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特許7241233医療流体送達システムのための静電容量プライミングセンサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】医療流体送達システムのための静電容量プライミングセンサ
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/28 20060101AFI20230309BHJP
   G01F 17/00 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
A61M1/28 130
G01F17/00 Z
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2022506776
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-13
(86)【国際出願番号】 US2020045158
(87)【国際公開番号】W WO2021030135
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-02-14
(31)【優先権主張番号】62/884,862
(32)【優先日】2019-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(73)【特許権者】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ザフィリス, ジョン
【審査官】杉▲崎▼ 覚
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-533793(JP,A)
【文献】特表2007-529282(JP,A)
【文献】特表2006-512138(JP,A)
【文献】特開平03-175180(JP,A)
【文献】特開平07-289635(JP,A)
【文献】登録実用新案第3002562(JP,U)
【文献】特開平06-042990(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腹膜透析装置であって、
透析流体の源から透析流体を受容するように構成される患者管と、
少なくとも1つのポンプであって、前記少なくとも1つのポンプは、プライミングシーケンスの間、透析流体を前記源から前記患者管に移動させるように構成される、少なくとも1つのポンプと、
プライミングセンサであって、前記プライミングセンサは、前記患者管の一部を受け取るように構成される陥凹付き区分を有する筐体を含み、前記筐体の陥凹付き区分は、
第1の伝導性板を含む第1の側と、
第2の伝導性板を含む部材であって、前記部材は、前記陥凹付き区分の第2の側に移動可能に接続され、前記プライミングセンサの筐体の中への前記患者管の部分の挿入に応じた所望の移動のために構成される、部材と、
前記第1の側に対向する第3の側であって、前記第3の側は、
前記第1の伝導性板の上部部分から横断して配置される第3の伝導性板と、
前記第1の伝導性板の底部部分から横断して配置される第4の伝導性板と
を含む、第3の側と
を含む、プライミングセンサと、
第1の静電容量センサであって、前記第1の静電容量センサは、前記第1の伝導性板と前記第3の伝導性板との間の第1の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第1の静電容量センサと、
第2の静電容量センサであって、前記第2の静電容量センサは、前記第3の伝導性板と前記第4の伝導性板との間の第2の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第2の静電容量センサと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、前記少なくとも1つのポンプ、前記第1の静電容量センサ、および前記第2の静電容量センサとともに動作するように構成され、前記プロセッサは、
前記測定された第2の静電容量を使用し、(i)管なし状態と、(ii)乾燥管状態との間の第1の遷移を決定することと、
前記測定された第1の静電容量を使用し、(ii)前記乾燥管状態と、(iii)湿潤管状態との間の第2の遷移を決定することと、
前記乾燥管状態が決定された後、前記プライミングシーケンスにわたって前記少なくとも1つのポンプに前記患者管に至るまで前記流体を圧送させることと、
前記湿潤管状態が決定された後、前記患者管がプライミングされていることを示すメッセージを伝送することと
を行うように構成される、プロセッサと
を備える、装置。
【請求項2】
前記プライミングセンサは、前記第1の伝導性板と前記第4の伝導性板との間の第3の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される第3の静電容量センサを含み、
前記プロセッサは、前記第1の静電容量の値を前記第3の静電容量の値と組み合わせ、(i)前記管なし状態と、(ii)前記乾燥管状態との間、または(ii)前記乾燥管状態と、(iii)前記湿潤管状態との間のうちの少なくとも1つを決定するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の伝導性板は、前記患者管の部分が、前記プライミングセンサの筐体の中に挿入されると、屈曲または枢動し、前記第1の静電容量を増加させる、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の伝導性板は、(a)電気的に浮動するように位置付けられ、配列されるか、または(b)伝導性プラスチックまたは伝導的に塗装されたプラスチックから形成されるかのうちの少なくとも1つである、請求項1または3に記載の装置。
【請求項5】
前記第3の伝導性板は、(a)前記第4の伝導性板の幅に等しい幅を伴って形成されるか、または(b)0.5ミリメートル~2センチメートルの距離だけ前記第4の伝導性板から離間されるかのうちの少なくとも1つである、請求項1、3、または4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の伝導性板、前記第3の伝導性板、および前記第4の伝導性板は、(a)前記プライミングセンサの筐体内に前記患者管の部分を固着させるように構成される金属クリップとして形成されるか、または(b)前記プライミングセンサの筐体の陥凹付き区分内に封入されるかのうちの少なくとも1つである、請求項1または5に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記測定された第1の静電容量の値の変化が、第1の遷移閾値を上回ると決定することによって、前記管なし状態と前記乾燥管状態との間の前記第1の遷移を決定するように構成され、前記プロセッサは、前記測定された第2の静電容量の値の変化が、第2の遷移閾値を上回ると決定することによって、前記乾燥管状態と前記湿潤管状態との間の前記第2の遷移を決定するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の遷移閾値または前記第2の遷移閾値のうちの少なくとも1つは、0.5秒未満における第1の値から第2の値への前記測定された静電容量の個別の値の少なくとも倍増に対応し、前記第2の値は、少なくとも2秒にわたって少なくとも実質的に一定である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記プライミングセンサは、
前記筐体の対向する外部側上に位置する第5および第6の伝導性板と、
第3および第4の静電容量センサであって、前記第3および第4の静電容量センサは、前記第1の伝導性板、前記第3の伝導性板、および前記第4の伝導性板に対して位置付けられる前記第5または第6の伝導性板のうちの少なくとも1つによって検出される外部干渉に起因して変化する静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第3および第4の静電容量センサと
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第3および第4の静電容量センサによって測定される前記静電容量の変化を検出した後、前記プロセッサは、前記状態(i)-(iii)の検出を控えること、前記プライミングシーケンスを停止すること、または前記検出された静電容量干渉を示すメッセージを出力することのうちの少なくとも1つを行うように構成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサはさらに、前記湿潤管状態が決定される場合、腹膜透析治療が可能にされるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記決定された状態(i)-(iii)に対応するテキストまたはグラフィックのうちの少なくとも1つを表示するように構成されるユーザインターフェースを含む、請求項1または11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の静電容量は、前記患者管内の流体の存在を示し、
前記第2の静電容量は、前記第3および第4の伝導性板からの前記第2の伝導性板の距離を示す、
請求項1に記載の装置。
【請求項14】
センサ装置であって、
管の一部を受け取るように構成される陥凹付き区分を含む筐体であって、前記筐体は、
第1の伝導性板を含む第1の側と、
第2の伝導性板を含む部材であって、前記部材は、前記筐体の中への前記管の部分の挿入を検出するために、前記陥凹付き区分の第2の側に移動可能に接続される、部材と、
前記第1の側に対向する第3の側であって、前記第3の側は、
前記第1の伝導性板の上部部分から横断して配置される第3の伝導性板と、
前記第1の伝導性板の底部部分から横断して配置される第4の伝導性板と
を含む、第3の側と
を含む、筐体と、
第1の静電容量センサであって、前記第1の静電容量センサは、前記第1の伝導性板と前記第3の伝導性板との間の第1の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第1の静電容量センサと、
第2の静電容量センサであって、前記第2の静電容量センサは、前記第3の伝導性板と前記第4の伝導性板との間の第2の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第2の静電容量センサと
を備える、装置。
【請求項15】
少なくとも1つのポンプと、制御ユニットとを含む医療流体送達機械とともに動作可能であり、前記制御ユニットは、
前記測定された第2の静電容量を使用し、(i)管なし状態と、(ii)乾燥管状態との間の第1の遷移を決定することと、
前記乾燥管状態が決定された後、前記少なくとも1つのポンプに前記管に至るまで流体を圧送させ、プライミングシーケンスを行わせることと
を行うように、前記第1および第2の静電容量センサとともに動作可能である、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記制御ユニットはさらに、
前記測定された第1の静電容量を使用し、(ii)前記乾燥管状態と、(iii)湿潤管状態との間の第2の遷移を決定することと、
前記湿潤管状態が決定された後、前記管がプライミングされていることを示すメッセージを伝送することと
を行うように構成される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の静電容量は、前記患者管内の流体の存在を示し、
前記第2の静電容量は、前記第3および第4の伝導性板からの前記第2の伝導性板の距離を示す、
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記制御ユニットはさらに、
前記湿潤管状態が決定される度にカウンタを増分させることと、
前記カウンタの値をカウンタ閾値と比較することと、
前記カウンタの値が、前記カウンタ閾値に等しい、またはそれを超えるとき、前記湿潤管状態を決定することと
を行うように構成される、請求項16または17に記載の装置。
【請求項19】
前記制御ユニットは、前記第1の静電容量センサと、前記第2の静電容量センサとを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
医療流体送達装置であって、
透析流体の源から透析流体を受容するように構成される患者管と、
少なくとも1つのポンプであって、前記少なくとも1つのポンプは、プライミングシーケンスの間、透析流体を前記源から前記患者管に移動させるように構成される、少なくとも1つのポンプと、
前記患者管の一部を受け取るように構成される陥凹付き区分を有する筐体を含むプライミングセンサであって、前記筐体の陥凹付き区分は、
第1の伝導性板を含む第1の側と、
第2の伝導性板を含む部材であって、前記部材は、前記陥凹付き区分の第2の側に移動可能に接続され、前記プライミングセンサの筐体の中への前記患者管の部分の挿入に応じた所望の移動のために構成される、部材と、
前記第1の側に対向する第3の側であって、前記第3の側は、
前記第1の伝導性板の上部部分から横断して配置される第3の伝導性板と、
前記第1の伝導性板の底部部分から横断して配置される第4の伝導性板と
を含む、第3の側と
を含む、プライミングセンサと、
第1の静電容量センサであって、前記第1の静電容量センサは、前記第1の伝導性板と前記第3の伝導性板との間の第1の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第1の静電容量センサと、
第2の静電容量センサであって、前記第2の静電容量センサは、前記第3の伝導性板と前記第4の伝導性板との間の第2の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第2の静電容量センサと、
制御ユニットであって、前記制御ユニットは、前記ポンプ、前記第1の静電容量センサ、および前記第2の静電容量センサとともに動作するように構成され、前記プロセッサは、前記プライミングシーケンスを実施するように構成される、制御ユニットと
を備える、装置。
【請求項21】
前記制御ユニットは、前記プライミングシーケンスの間、前記測定された第2の静電容量を使用し、(i)管なし状態と、(ii)乾燥管状態との間の第1の遷移を決定し、
前記測定された第2の静電容量は、前記第3および第4の伝導性板からの前記第2の伝導性板の距離を示す、
請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記制御ユニットは、前記プライミングシーケンスの間、前記乾燥管状態が決定された後、前記少なくとも1つのポンプに前記患者管を通して前記流体を圧送させる、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記制御ユニットは、前記プライミングシーケンスの間、前記測定された第1の静電容量を使用し、(i)乾燥管状態と、(ii)湿潤管状態との間の第2の遷移を決定し、
前記測定された第1の静電容量は、前記患者管内の流体の存在を示す、
請求項20または22に記載の装置。
【請求項24】
前記制御ユニットは、前記プライミングシーケンスの間、前記湿潤管状態が決定された後、前記患者管がプライミングされていることを示すメッセージを伝送する、請求項23に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、医療流体送達に関し、より具体的には、自動化腹膜透析(「APD」)機械のための静電容量プライミングセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
損傷した、または不適切に機能する腎臓を伴う人々は、血液から老廃物を除去するために透析治療を受け得る。1つの一般的なタイプの透析は、PDまたは透析流体と称される清浄流体が、カテーテルを介して患者のその腹部の腹膜腔に送達される、腹膜透析(「PD」)である。清浄流体は、滞留周期の間に老廃物を吸収する。滞留周期が、終了した後、清浄流体は、吸収された老廃物および過剰な水分とともに患者の腹膜腔から除去され(限外濾過として公知である)、それによって、患者の不適切に機能する腎臓を補償する。
【0003】
自動化腹膜透析(「APD」)機械が、処方された体積のPDまたは透析流体(例えば、清浄流体)を患者の腹膜腔の中に圧送するために、多くの事例において使用される。APD機械は、透析流体が滞留周期の間に患者内に留まることを可能にするように構成される。滞留周期後、APD機械は、患者の腹膜腔から老廃物を含有する使用済み透析流体または流出液を排出する。APD機械は、典型的には、透析流体を患者に配策する管および/または管類セットをプライミングする。管および/または管類セットのプライミングは、空気を除去し、それによって、空気が患者の腹膜腔の中に伝達することを防止する。プライミングは、PD治療の間に患者に後で接続される患者ライン等の管の端部に透析流体を圧送し、管内の空気を除去するステップを伴い得る。
【0004】
APD機械は、典型的には、患者の自宅、診療所、または病院に位置する。多くの事例では、患者は、プライミングシーケンスを実施することによって、治療のためにAPD機械を準備する。管をプライミングすることに役立つために、APD機械は、管が適切にプライミングされているときを検出するセンサを含み得る。公知のセンサは、光を使用しており、透析流体が管の端部に到達したときを検出しており、これは、成功したプライミングを示す。しかしながら、周囲光、管性質、管幾何学形状、および/または流体タイプにおける変動は、光センサを所望されるものよりも低い正確度にし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示される例示的システム、装置、および方法は、周囲光輝度、管性質、および/または流体タイプに敏感ではない正確な医療流体治療プライミングセンサを提供するように構成される。本明細書に開示される透析プライミングセンサは、静電容量感知を使用する。プライミングセンサは、電極および/または伝導性板の間の静電容量を測定する、1つ以上のセンサに接続される、電極および/または伝導性板を封入する、筐体を含んでもよい。電極および/または伝導性板は、筐体内に位置付けられ、1つ以上のコンデンサを形成する。電極および/または伝導性板は、医療流体(例えば、透析流体、透析液、水道水、または他の伝導性流体)が、電極および/または伝導性板を過ぎて挿入された管を通して流動するときの静電容量変化に基づいて、流体レベルを検出するために、筐体の対向する側上に位置してもよい。加えて、または代替として、電極および/または伝導性板のうちの少なくともいくつかは、プライミングセンサ内に設置される患者管に対して異なる高さに設置されてもよい。異なる高さにおける電極および/または伝導性板の位置付けは、患者管の検出を支援する。プライミングセンサの筐体内の患者管の設置は、少なくとも1つの電極および/または伝導性板を、異なる高さに設置される他の定常電極および/または伝導性板に対して移動させ、それによって、管の存在を検出するために静電容量の変化を引き起こす。いくつかの実施形態では、異なる高さにおける電極および/または伝導性板の位置付けは、加えて、または代替として、患者管内の流体レベルを検出するステップを提供する。
【0006】
プロセッサ(または1つ以上のプロセッサと、1つ以上のメモリとを有する、制御ユニット)が、1つ以上の静電容量センサからの出力を分析し、患者管が存在し、プライミングセンサ筐体内に挿入されているかどうかを決定する(例えば、管なし状態と乾燥管状態との間を検出する)。プロセッサまたは制御ユニットはまた、透析流体等の医療流体が、成功したプライミングに対応する患者管内のあるレベルに到達しているときを決定する(例えば、乾燥状態と湿潤状態との間を検出する)ように構成される。管が存在し、流体を含むこと(例えば、湿潤管状態)を検出した後、プロセッサまたは制御ユニットはさらに、PD療法のための患者ラインのプライミングが成功したインジケーションを提供し、プライミングシーケンスが継続/終了する、および/またはPD治療が開始されることを可能にするように構成される。いくつかの事例では、プロセッサまたは制御ユニットはまた、乾燥管状態が存在しないというインジケーションを提供してもよい。プロセッサまたは制御ユニットはまた、例えば、管自体が、検出されない、または管の湿潤管状態が、定義された時間周期内に検出されない場合、患者ラインの失敗したプライミングのインジケーションを提供するように構成されてもよい。
【0007】
本明細書の開示に照らして、かつ本開示をいかようにも限定することなく、別様に規定されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせられ得る、本開示の第1の側面では、腹膜透析装置は、透析流体の源から透析流体を受容するように構成される、患者管と、プライミングシーケンスの間、透析流体を源から患者管に移動させるように構成される、少なくとも1つのポンプと、患者管の一部を受け取るように構成される、陥凹付き区分を有する、筐体を含む、プライミングセンサとを含む。筐体の陥凹付き区分は、第1の伝導性板を含む、第1の側と、第2の伝導性板を含む、部材とを含む。部材は、陥凹付き区分の第2の側に移動可能に接続され、プライミングセンサの筐体の中への患者管の部分の挿入に応じた所望の移動のために構成される。陥凹付き区分はまた、第1の側に対向する、第3の側を含む。第3の側は、第1の伝導性板の上部部分から横断して配置される、第3の伝導性板と、第1の伝導性板の底部部分から横断して配置される、第4の伝導性板とを含む。腹膜透析装置はまた、第1の伝導性板と第3の伝導性板との間の第1の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第1の静電容量センサと、第3の伝導性板と第4の伝導性板との間の第2の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第2の静電容量センサと、少なくとも1つのポンプ、第1の静電容量センサ、および第2の静電容量センサとともに動作するように構成される、プロセッサとを含む。プロセッサは、測定された第2の静電容量を使用し、第3および第4の伝導性板からの第2の伝導性板の距離に基づいて、(i)管なし状態と(ii)乾燥管状態との間の第1の遷移を決定し、測定された第1の静電容量を使用し、患者管内の流体の存在に基づいて、(ii)乾燥管状態と(iii)湿潤管状態との間の第2の遷移を決定し、乾燥管状態が決定された後、プライミングシーケンスにわたって少なくとも1つのポンプに患者管に至るまで流体を圧送させ、湿潤管状態が決定された後、患者管がプライミングされていることを示すメッセージを伝送するように構成される。
【0008】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第2の側面によると、プライミングセンサは、第1の伝導性板と第4の伝導性板との間の第3の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第3の静電容量センサを含み、プロセッサは、第1の静電容量の値を第3の静電容量の値と組み合わせ、(i)管なし状態と(ii)乾燥管状態との間、または(ii)乾燥管状態と(iii)湿潤管状態との間のうちの少なくとも1つを決定するように構成される。
【0009】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第3の側面によると、第2の伝導性板は、患者管の部分が、プライミングセンサの筐体の中に挿入されると、屈曲または枢動し、第1の静電容量を増加させる。
【0010】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第4の側面によると、第2の伝導性板は、(a)電気的に浮動するように位置付けられ、配列されるか、または(b)伝導性プラスチックまたは伝導的に塗装されたプラスチックから形成されるかのうちの少なくとも1つである。
【0011】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第5の側面によると、第3の伝導性板は、(a)第4の伝導性板の幅に等しい幅を伴って形成されるか、または(b)0.5ミリメートル~2センチメートルの距離だけ第4の伝導性板から離間されるかのうちの少なくとも1つである。
【0012】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第6の側面によると、第1の伝導性板、第3の伝導性板、および第4の伝導性板は、(a)プライミングセンサの筐体内に患者管の部分を固着させるように構成される、金属クリップとして形成されるか、または(b)プライミングセンサの筐体の陥凹付き区分内に封入されるかのうちの少なくとも1つである。
【0013】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第7の側面によると、プロセッサは、測定された第1の静電容量の値の変化が、第1の遷移閾値を上回ると決定することによって、管なし状態と乾燥管状態との間の第1の遷移を決定するように構成され、プロセッサは、測定された第2の静電容量の値の変化が、第2の遷移閾値を上回ると決定することによって、乾燥管状態と湿潤管状態との間の第2の遷移を決定するように構成される。
【0014】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第8の側面によると、第1の遷移閾値および第2の遷移閾値のうちの少なくとも1つは、0.5秒未満における第1の値から第2の値への測定された静電容量の個別の値の少なくとも倍増に対応し、第2の値は、少なくとも2秒にわたって少なくとも実質的に一定である。
【0015】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第9の側面によると、プライミングセンサは、筐体の対向する外部側上に位置する、第5および第6の伝導性板と、第1の伝導性板、第3の伝導性板、および第4の伝導性板に対して位置付けられる第5または第6の伝導性板のうちの少なくとも1つによって検出される外部干渉に起因して変化する静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第3および第4の静電容量センサとを含む。
【0016】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第10の側面によると、第3および第4の静電容量センサによって測定される静電容量の変化を検出した後、プロセッサは、状態(i)-(iii)の検出を控えるステップ、プライミングシーケンスを停止するステップ、または検出された静電容量干渉を示すメッセージを出力するステップのうちの少なくとも1つを行うように構成される。
【0017】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第11の側面によると、プロセッサはさらに、湿潤管状態が、決定される場合、腹膜透析治療が、可能にされるように構成される。
【0018】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第12の側面によると、腹膜透析装置は、決定された状態(i)-(iii)に対応するテキストまたはグラフィックのうちの少なくとも1つを表示するように構成される、ユーザインターフェースを含む。
【0019】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第13の側面によると、センサ装置は、管の一部を受け取るように構成される、陥凹付き区分を含む、筐体を含む。筐体は、第1の伝導性板を含む、第1の側と、第2の伝導性板を含む、部材とを含む。部材は、筐体の中への管の部分の挿入を検出するために、陥凹付き区分の第2の側に移動可能に接続される。陥凹付き区分はまた、第1の側に対向する、第3の側を含む。第3の側は、第1の伝導性板の上部部分から横断して配置される、第3の伝導性板と、第1の伝導性板の底部部分から横断して配置される、第4の伝導性板とを含む。センサ装置はまた、第1の伝導性板と第3の伝導性板との間の第1の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第1の静電容量センサと、第3の伝導性板と第4の伝導性板との間の第2の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第2の静電容量センサとを含む。
【0020】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第14の側面によると、センサ装置は、少なくとも1つのポンプと、測定された第2の静電容量を使用し、第3および第4の伝導性板からの第2の伝導性板の距離に基づいて、(i)管なし状態と(ii)乾燥管状態との間の第1の遷移を決定し、乾燥管状態が決定された後、少なくとも1つのポンプに管に至るまで流体を圧送させ、プライミングシーケンスを行わせるように、第1および第2の静電容量センサとともに動作可能である、制御ユニットとを含む、医療流体送達機械とともに動作可能である。
【0021】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第15の側面によると、制御ユニットはさらに、測定された第1の静電容量を使用し、管内の流体の存在に基づいて、(ii)乾燥管状態と(iii)湿潤管状態との間の第2の遷移を決定し、湿潤管状態が決定された後、管がプライミングされていることを示すメッセージを伝送するように構成される。
【0022】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第16の側面によると、制御ユニットはさらに、湿潤管状態が決定される度にカウンタを増分させ、カウンタの値をカウンタ閾値と比較し、カウンタの値が、カウンタ閾値に等しい、またはそれを超えるとき、湿潤管状態を決定するように構成される。
【0023】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第17の側面によると、制御ユニットは、第1の静電容量センサと、第2の静電容量センサとを含む。
【0024】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第18の側面によると、医療流体送達装置は、透析流体の源から透析流体を受容するように構成される、患者管と、プライミングシーケンスの間、透析流体を源から患者管に移動させるように構成される、少なくとも1つのポンプと、患者管の一部を受け取るように構成される、陥凹付き区分を有する、筐体を含む、プライミングセンサとを含む。筐体の陥凹付き区分は、第1の伝導性板を含む、第1の側と、第2の伝導性板を含む、部材とを含む。部材は、陥凹付き区分の第2の側に移動可能に接続され、プライミングセンサの筐体の中への患者管の部分の挿入に応じた所望の移動のために構成される。陥凹付き区分はまた、第1の側に対向する、第3の側を含む。第3の側は、第1の伝導性板の上部部分から横断して配置される、第3の伝導性板と、第1の伝導性板の底部部分から横断して配置される、第4の伝導性板とを含む。医療流体送達装置はまた、第1の伝導性板と第3の伝導性板との間の第1の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第1の静電容量センサと、第3の伝導性板と第4の伝導性板との間の第2の静電容量を測定するように位置付けられ、配列される、第2の静電容量センサと、ポンプ、第1の静電容量センサ、および第2の静電容量センサとともに動作するように構成される、制御ユニットであって、プロセッサは、プライミングシーケンスを実施するように構成される、制御ユニットとを含む。
【0025】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第19の側面によると、制御ユニットは、プライミングシーケンスの間、測定された第2の静電容量を使用し、第3および第4の伝導性板からの第2の伝導性板の距離に基づいて、(i)管なし状態と(ii)乾燥管状態との間の第1の遷移を決定する。
【0026】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第20の側面によると、制御ユニットは、プライミングシーケンスの間、乾燥管状態が決定された後、少なくとも1つのポンプに患者管を通して流体を圧送させる。
【0027】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第21の側面によると、制御ユニットは、プライミングシーケンスの間、測定された第1の静電容量を使用し、患者管内の流体の存在に基づいて、(i)乾燥管状態と(ii)湿潤管状態との間の第2の遷移を決定する。
【0028】
別様に記載されない限り、本明細書に列挙される任意の他の側面と組み合わせて使用され得る、本開示の第22の側面によると、制御ユニットは、プライミングシーケンスの間、湿潤管状態が決定された後、患者管がプライミングされていることを示すメッセージを伝送する。
【0029】
本開示の第23の側面では、図1-26のうちのいずれか1つ以上のものに関連して開示される構造、機能性、および代替のうちのいずれかは、図1-26のうちの任意の他の1つ以上のものに関連して開示される任意の他の構造、機能性、および代替と組み合わせられてもよい。
【0030】
本開示および上記の側面に照らして、したがって、自動的腹膜透析(「APD」)システム等の医療流体送達システムのための改良されたプライミングシステム、デバイス、および方法を提供することが、本開示の利点である。
【0031】
周囲光、管性質、および/または流体性質にかかわらず、(i)管が存在するときおよび(ii)流体が管内のある位置に到達するときを正確に検出することが、本開示の別の利点である。
【0032】
異なるタイプの医療流体送達機械に適用され得るプライミングセンサおよび方法論を提供することが、本開示のまた別の利点である。
【0033】
本明細書に議論される利点は、本明細書に開示される実施形態のうちの1つ、またはいくつかにおいて見出され、おそらく、その全てに見出されるわけではない場合がある。付加的特徴および利点が、本明細書に説明され、以下の詳細な説明および図から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本開示の例示的実施形態による、プライミングセンサと、透析機械とを含む、例示的医療流体送達システムの略図を図示する、概略図である。
【0035】
図2図2は、本開示の例示的実施形態による、図1の例示的医療流体送達システムの透析機械に対するプライミングセンサの略図を図示する、斜視図である。
【0036】
図3図3は、本開示の例示的実施形態による、図1および2のプライミングセンサの筐体の略図を図示する、斜視図である。
【0037】
図4図4は、本開示の例示的実施形態による、管がその中に挿入される前の図1-3のプライミングセンサの斜視図である。
【0038】
図5図5は、本開示の例示的実施形態による、管がその中に挿入された後の図4のプライミングセンサの斜視図である。
【0039】
図6図6は、本開示の例示的実施形態による、図1-5のプライミングセンサの電極および/または伝導性板の立面図である。
【0040】
図7図7は、本開示の別の例示的実施形態による、図1-5のプライミングセンサの立面図である。
【0041】
図8図8は、本開示のさらなる例示的実施形態による、図1-5のプライミングセンサの立面図である。
【0042】
図9図9は、本開示のまた別の例示的実施形態による、図1-5のプライミングセンサの立面図である。
【0043】
図10図10は、本開示の例示的実施形態による、管がその中に挿入されないときの閉鎖および静止位置における図9のプライミングセンサの保定クリップおよび電極の上面図である。
【0044】
図11図11は、本開示の例示的実施形態による、管がその中に挿入されるときの図10の保定クリップおよび電極の上面図である。
【0045】
図12図12は、本開示の例示的実施形態による、図9-11の電極によって形成されるコンデンサを示す、回路図の概略図である。
【0046】
図13図13は、本開示の例示的実施形態による、図1に図示される透析機械のプロセッサまたは制御ユニットの略図の概略図である。
【0047】
図14図14は、本開示の例示的実施形態による、図9-13のプライミングセンサによってある時間周期にわたって測定される、静電容量のグラフである。
【0048】
図15図15は、本開示の例示的実施形態による、患者管の管状態を決定するためのプロセスフロー図である。
【0049】
図16図16は、本開示の例示的実施形態による、患者管の管状態を決定するためのプロセスフロー図である。
【0050】
図17図17-23は、本開示の例示的実施形態による、透析療法の準備においてプライミング手順を実施する際に患者を支援するために透析機械によって表示され得る、グラフィカル画面である。
図18図17-23は、本開示の例示的実施形態による、透析療法の準備においてプライミング手順を実施する際に患者を支援するために透析機械によって表示され得る、グラフィカル画面である。
図19図17-23は、本開示の例示的実施形態による、透析療法の準備においてプライミング手順を実施する際に患者を支援するために透析機械によって表示され得る、グラフィカル画面である。
図20図17-23は、本開示の例示的実施形態による、透析療法の準備においてプライミング手順を実施する際に患者を支援するために透析機械によって表示され得る、グラフィカル画面である。
図21図17-23は、本開示の例示的実施形態による、透析療法の準備においてプライミング手順を実施する際に患者を支援するために透析機械によって表示され得る、グラフィカル画面である。
図22図17-23は、本開示の例示的実施形態による、透析療法の準備においてプライミング手順を実施する際に患者を支援するために透析機械によって表示され得る、グラフィカル画面である。
図23図17-23は、本開示の例示的実施形態による、透析療法の準備においてプライミング手順を実施する際に患者を支援するために透析機械によって表示され得る、グラフィカル画面である。
【0051】
図24図24-26は、本開示の別の例示的実施形態による、図1のプライミングセンサの略図である。
図25図24-26は、本開示の別の例示的実施形態による、図1のプライミングセンサの略図である。
図26図24-26は、本開示の別の例示的実施形態による、図1のプライミングセンサの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
医療流体送達システムが、本明細書に開示される。例示的医療流体送達システムは、自動化腹膜透析(「APD」)機械、血液透析機械、医療流体送達機械、または1つ以上のラインがプライミングされることを要求する任意の他の機械を含んでもよい。医療流体送達システムは、少なくとも1つの管またはラインセットが存在するとき、および管が新鮮な透析流体等の適切な流体を用いて完全にプライミングされているときを検出するように構成される、プライミングセンサを含む。プライミングセンサは、1つ以上の静電容量センサを含む。プライミング動作の間、静電容量センサは、2つ以上の電極または伝導性板の間の静電容量測定を実施する。1つ以上の静電容量センサからの静電容量測定値は、1つ以上の閾値と比較されてもよい。比較は、例えば、管なし状態、乾燥管状態、および湿潤管状態を含む、患者管の異なる可能性として考えられる状態を決定するために使用される。
【0053】
いくつかの実施例では、医療流体送達システムは、管なし状態が、検出される場合、医療流体送達システムが、患者管がプライミングセンサの中に挿入される必要があることを示すアラートを提供するように構成される。医療流体送達システムは、管がプライミングセンサによって検出されるまで、患者管のプライミングを防止してもよい。乾燥管状態が、検出される場合、医療流体送達システムは、流体を流体源から患者管の中に圧送することによって、プライミングシーケンスを開始および/または継続してもよい。湿潤管状態が、検出される場合、医療流体送達システムは、プライミング流体の圧送を停止する、および/またはプライミングシーケンスを終了してもよい。いくつかの実施形態では、医療流体送達システムは、プライミングが終了する前に、湿潤管状態を複数回(例えば、湿潤管状態を検証するために、間断なく2~10回)検出することによって湿潤管状態を確認するように構成されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるプライミングセンサは、患者管またはラインセットを受け取る、および/または保持するように構成される、陥凹付き区分を有する、筐体を含む。電極および/または伝導性板のうちの少なくともいくつかは、陥凹付き区分の対向する側上に位置する。したがって、電極および/または伝導性板は、管が、プライミングセンサの中に挿入されるとき、患者管の対向する側上に位置する。プライミングセンサ内の管の設置は、静電容量を電極の間で変化させる。いくつかの実施形態では、電極および/または伝導性板は、陥凹付き区分内に位置する、保定クリップ上に設置されてもよい。プライミングセンサ内の患者管の設置は、保定クリップを、筐体の陥凹付き区分内に位置する少なくとも1つの定常電極または伝導性板に向かって移動させる。患者管の挿入によって引き起こされるクリップの移動は、静電容量の変化を引き起こし、それによって、プライミングセンサ内の患者管の検出を提供する。
【0055】
加えて、電極および/または伝導性板のうちの少なくともいくつかは、プライミングセンサの筐体の異なる高さに位置する。電極および/または伝導性板は、少なくとも1つの間隙だけ分離される。異なる高さにおける電極および/または伝導性板の位置付けは、透析流体が、挿入された管を通して、かつ電極および/または伝導性板を過ぎて流動するときの静電容量変化に基づいて、流体レベルが決定されることを可能にする。電極または板の間の有効距離が、流体が電極または板の間の空気に取って代わるときに低減されるため、静電容量は、透析流体が電極および/または伝導性板の間で流動するときに増加する。
【0056】
本明細書に開示される例示的システム、方法、および装置は、光を使用して管状態を検出する公知のプライミングセンサに優る改良を提供する。公知の光ベースのプライミングセンサは、光エミッタの全てを個々にアクティブ化する。エミッタは、同一の輝度レベルを有するようにアクティブ化される。各エミッタからの検出された光は、別個の閾値と比較され(またはある比率に組み合わせられ、ある閾値と比較され)、管状態は、閾値比較の加重平均に基づいて決定される。周囲光の増加は、異なる管状態に対応する輝度レベルを判別するセンサの能力を減少させる。
【0057】
公知のセンサと対照的に、本明細書に開示される例示的システム、方法、および装置は、管状態を検出するために、静電容量感知を使用する。静電容量感知は、周囲光、環境汚染、プライミング流体中の気泡、管厚、または管清澄度/透明度によって影響を受けない。結果として、本明細書に開示されるプライミングセンサによって使用される静電容量感知は、これらの一般的な問題に起因する誤った状態検出を生じにくい。加えて、状態毎の静電容量検出は、比較的に高い信号対雑音比、例えば、1000:1を上回るものを有する。本明細書に開示される例示的静電容量センサは、センサ筐体内にそれらの電極、伝導性板、および他の電子機器をシールし、または別様に封入し、それによって、流体進入および透析流体が電子機器に接触する場合に生じる問題を防止し得る。静電容量センサはまた、光ベースのセンサと比較して、より少ない公差要件を伴うより少ない部品を有し、したがって、製造することがより安価であり得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、プライミングセンサは、例えば、オペレータからの電気的干渉を検出するように構成されてもよい。概して、人間は、電場に影響を及ぼすため、プライミングセンサの近傍におけるオペレータの手の設置は、測定される静電容量を変化させ得る。同様に、プライミングセンサの近傍におけるスマートフォン等のユーザデバイスの設置は、電場を変化させ、それによって、静電容量測定値を変化させ得る。いくつかの実施形態では、プライミングセンサのためのプロセッサまたは制御ユニットは、静電容量測定値の有意な変動を検出するように構成される。プロセッサまたは制御ユニットは、手または電子デバイスの存在を示す、1または2秒未満等の比較的に短い時間周期にわたる静電容量のスパイクおよび急落を検出するように構成されてもよい。そのような検出に応答して、プロセッサまたは制御ユニットは、電気的干渉が除去されるまで、管状態変化が生じたと結論付けることを控えてもよい。いくつかの事例では、プロセッサまたは制御ユニットはまた、検出された干渉を示すエラーメッセージを医療デバイスのディスプレイ画面上に提供し、場合によっては、干渉を除去または排除するための命令を提供してもよい。
【0059】
加えて、または代替として、プライミングセンサは、外部電気的干渉を防止するように構成されてもよい。例えば、プライミングセンサの筐体は、金属板、炭素充填伝導性プラスチック、金属めっきプラスチック、伝導性塗料を噴霧されたプラスチック等の遮蔽物を含んでもよい。遮蔽物は、電気的干渉が、静電容量電極または伝導性板に到達することを防止する。他の事例では、プライミングセンサは、プライミングセンサの筐体の外側に隣接して位置付けられる、付加的静電容量電極または伝導性板を含んでもよい。付加的静電容量電極または伝導性板は、プライミングセンサの外部の電場の変化を検出するように構成される。プライミングセンサのためのプロセッサまたは制御ユニットは、例えば、管状態を決定するために、陥凹付き区分内で検出された静電容量変化から、外部源に起因する静電容量の検出された変化を差し引いてもよい。
【0060】
例示的開示は、腹膜透析および患者管にプライミングすることに言及する。本明細書に開示される例示的システム、装置、および方法が、血液透析機械または持続的置換治療機械を含む、任意のタイプの透析機械とともに動作するように提供され得ることを理解されたい。また、本明細書に議論される改良されたプライミング感知は、透析に限定されず、医療送達機械(例えば、注入ポンプ)等の任意のタイプの医療流体機械と併用されてもよい。さらに、本開示は、患者管に関するが、他の実施例では、加熱管、排出管、医療流体源管等の他の管も、本開示のプライミングセンサを使用してプライミングされてもよい。さらに、本開示は、透析流体を使用して管をプライミングすることに言及するが、例示的システム、装置、および方法が、静注薬物、生理食塩水、腎療法流体、血液、滅菌水等を含む、任意のタイプの医療流体とともに動作し得ることを理解されたい。加えて、改良された感知は、管が存在するかどうか、および該当する場合、管が液体を含有するかどうかを把握することが所望される、任意の目的のために使用されてもよい。
【0061】
さらに、本開示は、静電容量センサに言及するが、他のセンサも、使用され得ることを理解されたい。例えば、本明細書に開示される静電容量感知は、誘導性センサと置換され得る。また、静電容量センサは、圧力センサ、無線周波数(「RF」)センサ、近接検出センサ等と置換される、および/またはそれと併せて使用されてもよい。
透析システム実施形態
【0062】
ここで図面を参照すると、図1は、本開示の例示的実施形態による、例示的医療流体送達システム100を図示する。図示される実施形態における医療流体送達システム100は、腎不全療法を1人以上の患者に提供するように構成される、透析機械102を含む。腎不全療法は、患者が水分およびミネラルのバランスを取ることに役立つ。腎不全療法はまた、血液および組織中に蓄積する、患者の窒素代謝の有毒な最終産物(尿素、クレアチニン、尿酸、およびその他)を除去することによって、毎日の代謝負荷を排泄することに役立つ。腎機能の置換のための腎不全療法は、治療が命に関わるため、多くの人々にとって重要である。
【0063】
いくつかの実施例では、透析機械102は、APD機械である。例示的透析機械102は、透析流体をカテーテルを介して患者の腹膜腔の中に送達するように構成される。透析流体は、滞留周期と称される、ある時間周期にわたって腹膜腔の腹膜に接触する。老廃物、毒素、および過剰な水分が、拡散および浸透に起因して、患者の血流から、腹膜を通して、透析流体の中に通過し、すなわち、浸透勾配が、膜を横断して生じる。透析における浸透圧剤が、浸透勾配を提供する。使用済みまたは消耗済み透析流体は、患者から排出され、患者から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。本サイクルは、例えば、複数回繰り返される。
【0064】
持続的携行型腹膜透析(「CAPD」)、自動化腹膜透析(「APD」)、および潮流透析および持続的流動腹膜透析(「CFPD」)を含む、種々のタイプの腹膜透析療法が、存在する。CAPDは、手動透析治療である。ここでは、患者は、手動で、埋込されたカテーテルをドレインに接続し、使用済みまたは消耗済み透析流体が腹膜腔から排出されることを可能にする。患者は、次いで、カテーテルを新鮮な透析流体のバッグに接続し、新鮮な透析流体をカテーテルを通して患者の中に注入する。患者は、新鮮な透析流体のバッグからカテーテルを接続解除し、透析流体が腹膜腔内で滞留することを可能にし、老廃物、毒素、および過剰な水分の移送が、起こる。滞留周期後、患者は、手動透析手順を、例えば、1日あたり4回繰り返し、各治療は、約1時間続く。手動腹膜透析は、患者から有意な量の時間および労力を要求し、改良の余地を十分に残している。
【0065】
自動化腹膜透析(「APD」)は、透析治療が、排出、充填、および滞留サイクルを含む点において、CAPDに類似する。しかしながら、透析機械102等のAPD機械は、典型的には、患者が眠っている間、自動的にサイクルを実施する。APD機械は、手動で治療サイクルを実施する必要性および日中に補給品を運搬する必要性から患者を解放する。APD機械は、埋込されたカテーテルに、新鮮な透析流体の源またはバッグに、および流体ドレインに流体的に接続する。APD機械は、新鮮な透析流体を、透析流体源から、カテーテルを通して、患者の腹膜腔の中に圧送する。APD機械はまた、透析流体が腔内に滞留することを可能にし、老廃物、毒素、および過剰な水分の移送が起こることを可能にする。源は、複数の滅菌透析流体バッグを含んでもよい。
【0066】
APD機械は、使用済みまたは消耗済み透析流体を、腹膜腔から、カテーテルを通して、ドレインに圧送する。手動プロセスのように、いくつかの排出、充填、および滞留サイクルが、透析の間に行われる。「最後の充填」が、APDの終了時に行われ、次の治療まで患者の腹膜腔内に留まる。
【0067】
いくつかの実施形態では、透析機械102は、血液透析(「HD」)を実施するように構成されてもよい。HDの間、透析機械102は、拡散を使用し、患者の血液から老廃物を除去するように構成される。拡散勾配が、患者の血液と透析液または透析流体と呼ばれる電解質溶液との間で半透性透析器を横断して生じ、拡散を引き起こす。血液濾過(「HF」)は、患者の血液からの毒素の対流輸送に依拠する、代替腎置換療法である。HFは、治療の間に体外回路に代用または置換流体(典型的には、10~90リットルのそのような流体)を添加することによって遂行される。代用流体および治療の間に患者によって蓄積された流体は、HF治療の過程にわたって限外濾過され、中および大分子を除去する際に特に有益である対流輸送機構を提供する(血液透析では、少量の老廃物が、透析セッションの間に得られた流体とともに除去されるが、しかしながら、その限外濾過液の除去からのソリュートドラッグは、対流クリアランスを提供するために十分ではない)。
【0068】
血液透析濾過(「HDF」)は、対流および拡散クリアランスを組み合わせる治療モダリティである。HDFは、標準的血液透析と同様に、透析器を通して流動する透析流体を使用し、拡散クリアランスを提供する。加えて、代用溶液が、体外回路に直接提供され、対流クリアランスを提供する。
【0069】
例示的透析機械102は、センター、病院、または患者の自宅に位置してもよい。部分的には、在宅透析が、毎日実施され、典型的には、週2または3回行われるセンター内透析治療に優る治療利益をもたらし得るため、在宅透析への傾向が、今日存在する。研究は、頻繁な治療が、あまり頻繁ではないが、おそらく、より長い治療を受ける患者よりも多くの毒素および老廃物を除去することを示している。より頻繁に治療を受ける患者は、治療に先立って2日または3日分の毒素を蓄積しているセンター内患者が被るほど多くのダウンサイクルを被らない。ある地域では、最も近い透析センターは、患者の自宅から何マイルもあり、ドアツードアの治療時間が1日の大部分を費やすことになり得る。在宅透析は、1晩中、または患者がリラックスする、働く、または別様に生産的である日中に行われ得る。患者にとっての在宅治療の魅力の多くは、患者が、主に自身の独自のスケジュールに従って自宅で治療を実施することを可能にすることによって提供される、生活様式の柔軟性を中心に展開する。
【0070】
透析機械102によって実施される上記の透析モダリティのうちのいずれかは、スケジュールベースで実行され得、始動手順を要求し得る。例えば、透析患者は、典型的には、隔日、毎日等のスケジュールベースで治療を実施する。透析治療機械は、典型的には、設定のために、例えば、プライミングおよび/または消毒手順を実行するために、治療前にある量の時間を要求する。プライミング手順の間、流体が、空気および/またはライン内微粒子を除去するために、1つ以上の透析管/ラインおよび/またはカセットを通して圧送される。透析管/ラインおよび/またはカセットをプライミングすることは、空気および/または微粒子が患者と接触することを防止する。
【0071】
図1の例示的透析機械102は、少なくとも1つの透析管/ラインの適切なプライミングを検出するように構成される、プライミングセンサ104を含む。図示される実施形態では、プライミングセンサ104は、患者管106のプライミングを検出するように構成される。他の実施形態では、プライミングセンサ104は、持続的流動腹膜透析セットの患者への管/患者からの管、排出管、加熱管、源流体管、濃縮液管等の付加的または代替管のプライミングのために構成される。HDに関して、プライミングセンサ104は、体外回路、透析器への管、透析器からの管、源管、血液管、生理食塩水管、および/または排出管をプライミングするように構成されてもよい。患者管106は、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、シリコーン、または他の非PVC材料等の任意の好適な医療等級材料から作製されてもよい。一実施形態における管106は、6ミリメートルまたは12ミリメートルに等しい、またはそれ未満である内径または外径を有する。
【0072】
図示される実施形態における透析機械102は、透析流体を流体源112から患者管106に移動させるように構成される、少なくとも1つのポンプ110を含む。ポンプ110は、蠕動ポンプ、回転ポンプ、ギヤポンプ、プラテン、線形アクチュエータポンプ、ダイヤフラムポンプ等を含む、任意のタイプのポンプを含んでもよい。ポンプ110は、透析流体を用いて患者管106をプライミングするように動作される。ポンプ110はまた、患者管106が、患者の腹膜腔の中に挿入されるカテーテルに接続されるとき、透析流体を流体源112から患者に提供するように動作される。プライミングは、代替として、または加えて、重力を使用して実施されてもよく、例えば、流体の源が、透析機械102の上方の頭部高において提供される。
【0073】
いくつかの実施形態では、透析機械102は、患者管106および充填管および排出管等の他の管類に流体的に接続される、使い捨てカセットを含む。カセットは、透析機械102内の弁および/またはポンプとともに動作する、1つ以上の可撓性膜および関連付けられるチャンバを含んでもよい。患者管106をプライミングするステップは、1つ以上の接続された管に加えて、透析流体を用いて使い捨てカセットをプライミングするステップを含んでもよい。
【0074】
流体源112は、事前混合された透析流体の1つ以上の容器を含んでもよい。いくつかの実施形態では、流体源112は、透析流体を形成するために純水と混合された濃縮液の容器またはリザーバを含んでもよい。加えて、または代替として、流体源112は、透析流体を形成するために1つ以上の濃縮液と混合される精製水の源等の直結源を含んでもよい。また、いくつかの実施例では、流体源112は、1つ以上の流体接続を介して、調製された透析流体を透析機械102に提供する、流体調製デバイスを含んでもよい。
【0075】
図1の例示的透析機械102はまた、制御ユニット115を形成する、1つ以上のプロセッサ120と、1つ以上のメモリ122とを含む。プロセッサ120は、入力を処理し、1つ以上の計算を実施し、1つ以上の出力を決定することが可能な任意のタイプのデバイスを含んでもよい。プロセッサ120は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサユニット(「MPU」)、コントローラ、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、1つ以上の集積回路上に含まれる中央処理ユニット等を含んでもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ120は、測定された静電容量を処理し、管状態を決定するように構成される、第1の処理デバイスと、部分的に、管状態を示す第1の処理デバイスからのデータおよび命令を使用して、透析動作を実施するように構成される、第2の処理デバイスとを含んでもよい。
【0076】
メモリ122は、任意の揮発性または不揮発性データ/命令記憶デバイスを含んでもよい。メモリ122は、例えば、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、読取専用メモリ(「ROM」)、電気的消去可能プログラマブル読取専用メモリ(「EEPROM」)等を含んでもよい。例示的メモリ122は、プロセッサ120に、本明細書に開示される動作を実施させるようにプロセッサ120によって実行可能である1つ以上の命令を記憶するように構成される。命令は、1つ以上のソフトウェアプログラムまたはアプリケーションの一部であってもよい。プロセッサ120が動作を実施するように構成されるという本明細書の言及は、メモリ122が、プロセッサ120に、説明される動作を実施させるように構成される命令を記憶する実施形態を含んでもよい。プロセッサ120およびメモリは、集合的に、制御ユニット115と称される。
【0077】
例示的メモリ122は、プロセッサ120に、管状態を検出させる、および/または透析機械102を動作させる命令を記憶するように構成される。プロセッサ120(または透析機械102の第2のプロセッサ)はまた、制御信号または命令をポンプ110に提供する、および/またはポンプ110に、プライミングシーケンスの間、および透析治療の間、透析流体を流体源112から患者管106に移動させてもよい。プロセッサ120によって実施される動作はまた、そのように行うように呼び出されるとき、周期的(例えば、1ミリ秒(「m秒」)毎、10m秒毎、250m秒毎、100m秒毎、500m秒毎、1秒毎、2秒毎等)および/または連続的に、プライミングセンサ104の電極および/または伝導性板の間の静電容量を測定するステップを含む。本明細書に開示されるように、メモリ122は、患者管106の状態を決定するために、プロセッサ120に、プライミングセンサ104の測定された静電容量を示す値を分析させる命令を含む。
【0078】
例示的プロセッサ120はまた、タッチスクリーン等のディスプレイ画面上に情報を表示する、または別様に伝えるために、透析機械102のユーザインターフェース124に1つ以上のメッセージを伝送するように構成される。プロセッサ120は、ユーザインターフェース124に、プライミングシーケンスの準備をするアクションを含む、治療のために透析機械102を準備するための患者への命令を表示させてもよい。ユーザインターフェース124はまた、プライミングセンサ104内に患者管106を設置する、またはプライミングシーケンスが完了された後に患者管106をカテーテルに接続する警告等のアラート条件を示すインジケーションを表示する、または別様に伝えてもよい。ユーザインターフェース124は、オペレータが情報を入力することを可能にするために、タッチスクリーンオーバーレイおよび/または電気機械的アクチュエータ、ボタン、および/またはスイッチを含んでもよい。ユーザインターフェース124によって受信される入力は、プライミングシーケンスまたは透析治療を開始するためのオペレータからのプロンプトを含んでもよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、プロセッサ120および/またはメモリ122は、制御ユニット115内に含まれる。さらに、制御ユニット115は、プライミングセンサ104とともに動作する、1つ以上の静電容量センサ117を含んでもよい。いくつかの実施例では、センサ117は、プロセッサ120とは別個である。他の実施例では、センサ117は、プロセッサ120内に含まれてもよい。
【0080】
透析機械102が、システム準備および/または透析治療の実施のための付加的構成要素を含み得ることを理解されたい。付加的構成要素は、ポンプアクチュエータ、コンプレッサ、圧力タンク、空気圧機器、弁アクチュエータ、加熱器、直結流体発生機器、流体圧力センサ、流体温度センサ、伝導率センサ、および空気検出センサを含んでもよい。透析機械102は、加えて、または代替として、血液漏出検出センサ、フィルタ、透析器、平衡チャンバ、吸着剤カートリッジ等を含んでもよい。加えて、透析機械102は、プロセッサ120が、ネットワーク(例えば、インターネット)を介して、遠隔または一元化サーバからデータ/処方箋を受信し、それに透析療法ステータス情報を伝送することを可能にするために、1つ以上のネットワーク接続(例えば、イーサネット(登録商標)接続)を含んでもよい。ある実施形態では、プロセッサ120を使用する制御ユニット115は、プライミングのインジケーション、患者管状態変化の検出、状態変化が生じたときの日付/時間、および/または提供されるアラームのインジケーションを含む、データ構造またはログを作成してもよい。
プライミングセンサ実施形態
【0081】
図2は、本開示の例示的実施形態による、図1の例示的医療流体送達システム100の透析機械102に対して位置付けられている、プライミングセンサ104の実施形態を図示する。図示される実施例では、プライミングセンサ104は、プライミングセンサ104の筐体202を介して透析機械102の筐体201上に提供される、または別様にそれに接続される。筐体202は、測定が行われることを可能にするために、患者管106を定位置に保定するように構成される。筐体202は、患者管106に係合するように構成される、クリップを含み、または形成してもよく、これは、キャップ204を含んでもよい。例えば、筐体202は、管を定位置に保定するために、管106の対応する構造に対応する、またはそれと整合する、円筒形開口部を含んでもよい。患者は、患者管106を筐体202の開放チャネルの中に設置することによって、管106を筐体202の中に挿入する、例えば、スナップ嵌合させる。患者は、一実施形態では、これが筐体202内に着座されるまで、管106を下降させる。筐体202は、透析機械102の側上に位置するものとして示されるが、他の実施形態では、筐体202は、透析機械の上面、前面、裏面、および/または対向する表面上に位置してもよい。
【0082】
例示的キャップ204は、患者管106の端部コネクタ206に機械的に接続するように構成される。キャップ204は、随意に、空気が、プライミングシーケンスの間に患者管106から通気することを可能にする、疎水性通気孔またはフィルタを含む。通気孔またはフィルタは、ある実施形態では、流体が患者管106から外に越流することを防止することに役立つ。しかしながら、管106を過剰に充填することは、キャップ204を管から分離させ得る。プライミングセンサ104は、流体が患者管106の端部コネクタ206(またはコネクタ206の直下)に到達するときを検出し、流体圧送または重力プライミングが停止されるべきであるときを決定するように構成される。そのような場合では、疎水性通気孔は、必要とされない場合がある。プライミングシーケンスが、完了された後、患者は、端部コネクタ206からキャップ204を接続解除してもよい。患者は、次いで、患者管106の端部コネクタ206をカテーテルに接続してもよく、これは、患者の腹膜腔に流体的に接続される。
【0083】
図2はまた、患者管106が管クランプ208を含み得ることを図示する。管クランプ208は、流体が意図せず患者管106から退出することを防止するために、プライミングに先立って管106に挟持されてもよい。管クランプ208は、プライミングシーケンスに先立って係脱されるが、プライミング後に、患者が、治療を開始するために端部コネクタ206をカテーテル(または関連する移送セット)に接続する間に挟持されてもよい。管クランプ208は、随意に、省略されてもよい。
【0084】
図3は、本開示の例示的実施形態による、図1および2のプライミングセンサ104の筐体202を図示する。図3の例示的筐体202は、管106を受け取り、それに係合するように構成される、陥凹付き区分302を含む。陥凹付き区分302は、少なくとも部分的に、管106を包囲する、U形状または半円形形状を有してもよい。図示される実施形態における陥凹付き区分302は、管106を定位置に受容し、固着させるように構成される、辺縁304を含む。陥凹付き区分302は、図6-10に関連してより詳細に議論される、1つ以上の電極および/または伝導性板を封入する、または別様に収納するように構成される、壁を含む。
【0085】
例示的筐体202はまた、保定具クリップ306(例えば、部材)を含む。例示的保定具クリップ306は、内部区分または陥凹付き区分302に接続される端部を伴う伝導性板または電極を含む。保定具クリップ306は、管106が挿入されるとき、筐体202の辺縁304内に管106を保持するように構成される。したがって、例示的保定具クリップ306は、管106をプライミングセンサ104内で適切に整合させるように構成される。保定具クリップ306は、挿入後、管106を定位置にさらに保定するための圧縮力を提供するように構成されてもよい。図9に関連してより詳細に議論されるように、管106が挿入されるときの陥凹付き区分302に向かう保定具クリップ306の移動は、測定される静電容量を変化させ、これは、管なし状態と乾燥管状態との間を検出するために使用される。
【0086】
例示的筐体202はまた、外壁308を含む。外壁308は、外部源に起因する陥凹付き区分302内の電場干渉を防止する、または少なくとも低減させるために、1つ以上のシールドを含んでもよい。加えて、または代替として、外壁308は、スマートフォンまたはオペレータの手等の外部源に起因する電場の変化を感知するために、1つ以上の電極および/または伝導性板を封入する、または別様に収納してもよい。
【0087】
図4および5は、本開示の例示的実施形態による、図3のプライミングセンサ104の筐体202を図示する。図4は、管106が挿入される前のプライミングセンサ104を示す。図示されるように、筐体202は、保定具クリップ306を収容する、または別様に受容するように構成される、切り抜き面積402を含む。したがって、切り抜き面積402は、保定具クリップ306の寸法に対応するように定寸される。電極または伝導性板のばね力または他の圧縮力が、閉鎖位置において保定具クリップ306を保持する。
【0088】
図5は、管106が挿入された後のプライミングセンサ104を図示する。図示される実施例では、オペレータは、管106をプライミングセンサ104の中に挿入し、これは、保定具クリップ306を切り抜き面積402内で開放位置に移動させる。管106は、辺縁304を介して、および/または保定具クリップ306によって提供される圧縮力を通して、陥凹付き区分302内に保定される。図5の図示される実施例では、患者管106は、端部コネクタ206と、キャップ204とを含む。プライミングセンサ104の陥凹付き区分302は、端部コネクタ206を定位置に受け取る、または別様に固着させるように構成される。
【0089】
図6は、本開示の例示的実施形態による、図1-5のプライミングセンサ104の電極および/または伝導性板を図示する。図示される実施例では、第1の電極または金属シート602が、管が挿入されるとき、管106の第1の部分に隣接する場所に提供される。加えて、第2の電極または金属シート604が、管が挿入されるとき、管106の第2の部分に隣接する場所に提供される。第1および第2の電極602および604は、プライミングセンサ104の筐体202(図示せず)内に含まれる、または収納されてもよい。電極602および604は、0.5ミリメートル(「mm」)~2センチメートル(「cm」)である幅を有し得る、間隙605だけ分離される。電極602および604は、2mm~3cmである幅を有してもよい。電極602および604は、電極602と604との間の静電容量を測定するように構成される、静電容量センサ606(例えば、静電容量測定デバイス)に接続される。電極602および604(および本明細書に開示される他の電極)は、伝導性板、可撓性PC基板またはケーブル上の銅トレース、金属板、炭素充填伝導性プラスチック、金属めっきプラスチック、伝導性塗料を噴霧されたプラスチック等を含んでもよい。静電容量センサ606(例えば、図1の静電容量センサ117)は、図1のプロセッサ120または制御ユニット115内に含まれる、または別個に提供されてもよい。静電容量センサ606は、例えば、制御ユニット115を具備する電子機器カートまたは印刷回路基板上に提供されてもよい。プロセッサ120、静電容量センサ606、および/または制御ユニット115は、透析機械102の電源を介して給電される。
【0090】
図6に示されるように、第1の時点で、管106内の流体レベル610は、電極602および604の高度的に下方にある。結果として、センサ606において測定される静電容量は、主として、管106内の空気および管自体の誘電値に基づく。その後、流体レベル610は、空気を排出するためのプライミングシーケンスの間に管106内で上昇する。したがって、流体610は、電極602および604を過ぎて流動する。電極602および604に隣接する管106の部分内の流体610の存在は、電極602と604との間の有効距離を低減させ、それによって、センサ606によって測定される静電容量の値を増加させる。流体610は、電極602および604に物理的に接触することによって間隙605を架橋しないが、間隙605に隣接する流体610の設置は、電極602および604の周囲およびその間の電場を変化させるために十分である。電場の変化の検出は、流体レベル610が、電極602および604において管106の端部に到達したことを示し、これは、ポンプ110が、プライミング手順を停止し得ることを示す。さらに、電極602および604により近接する浮動電極の移動もまた、測定される静電容量を増加させ、これは、管106の存在を検出するために使用されてもよい。
【0091】
図7は、本開示の別の例示的実施形態による、図1-5のプライミングセンサ104を図示する。図示される実施例では、センサ104は、管106に対して異なる高度的高さに位置付けられる、3つの電極および/または伝導性板602、604、および702を含む。電極602および604は、第1の静電容量センサ606aに電気的に接続される一方、電極604および702は、第2の静電容量センサ606bに電気的に接続される。静電容量センサ606aおよび606bは、図1のプロセッサ120(および/またはプロセッサ120に通信可能に結合される制御ユニット115)内に含まれる、または別個に提供されてもよい。
【0092】
静電容量センサ606aおよび606bは、集合的に、流体レベルのインジケーションを提供する。例えば、第1のセンサ606aではなく、第2のセンサ606bによる流体の検出は、流体レベルが、電極604の端部を上回るが、電極602の下端を下回る管106内の高さに到達したことを示す。そのようなレベルにおける流体レベルの検出は、制御ユニット115のプロセッサ120に、ポンプ110の圧送速度を減少させてもよい。第1のセンサ606aによる流体の検出は、流体が、少なくとも、電極602に隣接する管106内の高さに到達したことを示す。本高度における流体レベルの検出は、制御ユニット115のプロセッサ120に、ポンプ110を使用するプライミングシーケンスを停止させてもよい。センサ606aおよび606bのいずれも、静電容量の増加を検出しない場合、制御ユニット115のプロセッサ120は、ポンプ110を、通常のプライミング速度において流体を用いて管106をプライミングするように動作させるように構成されてもよい。
【0093】
図8は、本開示のさらなる例示的実施形態による、図1-5のプライミングセンサ104を図示する。本実施例では、第1の電極または伝導性板802が、管106の第1の側上に設置される一方、第2の電極または伝導性板804が、管106の第2の側上に設置される。図示されるように、第1の電極802は、第2の電極804を含有する、陥凹付き区分302の第2の側に対向する、筐体202の陥凹付き区分302の第1の側上に設置される。
【0094】
電極802および804は、電極の間の静電容量を測定するように構成される、静電容量センサ606に電気的に接続される。測定される静電容量は、静電容量を示す値を含む。図8に示されるように、流体が、存在しないとき、静電容量センサ606は、管106および管内の空気の静電容量を測定する。流体が、空気を変位させるとき、静電容量センサ606は、管106および流体の静電容量を測定する。管106自体の静電容量は、管106内の空気から流体への遷移に起因する静電容量の変化を検出するとき、正規化される、または別様に無視される。
【0095】
いくつかの実施形態では、流体レベルは、測定された静電容量に基づいて決定されてもよい。例えば、静電容量は、管106内の流体レベルが、電極802および804の底部部分または端部のみと整合されるとき、より低く、流体レベルが、電極の上部部分または端部と整合されるとき、より大きくあり得る。静電容量の値は、管106内の高さにテーブルまたは他のデータ構造を介して相関されてもよい。本値は、流体レベルが、管106の上(開放)端に接近するにつれて、ポンプ110の速度を漸進的に減少させるために、制御ユニット115のプロセッサ120によって使用されてもよい。
【0096】
図9は、本開示のまた別の例示的実施形態による、図1-5のプライミングセンサ104を図示する。図8の実施例と同様に、電極802および804は、相互に対向して位置付けられる。しかしながら、平面図900に示されるように、電極802は、保定クリップ306内に含まれる。したがって、電極802は、筐体202を介して定常に保持される、電極804、902、および904に対して移動可能である。電極802の端部または基部が、陥凹付き区分302の基部または中間部分に接続される。保定クリップ306は、電極802の端部において枢動または屈曲するように構成され、それによって、クリップ306が開放位置と閉鎖位置との間で移動されることを可能にする。さらに、陥凹付き区分302内のその初期位置に戻るような電極802の付勢された性質は、保定クリップ306に、プライミングセンサ104の中に挿入されるときに管106に対するばね力を提供させる。いくつかの実施例では、電極802が、プライミングセンサ104の他の部分に電気的に接続されず、それによって、これが電気的に浮動することを可能にすることを理解されたい。
【0097】
図9の例示的プライミングセンサ104はまた、電極902および904を含む。平面図900に示されるように、電極902および904は、電極804のものに対向する、陥凹付き区分302の側上に提供される。電極902および904は、定常であり、少なくとも部分的に、管106を包囲するように構成される。
【0098】
図6に関連して議論される実施例と同様に、電極902および904は、相互に対して異なる高度的高さに位置付けられる。図示される実施例では、電極902は、電極904を上回る高さまたは高度に設置され、その間に間隙を提供する。電極902および904は、同一の幅または異なる幅を有してもよい。
【0099】
電極902および904は、電極902と904との間の静電容量値を測定するように構成される、第1の静電容量センサ606aに電気的に接続される。図示される実施例では、静電容量センサ606aは、管なし状態と乾燥管状態との間の変化を検出するように構成される。図示される実施例では、静電容量センサ606aは、例えば、管106が、プライミングセンサ104内に挿入されるとき、電極802が電極902および904により近接して移動される結果として、静電容量変化を検出するように構成される。電極902および904に向かう電極802の移動は、測定される静電容量を増加させ、これは、管106がプライミングセンサ106内に挿入されていることを示す。
【0100】
いくつかの実施形態では、静電容量センサ606aはまた、透析流体レベルが、上昇し、電極902と904との間の間隙を架橋するとき、静電容量変化を検出するために使用されてもよい。したがって、静電容量センサ606aは、加えて、乾燥管と湿潤管との間の遷移を検出するように構成されてもよい。センサ606aからの出力は、図6に関連して議論されるように、乾燥管状態および湿潤管状態を決定するために、制御ユニット115のプロセッサ120によって使用される。
【0101】
図9に示されるように、電極804および902は、第2の静電容量センサ606bに電気的に接続される。図示される実施例では、静電容量センサ606bは、流体レベルが電極804と902との間で上昇する結果として、静電容量増加を検出するように構成される。静電容量センサ606bは、乾燥管状態と湿潤管状態との間の遷移を検出するために使用される。
【0102】
同様に、電極804および904は、第3の静電容量センサ606cに電気的に接続される。第3の静電容量センサ606cは、流体が電極804と904との間で上昇する結果として、静電容量増加を検出するように構成される。静電容量センサ606cは、乾燥管状態と湿潤管状態との間の遷移を検出するために使用される。
【0103】
いくつかの実施形態では、静電容量センサ606bおよび606cの出力(または測定される静電容量を示す値)は、乾燥管状態および湿潤管状態を検出するために、制御ユニット115のプロセッサ120によってともに加算される、または別様に組み合わせられる。いくつかの実施形態では、プロセッサ120は、管106内の流体レベルを決定するために、静電容量センサ606bおよび606cからの出力を比較してもよい。例えば、測定される静電容量の間の有意な差異は、管106内の流体レベルが、電極902のある高さにまだ到達していないが、電極904のその高さに到達していることを示す。本レベルにおける流体の検出は、プロセッサ120に、ポンプ110の圧送速度を低減させてもよい。
【0104】
図10および11は、本開示の例示的実施形態による、プライミングセンサ104の平面図を示す。図10は、管106がプライミングセンサ104の中に挿入されていないときの閉鎖および静止位置における保定クリップ306および電極802を示す。図10はまた、陥凹付き区分302の中間区分または基部に接続される、電極802の基部または端部を示す。図11は、管106がプライミングセンサ104の中に挿入される結果として、電極902に向かって屈曲、枢動、または別様に移動される保定クリップ306を含む、電極802を示す。保定クリップ306および/または電極802は、管106が、所望の整合状態にのみ挿入され得るように構成される。保定クリップ306および/または電極802は、例えば、管106を陥凹付き区分302の中間に受容および指向するために角度付けられる、前端を含んでもよい。図9に関連して上記に議論されるように、陥凹付き区分302内の管106の設置は、電極802を電極902および904に向かって移動させ、それによって、測定される静電容量を増加させる。
【0105】
図12は、本開示の例示的実施形態による、図9-11の電極802、804、902、および904によって形成されるコンデンサの一実施例に関する回路図1200を示す。示されるように、電極804および902は、第1のコンデンサを形成する一方、電極804および904は、第2の並列コンデンサを形成する。第1および第2のコンデンサの静電容量は、電極902および904に対する電極802の位置に基づく。電極902および904は、本明細書に議論されるように、第3のコンデンサを形成する。
プロセッサ実施形態
【0106】
図1の制御ユニット115の例示的プロセッサ120は、部分的に、1つ以上の静電容量センサによって測定された静電容量に基づいて、管状態を決定するように構成される。図13は、本開示の例示的実施形態による、図1のプロセッサ120を示す。プロセッサ120は、第1の処理デバイス120aと、第2の処理デバイス120bとを含む。第1の処理デバイス120aは、回路基板またはプロセッサ基板1302上に提供される。実施例では、第1の処理デバイス120aは、汎用入力出力(「GPIO」)トレースまたはラインを介して、電極902および904に電気的に接続される。いくつかの事例では、電流源(または1つ以上の電源)が、電流を提供し、静電容量測定を可能にするために、GPIOラインに接続されてもよい。電流源は、例えば、10nA、100nA、250nA、500nA、1,000nA等の電流を提供してもよい。
【0107】
また、図13に示されるように、電極804は、接地に電気的に接続される。接地は、処理デバイス120aが、接地を介して電極804に電気的に接続されるように、処理デバイス120aのための接地と共通して共有されてもよい。他の実施形態では、電極804は、代わりに、第3のGPIOラインまたはトレースを介して処理デバイス120aに接続される。さらに、上記に議論されるように、電極802は、処理デバイス120aに電気的に接続されず、したがって、電気的に浮動することを可能にされる。
【0108】
処理デバイス120aは、GPIOラインを介して静電容量を測定する、静電容量センサ606a、606b、および606cを含む、および/またはそれとともに動作する。例えば、センサ606aは、GPIOラインの間の静電容量を決定することによって、電極902と904との間の静電容量を測定するように処理デバイス120aとともに動作する。センサ606bは、第2のGPIOラインと接地との間の静電容量を決定することによって、電極804と902との間の静電容量を測定するように処理デバイス120aとともに動作する。センサ606cは、第1のGPIOラインと接地との間の静電容量を決定することによって、電極804と904との間の静電容量を測定するように処理デバイス120aとともに動作する。
【0109】
図14は、本開示の例示的実施形態による、ある時間周期にわたって図9-13のセンサ606a、606b、および606cによって測定される例示的静電容量値を図示する、グラフ1400を示す。グラフ1400は、16.2秒にわたる正規化された静電容量の単位を示す。静電容量は、フェムトファラド(「fF」)またはピコファラド(「pF」)の桁を有する測定された値から正規化されてもよい。グラフ1400は、静電容量センサ606bおよび606cによって測定されるような乾燥管状態と湿潤管状態との間の遷移を示す。示されるように、正規化された静電容量は、管106内の液体レベルが、電極804、902、および904に到達する際、10分の数秒以内に約23,000単位だけ変化する。静電容量の大きさは、湿潤状態に到達した後、実質的に水平である、または一貫する。液体レベルが、低減されると、静電容量は、「0」の正規化された値に戻るように迅速に低下し、それによって、正方形波形を生成する。理解され得るように、状態の間の有意な静電容量差は、1000:1を上回るロバストな信号対雑音比を提供し、正確な管状態検出を提供する。グラフ1400が、管なし状態と乾燥管状態との間との遷移に関して大きさおよび形状において類似することを理解されたい。
【0110】
図13に再び目を向けると、静電容量を測定した後、第1の処理デバイス120aは、静電容量を示す1つ以上の信号またはメッセージを第2の処理デバイス120bに伝送するように構成される。実施例では、第2の処理デバイス120bは、別個の入力ラインを介して入力命令または信号を伝送する。第1の処理デバイス120aは、静電容量測定をサンプリングまたは実施するための入力命令または信号を使用してもよい。例えば、第2の処理デバイス120bからの第1の入力は、第1の静電容量センサ606aの静電容量を測定するように第1の処理デバイス120aに命令し得る一方、第2の入力は、第2の静電容量センサ606bの静電容量を測定するように第1の処理デバイス120aに命令し得る一方、第3の入力は、第3の静電容量センサ606cの静電容量を測定するように第1の処理デバイス120aに命令し得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、第1の処理デバイス120aは、GPIOラインを介して決定された測定された静電容量値に基づいて、管状態を決定するように構成される。第1の処理デバイス120aは、例えば、第1の処理デバイス120a内のデジタル-アナログコンバータ(「DAC」)によって生成されるパルス幅変調(「PWM」)信号またはアナログ信号を介して、各管状態のインジケーションまたは管状態変化のインジケーションを第2の処理デバイス120bに伝送する。代替実施例では、PWM信号は、管状態を示すデジタル信号または命令によって置換されてもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、第1の処理デバイス120aは、管状態が変化したと結論的に決定する前に、複数の静電容量測定をサンプリングまたは実施するように構成される。例えば、閾値数の測定値(例えば、1個、2個、3個、5個、10個等)が、閾値時間周期(例えば、10m秒、100m秒、250m秒、500m秒、1秒、2秒、5秒等)内に同一の管状態を示す場合、第1の処理デバイス120aは、管状態が実際に変化したと決定する。閾値のうちの少なくとも1つが、満たされない場合、処理デバイス120aは、管状態変化を決定することを控える。上記の状況は、電気的干渉が、オペレータの手または電子デバイスに起因して存在するときに生じ得る。
【0113】
代替として、第1の処理デバイス120aは、第1の処理デバイス120a内のDACによって生成されるPWM信号またはアナログ信号を介して、測定される静電容量のインジケーションを第2の処理デバイス120bに伝送する。パルス幅は、測定される静電容量の値に対応し得る。代替実施例では、PWM信号は、測定される静電容量を示すデジタル信号または命令によって置換されてもよい。第1の処理デバイス120aから静電容量値を受信した後、第2の処理デバイス120bは、管状態を決定するように構成される。いくつかの実施例では、処理デバイス120bは、管状態を決定するために(別個の入力ラインを介して第1の処理デバイス120aにメッセージを伝送することによって)複数の静電容量測定をサンプリングまたは実施してもよい。閾値数の測定値(例えば、1個、2個、3個、5個、10個等)が、閾値時間周期(例えば、10m秒、100m秒、250m秒、500m秒、1秒、2秒、5秒等)内に同一の管状態を示す場合、第2の処理デバイス120bは、管状態が実際に変化したと決定する。閾値のうちの少なくとも1つが、満たされない場合、処理デバイス120bは、管状態変化を決定することを控える。
【0114】
図15は、本開示の例示的実施形態による、図1の患者管106の管状態を決定するための例示的手順1500を図示する。制御ユニット115の例示的プロセッサ120は、図15に示される手順1500を実行する、または動作させるように構成される。初めに、例示的プロセッサ120は、患者が透析治療を開始するべきであるというインジケーションを受信する、またはそれを決定する(ブロック1502)。例示的プロセッサ120は、ユーザインターフェース124を介して、患者が治療を開始することを選択したという入力を受信してもよい。代替として、プロセッサ120は、電子的に記憶されるスケジュールを介して、患者が透析治療を受けるべきであると決定してもよい。治療の準備をするために、例示的プロセッサ120は、一実施形態では、設定ルーチンを動作させ、これは、管を適切な容器に接続するステップと、プライミング手順を実施するステップとを含んでもよい。患者管106をプライミングする時間になると、例示的プロセッサ120は、患者が患者管106をプライミングセンサ104の中に差し込むべきであるという表示のためのメッセージ1501をユーザインターフェース124を介して伝送する(ブロック1504)。図17は、メッセージ1501に基づいて、ユーザインターフェース124によって表示され得る、例示的画面レイアウト1700を図示する。画面レイアウト1700は、患者管106がプライミングセンサ104内に設置されるべき方法に関するテキストおよび図示を含む。
【0115】
患者が管106をプライミングセンサ104の中に正しく挿入したかどうかを決定するために、例示的プロセッサ120は、1つ以上の静電容量測定を実施し、管状態を決定するように構成される(ブロック1506)。実施される静電容量測定毎に、プロセッサ120は、静電容量センサ606のうちの1つ以上のものからサンプリングされた出力データ1503を受信し、これは、図9-14に関連して上記に議論されるように、管状態を決定するために処理される。管なし状態が、検出される場合、プロセッサ120は、患者管106が欠如していることを示す、1つ以上のメッセージ1507を伝送するように構成される。図18は、メッセージ1507に基づいて、ユーザインターフェース124によって表示され得る、画面レイアウト1800の略図を図示する。画面レイアウト1800は、患者管106が挿入されていないことを患者にアラートする、ポップアップウィンドウを含む。
【0116】
図15に再び目を向けると、乾燥管状態が、検出される場合、例示的プロセッサ120は、患者が管を流体源に接続するべきであることを示す、1つ以上のメッセージ1509を伝送する(ブロック1508)。他の実施形態では、メッセージ1509は、プライミングシーケンスを開始するように患者に命令してもよい。図19は、メッセージ1509に基づいて、ユーザインターフェース124によって表示され得る、画面レイアウト1900の略図を示す。画面レイアウト1900は、流体源が透析機械の1つ以上の源管に接続されるべき方法に関するテキストおよび画像を含む。患者が、管を接続した後、患者は、画面レイアウト1900に示されるプライミングボタンを選択してもよい。プライミングボタンの選択は、プロセッサ120がプライミングシーケンスを開始するためのインジケーションを提供する(ブロック1510)。プライミングシーケンスは、少なくとも1つのポンプ110に、透析流体を少なくとも1つの源容器112から患者管106に移動させるステップを含む。本シーケンスの間、プロセッサ120は、静電容量センサ606によって行われる複数の静電容量測定または静電容量測定のサンプリングを実施するステップからサンプリングされた出力データ1503を受信する(ブロック1512)。加えて、本シーケンスの間、プロセッサ120は、図20に示される画面レイアウト2000をユーザインターフェース124上に表示させてもよく、これは、プライミングシーケンスが実行されていることを示す。
【0117】
乾燥管状態の検出毎に、プロセッサ120は、閾値カウンタを増分させ、カウンタがある閾値を超えるかどうかを決定してもよい(ブロック1514)。閾値が、規定された時間周期(例えば、250m秒、500m秒、1秒、3秒、10秒、20秒、40秒等)内で超えられない場合、患者管106は、予期される時間周期内にプライミングすることが可能ではなく、閉塞、漏出、狭窄、または透析流体が管を充填しないように妨げている他の条件を有し得る。状況を補正する試みにおいて、プロセッサ120は、1つ以上のメッセージ1515を伝送するように構成され、これは、図21の画面レイアウト2100を表示させる。加えて、アラームが、アクティブ化されてもよい。画面レイアウト2100は、プライミングエラーを示すテキストと、患者が源流体からの管および患者管106をチェックするための命令とを含む。患者が、管に関する問題を識別および補正した後、患者は、次へのボタンを選択し、プライミングシーケンスを再開してもよい。
【0118】
ブロック1512に再び目を向けると、湿潤管状態が、閾値時間内に検出される場合、例示的プロセッサ120は、プライミングしないようにポンプ110を停止するように構成されてもよい(ブロック1516)。いくつかの実施形態では、例示的プロセッサ120は、プライミングが正しく実施されていることを確認するように構成される。例示的プロセッサ120はまた、治療を開始するために、患者管106を患者ラインセットおよび/またはカテーテルに接続するように患者に命令する情報を伴う1つ以上のメッセージ1517を伝送してもよい(ブロック1518)。図22は、メッセージ1517に基づいて、ユーザインターフェース124によって表示され得る、画面レイアウト2200の略図を図示する。画面レイアウト2200は、患者管106をラインセットまたはカテーテルに接続する方法に関する患者情報を提供するテキストおよび画像を含む。
【0119】
図15に再び目を向けると、例示的プロセッサ120は、プライミングセンサ104を使用し、患者管106が依然としてセンサ内に存在するかどうかを決定するように構成される(ブロック1520)。プロセッサ120は、サンプリングされた出力データ1503の1つ以上のセットを受信し、管が依然としてプライミングセンサ104内にあるかどうかを決定する。管が、依然として存在する場合、プロセッサ120は、患者がプライミングセンサ104から管を除去するべきであることを示す、1つ以上のメッセージ1521を伝送する。図23は、メッセージ1521に基づいて、ユーザインターフェース124によって表示され得る、画面レイアウト2300の略図を図示する。画面レイアウト2300は、患者管が、ラインセットまたはカテーテルへの接続のためにプライミングセンサから除去されていない警告を提供する、ポップアップウィンドウを含む。患者管106が、もはや検出されない場合、例示的プロセッサ120は、プライミングシーケンスを終了する、および/または透析療法が開始されることを可能にするように構成される。
【0120】
図16は、本開示の例示的実施形態による、プライミングシーケンスのために患者管106の管状態を決定するように構成される、例示的手順1600の略図を示す。例示的手順1600は、図1のプロセッサ120によって実行または実施されてもよい。さらに、プロセッサ1600は、プロセッサ120によって実行されると、プロセッサ120に説明される動作を実施させる、メモリ122内に記憶される1つ以上の命令に従って動作してもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサ120は、加えて、測定された静電容量値を正規化してもよい。
【0121】
例示的手順1600は、プロセッサ120が、プライミングシーケンスを実施し、電力をプライミングセンサ104に提供するときに開始される(ブロック1602)。例示的プロセッサ120は、図9の静電容量センサ606aを較正する(ブロック1604)。プロセッサ120は、定常状態の測定された静電容量を決定することによって、センサ606aを較正してもよい。プロセッサ120は、ベースライン値1605を計算するために、測定された静電容量値の平均値を決定してもよい。較正後、プロセッサ120は、決定されたベースライン静電容量値1605をメモリ122に記憶する。
【0122】
プロセッサ120は、次いで、感知閾値Tを算出する(ブロック1606)。閾値Tは、ベースライン値1605を上回る静電容量値である。いくつかの実施形態では、プロセッサ120は、ベースライン値1605を2倍、3倍、4倍、5倍、7倍、10倍、15倍、20倍等上回るものとして閾値Tを決定する。他の実施形態では、プロセッサ120は、ベースライン値を上回るfFまたはpFの規定された数であるものとして閾値Tを決定する。閾値Tを下回る測定された静電容量値は、管なし状態に対応するようにプロセッサ120によって決定される一方、閾値Tを上回る測定された静電容量値は、乾燥管状態に対応するようにプロセッサ120によって決定される。例えば、プロセッサ120は、センサ606aからの測定された静電容量値を閾値Tと比較する(ブロック1608)。測定された静電容量値が、閾値Tを下回る場合、プロセッサ120は、測定された値が管なし状態に対応すると決定する(ブロック1610)。いくつかの事例では、プロセッサ120はまた、カウンタを更新してもよく、規定された時間周期内の管なし状態の検出なしは、プロセッサ120に、エラーメッセージを出力させる、またはアラートをアクティブ化させてもよい。プロセッサ120は、次いで、静電容量センサ606aからの後続の測定された静電容量値を閾値Tと比較(またはサンプリング)し続ける。
【0123】
ブロック1608に再び目を向けると、測定された静電容量値が、閾値Tを上回る、またはそれに等しい場合、プロセッサ120は、測定された値が乾燥管状態に対応すると決定する(ブロック1612)。いくつかの事例では、プロセッサ120は、閾値回数の乾燥状態管検出が、規定された時間周期内に行われる(例えば、100m秒、250m秒、500m秒、1秒、2秒、5秒等以内に2、5、または10回の検出)場合のみ乾燥管状態を決定してもよい。
【0124】
プロセッサ120は、次に、図9の静電容量センサ606bおよび/または606cを較正する(ブロック1614)。いくつかの実施形態では、プロセッサ120は、例示的手順1600内で実質的に同時に、または同時に静電容量センサ606a、606b、および606cを較正する。プロセッサ120は、定常状態の測定された静電容量を決定することによって、センサ606bおよび/または606cを較正してもよい。プロセッサ120は、ベースライン値1615を計算するために、測定された静電容量値の平均値を決定してもよい。較正後、プロセッサ120は、決定されたベースライン静電容量値1615をメモリ122に記憶する。
【0125】
制御ユニット115のプロセッサ120は、次いで、感知閾値Wを算出する(ブロック1616)。閾値Wは、ベースライン値1615を上回る静電容量値である。いくつかの実施形態では、プロセッサ120は、ベースライン値1615を2倍、3倍、4倍、5倍、7倍、10倍、15倍、20倍等上回るものとして閾値Wを決定する。他の実施形態では、プロセッサ120は、ベースライン値を上回るfFまたはpFの規定された数であるものとして閾値Wを決定する。閾値Wを下回る測定された静電容量値は、乾燥管状態に対応するようにプロセッサ120によって決定される一方、閾値Wを上回る測定された静電容量値は、湿潤管状態に対応するようにプロセッサ120によって決定される。
【0126】
閾値Wが、決定された後、プロセッサ120は、管状態を決定できる状態である。図16に示されるように、プロセッサ120は、センサ606aからの測定された静電容量値を閾値Tと比較するように構成される(ブロック1618)。測定された静電容量値が、閾値Tを下回る場合、プロセッサ120は、測定された値が管なし状態に対応すると決定する(ブロック1620)。プロセッサ120は、測定された静電容量値が、閾値Tを上回る、またはそれに等しくなるまで、本ループを継続する。プロセッサ120は、次いで、センサ606bおよび/または606cからの測定された静電容量値を閾値Wと比較する(ブロック1622)。いくつかの事例では、プロセッサ120は、ベースライン値1615、閾値W、および状態検出のために、センサ606bおよび606cからの測定された静電容量値を組み合わせてもよい。測定された静電容量値が、閾値Wを下回る場合、プロセッサ120は、測定された値が乾燥管状態に対応すると決定する(ブロック1624)。プロセッサ120は、ブロック1618に戻り、管が依然としてプライミングセンサ104内に存在するかどうかを決定する、または管が除去されたかどうかを決定してもよい。いくつかの事例では、プロセッサ120はまた、カウンタを更新してもよく、規定された時間周期内の湿潤管状態のゼロ検出は、プロセッサ120に、エラーメッセージを出力させる、または閉塞、管漏出等を示すアラートをアクティブ化させてもよい。プロセッサ120は、次いで、静電容量センサ606bおよび/または606cからの後続の測定された静電容量値を閾値Wと比較(またはサンプリング)し続ける。
【0127】
ブロック1622に再び目を向けると、測定された静電容量値が、閾値Wを上回る、またはそれに等しい場合、プロセッサ120は、測定された値が湿潤管状態に対応すると決定する(ブロック1626)。いくつかの事例では、制御ユニット115のプロセッサ120は、閾値回数の湿潤状態管検出が、規定された時間周期内に行われる(例えば、100m秒、250m秒、500m秒、1秒、2秒、5秒等以内に2、5、または10回の検出)場合のみ湿潤管状態を決定してもよい。湿潤管状態を検出した後、例示的プロセッサ120は、プライミングシーケンスを終了し、それによって、例示的手順1600を終了してもよい。代替として、プロセッサ120は、ブロック1618に戻り、管がプライミングセンサ104から除去されたかどうかを決定する。
プライミングセンサ実施形態の追加
【0128】
図24は、本開示の別の例示的実施形態による、図1のプライミングセンサ104の略図を示す。図示される実施例では、プライミングセンサ104は、U形状において提供される筐体2402を含む。筐体2402は、第1のアームまたは側2404と、第2のアームまたは側2406とを含む。筐体2402はまた、第2のアームまたは側2406が、第1のアームまたは側2404またはU形筐体2402の基部2405(例えば、第3の側)に対して回転または枢動することを可能にする、ジョイントまたはヒンジ2408を含む。
【0129】
図示される実施例では、第1のアームまたは側2404は、伝導性板2410および2412を含む。板は、中実であり、他方に隣接して設置されてもよい。代替として、板は、比較的に広範な感受性面積を提供するために、櫛または指構成において挟み込まれてもよい。伝導性板2410は、患者管106に対して第1の高さに提供され、伝導性板2412は、伝導性板2410の下方の第2の高さに提供される。いくつかの実施例では、板2410および2412は、同一の長さ、幅、および/または高さを有する。さらに、板2410は、数ミリメートル~最大数センチメートルだけ分離されてもよい。静電容量センサ2414は、板2410と2412との間の静電容量を測定するように構成される。プロセッサ120は、センサ2414によって測定された静電容量値を使用し、管106内の清浄流体が板2410と2412との間の間隙を架橋する結果として、静電容量値が変化するときを決定することによって、湿潤管状態と乾燥管状態との間を区別するように構成される。
【0130】
図24はまた、筐体2402の第2の側またはアーム2406が、伝導性板2416を含む一方、筐体の基部側2405が、伝導性板2418および2420を含むことを示す。伝導性板2418および2420は、板2418と2420との間の静電容量を測定するように構成される、静電容量センサ2422に電気的に接続される。伝導性板2416は、電気的に浮動するように構成される。伝導性板2418および2422およびセンサ2422は、静電容量の増加を測定することによって、伝導性板2416が板2418および2422により近接して移動されるときを(プロセッサ120を介して)検出するように構成される。
【0131】
図25および26は、ジョイントまたはヒンジ2408が、第2のアームまたは側2406が第3のアームまたは側2405に対して回転または枢動することを可能にする方法を図示する、略図を示す。例示的ヒンジ2408は、一体ヒンジとして筐体2402の一部として成型されてもよい。他の実施例では、ヒンジ2408は、バレルヒンジ、ピボットヒンジ、ケースヒンジ、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。いくつかの事例では、ヒンジ2408は、プライミングセンサ104の筐体2402の中への管106の挿入に応じた所望の移動のために構成される、部材(例えば、第2のアーム2406)の一部であってもよい。本実施形態では、伝導性板2418および2420は、U形状の基部を形成する筐体2402の第3の側2405上に提供されてもよく、それによって、ヒンジ2408は、第2の側2406を第3の側2405に接続する。
【0132】
図25は、管106がその中に挿入されるとき、筐体2402の第1の側2404と平行であるようにヒンジ2408を介して回転される、第2の側2406を示す。本構成では、伝導性板2416は、伝導性板2418および2420に向かってより近接して移動され、これは、センサ2422によって測定される静電容量を増加させる。図示される実施例では、センサ2422は、伝導性板2418と2420との間の静電容量を測定する。板2418および2420に向かってより近接して伝導性板2416を移動させることは、板2418と2420との間の(およびその周囲の)静電容量を増加させる。故に、プロセッサ120は、センサ2422からの出力を使用し、乾燥管状態と管なし状態との間を区別する。
【0133】
図26は、管106が筐体2402から除去されるときの実施例を示す。本実施例では、第2の側2406は、第1の側2404に向かって角度付けられる、またはそれにより近接するようにヒンジ2408において回転または枢動される。本構成では、伝導性板2416は、伝導性板2418および2420から離れるように移動され、これは、センサ2422によって測定される静電容量を減少させる。第2の側2406の移動は、伝導性板2416と2418と2420との間の間隙2600の面積を増加させる。いくつかの実施形態では、間隙2600は、筐体2402の第2の側2406と第3の側2405との間の間隙を充填する、空気または圧縮性発泡体を含んでもよい。
結論
【0134】
本明細書に説明される本好ましい実施形態の種々の変更および修正が、当業者に明白となるであろうことを理解されたい。そのような変更および修正は、本主題の精神および範囲から逸脱することなく、かつその意図される利点を減じることなく行われることができる。したがって、そのような変更および修正が、添付される請求項によって網羅されることを意図している。
図1
図2
図3
図4-5】
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26