(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】ブックブロック綴じのためのシステム及び装置並びにブックブロック綴じの方法
(51)【国際特許分類】
B42C 19/00 20060101AFI20230309BHJP
B42B 9/06 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
B42C19/00
B42B9/06
(21)【出願番号】P 2020536713
(86)(22)【出願日】2018-09-10
(86)【国際出願番号】 US2018050216
(87)【国際公開番号】W WO2019051383
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-08-13
(32)【優先日】2017-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515165557
【氏名又は名称】ライトニング ソース エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】クビアク ペーター
(72)【発明者】
【氏名】シュトラッサー ヨーゼフ マルティン
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-269404(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02269823(EP,A1)
【文献】国際公開第2011/030723(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/160548(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2003/0185654(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42B 9/06
B42C 19/00-19/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能体と、
前記回転可能体に関連付けられた複数の固定動作ステーションと、
前記回転可能体に連結された複数のクランプであって、各々が少なくとも1つのワークピースを保持するよう構成された複数のクランプと、を備え、
前記回転可能体は、前記複数のクランプの各々を、前記複数の固定動作ステーションのうちの1以上へと回転させるよう構成され、
前記複数の固定動作ステーションは接着ステーションを備え、
前記接着ステーションは、複数のドラム及び複数のスクレーパを有する接着ハウジングを備える、マルチクランプ綴じ装置。
【請求項2】
前記複数の固定動作ステーションはカバーステーションを備え、
前記カバーステーションは、
カバーを受け取るよう構成された供給部と、
筋付け部と、
事前トリム切断部と、
ニッピング部と、
前記供給部と、前記筋付け部と、前記事前トリム切断部と、前記ニッピング部と、のうちの2以上の間でカバーを輸送するよう構成された把持部と、を備える、請求項1に記載のマルチクランプ綴じ装置。
【請求項3】
前記ニッピング部は、
前記カバーステーションの動作の少なくとも一部の間、前記カバーを定位置に保持するよう構成された吸引板と、
押圧部と、
前記カバーを前記少なくとも1つのワークピースと接触させるよう構成された昇降モータと、を備える、請求項2に記載のマルチクランプ綴じ装置。
【請求項4】
前記複数の固定動作ステーションはカバーステーションを備え、
前記カバーステーションは、
カバーを受け取るよう構成された供給部と、
前記少なくとも1つのワークピースに対する前記カバーの少なくとも一部の位置及び相対配向のうちの少なくとも1つを決定するよう構成された配向プロセッサと、
前記カバーを予め定められたレイアウトにトリミングするよう構成された事前トリム切断部と、
前記少なくとも1つのワークピースに対する前記カバーの前記少なくとも一部の前記位置及び前記相対配向のうちの決定された少なくとも1つに従って、前記カバーステーションの動作の少なくとも一部の間、前記カバーを定位置に保持するよう構成された吸引板を有するニッピング部と、を備える、請求項1に記載のマルチクランプ綴じ装置。
【請求項5】
前記複数の固定動作ステーションは、インフィードステーションと、紙揃えステーションと、切削ステーションと、接着ステーションと、カバーステーションと、デリバリーステーションと、を備える、請求項1に記載のマルチクランプ綴じ装置。
【請求項6】
前記複数の固定動作ステーションは切削ステーションを備え、
前記切削ステーションは、
切削機を有する切削ハウジングと、
前記切削ハウジングを前記少なくとも1つのワークピースに接触させるとともに、切削動作中の少なくとも一部の間に前記切削ハウジングを前記少なくとも1つのワークピースに対して輸送するよう構成された切削輸送部と、を備える、請求項1に記載のマルチクランプ綴じ装置。
【請求項7】
前記接着ステーションは、
前記ドラムを前記少なくとも1つのワークピースに接触させるとともに、前記少なくとも1つのワークピースに接着剤を塗布するために接着動作の少なくとも一部の間に前記接着ハウジングを前記少なくとも1つのワークピースに対して輸送するよう構成された接着輸送部を備える、請求項1に記載のマルチクランプ綴じ装置。
【請求項8】
前記接着ステーションは、
接着剤貯蔵部と、
前記接着剤貯蔵部に連結された接着剤注入管と、
前記接着剤貯蔵部に連結された充填レベルセンサと、をさらに備える、請求項1に記載のマルチクランプ綴じ装置。
【請求項9】
前記接着ステーションは、第1及び第2ノズルにそれぞれ連結された第1及び第2接着剤注入管を有する側部接着部をさらに備え、
前記側部接着部は、前記第1及び第2ノズルの少なくとも1つを用いて、前記第1及び第2接着剤注入管の少なくとも1つから前記少なくとも1つのワークピースの少なくとも1つの表面に接着剤を塗布するよう構成された、請求項1に記載のマルチクランプ綴じ装置。
【請求項10】
前記側部接着部は、前記少なくとも1つのワークピースの対向する外面に接着剤を塗布するよう構成された、請求項9に記載のマルチクランプ綴じ装置。
【請求項11】
無線綴じを提供するためのシステムであって、
複数の固定動作ステーションを有するベース部と、
複数のクランプを有する回転可能部と、を備え、
前記複数のクランプの各々は、少なくとも1つのブックブロックを保持するよう構成されるとともに、前記複数の固定動作ステーションのうちの少なくとも1つに対応するよう構成され、
前記回転可能部は、前記複数のクランプの各々を、前記複数の固定動作ステーションのうちの1以上へと回転させるよう構成され、
前記複数の固定動作ステーションの各々は、前記少なくとも1つのブックブロックに対応する少なくとも1つの動作を行うよう構成され、
前記複数の固定動作ステーションは接着ステーションを備え、
前記接着ステーションは、複数のドラム及び複数のスクレーパを有する接着ハウジングを備える、システム。
【請求項12】
前記複数の固定動作ステーションはカバーステーションを備え、
前記カバーステーションは、
カバーを受け取るよう構成された供給部と、
筋付け部と、
事前トリム切断部と、
ニッピング部と、
前記供給部と、前記筋付け部と、前記事前トリム切断部と、前記ニッピング部と、のうちの2以上の間でカバーを輸送するよう構成された把持部と、を備える、請求項
11に記載のシステム。
【請求項13】
前記ニッピング部は、
前記カバーステーションの動作の少なくとも一部の間、前記カバーを定位置に保持するよう構成された吸引板と、
押圧部と、
前記カバーを前記少なくとも1つのブックブロックと接触させるよう構成された昇降モータと、を備える、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の固定動作ステーションはカバーステーションを備え、
前記カバーステーションは、
カバーを受け取るよう構成された供給部と、
前記少なくとも1つのブックブロックに対する前記カバーの少なくとも一部の位置及び相対配向のうちの少なくとも1つを決定するよう構成された配向プロセッサと、
前記カバーを予め定められたレイアウトにトリミングするよう構成された事前トリム切断部と、
前記少なくとも1つのブックブロックに対する前記カバーの前記少なくとも一部の前記位置及び前記相対配向のうちの決定された少なくとも1つに従って、前記カバーステーションの動作の少なくとも一部の間、前記カバーを定位置に保持するよう構成された吸引板を有するニッピング部と、を備える、請求項
11に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の固定動作ステーションは、インフィードステーションと、紙揃えステーションと、切削ステーションと、カバーステーションと、デリバリーステーションと、を備える、請求項
11に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の固定動作ステーションは切削ステーションを備え、
前記切削ステーションは、
切削機を有する切削ハウジングと、
前記切削ハウジングを前記少なくとも1つのブックブロックに接触させるとともに、切削動作中の少なくとも一部の間に前記切削ハウジングを前記少なくとも1つのブックブロックに対して輸送するよう構成された切削輸送部と、を備える、請求項
11に記載のシステム。
【請求項17】
前記接着ステーションは、
前記ドラムを前記少なくとも1つのブックブロックに接触させるとともに、前記少なくとも1つのブックブロックに接着剤を塗布するために接着動作の少なくとも一部の間に前記接着ハウジングを前記少なくとも1つのブックブロックに対して輸送するよう構成された接着輸送部を備える、請求項
11に記載のシステム。
【請求項18】
前記接着ステーションは、
接着剤貯蔵部と、
前記接着剤貯蔵部に連結された接着剤注入管と、
前記接着剤貯蔵部に連結された充填レベルセンサと、をさらに備える、請求項
11に記載のシステム。
【請求項19】
前記接着ステーションは、第1及び第2ノズルにそれぞれ連結された第1及び第2接着剤注入管を有する側部接着
部をさらに備え、
前記側部接着部は、前記第1及び第2ノズルの少なくとも1つを用いて、前記第1及び第2接着剤注入管の少なくとも1つから前記少なくとも1つのブックブロックの少なくとも1つの表面に接着剤を塗布するよう構成された、請求項
11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ブックブロック綴じ(book block binding)のためのシステム及び装置並びブックブロック綴じの方法に関する。より具体的には、本発明は、ブックブロック印刷の効率を最大にするための分離工程を有する回転可能無線綴じ手段(rotatable perfect binding solution)を提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
既存の綴じ機のコンセプトには多くの欠陥がある。そのような綴じ機のコンセプトの1つは、連続的な動きを提供するというものである。連続的な動きを実行するシステムでは、処理及びクランプ輸送が連続的に行われる場合がある。しかしながら、処理はクランプと同期していなければならず、クランプ速度は切削速度に制限される。そのため、厚い本については速度が制限され、輸送時間は処理サイクルと等しくなる。この手段は、複雑な同期及び不要な損耗をもたらす。
【発明の概要】
【0003】
別の既存の綴じ手段は、動いている状態及び静止状態の両方において処理を実行するものに関する。この場合、クランプ速度は切削速度と等しく、したがって厚い本については速度が制限される。ブックブロック(book block)が静止状態にある時にニッピング(nipping)動作を行ってもよく、したがってニッピング時間に輸送時間を足したものが処理サイクルに等しくなる。この手段による1つの利益は、同期させる必要がないということである。この手段は簡単ではあるものの、比較的かなり時間がかかる処理である。
【0004】
さらに別の既存の綴じ手段は、独立したクランプを使用する。この手段では、クランプ動作とニッピング処理は切り離されており、したがって同期は不要である。しかしながら、この手段は複雑なクランプ移動システムを必要とする。
【0005】
当該分野では、従来技術における欠陥を克服するとともに、本毎に空中でフォーマット変更できる綴じ手段を提供するため及びフォーマット間の変更を素早く行う能力を提供する必要性がある。本明細書に記載の1つの手段は、綴じ処理の一部として修正された1つのみのカバーサイズを有するシステムを実現することに関する。本開示によって製造された印刷製品は、綴じた後にカバーの張り出しがなくかつ本の品質を可能な限り高くして製造することができる。また、本明細書において提供される手段は、オペレータにとって使い勝手が良いという利益ももたらす。
【0006】
本開示に沿った実施では、処理ステーションでの処理の機能と次の処理ステーションへの輸送の機能は分離されている。全ての処理、但し側部接着剤の塗布は除く場合もある、は、同じ作業工程で同時に行われてもよい。ブックブロックを保持するクランプは、作業工程中に動かす必要はない。切削刃とブックブロックの間の相対的な動きが切削ステーションにおいて必要となる。一般的な綴じ手段において、ブックブロックは、切削中にクランプにより動かされる。しかしながら、本開示に沿った実施では、クランプは動かす必要がない。代わりに、ブックブロックを保持するクランプではなく切削ステーションを動くように構成してもよい。このことは接着剤の塗布についても同じである。一般的な綴じシステムでは、クランプを接着剤塗布装置に対して動かすことによって接着剤が塗布される。しかしながら、本開示に沿った実施では、クランプは動かす必要がない。代わりに、接着ステーション(背部と側部)をブックブロックに対して動くように構成してもよい。
【0007】
各種システムでは、輸送工程が進行している間は、処理は行われない。処理ステーション(例えば切削及び接着ステーションなど)は、クランプが1工程動くのと同時に各々の開始位置に戻ってもよい。この分離された段階的処理の利点の1つは、切削とニッピング動作の二段階処理に起因する時間のロスを生じることなく、全クランプが一度に動かされ、かつ全クランプを静的につなぐ又は回転テーブルに搭載することができるという事実である。
【0008】
本開示に沿った実施は、綴じ処理とブックブロック輸送とを分離することが可能である。処理ステーションの動きにおいて切削と接着について相対的な動きがあり得る。本開示に沿った実施ではステーション間で輸送速度が高速でもよく、ブックブロックを処理間で輸送している間にブックブロックに関する1以上のフォーマットを変更してもよい。本明細書に記載したように全ての処理を同時に行うことで、綴じ作業は高速で、完全に可変的に行うことができるとともに、可動処理ステーション能力を提供することができる。
【0009】
本開示の一態様は、マルチクランプ綴じ装置に関する。マルチクランプ綴じ装置は、回転可能体と、前記回転可能体に関連付けられた複数の固定動作ステーションと、前記回転可能体に連結された複数のクランプと、を含む。前記複数のクランプの各々は、少なくとも1つのワークピースを保持するよう構成される。前記回転可能体は、前記複数のクランプの各々を、前記複数の固定動作ステーションのうちの1以上へと回転させる。
【0010】
本開示の別の態様は、無線綴じ装置によって完成した本を提供する方法に関する。前記方法は、ブックブロックを前記無線綴じ装置のインフィード位置で受け取ることで開始する。前記ブックブロックは前記無線綴じ装置の保持装置内に格納される。次に、前記ブックブロックは、複数の固定動作ステーション間で回転される。前記複数の固定動作ステーションの各々において前記ブックブロックに対して少なくとも1つの動作が行われる。完成した本は、前記無線綴じ装置のアウトフィード位置で送り出される。
【0011】
本開示のさらなる態様は、無線綴じを提供するためのシステムに関する。前記システムは、複数の固定動作ステーションを有するベース部と、複数のクランプを有する回転可能部と、を含む。前記複数のクランプの各々は、少なくとも1つのブックブロックを保持するとともに、前記複数の固定動作ステーションのうちの少なくとも1つに対応してもよい。前記回転可能体は、前記複数のクランプの各々を、前記複数の固定動作ステーションのうちの1以上へと回転させるよう構成される。前記複数の固定動作ステーションの各々は、前記少なくとも1つのブックブロックに対応する少なくとも1つの動作を行ってもよい。
【0012】
本発明の多数の他の目的、特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下の記載を読むことで当業者に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の態様に係る無線綴じ装置の実施例の部分上面図である。
【
図2】本開示の態様に係る
図1の無線綴じ装置の上から見た部分斜視図である。
【
図3】本開示の態様に係る回転可能部の実施例の上から見た部分斜視図である。
【
図4】本開示の態様に係るベース部の実施例の上から見た部分斜視図である。
【
図5】本開示の態様に係るクランプの実施例の上から見た部分斜視図である。
【
図6】本開示の態様に係る把持部の実施例の上から見た部分斜視図である。
【
図7】本開示の態様に係る切削ステーションによって使用される切削機の実施例の上から見た部分斜視図である。
【
図8】接着ステーションの一部の実施例の上から見た斜視図である。
【
図9】本開示の態様に係る側部接着部の実施例の斜視図である。
【
図10】本開示の態様に係るカバーステーションの実施例の上面図である。
【
図11】本開示の態様に係る無線綴じ装置の実施例の上面図である。
【
図12】本開示の態様に係るブックブロックを処理するためのプロセスの実施例を示す。
【
図13】本開示の態様に係るカバーを処理するためのプロセスの実施例を示す。
【
図14】本開示の態様に係る、組み合わされたブックブロック及びカバーを処理するためのプロセスの実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のさまざまな実施形態の製造及び使用について以下に詳細に記載するが、本発明は、さまざまな具体的な状況に組み込むことができる多くの適用可能な独創的コンセプトを提供することは、理解されるべきである。本明細書に記載の特定の実施形態は、本発明を製造及び使用するための具体的手段を単に説明するためのものであって、本発明の範囲を定めるものではない。
【0015】
図1~
図14を大まかに参照すると、ブックブロック綴じのためのシステム、装置及び方法を提供するための例示的なシステム、装置及び方法が示されている。各図に示す実施形態は他の実施形態と共通の構成要素及び特徴をシェアしていてもよく、同様の構成要素及び特徴には同じ参照符号を付すとともに不要な説明については以下では省略している。
【0016】
図1は、本開示の態様に係る無線綴じ装置100の実施例の部分上面図である。装置100は、複数の固定動作ステーション150a~150fを有するベース部110を含む。ベース部110を参照して説明及び記載しているが、各実施形態において、複数の固定動作ステーション150a~150fのうちの1以上をベース部110の外に配置してもよいこと、また複数の固定動作ステーション150a~150fのうちの1以上を移動可能に構成してもよいことは、理解されるべきである。装置100は、複数のクランプ140a~140fを有する回転可能体130を含む回転可能部160をさらに含む。一実施例では、回転可能体130は、回転ポイント120を中心に回転方向Rに回転するよう構成されている。
図2は、本開示の態様に係る
図1の無線綴じ装置の上から見た部分斜視図を示す。
【0017】
図1及び
図2の無線綴じ装置100は、6つの固定動作ステーション150a~150fを含む。固定動作ステーション150a~150fは、ワークピースWに対して動作を行うための1以上の装置を含んでもよい。ワークピースWは、ブックブロック、印刷製品若しくはその一部又は装置100を用いて連続的に処理され得るあらゆる他の要素でもよい。固定動作ステーション150は、インフィード(in-feed)ステーション150a、紙揃え(jogging)ステーション150b、切削ステーション150c、接着ステーション150d、カバーステーション150e及び/又はデリバリーステーション150fのうちの1以上を含んでもよい。固定動作ステーション150a~150fのうちの1以上は、空のステーションを含んでもよい、あるいは単一の固定動作ステーション150に対応する複数の動作及び/又はステーションを含んでもよい。6つのステーションを有することが示されているものの、装置100は、本開示の精神及び範囲を逸脱することなくあらゆる数の固定動作ステーション150を含んでもよい。さらに、円形の構成として示されているものの、固定動作ステーション150のうちの1以上を、ベース部110内のあらゆるポイントに配置してもよい。
【0018】
インフィードステーション150aは、外部源から少なくとも1つのワークピースWを受け取るよう構成されてもよい。インフィードステーション150aは、
図6を参照して以下に記載するような少なくとも1つの把持部600を含んでもよい。把持部600は、コンベアなどの外部源からワークピースW(例えばブックブロック)を受け取るよう構成されてもよい。ワークピースWは、受取角度にてインフィードステーション150aにより受け取られてもよい。把持部600は、ワークピースWを受取角度に対して所定の角度又は位置に回転させるよう構成されてもよい。例えば、装置100での使用のために、把持部600は、ワークピースWを鉛直配置に回転させてもよい(例えば、水平配置から鉛直配置)。把持部600は、把持部600の調整可能部の表面をワークピースWの表面と接触させることによって、受け取ったワークピースWの厚さを測定するよう構成されてもよい。把持部600は、
図1及び
図2においてインフィードステーション150aに配置されたクランプ140aにワークピースWの少なくとも一部を移動させるよう構成されてもよい。
【0019】
ジョガー150bは、装置100のクランプ140を介して及び/又は内部若しくは外部源からワークピースWを受け取るよう構成されてもよい。ジョガー150bは、一実施例では振動コンベアでもよい。ジョガー150bは、ワークピースWの少なくとも一部をレジストレーション縁と整列させる又はレジストレーション縁に向けて輸送するよう構成されてもよい。ジョガー150bは、ワークピースWをジョガー150bに提供するよう構成されたクランプ140からワークピースWを受け取ることで動作してもよい。受け取られたワークピースWは、振動コンベアのレジストレーション縁へと振動コンベアの長さに沿って走らされてもよく、レジストレーション縁にてクランプ140が閉じることでワークピースWが固定される。次に、ワークピースWは、クランプ140の回転を介して、内部又は外部貯蔵部位置などに設けられた固定動作ステーション150のうちの少なくとも他の1つに輸送されてもよい。
【0020】
切削ステーション150cは、装置100のクランプ140を介して及び/又は内部若しくは外部源からワークピースWを受け取るよう構成されてもよい。切削ステーション150cは、切削装置を有する切削ハウジング420cを含んでもよい。切削ステーション150cは、例えば接着剤の付着を最適化するためにワークピースW上に粗い表面を形成するよう構成されてもよい。一実施例では、切削ステーション150cはワークピースWの背部を切削するよう構成される。切削ステーション150cの1以上の構成要素は、切削の際に屑の形成を最小にするよう及び/又はワークピースの背部から屑と塵を除去するよう選択される又はそのような結果をもたらすよう実装される。
【0021】
切削ステーション150cは、切削モータ422及び/又はトラック424を含んでもよい。切削ステーション150cは、切削ハウジング420cをワークピースWと接触させるとともに、切削動作の少なくとも一部の間に切削ハウジング420cをワークピースWに対して輸送するよう構成された切削輸送部(例えば切削モータ422及び/又はトラック424)をさらに含んでもよい。例えば、切削ハウジング420cは、切削ハウジング420cを輸送可能なトラック424又は他の運搬手段に連結されてもよい。切削ハウジング420cは、切削モータ422及びトラック424を用いて方向D1に移動するよう構成されてもよい。切削モータ422及びトラック424を参照して記載したが、切削輸送部はモータ/トラック構成のみに限定されるものではなく、切削ハウジング420cを方向D1に沿って運搬するあらゆる手段でもよいことは理解されるべきである。
【0022】
一実施例では、装置100は、切削ハウジング420cをワークピースWに接触させるとともにワークピースWの表面にわたって輸送することで、切削動作が行われている間、ワークピースWをクランプ140c内に静止状態で保持するよう構成される。例えば、クランプ140cは、切削動作中に切削ハウジング420cが方向D1に沿って移動された時に背部が切削ハウジング420cと接触するような配置で、ワークピースWを保持するよう構成されてもよい。切削ステーション150cに関する追加の詳細は
図7を参照して後述する。
【0023】
接着ステーション150dは、装置100のクランプ140を介して及び/又は内部若しくは外部源からワークピースWを受け取るよう構成されてもよい。
図8は、接着ステーション150dの一部の実施例の上から見た斜視図である。接着ステーション150dは、ハウジング802、ドラム804、スクレーパ806及び/又は充填レベルセンサ808のうちの少なくとも1つを含んでもよい。接着ステーション150dは、接着剤の少なくとも一部をワークピースWの表面に塗布するよう構成されてもよい。例えば、接着ステーション150dは、接着剤をワークピースWの背部に塗布するよう構成されてもよい。接着ステーション150dは、ドラム804及び充填レベルセンサ808に連結された又はこれらによってアクセス可能な接着剤貯蔵部(非図示)を含んでもよい。ドラム804は、ワークピースWの少なくとも一部に接着剤を塗布するよう構成される。スクレーパ804は、ドラム804による接着剤の塗布の開始及び終了位置を制御するよう及びドラム804により塗布された余分な接着剤を除去するよう構成される。スクレーパ806の角度は塗布された接着剤の厚さを制御するよう構成されてもよい。
【0024】
一実施例では、接着ステーション150dによって塗布される接着剤はエチレン酢酸ビニル(EVA)ホットメルト接着剤であるが、本開示の精神及び範囲内において、本明細書に記載のように作用することが可能なあらゆる接着剤又は粘着性物質を用いてもよい。
図8の実施例では、2つのドラム804及び2つのスクレーパ806が示されているが、様々な実施形態において、ドラム804及び/又はスクレーパ806は、各々1つ又は複数、実装されてもよい。1以上のドラム804は、ワークピースWに塗布された接着剤を滑らかにするために、加熱されたスピナーとして又はこれと共に構成されてもよい。
【0025】
ワークピースWの背部に接着剤を塗布することに加え又は替えて、側部接着部によってワークピースWの少なくとも1つの側部に接着剤を塗布してもよい。
図9は、本開示の態様にかかる側部接着部900の実施例の上から見た斜視図を示す。側部接着部900は、第1及び第2ノズル904a,904bにそれぞれ連結された第1及び第2接着剤注入管902a,902bを含む。側部接着部900は、第1及び第2ノズル904a,904bの少なくとも1つを用いて、第1及び第2接着剤注入管902a,902bの少なくとも1つからワークピースWの少なくとも1つの表面に接着剤を塗布するよう構成されてもよい。ノズル904a,904bは、ワークピースWの幅に対応する幅W
n離れて互いに対向するよう構成されてもよい。種々の実施形態では、側部接着部900は1つのノズル904又は複数のノズル904を有して構成されてもよい。対向配置を参照して図示及び記載しているものの、1以上のノズル904を1以上の他のノズル904に対して独立して配置してもよいこと、及び1以上のノズル904を側部接着部900の1以上の動作中において接着剤を提供しないよう構成してもよいことは理解されるべきである。
【0026】
側部接着部900は、EVAホットメルト接着剤又は本明細書に記載のように作用することが可能なあらゆる他の接着剤若しくは粘着性物質を用いるよう構成されてもよい。1以上のノズル904の使用によって、側部接着部900は、接着剤の塗布のための正確な開始及び終了位置を提供することが可能となるとともに、例えば開口寸法及びワークピースWに対する角度などのノズル特性に基づき正確な接着剤使用量を提供することが可能となる。幅Wnは、例えばワークピースWの幅に応じて自動又は手動で決定又は実現してもよい。1以上の例では、側部接着部900は、ワークピースWが接着剤を全く塗布されずに側部接着部を通過できるよう構成されてもよい。側部接着部900は、1以上のニードル904から過度の接着剤が落ちるのを回避するために1以上のニードル弁(非図示)を含んでもよい。1以上の接着剤注入管902は、連続的に動くために特定された1以上の特性に少なくとも部分的に基づいて選択されてもよい。
【0027】
カバーステーション150eは、装置100のクランプ140を介して及び/又は内部若しくは外部源からワークピースWを受け取るよう構成されてもよい。
図10は、本開示の態様に係るカバーステーション1000の実施例の上面図を示す。カバーステーション150eは、供給部1002、筋付け部(scoring section)1004、事前トリム切断部1006、ニッピングステーション1008及び/又は把持部1010の少なくとも1つを含んでもよい。供給部1002は、内部又は外部源からカバーステーション150eに手動供給又は自動供給されたカバーを受け取る。カバーステーション150eにて受け取られたカバーは、把持部1010によってカバーステーション150eの2以上の部分間を輸送されてもよい。把持部1010は、カバーステーション150eのエリア間で把持部1010を輸送するよう構成されたトラック1012又は他の運搬手段に連結されてもよい。ここではトラックとして記載したが、把持部1010は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなくトラックベースであってもなくてもよいあらゆる移動手段によって動かされてもよいことは、理解されるべきである。
【0028】
筋付け部1004は、供給部1002にて受け取られたカバーに対して少なくとも1つの筋付け(scoring)動作を選択的に実行するよう構成された少なくとも1つの筋付け装置1005を含んでもよい。把持部1010は、動作のためにカバーを筋付け部1004に運ぶよう構成されてもよい。一実施例では、筋付け部1004は、把持部1010がカバーをトラック1012に沿って筋付け部1004を通って輸送する際に、把持部1010によって保持されたカバーの向きに応じて、カバーに対して少なくとも1つの筋付け動作を行ってもよい。事前トリム切断部1006は、少なくとも1つの切断部1007を含んでもよい。事前トリム切断部1006は、カバーに対して少なくとも1つの切断動作を実行するよう構成されてもよい。例えば、事前トリム切断部は、カバーに関連する1以上のパラメータ及び/又は把持部1010によって保持されたカバーの向きに応じて、カバーのサイズを減少させるよう構成されてもよい。
【0029】
ニッピングステーション1008は、吸引板1014、押圧ステーション1016及び昇降モータ1018のうちの少なくとも1つを含んでもよい。ニッピングステーション1008は、把持部1010からカバーを受け取るよう構成されてもよい。吸引板1014は、カバーステーション150eの動作の少なくとも一部の間、カバーを定位置に保持するよう構成されてもよい。押圧ステーション1016は、調整可能押圧板1020及び固定押圧板1022を含む。調整可能押圧板1020と固定押圧板は両方、ワークピースWの少なくとも1つの特性に応じて位置決め及び/又は移動されるよう構成されてもよい。例えば、一実施例では、調整可能押圧板1020及び固定押圧板1022の少なくとも1つは、ニッピングステーション1008による動作が行われるワークピースの幅に応じて位置決めされてもよい。昇降モータ1018は、一実施形態ではサーボとして動作するよう構成されてもよい。カバーの張り出しは、完成したワークピースのデリバリー(例えばカバーステーション150e及び/又はデリバリーステーション150fによる)の前にトリミングされてもよい。
【0030】
カバーステーション150eの少なくとも1つの構成要素は、少なくとも1つの動作を実行若しくは調整するプロセッサ1020を含む又はプロセッサ1020へアクセスできる。一実施例では、プロセッサ1020は、把持部1010と協働して、ワークピースWに対するカバーの少なくとも一部の位置及び相対配向の少なくとも1つを決定する(例えば、無線(RF)タグ識別子の取得、把持部1010又は装置100の他の要素によって得られた画像のスキャンをすることなどによる無線識別によって決定する)。筋付け部1004及び/又は事前トリム切断部1006の少なくとも1つの動作は、決定されたワークピースWに対するカバーの少なくとも一部の位置又は相対配向の少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいて、実行されてもよい。
【0031】
一般的な無線綴じ機とは異なり、本開示と一致する様々な実施形態において、カバーをローラ及びガイドを用いて運搬する必要はない。代わりに、(例えば、ポータル又は産業用多軸ロボットに搭載されたようにして)把持部1010がカバーの動きを制御してもよい。カバーは、手動又は自動の何れかで、把持部1010のためのピックアップ位置に位置付けられてもよい。一実施形態において、把持部1010がカバーを拾い上げる前に、印刷マーク、したがって画像の位置及び/又は配向の少なくとも1つが取得、識別又は決定される。加えて又は代替的に、この位置又は配向は、内部若しくは外部源からカバーステーション150eに提供されてもよく、あるいはカバーが把持部1010に所持されて輸送されている間に決定されてもよい。このように、把持部1010のための正確なピックアップ位置をもたらすのは紙の縁の位置ではない。したがって、シートサイズ又はシート上の画像の位置の公差は重要ではない。
【0032】
把持部1010は、カバーと関連する画像又は印刷マークの正確な位置及び配向を識別又は決定するよう構成されてもよく、カバーを筋付け部1004及び/又は事前トリム切断部1006の少なくとも1つに輸送することができる。筋付け部1004及び/又は事前トリム切断部1006の動作中、把持部1010は正しい位置付けを確保するために常にカバーを保持するよう構成されてもよい。動作が完了した後、把持部1010は、準備されたカバーをニッピングステーション1008の上に位置付けるよう構成されてもよい。ここでは、カバーは、把持部1010がカバーを解放したときにカバーが少しでも滑ることを回避するために、吸引(例えば真空)板又は別の種類の保持機構によって定位置に保持される。これによって、筋付けの位置及びワークピースに対するカバー画像の位置が確保される。
【0033】
図11は、本開示の態様に係る無線綴じ装置1100の実施例の上から見た上面図を示す。
図1及び
図2に示す実施例と同様に、無線綴じ装置1100は、インフィードステーション150a、紙揃えステーション150b、切削ステーション150c、接着ステーション150d、カバーステーション150e及び/又はデリバリーステーション150fを含む。ワークピースWはインフィードステーション150aにて受け取られ、紙揃えステーション150b、切削ステーション150c、接着ステーション150d、カバーステーション150e及び/又はデリバリーステーション150fのうちの1以上による動作がワークピースWに対して行われてもよい。インフィードステーション、紙揃えステーション150b、切削ステーション150c、接着ステーション150d、カバーステーション150e及び/又はデリバリーステーション150fのうちの1以上に関連する1以上の装置は、ベース部110に搭載、連結又は関連付けられてもよい。
【0034】
図11に示す実施例は、切削ステーション150cに含まれる切削ハウジング420cと、切削動作中の切削ハウジング420cの移動に関連する移動方向D1と、を示す。
図11は、接着ステーション150dのハウジング802と、接着ステーション150dのハウジング802の移動に関連した移動方向D2と、を示す。切削ステーション150c及び/又は接着ステーション150dの1以上の構成要素は、ベース部110及び回転可能部160の少なくとも1つに接続、連結又は関連付けられてもよい。一実施例では、切削ステーション150c及び接着ステーション150dの各々の少なくとも一部は、ベース部110に連結される。ワークピースWは、
図11に示す実施例ではインフィードステーション150aで受け取られてデリバリーステーション150fによって送り出されるよう構成される。
【0035】
図3は、本開示の態様に係る回転可能部160の実施例の上から見た斜視図を示す。回転可能部160は、回転可能体130の複数のアームに連結された複数のクランプ140a-fを含む。1以上のクランプ140a-fは、回転可能体130の各アームの外側の範囲に位置するものとして図示されているものの、さまざまな実施形態において、回転可能体130の何れかのアームに沿ったあらゆる位置に位置することができることが理解されるべきである。回転可能部160は、回転可能体130の1以上の部分を接続するよう構成された1以上のクロスメンバー310を含んでもよい。回転可能部160は、中央部320をさらに含んでもよい。中央部320のなかには、回転ポイント340を有する回転手段330が配置されている。回転手段330は、回転可能部160を回転ポイント340の周りで回転させるよう構成されたあらゆる構造又は実体であってもよい。例えば、回転手段330は、本明細書に記載の様に回転可能部を回転させるよう構成されたモータを含んでもよい。加えて又は代替的に、回転手段330は、(例えばベース部110によって提供されるような)外部モータなどの回転源に連結された部分を含んでもよい。
【0036】
図4は、本開示の態様に係るベース部400の実施例の上から見た部分斜視図を示す。ベース部400は、ハウジング410、中央軸430及び/又は制御ユニット440を含む。1以上の固定動作ステーション150a~150fは、本明細書においてこれまでに記載したようにベース部400に連結又は関連付けられてもよい。中央軸430は、一実施形態において、(例えばベース部400に関連付けられたモータを介して)回転可能部160に回転エネルギーを提供するよう構成されてもよい。加えて又は代替的に、中央軸430は、回転可能部160が中央軸430と接触しているときに、静止状態を維持するよう又は回転可能部160に関連する回転に部分的に基づいて回転するよう構成されてもよい。また
図4は、切削ハウジング420cの移動に関連する移動方向D1及び接着ステーション150dのハウジング802の移動に関連する移動方向D2を示す。切削ステーション150cは、切削ハウジング420cに関連付けられ、動作中に切削ハウジング420cに移動電力及び制御を与えるよう構成されたモータ422をさらに含んでもよい。同様に、接着ステーション150dは、ハウジング802に関連付けられ、動作中にハウジング802に移動電力及び制御を与えるよう構成されたモータ426を含んでもよい。
【0037】
制御ユニット440は、回転可能部160及び/又はベース部400の少なくとも1つと関連する1以上の動作を制御するよう構成された1以上のプロセッサ又は装置を含んでもよい。加えて又は代替的に、制御ユニット440は、1以上の有線又は無線の公共の又はプライベートの通信ネットワークを介して、外部の実体(例えば遠隔コンピュータ又はコントローラ)から受けた1以上の操作又は制御信号に応じて動作するよう構成されてもよい。ベース部440を参照して図示及び記載したが、本開示の精神及び範囲を逸脱することなく、制御ユニット440に関連する1以上の部分又は動作を装置100に関連する物理的位置又は遠隔位置において実現してもよいことは、理解されるべきである。
【0038】
図5は、本開示の態様に係るクランプ500の実施例の上から見た斜視図を示す。クランプ500は、本体502と、加圧シリンダ504、プッシャー506、押圧板508、固定縁510及びオープナーシリンダ512のうちの少なくとも1つと、を含む。クランプ500は、一実施例では隆起部160に連結されてもよい。(複数の)加圧シリンダ504は、プッシャー506を介して押圧板508に連結されてもよい。ワークピースWは、加圧シリンダ504を介する押圧板508の移動を介して固定縁510と押圧板508との間に位置付けられて保持されるよう構成されてもよい。(複数の)加圧シリンダ504は、クランプ500に関連付けられた少なくとも1つの制御ユニット及び/又はクランプ500に通信可能に連結可能なプロセッサ若しくは制御ユニット(例えば制御ユニット440又は他のコントローラ若しくはプロセッサ)によって制御されてもよい。上述のように、クランプ500は、装置100の動作中にインフィードステーション150a又は任意のポイントにてワークピースWの厚さを測定するよう構成されてもよい。
【0039】
図6は、本開示の態様に係る把持部600の実施例の側面斜視図を示す。把持部600は、固定側部602、調整可能側部604、調整モータ606、回転モータ608及び昇降シリンダ610のうちの1以上を含む。把持部600は、把持部600に関連付けられた少なくとも1つの制御ユニット(非図示)及び/又は保持部600に通信可能に連結可能なプロセッサ若しくは制御ユニット(例えば制御ユニット440又は他のコントローラ若しくはプロセッサ)によって制御されてもよい。把持部600は、回転モータ608を用いて上に記載したように角度のある回転を提供するよう構成されてもよい。調整可能側部604と固定側部602の間の距離は、固定側部602に対する調整可能側部604の位置を調整することによって調整モータ606を用いて変更してもよい。動作中、インフィードステーション150aにて受け取られたワークピースWは、クランプ140aに輸送するために調整可能側部604と固定側部602との間に配置されてもよい。把持部600は受け取ったときの状態でワークピースWを保持し、ワークピースWを縦置きとなるように回転させ、ワークピースWを少なくとも部分的にクランプ140a内に配置し、そしてクランプ140aに輸送するためにワークピースWを選択的に開放するよう構成されてもよい。
【0040】
図7は、本開示の態様に係る切削ステーション150cによって用いられる切削機の実施例の上から見た部分斜視図を示す。切削機700は、切削モータ702に連結された切削装置708を含む。切削機は、固定端止め部704及び調整可能押圧縁706をさらに含む。固定端止め部704と調整可能押圧縁706の対向面間の距離は、切削機700による動作が行われるワークピースWの幅に対応するよう調整されてもよい。固定端止め部704と調整可能押圧縁706の間の幅についての調整は、切削機700によって(例えば、切削機700により生成若しくは受信された制御信号を用いて、又は切削機700により動作が行われる際のワークピースWによる調整可能押圧縁706の物理的移動によって)手動又は自動の何れかで実行されてもよい。
【0041】
図12は、本開示の態様に係るブックブロックを処理するためのプロセスの実施例を示す。プロセス1200は、工程1201で開始し、この工程ではブックブロックが無線綴じ装置のインフィードステーションを介して受け取られる。プロセスは工程1202に続き、この工程でブックブロックは無線綴じ装置のジョガー部に輸送され、ジョガー部はブックブロックに対して紙揃え動作を行う。工程1203において、ブックブロックは無線綴じ装置の切削部に輸送され、ブックブロックに対して切削動作が選択的に行われる。ブックブロックは、次に、工程1204において背部接着部に輸送され、ここで背部接着部は背部接着動作を選択的に行う。プロセスは次に工程1205に続き、この工程でブックブロックはオプションで側部接着部に輸送され、側部接着部はブックブロックに対して側面接着動作を行う。プロセスは次に工程1401に続く。
【0042】
図13は、本開示の態様に係るカバーを処理するためのプロセスの実施例を示す。プロセス1300は工程1301で開始し、この工程ではカバーステーションと関連するインフィード部においてカバーが受け取られる。工程1302において、カバーの位置及び配向のうちの少なくとも1つが決定される。プロセスは工程1303に続き、この工程ではカバーの少なくとも1つの側部(例えば長辺側)がトリミングされる。工程1304においてカバーの少なくとも一部が筋付けされる。プロセスは次に工程1401に続く。カバーステーションに関連する把持部は、少なくとも1つの位置又は配向を決定するのに用いてもよく、さらに、カバーステーションによる動作のために、カバーを決定された配向で輸送するよう構成されてもよい。
【0043】
図14は、本開示の態様に係る、組み合わされたブックブロック及びカバーを処理するためのプロセスの実施例を示す。プロセス1400は工程1401で開始し、この工程ではブックブロック及びカバーがカバーステーションによって受け取られる。ブックブロックは、カバーステーションにおいて無線綴じ装置のクランプから受け取られてもよい。カバーは、カバーステーションのインフィード部において受け取られてもよい。工程1402において、組み合わされたブックブロック及びカバーに対してニッピング動作が行われてもよい。工程1403において、組み合わされたブックブロック及びカバーの短辺側に対するトリミングを行ってもよい。工程1404において、完成した本を送ってもよい。完成した本は、例えば、完成した本を送り出すよう構成されたデリバリーステーションに又はデリバリーステーションを介して、送られてもよい。
【0044】
本明細書に記載の実施形態の理解を容易にするために、多数の用語について以下に定義する。本明細書において定義された用語は、本発明と関係のある分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。「a」、「an」及び「the」などの用語は単数形のみであることを意図しておらず、説明のために具体的な例が用いられ得る一般的なクラスを含む。本明細書に記載の用語は、本発明の具体的な実施形態の説明のために用いられるが、その使用は特許請求の範囲における記載を除き本発明を定めるものではない。本明細書で用いる「一実施例において」とのフレーズは、必ずしも同じ実施形態を参照するものではないが、同じ実施形態を参照するものであってもよい。
【0045】
「回路」との用語は、アクティブ及び/又はパッシブの何れかである、互いに連結されて所望の機能を提供する単一又は複数の構成要素の何れかを少なくとも意味する。「ワイヤ」、「ワイヤリング」、「ライン」、「信号」、「伝導体」及び「バス」などの用語は、回路におけるあるポイントから別のポイントに信号を物理的に伝達するためのあらゆる周知の構造、構成、配置、手法、方法及び/又はプロセスを参照するのに用いることができる。また、本明細書に用いる文脈において特に記載のない限り、「既知」、「固定」、「与えられた」、「所定」及び「予め定められた」との用語は、通常、理論的に可変であるが典型的には事前に設定されその後使用時に変化しない値、量、パラメータ、制限、条件、状態、プロセス、手順、方法、実施又はこれらの組み合わせを指す。
【0046】
本明細書において用いる、とりわけ「できる」、「し得る」、「してもよい」、「例えば」などの条件付き言語は、特に記載のない限り又は用いられる文脈の中で他の意味で理解される場合を除き、通常、特定の実施形態が特定の特徴、要素及び/又は状態を含み、他の実施形態はこれらを含まないこと伝えることを意図する。したがって、そのような条件付き言語は、通常、特徴、要素及び/若しくは状態がなんらかの形で1以上の実施形態に必要であること、あるいは1以上の実施形態が、これらの特徴、要素及び/若しくは状態があらゆる特定の実施形態に含まれる若しくはその中で実施されるか否かを著者の入力若しくは助長を有して若しくは有さずに決定するためのロジックを必ず含むことを意味することを意図していない。
【0047】
上記の詳細な記載は説明を目的として提供されている。したがって、新規の有用な発明の特定の実施形態を記載したものの、このような参照が、特許請求の範囲に記載されている場合を除き、本発明の範囲を限定することは意図していない。