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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-08
(45)【発行日】2023-03-16
(54)【発明の名称】自動車投光器用の照射装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/20 20180101AFI20230309BHJP
   F21S 43/20 20180101ALI20230309BHJP
【FI】
F21S41/20
F21S43/20
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022514829
(86)(22)【出願日】2020-08-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2020072517
(87)【国際公開番号】W WO2021043544
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-04-06
(31)【優先権主張番号】19195885.9
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】593045569
【氏名又は名称】ツェットカーヴェー グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】ケメットミュラー、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】シュトローミュラー、アレハンダー
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第19938439(DE,A1)
【文献】国際公開第2017/066817(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/20
F21S 43/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車投光器用の照射装置あって、前記照射装置
- 少なくとも1つのライトモジュール(2)を含み、前記ライトモジュール(2)は、発光手段(2a)と、前記発光手段(2a)に割り当てられたコリメータ(3)とを含み、前記発光手段(2a)は、光を生成し且つ前記コリメータ(3)内に入射し、前記コリメータ(3)は、前記発光手段(2)により生成された光が前記コリメータ(3)の光出力面(3a)を介して発散的な光束として光伝播方向(4)に出射するように構成されており、
- 前記光伝播方向(4)で前記コリメータ(3)の後に配設され、光入射面(5a)と光出射面(5b)を有する光学系要素(5)を含み、前記コリメータ(3)から出射する光は、前記光学系要素(5)の前記光入射面(5a)に当たり、前記光学系要素(5)を通って前記光学系要素(5)の前記光出射面(5b)に導かれ、前記光出射面(5b)において前記光学系要素(5)から出射し、前記光学系要素(5)の前記光入射面(5a)は、フレネル光学系を有し、前記フレネル光学系は、前記光学系要素(5)内で光線が互いに平行に伝播するように、光線を前記光学系要素(5)内への入射時に屈折させるように構成されており、前記光学系要素(5)の前記光出射面(5b)は、多数の光学要素(6)を有し、各前記光学要素(6)は、それぞれ、光が各前記光学要素(6)から束として出射するように、形成されて設けられている構成であり、
前記コリメータ(3)の前記光出力面(3a)は、多数のレンズ(7)から構成されており、これらのレンズ(7)は、記コリメータ(3)の前記光出力面(3a)全体に配設されており、各前記レンズ(7)は、前記発光手段(2a)の光を前記光学系要素(5)の前記光入射面(5a)に向けて発散的に放射するように構成されており、それにより多数の前記レンズ(7)の各々は、それぞれ前記光学系要素(5)の前記光入射面(5a)を照射し、全ての前記レンズ(7)は、実質的に同じ焦点距離を有し、前記コリメータ(3)と前記光学系要素(5)は、互いに離間されており、その間隔は、実質的に前記レンズ(7)の焦点距離に対応していること、
を特徴とする照射装置。
【請求項2】
前記光学系要素(5)は、プレート状に形成されており、プレート状の前記光学系要素(5)は、湾曲して又は平らに形成されていること、
を特徴とする、請求項1に記載の照射装置
【請求項3】
多数の前記レンズ(7)の各々は、前記光学系要素(5)の前記光入射面(5a)を完全に照射し、前記光入射面(5a)の照射は、全ての前記レンズ(7)により放射された光の重ね合わせから構成されていること、
を特徴とする、請求項1又は2に記載の照射装置
【請求項4】
各前記レンズ(7)は、同じ寸法及び/又は同じ光学特性を有すること、
を特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の照射装置
【請求項5】
各前記レンズ(7)の直径は、0.2mmから5mmまでの値、又は0.6mmから3mmまでの値、又は1mmから2mmまでの値であること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の照射装置
【請求項6】
前記コリメータ(3)の前記光出力面(3a)は、前記光学系要素(5)の前記光入射面(5a)よりも小さいこと、
を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の照射装置
【請求項7】
前記コリメータ(3)の前記光出力面(3a)は、前記光学系要素(5)の前記光入射面(5a)に対し、各前記レンズ(7)から出射する光が前記光学系要素(5)の前記光入射面(5a)だけを完全に且つ正確に照射するように、離間されて配設されていること、
を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の照射装置
【請求項8】
前記照射装置(1)は、第1ライトモジュール(2)と第2ライトモジュール()を有し、前記第1ライトモジュール(2)は、前記光入射面(5a)の第1部分面を照射し、前記第2ライトモジュール()は、前記光入射面(5a)の第2部分面を照射し、記第1部分面と前記第2部分面は、それぞれ前記光入射面(5a)の半部分を構成すること、
を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の照射装置
【請求項9】
前記第1部分面と前記第2部分面は、オーバーラップしないように照射されること、
を特徴とする、請求項8に記載の照射装置
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の照射装置(1)と、照射ユニット(9)とを含んだ照射システムあって、
前記照射ユニット(9)は、光を生成し且つ光放射方向(10)に沿って放射するように構成されており、前記光放射方向(10)は、前記ライトモジュール(2)の前記コリメータ(3)の前記レンズ(7)の焦点面に向かって指向されており、前記照射システム(8)は、前記照射装置(1)の前記光学系要素(5)を第1ポジションと第2ポジションの間で移行可能とする位置変更装置(11)を含み、前記第1ポジションでは、前記光学系要素(5)は、前記照射装置(1)の少なくとも1つの前記ライトモジュール(2)により放射された光が前記光学系要素(5)の前記光入射面(5a)に当たるように配置されており、前記第2ポジションでは、前記光学系要素(5)は、前記照射装置(1)の少なくとも1つの前記ライトモジュール(2)により放射された光が前記光学系要素(5)の前記光入射面(5a)に当たらず且つ前記光学系要素(5)が前記照射ユニット(9)により放射可能な光の前記光放射方向(10)の外側に位置するように配置されていること、
を特徴とする照射システム。
【請求項11】
前記照射装置(1)の前記ライトモジュール(2)と、前記照射ユニット(9)とは、前記ライトモジュール(2)の前記コリメータ(3)の前記光伝播方向(4)と、前記照射ユニット(9)の前記光放射方向(10)とが互いで鋭角をなすように、互いに配設されていること
を特徴とする、請求項10に記載の照射システム
【請求項12】
前記ライトモジュール(2)の前記コリメータ(3)の前記光伝播方向(4)と、前記照射ユニット(9)の前記光放射方向(10)とは、交点を有し、前記交点は、前記コリメータ(3)の前記レンズ(7)の焦点面内に位置すること、
を特徴とする、請求項10又は11に記載の照射システム
【請求項13】
前記光学系要素(5)が前記第1ポジションにある場合に、前記照射装置(1)の少なくとも1つの前記ライトモジュール(2)は、少なくとも1つの前記ライトモジュール(2)から前記光入射面(5a)に向けて光が放射されるアクティブ状態にあり、前記照射ユニット(9)は、前記照射装置(1)がアクティブ状態にある間は、前記照射ユニット(9)が光を放射しない非アクティブ状態にあること、
を特徴とする、請求項10~12のいずれか一項に記載の照射システム
【請求項14】
前記光学系要素(5)が前記第2ポジションにある場合に、前記照射ユニット(9)は、前記照射ユニット(9)から光束として光が放射されるアクティブ状態にあり、前記照射装置(1)の少なくとも1つの前記ライトモジュール(2)は、前記照射ユニット(9)がアクティブ状態にある間は、少なくとも1つの前記ライトモジュール(2)が光を放射しない非アクティブ状態にあること、
を特徴とする、請求項10~13のいずれか一項に記載の照射システム
【請求項15】
前記照射システム(8)は、前記光学系要素(5)が前記第1ポジションにあり且つ前記照射装置(1)の少なくとも1つの前記ライトモジュール(2)がアクティブ状態にある場合に、第1配光を生成し、また前記光学系要素(5)が前記第2ポジションにあり且つ前記照射ユニット(9)がアクティブ状態にある場合に、第2配光を作成し、記第1配光と前記第2配光は、異なっていること、
を特徴とする、請求項10~14のいずれか一項に記載の照射システム
【請求項16】
前記第1配光は、デイタイムランニングライトの配光、又はシグナルライト機能を含み、前記第2配光は、ロービーム配光、又はハイビーム配光を含んでいること、
を特徴とする、請求項15に記載の照射システム
【請求項17】
前記照射装置(1)及び/又は前記照射ユニット(9)は、それぞれ、白色光及び/又は有色光を生成するように構成された発光手段を有すること、
を特徴とする、請求項10~16のいずれか一項に記載の照射システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車投光器(例えば自動車前照灯)用の照射装置に関し、該照射装置は、
- 少なくとも1つのライトモジュールを含み、この際、ライトモジュールは、発光手段と、該発光手段に割り当てられたコリメータとを含み、この際、発光手段は、光を生成し且つコリメータ内に入射し、この際、コリメータは、発光手段により生成された光がコリメータの光出力面を介して発散的な光束として光伝播方向に出射するように構成されており、
- 光伝播方向でコリメータの後に配設され、光入射面(光カップルイン面)と光出射面(光カップルアウト面)を有する光学系要素を含み、この際、コリメータから出射する光は、光学系要素の光入射面に当たり、光学系要素を通って光学系要素の光出射面に導かれ、光出射面において光学系要素から出射し、この際、光学系要素の光入射面は、フレネル光学系を有し、この際、フレネル光学系は、光学系要素内で光線が互いに平行に伝播するように、光線を光学系要素内への入射時に屈折させるように構成されており、この際、光学系要素の光出射面は、多数の光学要素を有し、この際、各光学要素は、それぞれ、光が各光学要素から、好ましくは発散的な、光束として出射するように、形成されて設けられている。
【0002】
本発明は、更に照射システムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術から、多くの自動車投光器用の照射装置(照明装置)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】独国特許出願公開第19938439号
【文献】西独国特許出願公告第1259747号
【文献】国際公開第2017/066817号
【文献】中国特許出願公開第296715号
【文献】米国特許第4733335号
【文献】特開2017-112065号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術から知られている照射装置において、不利なことに、比較的大きな面を介して光を放射する照射装置は均質な照射印象(照明印象)を達成しない。このことは、光源の空間的に不均質な光強度によるものである。照射印象を改善するための今までの取り組みでは、例えばコリメータの後に散乱レンズが取り付けられていた。しかしこれらの散乱レンズは、大きな重さをもち、また自動車投光器の分野における照射装置のために必要である法的に必要な光値を達成することはない。
【0006】
本発明の課題は、従来技術の欠点を軽減ないし排除することである。従って本発明は、特に照射印象の均質性が更に改善される照射装置を創作することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、請求項1に記載の特徴を有する照射装置により解決される。好ましい実施形態は、従属請求項に記載されている。
即ち本発明の第1の視点により、
自動車投光器用の照射装置であって、前記照射装置は、
- 少なくとも1つのライトモジュールを含み、前記ライトモジュールは、発光手段と、前記発光手段に割り当てられたコリメータとを含み、前記発光手段は、光を生成し且つ前記コリメータ内に入射し、前記コリメータは、前記発光手段により生成された光が前記コリメータの光出力面を介して発散的な光束として光伝播方向に出射するように構成されており、
- 前記光伝播方向で前記コリメータの後に配設され、光入射面と光出射面を有する光学系要素を含み、前記コリメータから出射する光は、前記光学系要素の前記光入射面に当たり、前記光学系要素を通って前記光学系要素の前記光出射面に導かれ、前記光出射面において前記光学系要素から出射し、前記光学系要素の前記光入射面は、フレネル光学系を有し、前記フレネル光学系は、前記光学系要素内で光線が互いに平行に伝播するように、光線を前記光学系要素内への入射時に屈折させるように構成されており、前記光学系要素の前記光出射面は、多数の光学要素を有し、各前記光学要素は、それぞれ、光が各前記光学要素から光束として出射するように、形成されて設けられている構成であり、
前記コリメータの前記光出力面は、多数のレンズから構成されており、これらのレンズは、前記コリメータの前記光出力面全体に配設されており、各前記レンズは、前記発光手段の光を前記光学系要素の前記光入射面に向けて発散的に放射するように構成されており、それにより多数の前記レンズの各々は、それぞれ前記光学系要素の前記光入射面を照射し、全ての前記レンズは、実質的に同じ焦点距離を有し、前記コリメータと前記光学系要素は、互いに離間されており、その間隔は、実質的に前記レンズの焦点距離に対応していること、
を特徴とする照射装置が提供される。
更に本発明の第2の視点により、
前記照射装置と、照射ユニットとを含んだ照射システムであって、
前記照射ユニットは、光を生成し且つ光放射方向に沿って放射するように構成されており、前記光放射方向は、前記ライトモジュールの前記コリメータの前記レンズの焦点面に向かって指向されており、前記照射システムは、前記照射装置の前記光学系要素を第1ポジションと第2ポジションの間で移行可能とする位置変更装置を含み、前記第1ポジションでは、前記光学系要素は、前記照射装置の少なくとも1つの前記ライトモジュールにより放射された光が前記光学系要素の前記光入射面に当たるように配置されており、前記第2ポジションでは、前記光学系要素は、前記照射装置の少なくとも1つの前記ライトモジュールにより放射された光が前記光学系要素の前記光入射面に当たらず且つ前記光学系要素が前記照射ユニットにより放射可能な光の前記光放射方向の外側に位置するように配置されていること、
を特徴とする照射システムが提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記された図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)
自動車投光器用の照射装置であって、前記照射装置は、
- 少なくとも1つのライトモジュールを含み、前記ライトモジュールは、発光手段と、前記発光手段に割り当てられたコリメータとを含み、前記発光手段は、光を生成し且つ前記コリメータ内に入射し、前記コリメータは、前記発光手段により生成された光が前記コリメータの光出力面を介して発散的な光束として光伝播方向に出射するように構成されており、
- 前記光伝播方向で前記コリメータの後に配設され、光入射面と光出射面を有する光学系要素を含み、前記コリメータから出射する光は、前記光学系要素の前記光入射面に当たり、前記光学系要素を通って前記光学系要素の前記光出射面に導かれ、前記光出射面において前記光学系要素から出射し、前記光学系要素の前記光入射面は、フレネル光学系を有し、前記フレネル光学系は、前記光学系要素内で光線が互いに平行に伝播するように、光線を前記光学系要素内への入射時に屈折させるように構成されており、前記光学系要素の前記光出射面は、多数の光学要素を有し、各前記光学要素は、それぞれ、光が各前記光学要素から、好ましくは発散的な、光束として出射するように、形成されて設けられている構成であり、
前記コリメータの前記光出力面は、多数のレンズから構成されており、これらのレンズは、好ましくは均等なグリッドにおいて前記コリメータの前記光出力面全体に配設されており、各前記レンズは、前記発光手段の光を前記光学系要素の前記光入射面に向けて発散的に放射するように構成されており、それにより多数の前記レンズの各々は、それぞれ前記光学系要素の前記光入射面を照射し、全ての前記レンズは、実質的に同じ焦点距離を有し、前記コリメータと前記光学系要素は、互いに離間されており、その間隔は、実質的に前記レンズの焦点距離に対応していること。
(形態2)
前記光学系要素は、プレート状に形成されており、プレート状の前記光学系要素は、湾曲して又は平らに形成されていること、が好ましい。
(形態3)
多数の前記レンズの各々は、前記光学系要素の前記光入射面を完全に照射し、前記光入射面の照射は、全ての前記レンズにより放射された光の重ね合わせから構成されていること、が好ましい。
(形態4)
各前記レンズは、同じ寸法及び/又は同じ光学特性を有すること、が好ましい。
(形態5)
各前記レンズの直径は、0.2mmから5mmまでの値、好ましくは0.6mmから3mmまでの値、特に好ましくは1mmから2mmまでの値であること、が好ましい。
(形態6)
前記コリメータの前記光出力面は、前記光学系要素の前記光入射面よりも小さいこと、が好ましい。
(形態7)
前記コリメータの前記光出力面は、前記光学系要素の前記光入射面に対し、各前記レンズから出射する光が前記光学系要素の前記光入射面だけを完全に且つ正確に照射するように、離間されて配設されていること、が好ましい。
(形態8)
前記照射装置は、第1ライトモジュールと第2ライトモジュールを有し、前記第1ライトモジュールは、前記光入射面の第1部分面を照射し、前記第2ライトモジュールは、前記光入射面の第2部分面を照射し、例えば、前記第1部分面と前記第2部分面は、それぞれ前記光入射面の半部分を構成すること、が好ましい。
(形態9)
前記第1部分面と前記第2部分面は、オーバーラップしないように照射されること、が好ましい。
(形態10)
前記照射装置と、照射ユニットとを含んだ照射システムであって、
前記照射ユニットは、光を生成し且つ光放射方向に沿って放射するように構成されており、前記光放射方向は、前記ライトモジュールの前記コリメータの前記レンズの焦点面に向かって指向されており、前記照射システムは、前記照射装置の前記光学系要素を第1ポジションと第2ポジションの間で移行可能とする位置変更装置を含み、前記第1ポジションでは、前記光学系要素は、前記照射装置の少なくとも1つの前記ライトモジュールにより放射された光が前記光学系要素の前記光入射面に当たるように配置されており、前記第2ポジションでは、前記光学系要素は、前記照射装置の少なくとも1つの前記ライトモジュールにより放射された光が前記光学系要素の前記光入射面に当たらず且つ前記光学系要素が前記照射ユニットにより放射可能な光の前記光放射方向の外側に位置するように配置されていること。
(形態11)
前記照射装置の前記ライトモジュールと、前記照射ユニットとは、前記ライトモジュールの前記コリメータの前記光伝播方向と、前記照射ユニットの前記光放射方向とが互いで鋭角をなすように、互いに配設されていること、が好ましい。
(形態12)
前記ライトモジュールの前記コリメータの前記光伝播方向と、前記照射ユニットの前記光放射方向とは、交点を有し、前記交点は、前記コリメータの前記レンズの焦点面内に位置すること、が好ましい。
(形態13)
前記光学系要素が前記第1ポジションにある場合に、前記照射装置の少なくとも1つの前記ライトモジュールは、少なくとも1つの前記ライトモジュールから前記光入射面に向けて光が放射されるアクティブ状態にあり、前記照射ユニットは、前記照射装置がアクティブ状態にある間は、前記照射ユニットが光を放射しない非アクティブ状態にあること、が好ましい。
(形態14)
前記光学系要素が前記第2ポジションにある場合に、前記照射ユニットは、前記照射ユニットから光束として光が放射されるアクティブ状態にあり、前記照射装置の少なくとも1つの前記ライトモジュールは、前記照射ユニットがアクティブ状態にある間は、少なくとも1つの前記ライトモジュールが光を放射しない非アクティブ状態にあること、が好ましい。
(形態15)
前記照射システムは、前記光学系要素が前記第1ポジションにあり且つ前記照射装置の少なくとも1つの前記ライトモジュールがアクティブ状態にある場合に、第1配光を生成し、また前記光学系要素が前記第2ポジションにあり且つ前記照射ユニットがアクティブ状態にある場合に、第2配光を作成し、好ましくは、前記第1配光と前記第2配光は、異なっていること、が好ましい。
(形態16)
前記第1配光は、デイタイムランニングライトの配光、又はシグナルライト機能を含み、前記第2配光は、ロービーム配光、又はハイビーム配光を含んでいること、が好ましい。
(形態17)
前記照射装置及び/又は前記照射ユニットは、それぞれ、白色光及び/又は有色光を生成するように構成された発光手段を有すること、が好ましい。
【0009】
本発明により、コリメータの光出力面は、多数のレンズから構成されており、これらのレンズは、好ましくは均等なグリッド(格子)においてコリメータの光出力面全体に配設されており、この際、各レンズは、発光手段(光源)の光を光学系要素の光入射面に向けて発散的に放射するように構成されており、それにより多数のレンズの各々は、それぞれ光学系要素の光入射面を照射し、この際、全てのレンズは、実質的に同じ焦点距離を有し、この際、コリメータと光学系要素は、互いに離間されており、この際、その間隔は、実質的に前記レンズ(複数)の焦点距離に対応している。
【0010】
それにより光源の光が、コリメータの光出力面上に配設されている全てのレンズにより光学系要素(以下、光学系システムとも称する)の光入射面に向かって散乱され、それにより光学系要素の光入射面は、単位面積あたり特に均等に照射されるという利点が得られる。特に光学系要素の光入射面における光強度は、単位面積あたり実質的に一定である。それらのレンズは、好ましくは、拡散レンズとして構成され、コリメータと一体的に構成されている。各レンズによりそれぞれ発散的に放射された光は、光学系要素の光入射面に当たり、フレネル光学系を介して光学系システム内に入射される。有利にはフレネル光学系の使用により、光学系要素の重さを減らすことができる。光学系要素内で光線は、平行に進み、光学系システムからの出射時には、光出射面における光学要素により散乱される。従って光出射面における特に均質な照射印象を達成することができる。換言すると、光出射面は、単位面積あたり均等な明るさを有する。
【0011】
光学系要素は、プレート状に形成されていることが可能であり、この際、プレート状の光学系要素は、湾曲して又は平らに形成されていることが可能である。従って特に僅かな重さを達成することができる。光伝播方向におけるプレートの大きさに対応するプレートの幅は、5mmと15mmの間とすることができる。プレートの(横方向)長さは、20mmと50mmの間とすることができる。プレートの高さは、20mmと50mmの間とすることができる。
【0012】
好ましくは、多数のレンズの各々は、光学系要素の光入射面を完全に照射し、それにより光入射面の照射は、全てのレンズにより放射された光の重ね合わせから構成されている。好ましくは、個々のレンズから出射する光は、光学系要素の光入射面において、全ての他のレンズから出射する光と実質的に完全に重なり合う。それにより有利には、光学系要素の光入射面における光強度は、単位面積あたり実質的に一定であり、ないし同じ大きさである。換言すると、発光手段により放出された光の強度差は、各レンズにより放射された光の重ね合わせにより補償ないし均一化される。
【0013】
光学系要素の光入射面の特に均等な照射を可能にするために、特に各レンズは、同じ寸法及び/又は同じ光学特性を有する。
【0014】
好ましくは、各レンズの直径は、0.2mmから5mmまでの値、好ましくは0.6mmから3mmまでの値、特に好ましくは1mmから2mmまでの値である。コリメータの光出力面に比べてレンズ面が小さいことにより、コリメータの光出力面全体を多数のレンズから構成することができる。このことは、有利には、多数の光束の重ね合わせをもたらし、またこのことは、光学系要素の光入射面の均等な照射をより良くする。コリメータは、円錐形に形成されていることが可能であり、例えば25°から30°までの開き角を有することができる。
【0015】
特に、コリメータの光出力面は、光学系要素の光入射面よりも小さい。光学系要素に比べてコリメータが小さいことにより、照射装置の全サイズを小さくすることができる。
【0016】
光学系要素を側方で通り過ぎてしまい、それにより均等な照射印象を悪くする邪魔な散乱光を回避するために、コリメータの光出力面は、光学系要素の光入射面に対し、各レンズから出射する光が光学系要素の光入射面だけを完全にないし正確に照射するように、離間されて配設されていることが可能である。好ましくは、個々のレンズは、当業者により次のように計算され、即ちレンズの焦点距離に対応するようにレンズから間隔をおいて、各レンズが、光学系要素の光入射面に対応する面と同じ大きさの面を照射するように計算される。
【0017】
照射装置は、第1ライトモジュールと第2ライトモジュールを有することができ、この際、好ましくは、第1ライトモジュールは(光学系要素の)光入射面の第1部分面を照射し、第2ライトモジュールは(光学系要素の)光入射面の第2部分面を照射し、この際、例えば、第1部分面と第2部分面は、それぞれ光入射面の半部分を構成する。第1ライトモジュールと第2ライトモジュールは、例えば、異なる色を有する発光手段をもつことができ、それにより有利には、光学系システムの光出射面を介し、異なる色の光を放射することができる。また第1ライトモジュールと第2ライトモジュールは、それぞれ光学系システムの光入射面全体を、好ましくは完全に又は全面的に照射することができる。また照射装置は、3つ以上のライトモジュールを含むこともできる。
【0018】
光学系要素の光入射面における単位面積あたり均等ないし均質な光強度を達成するために、特に第1部分面と第2部分面は、それぞれのライトモジュールによりオーバーラップしないように(部分的に重ならないように)照射されることが可能である。
【0019】
本発明により、本発明による照射装置と、照射ユニットとを含んだ照射システムが設けられており、この際、照射ユニットは、光を生成し且つ光放射方向に沿って放射するように構成されており、この際、光放射方向は、ライトモジュールのコリメータのレンズの焦点面に向かって指向されており、この際、照射システムは、照射装置の光学系要素を第1ポジションと第2ポジションの間で移行可能とする位置変更装置(ポジション変更装置)を含み、この際、第1ポジションでは、光学系要素は、照射装置の少なくとも1つのライトモジュールにより放射された光が光学系要素の光入射面に当たるように配置されており、第2ポジションでは、光学系要素は、照射装置の少なくとも1つのライトモジュールにより放射された光が光学系要素の光入射面に当たらず且つ光学系要素が照射ユニットにより放射可能な光の光放射方向の外側に位置するように配置されている。
【0020】
光学系システムの位置変更可能性により、光学系システムがどのポジションにあるかに応じ、異なる配光を照射システムにより生成することができる。有利には、照射装置全体を又は照射システムの照射ユニットを2つのポジションの間で位置変更する必要はなく、光学系システムだけを位置変更すればよい。それにより比較的小型で低出力の位置変更装置、例えばリニア駆動部やサーボモータを使用することができる。照射システムが例えば自動車内に取り付けられていると、第1ポジションと第2ポジションの間の移行のための構成空間は少なくて済むという更なる利点が得られ、その理由は、光学系システムだけが位置変更可能であるので、照射装置の少なくとも1つのライトモジュールと、照射ユニットとを、位置固定で取り付けることができるためである。光学系システムは、例えば1つ又は複数のガイドレールに沿って位置変更可能に固定されていることが可能である。光学系要素は、位置変更装置を用い、1つの旋回軸線の周りに旋回されることも可能であり、この際、光学系システムは、旋回された状態では、照射装置の少なくとも1つのライトモジュールの光伝播方向の外側にあり且つ照射ユニットの光放射方向の外側にあることができる。
【0021】
特に省スペースの照射システムを創作するために、照射装置のライトモジュールと、照射ユニットとは、ライトモジュールのコリメータの光伝播方向と、照射ユニットの光放射方向とが互いで鋭角をなすように、互いに配設されていることが可能である。
【0022】
好ましくは、ライトモジュールのコリメータの光伝播方向と、照射ユニットの光放射方向とは、交点を有し、この際、この交点は、コリメータのレンズの焦点面内に位置する。換言すると、照射装置のライトモジュールと、照射ユニットとは、光伝播方向と光放射方向がそれぞれ光学系要素の光入射面に向けて指向されているように互いに位置決めされている。
【0023】
光学系要素が第1ポジションにある場合に、照射装置の少なくとも1つのライトモジュールは、少なくとも1つのライトモジュールから光入射面に向けて光が放射されるアクティブ状態(活性状態)にあり、この際、照射ユニットは、照射装置がアクティブ状態にある間は、照射ユニットが光を放射しない非アクティブ状態(非活性状態)にある。
【0024】
光学系要素が第2ポジションにある場合に、照射ユニットは、照射ユニットから光束として光が放射されるアクティブ状態(活性状態)にあり、この際、照射装置の少なくとも1つのライトモジュールは、照射ユニットがアクティブ状態にある間は、少なくとも1つのライトモジュールが光を放射しない非アクティブ状態(非活性状態)にある。
【0025】
照射システムは、特に、光学系要素が第1ポジションにあり且つ照射装置の少なくとも1つのライトモジュールがアクティブ状態にある場合に、第1配光を生成することができ、また光学系要素が第2ポジションにあり且つ照射ユニットがアクティブ状態にある場合に、第2配光を作成することができ、この際、好ましくは、第1配光と第2配光は、異なっている。それによりライトモジュール又は照射ユニットを位置変更又は旋回させる必要なく、照射システムが、光学系要素の位置変更により、異なる配光又は照射機能(照明機能)の間を切り替えることができるという利点が得られる。
【0026】
好ましくは、第1配光は、デイタイムランニングライトの配光、又はシグナルライト機能を含み、第2配光は、ロービーム配光、又はハイビーム配光を含んでいる。それにより有利には、デイタイムランニングライト又はシグナルライト機能が必要とされる場合には、照射装置のライトモジュールがアクティブであり、光学系要素が第1ポジションにあることができる。或いはロービーム又はハイビームが必要とされる場合には、特に照射装置のライトモジュールを非アクティブ状態にもたらすことができ、この際、特に実質的に同時に、照射ユニットがアクティブ状態にもたらされ、そして光学系システムが第1ポジションから第2ポジションに移行される。それにより異なる光機能ないし配光への移行を簡単に且つ迅速に実行することができる。
【0027】
好ましくは、照射装置及び/又は照射ユニットは、それぞれ、白色光及び/又は有色光を生成するように構成された発光手段を有する。それにより有利には、照射装置は、例えば、シグナルライト機能のための有色光を提供し、照射ユニットは、ロービーム又はハイビームのための実質的に白色光を提供することができる。
【0028】
ここで、自動車投光器技術の分野の当業者は、不可欠な制御要素或いは制御法に関して必要な専門知識をもっていることを述べておく。それ故、照射装置及び照射システムの機械的及び電気的な制御に関する詳細については、説明しないものとする。
【0029】
本明細書の枠内で「上方」、「下方」、「水平」、「垂直」との概念は、照射装置ないし照射システムが自動車投光器内に取り付けられて、通常の使用位置に配設されている場合において、配向状態を表す記載として理解されるべきである。
【0030】
以下、好ましい実施例に基づき本発明を更に説明するが、本発明は、その実施例に限定されるべきものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】2つのライトモジュールを備えた本発明による一照射装置の斜視図を示す図である。
図2図1の照射装置を上から見た図である。
図3図1の照射装置を後から見た図である。
図4】模式的な光線経路とともに、1つのライトモジュールを備えた照射装置を上から見た図である。
図4a】模式的な光線経路とともに、図1の照射装置を上から見た図である。
図5】模式的な光線経路とともに、照射装置を横から見た図である。
図6】第1稼働状態にある照射システムを横から見た図である。
図7】第2稼働状態にある照射システムを横から見た図である。
【実施例
【0032】
図面は、より良い概観のために大幅に簡略化されており、本発明の本質的な構成要素だけを示している。
【0033】
図1図3は、2つのライトモジュール2を備えた自動車投光器用の照射装置(照明装置)1の様々な図面を示しており、この際、ライトモジュール2は、それぞれ、発光手段(光源)2aとコリメータ3を有する。これらのライトモジュール2は、好ましくは同一構造である。1つのライトモジュール2を備えた一実施形態は、図4に示されている。コリメータ3は、発光手段2aにより生成された光がコリメータ3の光出力面3aを介して発散的な光束として光伝播方向4(図4図5を参照)に出射するように構成されている。コリメータ3は、図示された実施例では円錐形に形成されており、25°から30°までの開き角αを有する(図2を参照)。更に照射装置1は、光伝播方向4でコリメータ3の後に配設された光学系要素5を含んでいる。光学系要素5は、光入射面(光カップルイン面)5aと光出射面(光カップルアウト面)5bを有し、この際、コリメータ3からの光は、光入射面5aに当たり、光学系要素5を通って光出射面5bに導かれ、光出射面5bにおいて光学系要素5から出射する。光入射面5aは、フレネル光学系を有し、該フレネル光学系は、光学系要素5内で光線が互いに平行に伝播するように、光線を光学系要素5内への入射時に屈折させるように構成されている。光学系要素5の光出射面5bは、多数の光学要素6を有し、この際、各光学要素6は、それぞれ、光が各光学要素6から発散的な光束として出射するように、形成されて設けられている(図4図5を参照)。
【0034】
コリメータ3の光出力面3aは、多数のレンズ7から構成されている。これらのレンズ7は、均等なグリッド(格子)においてコリメータ3の光出力面3a全体に配設されている。各レンズ7は、発光手段2aの光を光学系要素5の光入射面5aに向けて発散的に放射するように構成されており、それにより多数のレンズ7の各々は、それぞれ光学系要素5の光入射面5aを照射する。全てのレンズ7は、実質的に同じ焦点距離を有し、この際、コリメータ3と光学系要素5の間の間隔は、実質的にレンズ7の焦点距離に対応している。
【0035】
光学系要素5は、図示された実施形態では、平らで或いは平坦でプレート状に形成されており、この際、光学要素5は、湾曲したプレートとして構成されていることも可能である。多数のレンズ7の各々は、光学系要素5の光入射面5aを完全に照射する。それにより光入射面5aの照射は、全てのレンズ7により放射された光の重ね合わせから構成されている。各レンズ7は、同じ寸法及び/又は同じ光学特性を有する。各レンズ7の直径は、0.2mmから5mmまでの値、好ましくは0.6mmから3mmまでの値、特に好ましくは1mmから2mmまでの値である。
【0036】
図3に見られるように、コリメータ3の光出力面3aは、光学系要素5の光入射面5aよりも小さい。コリメータ3の光出力面3aは、光学系要素5の光入射面5aに対して離間されており、この際、各レンズ7から出射する光は、光学系要素5の光入射面5aだけを完全にないし正確に照射する。つまり光線が光学系要素5の側方にはみ出し、ないし光学系要素5の縁部を越えてはみ出すことはない。従って光出力面3aのレンズ7は、光入射面5aの大きさに合うように計算されている。
【0037】
図4による実施形態では、コリメータ3は、光入射面5a全体を照射する。図4aによる実施形態では、第1ライトモジュール2が光入射面5aの第1部分面を照射し、第2ライトモジュール2が光入射面5aの第2部分面を照射し、この際、例えば、第1部分面と第2部分面は、それぞれ光入射面5aの半部分を構成する。第1部分面と第2部分面は、好ましくは、オーバーラップしないように(部分的に重ならないように)照射される。
【0038】
図4図5では、コリメータ3と光学系要素5の間の光線経路と、光学系要素5の後の光線経路とが模式的に図示されており、この際、両方の外側の光線と中央の光線だけが示されている。光入射面5aのフレネル光学系は、コリメータ3と光入射面5aの間の角度を補償する構造を有し、それにより光学系要素5内の全ての光線は、平行に指向されている。
【0039】
図6図7は、照射装置1と照射ユニット9を備えた照射システム8を示している。照射ユニット9は、光を生成し且つ光放射方向10に沿って放射するように構成されている。光放射方向10は、ライトモジュール2のコリメータ3のレンズ7の焦点面に向かって指向されており、ないし光学系要素5が第1ポジション(図6を参照)に配置されている場合には光学系要素5に向かって指向されている。照射システム8は、光学系要素5を第1ポジションと第2ポジションの間で移行可能とする位置変更装置(ポジション変更装置)11を含んでいる。第2ポジションは、図7に示されている。第1ポジションでは、照射装置1のコリメータ3により放射された光が光学系要素5の光入射面5aに当たる。照射ユニット9は、この時点で非アクティブ状態(非活性状態)であり、光を放射せず、この際、このことは、破線を用いて示唆されている。第2ポジションでは、光学系要素5は、コリメータ3の光伝播方向4の外側に位置し、また照射ユニット9の光放射方向10の外側に位置する。従って照射ユニット9の光は、妨げられることなく、例えば車道上に、放射されることが可能である。
【0040】
照射装置1のライトモジュール2と、照射ユニット9とは、ライトモジュール2のコリメータ3の光伝播方向4と、照射ユニット9の光放射方向10とが互いで鋭角をなすように、互いに配設されている。光伝播方向4と光放射方向10は、コリメータ3のレンズ7の焦点面内に位置する交点を有する。
【0041】
光学系要素5が第1ポジションにある場合(図6を参照)に、照射装置1のライトモジュール2は、ライトモジュール2から光入射面5aに向けて光が放射されるアクティブ状態(活性状態)にある。照射ユニット9は、この時点では、照射ユニット9が光を放射しない非アクティブ状態(非活性状態)にある。
【0042】
光学系要素5が第2ポジションにある場合(図7を参照)に、照射ユニット9は、照明ユニット9から光束として光が放射されるアクティブ状態(活性状態)にある。照射装置1のライトモジュール2は、この状態(時点)では、ライトモジュール2が光を放射しない非アクティブ状態(非活性状態)にある。このことは、図7では破線により示唆されている。光学系要素5の第1ポジションも、同様に図7では破線として示唆されている。
【0043】
照射システム8は、光学系要素5が第1ポジションにあり且つ照射装置1の少なくとも1つのライトモジュール2がアクティブ状態にある場合に、第1配光を生成することができる。更に光学系要素5が第2ポジションにあり且つ照射ユニット9がアクティブ状態にある場合には、第2配光を生成することができる。
【0044】
第1配光は、例えば、デイタイムランニングライトの配光、又はシグナルライト機能であり、第2配光は、例えば、ロービーム配光、又はハイビーム配光である。従って光学系要素5がどのポジションにあるかに応じ、異なる配光の間を切り替えることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 照射装置
2 ライトモジュール
2a 発光手段
3 コリメータ
3a 光出力面
4 光伝播方向
5 光学系要素
5a 光入射面
5b 光出射面
6 光学要素
7 レンズ(複数)
8 照射システム
9 照射ユニット
10 光放射方向
11 位置変更装置

α 開き角
図1
図2
図3
図4
図4a
図5
図6
図7