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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】給水栓
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/042 20060101AFI20230309BHJP
   E03C 1/10 20060101ALI20230309BHJP
   C02F 1/28 20230101ALI20230309BHJP
   C02F 1/00 20230101ALI20230309BHJP
   G01F 1/00 20220101ALI20230309BHJP
【FI】
E03C1/042 B
E03C1/10
C02F1/28 S
C02F1/00 B
G01F1/00 F
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018243367
(22)【出願日】2018-12-26
(65)【公開番号】P2020105735
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-07-29
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504346204
【氏名又は名称】三菱ケミカル・クリンスイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142309
【弁理士】
【氏名又は名称】君塚 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敏
(72)【発明者】
【氏名】畠山 厚
(72)【発明者】
【氏名】河合 由修
(72)【発明者】
【氏名】木村 昇三
(72)【発明者】
【氏名】照井 秀幸
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-017031(JP,A)
【文献】特開平03-176519(JP,A)
【文献】特開平10-077667(JP,A)
【文献】特開2017-029924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/042
E03C 1/10
C02F 1/28
C02F 1/00
G01F 1/00
A47K 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を吐水する吐水口を備えた吐水部と、前記吐水部が設けられた本体部とを備えた給水栓であって、
前記本体部は、
給水管から供給された水である水道水を前記吐水部に供給する第1流路を備え、
前記吐水部は、
前記水道水を浄化する浄化部と、
前記第1流路から供給された前記水道水を前記吐水口に供給する第2流路と、
前記第1流路から供給された前記水道水を前記浄化部に供給する第3流路と、
前記浄化部によって浄化された前記水道水である浄水を前記吐水口に供給する第4流路と、
前記吐水口から吐水させる水を、前記第2流路によって供給された前記水道水と前記第4流路によって供給された前記浄水とのいずれかに切り替える切替部と、
前記第1流路を流れる前記水道水の圧力を検出する圧力検出部と、
を備え、
前記給水栓は、
前記吐水口から吐水された前記浄水の流量である浄水流量を測定する測定装置を備え、
前記本体部は、
前記測定装置を備え、
前記測定装置は、
前記第1流路を流れる前記水道水の流量である水道水流量を検出する第1流量検出部と、
前記圧力検出部によって検出された圧力と、 前記第1流量検出部により検出された前記水道水流量に基づいて、前記吐水口から吐水された水が前記浄水であるか否かを判定し、当該水が前記浄水であると判定した場合、前記第1流量検出部によって検出された前記水道水流量を前記浄水流量として測定する第1制御装置と、
を備える、
給水栓。
【請求項2】
前記第1制御装置は、
前記第1流路を流れる前記水道水の圧力と、前記第1流路を流れる前記水道水の圧力に応じた流量であって前記吐水口から前記浄水が吐水された場合における前記水道水流量とが対応付けられた情報と、
前記第1流量検出部によって検出された前記水道水流量と、
前記圧力検出部によって検出された圧力と、
に基づいて前記吐水口から吐水された水が前記浄水であるか否かを判定する、
請求項に記載の給水栓。
【請求項3】
前記第1制御装置は、前記圧力検出部によって検出された圧力に応じて前記水道水流量の上限及び下限を導出し、導出した前記上限から前記下限までの範囲内に、前記第1流量検出部によって検出された前記水道水流量が含まれる場合、前記吐水口から吐水された水が前記浄水であると判定し、前記第1流量検出部によって検出された前記水道水流量を前記浄水流量として測定する、
請求項に記載の給水栓。
【請求項4】
水を吐水する吐水口を備えた吐水部と、前記吐水部が設けられた本体部とを備えた給水栓であって、
前記本体部は、
給水管から供給された水である水道水を前記吐水部に供給する第1流路を備え、
前記吐水部は、
前記水道水を浄化する浄化部と、
前記第1流路から供給された前記水道水を前記吐水口に供給する第2流路と、
前記第1流路から供給された前記水道水を前記浄化部に供給する第3流路と、
前記浄化部によって浄化された前記水道水である浄水を前記吐水口に供給する第4流路と、
前記吐水口から吐水させる水を、前記第2流路によって供給された前記水道水と前記第4流路によって供給された前記浄水とのいずれかに切り替える切替部と、
を備え、
前記給水栓は、
前記吐水口から吐水された前記浄水の流量である浄水流量を測定する測定装置を備え、
前記本体部は、
前記測定装置を備え、
前記測定装置は、
前記第1流路を流れる前記水道水の流量である水道水流量を検出する第1流量検出部と、
前記第1流量検出部により検出された前記水道水流量に基づいて、前記浄水流量を測定する第1制御装置と、
を備え、
前記本体部は、
前記第1流路から前記第2流路及び前記第3流路への前記水道水の流れを塞ぐことが可能な水栓部と、
前記水栓部の開度を検出する開度検出部と、
を備え、
前記第1制御装置は、
前記開度と、前記開度に応じた流量であって前記吐水口から前記浄水が吐水された場合における前記水道水流量とが対応付けられた情報と、
前記開度検出部により検出された前記開度と、
前記第1流量検出部により検出された前記水道水流量と、
に基づいて前記吐水口から吐水された水が前記浄水であるか否かを判定する、
水栓。
【請求項5】
水を吐水する吐水口を備えた吐水部と、前記吐水部が設けられた本体部とを備えた給水栓であって、
前記本体部は、
給水管から供給された水である水道水を前記吐水部に供給する第1流路を備え、
前記吐水部は、
前記水道水を浄化する浄化部と、
前記第1流路から供給された前記水道水を前記吐水口に供給する第2流路と、
前記第1流路から供給された前記水道水を前記浄化部に供給する第3流路と、
前記浄化部によって浄化された前記水道水である浄水を前記吐水口に供給する第4流路と、
前記吐水口から吐水させる水を、前記第2流路によって供給された前記水道水と前記第4流路によって供給された前記浄水とのいずれかに切り替える切替部と、
を備え、
前記給水栓は、
前記吐水口から吐水された前記浄水の流量である浄水流量を測定する測定装置を備え、
前記本体部は、
前記測定装置を備え、
前記測定装置は、
前記第1流路を流れる前記水道水の流量である水道水流量を検出する第1流量検出部と、
前記第1流量検出部により検出された前記水道水流量に基づいて、前記浄水流量を測定する第1制御装置と、
を備え、
前記吐水部は、前記切替部によって前記吐水口から吐水させる水が、前記第2流路によって供給された前記水道水と前記第4流路によって供給された前記浄水とのいずれに切り替えられているかを検出する切替検出部を備え、
前記第1制御装置は、前記切替検出部によって検出された結果に基づいて、前記第1流量検出部によって検出された前記水道水流量を前記浄水流量として測定する、
水栓。
【請求項6】
水を吐水する吐水口を備えた吐水部と、前記吐水部が設けられた本体部とを備えた給水栓であって、
前記本体部は、
給水管から供給された水である水道水を前記吐水部に供給する第1流路を備え、
前記吐水部は、
前記水道水を浄化する浄化部と、
前記第1流路から供給された前記水道水を前記吐水口に供給する第2流路と、
前記第1流路から供給された前記水道水を前記浄化部に供給する第3流路と、
前記浄化部によって浄化された前記水道水である浄水を前記吐水口に供給する第4流路と、
前記吐水口から吐水させる水を、前記第2流路によって供給された前記水道水と前記第4流路によって供給された前記浄水とのいずれかに切り替える切替部と、
を備え、
前記給水栓は、
前記吐水口から吐水された前記浄水の流量である浄水流量を測定する測定装置を備え、
前記吐水部は、前記測定装置を備え、
前記測定装置は、前記第4流路を流れる前記浄水の流量である浄水流量と前記第3流路を流れる前記浄化部に供給される前記水道水の流量とのうちの少なくとも1つを検出する第2流量検出部を備える、
給水栓。
【請求項7】
前記本体部又は前記吐水部は、前記第2流量検出部から前記浄水流量を示す浄水流量情報を取得する第2制御装置を備える、
請求項に記載の給水栓。
【請求項8】
前記吐水部又は前記本体部は、前記測定装置によって測定された前記浄水流量を示す情報を報知する報知部を備える、
請求項1からのうちいずれか一項に記載の給水栓。
【請求項9】
前記吐水部又は前記本体部は、前記測定装置によって測定された前記浄水流量を示す情報を他の装置に出力する出力部を備える、
請求項1からのうちいずれか一項に記載の給水栓。
【請求項10】
水を吐水する吐水口を備えた吐水部と、前記吐水部が設けられた本体部とを備えた給水栓であって、
前記本体部は、
給水管から供給された水である水道水を前記吐水部に供給する第1流路を備え、
前記吐水部は、
前記水道水を浄化する浄化部と、
前記第1流路から供給された前記水道水を前記吐水口に供給する第2流路と、
前記第1流路から供給された前記水道水を前記浄化部に供給する第3流路と、
前記浄化部によって浄化された前記水道水である浄水を前記吐水口に供給する第4流路と、
前記吐水口から吐水させる水を、前記第2流路によって供給された前記水道水と前記第4流路によって供給された前記浄水とのいずれかに切り替える切替部と、
を備え、
前記給水栓は、
前記吐水口から吐水された前記浄水の流量である浄水流量を測定する測定装置を備え、
前記本体部は、
前記測定装置を備え、
前記測定装置は、
前記第1流路を流れる前記水道水の流量である水道水流量を検出する第1流量検出部と、
前記第1流量検出部により検出された前記水道水流量に基づいて、前記浄水流量を測定する第1制御装置と、
を備え、
前記本体部は、
前記第1流路から前記第2流路及び前記第3流路への前記水道水の流れを塞ぐことが可能な水栓部と、
前記水栓部の開度を検出する開度検出部と、
を備え、
前記第1制御装置は、
前記開度検出部により検出された前記開度に基づいて前記吐水口から吐水された水が前記浄水であるか否かを判定し、当該水が前記浄水であると判定した場合、前記第1流量検出部によって検出された前記水道水流量を前記浄水流量として測定する、
水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、給水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
給水管から供給された水である水道水を、水道水を使用する場所(例えば、台所等)に給水する給水栓に関する技術の研究や開発が行われている。
【0003】
これに関し、シンクの下側に設けられた浄水器により浄化された水道水を吐水する給水栓が知られている(特許文献1参照)。また、浄水器と一体に構成された給水栓が知られている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-029924号公報
【文献】特開2012-002027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、浄水器は、水道水を浄化する浄化部を備えている。浄化部には、水道水の浄化を行うほど、水道水から浄化部が取り除いた物質が蓄積される。このため、浄化部は、水道水を浄化する能力が低下していく。このため、浄水器では、浄化部は、交換可能であり、水道水を浄化する能力の低下に応じて交換される。ここで、浄水器は、浄水器に浄化部が取り付けられてからの経過時間が予め決められた期間を超えた場合、当該浄化部の当該能力が低下したと判定する。すなわち、浄水器は、浄化部に当該物質が蓄積された量が予め決められた閾値を超えたか否かを、浄水器に浄化部が取り付けられてからの経過時間が予め決められた期間を超えたか否かによって判定する。予め決められた閾値は、浄化部が当該物質を水道水から取り除くことができなくなる量に応じて決められる値である。しかしながら、浄水器において浄化部を実際に使用した時間は、浄水器に浄化部が取り付けられてからの経過時間内において、ユーザー毎に異なる。このため、浄水器は、水道水が浄化部を通過した量の積算量を精度よく測定することができなかった。その結果、ユーザーは、浄水器を利用している期間において、必要以上に浄化部の交換を行ってしまう場合があった。あるいは、ユーザーは、浄水器を利用している期間において、浄化部が水道水を浄化出来なくなってしまった後であっても使用し続けてしまう場合があった。このような問題は、上記の特許文献1に記載されたような従来の浄水器のみならず、上記の特許文献2に記載されたような浄水器と一体に構成された給水栓にも存在する。
【0006】
そこで本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、水道水が浄化部を通過した量の積算量を精度よく測定することができる給水栓を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の構成を有する。
[1]水を吐水する吐水口を備えた吐水部と、前記吐水部が設けられた本体部とを備えた給水栓であって、前記本体部は、給水管から供給された水である水道水を前記吐水部に供給する第1流路を備え、前記吐水部は、前記水道水を浄化する浄化部と、前記第1流路から供給された前記水道水を前記吐水口に供給する第2流路と、前記第1流路から供給された前記水道水を前記浄化部に供給する第3流路と、前記浄化部によって浄化された前記水道水である浄水を前記吐水口に供給する第4流路と、前記吐水口から吐水させる水を、前記第2流路によって供給された前記水道水と前記第4流路によって供給された前記浄水とのいずれかに切り替える切替部と、を備え、前記給水栓は、前記吐水口から吐水された前記浄水の流量である浄水流量を測定する測定装置を備え、前記本体部は、前記測定装置を備え、前記測定装置は、前記第1流路を流れる前記水道水の流量である水道水流量を検出する第1流量検出部と、前記第1流量検出部により検出された前記水道水流量に基づいて、前記浄水流量を測定する第1制御装置と、を備える、給水栓。
【0010】
]前記第1制御装置は、前記第1流路を流れる前記水道水の圧力と、前記第1流路を流れる前記水道水の圧力に応じた流量であって前記吐水口から前記浄水が吐水された場合における前記水道水流量とが対応付けられた情報と、前記第1流量検出部によって検出された前記水道水流量と、前記圧力検出部によって検出された圧力と、に基づいて前記吐水口から吐水された水が前記浄水であるか否かを判定する、[]に記載の給水栓。
【0011】
]前記第1制御装置は、前記圧力検出部によって検出された圧力に応じて前記水道水流量の上限及び下限を導出し、導出した前記上限から前記下限までの範囲内に、前記第1流量検出部によって検出された前記水道水流量が含まれる場合、前記吐水口から吐水された水が前記浄水であると判定し、前記第1流量検出部によって検出された前記水道水流量を前記浄水流量として測定する、[]に記載の給水栓。
【0012】
水を吐水する吐水口を備えた吐水部と、前記吐水部が設けられた本体部とを備えた給水栓であって、前記本体部は、給水管から供給された水である水道水を前記吐水部に供給する第1流路を備え、前記吐水部は、前記水道水を浄化する浄化部と、前記第1流路から供給された前記水道水を前記吐水口に供給する第2流路と、前記第1流路から供給された前記水道水を前記浄化部に供給する第3流路と、前記浄化部によって浄化された前記水道水である浄水を前記吐水口に供給する第4流路と、前記吐水口から吐水させる水を、前記第2流路によって供給された前記水道水と前記第4流路によって供給された前記浄水とのいずれかに切り替える切替部と、を備え、前記給水栓は、前記吐水口から吐水された前記浄水の流量である浄水流量を測定する測定装置を備え、前記本体部は、前記測定装置を備え、前記測定装置は、前記第1流路を流れる前記水道水の流量である水道水流量を検出する第1流量検出部と、前記第1流量検出部により検出された前記水道水流量に基づいて、前記浄水流量を測定する第1制御装置と、を備え、前記本体部は、前記第1流路から前記第2流路及び前記第3流路への前記水道水の流れを塞ぐことが可能な水栓部と、前記水栓部の開度を検出する開度検出部と、を備え、前記第1制御装置は、前記開度と、前記開度に応じた流量であって前記吐水口から前記浄水が吐水された場合における前記水道水流量とが対応付けられた情報と、前記開度検出部により検出された前記開度と、前記第1流量検出部により検出された前記水道水流量と、に基づいて前記吐水口から吐水された水が前記浄水であるか否かを判定する、給水栓。
【0013】
水を吐水する吐水口を備えた吐水部と、前記吐水部が設けられた本体部とを備えた給水栓であって、前記本体部は、給水管から供給された水である水道水を前記吐水部に供給する第1流路を備え、前記吐水部は、前記水道水を浄化する浄化部と、前記第1流路から供給された前記水道水を前記吐水口に供給する第2流路と、前記第1流路から供給された前記水道水を前記浄化部に供給する第3流路と、前記浄化部によって浄化された前記水道水である浄水を前記吐水口に供給する第4流路と、前記吐水口から吐水させる水を、前記第2流路によって供給された前記水道水と前記第4流路によって供給された前記浄水とのいずれかに切り替える切替部と、を備え、前記給水栓は、前記吐水口から吐水された前記浄水の流量である浄水流量を測定する測定装置を備え、前記本体部は、前記測定装置を備え、前記測定装置は、前記第1流路を流れる前記水道水の流量である水道水流量を検出する第1流量検出部と、前記第1流量検出部により検出された前記水道水流量に基づいて、前記浄水流量を測定する第1制御装置と、を備え、前記吐水部は、前記切替部によって前記吐水口から吐水させる水が、前記第2流路によって供給された前記水道水と前記第4流路によって供給された前記浄水とのいずれに切り替えられているかを検出する切替検出部を備え、前記第1制御装置は、前記切替検出部によって検出された結果に基づいて、前記第1流量検出部によって検出された前記水道水流量を前記浄水流量として測定する、給水栓。
【0014】
]水を吐水する吐水口を備えた吐水部と、前記吐水部が設けられた本体部とを備えた給水栓であって、前記本体部は、給水管から供給された水である水道水を前記吐水部に供給する第1流路を備え、前記吐水部は、前記水道水を浄化する浄化部と、前記第1流路から供給された前記水道水を前記吐水口に供給する第2流路と、前記第1流路から供給された前記水道水を前記浄化部に供給する第3流路と、前記浄化部によって浄化された前記水道水である浄水を前記吐水口に供給する第4流路と、前記吐水口から吐水させる水を、前記第2流路によって供給された前記水道水と前記第4流路によって供給された前記浄水とのいずれかに切り替える切替部と、を備え、前記給水栓は、前記吐水口から吐水された前記浄水の流量である浄水流量を測定する測定装置を備え、前記吐水部は、前記測定装置を備え、前記測定装置は、前記第4流路を流れる前記浄水の流量である浄水流量と前記第3流路を流れる前記浄化部に供給される前記水道水の流量とのうちの少なくとも1つを検出する第2流量検出部を備える、給水栓。
【0015】
]前記本体部又は前記吐水部は、前記第2流量検出部から前記浄水流量を示す浄水流量情報を取得する第2制御装置を備える、[]に記載の給水栓。
【0016】
]前記吐水部又は前記本体部は、前記測定装置によって測定された前記浄水流量を示す情報を報知する報知部を備える、[1]から[]のうちいずれか一項に記載の給水栓。
【0017】
]前記吐水部又は前記本体部は、前記測定装置によって測定された前記浄水流量を示す情報を他の装置に出力する出力部を備える、[1]から[]のうちいずれか一項に記載の給水栓。
【0018】
10水を吐水する吐水口を備えた吐水部と、前記吐水部が設けられた本体部とを備えた給水栓であって、前記本体部は、給水管から供給された水である水道水を前記吐水部に供給する第1流路を備え、前記吐水部は、前記水道水を浄化する浄化部と、前記第1流路から供給された前記水道水を前記吐水口に供給する第2流路と、前記第1流路から供給された前記水道水を前記浄化部に供給する第3流路と、前記浄化部によって浄化された前記水道水である浄水を前記吐水口に供給する第4流路と、前記吐水口から吐水させる水を、前記第2流路によって供給された前記水道水と前記第4流路によって供給された前記浄水とのいずれかに切り替える切替部と、を備え、前記給水栓は、前記吐水口から吐水された前記浄水の流量である浄水流量を測定する測定装置を備え、前記本体部は、前記測定装置を備え、前記測定装置は、前記第1流路を流れる前記水道水の流量である水道水流量を検出する第1流量検出部と、前記第1流量検出部により検出された前記水道水流量に基づいて、前記浄水流量を測定する第1制御装置と、を備え、前記本体部は、前記第1流路から前記第2流路及び前記第3流路への前記水道水の流れを塞ぐことが可能な水栓部と、前記水栓部の開度を検出する開度検出部と、を備え、前記第1制御装置は、前記開度検出部により検出された前記開度に基づいて前記吐水口から吐水された水が前記浄水であるか否かを判定し、当該水が前記浄水であると判定した場合、前記第1流量検出部によって検出された前記水道水流量を前記浄水流量として測定する、給水栓。
【発明の効果】
【0020】
本発明の給水栓を用いれば、水道水が浄化部を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態に係る給水栓1の構成の一例を示す図である。
図2】測定装置13が浄水流量を測定する処理の流れの一例を示す図である。
図3】第1流路P1を流れる水道水の圧力と、第1流路P1を流れる水道水の圧力に応じた流量であって水道水が吐水口101から吐水された場合における水道水流量と、第1流路P1を流れる水道水の圧力に応じた流量であって吐水口101から浄水が吐水された場合における水道水流量とが対応付けられたテーブルである。
図4図3に示したテーブルに基づくグラフの一例である。
図5】第2実施形態に係る給水栓2の構成の一例を示す図である。
図6】測定装置23が浄水流量を測定する処理の流れの一例を示す図である。
図7】測定装置23を備える吐水部21の外観の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
<給水栓の概要>
まず、第1実施形態に係る給水栓の概要について説明する。
【0024】
給水栓は、水を吐水する吐水口を備えた吐水部と、吐水部が設けられた本体部とを備える。また、本体部は、給水管から供給された水である水道水を吐水部に供給する第1流路を備える。また、吐水部は、水道水を浄化する浄化部と、第1流路から供給された水道水を吐水口に供給する第2流路と、第1流路から供給された水道水を浄化部に供給する第3流路と、浄化部によって浄化された水道水である浄水を吐水口に供給する第4流路と、吐水口から吐水させる水を、第2流路によって供給された水道水と第4流路によって供給された浄水とのいずれかに切り替える切替部と、を備える。また、給水栓は、吐水口から吐水された浄水の流量である浄水流量を測定する測定装置を備える。これにより、給水栓は、水道水が浄化部を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0025】
以下では、このような給水栓の構成と、測定装置が行う処理とのそれぞれについて詳しく説明する。
【0026】
<給水栓の構成>
以下、図1を参照し、給水栓1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る給水栓1の構成の一例を示す図である。
【0027】
第1実施形態に係る給水栓1は、水を浄化する浄水器と一体に構成された給水栓である。具体的には、給水栓1は、本体部10と、本体部10に設けられた吐水部11を備える。また、本体部10は、第1流路P1と、水栓部12と、測定装置13と、圧力検出部14を備える。また、吐水部11は、浄化部15と、第2流路P2と、第3流路P3と、第4流路P4と、吐水口101と、切替部102を備える。
【0028】
本体部10は、例えば、円筒形状の筐体を有する。本体部10は、当該筐体の内側に、第1流路P1と、測定装置13と、圧力検出部14とを備える。なお、当該筐体の形状は、円筒形状に代えて、直方体形状等の他の形状であってもよい。本体部10は、前述の本体部の一例である。
【0029】
第1流路P1は、外部の給水管から供給された水である水道水を、吐水部11に供給する給水管によって形成された流路である。本体部10の内部において当該給水管が引き回される経路(すなわち、第1流路P1の形状)は、吐水部11に当該水道水を供給可能な経路であれば、如何なる経路であってもよい。第1流路P1は、前述の第1流路の一例である。
【0030】
水栓部12は、第1流路P1から吐水部11(具体的には、第2流路P2及び第3流路P3)への水道水の流れを塞ぐことが可能な栓である。水栓部12は、水栓部12が閉じた状態からユーザーによる操作によって水栓部12が開かれた状態へ遷移した場合、第1流路P1から吐水部11へ水道水の流れを開く(すなわち、第1流路P1から吐水部11へ水道水を流す)。一方、水栓部12は、水栓部12が開いた状態からユーザーによる操作によって水栓部12が閉じられた状態へ遷移した場合、第1流路P1から吐水部11への水道水の流れを塞ぐ(すなわち、第1流路P1から吐水部11へ水道水を流さない)。また、水栓部12は、ユーザーによる操作に応じて水栓部12の開度が変更された場合、変更された開度に応じた量の水道水を第1流路P1から吐水部11へ流す。
【0031】
測定装置13は、水栓部12が開かれた場合に第1流路P1を流れる水道水の流量である水道水流量を測定する。そして、測定装置13は、測定した水道水流量と、後述する圧力検出部14から取得した圧力情報とに基づいて、後述する浄水が前述の吐水口101から吐水された流量である浄水流量を測定する。測定装置13は、測定した浄水流量を示す浄水流量情報を記憶する。測定装置13の構成については、後述する。測定装置13は、前述の測定装置の一例である。
【0032】
圧力検出部14は、水栓部12が開かれた場合に第1流路P1を流れる水道水の圧力を検出する。圧力検出部14は、検出した圧力を示す圧力情報を測定装置13に出力する。なお、圧力検出部14は、測定装置13と一体に構成されてもよい。
【0033】
吐水部11は、給水栓1が有する部材のうち水道水又は浄水を吐水する部材である。前述した通り、吐水部11は、本体部10に設けられる。吐水部11は、前述の吐水部の一例である。
【0034】
浄化部15は、水道水を浄化する。浄化部15は、例えば、第3流路P3と第4流路P4との間に備えられることによって第3流路P3から第4流路P4へと流れる水道水を浄化するカートリッジである。すなわち、浄化部15は、吐水部11において交換可能な部材である。なお、浄化部15は、当該カートリッジに代えて、第3流路P3と第4流路P4との間に備えられることによって第3流路P3から第4流路P4へと流れる水道水を浄化する他の部材であってもよい。ここで、浄化部15の構造、浄化部15において水道水を浄化する素材についての構成は、既知の構成であってもよく、これから開発される構成であってもよいため、説明を省略する。浄化部15は、前述の浄化部の一例である。
【0035】
第2流路P2は、第1流路P1から供給された水道水を吐水口101に供給する給水管によって形成された流路である。すなわち、第2流路P2は、本体部10が備える第1流路P1から分岐された流路である。吐水部11の内部において当該給水管が引き回される経路(すなわち、第2流路P2の形状)は、第1流路P1から吐水口101に当該水道水を供給可能な経路であれば、如何なる経路であってもよい。第2流路P2は、前述の第2流路の一例である。
【0036】
第3流路P3は、第1流路P1から供給された水道水を浄化部15に供給する給水管によって形成された流路である。すなわち、第3流路P3は、本体部10が備える第1流路P1から分岐された流路である。吐水部11の内部において当該給水管が引き回される経路(すなわち、第3流路P3の形状)は、第1流路P1から浄化部15に当該水道水を供給可能な経路であれば、如何なる経路であってもよい。第3流路P3は、前述の第3流路の一例である。
【0037】
第4流路P4は、浄化部15によって浄化された水道水である浄水を吐水口101に供給する給水管によって形成された流路である。吐水部11の内部において当該給水管が引き回される経路(すなわち、第4流路P4の形状)は、浄化部15から吐水口101に当該浄水を供給可能な経路であれば、如何なる経路であってもよい。第4流路P4は、前述の第4流路の一例である。
【0038】
吐水口101は、水を吐水するために吐水部11に形成された開口部である。吐水口101は、吐水部11の長手方向における2つの端部のうち本体部10と反対側の端部である先端に形成されている。吐水口101の形状は、如何なる形状であってもよい。吐水口101は、前述の吐水口の一例である。
【0039】
切替部102は、吐水口101から吐水させる水を、第2流路P2によって供給された水道水と第4流路P4によって供給された浄水とのいずれかに切り替える。切替部102は、例えば、ユーザーにより回動させられる回動部を有し、当該回動部の回動に応じて、吐水口101と第2流路P2との間、又は吐水口101と第4流路P4との間のいずれか一方を塞ぎ、他方を開くことが可能な弁である。なお、切替部102は、吐水口101から吐水させる水を、第2流路P2によって供給された水道水と第4流路P4によって供給された浄水とのいずれかに切り替えることが可能な他の部材であってもよい。また、切替部102の形状は、如何なる形状であってもよい。切替部102は、前述の切替部の一例である。
【0040】
給水栓1は、以上のような構成を有している。なお、給水栓1は、このような構成に加えて、他の部材を備える構成であってもよい。
【0041】
<測定装置13の構成>
ここで、図1に示した測定装置13の構成について説明する。図1に示したように、測定装置13は、例えば、第1流量検出部131と、第1制御装置132を備える。なお、測定装置13は、第1流量検出部131と、第1制御装置132との両方に加えて、他の装置を備える構成であってもよい。
【0042】
第1流量検出部131は、前述の水道水流量を検出する。第1流量検出部131は、検出した水道水流量を示す水道水流量情報を第1制御装置132に出力する。
【0043】
第1制御装置132は、制御部201と、記憶部202と、通信部203を備える。
【0044】
制御部201は、測定装置13の全体を制御する。制御部201は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)が、記憶部202に記憶された各種のプログラムを実行することにより実現される。また、制御部201が有する機能のうちの一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。
【0045】
制御部201は、第1流量検出部131から水道水流量情報を取得する。また、制御部201は、前述の圧力検出部14から圧力情報を取得する。制御部201は、取得した水道水流量情報が示す水道水流量と、取得した圧力情報が示す圧力とに基づいて、前述の浄水流量を測定する。制御部201は、測定した浄水流量を示す浄水流量情報を記憶部202に記憶させる。また、制御部201は、記憶部202に記憶させた浄水流量情報が示す浄水流量の積算量を算出する。制御部201は、算出した積算量が予め決められた閾値以上であると判定した場合、浄化部15の交換を促す交換促進情報を、通信部203を介して他の装置に出力する構成であってもよく、交換促進情報を、通信部203を介して他の装置に出力しない構成であってもよい。また、制御部201は、当該場合、算出した積算量を示す積算量情報を、通信部203を介して他の装置に出力する構成であってもよく、当該情報を、通信部203を介して他の装置に出力しない構成であってもよい。通信部203を介して制御部201が積算量情報を他の装置に出力する機能は、出力部の一例である。なお、当該機能は、制御部201と別の機能部として第1制御装置132に備えられる構成であってもよい。
【0046】
記憶部202は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュEEPROM、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等を含む。なお、記憶部202は、第1制御装置132が備えるものに代えて、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置であってもよい。記憶部202は、第1制御装置132が処理する各種の情報、各種のプログラム等を格納する。
【0047】
通信部203は、例えば、USB等のデジタル入出力ポート、イーサネット(登録商標)ポート、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信用のポート等を含んで構成される。
【0048】
<測定装置が浄水流量を測定する処理>
以下、図2を参照し、測定装置13が浄水流量を測定する処理について説明する。図2は、測定装置13が浄水流量を測定する処理の流れの一例を示す図である。ここで、以下では、一例として、測定装置13が、電源をオンにされることによって、図2に示したフローチャートの処理が開始され、電源をオフにされるまでの間、当該処理を実行し続ける場合について説明する。
【0049】
制御部201は、第1流量検出部131が検出した水道水流量を示す水道水流量情報を第1流量検出部131から取得する(ステップS110)。
【0050】
次に、制御部201は、ステップS110において水道水流量情報を取得すると、次に、圧力検出部14が検出した圧力を示す圧力情報を圧力検出部14から取得する(ステップS120)。
【0051】
次に、制御部201は、ステップS110において第1流量検出部131から取得した水道水流量情報が示す水道水流量と、ステップS120において圧力検出部14から取得した圧力情報が示す圧力とに基づいて、吐水口101から吐水された水が浄水か否かを判定する(ステップS130)。
【0052】
ここで、ステップS130の処理について説明する。ステップS130において、制御部201は、記憶部202に予め記憶された第1対応情報を記憶部202から読み出す。第1対応情報は、第1流路P1を流れる水道水の圧力と、当該圧力に応じた流量であって吐水口101から浄水が吐水された場合における水道水流量とが対応付けられた情報のことである。第1対応情報は、給水栓1の生産者によって記憶部202に予め記憶されている構成であってもよく、ユーザーによって記憶部202に記憶される構成であってもよく、インターネット等を介して更新される情報であってもよい。第1対応情報は、第1流路を流れる水道水の圧力と、第1流路を流れる水道水の圧力に応じた流量であって吐水口から浄水が吐水された場合における水道水流量とが対応付けられた情報の一例である。
【0053】
制御部201は、記憶部202から読み出した第1対応情報と、ステップS120において圧力検出部14から取得した圧力情報が示す圧力とに基づいて、当該圧力に対応付けられた水道水流量を特定する。制御部201は、(特定した水道水流量±当該水道水流量の10%)の流量範囲を算出する。すなわち、浄水部15における圧力損失は、十分に大きく、図3に示すように第2流路P2を経由した場合(シャワー)と浄化部15を経た第4流路P4を経由した場合(浄水)において、同じ圧力にて水道水が第1流路P1に給水されると、流路によって得られる流量に著しい差が生じるため、浄水か否かの判定が可能となる。制御部201は、ステップS110において第1流量検出部131から取得した水道水流量情報が示す水道水流量が、算出した流量範囲内に含まれる場合、吐水口101から吐水された水が浄水であると判定する。一方、制御部201は、当該水道水流量が、算出した流量範囲内に含まれない場合、吐水口101から吐水された水が水道水であると判定する。(特定した水道水流量+当該水道水流量の10%)は、測定装置が導出した上限の一例である。また、(特定した水道水流量-当該水道水流量の10%)は、測定装置が導出した下限の一例である。なお、上記の10%は、10%より少ない割合であってもよく、10%より多い割合であってもよい。
【0054】
このような判定の判定結果の妥当性は、図3及び図4に示した実験結果によって保証される。図3は、第1流路P1を流れる水道水の圧力と、第1流路P1を流れる水道水の圧力に応じた流量であって水道水が吐水口101から吐水された場合における水道水流量と、第1流路P1を流れる水道水の圧力に応じた流量であって吐水口101から浄水が吐水された場合における水道水流量とが対応付けられたテーブルである。また、図4は、図3に示したテーブルに基づくグラフの一例である。図4に示したグラフの横軸は、圧力を示す。また、当該グラフの縦軸は、流量を示す。図3及び図4に示したように、第1流路P1を流れる水道水のうちのある圧力に対応付けられた水道水流量であって吐水口101から浄水が吐水された場合における水道水流量±当該水道水流量の10%の流量範囲には、当該圧力に対応付けられた水道水流量であって水道水が吐水口101から吐水された場合における水道水流量が含まれていない。これにより、制御部201は、第1対応情報と、圧力検出部14によって検出された圧力と、第1流量検出部131によって検出された水道水流量とに基づいて、吐水口101から吐水された水が浄水であるか否かを判定することができる。なお、第1流路P1を流れる水道水の圧力に応じた流量であって吐水口101から浄水が吐水された場合における水道水流量は、浄化部15において水道水を浄化する濾材の種類、形状、大きさ等に応じて異なる。
【0055】
吐水口101から吐水された水が浄水ではない(すなわち、水道水である)と判定した場合(ステップS130-NO)、制御部201は、ステップS110に遷移し、第1流量検出部131が水道水流量を検出するまで再び待機する。一方、吐水口101から吐水された水が浄水であると判定した場合(ステップS130-YES)、制御部201は、ステップS110において第1流量検出部131から取得した水道水流量情報が示す水道水流量を、浄水流量として測定(特定)する(ステップS140)。
【0056】
次に、制御部201は、記憶部202に予め記憶された積算量情報を記憶部202から読み出す。積算量情報は、現在までに測定装置13が特定した浄水流量の積算量を示す情報である。制御部201は、読み出した積算量情報が示す積算量に、ステップS140において特定した浄水流量を加算し、新たな積算量を算出する(ステップS150)。なお、積算量情報が示す積算量の初期値は、0リットルである。制御部201は、積算量情報が示す積算量を0リットルに初期化する操作(例えば、当該初期化を行うボタンの押下等)をユーザーから受け付けた場合、記憶部202に記憶された積算量情報が示す積算量を0リットルに初期化する。
【0057】
次に、制御部201は、ステップS150において算出した積算量を示す積算量情報を、新たな積算量情報として記憶部202に記憶する(ステップS160)。そして、制御部201は、ステップS110に遷移し、第1流量検出部131が水道水流量を検出するまで再び待機する。
【0058】
このように、測定装置13は、第1流量検出部131により検出された水道水流量に基づいて、浄水流量を測定(特定)する。その結果、測定装置13は、浄化部15によって浄化された水道水の流量、すなわち浄水流量に基づいて、水道水が浄化部15を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0059】
<第1実施形態の変形例>
上記において説明した制御部201は、第1対応情報に基づいてステップS130の処理を行う構成に代えて、上記において説明した圧力検出部14によって検出された圧力と第1対応情報とを用いることなく、ステップS110において第1流量検出部131から取得した水道水流量情報が示す水道水流量が、予め決められた流量範囲に含まれるか否かに基づいて、吐水口101から吐水された水が浄水であるか否かを判定する構成であってもよい。この場合、制御部201は、当該水道水流量が、当該流量範囲に含まれる場合、吐水口101から吐水された水が浄水であると判定する。一方、制御部201は、当該水道水流量が、当該流量範囲に含まれない場合、吐水口101から吐水された水が浄水ではない(すなわち、水道水である)と判定する。当該流量範囲は、例えば、水栓部12の開度が最大であり、且つ、吐水口101から吐水された水が水道水である場合における水道水流量の50%以下の範囲である。なお、当該流量範囲は、これに代えて、他の範囲であってもよい。これにより、測定装置13は、第1対応情報に基づくステップS130の処理(すなわち、圧力検出部14によって検出された圧力と、第1対応情報と、第1流量検出部131によって検出された水道水流量とに基づく処理)と比べて精度が低くなるが、水道水が浄化部15を通過した量の積算量を、より単純な構成によって測定することができる。
【0060】
また、上記において説明した制御部201は、第1対応情報に基づいてステップS130の処理を行う構成に代えて、上記において説明した第1対応情報を用いることなく、ステップS120において圧力検出部14から取得した圧力情報が示す圧力に応じて水道水流量の上限及び下限を導出し、導出した上限から下限までの範囲内に、ステップS110において第1流量検出部131から取得した水道水流量情報が示す水道水流量が含まれる場合、吐水口101から吐水された水が浄水であると判定する構成であってもよい。この場合、制御部201は、記憶部202に予め記憶された第2対応情報を記憶部202から読み出す。第2対応情報は、第1流路P1を流れる水道水の圧力と、水道水流量の上限及び下限を示す情報とが対応付けられた情報のことである。第2対応情報は、給水栓1の生産者によって記憶部202に予め記憶されている構成であってもよく、ユーザーによって記憶部202に記憶される構成であってもよく、インターネット等を介して更新される情報であってもよい。また、制御部201は、機械学習のアルゴリズムと、ステップS110において第1流量検出部131から取得した水道水流量情報が示す水道水流量と、ステップS120において圧力検出部14から取得した圧力情報が示す圧力と、ユーザーから受け付けた操作(例えば、当該水道水流量が浄水流量であるか否かを示す情報の入力操作等)とに基づいて、第2対応情報を生成する構成であってもよい。
【0061】
また、上記において説明した制御部201は、第1対応情報に基づいてステップS130の処理を行う構成に代えて、記憶部202に予め記憶された第3対応情報を記憶部202から読み出し、読み出した第3対応情報と、水栓部12の開度と、ステップS110において第1流量検出部131から取得した水道水流量情報が示す水道水流量とに基づいて吐水口101から吐水された水が浄水であるか否かを判定する構成であってもよい。第3対応情報は、水栓部12の開度と、水栓部12の開度に応じた流量であって吐水口101から浄水が吐水された場合における水道水流量とが対応付けられた情報のことである。この場合、給水栓1は、水栓部12の開度を検出する開度検出部を備える。また、当該場合、給水栓1は、圧力検出部14を備えない構成であってもよい。当該開度検出部は、水栓部12の開度を検出し、検出した開度を示す開度情報を第1制御装置132に出力する。第3対応情報は、給水栓1の生産者によって記憶部202に予め記憶されている構成であってもよく、ユーザーによって記憶部202に記憶される構成であってもよく、インターネット等を介して更新される情報であってもよい。また、制御部201は、機械学習のアルゴリズムと、ステップS110において第1流量検出部131から取得した水道水流量情報が示す水道水流量と、当該開度検出部から取得した開度情報が示す開度と、ユーザーから受け付けた操作(例えば、当該水道水流量が浄水流量であるか否かを示す情報の入力操作等)とに基づいて、第3対応情報を生成する構成であってもよい。
【0062】
また、給水栓1が上記の開度検出部を備える場合、制御部201は、当該開度検出部により検出された水栓部12の開度に基づいて水栓部12が開いたか否かを判定し、水栓部12が開いたと判定した場合、第1流量検出部131によって検出された水道水流量を浄水流量として測定し始める構成であってもよい。すなわち、制御部201は、当該開度検出部により検出された水栓部12の開度が0より大きい場合、浄水流量の測定を開始する構成であってもよい。
【0063】
また、給水栓1が上記の開度検出部を備える場合、制御部201は、当該開度検出部により検出された開度に基づいて吐水口101から吐水された水が浄水であるか否かを判定する構成であってもよい。この場合、制御部201は、記憶部202に予め記憶された第4対応情報を記憶部202から読み出す。第4対応情報は、当該開度検出部により検出された開度と、予め決められた流量範囲とが対応付けられた情報のことである。すなわち、制御部201は、第4対応情報に基づいて、当該開度検出部により検出された開度に対応付けられた流量範囲を特定し、第1流量検出部131により検出された水道水流量が、特定した流量範囲内に含まれている場合、当該水道水流量を浄水流量として測定(特定)する構成であってもよい。なお、第4対応情報は、給水栓1の生産者によって記憶部202に予め記憶されている構成であってもよく、ユーザーによって記憶部202に記憶される構成であってもよく、インターネット等を介して更新される情報であってもよい。また、制御部201は、機械学習のアルゴリズムと、当該開度検出部により検出された開度と、ステップS110において第1流量検出部131から取得した水道水流量情報が示す水道水流量と、ユーザーから受け付けた操作(例えば、当該水道水流量が浄水流量であるか否かを示す情報の入力操作等)とに基づいて、第4対応情報を生成する構成であってもよい。
【0064】
また、上記において説明した給水栓1は、測定装置13によって測定された浄水流量を示す情報をユーザーに対して報知する報知部を備える構成であってもよい。報知部は、例えば、当該情報を表示するディスプレイであってもよく、当該情報を報知するLED(Light Emitting Diode)であってもよく、当該情報を報知する他の部材であってもよい。
【0065】
また、上記において説明した給水栓1は、測定装置13によって測定された浄水流量を示す情報を他の装置(例えば、多機能携帯電話端末(スマートフォン)等)に出力する出力部を備える構成であってもよい。当該出力部は、例えば、通信部203を介して当該情報を当該他の装置に出力する。なお、当該出力部は、当該情報に応じて、浄化部15を販売する業者に交換用の浄化部15の発注を行う構成であってもよい。
【0066】
上記において説明した給水栓1は、測定装置13を本体部10が備える構成に代えて、吐水部11が備える構成であってもよい。例えば、給水栓1は、吐水部11が備える第4流路P4における位置であって浄化部15と吐水口101との間の位置に測定装置13が設けられる構成であってもよい。この場合、測定装置13は、第1流量検出部131によって第4流路P4を流れる浄水の流量を検出可能である。このため、当該場合、給水栓1は、圧力検出部14を備えない構成であってもよい。ただし、当該場合、吐水部11の大きさは、増大してしまう。これは、吐水部11において、測定装置13を設置する空間と、測定装置13に接続される各種の配線を取り回す空間との少なくとも一方を確保する必要があるためである。すなわち、給水栓1では、測定装置13を本体部10が備えることによって、吐水部11の大型化を抑制することができ、且つ、水道水が浄化部15を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0067】
ここで、給水栓1と異なる給水栓X(例えば、従来の給水栓)であって水道水を浄化する浄化部を備える給水栓Xでは、浄化部よりも上流側において流路が1つしかない。このため、給水栓Xでは、当該流路に流量計を設置した場合、給水栓Xの吐水口から水道水が流れた際に当該流量計が計測する流量と、給水栓Xの吐水口から浄水が流れた際に当該流量計が計測する流量とのそれぞれを区別することが困難であった。一方、浄化部よりも下流に位置する流路のうち浄水が流れる流路に流量計を設置した場合、給水栓Xが備える部位のうち浄化部とともに流量計を備える部位の大きさが増大してしまう。また、給水栓Xには、当該部位を給水栓Xの本体から切り離して使用することが可能なものが存在する。ここで、当該部位において、流路に沿ってケーブルを引き回すこと、及び当該部位に電池を搭載させることは、ケーブル又は流路に不具合を生じさせる場合がある。このため、このような給水栓Xでは、流量計が計測した流量を示す情報を他の装置に出力することが困難な場合があった。このような事情から、給水栓1では、測定装置13を本体部10が備えることが望ましい。これにより、給水栓1は、吐水部11の大きさの増大を抑制しつつ、水道水が浄化部15を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0068】
また、上記において説明した給水栓1は、切替部102によって吐水口101から吐水させる水が、第2流路P2によって供給された水道水と第4流路P4によって供給された浄水とのいずれに切り替えられているかを検出する切替検出部を備える構成であってもよい。この場合、測定装置13は、当該切替検出部によって検出された結果に基づいて、第1流量検出部131によって検出された水道水流量を浄水流量として測定する構成であってもよい。この場合、例えば、測定装置13は、切替部102によって吐水口101から吐水させる水が、第4流路P4によって供給された浄水に切り替えられていることを当該切替検出部が検出した場合、第1流量検出部131によって検出された水道水流量を浄水流量として測定する。
ここで、給水栓1が当該切替検出部を備える場合、測定装置13と当該切替検出部とは、通信可能に接続される。測定装置13と当該切替検出部とは、例えば、配線を介した有線通信によって通信可能に接続される構成であってもよく、無線通信によって通信可能に接続される構成であってもよい。しかしながら、例えば、給水栓1がスパウトイン型の給水栓であるような場合、測定装置13と当該切替検出部とは、無線通信によって接続されることが望ましい。これは、スパウトイン型の給水栓において、吐水部(この一例において、吐水部11)が引出式シャワー構造となっていることが多いためである。この場合において測定装置13と当該切替検出部とに有線通信を行わせる場合、この有線通信に用いられる配線が、本体部10と吐水部とを繋ぐフレキシブルホース内を通ることになる。このため、当該配線は、フレキシブルホースに対して繰り返し実行される屈曲によって断線してしまう虞がある。このような理由から、測定装置13と当該切替検出部とは、無線通信によって接続されることが望ましい。測定装置13と当該切替検出部とを接続する無線通信は、例えば、省電力型のWi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信であってもよく、既知の他の無線通信であってもよく、これから開発される他の無線通信であってもよい。また、測定装置13と当該切替検出部とが無線通信によって接続される場合、切替検出部は、測定装置13と無線通信を行う通信部を備える。当該通信部への給電は、給水栓1において水道水が通る流路のうちの予め決められた位置に設けられた小型の水力発電装置によって行われてもよく、吐水部の振動又は揺動によって発電する発電装置によって行われてもよく、他の発電装置によって行われてもよい。また、当該給電は、切替部102によって吐水口101から吐水させる水が、第4流路P4によって供給された浄水に当該切替検出部によって切り替えられた際に行われてもよく、当該切替検出部による切り替えと無関係行われてもよい。
【0069】
なお、上記において説明した第1流量検出部131は、本体部10及び吐水部11の外側に設置される構成であってもよい。
また、上記において説明した測定装置13は、本体部10及び吐水部11の外側に設置される構成であってもよい。
【0070】
以上説明したように、給水栓(第1実施形態において、給水栓1)は、水を吐水する吐水口(第1実施形態において、吐水口101)を備えた吐水部(第1実施形態において、吐水部11)と、吐水部が設けられた本体部(第1実施形態において、本体部10)とを備える。また、本体部は、給水管から供給された水である水道水を吐水部に供給する第1流路(第1実施形態において、第1流路P1)を備える。また、吐水部は、水道水を浄化する浄化部(第1実施形態において、浄化部15)と、第1流路から供給された水道水を吐水口に供給する第2流路(第1実施形態において、第2流路P2)と、第1流路から供給された水道水を浄化部に供給する第3流路(第1実施形態において、第3流路P3)と、浄化部によって浄化された水道水である浄水を吐水口に供給する第4流路(第1実施形態において、第4流路P4)と、吐水口から吐水させる水を、第2流路によって供給された水道水と第4流路によって供給された浄水とのいずれかに切り替える切替部(第1実施形態において、切替部102)と、を備える。また、給水栓は、吐水口から吐水された浄水の流量である浄水流量を測定する測定装置(第1実施形態において、測定装置13)を備える。これにより、給水栓は、水道水が浄化部を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0071】
また、給水栓では、本体部は、測定装置を備える。また、測定装置は、第1流路を流れる水道水の流量である水道水流量を検出する第1流量検出部(第1実施形態において、第1流量検出部131)と、第1流量検出部により検出された水道水流量に基づいて、浄水流量を測定する第1制御装置(第1実施形態において、第1制御装置132)と、を備える。これにより、給水栓は、本体部が備える測定装置により測定された浄水流量に基づいて、水道水が浄化部を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0072】
また、給水栓では、本体部は、第1流路を流れる水道水の圧力を検出する圧力検出部(第1実施形態において、圧力検出部14)を備える。また、第1制御装置は、圧力検出部によって検出された圧力と、第1流量検出部によって検出された水道水流量とに基づいて、吐水口から吐水された水が浄水であるか否かを判定し、当該水が浄水であると判定した場合、第1流量検出部によって検出された水道水流量を浄水流量として測定する。これにより、給水栓は、圧力検出部によって検出された圧力と、第1流量検出部によって検出された水道水流量とに基づいて、水道水が浄化部を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0073】
また、給水栓では、第1制御装置は、第1流路を流れる水道水の圧力と、第1流路を流れる水道水の圧力に応じた流量であって吐水口から浄水が吐水された場合における水道水流量とが対応付けられた情報(第1実施形態において、第1対応情報)と、第1流量検出部によって検出された水道水流量と、圧力検出部によって検出された圧力と、に基づいて吐水口から吐水された水が浄水であるか否かを判定する。これにより、給水栓は、当該情報、当該水道水流量と、当該圧力とに基づいて、水道水が浄化部を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0074】
また、給水栓では、第1制御装置は、圧力検出部によって検出された圧力に応じて水道水流量の上限及び下限を導出し、導出した上限から下限までの範囲内に、第1流量検出部によって検出された水道水流量が含まれる場合、吐水口から吐水された水が浄水であると判定し、第1流量検出部によって検出された水道水流量を浄水流量として測定する。これにより、給水栓は、導出した上限及び下限に基づいて、水道水が浄化部を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0075】
また、給水栓では、本体部は、第1流路から第2流路及び第3流路への水道水の流れを塞ぐことが可能な水栓部(第1実施形態において、水栓部12)と、水栓部の開度を検出する開度検出部と、を備える。また、第1制御装置は、当該開度と、当該開度に応じた流量であって吐水口から浄水が吐水された場合における水道水流量とが対応付けられた情報(第1実施形態において、第3対応情報)と、開度検出部により検出された当該開度と、第1流量検出部により検出された水道水流量と、に基づいて吐水口から吐水された水が浄水であるか否かを判定する。これにより、給水栓は、開度検出部により検出された当該開度と、第3対応情報とに基づいて、水道水が浄化部を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0076】
また、給水栓では、第1制御装置は、開度検出部により検出された開度に基づいて水栓部が開いたか否かを判定し、水栓部が開いたと判定した場合、第1流量検出部によって検出された水道水流量を浄水流量として測定し始める。これにより、給水栓は、ユーザーが水栓部を開くタイミングと、浄水流量の測定を開始するタイミングとを一致させることができ、その結果、水道水が浄化部を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0077】
また、給水栓1では、吐水部は、切替部によって吐水口から吐水させる水が、第2流路によって供給された水道水と第4流路によって供給された浄水とのいずれに切り替えられているかを検出する切替検出部を備える。また、第1制御装置は、切替検出部によって検出された結果に基づいて、第1流量検出部によって検出された水道水流量を浄水流量として測定する。これにより、給水栓は、切替検出部によって検出された結果に基づいて、水道水が浄化部を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0078】
また、給水栓では、吐水部又は本体部は、測定装置によって測定された浄水流量を示す情報を報知する報知部を備える。これにより、給水栓は、当該情報をユーザーに報せることができる。
【0079】
また、給水栓では、吐水部又は本体部は、測定装置によって測定された浄水流量を示す情報を他の装置に出力する出力部を備える。これにより、給水栓は、当該情報に基づく処理を他の装置に行わせることができる。
【0080】
<第2実施形態>
以下、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同様な構成部に対して同じ符号を付して説明を省略する。図5は、第2実施形態に係る給水栓2の構成の一例を示す図である。
【0081】
第2実施形態に係る給水栓2は、水を浄化する浄水器と一体に構成された給水栓である。具体的には、給水栓2は、本体部20と、本体部20に設けられた吐水部21を備える。また、本体部20は、第1流路P1と、水栓部12を備える。また、吐水部21は、浄化部15と、第2流路P2と、第3流路P3と、第4流路P4と、吐水口101と、切替部102と、測定装置23を備える。
【0082】
本体部20は、例えば、円筒形状の筐体を有する。本体部20は、当該筐体の内側に、第1流路P1を備える。なお、当該筐体の形状は、円筒形状に代えて、直方体形状等の他の形状であってもよい。本体部20は、前述の本体部の一例である。
【0083】
吐水部21は、給水栓2が有する部材のうち水道水又は浄水を吐水する部材である。前述した通り、吐水部21は、本体部20に設けられる。吐水部21は、前述の吐水部の一例である。
【0084】
測定装置23は、水栓部12が開かれた場合に第4流路P4を流れる浄水の流量を、前述の浄水流量として測定する。測定装置23は、測定した浄水流量を示す浄水流量情報を記憶する。測定装置23は、前述の測定装置の一例である。
【0085】
測定装置23は、例えば、第2流量検出部231と、第2制御装置232を備える。なお、測定装置23は、第2流量検出部231と、第2制御装置232との両方に加えて、他の装置を備える構成であってもよい。
【0086】
第2流量検出部231は、第4流路P4を流れる浄水の流量を、前述の浄水流量として検出する。第2実施形態では、第2流量検出部231は、第4流路P4に取り付けられる。第2流量検出部231は、検出した浄水流量を示す浄水流量情報を第2制御装置232に出力する。なお、第2流量検出部231は、第3流路P3に取り付けられる構成であってもよい。この場合、第2流量検出部231は、第3流路P3を流れる浄化部15に供給される水道水の流量を、浄水流量として検出する。これは、第3流路P3に流れる水道水の流量と、第4流路P4に流れる浄水の流量とが同じ(又はほぼ同じ)だからである。
【0087】
第2制御装置232は、制御部301と、記憶部302と、通信部303を備える。
【0088】
制御部301は、測定装置23の全体を制御する。制御部301は、例えば、図示しないCPUが、記憶部302に記憶された各種のプログラムを実行することにより実現される。また、制御部301が有する機能のうちの一部又は全部は、LSI、ASIC等のハードウェア機能部であってもよい。
【0089】
制御部301は、第2流量検出部231から浄水流量情報を取得する。制御部301は、取得した浄水流量情報を記憶部202に記憶させる。また、制御部301は、記憶部302に記憶させた浄水流量情報が示す浄水流量の積算量を算出する。制御部301は、算出した積算量が予め決められた閾値以上であると判定した場合、浄化部15の交換を促す交換促進情報を、通信部303を介して他の装置に出力する構成であってもよく、交換促進情報を、通信部303を介して他の装置に出力しない構成であってもよい。また、制御部301は、当該場合、算出した積算量を示す積算量情報を、通信部303を介して他の装置に出力する構成であってもよく、当該情報を、通信部303を介して他の装置に出力しない構成であってもよい。通信部303を介して制御部301が積算量情報を他の装置に出力する機能は、出力部の一例である。なお、当該機能は、制御部301と別の機能部として第2制御装置232に備えられる構成であってもよい。
【0090】
記憶部302は、EEPROM、フラッシュEEPROM、ROM、フラッシュROM、RAM等を含む。なお、記憶部302は、第2制御装置232が備えるものに代えて、USB等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置であってもよい。記憶部302は、第2制御装置232が処理する各種の情報、各種のプログラム等を格納する。
【0091】
通信部303は、例えば、USB等のデジタル入出力ポート、イーサネット(登録商標)ポート、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信用のポート等を含んで構成される。
【0092】
<測定装置が浄水流量を測定する処理>
以下、図6を参照し、測定装置23が浄水流量を測定する処理について説明する。図6は、測定装置23が浄水流量を測定する処理の流れの一例を示す図である。ここで、以下では、一例として、測定装置23が、電源をオンにされることによって、図6に示したフローチャートの処理が開始され、電源をオフにされるまでの間、当該処理を実行し続ける場合について説明する。なお、図6に示したステップS160の処理は、図2に示したステップS160の処理と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0093】
制御部301は、第2流量検出部231が検出した浄水流量を示す浄水流量情報を第2流量検出部231から取得する(ステップS210)。
【0094】
次に、制御部301は、記憶部302に予め記憶された積算量情報を記憶部302から読み出す。制御部301は、読み出した積算量情報が示す積算量に、ステップS210において第2流量検出部231から取得した浄水流量情報が示す浄水流量を加算し、新たな積算量を算出する(ステップS220)。なお、制御部301は、積算量情報が示す積算量を0リットルに初期化する操作(例えば、当該初期化を行うボタンの押下等)をユーザーから受け付けた場合、記憶部302に記憶された積算量情報が示す積算量を0リットルに初期化する。
【0095】
このように、測定装置23は、第4流路P4を流れる浄水の流量、すなわち、浄水流量を測定する。その結果、測定装置23は、浄化部15によって浄化された水道水の流量、すなわち浄水流量に基づいて、水道水が浄化部15を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0096】
ここで、図7は、測定装置23を備える吐水部21の外観の一例を示す図である。図7に示した例では、吐水部21は、突出部分211を有する。突出部分211は、吐水部21の先端に設けられ、吐水部21の長手方向と直交する方向に吐水部21から突出した部分のことである。当該例では、突出部分211は、吐水口101から水が吐水される方向と重力方向とが一致し、且つ、切替部102から本体部20に向かう方向に沿って吐水部21を見た場合において、吐水部21から右側に向かって突出している。なお、突出部分211は、当該場合において吐水部21から上側に向かって突出する構成であってもよく、当該場合において吐水部21から左側に向かって突出する構成であってもよく、当該場合において吐水部21から他の方向に向かって突出する構成であってもよい。また、突出部分211は、図7に示した切替部102が設けられている位置に設けられる構成であってもよい。この場合、切替部102は、吐水部21の先端において他の位置に設けられる。
【0097】
突出部分211には、測定装置23が備える第2制御装置232が内蔵される。この際、第2制御装置232は、水密構造を有するようにユニット化されていることが望ましい。これにより、給水栓2は、水と接触してしまう可能性の高い吐水部21の先端側に第2制御装置232が位置していたとしても、第2制御装置232に水が接触してしまうことを抑制することができる。その結果、給水栓2は、例えば、水との接触によって第2制御装置232が故障してしまうことを抑制することができる。また、給水栓2は、このようなユニット化を行うことによって、第2制御装置232の防水構造を簡素化することができるとともに、第2制御装置232の防水の信頼性を向上させることができる。
【0098】
また、第2制御装置232が突出部分211に内蔵されている場合、第2制御装置232は、第2制御装置232とともに突出部分211に内蔵される電池等のバッテリーによって駆動することが望ましい。これは、第2制御装置232に電力を供給する配線を、吐水部21の内側から本体部20に向かって引き回した場合、漏電、断線等の不具合が生じてしまう虞があるためである。突出部分211に当該バッテリーが内蔵されている場合、突出部分211は、当該バッテリーを交換するための図示しない蓋を有する。給水栓2では、当該蓋を開くと突出部分211の内側と外側とを繋ぐ開口が露出する。当該蓋は、給水栓2の美観的観点から、吐水口101から水が吐水される方向と重力方向とが一致し、且つ、切替部102から本体部20に向かう方向に沿って吐水部21を見た場合において、突出部分211の下面に設けられることが望ましい。なお、当該蓋は、当該場合において、突出部分211の他の面に設けられる構成であってもよい。
【0099】
なお、第2制御装置232は、第4流路P4を流れる浄水の流量を検出するために第2流量検出部231が備える羽根車によって発電された電力によって駆動する構成であってもよい。この場合、給水栓2は、当該バッテリーを備える必要がなく、小型化することができる。
【0100】
また、給水栓2は、お湯を吐水口101から吐水する場合がある。この場合、第2制御装置232にお湯から熱が伝導してしまうと、第2制御装置232が故障してしまう可能性が生じる。第2制御装置232が突出部分211に内蔵されていることによって、給水栓2は、第2制御装置232を第4流路P4から離すことができ、その結果、第2制御装置232にお湯から熱が伝導してしまうことを抑制することができる。また、第2制御装置232が突出部分211に内蔵されていることによって、給水栓2は、内部に生じる結露によって第2制御装置232が故障してしまうことを抑制することができる。また、給水栓2は、第2制御装置232が水密構造でユニット化されていることによって、吐水口101から吐水されたお湯の湯気によって、第2制御装置232が故障してしまうことを抑制することができる。
【0101】
また、給水栓2では、第2制御装置232は、第2制御装置232が算出した積算量を表示するための表示部を備える構成であってもよい。この場合、当該表示部は、例えば、視認性、操作性等の観点から、切替部102から本体部20に向かう方向に沿って吐水部21を見た場合において、突出部分211の上面に設けられることが望ましい。図7に示したディスプレイDは、当該表示部の一例である。なお、当該表示部は、当該場合において、突出部分211の他の面に設けられる構成であってもよい。また、当該表示部は、例えば、液晶ディスプレイ等であるが、これに限られるわけではない。
【0102】
また、給水栓2では、第2制御装置232は、通信タッチ部を備える構成であってもよい。通信タッチ部は、近距離無線通信において通信する対象となる端末(例えば、多機能携帯電話端末(スマートフォン)、タブレット端末等)が第2制御装置232と通信を行う場合において、当該端末がかざされる(又は接触させられる)部材のことである。第2制御装置232は、当該端末が通信タッチ部にかざされた場合、例えば、第2制御装置232が算出した積算量を示す情報を当該端末に出力し、当該情報を当該端末に表示させる。また、第2制御装置232は、当該場合、当該情報を他の装置へ出力するように当該端末を制御する構成であってもよく、当該情報に代えて、又は、当該情報に加えて、他の情報を当該端末に表示させる構成であってもよい。第2制御装置232が当該通信タッチ部を備える場合、当該通信タッチ部は、例えば、視認性、操作性等の観点から、切替部102から本体部20に向かう方向に沿って吐水部21を見た場合において、突出部分211の上面に設けられることが望ましい。なお、当該表示部は、当該場合において、突出部分211の他の面に設けられる構成であってもよい。また、当該表示部は、例えば、液晶ディスプレイ等であるが、これに限られるわけではない。
【0103】
なお、上記において説明した給水栓2は、測定装置23が備える第2流量検出部231が吐水部21に備えられ、測定装置23が備える第2制御装置232が本体部20に備えられる構成であってもよい。この場合、第2流量検出部231は、例えば、近距離無線通信等の無線通信によって浄水流量情報を第2制御装置232に出力する。これにより、給水栓2は、吐水部21の大きさの増大を抑制しつつ、浄水流量をより高い精度で測定することができ、且つ、吐水部21の内部に引き回される配線を少なくすることができる。
また、上記において説明した給水栓2では、測定装置23は、突出部分211に内蔵される構成に代えて、吐水部21の内側において第2流量検出部231によって第4流路P4を流れる浄水の浄水流量を測定可能であれば、如何なる位置に備えられてもよい。
【0104】
以上説明したように、給水栓(第2実施形態において、給水栓2)は、水を吐水する吐水口(第2実施形態において、吐水口101)を備えた吐水部(第2実施形態において、吐水部21)と、吐水部が設けられた本体部(第2実施形態において、本体部20)とを備える。また、本体部は、給水管から供給された水である水道水を吐水部に供給する第1流路(第2実施形態において、第1流路P1)を備える。また、吐水部は、水道水を浄化する浄化部(第2実施形態において、浄化部15)と、第1流路から供給された水道水を吐水口に供給する第2流路(第2実施形態において、第2流路P2)と、第1流路から供給された水道水を浄化部に供給する第3流路(第2実施形態において、第3流路P3)と、浄化部によって浄化された水道水である浄水を吐水口に供給する第4流路(第2実施形態において、第4流路P4)と、吐水口から吐水させる水を、第2流路によって供給された水道水と第4流路によって供給された浄水とのいずれかに切り替える切替部(第2実施形態において、切替部102)と、を備える。また、給水栓は、吐水口から吐水された浄水の流量である浄水流量を測定する測定装置(第2実施形態において、測定装置23)を備える。これにより、給水栓は、水道水が浄化部を通過した量の積算量を精度よく測定することができる。
【0105】
また、給水栓では、吐水部は、測定装置を備え、測定装置は、第4流路を流れる浄水の流量である浄水流量を検出する第2流量検出部(第2実施形態において、第2流量検出部231)を備える。これにより、給水栓は、水道水が浄化部を通過した量の積算量を、より高い精度で測定することができる。
【0106】
また、給水栓では、本体部は、第2流量検出部から浄水流量を示す浄水流量情報を取得する第2制御装置であって水密構造を有するユニット化された第2制御装置(第2実施形態では、第2制御装置232)を備える。これにより、給水栓は、第2制御装置に水が接触してしまうことを抑制することができる。
【0107】
また、給水栓では、吐水部は、第2流量検出部から浄水流量を示す浄水流量情報を取得する第2制御装置を備える。これにより、給水栓は、吐水部の内側を通る配線を少なくすることができる。
【0108】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【0109】
また、以上に説明した装置(例えば、第1制御装置132、第2制御装置232)における任意の構成部の機能を実現するためのプログラムを、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピューターシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD(Compact Disk)-ROM等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0110】
また、上記のプログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピューターシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピューターシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記のプログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記のプログラムは、前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0111】
1、2…給水栓、10、20…本体部、11、21…吐水部、12…水栓部、13、23…測定装置、14…圧力検出部、15…浄化部、101…吐水口、102…切替部、131…第1流量検出部、132…第1制御装置、201、301…制御部、202、302…記憶部、203、303…通信部、231…第2流量検出部、232…第2制御装置、P1…第1流路、P2…第2流路、P3…第3流路、P4…第4流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7