(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】サーバ、サーバの制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230309BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019071702
(22)【出願日】2019-04-04
(62)【分割の表示】P 2018185928の分割
【原出願日】2018-09-28
【審査請求日】2021-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】506143492
【氏名又は名称】クックパッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大谷 伸弥
(72)【発明者】
【氏名】伊尾木 将之
(72)【発明者】
【氏名】金子 晃久
(72)【発明者】
【氏名】住 朋享
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-113374(JP,A)
【文献】特開2015-153286(JP,A)
【文献】特開2007-004615(JP,A)
【文献】特開平08-123857(JP,A)
【文献】国際公開第2017/175355(WO,A1)
【文献】特開2019-215650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの利用したレシピについての第1の情報を取得する取得手段と、
前記ユーザへレシピの提案をするための提案リクエストを受け付ける受付手段と、
前記受付手段から前記提案リクエストを受け付けたことに応じて、レシピを提案するように制御する制御手段であって、
前記第1の情報と前記ユーザが前記提案されるレシピを使用する予定の日時とに基づ
いて当該ユーザが求める調理特性を判定し、当該調理特性を属性に含むレシピ群からレシピを提案するように制御する制御手段とを有し、
前記ユーザが前記提案されるレシピを使用する予定の日時が第1の日時である場合と、第2の日時である場合とで異なるレシピが提案されることを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記制御手段は、前記ユーザが前記提案されるレシピを使用する予定の日時が平日である場合と、休日である場合とで異なるレシピを提案するように制御することを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記取得手段は、前記第1の情報より、前記ユーザが利用したレシピの難易度に関する情報を取得し、
前記制御手段は、前記レシピの難易度に応じて異なるレシピを提案するように制御することを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記制御手段は、前記ユーザの利用したレシピのうち、より出現頻度の高いレシピの難易度に基づき、レシピを提案するように制御することを特徴とする請求項3に記載のサーバ。
【請求項5】
前記第1の情報は、前記ユーザの利用したレシピを示す情報と、当該レシピを利用した日時とを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記制御手段は、前記ユーザが提案されるレシピを使用する予定の日時が前記第1の日時である場合には、前記第1の日時の属する日時において前記ユーザの利用したレシピに基づきレシピを提案し、前記ユーザが提案されるレシピを使用する予定の日時が前記第2の日時である場合には、前記第2の日時の属する日時において前記ユーザの利用したレシピに基づきレシピを提案するように制御することを特徴とする請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
前記提案リクエストを前記ユーザが行う時に、前記ユーザはレシピのジャンルを指定可能であり、
前記制御手段は、前記第1の情報と前記ユーザが前記提案されるレシピを使用する予定の日時とに基づくレシピであって、前記ユーザに指定されたレシピのジャンルのレシピを提案するように制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項8】
前記第1の情報は、前記ユーザの利用したレシピを示す情報と、当該レシピにおける実際の調理時間を含んでいることを特徴とする請求項5に記載のサーバ。
【請求項9】
前記制御手段は、前記ユーザの利用したレシピにおける実際の調理時間が、当該レシピを利用した他のユーザの調理時間の平均値よりも小さい場合と、大きい場合とでは、異なるレシピを提案するように制御することを特徴とする
請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
ユーザの利用したレシピについての第1の情報を取得する取得ステップと、
前記ユーザへレシピの提案をするための提案リクエストを受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて前記提案リクエストを受け付けたことに応じて、レシピを提案するように制御する制御ステップであって、
前記第1の情報と前記ユーザが前記提案されるレシピを使用する予定の日時とに基づ
いて当該ユーザが求める調理特性を判定し、当該調理特性を属性に含むレシピ群からレシピを提案するように制御する制御ステップとを有し、
前記ユーザが前記提案されるレシピを使用する予定の日時が第1の日時である場合と、第2の日時である場合とで異なるレシピが提案されることを特徴とするサーバの制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、
ユーザの利用したレシピについての第1の情報を取得する取得手段、
前記ユーザへレシピの提案をするための提案リクエストを受け付ける受付手段、
前記受付手段において前記提案リクエストを受け付けたことに応じて、レシピを提案するように制御する制御手段であって、
前記第1の情報と前記ユーザが前記提案されるレシピを使用する予定の日時とに基づいて当該ユーザが求める調理特性を判定し、当該調理特性を属性に含むレシピ群からレシピを提案するように制御する制御手段、
として機能させ、
前記ユーザが前記提案されるレシピを使用する予定の日時が第1の日時である場合と、第2の日時である場合とで異なるレシピが提案されることを特徴とする、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
日々料理を行う主婦に限らず、何らかの料理機会を前にして、作るべき料理やそのレシピが思い浮かばず悩む者は多い。一方、こうした悩みに対する答えの1つとして、料理のプロアマ問わず、様々な者からレシピ投稿を受け付けて、これをインターネット上で配信・公開するサービスが存在する。
【0003】
ただし、上述のサービスにおいては膨大な数のレシピが公開されており、ユーザとして好適なレシピを選択するために、相応の手間や時間が必要となる可能性がある。
【0004】
特許文献1には、こうしたレシピ選択に関連する技術として、時間帯や気象状況といった調理環境を表す調理環境情報に基づき、複数の料理情報のうち該当調理環境に応じたものを、推薦料理情報として決定し、これをユーザに推薦する情報処理装置が開示されている。
こうした特許文献1によれば、時間帯や気象状況といった条件に応じたレシピをユーザに提案可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の従来技術においては、ユーザの置かれた環境に応じたレシピ提案が可能となる。しかしながら、いわゆるスマートキッチン技術を前提にした場合、他にも勘案すべき事象が存在し、これにも対処する必要がある。
【0007】
スマートキッチン技術においては、レシピ内容をキッチン家電に設定し、種々の調理動作の自動実行を図っている。ところが、そうした設定の対象となる各ユーザのキッチン家電のスペックは様々である。
【0008】
そのため、単純に外部環境等に応じてレシピを提案するとしても、そのレシピを使用するユーザによっては、キッチン家電の性能が十分に発揮されず、調理の効率や品質を適宜なものとできない可能性もある。
【0009】
また、そうしたレシピを用いた調理を志向するユーザにとって、調理が手間無く効率的に行われることを好む傾向にある。また一方で、プロの料理研究家等による種々のノウハウが詰まったレシピによる、高品質の料理の完成を期待する傾向も存在する。
ところが、上述のようなレシピの利用を踏まえた、ユーザにとって好適なレシピ提案を行う技術の提案はなされていない。
そこで本開示の目的は、ユーザにとって好適なレシピの提案を可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本開示の一態様におけるサーバは、ユーザの利用したレシピについての第1の情報を取得する取得手段と、前記ユーザへレシピの提案をするための提案リクエストを受け付ける受付手段と、前記受付手段から前記提案リクエストを受け付けたことに応じて、レシピを提案するように制御する制御手段であって、前記第1の情報と前記ユーザが前記提案されるレシピを使用する予定の日時とに基づくレシピを提案するように制御する制御手段とを有し、前記ユーザが前記提案されるレシピを使用する予定の日時が第1の日時である場合と、第2の日時である場合とで異なるレシピが提案されることを特徴とする。
【0011】
また、本開示の一態様におけるサーバは、前記ユーザが前記提案されるレシピを使用する予定の日時が平日である場合と、休日である場合とで異なるレシピを提案するように制御してもよい。
【0012】
また、本開示の一態様におけるサーバは、前記第1の情報より、前記ユーザが利用したレシピの難易度に関する情報を取得し、前記レシピの難易度に応じて異なるレシピ群を提案するように制御してもよい。
【0013】
また、本開示の一態様におけるサーバは、前記ユーザの利用したレシピのうち、より出現頻度の高いレシピの難易度に基づき、レシピ群を提案してもよい。
【0014】
また、本開示の一態様におけるサーバは、第1の情報は、前記ユーザの利用したレシピを示す情報と、当該レシピを利用した日時とを含むことを特徴としてもよい。
【0015】
また、本開示の一態様におけるサーバの制御方法では、ユーザの利用したレシピについての第1の情報を取得する取得ステップと、前記ユーザへレシピの提案をするための提案リクエストを受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて前記提案リクエストを受け付けたことに応じて、レシピを提案するように制御する制御ステップであって、前記第1の情報と前記ユーザが前記提案されるレシピを使用する予定の日時とに基づきレシピを提案するように制御する制御ステップとを有し、前記ユーザが前記提案されるレシピを使用する予定の日時が第1の日時である場合と、第2の日時である場合とで異なるレシピが提案されることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、ユーザにとって好適なレシピの提案が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態のレシピ提案装置を含むネットワーク構成例の図である。
【
図2】本実施形態におけるレシピ提案装置の構成例を示す図である。
【
図3】本実施形態におけるユーザ端末の構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態におけるキッチン家電の構成例を示す図である。
【
図5】本実施形態におけるスペック情報の構成例を示す図である。
【
図6】本実施形態におけるレシピテーブルの構成例を示す図である。
【
図7】本実施形態における利用履歴テーブルの構成例を示す図である。
【
図8】本実施形態における調理特性テーブルの構成例を示す図である。
【
図9】本実施形態におけるレシピ提案方法のフロー例を示す図である。
【
図10】本実施形態における画面の例1を示す図である。
【
図11】本実施形態における画面の例2を示す図である。
【
図12】本実施形態における画面の例3を示す図である。
【
図13】本実施形態における画面の例4を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<レシピ提案装置を含むネットワーク構成>
以下に本開示の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態のレシピ提案装置10を含むネットワーク構成例の図である。
【0019】
本実施形態のレシピ提案装置10としては、いわゆるレシピ投稿サイトを管理、運用する装置を想定する。ここで例示するレシピ提案装置10は、上述のレシピ投稿サイトを、インターネットなどのネットワーク1で公開するWebサーバである。
【0020】
レシピ提案装置10が公開するレシピ投稿サイトでは、有名無名、プロアマを問わず、様々な者が自身のレシピを投稿する。また同様に、様々な者がアクセスし、自身にとって必要なジャンルの、或いは好みの投稿者のレシピを閲覧する。
【0021】
こうした、投稿、閲覧の対象となるレシピは、そのデータ形式を限定はしないが、例えばMRR(Machine Readable Recipe)形式のレシピを主に想定できる。
【0022】
MRR形式のレシピとは、電子レンジなどの調理機器(後述するキッチン家電30)が読み取り可能なレシピである。一方、定性的表現や定量的表現が混在し人間にとって可読性を備えたレシピは、HRR(Human Readable Recipe)形式のレシピと称される。
【0023】
上述のHRR形式など従来型のレシピであれば、1つの調理動作であっても投稿者により様々に異なる表現で記述されることが多く、これを調理機器に設定するとしても調理精度が不安定なものとなりやすい。そこで、従来型のレシピに存在しうる、調理動作とは無関係な記載、表記揺れや文法間違い、などが排除されたもののが、MRR形式のレシピとなる。
【0024】
こうしたMRR形式のレシピは、そのデータとして、例えば、複数のノードとノード間のエッジとからなるグラフ(有向グラフ)により表現される。このグラフにおいては、複数のノードが各材料の状態遷移を定義し、また、エッジがノード間の状態遷移に必要なアクションを表す。
上述のノードの種類を表1に示す。
【0025】
【0026】
各ノードには、ノードの属性として、例えば、表2に示す属性を付与可能である。ここではノードが材料ノードであって、この材料ノードが「ニンジン」を表すと仮定する。
【0027】
【表2】
また、各エッジには、エッジの属性として、表3に示す属性を付与可能である。
【0028】
【0029】
なお、上述のアクションとは、調理を構成する基本的な手順をいい、例えば「切る」、「温める」等の手順がアクションに該当する。また、アクションには、機器の具体的な設定温度や調理時間、作業内容などを含む。
【0030】
ここで、各ノードの具体的な例を挙げて説明する。料理「サラダ」をつくる場合、料理ノードは、「サラダ」である。また、材料ノードは、例えば、「タマネギ」、「キュウリ」、「トマト」、「ケチャップ」、「マヨネーズ」である。各材料ノードには、材料を一意に識別するIDが付与される。
【0031】
材料ノード「タマネギ」は、エッジ(アクション)である「切る」により、中間ノード「みじん切りタマネギ」と連結される。また、材料ノード「キュウリ」は、エッジ(アクション)である「切る」により、中間ノード「1センチ角キュウリ」と連結される。
【0032】
さらに、材料ノード「トマト」は、エッジ(アクション)である「切る」により、中間ノード「1/2トマト」と連結される。さらにまた、材料ノード「ケチャップ」及び材料ノード「マヨネーズ」は、エッジ(アクション)である「混ぜる」により、中間ノード「オーロラソース」と連結される。なお、「切る」、「混ぜる」のそれぞれには、アクションを一意に識別するIDが付与される。
【0033】
そして、中間ノード「みじん切りタマネギ」、「1センチ角キュウリ」、及び「1/2トマト」は、エッジ(アクション)である「盛り付ける」により、料理ノード「サラダ」に連結される。また、中間ノード「オーロラソース」は、エッジ(アクション)である「かける」により、料理ノード「サラダ」に連結される。なお、「盛り付ける」、「かける」のそれぞれには、アクションを一意に識別するIDが付与される。
【0034】
また、「かける」は、「盛り付ける」の次に行われるように、エッジ間での順序が設定される。なお、「かける」に代えて、「あえる」というアクションであってもよい。
【0035】
このように、各材料の状態遷移をグラフとして表現する場合、各材料には材料を一意に識別する材料IDが付与され、状態遷移に必要な各アクションにはアクションを一意に識別するアクションIDが付与されている。
【0036】
よって、IDに基づいて容易且つ確実に機械がレシピ情報を解読できる。また、アクションを行うべき機器をレシピ情報において必ずしも指定する必要がないため、将来的に登場する新たな機器を含む様々な機器に対応することが容易である。さらに、各アクションがすべてエッジとして表現されているため、レシピ情報中から各アクションを抽出することが容易である。
【0037】
なお、レシピ投稿サイトのユーザは、自由意志で投稿者にも閲覧者にもなりうるが、以後の説明では便宜上、これら投稿者と閲覧者をまとめてユーザとする。従って、
図1で例示するネットワーク1には、レシピ提案装置10の他に、投稿者および閲覧者の各ユーザ端末20が通信可能に接続されている。
【0038】
上述のユーザ端末20としては、ネットワーク1への適宜な通信機能を備えた、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC等を想定できる。また、ユーザ端末20は、キッチン家電30との間のデータ通信(例:レシピ内容を設定する際のデータ通信)を行うため、上述のネットワーク1に対応した通信機能の他、近距離無線通信用の通信機能を備えることを想定する。また、ユーザ端末20の保持するソフトウェアの一例としては、携帯端末上で動作するモバイルアプリケーションすなわちアプリ29を想定する。
【0039】
このアプリ29は、レシピ提案装置10が公開するレシピ投稿サイトでのブラウジング機能を介したレシピの閲覧を可能とするものであり、必要に応じて当該レシピ投稿サイトへのレシピ投稿を行うための機能も備える。
【0040】
こうしたユーザ端末20を操作する者は、当該ユーザ端末20を介してレシピ投稿サイトにアクセスする。そして、所望のレシピを閲覧し、これを自身のキッチン家電30に設定して、料理に有効活用したいとの意向を持っている。なお、こうした意向を持って、実際にレシピを利用したものをレシピユーザと称する。
以下、本実施形態のレシピ提案装置10の具体的な構成や、その処理手順等について順次説明する。
<レシピ提案装置の構成>
【0041】
本実施形態におけるレシピ提案装置10の構成は、
図2に示すように、記憶部11、メモリ12、演算部13、入力部14、出力部15、および、通信部16、を備える。
【0042】
このうち記憶部11は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)といった不揮発性記憶素子で構成される。
【0043】
記憶部11には、本実施形態のレシピ提案装置として必要な機能を実装する為のプログラム17に加え、レシピテーブル120、利用履歴テーブル121、および、調理特性テーブル122が少なくとも記憶されている。これらのテーブルの詳細については後述する。また、メモリ12は、RAMなどの揮発性記憶素子で構成される。
【0044】
また、演算部13は、記憶部11に保持されるプログラム17をメモリ12に読み込んで実行し、レシピ提案装置として必要な機能を実装するCPUを想定する。
ここで実装される機能は、レシピ格納部100、レシピ提案部101、および、利用履歴格納部102、である。これらの詳細については後述する。
【0045】
また、入力部14は、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付けるキーボードやマウス、キーパッド、タッチパネル、マイク等を想定する。また、出力部15は、処理データの表示を行うディスプレイ等を想定する。
【0046】
また、通信部16は、ネットワーク1と接続して、ユーザ端末20やキッチン家電30など他装置との通信処理を担うNIC(Network Interface Card)等を想定する。
【0047】
なお、上述の入力部14および出力部15は、必須の構成ではない。これらは、レシピ提案装置10が、自身の入力部14でユーザからのレシピ投稿やレシピ検索の各要求を受け付け、その処理結果を出力部15で表示する形態を想定する場合、必要となる構成である。
【0048】
<ユーザ端末の構成>
続いて、本実施形態におけるユーザ端末20の構成例について説明する。
図3は、本実施形態におけるユーザ端末20の構成例を示す図である。本実施形態のユーザ端末20は、
図3に示すように、記憶部21、メモリ22、演算部23、入力部24、出力部25、第1通信部26、および、第2通信部27を備える。
【0049】
このうち記憶部21は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)といった不揮発性記憶素子で構成される。
【0050】
記憶部11には、本実施形態のユーザ端末として必要な機能を実装する為のプログラム28として、アプリ29が少なくとも記憶されている。このアプリ29は、既に述べたように、レシピ提案装置10が公開するレシピ投稿サイトでのブラウジング機能を介したレシピの閲覧を可能とするものである。また、メモリ22は、RAMなどの揮発性記憶素子で構成される。また、演算部23は、記憶部21に保持されるプログラム28をメモリ22に読み込んで実行し、ユーザ端末として必要な機能を実装するCPUを想定する。
【0051】
また、入力部24は、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付けるキーボードやマウス、キーパッド、タッチパネル、マイク等を想定する。また、出力部25は、処理データの表示を行うディスプレイ等を想定する。
【0052】
また、第1通信部26は、ネットワーク1と接続して、レシピ提案装置10など他装置との通信処理を担うNIC(Network Interface Card)等を想定する。
【0053】
また、第2通信部27は、キッチン家電30と特定周波数(例:2.4GHz帯)での無線通信や赤外線通信などといった近距離無線通信を担うユニットを想定する。
【0054】
<キッチン家電の構成>
また、本実施形態におけるキッチン家電30の構成例について説明する。
図4は、本実施形態におけるキッチン家電30の構成例を示す図である。キッチン家電30は、ユーザ端末2のユーザが調理に利用する調理機器である。その主たる具体例としては、電子レンジやウォーターオーブンを想定できる。いずれにしても、レシピに対応した所定のデータ設定がなされることで、当該レシピに応じた調理動作を自動的に実行する装置である。
【0055】
こうしたキッチン家電30は、記憶部31、メモリ32、演算部33、入力部34、出力部35、第1通信部36、第2通信部37、プログラム38、および、調理機構39、を備えている。
【0056】
このうち記憶部31は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)といった不揮発性記憶素子で構成される。
【0057】
記憶部31には、本実施形態のキッチン家電30として必要な機能を実装する為のプログラム38が少なくとも記憶されている。このプログラム38は、レシピに応じたデータ設定の内容に従って調理機構39を制御するものである。
【0058】
また、キッチン家電30は、当該キッチン家電30のスペック情報381(
図5参照)を保持している。スペック情報381は、キッチン家電30の仕様情報であって、例えば、加熱方式、最大出力、温度調節範囲、庫内容量、といった項目に関する値を示す情報となる。また、メモリ32は、RAMなどの揮発性記憶素子で構成される。また、演算部33は、記憶部31に保持されるプログラム38をメモリ32に読み込んで実行し、キッチン家電として必要な機能を実装するCPUを想定する。
【0059】
また、入力部34は、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付けるタッチパネルやボタン、マイク等を想定する。また、出力部35は、処理データの表示を行うディスプレイ等を想定する。
【0060】
また、第1通信部36は、ネットワーク1と接続して、レシピ提案装置10など他装置との通信処理を担うNIC(Network Interface Card)等を想定する。
【0061】
また、第2通信部37は、ユーザ端末20と特定周波数(例:2.4GHz帯)での無線通信や赤外線通信などといった近距離無線通信を担うユニットを想定する。
【0062】
また、調理機構39は、上述の電子レンジやウォーターオーブン等に一般的に備わるもので、例えば、調理対象の素材や調理空間に対する加熱、加水、回転、排気、センシング、とった各種調理動作を担うユニットの統合体である。
【0063】
調理機構39はプログラム38により制御され、例えば、センシングユニットで感知されている素材や調理空間の温湿度等を踏まえた、所定基準値までの加熱、加水、回転、排気、など各種調理動作を実行する。
【0064】
<データの具体例>
次に、本実施形態のレシピ提案装置10が利用する各種のデータベースについて説明する。
図6に、本実施形態におけるレシピテーブル120の一例を示す。
【0065】
レシピテーブル120は、例えばユーザ端末20から投稿を受け付けたレシピを格納したテーブルである。その構造は、例えば、レシピを一意に示すレシピIDをキー項目として、当該レシピの投稿者を示すユーザID、当該投稿者の属性(例:プロ/アマ)、レシピのタイトル、料理ジャンル、難易度、必要調理時間、ファイル名(格納先アドレスであってもよい)、といったデータを対応づけたレコードの集合体となっている。
【0066】
また
図7に、本実施形態における利用履歴テーブル121の一例を示す。利用履歴テーブル121は、上述のレシピテーブル120に格納されているレシピに関する利用履歴を格納したテーブルである。
【0067】
その構造は、例えば、レシピユーザを一意に示すユーザIDをキー項目として、当該レシピユーザが利用したレシピのレシピID、利用日時、当該レシピユーザが当該レシピを使用した際の実際の調理時間、および、調理内容といったデータを対応づけたレコードの集合体となっている。なお、上述の調理内容としては、例えば、レシピユーザが使用したキッチン家電30の種類といったものを想定できる。
【0068】
また
図8に、本実施形態における調理特性テーブル122の構成例を示す図である。調理特性テーブル122は、各レシピユーザにおける実際の調理時間、調理内容、および、当該レシピユーザが利用したレシピの所定属性、の少なくともいずれかに基づき判定した、レシピユーザの生活スタイルと、当該生活スタイルのレシピユーザがレシピを用いた調理に関して個人的に求める特性、を格納したテーブルである。
【0069】
その構造は、例えば、レコードを一意に示すIDをキーとして、レシピユーザの生活スタイルと、当該レシピユーザが求める調理特性である、調理日時、調理時間、調理内容、および、レシピの属性、の各項目とを対応づけたレコードの集合体となっている。
【0070】
当該レコードの具体例としては、例えば、生活スタイルが「多忙でグルメ志向」であるレシピユーザに関して、調理日時が「平日」の場合、調理時間:「1時間以下」、調理内容:「電子レンジ使用」、レシピの属性:「プロのレシピ、中難度」、といった各項目の組み合わせを、当該生活スタイルのレシピユーザが求める調理特性として規定したものを想定できる。
【0071】
他にも、当該生活スタイルのレシピユーザに関して、調理日時が「休日」の場合、調理時間:「2時間以下」、調理内容:「ウォーターオーブン使用」、レシピの属性:「プロのレシピ、高難度」、といった各項目の組み合わせを、当該レシピユーザが求める調理特性として規定したものを想定できる。
【0072】
<レシピ格納部の機能>
レシピ提案装置10が備える機能は、既に述べたように、レシピ格納部100、レシピ提案部101、および、利用履歴格納部102である。このうち、レシピ格納部100は、ユーザ端末20からのレシピ投稿を受け付けて、これを記憶部11のレシピテーブル120に格納するものである。
【0073】
レシピ格納部100は、この格納に際し、予め定めたルールないしアルゴリズムによりレシピIDを付与し、これをキーとして、当該レシピの投稿者を示すユーザID、当該投稿者の属性(例:プロ/アマ)、レシピのタイトル、説明文、料理ジャンル、難易度、必要調理時間、ファイル名(格納先アドレスであってもよい)、といったデータを対応づけたレコードを生成する。
【0074】
上述のユーザID、当該投稿者の属性(例:プロ/アマ)、レシピのタイトル、説明文、料理ジャンル、難易度、必要調理時間、ファイル名(格納先アドレスであってもよい)、の各値は、ユーザ端末20から投稿を受け付けたレシピのデータにいずれも含まれている。
【0075】
<レシピ提案部の機能>
また、レシピ提案部101は、所定のレシピ提案リクエストをユーザ端末20から受けて、当該レシピユーザのキッチン家電30のスペック情報381を、ユーザ端末20ないし当該キッチン家電30に要求して取得する。ここで得られるスペック情報381は、キッチン家電30の仕様情報であって、例えば、加熱方式、最大出力、温度調節範囲、庫内容量、といった項目に関する値を示す情報となる。
【0076】
また、レシピ提案部101は、レシピテーブル120に格納されているレシピのうち、当該レシピにおける定量的記載に対応した調理動作の値が、上述のように取得したスペック情報381における性能上限と所定範囲で近しいものを特定する。
【0077】
例えば、該当レシピユーザの「電子レンジ」に関して得たスペック情報381が、性能上限たる「最大出力」は「1200W」であることを示している場合、レシピテーブル120に格納されているレシピのうち、「電子レンジ」の調理動作「加熱動作」に関して、定量的記載たる設定出力値が上述の「1200W」より「10%」以内の範囲で小さいもの、すなわち、「1080W~1200W」のものを特定する。また、レシピ提案部101は、特定したレシピを、上述のレシピ提案リクエストを送ってきたユーザ端末20に配信する。
【0078】
なお、上述のように特定、配信されるレシピは、当然ながら、「肉じゃが」や「和食」、「2人前」といった料理名、料理ジャンル、分量といったその他の条件については、当該レシピユーザの希望に予め合致しているレシピであるとする。
【0079】
あるいは、レシピ提案部101が、後述するように、利用履歴テーブル121および調理特性テーブル122に基づいて、当該レシピユーザにフィットする属性のレシピを母集団として特定し、この母集団中から、上述の性能上限と所定範囲で近しいものとして特定したレシピであるとする。
【0080】
この場合のレシピ提案部101は、利用履歴テーブル121における各利用履歴が示す、当該レシピユーザにおける実際の調理時間、調理内容、および、当該レシピユーザが利用したレシピの所定属性、の少なくともいずれかに基づき、当該レシピユーザがレシピを用いた調理に関して個人的に求める特性を判定し、調理特性テーブル122に格納する。
【0081】
より具体的には、レシピ提案部101は、該当レシピユーザのユーザIDをキーに、利用履歴テーブル121でレコードを検索し、検索された各レコードが示す、利用レシピのレシピID、利用日時、当該レシピユーザが当該レシピを使用した際の実際の調理時間、および、調理内容(例:使用したキッチン家電30の種類)といった値を取得する。
【0082】
また、レシピ提案部101は、上述のごとく取得した各レコードの値を、統計処理し、当該レシピユーザに特有の調理特性を特定し、これを調理特性テーブル122に格納する。この場合の統計処理では、例えば、対象となる全レコードにおける「調理時間」の平均値と、他のレシピユーザにおける調理時間の平均値をそれぞれ算定する。そして両者を比べた場合に、当該レシピユーザの調理時間の平均値の方が小さい、すなわち調理時間が短い傾向にある場合、当該レシピユーザの生活スタイルを「多忙」と判定する。
【0083】
また、「調理日時」が「平日」であるものと「休日」であるものの出現頻度をそれぞれ算定して両者を比較し、より出現頻度が高い属性を当該レシピユーザが求める調理特性の1つとして判定する。
【0084】
また、「調理内容」が「電子レンジ使用」であるものと「ウォーターオーブン使用」であるものの出現頻度をそれぞれ算定して両者を比較し、より出現頻度が高い属性を当該レシピユーザが求める調理特性の1つとして判定する。
【0085】
また、こうしたレシピユーザが求める調理特性として、レシピの属性が「プロのレシピ」であるものと「アマチュアのレシピ」であるものの出現頻度をそれぞれ算定して両者を比較し、より出現頻度が高い属性を当該レシピユーザの生活スタイルの1つ(例:プロのレシピを使用しがちな者はグルメ志向で、アマチュアのレシピを使用しがちな者は普通志向)で、かつ当該レシピユーザが求める調理特性(例:プロのレシピの使用欲求高し/アマチュアのレシピの使用欲求高し)の1つとして判定する。このレシピの属性に関する判定は、「難易度」に関しても同様に行う。
【0086】
こうして、レシピ提案部101は、レシピユーザの「生活スタイル」に対して、「調理日時」、「調理時間」、「調理内容」、「レシピの属性」、といった各項目の組み合わせ条件を生成し、これを1レコードとして調理特性テーブル122に格納することとなる。
この調理特性テーブル122に格納されたレコードは、「生活スタイル」に関して一致する他のレシピユーザに関しても、共通に適用されるものとなる。
【0087】
そこでレシピ提案部101は、レシピ提案リクエストを送ってきたレシピユーザと、「生活スタイル」の値が同じレシピユーザに関する調理特性を、上述の調理特性テーブル122で参照し、当該調理特性を属性に含むレシピをレシピテーブル120で特定し、ここで特定したレシピ群を母集団とし、この母集団中から、上述の性能上限と所定範囲で近しいものとして特定したレシピを、当該レシピユーザのユーザ端末20に配信する。
【0088】
具体的には、レシピ提案リクエストを送ってきたレシピユーザに関して、上述のように当該レシピユーザの利用履歴から、生活スタイルが「多忙でグルメ志向」、調理日時が「平日」の場合、調理時間:「1時間以下」、調理内容:「電子レンジ使用」、レシピの属性:「プロのレシピ、中難度」、といった調理特性を特定した場合、これらの各項目の条件が一致するレシピをレシピテーブル120で特定し、ここで特定したレシピ群を母集団として、この母集団に含まれるレシピのうち、当該レシピにおける定量的記載に対応した調理動作の値が、スペック情報381における性能上限と所定範囲で近しいものを特定し、これをユーザ端末20に配信することとなる。
【0089】
<利用履歴格納部の機能>
また、利用履歴格納部102は、レシピ投稿サイトを介してレシピを閲覧・利用したレシピユーザとその利用内容に関する各種情報を、例えば、当該レシピ投稿サイトでユーザ端末20からのレシピ閲覧等の各種ログや、あるいは、ユーザ端末20から得て、利用履歴テーブル121に格納するものである。
【0090】
ここで格納する情報としては、
図7で示したように、レシピユーザを一意に示すユーザIDをキー項目として、当該レシピユーザが利用したレシピのレシピID、利用日時、当該レシピユーザが当該レシピを使用した際の実際の調理時間、および、調理内容といったデータを対応づけたものとなる。
【0091】
<レシピ提案方法>
続いて、本実施形態におけるレシピ提案方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明するレシピ提案方法に対応する各種動作は、例えば、レシピ提案装置10が実行するプログラムにより実装される。また、プログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
図9は、本実施形態におけるレシピ提案方法のフロー例1を示す図である。ここでは、レシピ提案部101が主体となって処理を行う流れについて説明する。
【0092】
この場合、レシピ投稿サイトの或るユーザ(レシピユーザ)が、自身にとって好適なレシピの提案を受けたいと要望し、その旨をレシピ提案リクエストとして、ユーザ端末20によってレシピ提案装置10に通知してきたとする。
【0093】
一方、レシピ提案装置10は、こうしたレシピ提案に関する要望を受け付けるための画面(
図10の画面900)を、ユーザ端末20に配信しているものとする。
図10の画面900で例示するように、レシピ提案リクエストは、当該レシピユーザのユーザID901、希望する料理ジャンル902、レシピの使用予定日時903、使用を予定するキッチン家電30の種類904、スペック情報905といった値のうち、少なくとも、ユーザID、希望する料理ジャンル、および、使用予定日時を含みうるものとする。
【0094】
なお、上述の使用を予定しているキッチン家電30のスペック情報905は、キッチン家電30の仕様情報であって、例えば、加熱方式、最大出力、温度調節範囲、庫内容量、といった項目に関する値を示す情報となる。
【0095】
そこで、レシピ提案装置10のレシピ提案部101は、上述の画面900を介し、ユーザ端末20からレシピ提案リクエストを受信し、そのレシピ提案リクエストが含む各値を取得する(s10)。
【0096】
s10で取得した値が、ユーザID、希望する料理ジャンル(例:和食)、および、使用予定日時(例:2018/9/20(木))、の各値の情報のみ含まれている場合(s11:y1)、レシピ提案部101は、利用履歴テーブル121における各利用履歴が示す、当該レシピユーザにおける実際の調理時間、調理内容、および、当該レシピユーザが利用したレシピの所定属性、の少なくともいずれかに基づき、当該レシピユーザの生活スタイルと、レシピを用いた調理に関して個人的に求める特性を判定する(s12)。
【0097】
s12におけるレシピ提案部101は、s10で得ているユーザIDをキーに、利用履歴テーブル121でレコードを検索する。そして、検索された各レコードが示す、利用レシピのレシピID、利用日時、当該レシピユーザが当該レシピを使用した際の実際の調理時間、および、調理内容(例:使用したキッチン家電30の種類、レシピ内容のうち変更した温度や時間)といった値を取得する。またレシピ提案部101は、上述のごとく取得した各レコードの値を統計処理し、当該レシピユーザの生活スタイルと特有の調理特性を特定する。
【0098】
この場合の統計処理では、例えば、対象となる全レコードにおける「調理時間」の平均値と、他のレシピユーザにおける調理時間の平均値をそれぞれ算定する。そして両者を比べた場合に、当該レシピユーザの調理時間の平均値の方が小さい、すなわち調理時間が短い傾向にある場合、当該レシピユーザの生活スタイルを「多忙」と判定する。
【0099】
また、こうしたレシピユーザが求める調理特性として、レシピの属性が「プロのレシピ」であるものと「アマチュアのレシピ」であるものの出現頻度をそれぞれ算定して両者を比較し、より出現頻度が高い属性を当該レシピユーザの生活スタイルの1つで、かつ、求める調理特性の1つとして判定する。このレシピの属性に関する判定は、「難易度」に関しても同様に行う。
【0100】
また、「調理内容」が「電子レンジ使用」であるものと「ウォーターオーブン使用」であるものの出現頻度をそれぞれ算定して両者を比較し、より出現頻度が高い属性を当該レシピユーザが求める調理特性の1つとして判定する。
【0101】
こうして、レシピ提案部101は、当該レシピユーザの「生活スタイル」および「調理日時」と、「調理時間」、「調理内容」、「レシピの属性」、といった各項目の組み合わせ条件を生成することとなる。
【0102】
そこで、レシピ提案部101は、s12で判定した当該レシピユーザの特性、すなわちレシピ提案リクエストを送ってきたレシピユーザの「生活スタイル」で、s10でレシピ提案リクエストから得ている「調理日時(平日/休日)」の場合における、「調理時間の長さ」、「調理内容」、および「レシピの属性」との組み合わせについて、各値が一致する調理特性のレコードを調理特性テーブル122で参照する(s13)。
【0103】
例えば、「多忙でグルメ志向」という生活スタイルのレシピユーザに関するレコードのうち、調理日時が「平日」で、調理時間は「1時間以下」で「電子レンジ使用」による「プロのレシピ、中難度」のレシピ、といった調理特性のレコードを参照する。
【0104】
また、レシピ提案部101は、こうして「多忙でグルメ志向」の生活スタイルを持つレシピユーザが「平日」に調理を行う状況に関して特定した調理特性を属性に含み、かつ、s10でレシピ提案リクエストから得ている料理ジャンルに関するレシピを、レシピテーブル120で特定する(s14)。
【0105】
上述の具体的な例の場合、調理時間が「1時間以下」で「電子レンジ使用」による「プロのレシピ、中難度」のレシピ、といった調理特性で、かつ、s10でレシピ提案リクエストから得ている料理ジャンル(例:和食)に関するレシピを、レシピテーブル120で特定することとなる。
【0106】
続いて、レシピ提案部101は、s14で特定したレシピの情報1001を、ユーザ端末20に配信(
図11の画面1000)し(s15)、処理を終了する。このレシピの情報1001は、MRR(Machine Readable Recipe)形式のデータであれば、ユーザ端末20からキッチン家電30に送信・設定され、当該キッチン家電30の自動制御に利用されることとなる。
【0107】
他方、上述のs12の判定において、s10で取得した値が、ユーザID、希望する料理ジャンル(例:和食)、使用予定日時(例:来週の月曜)、に加えて、使用を予定するキッチン家電30の情報すなわちスペック情報381も含まれている場合(s11:y2)、レシピ提案部101は、s14で特定したレシピを母集団として、この母集団に含まれるレシピのうち、当該レシピにおける定量的記載に対応した調理動作の値が、上述のスペック情報381における性能上限と所定範囲で近しいものを特定する(s16)。
【0108】
例えば、s10で得たスペック情報381が「電子レンジ」に関するもので、その性能上限たる「最大出力」は「1200W」であることを示している場合、上述の母集団に含まれるレシピのうち、「電子レンジ」の調理動作「加熱動作」に関して、定量的記載たる設定出力値が上述の「1200W」より「10%」以内の範囲で小さいもの、すなわち、「1080W~1200W」のものを特定する。
【0109】
続いて、レシピ提案部101は、s16で特定したレシピの情報1101を、ユーザ端末20に配信(
図12の画面1100)し(s15)、処理を終了する。このレシピの情報1101は、MRR(Machine Readable Recipe)形式のデータであれば、ユーザ端末20からキッチン家電30に送信・設定され、当該キッチン家電30の自動制御に利用されることとなる。
【0110】
一方、上述のs12の判定において、s10で取得した値が、ユーザID、希望する料理ジャンル(例:和食)、および、使用を予定するキッチン家電30の情報すなわちスペック情報381のみであった場合(s11:y3)、レシピ提案部101は、レシピテーブル120に格納されているレシピのうち、料理ジャンルがレシピユーザ所望のものであり、かつ、当該レシピにおける定量的記載に対応した調理動作の値が、スペック情報381における性能上限と所定範囲で近しいものを特定する(s17)。
【0111】
例えば、希望する料理ジャンルが「和食」であり、該当レシピユーザの「電子レンジ」に関して得たスペック情報381が、性能上限たる「最大出力」は「1200W」であることを示している場合、レシピテーブル120に格納されている「和食」のレシピのうち、「電子レンジ」の調理動作「加熱動作」に関して、定量的記載たる設定出力値が上述の「1200W」より「10%」以内の範囲で小さいもの、すなわち、「1080W~1200W」のものを特定する。
【0112】
また、レシピ提案部101は、特定したレシピの情報1201を、上述のレシピ提案リクエストを送ってきたユーザ端末20に配信(
図13の画面1200)し(s18)、処理を終了する。このレシピの情報1201は、MRR(Machine Readable Recipe)形式のデータであれば、ユーザ端末20からキッチン家電30に送信・設定され、当該キッチン家電30の自動制御に利用されることとなる。
【0113】
以上、本開示を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0114】
こうした本実施形態によれば、キッチン家電のスペックやユーザの個人的嗜好に対応した適宜なレシピが提案可能となる。
【0115】
なお、レシピ提案装置を構成する各機能を実現するためのプログラムを、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、指示することによって、本実施形態のレシピ提案方法を実現するとしてもよい。
【0116】
具体的には、当該プログラムは、レシピを格納する情報処理装置に、所定ユーザの調理機器のスペック情報を当該ユーザの端末ないし当該調理機器から取得するステップと、前記レシピのうち、当該レシピにおける定量的記載に対応した調理動作の値が、前記スペック情報における性能上限と所定範囲で近しいものを特定するステップと、前記特定したレシピを、前記ユーザの端末に配信するステップと、を実行させる動作をコンピュータによって実現するためのプログラムである。
【0117】
また、当該プログラムは、さらに、前記ユーザにおけるレシピの利用履歴をさらに格納する情報処理装置に、前記利用履歴が示す、前記ユーザにおける実際の調理時間、調理内容、および、前記ユーザが利用したレシピの所定属性、の少なくともいずれかに基づき、当該ユーザがレシピを用いた調理に関して個人的に求める特性を判定し、当該特性を属性に含むレシピを特定し、前記特定したレシピを、前記ユーザの端末に配信するステップを、実行させる動作をコンピュータによって実現するためのプログラムである。
【0118】
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、USBメモリ等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスクやSSD等の記憶装置のことをいう。
【0119】
さらに「コンピュータで読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。
【0120】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 ネットワーク
10 レシピ提案装置
11 記憶部
12 メモリ
13 演算部
14 入力部
15 出力部
16 通信部
17 プログラム
100 レシピ格納部
101 レシピ提案部
102 利用履歴格納部
120 レシピテーブル
121 利用履歴テーブル
122 調理特性テーブル
20 ユーザ端末
21 記憶部
22 メモリ
23 演算部
24 入力部
25 出力部
26 第1通信部
27 第2通信部
28 プログラム
29 アプリ
30 キッチン家電
31 記憶部
32 メモリ
33 演算部
34 入力部
35 出力部
36 第1通信部
37 第2通信部
38 プログラム
381 スペック情報
39 調理機構