(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】車両測位方法、装置、電子機器、車両及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G06T 7/70 20170101AFI20230309BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20230309BHJP
G01C 21/30 20060101ALI20230309BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20230309BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
G06T7/70 A
G06T7/00 650A
G01C21/30
G09B29/00 Z
G09B29/10 A
(21)【出願番号】P 2020200211
(22)【出願日】2020-12-02
【審査請求日】2020-12-02
(31)【優先権主張番号】202010450278.4
(32)【優先日】2020-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】321009845
【氏名又は名称】アポロ インテリジェント ドライビング テクノロジー(ペキン)カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェン タユン
【審査官】▲広▼島 明芳
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-219329(JP,A)
【文献】特開2017-084137(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 7/00 - 7/90
G01C 21/30
G09B 29/00 - 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両測位装置に適用される車両測位方法であって、
車両の位置する車線の検知情報を取得し、あらかじめ設定された高精度マップから前記車線の高精度情報を取得することであって、前記検知情報及び前記高精度情報はいずれも車線境界線情報を含み、且ついずれも縁石情報及び/又はガードレール情報を含む、取得することと、
前記検知情報と前記高精度情報のマッチング情報を決定することと、
前記マッチング情報に基づいて前記車両の位置情報を生成することと、を含
み、
前記検知情報と前記高精度情報のマッチング情報を決定することは、
前記検知情報における車線境界線情報と前記高精度情報における車線境界線情報とのマッチング度、及び前記マッチング度に対応する車両の姿勢情報を決定することと、
前記検知情報及び前記高精度情報における縁石情報及び/又はガードレール情報に基づいて、前記マッチング度を調整することと、を含み、
前記マッチング情報に基づいて前記車両の位置情報を生成することは、調整後のマッチング度に基づいて、前記車両の姿勢情報から前記位置情報を決定することを含む、車両測位方法。
【請求項2】
前記検知情報における車線境界線情報と前記高精度情報における車線境界線情報とのマッチング度を決定することは、
前記検知情報における車線境界線情報に基づいて、前記検知情報における各車線境界線間の幅を決定することと、
前記高精度情報における車線境界線情報に基づいて、前記高精度情報における各車線境界線間の幅を決定することと、
前記検知情報における各車線境界線間の幅及び前記高精度情報における各車線境界線間の幅に基づいて、前記マッチング度を決定することと、を含む、請求項
1に記載の車両測位方法。
【請求項3】
前記検知情報における各車線境界線間の幅及び前記高精度情報における各車線境界線間の幅に基づいて、前記マッチング度を決定することは、
前記検知情報における各車線境界線間の幅に基づいて、各車線境界線のタイプを決定することと、
前記高精度情報における各車線境界線間の幅に基づいて、各車線境界線のタイプを決定することと、
前記検知情報の各車線境界線の中から、あらかじめ設定された標準車線境界線のタイプを満たす車線境界線を選択することと、
前記高精度情報の各車線境界線の中から、前記標準車線境界線のタイプを満たす車線境界線を選択することと、
選択された前記検知情報の車線境界線及び前記高精度情報の車線境界線に基づいて、前記マッチング度を決定することと、を含む、請求項
2に記載の車両測位方法。
【請求項4】
前記検知情報における車線境界線情報に基づいて、前記検知情報における各車線境界線間の幅を決定することは、
前記検知情報における車線境界線情報に基づいて、前記検知情報における各車線境界線の曲線方程を決定することと、
前記検知情報における各車線境界線の曲線方程に基づいて、前記検知情報における任意の2つの隣接する車線境界線間の幅を算出することと、を含む、請求項
2に記載の車両測位方法。
【請求項5】
前記検知情報及び前記高精度情報における縁石情報及び/又はガードレール情報に基づいて、前記マッチング度を調整することの前に、
前記姿勢情報に基づいて、前記車両のオフセット情報を決定することと、
前記オフセット情報に基づいて、前記マッチング度を調整することと、をさらに含む、請求項
1から
4のいずれか1項に記載の車両測位方法。
【請求項6】
前記検知情報及び前記高精度情報における縁石情報及び/又はガードレール情報に基づいて、前記マッチング度を調整することの前に、
前記検知情報における車線境界線からサンプリング点の情報を取得することと、
前記高精度情報における車線境界線からサンプリング点の情報を取得することと、
前記検知情報におけるサンプリング点の情報と前記高精度情報におけるサンプリング点の情報との残差情報を算出することと、
前記残差情報に基づいて前記マッチング度を調整することと、をさらに含む、請求項
1から
4のいずれか1項に記載の車両測位方法。
【請求項7】
車両の位置する車線の検知情報を取得し、あらかじめ設定された高精度マップから前記車線の高精度情報を取得するために用いられる取得モジュールであって、前記検知情報及び前記高精度情報はいずれも車線境界線情報を含み、且ついずれも縁石情報及び/又はガードレール情報を含む、取得モジュールと、
前記検知情報と前記高精度情報のマッチング情報を決定するための決定モジュールと、
前記マッチング情報に基づいて前記車両の位置情報を生成するための生成モジュールと、を含
み、
前記決定モジュールは、前記検知情報における車線境界線情報と前記高精度情報における車線境界線情報とのマッチング度、及び前記マッチング度に対応する車両の姿勢情報を決定し、前記検知情報及び前記高精度情報における縁石情報及び/又はガードレール情報に基づいて、前記マッチング度を調整するために用いられ、
前記生成モジュールは、調整後のマッチング度に基づいて、前記車両の姿勢情報から前記位置情報を決定するために用いられる、車両測位装置。
【請求項8】
前記決定モジュールは、前記検知情報における車線境界線情報に基づいて、前記検知情報における各車線境界線間の幅を決定し、前記高精度情報における車線境界線情報に基づいて、前記高精度情報における各車線境界線間の幅を決定し、前記検知情報における各車線境界線間の幅及び前記高精度情報における各車線境界線間の幅に基づいて、前記マッチング度を決定するために用いられる、請求項
7に記載の車両測位装置。
【請求項9】
前記決定モジュールは、前記検知情報における各車線境界線間の幅に基づいて、各車線境界線のタイプを決定し、前記高精度情報における各車線境界線間の幅に基づいて、各車線境界線のタイプを決定し、前記検知情報の各車線境界線の中から、あらかじめ設定された標準車線境界線のタイプを満たす車線境界線を選択し、前記高精度情報の各車線境界線の中から前記標準車線境界線のタイプを満たす車線境界線を選択し、選択された前記検知情報の車線境界線及び前記高精度情報の車線境界線に基づいて、前記マッチング度を決定するために用いられる、請求項
8に記載の車両測位装置。
【請求項10】
前記決定モジュールは、前記検知情報における車線境界線情報に基づいて、前記検知情報における各車線境界線の曲線方程を決定し、前記検知情報における各車線境界線の曲線方程に基づいて、前記検知情報における任意の2つの隣接する車線境界線間の幅を算出するために用いられる、請求項
8に記載の車両測位装置。
【請求項11】
前記決定モジュールは、前記姿勢情報に基づいて前記車両のオフセット情報を決定し、前記オフセット情報に基づいて前記マッチング度を調整するために用いられる、請求項
7から
10のいずれか1項に記載の車両測位装置。
【請求項12】
前記決定モジュールは、前記検知情報における車線境界線からサンプリング点の情報を取得し、前記高精度情報における車線境界線からサンプリング点の情報を取得し、前記検知情報におけるサンプリング点の情報と前記高精度情報におけるサンプリング点の情報との残差情報を算出し、前記残差情報に基づいて前記マッチング度を調整するために用いられる、請求項
7から
10のいずれか1項に記載の車両測位装置。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されたメモリと、を含み、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコマンドが記憶されており、前記コマンドが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサが請求項1から
6のいずれか1項に記載の車両測位方法を実行できる、電子機器。
【請求項14】
請求項
7から
12のいずれか1項に記載の車両測位装置、又は、請求項
13に記載の電子機器を含む、車両。
【請求項15】
コンピュータコマンドが記憶されている非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体であって、前記コンピュータコマンドはコンピュータに請求項1から
6のいずれか1項に記載の車両測位方法を実行させるために用いられる、非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体。
【請求項16】
コンピュータに請求項1~
6のいずれか1項に記載の車両測位方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、人工知能技術の分野に関し、特に、自動運転技術の分野に関し、具体的には、車両測位方法、装置、電子機器、車両及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
人工知能技術の発展に伴い、人工知能技術は自動運転技術等の様々な分野に幅広く用いられる。車両の安全で且つ信頼性の高い走行を実現するために、車両測位技術はホットスポットとなっている。
【0003】
従来技術では、車両測位は主に測位システム又は様々なセンサによって実現される。例えば、ライダーと高精度マップとのマッチングに基づく測位やミリ波レーダーと高精度ベクトルマップとのマッチングに基づく測位等によって実現される。
【0004】
しかしながら、発明者は本願を実現させる過程で、少なくとも、マッチングに用いる次元が比較的単純であるため、位置情報の正確性の低さを招くという問題があることを発見した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
測位の正確性を向上させるための、車両測位方法、装置、電子機器、車両及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様として、車両測位方法を提供し、前記方法は、
車両の位置する車線の検知情報を取得し、あらかじめ設定された高精度マップから前記車線の高精度情報を取得することであって、前記検知情報及び前記高精度情報はいずれも車線境界線情報を含み、且ついずれも縁石情報及び/又はガードレール情報を含む、取得することと、
前記検知情報と前記高精度情報のマッチング情報を決定することと、
前記マッチング情報に基づいて前記車両の位置情報を生成することと、を含む車両測位方法を提供する。
【0007】
本願の実施例では、車線境界線情報、縁石情報及び/又はガードレール情報に基づいてマッチング情報を決定するため、マッチング情報は車線の複数の次元の情報に関するマッチング情報を含み、マッチング情報の信頼性、正確性及び網羅性を向上させることができ、その技術効果として、決定された位置情報が信頼性を向上させ、さらにその技術効果として、車両の安全で且つ信頼性の高い走行が実現される。
【0008】
第2態様として、本願の実施例では、車両測位装置を提供し、前記装置は、
車両の位置する車線の検知情報を取得し、あらかじめ設定された高精度マップから前記車線の高精度情報を取得するために用いられる取得モジュールであって、前記検知情報及び前記高精度情報はいずれも車線境界線情報を含み、且ついずれも縁石情報及び/又はガードレール情報を含む、取得モジュールと、
前記検知情報と前記高精度情報のマッチング情報を決定するための決定モジュールと、
前記マッチング情報に基づいて前記車両の位置情報を生成するための生成モジュールと、を含む。
【0009】
第3態様として、本願の実施例では、電子機器を提供し、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されたメモリと、を含み、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコマンドが記憶されており、前記コマンドが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサが前記任意の実施例に記載の方法を実行できる。
【0010】
第4態様として、本願の実施例では、前記装置、又は、前記電子機器を含む車両を提供する。
【0011】
第5態様として、本願の実施例では、コンピュータコマンドが記憶されている非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体を提供し、前記コンピュータコマンドはコンピュータに前記任意の実施例に記載の方法を実行させるために用いられる非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本願は、車両の位置する車線の検知情報を取得し、あらかじめ設定された高精度マップから車線の高精度情報を取得することであって、検知情報及び高精度情報はいずれも車線境界線情報を含み、且ついずれも縁石情報及び/又はガードレール情報を含むことと、検知情報と高精度情報のマッチング情報を決定することと、マッチング情報に基づいて車両の位置情報を生成することとを含む技術であり、車線境界線情報、縁石情報及び/又はガードレール情報に基づいてマッチング情報を決定するため、マッチング情報は車線の複数の次元の情報に関するマッチング情報を含み、マッチング情報の信頼性、正確性及び網羅性を向上させることができ、その技術効果として、決定された位置情報が信頼性を向上させ、さらにその技術効果として、車両の安全で且つ信頼性の高い走行が実現される。
【0013】
なお、この部分で説明された内容は本開示の実施例の中核的な特徴や重要な特徴を特定するものではなく、本開示の範囲を限定するものでもない。本開示の他の特徴は下記の内容を通じて理解しやすいものになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図面は本願を限定するものではなく、本解決手段を充分に理解させるためのものである。
【
図1】本願の実施例による車両測位方法の適用シーンの模式図である。
【
図2】本願の一実施例による車両測位方法のフローチャートである。
【
図3】本願の別の実施例による車両測位方法のフローチャートである。
【
図4】本願の実施例による検知情報における車線境界線情報と高精度情報における車線境界線情報とのマッチング度の決定方法のフローチャートである。
【
図5】本願の実施例による幅を決定する方法のフローチャートである。
【
図6】本願の実施例による検知情報における各車線境界線間の幅及び高精度情報における各車線境界線間の幅に基づいてマッチング度を決定する方法のフローチャートである。
【
図7】本願の実施例による検知情報の車線境界線の模式図である。
【
図8】本願の実施例による高精度情報の車線境界線の模式図である。
【
図9】本願の別の実施例による車両測位方法のフローチャートである。
【
図10】本願の別の実施例による車両測位方法のフローチャートである。
【
図11】本願の実施例による車両測位装置の模式図である。
【
図12】本願の実施例による電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面と組み合わせて本願の実施例の例示的の実施例を説明し、理解を促すために本願の実施例の様々な詳細が含まれるが、これらを例示的なものに過ぎないと見なすべきである。したがって、当業者であれば、本願の実施例の範囲や趣旨を逸脱することなく、ここで説明される実施例に様々な変更や修正を行うことができることは理解される。同様に、説明が手短く明瞭なものになるよう、下記では周知の機能や構造についての説明が省略される。
【0016】
図1を参照し、
図1は本願の実施例による車両測位方法の適用シーンの模式図である。
【0017】
図1の適用シーンでは、車両は道路を走行し、車両は(不図示の)プロセッサを含み、プロセッサは本願の実施例による車両測位方法を実行して、車両に対応する位置情報を決定し、位置情報に基づいて車両の走行を制御することができる。例えば、位置情報に基づいて、車両の減速、駐車、加速、転向等を制御する。
【0018】
具体的には、プロセッサは位置情報に基づいて、車両が赤信号に出会うことを決定した場合に、車両を制御して減速走行させ、又は車両を制御して駐車させ得る。プロセッサは位置情報に基づいて車両が前方の車両との距離が近いことを決定した場合に、車両を制御して減速走行させてもよく、プロセッサは位置情報に基づいて車両が前方の車両との距離が遠いことを決定した場合に、車両を制御して加速走行させてもよい。
【0019】
関連技術では、主に検知情報における車線境界線情報と高精度情報における車線境界線情報をマッチングし、マッチング情報に基づいて車両の位置情報を決定する。
【0020】
しかしながら、車線境界線情報によって車両の位置情報を決定する場合に、車線境界線が正しくない可能性があり、例えば、第1車線境界線と第2車線境界線との間に位置する車両を、第2車線境界線と第3車線境界線との間に位置する車両としてしまうため、決定された位置情報の正確性が低いという問題を招く。
【0021】
前記技術的課題を解決するために、本願の発明者が鋭意検討を行ったところ、複数の次元から検知情報と高精度情報に対してマッチングを行って、正確性及び信頼性の高い位置情報を得るという構想に基づく本願発明に想到した。
【0022】
以下、具体的な実施例を用いて、本願に係る技術的解決手段及び本願の技術的解決手段がどのように前記技術的課題を解決するかを詳細に説明する。次に記載されたいくつかの具体的な実施例は互いに組み合わせることができ、一部の実施例では同じ又は類似する概念やプロセスについて再度説明しない。次に、図面を参照しながら、本願の実施例を説明する。
【0023】
本願の実施例の一態様として、本願の実施例は車両測位方法を提供する。
【0024】
図2を参照し、
図2は本願の一実施例による車両測位方法のフローチャートである。
【0025】
図2に示すように、当該方法はS101~S103を含む。
S101で、車両の位置する車線の検知情報を取得し、あらかじめ設定された高精度マップから車線の高精度情報を取得し、ここで、検知情報及び高精度情報はいずれも車線境界線情報を含み、且ついずれも縁石情報及び/又はガードレール情報を含む。
【0026】
なお、本願の実施例の実行主体は車両測位装置(以下、測位装置と略称する)であってもよく、具体的には、測位装置は車両に設けられたコンピュータ、サーバ、プロセッサ、車載端末、遠隔情報プロセッサ(車載T-BOX)、チップ(例えば、埋め込み型チップ)等であってもよい。
【0027】
例えば、本願の実施例の車両測位方法を
図1の適用シーンに用いる場合に、本願の実施例の車両測位方法の実行主体はプロセッサであってもよい。
【0028】
なお、検知情報は車両に設けられたセンサによって収集された車両走行に関連する情報を表すもので、車両の走行車線の車線境界線情報を含んでもよく、車両の走行車線の縁石情報及び/又はガードレール情報をさらに含んでもよい。
【0029】
例えば、車両にセンサが設けられ、センサにより車両走行に関連する情報を収集してよい。
【0030】
なお、センサは画像収集センサ、例えば、カメラを含んでもよく、センサは慣性計測ユニット(Inertial measurement unit、IMU)をさらに含んでもよく、慣性計測ユニットは車両の姿勢角(又は角速度)及び加速度等を検出することができ、センサはさらにレーダー等を含んでもよい。
【0031】
以下、センサがカメラであるのを例として、例示的に検知情報を説明する。
【0032】
車両の車体前部に1つ以上のカメラが設けられてもよく、一般には、カメラの収集範囲に基づいて、カメラの数量を決定することができる。カメラの収集範囲が比較的大きい場合に、車両の車体前部に1つのカメラが設けられてもよく、カメラの収集範囲が比較的小さい場合に、車両の車体前部に2つのカメラが設けられてもよく、その以上のカメラが設けられてもよい。しかしながら、コスト等の様々な要因を考慮すると、車両の車体前部に1つのカメラが設けられ、又は、車両の車体前部に2つのカメラが設けられることが好ましい。
【0033】
なお、決定された位置情報の信頼性及び正確性を向上させて、車両の走行安全性を向上させるために、車両の左側車体及び右側車体にそれぞれ1つ以上のカメラが設けられてもよい。ただし、車両の左側車体に設けられたカメラは車両の左側の画像を収集するために用いられ、車両の右側車体に設けられたカメラは車両の右側の画像を収集するために用いられる。同様に、車両の左側車体に設けられたカメラの数量、及び車両の右側車体に設けられたカメラの数量に関しては、前記例の説明を参照して決定することができ、ここで再度説明しない。
【0034】
本願の実施例の車両測位方法の実行主体がプロセッサである場合に、カメラはその収集した画像をプロセッサに送信し、プロセッサは画像に基づいて車両の位置する車線の属性情報、例えば、車線境界線の座標情報、縁石の座標情報及びガードレールの座標情報等を決定し、車線の属性情報は車線の検知情報である。
【0035】
なお、画像に基づいて車線境界線情報、縁石情報及びガードレール情報を生成する方法は、画像認識技術によって実現できる。
【0036】
なお、前記例ではセンサがカメラであるのを例として、例示的に検知情報を説明しているが、検知情報の具体的な限定として理解することはできない。前記例から分かるように、センサとしては関連技術で使用されるその他のタイプのセンサを用いることができ、他のセンサにより検知情報を取得することができ、取得原理に関しては前記例を参照することができ、ここでその説明をしない。
【0037】
なお、高精度情報はあらかじめ設定された高精度マップによって決定された、車両走行に関連する情報を表すもので、車両の走行車線の車線境界線情報を含んでもよく、車両の走行車線の縁石情報及び/又はガードレール情報をさらに含んでもよい。
【0038】
なお、車両は、ニーズに応じて、事前に高精度マップをダウンロードして記憶してもよいし、ニーズに応じて、高精度マップをリアルタイムでローディングしてもよい。つまり、高精度マップは事前に車両に記憶されてもよいし、車両がニーズに応じてダウンロードしてもよい。
【0039】
なお、車両には測位システムが設けられてもよく、例えば、車両にグローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System、GPS)が設けられ、プロセッサはメモリ(プロセッサの内部に設けられたメモリであってもよいし、プロセッサの外部に設けられたメモリであってもよい)から、GPS測位情報に対応する高精度マップを取得し、高精度マップに基づいて、高精度情報を決定し、即ち、GPS測位情報に対応する車線境界線情報、縁石情報及びガードレール情報を決定することができる。
【0040】
なお、高精度マップは異なる道路、又は同じ道路の異なる区間のマップ情報を含んでもよく、GPS測位情報に対応する高精度マップは、高精度マップにおけるGPS測位情報に係る道路及び位置する道路区間を表すものである。
【0041】
S102で、検知情報と高精度情報のマッチング情報を決定する。
【0042】
ここで、マッチング情報は検知情報と高精度情報との類似度を表すものであってもよい。
【0043】
前記例から分かるように、検知情報及び高精度情報はいずれも車線境界線情報を含み、且ついずれも縁石情報及び/又はガードレール情報を含む。
【0044】
いくつかの実施例では、検知情報が車線境界線情報及び縁石情報を含み、且つ高精度情報も車線境界線情報及び縁石情報を含む場合に、当該ステップで、マッチング情報は、検知情報に基づく車線境界線情報と高精度マップの車線境界線情報がマッチングし、且つ検知情報の縁石情報と高精度マップの縁石情報がマッチングするというマッチング情報を表す。
【0045】
いくつかの実施例では、検知情報が車線境界線情報及びガードレール情報を含み、且つ高精度情報も車線境界線情報及びガードレール情報を含む場合に、当該ステップで、マッチング情報は、検知情報に基づく車線境界線情報と高精度マップの車線境界線情報がマッチングし、且つ検知情報のガードレール情報と高精度マップのガードレール情報がマッチングするというマッチング情報を表す。
【0046】
いくつかの実施例では、検知情報が車線境界線情報、縁石情報及びガードレール情報を含み、且つ高精度情報も車線境界線情報、縁石情報及びガードレール情報を含む場合に、当該ステップで、マッチング情報は、検知情報に基づく車線境界線情報と高精度マップの車線境界線情報がマッチングし、且つ検知情報の縁石情報と高精度マップの縁石情報がマッチングし、且つ検知情報のガードレール情報と高精度マップのガードレール情報がマッチングするというマッチング情報を表す。
【0047】
本願の実施例では、検知情報及び高精度情報はいずれも車線境界線情報を含み、且ついずれも縁石情報及び/又はガードレール情報を含むため、得られたマッチング情報は車線の複数の次元の情報に関するマッチング情報を含み、車線境界線情報の次元でマッチングするという関連の技術的解決手段と比べて、マッチング情報の信頼性、正確性及び網羅性を向上させることができ、その技術効果として、決定された位置情報が信頼性を向上させ、さらにその技術効果として、車両の安全で且つ信頼性の高い走行が実現される。
【0048】
S103で、マッチング情報に基づいて車両の位置情報を生成する。
【0049】
前記例では、マッチング情報を決定した後、車両と車線境界線及び縁石との位置関係を決定し、又は、車両と車線境界線及びガードレールとの位置関係を決定し、又は、車両と車線境界線、縁石及びガードレールとの位置関係を決定することができるため、位置関係に基づいて位置情報を決定することができる。
【0050】
上述した内容から分かるように、本願の実施例では、車両の位置する車線の検知情報を取得し、あらかじめ設定された高精度マップから車線の高精度情報を取得することであって、検知情報及び高精度情報はいずれも車線境界線情報を含み、且ついずれも縁石情報及び/又はガードレール情報を含むことと、検知情報と高精度情報のマッチング情報を決定することと、マッチング情報に基づいて車両の位置情報を生成することとを含む車両測位方法を提供し、車線境界線情報、縁石情報及び/又はガードレール情報に基づいてマッチング情報を決定するため、マッチング情報は車線の複数の次元の情報に関するマッチング情報を含み、マッチング情報の信頼性、正確性及び網羅性を向上させることができ、その技術効果として、決定された位置情報が信頼性を向上させ、さらにその技術効果として、車両の安全で且つ信頼性の高い走行が実現される。
【0051】
以下、マッチング情報を決定する方法を一層理解させるために、
図3を参照して本願の実施例による車両測位方法をより詳細に説明する。
【0052】
図3を参照し、
図3は本願の別の実施例による車両測位方法のフローチャートである。
【0053】
図3に示すように、当該方法はS201~S204を含む。
S201で、車両の位置する車線の検知情報を取得し、あらかじめ設定された高精度マップから車線の高精度情報を取得し、ここで、検知情報及び高精度情報はいずれも車線境界線情報を含み、且ついずれも縁石情報及び/又はガードレール情報を含む。
【0054】
ここで、S201の説明に関してはS101を参照することができ、ここで再度説明しない。
【0055】
S202で、検知情報における車線境界線情報と高精度情報における車線境界線情報とのマッチング度、及びマッチング度に対応する車両の姿勢情報を決定する。
【0056】
図4を参照して分かるように、いくつかの実施例では、検知情報における車線境界線情報と高精度情報における車線境界線情報とのマッチング度を決定することは、S21~S23を含む。
S21で、検知情報における車線境界線情報に基づいて、検知情報における各車線境界線間の幅を決定する。
【0057】
図5を参照して分かるように、いくつかの実施例では、S21はS211と、S212とを含む。
S211で、検知情報における車線境界線情報に基づいて、検知情報における各車線境界線の曲線方程を決定する。
【0058】
ここで、検知情報における車線境界線情報を得た後、検知情報における車線境界線情報に対してフィッティング処理を行って、曲線方程を得るようにしてもよい。フィッティング処理する具体的の方法は、従来技術におけるフィッティングアルゴリズムを参照して実現することができ、ここで再度説明しない。
【0059】
S212で、検知情報における各車線境界線の曲線方程に基づいて、検知情報における任意の2つの隣接する車線境界線間の幅を算出する。
【0060】
なお、車線境界線情報は車線境界線のワールド座標系における座標を含む。したがって、当該ステップでは、各車線境界線の曲線方程から、(ワールド座標系に基づいて)縦座標が同じである1つ以上の点を選択し、選択した点の座標に基づいて任意の2つの隣接する車線境界線間の距離を決定してもよく、当該距離は2つの隣接する車線境界線間の幅である。
【0061】
本願の実施例では、曲線方程に基づいて2つの隣接する車線境界線間の幅を決定することにより、決定された幅の正確性を向上させることができ、後に当該幅に基づいて車線境界線のタイプを決定する際には、技術効果として、決定された車線境界線のタイプの正確性が向上される。
【0062】
S22で、高精度情報における車線境界線情報に基づいて、高精度情報における各車線境界線間の幅を決定する。
【0063】
なお、高精度情報における各車線境界線間の幅の決定原理が、検知情報における車線境界線間の幅の決定原理と同じであるため、ここで再度説明しない。
【0064】
S23で、検知情報における各車線境界線間の幅及び高精度情報における各車線境界線間の幅に基づいて、マッチング度を決定する。
【0065】
本願の実施例では、車線境界線間の幅に基づいてマッチング度を決定することにより、その技術効果として、マッチング度の信頼性及び正確性が向上される。
【0066】
図6を参照して分かるように、いくつかの実施例では、S23はS231~S235を含む。
S231で、検知情報における各車線境界線間の幅に基づいて、各車線境界線のタイプを決定する。
【0067】
なお、関連技術では、一般に、文字列に基づいて各車線境界線のタイプを決定し、つまり、異なる文字列で異なる車線境界線を表すが、本実施例では、各車線境界線間の幅により各車線境界線のタイプを決定する。
【0068】
具体的には、車線の幅に基づいて車線のタイプを区分することができる。例えば、車線の幅が3メートル以上の車線を標準車線、車線の幅が3メートル未満の車線を非標準車線とする。そのうち、標準車線は車両が通常走行する車線を表すもので、非標準車線は非常走行車線を表すものであってよい。
【0069】
なお、本願の実施例では、幅によって車線のタイプを決定することで、その技術効果として、決定されたタイプの正確性及び信頼性が向上される。
【0070】
S232で、高精度情報における各車線境界線間の幅に基づいて、各車線境界線のタイプを決定する。
【0071】
なお、高精度情報における各車線境界線間の幅に基づいて各車線境界線のタイプを決定する原理が、検知情報における各車線境界線間の幅に基づいて各車線境界線のタイプを決定する原理と同じであり、関連する説明は前記例を参照することができ、ここで再度説明しない。
【0072】
S233で、検知情報における各車線境界線の中から、あらかじめ設定された標準車線境界線のタイプを満たす車線境界線を選択する。
【0073】
なお、標準車線は車線の幅が3メートル以上の車線を表すもので、前記例から分かるように、標準車線と非常走行車線等の非標準車線は区分されている。
【0074】
つまり、当該ステップで、車線が標準車線である場合に、当該標準車線に対応する車線境界線は標準車線境界線のタイプを満たす車線境界線である。
【0075】
具体的には、車線境界線は破線又は実線で表すことができ、
図7に示すように、検知情報における車線境界線の分布は実線-破線-破線-実線であってもよい。実線を0で、破線を1で表すと、
図7の車線境界線は0110と表すことができ、
図7から選択された車線境界線をA及びBと表示することができる。
【0076】
S234で、高精度情報の各車線境界線の中から、標準車線境界線のタイプを満たす車線境界線を選択する。
【0077】
なお、S234の原理はS233と同じであるため、ここで再度説明しない。
【0078】
具体的には、
図8に示すように、高精度情報の車線境界線は合計で5つであり、且つ
図8に示す車線境界線は01110と表すことができ、
図8から選択された車線境界線をa、b及びcと表示することができる。
【0079】
選択された前記検知情報の車線境界線及び前記高精度情報の車線境界線に基づいて、前記マッチング度を決定する。
【0080】
S235で、選択された検知情報の車線境界線及び高精度情報の車線境界線に基づいて、マッチング度を決定する。
【0081】
ここで、マッチング度=検知情報の車線境界線のうち高精度情報の車線境界線にマッチングしている車線境界線の数量/検知情報の車線境界線の数量。
【0082】
具体的には、
図7及び
図8を参照して分かるように、検知情報の車線境界線Aが高精度情報の車線境界線aに合わせた場合に、検知情報の車線境界線のうち高精度情報の車線境界線にマッチングしている車線境界線は2つであり、それぞれは検知情報の車線境界線Aが高精度情報の車線境界線aにマッチングしていること、検知情報の車線境界線Bが高精度情報の車線境界線bにマッチングしていることであり、この場合、マッチング度=2/2=1である。
【0083】
検知情報の車線境界線Aが高精度情報の車線境界線bに合わせた場合に、検知情報の車線境界線のうち高精度情報の車線境界線にマッチングしている車線境界線は2つであり、それぞれは検知情報の車線境界線Aが高精度情報の車線境界線bにマッチングし、検知情報の車線境界線Bが高精度情報の車線境界線cにマッチングしていることであり、マッチング度=2/2=1である。
【0084】
検知情報の車線境界線Aが高精度情報の車線境界線cに合わせた場合に、検知情報の車線境界線のうち高精度情報の車線境界線にマッチングしている車線境界線は1つであり、具体的には検知情報の車線境界線Aが高精度情報の車線境界線cにマッチングしていることであり、マッチング度=1/2=0.5である。
【0085】
なお、マッチング度に対応する車両の姿勢情報は、マッチング度に対応する車両の回転及び平行移動を表すものである。
【0086】
具体的には、検知情報の車線境界線Aが高精度情報の車線境界線aに合わせた場合に、検知情報の車線境界線Aと高精度情報の車線境界線aとは一定のずれがあり、具体的には検知情報の車線境界線Aと高精度情報の車線境界線a間の回転及び平行移動を算出し、当該回転及び平行移動を車両の回転及び平行移動として決定するようにしてもよい。具体的には、サンプリング点の座標で計算を実現でき、ここで再度説明しない。
【0087】
S203で、検知情報及び高精度情報における縁石情報及び/又はガードレール情報に基づいて、マッチング度を調整する。
【0088】
つまり、当該ステップは少なくとも以下の方法で実現できる。
方法1:検知情報及び高精度情報における縁石情報に基づいて、マッチング度を調整する。
【0089】
方法2:検知情報及び高精度情報におけるガードレール情報に基づいて、マッチング度を調整する。
【0090】
方法3:検知情報及び高精度情報における縁石情報及びガードレール情報に基づいて、マッチング度を調整する。
【0091】
そのうち、方法3は次の方法で実現できる。
方法1:まず検知情報及び高精度情報における縁石情報に基づいてマッチング度を調整し、次に、検知情報及び高精度情報におけるガードレール情報に基づいて、調整後のマッチング度を再度調整する。
【0092】
方法2:まず検知情報及び高精度情報におけるガードレール情報に基づいてマッチング度を調整し、次に、検知情報及び高精度情報における縁石情報に基づいて、調整後のマッチング度を再度調整する。
【0093】
いくつかの実施例では、マッチング度がP(laneline)である場合に、検知情報及び高精度情報における縁石情報に基づいてマッチング度を調整するとき、式1により実現できる。
式1
【数1】
式中、
【数2】
は調整後のマッチング度であり、
【数3】
は縁石のZ軸方向の回転角情報であり、
【数4】
は車線境界線に基づいて決定された回転行列であり、
【数5】
はあらかじめ設定された縁石の回転角パラメータであり、
【数6】
は縁石の平行移動情報であり、
【数7】
は車線境界線に基づいて決定された平行移動情報であり、
【数8】
はあらかじめ設定された平行移動情報である。
【0094】
いくつかの実施例では、検知情報及び高精度情報におけるガードレール情報に基づいて、マッチング度を調整する場合に、その実現原理は式1を参照することができ、ここで再度説明しない。
【0095】
別の実施例では、検知情報及び高精度情報における縁石情報及びガードレール情報に基づいて、マッチング度を調整する場合に、その実現原理は、式1をベースにして、さらに、他の情報に基づいて調整する式を追加することであってもよく、原理は式1と同じであるため、ここでその説明をしない。
【0096】
S204で、調整後のマッチング度に基づいて、車両の姿勢情報から位置情報を決定する。
【0097】
具体的には、各マッチング度の中から最大のマッチング度を決定し、最大のマッチング度に対応する姿勢情報を位置情報として選択するようにしてもよい。
【0098】
例えば、前記例では、
図7及び
図8を参照して分かるように、合計で3つのマッチング度があり、前記例に基づいて3つのマッチング度を調整した後、調整後の3つのマッチング度を得、調整後の3つのマッチング度の中から最大のマッチング度を選択し、最大のマッチング度に対応する姿勢情報を位置情報として決定する。
【0099】
本願の実施例では、まず検知情報における車線境界線情報と高精度情報における車線境界線情報とのマッチング度に基づいて、その後、検知情報及び高精度情報における縁石情報及び/又はガードレール情報に基づいてマッチング度を調整することにより、マッチング度の信頼性及び正確性を向上させることができ、その技術効果として位置情報の正確性及び信頼性の向上が実現される。
【0100】
本願の実施例では、決定された位置情報の正確性及び信頼性を向上させるために、マッチング度を得た後、マッチング度を調整するステップが追加され、以下、
図9を参照して本願の実施例による車両測位方法を詳しく説明する。
【0101】
図9に示すように、当該方法はS301~S306を含む。
S301で、車両の位置する車線の検知情報を取得し、あらかじめ設定された高精度マップから車線の高精度情報を取得し、ここで、検知情報及び高精度情報はいずれも車線境界線情報を含み、且ついずれも縁石情報及び/又はガードレール情報を含む。
【0102】
なお、S301の説明に関してはS201を参照することができ、ここで再度説明しない。
【0103】
S302で、検知情報における車線境界線情報と高精度情報における車線境界線情報とのマッチング度、及びマッチング度に対応する車両の姿勢情報を決定する。
【0104】
なお、S302の説明に関してはS202を参照することができ、ここで再度説明しない。
【0105】
S303で、姿勢情報に基づいて、車両のオフセット情報を決定する。
【0106】
なお、オフセット情報は、検知情報における車両の姿勢情報と高精度情報における車両の姿勢情報間のオフセットを表す情報である。
【0107】
S304で、オフセット情報に基づいて、マッチング度を調整する。
【0108】
いくつかの実施例では、オフセット情報及び式2に基づいて、オフセット確率p(distance)を決定し、オフセット確率に基づいてマッチング度を調整するようにしてもよい。
式2
【数9】
ただし、R
max及びT
maxはあらかじめ設定された最大オフセット値であり、Rは回転情報であり、Tは平行移動情報である。
【0109】
S305で、検知情報及び高精度情報における縁石情報及び/又はガードレール情報に基づいて、調整後のマッチング度を再度調整する。
【0110】
なお、S305の説明に関してはS203を参照することができ、ここで再度説明しない。
【0111】
S306で、再度調整後のマッチング度に基づいて、車両の姿勢情報から位置情報を決定する。
【0112】
なお、S306の説明に関してはS204を参照することができ、ここで再度説明しない。
【0113】
本願の実施例では、オフセット情報に基づいてマッチング度を適切に調整することにより、マッチング度の精度をさらに高めることができ、これにより、決定された位置情報の信頼性を向上させて、車両の走行安全性を高めることができる。
【0114】
本願の実施例では、決定された位置情報の正確性及び信頼性を向上させるために、マッチング度を得た後、マッチング度を調整するステップが追加され、以下、
図10を参照して、本願の実施例による車両測位方法を詳しく説明する。
【0115】
図10に示すように、当該方法はS401~S408を含む。
S401で、車両の位置する車線の検知情報を取得し、あらかじめ設定された高精度マップから車線の高精度情報を取得し、ここで、検知情報及び高精度情報はいずれも車線境界線情報を含み、且ついずれも縁石情報及び/又はガードレール情報を含む。
【0116】
なお、S401の説明に関してはS201を参照することができ、ここで再度説明しない。
【0117】
S402で、検知情報における車線境界線情報と高精度情報における車線境界線情報とのマッチング度、及びマッチング度に対応する車両の姿勢情報を決定する。
【0118】
なお、S402の説明に関してはS202を参照することができ、ここで再度説明しない。
【0119】
S403で、検知情報における車線境界線から、サンプリング点の情報を取得する。
【0120】
なお、サンプリング点は車線境界線からランダムに選択された点であってもよいし、計算の便宜上、車線境界線にあらかじめ設定された特定の座標の点であってもよく、本願はサンプリング点の選択について限定しない。
【0121】
S404で、高精度情報における車線境界線からサンプリング点の情報を取得する。
【0122】
なお、S404の原理はS403の原理と同じであるため、ここで再度説明しない。
【0123】
S405で、検知情報におけるサンプリング点の情報と高精度情報におけるサンプリング点の情報との残差情報を算出する。
【0124】
いくつかの実施例では、以下の式により、残差情報P(error)を決定してもよい。
式3
【数10】
ただし、
【数11】
は検知情報におけるサンプリング点の情報であり、具体的にはワールド座標系におけるy座標情報であり、
【数12】
は高精度情報におけるサンプリング点の情報であり、具体的にはワールド座標系におけるy座標情報である。
【0125】
S406で、残差情報に基づいて、マッチング度を調整する。
【0126】
具体的には、残差情報とマッチング度の積を調整後のマッチング度とする。
【0127】
S407で、検知情報及び高精度情報における縁石情報及び/又はガードレール情報に基づいて、調整後のマッチング度を再度調整する。
【0128】
なお、S407の説明に関してはS203を参照することができ、ここで再度説明しない。
【0129】
S408で、再度調整後のマッチング度に基づいて、車両の姿勢情報から位置情報を決定する。
【0130】
なお、S408の説明に関してはS204を参照することができ、ここで再度説明しない。
【0131】
なお、いくつかの実施例では、オフセット情報及び残差情報に基づいてマッチング度を調整してもよく、調整の原理は前記例を参照することができる。
【0132】
具体的には、まずオフセット情報に基づいてマッチング度を調整し、その後、残差情報に基づいて調整後のマッチング度を調整するようにしてもよいし、まず残差情報に基づいてマッチング度を調整し、その後、オフセット情報に基づいて調整後のマッチング度を調整するようにしてもよい。
【0133】
本願の実施例では、残差情報に基づいてマッチング度を適切に調整することにより、マッチング度の精度をさらに高めることができ、これにより、決定された位置情報の信頼性を向上させて、車両の走行安全性を高めることができる。
【0134】
なお、道路は構造化道路及び非構造化道路に分けられてもよく、そのうち、非構造化道路は、車線境界線が単純なもの、非通過型ランプ、非迂回エリア等の特殊な車線境界線を有するものを表す。
【0135】
いくつかの実施例では、位置情報を決定した後、車両が位置するのは構造化道路であるか、非構造化道路であるかを決定することができ、車両が構造化道路に位置すると決定した場合に、提示情報を発してもよく、ここで、提示情報は車両の自動運転機能をオンしてよいことをユーザーに提示するためのものである。
【0136】
本願の実施例の別の態様では、前記任意の実施例の方法を実行し、例えば、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、
図9及び
図10に示す方法を実行するための車両測位装置を提供する。
【0137】
図11を参照し、
図11は本願の実施例による車両測位装置の模式図である。
【0138】
図11に示すように、当該装置は、
車両の位置する車線の検知情報を取得し、あらかじめ設定された高精度マップから前記車線の高精度情報を取得するために用いられ、前記検知情報及び前記高精度情報はいずれも車線境界線情報を含み、且ついずれも縁石情報及び/又はガードレール情報を含む取得モジュール11と、
前記検知情報と前記高精度情報のマッチング情報を決定するための決定モジュール12と、
前記マッチング情報に基づいて前記車両の位置情報を生成するための生成モジュール13と、を含む。
【0139】
いくつかの実施例では、前記決定モジュール12は、前記検知情報における車線境界線情報と前記高精度情報における車線境界線情報とのマッチング度、及び前記マッチング度に対応する車両の姿勢情報を決定し、前記検知情報及び前記高精度情報における縁石情報及び/又はガードレール情報に基づいて、前記マッチング度を調整するために用いられ、
且つ、前記生成モジュール13は、調整後のマッチング度に基づいて、前記車両の姿勢情報から前記位置情報を決定するために用いられる。
【0140】
いくつかの実施例では、前記決定モジュール12は、前記検知情報における車線境界線情報に基づいて、前記検知情報における各車線境界線間の幅を決定し、前記高精度情報における車線境界線情報に基づいて、前記高精度情報における各車線境界線間の幅を決定し、前記検知情報における各車線境界線間の幅及び前記高精度情報における各車線境界線間の幅に基づいて、前記マッチング度を決定するために用いられる。
【0141】
いくつかの実施例では、前記決定モジュール12は、前記検知情報における各車線境界線間の幅に基づいて、各車線境界線のタイプを決定し、前記高精度情報における各車線境界線間の幅に基づいて、各車線境界線のタイプを決定し、前記検知情報の各車線境界線の中から、あらかじめ設定された標準車線境界線のタイプを満たす車線境界線を選択し、前記高精度情報の各車線境界線の中から前記標準車線境界線のタイプを満たす車線境界線を選択し、選択された前記検知情報の車線境界線及び前記高精度情報の車線境界線に基づいて、前記マッチング度を決定するために用いられる。
【0142】
いくつかの実施例では、前記決定モジュール12は、前記検知情報における車線境界線情報に基づいて、前記検知情報における各車線境界線の曲線方程を決定し、前記検知情報における各車線境界線の曲線方程に基づいて、前記検知情報における任意の2つの隣接する車線境界線間の幅を算出するために用いられる。
【0143】
いくつかの実施例では、前記決定モジュール12は、前記姿勢情報に基づいて前記車両のオフセット情報を決定し、前記オフセット情報に基づいて前記マッチング度を調整するために用いられる。
【0144】
いくつかの実施例では、前記決定モジュール12は、前記検知情報における車線境界線からサンプリング点の情報を取得し、前記高精度情報における車線境界線からサンプリング点の情報を取得し、前記検知情報におけるサンプリング点の情報と前記高精度情報におけるサンプリング点の情報との残差情報を算出し、前記残差情報に基づいて前記マッチング度を調整するために用いられる。
【0145】
本願の実施例では、さらに、電子機器及び読取可能記憶媒体を提供する。
【0146】
図12を参照し、
図12は本願の実施例による電子機器のブロック図である。
【0147】
ここで、電子機器は様々なタイプのデジタルコンピュータを表し、例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、大型コンピュータ、及び他の適切なコンピュータである。電子機器は様々なタイプのモバイル装置であってもよく、例えば、パーソナルデジタルアシスタント、セルラー電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイス、及び類似する他のコンピューティングデバイスである。本明細書に記載の部品、それらの接続及び関係、並びにそれらの機能は例示的なものに過ぎず、本明細書に記載及び/又は要求された本願の実施例の実現を限定することを意図しない。
【0148】
図12に示すように、当該電子機器は、1つ以上のプロセッサ101と、メモリ102と、各部品を接続させるためのインタフェースであって、高速インタフェース及び低速インタフェースを含むインタフェースとを含む。各部品は異なるバスを利用して互いに接続され、且つマザーボードに取り付けられ、又はニーズに応じて他の形態として取り付けられてもよい。プロセッサは、電子機器内で実行されるコマンドであって、メモリ内に記憶されている外部の入力/出力装置(例えば、インタフェースに接続された表示装置)にGUIのグラフィック情報を表示させるコマンドを含む前記コマンドを処理することができる。他の実施形態では、必要であれば、複数プロセッサ及び/又は複数のバスと複数メモリを組み合わせて使用することができる。同様に、複数の電子機器を接続させ、各機器が(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバグループ、又はマルチプロセッサシステムとして)必要な操作の一部を提供するようにしてもよい。
図12では、1つのプロセッサ101である場合を例とする。
【0149】
メモリ102は、本願の実施例に係る非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体である。ここで、前記メモリには少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコマンドが記憶されており、これにより前記少なくとも1つのプロセッサが本願の実施例に係る車両測位方法を実行できる。本願の実施例に係る非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体にコンピュータコマンドが記憶され、当該コンピュータコマンドはコンピュータに本願の実施例に係る車両測位方法を実行させるために用いられる。
【0150】
メモリ102は非一時的コンピュータ読取可能記憶媒体として、非一時的ソフトウェアプログラム、非一時的コンピュータ実行可能プログラム及びモジュール、例えば、本願の実施例によるプログラムコマンド/モジュールを記憶するために用いることができる。プロセッサ101はメモリ102に記憶されている非一時的ソフトウェアプログラム、コマンド及びモジュールを実行することにより、サーバの様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、即ち前記方法の実施例による車両測位方法を実現する。
【0151】
メモリ102はプログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含んでもよく、ここで、プログラム記憶領域はオペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、データ記憶領域は電子機器の使用に基づいて作成されたデータ等を記憶することができる。また、メモリ102は高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに非一時的メモリ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリ、又は他の非一時的ソリッドステート記憶装置を含んでもよい。いくつかの実施例では、メモリ102はプロセッサ101に対し遠隔設置されたメモリを任意に含んでもよく、これらのリモートメモリはネットワークによって電子機器に接続されてもよい。前記ネットワークの例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、ブロックチェーンベースサービスネットワーク(Block-chain-based Service Network、BSN)、移動通信ネットワーク及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0152】
電子機器は、入力装置103及び出力装置104をさらに含んでもよい。プロセッサ101、メモリ102、入力装置103及び出力装置104はバスを介して、又は他の方式で接続されてもよく、
図12ではバスによって接続された場合を例とする。
【0153】
入力装置103は入力された数字又は文字情報を受信し、電子機器のユーザー設定及び機能制御に関連するキー信号入力を生成することができ、前記入力装置は、例えば、タッチパネル、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、インジケーターロッド、1つ以上のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティック等である。出力装置104は表示装置、補助照明装置(例えば、LED)及び触覚フィードバック装置(例えば、振動モータ)等を含んでもよい。当該表示装置は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、プラズマディスプレイを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、表示装置はタッチディスプレイであってもよい。
【0154】
ここで説明されるシステム及び技術の様々な実施形態はデジタル電子回路システム、集積回路システム、ASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はこれらの組み合わせにおいて実現することができる。これらの様々な実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラムにおいて実施されてもよく、当該1つ以上のコンピュータプログラムは少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムにおいて実行及び/又は解釈されてもよく、当該プログラマブルプロセッサは専用又は汎用のプログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータ及びコマンドを受信し、且つ、データ及びコマンドを当該記憶システム、当該少なくとも1つの入力装置、及び当該少なくとも1つの出力装置に伝送することができる。
【0155】
これらのコンピューティングプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードともいう)は、プログラマブルプロセッサの機械コマンドを含み、且つハイレベルプロセス及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械語を利用してこれらのコンピューティングプログラムを実施することができる。本明細書で使用される用語「コンピュータ読取可能媒体」及び「機械読取可能媒体」とは、機械コマンド及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するあらゆるコンピュータプログラム製品、機器、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジックデバイス(PLD))を意味し、そのうち、機器読取可能信号としての機械コマンドを受信する機械読取可能媒体を含む。用語「機器読取可能信号」とは、機械コマンド及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するあらゆる信号を意味する。
【0156】
ユーザーとのインタラクションを提供するために、コンピュータにおいてここに記載のシステム及び技術を実施することができ、当該コンピュータは、ユーザーに情報を表示する表示装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ))と、キーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)とを有し、ユーザーは当該キーボード及び当該ポインティングデバイスによってコンピュータに入力することができる。ユーザーとのインタラクションのために他のタイプの装置を用いることができ、例えば、ユーザーに提供するフィードバックはあらゆる形態のセンサフィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であってもよく、あらゆる形態(声入力、音声入力、又は触覚入力を含む)でユーザーからの入力を受信することができる。
【0157】
ここに記載のシステム及び技術はバックグラウンド部品を含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバとして)、又はミドルウェア部品を含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロントエンド部品を含むコンピューティングシステム(例えば、グラフィカルユーザインタフェース又はネットワークブラウザを有するユーザーコンピュータ)において実施することができ、ユーザーは当該グラフィカルユーザインタフェース又は当該ネットワークブラウザによって、又はこのようなバックグラウンド部品、ミドルウェア部品、もしくはフロントエンド部品の任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムで実行されえる。任意の形態または媒体を用いるデジタル通信(例えば、通信ネットワーク)によりシステムの部品を互いに接続させることができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ブロックチェーンベースサービスネットワーク(Block-chain-based Service Network、BSN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及びインターネットを含む。
【0158】
コンピュータシステムはクライアント及びサーバを含んでもよい。クライアント及びサーバは一般に互いに離れて設置され、且つ一般に通信ネットワークによりインタラクションすることができる。対応するコンピュータに動作し且つ互いにクライアントとサーバの関係にあるコンピュータプログラムにより、クライアントとサーバの関係を生成する。
【0159】
本願の実施例の別の態様として、本願の実施例は前記任意の実施例に記載の車両測位装置、又は、前記実施例に記載の電子機器を含む車両を提供する。
【0160】
なお、上述した様々なプロセスを用いて、ステップのリアレンジ、追加又は削除を行うことができる。例えば、本願に記載の各ステップは並行して実行されてもよいし、順に実行されてもよいし、異なる順番で実行されてもよく、本願の技術的解決手段に期待される効果を実現できるものであれば、本明細書では特に限定されない。
【0161】
上述した特定の実施形態は、本願の保護範囲を限定するためのものではない。当業者に理解されるように、設計上の要求事項や他の要素に基づく様々な修正、組み合わせ、一部の組み合わせや置き換えが可能である。本願の趣旨を逸脱することなくなされた修正、同等な置き換え、改善などは、いずれも本願の保護範囲に含まれる。