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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】ファントムおよび蛍光検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20230309BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019168170
(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公開番号】P2021047031
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-02-04
(73)【特許権者】
【識別番号】390005175
【氏名又は名称】株式会社アドバンテスト
(74)【代理人】
【識別番号】100097490
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 益稔
(74)【代理人】
【識別番号】100113354
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 総
(72)【発明者】
【氏名】保坂 智也
【審査官】吉田 将志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/050441(WO,A1)
【文献】特開2007-321139(JP,A)
【文献】特開2013-096920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/958
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を受け、該励起光の強度に応じた電気信号を出力する電気信号出力部と、
前記電気信号を受け、前記電気信号に応じた応答光を発生する応答光発生部と、
を備え、
前記応答光の波長は、蛍光体が前記励起光を受けて発生する蛍光の波長に等しい、
ファントム。
【請求項2】
請求項1に記載のファントムであって、
前記電気信号出力部が、光センサを有し、
前記応答光発生部が、電子回路素子を有する、
ファントム。
【請求項3】
請求項2に記載のファントムであって、
前記光センサが、フォトダイオードであり、
前記電子回路素子が、LEDである、
ファントム。
【請求項4】
請求項2または3に記載のファントムであって、
前記電気信号が電流信号であり、
前記応答光発生部が、
前記電気信号を電圧信号に変換する電圧変換部と、
前記電圧信号に基づいて前記電子回路素子を駆動する駆動部と、
を有するファントム。
【請求項5】
請求項2または3に記載のファントムであって、
前記電気信号が電圧信号であり、
前記応答光発生部が、
前記電圧信号に基づいて前記電子回路素子を駆動する駆動部を有するファントム。
【請求項6】
請求項2または3に記載のファントムであって、
前記電気信号がデジタル信号であり、
前記デジタル信号に基づいて前記電子回路素子を駆動する駆動部を有するファントム。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のファントムであって、
前記応答光発生部が、
白色光を発生する白色光源と、
前記白色光を受け、所定の波長の光を透過して、前記応答光として出力するフィルタと、
を有するファントム。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のファントムであって、
前記応答光発生部が、
所定の波長の光を発生する光源と、
前記所定の波長の光を受け、減衰させて、前記応答光として出力する減光部と、
を有するファントム。
【請求項9】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のファントムであって、
前記応答光発生部が、
所定の波長の光を発生する光源と、
前記所定の波長の光を受け、絞って、前記応答光として出力する絞り部と、
を有するファントム。
【請求項10】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載のファントムであって、
前記応答光発生部が、
所定の波長の光を発生する光源と、
前記所定の波長の光を受け、拡散させて、前記応答光として出力する拡散部と、
を有するファントム。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載のファントムであって、
前記応答光発生部が、前記電気信号に基づき、前記励起光の強度が所定の強度を超えると判定した場合に、前記応答光を発生する、
ファントム。
【請求項12】
請求項11に記載のファントムであって、
前記電気信号に基づき、前記励起光の強度が所定の強度を超えると判定した場合に、前記応答光とは異なる判定光を発生する判定光発生部を備えたファントム。
【請求項13】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載のファントムであって、
前記応答光発生部が、前記蛍光の強度と前記励起光の強度との比に基づき、前記応答光の強度を変更するファントム。
【請求項14】
請求項1ないし10のいずれか一項に記載のファントムであって、
前記電気信号の電力に基づき前記励起光の強度を出力する励起光強度出力部を備えたファントム。
【請求項15】
励起光を出射し、蛍光体が前記励起光を受けて発生する蛍光を検出する蛍光検出装置であって、
請求項14に記載のファントムから受けた前記励起光の強度の値に基づき、前記励起光の強度を補正する強度補正部を備えた蛍光検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光を取得する装置の試験に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、蛍光色素を含有する蛍光ファントムが知られている(特許文献1の要約を参照)。また、蛍光測定装置の校正も知られている(特許文献2~5を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-96920号公報
【文献】特表2009-540327号公報
【文献】特開2007-212478号公報
【文献】特開2016-29401号公報
【文献】特開2011-17721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術によれば、蛍光ファントムの蛍光色素が経年劣化してしまう。
【0005】
そこで、本発明は、蛍光を取得する装置を試験する際に、経年劣化の影響を受けにくくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかるファントムは、励起光を受け、該励起光の強度に応じた電気信号を出力する電気信号出力部と、前記電気信号を受け、前記電気信号に応じた応答光を発生する応答光発生部とを備え、前記応答光の波長は、蛍光体が前記励起光を受けて発生する蛍光の波長に等しいように構成される。
【0007】
上記のように構成されたファントムによれば、電気信号出力部が、励起光を受け、該励起光の強度に応じた電気信号を出力する。応答光発生部が、前記電気信号を受け、前記電気信号に応じた応答光を発生する。前記応答光の波長は、蛍光体が前記励起光を受けて発生する蛍光の波長に等しい。
【0008】
なお、本発明にかかるファントムは、前記電気信号出力部が、光センサを有し、前記応答光発生部が、電子回路素子を有するようにしてもよい。
【0009】
なお、本発明にかかるファントムは、前記光センサが、フォトダイオードであり、前記電子回路素子が、LEDであるようにしてもよい。
【0010】
なお、本発明にかかるファントムは、前記電気信号が電流信号であり、前記応答光発生部が、前記電気信号を電圧信号に変換する電圧変換部と、前記電圧信号に基づいて前記電子回路素子を駆動する駆動部とようにしてもよい。
【0011】
なお、本発明にかかるファントムは、前記電気信号が電圧信号であり、前記応答光発生部が、前記電圧信号に基づいて前記電子回路素子を駆動する駆動部を有するようにしてもよい。
【0012】
なお、本発明にかかるファントムは、前記電気信号がデジタル信号であり、前記デジタル信号に基づいて前記電子回路素子を駆動する駆動部を有するようにしてもよい。
【0013】
なお、本発明にかかるファントムは、前記応答光発生部が、白色光を発生する白色光源と、前記白色光を受け、所定の波長の光を透過して、前記応答光として出力するフィルタとを有するようにしてもよい。
【0014】
なお、本発明にかかるファントムは、前記応答光発生部が、所定の波長の光を発生する光源と、前記所定の波長の光を受け、減衰させて、前記応答光として出力する減光部とを有するようにしてもよい。
【0015】
なお、本発明にかかるファントムは、前記応答光発生部が、所定の波長の光を発生する光源と、前記所定の波長の光を受け、絞って、前記応答光として出力する絞り部とを有するようにしてもよい。
【0016】
なお、本発明にかかるファントムは、前記応答光発生部が、所定の波長の光を発生する光源と、前記所定の波長の光を受け、拡散させて、前記応答光として出力する拡散部とを有するようにしてもよい。
【0017】
なお、本発明にかかるファントムは、前記応答光発生部が、前記電気信号に基づき、前記励起光の強度が所定の強度を超えると判定した場合に、前記応答光を発生するようにしてもよい。
【0018】
なお、本発明にかかるファントムは、前記電気信号に基づき、前記励起光の強度が所定の強度を超えると判定した場合に、前記応答光とは異なる判定光を発生する判定光発生部を備えるようにしてもよい。
【0019】
なお、本発明にかかるファントムは、前記応答光発生部が、前記蛍光の強度と前記励起光の強度との比に基づき、前記応答光の強度を変更するようにしてもよい。
【0020】
なお、本発明にかかるファントムは、前記電気信号に基づき前記励起光の強度を出力する励起光強度出力部を備えるようにしてもよい。
【0021】
本発明にかかる蛍光検出装置は、励起光を出射し、蛍光体が前記励起光を受けて発生する蛍光を検出するものであり、本発明にかかるファントムから受けた前記励起光の強度に基づき、前記励起光の強度を補正する強度補正部を備えるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第一の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。
図2】第一の実施形態の変形例1にかかるファントム1の構成を示す図である。
図3】第一の実施形態の変形例2にかかるファントム1の構成を示す図である。
図4】第二の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。
図5】第三の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。
図6】第四の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。
図7】第五の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。
図8】第六の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。
図9】第七の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。
図10】第八の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。
図11】第八の実施形態の変形例にかかるファントム1の構成を示す図である。
図12】第九の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。
図13】第九の実施形態の変形例にかかるファントム1の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0024】
第一の実施形態
図1は、第一の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。第一の実施形態にかかるファントム1は、蛍光検出装置8から励起光を受ける。
【0025】
蛍光検出装置8は、励起光を、蛍光体に向けて出射する。蛍光体には、蛍光物質が存在している。蛍光体は、励起光を受けると、蛍光を発生する。蛍光検出装置8は、蛍光体から、蛍光を受けて検出する。蛍光体は、例えば、センチネルリンパ節である。蛍光物質は、例えば、ICG(インドシアニングリーン)であるが、他にも、フルオレセインまたはアミノレブリン酸塩酸塩が考えられる。もちろん、蛍光体および蛍光物質は、他にも色々と周知なものが考えられる。
【0026】
なお、蛍光物質によって、励起光の波長および蛍光の波長が決まっている。例えば、蛍光物質がICGの場合、励起光の波長は785nm、蛍光の波長は805nm近傍である。例えば、蛍光物質がフルオレセインの場合、励起光の波長494nm、蛍光の波長は521nm近傍である。例えば、蛍光物質がアミノレブリン酸塩酸塩の場合、励起光の波長400~410nm、蛍光の波長は635nm近傍である。
【0027】
ファントム1は、蛍光検出装置8から励起光を受けると、蛍光の波長に等しい応答光を発生する。蛍光検出装置8が応答光を受けた際の動作を観察することで、蛍光検出装置8の試験を行うことができる。
【0028】
例えば、蛍光検出装置8がファントム1に励起光を出射した場合の動作が、蛍光検出装置8が蛍光体に励起光を出射した場合と同様であれば、蛍光検出装置8は正常に動作していると判断できる。例えば、蛍光検出装置8がファントム1に励起光を出射しても応答光を検出できないのであれば、蛍光検出装置8の励起光の出射機能または応答光の検出機能に問題があるということが分かる。
【0029】
第一の実施形態にかかるファントム1は、電気信号出力部2、応答光発生部4を備える。
【0030】
電気信号出力部2は、励起光を受け、励起光の強度に応じた電気信号を出力する。電気信号出力部2が、光減衰板22、光センサ24を有する。光減衰板22は、励起光を減衰させて、光センサ24に与える。光センサ24は、光減衰板22を介して、励起光を受け、励起光を電気信号に変換する。ただし、電気信号は、電流信号Iである。光センサ24は、例えば、フォトダイオードである。なお、光減衰板22と光センサ24との間に、バンドパスフィルタを配置してもよい(例えば、蛍光物質が、フルオレセインまたはアミノレブリン酸塩酸塩の場合)。ただし、励起光の強度によっては、光減衰板22が不要な場合も考えられる。
【0031】
応答光発生部4は、電気信号を受け、電気信号に応じた応答光を発生する。ただし、応答光の波長は、蛍光の波長に等しい。応答光発生部4は、電圧変換部42、駆動回路(駆動部)44、電子回路素子46を有する。電圧変換部42は、電気信号(電流信号I)を電圧信号Vに変換する。駆動回路44は、電圧信号Vに基づいて電子回路素子46を駆動する。電子回路素子46は、駆動回路44を介して、電圧信号Vを受け、電圧信号Vを応答光に変換するものである。電子回路素子46は、例えばLEDである。
【0032】
次に、第一の実施形態の動作を説明する。
【0033】
ファントム1の電気信号出力部2が、蛍光検出装置8から励起光を受ける。励起光は、光減衰板22を介して、光センサ24に与えられ、光センサ24によって、電気信号(電流信号I)に変換される。電流信号Iは、応答光発生部4に与えられる。電流信号Iは、電圧変換部42によって、電圧信号Vに変換され、駆動回路44を介して、電子回路素子46に与えられる。電子回路素子46は、応答光を出射する。蛍光検出装置8は応答光を検出する。
【0034】
第一の実施形態によれば、電気信号出力部2および応答光発生部4は電気信号を用いた電子回路であるため、蛍光色素(例えば、ICG)に比べて、経年劣化の影響を受けにくい。よって、第一の実施形態によれば、蛍光検出装置8を試験する際に、経年劣化の影響を受けにくくすることができる。
【0035】
なお、第一の実施形態には、以下のような変形例が考えられる。
【0036】
変形例1
図2は、第一の実施形態の変形例1にかかるファントム1の構成を示す図である。第一の実施形態の変形例1は、第一の実施形態の光センサ24および電圧変換部42を、光センサ(電圧出力)25および増幅回路43に置き換えたものである。
【0037】
光センサ(電圧出力)25は、光減衰板22を介して、励起光を受け、励起光を電気信号に変換する。ただし、電気信号は、電圧信号V1である。増幅回路43は、電圧信号V1を増幅して電圧信号V2とする。なお、駆動回路44は、電圧信号V2に基づいて電子回路素子46を駆動する。ここで、電圧信号V2は電圧信号V1に基づくものなので、駆動回路44は、電圧信号V1に基づいて電子回路素子46を駆動することになる。
【0038】
変形例2
図3は、第一の実施形態の変形例2にかかるファントム1の構成を示す図である。第一の実施形態の変形例2は、第一の実施形態の光センサ24を、光センサ(デジタル出力)26に換えてある。さらに、第一の実施形態の変形例2にかかるファントム1の応答光発生部4は、FPGA41、DAC(デジタルアナログ変換器)45、電子回路素子46を有する。
【0039】
光センサ(デジタル出力)26は、光減衰板22を介して、励起光を受け、励起光を電気信号に変換する。ただし、電気信号はデジタル信号である。FPGA41およびDAC45は、デジタル信号に基づいて電子回路素子46を駆動するものであり、第一の実施形態の駆動回路44と同等な機能を奏する。FPGA41は、光センサ(デジタル出力)26からデジタル信号を受け、第一の実施形態の駆動回路44の出力をデジタル変換したものにあたる信号を出力する。DAC45は、FPGA41の出力(デジタルである)をアナログに変換して、第一の実施形態の駆動回路44の出力と同等なものにして、電子回路素子46に与える。
【0040】
第二の実施形態
第二の実施形態にかかるファントム1は、白色光源47およびバンドパスフィルタ48を備えた点が、第一の実施形態にかかるファントム1と異なる。
【0041】
図4は、第二の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。第二の実施形態にかかるファントム1は、電気信号出力部2、応答光発生部4を備える。以下、第一の実施形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
第二の実施形態にかかる蛍光検出装置8および電気信号出力部2は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0043】
応答光発生部4は、電圧変換部42、駆動回路(駆動部)44、白色光源47、バンドパスフィルタ48を有する。電圧変換部42および駆動回路44は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。白色光源47は、白色光を発生する。バンドパスフィルタ48は、白色光を受け、所定の波長の光を透過して、応答光として出力する。ただし、所定の波長は、蛍光の波長に等しい。
【0044】
次に、第二の実施形態の動作を説明する。
【0045】
ファントム1の電気信号出力部2が、蛍光検出装置8から励起光を受ける。励起光は、光減衰板22を介して、光センサ24に与えられ、光センサ24によって、電気信号(電流信号I)に変換される。電流信号Iは、応答光発生部4に与えられる。電流信号Iは、電圧変換部42によって、電圧信号Vに変換され、駆動回路44を介して、白色光源47に与えられる。白色光源47から白色光が出射され、バンドパスフィルタ48によって、所定の波長の光が取り出され、応答光となる。蛍光検出装置8は応答光を検出する。
【0046】
第二の実施形態によれば、第一の実施形態と同様な効果を奏する。しかも、蛍光の波長に等しい波長の光を発生する光源(例えば、LED)が無くても、蛍光の波長に等しい波長の光を透過するバンドパスフィルタ48を備えることで、白色光から、蛍光の波長に等しい波長の光を取り出すことにより、応答光を生成できる。
【0047】
なお、第一の実施形態の変形例1(図2参照)および変形例2(図3参照)においても、同様に、電子回路素子46にかえて、白色光源47およびバンドパスフィルタ48を備えるようにすることができる。
【0048】
第三の実施形態
第三の実施形態にかかるファントム1は、減光板(減光部)49aを備えた点が、第一の実施形態にかかるファントム1と異なる。
【0049】
図5は、第三の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。第三の実施形態にかかるファントム1は、電気信号出力部2、応答光発生部4を備える。以下、第一の実施形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】
第三の実施形態にかかる蛍光検出装置8および電気信号出力部2は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0051】
応答光発生部4は、電圧変換部42、駆動回路(駆動部)44、電子回路素子46、減光板(減光部)49aを有する。電圧変換部42、駆動回路44および電子回路素子46は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。ただし、電子回路素子46は、所定の波長の光を発生する光源である。また、所定の波長は、蛍光の波長に等しい。減光板(減光部)49aは、所定の波長の光を受け、減衰させて、応答光として出力する。
【0052】
次に、第三の実施形態の動作を説明する。
【0053】
ファントム1の電気信号出力部2が、蛍光検出装置8から励起光を受ける。励起光は、光減衰板22を介して、光センサ24に与えられ、光センサ24によって、電気信号(電流信号I)に変換される。電流信号Iは、応答光発生部4に与えられる。電流信号Iは、電圧変換部42によって、電圧信号Vに変換され、駆動回路44を介して、電子回路素子46に与えられる。電子回路素子46から所定の波長の光が出射され、減光板49aによって、減衰され、応答光となる。蛍光検出装置8は応答光を検出する。
【0054】
第三の実施形態によれば、第一の実施形態と同様な効果を奏する。しかも、減光板49aにより応答光を減衰するので、蛍光の出力が小さい蛍光体に対して蛍光検出装置8を使用した場合を想定した試験を行うことができる。
【0055】
なお、第一の実施形態の変形例1(図2参照)および変形例2(図3参照)においても、同様に、電子回路素子46の前方に、減光板(減光部)49aを備えるようにすることができる。
【0056】
第四の実施形態
第四の実施形態にかかるファントム1は、絞り部49bを備えた点が、第一の実施形態にかかるファントム1と異なる。
【0057】
図6は、第四の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。第四の実施形態にかかるファントム1は、電気信号出力部2、応答光発生部4を備える。以下、第一の実施形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
第四の実施形態にかかる蛍光検出装置8および電気信号出力部2は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0059】
応答光発生部4は、電圧変換部42、駆動回路(駆動部)44、電子回路素子46、絞り部49bを有する。電圧変換部42、駆動回路44および電子回路素子46は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。ただし、電子回路素子46は、所定の波長の光を発生する光源である。また、所定の波長は、蛍光の波長に等しい。絞り部49bは、所定の波長の光を受け、絞って、応答光として出力する。また、絞り部49bは、例えば、ピンホールまたはスリットである。
【0060】
次に、第四の実施形態の動作を説明する。
【0061】
ファントム1の電気信号出力部2が、蛍光検出装置8から励起光を受ける。励起光は、光減衰板22を介して、光センサ24に与えられ、光センサ24によって、電気信号(電流信号I)に変換される。電流信号Iは、応答光発生部4に与えられる。電流信号Iは、電圧変換部42によって、電圧信号Vに変換され、駆動回路44を介して、電子回路素子46に与えられる。電子回路素子46から所定の波長の光が出射され、絞り部49bによって、絞られ、応答光となる。蛍光検出装置8は応答光を検出する。
【0062】
第四の実施形態によれば、第一の実施形態と同様な効果を奏する。しかも、絞り部49bにより応答光を絞るので、小さい蛍光体に対して蛍光検出装置8を使用した場合を想定した試験を行うことができる。
【0063】
なお、第一の実施形態の変形例1(図2参照)および変形例2(図3参照)においても同様に、電子回路素子46の前方に、絞り部49bを備えるようにすることができる。
【0064】
第五の実施形態
第五の実施形態にかかるファントム1は、拡散板(拡散部)49cを備えた点が、第一の実施形態にかかるファントム1と異なる。
【0065】
図7は、第五の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。第五の実施形態にかかるファントム1は、電気信号出力部2、応答光発生部4を備える。以下、第一の実施形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
第五の実施形態にかかる蛍光検出装置8および電気信号出力部2は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0067】
応答光発生部4は、電圧変換部42、駆動回路(駆動部)44、電子回路素子46、拡散板(拡散部)49cを有する。電圧変換部42、駆動回路44および電子回路素子46は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。ただし、電子回路素子46は、所定の波長の光を発生する光源である。また、所定の波長は、蛍光の波長に等しい。拡散板49cは、所定の波長の光を受け、拡散させて、応答光として出力する。
【0068】
次に、第五の実施形態の動作を説明する。
【0069】
ファントム1の電気信号出力部2が、蛍光検出装置8から励起光を受ける。励起光は、光減衰板22を介して、光センサ24に与えられ、光センサ24によって、電気信号(電流信号I)に変換される。電流信号Iは、応答光発生部4に与えられる。電流信号Iは、電圧変換部42によって、電圧信号Vに変換され、駆動回路44を介して、電子回路素子46に与えられる。電子回路素子46から所定の波長の光が出射され、拡散板49cによって、拡散され、応答光となる。蛍光検出装置8は応答光を検出する。
【0070】
第五の実施形態によれば、第一の実施形態と同様な効果を奏する。しかも、拡散板49cにより応答光を拡散するので、大きい蛍光体に対して蛍光検出装置8を使用した場合を想定した試験を行うことができる。
【0071】
なお、第一の実施形態の変形例1(図2参照)および変形例2(図3参照)においても、同様に、電子回路素子46の前方に、拡散板49cを備えるようにすることができる。
【0072】
第六の実施形態
第六の実施形態にかかるファントム1は、閾値記録部40a、コンパレータ40bを備えた点が、第一の実施形態にかかるファントム1と異なる。
【0073】
図8は、第六の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。第六の実施形態にかかるファントム1は、電気信号出力部2、応答光発生部4を備える。以下、第一の実施形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
第六の実施形態にかかる蛍光検出装置8および電気信号出力部2は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0075】
応答光発生部4は、電圧変換部42、駆動回路(駆動部)44、電子回路素子46、閾値記録部40a、コンパレータ40bを有する。電圧変換部42、駆動回路44および電子回路素子46は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0076】
閾値記録部40aは、励起光の強度が所定の強度であるときの電圧信号Vの値を、閾値として記録する。例えば、所定の強度が10mWであるとき、電圧変換部42の出力する電圧信号Vが1Vであるとした場合、閾値として1Vを記録する。
【0077】
コンパレータ40bは、電圧変換部42の出力する電圧信号Vと、閾値記録部40aの記録する閾値とを比較する。さらに、コンパレータ40bは、電圧信号Vが閾値を超える場合には、駆動信号V3を駆動回路44に与える。また、コンパレータ40bは、電圧信号Vが閾値未満の場合には、駆動回路44に信号を与えない。よって、コンパレータ40bが、電気信号(電圧信号V)に基づき、励起光の強度が所定の強度を超えると判定した場合(すなわち、電圧信号Vが閾値を超える場合)には、駆動信号V3が駆動回路44に与えられるので、応答光が発生する。
【0078】
なお、コンパレータ40bは、電圧変換部42と駆動回路44との間に配置される。より詳細には、コンパレータ40bの出力端子を駆動回路44の入力端子に接続し、コンパレータ40bの入力端子を電圧変換部42の出力端子および閾値記録部40aに接続する。
【0079】
次に、第六の実施形態の動作を説明する。
【0080】
ファントム1の電気信号出力部2が、蛍光検出装置8から励起光を受ける。励起光は、光減衰板22を介して、光センサ24に与えられ、光センサ24によって、電気信号(電流信号I)に変換される。電流信号Iは、応答光発生部4に与えられる。電流信号Iは、電圧変換部42によって、電圧信号Vに変換される。電圧信号Vは、コンパレータ40bに与えられ、閾値を超えるか否かが判定される。
【0081】
もし、電圧信号Vが閾値を超えると判定されれば、駆動信号V3が駆動回路44を介して、電子回路素子46に与えられる。電子回路素子46は、応答光を出射する。蛍光検出装置8は応答光を検出する。
【0082】
一方、電圧信号Vが閾値を超えないと判定されれば、駆動回路44には駆動信号V3が与えられないので、電子回路素子46は、応答光を出射することはない。
【0083】
第六の実施形態によれば、第一の実施形態と同様な効果を奏する。しかも、励起光の強度が足りない場合は応答光が検出されないため、励起光の強度不足を容易に判定できる。
【0084】
なお、第一の実施形態の変形例1(図2参照)においても、同様に、閾値記録部40aおよびコンパレータ40bを備えることができる。この場合、コンパレータ40bは、増幅回路43と駆動回路44との間に配置される。より詳細には、コンパレータ40bの出力端子を駆動回路44の入力端子に接続し、コンパレータ40bの入力端子を増幅回路43の出力端子および閾値記録部40aに接続する。閾値記録部40aは、励起光の強度が所定の強度であるときの電圧信号V2の値を、閾値として記録する。
【0085】
また、第一の実施形態の変形例2(図3参照)においても、第六の実施形態と同様な機能を果たすようにすることができる。この場合、FPGA41において、励起光の強度が所定の強度であるときの電気信号(デジタル信号)の値を、閾値として記録する。FPGA41は、さらに、電気信号(デジタル信号)が閾値を超えるか否かを判定し、超えていれば電気信号(デジタル信号)をDAC45に送り、超えていなければDAC45に信号を送らない。
【0086】
第七の実施形態
第七の実施形態にかかるファントム1は、判定光発生部5を備えた点が、第六の実施形態にかかるファントム1と異なる。
【0087】
図9は、第七の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。第七の実施形態にかかるファントム1は、電気信号出力部2、応答光発生部4、判定光発生部5を備える。以下、第六の実施形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0088】
第七の実施形態にかかる蛍光検出装置8、電気信号出力部2および応答光発生部4は、第六の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0089】
判定光発生部5は、コンパレータ50b、駆動回路54、電子回路素子56を有する。
【0090】
コンパレータ50bは、電圧変換部42の出力する電圧信号Vと、閾値記録部40aの記録する閾値とを比較する。さらに、コンパレータ50bは、電圧信号Vが閾値を超える場合には、駆動信号V4を駆動回路54に与える。また、コンパレータ40bは、電圧信号Vが閾値未満の場合には、駆動回路54に信号を与えない。
【0091】
なお、コンパレータ50bは、電圧変換部42と駆動回路54との間に配置される。より詳細には、コンパレータ50bの出力端子を駆動回路54の入力端子に接続し、コンパレータ50bの入力端子を電圧変換部42の出力端子および閾値記録部40aに接続する。
【0092】
駆動回路54は、駆動信号V4に基づいて電子回路素子56を駆動する。
【0093】
電子回路素子56は、駆動回路54を介して、駆動信号V4を受け、駆動信号V4を判定光に変換するものである。電子回路素子56は、例えばLEDである。
【0094】
コンパレータ50bが、電気信号(電圧信号V)に基づき、励起光の強度が所定の強度を超えると判定した場合(すなわち、電圧信号Vが閾値を超える場合)には、駆動信号V4が駆動回路54に与えられるので、電子回路素子56が判定光を発生する。判定光は、応答光とは異なるものである。
【0095】
次に、第七の実施形態の動作を説明する。ただし、第六の実施形態の動作と同じ部分は説明を省略する。
【0096】
電圧変換部42から出力された電圧信号Vは、コンパレータ50bに与えられ、閾値を超えるか否かが判定される。
【0097】
もし、電圧信号Vが閾値を超えると判定されれば、駆動信号V4が駆動回路54を介して、電子回路素子56に与えられる。電子回路素子56は、判定光を出射する。
【0098】
一方、電圧信号Vが閾値を超えないと判定されれば、駆動回路54には駆動信号V4が与えられないので、電子回路素子56は、判定光を出射することはない。
【0099】
第七の実施形態によれば、第六の実施形態と同様な効果を奏する。しかも、励起光の強度が足りない場合は判定光が出射されないため、励起光の強度不足を容易に判定できる。
【0100】
なお、第一の実施形態の変形例1(図2参照)においても、同様に、閾値記録部40a、コンパレータ50b、駆動回路54および電子回路素子56を備えることができる。この場合、コンパレータ50bは、増幅回路43と駆動回路54との間に配置される。より詳細には、コンパレータ50bの出力端子を駆動回路54の入力端子に接続し、コンパレータ50bの入力端子を増幅回路43の出力端子および閾値記録部40aに接続する。閾値記録部40aは、励起光の強度が所定の強度であるときの電圧信号V2の値を、閾値として記録する。
【0101】
また、第一の実施形態の変形例2(図3参照)においても、第七の実施形態と同様な機能を果たすようにすることができる。この場合、電子回路素子56を備え、さらに、FPGA41において、励起光の強度が所定の強度であるときの電気信号(デジタル信号)の値を、閾値として記録する。FPGA41は、さらに、電気信号(デジタル信号)が閾値を超えるか否かを判定し、超えていれば電気信号(デジタル信号)を判定光用DAC(FPGA41と電子回路素子56との間に配置され、FPGA41のデジタル出力をアナログに変換して電子回路素子56に与えるものである)に送り、超えていなければ判定光用DACに信号を送らない。
【0102】
第八の実施形態
第八の実施形態にかかるファントム1は、可変抵抗42aを備えた点が、第一の実施形態にかかるファントム1と異なる。
【0103】
図10は、第八の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。第八の実施形態にかかるファントム1は、電気信号出力部2、応答光発生部4を備える。以下、第一の実施形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0104】
第八の実施形態にかかる蛍光検出装置8および電気信号出力部2は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0105】
応答光発生部4は、電圧変換部42、可変抵抗42a、駆動回路(駆動部)44、電子回路素子46を有する。駆動回路44および電子回路素子46は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0106】
電圧変換部42は、第一の実施形態と同様であるが、例えばオペアンプであり、入力側の一端にて電気信号(電流信号I)の正負を反転して受け、入力側の他端が接地されている。電圧変換部42の入力側の一端と出力側とが、可変抵抗42aにより接続されている。可変抵抗42aの抵抗を変化させることで、電圧信号Vの値を変化させ、ひいては、応答光の強度を変更することができる。可変抵抗42aの抵抗は、蛍光体が発生する蛍光の強度と励起光の強度との比(すなわち、感度)に基づき変更される。よって、応答光の強度は、感度に基づき変更される。
【0107】
次に、第八の実施形態の動作を説明する。
【0108】
ファントム1の電気信号出力部2が、蛍光検出装置8から励起光を受ける。励起光は、光減衰板22を介して、光センサ24に与えられ、光センサ24によって、電気信号(電流信号I)に変換される。電流信号Iは、応答光発生部4に与えられる。電流信号Iは、電圧変換部42によって、電圧信号Vに変換され、駆動回路44を介して、電子回路素子46に与えられる。ただし、感度に基づき、可変抵抗42aの抵抗を変化させることで、電圧信号Vの値(ひいては、応答光の強度)を変化させることができる。電子回路素子46は、応答光を出射する。蛍光検出装置8は応答光を検出する。
【0109】
第八の実施形態によれば、第一の実施形態と同様な効果を奏する。しかも、蛍光体の感度に基づき、可変抵抗42aの抵抗を変化させることで、応答光の強度を変更することができるので、色々な感度の蛍光体に対して蛍光検出装置8を使用した場合を想定した試験を行うことができる。
【0110】
なお、第八の実施形態には、以下のような変形例が考えられる。
【0111】
図11は、第八の実施形態の変形例にかかるファントム1の構成を示す図である。第八の実施形態の変形例は、第八の実施形態の可変抵抗42aを備えず、第八の実施形態の駆動回路44を可変型駆動回路44aに置き換えたものである。可変型駆動回路44aは、電子回路素子46に与える駆動電圧を、蛍光体の感度に基づき、変化させることができ、これにより応答光の強度を変化させることができる。
【0112】
なお、第八の実施形態およびその変形例の光センサ24および電圧変換部42を、光センサ(電圧出力)25および増幅回路43(第一の実施形態の変形例1および図2を参照)に置き換えても同様な効果を奏する。
【0113】
なお、第一の実施形態の変形例2(図3参照)においても、第八の実施形態と同様な機能を果たすようにすることができる。この場合、FPGA41は、DAC45への出力を、蛍光体の感度に基づき、変化させるようにする。
【0114】
第九の実施形態
第九の実施形態にかかるファントム1は、励起光強度出力部6を備えた点が、第一の実施形態にかかるファントム1と異なる。
【0115】
図12は、第九の実施形態にかかるファントム1の構成を示す図である。第九の実施形態にかかるファントム1は、電気信号出力部2、応答光発生部4、励起光強度出力部6を備える。以下、第一の実施形態と同様な部分は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0116】
第九の実施形態にかかる電気信号出力部2および応答光発生部4は、第一の実施形態と同様であり、説明を省略する。ただし、駆動回路44を、可変型駆動回路44a(第八の実施形態の変形例および図11を参照)に置き換えてもよい。
【0117】
励起光強度出力部6は、電気信号に基づき励起光の強度を出力する。励起光強度出力部6は、ADC(アナログデジタル変換器)62、FPGA64を有する。ADC62は、電圧変換部42の出力する電圧信号V(アナログ)をデジタルに変換する。FPGA64は、ADC62の出力を受け、励起光の強度を出力する。
【0118】
蛍光検出装置8は、第一の実施形態と同様であるが、目標値記録部82、強度補正部84、励起光源86を有する。目標値記録部82は、励起光の出力の目標値(例えば、10mW)を記録する。強度補正部84は、励起光強度出力部6のFPGA64から受けた励起光の強度に基づき、励起光の強度を補正する。具体的には、強度補正部84は、目標値記録部82から目標値(例えば、10mW)を、励起光強度出力部6のFPGA64から励起光の強度(例えば、9mW)を受ける。強度補正部84は、(目標値)×(目標値)/(励起光の強度)(=10×10/9=11.1mW)を新たな目標値として励起光源86に与えることにより、励起光の強度を補正する。励起光源86は、強度補正部84から与えられた新たな目標値に合わせて励起光を出力する。
【0119】
次に、第九の実施形態の動作を説明する。ただし、第一の実施形態の動作と同じ部分は説明を省略する。
【0120】
励起光の出力が本来は10mWであるべきところ(目標値)、9mWしか出力されていないと仮定する。電圧変換部42が出力する電圧信号Vは、ADC62によりデジタルに変換され、FPGA64に与えられる。FPGA64は、励起光の強度(9mW)を蛍光検出装置8の強度補正部84に与える。
【0121】
すると、励起光の出力が、目標値の9mW/10mW=0.9倍であることが分かる。よって、目標値10mWを1/0.9=1.11倍すれば、励起光の出力がちょうど10mWになるであろうことが分かる。よって、強度補正部84は、(目標値)×(目標値)/(励起光の強度)(=10×10/9=11.1mW)を新たな目標値として励起光源86に与えることにより、励起光の強度を補正する。励起光源86は、強度補正部84から与えられた新たな目標値11.1mWに合わせて励起光を出力する。すると、励起光の出力が、11.1mW×0.9=10mWとなる。
【0122】
第九の実施形態によれば、第一の実施形態と同様な効果を奏する。しかも、励起光強度出力部6の出力により、蛍光検出装置8の励起光の出力を自動的に校正することができる。
【0123】
なお、第一の実施形態の変形例1(図2参照)においても、同様に、増幅回路43の出力に励起光強度出力部6を接続することができる。
【0124】
なお、第九の実施形態には、以下のような変形例が考えられる。
【0125】
図13は、第九の実施形態の変形例にかかるファントム1の構成を示す図である。蛍光検出装置8は、第九の実施形態のものと同一である。ファントム1は、第一の実施形態の変形例1(図2参照)のものと同一である。ただし、ファントム1のFPGA41の出力が、強度補正部84に与えられる。FPGA41が、第九の実施形態の励起光強度出力部6に相当する。
【符号の説明】
【0126】
1 ファントム
2 電気信号出力部
22 光減衰板
24 光センサ
25 光センサ(電圧出力)
4 応答光発生部
40a 閾値記録部
40b コンパレータ
41 FPGA
42 電圧変換部
42a 可変抵抗
43 増幅回路
44 駆動回路(駆動部)
44a 可変型駆動回路
45 DAC(デジタルアナログ変換器)
46 電子回路素子
47 白色光源
48 バンドパスフィルタ
49a 減光板(減光部)
49b 絞り部
49c 拡散板(拡散部)
5 判定光発生部
50b コンパレータ
54 駆動回路
56 電子回路素子
6 励起光強度出力部
62 ADC(アナログデジタル変換器)
64 FPGA
8 蛍光検出装置
82 目標値記録部
84 強度補正部
86 励起光源
I 電流信号
V、V1、V2 電圧信号
V3、V4 駆動信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13