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特許7240860電気ヒーター内蔵保温浴槽及び電気ヒーター内蔵保温浴槽を搭載したユニットバス
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  • 特許-電気ヒーター内蔵保温浴槽及び電気ヒーター内蔵保温浴槽を搭載したユニットバス 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】電気ヒーター内蔵保温浴槽及び電気ヒーター内蔵保温浴槽を搭載したユニットバス
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/02 20060101AFI20230309BHJP
   A61H 33/02 20060101ALI20230309BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20230309BHJP
   A47K 4/00 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
A47K3/02
A61H33/02 D
A47K3/00 F
A47K4/00
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018220796
(22)【出願日】2018-11-27
(65)【公開番号】P2020081408
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】501120889
【氏名又は名称】宮崎 政安
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 政安
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-236818(JP,A)
【文献】実開昭62-130348(JP,U)
【文献】特開2010-214063(JP,A)
【文献】特開平07-222692(JP,A)
【文献】特開平10-286191(JP,A)
【文献】特開2017-198379(JP,A)
【文献】特開2016-151401(JP,A)
【文献】特開2006-181290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00-4/00
F24H 1/54
F24H 15/196
A61H 33/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
追い炊き機能を有しないで、適温を保持可能な電気ヒーター内蔵保温浴槽において、
電気ヒーター12は曲げ加工や配設に柔軟性のある薄いシートヒーター15で、
浴槽本体の浴槽底面と断熱保温材との間に電気ヒーターを配設または浴槽底面および浴槽側面との間に電気ヒーターを配設した電気ヒーター内蔵保温浴槽で、
電気ヒーターの通電は任意設定した通電時間設定範囲内のみで、浴槽水栓25の閉止と気的に連動させた電気ヒーターの通電は入浴モード時の任意設定した通電時間設定範囲内のみ可能で、
浴槽水栓25を開放すれば通電時間設定範囲内であっても無関係に電気ヒーター12への通電を遮断する構成とし、
任意設定した最適湯温の保持は、電気ヒーターの通電ONとOFFの繰り返しでおこない、
熱検知サーモスタットON/OFF式の電気ヒーターには、安全過昇温防止装置が組込まれており過昇温になると通電を遮断する電気ヒーター通電システム付き電気ヒーター内蔵保温浴槽。
【請求項2】
浴槽の湯張り供給部が標準湯張り水位面より上部で、
浴室内壁面には、ナノバブル発生器用空気バルブや医療用富酸素空気バルブ取付けられており、
ナノバブル発生器用空気は、チューブを通じてナノバブル発生器から浴槽の湯中でナノバブルの発生放出が可能で、
医療用富酸素空気は、チューブとマスクを通じ呼吸器系疾患の患者が利用可能とすることを特徴とした請求項1に記載の電気ヒーター内蔵保温浴槽搭載したユニットバス。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽水栓と電気的に連動して通電する浴槽用保温ヒーターに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、居住者の多くが安全、安心また健康で快適な居住空間の提供を望み住宅等建物の付帯設備もかなり充実してきている。
ただ一方で、既に商品化されている洗濯機への風呂水利用システムやお風呂の追い炊きシステムなどの配管内は雑菌の温床や増殖に結び付き衛生面に問題が多々あります。
【0003】
販売されている洗濯機への風呂水利用システムは、浴槽水栓の上流側の追い炊き部位または浴槽側面部から直接残り湯を取出す方法で洗濯機に搭載されているポンプで吸い上げる。
しかし、この風呂水利用の取出し位置では入浴で浴槽内に出入りするたびに浴槽の水位が上下することになるため、浴槽と洗濯機と連通している配管内の水位も上下するのでその度に配管内の雑菌も浴槽内に出入りすることになり雑菌汚染に結び付くのです。
【0004】
雑菌汚染問題の主原因は、略標準搭載しているお風呂の追い炊きシステムで追い炊き配管からの雑菌汚染が一番大きいのである。
また、お湯を循環させるジェットバスシステムやナノ(マイクロ)バブルシステムも含まれこの点を問題視しており、国民の多くがお風呂の追い炊きシステム等により雑菌に曝されていると言っても過言ではないのです。
【0005】
本願発明の技術思想を基に雑菌汚染を可能な限り排除する「追い炊きしない入浴スタイル」を実現し、入浴による雑菌汚染の尿路感染症(子宮頸がん等)を排除し健康を害さない住宅設備機器の普及が大切であり、病気に掛からず健康寿命を延ばし国民医療費の低減を図ることが必須と考えました。
【0006】
浴槽の雑菌汚染問題を解決するには「追い炊きしない入浴スタイル」を実現することが第一優先と考えています。
そこで、お風呂の追い炊きシステムがない状態で湯温を保つには、一般的には高温の足し湯をするか、または、お風呂用電気コード付き簡易ヒーターで浴槽内のお湯を適温に保つ方法があります。
しかし、高温の足し湯での火傷事故、また簡易ヒーターの感電事故も心配であり、高齢者や子供には安全面で優しくありません。
【0007】
この不安全面に着目し、高温の足し湯での火傷事故や簡易ヒーターで感電事故をなくす人に優しい安全で快適な入浴スタイルを目指したく技術情報を調査しました。
結果は、浴槽保温性能に関しては4時間経過後の湯温低下が2、5℃以内のJIS基準の高断熱浴槽についての技術情報がありました。
しかし、浴槽用保温ヒーターに関しての技術情報検索できませんでした。
尚、残り湯利用を図ることで追い炊きせずに毎回新しい湯に入る入浴スタイルに関しては<特許文献1><特許文献2>がありましたが、電気ヒーター内蔵保温浴槽また浴槽用保温ヒーターについては検索できませんでした。
<特許文献1>特許第5179778号
<特許文献2>特許第5180136号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
最近のユニットバスの浴槽や単独浴槽には追い炊き機能が標準となっています。
この追い炊き配管由来の雑菌汚染により衛生面で不具合が生じています。
この不具合を解消するためには、多くの家庭で普及している「追い炊き機能」を排除するのが一番です。
しかし、「追い炊き機能」を外すと保温材で覆った保温浴槽であってもお湯が冷めた際には高温足し湯でカバーする方法またはお風呂用電気コード付き簡易ヒーターで温めるしかないのが現状なので、本技術の電気ヒーター通電システム付き電気ヒーター内蔵保温浴槽を提供することで安全面や衛生面の不具合点を解消したい。
【0009】
そこで、高齢者や子供を問わず全ての人に優しく安全面も衛生面でも雑菌汚染のない衛生的な新しい入浴スタイルを具現化し提供する。
更に、ナノバブル発生器用空気供給設備や医療用富酸素空気供給設備から配管を通じて浴室内に導入し利用可能とすることにより呼吸器系疾患で酸素供給用ボンベ等を使用している患者にも簡単に利用ができる安心で快適な浴室装置を提供したい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため本発明は、以下の技術的手段を講じた。
第1に、
追い炊き機能を有しないで、適温を保持可能な電気ヒーター内蔵保温浴槽において、
電気ヒーター12は曲げ加工や配設に柔軟性のある薄いシートヒーター15で、
浴槽本体の浴槽底面と断熱保温材との間に電気ヒーターを配設または浴槽底面および浴槽側面との間に電気ヒーターを配設した電気ヒーター内蔵保温浴槽で、
電気ヒーターの通電は任意設定した通電時間設定範囲内のみで、浴槽水栓25の閉止と気的に連動させた電気ヒーターの通電は入浴モード時の任意設定した通電時間設定範囲内のみ可能で、
浴槽水栓25を開放すれば通電時間設定範囲内であっても無関係に電気ヒーター12への通電を遮断する構成とし、
任意設定した最適湯温の保持は、電気ヒーターの通電ONとOFFの繰り返しでおこない、
熱検知サーモスタットON/OFF式の電気ヒーターには、安全過昇温防止装置が組込まれており過昇温になると通電を遮断する電気ヒーター通電システム付き電気ヒーター内蔵保温浴槽とした。
【0011】
第2に、
浴槽の湯張り供給部が標準湯張り水位面より上部で、
浴室内壁面には、ナノバブル発生器用空気バルブや医療用富酸素空気バルブ取付けられており、
ナノバブル発生器用空気は、チューブを通じてナノバブル発生器から浴槽の湯中でナノバブルの発生放出が可能で、
医療用富酸素空気は、チューブとマスクを通じ呼吸器系疾患の患者が利用可能とすることを特徴とした請求項1に記載の電気ヒーター内蔵保温浴槽搭載したユニットバスとした。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、懸念している入浴における安全面や衛生面の課題を解決することができる。
即ち「追い炊きしない入浴スタイル」を具現化することにより、雑菌汚染のない浴槽での入浴で尿路感染症(子宮頸がん等)が排除でき人に優しく健康寿命を延ばし国民医療費の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】電気ヒーター内蔵保温浴槽搭載ユニットバスの概念図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図1の概念図に基づいて実施例1を説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は、技術的手段の第1また第2を図示したユニットバス1で、電気ヒーター内蔵保温浴槽10の構造は浴槽底面と断熱保温材19の間に電気ヒーター12が配設しており、電気ヒーター12の通電は電気的に連動させた浴槽水栓25閉止の入浴モード時のみ任意設定した通電時間設定範囲内で電気ヒーター12が任意設定温度に対して通電しONとなりOFFとなる電気ヒーター内蔵保温浴槽10を搭載したユニットバスである。
【0016】
電気ヒーター内蔵保温浴槽10の電気ヒーター12は、浴槽水栓25の閉止時にのみ連動して通電し電気ヒーター12の通電は任意設定した通電時間設定範囲内のみで設定温度に対してON/OFFを繰返すことでお湯を適温に保つようになっている。
【0017】
お湯の設定温度を保つ方法は、任意設定温度に対しサーモスタット方式でヒーター温度を℃の範囲で通電しON/OFFさせる。
他、任意設定温度に対してヒーター温度を一定に保つ方式もあるが、安価と故障が少なく一般的に普及している方式の熱検知サーモスタット通電ON/OFF式の電気ヒーター12で以下説明する。
【0018】
電気ヒーター内蔵保温浴槽10の電気ヒーター12は熱検知サーモスタット通電ON/OFF式で安全過昇温防止装置も組込まれており過昇温45℃になると通電を遮断する。
電気ヒーター内蔵保温浴槽10の電気ヒーター12は曲げ加工や配設に柔軟性のある薄いシートヒーター15を採用している。
【0019】
一般標準家庭の入浴時間帯をベースに説明する。
浴槽を清掃し午後7時30分に湯張りを開始すると、午後8時には適温略40℃の湯張りが完了する。
入浴時間帯を午後8時から午後11時の場合では任意設定可能な通電時間設定範囲を午後8時から午後11時の3時間のみ電気ヒーター12に通電しON/OFFを繰返し電気ヒーター内蔵保温浴槽10の適温である略40℃の湯温を保持する。
電気ヒーター内蔵保温浴槽10の電気ヒーター12の通電時間設定範囲は、寒い冬期の期間のみで期間や時間帯また温度を任意設定できるようになっている。
【0020】
本実施例1では電気的に連動させた浴槽水栓25閉止の入浴モード時のみ任意設定した通電時間設定範囲で電気ヒーター12に通電しON/OFFを繰返すが、例えば午後10時に浴槽水栓25を開放すれば通電時間設定範囲の午後8時から午後11時とは無関係に電気ヒーター12への通電が遮断される。
【0021】
この場合、浴槽水栓25を開放した時点から浴槽の残り湯が全て排水されてしまう。
これでは残り湯が利用できず不都合があるためにお風呂の残り湯利用システムである特許5180136公報や特願2014-057419公報で浴槽の残り湯利用先80の便器や洗濯機に利用する技術と結び付けることで効果的な節水が各家庭で図れる。
【0022】
残り湯利用を図ることと電気ヒーター内蔵保温浴槽10とを併用し追い炊きせずに毎回新しい湯に入る入浴スタイルを普及拡大させることは、雑菌汚染由来の尿路感染症(子宮頸がん等)が排除でき病気に掛からず健康寿命を延ばし国民医療費の低減を図ることができる。
健康寿命を延ばす『健康・快適・環境重視の住宅』造りへ一歩でも近づけられるので、その結果、国民医療費の抑制に結び付く可能性が大となるのです。
【0023】
特願2014-057419公報にある浴槽の残り湯を便器や洗濯機に利用する技術構成で各モードの浴槽水栓25また排水弁35の開閉条件は次のとおりである。
・入浴モード時は、浴槽水栓25閉止/排水弁35閉止
・残り湯利用モード時は、浴槽水栓25開放/排水弁35閉止
・清掃モード時は、浴槽水栓25開放/排水弁35開放
【0024】
尚、本実施例1では電気ヒーター内蔵保温浴槽10を電気ヒーター方式としたが、熱源は電気と限らずに浴槽底面や側面部に温水を入れる二重底浴槽方式や温水パイプ方式または大気の熱を利用するヒートポンプ方式であってもよく、電気ヒーター方式に限定するものではない。
【0025】
次に、最近オプション販売されている湯循環式ナノバブルシステも雑菌汚染に結び付くので、別な方法である圧縮空気を用いたナノバブルシステムを推奨したい。
このナノバブルシステムは浴室内壁面に取付けられたナノバブル発生器用空気バルブ55からの圧縮空気をチューブ56を通じナノバブル発生器から浴槽の湯中でナノバブルを発生させる方法である。
チューブ56には吸盤が取付けられており電気ヒーター内蔵保温浴槽10の浴槽内壁に吸盤で取付けまた取外し可能となっている。
ナノバブル発生器はチューブ56の先端部に多孔質セラミック製部品が取付けられていてナノバブルを温水中で発生させ放出する。
多孔質セラミック製部品はナノバブル放出部位を除きソフト材質の保護カバーで覆われていて浴槽を傷から守り、しかも水中に沈む重量となっている。
【0026】
他、ナノバブル発生器には幾つかの方法がある。
例えば、圧縮空気を高速でエジェクターに流すと浴槽のお湯を吸い上げるのでこの気液流体をミキサー部で混合通過させナノバブルを発生させる方法など、多くの技術が紹介されている。
【0027】
医療用富酸素空気発生機からの医療用富酸素空気は浴室内壁面に取付けられた医療用富酸素空気バルブ65から簡単に取出せて呼吸器系疾患の患者に使用する。
医療用富酸素空気バルブ65に接続したチューブ66を通じ医療用富酸素空気用が供給される。
チューブ66の先端部にはマスクが取付けられている。
【0028】
空気から酸素と窒素を分離する膜体を搭載した医療用富酸素空気発生機は富酸素空気と富窒素空気をつくり出すので、富窒素空気をナノバブルシステムで利用すると効率的である。
さらに、炭酸ガスの方が湯温39℃と低くても身体が温まる効果が高いと科学的に証明されているので炭酸ガスをナノバブルシステムに使用する方法であっても良い。
尚、富窒素空気や炭酸ガスを使用する場合は浴室の換気を十分行なう。
【産業上の利用可能性】
【0029】
『快適・健康・環境を重視した住宅』造りへ一歩でも近づけられる。
【符号の説明】
【0030】
1、ユニットバス
10、電気ヒーター内蔵保温浴槽
12、電気ヒーター
15、シートヒーター
19、断熱保温材
25、浴槽水栓
35、排水弁
45、湯張り/足し湯供給管
46、湯張り/足し湯供給口安全カバー
55、ナノバブル発生器用空気バルブ
56、チューブ
65、医療用富酸素空気バルブ
66、チューブ
80、残り湯利用先
99、標準湯張り水位面




図1