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特許7241354公に表示された情報をモバイル装置に伝送する方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】公に表示された情報をモバイル装置に伝送する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0241 20230101AFI20230310BHJP
【FI】
G06Q30/0241
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019536090
(86)(22)【出願日】2018-01-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 US2018012119
(87)【国際公開番号】W WO2018126285
(87)【国際公開日】2018-07-05
【審査請求日】2020-12-23
(31)【優先権主張番号】62/441,433
(32)【優先日】2017-01-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/441,436
(32)【優先日】2017-01-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/441,435
(32)【優先日】2017-01-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516348669
【氏名又は名称】エックスアド インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】XAD,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100192924
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕充
(72)【発明者】
【氏名】フェン ワン
(72)【発明者】
【氏名】スリハリ ベンカテサン
(72)【発明者】
【氏名】サラヴァラ ラヴィンドラン
(72)【発明者】
【氏名】シャンシャン ツオ
(72)【発明者】
【氏名】プラカッシュ ムッティネニ
(72)【発明者】
【氏名】デボラ ジャン
(72)【発明者】
【氏名】フイタオ ルオ
(72)【発明者】
【氏名】シャシ セス
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-069392(JP,A)
【文献】特開2004-032037(JP,A)
【文献】特開2014-021912(JP,A)
【文献】国際公開第2013/011550(WO,A1)
【文献】特開2007-219459(JP,A)
【文献】特開2004-312660(JP,A)
【文献】特開2002-049339(JP,A)
【文献】特開2016-157422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パケットベースのネットワークに接続された1以上のコンピュータシステムを用いて実装される方法であって、前記1以上のコンピュータシステムは、地理的領域の地図データを格納するデータストアを含み又は前記データストアへのアクセスを有し、前記方法は、
前記パケットベースのネットワークと、モバイル装置上の1以上のソフトウェアアプリケーションを介して通信する前記モバイル装置の位置信号に対応する位置データを取得するステップであって、前記位置信号は、ある時期の異なる時点での対応するタイムスタンプを有する前記地理的領域におけるモバイル装置の位置を示す、ステップと、
前記モバイル装置の前記位置信号を、前記地理的領域にマッピングするステップと、
前記地理的領域にマッピングされた前記位置信号の密度に基づいて、前記モバイル装置につき少なくとも第1の場所と第2の場所とを判定するステップと、
前記第1の場所と前記第2の場所との間の1以上の移動経路を判定するステップと、
前記モバイル装置と、前記1以上の移動経路又は前記1以上の経路に沿って表示される情報と、の間の関連付けを作成するステップと、
前記パケットベースのネットワークを介して前記モバイル装置に送信するために、前記関連付けに少なくとも基づいて、前記1以上の経路に沿って表示される前記情報に関連するコンテンツを選択するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
パケットベースのネットワークに接続された1以上のコンピュータシステムを用いて実装される方法であって、前記1以上のコンピュータシステムは、地理的領域の地図データを格納するデータストアを含み又は前記データストアへのアクセスを有し、前記方法は、
前記パケットベースのネットワークと、モバイル装置上の1以上のソフトウェアアプリケーションを介して通信する前記モバイル装置の位置信号に対応する位置データを取得するステップであって、前記位置信号は、ある時期の異なる時点での対応するタイムスタンプを有する前記地理的領域におけるモバイル装置の位置を示す、ステップと、
前記モバイル装置の前記位置信号を、前記地理的領域にマッピングするステップと、
前記地理的領域の地図上で前記位置信号を追跡して、前記地理的領域における1以上の移動経路を判定するステップと、
前記モバイル装置と、前記1以上の移動経路又は前記1以上の経路に沿って表示される情報と、の間の関連付けを作成するステップと、
前記パケットベースのネットワークを介して前記モバイル装置に送信するために、前記関連付けに少なくとも基づいて、前記1以上の経路に沿って表示される前記情報に関連するコンテンツを選択するステップと、
を含む、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記モバイル装置と、前記1以上の移動経路又は前記1以上の経路に沿って表示される情報と、の間の関連付けを作成するステップは、
前記1以上の移動経路に沿った1以上の広告板を判定することと、
前記1以上の広告板に表示される情報と前記モバイル装置とを関連付けることと、
を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記コンテンツは更に、
前記1以上の広告板の各々に関連付けられた広告板データと、
前記モバイル装置のユーザについての情報と、
前記位置データから推測された、前記モバイル装置の前記ユーザの行動と、
報要求が受信された時刻と、
前記移動経路の少なくとも一部での移動速度と、
の少なくともいくつかに基づいて選択される、方法。
【請求項5】
請求項3に記載の方法において、前記1以上の移動経路に沿った1以上の広告板を判定することは、
前記1以上の移動経路に沿った前記1以上の広告板につき広告板データベースを検索することを更に含み、前記広告板データベースは、前記地理的領域における広告板に関連付けられた情報を格納する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記地理的領域にマッピングされた前記位置信号の密度に基づいて、前記モバイル装置につき少なくとも第1の場所と第2の場所とを判定することは、
前記時期を複数の期間に分割することと、
前記複数の期間の各々につき、前記複数の期間の各々においてタイムスタンプを有する位置信号を、前記地理的領域における所定の領域にマッピングすることと、
前記所定の領域の各々における位置信号の密度を、前記所定の領域の各々にマッピングされた位置信号に基づいて判定することと、
前記所定の領域における位置信号の密度に基づいて、前記所定の領域から、主要な領域のセットを選択することと、
1以上のフィルタを主要な領域の前記セットの各々に適用して、主要な領域の前記セットのサブセットを前記第1の場所及び前記第2の場所として選択することと、
を含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記1以上のフィルタは、
主要な領域の前記セットの各々にマッピングされた前記位置信号を検査して、前記モバイル装置のユーザによる、主要な領域の前記セットの前記各々への訪問の頻度と、前記頻度が所定の頻度閾値を超えるか否かとを判定するよう構成された頻度閾値フィルタと、
主要な領域の前記セットの各々にマッピングされた前記位置信号を検査して、主要な領域の前記セットのいずれかが前記モバイル装置の前記ユーザの家に対応するか否かを判定するよう構成された1時間毎パターンフィルタと、
主要な領域の前記セットの各々につき地理ブロックを判定して、主要な領域の前記セットのいずれかが前記モバイル装置の前記ユーザの家に対応するか否かを判定するよう構成された地理ブロックフィルタと、
主要な領域の前記セットの各々にマッピングされた前記位置信号が単一のIPアドレスを含むか否かと、他のモバイル装置のいくつが前記時期の間に同一のIPアドレスを介して前記パケットベースのネットワークと通信したかとを判定するよう構成されたIPフィルタと、
のうち1つ以上を含む、方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の方法において、前記地理的領域を居住領域の大きさの枠に分割して、前記所定の領域を生成することを含む、方法。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか一項に記載の方法において、前記所定の領域の少なくともいくつかの各々が、居住用の土地区画又は関心点に対応する、方法。
【請求項10】
請求項3に記載の方法において、前記1以上の広告板は、移動経路上の移動速度と前記広告板の大きさとに少なくとも基づいて、前記移動経路に沿った複数の広告板から選択される、方法。
【請求項11】
パケットベースのネットワークに接続されたコンピュータシステムの1以上のプロセッサによって実行される方法であって、前記1以上のプロセッサは、地理的領域内の公道についての地図データを格納する1以上のデータストアへのアクセスを有し、前記方法は、
公道に沿って表示される情報と道路区画との間の関連付けを確立するステップであって、1以上の道路区画の近傍に表示される特定の情報を有する前記1以上の道路区画間の関連付けを確立することを含み、各道路区画は、公道の区画であり、前記公道に入る及び/又は前記公道を出る1以上の道によって隣接する道路区画から分離される、ステップと、
前記パケットベースのネットワークと通信するモバイル装置に関連付けられた位置データを含む情報についての要求を受信するステップと、
前記モバイル装置が前記複数の道路区画のうちの道路区画上又は前記道路区画の近くにあることを前記位置データが示すことに応答して、前記道路区画と1以上の情報文書との間の確立済みの関連付けに応じて、前記道路区画に関連付けられた少なくとも1つの情報文書を判定するステップと、
情報についての前記要求又は前記モバイル装置を識別する1以上のデータパケットであって、前記少なくとも1つの情報文書又はそれへのリンクを含むデータパケットを、前記パケットベースのネットワークに送信するステップと、を含む方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、道路区画と公道に沿って表示される情報との間の関連付けを確立することは、
前記パケットベースのネットワークと通信する複数のモバイル装置に関連付けられた位置データを取得することと、
取得された前記位置データと前記地図データとを用いて、前記複数のモバイル装置のそれぞれのユーザによって定期的にとられる通勤経路を推測することと、
前記通勤経路を道路区画に分割して、前記通勤経路の各々が一続きの道路区画を含むようにすることと、
前記通勤経路に沿った複数の物理的な位置に対応する複数の情報文書をそれぞれの道路区画に関連付けて、前記それぞれの道路区画上の移動者が前記それぞれの情報文書に関連する情報に曝される蓋然性の程度を示す対応する確率値によって、それぞれの情報文書がそれぞれの道路区画に関連付けられるようにすることと、
を更に含む、方法。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の方法において、前記公道に入る及び/又は前記公道を出るための前記1以上の道は、前記公道が1以上の他の公道と交差する交差点と、前記公道に入る入口ランプと、前記公道を出る出口ランプと、前記公道が他の公道と合流又は分離する幹線道路のジャンクションとのうち1以上を含む、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法において、前記通勤経路に沿った複数の物理的な位置に対応する複数の情報文書をそれぞれの道路区画と関連付けることは、前記複数の物理的な位置の各それぞれにつき、第1の道路区画と1以上の第2の道路区画とを判定することと、前記各物理的な位置に対応する1以上のそれぞれの情報文書を、前記1以上の第2の道路区画の各々と関連付けることとを含み、前記1以上のそれぞれの情報文書は、前記第1の道路区画上の移動者に表示される情報を含み、前記1以上の第2の道路区画の各々は、所定の閾値よりも高い確率値によって前記第1の道路区画に関連する、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記1以上の第2の道路区画は、移動者が前記第1の道路区画に入るときに経由する第3の道路区画を含み、前記1以上の第2の道路区画を判定することは、前記第3の道路区画上の移動者が前記第1の道路区画に進む蓋然性の程度を示す確率値を、前記第3の道路区画を含む通勤経路の数と、前記第1の道路区画に続く通勤経路の数の割合とに少なくとも基づいて判定することを含み、
又は、
前記1以上の第2の道路区画は、前記第1の道路区画上の移動者が進む第4の道路区画を含み、前記1以上の第2の道路区画を判定することは、前記第4の道路区画上の移動者が前記第1の道路区画から来る蓋然性の程度を示す確率値を、前記第4の道路区画を含む通勤経路の数と、前記第1の道路区画から来る通勤経路の数の割合とに少なくとも基づいて判定することを含む、方法。
【請求項16】
第1のコンピュータシステムによって実装される方法であって、パケットベースのネットワークを介して前記第1のコンピュータシステムに接続された第2のコンピュータシステム上のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を用いて関連データベースを視覚化する方法において、
前記第2のコンピュータシステムへ地理的領域内の広告板の位置を送信して、前記GUIが、前記広告板を示す印を用いて前記地理的領域の地図上に前記位置を示すことを可能にするステップと、
前記GUIを用いて特定の印を選択する第1の種別の入力に応答して、前記第2のコンピュータシステムに、前記特定の印によって示される広告板についての情報を送信して、前記GUIが前記情報を表示することを可能にするステップと、
前記GUIを用いて前記特定の印を選択する第2の種別の入力に応答して、前記第2のコンピュータシステムに、前記特定の印によって示される広告板に関連付けられた1以上の公共の道路区画を示すデータを送信して、前記GUIが前記地図上の前記1以上の道路区画を強調することを可能にするステップと、を含む方法。
【請求項17】
第1のコンピュータシステムによって実装される方法であって、パケットベースのネットワークを介して前記第1のコンピュータシステムに接続された第2のコンピュータシステム上のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を用いて関連付けデータベースを視覚化する方法において、
前記第2のコンピュータシステムから地理的領域の選択情報を受信するステップと、
前記関連付けデータベースからモバイルユーザの一覧を送信するステップであって、前記モバイルユーザの各々は前記地理的領域内に1以上の要所を有する、ステップと、
前記第2のコンピュータシステムから特定のモバイルユーザの選択情報を受信するステップと、
前記第2のコンピュータシステムに、前記特定のモバイルユーザに関連付けられた一致した広告板の一覧と、前記一致した広告板のそれぞれの位置とを送信するステップと、
前記第2のコンピュータシステムから特定の広告板の選択情報を受信するステップと、
前記特定の広告板についての情報を前記第2のコンピュータシステムに送信して、前記GUIが前記地理的領域の地図上の前記広告板の位置を拡大することと、前記地図上の前記広告板に印をつけることと、表示ウィンドウに前記広告板の前記情報を表示することと、を可能にするステップと、を含み、
前記特定の広告板についての前記情報は、前記特定の広告板の位置と、前記特定の広告板の大きさと、前記特定の広告板の種別とを示す、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、米国仮特許出願第62/441,433号(2017年1月1日出願。「Method and Apparatus for Delivering Publicly Displayed Information to Mobile Devices based on Mobile User Travel Routes」)、米国仮特許出願第62/441,435号(2017年1月1日出願。「Method and Apparatus for Delivering Publicly Displayed Information to Mobile Devices based on User Travel Routes and Travel Speeds」)、米国仮特許出願第62/441,436号(2017年1月1日出願。「Method and Apparatus for Real-Time Delivery of Publicly Displayed Information to Mobile Devices」)の優先権を主張する。上記出願の各々の開示全体をここに参照のために取り込む。本願は、共同所有された米国特許出願「Method and Apparatus for Delivering Publicly Displayed Information to Mobile Devices based on Location History」(本願と同日出願)と、共同所有された米国特許出願「Method and Apparatus for Real-Time Delivery of Publicly Displayed Information to Mobile Devices」(本願と同日出願)とに関連する。これらの出願の各々の開示全体をここに参照のために取り込む。
【技術分野】
【0002】
本願はモバイル広告に関連し、特に、関連付けられた位置の履歴に基づいて、モバイル装置へ、公に表示された情報を伝送する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル広告は、コンピュータ技術の発展及び広範な使用に起因し、それが不可欠である。多くのスマートフォンソフトウェア及びアプリケーション開発者は、広告収入に依存して、自身の業務に資金供給する。携帯電話のモバイル特徴を利用するために、洗練された技術が開発され、発される信号に基づいてモバイル装置の位置を推測し、近傍の関心点(POI)に対するその位置の関連性を推測し、これによって正確で関連性があり且つ折りよい情報をモバイル装置に伝送する。したがってモバイル広告技術はコンピュータ技術であり、専用のソフトウェアを有するコンピュータを使用してのみ実行されてきた。
【0004】
モバイル広告の重要な部分はジオフェンシングである。これは、仮想の「フェンス」を関心点又は関心場所(POI)の周囲に作成することを伴い、特有の情報を、そのフェンス内にあると判定されたモバイル装置に伝送することを伴う。ジオフェンシングを通して伝送された情報は、典型的には、高い的中率と、投資に対する回収とをもたらす。なぜなら、それが一層状況に合うからである。したがって地理フェンスをどのように定義して、伝送される情報の関連性を向上させるかが、集中的な調査及び発展作業の対象である。
【0005】
組織は公に向けて、大きな標示(例えばポスター、広告板等)を用いて、長らく情報を提示してきた。広告板は、情報又はメッセージを表示するパネル又は構造であり、異なる形態及び大きさを取る。図1A及び1Bに示すような大きさの広告板が通常、道路及び通りに沿って、又は、柱及び建物の側面等の構造上に配置され、通り過ぎる人がそれらをひと目見ることを可能にする。比較的小さな広告板、標示、柱又はディスプレイ(例えば図1Cに示すもの)は通常、壁及びバス停等の構造上に配置され、これにより、通り過ぎる人がそれらを視認することができる。典型的には機知に富んだスローガン及び特徴的な視覚が用いられるが、これらの標示は即座に人の注意を引き印象を作成するように立案されている。しかし、印象は、繰り返されない限り、つかの間にすぎない。しばしば人はこれらの広告板、標示又は柱を通り過ぎ、そこに表示されたメッセージに興味を持つが、かれらの関心を徹底させる十分な情報は保持されない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1Aは、公道又は歩道に配置された広告板又はポスターの例を示す図である。図1Bは、公道又は歩道に配置された広告板又はポスターの例を示す図である。図1Cは、公道又は歩道に配置された広告板又はポスターの例を示す図である。図1Dは、本開示の技術が動作するいくつかの実施形態での環境の概観を示す概念図である。
図2A図2Aはネットワークに接続されたコンピュータ/サーバ(これは特定の実施形態で開示される技術を実装するために使用される)の機能ブロック図である。
図2B図2Bは、本開示の技術を実装するコンピュータシステムにおける構成要素を示す機能ブロック図である。
図2C図2Cは機能ブロック図であり、特定の実施形態による、コンピュータに関連付けられた1以上の記憶装置におけるデータ及びデータベースを示す図である。
図2D図2Dはブロック図であり、データストア及び/又はデータベースのいくつかにおけるエントリ間の相互関係を概念的に示す図である。
図2E図2Dはブロック図であり、データストア及び/又はデータベースのいくつかにおけるエントリ間の相互関係を概念的に示す図である。
図3図3はフローチャートであり、特定の実施形態による、モバイル装置へ、位置履歴に基づいて、公に表示された情報を伝送する処理を示す。
図4A図4Aは、特定の実施形態による、位置データベースにおけるコンテンツのいくつかの例を示す表である。
図4B図4Bは、特定の実施形態による、位置データベースにおけるコンテンツのいくつかの例を示す表である。
図5図5は、地図オーバーレイ図であり、特定の実施形態による、特定のモバイル装置に関連付けられた位置データから検出されたいくつかの要所を示す。
図6A】特定の実施形態による、関連付けデータベースのコンテンツを示すグラフィカルユーザインタフェースのスクリーンショットである。
図6B】特定の実施形態による、関連付けデータベースのコンテンツを示すグラフィカルユーザインタフェースのスクリーンショットである。
図6C】特定の実施形態による、関連付けデータベースのコンテンツを示すグラフィカルユーザインタフェースのスクリーンショットである。
図7図7は、特定の実施形態による、第1のコンピュータシステムと第2のコンピュータシステムとによって実行される処理を示すフローチャートであり、第2のコンピュータシステムでのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を提供し、関連付けデータベースにおけるデータを表示するものである。
図8A図8Aは特定の実施形態による、特定の種別の要所を検出する処理を示すフローチャートである。
図8B図8Bは、地図オーバーレイ図であり、特定の実施形態による、地理的領域において、代表的クラスタを正方形の土地領域として示すものである。
図8C図8Cは、特定の実施形態による、モバイル装置に関連付けられた位置データ信号を1時間毎に集約した表である。
図9図9は地図オーバーレイ図であり、特定の実施形態による、土地区画と、土地区画における生の位置データがどのように平均化されて土地区画に対応する重みの中心を生成するかとを示す。
図10図10は、特定の実施形態による、複数のフィルタを示す機能ブロック図である。
図11A図11Aは、特定の実施形態による、領域の地図に重ねられた例示的なジオブロックを示す。
図11B図11Bは、特定の実施形態による、領域の鳥瞰図上に入力された居住地理ブロック内に位置する、検出された家(緯度、経度)の対の例を示す。
図12A】特定の実施形態による、要所の1つとして関心点を検出する処理を示すフローチャートである。
図12B図12Bは地図オーバーレイ図であり、特定の実施形態による、地理的構成とPOIの周囲とに整合して定義されたポリゴンを示す。
図13図13は地図のオーバーレイであり、特定の実施形態による、経時的に関連付けられたモバイル装置によって生成された周期的位置更新を用いて、モバイルユーザの移動経路を追跡する図である。
図14図14図13における地図オーバーレイ図の拡大図である。
図15図15Aは特定の実施形態による、区画定義モジュールの処理を示すフローチャートである。図15Bは特定の実施形態による、経路生成装置の処理を示すフローチャートである。
図16A図16Aは特定の実施形態による、幹線道路に沿った道路区画の例を示す地図オーバーレイ図である。
図16B図16Bは特定の実施形態による、交差点付近での道路区画の例を示す地図オーバーレイ図である。
図16C図16Cは、地図オーバーレイ図であり、モバイル装置に関連付けられた位置データを用いて、経時的に検出された位置を示す。
図16D図16Dは特定の実施形態による、地図モバイル装置の位置の点がどのように区画へマッピングされるかを示す地図オーバーレイ図である。
図16E図16Eは表と地図オーバーレイ図との組み合わせであり、特定の実施形態による、一続きの道路区画として通勤経路の一部を示す。
図17図17は、特定の実施形態による、区画データベースにおけるコンテンツの例を示す表である。
図18図18は特定の実施形態による、関連データベース(リレーショナルデータベース)を構築する処理を示すフローチャートである。
図19図19Aは、特定の実施形態による、道路区画と、経路データに基づいてそれらがどのように互いに関連付けられるかの例についての概念図である。図19Bは、特定の実施形態による、道路区画と、経路データに基づいてそれらがどのように互いに関連付けられるかの例についての概念図である。図19Cは、特定の実施形態による、道路区画と、経路データに基づいてそれらがどのように互いに関連付けられるかの例についての概念図である。図19Dは、特定の実施形態による、道路区画と、経路データに基づいてそれらがどのように互いに関連付けられるかの例についての概念図である。
図20A】特定の実施形態による、様々な道路区画とそれらの関連属性とについての地図オーバーレイ図である。
図20B】特定の実施形態による、様々な道路区画とそれらの関連属性とについての地図オーバーレイ図である。
図20C】特定の実施形態による、様々な道路区画とそれらの関連属性とについての地図オーバーレイ図である。
図20D】特定の実施形態による、様々な道路区画とそれらの関連属性とについての地図オーバーレイ図である。
図21A図21Aは、特定の実施形態による、関連データベースにおけるコンテンツの例を示す表である。
図21B図21Bは、特定の実施形態による、広告板データベースと関連データベースとのデータにアクセスするためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)のスクリーンショットである。
図21C図21Cは特定の実施形態による、GUIを提供する処理を示すフローチャートである。
図22図22はフローチャートであり、特定の実施形態による、ネットワークに接続されたコンピュータシステムによって実行される処理であって位置ベースの情報を公道に基づいてモバイル装置へ提供する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本願の実施形態は、従来のモバイル広告技術を、特定の公道上のモバイル装置を検出する技術及び公道に沿ったポスター、広告板、又は他の大きな標示上に情報を表示する技術を提供することによって改善する。または、公道に沿った関心点についての情報をこれらのモバイル装置に表示して追加の印象を作成し、モバイル装置のユーザに、表示された情報への簡単なアクセスを提供することによって、又は、推測されたモバイルユーザの経路に沿った関心点についての指示及び情報を提供することによって、従来のモバイル広告技術が改善されてよい。本願はモバイル広告に関する。モバイル広告は、コンピュータ技術の発展及び広範な使用に起因し、それが不可欠である。多くのスマートフォンソフトウェア及びアプリケーション開発者は、広告収入に依存して、自身の業務に資金供給する。携帯電話のモバイル特徴を利用するために、洗練された技術が開発され、発される信号に基づいてモバイル装置の位置を推測し、それらの推測された位置に基づいて、モバイル装置へ、正確で関連性があり且つ折りよい情報を伝送する。したがってモバイル広告技術はコンピュータ技術であり、専用に設計されたソフトウェア構成要素を有するコンピュータを使用してのみ実行されてきた。本開示の技術は、巨大な広告データ(特に、モバイルユーザの高度に正確な位置情報)を利用し、それらを使用して、モバイルユーザの家/職場の位置を匿名で識別する。本実施形態はまた、モバイルユーザの移動経路を推測する方法及び装置を提供し、公道に沿ってモバイル装置のユーザ(ユーザは、推測された移動経路に基づいて公道を移動するとき、その情報に曝される蓋然性が高い)へ表示される情報を提供する。したがって事業体のオーナーは、その顧客を理解することができ、関連する顧客へより効率的に情報を提供することができる。
【0008】
図1Dは、本開示の技術が動作するいくつかの実施形態での環境101の概観を示す概念図である。環境101は、パケットベースのネットワーク100に接続された1以上のコンピュータシステム120を含んでよい。特定の実施形態でのパケットベースのネットワーク100はインターネット110と、インターネットゲートウェイを介してインターネット110に接続された移動体ネットワーク111の一部又は全部とを含む。コンピュータ/サーバ120は、有線のイーサネット、選択的にPower over Ethernet(PoE)、WiFi、及び/又は、複数の基地局111aを含む移動体ネットワーク111を介した移動体接続を用いて、インターネット110に接続されてよい。ネットワークはまた、1以上のネットワークアタッチストレージ(NAS)システム121を含んでよい。これは、コンピュータネットワークに接続されたコンピュータデータ・ストレージサーバであり、異種のクライアント群にデータアクセスを提供する。図1Dに示すように、1以上のモバイルユーザ130(例えばスマートフォン又はタブレットコンピュータ)はまた、移動体ネットワーク111への移動体接続を介して、パケットベースのネットワークへ接続される。WiFiホットスポット(例えばホットスポット135)が利用可能なとき、モバイル装置130は、内臓のWiFi接続を用いて、WiFiホットスポット135を介してインターネット110へ接続してよい。したがってモバイル装置130はインターネット110に接続された他のコンピュータ/サーバと相互作用してよい。
【0009】
コンピュータ/サーバ120はサーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、個人情報端末(PDA)、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチ又はブリッジ、又は、コンピューティング装置によって実行される動作を特定する命令を実行可能な任意のコンピューティング装置、を含んでよい。図1Dに示すように、いくつかのコンピュータ/サーバ120はローカルエリアネットワーク(LAN)115を介して互いに接続される。これは今度は、インターネット110へ接続される。また、本開示の各コンピュータ/サーバ120は、スクリプトファイルサーバとして機能する、個別又は共同して命令を実行するコンピューティング装置の任意の集合を含んでよい(下記で詳述)。
【0010】
図2Aは環境101内のコンピュータシステム120の1つについての機能ブロック図である。これは、特定の実施形態による技術を実装するために使用される。コンピュータ/サーバ120はスタンドアロン装置として、又は、ピアツーピアの(分散された)ネットワークコンピューティング環境でのピアコンピューティング装置として、動作してよい。図2に示すように、コンピュータ/サーバ120は1以上のプロセッサ202(例えば中央処理装置(CPU))と、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)と、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及び、システムバス201を介して互いに接続されたシステム又はメインメモリ204とを含む。コンピュータ/サーバ120は更に、静的メモリ206と、ネットワークインタフェース装置208と、記憶部210と、1以上の表示装置230と、1以上の入力装置234と、信号生成装置(例えばスピーカ)236とを含んでよい。これを用いて、プロセッサ202はシステムバス201と通信可能である。
【0011】
特定の実施形態では、表示装置230は、1以上のグラフィック表示部(例えばプラズマディスプレイパネル(PDP))、液晶ディスプレイ(LCD)プロジェクタ、又はブラウン管(CRT)を含む。入力装置234は英数字の入力装置(例えばキーボード)、カーソル制御装置(例えばマウス、トラックボール、ジョイスティック、動作センサ、又は他の指示装置)を含んでよい。記憶部210は、1以上の機械可読媒体212を含む。これは、コンピュータプログラム命令216(例えばソフトウェア)(例えば1以上のシステム、方法、又は、本開示の機能を可能にする)を格納する。記憶部210はまたデータ218(例えばシステム、方法、又は本実施形態の機能によって使用され及び/又は生成されるデータ)を格納してよい。命令216(例えばソフトウェア)が、完全に又は部分的に、メインメモリ204内に又はプロセッサ202内(例えばプロセッサのキャッシュメモリ内に)に、コンピュータ/サーバ120による実行中に、ロードされてよい。したがってメインメモリ204及びプロセッサ202はまた、機械可読媒体を構成する。
【0012】
機械可読媒体212は例示的実施形態において、単一の媒体として図示される。しかし、「機械可読媒体」との用語は、単一の媒体又は複数の媒体(例えば中央化された又は分散されたデータベース又は、関連付けられたキャッシュ及びサーバ)を含むものとして使用される。「機械可読媒体」との用語はまた、コンピュータ/サーバ120による実行のための命令(例えば命令216)(これはコンピューティング装置に、本開示の1以上の方法を実行させる)を記憶可能な任意の媒体を含むものとして使用される。「機械可読媒体」との用語は、ソリッドステートメモリ、光媒体、及び磁気媒体の形態でのデータ記憶装置を含んでよいが、これに限定されない。特定の実施形態では、命令216及び/又はデータ218は、ネットワーク100内に格納されてよいし、コンピュータ/サーバ120によってネットワークインタフェース装置208を介してアクセスされてよい。これは、有線及び/又は無線の接続を、いくつかの種別のネットワークコネクタ280aを介して、ネットワーク(例えばローカルエリアネットワーク115及び/又はワイドエリアネットワーク(例えばインターネット110))へ提供する。命令216(例えばソフトウェア)及び/又はデータ218は、ネットワークインタフェース装置208を介して送受信されてよい。
【0013】
モバイル装置130はネットワーク100と通信する数百万のモバイル装置を示してよい。インターネットに接続されたコンピュータ/サーバ120は、1以上のパブリッシャーを含んでよい。これは、パブリッシャーによって提供されたアプリを駆動するモバイル装置と相互作用する。パブリッシャーは、モバイル装置と相互作用するとき、データパケット内で送信される情報要求の形態で、モバイル供給物を生成してよい。各情報要求は、関連付けられたモバイル装置の特徴と、ユーザについての特定の情報と、生で劣化のない、その位置を示す位置データとを含む要求データを伝送する。パブリッシャーは例えば広告主又はその代理人による入札のためにウェブページ上にモバイル供給物を提示してよいし、モバイル供給物を、広告代理人又は広告仲介人へ実現のために送信してよいし、自身でその供給物を実現してよい。いくつかのモバイル装置はまた、特定の種別のバックグラウンドアプリケーション(アプリ)を有してよい。これはインストールされて駆動され、モバイル供給物を、周期的に、例えば自動位置更新信号又は位置更新情報の形態で、更新情報を受信するよう契約したモバイル装置へ提供してよい。
【0014】
より多くのモバイル供給物(例えば広告要求、位置更新情報等)がネットワーク100に接続された様々な当事者によって生成及び収集されるので、モバイル供給物内のデータは、モバイルユーザについての統計結果を生成するよう処理されてよいし、モバイルユーザの行動を予測するよう処理されてよい。これは、リアルタイムデータと組み合わされると、情報提供者によって使用されて、モバイルユーザへ一層関連性のある情報を提供してよい。いくつかの実施形態では、モバイルユーザの決まった移動経路が、それぞれのモバイル装置に関連付けられた位置データから、オフライン処理で導出される。これは、公に表示された情報を、モバイルユーザ又はそのモバイル装置に関連付けるために使用される(下記で詳述)。
【0015】
図2Bは、本実施形態による技術を実装するコンピュータシステム200における構成要素を示す機能ブロック図である。コンピュータシステム200は、ローカルネットワーク(例えばネットワーク115)及び/又はワイドエリアネットワーク(例えばネットワーク110)を介して互いに接続された1以上のコンピュータ/サーバ120を含んでよい。図2Bに示すように、構成要素はハードウェア構成要素250(例えば1以上のプロセッサ252、1以上のシステムメモリ254、1以上の記憶部256、及び、I/O装置258)を含んでよい。構成要素は更に、汎用ソフトウェアアプリケーション260(例えば1以上のベーシックインプット/アウトプットシステム(BIOS)262、1以上のオペレーティングシステム266、及びネイティブプログラム268)を含んでよい。構成要素は更に、コンピュータシステム200の他の構成要素と共に本開示の技術を実装するよう設計された専用ソフトウェア構成要素270(これは、要求プロセッサ272、位置サービスエンジン273、要所検出装置274、区画定義モジュール275、経路生成装置276、関連付けデータベース構築装置278、関連データベース構築装置277、及びインタフェースエンジン279のいくつか又は全てを含む)を含む。
【0016】
図2Cは機能ブロック図であり、特定の実施形態による、コンピュータシステム200内の1以上の記憶部256におけるデータストア及び/又はデータベース280のいくつかを示す図である。図示のように、データストア及び/又はデータベース280は、ネットワーク100と通信するモバイル装置130と関連付けられた履歴データを格納する位置データベース281をと、地理的領域内の公道についてのデータを含む地図データ282と、広告板(「広告板」との用語は、広告板、商用標示、企業識別情報、ポスター、電子的表示スクリーン及び/又はスピーカ、又は情報が視覚的及び/又は音声的に表示され任意の構造又は手段、公道上の移動者に対するもの、又は、表示される情報を示す)についての情報を格納する広告板データベース283と、要所検出装置274によって生成される要所の位置を格納する要所データベース284と、経路生成装置276によって生成される通勤経路を格納する経路データベース285と、公道の区画の定義(これは、「道路区画」又は単に「区画」と称される)を格納する区画データベース285Aと、モバイルユーザ(又はユーザ)に対する広告板の関連付けを格納する関連付けデータベース286と、特定の広告板及び/又はPOIに関連する道路区画を格納する関連データベース286Aと、キャンペーンデータを格納するキャンペーンデータベース287と、位置に基づいてモバイル装置130へ伝送するための情報文書又は情報文書へのリンクを格納する文書データベース288と、複数の関心点(例えば企業、公的施設等)と境界を定義する空間インデックスとについての情報を格納するPOIデータベース289とを含む。データストア及び/又はデータベース280は、同一の記憶部内に又は物理的に分離した記憶部内にあってよい。特定の実施形態では、地図データ282はまた、地理的領域内の地理的特徴についてのデータ(例えば土地区画等)を含んでよい。
【0017】
図2Dはブロック図であり、関連付けデータベース286に関し、データストア及び/又はデータベース280のいくつかにおけるエントリ間の相互関係を概念的に示す図である。図2Dに示すように、データベース283、284、285、286、288、及び289の各々は、多くのエントリ291を含む。1つのデータベース内のエントリは、他のデータベースの他のエントリに関連してよいし、それを指してよい。例えば要所データベース284内の各エントリは、要所に関連するデータを含む。経路データベース285内の各エントリは、1つの場所から他の場所への特定の通勤経路に関連するデータを含み、したがって、要所データベース284内の2以上の場所に関連し又は2以上の場所を識別してよい。経路データベース285内の各経路エントリはまた、広告板データベース283内の1以上の広告板に関連してよい。これは、経路に沿った移動者へ情報を表示する広告板である。
【0018】
文書データベース288内のエントリは、ネットワーク100内の他のデータベースに格納されたそれぞれの情報文書又は情報文書へのそれぞれのリンクに対応する。特定の実施形態では、情報文書は例えばhtml又はJavaScriptファイルの形態であってよい。情報文書へのリンクは例えば、ユニバーサルリソースロケーション(URL)であってよい。これは、モバイル装置又はパブリッシャーが情報文書をフェッチする(取り出す)ために使用するものである。開示の簡便のため、本開示の「情報文書」との用語は、情報文書そのもの又は情報文書へのリンクのいずれかを示す。特定の実施形態では、文書データベース288は広告板データベース283内のそれぞれの広告板に関連する情報文書を含み、及び/又は、POIデータベース289内のそれぞれのPOIに関連する情報文書を含む。情報文書は、もしそれが、広告板に表示される情報の少なくともいくつかに関連する情報を含むとき、広告板に関連する。例えばもし広告板が靴ブランドについての広告を表示し、靴の画像を含み、「Jump, and your life will show up」等のスローガンを含むとき、この広告板に関連する情報文書は、同一のスローガンと共に、同一のブランドの靴の画像を含んでよいし、「Step up the games」等の類似のスローガンと共に競合ブランドの靴の画像を含んでよい。いずれにせよ、情報文書は広告板に関連する。というのもそれは、モバイルユーザが広告板に曝されたことを利用するよう設計されるからである。特定の実施形態では、情報文書は1以上の広告板に関連してよい。例えば1より多い広告板は、異なる位置で同一又は類似の情報を表示するよう用いられてよい。したがって情報文書がモバイル装置に伝送されてモバイル装置に表示されるとき、それは広告板に表示される情報の他の印象として機能してよいし、広告板に表示される情報のリマインダとして機能してよい。反対に広告板データベース283内の各エントリは、文書データベース288内の1以上のエントリに対応してよい。というのも、1より多い情報文書が、特定の広告板につき作成されてよいからである。特定の実施形態では、広告板データベース283内の各エントリは、文書データベース内の1以上の対応エントリを示す1以上の識別情報、リンク又はポインタを含む。関連付けデータベース286内の各エントリは、モバイル装置(又はそのモバイルユーザ)に対応し、モバイル装置と、広告板データベース283内の1以上の広告板との関連付けを含み、及び/又は、モバイルユーザに関連付けられた移動経路を通るPOIデータベース289内の1以上のPOIを含む。代替的に又は追加的に、関連付けデータベース286内の各エントリは、1以上の広告板及び/又は1以上のPOIに関連する1以上の情報文書を、モバイル装置に関連付ける。したがって関連データベース286A内の各エントリは、文書データベース288内の1以上のエントリを指し又は識別してよい。代替的に又は追加的に、関連データベース286A内の各エントリは、経路データベース285内の1以上の経路を指す。その各々は、広告板データベース283内の1以上のエントリに関連し又は1以上のエントリを指し、POIデータベース289内の1以上のエントリを指し、及び/又は、文書データベース288内の1以上のエントリを指す。
【0019】
図2Eはブロック図であり、関連データベース286Aに関し、データストア及び/又はデータベースのいくつかにおけるエントリ間の相互関係を概念的に示す図である。図2Dに示すように、データベース283、284、285A、286A、及び288の各々は、多くのエントリ291を含む。1つのデータベース内のエントリは、他のデータベースの他のエントリに関連してよいし、それを指してよい。例えば区画データベース285A内の各エントリは、地理的領域内の特定の道路区画に関連するデータを含む。経路データベース284内の各エントリは、地理的領域内の1つの場所から他の場所への特定の通勤経路に関連するデータを含む。特定の実施形態では、各通勤経路は一続きの道路区画を含む。したがって経路データベース内の各エントリは、区画データベース285A内のエントリのセットを指し又は識別してよい。
【0020】
文書データベース288内のエントリは、ネットワーク100内の他のデータベースに格納されたそれぞれの情報文書又は情報文書へのそれぞれのリンクに対応する。特定の実施形態では、情報文書は例えばhtml又はJavaScriptファイルの形態であってよい。情報文書へのリンクは例えば、ユニバーサルリソースロケーション(URL)であってよい。これは、モバイル装置又はパブリッシャーが情報文書をフェッチする(取り出す)ために使用するものである。開示の簡便のため、本開示の「情報文書」との用語は、情報文書そのもの又は情報文書へのリンクのいずれかを示す。特定の実施形態では、文書データベース288は広告板データベース283内のそれぞれの広告板に関連する情報文書を含み、及び/又は、POIデータベース289内のそれぞれのPOIに関連する情報文書を含む。情報文書は、もしそれが、広告板に表示される情報の少なくともいくつかに関連する情報を含むとき、広告板に関連する。例えばもし広告板が靴ブランドについての広告を表示し、靴の画像を含み、「Jump, and your life will show up」等のスローガンを含むとき、この広告板に関連する情報文書は、同一のスローガンと共に、同一のブランドの靴の画像を含んでよいし、「Step up the games」等の類似のスローガンと共に競合ブランドの靴の画像を含んでよい。いずれにせよ、情報文書は広告板に関連する。というのもそれは、モバイルユーザが広告板に曝されたことを利用するよう設計されるからである。特定の実施形態では、情報文書は1以上の広告板に関連してよい。例えば1より多い広告板は、異なる位置で同一又は類似の情報を表示するよう用いられてよい。したがって情報文書がモバイル装置に伝送されてモバイル装置に表示されるとき、それは広告板に表示される情報の他の印象として機能してよいし、広告板に表示される情報のリマインダとして機能してよい。反対に広告板データベース283内の各エントリは、文書データベース288内の1以上のエントリに対応してよい。というのも、1より多い情報文書が、特定の広告板につき作成されてよいからである。特定の実施形態では、広告板データベース283内の各エントリは、文書データベース内の1以上の対応エントリを示す1以上の識別情報、リンク又はポインタを含む。関連データベース286A内の各エントリは、広告板データベース283内の1以上の広告板及び/又はPOIデータベース289内の1以上のPOIを、それぞれの確率値によって特定の区画と関連付ける。特定の広告板が特定の区画と関連付けられる確率値は、特定の区画上の移動者が、他の道路区画(ここでは特定の広告板によって表示される情報は識別可能である)から来た又はそこへ進んでいる蓋然性を示す。したがって関連データベース286A内の各エントリは、区画データベース285A内の道路区画を指し又は識別するし、また、広告板データベース283内の1以上の広告板を指し又は識別する。代替的に又は追加的に、関連データベース286A内の各エントリは、1以上の広告板及び/又はPOIに関連する1以上の情報文書を特定の道路区画に関連付けることによって、1以上の広告板及び/又は1以上のPOIを特定の区画に関連付ける。したがって関連データベース286A内の各エントリは、文書データベース288内の1以上のエントリを指し又は識別してよい。代替的に又は追加的に、関連データベース286A内の各エントリは、1以上の他の区画を指す。これは、特定の区画上の移動者の移動元又は移動先である蓋然性があるものである。
【0021】
図3は、特定の実施形態による、コンピュータシステム200内の1以上の構成要素についての方法300を示すフローチャートであり、位置ベースの情報をモバイル装置(このユーザは、位置ベースの情報に関連する位置へ移動する又はその位置で移動した蓋然性がある)へ提供するものである。図3に示すように、方法300はオフライン処理301とリアルタイム処理302とを含む。
【0022】
特定の実施形態では、オフライン処理301はブロック310、330及び350を含む。ブロック310にて位置エンジン273は位置データと地理的領域内の多くのモバイル装置に関連付けられた他の情報(例えば6ヶ月の間、サンフランシスコ湾地域)とを取得及び検証する。位置データ及びモバイル装置に関連付けられた他の情報とは、情報要求又は自動位置更新とから取得されてよいし、位置データベース281内に格納される。各情報要求及び位置更新情報は、1以上のデータパケットの形態でネットワーク100上で送信され、位置信号として本開示において時として示される。位置データベース281内のコンテンツのいくつかの例が、図4A及び4Bに示される。図4Aは高レベルに、ユーザ/モバイル装置IDによって識別される複数のモバイル装置の各々につき、最後の位置信号が受信された日付と、受信された位置信号の数と、位置信号が受信された日数とを示す。各位置信号の更なる詳細はまた、位置データベースに格納されてよい。これは例えば、要求が形成又は送信された時刻を示すタイムスタンプと、モバイル装置情報(例えば装置ID、装置種別、装置によって使用されるオペレーティングシステムの名称等)と、モバイルユーザ情報(例えばモバイルユーザID(UID)、年齢、性別、教育レベル、年収層等)と、要求が形成されたときのモバイル装置の位置を示す位置情報(例えば経度/緯度、座標、要求時にモバイル装置が接続されるWiFiホットスポットのIPアドレス(IP)、モバイル装置が位置する市、州、郵便番号(ZIP)等)とを含む。図4Bは、バックグラウンドアプリがインストールされ駆動中のモバイル装置につき、バックグラウンドアプリによって提供される一連の位置更新情報を、関連付けられたタイムスタンプと、回線距離と、回線速度等と共に示す。
【0023】
処理301内のブロック330にて、要所検出装置274は、複数のモバイル装置の各々につき、複数の要所を検出する。それぞれのモバイル装置についての要所は、このモバイル装置のユーザが決まって実質量の時間を過ごす場所であり、それぞれのモバイル装置に関連付けられた位置データを用いて検出される(下記で詳述)。要所は要所データベース284に格納される。ブロック330にて、経路生成装置276は要所間の通勤経路を推測する。もしモバイル装置がバックグラウンドアプリを、ユーザが要所間を移動するときに駆動させていれば、経路は位置更新情報から直接追跡されてよい。経路はまた、要所と地図データとに基づいて推測されてよい(下記で詳述)。それぞれのモバイル装置につき推測された経路は次いで、経路データベース285に格納される。
【0024】
図5は、地図オーバーレイ図であり、特定のモバイル装置に関連付けられた位置データから検出された要所(これは赤い風船により地図上で示される)を示す。これは、モバイルユーザの家(これは緑の三角マークにより地図上で示される)と、サンフランシスコ湾地域の周囲のいくつかの他の場所(モバイルユーザはここにしばしば行く)とを含む。図4はまた、要所間の推測された通勤経路(これは太い緑線で示される)と、これらの経路間の広告板(これは紫の点で示される)とを示す。ブロック350にて、関連付けデータベース278は、POIデータベース289及び/又は広告板データベース283から、推測された経路に沿って少なくともいくつかの広告板/POIを識別し、これらの広告板/POIを、関連付けデータベース286内でモバイルユーザと関連付ける。
【0025】
図6Aから6Cは、特定の実施形態による、関連付けデータベースのコンテンツを表示するインタフェースエンジン279によって提供されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)のスクリーンショットである。特定の実施形態では、GUIはインタフェースエンジン279を駆動するコンピュータシステム200によって提供されてよいし、パケットベースのネットワーク100を介してコンピュータシステム200に接続された他のコンピュータシステム200のうち任意のものによって提供されてよい。他のコンピュータシステム120は、コンピュータシステム200内でインタフェースエンジン279と相互作用するアプリケーションプログラムを駆動してよく、GUIを提供して、関連付けデータベース286内のデータを表示してよい。図7は、第1のコンピュータシステム200と第2のコンピュータシステム120とによって実行される処理700であって、第2のコンピュータシステムにGUIを提供する処理700を示すフローチャートである。処理700は、第1のコンピュータシステムでのブロック711から716と、第2のコンピュータシステムでのブロック721から726とを含む。
【0026】
ブロック721にてGUIが第2のコンピュータシステムで起動される。地理的領域を選択するユーザ入力がGUIを介して受信され、第1のコンピュータシステムに送信される。それに対して、地理的領域内に家を有するモバイルユーザ(それぞれのユーザID又はUIDによって識別される)の一覧が、ブロック711にて関連付けデータベース286からインタフェースエンジン279によって、他のデータ(例えば検出された家の位置(緯度と経度座標の対)、要所の数、一致した広告板の数等)と共に、取得され、一覧のモバイルユーザの各々と関連付けられ、ブロック721にて第2のコンピュータシステムに送信される。特定の実施形態では、プライバシーの理由で、9桁の郵便番号が、ユーザ位置として緯度/経度の対の代わりに使用される。ブロック722にてモバイルユーザのちイランは、他の情報と共に、GUIを介して表示される。ブロック723にて、モバイルユーザの一覧においてモバイルユーザを選択するユーザ入力が、受信され、第1のコンピュータシステムに送信される。ユーザ入力は例えば、GUIのユーザが、選択されたモバイルユーザに対応するデータ列の任意の場所をクリックすることによって、なされてよい。それに対して、モバイルユーザに関連付けられた一致した広告板の一覧とそれぞれの位置とが、ブロック713にてインタフェースエンジン279によって、関連付けデータベース286から取得され、ブロック714にて第2のコンピュータシステムに送信される。
【0027】
ブロック724にて、モバイルユーザに関連付けられた一致した広告板の一覧とその位置とが表示される(図6B参照)。ブロック725にて、一致した広告板の一覧において広告板を選択するユーザ入力が、受信され、第1のコンピュータシステムに送信される。ユーザ入力は例えば、GUIのユーザが、選択された広告板に対応するデータ列の任意の場所をクリックすることによって、なされてよい。それに対して選択された広告板についての情報が、ブロック715にてインタフェースエンジン279によって、広告板データベース283から取得され、ブロック716にて第2のコンピュータシステムに送信される。ブロック726にて選択された広告板の位置での地図セットと、選択された広告板についての情報とが表示される(図6C参照)。選択された広告板についての情報は、例えば地図上のポップアップウィンドウを用いて、表示されてよい(図6C参照)。ユーザはポップアップウィンドウを上下にスクロールしてよく、選択された広告板に関連する全てのデータを、広告板データベース283から閲覧できる。インタフェースエンジン279はまた、公道の区画を示すことができる。ここでは、地図上で例えば対照的な色の点線を用いて道路区画を強調することによって、選択された広告板が視認可能である。GUIによってユーザは、地図を拡大又は縮小、又は、マウスを用いて動かし、表示される地理的領域を変更可能である。
【0028】
図6Aに示すように、関連付けデータベース286はいくつかのエントリを含む。その各々はモバイル装置(又はモバイルユーザ)に対応し、これは、モバイル装置ID又はユーザID(UID)によって識別される。各モバイル装置(ユーザ)には、ユーザの家の位置と、他のいくつかの要所(これは例えば職場又は勤務地を含む)と、一致したいくつかの広告板(bb)とが関連付けられる。一致した広告板の各々についての詳細(例えば図6Cに示されるもの)は、ユーザの要所間の推測経路と同様、関連付けデータベース286に格納されてよい。図6Bに示すように、各広告板/POIはまた、広告板/POIを通り過ぎるいくつかのモバイルユーザに関連付けられる。したがって広告板はそれぞれのモバイル装置(これは、それらが自身の経路を移動するときに、広告板に表示された情報を視認する又は視認した蓋然性がある。)に関連付けられる。代替的に又は追加的に、いくつかのPOIはまた、それぞれのモバイルユーザ(これは、自身の経路を移動するときに、POIに立ち寄る蓋然性がある)に関連付けられる。そのようなPOIの例は、飲食店(レストラン)、店舗、店、職場、娯楽施設等を含むが、これらに限られない。
【0029】
特定の実施形態では、関連付けデータベース286はリアルタイム処理302によって使用され、モバイル装置に関連付けられた情報要求に応答して、モバイル装置に伝送するための情報文書を選択する。図3に示すように、リアルタイム処理302は、ブロック360、370及び380を含む。ブロック360にて要求プロセッサ272は、パケットベースのネットワーク100、1以上のデータパケットの形式で、情報要求を受信する。特定の実施形態では、情報要求は、パケットベースのネットワークを介して特定のモバイル装置と相互作用するパブリッシャーによって送信され、位置データと、特定のモバイル装置についての他の情報(これはモバイル装置に関連付けられたUIDを含む)とを含む。
【0030】
ブロック370にて、要求サーバ26は関連付けデータベース286を検索し、特定のモバイル装置のモバイル装置ID又はUIDが関連付けデータベース286にあるか否かと、それに1以上の広告板/POIを関連付けたか否かとを判定する。もし特定のモバイル装置のモバイル装置ID又はUIDが関連付けデータベース286にあり、それに1以上の広告板/POI(又は1以上の広告板/POIに関連する1以上の情報文書)を関連付けたとき、処理302はブロック380に進む。ここでは1以上の広告板/POIに関連する1以上の情報文書が、特定の要素(例えば1以上の広告板/POIについてのメタデータ、表示される情報、特定のモバイル装置のユーザについての情報(年齢、性別、教育レベル、関連する履歴/統計データ等)、日時、キャンペーン予算等)に基づいて順位付けされ、1以上の広告板/POIに関連する情報文書が選択され、特定のモバイル装置への電装のために、パケットベースのネットワーク100に送信される。特定の実施形態では、情報文書は、選択された広告板に公に表示された情報又は選択されたPOIについての情報の少なくともいくつかに関連する情報(例えば氏名、住所、電話番号、提供される商品/役務等)を含む。特定の実施形態では、1より多い広告板/POIが特定のモバイル装置に関連付けられるとき、1つの広告板/POIは、特定のモバイル装置及びそのユーザについての更なる情報、関連付けられた広告板/POIの更なる情報、及び/又は、キャンペーンデータベース287内のキャンペーンデータ、に基づいて選択される。
【0031】
いくつかの実施形態では、複数の広告板/POIがUIDに関連付けられるとき、複数の広告板のうち1つは、特定のモバイル装置に関連付けられた統計データから推測されたユーザ行動に基づいて選択可能である。例えばもし、特定のモバイル装置から収集された位置データが、ユーザが1以上の特定の広告板/POIに関連する関心点を訪問する履歴を有していることを示すなら、その広告板/POIに対応する情報文書は、選択処理中に一層好適である。図8Aは、特定のモバイル装置について家の位置を検出する処理800を示すフローチャートである。これは、図3に示すオフライン処理301に含まれてよい。図8に示すように、処理800は、ブロック810、820、830、840及び850を含む。ブロック810にて、位置エンジン273は、ある時期(例えば6ヶ月間)に収集された位置信号を検証及びフィルタリングし、正確性の高い位置(緯度/経度)を、位置データベース282から選択する。各位置信号は、位置更新情報又は位置要求に対応し、ユーザID(UID)及び1以上の位置座標(例えば緯度と経度の対)のセットを含む。それは更に、市の名称、州の名称、郵便番号、IPアドレス(モバイル装置がWiFiホットスポットを介してネットワーク100と通信する場合)等を含んでよい。特定の実施形態では、共有される米国特許出願第14/716,816号(「System and Method for Estimating Mobile Device Locations」)(2015年5月19日出願)に開示され、その全体がここに参照のために取り込まれた位置エンジンが用いられてよく、不正確な位置データ信号のほとんどをフィルタで効率的に排除してよい。
【0032】
周知のように、一般的な公衆は、自身の時間のほとんどを、家又は職場で費やす。したがってもっとも一般的な要所は家又は職場である。特定の実施形態では、家検出の全体的方法は、緯度/経度の点を居住規模の枠(box)に集約し、又は、それらを土地の区画へとマッピングし、最も密集した群の中心(緯度/経度)を算出することである。したがってブロック820にて、要所検出装置274は、特定のモバイル装置に関連付けられた位置データ信号を、所定の時期のタイムスタンプと共に、代表群又は区画ポリゴンへ集約する。特定の実施形態では、観察時期(例えば1ヶ月間)は、時間間隔に分割される。各時間間隔(例えば1時間)は、期間(セッション)として考慮される。期間内で、位置データ(緯度/経度)の各セットは一度だけ考慮される。したがって、個別の高頻度の緯度/経度の対が、最終の緯度/経度予測を歪めることが避けられる。各期間では、緯度/経度の対についての比較的密集した代表群を選択する最初のステップとして、緯度/経度の対は、それを3.5桁の精度まで劣化させることによって、例えば居住規模(例えば50メートル四方まで)の枠に集約されてよい。図8Bは、地図オーバーレイ図であり、地理的領域(例えばサンフランシスコ湾地域)における正方形の土地領域として代表群を示す。土地区画に対する位置データが十分であるとき、代表群は、土地区画の境界を描く区画ポリゴンによって置換される。これは、地図データ282を用いて導出されてよい。図8Cは、モバイル装置に関連付けられた位置データ信号を1時間毎に集約した表を示す。図8Cに示すように、緯度/経度群又は土地区画に属する位置データ信号は、1時間毎の期間で集約される。このため、緯度/経度群又は土地区画は、1時間毎の期間につき「1」又は「0」の位置点を有する。このとき、「1」の位置点は、その1時間毎の期間で1以上の位置信号が存在することを示す。「0」の位置点は、緯度/経度群又は土地区間において、その1時間毎の期間で、任意の位置信号が存在しないことを示す。
【0033】
ブロック830にて、要所検出装置273は例えば1ヶ月の間の位置データの1時間毎の集約に基づいて、主要な群又は土地区画(図8Bの860参照)をいくつか選択する。主要な群は、その群又は土地区画についての位置点の密度に基づいて選択されてよい。各群又は区画についての位置点の密度は、例えば1ヶ月間での1時間毎の期間の位置点を合計することによって判定されてよい。少なくともいくつかの周囲の区画よりも十分大きな密度を有する群又は位置区画が、主要な群又は位置区画として選択されてよい。特定の実施形態では、主要な群又は土地区画は特定の数(例えば10)まで、選択される。いくつかのモバイル装置(これのモバイルユーザは時間のほとんどを職場と家の間で過ごす)については、主要な群又は土地区画の数が少ない。次いで、図9に示すように、主要な群又は土地区画900の各々につき、例えば6ヶ月間で収集された群又は土地区画内の生の位置データ901が平均されて、群又は土地区画に対応する重みの中心(CW)910を生成してよい。
【0034】
図8Bは緯度/経度群の複数の枠がおよそ等しい大きさである。しかし、実際はそれらの大きさは異なってよい。例えば、位置点が一層密集しており又は領域が一層密集して集まっている場所では、より小さい緯度/経度の枠が使用されてよい。位置点がまばらであり又は領域が比較的密集していない場所では、より大きい緯度/経度の枠が使用されてよい。これにより計算時間が節約される。また、複数の隣接区画が、周囲の区画よりもかなり大きい密度を有するときは、その複数の隣接区間が組み合わされ、複数の隣接区間内の位置点の重みの中心が、モバイルユーザについての場所を定義するために使用されてよい。
【0035】
ブロック840にて、要所検出装置273は主要な群又は土地区画の各々に対応する位置信号に対してフィルタを適用して、ノイズを除去して、居住信号だけを保持してよい。図10に示すように、フィルタ1000は例えば頻度閾値フィルタ1010と1時間毎パターンフィルタ1020と地理ブロックフィルタ1030とIPフィルタ1040等を含んでよい。頻度閾値フィルタ1010は主要な群又は土地区画の各々において位置信号を検査して、特定のモバイルユーザのユーザによる主要な群又は土地区画への訪問頻度が所定の閾値を超えるか否かを判定する。例えば主要な群又は土地区画(例えば図8Cの群/区画ID:#u9xxxxxx)が選択されてよい。というのもそれは、ユーザが訪れる度に多くの位置信号が生成される図書館又は学校を有するが、そのユーザはその場所を週1回又は2回しか訪れないからである。そのような場所はフィルタで排除される。なぜならユーザの訪問頻度は低いからである。1時間毎パターンフィルタ1020は、主要な群又は土地区画の各々において位置信号を検査して、位置信号がほぼ週末の夕方及び/又は朝でありそれにより家(例えば図8Cの群/区画ID:#a2xxxxxx)からのものである蓋然性があるか否かを判定する。
【0036】
地理ブロックフィルタ1030は主要な群又は土地区画が居住用の領域に属するか否かを判定する。特定の実施形態では、地理ブロックフィルタ1030は主要な群又は土地区画が1以上の地理ブロック(これは、共有される米国特許出願第15/344,482号、名称「System and Methods for Performance Driven Dynamic Geo-Fence Based Targeting」、2016年11月4日出願)の一部か又はその地理ブロックに実質的に重複するか否かを判定し、1以上の地理ブロックが居住用の地理ブロックであるか否かを判定する。図11Aは、カリフォルニア州サンタクララ市の領域の地図に重畳された例示的地理ブロックを示す。地理ブロックは赤い領域で輪郭を描かれる。これは、主要な道路とほぼ整列する。このとき道路幅が考慮されて、主要道路上の移動者からのモバイル信号が排除される。図示の地理ブロックの各々は更に、より小さな道路によって画される粒度のあるブロックに分割されてよい。これらの地理ブロックに存在する実世界のエンティティは、共通の機能的目的(例えば居住、小売等)を提供する傾向がある。これらのブロックはまた、境界の構築の基礎を形成する。これは、意図及び人口統計等の位置依存属性を高度に示す。主要な群又は土地区画を地理ブロックにマッピングすることによって、他のユーザ関連情報(例えば人口統計及び世帯収入)が適切に推測可能である。したがってターゲティングが一層正確且つ効率的である。
【0037】
特定の実施形態では、IPフィルタ1040は主要な群又は土地区画の各々での位置信号を検査して、それらが単一のWiFiのIPアドレスに関連付けられるか否かを判定する。IPフィルタ1040は更に、多くの他のモバイル装置が同一のIPアドレスを含む位置データをどのように関連付けたかを検査する。例えばもし主要な群又は土地区画が図書館又はコーヒーショップを有するとき、そのIPアドレスは、位置データにおいて、多く(例えば1000)のモバイル装置に関連付けられるだろう。そのような群又は土地区画が、居住用である蓋然性は低く、したがってフィルタで除外される。フィルタ1000を適用して位置ノイズを除去して居住信号だけを保持した後、主要な群又は土地区画の残りの各々についての代表的な緯度/経度の対は、領域の境界データを有する9桁の郵便番号領域にマッピングされる。プライバシーの目的で、郵便番号だけが、モバイル装置(又はそのユーザ)の識別情報と共に、要所データベース284に格納される。
【0038】
図11Bは、カリフォルニア州マウンテンビューにある居住地理ブロックに位置する、例示的な家(緯度、経度)の対(赤い風船で示す)を示す。領域の鳥瞰図に記入されるように、ほとんどの緯度/経度の対は、居住建物の屋根及び裏庭にあるように見える。
【0039】
図12は、特定のモバイル装置のユーザにつき職場位置を検出する処理1200のフローチャートを示す。処理1200はブロック1220、1230、1240及び1250を含む。ブロック1220において、ブロック820のそれと類似する処理が、位置データ集約のために使用される。ただし例外として、代表群又は土地区画の代わりに、要所検出装置は位置データベース281からの位置データを、POIデータベース289内の様々な関心点(POI)につき定義された地理フェンスへマッピングする。POIについての地理フェンスは、例えば、POIの中心周りのフェンス又はPOIの1以上の境界を定義する1以上の複数ポリゴンであってよい(米国特許出願第14/716,811号、名称「System and Method for Marketing Mobile Advertising Supplies」、2015年5月19日出願であり、その開示全体をここに参照により取り込む)。図12Bに示すように、1以上のポリゴンは、地理的構成とPOIの周囲とに整合して(例えば店舗建物の周囲の第1の種別のポリゴン1212、POI(例えば建物及びその駐車場を含む)の構内周囲の第2の種別のポリゴン1214、及び/又は、ある店舗及び他の店舗を含む買い物地域又は商圏周辺の第3の種別のポリゴン1216)定義されてよい。要所検出装置274は関連付けられたPOIの種別と位置信号の十分性とに基づいて1以上のポリゴンのいずれかを選択してよい。
【0040】
ブロック1230にてブロック830と類似の処理が使用され、1以上のPOIと関連付けられたIPアドレスとが、集約された位置信号に基づいて選択される。ブロック1240にてブロック840のそれに類似する頻度フィルタが使用され、選択された1以上のPOIの集約済み位置信号をフィルタリングする。フィルタリングの後、残りのPOIは要所データベース284に格納される。他の種別の要所(例えば学校、図書館、ジム、公園、ショッピングモール等)はまた、類似的に検出されてよい。
【0041】
特定の実施形態では、モバイルユーザについての要所が一旦判定されると、1以上の経路が要所間で推測されてよい。例えば図8Bに示すように、モバイルユーザの職場(「起点」と示される)とモバイルユーザの家(「目的地」と示される)との間で、1以上の最短及び/又は最速の経路が、公に利用可能な地図データを用いて判定されてよい。この処理は、モバイルユーザの要所のうち任意の2つの間で繰り返されてよく、モバイルユーザが決まって取る経路を推測する。判定された各経路につき、経路に沿った広告板及び/又は他の関心点(POI)が識別され、経路又はモバイルユーザと関連付けられてよい。
【0042】
要所を検出する上記の技術は多くの用途を有する。例えば次の通りである。
・それは、行動的な集団(例えば高い世帯収入の集団、例えば高級ブランド購入者等)を改善する。(政府の人口統計データは、郵便番号レベルの精度での世帯収入しか含まれないが、区画又は地理ブロックレベルでの家/職場位置と店舗訪問の履歴データとがあれば、一層正確な世帯収入集団が構築可能である。)
・それは地理ブロックターゲティングを改善し、更にターゲティングを特定の世帯に限定することによって、近隣範囲での類似ユーザを識別する。
・もし店舗がユーザの家と職場との間なら、それは広告主が潜在的顧客に及ぶことを支援する。上記の通り、家と職場との間の定期的な通勤経路が導出可能である。ユーザの関心に一致するがユーザが滅多に訪れない店舗が識別され、ユーザに表示される。それは、広告主が自身の顧客について一層理解するための良い洞察を提供し、結果的に広告主がより良いサービスを提供することを支援する。
・それは従業員がターゲティング精度を改善することを支援する。店舗の従業員を店舗のターゲティング集団から除くことで、より良い行動集団を構築することができ、店舗訪問メトリックを一層正確に測定できる。
・それは同一世帯内の異なる装置を識別することを支援し、ターゲティング効率を改善することを支援する。その場合、緯度/経度とIP信号との両方が使用され、複数のユーザID(UID)と、同一の世帯とを紐付ける。
・それは公に表示された情報をモバイル装置に伝送するために使用されてよい。上記の通り、特定の実施形態では、モバイルユーザの家と職場との間の2つの最速の経路が、経路上で移動者に視認される蓋然性の高い地図データと広告板とを用いて導出される。モバイルユーザは次いで、リアルタイムターゲティング又はオフラインターゲティングのいずれかにつき、広告板と関連付けられる。
【0043】
追加的に又は代替的に、バックグラウンドで駆動する1以上のアプリ(これはモバイル装置に、周期的に位置更新信号又はデータパケットをコンピュータシステム200へ送信させる)を有するモバイル装置130につき、直接的に又は1以上の他のコンピュータシステム200を介して、位置更新情報を追跡することによって経路が検出可能である(図13参照)。図13では、赤い風船が、地理的領域(例えばニューヨーク市)の地図上に位置を示す。これは、モバイル装置からの位置更新情報から検出される。図14図13を拡大したものであり、モバイル装置の検出位置を赤い風船として示す。その各々は、タイムスタンプと関連付けられる。したがって経路に加えて、モバイル装置のユーザが特定の経路又は特定の経路のセクション(区画)上を移動する速度はまた、隣接する2つの位置毎のタイムスタンプと、それらの間の距離とを用いて推測されうる。速度は移動経路又はその区画にわたって平均化されてよい。
【0044】
特定の実施形態では、図13及び14に示すように、ある時期のモバイル装置からの周期的な位置更新に基づいて、モバイル装置(モバイルユーザ)が決まって取る経路が判定可能で、特定の情報についてのモバイルユーザの関心を学習又は推測するために使用可能である。例えばもしモバイルユーザが決まって特定の経路を取り又は特定の経路を取った場合、モバイルユーザは特定の経路に沿った広告板に公に表示される情報を視認した蓋然性があり、又は、特定の経路に沿った特定のPOIを視認し又はそれに立ち寄った蓋然性がある。したがって特定の実施形態では、モバイルユーザの経路に沿ったいくつかの広告板/POIが選択され、関連付けデータベース286においてモバイルユーザと関連付けられる。特定の実施形態では、モバイルユーザとの関連付けのための広告板/POIの選択は、モバイルユーザが特定の経路に沿って移動する速度を考慮する。例えばもしモバイルユーザが特定の経路に沿って定期的に歩いていると判定されると、特定の経路に沿った小さなの広告板(例えば地上にある窓又はバス停に提示されるもの)が、モバイルユーザによって気づかれるので、それが選択されてモバイルユーザに関連付けられる。他方もしユーザが他の経路に沿ってかなりの速度で運転していると判定されると、この他の経路に沿って大きい広告板が選択される。
【0045】
特定の実施形態では、パケットベースのネットワークと通信する多数(例えば数百万)のモバイル装置に関連付けられた位置データが、モバイルパブリッシャー又はモバイルアプリケーション提供者からの広告要求(ad)を受信及び処理することによって取得され、及び/又は、インストールされ駆動される特定のバックグラウンドアプリを有するモバイル装置から位置更新情報を受信することによって取得される。取得された位置データは位置データベースに格納される。特定のモバイル装置のユーザによって定期的に取られる通勤経路は次いで、地図データに関して特定のモバイル装置に関連付けられた位置データを用いて、導出されてよい。結果的に、地理的領域内の多数の(数百万の)通勤経路は、そのような多数のモバイル装置に関連付けられた位置データを用いて生成されてよい。通勤経路の各々は、道路区画を含む。これは、入口/出口(E/E)点(これは公道に入る又は公道から出る道である)によって互いから分離する公道の区画である。特定の実施形態では、道路区画は1つの移動方向についてのものである。したがって隣接する2つのE/E点間の公道の部分は、2つの道路区画を含んでよい。それは対向する2つの移動方向の各々についてのものである。
【0046】
特定の実施形態では、各道路区画に関連付けられたデータは、道路区画データベースに格納される。これは例えば、道路区画がその一部となっている公道の名称のいくつか又は全てと、道路区画の地理的定義と、道路区画上での移動方向(例えば北、南、南西等)と、道路区画が存在する地理的領域(例えば市、町、及び/又は州)と、道路区画を含むいくつかの通勤経路と、道路区画上で移動者によって識別可能な情報を表示する1以上の広告板とを含んでよい。
【0047】
特定の実施形態では、第1の道路区画上の移動者が第2の道路区画から又は第2の道路区画へ移動していることの確率値は、第1の道路区画を含む通勤経路の数と、第2の道路区画から又は第2の道路区画へ移動する通勤経路の数の割合とに少なくとも基づいて判定される。そのような確率値は、関連データベースを構築するために使用される。これは、複数の道路区画と複数の情報文書との間の関連付けを含む。複数の情報文書の各々は、地理的領域内の広告板に対応し、広告板によって表示される情報を含む。関連データベース内のそれぞれの道路区画は、1以上の情報文書との1以上の関連付けを有する。1以上の情報文書の各々は、対応する確率値(これは、それぞれの道路区画上の移動者が、1以上の情報文書の各々に対応する広告板に表示された情報に曝された蓋然性の程度を示す)によってそれぞれの道路区画に関連付けられる。この確率値は所定の閾値(例えば70%)を超える。
【0048】
特定の実施形態では、パケットベースのネットワークと通信する特定のモバイル装置に関連付けられた位置データを含む新たな広告要求が受信されるとき、及び、特定のモバイル装置が関連データベース内の特定の道路区画にあると位置データが示すとき、特定のモバイル装置に伝送するための情報文書は、対応する確率値に少なくとも基づいて関連データベース内の特定の区画に関連付けられた1以上の情報文書から選択される。
【0049】
図15Aは特定の実施形態による、区画定義モジュール724の処理1510を示すフローチャートである。処理1510はブロック1512、1514、1516及び1518を含む。ブロック512にて地理的領域内の選択された公道は、2つの道路区画に分割される。公道は、関連付けられた交通量及び/又は特定の広告板に対するそれらの類似性に基づいて選択されてよい。これは、1以上のモバイル市場参加者にとっての関心事である。例えば図16Aは、カリフォルニア州メンローパーク近くのUS101幹線道路の区画の北方向におけるいくつかの区画1661、1662、1663、1664、1665、1666及び1667と、入口又は出口のランプ1681、1682、1683、1684、1685及び1686についてのいくつかの道路区画とを示す。これはそれぞれ、E/E点1671、1672、1673、1674、1675及び1676にて幹線道路に接続する。
【0050】
図16BはE/E点にて公道を出入りする複数の道の例を示す。図16Bに示すように、オレゴン幹線道路との交差点近傍のエルカミーノレアルの北方向の区画と、カリフォルニア州パロアルト内のページミルロードとは、2つの道路区画に分割される。すなわち、交差点前の道路区画1611と、交差点後の道路区画1612とである。図16Bはまた、交差点で北方向のエルカミーノレアル道路区画を右折、左折、及びUターンで出る道路区画1621、1622及び1623をそれぞれ示す。図16Bは更に、交差点で北方向のエルカミーノレアル道路区画へオレゴン幹線道路から右折で、ページミルロードから左折で、及び、南方向のエルカミーノレアルからUターンで入る道路区画1631、1632及び1633をそれぞれ示す。
【0051】
図15Aに戻ると、ブロック1514にて、道路区画の各々についての地理的定義が作成され、区画データベース285Aに格納される。図17(これは、区画データベース285A内のコンテンツのいくつかの例を示す表である)に示すように、特定の実施形態では、各道路区画は区画IDによって識別され、道路区画が存在する市/州と、公道の名称と移動方向(道路区画の一部)と、道路区画の境界を画する空間インデックス(これは地図データを用いて導出可能である)とによって定義される。もし道路区画が1以上の広告板にとって元区画であれば(このことは、1以上の広告板が道路区画の脇に又は道路区画上に配置されて道路区画上の移動者に情報を表示するために使用されることを意味する)、ブロック1516にて、1以上の広告板が判定され、図17に示すように、区画データベース285A内で道路区画と関連付けられる。
【0052】
特定の実施形態では、道路区画は、結果として生じる道路区画の大きさを考慮して定義される。これは、それぞれの道路の指定上限速度とそれぞれの道路上の交通量とに基づいて選択されてよい。分割はまた、道路沿いの出入口を考慮する。これによって主要な出入口又は交差点は、2つの隣接する道路区画の間にあり、任意の道路区画の真ん中にはない。
【0053】
図15Bは特定の実施形態による、経路生成装置276の処理1520を示すフローチャートである。処理1520はブロック1522、1524、1526及び1528を含む。ブロック1522にて地理的領域内(例えばサンフランシスコ湾地域)の、パケットベースのネットワークと通信する多数のモバイル装置に関連付けられた位置データが収集され、位置データベース281に格納される。図16Cは、ある期間(例えば1週間)でのモバイル装置に関連付けられた位置データを用いて検出されるモバイル装置位置(黒点で示される)のいくつかを示す。かなり量の位置データがある期間(例えば1ヶ月)に収集されたあと、ブロック1524にて、特定のモバイル装置の各々の位置データが使用され、モバイル装置のユーザが所定期間中に取ったかもしれない経路を判定する。特定の実施形態では、特定のモバイル装置の各々の位置データは、所定時期(例えば最近30日以内)の様々なタイムスタンプと共に、モバイル装置の検出位置を含む。経路は、特定のモバイル装置に関連付けられた情報要求から収集された位置データから導出されてよいし、特定のモバイル装置(ここではバックグラウンドアプリがインストールされて駆動し、自動位置更新を周期的に提供する)によって提供された位置更新情報から導出されてよい。位置データは、特定のモバイル装置のユーザがいくつかの場所でかなりの時間を定期的に過ごすことを示してよいし、更に、特定のモバイル装置のユーザによって、いくつかの場所の間を移動するときに取られる経路を示してよい。もし特定のモバイル装置が移動中に使用され、又は、ユーザが経路間を移動中にバックグラウンドアプリを駆動させるとき、経路は、特定のモバイル装置の経路として、追跡され、定義され、格納されてよい(図16C参照)。ここでは各青点1600は、特定のモバイル装置の検出位置の例を示す位置点である。
【0054】
追加的に又は代替的に、経路は、特定のモバイル装置のユーザが決まってかなりの時間を過ごす場所をまず判定することによって、判定可能である。これは地理的領域(ここでは、特定のモバイル装置に関連付けられた位置点のほとんどが位置する)を定義することと、地理的領域を区画に分割することと、複数の位置点を区画にマッピングすることとによってなされてよい(図16D参照)。各区画の位置点の密度が判定されてよい。周囲の区画の少なくともいくつかよりも十分高い密度を有する位置区画が次いで、選択されてよい。選択された区画内の位置点の重みの中心は、次いで、モバイルユーザの場所を定義するのに使用されてよい。情報要求(ここから、選択された区画内の位置点が抽出される)のタイムスタンプを検査することによって、場所は「家」、「職場」、又は単にモバイルユーザの要所の1つとして、判定されてよい。例えば図16Cに示すように、場所1601、1602、1603及び1604は、特定のモバイル装置のユーザが所定時期中に定期的に訪問又は滞在する場所として判定されてよい。例えば図16Dに示すように、少なくとも第1の場所1605と第2の場所1606とは、モバイルユーザの職場(「起点」として示される)と、モバイルユーザの家(「目的地」として示される)として判定される。
【0055】
図16Dは区画の大きさがおよそ等しい。しかし、実際はそれらの大きさは異なってよい。例えば、位置点が一層密集しており又は領域が一層密集して集まっている場所では、より小さい区画が使用されてよい。位置点がまばらであり又は領域が比較的密集していない場所では、より大きい区画が使用されてよい。また、複数の隣接区画が、周囲の区画よりもかなり大きい密度を有するときは、その複数の隣接区間が組み合わされ、複数の隣接区間内の位置点の重みの中心が、モバイルユーザについての場所を定義するために使用されてよい。モバイルユーザの家と職場との位置を過去の要求データに基づいてどのように検出するかの詳細は、係属中の米国特許出願(名称「Method and Apparatus for Delivering Publicly Displayed Information to Mobile Devices based on Mobile User Travel Routes」、本願と同日出願)にて開示され、その開示全体はここに参照により取り込む。
【0056】
特定の実施形態では、モバイルユーザについての場所が一旦判定されると、場所間で1以上の経路が推測可能である。ブロック1526にて場所間の通勤経路が、地図データを用いて判定される。例えば図16Dに示すように、モバイルユーザの職場(「起点」と示される)とモバイルユーザの家(「目的地」と示される)との間で、1以上の最短経路が、公に利用可能な地図データを用いて判定されてよい。特定の実施形態では、2つの場所のうち一方から他方へ移動する1より多い道がほぼ等しく好適なら、通勤経路についての1より多いセットが判定される。例えば図16Dに示すように、経路セット1607a及び1607bがUS101を介して場所1605と1606との間の往復のために使用されてよい。他の経路セット1608a及び1608bがHW280を介して場所1605と1606との間の往復のために使用されてよい。この処理は、モバイルユーザの要所のうち任意の2つの間で繰り返されてよく、多くのモバイル装置の各々につき、モバイルユーザが決まって取る経路を推測する。結果として、数百万の経路が生成され、経路データベース285に格納される。
【0057】
ブロック1528にて起点と目的地との間の各経路が、区画データベース285Aと整合する一続きの道路区画として定義される。例えば図16Eに示すように、各経路(例えば起点(例えば緯度/経度の対)と目的地(例えば別の緯度/経度の対)との間の経路1680)は、経路IDを有し、一続きの道路区画(seg 1、seg 2、・・・seg n)を含む。各々は、それぞれの区画IDによって識別される。図16はまた、地図オーバーレイ図において一続きの道路区画のいくつかを、道路区画1661、1681、1682及び1683として示す。図16Eに示すように、道路区画1661はUS101北の区画である。道路区画1681はUS101からマーシュロードへの出口ランプである。道路区画1682はCA84東の区画である。このように経路が定義され、経路データベース285に格納される。特定の実施形態では、経路データベース285内のデータは処理1510によって使用され、ブロック1518にて、それぞれの区画につき、それぞれの区画を有する経路の数を判定し、又は、それぞれの区画を通過する経路の数を判定する。この数は、図17に示すように、区画データベース285A内のそれぞれの区画に関連付けられてよい。
【0058】
経路データベース285と区画データベース285Aとのデータを用いて、道路交通統計が導出されてよい。これは、他の近傍の道路区画へ進む又はそこから来る1つの道路区画上の交通量の割合を含む。したがって特定の実施形態では、各特定の道路区画は、他の近傍の道路区画へ進む又はそこから来る特定の道路区画上の交通量の割合に対応する割合によって、他の近傍の道路区画に関連付けられてよい。この割合は確率値として使用されて、特定の道路区画上の移動者が他の近傍の道路区画から移動する又はそこへ移動する蓋然性の程度を示してよい。
【0059】
図18は特定の実施形態による、関連データベース構築装置278の処理1800を示すフローチャートである。処理1800はブロック1810、1820、1830、1840及び1850を含む。ブロック1810にて第1の公道の第1の道路区画が選択される。第1の道路区画は少なくとも1つの広告板にとっての元区画(home segment)である。すなわち、少なくとも1つの広告板の各々は、第1の道路区画上の移動者によって識別可能である。
【0060】
ブロック1820にて第1の道路区画に近接して接続された1以上の第2の道路区画が識別される。例えば1以上の第2の道路区画は、同一の第1の公道上の道路区画を含んでよい。これは、第1の道路区画に隣接し、又は、第1の道路区画から、第1の公道上の1以上の他の区画によって分離する。1以上の第2の道路区画は、異なる公道の道路区画(例えば、第1の公道の出入口ランプ、又は、第1の公道と交差する他の公道からの道路区画)を含んでよい。
【0061】
ブロック1830にて、確率値は、1以上の第2の道路区画の各々につき判定される。確率値は、1以上の第2の道路区画の各々上の移動者が、第1の道路区画へ移動しようとしている又はそこから来たばかりである蓋然性を示す。特定の実施形態では、この確率値は経路データベース285内のデータに基づいて判定される。
【0062】
例えば図19Aは、道路区画AB、CD及びBEを例示する。そのうち任意の2つは、同一の公道の区画であってよいしそうでなくてもよい。道路区画CDは少なくとも1つの広告板にとって元区画であり、上記の例での第1の道路区画の例である。一方区画ABは上記の例での1以上の第2の道路区画のうち1つの例である。道路区画AB及びCDは、1以上の道路区画によって互いに隣接し、又は互いから分離される。破線BCは道路区画AB及びCD間の交差点を示し、及び/又は、道路区画AB及びCD間の1以上の道路区画を示す。特定の実施形態では、道路区画AB、BC及びCDは共に、経路A-B-C-Dを形成する。これは、点Aと点Dとの間の最短経路又は一般に使用される経路であってよい。BEは1以上の道を示す。これによって道路区画AB上の移動者は、経路A-B-C-Dを離れて移動可能である。BEは1以上の道路区画(例えば、1以上の出入口ランプ、1以上の交差する道路への曲がり、又は単に、道路ABからの次の区画)を含んでよい。
【0063】
図19Bは、経路データベース内のデータに応じて、区画AB、CD及びBEを通る経路を示す。図19Bに示すように、区画ABを通る経路は経路1901(これは、区画CDを最終的に通る)と、経路1902(これは、区画BEを介して経路A-B-C-Dを最終的に出る)とを含む。図19Bはまた経路1903を示す。これは、他の交差区画(不図示)を介して、経路A-B-C-Dに合流する。これらの経路1903は、移動者がABからCDに進む蓋然性の算出とは無関係である。ABを通る全ての経路の中での経路1901の割合は、区画ABを含む経路を識別することと、その経路のうちどれが区画CDを含むかを判定することとによって判定されてよい。この割合はまた、区画ABを含む経路の数と、点Bと点Cとの間でA-B-C-Dを出る経路の数とを算出することによって判定されてよい。また、道路区画AB上の経路の数と、道路区画BE上の経路の数とに基づいて、AB上の移動者が点Bで経路A-B-C-D上の次の区画に続く蓋然性を推測可能である。例えばもし区画ABが1000の経路を有し、区画BEを通る経路の合計数が80である場合、ABの交通量の92%が点Bで経路A-B-C-D上の次の区画に進むと推測されてよい(すなわち、AB上の交通量の8%はEFを介して経路A-B-C-Dを出る)。
【0064】
もし経路A-B-C-Dからの出口が他にない場合(図20A参照)、次いで、AB上の移動者が、CDに進む蓋然性は92%である。このことは、道路区画AB上のモバイルユーザが、区画CD上の広告板を視認する位置にいる蓋然性が92%であることを意味する。もし経路A-B-C-D上に出口が複数あれば、移動者が経路A-B-C-D上の次の区画に進む蓋然性は出口の各々にて推測される。AB上の移動者がCDに進む蓋然性は、複数の出口での蓋然性を乗算することで推測されてよい。したがって関連付けデータベース286において、区画CD又は区画CD上の広告板、あるいは、広告板に関連する情報文書は、推測された確率値によって、道路区画ABに関連付けられる。道路区画CD、広告板、又は対応する情報文書はまた、他の近傍の道路区画(例えば広告板から半径2マイル以内の道路区画)に、対応する確率値と共に関連付けられてよい。もちろん、道路区画CD上のユーザが広告板を視認する位置にいる蓋然性は100%である。道路区画BE上のユーザが広告板を視認する位置にいる蓋然性は0%である。
【0065】
図19Cは、道路区画UV、XY及びWXを示す。そのうち任意の2つは、同一の公道の区画であってよいしそうでなくてもよい。道路区画UVは、第1の道路区画XYの他の例であってよい。一方、道路区画XYは、上記の例での1以上の第2の道路区画のうち1つの他の例である。道路区画UV及びXYは、1以上の道路区画によって互いに隣接し、又は互いから分離される。もしUV及びXYが互いに隣接するなら、破線XYは道路区画UV及びXY間の交差点を示し、もしそれらが互いに隣接しないなら、道路区画UV及びXYの間の1以上の道路区画を示す。特定の実施形態では、道路区画UV、VX及びXYは共に、経路U-V-X-Yを形成する。これは、点Uと点Yとの間の最短経路又は一般に使用される経路であってよい。
WXは、移動者が他の経路から道路区画XYに入る際の1以上の道を示す。WXは1以上の道路区画(例えば、1以上の入口ランプ、1以上の交差する道路から道路区画XYに入る1以上の曲がり、又はXYからの直前の区画)を含んでよい。
【0066】
図19Dは、経路データベース内のデータに応じて、区画UV、XY及びWXを通る経路を示す。図19Dに示すように、区画XYを通る経路は経路1904(これは、区画UVから直接来たものである)と、経路1905(これは、区画WXを介して経路U-V-X-Yに合流する)とを含む。図19Dはまた経路1906を示す。これは、他の交差区画(不図示)を介して、経路U-V-X-Yを出る。これらの経路1903は、XY上の移動者が区画UVから来た蓋然性の算出とは無関係である。区画UVから来て区画XYを通る経路の数の割合(例えば93%)は、区画XYを含む経路を識別することと、その経路のうちどれが区画UVを含むかを判定することとによって判定されてよい。この割合はまた、区画XYを含む経路の数と、点Vと点Xとの間で経路U-V-X-Yに入る経路の数とを算出することによって判定されてよい。また、道路区画XY上の経路の数と、道路区画WX上の経路の数とに基づいて、移動者が経路U-V-X-Y上の隣接する道路区画から、道路区画XYに入る蓋然性を推測可能である。例えば道路区画XYが1000の経路を有し、区画WXを通る経路の合計数が65であれば、XYの交通量の93.5%が経路U-V-X-Y上の隣接する道路区画から来たことを推測可能である(すなわち、XY上の交通量の6.5%がWXから来たこと)。もし経路U-V-X-Yへの入口が他にない場合(図20B参照)、次いで、XY上の移動者が、UVにいる蓋然性は93.5%である。このことは、道路区画XY上のモバイルユーザが、区画UV上の広告板を視認する位置にいる蓋然性が93.5%であることを意味する。もし経路U-V-X-Y上に他の入口があれば、経路への各入口の直後の経路U-V-X-Y上の区画上の移動者が、その各入口直前の経路U-V-X-Y上の区画から進んだ蓋然性は、各入口にて推測される。XY上の移動者がUV上にいる蓋然性は、これらの入口に対応する蓋然性を乗算することによって推測される。したがって関連付けデータベース286において、区画UV又は区画UV上の広告板、広告板に関連する情報文書、POI、又は区画UVを介してアクセス可能なPOIに関する情報文書は、推測された確率値によって、道路区画XYに関連付けられる。道路区画UV、広告板、又は対応する情報文書のPOIはまた、他の近傍の道路区画(例えば広告板から半径2マイル以内の道路区画)に、対応する確率値と共に関連付けられてよい。もちろん、道路区画UV上のユーザが広告板を視認する位置にいる蓋然性は100%である。道路区画WX上のユーザが広告板を視認する位置にいる蓋然性は0%である。
【0067】
例えば図16Aに示すように、道路区画1662、1663、1682及び1683の各々上の交通量の全ては、道路区画1664で終了し、道路区画1665及び1684の各々上の交通量の全ては、道路区画1684から来るので、広告板1652に対応する情報文書は、確率値100%と共に、これらの道路区画の各々と関連付けられる。他方出口ランプ1681によって、道路区画1661上の交通量のいくつかだけが、道路区画1664に進む。したがって広告板1652は、100%を下回る確率値と共に、道路区画1661に関連付けられる。同様に、入口ランプ1685及び1686によって、道路区画1667上の交通量のいくつかだけが、実際に道路区画1664から来る。したがって広告板1652は、100%を下回る確率値と共に、道路区画1667に関連付けられる。
【0068】
図20CはUS101に配置される広告板2001(これは、パロアルトのユニバーシティアベニューとメンローパークのウィローロードとの間の北方向の交通に面し、それぞれの確率値によって近傍の道路区画(その元区画を含む)に関連付けられる)を示す。関連データベース286A内の特定の広告板に関連付けられる道路区画の数は、確率値についての閾値を調整することによって、調整されてよい。異なる広告板についての確率閾値は異なってよい。例えば多い交通量の道路区画での広告板は、低い交通量の道路区画での広告板よりも、かなり高い確率閾値を有してよい。更に同一の広告板についての確率閾値は、時刻又は表示される情報に応じて、異なってよい(もし、表示される情報が電子ディスプレイ上で容易に変更可能な場合)。例えば高い閾値(例えば97%)が通勤時間中に設定されてよい(図20C参照)。一方で低い閾値(例えば70%)が他の時間帯で設定されてよく、より多くの道路区画(したがってより多くのモバイル集団)を含んでよい(図20D参照)。広告板についての確率閾値はまた、他の要因(例えばキャンペーン予算等)に依存してよい(キャンペーンデータベース287で特定される)。
【0069】
したがって特定の実施形態では、広告板近傍の各道路区画は、確率値(これは、各道路区画上のモバイルユーザが広告板を視認する又は視認した確率を示す)と共に、広告板(又は広告板に関連する情報文書へのリンク)に関連付けられてよい。そのような関連付けは、関連付けデータベース286に格納される。道路区画上のモバイルユーザが他の道路区画上の広告板を視認し又は視認した確率は、道路区画上の交通量が、他の道路区画に進む又はそこから来た割合に基づいて判定される。その割合は、多数のモバイルユーザによって取られる推測経路に基づいて判定される。経路は、ネットワーク内のコンピュータシステムと相互作用する多数のモバイル装置に関連付けられた位置データを用いて推測される。
【0070】
図21Aは、特定の実施形態による、関連データベース286Aにおけるコンテンツの例を示す表である。図21Aに示すように、関連データベース286Aは複数区画の情報を格納する。その各々は、対応する確率値(P/V)によって関連付けられる1以上の文書(doc)IDを有する。各DocIDは識別情報又は、区画に関連付けられた広告板に対応する情報文書(例えば広告文書)へのリンクを提供する。情報文書は、対応する広告板に表示される情報を含む。特定の実施形態では、DocIDに代えて、広告板IDが使用されて、区画に関連付けられた広告板に対応する文書へ、各区画をリンクしてよい。
【0071】
特定の実施形態では、インタフェースエンジン279を用いてグラフィカルユーザインタフェース(GUI)が有効化され、広告板データベース283と関連データベース286とのデータにモバイル市場参加者がアクセスすることを支援する。特定の実施形態では、GUIはインタフェースエンジン279を駆動するコンピュータシステム200によって提供されてよいし、パケットベースのネットワーク100を介してコンピュータシステム200に接続された他のコンピュータシステム200のうち任意のものによって提供されてよい。コンピュータシステム120は、コンピュータシステム200内でインタフェースエンジン279と相互作用するアプリケーションプログラムを駆動して、GUIを提供してよい。図21Cは、第1のコンピュータシステム200と第2のコンピュータシステム120とによって実行される処理2130であって、第2のコンピュータシステムにGUIを提供する処理を示すフローチャートである。処理2130は、第1のコンピュータシステムでのブロック2131から2136と、第2のコンピュータシステムでのブロック2141から2146とを含む。
【0072】
ブロック2141にてGUIが第2のコンピュータシステムで起動される。地理的領域を選択するユーザ入力がGUIを介して受信され、第1のコンピュータシステムに送信される。それに対して、地理的領域内の広告板の位置が、ブロック2131にてインタフェースエンジン279によって広告板データベース283から取得され、ブロック2132にて第2のコンピュータシステムに送信される。ブロック2142にて、ハイパーリンクされた目印としての広告板がそれぞれの位置(ここでは広告板が地理的領域の地図上に物理的に配置される)でGUIを介して表示される(図21B参照)。図21Bの例では、広告板は、広告板の物理的大きさに応じて、様々な大きさの青点2101として強調される。ブロック2143にて、広告板を選択する第1の種別のユーザ入力が、受信され、第1のコンピュータシステムに送信される。第1の種別のユーザ入力は例えば、GUIのユーザが、第2のコンピュータシステムのマウスで、選択された広告板に対応する青点を左クリックすることによって、なされてよい。それに対して、インタフェースエンジン279は、選択された広告板についてのデータを、ブロック2133にて、広告板データベース283から取得し、ブロック2134にてそのデータを第2のコンピュータシステムに送信する。
【0073】
ブロック2144にて、GUIは、例えば地図上のポップアップウィンドウ2110にてデータを表示する(図21B参照)。ユーザはポップアップウィンドウを上下にスクロールしてよく、広告板データベース283における、選択された広告板に関連する全てのデータを閲覧できる。ブロック2145にて、広告板を選択する第2の種別のユーザ入力が、GUIを介して受信され、第1のコンピュータシステムに送信される。第2の種別のユーザ入力は例えば、GUIのユーザが、第2のコンピュータシステムのマウスで、広告板に対応する青点を右クリックすることによって、なされてよい。それに対して、インタフェースエンジン279は、選択された広告板に関連付けられた道路区画についてのデータを、ブロック2135にて、関連付けデータベース286から取得し、ブロック2136にてそのデータを第2のコンピュータシステムに送信する。ブロック2146にて、GUIは、関連付けられた道路区画2120を、例えば地図上で対照的な色の点線を用いることによって、強調する。GUIによってユーザは、地図を拡大又は縮小、又は、マウスを用いて動かし、表示される地理的領域を変更可能である。図22はフローチャートであり、特定の実施形態による、公道上のモバイル装置へ位置ベースの情報を提供する要求プロセッサ272による処理2200を示すフローチャートである。図22示すように、処理2200は、ブロック2210、2220、2230、2240及び2250を含む。ブロック2210にて、情報要求を含む1以上のデータパケットが、パケットベースのネットワークを介して、特定のモバイル装置と相互作用するパブリッシャーから受信される。情報要求は、位置データと特定のモバイル装置についての他の情報とを含む。
【0074】
ブロック2220にて関連データベース286Aにて区画を定義する空間インデックスが検索され、特定のモバイル装置が道路区画の1つにあることを位置データが示すか否かを判定する。特定のモバイル装置が特定の道路区画にあることを位置データが示すことに応答して、ブロック2230にて、特定の道路区画に関連付けられた1以上の情報文書が識別される。特定の実施形態では、情報文書は、特定の道路区画に関連付けられた広告板のそれぞれに、及び、特定の道路区画を介してアクセス可能なそれぞれのPOIに、関連する。情報文書はまた、対応する広告板についてのメタデータ(例えば広告板の大きさ、位置、面する方向等)を含んでよい。ブロック2240にて、識別された情報文書は、関連付けデータベース286内の対応する確率値に少なくとも基づいて、順位付けされる。他の要因は、例えば対応する広告板についてのメタデータ、表示される情報、特定のモバイル装置のユーザについての情報(例えば年齢、性別、教育レベル、関連する履歴/統計的データ等)、時刻、キャンペーン予算等である。ブロック2250にて1以上の情報文書のうち1つが、順位付けに基づいて選択される。選択された情報文書又はそれへのリンクを含む1以上のデータパケットが形成され、パケットベースのネットワークを介して送信される。1以上のデータパケットはまた、情報要求及び/又は特定のモバイル装置の識別情報を含んでよく、選択された情報文書を特定のモバイル装置に伝送することを支援する。
【0075】
開示される技術についてのいくつかの実施形態が図を参照して上記される。主題が構造的特徴及び/又は方法的動作に特有の文言で記載される。しかし、請求項で定義される主題は、上記の特有の特徴又は動作に必ずしも限定されないことを理解されたい。特有の実施形態及び実装は、例示目的で本開示で記載される。しかし、実施形態及び実装の範囲を逸脱せずに、様々な修正が可能である。上記の特有の特徴及び動作は、請求項を実装する例示的形態として開示される。したがって実施形態及び実装は、請求項以外で限定されない。
図1-1】
図1-2】
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図10D
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図17
図18
図19-1】
図19-2】
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図21C
図22