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特許7240897自走式ロボット及びこれを用いたマーキング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】自走式ロボット及びこれを用いたマーキング方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/18 20060101AFI20230309BHJP
   G01C 15/02 20060101ALI20230309BHJP
   G05D 1/02 20200101ALI20230309BHJP
   E04F 21/20 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
E04G21/18 B
G01C15/02
G05D1/02 K
E04F21/20 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019033267
(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公開番号】P2020139273
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】316001674
【氏名又は名称】センクシア株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519068283
【氏名又は名称】株式会社イノベリタ
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100193839
【弁理士】
【氏名又は名称】杉山 周平
(72)【発明者】
【氏名】小林 淳彦
(72)【発明者】
【氏名】亀田 修
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-220987(JP,A)
【文献】特開昭59-167716(JP,A)
【文献】特開平01-239608(JP,A)
【文献】特開2005-315746(JP,A)
【文献】特開昭59-121403(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0100496(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/16、21/18
E04F 21/00、21/20
G01C 15/02
G05D 1/02
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロアパネルを設置する設置面にマーキングを行う自走式ロボットであって、
走行装置を有する本体部と、
前記フロアパネルの一辺の長さに対応する間隔をおいて前記本体部に配置され、前記設置面の画像を取得する複数の撮像部と、
前記複数の撮像部が並ぶ直線に対し、前記フロアパネルにおける前記一辺と前記一辺に対向する対向辺との間の距離に対応する間隔をおいて前記本体部に配置されるマーキング部と、
を備える自走式ロボット。
【請求項2】
前記マーキング部は、前記設置面に連続的な直線を描画する請求項1に記載の自走式ロボット。
【請求項3】
前記マーキング部は、平面視で、前記複数の撮像部のうちの1つを通り、前記撮像部間を結ぶ線と直交する線上に配置される請求項1又は2に記載の自走式ロボット。
【請求項4】
前記設置面に描かれる複数種類のシンボルパターンを予め記憶する記憶部と、
前記撮像部が取得した画像中の前記シンボルパターンに基づいて前記走行装置の進路を決定する進路決定部と、
を更に備える請求項1から3の何れかに記載の自走式ロボット。
【請求項5】
前記撮像部が取得する画像に前記本体部の向きを示す仮想線を設定する仮想線設定部と、
前記設置面に描かれる基準線を含む画像を取得した後、前記仮想線と前記基準線に基づいて前記本体部の位置合わせを行う位置設定部と、
を更に備える請求項1から4の何れかに記載の自走式ロボット。
【請求項6】
前記仮想線設定部は、前記複数の撮像部が取得した画像のそれぞれに前記仮想線を設定し、
前記位置設定部は、前記複数の撮像部が取得する前記基準線を含む複数の画像のそれぞれを用いて前記仮想線と前記基準線の位置合わせを行う請求項5に記載の自走式ロボット。
【請求項7】
自走距離測定部を更に備える請求項1から6の何れかに記載の自走式ロボット。
【請求項8】
前記自走距離測定部は、前記走行装置の駆動量に基づいて自走距離を測定する請求項7に記載の自走式ロボット。
【請求項9】
前記走行装置は、前後左右に合わせて4つの全方向移動車輪を有する請求項1から8の何れかに記載の自走式ロボット。
【請求項10】
平面視において前記本体部の中心に回転可能に配置される補助撮像部を更に備え、
前記補助撮像部が取得する画像に基づいて位置合わせを行う請求項1から9の何れかに記載の自走式ロボット。
【請求項11】
前記設置面における前記本体部の位置を取得する位置検出部を更に備える請求項1から10の何れかに記載の自走式ロボット。
【請求項12】
請求項1から11の何れかに記載の自走式ロボットにより設置面にマーキングを施すマーキング方法であって、
前記設置面に基準線を描く工程と、
1本の前記基準線上に前記複数の撮像部が位置するように、前記基準線に沿って前記自走式ロボットを走行させながら、前記基準線に対して、前記フロアパネルにおける前記一辺と前記対向辺との間の距離に対応する間隔で、前記マーキング部によるマーキングを描画する工程と、を含むマーキング方法。
【請求項13】
第1の線を新たな基準線として、前記基準線と平行な線であって、前記基準線と前記距離離れた第2の線を描画する工程を繰り返す請求項12に記載のマーキング方法。
【請求項14】
前記基準線上に設定される基準点に基づいて自走式ロボットを初期位置に位置決めする工程を更に含む請求項12又は13に記載のマーキング方法。
【請求項15】
前記基準線は、コ字状に描画され、
前記自走式ロボットは、矩形波状に移動して前記基準線のコの字の内側でマーキングを描画する請求項12から14の何れかに記載のマーキング方法。
【請求項16】
前記自走式ロボットは、前記基準線のコの字の角に相当する部分を起点としてマーキングの描画を開始する請求項15に記載のマーキング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式ロボット及びこれを用いたマーキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フロアパネルを設置するために、建築工事の墨出しを行う場合、専門の作業員により行っていたため、人材不足と準備コストを要する点から改善策が求められていた。
これに対して、フロアパネルを設置するための建築工事の墨出しロボットとして、レーザーにより距離を測定して、ロボットの位置を把握するものがある(例えば、特許文献1、2、非特許文献1参照)。レーザーにより距離を測定する場合には、2つのレーザーを使用して、三角法で距離を算出する方法が一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-289638号公報
【文献】特許第2649859号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】大林組技術研究所報 No.76 自走式墨出しロボットシステム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、フロアパネルを設置するために、墨出しロボットの位置をレーザー測定により把握するには、レーザーを使用するという観点から、レーザー測定に要するコストやレーザーの経時劣化による寿命などを考慮すると、コスト高である。また、墨出しロボットの位置をレーザー測定により把握して墨出しを行う場合においても、周辺の準備やロボットの完全自動化が難しいため、人手がかかる。
【0006】
本発明は、フロアパネルの設置に必要な労力を省略できる自走式ロボット及びこれを用いたマーキング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、フロアパネルを設置する設置面にマーキングを行う自走式ロボットであって、走行装置を有する本体部と、前記フロアパネルの一辺の長さに対応する間隔をおいて前記本体部に配置され、前記設置面の画像を取得する複数の撮像部と、前記複数の撮像部が並ぶ直線に対し、前記フロアパネルにおける前記一辺と前記一辺に対向する対向辺との間の距離に対応する間隔をおいて前記本体部に配置されるマーキング部と、を備える自走式ロボットに関する。
【0008】
また、前記マーキング部は、前記設置面に連続的な直線を描画することが好ましい。
【0009】
また、前記マーキング部は、平面視で、前記複数の撮像部のうちの1つを通り、前記撮像部間を結ぶ線と直交する線上に配置されることが好ましい。
【0010】
また、前記設置面に描かれる複数種類のシンボルパターンを予め記憶する記憶部と、前記撮像部が取得した画像中の前記シンボルパターンに基づいて前記走行装置の進路を決定する進路決定部と、を更に備えることが好ましい。
【0011】
また、前記撮像部が取得する画像に前記本体部の向きを示す仮想線を設定する仮想線設定部と、前記設置面に描かれる基準線を含む画像を取得した後、前記仮想線と前記基準線に基づいて前記本体部の位置合わせを行う位置設定部と、を更に備えることが好ましい。
【0012】
また、前記仮想線設定部は、前記複数の撮像部が取得した画像のそれぞれに前記仮想線を設定し、前記位置設定部は、前記複数の撮像部が取得する前記基準線を含む複数の画像のそれぞれを用いて前記仮想線と前記基準線の位置合わせを行うことが好ましい。
【0013】
また、自走距離測定部を更に備えることが好ましい。
【0014】
また、前記自走距離測定部は、前記走行装置の駆動量に基づいて自走距離を測定することが好ましい。
【0015】
また、前記走行装置は、前後左右に合わせて4つの全方向移動車輪を有することが好ましい。
【0016】
また、平面視において前記本体部の中心に回転可能に配置される補助撮像部を更に備え、前記補助撮像部が取得する画像に基づいて位置合わせを行うことが好ましい。
【0017】
また、前記設置面における前記本体部の位置を取得する位置検出部を更に備えることが好ましい。
【0018】
また、前記自走式ロボットにより設置面にマーキングを施すマーキング方法であって、前記設置面に基準線を描く工程と、1本の前記基準線上に前記複数の撮像部が位置するように、前記基準線に沿って前記自走式ロボットを走行させながら前記フロアパネルにおける前記一辺の対向辺との間の距離に対応する間隔で、前記マーキング部によるマーキングを描画する工程と、を含むマーキング方法に関する。
【0019】
また、第1の線を新たな基準線として、前記基準線と平行な線であって、前記基準線と前記距離離れた第2の線を描画する工程を繰り返すことが好ましい。
【0020】
また、前記基準線上に設定される基準点に基づいて自走式ロボットを初期位置に位置決めする工程を更に含むことが好ましい。
【0021】
また、前記基準線は、コ字状に描画され、前記自走式ロボットは、矩形波状に移動して前記基準線のコの字の内側でマーキングを描画することが好ましい。
【0022】
また、前記自走式ロボットは、前記基準線のコの字の角に相当する部分を起点としてマーキングの描画を開始することが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、フロアパネルの設置に必要な労力を省略できる自走式ロボット及びこれを用いたマーキング方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る自走式ロボットの構成を示す平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る自走式ロボットを後方側から見た図である。
図3】制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
図4】記憶部に予め記憶される複数種類のシンボルパターンを示す図である。
図5】後方カメラ及び前方カメラの画像取得領域において設定される複数のシンボル判定エリア及び複数の仮想線を示す図である。
図6】位置設定部により、自走式ロボットの位置を合わせる動作を説明する図である。
図7A】自走式ロボットが基準線の初期位置に位置する状態を示す図である。
図7B図7Aに示す状態から、自走式ロボットが移動して、基準線の前側限界位置に達した状態を示す図である。
図7C図7Bに示す状態から、自走式ロボットがフロアパネルの1枚分に対応する距離だけ左側に移動した状態を示す図である。
図7D図7Cに示す状態から、自走式ロボットが移動して、基準線の後側限界位置に達した状態を示す図である。
図7E図7Dに示す状態から、自走式ロボットが、フロアパネルの1枚分に対応する距離だけ左側に移動した状態を示す図である。
図7F】自走式ロボットが設置面に描画線を格子状に描画した状態を示す図である。
図8】自走式ロボットの動作の他の制御例を示す図であって、図7Cに示す状態から図7Dに示す状態に自走式ロボットが移動するのに代えて、図7Cに示す状態から、自走式ロボットが移動して、基準線のコの字の外側の後側限界位置に達した状態を示す図である。
図9】自走式ロボットが設置面にコの字の内側の全ての範囲において複数の格子状の描画線を描画した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の自走式ロボットの好ましい一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自走式ロボット1の構成を示す平面図である。図2は、本発明の一実施形態に係る自走式ロボット1を後方側から見た図である。
【0026】
本実施形態の自走式ロボット1は、フロアパネルPを設置する設置面100にマーキングを行う自走式のロボットである。自走式ロボット1は、例えば正方形のフロアパネルPを設置面100に設置するために、フロアパネルPを支持する支持脚を設置する箇所にマーキングを行う。本実施形態においては、自走式ロボット1により描画された描画線において、十字にクロスした交点の位置、描画線の端部の位置、T字状に描画された交点の位置、L字状に描画された描画線の角部の位置などが、支持脚を設置する場合に使用されるマーキングとなる。
【0027】
自走式ロボット1は、図1に示すように、前後方向及び左右方向(図1における前後方向及び左右方向)に移動可能である。なお、本実施形態において、自走式ロボット1の前後方向におけるマーキング部3が設けられる側を前側(図1の上側)といい、前後方向におけるマーキング部3と反対側を後側(図1の下側)という。また、前後方向に直交する方向を左右方向といい、左右方向における一方側を左側(図1の左側)といい、左右方向の他方側を右側(図1の右側)という。
【0028】
図1及び図2に示すように、自走式ロボット1は、本体部2と、マーキング部3と、後方カメラ61(撮像部)と、前方カメラ62(撮像部)と、補助カメラ63(補助撮像部)と、制御装置10(図3参照)と、を備える。マーキング部3は、本体部2に配置され、設置面100に連続的な直線を描画するマーキング部である。
【0029】
本体部2は、台座部21と、走行装置22と、を備える。
台座部21は、平面視で正方形状に形成され、厚みを有する。台座部21には、各種回路基板(図示省略)などが配置される。なお、台座部21は、平面視で正方形状に限定されず、例えば、長方形状や円形状や楕円状でもよい。
【0030】
走行装置22は、台座部21に取り付けられる。走行装置22は、4つの車輪221(全方向移動車輪)と、4つの駆動部222と、を有する。4つの車輪221は、台座部21の左右方向の両端部において、前後方向に離間して、前後左右に配置されている。4つの車輪221は、全方向移動車輪で構成される。車輪221は、車輪の駆動やローラの回転を組み合わせることで、全方向移動を可能としている。
【0031】
本実施形態においては、全方向移動車輪としての車輪221として、例えば、車輪に対して45度傾いた複数のローラを取り付けたメカナムホイール(登録商標)を採用している。なお、全方向移動車輪として、メカナムホイールの他に、例えば、回転軸が互いに異なる方向を向いた複数のローラを有するオムニホイール(登録商標)を採用してもよい。
【0032】
4つの駆動部222は、それぞれ、車輪221を駆動する。本実施形態においては、駆動部222は、例えば、ステッピングモータにより構成される。4つの駆動部222は、それぞれ、後述する制御装置10により制御されることで、4つの車輪221が、各全方向移動車輪の回転量及び回転方向のそれぞれを個別に制御されて、本体部2を前後方向、左右方向、斜行方向に移動させることができる。
【0033】
マーキング部3は、本体部2の左側の前側に配置される。マーキング部3は、後述する後方カメラ61及び前方カメラ62が並ぶ直線(フロアパネルPの右側辺P4を通る直線)に対し、フロアパネルPにおける前側辺P1(一辺)と前側辺P1に対向する後側辺P2との間の距離L1に対応する間隔をおいて本体部2に配置される。また、マーキング部3は、平面視で、前方カメラ62を通り、後方カメラ61及び前方カメラ62間を結ぶ線と直交する線上に配置される。
【0034】
マーキング部3は、設置面100からの衝撃を吸収可能な支持枠体31により支持された状態で本体部2に固定される。マーキング部3は、上下移動機構(図示省略)が駆動されることで下方に移動してペン先が設置面100に接触した状態で、自走式ロボット1が移動することで、設置面100に連続的な直線により構成される描画線(マーキング)を描画する。上下移動機構は、マーキング部3を上下移動させることが可能な機構である。上下移動機構としては、例えば、ソレノイド、カム機構等の上下移動させることが可能な機構を挙げることができる。本実施形態においては、マーキング部3として、例えば、マーカーペンが用いられる。なお、マーキング部3として、例えば、インクジェット方式の印刷によるマーキングを用いてもよいし、筆ペンを用いてもよい。
【0035】
本実施形態においては、フロアパネルPは、図1の一点鎖線で示すように、1つの辺の長さが距離L1で形成される正方形状に形成される。具体的には、フロアパネルPは、前側の前側辺P1(一辺)、後側の後側辺P2(対向辺)、左側辺P3及び右側辺P4の長さは、距離L1である。前側辺P1及び後側辺P2は、距離L1の間隔をおいて配置され、左側辺P3及び右側辺P4は、距離L1の間隔をおいて配置される。本実施形態においては、フロアパネルPの1つの辺の長さの距離L1は、例えば、50cmである。なお、本実施形態においては、フロアパネルPを正方形状に形成したが、これに限定されない。フロアパネルPは、前側辺P1及び後側辺P2が平行に配置される形状であればよく、例えば、フロアパネルを、長方形や六角形等の形状に形成してもよい。
【0036】
後方カメラ61及び前方カメラ62は、設置面100の画像を取得する。
後方カメラ61及び前方カメラ62は、図1及び図2に示すように、フロアパネルPの右側辺P4に沿って前後方向に離間して配置され、フロアパネルPの前側辺P1(一辺)の長さに対応する距離L1(間隔)をおいて本体部2に配置される。
【0037】
後方カメラ61は、支持部611を介して本体部2の右側の後側に配置される。前方カメラ62は、支持部621を介して本体部2の右側の前側に配置される。前方カメラ62は、後方カメラ61との間に距離L1をおいて後方カメラ61の前側に配置され、かつ、マーキング部3との間に距離L1をおいてマーキング部3の左側に配置される。
後方カメラ61及び前方カメラ62は、例えば、簡易な構成の低価格のカメラが用いられる。後方カメラ61及び前方カメラ62の画像の信号は、インターフェース(I/F)を介して、本体部2に送られる。本実施形態においては、インターフェース(I/F)として、例えば、USB(Universal Serial Bus)が用いられている。なお、インターフェース(I/F)は、撮影した画像の信号を送信可能なものであれば、USBに限定されない。
【0038】
後方カメラ61及び前方カメラ62は、設置面100に画像(基準線K、自走式ロボット1が描画したシンボルパターンS)を取得することにより、自走式ロボット1の移動開始位置を認識し、自走式ロボット1の進路を決定して、自走式ロボット1のマーキング動作を実行する。
【0039】
補助カメラ63は、図1及び図2に示すように、平面視において本体部2の中心において、本体部2の上面から上方から延びる支持軸631の上端に取り付けられ、支持軸631を中心に回転可能に配置される。補助カメラ63は、回転しながら、周囲を撮像して、周囲の画像を取得する。これにより、自走式ロボット1のマーキング動作をスタートさせる前に、補助カメラ63が取得する画像に基づいて、自走式ロボット1を初期位置付近に移動させる。これにより、自走式ロボット1の初期位置の概ねの位置合わせを行うことができる。補助カメラ63による自走式ロボット1の初期位置の概ねの位置合わせは、遠隔操作で行ってもよいし、自動で行ってもよい。具体的には、フロアパネルPを設置する設置面100に描いた基準線Kを補助カメラ63により撮像して、自走式ロボット1を基準線Kに近づくように移動させることができる。
【0040】
制御装置10の構成について説明する。図3は、制御装置10の構成を示す機能ブロック図である。図4は、記憶部12に予め記憶される複数種類のシンボルパターンSを示す図である。図5は、後方カメラ61及び前方カメラ62の画像取得領域RAにおいて設定される複数のシンボル判定エリアRH及び複数の仮想線Iを示す図である。図6は、位置設定部118により、自走式ロボット1の位置を合わせる動作を説明する図である。
【0041】
制御装置10には、駆動部222、マーキング部3、後方カメラ61、前方カメラ62、補助カメラ63が電気的に接続されている。制御装置10は、制御部11と、記憶部12と、を有する。
【0042】
記憶部12は、設置面100に描かれる複数種類のシンボルパターンSを予め記憶する。記憶部12は、複数種類のシンボルパターンSとして、例えば、図4に示す第1シンボルグループS1~第5シンボルグループS5の15個のシンボルパターンSを予め記憶する。15個のシンボルパターンSについて説明する。ここで、15個のシンボルパターンSは、それぞれ、図5の上側の欄外に示すサンプル図において、四角形状の四角枠W内に配置される縦ラインLT及び横ラインLYの有無により、例えば、15個のシンボルパターンSに分類できる。
【0043】
サンプル図の縦ラインLTは、四角枠W内の左右方向の中央において、前後方向の全域に亘って直線状に延びて形成される。縦ラインLTは、前側に配置される前側縦ラインLT1と、後側に配置される後側縦ラインLT2とが連続して前後方向に延びる。
サンプル図の横ラインLYは、四角枠W内の前後方向の中央において、左右方向の全域に亘って直線状に延びて形成される。横ラインLYは、左側に配置される左側横ラインLY1と、右側に配置される右側横ラインLY2とが連続して左右方向に延びる。
【0044】
第1シンボルグループS1は、シンボルパターンSが十字状にクロスして配置されるグループである。第1シンボルグループS1に属するシンボルパターンSとして、例えば、第1aパターンS1aがある。第1aパターンS1aは、縦ラインLTと横ラインLYとが十字にクロスして配置される。
【0045】
第2シンボルグループS2は、シンボルパターンSがT字状に形成されるグループである。第2シンボルグループS2に属するシンボルパターンSとして、例えば、第2aパターンS2a、第2bパターンS2b、第2cパターンS2c、第2dパターンS2dがある。
第2aパターンS2aは、前側縦ラインLT1と横ラインLYとにより、前側にT字の縦線が配置されるT字状に形成される。
第2bパターンS2bは、後側縦ラインLT2と横ラインLYとにより、後側にT字の縦線が配置されるT字状に形成される。
第2cパターンS2cは、縦ラインLTと左側横ラインLY1とにより、左側にT字の縦線が配置されるT字状に形成される。
第2dパターンS2dは、縦ラインLTと右側横ラインLY2とにより、右側にT字の縦線が配置されるT字状に形成される。
【0046】
第3シンボルグループS3は、シンボルパターンSがL字状に形成されるグループである。第3シンボルグループS3に属するシンボルパターンSとして、例えば、第3aパターンS3a、第3bパターンS3b、第3cパターンS3c、第3dパターンS3dがある。
第3aパターンS3aは、前側縦ラインLT1と左側横ラインLY1とにより、左前側が開放するL字状に形成される。
第3bパターンS3bは、前側縦ラインLT1と右側横ラインLY2とにより、右前側が開放するL字状に形成される。
第3cパターンS3cは、後側縦ラインLT2と右側横ラインLY2とにより、右後側が開放するL字状に形成される。
第3dパターンS3dは、後側縦ラインLT2と左側横ラインLY1とにより、左後側が開放するL字状に形成される。
【0047】
第4シンボルグループS4は、縦ラインLT又は横ラインLYのいずれかが、四角枠W内に配置されるグループである。第4シンボルグループS4に属するシンボルパターンSとして、例えば、第4aパターンS4a、第4bパターンS4bがある。
第4aパターンS4aは、縦ラインLTのみにより形成され、四角枠W内において前後方向の全域に延びる直線状に形成される。
第4bパターンS4bは、横ラインLYのみにより形成され、四角枠W内において左右方向の全域に延びる直線状に形成される。
【0048】
第5シンボルグループS5は、前側縦ラインLT1、後側縦ラインLT2、左側横ラインLY1及び右側横ラインLY2のうち、いずれか1つにより形成されるグループである。第5シンボルグループS5に属するシンボルパターンSとして、例えば、第5aパターンS5a、第5bパターンS5b、第5cパターンS5c、第5dパターンS5dがある。
第5aパターンS5aは、前側縦ラインLT1のみにより形成される。
第5bパターンS5bは、後側縦ラインLT2のみにより形成される。
第5cパターンS5cは、左側横ラインLY1のみにより形成される。
第5dパターンS5dは、右側横ラインLY2のみにより形成される。
【0049】
以上のように記憶部12に予め記憶される15個のシンボルパターンSが、後方カメラ61又は前方カメラ62により検出された画像と比較されることで、制御部11は、描画線のシンボルパターンSを認識する。
【0050】
制御部11は、自走式ロボット1の起動、駆動及び停止等の各種の制御を行う。制御部11は、図3に示すように、シンボル判定エリア設定部110aと、仮想線設定部110bと、進路決定部111と、マーキング実行部112と、自走距離測定部113と、速度制御部114と、位置合わせ部115と、位置検出部116と、通信部117と、位置設定部118と、を有する。
【0051】
シンボル判定エリア設定部110aは、複数種類のシンボルパターンSを判定する複数のシンボル判定エリアRHを設定する。本実施形態においては、例えば、図5に示すように、後方カメラ61及び前方カメラ62の画像取得領域RAにおいて、シンボルパターンSを判定する9つのシンボル判定エリアRHが設定される。
【0052】
図5に示すように、後方カメラ61及び前方カメラ62の画像取得領域RAが長方形の範囲である場合に、9つのシンボル判定エリアRHは、例えば、全体中央エリアRHa、左前角エリアRHb、右前角エリアRHc、左後角エリアRHd、右後角エリアRHe、前側中央エリアRHf、後側中央エリアRHg、左側中央エリアRHh、及び右側中央エリアRHiを備えて構成される。9つのシンボル判定エリアRHは、それぞれ、正方形状に形成される。
【0053】
全体中央エリアRHaは、画像取得領域RAの中央に配置される。
左前角エリアRHb、右前角エリアRHc、左後角エリアRHd及び右後角エリアRHeは、画像取得領域RAにおいて、それぞれ、左前の角、右前の角、左後の角、右後の角に配置される。
前側中央エリアRHfは、画像取得領域RAの前側の左右方向において、左前角エリアRHb及び右前角エリアRHcの間の中央に配置される。
後側中央エリアRHgは、画像取得領域RAの後側の左右方向において、左後角エリアRHd及び右後角エリアRHeの間の中央に配置される。
左側中央エリアRHhは、画像取得領域RAの左側の前後方向において、左前角エリアRHb及び左後角エリアRHdの間の中央に配置される。
右側中央エリアRHiは、画像取得領域RAの右側の前後方向において、右前角エリアRHc及び右後角エリアRHeの間の中央に配置される。
【0054】
仮想線設定部110bは、後方カメラ61及び前方カメラ62が取得した画像のそれぞれに、本体部2の向きを示す仮想線Iを設定する。本実施形態においては、図5に示すように、後方カメラ61及び前方カメラ62の画像取得領域RAにおいて、本体部2の向きを示す4本の仮想線Iが設定される。
【0055】
図5に示すように、4本の仮想線Iは、後方カメラ61及び前方カメラ62の画像取得領域RAが長方形の範囲である場合に、例えば、縦仮想ラインIT、前側横仮想ラインIY1、中央側横仮想ラインIY2、及び前側横仮想ラインIY1を備えて構成される。4本の仮想線Iは、それぞれ、直線状に形成される。
【0056】
縦仮想ラインITは、左右方向の中央において前後方向に直線状に延びて形成され、9つのシンボル判定エリアRHのうち、前側中央エリアRHfの中心、全体中央エリアRHaの中心及び後側中央エリアRHgの中心を前後方向に繋いで延びる。
前側横仮想ラインIY1は、前後方向の前側において左右方向に直線状に延びて形成され、9つのシンボル判定エリアRHのうち、左前角エリアRHbの中心、前側中央エリアRHfの中心、右前角エリアRHcの中心を左右方向に繋いで延びる。前側横仮想ラインIY1は、前側中央エリアRHfの中心において、縦仮想ラインITと直交する。
【0057】
中央側横仮想ラインIY2は、前後方向の中央において左右方向に直線状に延びて形成され、9つのシンボル判定エリアRHのうち、左側中央エリアRHhの中心、全体中央エリアRHaの中心、右側中央エリアRHiの中心を左右方向に繋いで延びる。中央側横仮想ラインIY2は、全体中央エリアRHaの中心において、縦仮想ラインITと直交する。
後側横仮想ラインIY3は、前後方向の後側において左右方向に直線状に延びて形成され、9つのシンボル判定エリアRHのうち、左後角エリアRHdの中心、後側中央エリアRHgの中心、右後角エリアRHeの中心を左右方向に繋いで延びる。後側横仮想ラインIY3は、後側中央エリアRHgの中心において、縦仮想ラインITと直交する。
【0058】
進路決定部110は、後方カメラ61及び前方カメラ62が取得した画像中のシンボルパターンSに基づいて、記憶部12に予め記憶されたシンボルパターンSを参照して、走行装置22の進路を決定する。
【0059】
マーキング実行部112は、進路決定部110により決定された走行装置22の進路に基づいて走行装置22が移動する際に、マーキング部3により設置面100に描画線(マーキング)を描画する動作を実行する。
【0060】
位置設定部118は、設置面100に描かれる基準線Kを含む画像を取得した後、仮想線Iと基準線Kに基づいて本体部2の位置合わせを行う。位置設定部118は、後方カメラ61及び前方カメラ62が取得する基準線Kを含む複数の画像のそれぞれを用いて仮想線Iと基準線Kの位置合わせを行う。
【0061】
例えば、図6に示す補正前の前方カメラ62及び後方カメラ61において、基準線Kが仮想線Iに対して傾いている場合に、前方カメラ62において、前後方向に延びる基準線Kの縦基準ラインKaを仮想線Iに合わせるように自走式ロボット1を移動させながら、後方カメラ61において、基準線Kの縦基準ラインKa及び後側横基準ラインKbを仮想線Iに合わせるように、自走式ロボット1を移動させることができる。これにより、本体部2の位置が基準線Kに対して位置がずれていたり、本体部2が基準線Kに対して傾いている場合に、図6に示す補正後の前方カメラ62及び後方カメラ61において、本体部2を基準線Kに合わせるように補正を行うことで、位置設定部118は、自走式ロボット1の位置を合わせることができる。
【0062】
自走距離測定部113は、4つの車輪(走行装置)の駆動量に基づいて自走距離を測定する。具体的には、4つの車輪221は、ステッピングモータからなる駆動部222により駆動される。これにより、自走距離測定部113は、ステッピングモータを駆動する駆動パルス数に基づいて、自走距離を測定できる。
【0063】
速度制御部114は、後方カメラ61及び前方カメラ62が取得する画像にシンボルパターンSを検出すると、4つの車輪221(走行装置22)の速度を減衰させる。これにより、4つの車輪221を減速させてスムーズに停止させることができる。
【0064】
また、速度制御部114は、自走距離測定部113が取得した自走距離に基づいて減衰させる速度を調整する。具体的には、速度制御部114は、自走距離測定部113が取得した自走距離に基づいて、ステッピングモータを駆動する駆動パルス数を算出して、減衰させる速度を調整する。これにより、4つの車輪221を減速させてスムーズに停止させることができる。
【0065】
位置合わせ部115は、補助カメラ63が取得する画像に基づいて位置合わせを行う。例えば、位置合わせ部115は、補助カメラ63が取得する画像に基づいて、設置面100に描かれた基準線Kに対して概ねの位置合わせを行うように、自走式ロボット1を移動させる。これにより、自走式ロボット1を基準線Kの近傍まで移動させることができる。
【0066】
位置検出部116は、設置面100における本体部2の位置を取得する。位置検出部116により検出された本体部2の位置に関する位置情報は、後述する通信部117を介して外部に発信される。これにより、外部に発信された本体部2の位置情報により、例えば、自走式ロボット1の位置を表示部(図示省略)に表示できる。
【0067】
通信部117は、外部と通信を行い、例えば、遠隔操作により自走式ロボット1を移動させる場合に、外部からの動作信号を受信し、例えば、自走式ロボット1において取得した位置検出部116により検出された自走式ロボット1の位置情報や自走距離情報などを、外部に発信する。
【0068】
次に、自走式ロボット1により設置面100に描画線(マーキング)を描画する(施す)動作について説明する。図7Aは、自走式ロボット1が基準線Kの初期位置に位置する状態を示す図である。図7Bは、図7Aに示す状態から、自走式ロボット1が移動して、基準線Kの前側限界位置に達した状態を示す図である。図7Cは、図7Bに示す状態から、自走式ロボット1がフロアパネルPの1枚分に対応する距離L1だけ左側に移動した状態を示す図である。図7Dは、図7Cに示す状態から、自走式ロボット1が移動して、基準線Kの後側限界位置に達した状態を示す図である。図7Eは、図7Dに示す状態から、自走式ロボット1が、フロアパネルPの1枚分に対応する距離L1だけ左側に移動した状態を示す図である。図7Fは、自走式ロボット1が設置面100に描画線を格子状に描画した状態を示す図である。
【0069】
まず、自走式ロボット1のマーキング動作をスタートさせる前に、図7Aに示すように、フロアパネルPを設置する設置面100に基準線Kを描く(基準線を描く工程)。本実施形態においては、基準線Kは、コ字状に描画される。基準線Kは、前後の限界位置を繋いで前後方向に所定長さ延びる縦基準ラインKaと、縦基準ラインKaの後側の端部から左側に所定長さ延びる後側横基準ラインKbと、縦基準ラインKaの前側の端部から左側に所定長さ延びる前側横基準ラインKcと、を有する。基準線Kのコの字の内側の範囲において、自走式ロボット1によるマーキング動作が実行される。基準線Kを描くことは、作業者によって行われてもよいし、別のロボットにより行われてもよい。
【0070】
次に、補助カメラ63は、回転しながら、フロアパネルPを設置する設置面100に描いた基準線Kを補助カメラ63により撮像する。そして、遠隔操作による操作信号により、位置合わせ部115は、補助カメラ63が取得する画像に基づいて、設置面100に描かれた基準線Kに対して概ねの位置合わせを行うように、自走式ロボット1を移動させる。
【0071】
続けて、制御部11は、後方カメラ61及び前方カメラ62が取得した設置面100の基準線Kの画像に基づいて、基準線Kのコの字の角に相当する部分に位置するように、自走式ロボット1を初期位置に位置決めする(初期位置に位置決めする工程)。これにより、後方カメラ61により基準線Kのコの字の角に相当する部分を認識させて、自走式ロボット1を初期位置に位置決めすることができる。なお、基準線K上に基準点K1を設定することで、後方カメラ61により基準点K1を認識させて、基準線K上に設定される基準点K1に基づいて、自走式ロボット1を初期位置に位置決めすることもできる。
なお、本実施形態においては、後方カメラ61及び前方カメラ62が取得した画像に基づいて、自走式ロボット1をコの字の角に相当する部分に位置するように制御して、自走式ロボット1を初期位置に位置決めしたが、これに限定されない。例えば、初期位置に直線状の基準線を設けて、後方カメラ61において、直線の始まりと直線部を認識し、前方カメラ62において、直線部を認識することで、自走式ロボット1を初期位置に位置決めすることもできる。
【0072】
そして、自走式ロボット1は、基準線Kのコの字の角に相当する部分を起点として描画線の描画を開始する。本実施形態においては、自走式ロボット1は、矩形波状に移動して基準線Kのコの字の内側で描画線を描画する。
【0073】
ここで、図6に示すように、前方カメラ62及び後方カメラ61において、基準線Kが仮想線Iに対して傾いている場合に、位置設定部118は、設置面100に描かれる基準線Kを含む画像を取得した後、仮想線Iと基準線Kに基づいて本体部2の位置合わせを行う。例えば、図6に示す補正前の前方カメラ62及び後方カメラ61において、基準線Kが仮想線Iに対して傾いている場合に、図6に示す補正後の前方カメラ62及び後方カメラ61において、本体部2を基準線Kに合わせる補正を行うことで、位置設定部118は、自走式ロボット1の位置を合わせることができる。
【0074】
自走式ロボット1が図7Aに示す初期位置から図7Bに示す前側の限界位置(以下「前側限界位置」ともいう)まで移動する場合には、基準線Kの縦基準ラインKa上に前方カメラ62及び後方カメラ61が位置するように、基準線Kの縦基準ラインKaに沿って自走式ロボット1を走行させながら基準線Kの縦基準ラインKaから左側に平行に距離L1の間隔で、マーキング部3によるマーキングを描画する(マーキングを描画する工程)。
【0075】
具体的には、進路決定部110は、後方カメラ61及び前方カメラ62が取得した画像中のシンボルパターンSに基づいて、記憶部12に予め記憶されたシンボルパターンSを参照して、走行装置22の進路を決定する。
【0076】
例えば、自走式ロボット1が図7Aに示す初期位置に位置する場合には、進路決定部110は、記憶部12に予め記憶されたシンボルパターンSを参照して、後方カメラ61において、図4に示す第3aパターンS3a(前側縦ラインLT1と左側横ラインLY1とにより、左前側が開放するL字状に形成されるシンボルパターンS)を撮像して認識し、かつ、前方カメラ62において、図4に示す第4aパターンS4a(縦ラインLTのみにより形成されるシンボルパターンS)を認識した場合に、自走式ロボット1の位置が初期位置であることを確定して、基準線Kの縦基準ラインKaに沿って前後方向の前側に向けて移動する進路を決定する。
【0077】
また、自走式ロボット1が図7Aに示す初期位置と図7Bに示す前側限界位置との間に位置する場合には、進路決定部110は、記憶部12に予め記憶されたシンボルパターンSを参照して、後方カメラ61及び前方カメラ62の両方において、図4に示す第4aパターンS4a(縦ラインLTのみにより形成されるシンボルパターンS)を認識した場合に、基準線Kの縦基準ラインKaの途中を移動していることを確定して、更に基準線Kの縦基準ラインKaに沿って前後方向の前側に向けて移動する進路を決定する。
【0078】
このようにして、図7Bに示すように、進路決定部110により決定された走行装置22の進路に基づいて、マーキング実行部112は、基準線Kの縦基準ラインKaに沿って自走式ロボット1を走行させながら、基準線Kの縦基準ラインKaから左側に平行に距離L1の間隔で、マーキング部3により設置面100に連続的な直線である第1描画線LB1(第1の線)を描画する動作を実行させる。
【0079】
また、自走式ロボット1が図7Bに示す前側限界位置に達した場合には、進路決定部110は、記憶部12に予め記憶されたシンボルパターンSを参照して、前方カメラ62において、図4に示す第3dパターンS3d(後側縦ラインLT2と左側横ラインLY1とにより、左後側が開放するL字状に形成されるシンボルパターンS)を認識し、かつ、後方カメラ61において、図4に示す第4aパターンS4a(縦ラインLTのみにより形成されるシンボルパターンS)を撮像して認識した場合に、自走式ロボット1の位置が前側限界位置であり基準線Kのコの字の角部であることを確定して、図7Bに示す自走式ロボット1を前側限界位置に停止させた後に、図7Cに示すフロアパネルPの1枚分に対応する距離L1だけ左側の位置に移動させる進路を決定する。
【0080】
この場合、本体部2を回転させずに、図7Bに示す位置から、図7Cに示すフロアパネルPの1枚分に対応する距離L1だけ左側の位置に移動させる。そして、進路決定部110は、図7Cに示す位置に自走式ロボット1を移動させるために、記憶部12に予め記憶されたシンボルパターンSを参照して、後方カメラ61において、図4に示す第4aパターンS4a(縦ラインLTのみにより形成されるシンボルパターンS)を撮像して認識し、かつ、前方カメラ62において、図4に示す第2bパターンS2b(後側縦ラインLT2と横ラインLYとにより、後側にT字の縦線が配置されるT字状に形成されるシンボルパターンS)を認識するまで移動する進路を決定して、自走式ロボット1を図7Cに示す位置まで移動させる。これにより、マーキング実行部112は、進路決定部110の決定した進路に基づいて、基準線Kの前側横基準ラインKcに沿って、第2描画線LB2を描画する動作を実行させる。なお、本実施形態においては、自走式ロボット1を、次の列に移動させる場合に、本体部2を回転させずに移動させたが、これに限定されず、本体部2を回転させて次の列に移させてもよいし、本体部2を斜めに移動させて次の列に移動させてもよい。
【0081】
次に、自走式ロボット1を、図7Cに示す前側限界位置から、図7Dに示す後側の限界位置(以下「後側限界位置」ともいう)まで、前側から後側に向けて移動させる。この場合、第1描画線LB1(第1の線)を新たな基準線Knとして、新たな基準線Knと平行な線であって、新たな基準線Knと距離L1離れた第3描画線LB3(第2の線)を描画する。
【0082】
ここで、自走式ロボット1が図7Cに示す前側限界位置から図7Dに示す後側限界位置まで移動する場合には、進路決定部110は、後方カメラ61及び前方カメラ62が取得した画像中のシンボルパターンSに基づいて、記憶部12に予め記憶されたシンボルパターンSを参照して、走行装置22の進路を決定する。
【0083】
例えば、自走式ロボット1が図7Cに示す前側限界位置に位置する場合には、進路決定部110は、記憶部12に予め記憶されたシンボルパターンSを参照して、後方カメラ61において、図4に示す第4aパターンS4a(縦ラインLTのみにより形成されるシンボルパターンS)を撮像して認識し、かつ、前方カメラ62において、図4に示す第2bパターンS2b(後側縦ラインLT2と横ラインLYとにより、後側にT字の縦線が配置されるT字状に形成されるシンボルパターンS)を認識した場合に、自走式ロボット1の位置が前側限界位置であることを確定して、新たな基準線Knに沿って前後方向の前側に向けて移動する進路を決定する。
【0084】
また、自走式ロボット1が図7Cに示す前側限界位置と図7Dに示す後側限界位置との間に位置する場合には、進路決定部110は、記憶部12に予め記憶されたシンボルパターンSを参照して、後方カメラ61及び前方カメラ62の両方において、図4に示す第4aパターンS4a(縦ラインLTのみにより形成されるシンボルパターンS)を認識した場合に、新たな基準線Knの途中を移動していることを確定して、更に新たな基準線Knに沿って前後方向の後側に向けて移動する進路を決定する。
【0085】
このようにして、図7Dに示すように、進路決定部110により決定された走行装置22の進路に基づいて、マーキング実行部112は、新たな基準線Knに沿って自走式ロボット1を走行させながら、新たな基準線Knから左側に平行に距離L1の間隔で、マーキング部3により設置面100に連続的な直線である第3描画線LB3(第1の線)を描画する動作を実行させる。
【0086】
また、自走式ロボット1が図7Dに示す前側限界位置に達した場合には、進路決定部110は、記憶部12に予め記憶されたシンボルパターンSを参照して、後方カメラ61において、図4に示す第4bパターンS4b(横ラインLYのみにより形成され、左右方向に延びる直線状に形成されるシンボルパターンS)を撮像して認識し、かつ、前方カメラ62において、図4に示す第5aパターンS5a(前側縦ラインLT1のみにより形成されるシンボルパターンS)を認識した場合に、自走式ロボット1の位置が後側限界位置であることを確定して、自走式ロボット1を後側限界位置に停止させた後に、図7Eに示すフロアパネルPの1枚分に対応する距離L1だけ左側の位置に移動させる進路を決定する。
【0087】
この場合、本体部2を回転させずに、図7Dに示す位置から、図7Eに示すフロアパネルPの1枚分に対応する距離L1だけ左側の位置に移動させる。そして、進路決定部110は、図7Eに示す位置に自走式ロボット1を移動させるために、記憶部12に予め記憶されたシンボルパターンSを参照して、後方カメラ61において、図4に示す第4bパターンS4b(横ラインLYのみにより形成され、左右方向に直線状に延びるシンボルパターンS)を撮像して認識し、かつ、前方カメラ62において、図4に示す第3aパターンS3a(前側縦ラインLT1と左側横ラインLY1とにより、左前側が開放するL字状に形成されるシンボルパターンS)を認識するまで移動する進路を決定し、自走式ロボット1を図7Eに示す位置まで移動させる。これにより、マーキング実行部112は、進路決定部110の決定した進路に基づいて、基準線Kの後側横基準ラインKbに平行に、第4描画線LB4を描画する動作を実行させる。
【0088】
その後、自走式ロボット1を、図7Eに示す後限界位置から前側限界位置に移動させる。この場合、第3描画線LB3(第1の線)を新たな基準線Knとして、新たな基準線Knと平行な線であって、新たな基準線Knと距離L1離れた描画線(第2の線)を描画する。そして、自走式ロボット1は、前後方向に往復移動することで、描画した描画線を新たな基準線Knとして、新たな基準線Knと平行な線であって、新たな基準線Knと距離L1離れた描画線を描画する動作を繰り返す。
【0089】
続けて、自走式ロボット1は、前後方向において、後側限界位置から前側限界位置に移動させる動作と、前側限界位置から後側限界位置に移動させる動作を繰り返した後に、基準線Kのコの字の左側(開放側)の端部に達する。
【0090】
次に、自走式ロボット1が基準線Kのコの字の左側(開放側)の端部に達した場合に、自走式ロボット1は、移動方向を90度変更して、前述の前後方向に移動する動作に代えて、左右方向に延びる直線から構成される描画線を描画するように、左右方向に往復移動する動作を開始する。自走式ロボット1が左右方向に往復移動して描画線を描画する動作の制御は、前述した自走式ロボット1が上下方向に往復移動する動作の制御と同様である。これにより、自走式ロボット1は、基準線Kのコの字の開放側と閉鎖側との間を往復移動させて、前後方向に距離L1の間隔をおいて、左右方向に延びる複数の描画線を描画することができる。
【0091】
そして、図7Fに示すように、自走式ロボット1は、左右方向への往復移動を繰り返した後に、描画線を描画する動作を終了する。これにより、図7Fに示すように、自走式ロボット1は、フロアパネルPの設置面100に、描画線を格子状に描画することができる。よって、格子状の描画線において交点や角部が形成されるため、十字の交点の位置、T字の交点及びL字の角部の位置に、支持脚を設置できる。
なお、自走式ロボット1の描画線を描く経路は、本実施形態には限定されず、様々な経路とすることができる。
【0092】
このようにして、自走式ロボット1は、往復移動されることで、矩形波状に移動して基準線Kのコの字の内側で描画線を描画することができる。
以上の自走式ロボット1は、マーキング部3により、1本の基準線Kのみで、フロアパネルPの設置面100の左右方向及び前後方向に、距離L1の間隔で描画線(マーキング)を描画する(施す)動作を自律的に実行できる。これにより、フロアパネルPの設置に必要な労力を効果的に省略できる。
【0093】
なお、前記自走式ロボット1により設置面100に描画線を描画する動作の説明において、図7Cの位置から、図7Dの位置に移動する動作において、図7Dの位置は、基準線Kのコの字の内側に位置しているが、これに限定されない。例えば、図7Cの位置から、図7Dの位置に移動するのに代えて、図7Cの位置から、図8の位置に移動させるように制御してもよい。図8は、自走式ロボット1の動作の他の制御例を示す図であって、図7Cに示す状態から図7Dに示す状態に自走式ロボット1が移動するのに代えて、図7Cに示す状態から、自走式ロボット1が移動して、基準線Kのコの字の外側の後側限界位置に達した状態を示す図である。
【0094】
具体的には、自走式ロボット1を、図7Cに示す前側限界位置から、図8に示す後側限界位置まで移動させる場合、図7Cに示す前側限界位置から図7Dに示す後側限界位置まで移動させる動作と同様に、図8に示すように、第1描画線LB1(第1の線)を新たな基準線Knとして、新たな基準線Knと平行な線であって、新たな基準線Knと距離L1離れた第3描画線LB3(第2の線)を描画する。
【0095】
この場合、自走式ロボット1が図8に示す基準線Kのコの字の外側の前側限界位置に達した場合には、進路決定部110は、記憶部12に予め記憶されたシンボルパターンSを参照して、後方カメラ61において、シンボルパターンSを認識せずに、かつ、前方カメラ62において、図4に示す第4bパターンS4b(横ラインLYのみにより形成され、左右方向に直線状に延びるシンボルパターンS)を認識した場合に、自走式ロボット1の位置が基準線Kのコの字の外側の後側限界位置であることを確定して、図8に示す自走式ロボット1を基準線Kのコの字の外側の後側限界位置に停止させた後に、フロアパネルPの1枚分に対応する距離L1だけ左側の位置に移動させる進路を決定する。
これにより、マーキング実行部112は、進路決定部110により決定された進路に基づいて、基準線Kの後側横基準ラインKbに沿って、距離L1の長さで描画線を描画する動作を実行させる。
【0096】
その後、前述の自走式ロボット1の動作と同様に、進路決定部110により決定された走行装置22の進路に基づいて、マーキング実行部112は、新たな基準線Knに沿って自走式ロボット1を前後方向の前側に走行させながら新たな基準線Knから距離L1の間隔で、マーキング部3により設置面100に連続的な直線である描画線を描画する動作を実行させる。
【0097】
以上のように、図8に示す基準線Kのコの字の外側の前側限界位置に達した場合においても、前述の図7Dに示す前側限界位置を経由して実行される動作と同様に、自走式ロボット1は、図8に示す基準線Kのコの字の外側の前側限界位置を経由して、前後方向に往復移動することで、描画した描画線を新たな基準線Knとして、新たな基準線Knと平行な線であって、新たな基準線Knと距離L1離れた描画線を描画する動作を繰り返すことができる。
また、図9に示すように、自走式ロボット1は、基準線Kのコの字の内側の全ての範囲において、マーキング実行部112による描画線を描画する動作を実行することで、コの字の内側の全ての範囲において、複数の格子状の描画線を描画することもできる。
【0098】
以上説明した本実施形態の自走式ロボットによれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の自走式ロボット1は、フロアパネルPを設置する設置面100に描画線を描画する自走式ロボット1であって、走行装置22を有する本体部2と、フロアパネルPの前側辺P1の長さに対応する距離L1をおいて本体部2に配置され、設置面100の画像を取得する後方カメラ61及び前方カメラ62と、後方カメラ61及び前方カメラ62が並ぶ直線に対し、フロアパネルPにおける前側辺P1の後側辺P2との間の距離L1に対応する間隔をおいて本体部2に配置されるマーキング部3と、を備える。そのため、基準線Kのみで、フロアパネルPの設置面100の左右方向及び前後方向に、距離L1の間隔でマーキングを施す動作を自律的に実行できる。これにより、フロアパネルPの設置に必要な労力を効果的に省略できる。例えば、自走式ロボット1を夜間に起動して、自走式ロボット1の自律的な走行により、フロアパネルPの設置面100に描画線を描画させることで、工期を短縮できる。
【0099】
また、マーキング部3は、設置面100に連続的な直線を描画する。これにより、描画した直線を新たな基準線Knとして、複数の描画線を描画できる。
【0100】
また、マーキング部3は、平面視で、後方カメラ61及び前方カメラ62のうちの後方カメラ61を通り、後方カメラ61及び前方カメラ62を結ぶ線(右側辺P4)と直交する線上に配置される。これにより、マーキング部3は、右側辺P4との間に距離L1をあけて、描画線を描画できる。また、マーキング部3により描画されたシンボルパターンSに基づいて、走行装置22の進路を決定できる。これにより、マーキング部3により描画されたシンボルパターンSを基準として、繰り返して描画線を描画することができる。
【0101】
また、設置面100に描かれる複数種類のシンボルパターンSを予め記憶する記憶部12と、後方カメラ61及び前方カメラ62が取得した画像中のシンボルパターンSに基づいて走行装置22の進路を決定する進路決定部110と、を更に備える。これにより、進路決定部110により、後方カメラ61及び前方カメラ62が取得した画像中のシンボルパターンSに基づいて、マーキング実行部112は、記憶部12を参照して、距離L1の間隔で新たな描画線を描画する動作を実行させることができる。
【0102】
また、自走式ロボット1により設置面100に描画線(マーキング)を描画する(施す)マーキング方法は、設置面100に基準線Kを描く工程と、1本の基準線K上に後方カメラ61及び前方カメラ62が位置するように、基準線Kに沿って自走式ロボット1を走行させながらフロアパネルPにおける前側辺P1と前側辺P1に対向する後側辺P2との間の距離L1に対応する間隔で、マーキング部3による描画線を描画する工程と、を含む。これにより、1本の基準線Kのみで、マーキング部3により、フロアパネルPの設置面100に、距離L1の間隔で、描画線を描画する動作を実行できる。これにより、フロアパネルPの設置に必要な労力を効果的に省略できる。
【0103】
また、前記実施形態のように、第1描画線LB1(第1の線)を新たな基準線Knとして、新たな基準線Knと平行な線であって、新たな基準線Knと距離L1離れた第3描画線LB3(第2の線)を描画する。そして、これらの描画線を描画する工程を繰り返す。これにより、自走式ロボット1により描画した描画線を、新たな基準線Knとすることができるため、最小限の基準線Kを最初に設けるだけで、簡易な構成で、フロアパネルPの設置面100に、左右方向及び前後方向に、距離L1の間隔で、描画線を描画する動作を実行できる。
【0104】
また、マーキング方法において、基準線K上に設定される基準点K1に基づいて自走式ロボット1を初期位置に位置決めする工程を更に含む。これにより、基準線K上に基準点K1を設定することで、後方カメラ61により基準点K1を認識させて、自走式ロボット1を初期位置に位置決めすることができる。
【0105】
また、基準線Kは、コ字状に描画され、自走式ロボット1は、矩形波状に移動して基準線Kのコの字の内側で描画線(マーキング)を描画する。これにより、自走式ロボット1を基準線Kのコの字に沿って移動させて描画線を描画できる。自走式ロボット1を効率よく移動させて描画線を描画できる。
【0106】
また、自走式ロボット1は、基準線Kのコの字の角に相当する部分を起点としてマーキングの描画を開始する。これにより、後方カメラ61により基準線Kのコの字の角に相当する部分を認識させて、自走式ロボット1を初期位置に位置決めすることができる。
【0107】
以上、本発明の自走式ロボット1の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、2つのカメラ61,62を備えたが、これに限定されない。3つ以上のカメラを備えてもよい。
【0108】
また、本実施形態においては、マーキング部3は、設置面100に連続的な直線を描画するように構成したが、これに限定されず、設置面100に間欠的に直線を描画するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0109】
1 自走式ロボット
2 本体部
3 マーキング部
12 記憶部
22 走行装置
61 後方カメラ(撮像部)
62 前方カメラ(撮像部)
63 補助カメラ(補助撮像部)
100 設置面
110b 仮想線設定部
111 進路決定部
113 自走距離測定部
114 速度制御部
115 位置合わせ部
116 位置検出部
118 位置設定部
221 車輪(全方向移動車輪)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8
図9