域や制御部21が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部21は、その情報格納部22に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0076】
通信部23は、ネットワーク100を介して行う収納装置10、ユーザ端末30又は決済サーバ40との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部23は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0077】
図12は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ20の情報格納部22が格納する各データベースを示す図である。
図に示すように、情報格納部22は、ユーザ情報等を管理するユーザDB221と、収納部16を構成する複数の収納ボックスの使用状況を管理する使用状況DB222と、収納装置10の利用履歴情報を管理する利用履歴DB223と、ユーザが利用するサービスの料金の決済を行う決済機関の情報を管理する決済機関DB224とを格納する。
本実施の形態では、これらユーザDB221、使用状況DB222及び利用履歴DB223は、それぞれ収納装置10のユーザDB121、使用状況DB122及び利用履歴DB123と同様のデータを管理している。
また、収納装置10及び管理サーバ20の一方は、他方のデータベースにおいて管理される情報の一部を管理するよう構成してもよい。
【0078】
管理サーバ20は、ユーザ端末30からユーザ情報を受信すると、その受信したユーザ情報を上記ユーザDB221に登録する。
また、管理サーバ20は収納装置10と所定時間ごとに通信を行い、自身が格納しているユーザDB221の一部、使用状況DB222及び利用履歴DB223と、収納装置10が格納しているユーザDB121、使用状況DB122及び利用履歴DB123との同期を取る。
【0079】
図13は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザDB221のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、ユーザDB221は、ユーザ名と、集合住宅においてユーザの居住する部屋の部屋番号情報と、ユーザが収納装置10を用いたサービスを利用する際に行われる認証に用いられるパスワード等のサービス認証情報と、ユーザが利用可能な収納装置10を用いたサービスの種類を示すサービス利用可否情報と、その他、住所等のユーザの個人情報(メールアドレス等)とをそれぞれユーザを特定する個別のID(ユーザID)に対応付けて管理している。
【0080】
図14は、本発明の第1の実施の形態における決済機関DB224のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、決済機関DB224は、各決済機関の名称と、各決済機関の決済サーバ40のアドレス情報とを、それぞれ決済機関を識別する決済機関IDに対応付けて管理している。
【0081】
〔4〕ユーザ端末30の構成
ユーザ端末30は、居住者が使用するスマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、PC又はその他の端末である。
【0082】
図15は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザ端末30の構成を示す図である。
図に示すように、ユーザ端末30は、CPU等から構成されユーザ端末30全体の動作を制御する制御部31と、入力した情報やネットワーク100を介して受信した情報等を格納する情報格納部32と、ネットワーク100を介して情報の送受信を行う通信部33と、ディスプレイ等から構成され情報を画面表示する表示部34と、キーやマウス等から構成され情報の入力等を行う情報入力部35とを有して構成される。
また、上記表示部34と情報入力部35は、一体に構成され、タッチパネルを構成してもよい。
各部31~35は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部31の制御の下、種々の処理が実行される。
【0083】
制御部31は、ユーザ端末30全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により構成される。
制御部31は、情報格納部32から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部32に情報の書込みを実行する。
【0084】
情報格納部32は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部32は、制御部31で実行するプログラムを記憶する領域や制御部31が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部31は、その情報格納部32に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0085】
通信部33は、ネットワーク100を介して行う管理サーバ20又は決済サーバ40との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部33は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0086】
表示部34は、ディスプレイやランプ等の表示装置である。
制御部31は、情報格納部32から画像を読み出し、画像出力処理を実行して画面情報を生成する。また、制御部31は、通信部33が管理サーバ40から受信した画像情報に対して画像出力処理を実行して画面情報を生成する。
制御部31は、上記生成した画像情報を表示部34へ出力する。
表示部34は、上記入力した画像情報をディスプレイ等に画面表示する。
また、制御部31は、制御信号を表示部34へ出力し、表示部34が有するLED等のランプを点灯させることもできる。
本実施の形態では、表示部34は、決済コード情報を表示する。
【0087】
情報入力部35は、例えば各種キー等から構成される情報入力装置を備え、当該情報入力装置は表示部34と連携してポインティングデバイスを提供する。情報入力部35は、受注側等による各種操作を受け付けて、その操作内容を示す信号を制御部31等に出力する。
制御部31は、上記操作内容を示す信号を入力すると、当該信号の内容に応じて、表示部34へその操作内容に応じた画面表示を行う旨の制御信号を表示部34へ出力する。
表示部34は、その制御信号を入力すると、当該制御信号に応じて画面表示を行う。
なお、上記表示部34と情報入力部35は一体に構成され、タッチパネルを形成してもよい。
【0088】
ユーザ端末30は、Webサーバとして機能する管理サーバ20又は決済サーバ40から画面情報、例えばWebページを受信して表示することができる。
ユーザ端末30は、制御部31がユーザ側の要求に応じてHTTP(Hypertext Transfer Protocol)要求を生成して送信する機能と、HTTP応答(応答の一例)を解釈してユーザ側に提示する機能とを有する。
例えば、情報格納部32は、一例としてWebブラウザを格納する。
制御部31は、HTTP応答を解釈して画像データや音声データを生成し、表示部34に表示したり、音声をユーザ端末30が有するスピーカから出力したりすることで、HTTP応答をユーザ側に提示する。
【0089】
〔5〕決済サーバ40の構成
決済サーバ40は、収納装置10を用いた物品の入庫又は取出しについて、ユーザに提供するサービスの料金の決済を行う金融機関、クレジットカード会社又は電子マネーの管理会社等の決済機関により管理され、上記料金の決済処理を実行するサーバである。
【0090】
図16は、本発明の第1の実施の形態における決済サーバ40の構成を示す図である。
図に示すように、決済サーバ40は、CPU等により構成され決済サーバ40全体を制御する制御部41と、情報を格納する情報格納部42と、ネットワーク100を介して管理サーバ20又はユーザ端末30と通信を行う通信部43とを有して構成される。
各部41~43は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部41の制御の下、種々の処理が実行される。
【0091】
制御部41は、決済サーバ40全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により構成される。
制御部41は、情報格納部42から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部42に情報の書込みを実行する。
【0092】
情報格納部42は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部42は、制御部41で実行するプログラムを記憶する領域や制御部41が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部41は、その情報格納部42に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0093】
通信部43は、ネットワーク100を介して行う管理サーバ20又はユーザ端末30との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部43は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0094】
図17は、本発明の第1の実施の形態における決済サーバ40の情報格納部42が格納するデータベースを示す図である。
図に示すように、情報格納部42は、ユーザに関するユーザ情報等を管理するユーザDB421と、ユーザの口座情報を管理するアカウントDB424とを格納する。
【0095】
図18は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザDB421のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、ユーザDB421は、ユーザ名と、ユーザが決済について認証を行う際に用いられるパスワード等の決済認証情報と、ユーザが当該決済機関において開設している口座の口座番号と、その他、住所等のユーザの個人情報とをそれぞれユーザを、決済機関においてユーザを識別する上述の決済機関ユーザIDに対応付けて管理している。
【0096】
図19は、本発明の第1の実施の形態におけるアカウントDB424のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、決済機関DB324は、各口座における残高又は利用限度額の情報と、各口座における利用履歴の情報等とを、それぞれ当該決済機関における口座番号に対応付けて管理している。
【0097】
(第1の実施の形態の動作)
〔1〕ユーザ情報の登録動作
図20は、本発明の第1の実施の形態において、ユーザ情報を収納装置10に登録するときの物品収納決済システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、ユーザが、ユーザ端末30を用い、管理サーバ20を介して収納装置10に、自身のユーザ情報を登録するときの物品収納決済システムの動作について説明する。
【0098】
まず、ユーザは、ユーザ端末30の情報入力部35を用いて、自身のユーザ情報を入力する(ステップS101)。
ユーザ情報には、ユーザの氏名と、部屋番号情報と、サービス認証情報と、その他ユーザの個人情報とが含まれる。
ユーザの個人情報には、ユーザの住所、メールアドレス等の連絡先情報、性別、生年月日等が含まれてもよい。
さらに、上記ユーザ情報には、ユーザが収納装置10を用いたサービスの利用を申込むサービス申込情報が含まれる。
サービス申込情報は、ユーザがサービスの利用を希望する旨の情報の他、サービス利用開始の際にそのサービスを提供する事業者に要求されている各種情報が含まれる。この各種情報は、各サービスの種類によって異なってもよい。
制御部31は、上記情報入力部35により入力されたユーザ情報を情報格納部32に格納させる。
【0099】
次に、ユーザが情報入力部35を操作すると、通信部33は情報格納部32に格納されているユーザ情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS102)。
【0100】
管理サーバ20の通信部23は、上記ユーザ情報をユーザ端末30から受信すると、制御部21は、当該ユーザに対してユーザIDを発行した後、当該発行したユーザIDに対応付けて、上記受信したユーザ情報を情報格納部22のユーザDB221等に登録させる(ステップS103)。
また、制御部21は、サービス申込情報の内容に基づいて、申込まれたサービスについて利用可能な旨の情報をサービス利用可否情報としてユーザDB221に登録する。
なお、申込まれたサービスについて利用可能な旨の情報は、サービスの提供を行う事業者による審査を経た後に登録されるようにしてもよい。
【0101】
次に、管理サーバ20の通信部23は、上記情報格納部22に登録したユーザ情報を収納装置10へ送信する(ステップS104)。
本実施の形態では、管理サーバ20は、自サーバがユーザ端末30から受信したユーザ情報のうち、ユーザの氏名と、部屋番号情報と、その他ユーザの個人情報を収納装置10へ送信する。
【0102】
収納装置10の通信部13は、上記ユーザ情報を管理サーバ20から受信すると、制御部11は、その受信したユーザ情報のユーザに対し、固有のユーザIDを発行し、その発行したユーザIDに対応付けて、当該受信したユーザ情報を情報格納部12のユーザDB121に登録させる(ステップS105)。
【0103】
このように、ユーザが入力したユーザ情報は、最終的に収納装置10に登録される。
以上で、ユーザ情報の登録動作を終了する。
【0104】
〔2〕配送物の入庫時の決済動作
図21,22,23は、本発明の第1の実施の形態において、物品を収納装置10に入庫するときの物品収納決済システムによる決済動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、当該物品収納決済システムによる決済動作について、ユーザが相手方に配送を希望する配送物を収納装置10に入庫する場合の例を用いて説明する。
【0105】
まず、ユーザは、配送業者に対して配送を依頼する配送物を持って収納装置10が設置される集合住宅のエントランス等を訪れる。
収納装置10の表示部14には、サービスの利用選択画面が表示されている。
図24は、その収納装置10が提供するサービスの利用選択画面の一例を示す図である。
図の例では、サービスの利用選択画面では、収納装置10を用いたサービスの種類として、「配送依頼」、「配送物受取り」、「クリーニング依頼」、「クリーニング受取り」、「備品のレンタル又はシェアリング」、「備品の返却」の項目が表示されている。
ユーザは、上記複数のサービスの種類の項目から、利用を希望するサービスを選択する。
【0106】
ここで、ユーザは、情報入力部15を操作して「配送依頼」を選択して、配送物の配送のために配送物の入庫を希望する旨の利用選択情報を入力する(ステップS201)。
【0107】
また、ユーザは、情報入力部15を操作して、上記利用選択情報として、利用するサービスの条件を入力するようにしてもよい。
上記サービスの条件とは、ユーザが利用する各サービスの内容をさらに細分化したものであって、例えば利用するサービスが「配送依頼」である場合、配送物のサイズ・重量や配送先等の情報である。
サービスが「クリーニング」である場合、サービスの条件はクリーニングの対象となる衣類の種類やクリーニング方法等の情報である。
サービスが「備品のレンタル又はシェアリング」である場合、サービスの条件は備品の種類、レンタル/シェアリングの期間等の情報である。
【0108】
収納装置10の制御部11は、上記利用選択情報が入力されると、ユーザのサービス認証情報の入力を促すことを示す画面情報を表示部14に表示させる。
また、制御部11は、サービスDB124を参照し、上記入力された利用選択情報の内容に基づいて、ユーザが選択したサービスの料金情報をサービスDB124から抽出する。
【0109】
当該表示部14が表示する画面情報には、上記選択したサービスの名前(本例では「配送の依頼」)と、上記のとおり抽出したサービスの料金情報(例えば、1,200円)が表示される。
ユーザは、この画面情報の表示に応じて、情報入力部15を用いて、自身のサービス認証情報を入力する(ステップS202)。
【0110】
上記サービス認証情報の入力方法は、例えば、情報入力部15が、ユーザが保有するICカード等の情報記録媒体との間で近距離無線通信を行い、情報記録媒体に書き込まれているサービス認証情報及びユーザIDを読み取ることにより行われる。
また、ユーザ端末30が上記情報記録媒体の機能を有してもよい。この場合、情報格納部32はサービス認証情報及びユーザIDを格納しており、通信部33はその格納されているサービス認証情報及びユーザIDを近距離無線通信等で収納装置10の情報入力部15へ送信することにより、収納装置10によるサービス認証情報等の入力が行われる。
この他、ユーザは、情報入力部15に設けられているキーやボタン等を操作して、サービス認証情報及びユーザIDを入力するようにしてもよい。
【0111】
制御部11は、ユーザのサービス認証情報及びユーザIDが入力されると、通信部13に、当該入力されたサービス認証情報及びユーザIDと、上記入力された利用選択情報を管理サーバ20へ送信させる(ステップS203)。
【0112】
管理サーバ20の通信部23は、上記サービス認証情報及びユーザIDと、利用選択情報を収納装置10から受信すると、制御部21は、ユーザDB221を参照し、ユーザDB221に格納されているサービス認証情報及びユーザIDと、当該受信したサービス認証情報及びユーザIDとを照合して認証を行うとともに、上記利用選択情報において当該ユーザが利用を希望しているサービスがサービス利用可否情報に利用可能に登録されているか否かを判断する(ステップS204)。
【0113】
次に、制御部21は、通信部23に、上記判断結果の情報を収納装置10へ送信させる(ステップS205)。
【0114】
収納装置10の通信部13は、上記判断結果の情報を管理サーバ20から受信すると、制御部11は、その判断結果情報の内容に基づいて、上記サービス認証情報による認証が成功したか否か、及びユーザが利用を希望するサービスが許可されているか否かを判断する(ステップS206)。
【0115】
ここで、制御部11は、認証が失敗したか、又はユーザが利用を希望しているサービスの利用が許可されていないと判断した場合には(ステップS206/No)、収納装置10の収納ボックスの解錠動作を実行せず、当該ユーザによる配送物の入庫を拒否し、そのまま物品の入庫動作を終了する。
【0116】
一方、制御部11は、認証が成功し、かつユーザが利用を希望しているサービスの利用が許可されていると判断した場合には(ステップS206/Yes)、ユーザに配送依頼のために配送物を入庫する資格があると認識し、決済コード情報の入力を促すメッセージ情報を表示部14に表示させる。
【0117】
次に、ユーザは、決済コード情報の生成のために、ユーザ端末30の情報入力部35を操作して、サービス料金の決済処理を行う決済機関を指定する(ステップS207)。
情報入力部35はその指定された決済機関を示す決済機関指定情報を制御部31へ出力する。
【0118】
制御部31は、上記決済機関指定情報が入力されると、当該入力された決済機関指定情報に含まれている、該当する決済機関の決済機関IDを抽出し、決済機関DB324を参照し、当該決済機関DB324において上記抽出した決済機関IDに対応付けられて格納されている、その指定された決済機関におけるユーザのIDである決済機関ユーザIDと、決済機関による料金の支払いの実行の認証を行うための決済認証情報とを抽出する(ステップS208)。
また、制御部31は、予め情報格納部32に格納されている、当該ユーザのユーザIDを抽出する。
なお、本実施の形態では、ユーザは、サービス料金の決済を行う決済機関の指定のみを行ったが、当該決済機関の指定とともに、上記決済機関ユーザID及び決済認証情報のうちの全部又は一部を情報入力部35を用いて入力するようにしてもよい。
【0119】
制御部31は、上記入力又は抽出されたユーザID、決済機関ID、決済機関ユーザID及び決済認証情報に基づいて、例えば2次元バーコード等の決済コード情報を生成する(ステップS209)。
ここで生成される決済コード情報には、ユーザのユーザIDと、上記決済機関IDと、上記決済機関ユーザIDと、上記決済認証情報等が含まれており、収納装置10が決済コード情報を読み取ったとき、これらの各情報を決済コード情報から抽出することが可能になっている。
【0120】
制御部31は、生成した決済コード情報を表示部34に表示させる(ステップS210)。
図25は、本発明の第1の実施の形態における決済コード情報の一例を示す図である。
図の例では、決済コード情報として、2次元バーコードが表示されている。
【0121】
ユーザは、上記のように表示部34上に表示させた決済コード情報を、収納装置10の情報入力部15にかざす等すると、情報入力部15は、コードリーダ機能を用いて、上記決済コード情報を読み取る(ステップS211)。
情報入力部15は、読み取った決済コード情報を制御部11へ出力する。
制御部11は、上記入力した決済コード情報を一般的なCPUが処理可能なデジタルデータに変換する。
【0122】
制御部11は、サービスDB124を参照し、ユーザが利用を希望しているサービスの料金の額を含む料金情報を抽出し、当該抽出した料金情報と、上記変換された決済コード情報とを、通信部13に、管理サーバ20へ送信させる(ステップS212)。
【0123】
管理サーバ20の通信部23が上記決済コード情報及び料金情報を収納装置10から受信すると、制御部21は、決済機関DB224を参照し、当該受信した決済コード情報に含まれる決済機関IDに基づいて、ユーザが料金の支払を行う決済機関を特定して、当該特定した決済機関の決済サーバ40のアドレス情報を抽出し、通信部23に、その決済機関の決済サーバ40へ上記変換された決済コード情報及び料金情報を送信させる(ステップS213)。
【0124】
決済サーバ40の通信部43が上記変換された決済コード情報及び料金情報を管理サーバ20から受信すると、制御部41は、ユーザDB421を参照し、その受信した決済コード情報に含まれる決済機関ユーザID及び決済認証情報に基づいて当該ユーザの認証を行う(ステップS214)。
例えば、制御部41は、ユーザDB421において、受信した決済機関ユーザID及び決済認証情報が互いに対応付けられて格納されていれば認証成功と判断し、互いに対応付けられて格納されていなければ認証失敗と判断する。
また、制御部41は、上記認証が成功した場合であっても、アカウントDB422を参照した結果、ユーザが上記受信した料金情報に示される額の支払いが残高不足のため不可能であると判断した場合も認証失敗と判断する。
【0125】
次に、制御部41は、通信部42に、上記認証結果を管理サーバ20へ送信させる(ステップS215)。
【0126】
管理サーバ20の通信部23が上記認証結果の情報を決済サーバ40から受信すると、制御部21は、通信部23に、当該受信した認証結果の情報を収納装置10へ送信させる(ステップS216)。
【0127】
収納装置10の通信部13が上記認証結果の情報を管理サーバ20から受信すると、制御部11は、その認証結果の内容が認証成功であったか否かを判断する(ステップS217)。
【0128】
制御部11は、上記認証結果が認証失敗と判断した場合には(ステップS217/No)、ユーザによる物品の入庫のために収納ボックスを解錠することなく、そのまま動作を終了する。
【0129】
一方、制御部11は、上記認証結果が認証成功と判断した場合には(ステップS217/Yes)、入庫する配送物の種類やサイズ(要冷蔵、S,M,L等)の選択画面情報を表示部14に表示させる。
【0130】
ユーザは、情報入力部15を操作して、上記配送物の種類やサイズを入力する。
【0131】
制御部11は、配送物の種類が入力されると、使用状況DB122を参照して、上記入力された配送物の種類やサイズに適合し、使用状況のステータスが「未使用」となっている収納ボックスがあるか否かを判断する(ステップS218)。
ここで、制御部11は、上記入力された配送物の種類やサイズに適合し、使用状況のステータスが「未使用」となっている収納ボックスがないと判断した場合には(ステップS218/No)、動作を終了する。
また、このとき、制御部11は配送物の種類やサイズの再選択を促す画面情報を表示部14に表示させるようにしてもよい。
【0132】
一方、制御部11は、上記入力された配送物の種類やサイズに適合し、使用状況のステータスが「未使用」となっている収納ボックスがあると判断した場合には(ステップS218/Yes)、使用状況のステータスが「未使用」となっている収納ボックスの情報を抽出し、表示部14にその入庫可能な未使用の収納ボックスが示された収納ボックスの使用状況の画面情報を表示させる(ステップS219)。
【0133】
ユーザは、情報入力部15を操作して、表示部14に表示された未使用の収納ボックスから、入庫する収納ボックスを選択すると(ステップS220/Yes)、情報入力部15は、その選択された収納ボックスを特定する信号を制御部11へ出力する。
制御部11は、上記選択された収納ボックスを特定する信号が入力されると、その選択された収納ボックスの解錠信号を当該収納ボックスの施解錠部134へ出力し、当該施解錠部134は当該収納ボックスを解錠する(ステップS221)。
【0134】
ユーザは、その解錠された収納ボックスを開扉して当該収納ボックスに物品を入庫して閉扉するか、又は当該解錠した収納ボックスへの入庫をやめて閉扉する。
ここで、収納ボックスに物品が入庫された場合、物品検知部135は、当該物品の入庫を検知し、その旨を示す物品検知信号を制御部11へ出力する。
【0135】
制御部11は、上記物品検知信号を物品検知部135から入力されたか否かを判断する(ステップS222)。
制御部11は、物品検知部135から物品検知信号が入力されず、収納ボックスに物品が収納されなかったと判断すると(ステップS222/No)、当該収納ボックスを施錠するための施錠信号を施解錠部134へ出力する。
施解錠部134は、上記施錠信号を制御部11から入力されると、当該収納ボックスについて再度施錠し、動作を終了する。
【0136】
一方、制御部11は、物品検知部135から物品検知信号が入力されたと判断した場合には(ステップS222/Yes)、空きの収納ボックスに物品が入庫されたと判断し、当該収納ボックスを施錠するための施錠信号を施解錠部134へ出力する。
施解錠部134は、上記施錠信号を制御部11から入力されると、当該収納ボックスについて再度施錠し、当該物品が入庫された収納ボックスへのさらなる入庫を規制する。
【0137】
また、制御部11は、使用状況DB122及び利用履歴DB123に、上記物品の入庫に関する情報を書き込む(ステップS223)。
例えば、制御部11は、使用状況DB122においては、入庫された収納ボックスのボックス識別情報に対応付けられている使用状況のステータスを「未使用」から「収納中」に書き換えるとともに、上記入力されたユーザIDを当該ボックス識別情報に対応付けて登録する。
制御部11は、利用履歴DB123においては、上記物品の入庫履歴を示す履歴情報も利用履歴DB123に登録する。
ここで、登録される履歴情報は、利用の内容である「入庫」と、物品が入庫された収納ボックスのボックス識別情報と、入庫の際にユーザが入力したユーザIDとを含む。履歴情報には、この他、例えば、入庫時期(物品入庫後に閉扉した時期/使用時期)等を含むようにしてもよい。
【0138】
上記認証が成功した場合には、決済サーバ40の制御部41は、決済処理を実行する(ステップS224)。
この決済処理において、制御部41は、アカウントDB422において、上記決済コード情報に含まれている決済機関ユーザIDに対応付けられているアカウント情報を上記決済処理の内容に基づいて書き換える。
例えば、決済機関が銀行等の金融機関の場合は、上記アカウント情報はユーザの口座情報であり、制御部41は、アカウントDB422において、口座からのサービス料金の引き落としの履歴を書き込むとともに、サービス料金分、残高の額を減らす。
また、決済機関がクレジットカード会社の場合は、上記アカウント情報はユーザの利用限度額等であり、制御部41は、アカウントDB422において、サービス料金の決済の履歴を書き込むとともに、サービス料金分、残りの利用限度額を減らす。
また、決済機関が電子マネーを取り扱う電子マネーの管理会社等の場合は、上記アカウント情報はユーザの電子マネーの口座情報であり、制御部41は、アカウントDB422において、口座からの電子マネーの引き落としの履歴を書き込むとともに、サービス料金分、電子マネーの残高の額を減らす。
【0139】
次に、制御部41は、通信部43に、上記サービスの料金の支払いについての決済情報をユーザ端末30へ送信させる(ステップS225)。
【0140】
ユーザ端末30の通信部33が上記決済情報を決済サーバ40から受信すると、制御部31は、その受信した決済情報を表示部34に表示させる(ステップS226)。
【0141】
図26は、その表示される決済情報の一例を示す図である。
図に示す例では、決済情報として、ユーザが収納装置10を用いて利用するサービスの内容「配送物の配送依頼」と、サービス料金の額「1,200円」と、口座や利用限度額等の残高情報と、決済処理を行った(行う)決済機関「○○信販会社」とが示されている。
【0142】
ユーザは、表示部34に表示された決済情報を見て、収納装置10を用いたサービスの利用のための料金の決済が行われたことを確認することができる。
【0143】
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、ユーザは、収納装置10に対する物品の入庫を伴うサービスを利用するとき、現金を支払ったり、クレジットカードを提示したりすることなく、自身のユーザ端末30に決済コード情報を表示させ、収納装置10に読み取らせるだけで、簡単に決済を行うことが可能となる。
【0144】
〔3〕配送物の受取時の決済動作
以上、ユーザによる収納装置10に対する物品の入庫を伴うサービス利用時の決済動作について説明したが、ユーザによる収納装置10に対する物品の取出しを伴うサービス利用時の決済動作も以下のように同様に行われる。
【0145】
収納装置10の制御部11は、ユーザ宛の配送物が収納ボックスに入庫されると、その入庫が行われた配送物の受取を促す着荷通知を生成し、通信部13に、ユーザ端末30への送信を実行させる。
【0146】
ユーザ端末30の通信部33が上記着荷通知を収納装置10から受信すると、制御部31はその着荷通知を表示部34上に表示させる。
着荷通知には、ユーザ宛の配送物が収納装置10に入庫されたことと、入庫時期と、収納している収納装置10の設置場所と、配送物の受取に必要な料金の額とが含まれる。
ユーザは、その着荷通知に示されている自身宛の物品が収納されている収納装置10が設置される集合住宅のエントランスを訪れる。
【0147】
収納装置10の表示部14には、サービスの利用選択画面が表示されている。
ここで、ユーザは、情報入力部15を操作して「配送物の受取」を選択して、自身宛の配送物の受取を希望する旨の利用選択情報を入力する。
これ以降は、物品の入庫時と同様であるので説明を省略する。
【0148】
〔4〕クリーニングサービス利用時の決済動作
上述の第1の実施の形態では、ユーザが配送物の入庫又は受取りサービスを利用するときの決済動作について説明した。
以下のとおり、例えば集合住宅の居住者等であるユーザは、衣類等のクリーニングサービスを利用するときにも、配送物の配送依頼又は受取りの場合と同様に、決済コード情報を用いた決済サービスを利用することができる。
以下、特記しない限り、クリーニングサービスをユーザが利用するときの決済動作について、配送物の配送依頼又は受取りと同様であるとして説明を進める。
【0149】
クリーニング依頼サービスの内容は、以下のとおりである。
ユーザは認証を行って、未クリーニングのクリーニング品を収納装置10に預け入れる。
クリーニング事業者は、定期的に又はユーザ-からの連絡により収納装置10の設置場所を訪れ、収納装置10に収納されているクリーニング品を取り出して回収する。クリーニング事業者は、回収したクリーニング品をクリーニングし、再度収納装置10の設置場所を訪れ、クリーニングの完了したクリーニング品を収納装置10に入庫する。
ユーザは、ユーザ端末30を用いて、クリーニング済みのクリーニング品が収納装置10に入庫された旨の着荷通知を受信すると、収納装置10の設置場所に赴き、認証を行って、自身が依頼したクリーニング品を収納装置10から取り出す。
【0150】
ユーザは、未クリーニングのクリーニング品を収納装置10に入庫するとき、配送物を入庫するときと同様に、決済コード情報をユーザ端末30の表示部34に表示させてクリーニング料金の決済を要求することができる。
また、ユーザは、クリーニング済みのクリーニング品を収納装置10から取り出すとき、配送物を取出すときと同様に、決済コード情報をユーザ端末30の表示部34に表示させてクリーニング料金の決済を要求することができる。
【0151】
以上のとおり、ユーザは、収納装置10を用いたクリーニングサービスを利用するときにも、配送物の依頼又は受取りサービスの場合と同様に、現金を支払ったり、クレジットカードを提示したりすることなく、自身のユーザ端末30に決済コード情報を表示させ、収納装置10に読み取らせるだけで、簡単に決済を行うことが可能となる。
【0152】
〔5〕備品のレンタル又はシェアリングサービス利用時の決済動作
上述の第1の実施の形態では、ユーザが配送物の入庫又は受取りサービスを利用するときの決済動作について説明した。
以下のとおり、例えば集合住宅の居住者等であるユーザは、集合住宅の共用部である会議室の鍵、シェアカー・シェアサイクルの鍵、空気入れ、又は移動用カート等の各種備品のレンタル又はシェアリングサービスを利用するときにも、配送物の配送依頼又は受取りの場合と同様に、決済コード情報を用いた決済サービスを利用することができる。
以下、特記しない限り、備品のレンタル又はシェアリングサービスをユーザが利用するときの決済動作について、配送物の配送依頼又は受取りと同様であるとして説明を進める。
【0153】
備品のレンタル又はシェアリングサービスの内容は、以下のとおりである。
ユーザは、収納装置10の設置場所を訪れ、認証を行って、収納装置10に収納されている備品をレンタル又はシェアするために取り出す。
ユーザは、その備品を使用した後、再度収納装置10の設置場所を訪れ、認証を行って、レンタル又はシェアした備品を収納装置10に入庫して返却する。
【0154】
ユーザは、備品をレンタル又はシェアするために収納装置10から取り出すとき、配送物を取出すときと同様に、決済コード情報をユーザ端末30の表示部34に表示させて備品のレンタル又はシェアリング料金の決済を要求することができる。
また、ユーザは、レンタル又はシェアした備品を収納装置10に入庫して返却するとき、配送物を入庫するときと同様に、決済コード情報をユーザ端末30の表示部34に表示させて備品のレンタル又はシェアリング料金の決済を要求することができる。
【0155】
以上のとおり、ユーザは、収納装置10を用いた備品のレンタル又はシェアリングサービスを利用するときにも、配送物の依頼又は受取りサービスの場合と同様に、現金を支払ったり、クレジットカードを提示したりすることなく、自身のユーザ端末30に決済コード情報を表示させ、収納装置10に読み取らせるだけで、簡単に決済を行うことが可能となる。
【0156】
〔6〕物品の一時保管サービス利用時の決済動作
上述の第1の実施の形態では、ユーザが配送物の入庫又は受取りサービスを利用するときの決済動作について説明した。
以下のとおり、一般的なコインロッカーと同様に、ユーザは例えば公共施設や商業施設等に設置された収納装置10に、任意の期間、自身の持ち物を預けて保管する物品の一時保管サービスを利用するときにも、配送物の配送依頼又は受取りの場合と同様に、決済コード情報を用いた決済サービスを利用することができる。
以下、特記しない限り、物品の一時保管サービスをユーザが利用するときの決済動作について、配送物の配送依頼又は受取りと同様であるとして説明を進める。
【0157】
物品の一時保管サービスの内容は、以下のとおりである。
ユーザは、収納装置10の設置場所を訪れ、自分の持ち物を収納装置10に入庫して、一時預け入れる。
このとき、ユーザは認証を行ってもよいし、通常のコインロッカーのように行わなくてもよい。認証を行わない場合は、通常のコインロッカーと同様に、収納装置10の収納ボックスから鍵を引き抜き、持ち物を取り出すまで自分で鍵を保管する。
その後、ユーザは、再度収納装置10の設置場所を訪れ、収納装置10から預け入れていた自分の物品を取り出す。
【0158】
ユーザは、自分の持ち物を収納装置10に一時預け入れるために入庫するとき、配送物を入庫するときと同様に、決済コード情報をユーザ端末30の表示部34に表示させて物品の一時保管料金の決済を要求することができる。
また、ユーザは、一時保管されていた自分の持ち物を収納装置10から取り出すとき、配送物を取出すときと同様に、決済コード情報をユーザ端末30の表示部34に表示させて物品の一時保管料金の決済を要求することができる。
【0159】
以上のとおり、ユーザは、収納装置10を用いた物品の一時保管サービスを利用するときにも、配送物の依頼又は受取りサービスの場合と同様に、現金を支払ったり、クレジットカードを提示したりすることなく、自身のユーザ端末30に決済コード情報を表示させ、収納装置10に読み取らせるだけで、簡単に決済を行うことが可能となる。
【0160】
(第1の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、ユーザが収納装置10への物品の入庫又は収納装置10からの物品の取出しに関するサービスを利用するとき、ユーザ端末30はユーザの口座情報等を含む決済コード情報を生成し、収納装置10はその決済コード情報を読み取って決済サーバ40へ送信し、決済サーバ40はその決済コード情報に基づいて決済処理を行うので、ユーザは、サービス料金の支払のために現金やクレジットカードを用意することなく、簡単に決済を行うことが可能となる。
【0161】
<第2の実施の形態>
(第2の実施の形態の概要)
本発明の第1の実施の形態では、ユーザは、ユーザが収納装置10への物品の入庫又は収納装置10からの物品の取出しに関するサービスを利用するとき、ユーザ端末30を用いて決済コード情報を表示させ、収納装置10がその表示された決済コード情報を読み取って、決済サーバ40へ送信することにより、決済サーバ40が決済処理を行っていた。
【0162】
これに対し、本発明の第2の実施の形態では、ユーザは、ユーザが収納装置10への物品の入庫又は収納装置10からの物品の取出しに関するサービスを利用するとき、収納装置10の情報入力部15を操作して、表示部14上に決済コード情報を表示させる。
そして、ユーザは、ユーザ端末30を用いて、収納装置10に表示させた決済コード情報を読み取って、決済サーバ40へ送信することにより、決済サーバ40が決済処理を行うものである。
以下、特記しない限り、本実施の形態における物品収納決済システムの構成及び動作は、第1の実施の形態と同様であるとして説明を進める。
【0163】
(第2の実施の形態の構成)
本実施の形態では、収納装置10の制御部11は、ユーザの希望するサービスの内容に応じて、2次元バーコード等の決済コード情報を生成し、表示部14に表示させる。
ユーザ端末30の情報入力部35は、2次元バーコード等のコード情報の読取機能(コードリーダの機能)を備えており、表示部14に表示された決済コード情報を読み取る。
【0164】
図27は、本発明の第2の実施の形態におけるユーザ端末30の情報格納部32が格納するデータベースを示す図である。
図に示すように、本発明の第2の実施の形態では、ユーザ端末30の情報格納部32は、ユーザが利用するサービスの料金の決済を行う決済機関の情報を管理する決済機関DB324を格納する。
決済機関DB324は、ユーザが事前に登録し、利用可能な決済機関の情報を管理する。
【0165】
図28は、本発明の第2の実施の形態における決済機関DB324のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、ユーザ端末30が格納する決済機関DB324は、各決済機関の名称と、決済機関においてユーザ端末30のユーザを識別する決済機関ユーザIDと、ユーザがその決済機関を利用する際の認証に用いられる決済認証情報と、その決済機関の決済サーバ40のアドレス情報とを、それぞれ決済機関を識別する決済機関IDに対応付けて管理している。
【0166】
本実施の形態において、ユーザは、収納装置10を利用したサービスの料金の決済を行う際、ユーザ端末30を用いて、決済を行う決済機関を選択する。ユーザ端末30は、決済機関が選択されると、上記決済機関DB324を参照して当該選択された決済機関の情報を抽出し、当該抽出した決済機関の情報に基づいて当該決済機関の決済サーバ40に決済を要求する。
【0167】
(第2の実施の形態の動作)
〔1〕配送物の入庫時の決済動作
図29,30,31は、本発明の第2の実施の形態において、物品を収納装置10に入庫するときの物品収納決済システムによる決済動作の流れを示すフローチャートである。
以下、本図に沿って、当該物品収納決済システムによる決済動作について、ユーザが相手方に配送を希望する配送物を収納装置10に入庫する場合の例を用いて説明する。
【0168】
まず、ユーザは、配送業者に対して配送を依頼する配送物を持って収納装置10が設置される集合住宅のエントランス等を訪れる。
収納装置10の表示部14には、
図24に示すように、サービスの利用選択画面が表示されている。
ここで、ユーザは、情報入力部15を操作して利用するサービスとして「配送の依頼」を選択して、配送物の配送のために配送物の入庫を希望する旨の利用選択情報を入力する(ステップS601)。
この利用選択情報には、サービスを特定するサービスIDが含まれる。
【0169】
また、ユーザは、情報入力部15を操作して、上記利用選択情報として、利用するサービスの条件を入力するようにしてもよい。
【0170】
収納装置10の制御部11は、上記利用選択情報が入力されると、ユーザのサービス認証情報の入力を促すことを示す画面情報を表示部14に表示させる。
また、制御部11は、サービスDB124を参照し、上記入力された利用選択情報の内容に基づいて、ユーザが選択したサービスの料金情報をサービスDB124から抽出する。
当該表示部14が表示する画面情報には、上記選択したサービスの名前(本例では「配送依頼」)と、上記のとおり抽出したサービスの料金情報(例えば、1,200円)が表示される。
ユーザは、この画面情報の表示に応じて、情報入力部15を用いて、自身のサービス認証情報及びユーザIDを入力する(ステップS602)。
【0171】
制御部11は、ユーザのサービス認証情報及びユーザIDが入力されると、通信部13に、当該入力されたサービス認証情報及びユーザIDと、上記入力された利用選択情報とを管理サーバ20へ送信させる(ステップS603)。
【0172】
管理サーバ20の通信部23は、上記サービス認証情報及びユーザIDと、利用選択情報を収納装置10から受信すると、制御部21は、ユーザDB221を参照し、ユーザDB221に格納されているサービス認証情報及びユーザIDと、当該受信したサービス認証情報及びユーザIDとを照合して認証を行うとともに、上記利用選択情報において当該ユーザが利用を希望しているサービスがサービス利用可否情報に利用可能に登録されているか否かを判断する(ステップS604)。
【0173】
次に、制御部21は、通信部23に、上記判断結果の情報を収納装置10へ送信させる(ステップS605)。
【0174】
収納装置10の通信部13は、上記判断結果の情報を管理サーバ20から受信すると、制御部11は、その判断結果情報の内容に基づいて、上記サービス認証情報による認証が成功したか否か、及びユーザが利用を希望するサービスが許可されているか否かを判断する(ステップS606)。
【0175】
ここで、制御部11は、認証が失敗したか、又はユーザが利用を希望しているサービスの利用が許可されていないと判断した場合には(ステップS606/No)、収納装置10の収納ボックスの解錠動作を実行せず、当該ユーザによる配送物の入庫を拒否し、そのまま物品の入庫動作を終了する。
【0176】
一方、制御部11は、認証が成功し、かつユーザが利用を希望しているサービスの利用が許可されていると判断した場合には(ステップS606/Yes)、ユーザに配送依頼のために配送物を入庫する資格があると認識し、サービスDB124を参照し、上記利用選択情報に含まれるサービスIDに対応付けられているサービスに関するサービス情報をサービスDB124から抽出する。
ここで、制御部11が抽出するサービス情報は、例えば、サービスの名称と、サービスの料金の額を示す料金情報とを含む。
また、制御部11は、予め情報格納部12に格納されている、自装置(収納装置10)を識別する収納装置IDも読み込む。
【0177】
次に、制御部11は、上記サービスIDと、サービスの名称と、サービスの料金と、収納装置IDとに基づいて、例えば2次元バーコード等の決済コード情報を生成する(ステップS607)。
この生成された決済コード情報には、上記サービスIDと、サービスの名称と、サービスの料金と、収納装置ID等が含まれており、ユーザ端末30が決済コード情報を読み取ったとき、これらの各情報を決済コード情報から抽出することが可能になっている。
【0178】
制御部11は、生成した決済コード情報を表示部14に表示させる(ステップS608)。
【0179】
ユーザは、ユーザ端末30の情報入力部35を操作して、情報入力部35に備えられているコードリーダ機能を起動させ、上記のように表示部14上に表示された決済コード情報を読み取る(ステップS609)。
情報入力部35は、読み取った決済コード情報を制御部31へ出力する。
制御部31は、上記入力した決済コード情報を一般的なCPUが処理可能なデジタルデータに変換する。
【0180】
次に、ユーザは、サービス料金の決済のために、ユーザ端末30の情報入力部35を操作して、サービス料金の決済処理を行う決済機関を指定する(ステップS610)。
情報入力部35はその指定された決済機関を示す決済機関指定情報を制御部31へ出力する。
【0181】
制御部31は、上記決済機関指定情報が入力されると、当該入力された決済機関指定情報に含まれている、該当する決済機関の決済機関IDを抽出し、決済機関DB324を参照し、当該決済機関DB324において上記抽出した決済機関IDに対応付けられて格納されている決済機関情報を抽出する(ステップS611)。
ここで抽出される決済機関情報は、上記選択した決済機関におけるユーザのIDである決済機関ユーザIDと、決済機関による料金の支払いの実行の認証を行うための決済認証情報と、当該決済機関の決済サーバ40のアドレス情報とを含む。
なお、本実施の形態では、ユーザは、サービス料金の決済を行う決済機関の指定のみを行ったが、当該決済機関の指定とともに、上記決済機関ユーザID、決済認証情報及び決済サーバ40のアドレス情報のうちの全部又は一部を情報入力部35を用いて入力するようにしてもよい。
【0182】
次に、制御部31は、上記変換した決済コード情報及び決済機関情報を、通信部33に、その決済機関情報に含まれるアドレス情報の決済サーバ40へ送信させる(ステップS612)。
【0183】
決済サーバ40の通信部43が上記変換された決済コード情報及び決済機関情報をユーザ端末30から受信すると、制御部41は、ユーザDB421を参照し、その受信した決済機関情報に含まれる決済機関ユーザID及び決済認証情報に基づいて当該ユーザの認証を行う(ステップS613)。
例えば、制御部41は、ユーザDB421において、受信した決済機関ユーザID及び決済認証情報が互いに対応付けられて格納されていれば認証成功と判断し、互いに対応付けられて格納されていなければ認証失敗と判断する。
また、制御部41は、上記認証が成功した場合であっても、アカウントDB422を参照した結果、ユーザが上記受信した料金情報に示される額の支払いが不可能であると判断した場合も認証失敗と判断する。
【0184】
これ以降の動作(ステップS614~S625)については、第1の実施の形態における動作(ステップS215~S226)と同様であるので、その説明を省略する。
【0185】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、ユーザは、収納装置10に対する物品の入庫を伴うサービスを利用するとき、現金を支払ったり、クレジットカードを提示したりすることなく、収納装置10に決済コード情報を表示させてユーザ端末30を用いて読み取ることにより、簡単に決済を行うことが可能となる。
【0186】
〔3〕配送物の受取時の決済動作
以上、ユーザによる収納装置10に対する物品の入庫を伴うサービス利用時の決済動作について説明したが、ユーザによる収納装置10に対する物品の取出しを伴うサービス利用時の決済動作も同様に、収納装置10に決済コード情報を表示させ、自身のユーザ端末30に読み取らせて行われる。
【0187】
ユーザは、収納装置10の情報入力部15を操作して、表示部14上に表示されているサービスの利用選択画面において、「配送物の受取」を選択して、自身宛の配送物の受取を希望する旨の利用選択情報を入力する。
これ以降は、物品の入庫時と同様であるので説明を省略する。
【0188】
〔4〕クリーニングサービス利用時の決済動作
第1の実施の形態では、ユーザが未クリーニングのクリーニング品を収納装置10に入庫時に、またはクリーニング済みのクリーニング品を収納装置10から取出時に、自身のユーザ端末30に決済コード情報を表示させ、その決済コード情報を収納装置10に読み取らせることにより、決済処理を行っていた。
これに対し、第2の実施の形態では、ユーザは、未クリーニングのクリーニング品を収納装置10に入庫するとき、本実施の形態において配送物を入庫するときと同様に、決済コード情報を収納装置10の表示部14に表示させ、これをユーザ端末30で読み取ってクリーニング料金の決済を要求することができる。
また、ユーザは、クリーニング済みのクリーニング品を収納装置10から取り出すとき、本実施の形態において配送物を取出すときと同様に、決済コード情報を収納装置10の表示部14に表示させ、これをユーザ端末30で読み取ってクリーニング料金の決済を要求することができる。
【0189】
以上のとおり、ユーザは、収納装置10を用いたクリーニングサービスを利用するときにも、配送物の依頼又は受取りサービスの場合と同様に、現金を支払ったり、クレジットカードを提示したりすることなく、収納装置10に決済コード情報を表示させ、自身のユーザ端末30に読み取らせるだけで、簡単に決済を行うことが可能となる。
【0190】
〔5〕備品のレンタル又はシェアリングサービス利用時の決済動作
第1の実施の形態では、備品をレンタル又はシェアするために収納装置10から取り出すとき、又は、ユーザは、レンタル又はシェアした備品を収納装置10に入庫して返却するとき、自身のユーザ端末30に決済コード情報を表示させ、その決済コード情報を収納装置10に読み取らせることにより、決済処理を行っていた。
これに対し、第2の実施の形態では、ユーザは、備品をレンタル又はシェアするために収納装置10から取り出すとき、本実施の形態において配送物を取出すときと同様に、決済コード情報を収納装置10の表示部14に表示させ、これをユーザ端末30で読み取って備品のレンタル又はシェアリング料金の決済を要求することができる。
また、ユーザは、レンタル又はシェアした備品を収納装置10に入庫して返却するとき、本実施の形態において配送物を入庫するときと同様に、決済コード情報を収納装置10の表示部14に表示させ、これをユーザ端末30で読み取って備品のレンタル又はシェアリング料金の決済を要求することができる。
【0191】
以上のとおり、ユーザは、収納装置10を用いた備品のレンタル又はシェアリングサービスを利用するときにも、配送物の依頼又は受取りサービスの場合と同様に、現金を支払ったり、クレジットカードを提示したりすることなく、収納装置10に決済コード情報を表示させ、自身のユーザ端末30に読み取らせるだけで、簡単に決済を行うことが可能となる。
【0192】
〔6〕物品の一時保管サービス利用時の決済動作
第1の実施の形態では、自分の持ち物を収納装置10に一時預け入れるために入庫するとき、又は、一時保管されていた自分の持ち物を収納装置10から取り出すとき、
自身のユーザ端末30に決済コード情報を表示させ、その決済コード情報を収納装置10に読み取らせることにより、決済処理を行っていた。
これに対し、第2の実施の形態では、自分の持ち物を収納装置10に一時預け入れるために入庫するとき、本実施の形態において配送物を入庫するときと同様に、決済コード情報を収納装置10の表示部14に表示させ、これをユーザ端末30で読み取って物品の一時保管料金の決済を要求することができる。
また、ユーザは、一時保管されていた自分の持ち物を収納装置10から取り出すとき、本実施の形態において配送物を取出すときと同様に、決済コード情報を収納装置10の表示部14に表示させ、これをユーザ端末30で読み取って物品の一時保管料金の決済を要求することができる。
【0193】
以上のとおり、ユーザは、収納装置10を用いた物品の一時保管サービスを利用するときにも、配送物の依頼又は受取りサービスの場合と同様に、現金を支払ったり、クレジットカードを提示したりすることなく、収納装置10に決済コード情報を表示させ、自身のユーザ端末30に読み取らせるだけで、簡単に決済を行うことが可能となる。
【0194】
(第2の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、ユーザが収納装置10への物品の入庫又は収納装置10からの物品の取出しに関するサービスを利用するとき、収納装置10は、サービスIDと、サービスの名称と、サービスの料金と、収納装置IDとを含む決済コード情報を生成し、ユーザ端末30はその決済コード情報を読み取って決済サーバ40へ送信し、決済サーバ40はその決済コード情報に基づいて決済処理を行うので、ユーザは、サービス料金の支払のために現金やクレジットカードを用意することなく、簡単に決済を行うことが可能となる。
【0195】
<実施の形態のまとめ>
以上説明したように、本発明の第1,第2の実施の形態によれば、ユーザが収納装置10への物品の入庫又は収納装置10からの物品の取出しに関するサービスを利用するとき、ユーザ端末30又は収納装置10の一方は決済に必要な情報を含む例えば2次元バーコードである決済コード情報を生成して表示し、他の一方がその表示された決済コード情報を読み取って決済サーバ40へ送信し、決済サーバ40はその決済コード情報に基づいて決済処理を行うので、ユーザは、サービス料金の支払のために現金やクレジットカードを用意することなく、簡単に決済を行うことが可能となる。
【0196】
上記の収納装置10、管理サーバ20、ユーザ端末30及び決済サーバ40は、主にCPUとメモリにロードされたプログラムによって実現される。ただし、それ以外の任意のハードウェアおよびソフトウェアの組合せによってこの装置またはサーバを構成することも可能であり、その設計自由度の高さは当業者には容易に理解されるところである。
また、上記の収納装置10、管理サーバ20、ユーザ端末30又は決済サーバ40をソフトウェアモジュール群として構成する場合、このプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録され、上記の記録媒体からロードされるようにしてもよいし、所定のネットワークを介して接続されている外部機器からロードされるようにしてもよい。
【0197】
なお、上記の実施の形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施の形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
例えば、上述の第1,第2の実施の形態では、管理サーバ20は、ユーザ情報の登録動作の際、ユーザの氏名、部屋番号情報及びその他ユーザの個人情報を含むユーザ情報を収納装置10へ送信し、収納装置10は、これらユーザ情報をユーザDB121に登録するものであった。そして、管理サーバ20が、サービスの利用可否の認証処理を実行していた。
この変形例として、管理サーバ20は、ユーザの氏名、部屋番号情報、サービス認証情報、サービス利用可否情報及びその他ユーザの個人情報を含むユーザ情報を収納装置10へ送信し、収納装置10は、これらユーザ情報をユーザDB121に登録するようにしてもよい。この場合、収納装置10は、管理サーバ20に代わって、サービスの利用可否の認証処理を実行するようにしてもよい。
【0198】
また、収納装置10の施解錠部134は機械式であってもよく、この場合には、自身に設けられている鍵穴に鍵が挿入・回転されたり、自身に設けられているダイヤルが解錠条件に合った状態に遷移すると、解錠を行い、扉が自由に開扉できる状態となり、ユーザ又は配送担当者は収納ボックスから物品を取り出したり、入庫したりできるようになる。
【符号の説明】
【0199】
10 収納装置
11,21,31,41 制御部
12,22,32,42 情報格納部
13,23,33,43 通信部
14,34 表示部
15,35 情報入力部
16 収納部
16a~16g 収納ボックス
20 管理装置
30 ユーザ端末
40 決済サーバ
100 ネットワーク
121,221,421 ユーザDB
122,222 使用状況DB
123,223 利用履歴DB
124 サービスDB
161 収納室
162 入庫取出口
163 扉
164 施解錠部
165 物品検知部
167 ヒンジ部
168 フック
169 フック穴
169c 開閉扉検知部
224,324 決済機関DB
422 アカウントDB