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特許7241270ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20230310BHJP
【FI】
A63F13/69 510
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021041971
(22)【出願日】2021-03-16
(65)【公開番号】P2022142017
(43)【公開日】2022-09-30
【審査請求日】2021-05-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135677
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 光一
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】北口 里英
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-171283(JP,A)
【文献】特開2018-196741(JP,A)
【文献】特開2017-064086(JP,A)
【文献】白猫テニスのリアル大会「グランドスラム 4周年オープン」がオンラインで開催!大会の様子をYoutubeで配信!,funglr GAMES,2020年10月23日,https://funglr.games/ja/event/colopl-shironekotennis-grand-slam-4th-anniversary-open-tournament/,[2022年6月10日 検索日]
【文献】CryptoKitties(クリプトキティーズ)|仮想通貨ゲームの始め方と遊び方,dApps market,2018年03月12日,https://dappsmarket.net/cryptokitties/cryptokitties-howtoplay/,[2022年6月10日 検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
第1ユーザによりプレイされるゲームセッションのうち、所定条件を満たす特定セッションを特定するセッション特定手段、
前記特定セッションで前記第1ユーザに使用された第1ゲーム媒体を特定する第1ゲーム媒体特定手段、
前記第1ゲーム媒体と同じゲーム媒体、前記ゲームセッションにおいて前記第1ゲーム媒体に対して優位なゲーム媒体、並びに前記第1ゲーム媒体を使用して他のゲーム媒体を取得する処理および他のゲーム媒体を強化する処理のいずれかの処理を実行する権利の少なくともいずれかである第2ゲーム媒体を特定する第2ゲーム媒体特定手段、
第2ユーザからの要求に基づいて、前記第2ゲーム媒体を前記第2ユーザに付与するための付与処理を実行する付与手段、として機能させ、
前記付与処理は、抽選テーブルに含まれるゲーム媒体の中から前記第2ユーザに付与されるゲーム媒体を選択し、前記抽選テーブルには、前記第2ゲーム媒体と、前記第2ゲーム媒体以外のゲーム媒体が含まれる、
ゲームプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
第1ユーザによりプレイされるゲームセッションのうち、所定条件を満たす特定セッションを特定するセッション特定手段、
前記特定セッションで前記第1ユーザに使用された第1ゲーム媒体を特定する第1ゲーム媒体特定手段、
前記第1ゲーム媒体と同じゲーム媒体、前記ゲームセッションにおいて前記第1ゲーム媒体に対して優位なゲーム媒体、並びに前記第1ゲーム媒体を使用して他のゲーム媒体を取得する処理および他のゲーム媒体を強化する処理のいずれかの処理を実行する権利の少なくともいずれかである第2ゲーム媒体を特定する第2ゲーム媒体特定手段、
第2ユーザからの要求に基づいて、前記第2ゲーム媒体を前記第2ユーザに付与するための付与処理を実行する付与手段、として機能させ、
前記付与手段は、前記付与処理が実行された回数に応じて、前記第1ユーザを含む前記ゲームセッションに参加した1以上のユーザ、および前記ゲームセッションを主催または運営したユーザの少なくともいずれかに報酬を付与する、
ームプログラム。
【請求項3】
コンピュータを、
第1ユーザによりプレイされるゲームセッションのうち、所定条件を満たす特定セッションを特定するセッション特定手段、
前記特定セッションで前記第1ユーザに使用された第1ゲーム媒体を特定する第1ゲーム媒体特定手段、
前記第1ゲーム媒体と同じゲーム媒体、前記ゲームセッションにおいて前記第1ゲーム媒体に対して優位なゲーム媒体、並びに前記第1ゲーム媒体を使用して他のゲーム媒体を取得する処理および他のゲーム媒体を強化する処理のいずれかの処理を実行する権利の少なくともいずれかである第2ゲーム媒体を特定する第2ゲーム媒体特定手段、
第2ユーザからの要求に基づいて、前記第2ゲーム媒体を前記第2ユーザに付与するための付与処理を実行する付与手段、として機能させ、
前記付与手段は、前記付与処理の実行回数が回数制限を超えないように前記付与処理を複数回実行し、
前記第2ユーザによる前記第2ゲーム媒体の使用状況に基づいて、前記実行回数を減少させる、
ームプログラム。
【請求項4】
前記第2ゲーム媒体以外のゲーム媒体は、前記第2ゲーム媒体よりレアリティが低いゲーム媒体を含む、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記コンピュータを、
前記特定セッションを示すセッション情報を前記第2ユーザに提示する提示手段、
前記セッション情報の特定セッションに対する前記第2ユーザの選択を受け付ける受付手段、としてさらに機能させ、
前記第1ゲーム媒体特定手段は、前記第2ユーザに選択された特定セッションで使用されたゲーム媒体の中から前記第1ゲーム媒体を特定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記セッション特定手段は、前記特定セッションを複数特定し、
前記第1ゲーム媒体特定手段は、前記複数の特定セッションの結果を総合した総合情報に基づいて、前記第1ゲーム媒体を特定する、
請求項1から4のいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記第1ゲーム媒体特定手段は、前記特定セッションにおけるゲーム媒体が活躍した度合いに応じて前記抽選テーブルを特定する、
請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータを、前記第1ユーザを含む前記ゲームセッションに参加した1以上のユーザからゲーム媒体の選択を受け付けるゲーム媒体受付手段としてさらに機能させ、
前記第2ゲーム媒体は、前記選択されたゲーム媒体の少なくともいずれかを含む、
請求項1からのいずれか一項に記載のゲームプログラム。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のゲームプログラムを記憶した記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、を備える、
サーバ装置。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載のゲームプログラムを記憶した記憶部と、
前記ゲームプログラムを実行する制御部と、を備える、
ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抽選(以下、「ガチャ」ともいう)の実行によりアイテムやキャラなどのゲーム
媒体をユーザに付与する技術が知られている(特許文献1参照)。また、この技術では、他のユーザが使用するゲーム媒体も、ガチャで付与することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-64086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、ユーザにとって、ガチャにより付与されるゲーム媒体は、他のユーザが使用するゲーム媒体であればどのようなゲーム媒体でもよい訳ではない。このため、他のユーザが使用するゲーム媒体のうちどのゲーム媒体を付与対象とするかという点で改善の余地がある。
【0005】
本開示は、他のユーザが使用するゲーム媒体であって付与対象とするゲーム媒体を改善できるゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の側面は、コンピュータを、
ユーザによりプレイされるゲームセッションのうち、所定条件を満たす特定セッションを特定するセッション特定手段、
前記特定セッションで第1ユーザに使用された第1ゲーム媒体を特定する第1ゲーム媒体特定手段、
前記第1ゲーム媒体に関連する第2ゲーム媒体を特定する第2ゲーム媒体特定手段、
第2ユーザからの要求に基づいて、前記第2ゲーム媒体を前記第2ユーザに付与するための付与処理を実行する付与手段、として機能させる、
ゲームプログラムである。
【0007】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、前記特定セッションを示すセッション情報を前記第2ユーザに提示する提示手段、前記セッション情報の特定セッションに対する前記第2ユーザの選択を受け付ける受付手段、としてさらに機能させ、前記第1ゲーム媒体特定手段は、前記第2ユーザに選択された特定セッションで使用されたゲーム媒体の中から前記第1ゲーム媒体を特定することができる。
【0008】
また、第1の側面において、前記セッション特定手段は、前記特定セッションを複数特定し、前記第1ゲーム媒体特定手段は、前記複数の特定セッションの結果を総合した総合情報に基づいて、前記第1ゲーム媒体を特定することができる。
【0009】
また、第1の側面において、前記第1ゲーム媒体特定手段は、前記特定セッションにおけるゲーム媒体が活躍した度合いに応じて前記第1ゲーム媒体を特定することができる。
【0010】
また、第1の側面において、前記第2ゲーム媒体は、前記第1ゲーム媒体に対して前記ゲームセッションで有利に進行できるゲーム媒体を含むことができる。
【0011】
また、第1の側面において、前記コンピュータを、前記第1ユーザを含む前記ゲームセッションに関連するユーザからゲーム媒体の選択を受け付けるゲーム媒体受付手段としてさらに機能させ、前記第2ゲーム媒体は、前記選択されたゲーム媒体の少なくともいずれかを含むことができる。
【0012】
また、第1の側面において、前記第2ゲーム媒体は、前記第1ゲーム媒体を使用して他のゲーム媒体を取得する処理または他のゲーム媒体を強化する処理を実行する権利を含むことができる。
【0013】
また、第1の側面において、前記付与手段は、前記付与処理が実行された回数に応じて、前記第1ユーザを含む前記ゲームセッションに関連するユーザの少なくともいずれかに報酬を付与することができる。
【0014】
また、第1の側面において、前記付与手段は、前記付与処理の実行回数が回数制限を超えないように前記付与処理を複数回実行し、前記第2ユーザによる前記第2ゲーム媒体の使用状況に基づいて、前記実行回数を減少させることができる。
【0015】
第2の側面は、
ユーザによりプレイされるゲームセッションのうち、所定条件を満たす特定セッションを特定するセッション特定部と
前記特定セッションで第1ユーザに使用された第1ゲーム媒体を特定する第1ゲーム媒体特定部と、
前記第1ゲーム媒体に関連する第2ゲーム媒体を特定する第2ゲーム媒体特定部と、
第2ユーザからの要求に基づいて、前記第2ゲーム媒体を前記第2ユーザに付与するための付与処理を実行する付与部と、を備える、
サーバ装置である。
【0016】
第3の側面は、
ユーザによりプレイされるゲームセッションのうち、所定条件を満たす特定セッションを特定するセッション特定部と
前記特定セッションで第1ユーザに使用された第1ゲーム媒体を特定する第1ゲーム媒体特定部と、
前記第1ゲーム媒体に関連する第2ゲーム媒体を特定する第2ゲーム媒体特定部と、
第2ユーザからの要求に基づいて、前記第2ゲーム媒体を前記第2ユーザに付与するための付与処理を実行する付与部と、を備える、
ゲームシステムである。
【0017】
本開示によれば、他のユーザが使用するゲーム媒体であって付与対象とするゲーム媒体を改善できるゲームプログラム、ゲーム装置およびゲームシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図2】本実施形態におけるゲームシステムがディスプレイに表示する画面例である。
図3】本実施形態におけるゲームシステムがディスプレイに表示する画面例である。
図4】本実施形態におけるゲームシステムがディスプレイに表示する画面例である。
図5】本実施形態におけるゲームシステムがディスプレイに表示する画面例である。
図6】本実施形態におけるゲームシステムの一連の動作を表すフロー図である。
図7】本実施形態におけるゲームシステムがディスプレイに表示する画面例である。
図8】本実施形態におけるゲームシステムがディスプレイに表示する画面例である。
図9】本実施形態におけるゲームシステムのテーブルの一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の実施形態にかかるゲームシステム1について、図面を参照して説明する。
【0020】
<ゲームの説明>
図1に示すゲームシステム1では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が通信ネットワーク6を介して互いに通信可能に接続され、ゲーム装置5においてゲームが実行される。
【0021】
本実施形態にかかるゲーム(以下、単に「ゲーム」ともいう)は、ユーザによりプレイされるゲームセッションのうち特定セッションで第1ユーザに使用された第1ゲーム媒体に関連するゲーム媒体(以下、「第2ゲーム媒体」ともいう)を、抽選(以下、「ガチャ」ともいう)などにより第2ユーザに付与することができる。また、本実施形態にかかるゲームは、プレイヤキャラクタ同士が対戦する対戦ゲームであり、いわゆるeスポーツである例を説明するが、これに限定する趣旨ではない。また、第1ユーザとは、典型的にはゲームセッションに参加してプレイするユーザであるが、これに限る趣旨ではない。また、第2ユーザとは、第1ユーザとは異なるユーザである。上記の複数のゲーム装置5には、第1ユーザが使用するゲーム装置5aと第2ユーザが使用するゲーム装置5bが含まれているものとする。
【0022】
「ゲームセッション」とは、典型的には複数のユーザが参加してプレイするゲームの開始から終了までの一連の期間をいう。ゲームセッションは、例えば、対戦ゲームの各対戦(各試合)であってもよいし、一つのクエスト(ゲーム上の課題または目標)やミッションの開始から終了までの期間、イベントの開始から終了までの期間などであってもよい。以下、ゲームセッションを単に「セッション」ともいう。
【0023】
「特定セッション」とは、所定条件を満たすゲームセッションである。ここでいう「所定条件」とは、ユーザによりプレイされるゲームセッションの中から特定セッションを特定するための条件である。所定条件は、例えば、eスポーツ大会のセッションであれば、「決勝トーナメントのセッションであること」などであってもよい。
【0024】
第2ゲーム媒体は、典型的には第1ゲーム媒体と同じゲーム媒体である。第1ゲーム媒体と同じゲーム媒体とは、例えば、ゲームセッションで使用された際の第1ゲーム媒体と全く同じゲーム媒体(各パラメータの値も全く同じゲーム媒体)であってもよいし、第1ゲーム媒体の育成前の状態(初期状態)のゲーム媒体であってもよい。また、第1ゲーム媒体と同じゲーム媒体とは、例えば、第1ゲーム媒体の進化前後の状態のゲーム媒体であってもよい。なお、第2ゲーム媒体は、第1ゲーム媒体と同じゲーム媒体に限定されない。
【0025】
上記のようなゲームは、プレイステーション(登録商標)などの家庭用ゲーム機、ニンテンドースイッチ(登録商標)などの携帯用ゲーム機、もしくは、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの電子機器であるゲーム装置5を用いて実行される。
【0026】
<ゲームシステム1の概要>
ゲームシステム1は、サーバ装置2および複数のゲーム装置5にて構成される。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶しており、ゲーム装置5の(下記のアカウント情報ごとの)ゲームデータの管理を行う。
【0027】
ゲーム装置5は、ユーザの操作に基づいて所定のゲームを実行する。そのために、ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介して、サーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(具体的にはダウンロードおよびインストール)する。各ユーザには、ゲーム装置5に対応づけて、識別情報およびパスワードを含むアカウント情報が、ユーザごとに割り当てられている。このアカウント情報は、ログイン時、ゲーム装置5からサーバ装置2に送信され、サーバ装置2におけるユーザ認証に利用される。
【0028】
ユーザ認証を経て、サーバ装置2とゲーム装置5との相互通信が可能となる。ログイン後、ゲーム装置5は、ゲーム進行に必要なデータ(ゲーム進行状況に関するデータ)をサーバ装置2から受信すると、ユーザの操作に基づいてゲーム画像や音声をディスプレイ61およびスピーカ62に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0029】
<ゲームシステム1の構成>
以下、図1を参照して、サーバ装置2およびゲーム装置5の各ハードウェア構成について説明する。なお、複数のゲーム装置5それぞれは、互いに同じ構成を有する。
【0030】
<サーバ装置2の構成>
図1に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインタフェース21、記憶部22および制御部23を有する。ネットワークインタフェース21および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0031】
ネットワークインタフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6を介して各ゲーム装置5と通信可能接続されている。
【0032】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成される。記憶部22には、本実施形態にかかるゲームプログラムの一部を含む各種プログラムの他、ユーザDB221、抽選テーブル222などの各種データなどが記憶されている。
【0033】
ユーザDB221には、ゲームをプレイするユーザの識別番号ごとに、ユーザが操作するプレイヤキャラクタに関する情報(ステータスなど)、仮想ゲーム空間内にて使用可能な消費媒体の額、ゲームデータ、位置情報、属性情報などが、対応づけられて記憶されている。以降、これらの情報を総称して「ユーザ情報」ともいう。
【0034】
「消費媒体」とは、仮想ゲーム空間内で使用可能な通貨やポイントなどであって、ゲームを進めるにあたりゲーム内で消費される媒体である。消費媒体は、クエストのクリア報酬として、また、現実社会での課金により、ユーザに付与される。
【0035】
「ゲームデータ」とは、ゲーム装置5でプレイされている各ゲームを実行させるためのデータである。ゲームデータは、例えば、各ゲームを識別するための情報、各ゲームの状況(例えば、各ゲーム媒体が有する各パラメータの値)、各ゲームを進行させるためのゲームの設定情報(例えば、ゲームに関する処理の内容を規定した情報)、キャラクタを操作するための操作データなどを含む。ゲームデータは、例えば、ゲームがチャット機能を備える場合またはサードパーティのチャットアプリと連携する場合、このチャットでやり取りされるコメントの情報(以下、「コメント情報」ともいう)を含んでもよい。コメント情報は、チャットにおいて特定のプレイヤに対して消費媒体を与えた場合(いわゆる投げ銭をした場合)、その情報を含んでもよい。
【0036】
ゲームの状況は、例えば、選択されたゲームモード、ゲームの動作状況(例えば、起動中、スリープ中、停止中など)、ゲームにおける各ステージや各シーンの進行状況(例えば、未プレイ、進行中(プレイ中)や完了(クリア)など)、またはユーザが操作するプレイヤキャラクタ、その他の仮想ゲーム空間オブジェクト(ゲーム空間の地形、フィールドを構成するオブジェクト、もしくは敵キャラクタ等のNPC(non player character)オブジェクト)などの状態を表すパラメータの値などである。
【0037】
「パラメータ」とは、例えば、キャラクタの戦力、HP、攻撃力、防御力、体力、賢さ、スキルレベル、スキルの種類、もしくはランク、またはアイテムの価値もしくはレアリティなどである。
【0038】
「属性情報」とは、ユーザの属性またはユーザが操作するプレイヤキャラクタの属性を示す情報である。
【0039】
抽選テーブル222は、一般にガチャと呼ばれる抽選処理を抽選実行手段233(後述)が行う際に用いるものであって、選択対象となるゲーム媒体に関する情報を複数含む。抽選テーブル222には、ゲーム媒体に関する情報(名称、パラメータ、レアリティ、レベルなど)と、抽選による選択割合(いわゆる、当選確率や提供割合)とが、対応づけられている。
【0040】
「ガチャ」とは、サーバ装置2にて、抽選テーブル222の中から、所定の選択割合に基づき任意のゲーム媒体を抽選により選択する方法である。選択された任意のゲーム媒体は、ユーザのゲーム装置5に付与される。“ガチャで選択したゲーム媒体を、ユーザに付与する/ユーザが所有する”とは、「抽選処理で選択されたゲーム媒体を、ユーザを示す識別情報と関連づける/関連づけられている」ことと同義である。
【0041】
制御部23は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置2の動作を制御する。
【0042】
制御部23は、各種プログラムを実行することにより、情報処理手段231、照合手段232、抽選実行手段233、セッション特定手段234、第1ゲーム媒体特定手段235、第2ゲーム媒体特定手段236、付与手段237、提示手段238、および受付手段239として機能する。
【0043】
―情報処理手段―
情報処理手段231は、各ゲーム装置5との間で各種データを送受信する。情報処理手段231が受信する主なデータとしては、ゲームプログラムのダウンロード要求情報、ユーザの操作に応じたガチャの抽選要求、クエスト実行要求、アカウント情報、ユーザ情報、ゲームデータなどが挙げられる。情報処理手段231が送信する主なデータとしては、ゲームデータ、ゲームプログラムをゲーム装置5が受信したことを確認するための情報、ガチャにて得られたゲーム媒体に関する情報などが挙げられる。
【0044】
「ゲーム媒体」とは、ゲームに関する要素を表した電子データであって、プレイヤキャラクタとして使用するキャラクタの名称、プレイヤキャラクタが仮想ゲーム空間内にて使用するアイテム(武器、防具、道具)などが含まれる。ユーザは、ゲーム媒体を、課金による直接購入やクエストクリアの他、ガチャと呼ばれる抽選方法によって入手することができる。入手したゲーム媒体は、そのゲーム媒体を所有することとなったユーザの識別情報と対応づけて、ユーザDB221に記憶され管理される。
【0045】
-照合手段―
照合手段232は、ゲーム装置5から受信したユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0046】
―抽選実行手段-
抽選実行手段233は、ユーザの抽選の実行要求(以下、単に「抽選要求」ともいう)に応じて抽選を実行する。抽選実行手段233は、例えば、ユーザの抽選要求に応じて、抽選テーブル222の中から、ゲーム媒体ごとの選択割合に基づいて1以上のゲーム媒体を抽選により選択する。
【0047】
具体的には、まずゲーム装置5の制御部56が、タッチパッド63および操作部54を介して、抽選要求を受け付ける。次いで制御部56が、受け付けた抽選要求を、ネットワークインタフェース51を介してサーバ装置2の抽選実行手段233に送信する。次いで抽選実行手段233は、抽選要求を受信すると、この実行要求に応じてゲーム媒体ごとの選択割合に基づいて抽選テーブル222の中から1以上のゲーム媒体を抽選により選択する。
【0048】
―セッション特定手段-
セッション特定手段234は、ユーザによりプレイされるゲームセッションのうち、所定条件を満たす特定セッションを特定する。セッション特定手段234は、例えば、所定条件が「決勝トーナメントの試合であること」を含む場合、セッション特定手段234は、eスポーツ大会における予選トーナメントを含む全てのゲームセッションのうち、特定セッションとして、決勝トーナメントの試合を特定してもよい。
【0049】
―第1ゲーム媒体特定手段-
第1ゲーム媒体特定手段235は、特定セッションで第1ユーザに使用された第1ゲーム媒体を特定する。第1ゲーム媒体特定手段235は、例えば、特定セッションがeスポーツ大会のトーナメントの決勝戦である場合、この決勝戦で第1ユーザに使用されたプレイヤキャラクタを第1ゲーム媒体として特定してもよい。
【0050】
第1ゲーム媒体特定手段235は、例えば、後述する受付手段239が第2ユーザの選択を受け付けた場合、第2ユーザに選択された特定セッションで使用されたゲーム媒体の中から第1ゲーム媒体を特定してもよい。
【0051】
上記構成によれば、第1ゲーム媒体特定手段235は、第1ゲーム媒体を、所定条件を満たす特定セッションのうち第2ユーザが選択したセッションで使用されたゲーム媒体にさらに限定することができる。このため、上記構成によれば、第1ゲーム媒体特定手段235は、第2ユーザに、その意向にそったゲーム媒体を付与させることができる。
【0052】
―第2ゲーム媒体特定手段-
第2ゲーム媒体特定手段236は、第1ゲーム媒体に関連する第2ゲーム媒体を特定する。
【0053】
―付与手段-
付与手段237は、ゲーム媒体をユーザに付与するための付与処理を実行する。ここで「付与処理」とは、抽選を実行することであってもよいし、抽選の実行結果によりゲーム媒体をユーザに関連付けることであってもよい。また、付与処理は、課金して購入したゲーム媒体をユーザに関連付けることであってもよい。付与手段237は、例えば、付与処理として、抽選実行手段233が選択したゲーム媒体に関する情報と、抽選要求の送信元となる操作を行ったユーザの識別情報とを、ユーザDB221にて関連付ける。これにより、このユーザには、この抽選した(ガチャを引いた)結果当選したゲーム媒体が付与される。
【0054】
付与手段237は、例えば、第2ユーザからの要求に基づいて、第2ゲーム媒体を第2ユーザに付与するための付与処理を実行する。付与手段237は、例えば、第2ユーザからの抽選要求に基づいて、第2ゲーム媒体を含む抽選テーブル222を用いた抽選を抽選実行手段233に実行させ、この抽選の結果に応じて第2ゲーム媒体を第2ユーザに関連付ける。
【0055】
上記構成によれば、付与手段237は、所定条件を満たす特定セッションで使用されたゲーム媒体に関連する第2ゲーム媒体を第2ユーザに関連付けることができる。例えば、所定条件が「eスポーツ大会の決勝戦トーナメントの対戦であること」である場合、上記構成によれば、付与手段237は、決勝トーナメントの対戦で使用されたキャラクタに限定して付与することができる。例えば、決勝トーナメントなどで勝ち上がるためには、勝ち上がるために必須のキャラクタを保有していることが前提となる場合がある。このような場合、この必須のキャラクタを保有できないユーザはプレイ意欲が低下してしまうおそれがある。上記構成によれば、付与手段237は、決勝トーナメントで勝ち上がるために必須のキャラクタをユーザに付与することができるため、プレイ意欲が低下してしまうのを抑止することができる。このため、上記構成によれば、付与手段237は、単に他のユーザが使用するゲーム媒体を付与するのではなく、決勝トーナメントの対戦などの特定のセッションで使用されたゲーム媒体に関連するゲーム媒体に限定して付与することができる。したがって、上記構成によれば、他のユーザが使用するゲーム媒体であって付与対象とするゲーム媒体を改善できる。
【0056】
―提示手段-
提示手段238は、各種情報をユーザに提示する。提示手段238は、例えば、ユーザが使用するゲーム装置5のディスプレイ61に表示させるための情報(以下、「表示情報」ともいう)を生成してもよい。提示手段238は、ネットワークインタフェース21を介して、生成した表示情報をゲーム装置5に送信する。
【0057】
提示手段238は、例えば、セッション情報を第2ユーザに提示する。ここで「セッション情報」とは、特定セッションを示す情報である。セッション情報は、例えば、1以上の特定セッションのリストであってもよい。セッション情報は、例えば、1以上の特定セッションをゲーム装置5のディスプレイに表示させるための情報であってもよい。提示手段238は、例えば、第2ユーザからの表示要求などに応じて、ゲーム装置5bのディスプレイ61に特定セッションを表示させるために、セッション情報を生成し、ネットワークインタフェース21を介してゲーム装置5bに送信してもよい。
【0058】
―受付手段-
受付手段239は、ユーザから、各種選択や要求などを受け付ける。受付手段239は、例えば、セッション情報の特定セッションに対する第2ユーザの選択を受け付ける。受付手段239は、例えば、第2ユーザが使用するゲーム装置5bから送信された特定セッションの選択受付要求に基づき、特定セッションに対する第2ユーザの選択を受け付ける。
【0059】
ここで図2~5を参照して、セッション情報を第2ユーザに提示するために、提示手段238がゲーム装置5bのディスプレイ61に表示する画面例について説明する。本例では、第2ユーザに対する第2ゲーム媒体の付与手段としてガチャを用いる例を説明する。また、本例では、所定条件を「eスポーツ大会で行われたセッションであること」として、特定セッションを、eスポーツ大会で行われたセッションとする。
【0060】
図2に示すように、提示手段238は、ゲーム装置5bのディスプレイ61に、実行させたいガチャを指定するためのガチャ指定画面610を表示させる。ガチャ指定画面610は、ガチャを指定するためのガチャ指定領域611と、OKボタン612と、を含む。
【0061】
ガチャ指定領域611は、第2ユーザが実行させたいガチャを指定するための領域である。ガチャ指定領域611に表示された複数のガチャの中から実行させたいガチャ(本例では、「eスポーツ大会ガチャ」とする)を第2ユーザが指定しOKボタン612を押下すると、ゲーム装置5の表示制御手段564は、この指定の受付要求を、ネットワークインタフェース51を介してサーバ装置2の受付手段239に送信する。受付手段239がこの受付要求を受け付けると、提示手段238は、セッション情報の一つとして、図3に示すイベント選択画面620を表示させるための表示情報を生成する。提示手段238は、ネットワークインタフェース21を介してこの生成した表示情報をゲーム装置5に送信して、イベント選択画面620を表示させる。
【0062】
図3に示すように、提示手段238は、ゲーム装置5bのディスプレイ61に、特定セッションが行われたイベントを選択するためのイベント選択画面620(図3では、「eスポーツイベント選択画面」と表記)を表示させる。イベント選択画面620は、イベント選択領域621と、OKボタン622と、を含む。
【0063】
イベント選択領域621は、第2ユーザがガチャでひきたいキャラクタが使用されたセッションが行われたイベントを選択するための領域である。イベント選択領域621に表示された複数のイベントの中から第2ユーザがガチャでひきたいキャラクタが使用されたセッション(本例では、「eスポーツ全国大会」の「決勝トーナメント」とする)を指定しOKボタン622を押下すると、ゲーム装置5の表示制御手段564は、この選択の受付要求を、ネットワークインタフェース51を介してサーバ装置2の受付手段239に送信する。受付手段239がこの受付要求を受け付けると、提示手段238は、セッション情報の一つとして、図4に示すセッション選択画面630を表示させるための表示情報を生成する。提示手段238は、この生成した表示情報を、ネットワークインタフェース21を介してゲーム装置5に送信する。提示手段238は、ネットワークインタフェース21を介してこの生成した表示情報をゲーム装置5に送信して、セッション選択画面630を表示させる。
【0064】
図4に示すように、提示手段238は、ゲーム装置5bのディスプレイ61に、特定セッションの中から第2ユーザがガチャをひきたいセッションを選択するためのセッション選択画面630(図4では、「対戦選択画面」と表記)を表示させる。セッション選択画面630は、セッション選択領域631と、OKボタン632と、を含む。
【0065】
セッション選択領域631は、ガチャをひきたいセッションを第2ユーザが選択するための領域である。セッション選択領域631は、セッション情報として、決勝トーナメントの各対戦を含むトーナメント表を表示する。セッション選択領域631は、に表示された複数の対戦の中からガチャをひきたい対戦(本例では、「決勝戦」とする)を第2ユーザが選択しOKボタン622を押下すると、ゲーム装置5の表示制御手段564は、この選択の受付要求を、ネットワークインタフェース51を介してサーバ装置2の受付手段239に送信する。受付手段239がこの受付要求を受け付けると、提示手段238は、セッション情報の一つとして、図5に示すセッション詳細画面640を表示させるための表示情報を生成する。提示手段238は、この生成した表示情報を、ネットワークインタフェース21を介してゲーム装置5に送信する。提示手段238は、ネットワークインタフェース21を介してこの生成した表示情報をゲーム装置5に送信して、セッション詳細画面640を表示させる。
【0066】
図5に示すように、提示手段238は、ゲーム装置5bのディスプレイ61に、第2ユーザが選択した特定セッション(決勝戦)の詳細を提示するためのセッション詳細画面640(図5では、「対戦詳細画面」と表記)を表示させる。セッション詳細画面640は、詳細表示領域641と、セッション画像表示領域642と、抽選実行ボタン643と、を含む。
【0067】
詳細表示領域641は、第2ユーザが選択したセッションの詳細を表示するための領域である。例えばこのセッションが決勝戦であれば、詳細表示領域641は、決勝戦で戦ったプレイヤ、決勝戦で使用されたキャラクタ、決勝戦の勝敗、決勝戦のプレイヤごとのスコアなどを表示する。
【0068】
セッション画像表示領域642は、第2ユーザが選択したセッションに関する画像(静止画または動画)を表示するための領域である。例えばこのセッションが決勝戦であれば、セッション画像表示領域642は、決勝戦のリプレイ動画(画面表示と併せて自動再生させてもよいし、手動再生でもよい)や決勝戦でクリティカルヒット(決定的な攻撃)した瞬間の静止画などを表示する。
【0069】
抽選実行ボタン643(図5では、「この対戦のガチャをひく」と表記)をユーザが押下すると、ゲーム装置5の表示制御手段564は、この抽選要求を、ネットワークインタフェース51を介してサーバ装置2の受付手段239に送信する。受付手段239がこの抽選要求を受け付けると、抽選実行手段は、詳細表示領域641に表示されている決勝戦で第1ユーザ(プレイヤAおよびプレイヤB)が使用したキャラクタを含む抽選テーブル222を用いて抽選を実行する。付与手段は、この抽選の結果、当選したキャラクタが第2ユーザに付与される。
【0070】
制御部23は、他のゲーム媒体を素材(以下、「合成素材」ともいう)にしてゲーム媒体(合成元)のパラメータを更新する合成手段(不図示)として機能してもよい。合成手段は、例えば、付与された第2ゲーム媒体を合成素材とするユーザの選択を受付手段239が受け付けた場合、合成元の別のゲーム媒体に合成させる。
【0071】
<ゲーム装置5の構成>
ゲーム装置5には、ディスプレイ61、スピーカ62、タッチパッド63およびマイク64が外部接続または内蔵される。また、ゲーム装置5は、ネットワークインタフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55、制御部56、を有する。ネットワークインタフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0072】
ネットワークインタフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0073】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、キャラクタおよび仮想ゲーム空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61と接続されており、動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0074】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続され、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成すると、これをスピーカ62から出力させる。
【0075】
操作部54は、タッチパッド63と接続され、操作入力に関するデータをタッチパッド63との間で送受信する。ユーザは、タッチパッド63をタッチすることで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0076】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードしたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラム、自装置5のアカウント情報などが格納されている。
【0077】
記憶部55は、ユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、サーバ装置2の記憶部22で記憶するユーザDB221の少なくとも一部の情報である。ユーザDB221でユーザ情報のマスタを管理し、ゲーム装置5の記憶部55は、このマスタの少なくとも一部の情報をサーバ装置2から配信されて記憶する。
【0078】
制御部56は、CPUおよび半導体メモリを含むマイクロコンピュータで構成され、自装置5の動作を制御する。
【0079】
制御部56は、各種プログラムを実行することにより、通信手段561、ゲーム実行手段562、音声制御手段563および表示制御手段564として機能する。
【0080】
―通信手段561―
通信手段561は、ネットワークインタフェース51を介してサーバ装置2との通信を行う機能である。
【0081】
通信手段561は、操作部54がタッチパッド63から受信した各種操作信号に応じて、サーバ装置2が把握可能な情報を生成して送信する。例えば、通信手段561は、アカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ガチャ実行要求、クエスト実行要求、ユーザ情報、ゲームデータなどを、サーバ装置2に送信する。また、通信手段561は、ダウンロード要求情報に応じてサーバ装置2から送られてきた新たなゲームデータ、抽選処理により選択されたゲーム媒体に関する情報などを、サーバ装置2から受信する。
【0082】
―ゲーム実行手段-
ゲーム実行手段562は、自装置5のユーザによるタッチパッド63の操作に従って、ゲームデータに含まれる仮想ゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部55から読み出すかまたはサーバ装置2から受信したデータを用いて、ゲームプログラムを実行しつつ、2次元または3次元のゲーム画像情報を生成する。ゲーム画像情報がグラフィック処理部52によって処理されることにより、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が逐次表示される。
【0083】
そして、ゲーム実行手段562は、ゲーム画像上に、自装置5のユーザの操作に従ってキャラクタを配置させ、そのユーザの操作およびゲームの進行状況に応じて仮想ゲーム空間におけるキャラクタの行動を制御する。例えば、ゲーム実行手段562は、ユーザのタッチパッド63を介した操作(以下、単に「ユーザ操作」という)に応じて、ゲームにおいてクエストを実行させる。また、ゲーム実行手段562は、ユーザ操作に応じて、ユーザにより選択されたゲーム媒体をプレイヤキャラクタに使用させる。
【0084】
―音声制御手段-
音声制御手段563は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてスピーカ62の音声出力制御を行う。
【0085】
―表示制御手段-
表示制御手段564は、ゲームの実行にあたり、自装置5のユーザの操作などに応じてディスプレイ61の表示出力制御を行う。また、表示制御手段564は、ゲームの実行にあたり、タッチパッド63を介したユーザ操作により入力されたユーザの各種の受付要求を受け付ける。表示制御手段564は、この受け付けた受付要求を、ネットワークインタフェース51を介してサーバ装置2の受付手段239に送信する。
【0086】
<ゲームシステム1の動作の流れ>
図6を参照して、サーバ装置2が特定セッションを特定してから第2ユーザに第2ゲーム媒体を付与するまでの処理の流れについて説明する。
【0087】
図6に示すように、まず、サーバ装置2のセッション特定手段234は、ユーザによりプレイされるゲームセッションのうち、所定条件を満たす特定セッションを特定する(ステップst1)。
【0088】
次いで、提示手段238は、特定セッションを示すセッション情報を第2ユーザに提示する(ステップst2)。
【0089】
次いで、受付手段239は、提示したセッション情報の特定セッションに対する第2ユーザの選択を受け付ける(ステップst3)。
【0090】
次いで、第1ゲーム媒体特定手段235は、第2ユーザに選択された特定セッションで使用されたゲーム媒体の中から第1ゲーム媒体を特定する(ステップst4)。
【0091】
次いで、第2ゲーム媒体特定手段236は、第1ゲーム媒体に関連する第2ゲーム媒体を特定する(ステップst5)。
【0092】
次いで、受付手段239は、第2ユーザからの付与処理の要求を受け付ける(ステップst6)。
【0093】
次いで、付与手段237は、第2ユーザからの付与処理の要求に基づいて、第2ゲーム媒体を第2ユーザに付与するための付与処理を実行する(ステップst7)。
【0094】
以上をまとめると、サーバ装置2の制御部23(コンピュータ)を、ユーザによりプレイされるゲームセッションのうち、所定条件を満たす特定セッションを特定するセッション特定手段234、特定セッションで第1ユーザに使用された第1ゲーム媒体を特定する第1ゲーム媒体特定手段235、第1ゲーム媒体に関連する第2ゲーム媒体を特定する第2ゲーム媒体特定手段236、第2ユーザからの要求に基づいて、第2ゲーム媒体を第2ユーザに付与するための付与処理を実行する付与手段237、として機能させるものである。
【0095】
<効果>
【0096】
本実施形態によれば、単に他のユーザが使用するゲーム媒体を付与するのではなく、決勝トーナメントの対戦などの特定のセッションで使用されたゲーム媒体に関連するゲーム媒体に限定して付与することができる。したがって、上記構成によれば、他のユーザが使用するゲーム媒体であって付与対象とするゲーム媒体を改善できる。
【0097】
[変形例]
なお、本発明を上記実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記実施形態に限定されない。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0098】
[第1変形例]
【0099】
セッション特定手段234は、例えば、特定セッションを複数特定してもよい。セッション特定手段234は、例えば、特定セッションとして、eスポーツ大会の決勝トーナメントの一つの対戦(例えば、決勝戦だけ)ではなく、プレイヤAがプレイした決勝トーナメントの対戦全てを特定してもよい。
【0100】
第1ゲーム媒体特定手段235は、例えば、総合情報に基づいて、第1ゲーム媒体を特定してもよい。ここで「総合情報」とは、セッション特定手段234により特定された複数の特定セッションの結果を総合した情報である。第1ゲーム媒体特定手段235は、例えば、eスポーツ大会の決勝トーナメントのプレイヤAがプレイした対戦を集計してもよい。そして、第1ゲーム媒体特定手段235は、集計の結果、第1ゲーム媒体として、eスポーツ大会の決勝トーナメントおけるプレイヤAの使用率が閾値よりも高いキャラクタを特定してもよい。また、他の例として、第1ゲーム媒体特定手段235は、集計の結果、第1ゲーム媒体として、eスポーツ大会の決勝トーナメントおけるプレイヤAの使用率が上位1~N位(N:自然数)までのキャラクタを特定してもよい。
【0101】
上記構成によれば、第1ゲーム媒体特定手段235は、第1ゲーム媒体を、所定条件を満たす特定セッションで使用された第1ゲーム媒体の中から特定セッションを総合した結果によりさらに限定することができる。このため、上記構成によれば、第1ゲーム媒体特定手段235は、第2ユーザに、特定セッションの総合した結果をふまえてゲーム媒体を付与させることができる。
【0102】
[第2変形例]
第1ゲーム媒体特定手段235は、例えば、特定セッションにおけるゲーム媒体が活躍した度合い(以下、「活躍度合い」ともいう)に応じて第1ゲーム媒体を特定してもよい。
【0103】
ゲーム媒体ごとの活躍度合いを算出するために、例えば、第1ゲーム媒体特定手段235は、ポイント制として、以下のような項目ごとにセッションを盛り上げたことを示すポイント(以下、「盛り上げポイント」ともいう)をゲーム媒体に付与してもよい。そして、第1ゲーム媒体特定手段235は、この盛り上げポイントの合計が閾値より高い、または上位1~N位までのゲーム媒体を第1ゲーム媒体として特定してもよい。なお、以下に示す盛り上げポイントのポイント数は一例であり、これに限定されない。
・ゲームデータに基づいて、対戦において相手のプレイヤキャラクタにクリティカルヒットを与えたキャラクタであると判定した場合5ポイントを付与する、
・ゲームデータに基づいて、コンボ攻撃を発動したキャラクタと判定した場合3ポイントを付与する
・ゲームデータに基づいて、セッションを盛り上げたキャラクタと判定した場合10ポイントを付与する
・ゲームデータに基づいて、対戦において相手のプレイヤキャラクタのHPをもっとも減らしたキャラクタと判定した場合10ポイントを付与する
・ゲームデータ(コメント情報)に基づいて、プレイヤキャラクタに対するコメントの量(例えば、プレイヤキャラクタに対するコメント数、熱量の高いコメントの有無またはその数、プレイヤキャラクタを操作するユーザに対して与えられた消費媒体(投げ銭)の量など)を判定し、判定したこれらの量が閾値より高い、または上位1~N位までのキャラクタに10ポイントを付与する
【0104】
提示手段238は、例えば、第1ゲーム媒体の活躍した度合いを第2ユーザに提示してもよい。また、提示手段238は、例えば、上記のように第1ゲーム媒体が盛り上がったキャラクタと判定された場合、その旨を第2ユーザに提示してもよい。
【0105】
上記のセッションを盛り上げたキャラクタか否かの判定において、セッションにおけるプレイヤや観戦者の音量に基づいて判定してもよい。例えば、まず、第1ゲーム媒体特定手段235は、N秒ごとに1シーンとして、盛り上がったシーンの音量の波形(縦軸を音量、横軸を時間とするグラフにおける波形)を予め学習させた分類モデルを作成する。次に、第1ゲーム媒体特定手段235は、決勝戦をシーンごとに分割し、分割したシーンごとの音量の波形を分類モデルに入力して、シーンごとに盛り上がったシーンか否かを分類する。そして、第1ゲーム媒体特定手段235は、盛り上がったシーンとして分類されたシーンで使用されたキャラクタを、セッションを盛り上げたキャラクタとして判定する。
【0106】
上記構成によれば、第1ゲーム媒体特定手段235は、第1ゲーム媒体を、所定条件を満たす特定セッションで使用された第1ゲーム媒体の中から特定セッションで活躍したゲーム媒体などにさらに限定することができる。このため、上記構成によれば、第1ゲーム媒体特定手段235は、第2ユーザに、特定セッションでの活躍をふまえてゲーム媒体を付与させることができる。
【0107】
[第3変形例]
上記実施形態では、第2ゲーム媒体が第1ゲーム媒体と同じゲーム媒体とする例を説明したが、これに限定されない。第2ゲーム媒体は、例えば、以下の(ア)~(エ)の少なくともいずれかを含んでもよい。
(ア)第1ゲーム媒体に対してゲームセッションで有利に進行できるゲーム媒体
(イ)ゲームセッションに関連するユーザが選択したゲーム媒体
(ウ)第1ゲーム媒体を使用して他のゲーム媒体を取得する処理を実行する権利
(エ)第1ゲーム媒体を使用して他のゲーム媒体を強化する処理を実行する権利
【0108】
<(ア)第1ゲーム媒体に対してゲームセッションで有利に進行できるゲーム媒体>
第2ゲーム媒体は、例えば、第1ゲーム媒体に対してゲームセッションで有利に進行できるゲーム媒体を含んでもよい。第2ゲーム媒体は、例えば、第1ゲーム媒体がキャラクタである場合、対戦ゲームのセッションにおいて、このキャラクタに対して優位なキャラクタなどであってもよい。提示手段238は、例えば、第1ゲーム媒体に対してゲームセッションで有利に進行できるゲーム媒体を第2ユーザに提示してもよい。
【0109】
上記構成によれば、第1ゲーム媒体に対して有利に進行できるゲーム媒体を第2ユーザに付与することができる。このため、上記構成によれば、第2ユーザはセッションを有利に進行できるキャラクタなどを保有することができるため、セッションでの第2ユーザのプレイ意欲を向上させることができる。
【0110】
例えば、第2ゲーム媒体が第1ゲーム媒体のみであった場合、次回のセッションで使用されるデッキが、前回のセッションで使用されたキャラクタが大半を占めたデッキとなりうる可能性がある。このため、上記構成によれば、前回のセッションで使用されたキャラクタに対して有利に進行できるキャラクタ(いわゆる、弱点キャラ)も付与することができるため、次回のセッションの戦略の幅を広げることができる。
【0111】
<(イ)ゲームセッションに関連するユーザが選択したゲーム媒体>
受付手段239は、例えば、ゲーム媒体受付手段(不図示)を備えてもよい。ゲーム媒体受付手段は、ゲームセッションに関連するユーザ(以下、「関連ユーザ」ともいう)からゲーム媒体の選択を受け付ける。また、第2ゲーム媒体は、この選択されたゲーム媒体の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0112】
関連ユーザは、典型的には第1ユーザであるが、その他にも、ゲームセッションに参加した他のユーザ(例えば、対戦ゲームにおいてプレイせずに単に観戦のみしていたユーザ(観戦者)も含む)、またはゲームセッションを主催や運営したユーザなどを含んでもよい。
【0113】
上記構成によれば、第2ユーザに対する付与対象とするゲーム媒体をセッションに関連する第1ユーザなどが選択することができる。上記構成によれば、例えば、第1ユーザがお勧めのキャラクタを選択して、積極的に第2ユーザに付与させるようにすることができる。
【0114】
上記と同様に、第2ゲーム媒体が第1ゲーム媒体のみの場合次回のセッションで使用されるデッキが前回のセッションで使用されたキャラクタが大半を占めたデッキとなりうる可能性がある。上記構成によれば、前回のセッションで使用されたキャラクタだけでなくゲームセッションに関連するユーザが選択したキャラクタも付与することができるため、次回のセッションの戦略の幅を広げることができる。
【0115】
提示手段238は、例えば、関連ユーザから選択されたゲーム媒体を第2ユーザに提示してもよい。
【0116】
ここで図7を参照して、ゲーム媒体の活躍度合いや関連ユーザから選択されたゲーム媒体を、提示手段238がゲーム装置5bのディスプレイ61に表示する画面例について説明する。本例は、図2~5の例と同じ前提とする。
【0117】
図7に示すように、提示手段238は、ゲーム装置5bのディスプレイ61に、セッション詳細画面の一部として、セッション詳細画面640a(図7では、「対戦詳細画面」と表記)を表示させる。セッション詳細画面640aは、デッキ表示領域641aと、選択キャラ表示領域641bと、を含む。
【0118】
デッキ表示領域641aは、プレイヤそれぞれが対戦で使用したデッキの詳細を表示する。デッキ表示領域641aは、それぞれのデッキに含まれるキャラクタの一覧を表示する。
【0119】
デッキ表示領域641aは、表示されているキャラクタの活躍度合いを表示する。例えば、デッキ表示領域641aは、クリティカルヒットを与えたキャラクタ5(図7では、「キャラ5」と表記)に対してその旨(図7では、「←リーサル」と表記)を表示し、クリティカルヒットを与えたシーンのリプレイ動画を再生するための再生ボタン(図7では、「リプレイを見る」と表記)を表示する。この再生ボタンが押下されると、セッション画像表示領域642と同様にこのシーンの動画を表示するための画面が表示される。また、デッキ表示領域641aは、盛り上がったキャラと判定されたキャラクタ6に対してその旨(図7では、「←盛り上がった」と表記)と盛り上がったシーンのリプレイ動画を再生するための再生ボタンを表示する。
【0120】
選択キャラ表示領域641bは、関連ユーザであるプレイヤA(第1ユーザ)が選択したキャラクタ9と、その旨(図7では、「←Aさんオススメ。キャラ5をメタる。」と表記)を表示する。
【0121】
<(ウ)(エ)第1ゲーム媒体を使用して他のゲーム媒体を取得する処理または他のゲーム媒体を強化する処理を実行する権利>
第2ゲーム媒体は、例えば、第1ゲーム媒体を使用して他のゲーム媒体を取得する処理または他のゲーム媒体を強化する処理を実行する権利を含んでもよい。
【0122】
上記(ウ)の第1ゲーム媒体を使用して他のゲーム媒体を取得する処理を実行する権利とは、例えば、後述の競走馬(第1ゲーム媒体)の種付け権であってもよい。この種付け権により、ユーザは、新たな競走馬を生産することができる。
【0123】
上記(エ)の他のゲーム媒体を強化する処理を実行する権利は、例えば、第1ゲーム媒体を合成素材として使用できる権利などであってもよい。合成手段は、合成素材の第1ゲーム媒体が保有するスキルを合成元のゲーム媒体に引き継がせて合成元のゲーム媒体を強化してもよい。
【0124】
例えば、ゲームセッションが競馬ゲームでのGIレースのクエストの場合、第2ゲーム媒体は、第1ユーザが育成したGIレースで使用した競走馬(第1ゲーム媒体)を第2ユーザの保有する繁殖牝馬に適用する権利であってもよい。このような構成によれば、GIレースで使用された競走馬を種牡馬として使用できる権利を第2ユーザに提供することができる。すなわち、言い換えれば、GIレースで使用された競走馬の種付け権をガチャなどにより第2ユーザに提供することができる。
【0125】
上記構成によれば、第2ユーザは、第1ゲーム媒体を使用して他のゲーム媒体を取得したり、自分が保有するゲーム媒体などを強化させたりすることができる。上記構成によれば、例えば、eスポーツ大会で活躍したキャラクタ(合成素材)のスキルを自分が保有するキャラクタに引き継がせることが可能になる。
【0126】
[第4変形例]
付与手段237は、例えば、付与処理が実行された回数に応じて関連ユーザの少なくともいずれかに報酬を付与してもよい。付与手段237は、例えば、付与処理が実行された回数に正比例させた量の消費媒体(通貨やポイント)を、第1ユーザ(プレイヤAおよびプレイヤB)に付与してもよい。
【0127】
付与手段237は、例えば、関連ユーザが第1ユーザの場合、第1ユーザそれぞれが使用したゲーム媒体の活躍度合いに応じて、報酬を付与してもよい。付与手段237は、例えば、プレイヤAとプレイヤBそれぞれが使用したデッキのキャラクタ達が取得した盛り上げポイントの合計を算出する。そして、付与手段237は、合計の比率からセッションに対して設定された報酬をプレイヤAとプレイヤBとで分配してもよい。
【0128】
付与手段237は、例えば、第2ユーザから選択された第1ゲーム媒体に応じて、報酬を付与してもよい。この場合、ゲーム媒体受付手段は、抽選を実行する前に、第2ユーザから、どのキャラクタ(第1ゲーム媒体または第2ゲーム媒体)を狙っているかの選択を受け付けてもよい。付与手段237は、例えば、この選択されたキャラクタの内訳においてプレイヤAが対戦で使用したキャラクタが7割だった場合、この対戦で設定された報酬に対して、プレイヤAに付与する報酬を7割として、プレイヤBに付与する報酬を残り3割よりとしてもよい。
【0129】
例えば、第1ユーザが、オリジナリティの高いデッキを使用してトーナメントなどを勝ち上がると、そのデッキに含まれるキャラクタを取得したいと考える第2ユーザからの抽選要求に応じてこれらを付与するための抽選がよく実行されることとなる。この付与するための抽選が実行されれば実行されるほど第1ユーザは報酬が得られるため、上記構成によれば、第1ユーザにオリジナリティの高いデッキを使用させてプレイさせるよう誘導し、第1ユーザのセッションでの戦略の幅を広げることができる。
【0130】
上記構成によれば、第1ユーザは、ゲームセッションで自身が使用したゲーム媒体が第2ユーザに対する付与処理が実行されれば実行されるほど報酬を得ることが可能になる。このため、第2ユーザにとって魅力的なゲーム媒体とするためにセッションで活躍させようとするなど第1ユーザのプレイ意欲を向上させることができる。
【0131】
[第5変形例]
付与手段237は、例えば、付与処理の実行回数(以下、単に「実行回数」ともいう)が回数制限を超えないように付与処理を複数回実行してもよい。この回数制限は、ゲーム媒体ごとに個別に設定されてもよいし、ユーザごとに個別に設定されてもよいし、全ユーザ一律で設定されてもよい。また、この回数制限は、全ユーザ一律で設定される場合、全ユーザの付与処理の実行回数の合計を算出し、算出した合計に対して適用される制限でもよい。さらに、この回数制限は、ゲーム媒体ごとに、全ユーザの付与処理の実行回数の合計を算出し、算出した合計に対して適用される制限でもよい。
【0132】
例えば、付与処理の実行回数が無限の場合、同じようなキャラクタが大量に作られることになり、次回のセッションで使用されるキャラクタが同じようなキャラクタばかりになってしまう可能性がある。上記構成によれば、次回のセッションで使用されるキャラクタのバリエーションを増やすよう誘導することができる。
【0133】
付与手段237は、例えば、第2ユーザによる第2ゲーム媒体の使用状況に基づいて、実行回数を減少させてもよい。付与手段237は、第2ユーザに付与された第2ゲーム媒体を、第2ユーザが一定期間全く使用していない場合、付与処理の実行回数を減少させることができる。このような構成によれば、回数制限に対して残りの実行回数を増加させることができるため、付与手段237は、付与処理を回復させることができる。
【0134】
例えば、競馬ゲームにおいて、種牡馬として使用できる権利を第2ユーザに提供しても、不受胎の場合がある。このような場合において、付与手段237は、使用状況(不受胎)に応じて、種牡馬として使用できる種付け権を回復させることができる。例えば、付与処理がG1レースで10勝した第1ユーザ作成の競走馬(第1ゲーム媒体)の種付け権を付与するガチャの場合、付与手段237は、以下のように、競走馬A~Cごとにその種付け権を付与するための残りのガチャの実行回数を管理することができる。また、付与手段237は、実行回数が回数制限に達してしまった場合、競走馬Aのように、「BOOKFULL(種付け終了)」とする。そして、付与手段237は、BOOKFULLの状態においても、種付け権を既に付与された第2ユーザにおいて不受胎だった場合、回数制限に対するこの競走馬Aの種付け権ガチャの実行回数を増やすことができる(例えば、BOOKFULL→残り5回など)。
・競走馬A:BOOKFULL
・競走馬B:残り100回
・競走馬C:残り200回
【0135】
[第6変形例]
提示手段238は、例えば、付与処理で用いる第2ゲーム媒体を抽選するための抽選テーブル(以下、単に「抽選テーブル」ともいう)を、第2ユーザに提示してもよい。
【0136】
ここで図8~9を参照して、ゲーム装置5bのディスプレイ61に抽選テーブルを提示手段238が表示する画面例と画面で表示する抽選テーブルの例とについて説明する。本例は、図2~5の例と同じ前提とする。
【0137】
図8に示すように、提示手段238は、ゲーム装置5bのディスプレイ61に、セッション詳細画面の一部として、セッション詳細画面640b(図8では、「対戦詳細画面」と表記)を表示させる。提示手段238は、セッション詳細画面640の抽選実行ボタン643をこのセッション詳細画面640bに遷移させるボタン(不図示)に代えることで、表示させてもよい。すなわち、抽選を実行する前に抽選テーブル222の内容を第2ユーザに確認させるために、このセッション詳細画面640bを、セッション詳細画面640と抽選の実行との間にはさんでもよい。セッション詳細画面640bは、抽選テーブル表示領域641cと、抽選実行ボタン643bと、を含む。
【0138】
抽選テーブル表示領域641cは、今回のセッション(決勝戦)で使用されたキャラクタ(第1ゲーム媒体)などを付与対象とする抽選で用いられる抽選テーブルの内容を表示する。抽選テーブル222の内容の詳細については、図9で説明する。
【0139】
抽選実行ボタン643b(図8では、「この対戦のガチャをひく」と表記)をユーザが押下すると、ゲーム装置5の表示制御手段564は、この抽選要求を、ネットワークインタフェース51を介してサーバ装置2の受付手段239に送信する。受付手段239がこの抽選要求を受け付けると、抽選実行手段233は、詳細表示領域641に表示されている決勝戦で第1ユーザ(プレイヤAおよびプレイヤB)が使用したキャラクタを含む抽選テーブル222を用いて抽選を実行する。付与手段は、この抽選の結果、当選したキャラクタが第2ユーザに付与される。
【0140】
図9(a)は、抽選テーブル222に含まれるレアリティテーブルの一例を示す。レアリティテーブルは、付与対象にするキャラクタのレアリティを抽選するためのテーブルである。
【0141】
図9(b)は、抽選テーブル222に含まれるキャラクタテーブルの一例を示す。キャラクタテーブルは、レアリティごとに設けられており、当選したレアリティのキャラクタを抽選するためのテーブルである。本例では、レアリティテーブルでSレアが当選した場合に使用されるSレアのキャラクタテーブルの一例を示す。キャラクタテーブルは、例えば、キャラクタとそれぞれの選択割合(図8~9では、「提供割合」と表記)の他に、キャラクタそれぞれの備考(どのプレイヤが使用したかなどの補足情報)を含んでもよい。
【0142】
抽選実行手段233は、まず、レアリティテーブルでレアリティの抽選を実行する。つぎに、抽選の結果当選したレアリティのキャラクタテーブルでキャラクタの抽選を実行する。さらに、特定セッションにおけるゲーム媒体の活躍度合いに応じて第1ゲーム媒体特定手段235が第1ゲーム媒体を特定する場合、第1ゲーム媒体特定手段235は、このレアリティの抽選に先行して、第1ゲーム媒体の抽選を実行してもよい。第1ゲーム媒体特定手段235は、例えば、第1ゲーム媒体としてセッションで盛り上がったキャラクタを対象とするか全てのキャラを対象とするか抽選を実行する。この抽選の結果セッションで盛り上がったキャラクタが対象となった場合、抽選実行手段233は、盛り上がったキャラクタに限定した内容のレアリティテーブルとキャラクタテーブルを第2ユーザに提示し、その内容で抽選を実行してもよい。
【0143】
[他の実施形態]
上記実施形態において説明した各種制御手段および処理手順は一例であり、本発明、その適用物、またはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。各種制御手段および処理手順は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0144】
上記実施形態では、ゲーム装置5がスマートフォンである場合を例示したが、ゲーム装置5は、ゲームセンターなどに提供されるアミューズメント機器であってもよい。
【0145】
ゲームは、アクションゲーム、シューティングゲーム、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、ボードゲーム、およびパズルゲームなどであってもよく、様々な種類のゲームに適用することができる。
【0146】
上記実施形態では、オブジェクトがプレイヤキャラクタである場合を例示したが、これに限定されない。例えば、オブジェクトは、仮想ゲーム空間内で使用されるカードやアイテム(武器、防具などの装備品)などであることができる。
【0147】
上記実施形態では、サーバ装置2および複数のゲーム装置5が一体となってゲームプログラムを機能させる場合を例示したが、これに限定されない。ゲームプログラムのすべての手段、すなわち、セッション特定手段、第1ゲーム媒体特定手段、第2ゲーム媒体特定手段、付与手段などが、サーバ装置2単体、ゲーム装置5単体、サーバ装置およびゲーム装置5とは別の通信端末単体、これらのうち組み合わせられる2つの装置(例えば、サーバ装置2とゲーム装置5での分散処理など)、に備えられていてもよい。また、サーバ装置、ゲーム装置、通信端末を一体となって機能させる場合、どの手段をどの装置にて機能させるかも、適宜変更が可能である。
【0148】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本実施形態の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0149】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
23 制御部
234 セッション特定手段
235 第1ゲーム媒体特定手段
236 第2ゲーム媒体特定手段
237 付与手段
5 ゲーム装置
56 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9