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特許7241006中空微小球混入装置及び中空微小球混入装置を用いるフレッシュコンクリートの製造方法
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  • 特許-中空微小球混入装置及び中空微小球混入装置を用いるフレッシュコンクリートの製造方法 図1
  • 特許-中空微小球混入装置及び中空微小球混入装置を用いるフレッシュコンクリートの製造方法 図2
  • 特許-中空微小球混入装置及び中空微小球混入装置を用いるフレッシュコンクリートの製造方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】中空微小球混入装置及び中空微小球混入装置を用いるフレッシュコンクリートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B28C 5/42 20060101AFI20230309BHJP
   C04B 28/02 20060101ALI20230309BHJP
   C04B 16/08 20060101ALI20230309BHJP
   B28C 7/06 20060101ALI20230309BHJP
   C04B 14/02 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
B28C5/42
C04B28/02
C04B16/08
B28C7/06
C04B14/02 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019215147
(22)【出願日】2019-11-28
(65)【公開番号】P2021084342
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003296
【氏名又は名称】デンカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【弁理士】
【氏名又は名称】新山 雄一
(72)【発明者】
【氏名】橋本 学
(72)【発明者】
【氏名】林 大介
(72)【発明者】
【氏名】本間 一也
【審査官】田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-296226(JP,A)
【文献】特開2007-136919(JP,A)
【文献】特開平06-226732(JP,A)
【文献】特開2017-035840(JP,A)
【文献】特開昭52-038471(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28C 5/00 - 5/48
B28C 7/06
C04B 2/00 - 32/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空微小球吸引ノズルと、
先端に前記中空微小球吸引ノズルが装着されている吸引管と、
吐出管と、
前記吸引管を通じて中空微小球を吸引し、吸引した前記中空微小球を吐出管から吐出するポンプと、を備え、
前記中空微小球吸引ノズルは、先端に吸引口を有する錐体形状の刺し込み部と、パイプ状の閉止部と、を含んで構成されていて、
前記刺し込み部の底面の外径は、前記吸引管の外径及び前記閉止部の天面の開口部の内径よりも大きく、前記閉止部天面の外径は、前記刺し込み部の底面の外径よりも大きくて、
前記閉止部は、前記刺し込み部の底面近傍において前記吸引管に環装されていて、前記吸引管の方向に沿って移動することにより、前記閉止部の天面が前記刺し込み部の底面に着接及び離脱可能に設置されている、
中空微小球混入装置。
【請求項2】
請求項1に記載の中空微小球混入装置を用いた、フレッシュコンクリートの製造方法であって、
前記中空微小球が封入されている袋に、前記中空微小球吸引ノズルの前記刺し込み部を突き刺した後、前記袋に前記刺し込み部によって形成された穿孔の内縁を、前記刺し込み部の底面と前記閉止部の天面との間に挟み込んで閉止し、
前記ポンプによって、前記吸引管を通じて中空微小球を吸引し、吸引した前記中空微小球を吐出管から吐出して、セメント材、骨材、及び、水を含んでなるフレッシュコンクリート材料に混入させる、フレッシュコンクリートの製造方法。
【請求項3】
前記袋として複数の同一容積の樹脂製の定量袋を用いる、
請求項2に記載のフレッシュコンクリートの製造方法。
【請求項4】
前記フレッシュコンクリート材料をアジテータ車によって、コンクリート製造現場からコンクリート打設現場に運搬し、
コンクリート打設現場において、前記中空微小球を、前記吐出管から前記アジテータ車のミキシング・ドラム内に投入して、該ミキシング・ドラム内で前記フレッシュコンクリート材料と混合する、請求項2又は3に記載のフレッシュコンクリートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結融解抵抗性に優れるフレッシュコンクリートの製造時に、フレッシュコンクリート材料に中空微小球を混入させる中空微小球混入装置、及び、当該中空微小球混入装置を用いて行うフレッシュコンクリートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート中に適切な空気量の範囲で適切な粒径の微細な気泡を形成することにより、凍結融解抵抗性に優れるコンクリートを得ることができることは広く知られている(非特許文献1参照)。以下、本明細書においては、このようなコンクリートを「耐凍害性微細気泡コンクリート」と称する。
【0003】
「耐凍害性微細気泡コンクリート」を得るために、微細な気泡をコンクリート内に適切に形成する手段の一つとして、フレッシュコンクリート材料に樹脂製の中空微小球を混入させるフレッシュコンクリートの製造方法の開発が進んでいる(特許文献1~3参照)。
【0004】
しかしながら、上記製造方法に用いる中空微小球は極めて密度が小さいためフレッシュコンクリート材料に混入する際に発塵して飛散しやすい。よって、混入量を所定量に制御することが難しく、フレッシュコンクリートの品質安定性について改善の余地があった。
【0005】
この問題に対する対策として、フレッシュコンクリート材料に、水溶性袋に封入した状態の中空微小球を投入する製造方法が提案されている(特許文献4参照)。この製造方法によれば、上記の発塵に起因する中空微小球の混入量のバラつきを低減させて、「耐凍害性微細気泡コンクリート」の品質安定性を向上させることができる。
【0006】
しかしながら、中空微小球を水溶性袋に封入する上記の製造方法においては、例えば、通常、樹脂製の袋等に梱包された状態で入荷される中空微小球を、都度、特定材料(水溶紙)からなる袋に封入し直すことが必要であるという手間と、袋の購入コストとが嵩むため、経済性の面での優位性は低く、より経済性に優れる「耐凍害性微細気泡コンクリート」の製造方法が模索されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2005-008485号公報
【文献】特開2016-47790号公報
【文献】特開2017-105655号公報
【文献】特開2017-159532号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】コンクリート工学論文集 第23巻第1号 2012年1月 コンクリートの気泡組織と耐凍害性の関係に関する考察
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記状況に鑑みて開発されたものであり、中空微小球を混入してなるフレッシュコンクリートの製造において、品質安定性と経済性とを好ましい水準において両立させることができる技術的手段を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、独自の構造からなる中空微小球混入装置を用いて中空微小球をフレッシュコンクリート材料に混入させる製造方法とすることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明は具体的には、以下の各方法等を提供する。
【0011】
(1) 中空微小球吸引ノズルと、先端に前記中空微小球吸引ノズルが装着されている吸引管と、吐出管と、前記吸引管を通じて中空微小球を吸引し、吸引した前記中空微小球を吐出管から吐出するポンプと、を備え、前記中空微小球吸引ノズルは、先端に吸引口を有する錐体形状の刺し込み部と、パイプ状の閉止部と、を含んで構成されていて、前記閉止部は、前記刺し込み部の底面近傍において前記吸引管に環装されていて、前記吸引管の方向に沿って移動することにより、天面が前記刺し込み部の底面に着接及び離脱可能に設置されている、中空微小球混入装置。
【0012】
(1)の発明によれば、「耐凍害性微細気泡コンクリート」等の製造において、フレッシュコンクリート材料に中空微小球を混入させる際に、入荷した袋入りの中空微小球を外気と接触させないまま、ミキサーに投入することできるので、中空微小球の発塵、飛散を防止して品質安定性を向上させ、尚且つ、経済性も改善することができる。又、中空微小球の発塵、飛散を防止することで、一連の作業を行うことができるので、「耐凍害性微細気泡コンクリート」等の製造現場の作業環境を良好に保つこともできる。
【0013】
(2) (1)に記載の中空微小球混入装置を用いた、フレッシュコンクリートの製造方法であって、前記中空微小球が封入されている袋に、前記中空微小球吸引ノズルの前記刺し込み部を突き刺した後、前記袋に前記刺し込み部によって形成された穿孔の内縁を、前記刺し込み部の底面と前記閉止部の天面との間に挟み込んで閉止し、前記ポンプによって、前記吸引管を通じて中空微小球を吸引し、吸引した前記中空微小球を吐出管から吐出して、セメント材、骨材、及び、水を含んでなるフレッシュコンクリート材料に混入させる、フレッシュコンクリートの製造方法。
【0014】
(2)の発明によれば、(1)の中空微小球混入装置を用いることによって、中空微小球を混入してなるフレッシュコンクリートの製造を行う際に、品質安定性と経済性とを、従来手段による場合よりも、好ましい水準において両立させることができる。又、入荷した袋入りの中空微小球を、その袋から出さずに一連の作業を行うことができるので、粉座が舞うことなく、作業環境を良好に保つことができる。
【0015】
(3) 前記袋として複数の同一容積の樹脂製の定量袋を用いる、(2)に記載のフレッシュコンクリートの製造方法。
【0016】
(3)の発明によれば、(2)のフレッシュコンクリートの製造方法において、全て同一容積の定量袋に入っている中空微小球を用いることにより、中空微小球の混入量をより確実に規定の定量に保持することができる。これにより、更に品質安定性を向上させることができる。
【0017】
(4) 前記フレッシュコンクリート材料をアジテータ車によって、コンクリート製造現場からコンクリート打設現場に運搬し、コンクリート打設現場において、前記中空微小球を、前記吐出管から前記アジテータ車のミキシング・ドラム内に投入して、該ミキシング・ドラム内で前記フレッシュコンクリート材料と混合する、(2)又は(3)に記載のフレッシュコンクリートの製造方法。
【0018】
(4)の発明によれば、打設現場内に中空微小球混入用のミキサー等の設備を設置することなく、(2)又は(3)のフレッシュコンクリートの製造方法を、コンクリート打設現場において実施することができる。これにより、コンクリート製造現場でフレッシュコンクリート材料に中空微小球を予め混入した場合に問題となりやすい打設現場への運搬中の品質劣化のリスクをなくすことができ、より高品質のフレッシュコンクリートを高い安定性で得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
以上の通り、本発明によれば、中空微小球を混入してなるフレッシュコンクリートの製造において、品質安定性と経済性とを好ましい水準において両立させることができる技術的手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の中空微小球混入装置を用いて行うコンクリートの製造方法の実施態様の説明図である。
図2】本発明の中空微小球混入装置の特徴的部分である中空微小球吸引ノズルの使用時の状態の説明に供する斜視図である。
図3】本発明の中空微小球混入装置の特徴的部分である中空微小球吸引ノズルの形態及び動作の説明に供する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<中空微小球混入装置を用いたフレッシュコンクリートの製造方法>
本発明の「中空微小球混入装置を用いたフレッシュコンクリートの製造方法」(以下、単に「フレッシュコンクリートの製造方法」とも言う)は、中空微小球の混入によって得ることができる「耐凍害性微細気泡コンクリート」を製造するプロセスである。
【0022】
又、本発明の「フレッシュコンクリートの製造方法」は、中空微小球の混入を、独自に開発した「中空微小球混入装置」によって行うことを主たる特徴の一つとするプロセスである。
【0023】
[フレッシュコンクリート]
本発明の「フレッシュコンクリートの製造方法」によって得ることができる「耐凍害性微細気泡コンクリート」とは、硬化後において直径0.01mm以上0.3mm以下の気泡の量が1.5体積%以上4.0%体積以下となるものであることが好ましい。又、この場合において、コンクリート硬化体の気泡間隔係数は、0.4mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.2mm以下である。コンクリート硬化体における気泡部の体積比や気泡間隔係数等を測定する方法については、例えば、公知の方法である「ASTM C457 硬化コンクリートの気泡パラメータの顕微鏡による測定方法」等によることができる。
【0024】
尚、上述した態様での微細な気泡の形成のために、中空微小球と併せてAE剤を併用してもよい。即ち、「耐凍害性微細気泡コンクリート」は、微細な気泡の全てが中空微小球由来の気泡であることは必須ではなく、微細な気泡の一部がAE剤に由来する気泡であってもよい。
【0025】
[中空微小球]
ここで本明細書における「中空微小球」とは、粒子中に内包された空洞を有するもので、有機系や無機系のものが存在するが、本発明においては、弾性的な性質を有する有機系の中空ビーズを用いることが好ましい。有機系の中空微小球の材質としては、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フェノール、ポリメチルメタクリレート、メタクリロニトリル、ポリスチレン、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、及びポリフェノール等があり、共重合物や架橋体であっても特に限定されるものではない。なかでも、アクリロニトリル、塩化ビニリデンをベースとした共重合体が好ましい。又、中空微小球の径は、凍結融解等の耐久性の面から、300μm以下であることが好ましく100μm以下であることがより好ましい。本願発明に係る製造方法によれば、径が100μm以下の極小の中空微小球であっても発塵による品質低下を十分に防止することができる。
【0026】
[フレッシュコンクリートの製造方法]
本発明の「フレッシュコンクリートの製造方法」は、「耐凍害性微細気泡コンクリート」として用いるフレッシュコンクリートの製造を、生コン工場等のコンクリートの製造現場ではなく、中空微小球混入装置1を用いることにより、打設現場若しくはその近傍域内にて行うことができる製造方法である。
【0027】
この製造方法の実施態様の概略は図1に示す通りである。同図に示すように、本発明の「フレッシュコンクリートの製造方法」においては、中空微小球混入装置1によって、中空微小球3が封入されている樹脂製等の袋16(図2参照)から中空微小球3を吸引して取り出し、これを装置外に吐出するまで外気と接触させることなく移送して、フレッシュコンクリート材料が充填されているミキサー等の中に直接投入する。
【0028】
本発明の「フレッシュコンクリートの製造方法」においては、先ず、図2に示すように、中空微小球混入装置1を構成する中空微小球吸引ノズル2の刺し込み部111を、中空微小球3が封入されている袋16に突き刺す。そして、その後、速やかに、刺し込み部111によって形成された袋16の穿孔の内縁を、刺し込み部111の底面と閉止部112の天面との間に挟み込んで閉止する。この閉止はバネを用いた機構により、刺し込み部111による突き刺しと同時に、自動的に閉止部112の上記動作が誘発されて閉止動作が自動的に瞬時に行われる構造とすることが好ましい。
【0029】
次に上記態様による穿孔の内縁の閉止によって、当該穿孔からの中空微小球3の散逸を防止した上で、ポンプ13の吸引機能によって、吸引管12を通じて中空微小球3を吸引する。この吸引作業の途中で必要に応じてエアを袋16内に噴出することにより、袋16内の中空微小球3の偏りや袋の収縮を是正して円滑な吸引を続けられるようにすることも有効である。
【0030】
このようにして吸引した中空微小球3を、ポンプ13の吐出機能により、吐出管14から吐出してミキサーに投入し、ミキサー内のセメント材、骨材、及び水を含んでなるフレッシュコンクリート材料に混入させる。
【0031】
尚、中空微小球3が封入されている袋16は、複数の同一容積の樹脂製の定量袋を用いることが好ましい。このように、袋16を全て同一容積の定量袋に統一することにより、中空微小球の混入量を、より容易に、且つ、より確実に規定の定量に維持することができる。
【0032】
又、中空微小球混入装置1は、図1に示す通り、袋16をロードセル15に接合し、ロードセル15によって、実際に袋16から吸引されて取り出された中空微小球3の重量が逐次計量できるような構成することがより好ましい。
【0033】
又、本発明の「フレッシュコンクリートの製造方法」は、フレッシュコンクリート材料をアジテータ車2によって、コンクリート製造現場からコンクリート打設現場に運搬し、中空微小球3を、中空微小球混入装置1によって、アジテータ車2のミキシング・ドラム21内に投入し、フレッシュコンクリート材料と中空微小球3との混合を、このミキシング・ドラム21において行う態様で行うことが、より好ましい。
【0034】
コンクリート打設現場において、中空微小球3をアジテータ車2のミキシング・ドラム21内に投入してフレッシュコンクリート材料に混入させる場合、アジテータ車2としては、フレッシュコンクリート材料のコンクリート製造工場等からコンクリート打設現場への運搬において、従来広範に使用されているアジテータ車を特段の限定なく用いることができる。アジテータ車2は、生コンクリートを撹拌しながら輸送することができる、荷台部分にミキシング・ドラム21を備えた貨物自動車であり、その機能に大きな差はないが、最大積載量2~11t級のものがあり、用途に応じて使い分けられている。
【0035】
<中空微小球混入装置>
本発明の「中空微小球混入装置」の実施形態の一例である中空微小球混入装置1は、図1~3に示す通り、中空微小球吸引ノズル11と、吸引管12と、吐出管14と、ポンプ13と、を少なくとも含んで構成される装置である。このうち、吸引管12と、吐出管14、及び、ポンプ13については特定の部材・機器等に限定されず、従来公知の部材・機器を適宜用いることができる。
【0036】
中空微小球吸引ノズル11は、先端に吸引口を有する錐体形状の刺し込み部111と、パイプ状の閉止部112と、を必須の構成として形成されている。図2に示すように、閉止部112は、刺し込み部111の底面近傍において吸引管12に環装されている。そして、この閉止部112は吸引管12の方向に沿って移動することにより、その天面が刺し込み部111の底面に着接及び離脱可能な構成で設置されている。
【0037】
ポンプ13は、吸引管12を通じて中空微小球3を吸引し、吸引した中空微小球3を吐出管14から吐出する機能を有するものであれば、上述の通り、特段の限定なく、周知の各種のポンプ、(例えば、ダイアフラムポンプ)で構成することができる。又、中空微小球3の袋16からの吸引とミキサー(ミキシング・ドラム21等)への吐出とは、単一の機器で行ってもよいし、或いは、それぞれ別の装置で行う構成としてもよい。
【0038】
中空微小球混入装置1の吐出管14については、更に、その先端部に伸縮可能な管状部材からなる投入機構が装着されていることが好ましい。これにより、アジテータ車2のミキシング・ドラム21内の所望の位置(例えば、ドラム内の最奥の最深部近く)に確実に中空微小球3を投入して、その発塵、飛散をより確実に防ぐことができる。
【0039】
又、コンクリート打設現場において、中空微小球3をアジテータ車2のミキシング・ドラム21内に投入してフレッシュコンクリート材料に混入させる場合、中空微小球混入装置1は、図1に示すように、アジテータ車2のホッパの高さと略同一高さに組み立てられた架台上に設置されることが好ましい。
【符号の説明】
【0040】
1 中空微小球混入装置
11 中空微小球吸引ノズル
111 刺し込み部
112 閉止部
12 吸引管
13 ポンプ
14 吐出管
15 ロードセル
16 袋
2 アジテータ車
21 ミキシング・ドラム
3 中空微小球
図1
図2
図3