(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】金属酸化物感光性樹脂組成物、これを利用して製造されたカラーフィルターおよび画像表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 5/20 20060101AFI20230309BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20230309BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
G02B5/20 101
G02F1/1335 505
G03F7/004 501
G03F7/004 505
(21)【出願番号】P 2021020479
(22)【出願日】2021-02-12
(62)【分割の表示】P 2019521690の分割
【原出願日】2017-08-24
【審査請求日】2021-02-12
(31)【優先権主張番号】10-2016-0140071
(32)【優先日】2016-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0084121
(32)【優先日】2017-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンジュン・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ジュホ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヒョンジュ・キム
(72)【発明者】
【氏名】サンフン・ホン
【審査官】岩井 好子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103917000(CN,A)
【文献】特開2016-098375(JP,A)
【文献】特開2013-195697(JP,A)
【文献】特開2001-290021(JP,A)
【文献】特開2013-156304(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
G02F 1/1335
G03F 7/004
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤色量子ドットを含む赤色パターン層、緑色量子ドットを含む緑色パターン層及び青色パターン層を含むカラーフィルターの青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物において、
平均粒径が30~300nmである金属酸化物を含む散乱粒子、及び青色着色剤を含み、
前記金属酸化物は、Li、Be、B、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Mo、Cs、Ba、La、Hf、W、Tl、Pb、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Ti、Sb、Sn、Zr、Nb、Ce、Ta、Inおよびこれらの組合せよりなる群から選ばれる1以上の酸化物を含み、
前記散乱粒子は、前記
青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物の全体100重量部に対して5~30重量部を含み、
前記青色着色剤は、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、15:6、16、21、28、60、64、76およびこれらの組合せよりなる群から選ばれる1以上の青色顔料を含み、
前記青色着色剤は、前記
青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物の全体100重量部に対して1~20重量部を含み、
ただし、
前記青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物が青色量子ドットを含まず、青色光を発光する光源とともに用いることにより青色画素の役割をする青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記金属酸化物は、Al
2O
3、ZnO、ZrO
2、BaTiO
3、TiO
2、Ta
2O
5、Ti
3O
5、ITO、IZO、ATO、ZnO-Al、Nb
2O
3、SnO、MgOおよびこれらの組合せよりなる群から選ばれる1以上を含むものである、請求項1に記載の青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記青色着色剤は、染料および紫色顔料よりなる群から選ばれる1以上をさらに含むものである、請求項1に記載の青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物。
【請求項4】
結合剤樹脂;光重合性化合物;光重合開始剤;溶剤;ならびにUV吸収剤、酸化防止剤および熱硬化剤よりなる群から選ばれる1以上の添加剤;よりなる群から選ばれる1以上をさらに含むものである、請求項1に記載の青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記熱硬化剤は、多官能脂環族エポキシ樹脂、シラン変性エポキシ樹脂およびノボラック型エポキシ樹脂よりなる群から選ばれる1以上を含むものである、請求項4に記載の青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記溶剤は、沸点が100~169℃である溶剤(A)および沸点が170~250℃である溶剤(B)を含むものである、請求項4に記載の青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物の硬化物を含む青色パターン層を含むカラーフィルター。
【請求項8】
前記カラーフィルターは、赤色パターン層および緑色パターン層よりなる群から選ばれる1以上をさらに含むものである、請求項7に記載のカラーフィルター。
【請求項9】
前記赤色パターン層または緑色パターン層は、量子ドットおよび散乱粒子を含むものである、請求項8に記載のカラーフィルター。
【請求項10】
前記散乱粒子は、平均粒径が30~300nmである金属酸化物を含むものである、請求項9に記載のカラーフィルター。
【請求項11】
請求項7に記載のカラーフィルターと;
青色光を放出する光源と;を含む画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の散乱粒子を含む金属酸化物感光性樹脂組成物、これを利用して製造されたカラーフィルターおよび画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラーフィルターは、白色光から赤色、緑色および青色の三つの色を抽出して微細な画素単位で可能にする薄膜フィルム型光学部品であって、一つの画素のサイズが数十から数百マイクロメートル程度である。このようなカラーフィルターは、それぞれの画素間の境界部分を遮光するために、透明基板上に定められたパターンで形成されたブラックマトリックス層およびそれぞれの画素を形成するために、複数の色(通常、赤色(R)、緑色(G)および青色(B))の三原色を定められた順序で配列した画素部が順に積層された構造を取っている。
【0003】
最近には、カラーフィルターを具現する方法の一つとして、顔料分散型の感光性樹脂を利用した顔料分散法が適用されているが、光源から照射された光がカラーフィルターを透過する過程で光の一部がカラーフィルターに吸収されて光効率が低下し、また、色フィルターに含まれている顔料の特性に起因して色再現が低下する問題点が発生している。
【0004】
特に、カラーフィルターが、各種画像表示装置をはじめとする多様な分野に使用されるに伴い、優れたパターン特性だけでなく、高い色再現率と共に、優れた高輝度、高明暗比のような性能が要求されているところ、このような問題を解決するために、量子ドットを含む自発光感光性樹脂組成物を利用したカラーフィルターの製造方法が提案された。
【0005】
特許文献1は、表示装置に関し、光の波長を変換させる多数個の波長変換粒子;および前記光から所定の波長帯の光を吸収する多数個のカラーフィルター粒子を含む色変換部を含む表示装置に関する内容を開示している。
【0006】
しかしながら、量子ドットを含むカラーフィルターの場合、量子ドットの効率、特に青色量子ドットの効率が劣るので、カラーフィルターの性能が多少低下し得、青色量子ドットの場合、高価であるため、全体的な製造費用が上昇する問題がある。
【0007】
一方、赤色および緑色量子ドットを含むカラーフィルターにおいて、既存の青色感光性樹脂組成物を利用して青色画素を形成させる場合、正面での発光強度および色純度に優れているが、側面での青色光発光強度が低下する問題があるので、カラーフィルターの輝度低下および色純度低下の問題がある。
【0008】
したがって、青色画素の効率の低下を防止し、製造コストを低減することができる感光性樹脂組成物の開発が要求されているのが現況である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国特許公開第2013-0000506号公報(2013.01.03.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、青色画素の視野角による効率低下を防止し、製造コストを低減することができる金属酸化物感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、前述した金属酸化物感光性樹脂組成物を利用して製造された青色パターン層を含むカラーフィルターを提供する。
【0012】
また、本発明は、前述したカラーフィルターと;青色光を放出する光源と;を含む画像表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するための本発明による青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物は、平均粒径が30~300nmの金属酸化物散乱粒子;を含み、ただし、量子ドットを含まないことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前述した青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物の硬化物を含む青色パターン層を含むカラーフィルターを提供する。
【0015】
また、本発明は、前述したカラーフィルターと;青色光を放出する光源と;を含む画像表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明による青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物は、量子ドットを含まず、特定の散乱粒子を含むことによって、製造コストの節減が可能であり、優れた視野角を有するカラーフィルターの製造が可能であるという利点がある。
【0017】
また、本発明による青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物で製造されたカラーフィルターおよび画像表示装置は、青色量子ドットの代わりに、特定の散乱粒子および青色光を発光する光源を含むので、優れた色再現特性と高い光効率を確保して、高品位の画質の具現が可能であることはもちろん、製造コストが低いという利点がある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0019】
本発明において任意の部材が他の部材「上に」位置しているというとき、これは、任意の部材が他の部材に接している場合だけでなく、二つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0020】
本発明において任意の部分が或る構成要素を「含む」というとき、これは、特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除くものでなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0021】
<青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物>
本発明の一様態は、平均粒径が30~300nmである金属酸化物を含む散乱粒子;を含み、ただし、量子ドットを含まない青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物に関する。
【0022】
具体的に、本発明による青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物は、平均粒径が30~300nmである金属酸化物を含む散乱粒子を含むことによって、青色量子ドットを含まないとしても、青色光を発光する光源と作用して青色画素の役割を行うことができるパターン層の製造が可能である。
【0023】
本発明による青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物は、量子ドットを除いては、前記散乱粒子の他にも光重合性化合物、光重合開始剤、結合剤樹脂、溶剤または添加剤をさらに含むことができるが、これらに限定されない。
【0024】
散乱粒子
本発明による青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物は、平均粒径が30~300nmである金属酸化物を含む散乱粒子を含む。
【0025】
本発明の一実施形態において、前記金属酸化物は、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Mo、Cs、Ba、La、Hf、W、Tl、Pb、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Ti、Sb、Sn、Zr、Nb、Ce、Ta、Inおよびこれらの組合せよりなる群から選ばれる1以上の酸化物を含むことができる。
【0026】
本発明の他の実施形態において、前記金属酸化物は、Al2O3、SiO2、ZnO、ZrO2、BaTiO3、TiO2、Ta2O5、Ti3O5、ITO、IZO、ATO、ZnO-Al、Nb2O3、SnO、MgOおよびこれらの組合せよりなる群から選ばれる1以上を含むことができ、必要に応じてアクリレートのような不飽和結合を有する化合物で表面処理された材質も使用可能である。
【0027】
前記散乱粒子は、カラーフィルターの発光強度を最大化することができるように平均粒径および全体組成物内で含量を限定する。
【0028】
本発明で、「平均粒径」とは、数平均粒径であってもよく、例えば電界放出走査電子顕微鏡(FE-SEM)または透過電子顕微鏡(TEM)により観察した相から求めることができる。具体的に、FE-SEMまたはTEMの観察画像から複数のサンプルを抽出し、これらのサンプルの直径を測定して算術平均した値で得ることができる。
【0029】
前記金属酸化物は、平均粒径が30~300nmであり、この場合、散乱効果が増大して、前記散乱粒子を含む感光性樹脂組成物が青色量子ドットを含まないとしても、青色光源により青色画素の役割を行うことができるので好ましい。
【0030】
前記金属酸化物の平均粒径が前記範囲未満の場合、散乱効果が多少低下して、青色画素の役割を行うことが多少困難になり得、前記範囲を超過する場合、前記散乱粒子が前記青色パターン層形成用感光性樹脂組成物内に沈む現象が発生して、均一な品質のパターン層表面を得ることが多少困難になり得るので、前記範囲内で適切に調節して使用することが好ましい。
【0031】
本発明のさらに他の実施形態において、前記散乱粒子は、前記金属酸化物感光性樹脂組成物の全体100重量部に対して通常的に0.1~50重量部で含まれ得、好ましくは1~30重量部で含まれ得、より好ましくは2~20重量部で含まれ得る。前記散乱粒子が前記範囲内に含まれる場合、正面視野角0°基準、視野角-60°~+60°の範囲で優れた発光強度を有するカラーフィルターの製造が可能であるという利点がある。
【0032】
前記散乱粒子が前記範囲未満で含まれる場合、正面視野角での発光強度は優れているが、左右の側面では、目的とする発光強度の確保が多少困難になり得、前記範囲を超過する場合、散乱粒子による遮光影響によって発光強度の増加効果が不十分であると共に、金属酸化物感光性樹脂組成物の安定性の低下問題が発生し得るので、前記範囲内で適切に使用した方がよい。
【0033】
本発明のさらに他の実施形態において、前記青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物は、青色着色剤、結合剤樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤および溶剤よりなる群から選ばれる1以上をさらに含むことができる。
【0034】
青色着色剤
本発明の青色感光性樹脂組成物は、青色着色剤をさらに含むことができる。本発明による青色感光性樹脂組成物が青色着色剤をさらに含む場合、前記散乱粒子により反射した光源の光が、太陽光のような外光により再び反射する現象を防止して、高品位の画質を実現することができるという利点がある。
【0035】
前記青色着色剤は、具体的に青色顔料を含むことができ、前記青色顔料は、具体的に色指数(The society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている化合物が挙げられ、より具体的には、以下のような色指数(C.I.)番号の顔料が挙げられるが、必ずこれらに限定されるものではない。
【0036】
本発明のさらに他の実施形態において、前記青色着色剤は、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、15:6、16、21、28、60、64、76およびこれらの組合せよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上の青色顔料;を含むことができる。
【0037】
この中でも、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16よりなる群から選ばれる1種以上を含むことが、外光反射の抑制効果と高い色再現性を具現する効果面から好ましい。
【0038】
本発明のさらに他の実施形態において、前記青色着色剤は、染料および紫色顔料よりなる群から選ばれる1以上をさらに含むことができる。
【0039】
前記紫色顔料は、これに限定されるものではないが、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、14、19、23、29、32、33、36、37、38およびこれらの組合せよりなる群から選ばれる1種以上であってもよく、その中でも、C.I.ピグメントバイオレット23を使用することが、少ない色材含量を通じても高色再現性を具現する面から好ましい。
【0040】
前記染料は、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)内に染料に分類されている化合物または染色ノート(色染社)に記載されている公知の青色または紫色染料が挙げられる。
【0041】
例えば、C.I.ソルベント染料として、
C.I.ソルベントブルー5、35、36、37、44、45、59、67および70;および
C.I.ソルベントバイオレット8、9、13、14、36、37、47および49等が挙げられる。
【0042】
その中でも、C.I.ソルベントブルー35、36、44、45および70;およびC.I.ソルベントバイオレット13よりなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
【0043】
また、C.I.アシッド染料として、
C.I.アシッドブルー1、7、9、15、18、23、25、27、29、40、42、45、51、62、70、74、80、83、86、87、90、92、96、103、112、113、120、129、138、147、150、158、171、182、192、210、242、243、256、259、267、278、280、285、290、296、315、324:1,335および340;および
C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、17、19および66等が挙げられる。
【0044】
その中でも、C.I.アシッドブルー80および90;およびC.I.アシッドバイオレット66よりなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
【0045】
また、C.I.ダイレクト染料として、
C.I.ダイレクトブルー38、44、57、70、77、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、166、167、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、196、198、199、200、207、209、210、212、213、214、222、228、229、237、238、242、243、244、245、247、248、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275および293;および
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103および104等が挙げられる。
【0046】
また、C.I.モーダント染料として、
C.I.モーダントブルー1、2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83および84;
C.I.モーダントバイオレット1、2、4、5、7、14、22、24、30、31、32、37、40、41、44、45、47、48、53および58等が挙げられる。
【0047】
前記染料は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0048】
本発明のさらに他の実施形態において、前記青色着色剤は、前記青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物の全体100重量部に対して0.1~50重量部、好ましくは0.5~30重量部、より好ましくは1~20重量部で含まれ得る。
【0049】
前記青色着色剤の含量が前記範囲未満であれば、得ようとする外光反射の抑制効果の確保が多少困難になり得、これとは反対に、前記範囲を超過する場合、発光強度の増大が多少低下し得、組成物の粘度安定性の低下問題が発生するので、前記範囲内で適切に使用する。
【0050】
結合剤樹脂
本発明による青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物は、結合剤樹脂を含むことができる。
【0051】
前記結合剤樹脂は、通常的に光や熱の作用による反応性およびアルカリ溶解性を有するものであって、散乱粒子の分散媒として作用することができる。本発明による金属酸化物感光性樹脂組成物に含有される結合剤樹脂は、散乱粒子に対する結合剤樹脂として作用するものであって、カラーフィルターの製造のための現像段階で使用されるアルカリ性現像液に溶解可能な結合剤樹脂であれば、限定されずに使用が可能である。
【0052】
前記結合剤樹脂は、例えばカルボキシル基含有単量体、およびこの単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体などが挙げられる。
【0053】
前記カルボキシル基含有単量体としては、例えば不飽和モノカルボン酸や、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの分子中に1個以上のカルボキシル基を有する不飽和多価カルボン酸などの不飽和カルボン酸などが挙げられる。ここで、不飽和モノカルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α-クロロアクリル酸、シンナム酸などが挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。不飽和多価カルボン酸は、酸無水物であってもよく、具体的には、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物などが挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸は、そのモノ(2-メタクリロイルオキシアルキル)エステルであってもよく、例えばスクシン酸モノ(2-アクリロイルオキシエチル)、スクシン酸モノ(2-メタクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2-アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2-メタクリロイルオキシエチル)等が挙げられる。不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシ重合体のモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えばω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。
【0054】
これらのカルボキシル基含有単量体は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。前記カルボキシル基含有単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えばスチレン、α-メチルスチレン、o-ビニルトルエン、m-ビニルトルエン、p-ビニルトルエン、p-クロロスチレン、o-メトキシスチレン、m-メトキシスチレン、p-メトキシスチレン、o-ビニルベンジルメチルエーテル、m-ビニルベンジルメチルエーテル、p-ビニルベンジルメチルエーテル、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、インデンなどの芳香族ビニル化合物;メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルアクリレート、n-プロピルメタクリレート、i-プロピルアクリレート、i-プロピルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、i-ブチルアクリレート、i-ブチルメタクリレート、sec-ブチルアクリレート、sec-ブチルメタクリレート、t-ブチルアクリレート、t-ブチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレート、3-ヒドロキシブチルアクリレート、3-ヒドロキシブチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルアクリレート、フェニルメタクリレート、2-メトキシエチルアクリレート、2-メトキシエチルメタクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、2-フェノキシエチルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールメタクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエチルメタクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、グリセロールモノメタクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル類;2-アミノエチルアクリレート、2-アミノエチルメタクリレート、2-ジメチルアミノエチルアクリレート、2-ジメチルアミノエチルメタクリレート、2-アミノプロピルアクリレート、2-アミノプロピルメタクリレート、2-ジメチルアミノプロピルアクリレート、2-ジメチルアミノプロピルメタクリレート、3-アミノプロピルアクリレート、3-アミノプロピルメタクリレート、3-ジメチルアミノプロピルアクリレート、3-ジメチルアミノプロピルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル類;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどの不飽和エーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α-クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、α-クロロアクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-2-ヒドロキシエチルメタクリルアミドなどの不飽和アミド類;マレイミド、ベンジルマレイミド、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミドなどの不飽和イミド類;1,3-ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどの脂肪族共役ジエン類;およびポリスチレン、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ-n-ブチルアクリレート、ポリ-n-ブチルメタクリレート、ポリシロキサンの重合体分子鎖の末端にモノアクリロイル基またはモノメタクリロイル基を有する巨大単量体類などが挙げられる。
【0055】
これらの単量体は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。特に、前記カルボキシル基含有単量体と共重合可能な他の単量体としてノルボニル骨格を有する単量体、アダマンタン骨格を有する単量体、ロジン骨格を有する単量体などのバルキー性単量体が非誘電定数値を低減する傾向があるので好ましい。
【0056】
前記結合剤樹脂は、酸価が20~200(KOHmg/g)の範囲であるものを使用することが好ましい。酸価が前記範囲を満たす場合、現像液中の溶解性が向上して、非露出部が容易に溶解し、感度が増加して、結果的に露出部のパターンが現像時に残っていて、残膜率(film remaining ratio)を改善するようになるので好ましい。ここで、酸価とは、アクリル系重合体1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、通常的に水酸化カリウム水溶液を使用して滴定することによって求めることができる。
【0057】
また、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC;テトラヒドロフランを溶出溶剤という)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量(以下、簡単に「重量平均分子量」ともいう)が3,000~200,000、好ましくは5,000~100,000である結合剤樹脂が好ましい。前記分子量が前記範囲内にある場合、青色パターン層の硬度が向上して、残膜率が高くて、現像液中の非露出部の溶解性が卓越し、解像度が向上する傾向があるので好ましい。
【0058】
前記結合剤樹脂の分子量分布[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、1.5~6.0であることが好ましく、1.8~4.0であることがより好ましい。前記分子量分布が前記範囲内である場合、現像性に優れているので好ましいという利点がある。
【0059】
前記結合剤樹脂は、前記金属酸化物感光性樹脂組成物の固形分の全体100重量部に対して5~85重量部、好ましくは10~70重量部、より好ましくは20~60重量部であってもよく、この場合、現像液への溶解性が十分であるので、非画素部分の基板上に現像残渣の発生が抑制され、現像時に露光部の画素部分の膜減少が生じにくいため、非画素部分の欠落性が良好な傾向を示すので好ましい。前記結合剤樹脂が前記範囲未満で含まれる場合、前記散乱粒子に対する結合剤樹脂の作用が多少不十分になり得、前記結合剤樹脂が前記範囲を超過して含まれる場合、相対的に現像液での溶解性が多少低下して、パターン形成が多少困難になり得る。
【0060】
光重合性化合物
本発明による青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物は、光重合性化合物を含むことができる。
【0061】
前記光重合性化合物は、光および後述する光重合開始剤の作用により重合することができる化合物であって、単官能単量体、二官能単量体、その他の多官能単量体などが挙げられる。単官能単量体の具体例としては、ノニルヘキシルカルビトールアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、N-ビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0062】
二官能単量体の具体例としては、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイルオキシエチル)エーテル、3-メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0063】
その他の多官能単量体の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中で、二官能以上の多官能単量体が好ましく使用される。
【0064】
前記光重合性化合物は、前記金属酸化物感光性樹脂組成物の固形分の全体100重量部に対して5~50重量部、好ましくは7~45重量部、10~20重量部で含まれ得る。前記光重合性化合物が前記範囲を満たす場合、画素部の強度や平滑性が良好になる傾向があるので好ましい。前記光重合性化合物が前記範囲未満で含まれる場合、画素部の強度が多少低下し得、前記光重合性化合物が前記範囲を超過して含まれる場合、平滑性が多少低下し得るので、前記範囲内に含まれることが好ましい。
【0065】
光重合開始剤
本発明による青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物は、光重合開始剤を含むことができる。前記光重合開始剤は、アセトフェノン系化合物を含むことが好ましく、前記アセトフェノン系化合物としては、例えば、ジエトキシアラトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタル、2-ヒドロキシ-1-[4-(2-ヒドキシエトキシ)フェニル]-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパン-1-オンのオリゴマーなどが挙げられ、好ましくは2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)ブタン-1-オンなどが挙げられる。
【0066】
また、前記アセトフェノン系以外の光重合開始剤を組み合わせて使用することができる。アセトフェノン系以外の光重合開始剤は、光を照射することによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤、増減剤、酸発生剤などが挙げられる。
【0067】
前記ファルソンナディカル発生剤としては、例えば、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。ベンゾイン系化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイソブチルエーテルなどが挙げられる。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルスルフィド、3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。トリアジン系化合物としては、例えば、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシナフチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(フラン-2-イル)エテニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(3,4ジメトキシフェニル)エテニル]-1,3,5-トリアジンなどが挙げられる。
【0068】
前記活性ラジカル発生剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,2,-ビス(o-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニル-1,2’-ビイミダゾール、10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアントラキノン、ベンジル、9,10-フェナトレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを使用することができる。前記酸発生剤としては、例えば、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp-トルエンスルホネート、4-ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4-アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp-トルエンスルホネート、4-アセトキシフェニルメチルベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp-トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp-トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなどのオニウム塩類やニトロベンジルトシレート類、ベンゾイントシレート類などが挙げられる。
【0069】
また、活性ラジカル発生剤として、前記化合物の中には、活性ラジカルと同時に酸を発生する化合物もあり、例えば、トリアジン系光重合開始剤は、酸発生剤としても使用される。
【0070】
前記光重合開始剤は、固形分を基準として結合剤樹脂および光重合性化合物の合計量に対して重量分率で通常0.1~40重量部、好ましくは1~30重量部、より好ましくは10~25重量部である。
【0071】
前記の範囲にある場合、金属酸化物感光性樹脂組成物が高感度化されて、この組成物を使用して形成した画素部の強度や、この画素部の表面での平滑性が良好になる傾向があるので好ましい。
【0072】
ひいては、本発明では、光重合開始助剤を使用することができる。光重合開始助剤は、光重合開始剤と組み合わせて使用される場合があり、光重合開始剤により重合が開始された光重合性化合物の重合を促進させるために使用される化合物である。光重合開始助剤としては、アミン系化合物、アルコキシアントラセン系化合物、チオキサントン系化合物などが挙げられる。
【0073】
アミン系化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルパラトルイジン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ペンズフェノン(通称、ミヒラーズケトン)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられ、この中でも、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。アルコキシアントラセン系化合物としては、例えば、9,10-ジメトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。チオキサントン系化合物としては、例えば、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0074】
このような光重合開始助剤は、単独でまたは複数を組み合わせて使用しても構わない。また、光重合開始助剤として市販されるものを使用することができ、市販される光重合開始助剤としては、例えば、商品名「EAB-F」[製造元:保土谷化学工業株式会社]などが挙げられる。
【0075】
前記光重合開始助剤を使用する場合、前記光重合開始助剤は、前記光重合開始剤1モル当たり通常的に10モル以下、好ましくは0.01~5モルで使用することができる。前記光重合開始助剤が前記範囲内に含まれる場合、金属酸化物感光性樹脂組成物の感度がさらに高くなり、前記金属酸化物感光性樹脂組成物で形成されるカラーフィルターの生産性が向上することができるので好ましい。
【0076】
溶剤
本発明による青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物に含まれ得る溶剤は、特に制限されず、感光性樹脂組成物の分野において通常的に使用されている各種有機溶剤を使用することができる。
【0077】
例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテートおよびメトキシペンチルアセテートなどのアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類、γ-ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。
【0078】
前記の溶剤のうち、塗布性、乾燥性の面から好ましくは前記溶剤のうち沸点が100℃~250℃である有機溶剤が挙げられ、より好ましくはアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、3-エトキシプロピオン酸エチルや、3-メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類が挙げられ、より好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチルなどが挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独でまたは2種類以上混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
本発明のさらに他の実施形態において、前記溶剤は、沸点が100~169℃である溶剤(A)および沸点が170~250℃である溶剤(B)を含むことができる。
【0080】
本発明による金属酸化物感光性樹脂組成物が100~169℃である溶剤(A)および沸点が170~250℃である溶剤(B)を含む場合、流れ特性が優秀になって、VDシミ、ピンシミおよびピンムラが発生しないので、発光強度の変化なく、表示不良が改善されたカラーフィルターを提供できるという利点がある。
【0081】
沸点が100~169℃である溶剤(A)は、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類およびアミド類などよりなる群から選ばれる1種以上を含むことができ、具体的にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル(約124~125℃)、エチレングリコールモノエティルエーテル(約135.6℃)、メチルセロソルブアセテート(約145℃)、エチルセロソルブアセテート(約156℃)、トルエン(約110.6℃)、キシレン(約138.4℃)、メシチレン(約164.7℃)、メチルアミルケトン(約151℃)、メチルイソブチルケトン(約116.1℃)、シクロヘキサノン(約155.6℃)、ブタノール(約117.7℃)、ヘキサノール(約157℃)、シクロヘキサノール(約161.8℃)および3-エトキシプロピオン酸エチル(約166℃)などよりなる群から選ばれる1種以上であってもよい。
【0082】
沸点が170~250℃である溶剤(B)は、エーテル類、芳香族炭化水素類、ケトン類、アルコール類、エステル類およびアミド類などよりなる群から選ばれる1種以上を含むことができ、具体的に1,3-ブチレングリコールジアセテート、エチル-3-エトキシプロピオネート、プロピレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル(約150~152℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(約171℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(約189℃)、メトキシブチルアセテート(約172℃)、エチレングリコール(約197.3℃)およびγ-ブチロラクトン(約204℃)などよりなる群から選ばれる1種以上であってもよい。
【0083】
前記溶剤は、前記金属酸化物感光性樹脂組成物の全体100重量部に対して60~90重量部、好ましくは70~85重量部で含まれ得る。前記溶剤が前記範囲内に含まれる場合、ロールコーター、スピンコーター、スリットアンドスピンコーター、スリットコーター(ダイコーターともいう)、インクジェットなどの塗布装置で塗布したとき、塗布性が良好になる傾向があるので好ましい。前記溶剤の含量が前記範囲未満で含まれる場合、塗布性が多少低下するに伴って工程が多少困難になり得、前記範囲を超過する場合、前記金属酸化物感光性樹脂組成物で形成されたカラーフィルター、具体的に前記金属酸化物感光性樹脂組成物で形成された青色画素の性能が多少低下し得る問題が発生し得る。
【0084】
添加剤
本発明による青色パターン層金属酸化物感光性樹脂組成物は、必要に応じて充填剤、他の高分子化合物、顔料分散剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの添加剤をさらに含むことができる。
【0085】
具体的に、本発明による添加剤は、UV吸収剤、酸化防止剤および熱硬化剤よりなる群から選ばれる1以上をさらに含むことができる。
【0086】
前記UV吸収剤は、パターンのサイズを調節すると共に、高温工程中に発生する黄変を防止して、量子効率を高める効果を付与することができる。
【0087】
一般的に、UV吸収剤は、感光性樹脂組成物のCDバイアス(CD bias)が増加して、微細パターンを具現することができないときに使用するものと知られている。この際、CDとは、パターンの陽刻部分を意味し、CDバイアスは、具現しようとするマスクパターンより形成されたパターンサイズが大きい程度を意味する。UV吸収剤を添加する場合、UVを一部吸収することによって、回折によるCDバイアスを低減することができるので、所望のパターンを具現することができる。
【0088】
本発明によるUV吸収剤は、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系UV吸収剤のうち1種以上を含むことができる。
【0089】
ベンゾトリアゾール系UV吸収剤としては、公知となっている化合物を使用することができる。具体的には、オクチル3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネート、2-エチルヘキシル3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル)プロピオネート、[3-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-メチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロピル]-w-[3-[3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]-1-オキソプロポキシ]ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)、(3-(3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル)-1-オキソプロピル)-ヒドロキシポリ(オキソ-1,2-エタンジイル)、2-(3-tert-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール、3-(2H-ベンゾトリアゾリル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロピオン酸オクチルエステル、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールなどが好ましい。
【0090】
トリアジン系UV吸収剤としては、公知となっている化合物を使用することができる。具体的には、2-(4,6-ジメチル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-5-((ヘキシル)オキシ)-フェノール、2-(4-(2-ヒドロキシ-3-シリデシルオキシプロピル)オキシ)-2-ヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-(2-ヒドロキシ-3-ジデシルオキシプロピル)オキシ)-2-ヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-(3-(2-エチルヘキシル-1-オキシ)-2-ヒドロキシプロピルオキシ)フェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,2’-[6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル]ビス(5-ブトキシフェノール)、6-メチルヘプチル2-{4-[4,6-ジ(4-ビフェニルイル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-3-ヒドロキシフェノキシ}プロパノエートなどが挙げられる。
【0091】
ベンゾフェノン系UV吸収剤としては、公知となっている化合物を使用することができる。具体的には、2-ヒドロキシ-4-n-オクチルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0092】
前記UV吸収剤の含量は、青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物の固形分の全体100重量部に対して0.001~10重量部、好ましくは0.025~7重量部で含まれることが好ましい。前記UV吸収剤の含量が前記範囲以内の場合には、吸収剤の効果が向上することができ、光重合開始剤の作用を妨害することなく、パターンを良好に形成することができる。
【0093】
本発明で使用される酸化防止剤は、ポストベーク時に熱により発生するラジカル捕捉効果に優れているので、少ない含量で使用しても、十分な効果を期待することができる。
【0094】
酸化防止剤は、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の中から選ばれる少なくとも1種以上である。
【0095】
光重合開始剤で発生するラジカルにより製作工程で行われるベーク工程により黄変を引き起こす可能性がある。リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の中から選ばれる少なくとも1種以上の酸化防止剤を前記光重合開始剤と組み合わせることによって、前記リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤およびフェノール系酸化防止剤の中から選ばれる少なくとも1種以上の酸化防止剤が、前記光重合開始剤に起因する黄変発生を酸化防止剤を使用することによって抑制させることができる。また、テーパー性と直進性も優秀になりえる。
【0096】
前記酸化防止剤は、フェノール系化合物、リン系化合物および硫黄系化合物よりなる群から選ばれる1種以上を含むことができ、これらは、フェノール系-リン系化合物、フェノール系-硫黄系化合物、リン系-硫黄系化合物、またはフェノール系-リン系-硫黄系化合物の組合せで使用することができる。
【0097】
前記フェノール系酸化防止剤の種類は、特に制限されないが、具体的な例としては、3,9-ビス[2-〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕-1,1-ジメチルエトキシ]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、ペンタエリスリチル・テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5,-トリメチル-2,4,6,-トリス(3’5’-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’-チオビス(6-t-ブチル-3-メチルフェノール)、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-イソシアヌレート、1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-O-クレゾール、1,6-ヘキサンジオール-ビス-[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノール)プロピオネート、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリス(4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンおよびテトラキス[メチレン-3-(3,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニルプロピオネート)]メタンなどが挙げられる。
【0098】
前記フェノール系酸化防止剤のうち、耐熱性および耐熱変色防止の側面から3,9-ビス[2-〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕-1,1-ジメチルエトキシ]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5,-トリメチル-2,4,6,-トリス(3’5’-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、ペンタエリスリチル・テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’-チオビス(6-t-ブチル-3-メチルフェノール)、トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-t-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)-イソシアヌレート、1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロシンナムアミド)、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンおよび2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-O-クレゾールが好ましい。
【0099】
市販品としては、Irganox 1010(BASF社製造)、Sumilizer BBM-S(住友化学社製造)、ADK STAB AO-80(ADEKA社製造)、Sumilizer GP(住友化学社製造)、Irganox 1035(BASF社製造)等が挙げられる。
【0100】
前記リン系酸化防止剤の種類は、特に制限されないが、具体的な例としては、3,9-ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチル-1-フェニルオキシ)(2-エチルヘキシルオキシ)ホスホラス、6-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-t-ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェニルジトリデシル)ホスファイト、オクタデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-デシルオキシ-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、シクリックネオペンタンテトライルビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、シクリックネオペンタンテトライルビス(2,6-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)[1,1-ビフェニル]-4,4’ジイルビスホスホナイト、ビス[2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-6-メチルフェニル]エチルエステル、ホスホン酸などが挙げられる。
【0101】
前記リン系酸化防止剤のうち耐熱性および耐熱変色防止の観点から、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチル-1-フェニルオキシ)(2-エチルヘキシルオキシ)ホスホラス、3,9-ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノキシ)-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカンおよび6-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-t-ブチルジベンズ[d、f][1,3,2]ジオキサホスフェピンなどが好ましい。
【0102】
前記硫黄系酸化防止剤の種類は、特に制限されないが、具体的な例としては、2,2-ビス({[3-(ドデシルチオ)プロピオニル]オキシ}メチル)-1,3-プロパンジイル-ビス[3-(ドデシルチオ)プロピオネート]、2-メルカプトベンズイミダゾール、ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3’-チオジプロピオネート、ジステアリール-3,3’-チオジプロピオネート、ペンタエリスリチル-テトラキス(3-ラウリルチオプロピオネート)、2-メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
【0103】
前記硫黄系酸化防止剤のうち耐熱性および耐熱変色防止の観点から、2,2-ビス({[3(ドデシルチオ)プロピオニル]オキシ}メチル)-1,3-プロパンジイル-ビス[3-(ドデシルチオ)プロピオネート]、2-メルカプトベンズイミダゾールなどが好ましい。
【0104】
前記酸化防止剤は、本発明の青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物の全体固形分の合計100重量部を基準として0.1~30重量部、好ましくは0.5~20重量部で含まれ得る。前記酸化防止剤の含量が前記範囲を満たす場合、発光強度の低下問題の解決の観点から有利である。
【0105】
本発明に含まれる熱硬化剤は、塗膜の深部硬化および機械的強度を高める役割をする。本発明の熱硬化剤は、多官能脂環族エポキシ樹脂、シラン変性エポキシ樹脂およびノボラック型エポキシ樹脂のうち一つ以上を含むことができる。
【0106】
前記多官能脂環族エポキシ樹脂は、ジエン化合物を重合反応させて製造され、一実施例によれば、化学式1または2で表される化合物を含む脂環族エポキシ樹脂であってもよい。
【0107】
【0108】
前記化学式1でn、mおよびlは、1~20の整数である。
【0109】
【0110】
<3,4-エポキシシクロヘキシル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート>
【0111】
また、前記ノボラックエポキシ樹脂は、クレゾールノボラックであってもよく、一実施形態によれば、下記化学式3のエポキシ樹脂であってもよい。
【0112】
【0113】
前記化学式3でoは、1~20の整数である。
【0114】
また、市販されているものとしては、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(スミエポキシESCN 195XL-住友化学工業株式会社製造)および脂環式エポキシ化合物「CEL-2021」、脂環式固形エポキシ樹脂「EHPE-3150」、エポキシ化ポリブタジエン「PB3600」、可撓性脂肪環エポキシ化合物「CEL-2081」、ラクトン変性エポキシ樹脂「PCL-G」などが例示される(全部、ダイセル化学工業株式会社製造)。また、以外には、「セロキサイド2000」、「エポリードGT-3000」、「GT-4000」(全部、ダイセル化学工業株式会社製造)が例示される。これらのうちには、ノボラック型エポキシ樹脂であるESCN-195XLが最も硬化性に優れており、脂環式エポキシのうち、「CEL-2021P」および「EHPE-3150」が最も硬化性に優れている。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上組み合わせてもよく、以後に示す他の種のものとの組合せも可能である。
【0115】
前記シラン変性エポキシ樹脂は、水酸基含有エポキシ樹脂とアルコキシシランの反応物である。前記水酸基含有エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、線形脂肪族エポキシ樹脂および脂環式エポキシ樹脂、およびビフェニル型エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのうち、ビスフェノール型エポキシ樹脂およびノボラック型エポキシ樹脂が好ましく使用される。前記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、ビスフェノール類とエピクロロヒドリンまたはα-メチルエピクロロヒドリンなどのハロエポキシドとの反応により得ることができる。前記ビスフェノール類としては、例えば、フェノールまたは2,6-ジハロフェノールとホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノンなどのアルデヒド類またはケトン類との反応生成物およびジヒドロキシフェニルスルフィドの過酸による酸化生成物、ヒドロキノン同士のエーテル化反応生成物などが挙げられる。これらのビスフェノール型エポキシ樹脂のうちでも、特にビスフェノール類としてビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF、またはこれらの水素添加物を使用して得られたビスフェノール型エポキシ樹脂が最も汎用され、好ましい。また、ビスフェノール型エポキシ樹脂は、後述するアルコキシシランと反応できる水酸基を有する。当該水酸基は、ビスフェノール型エポキシ樹脂を構成するすべての分子が有する必要はなく、ビスフェノール型エポキシ樹脂全体として水酸基を有すればよい。例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂は、下記化学式4で表されるが、qが1以上であるものを含んでいてもよく、qが0であるものを含んでいてもよい。
【0116】
【0117】
前記化学式4でqは、1~34の整数である。
【0118】
このようなビスフェノール型エポキシ樹脂は、例えば、リン化合物を反応させて、リン変性ビスフェノール型エポキシ樹脂として使用することもできる。
【0119】
前記ノボラック型エポキシ樹脂は、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂にハロエポキシドを反応させて得ることができる。
【0120】
前記グリシジルエステル型エポキシ樹脂は、例えばフタルなどの他の塩基酸類とエピクロロヒドリンを反応させることによって得ることができる。
【0121】
前記グリシジルアミン型エポキシ樹脂は、例えば、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸などのポリアミン類とエピクロロヒドリンを反応させて得ることができる。
【0122】
前記線形脂肪族エポキシ樹脂および脂環式エポキシ樹脂は、例えばオレフィン類を過酢酸などの過酸で処理して得ることができる。
【0123】
前記ビフェニル型エポキシ樹脂は、例えば非フェノール類とエピクロロヒドリンを反応させて得ることができる。
【0124】
水酸基含有エポキシ樹脂のエポキシ当量の好ましい値は、水酸基含有エポキシ樹脂の構造によって異なる。用途に応じて適切に選択して使用することができる。通常的に、エポキシ当量が過度に少ない水酸基含有エポキシ樹脂成分を使用する場合、保護膜にしたとき、基板との密着性が低下する場合があるので、水酸基含有エポキシ樹脂成分のエポキシ当量は、180以上とすることが好ましい。
【0125】
一方、エポキシ当量が過度に大きい水酸基含有エポキシ樹脂成分を使用する場合、後述するアルコキシシランとの反応時にゲル化なる場合があるので、水酸基含有エポキシ樹脂成分のエポキシ当量は、5,000以下とすることが好ましい。
【0126】
より好ましいエポキシ当量は、200~400である。
【0127】
また、前記アルコキシシランとしては、一般的にゾル-ケル法に利用されるものを使用することができる。
【0128】
例えば、化学式5で表される化合物、またはこれらの部分縮合物などを例示することができる。
【0129】
【0130】
化学式5において、pは、0または1の整数を示し、R6は、炭素原子に直結された官能基を有することができる炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアリール基または炭素数2~6の不飽和脂肪族残基を示し、R7は、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を示し、複数のR7は、それぞれ同じでも異なってもよい。
【0131】
より具体的に、R6に対する前記官能基としては、例えば、ビニル基、メルカプト基、エポキシ基、グリシドキシ基などが挙げられる。
【0132】
また、「部分縮合物」とは、前記化学式5で表されるアルコキシシラン中のアルコキシル基の一部を縮合して得られるものを意味する。このような部分縮合物は、前記アルコキシシランを酸またはアルカリおよび水の存在下に加水分解することによって得ることができる。
【0133】
このようなアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシランのようなテトラアルコキシシラン類;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4-エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシランのようなトリアルコキシシラン類;またはこれらの部分縮合物などが挙げられる。
【0134】
これらの中でも、下記化学式6で表されるテトラメトキシシランまたはアルキルトリメトキシシランの部分縮合物が好ましい。
【0135】
【0136】
(前記化学式6において、R1は、メトキシ基または炭素数1~6のアルキル基であり、nは、1~7整数である)
【0137】
前記化学式6で表されるテトラメトキシシランまたはアルキルトリメトキシシランの部分縮合物の平均分子量は、260~2,000程度であることが好ましく、260~890程度であることがより好ましい。当該テトラメトキシシランまたはアルキルトリメトキシシランの部分縮合物は、水酸基含有エポキシ樹脂成分との反応において、メタノールと共に未反応のアルコキシシラン成分が蒸発して系外部に流出しないため、反応操作上でも好ましい。また、このような部分縮合物には、対応する単量体において発見されるもののような毒性がないという点においても好ましい。
【0138】
前記化学式6において、平均反復単位数の値(n)は11以下が好ましく、7以下がより好ましい。この値が11を超過すると、溶解性が悪化し、水酸基含有エポキシ樹脂や有機溶剤に不溶化しやすいので、水酸基含有エポキシ樹脂との反応性が低下する傾向がある。
【0139】
シラン変性エポキシ樹脂は、前記水酸基含有エポキシ樹脂とアルコキシシランとの脱アルコール縮合反応により得られる。水酸基含有エポキシ樹脂とアルコキシシランの使用比率は、得られるシラン変性エポキシ樹脂のうち、アルコキシル基が実質的に残存するような比率であれば、特に制限されないが、アルコキシシランのシリカ換算質量/水酸基含有エポキシ樹脂の質量(質量比)を0.01~3の範囲にすることが好ましい。
【0140】
ただし、水酸基含有エポキシ樹脂がエポキシ当量400程度以上の高分子量樹脂である場合には、脱アルコール反応の進行によって溶液の高粘度化やゲル化を招く場合があるので、以下のようにしてこのような問題点を克服することができる。
【0141】
(1)水酸基含有エポキシ樹脂の水酸基当量、またはアルコキシシランのアルコキシル基当量のうちいずれか一方が多くなるように、前記当量比を1未満または1を超過するように調整することが好ましい。特に、前記当量比は、0.8未満または1.2以上に調整することが好ましい。このうち、1.2以上に製造することが好ましい。
【0142】
(2)脱アルコール反応を反応途中に停止させるなどの方法により高粘度化、ゲル化を防止する。例えば、高粘度化してきた時点で反応系を還流系にして、反応系でメタノールの蒸留除去量を調整したり、反応系を冷却して反応を終了させる方法などを採用することができる。
【0143】
前記シラン変性エポキシ樹脂の製造は、例えば、前記各成分を入れ、加熱して生成されるアルコールを蒸留除去しつつ、脱アルコール縮合反応することによって行われる。反応温度は、好ましくは50~130℃、より好ましくは70~110℃であり、全体反応時間は、好ましくは1~15時間である。この反応は、アルコキシシラン自体の重縮合反応を防止するために、実質的に無水条件下で行うことが好ましい。また、この反応は、反応時間の短縮のために水酸基含有エポキシ樹脂が蒸発されない範囲で、減圧下に行うことも可能である。
【0144】
また、上記した脱アルコール縮合反応においては、反応促進のために従来公知となった触媒のうち、オキシラン環を開環しないものを使用することができる。この触媒としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム、カドミウム、マンガンのような金属;これらの金属の酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物、アルコキシドなどが挙げられる。これらの中でも、特に、有機スズ、有機酸スズが好ましく、具体的には、ジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズなどが有効である。
【0145】
また、前記反応は、溶剤中で行うこともできる。溶剤としては、水酸基含有エポキシ樹脂およびアルコキシシランを溶解し、また、これらと反応しない有機溶剤であれば、特に制限はない。このような有機溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトンなどの非プロトン性極性溶媒が挙げられる。
【0146】
シラン変性エポキシ樹脂として好ましく使用される市販品としては、荒川化学工業株式会社製造、商品名:コンポセランE-101、E-102、E-201、E-202、E-211、E-212等が挙げられる。
【0147】
前記シラン変性エポキシ樹脂は、青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物の全体固形分100重量部に対して質量分率で0.1~30重量部含まれる。前記範囲未満で添加されると、耐薬品性が低下し、過量添加されると、耐熱性および現像速度に問題点がある。
【0148】
本発明による青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物に含有される熱硬化剤は、カラーフィルターの製造工程中に現像後の画素塗膜の加熱処理時に(通常、180~250℃以下、好ましくは200~230℃で5~40分、好ましくは10~35分)、バインダー樹脂中のカルボキシル基と反応してバインダー樹脂の架橋を増進させて、塗膜の硬度を向上させてカラーフィルターの性能をさらに改善する。
【0149】
本発明において、熱硬化剤は、青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物の全体100重量に対して0.1~20重量部、好ましくは0.1~10重量部で含まれ得る。前記熱硬化剤が前記範囲内に含まれる場合、耐薬品性が良好になり、耐熱性および現像速度に問題が発生しない。
【0150】
前記充填剤の具体的な例は、ガラス、シリカ、アルミナなどが例示される。
【0151】
前記他の高分子化合物としては、具体的にエポキシ樹脂、マレイミド樹脂などの硬化性樹脂、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレート、ポリエステル、ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂などが挙げられる。
【0152】
前記顔料分散剤としては、市販される界面活性剤を利用することができ、例えばシリコーン系、フッ素系、エステル系、カチオン系、アニオン系、非イオン系、陽性などの界面活性剤などが挙げられる。これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0153】
前記の界面活性剤として、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類などがあり、以外に、商品名としてKP(信越化学工業社製造)、ポルリプルロウ(POLYFLOW)(共栄社化学社製造)、エフトップ(EFTOP)(トーケムプロダクツ社製造)、メガファック(MEGAFAC)(大日本インキ化学工業社製造)、フルオラード(Fluorad)(住友スリーエム社製造)、アサヒガード(Asahi guard)、サーフロン(Surflon)(以上、旭硝子社製造)、ソルスパース(SOLSPERSE)(ゼネカ社製造)、EFKA(EFKAケミカルス社製造)、PB 821(味の素社製造)等が挙げられる。
【0154】
前記密着促進剤として、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。酸化防止剤としては、具体的に2,2’-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールなどが挙げられる。
【0155】
前記凝集防止剤としては、具体的にポリアクリル酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0156】
前記添加剤のうち含量が例示されていない添加剤の場合、本発明の効果を阻害しない範囲で当業者が適切に追加して使用が可能である。例えば前記添加剤は、前記金属酸化物感光性樹脂組成物の全体100重量部に対して0.05~10重量部、好ましくは0.1~10重量部、より好ましくは0.1~5重量部で使用することができるが、これに限定されるものではない。
【0157】
本発明による金属酸化物感光性樹脂組成物は、例えば以下のような方法により製造され得る。散乱粒子をあらかじめ溶剤と混合して平均粒径が30~300nmになるまでビーズミルなどを利用して分散させる。この際、必要に応じて分散剤をさらに使用することができ、結合剤樹脂の一部または全部が配合されることもできる。得られた分散液(以下、ミルベースという場合もある)に結合剤樹脂の残り、光重合性化合物、光重合開始剤、必要に応じて使用されるそれ以外の成分と必要に応じて追加の溶剤を所定の濃度になるようにさらに添加して、目的とする金属酸化物感光性樹脂組成物を得ることができる。
【0158】
<カラーフィルターおよび画像表示装置>
本発明のさらに他の様態は、前述した青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物の硬化物を含む青色パターン層を含むカラーフィルターに関する。
【0159】
本発明によるカラーフィルターは、青色量子ドットの代わりに、前述した青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物で製造されるので、製造コストを低減することができ、優れた視野角を有するという利点がある。
【0160】
前記カラーフィルターは、基板および前記基板の上部に形成された青色パターン層を含む。
【0161】
前記基板は、前記カラーフィルター自体基板であってもよく、またはディスプレイ装置などにカラーフィルターが位置する部位であってもよく、特に制限されない。前記基板は、ガラス、シリコン(Si)、シリコン酸化物(SiOx)または高分子基板であってもよく、前記高分子基板は、ポリエーテルスルホン(polyethersulfone、PES)またはポリカーボネート(polycarbonate、PC)等であってもよい。
【0162】
前記青色パターン層は、本発明の金属酸化物感光性樹脂組成物を含む層であって、前記青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物を塗布し、所定のパターンで露光、現像および熱硬化して形成された層であってもよく、前記パターン層は、当業界において通常的に知られている方法を行うことによって形成することができる。
【0163】
本発明のさらに他の実施形態において、前記カラーフィルターは、赤色パターン層および緑色パターン層よりなる群から選ばれる1以上をさらに含むことができる。
【0164】
本発明のさらに他の実施形態において、前記赤色パターン層または緑色パターン層は、量子ドットおよび散乱粒子を含むことができる。具体的に、本発明によるカラーフィルターは、赤色量子ドットを含む赤色パターン層または緑色量子ドットを含む緑色パターン層を含むことができ、前記赤色パターン層または緑色パターン層は、散乱粒子を含むことができる。前記赤色パターン層または緑色パターン層は、後述する青色光を放出する光源によりそれぞれ赤色光または青色光を放出することができる。
【0165】
本発明のさらに他の実施形態において、前記散乱粒子は、平均粒径が30~300nmである金属酸化物を含むことができ、前記散乱粒子および金属酸化物に関する内容は、本発明による金属酸化物感光性樹脂組成物内に含まれる散乱粒子および金属酸化物に関する内容を適用することができる。
【0166】
本発明において、前記赤色パターン層または緑色パターン層に含まれる量子ドットの形態、構成およびその含量は、限定されず、当業界において通常的に使用される量子ドットを適用することができる。
【0167】
前記のような基板およびパターン層を含むカラーフィルターは、各パターンの間に形成された隔壁をさらに含むことができ、ブラックマトリックスをさらに含むことができるが、これに限定されない。
【0168】
本発明のさらに他の様態は、前述したカラーフィルターと;青色光を放出する光源と;を含む画像表示装置に関する。要するに、本発明による画像表示装置は、前述した金属酸化物感光性樹脂組成物の硬化物を含む青色パターン層を含むカラーフィルターと青色光を放出する光源を含む。
【0169】
本発明のカラーフィルターは、通常の液晶表示装置だけでなく、電界発光表示装置、プラズマ表示装置、電界放出表示装置など各種画像表示装置に適用が可能である。
【0170】
前記画像表示装置が本発明による青色パターン層を含むカラーフィルターと前記光源を含む場合、優れた発光強度または視野角を有するという利点がある。また、本発明によるカラーフィルターに含まれる青色パターン層は、青色量子ドットを含まないため、製造コストが低い画像表示装置を製造できるという利点がある。
【0171】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例により詳細に説明する。しかしながら、本明細書による実施例は、様々な他の形態に変形され得、本明細書の範囲が以下で詳述する実施例に限定されるものと解釈されない。本明細書の実施例は、当業界において平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。また、以下で含有量を示す「%」および「部」は、特に言及しない限り、重量基準である。
【0172】
合成例:結合剤樹脂の合成
撹拌器、温度計、還流冷却管、滴下漏斗および窒素導入管を具備したフラスコを準備し、一方、モノマー滴下漏斗として、ベンジルマレイミド74.8g(0.20モル)、アクリル酸43.2g(0.30モル)、ビニルトルエン118.0g(0.50モル)、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノアート4g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)40gを投入後、撹拌混合して準備し、連鎖移動剤の滴下槽として、n-ドデカンチオール6g、PGMEA24gを入れて撹拌混合したものを準備した。以後、フラスコにPGMEA395gを導入し、フラスコ内の雰囲気を空気から窒素にした後、撹拌しつつ、フラスコの温度を90℃まで昇温した。次に、モノマーおよび連鎖移動剤を滴下漏斗から滴下を開始した。滴下は、90℃を維持しつつ、それぞれ2h間進め、1h後に110℃に昇温して3h維持した後、ガス導入管を導入させて、酸素/窒素=5/95(v/v)混合ガスのバブリングを開始した。次に、グリシジルメタクリレート28.4g[(0.10モル)、(本反応に使用したアクリル酸のカルボキシル基に対して33モル%)]、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)0.4g、トリエチルアミン0.8gをフラスコ内に投入して110℃で8時間反応を継続し、固形分の酸価が70mgKOH/gである結合剤樹脂を得た。GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、16,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は、2.3であった。
【0173】
装置:HLC-8120GPC(東ソー社製造)
カラム:TSK-GELG4000HXL+TSK-GELG2000HXL(直列接続)
カラム温度:40℃
移動相溶剤:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
注入量:50μl
検出器:RI
測定試料濃度:0.6質量%(溶剤=テトラヒドロフラン)
較正用標準物質:TSK STANDARD POLYSTYRENE F-40、F-4、F-1、A-2500、A-500(東ソー社製造)
【0174】
前記で得られた重量平均分子量および数平均分子量の比を分子量分布(Mw/Mn)とした。
【0175】
実施例1~25および比較例1~5:金属酸化物感光性樹脂組成物の製造
下記表1~4による組成で感光性樹脂組成物を製造し、この際、実施例および比較例による散乱粒子、着色剤に関する内容を下記表5および6に示した。
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
【0180】
【0181】
【0182】
カラーフィルターの製造
前記実施例および比較例で製造された金属酸化物感光性樹脂組成物を利用してカラーフィルターを製造した。すなわち、前記それぞれの感光性樹脂組成物をスピンコーティング法でガラス基板の上に塗布した後、加熱板の上に載置し、100℃の温度で3分間維持して薄膜を形成させた。
【0183】
次に、前記薄膜の上に横×縦20mm×20mmの正四角形の透過パターンと1~100μmのライン/スペースパターンを有する試験フォトマスクを載置し、試験フォトマスクとの間隔を100μmとして紫外線を照射した。
【0184】
この際、紫外線光源は、ウシオ電機社製の超高圧水銀ランプ(商品名USH-250D)を利用して大気雰囲気下に200mJ/cm2の露光量(365nm)で光照射し、特別な光学フィルターは使用しなかった。
【0185】
前記で紫外線が照射された薄膜をpH10.5のKOH水溶液現像溶液に80秒間浸漬して現像した。この薄膜が施されたガラス板を、蒸留水を使用して洗浄した後、窒素ガスを吹いて乾燥し、150℃の加熱オーブンで10分間加熱して、青色画素用カラーフィルターパターンを製造した。前記で製造されたカラーパターンのフィルム厚さは、5.0μmであった。
【0186】
実験例1:微細パターンの測定
実施例1~12および比較例1~5によって製造された金属酸化物感光性樹脂組成物を使用して製造されたカラーフィルターのうち100μmに設計されたライン/スペースパターンマスクを介して得られたパターンのサイズをOM装備(ECLIPSE LV100POL、ニコン社製)を用いてパターンのサイズを測定し、ライン/スペースパターンマスクの設計値との差異を下記表7に示した。
【0187】
【0188】
ライン/スペースパターンマスクの設計値と得られた微細パターンの測定値との差異が20μm以上であれば、微細画素の具現が困難になり、マイナス値を示す場合、工程不良を引き起こす臨界数値を意味する。
【0189】
前記表7を参照すると、金属酸化物の散乱粒子の平均粒径が30~300nmを外れる比較例1~5に比べて、実施例1~9の場合、微細パターンが良好に形成されたことを確認することができる。ただし、実施例10~12の場合、散乱粒子の含量が5~30重量部を外れる場合、微細画素の形成が多少困難であることを確認することができる。
【0190】
実験例2:発光強度の測定
実施例および比較例によって製造された金属酸化物感光性樹脂組成物を使用して製造されたカラーフィルターのうち20×20mmの正四角形のパターンで形成された部分に365nmのTube型4W UV照射機(VL-4LC、VILBER LOURMAT)を用いて光変換された領域を測定し、450nmの領域での発光強度をSpectrum meter(Ocean Optics社製)を利用して測定し、その結果を下記表8に示した。
【0191】
【表8】
測定された発光強度が高いほど光効率が高いことを意味するものであって、前記表8を参照すると、金属酸化物の散乱粒子が平均粒径30~300nmを外れる比較例1~5に比べて、実施例1~9の場合、発光強度が向上したことを確認することができた。ただし、実施例10~12の場合、散乱粒子の含量が5~30重量部を外れると、光効率が多少低下したことを確認することができた。
【0192】
実施例13~実施例20を通じて、青色着色剤および紫色着色剤を添加しても、発光強度が高く維持されることを確認することができた。ただし、実施例21~25の場合、青色着色剤の含量が全体組成物に比べて50重量部を超えると、発光強度が大きく減少することを確認することができた。
【0193】
実験例3:視野角の測定
実施例および比較例によって製造された金属酸化物感光性樹脂を使用して製造されたカラーフィルターのうち20×20mmの正四角形のパターンで形成された部分に透光条件での視野角による光強度(Intensity)を変角光度計(GC-5000L、Nippon Denshoku社製)を使用して測定し、下記計算式1を利用して拡散率を算出し、その結果を下記表9に示した。
【0194】
[計算式1]
拡散率(%)=(I70+I20)/2×I5×100
(I:それぞれの視野角で測定された光Intensityを意味する。)
【0195】
【表9】
測定された拡散率が高いほど視野角が良くなることを意味する。これより、表9を参照すると、金属酸化物の散乱粒子が平均粒径30~300nmを外れる比較例1~5に比べて、実施例1~9の場合、視野角が向上したことを確認することができた。ただし、実施例10~12の場合、散乱粒子の含量が5~30重量部を外れる場合、視野角が多少低下したことを確認することができた。
【0196】
実施例13~実施例20を通じて、青色着色剤または紫色着色剤を添加しても、視野角の向上が維持されることを確認することができた。ただし、実施例21~25の場合、青色着色剤が全体組成物に比べて50重量部を超えると、視野角が大きく減少することを確認することができた。
【0197】
実験例4:外光反射率
実施例1、実施例13~25によって製造された青色パターン層形成用金属酸化物感光性樹脂組成物を使用して製造されたカラーフィルターのうち20×20mmの正四角形のパターンで形成された部分に透光条件での光反射率を分光測色計CM-3600A(コニタミノルタ社製)を使用して測定し、これを下記表10に示した。
【0198】
【0199】
表10の結果に基づいて、金属酸化物感光性樹脂組成物に青色着色剤を導入することによって、発光強度を高く維持しながらも、優れた拡散率と外部反射率を低減することができることを確認することができる。