(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】半結晶質熱可塑性ポリエステルをベースとする包装方法
(51)【国際特許分類】
B65B 53/00 20060101AFI20230309BHJP
C08G 63/183 20060101ALI20230309BHJP
C08G 63/199 20060101ALI20230309BHJP
C08G 63/672 20060101ALI20230309BHJP
B65D 75/00 20060101ALI20230309BHJP
B65B 53/02 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
B65B53/00 A
C08G63/183
C08G63/199
C08G63/672
B65D75/00
B65B53/02 Z
(21)【出願番号】P 2019505494
(86)(22)【出願日】2017-08-03
(86)【国際出願番号】 FR2017052176
(87)【国際公開番号】W WO2018024992
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-22
(32)【優先日】2016-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】591169401
【氏名又は名称】ロケット フレール
【氏名又は名称原語表記】ROQUETTE FRERES
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】エレーヌ アムドロ
(72)【発明者】
【氏名】ルネ サン-ルー
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-510919(JP,A)
【文献】特表2015-518915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 53/00
C08G 63/183
C08G 63/199
C08G 63/672
B65D 75/00
B65B 53/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半結晶質熱可塑性ポリエステルから製造された熱収縮性フィルムを使用して製品を包装する方法であって、
a)半結晶質熱可塑性ポリエステルを提供するステップであって、前記半結晶質熱可塑性ポリエステルは、少なくとも1種の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)、前記1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の少なくとも1種の脂環式ジオール単位(B)、少なくとも1種のテレフタル酸単位(C)を含み、(A)/[(A)+(B)]モル比は、少なくとも
0.15及び最大で
0.25であり、前記ポリエステルは、いかなる脂肪族非環式ジオール単位も含有しないか、又は前記ポリエステルの全てのモノマー単位に対して5%未満のモル量の脂肪族非環式ジオール単位を含み、及び前記ポリエステルの還元溶液粘度(25℃;フェノール(50%m):オルト-ジクロロベンゼン(50%m);ポリエステル1Lあたり5g)は、50mL/gより大きい、ステップ、
b)ステップa)で得られた前記半結晶質熱可塑性ポリエステルから熱収縮性フィルムを調製するステップ、
c)ステップb)で得られた前記熱収縮性フィルムによって製品を被覆するステップ、
d)前記包装された製品に熱処理を適用するステップ
を含む方法。
【請求項2】
前記調製ステップb)は、キャスト押出成形法、特にStenterプロセスによって実行されることを特徴とする、請求項1に記載の包装方法。
【請求項3】
前記被覆ステップc)の前に、ステップb)で調製された前記熱収縮性フィルムの追加的な熱処理のステップを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の包装方法。
【請求項4】
前記追加的な熱処理は、コロナ処理、金属化処理又はプラズマ処理であることを特徴とする、請求項3に記載の包装方法。
【請求項5】
前記熱処理を適用するステップd)は、高温溶液中の浸漬によって実行されることを特
徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の包装方法。
【請求項6】
前記脂環式ジオール(B)は、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール又は前記ジオールの混合物から選択されるジオールであり、非常に好ましくは1,4-シクロヘキサンジメタノールであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の包装方法。
【請求項7】
前記1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール(A)は、イソソルビドであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の包装方法。
【請求項8】
前記ポリエステルは、いかなる脂肪族非環式ジオール単位も含有しないか、又は前記ポリエステルの全ての前記モノマー単位に対して1%未満のモル量の脂肪族非環式ジオール単位を含み、かつ好ましくは、前記ポリエステルは、いかなる脂肪族非環式ジオール単位も含有しないことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の包装方法。
【請求項9】
(3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)+前記1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の脂環式ジオール単位(B))/(テレフタル酸単位(C))モル比は、1.05~1.5であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の包装方法。
【請求項10】
前記熱収縮性フィルムは、10μm~250μmの厚さを有することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の包装方法。
【請求項11】
前記熱収縮性フィルムは、1種以上の追加のポリマー及び/又は1種以上の添加剤を含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の包装方法。
【請求項12】
半結晶質熱可塑性ポリエステルであって、少なくとも1種の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)、前記1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の少なくとも1種の脂環式ジオール単位(B)、少なくとも1種のテレフタル酸単位(C)を含み、(A)/[(A)+(B)]モル比は、少なくとも
0.15及び最大で
0.25であり、前記ポリエステルは、いかなる脂肪族非環式ジオール単位も含有しないか、又は前記ポリエステルの全てのモノマー単位に対して5%未満のモル量の脂肪族非環式ジオール単位を含み、及び前記ポリエステルの還元溶液粘度(25℃;フェノール(50%m):オルト-ジクロロベンゼン(50%m);ポリエステル1Lあたり5g)は、50mL/gより大きい、半結晶質熱可塑性ポリエステルから製造された熱収縮性フィルムを使用して得られる包装。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装分野、特に少なくとも1種の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位を含む半結晶質熱可塑性ポリエステルから製造された熱収縮性フィルムを使用する包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックは、物品の大量生産において避けることができなくなっている。実際に、それらの熱可塑性特徴は、これらの材料が高い割合であらゆる種類の物品に変換されることを可能にする。
【0003】
特定の熱可塑性芳香族ポリエステルは、材料の製造のためにそれらを直接使用することを可能にする熱特性を有する。それらは、脂肪族ジオール及び芳香族二価酸単位を含む。これらの芳香族ポリエステルの中でも、例えばフィルムの製造のために使用される、エチレングリコール及びテレフタル酸単位を含むポリエステルであるポリエチレンテレフタレート(PET)が言及され得る。
【0004】
しかしながら、特定の用途に関して又は特定の使用条件下において、特定の特性、特に衝撃強さ又は代わりに熱抵抗を改善することが必要である。これは、グリコール変性PET(PETg)が開発された理由である。それらは、一般に、エチレングリコール及びテレフタル酸単位に加えて、シクロヘキサンジメタノール(CHDM)単位を含むポリエステルである。PET中へのこのようなジオールの導入は、それが意図された用途に特性を順応させること、例えば、その衝撃強さ又はその光学特性を改善することを可能にする。
【0005】
他の変性PETも、ポリエステル中に1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位、特にイソソルビド(PEIT)を導入することによって開発されている。これらの変性ポリエステルは、未変性PET又はCHDMを含むPETgより高いガラス転移温度を有する。加えて、1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールは、でんぷんなどの再生可能資源から得ることができるという長所を有する。
【0006】
これらのPEITの1つの問題は、それらが不十分な衝撃強さ特性を有し得ることである。加えて、ガラス転移温度は、特定のプラスチック物品の製造のために不十分であり得る。
【0007】
ポリエステルの衝撃強さ特性を改善するために、従来技術から、結晶化度が減少したポリエステルを使用することが知られている。イソソルビドベースのポリエステルに関して、改善された衝撃強さ特性を有する、1~60モル%のイソソルビド及び5~99%の1,4-シクロヘキサンジメタノールを含むテレフタル酸単位及びジオール単位を含むポリエステルを記載する出願米国特許出願公開第2012/0177854号明細書が言及され得る。この出願の導入部分で示されるように、目的は、結晶化度がコモノマーの添加により、したがって、この場合には1,4-シクロヘキサンジメタノールの添加によって排除されるポリマーを得ることである。実施例部分において、種々のポリ(エチレン-コ-1,4-シクロヘキサンジメチレン-コ-イソソルビド)テレフタレート(PECIT)の製造及びまたポリ(1,4-シクロヘキサンジメチレン-コ-イソソルビド)テレフタレート(PCIT)の例が記載されている。
【0008】
PECIT型ポリマーは、営利事業化向け開発の対象であったが、PCITの場合には異なることも留意され得る。実際に、イソソルビドが第二級ジオールとして低反応性を有
するため、それらの製造は、これまで複雑であると考えられていた。したがって、Yoonら(Synthesis and Characteristics of a Biobased High-Tg Terpolyester of Isosorbide,Ethylene Glycol,and 1,4-Cyclohexane Dimethanol:Effect of Ethylene Glycol as a Chain Linker on Polymerization,Macromolecules,2013,46,7219-7231)は、PCITの合成が、PECITの合成よりも達成が難しいことを示した。この論文は、PECIT製造動力学に及ぼすエチレングリコール含有量の影響の研究を記載している。
【0009】
Yoonらの文献において、(ジオールの合計に対して約29%のイソソルビド及び71%のCHDMを含む)非晶質PCITが製造され、その合成及びその特性がPECIT型ポリマーのものと比較されている。第7222ページの合成部分の第1パラグラフを参照すると、合成中に高温を使用することにより、形成されたポリマーの熱分解が誘発され、このような分解は、特にイソソルビドなどの脂肪族環式ジオールの存在に関連する。したがって、Yoonらは、重縮合温度が270℃までに制限されるプロセスを使用した。Yoonらは、重合時間を増やしても、このプロセスがまた、十分な粘度を有するポリエステルを得ることを可能にしないことを観察した。したがって、エチレングリコールを添加せずに、長時間の合成時間の使用にもかかわらず、ポリエステルの粘度は限定的なままである。
【0010】
したがって、PETに対して変性がなされたにもかかわらず、改善された特性を有する新規ポリエステルが依然として常に必要とされている。
【0011】
テレフタル酸単位、エチレングリコール単位及びイソソルビド単位ならびに任意選択的に別のジオール(例えば、1,4-シクロヘキサンジメタノール)を有するポリマーから製造された物品は、文献米国特許第6126992号明細書から知られている。そのようにして得られた全てのポリマーは、それらがイソソルビドの組み込みのためにかつ高いガラス転移温度を得るために必要であることが広く認められているため、エチレングリコール単位を有する。さらに、実行された調製実施例は、熱収縮性フィルムの製造において完全に満足できる単位組成物をポリマーから得ることを可能にしない。実際に、実施例1は、熱収縮性フィルムの製造のための、ポリマーがエチレングリコールを含有するという事実を別としてもあり得ない特に33.5%のエチレングリコール単位及び12.9%のイソソルビド単位、すなわち0.39のイソソルビド単位/エチレングリコール単位比を含むポリマーの調製を記載している。
【0012】
文献米国特許第5958581号明細書は、イソソルビド単位、テレフタル酸単位及びエチレングリコール単位を有するポリマーから製造されたポリエステルフィルムを記載している。そのようにして製造されたフィルムは、食品包装として又は絶縁材としての使用に特に適切である。
【0013】
熱収縮性フィルムの使用は、包装工業に周知であり、前記フィルムは、多数の製品、特に食料品の包装に多くの場合に使用されている。
【0014】
例えば、包装される製品は、熱収縮性フィルムから製造された袋内に入れられ得、次いで熱処理の適用後、フィルムが収縮し、それによって前記製品の包装が得られる。そのような袋は、一般に、単層ポリエステルフィルムからなる。熱収縮性フィルムは、例えば、製品バッチを得るために、いくつかの製品を保持するためにも使用され得る。フィルムが製品のバッチを包囲する場合、熱処理の適用によってフィルムの収縮がもたらされ、それにより、フィルムは、バッチの形状に密接に適合し、次いで冷却時に固化する。
【0015】
現在使用されているポリエステルは、熱収縮性フィルムの製造のための解決策を提供し、かつ特に製品への密着によって強度及び保護を提供する包装を供給することを可能にする。しかしながら、より良好な熱抵抗ならびにまた降伏強度及び引裂き強度などの改善された機械的特性を有する熱収縮性フィルムを入手することを可能にする、改善された特性を有する入手可能な新規ポリエステルを有することが依然として必要とされている。
【0016】
文献米国特許第4971845号明細書は、熱収縮性熱可塑性材料から製造された第1の層と、密封可能な第2の層とを有する熱収縮性積層フィルムを記載しており、またこれらのフィルムから製造された袋又は他の包装も記載している。第1の層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルであり得、及び第2の層は、ポリプロピレン又はポリエチレンなどのポリオレフィンであり得る。この2つの層は、ほぼ同じ熱収縮特性を有する。そのようにして得られたフィルムは、約50%の熱収縮率を示す。
【0017】
文献米国特許第6623821号明細書も、包装のためのポリエチレンテレフタレート(PET)をベースとする熱収縮性フィルムを記載している。ポリエチレンテレフタレートは、PETホモポリマー又はコポリマーであり得る。PETホモポリマーは、エチレングリコールとテレフタル酸との重合から誘導されるポリマーである。記載されたフィルムは、熱処理による封着を可能にするように溶媒の層で被覆され得るか又は他のフィルムに積層され得る。
【0018】
解決策が存在するが、包装は、市場にすでに存在する解決策と比較してより良好な特性を有する別の解決策を常に提供することが必要である、常に変化する分野である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、なおより効果的な包装を得るために、改善された特性を有する熱収縮性フィルムが常に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
したがって、エチレングリコールが前記イソソルビドの組み込みのために必須であることはこれまで知られていたが、あらゆる予想に反して、上記の目的が、特にイソソルビドをベースとし、エチレングリコールを有さない半結晶質熱可塑性ポリエステルによって達成可能であることを発見したことは本出願人の功績である。
【0021】
実際に、特定の粘度及び特定の単位の比率により、本発明に従って使用される半結晶質熱可塑性ポリエステルは、熱収縮性フィルムの製造において、本発明による使用のために改善された特性を有する。
【0022】
本発明の第1の主題は、包装方法であって、
a)半結晶質熱可塑性ポリエステルを提供するステップであって、前記半結晶質熱可塑性ポリエステルは、少なくとも1種の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)、1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の少なくとも1種の脂環式ジオール単位(B)、少なくとも1種のテレフタル酸単位(C)を含み、(A)/[(A)+(B)]モル比は、少なくとも0.05及び最大で0.30であり、前記ポリエステルは、いかなる脂肪族非環式ジオール単位も含有しないか、又はポリエステルの全てのモノマー単位に対して5%未満のモル量の脂肪族非環式ジオール単位を含み、及び前記ポリエステルの還元溶液粘度(25℃;フェノール(50%m):オルト-ジクロロベンゼン(50%m);ポリエステル1Lあたり5g)は、50mL/gより大きい、ステップ、
b)ステップa)で得られた半結晶質熱可塑性ポリエステルから熱収縮性フィルムを調製するステップ、
c)ステップb)で得られた熱収縮性フィルムによって製品を被覆するステップ、
d)前記被覆された製品に熱処理を適用するステップ
を含む包装方法に関する。
【0023】
本発明の第2の主題は、上記で定義された半結晶質熱可塑性ポリエステルから製造された熱収縮性フィルムから得られる包装に関する。
【0024】
本発明による半結晶質熱可塑性ポリエステルは、優れた特性を提供し、かつ特に良好な熱抵抗及び改善された機械的特性を有する熱収縮性フィルムを得ることを可能にする。前記フィルムは、包装の製造のために特に適切である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の第1の主題は、半結晶質熱可塑性ポリエステルから製造された熱収縮性フィルムを使用して製品を包装する方法であって、
a)半結晶質熱可塑性ポリエステルを提供するステップであって、半結晶質熱可塑性ポリエステルは、少なくとも1種の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)、1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の少なくとも1種の脂環式ジオール単位(B)、少なくとも1種のテレフタル酸単位(C)を含み、(A)/[(A)+(B)]モル比は、少なくとも0.05及び最大で0.30であり、前記ポリエステルは、いかなる脂肪族非環式ジオール単位も含有しないか、又はポリエステルの全てのモノマー単位に対して5%未満のモル量の脂肪族非環式ジオール単位を含み、及び前記ポリエステルの還元溶液粘度(25℃;フェノール(50%m):オルト-ジクロロベンゼン(50%m);ポリエステル1Lあたり5g)は、50mL/gより大きい、ステップ、
b)ステップa)で得られた半結晶質熱可塑性ポリエステルから熱収縮性フィルムを調製するステップ、
c)ステップb)で得られた熱収縮性フィルムによって製品を被覆するステップ、
d)前記包装された製品に熱処理を適用するステップ
を含む方法に関する。
【0026】
「(A)/[(A)+(B)]モル比」は、1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)/1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)及び1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の脂環式ジオール単位(B)の合計のモル比を意味するように意図される。
【0027】
したがって、提供ステップa)の半結晶質熱可塑性ポリエステルは、非環式脂肪族ジオール単位を含有しないか、又はその少量を含む。
【0028】
「小モル量の脂肪族非環式ジオール単位」は、特に5%未満の脂肪族非環式ジオール単位のモルの量を意味するように意図される。本発明によれば、このモルの量は、場合によりポリエステルの全てのモノマー単位に対して同一であるか又は異なる脂肪族非環式ジオール単位の合計の比率を表す。
【0029】
「熱収縮性」という用語は、特に、それが熱応力を受けるときに長さ方向及び横断方向で収縮することを可能にする方法で配向されるフィルムの性能を意味する。
【0030】
脂肪族非環式ジオールは、直鎖又は分枝鎖脂肪族非環式ジオールであり得る。それは、飽和又は不飽和脂肪族非環式ジオールであり得る。エチレングリコールを除き、飽和直鎖脂肪族非環式ジオールは、例えば、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール
、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール及び/又は1,10-デカンジオールであり得る。飽和分枝鎖脂肪族非環式ジオールの例としては、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール及び/又はネオペンチルグリコールが挙げられ得る。不飽和脂肪族ジオールの例としては、例えば、シス-2-ブテン-1,4-ジオールが挙げられ得る。
【0031】
脂肪族非環式ジオール単位のこのモル量は、有利には1%未満である。好ましくは、ポリエステルは、いかなる脂肪族非環式ジオール単位も含有せず、より好ましくはエチレングリコールを含有しない。
【0032】
合成のために使用される脂肪族非環式ジオール、したがってエチレングリコールの少ない量にもかかわらず、高い還元溶液粘度を有し、かつイソソルビドが特に良好に組み込まれる半結晶質熱可塑性ポリエステルが驚くべきことに得られる。いずれかの1つの理論によって拘束されないが、これは、エチレングリコールの反応動力学が1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールのものよりもはるかに速いという事実によって説明されるであろう。これは、ポリエステルへの後者の集積を非常に制限する。したがって、得られるポリエステルは、1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールの低い集積度、したがって比較的低いガラス転移温度を有する。
【0033】
モノマー(A)は、1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトールであり、かつイソソルビド、イソマンニド、イソヨージド又はその混合物であり得る。好ましくは、1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール(A)は、イソソルビドである。
【0034】
イソソルビド、イソマンニド及びイソヨージドは、それぞれソルビトール、マンニトール及びイジトールの脱水によって入手され得る。イソソルビドに関して、商品名Polysorb(登録商標)Pで本出願人によって販売されている。
【0035】
脂環式ジオール(B)は、脂肪族環式ジオールとも呼ばれる。それは、特に1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール又はこれらのジオールの混合物から選択され得るジオールである。脂環式ジオール(B)は、非常に好ましくは、1,4-シクロヘキサンジメタノールである。脂環式ジオール(B)は、シス型立体配置であるか、トランス型立体配置であるか、又はシス及びトランス型立体配置におけるジオールの混合物であり得る。
【0036】
1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)/1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)及び1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の脂環式ジオール単位(B)の合計のモル比、すなわち(A)/[(A)+(B)]は、少なくとも0.05及び最大で0.30である。有利には、この比率は、少なくとも0.1及び最大で0.28であり、より特に、この比率は、少なくとも0.15及び最大で0.25である。
【0037】
特に熱収縮性フィルムの調製に適切である半結晶質熱可塑性ポリエステルは、
・2.5~14モル%の範囲のモル量の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A);
・31~42.5モル%の範囲のモル量の、1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の脂環式ジオール単位(B);
・45~55モル%の範囲のモル量のテレフタル酸単位(C)
を含む。
【0038】
ポリエステル中の異なる単位の量は、ポリエステルの完全加水分解又はメタノリシスから生じるモノマーの混合物の1H NMRにより、又はクロマトグラフィー分析により、好ましくは1H NMRにより決定され得る。
【0039】
当業者は、ポリエステルの単位のそれぞれの量を決定するための分析条件を容易に見つけることができる。例えば、ポリ(1,4-シクロヘキサンジメチレン-コ-イソソルビドテレフタレート)のNMRスペクトルから、1,4-シクロヘキサンジメタノールに関連する化学シフトは、0.9~2.4ppm及び4.0~4.5ppmであり、テレフタレート環に関連する化学シフトは、7.8~8.4ppmであり、かつイソソルビドに関連する化学シフトは、4.1~5.8ppmである。それぞれのシグナルの積分により、ポリエステルのそれぞれの単位の量を決定することが可能になる。
【0040】
本発明に従い、熱収縮性フィルムを調製するステップb)に関して使用される半結晶質熱可塑性ポリエステルは、210~295℃、例えば240~285℃の範囲の融点を有する。
【0041】
さらに、半結晶質熱可塑性ポリエステルは、85~120℃、例えば90~115℃の範囲のガラス転移温度を有する。ガラス転移温度及び融点は、従来法、特に10℃/分の加熱速度を使用する示差走査型熱量測定(DSC)法によって測定される。実験プロトコルの詳細は、以下の実施例部分で説明する。
【0042】
有利には、半結晶質熱可塑性ポリエステルは、10J/gより高い、好ましくは20J/gより高い融解熱を有し、この融解熱の測定は、このポリエステルの試料に16時間にわたって170℃の加熱処理を受けさせ、次いで試料を10℃/分で加熱することにより、DSCによって融解熱を評価することを含む。
【0043】
本発明に従い、熱収縮性フィルムを調製するステップb)に関して使用される半結晶質熱可塑性ポリエステルは、特に40より大きい明度L*を有する。有利には、明度L*は、55より大きく、好ましくは60より大きく、最も好ましくは65より大きく、例えば70より大きい。パラメーターL*は、CIE研究室モデルを介して分光測光器を使用して決定され得る。
【0044】
最終的に、前記半結晶質熱可塑性ポリエステルの還元溶液粘度は、50mL/gより大きく、好ましくは150mL/g未満であり、この粘度は、導入されたポリマーの濃度が5g/Lである条件において、撹拌しながら130℃でポリマーを溶解した後、フェノール及びオルト-ジクロロベンゼンの機器質量混合物中で25℃においてUbbelohde毛細管粘度計を使用して測定することが可能である。
【0045】
還元溶液粘度を測定するためのこの試験は、溶媒の選択及び使用されたポリマーの濃度のため、完全に下記の方法によって調製される粘性ポリマーの粘度を決定するために適切である。
【0046】
本発明に従って使用される熱可塑性ポリエステルの半結晶質特徴は、170℃において16時間の熱処理後、X線回折線を有する場合又は示差走査型熱量測定(DSC)分析における吸熱溶融ピークを有する場合に識別される。
【0047】
上記で定義された半結晶質熱可塑性ポリエステルは、熱収縮性フィルムの調製に関して多くの利点を有する。
【0048】
実際に、特に少なくとも0.05及び最大で0.30の1,4:3,6-ジアンヒドロ
ヘキシトール単位(A)/1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)及び1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の脂環式ジオール単位(B)の合計のモル比により、ならびに50mL/gより大きく、好ましくは150mL/g未満の還元溶液粘度により、半結晶質熱可塑性ポリエステルは、例えば、ポリエチレンイソソルビドテレフタレート(PEIT)から製造された従来の熱収縮性フィルムと比較してより良好な熱耐性及び改善された機械的特性を有する熱収縮性フィルムを調製することを可能にし、これは、特に改善された特性を有する包装を得るために有利である。
【0049】
熱収縮性フィルムとシートとの間の差は、実際の厚さである。しかしながら、それを超えるとシートが熱収縮性フィルムであると考えられる厚さを正確に定義する工業規格はない。したがって、本発明によれば、熱収縮性フィルムは、250μm未満の厚さを有するものとして定義される。好ましくは、熱収縮性フィルムは、5μm~250μm、好ましくは10μm~250μm、例えば50μmの厚さを有する。
【0050】
本発明に従って調製された熱収縮性フィルムは、ステップa)で提供された半結晶質熱可塑性ポリエステルの重合後の溶融状態から直接調製され得る。
【0051】
1つの代替形態によれば、半結晶質熱可塑性ポリエステルは、熱収縮性フィルムを調製する使用される前に、ペレット又は果粒などの取り扱うことが容易な形態で包装され得る。好ましくは、半結晶質熱可塑性ポリエステルは、顆粒の形態でラッピングされ、前記顆粒は、有利には、熱収縮性フィルムの形態へ変換される前に乾燥される。乾燥は、300ppm未満、好ましくは200ppm未満、例えば約180ppmの残留湿分を有する顆粒を得るように実行される。
【0052】
調製された熱収縮性フィルムは、単層熱収縮性フィルムであるか、又は例えばその少なくとも1つの層が本発明による半結晶質熱可塑性ポリエステルを含有する、いくつかの層を積層することによって得られる多層熱収縮性フィルムであり得る。
【0053】
本発明に従って半結晶質熱可塑性ポリエステルから調製される熱収縮性フィルムは、当業者に既知の方法、例えばフラットダイ押出成形又は他の環状ダイ押出成形(押出吹込み成形)によって入手可能である。好ましくは、熱収縮性フィルムは、フラットダイ押出成形法によって調製される。
【0054】
フラットダイ押出成形による熱収縮性フィルムの調製は、「キャスト押出成形」と呼ばれ、押出成形機出口において2つの軸に沿って平板を延伸することを含む。特に有利には、この押出成形は、連続二軸延伸によって二軸配向フィルムを入手することを可能にするStenterプロセスによって実行される。
【0055】
熱収縮性フィルムの調製は、押出吹込み成形によっても実行され得、延伸及び吹込み成形の組み合わせた作用により、環状ダイを通して材料を押出すことと、同時に二方向でそれを延伸することとを含む。そのようにして得られた管状シースは、10~300μmの厚さ及び数センチメートル~10メートル超の範囲の周囲の長さを有する。押出成形の軸は、20メートル超に達し得るバルーン高度で垂直又は水平であり得る。
【0056】
この方法に従い、薄シースが押出成形され、固定され、ダイヘッドの軸を経由してシースを充填する空気を吹き込む。したがって、最初の放射状延伸は、吹込み成形によって実行される。その後、シースを冷却し、延伸ローラーによって縦方向で延伸される。
【0057】
1つの特定の実施形態によれば、1種以上の追加のポリマーが熱収縮性フィルムの調製のステップb)に関して使用され得る。
【0058】
追加のポリマーは、ポリアミド、本発明によるポリエステル以外のポリエステル、ポリスチレン、スチレンコポリマー、スチレン-アクリロニトリルコポリマー、スチレン-アクリロニトリル-ブタジエンコポリマー、ポリ(メタクリル酸メチル)、アクリルコポリマー、ポリ(エーテル-イミド)、ポリ(2,6-ジメチルフェニレンオキシド)などのポリ(フェニレンオキシド)、ポリ(フェニレンスルフェート)、ポリ(エステル-カーボネート)、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスルホンエーテル、ポリエーテルケトン及びこれらのポリマーのブレンドから選択され得る。
【0059】
追加のポリマーは、ポリマーの衝撃特性を改善することを可能にするポリマー、特に官能性ポリオレフィン、例えば官能化エチレン又はプロピレンポリマー及びコポリマー、コア-シェルコポリマー又はブロックコポリマーなどであり得る。
【0060】
1種以上の添加剤はまた、半結晶質熱可塑性ポリエステルに特定の特性を与えるために半結晶質熱可塑性ポリエステルからの熱収縮性フィルムの調製中に添加され得る。
【0061】
したがって、添加剤の例として、有機又は無機、ナノメートル又は非ナノメートル、官能化又は非官能化特性のフィラー又は繊維が記載され得る。それらは、シリカ、ゼオライト、ガラスビーズ又は繊維、粘土、雲母、チタネート、シリケート、グラファイト、炭酸カルシウム、カーボンナノチューブ、木部繊維、炭素繊維、ポリマー繊維、タンパク質、セルロースベースの繊維、リグノセルロース繊維及び構造分解されない粒状でんぷんであり得る。これらのフィラー又は繊維は、硬度、剛性又は水もしくは気体透過性の改善を可能にする。
【0062】
添加剤は、乳白剤、染料及び顔料から選択され得る。それらは、酢酸コバルトならびに次の化合物:HS-325 Sandoplast(登録商標)Red BB(Solvent Red 195の名称でも知られる、アゾ官能性を有する化合物)、アントラキノンであるHS-510 Sandoplast(登録商標)Blue 2B、Polysynthren(登録商標)Blue R及びClariant(登録商標)RSB Violetから選択され得る。
【0063】
添加剤は、例えば、BASFからのTinuvin(商標)範囲:例えば、tinuvin 326、tinuvin P又はtinuvin 234などのベンゾフェノンもしくはベンゾトリアゾール型の分子、又はBASFからのChimassorb(商標)範囲:例えば、Chimassorb 2020、Chimassorb 81もしくはChimassorb 944などのヒンダードアミンなどのUV抵抗剤であり得る。
【0064】
添加剤は、防火剤又は難燃剤、例えばハロゲン化誘導体もしくは非ハロゲン化難燃剤(例えば、Exolit(登録商標)OPなどのリンベースの誘導体)、又はメラミンシアヌレートの範囲(例えば、melapur(商標):melapur 200)、又は他に水酸化アルミニウムもしくは水酸化マグネシウムなどでもあり得る。
【0065】
最終的に、添加剤は、帯電防止剤又は他の抗ブロック剤、例えば疎水性分子の誘導体、例えばCrodaからのIncroslip(商標)又はIncromol(商標)などであり得る。
【0066】
半結晶質熱可塑性ポリエステルを含む熱収縮性フィルムは、被覆ステップc)のために使用される前に、その特性を改善することを可能にする追加的な処理ステップを受け得る。
【0067】
追加的な処理の例として、例えば、コロナ処理、金属化処理又は代替的にプラズマ処理が言及される。
【0068】
コロナ処理は、高周波及び高圧アーク放電による空気の電離により、熱収縮性フィルムの表面上に微小空洞を生じることを可能にし、特にインク及び接着剤がより良好に接着すること可能にする。そのようにして処理された熱収縮性フィルムは、包装のために最も具体的な応用を有する。
【0069】
金属化処理は、アルミニウムの減圧蒸発により、熱収縮性フィルムの表面において数ナノメートル~数十ナノメーターのアルミニウムの層を凝縮させることを可能にし、次いで冷却され、前記フィルムの溶融を防ぐ。この処理は、熱収縮性フィルムを不透明化すること、したがって光の貫入を制限することを可能にする。これは、いずれの内容物の特性も悪化させることを避けるために特に有利である。
【0070】
最終的に、プラズマ処理は、熱収縮性フィルムの最も外側の表面(数nm)を処理し、化学官能基の選択的グラフト化が実行されることを可能にするために大気プラズマ析出技術を使用することを含む。この選択的グラフト化は、したがって、非粘着又は接着促進効果を熱収縮性フィルムに提供し得る。
【0071】
熱収縮性フィルムの調製のための半結晶質熱可塑性ポリエステルの本発明による使用は、特に有利である。
【0072】
実際に、1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)/1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)及び1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の脂環式ジオール単位(B)の合計のモル比が少なくとも0.05及び最大で0.30であり、かつ還元溶液粘度が50mL/gより大きい半結晶質熱可塑性ポリエステルからそのようにして調製した熱収縮性フィルムは、機械的特性の観点及び光学品質の観点の両方からならびに気体透過性に関して注目すべき特性を有する。
【0073】
実際に、調製された熱収縮性フィルムは、複合型熱収縮性フィルムのためのアセンブリの引き抜き速度の増加をもたらし、またPETによって得られた通常の熱収縮性フィルムよりも高い温度使用範囲をもたらす改善された熱抵抗を示す。
【0074】
調製された熱収縮性フィルムは、引張弾性率、降伏強度及び引裂き強度などの改善された機械的特性も示す。これらの改善は、一次、二次及び三次包装のためのより強い解決策を提供することを可能にする。
【0075】
本発明による包装方法は、次いで、前ステップb)で調製された熱収縮性フィルムによって被覆するステップc)を含む。
【0076】
この被覆ステップは、包装される製品の全体又は一部において実行され得、特に一次、二次及び三次包装ステップであり得る。
【0077】
一次包装は、ラッピングとも呼ばれる、製品と直接接触する包材を含む。一次包装の例は、特に小袋、袋又は他の特定の食品容器のフィルム形態の被覆である。
【0078】
次に、二次包装は、ラッピングを包囲し、特に販売棚に運ぶことを促進するか、又は他により大きい販売単位を構成することを可能にする物理的役割を果たす。これは、消費者が、店で選択をするときに対面する包装レベルである。このような包装レベルは、例えば、熱収縮性フィルムによって一緒に販売単位をグループ化することを可能にする。そのよ
うにして使用される熱収縮性フィルムは、例えば、バンド又はリボンの形態であり得、それは、特に製品が見えるように透明であり得るか、又は消費者を引き付けるように意図された色の組合せを示し得る。
【0079】
最終的に、三次包装は、製品を一緒に例えば配達単位にグループ化し、それによって取扱い操作を容易にし、かつ促進することを可能にするか、又は貯蔵中の製品の保護を可能にする。
【0080】
被覆ステップ後、本発明による包装方法は、熱処理ステップを含む。
【0081】
この熱処理ステップは、フィルムの収縮のために従来から実施されている当業者に既知の方法によっても実行され得る。したがって、当業者は、得られる包装(一次、二次又は三次)次第でいずれの熱処理が適用されるべきかを容易に知るであろう。
【0082】
したがって、例として、熱処理は、熱収縮性フィルムに、フィルムが収縮することを可能にする十分な温度であるが、同時に前記フィルムの融点未満である温度である気体又は溶液などの流体を適用することを含み得る。好ましくは、それが一次又は二次包装である場合、熱処理は、溶液、特にグリセリン溶液を適用することによって実行される。熱処理は、高温溶液中の浸漬によって実行される。
【0083】
有利にはかつ最良の収縮度を得るために、熱処理の温度は、製造中に付与された応力が冷却によって固定される時点において熱収縮性フィルムが有する温度と等しい。
【0084】
本発明による熱処理の適用により、40%~90%、特に65%~85%、より特に70%~80%、例えば75%のフィルムの収縮率を得ることが可能となる。
【0085】
収縮度は、
- フィルムを10cm×10cmのサイズの正方形に切断するステップ、
- 実証するために寸法を測定するステップ、
- 30秒間にわたって140℃のグリセロール浴に試料を浸漬させるステップ、
- グリセロール浴から出したときの寸法を測定し、かつ浸漬ステップ前に得られた測定値と比較するステップ
に従って測定され得る。
【0086】
したがって、収縮度は、フィルムが収縮温度にされたときの前記フィルムの正方形の幅の減少として定義され得、前記減少は、正方形の初期寸法のパーセンテージとして表される。
【0087】
本発明の第2の主題は、上記で定義される半結晶質熱可塑性ポリエステルから製造された熱収縮性フィルムから得られる包装に関する。上記で定義されるように、本発明による熱収縮性フィルムは、追加のポリマー及び/又は1種以上の添加剤を含み得る。
【0088】
本発明による包装方法のステップa)で提供される半結晶質熱可塑性ポリエステルは、・少なくとも1種の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)、1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の少なくとも1種の脂環式ジオール単位(B)、及び少なくとも1種のテレフタル酸単位(C)を含むモノマーを反応器中に導入するステップであって、モル比((A)+(B))/(C)は、1.05~1.5の範囲であり、前記モノマーは、いかなる脂肪族非環式ジオールも含有しないか、又は導入された全てのモノマーに対して5%未満のモル量の脂肪族非環式ジオール単位を含む、ステップと;
・反応器中に触媒系を導入するステップと;
・前記モノマーを重合してポリエステルを形成するステップであって、
・オリゴマー化の第1段階であって、その間に、反応媒体が265~280℃、有利には270~280℃の範囲の温度、例えば275℃で不活性雰囲気下において撹拌される、オリゴマー化の第1段階;
・オリゴマーの縮合の第2段階であって、その間に、形成されたオリゴマーが、ポリエステルを形成するように278~300℃、有利には280~290℃の範囲の温度、例えば285℃で減圧下において撹拌される、オリゴマーの縮合の第2段階
からなるステップと;
・半結晶質熱可塑性ポリエステルを回収するステップと
を含む合成方法によって調製され得る。
【0089】
方法のこの第1の段階は、不活性雰囲気、すなわち少なくとも1種の不活性気体の雰囲気下で実行される。この不活性気体は、特にジニトロゲンであり得る。この第1の段階は、気体流下で実行され得、かつそれは、圧力下、例えば1.05~8バールの圧力において実行され得る。
【0090】
好ましくは、圧力は、3~8バール、最も好ましくは5~7.5バールの範囲、例えば6.6バールである。これらの好ましい圧力条件下において、全てのモノマーの互いとの反応は、この段階中のモノマーの損失を制限することによって促進される。
【0091】
オリゴマー化の第1の段階前にモノマーの脱酸素化のステップが好ましくは実行される。それは、例えば、モノマーが反応器中に導入されると、減圧を生じることにより、次いでそれに窒素などの不活性気体を導入することにより実行することができる。この減圧-不活性気体導入サイクルは、数回、例えば3~5回にわたって繰り返すことができる。好ましくは、試薬及び特にジオールが完全に溶解するように、この減圧-窒素サイクルは、60~80℃の温度で実行される。この脱酸素化ステップは、方法の終了時に得られるポリエステルの着色特性を改善するという長所を有する。
【0092】
オリゴマーの縮合の第2の段階は、減圧下で実行される。段階的に圧力減少勾配を使用することにより、又は代わりに圧力減少勾配及び階段の組合せを使用することにより、この第2の段階中に連続的に圧力を減少させ得る。好ましくは、この第2の段階の終了時、圧力は、10ミリバール未満、最も好ましくは1ミリバール未満である。
【0093】
重合ステップの第1の段階は、好ましくは、20分~5時間の範囲の継続時間を有する。有利には、第2の段階は、30分~6時間の範囲の継続時間を有し、この段階の開始は、反応器が減圧下、すなわち1バール未満の圧力に配置された時点を含む。
【0094】
この方法は、反応器中に触媒系を導入するステップも含む。このステップは、事前に実行され得るか又は上記の重合ステップ中に実行され得る。
【0095】
触媒系は、任意選択的に不活性支持体上に分散又は固定された触媒又は触媒の混合物を意味するように意図される。
【0096】
触媒は、熱収縮性フィルムの製造のための本発明による使用による高粘度ポリマーを得るために適切な量で使用される。
【0097】
エステル化触媒は、オリゴマー化段階中に有利に使用される。このエステル化触媒は、スズ、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、亜鉛、マンガン、カルシウム及びストロンチウムの誘導体、パラ-トルエンスルホン酸(PTSA)もしくはメタンスルホン酸(MS
A)などの有機触媒、又はこれらの触媒の混合物から選択することができる。このような化合物の例として、出願米国特許出願公開第2011282020A1号明細書のパラグラフ[0026]~[0029]及び出願国際公開第2013/062408A1号パンフレットの第5ページに記載されるものが挙げられ得る。
【0098】
好ましくは、亜鉛誘導体又はマンガン、スズもしくはゲルマニウム誘導体がエステル交換の第1の段階中に使用される。
【0099】
重量による量の例として、導入されたモノマーの量に対して、オリゴマー化段階中の触媒系中に含有される10~500ppmの金属が使用され得る。
【0100】
エステル交換の終了時、第1のステップからの触媒は、亜リン酸又はリン酸を添加することにより、任意選択的にブロックされるか、又はスズ(IV)の場合、トリフェニルホスフィットもしくはトリス(ノニルフェニル)ホスフィット、又は代わりに出願米国特許出願公開第2011282020A1号明細書のパラグラフ[0034]に記載されるものなどのホスフィットによって還元され得る。
【0101】
オリゴマーの縮合の第2の段階は、任意選択的に、触媒の添加によって実行され得る。この触媒は、有利には、スズ誘導体、好ましくはスズ、チタン、ジルコニウム、ゲルマニウム、アンチモン、ビスマス、ハフニウム、マグネシウム、セリウム、亜鉛、コバルト、鉄、マンガン、カルシウム、ストロンチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウムもしくはリチウムの誘導体、又はこれらの触媒の混合物から選択される。このような化合物の例は、例えば、特許欧州特許第1882712B1号明細書のパラグラフ[0090]~[0094]に記載されるものであり得る。
【0102】
好ましくは、触媒は、スズ、チタン、ゲルマニウム、アルミニウム又はアンチモン誘導体である。
【0103】
重量による量の例として、導入されたモノマーの量に対して、オリゴマーの縮合の段階中の触媒系中に含有される10~500ppmの金属が使用され得る。
【0104】
最も好ましくは、触媒系は、重合の第1の段階及び第2の段階中に使用される。前記系は、有利には、スズをベースとする触媒、又はスズ、チタン、ゲルマニウム及びアルミニウムをベースとする触媒の混合物からなる。
【0105】
例として、重量による量として、導入されたモノマーの量に対して、触媒系中に含有される10~500ppmの金属が使用され得る。
【0106】
調製方法によれば、モノマーの重合のステップ中、酸化防止剤が有利に使用される。これらの酸化防止剤により、得られるポリエステルの着色を減少させることが可能である。酸化防止剤は、一次及び/又は二次酸化防止剤であり得る。一次酸化防止剤は、化合物Hostanox(登録商標)03、Hostanox(登録商標)010、Hostanox(登録商標)016、Ultranox(登録商標)210、Ultranox(登録商標)276、Dovernox(登録商標)10、Dovernox(登録商標)76、Dovernox(登録商標)3114、Irganox(登録商標)1010又はIrganox(登録商標)1076などの立体障害フェノール、又はIrgamod(登録商標)195などのホスホネートであり得る。二次酸化防止剤は、Ultranox(登録商標)626、Doverphos(登録商標)S-9228、Hostanox(登録商標)P-EPQ又はIrgafos 168などの三価リン化合物であり得る。
【0107】
重合添加剤として、酢酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド又はテトラエチルアンモニウムヒドロキシドなど、望ましくないエーテル化反応を制限することが可能である少なくとも1種の化合物を反応器中に導入することも可能である。
【0108】
最終的に、この方法は、重合ステップの完了時にポリエステルを回収するステップを含む。そのようにして回収された半結晶質熱可塑性ポリエステルは、次いで上記のように形成され得る。
【0109】
合成方法の1つの変形形態に従い、モル質量を増やすステップは、半結晶質熱可塑性ポリエステルを回収するステップ後に行われる。
【0110】
モル質量を増加させるステップは、重合後に実行され、かつ半結晶質熱可塑性ポリエステルの固体状態重縮合(SSP)のステップ又は少なくとも1種の連鎖延長剤の存在下での半結晶質熱可塑性ポリエステルの反応性押出成形のステップからなり得る。
【0111】
したがって、製造方法の第1の変形形態に従い、重合後のステップは、SSPによって実行される。
【0112】
SSPは、一般に、ガラス転移温度とポリマーの融点との間の温度で実行される。したがって、SSPを実行するために、ポリマーが半結晶質であることが必要である。好ましくは、後者は、10J/gより高い、好ましくは20J/gより高い融解熱を有する。この融解熱の測定は、より低い還元溶液粘度のこのポリマーの試料に16時間にわたって170℃の加熱処理を受けさせ、次いで試料を10K/分で加熱することにより、DSCによって融解熱を評価することを含む。
【0113】
有利には、SSPステップは、190~280℃、好ましくは200~250℃の範囲の温度において実行され、このステップは、必ず半結晶質熱可塑性ポリエステルの融点未満の温度で実行されなければならない。
【0114】
SSPステップは、不活性雰囲気下、例えば窒素下、又はアルゴン下、又は減圧下で実行され得る。
【0115】
製造方法の第2の変形形態に従い、重合後のステップは、少なくとも1つの連鎖延長剤の存在下での半結晶質熱可塑性ポリエステルの反応性押出成形によって実行される。
【0116】
連鎖延長剤は、反応性押出成形において、半結晶質熱可塑性ポリエステルのアルコール、カルボン酸及び/又はカルボン酸エステル官能基と反応することができる2個の官能基を含む化合物である。連鎖延長剤は、例えば、2個のイソシアネート、イソシアヌレート、ラクタム、ラクトン、カーボネート、エポキシ、オキサゾリン及びイミド官能基を含む化合物から選択され得、前記官能基は、同一であるか又は異なり得る。熱可塑性ポリエステルの連鎖延長は、溶融材料と反応器の気体のヘッドスペースとの間の良好な界面を確実にするために十分に発散性である、非常に粘着性の媒体を撹拌しながら混合することが可能である反応器のいずれにおいても実行され得る。特に、この処理ステップのために適切である反応器は、押出成形である。
【0117】
反応性押出成形は、いずれの種類の押出成形機でも、特に一軸スクリュー押出機、共回転二軸スクリュー押出機又は反対回転二軸スクリュー押出機で実行され得る。しかしながら、共回転押出器を使用してこの反応性押出成形を実行することが好ましい。
【0118】
反応性押出成形ステップは、
・押出成形機中にポリマーを導入して、前記ポリマーを溶融させること;
・次いで、溶融ポリマーに連鎖延長剤を導入すること;
・次いで、押出成形機中でポリマーを連鎖延長剤と反応させること;
・次いで、押出成形ステップで得られた半結晶質熱可塑性ポリエステルを回収すること
によって実行され得る。
【0119】
押出成形中、押出成形機中の温度は、ポリマーの融点より高くなるように調整される。押出成形機中の温度は、150~320℃の範囲であり得る。
【0120】
モル質量を増加させるステップ後に得られた半結晶質熱可塑性ポリエステルは、熱収縮性フィルムを調製するステップを受ける前に上記の通り回収され、次いで形成され得る。
【0121】
純粋に説明目的であるように意図され、かつ保護の範囲を決して限定しない以下の実施例及び図により、本発明がより明確に理解されるであろう。
【実施例】
【0122】
ポリマーの特性は、次の技術によって調査した。
【0123】
還元溶液粘度
還元溶液粘度は、導入されたポリマーの濃度が5g/Lである条件において、撹拌しながら130℃でポリマーを溶解した後、フェノール及びオルト-ジクロロベンゼンの機器質量混合物中、25℃においてUbbelohde毛細管粘度計を使用して評価する。
【0124】
DSC
ポリエステルの熱的特性は、示差走査型熱量測定(DSC)によって測定した。試料を最初に開放るつぼ中、窒素雰囲気下において10℃から320℃まで加熱し(10℃.分-1)、10℃まで冷却し(10℃.分-1)、次いで第1段階と同一条件下で320℃まで再加熱する。ガラス転移温度は、第2の加熱の中点において計られた。いずれの融点も、第1の加熱において吸熱ピーク(ピーク開始)上で決定される。
【0125】
同様に、融合のエンタルピー(曲線下面積)は、第1の加熱において決定される。
【0126】
以下に提示された説明例のために、次の試薬を使用した。
1,4-シクロヘキサンジメタノール(純度99%、シス及びトランス異性体の混合物)Roquette Freresからのイソソルビド(純度>99.5%)Polysorb(登録商標)P
Acrosからのテレフタル酸(純度99+%)
BASF AGからのIrganox(登録商標)1010
Sigma-Aldrichからのジブチルスズオキシド(純度98%)
【0127】
半結晶質熱可塑性ポリエステルの供給及び包装のための熱収縮性フィルムの調製
2種の熱可塑性ポリエステルP1及びP2を調製した。
【0128】
第1の半結晶質熱可塑性ポリエステルP1は、本発明による使用のために調製され、特に少なくとも0.05及び最大で0.30の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)/1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)及び1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の脂環式ジオール単位(B)の合計のモル比を有する。
【0129】
この第2のポリエステルP2は、比較の役割をするポリエステルであり、したがって0
.44の(A)/[(A)+(B)]モル比を有する。
【0130】
A:半結晶質熱可塑性ポリエステルP1の重合
したがって、1432g(9.9モル)の1,4-シクロヘキサンジメタノール、484g(3.3モル)のイソソルビド、2000g(12.0モル)のテレフタル酸、1.65gのIrganox 1010(酸化防止剤)及び1.39gのジブチルスズオキシド(触媒)を7.5L反応器に添加する。イソソルビド結晶から残留酸素を抽出するために、反応媒体の温度が60℃~80℃になったら4回の減圧-窒素サイクルを実行する。次いで、87%のエステル化度が得られるまで、6.6バールの圧力下において、常に撹拌しながら(150rpm)反応混合物を275℃(4℃/分)まで加熱する(回収された蒸留物の質量に基づいて推測)。次いで、対数的勾配に従って圧力を90分かけて0.7ミリバールまで減少させ、かつ温度を285℃にする。
【0131】
初期の軸トルクと比較した12.1Nmの軸トルクの増加が得られるまで、これらの減圧及び温度条件を維持する。
【0132】
最終的に、反応器の底部バルブを介してポリマーロッドをキャストし、15℃において熱調節水浴中で冷却し、かつ約15mgの果粒の形態で切断する。
【0133】
そのようにして得られた樹脂は、80.1mL/g-1の還元溶液粘度を有する。
【0134】
ポリエステルの1H NMR分析では、最終ポリエステルは、ジオールと比較して17モル%のイソソルビドを含有することが示される。
【0135】
熱特性に関して、ポリマーは、23.2J/gの融解エンタルピーで96℃のガラス転移温度、253℃の融点を有する。
【0136】
次いで、固体状態縮合後ステップにおいて顆粒を使用する。
【0137】
この目的に関して、顆粒は、170℃の減圧下のオーブン中で2時間にわたってあらかじめ結晶化される。
【0138】
固体状態縮合後ステップは、モル質量を増加させるために、窒素流下(1500L/時間)において210℃で20時間、これらの顆粒10kgに対して実行する。固体状態縮合後の樹脂は、103.4mL.gの還元溶液粘度を有する。
【0139】
A’:熱可塑性ポリエステルP2の重合
ポリエステルP2は、固体状態縮合後ステップを例外としてP1と同じプロトコルに従って調製した。
【0140】
使用された化合物の量を以下の表1に詳細に示す。
【0141】
【0142】
ポリエステルP2を用いてそのようにして得られた樹脂は、54.9mL/gの還元溶液粘度を有する。
【0143】
ポリエステルの1H NMR分析では、最終ポリエステルP2は、ジオールと比較して44モル%のイソソルビドを含有することが示される。熱特性に関して、ポリエステルP2は、125℃のガラス転移温度を有し、170℃における16時間の熱処理後でも示差走査型熱量測定分析において吸熱溶融ピークを示さず、それによってその非晶質特性を示す。
【0144】
B:形成
300ppm未満の残留湿分含量を達成するために、重合ステップA及びA’で得られたポリエステルP1及びP2の顆粒をP1に関して150℃及びP2に関して110℃で減圧乾燥させる。本実施例に関して、顆粒の水分含有量は、ポリエステルP1に関して130ppm及びポリエステルP2に関して170ppmである。
【0145】
乾燥雰囲気で保持された顆粒を次いで押出成形機のホッパーに導入する。
【0146】
使用された押出成形機は、フラットダイを備えたCollin押出成形機である。このアセンブリは、カレンダー機によって仕上げられた。押出成形パラメーターを以下の表2にまとめる。
【0147】
【0148】
ポリエステルP1及びP2からそのようにして押出成形されたシートは、2mmの厚さを有する。
【0149】
次いで、シートを11.5×11.5cmのサイズの正方形に切断し、次いでBrueckner Karo IV延伸機を使用してシートの切断片を2方向で延伸する。これは、140℃の温度において2.8×2.8の延伸比及び2方向で2秒間実行される。そのようにして二軸配向熱収縮性フィルムが得られる。
【0150】
C:熱処理
先行する形成ステップにおいて得られたフィルムから10×10cmのサイズの正方形を切断し、30秒間、140℃のグリセロール浴に浸漬させる。
【0151】
半結晶質熱可塑性ポリエステルP1から得られたフィルムが75%の収縮率を示すのに対して、比較ポリエステルP2から得られたフィルムは収縮しない。
【0152】
したがって、特に本発明に従って少なくとも0.05及び最大で0.30の1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)/1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)及び1,4:3,6-ジアンヒドロヘキシトール単位(A)以外の脂環式ジオール単位(B)の合計のモル比を有する半結晶質熱可塑性ポリエステルから製造されたフィルムは、特に有利な収縮特性を有し、かつ熱収縮性であると言える。
【0153】
したがって、本発明に従って製造された熱収縮性フィルムは、包装分野において最も具体的な応用を有する。