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特許7241031オートリターンおよびカムロック機構を備えたロータリーシフター
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】オートリターンおよびカムロック機構を備えたロータリーシフター
(51)【国際特許分類】
   B60K 20/02 20060101AFI20230309BHJP
【FI】
B60K20/02 A
B60K20/02 E
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019563784
(86)(22)【出願日】2018-05-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 US2018034090
(87)【国際公開番号】W WO2018217865
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-04-23
(31)【優先権主張番号】62/510,451
(32)【優先日】2017-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516173429
【氏名又は名称】ジーエイチエスピー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GHSP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】バグレイ, ジョン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】メリル, フィリップ トレイ, セカンド
【審査官】長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-107671(JP,A)
【文献】特開2009-107559(JP,A)
【文献】特表2008-526605(JP,A)
【文献】特開平10-114233(JP,A)
【文献】特開2016-94082(JP,A)
【文献】特開2012-136132(JP,A)
【文献】特表2008-511063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 20/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベース上に回転可能に支持され、かつトラックを有するドラムカムと、
前記ドラムカムに対する軸方向の移動のために、前記ドラムカム上に移動可能に支持されたロックリングであって、前記トラックに係合するフォロワピンと、バネ付勢ピンと、ノッチ係合ロックピンとを有するロックリングと、
前記ドラムカム上に回転可能に支持され、かつ複数のギア位置と少なくとも1つのロックノッチを画定する起伏のある表面を含むロータであって、前記ロックピンが、前記少なくとも1つのロックノッチと選択的に係合して、前記複数のギア位置のうちの少なくとも駐車位置を画定する、ロータと、
前記複数のギア位置のうちの1つに前記ロータを保持するために、前記起伏のある表面と選択的に係合するバネループを備えた少なくとも1つの感触ポジショナバネを含む感触ポジショナ機構と、
前記ロックピン、前記少なくとも1つのロックノッチ、前記トラックおよび前記フォロワピンを含むロータ制御機構であって、前記トラックおよび前記フォロワピンが、前記少なくとも1つのロックノッチとの前記ロックピンの選択的な係合および係脱を制御するように相互作用する、ロータ制御機構とを含み、
前記バネ付勢ピンが、前記ドラムカムの協調回転運動と前記ロックリングの軸方向の移動に基づいて、前記バネループと動作可能に係合し、
前記バネ付勢ピンが、少なくとも1つの第1バネ位置において前記起伏のある表面に対して前記バネループを選択的に付勢し、
前記バネ付勢ピンが、少なくとも1つの第2バネ位置において、前記起伏のある表面から前記バネループを選択的係脱し、
前記トラックが、前記ロックリングに対する前記ドラムカムの相対回転位置に基づいて前記ロックリングの軸方向の移動を制御する上部および下部トラックセクションを含み、故に、前記感触ポジショナ機構のロックとロック解除を制御し、かつ前記ロータ制御機構のロックとロック解除を制御し、
前記ロックリングが、ロック位置、部分的にロックされた位置、人工的な感触位置、および駐車復帰位置を含む複数の軸方向位置間で動作可能である、車両用シフ装置。
【請求項2】
前記トラックが、上部トラックと下部トラックが画定する連続ループを含み、前記上部トラックが、前記トラックの最上部分において前記ロック位置を画定し、前記上部トラックの中間部において前記人工的な感触位置を画定する、請求項1に記載のシフト装置。
【請求項3】
前記部分的にロックされた位置が、前記最上部で前記上部トラック内に画定される、請求項2に記載のシフト装置。
【請求項4】
前記下部トラックが、前記ロックリングの前記駐車復帰位置を画定する、請求項3に記載のシフト装置。
【請求項5】
少なくとも1つの感触ポジショナバネのバネループが、前記ロックリングの一部分を少なくとも部分的に囲み、
前記少なくとも1つの感触ポジショナバネが、前記ロック位置で前記ロックリングを前記ベースに向かって付勢する脚バネを含む、請求項2に記載のシフト装置。
【請求項6】
前記バネループおよび前記脚バネが、単一の金属板として一体的に形成される、請求項5に記載のシフト装置。
【請求項7】
前記駐車復帰位置が、前記下部トラックと係合する前記ロックリングと、前記ロックリングを前記ロータに向かって付勢する前記バネループとによって画定される、請求項5に記載のシフト装置。
【請求項8】
前記ロータが、前記起伏のある表面のドライブ位置およびニュートラル位置に対応するゲートロックノッチとをさらに含む、請求項2に記載のシフト装置。
【請求項9】
前記ゲートロックノッチが、前記ドライブの位置に対応する前記部分的にロックされた位置と、前記ニュートラル位置に対応する完全にロックされた位置とを画定する、請求項8に記載のシフト装置。
【請求項10】
前記バネループが、前記駐車復帰位置で前記ロックリングを前記ロータに向かって付勢し、かつ前記脚バネが、前記ロックリングを前記ロック位置および部分的にロックされた位置において前記ベースに向かって付勢する、請求項5に記載のシフト装置。
【請求項11】
前記ロックリングが前記人工的な感触位置にあるとき、前記バネループおよび前記脚バネが静止状態を画定する、請求項5に記載のシフト装置。
【請求項12】
前記人工的な感触位置における前記バネループが、前記ロータの前記起伏部セクションに係合し、かつ前記バネループが前記起伏部セクション内に画定された複数の前記ギア位置に向かって付勢される、請求項1に記載のシフト装置。
【請求項13】
前記駐車復帰位置は、前記ロータから係脱された前記バネループにより画定される、請求項6に記載のシフト装置。
【請求項14】
前記フォロワピン及び/又は前記バネ付勢ピンと、前記ロックピンとは、別個のピンであることを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリーシフターに関し、より具体的には、車両トランスミッション用のロータリーシフターに関するが、車両トランスミッションのみに限定されない。
【背景技術】
【0002】
多くの自動車メーカーは、現在、シフトバイワイヤ・トランスミッションシフターを車両に組み込んでいる。これらのシフターでは、車両の運転者が駐車、リバース、ニュートラル、ドライブなどのさまざまなギアシフトポジションを選択するときに、トランスミッションシフターから生成される電気信号を使用することによって、車両のパワートレインとトランスミッションの制御の大部分が達成される。さまざまな機能がシフターに組み込まれているため、シフターの安全性と設計の柔軟性は重要である。特に、シフターの自動駐車復帰操作で高レベルの安全性を維持するための改善が望まれている。
【0003】
コスト、資本投資、取り付けと取り外しの効率、安全性、設計の柔軟性、および自動駐車復帰機能中のシフター構成部品にわたる制御の改善に関して、節約/改善を提供する改善が望まれる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様では、車両用シフター装置はベースと、ベース上に回転可能に支持され、かつトラックを有するドラムカムとを含む。ロックリングは、回転および軸方向の移動のために、ドラムカム上に移動可能に支持され、ロックリングは、トラックに係合するフォロワピンと、バネ付勢ピンと、ノッチ係合ロックピンとを有する。ロータはドラムカム上に移動可能に支持され、駐車(P)、リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)の位置、および少なくとも1つのレバー制御ロックノッチを画定する起伏のある表面を含む。感触ポジショナ機構は、P、R、NおよびD位置のうちの1つにロータを保持するために起伏のある表面と動作可能に係合するバネループを備えた少なくとも1つの感触ポジショナバネを含む。ロータ制御機構は、ロックピン、ロックノッチ、トラック、フォロワピンを含み、トラックとフォロワピンが相互作用して、少なくとも1つのロックノッチ内のロックピンの係合と係脱を制御する。バネ付勢ピンは、ロックリングの軸方向の移動に基づいてバネループと動作可能に係合し、かつ少なくとも1つの第1バネ位置で、起伏のある表面に対してバネループをロックするように構成され、少なくとも1つの第2バネ位置で、起伏のある表面からバネループを係脱するように構成される。トラックは、ロックリングの軸方向の移動を制御して感触ポジショナ機構のロックおよびロック解除を制御し、かつロータ制御機構のロックおよびロック解除を制御する上部トラックセクションおよび下部トラックセクションを含む。
【0005】
本発明の別の態様では、車両用シフター装置はベースと、ベース上に回転可能に支持され、かつトラックを有するドラムカムとを含む。ロックリングは、回転および軸方向の移動のために、ドラムカム上に移動可能に支持され、ロックリングは、トラックに係合するフォロワピンと、バネ付勢ピンと、ノッチ係合ロックピンとを有する。ロータは、ドラムカム上で移動可能に支持され、かつP、R、N、Dの位置を画定する起伏のある表面を含む。感触ポジショナ機構は、P、R、NおよびD位置のうちの1つにロータを保持するために起伏のある表面と動作可能に係合するバネを備えた少なくとも1つの感触ポジショナバネを含む。バネ付勢ピンは、ロックリングの軸方向の移動に基づいてバネと動作可能に係合し、かつ起伏のある表面に対するバネの係合と係脱を制御するように構成されている。
【0006】
本発明の別の態様では、車両用のシフター装置は、ベースと、ベース上に回転可能に支持され、かつトラックを有するドラムカムとを含む。ロックリングは、回転と軸方向の移動のために、ドラムカム上に移動可能に支持されており、ロックリングは、トラックに係合するフォロワピンとノッチ係合ロックピンを有する。ロータは、ドラムカム上に移動可能に支持され、少なくとも1つのレバー制御ロックノッチを含む。ロータ制御機構は、ロックピン、ロックノッチ、トラック、およびフォロワピンを含み、トラックとフォロワピンが相互作用して、少なくとも1つのロックノッチ内のロックピンの係合と係脱を制御する。
【0007】
本発明の別の態様では、車両用のシフター装置は、ベースと、ベース上に回転可能に支持され、かつトラックを有するドラムカムとを含む。ロックリングは、回転および軸方向の移動のために、ドラムカム上に移動可能に支持され、ロックリングは、トラックに係合するフォロワピンと、バネ付勢ピンと、ノッチ係合ロックピンとを有する。ダイヤルシミュレーションロータは、ドラムカム上に移動可能に支持されている。感触ポジショナ機構とロータ制御機構は、ロータ、ロックリング、およびドラムカムに対する嵌合構成部品を含む。ロックリングは軸方向に移動して、ロータ制御機構をロックおよびロック解除してロータの回転を制御し、ロックリングは軸方向に移動して感触ポジショナを選択的に係合および係脱する。
【0008】
本発明の別の態様では、車両用のシフター装置は、ベースと、ベース上に回転可能に支持され、かつトラックを有するドラムカムとを含む。ロックリングは、回転および軸方向の移動のために、ドラムカム上に移動可能に支持され、ロックリングは、トラックに係合するフォロワピンと、バネ付勢ピンと、ノッチ係合ロックピンとを有する。ロータはドラムカム上に移動可能に支持され、かつP、R、N、Dの位置、および少なくとも1つのレバー制御ロックノッチを画定する起伏のある表面を含む。P、R、N、D位置のうちの1つにロータを保持するために、感触ポジショナ機構が構築されている。ロータ制御機構は、ロックピン、ロックノッチ、トラック、およびフォロワピンを含み、トラックとフォロワピンが相互作用して、少なくとも1つのロックノッチ内のロックピンの係合と係脱を制御する。ロータ制御機構のセンサは、ロータとロックリングの位置を検知する。アクチュエータは、ロックピンをロックノッチから係脱し、かつロータをホーム位置に移動させるために、ロータ、ドラムカム、およびロックリングのうちの少なくとも1つに動作可能に接続されている。センサとアクチュエータに制御回路が接続されており、制御回路は、アクチュエータがロックピンをロックノッチから係脱し、その後ロータをホーム位置へと回転させることを含むホーム復帰動作を実行するようにプログラムされている。
【0009】
本発明の別の態様では、方法は、ダイヤルシミュレーションロータと、ドラムカムと、ロックリングと、感触ポジショナ機構と、ロータ制御機構と、感触ポジショナ機構およびロータ制御機構を制御するための少なくとも1つのアクチュエータとを含む、車両シフターを提供することと、少なくとも1つのアクチュエータおよびシフター上のセンサに動作可能に接続された車両電気制御システムを提供することとを含む。この方法は、ロータがロックされた第1の位置にあることを検知することと、少なくとも1つのアクチュエータを動作させて、ロータが一貫していない摩擦なしに動くことができるように感触ポジショナ機構を解放し、かつ少なくとも1つのアクチュエータを動作させて、ロータ制御機構にロータをロックされた第1の位置からロック解除させることと、少なくとも1つのアクチュエータを動作させて、ロータを新しい位置に移動させることと、少なくとも1つのアクチュエータを動作させて、感触ポジショナ機構を再係合させ、かつロータ制御機構を再係合させることと、をさらに含む。
【0010】
本発明の別の態様では、シフター装置は、P、R、N、およびD位置を画定するレバーを含み、かつ感触ポジショナ機構、レバー制御機構、および感触ポジショナ機構およびレバー制御機構を制御するための少なくとも1つのアクチュエータを含むシフターを含む。感触ポジショナ機構は、P、R、N、およびD位置に関連付けられたくぼみを持つ起伏のある表面を含み、およびくぼみと係合するバネループを有するバネを含む。レバー制御機構は、バネループを通って延びる付勢ピンを含み、レバー制御機構は、付勢ピンがバネループに係合し、バネループを起伏のある表面に対して保持する第1の位置と、付勢ピンがバネループの概して中心にあり、したがってバネループが、付勢ピンからの制限なしに上下に浮くことを可能にする第2の位置と、付勢ピンがバネループに係合し、かつ感触ポジショナ機構が完全に係脱されるように、バネループを起伏のある表面から離して保持する第3の位置の間で、付勢ピンを動かすアクチュエータも含む。
【0011】
本発明の別の態様では、シフター装置は、連続トラックを備えた回転ドラムカムと、軸方向に移動するフォロワを含むロックリングと、カムフォロワがロータの回転をロックするように係合するためのロック機能を備えたロータとを含む。フォロワは、トラックの上部と下部と順次係合して2つの異なるカム経路を切り替え、その結果、ロックリングに対するドラムカムの相対角度に基づいてフォロワの位置の2つの異なる機能を切り替える。トラックの形状とロックリング上の付勢部材が、ドラムカムの回転方向に応じて取られるカム経路を決定する。
【0012】
本発明の別の態様では、ロータ、ドラムカムおよびロックリングの組み合わせが相互作用して、ロータの自由回転を可能にする第1の位置と、ロータの角度位置をロックする第2の位置と、ロータの移動は許可されるが、ロータに対するドラムカムの相対的な角度位置に基づいて制御される第3の位置と、を含む少なくとも3つの動作位置を画定し、2つの異なるドラムカム経路が、ドラムカムが異なるカム経路のうちの1つにある間、カムの回転全体にわたってロータをロックしたままにできるという利点をもたらす。この配置により、ロータは1つの回転位置から別の回転位置に簡単に移動できるが、ドラムカムが元のホーム位置に戻る間、カムはロータをホーム位置にロックする。
【0013】
本発明の別の態様では、シフター装置は、ベースおよびベース上で回転可能に支持されたシフターと、トラックを有する回転ドラムカムと、フォロワがトラックに係合してトラックに沿って移動するとき、カムリングを軸方向に移動させるフォロワを含むカムリングとを含む。シフターはカムフォロワがロータと係合して回転をロックするロック機能を備えたロータと、カムリング上の作動アームと、作動アームを囲むバネループを有する第1のバネと、作動アームに小さな付勢を加える追加のバネとを含む。作動アームの外径、バネループの内径、およびフォロワの動きの組み合わせが、フォロワをロータが抵抗なく動く自由状態と、作動アームがドラムカムの表面に対して反力を生成してロータの回転に影響を与える力生成状態との間で動かし、カムリングに対する反力はカムリングとフォロワを特定の位置に強制するために使用される。
【0014】
本発明の一態様は、シフターが回転してホーム位置に戻り、装置が回転を逆転する間、ホーム位置にロックされたままである。これにより、シフターを駐車位置に戻し、すぐにロックできる。装置のリセット中、シフターはロックされたままになる。ドラム(バレル)カムには、デュアル経路とフォロワ/ロータをロックする配置が含まれる。フォロワが通る軸方向の経路は、ドラムカムが回転する方向に依存する。フォロワは、適切な経路の位置に配置されるニュートラル位置に向かって付勢されることになる。
【0015】
本発明の別の態様では、車両用のシフト装置はベースを含む。ドラムカムは、ベース上に回転可能に支持され、かつトラックを有する。ロックリングはベース上に回転可能に支持され、かつドラムカムのトラックに対して軸方向に動作可能である。ロータはベースに回転可能に支持される。ロックリングは、ドラムカムとロータの間に延びる。ドラムカムのトラックの回転動作は、ロックリングの複数の軸方向位置を画定する。複数の軸方向位置は、ロータの複数のギア位置に対応する。
【0016】
本発明のこれらおよび他の態様、目的および特徴は、以下の明細書、特許請求の範囲および添付の図面を検討することにより、当業者に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図面において、
図1】ロック機能および自動駐車復帰(RTP)機能を有するロータリーシフターの分解斜視図である。
図1A】ロータリーシフターの斜視図である。
図2】ドラムカムの外面上に画定された周方向トラックを有し、上部トラックセクションおよび下部トラックセクションを含むドラムカムの周方向部分の側面斜視図である。
図3】ドラムカムの外面上に画定された周方向トラックを有し、上部トラックセクションおよび下部トラックセクションを含むドラムカムの周方向部分の別の側面斜視図である。
図4】カムフォロワピンを備えたロックリングおよび、ベースからドラムカム、ロックリング、ロータを通して延びる中央軸の斜視図である。
図5】ロックリング付勢脚を備えた感触ポジショナバネの平面図である。
図6図5の感触ポジショナバネの斜視図である。
図7図5のバネを組み込んだロータリーシフターを示す斜視図である。
図8】上部および下部トラック、カムフォロワ、ロータの形態のノブ本体、および感触ポジショナバネのうちの1つを有するドラムカムの切り欠き斜視図である。
図9】ギア位置から外れたバネの部分的な動きを示す図8のドラムカムの切り欠き斜視図である。
図10】ループバネを下向きに移動させる付勢ピンを示す図9のドラムカムの切り欠き斜視図である。
図11】ドライブ位置まで回転したロータシフターノブを示す図10のドラムカムの切り欠き斜視図である。
図12】ループバネの中央にある付勢ピンを示し、かつハーフロック位置を示す図11のドラムカムの切り欠き斜視図である。
図13】ロックゲートノッチに完全にロックされた位置にあるロックリング上のロックピンとニュートラル位置にあるノブを示す図12のドラムカムの切り欠き斜視図である。
図14図13のドラムカムの拡大斜視図である。
図15】駐車位置を戻すプロセスを開始するシフターを示す図13のドラムカムの切り欠き斜視図である。
図16】シフターが駐車位置に戻るさらなる進行を示す図15のドラムカムの切り欠き斜視図である。
図17】シフターが駐車位置に戻るさらなる進行を示す図16のドラムカムの切り欠き斜視図である。
図18】駐車位置に戻るさらなるプロセスにあるシフターを示す図17のドラムカムの切り欠き斜視図である。
図19】駐車位置に完全にロックされたシフターを示す図18のドラムカムの切り欠き斜視図である。
図20】ドラムカムの動作を駆動するための位置センサとモータを示すハウジングの底面の底面斜視図である。
図21図20のハウジングの側面斜視図である。
図22】ドライブ位置にあるロータノブを示し、駐車に戻るプロセスを開始する図8のドラムカムの底面斜視図である。
図23】付勢ピンが駐車に戻ったところを示す図22のドラムカムの底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書での説明の目的で、「上側」、「下側」、「右」、「左」、「後」、「前」、「垂直」、「水平」という用語、およびそこから派生したものは、図1で方向付けられているような本発明に関連するものとする。ただし、当然のことながら、それに反して明示的に特定された場合を除き、本発明は、これと代わるさまざまな向きをとることが仮定されうる。また、これも当然のことながら、添付した図面に図示し、以下の明細書で説明した特定の装置およびプロセスは、添付した特許請求の範囲に規定された発明の概念の単なる例示的実施形態にすぎない。よって、特許請求の範囲でそうでないことが明示的に述べられていない限り、本明細書で開示された実施形態に関連する具体的な寸法およびその他の物理的特性は、限定とはみなされない。
【0019】
図1~14に例示されるように、本シフター装置30は、ドラムカム31と、通常フォロワを含むロックリング32と、ベース34およびシャフト35に動作可能に取り付けられたノブまたはダイヤルとして示されるロータ33とを含む。これらの構成部品および以下で説明する他の構成部品は、シフター装置30が駐車、ニュートラル、およびドライブの位置72、74、76を含むことができるさまざまなギア位置70のいずれか1つにあるときにロック機能を引き起こすように相互作用する。また、これらの構成部品は、以下に説明するように、自動RTP機能78が完了するまで、ロータ33が駐車72にロックされる駐車復帰またはRTP機能78を引き起こすために車両が動作停止されるときに相互作用する。本シフター装置30は、駐車72またはニュートラル74などの特定の位置にあるときに独特の方法でロックし、ドライブ76などの他の特定のギア位置70にあるときにシフター装置30を部分的にロックする。本シフター装置30はまた、車両の電源が切られた後にシフター装置30を駐車復帰(RTP)位置80に自動的に移動させる自動RTP機能78も含む。トランスミッションの実際の駐車ロック機能は、典型的には車両の電源を切ると発生することができる。本シフター装置30は、車両の電源が切られたときに運転者の便宜上、ロータ33またはシフトレバーを駐車72に自動的に戻す。有利なことに、本発明の概念は、どのギア位置70がロック、または部分的にロック、または解放であるかという点で、またいつギア位置70がロック、部分的にロック、または解放されるかという点で設計上の著しい柔軟性を可能にする。本発明の概念はまた、RTP機能78(例えば、ギア位置)に関して、およびシフター状態の電子制御および検知に関して、著しい柔軟性を可能にする。
【0020】
運転者がシフター装置30を駐車72からリバース90に移動させると、本シフター装置30は、駐車72から外れるようにシフトを許可するように機能する。運転者が足をブレーキに乗せる(またはリリースボタンを使用する)と、本シフター装置30は、AFバネ94がAF戻り止め96内に係合する人工的な感触(AF)位置92までドラムカム31を回転させることによりロックを解除する。AF位置92では、運転者は典型的には、すべての場合に正常なシフターの感触を経験する。したがって、AFバネ94は、ロータ33を中心として、ロータ33を特定のギア位置70に選択的に保持する。本シフター装置30のロックは、典型的には、駐車72、ニュートラル74、およびドライブ76で発生する。RTP機能78は、任意のギア位置70から開始してもよく、位置センサは、すべての場合においてドラムカム31およびロータ33の位置を監視する。本シフター装置30は、ロータ33の位置を監視するためにある1組の位置センサと、ドラムカム31の位置を監視する1組の位置センサである、2つの磁石および関連する位置センサを含む。磁石とセンサの対は半独立的に機能し、また車両の電気(制御)システムに動作可能に接続されている。磁石およびセンサの対の構成(図20および図21に示される)は、以下により完全に説明される。
【0021】
本シフター装置30は、典型的には車両の電源が切られた後に、駐車72に自動復帰するロータ33を含む。トランスミッションの実際の駐車ロック機能は、典型的には車両の電源が切られた直後に発生する。しかし、運転者の便宜上、ロータ33は、駐車72などのホーム位置に戻る。ドラムカム31はRTP位置80まで回転し、ドラムカム31の下側のスロット110が、センサ磁石112(図20~23に示される)を保持するノブ上の特徴部と接触するとき、AFバネ94の戻り止めタイプの力を除去し、ロータ33を駐車72に回転させる。ロータ33は、典型的には回転ノブまたはダイヤルの形態をとる。
【0022】
ロータ33を見るときに知覚される「スタート-ストップ」運動がなく、ロータ33が駐車72に戻る際にRTP機能78が動作するときに聞くモータが揺れる音もないようにロータ33とAFバネ94との間の戻り止めタイプの力の除去と同様に、車両トランスミッションを駐車に自動的に配置することは、自動車の相手先商標製品製造(OEM:Original Equipment Manufacturer)企業の最近の要件である。
【0023】
本装置では、RTP機能78の間、本シフター装置30は、感触ポジショナ120のAFバネ94を引っ込めることにより、感触ポジショナ120を係脱する。したがって、AFバネ94の戻り止め係合機能が感触ポジショナ120の関連する起伏のある表面39から離れるように分離する。起伏のある表面39は、典型的には少なくとも、駐車、リバース、ニュートラル、およびドライブの位置72、90、74、76を画定するロータ33のAF戻り止め96を含む。この構成により、RTP機能78は簡単かつ一貫して動作できる。これは、例えば図13に示されているものとは別の感触ポジショナ120のモードである。ここではロータ33はロックされ、感触ポジショナ120は、少なくとも駐車、リバース、ニュートラル、およびドライブの位置72、90、74、76を形成するAF戻り止めを有する起伏部39に完全に係合し、かつ起伏部39に対してロックされる。これはまた、例えば図15に示されるものとは異なる感触ポジショナ120のモードである。ここでは、ロータ33はロック解除されているが、AFバネ94は、依然として、表面起伏部39へと感触ポジショナ120を付勢している。これは、図16に例示したモードとも異なる。ここでは、ロータ33の回転に影響する感触ポジショナ120からの戻り止めタイプまたは「スタート-ストップ」力を用いずにロータ33を駐車72に戻すように移動することができるように、AFバネ94をAF戻り止め96から引っ込め、かつ感触ポジショナ120が解除される。
【0024】
図面に関して、図1は、上部トラックセクション36Aおよび下部トラックセクション36Bを含むトラック36を備えたドラムカム31の分解斜視図である。フォロワまたはロックリング32は、トラック36と係合し、かつ少なくとも1つのロックピン38を含むカムフォロワ/付勢ピン37を含む。ロータ33は、少なくともP、R、N、およびD位置(72、90、74、76)に関連付けられたくぼみを有する表面起伏部39を含む。ロータ33の表面起伏部39は、駐車72用のロックノッチ40と、ニュートラル74用のゲートロックノッチ41(およびゲートロックノッチ41に接続されたドライブ76用の浅いハーフノッチ130)ともまた含む。ノッチ40、41は、以下で説明するように、対応するロックピン38によって選択的に係合される。
【0025】
ロータ33は、回転可能なダイヤル式ノブとして示されている。しかし、本発明は、レバーなどの他のシフト機構で実施することができ、単に例示した回転/ダイヤルシフターシステムよりも広くすることができることに留意されたい。
【0026】
装置のさまざまな態様によれば、本シフター装置30の構成部品は、安全性と車両制御および運転者の利便性のために、選択されたギア位置70にあるときにロック機能を引き起こし/促進し、かつロータ33の移動を含むシフター装置30の動作を制御するように相互作用する。シフター装置30の構成部品はまた、安全性および利便性の理由で車両が動作停止されたときに、自動駐車復帰RTP機能78を引き起こし/促進するように相互作用する。
【0027】
図1Aは、ベース34上に、車両コンソール、ステアリングコラム、またはインストルメント・パネルなどの、軸またはシャフト35(図1、2、3に示す)および美的カバー/ハウジング42(図7、21も参照)を有して動作可能に搭載されている、図1のシフター装置30の斜視図である。
【0028】
図2~3は、図1のドラムカム31の異なる周方向部分の斜視図である。図2~3は組み合わされて、ドラムカム31の外面140上に画定された周方向トラック36の実質的に完全な形状を示し、これは組み合わされて連続ループとしてトラック36を形成する上部トラックセクション36Aおよび下部トラックセクション36Bを含む。上部トラックセクション36Aは、フォロワ/付勢ピン37の内側脚37A(図4および図7~19を参照)が、ロックリング32(およびロックピン38および付勢ピン37の外側脚37B)を、所定の経路に沿って選択的に移動(図のように一般に軸方向)させる経路を画定する。ドラムカム31の回転は、トラック36内で内側脚37Aを摺動可能に動作させ、ドラムカム31の相対回転部分に対してロックリング32の軸方向の移動を引き起こす。この軸方向の移動により、ロックピン38が移動し、駐車位置、ニュートラル位置、および/またはドライブ位置72、74、76に関連するノッチ40、41のうちの1つを係脱し、したがってロータ33の特定の回転位置にロックされる。
【0029】
下部トラックセクション36Bは、ドラムカム31の回転中にフォロワ/付勢ピン37の内側脚37Aが、トラック36を通って並進する経路を画定し、そしてロックリング32(およびロックピン38と付勢ピン37の外側脚37B)を、所定の経路(図のように概して軸方向)に沿って選択的に移動させる。例えば、トラック36と内側脚37Aとのこの相互作用により、ロックピン38は軸方向下向きに移動し、駐車、ニュートラルおよび/またはドライブの位置72、74、76に関連する特定のノッチ40、41から係脱し、したがって、回転運動のためにロータ33のロックを解除する。このようにして、ドラムカム31の回転は、ロータ33をロックするとともに、瞬間的にそれと係合して、RTP機能78の実行中のように、典型的には一方向にそれを回転させる。一旦ロックされると、ロックピン38とノッチ40または41は係合したままであるが、一方でドラムカム31が別の動作位置にリセットされる。ドラムカム31は、構造および安定性を高めるために単一のトラック36または複数のトラック36を含むことができることを理解されたい。
【0030】
図4は、ロックリング32の斜視図である。付勢ピン37は、トラック36に係合および追従する内側脚37Aを含む。トラック36とのこの係合(図7~19を参照)により、ロックリング32が、ドラムカム31およびロータ33に対して軸方向に上下に移動し、ロータ33のロックノッチ40、41に対してロックピン38を選択的に係合および係脱する。ロックリング32の選択的な上下運動はまた、シフター装置30の感触ポジショナ120の動作を制御するために、付勢ピン37の外側脚37Bも、付勢バネ44のバネループ43と係合および係脱させる。付勢バネ44は、AFバネ94の形態をとることができる。
【0031】
中央シャフト35または軸は、ベース34からドラムカム31、ロックリング32、およびロータ33を通って上向きに延び、これらの組み立てられた構成部品を回転可能に支持する。この係合により、ドラムカム31およびロータ33が回転動作し、ロックリング32が互いに対して軸方向に動作することが可能になる。ドラムカム31の回転により、ロックリング32がロータ33とドラムカム31の間で軸方向に並進する。
【0032】
図5図6は、板バネの形態をとることができるバネループ43を備えた感触ポジショナ120の付勢バネ44またはAFバネ94の平面図および斜視図である。付勢バネ44はまた、付勢ピン37の外側脚37Bと係合する第2の板バネ状の脚バネ45を有する。脚バネ45は、以下に説明するように、内側脚37Aを選択的に付勢して下部トラックセクション36Bに向かって移動させる働きをする。また、外側脚37Bは、バネループ43を通って延び、その内部に維持される。このようにして、RTP機能中に、バネループ43は、これも以下で説明するように、内側脚37Aを上部トラックセクション37Aに向かって付勢すしうる。
【0033】
図7は、図5の一対の付勢バネ44の一方を示す斜視図である。図示されたバネループ43は、ロータ33の起伏のある表面39のAF戻り止め96と動作可能に係合する。2つの付勢バネ44を対向する側で使用して、ロータ33とロックリング32にかかる力のバランスをとる補助とすることができる(図4および23を参照。)。戻り止めまたは付勢バネ44は、ドラムカム31の動作に特に最適化されかつ調整されたバネループ43およびバネ脚45を含む。付勢バネ44による圧力が大きすぎるとアセンブリが拘束される可能性があり、一方で付勢バネ44からの圧力が小さすぎると、ロックリング37の内側脚37Aが戻りトラック36まで移動できない場合があるため、アセンブリが有効でない可能性がある。
【0034】
付勢バネ44の脚バネ45は、概して外側脚37Bを下向きの方向に付勢する。脚バネ45によって加えられるこの下向きの付勢力は、典型的には外側脚37Bが上向きに平行移動し、ロックピン38がロックノッチ40およびゲートロックノッチ41のうちの一方へと移動したときに生じる。部分的にロックされた位置170を有するゲートロックノッチ41はドライブ76に対応し、完全にロックされた位置150はニュートラル74に対応する。脚バネ45の下向きの付勢力は、ロックノッチ40およびゲートロックノッチ41からロックピン38を取り外すのを助ける。装置のさまざまな態様において、バネループ43によって加えられる付勢力は、脚バネ45によって加えられる付勢力より大きい可能性がある。典型的にはバネループ43およびバネ脚45は、付勢バネ44を画定するために単一の金属板から作られる。
【0035】
図8は、トラック36を備えたドラムカム31、カムフォロワとして作用するロックリング32、ロータ33、および感触ポジショナ120の付勢バネ44の分解図である。図8に示すように、ロータ33は、ロータ33のロックノッチ40に係合するロックリング32のロックピン38により駐車72に完全にロックされる。感触ポジショナ120の付勢バネ44は、ロータ33の起伏のある表面39内で駐車72に対応するAF戻り止め96と完全に係合するバネループ43を含む。ロックリング32上の付勢ピン72の外側脚37Bは、付勢バネ44のバネループ43を起伏のある表面39に対して完全にロックされた位置150に保持するように配置されている。このようにして、ロックリング32の軸方向の移動は、AFバネ94のバネループ43に対する外側脚37Bの係合および引っ込むタイプの動きをもたらす。
【0036】
図9図8に類似し、ロックリング32(カムフォロワ)が、カムトラック36に沿って、ロック解除プロセス中にロックリング32の内側脚37Aが横断する移行ゾーン152へと移動する。この位置では、付勢バネ44のバネループ43(すなわち「感触ポジショナ係合部分」)は、起伏のある表面39のAF戻り止め96と係合している。また、ロックリング32(フォロワ)上の方向/引っ込み付勢ピン37は、バネループ43の中央または中間位置162に移動する。このようにして、ロックピン38が、駐車72に関連するロックノッチ40から部分的に外れた状態で、バネループ43を「浮く」状態にすることができる。バネループ43が「浮く」状態は、バネループ43にわたるロータ33のAF戻り止め96の選択的動作に対応し、さまざまなギア位置70を画定する。
【0037】
図10図9に類似し、シフター装置30のロータ33がロック解除位置160にあり、フォロワピン37が、AF位置92を示すバネループ43の中間位置162にある。AF位置92では、ロックピン38はロックノッチ40から完全に外れており、バネループ43は、ロータ33の回転中の人工的な感触のためにAF戻り止め96を通って自由に上下に動くことができる。ロータ33を動かすとき、AF位置92は、起伏部39に沿ったバネループ43の摺動係合により提供される。したがって、AF位置92は、さまざまなギア位置70を選択するための起伏部39を通るロータ33の移動を可能にする。
【0038】
図11図10に類似する。しかし、ロータ33は、ドライブ76に対応するギア位置70に動いている。この位置では、ロックリング32(フォロワ)のフォロワ/付勢ピン37の外側脚37Bは、バネループ43をドライブ76に関連する表面起伏部39の下に、かつそこから離して保持する、下げられたロック解除位置160にある。故にロックリング32のロックピン38は、ニュートラル74およびドライブ76に関連するゲートロックノッチ41の下に、かつその外側にある。
【0039】
図12図11に類似する。しかし、バネループ43の中間位置162にあるフォロワ/付勢ピン37は、バネループ43が浮いて、かつ起伏のある表面39のAF戻り止め96の少なくとも一部を通って摺動可能に動作することを可能にする。この位置において、ロックリング32上のロックピン38は、ここでは部分的にロックされた位置170にある(すなわち、「ハーフロック」と呼ばれるゲートロックノッチ41への途中)。部分的にロックされた位置170により、ゲートロックノッチ41の(浅い)ドライブノッチ172と(より深い)ニュートラルノッチ174(図11参照)の組み合わされた相互接続形状により、シフター装置30のロータ33を、起伏のある表面39上でドライブ76からニュートラル74に移動させることができる。この位置から、ロータ33は、ロックピン38が部分的にロックされた位置170にあるドライブ76から、ロックピン38が完全にロックされた位置150にあるニュートラル74にのみ移動できる。
【0040】
図13図12に類似する。しかし、ロックリング32のロックピン38は、ここではゲートロックノッチ41の完全にロックされた位置150にあり、ロータ33はニュートラル74に対応するギア位置70にある。またフォロワ/付勢ピン37は、ニュートラル74に関連付けられた起伏のある表面39のAF戻り止め96にバネループ43を保持している。図14は、図13の中央領域の拡大図である。ニュートラル74に対応するこの完全にロックされた位置150から、外側脚37Bは、RTP機能78または他のシフト動作によるなどの、ドラムカム31の回転により下げられなければならない。
【0041】
図15図14に類似する。しかし、ドラムカム31は回転し、またシフター装置30は駐車位置72に戻るプロセスを開始している(RTP機能78)。付勢バネ44の脚バネ45は、カムフォロワ付勢ピン37(およびロックリング32/フォロワ)の外側脚37Bをトラック36の下部トラック部分36Bへと押す。脚バネ45によって生成されるこの付勢運動により、ロックピン38は、RTP機能78を開始するためにドライブ76に関連するゲートロックノッチ41の外へと移動する。
【0042】
図16図15に類似するが、ドラムカム31はさらに回転し、そしてシフター装置30はさらにRTP機能78のプロセスにある。ロックピン38は、ロータ33上のゲートロックノッチ41から係脱され、また下部トラック36B内のロックリング32/フォロワの内側脚37Aは、バネループ43を引っ張って起伏のある表面39のAF戻り止めから完全に離して、回転中のロータ33上のあらゆるスタート-ストップの摩擦を除去する。したがって、ロータ33は駆動部76に示されているが、バネ44およびロックピン38が起伏のある表面39から引っ込められて離されているため、AF戻り止め96からの「スタート-ストップ」抵抗なしに駐車72に対応するギア位置70に戻る準備ができている。
【0043】
図17図16に類似し、シフター装置30は、またさらにRTP機能78のプロセス中である。ロックリング32(フォロワ)上の内側脚37Aは、まだ下部トラック36B内にあり、外側脚37Bが、感触ポジショナ120の起伏のある表面39からバネループ43を離すように付勢させる。ロックリング32そしてひいては付勢ピン37は、ここでは偏向されたバネループ43からの付勢力で上向きに移動するように付勢されている。
【0044】
図18図17に類似し、シフター装置30は、さらにRTP機能78にある。ロータ33は、駐車72に示されており、AFバネ94のバネループ43は、駐車72に関連する表面起伏部39のAF戻り止め96と係合している(RTP位置80)。ロックピン38は、駐車72に関連するゲートロックノッチ40とまだ完全には係合していない。この位置では、内側脚37Aは、バネループ43の上向きの付勢力によって上部トラック36Aに戻される。この位置では、外側脚37Bはバネループ43内の中間位置162にあり、付勢バネ44は静止状態にある。
【0045】
図19図18に類似するが、シフター装置30は、駐車72に対応する完全にロックされた位置150にあり、また感触ポジショナ120が駐車72に完全に係合し、ロックされるように、ドラムカム31は回転して、ロックリング32(カムフォロワ)が、外側脚37Bをバネループ43に対して上向きに移動させる。また、ロックピン38は、駐車72に関連するロックノッチ40に完全に係合している。
【0046】
図20は、ベース34(およびカバー/ハウジング42)において、シフター装置30の下側を上向きに見た底面図である(図7を参照)。図20は、ロータ位置センサ50と、ロータ位置センサ50において信号を生成するためのシフター装置30の中央シャフト35上の関連するロータ磁石ホルダ51と、カムシリンダーギア52と、カムシリンダーギア52に関連付けられるかまたは固定されたかみ合い歯55と係合するホイール54上のカム位置センサ53と、カム位置センサ53において信号を生成するための固定軸58上のカム磁石ホルダ57と、アクチュエータ(モータ60、モータ軸に取り付けられたウォームギア61、およびカムギア62と係合する被駆動動/駆動ギア)と、を含むシフター装置30のいくつかの構成部品を示す。カムギア62は、機械的利点のために減速ギアを含むことができる。図21は、図20と同様の斜視図である。ただし、異なる角度におけるものであり、構成部品を部分的に切り欠いているため、下にある構成部品をより良好に示している。
【0047】
図22図23は、図20図21と同様の方向から見た部分斜視図である。図22は、ロック解除後でかつRTP機能78の開始時のドライブ76におけるロータ33を示している。図23は、RTP位置80にあるロータ33を示し、下にある構成部品とそれらの関係をより良好に示すために構成部品が削除されている。また、2つの付勢バネ44と2つのロックピン38の対向する「バランス」した位置、2つのトラック36および関連する起伏のある表面39および付勢バネ44およびロックピン38によって係合されるロックノッチ40、41も示している。
【0048】
本配置は、回転バレルドラムカム31と、軸方向に移動するロックリング32とも呼ばれるカムフォロワと、カムフォロワ37の内側脚37Aがロータ33の回転と係合し、かつロックおよびロック解除するためのトラック特徴部36を有するロータ33(本明細書ではダイヤル式シフターまたはノブとも呼ばれる)とを含む。ドラムカム31上の連続トラック36により、フォロワ32は2つの経路間を切り替えることができ、その結果、フォロワ位置対カム角度に基づいて2つの異なる機能(すなわち、ロータ33のロックおよびロック解除)を生じさせる。トラック36A/36Bおよび付勢部材44の形状は、ドラムカム31の回転方向に応じてロックリング32(フォロワ)がとる経路を決定する。これらの物品の組み合わせにより、ロータ33の自由な回転、またはロータ33のロック、および/またはドラムカム31の位置決めに基づくロータ33の制御された動きが可能になる。2つの別個の上部および下部トラック36A、36Bの著しい利点は、トラック36内にある間に、ドラムカム31の全回転を通してロータ33をロック状態に保つ能力である。
【0049】
ドラムカム31がロータ33をロックおよびロック解除する配置を提供する能力は重要である。この配置の特徴は、ロータ33をある1つの位置から別の位置に回転させ、その後ドラムカム31がその元の(ロックまたはロック解除)位置に戻る間、ロータ33を完全にロックされた位置150に保つ能力である。
【0050】
本配置は、付勢ピン37の形態の作動アームと、付勢ピン37の一部分を囲むバネループ43と、付勢ピン37に小さな付勢を加える追加の脚バネ45とを含む。付勢ピン37の囲まれた部分は、上述のフォロワまたはロックリング32の付属物である。作動アームまたは付勢ピン37または付勢ピンの外径180、バネループ43の内径、およびトラック36A、36Bに沿ったカムフォロワまたは内側脚37Aのカムフォロワの動きの組み合わせにより、ロックリング32は、ロータ33がドラムカム31の嵌合面に対して自由に回転または反応できる自由状態にあるかどうかが、決定される。ドラムカム31に対する反力は、フォロワまたはロックリング32を特定の位置に強制するために、付勢バネ44に対する機構で使用することができる。あるいは、ドラムカム31は、バネループ43を特定の位置に強制することができ、かつ潜在的にバネループ43をその位置にロックすることができる。脚バネ45は、バネループ43/付勢ピン37が自由状態にある間に比較的小さな力を提供するために使用される。これの目的は2つある。1.)上記のドラムカム31/フォロワ32の組み合わせが機能することを可能にすること、および、2.)フォロワロックリング32がドラムカム31のトラック36内でガタつくのを防止することである。
【0051】
この付勢バネ44/付勢ピン37の組み合わせの著しい利点は、ドラムカム31が(付勢バネ44を偏向させることにより)ある1つの位置でバネ力を除去し、一方で別の位置で付勢バネ44に追加の力を加える、その能力である。シフター装置30の利点は、RTP機能78の間の戻り止め動作の除去、および電子シフター装置30がロータ33をAF戻り止め96内のAF位置92に強制する能力である。これは、AF戻り止め96だけではギア位置70にセンタリングするのに十分な力が提供されない場合に利点である。
【0052】
したがって、本発明の概念から逸脱することなく、前述の構造に対する変形および修正が可能であることを理解されたい。さらに、そのような概念は、これらの請求項がその言語により明示的に別段の記載をしない限り、以下の請求項によって包含されることを意図していることを理解されたい。
図1
図1A
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23