(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】スプリンクラーヘッド
(51)【国際特許分類】
A62C 37/12 20060101AFI20230310BHJP
【FI】
A62C37/12
(21)【出願番号】P 2019568867
(86)(22)【出願日】2018-11-07
(86)【国際出願番号】 JP2018041264
(87)【国際公開番号】W WO2019150687
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2021-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2018017845
(32)【優先日】2018-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000199186
【氏名又は名称】千住スプリンクラー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小岩 康明
【審査官】川口 真一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-151750(JP,U)
【文献】特開昭52-109798(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0367156(US,A1)
【文献】国際公開第2016/030956(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水配管と接続されるノズルを内部に備えた本体と、
常時において前記ノズルを閉塞する弁と、
前記本体から前記ノズルの放水方向に延出した一対のフレームと、
前記フレームの先端は前記ノズルの中心軸上で結合しており、その先端に設置されたデフレクターと、
前記弁と前記デフレクターとの間に設置された感熱分解部とを備えており、
W字状に屈曲されたバネは、その両端が一対の前記フレームと係合され、前記両端の間の湾曲部の内側に前記感熱分解部が収容されていることを特徴とするスプリンクラーヘッド。
【請求項2】
前記感熱分解部は、複数枚の薄板を低融点合金で接合したリンクが用いられており、リンクと係合される支柱とレバーを含む請求項1記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項3】
前記バネの湾曲部の内側に前記支柱が収容されている
請求項2記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項4】
前記
感熱分解部としてグラスバルブが用いられている請求項1記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項5】
前記弁は有底円筒形状をしており、前記弁の底面側は前記ノズル内に収容され、前記弁の開口側に前記感熱分解部の一端が係合されており、前記弁の開口側が前記バネの湾曲部の内側に収容されている請求項1~請求項4の何れか1項記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項6】
前記フレームには前記バネと係合される溝が設置されている請求項1~請求項5の何れか1項記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項7】
前記支柱には前記バネと係合される溝が設置されている請求項2または請求項3記載のスプリンクラーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消火用のスプリンクラーヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スプリンクラー設備は建物内に設置されており、火災の熱を感知して自動的に作動して水を撒き消火を行う。スプリンクラーヘッドは内部にノズルを有しており、ノズルは給水源に続く配管と接続されており、常時はノズルが閉じた状態にある。火災が発生して熱によりスプリンクラーヘッドが作動するとノズルが開放され、ノズルから配管内に充填された水が放出される。スプリンクラーヘッドはノズルの出口の延長上に水を四方に飛散させるデフレクターを備えており、デフレクターに衝突した水が所定の範囲に散布され火災を鎮圧・消火する。
【0003】
スプリンクラーヘッドの構成の一例として、フレーム型スプリンクラーヘッドがある。フレーム型スプリンクラーヘッドは、内部にノズルを有する本体の放水方向に馬蹄形のフレームが設置されており、フレームの先端にはノズルから放出された水を衝突させて四方へ飛散させるデフレクターが設置されている。
【0004】
ノズルとデフレクターの間には常時においてノズルを閉止する弁が設置され、弁は感熱作動部によって支持されている。感熱作動部はグラスバルブや低融点合金を用いたものが広く知られている。火災の熱によって感熱作動部が動作したとき、稀にノズルの水流によって感熱作動部の構成品や弁がデフレクターに係留されてしまう現象(ロッジメント)が発生する。
【0005】
ロッジメントを防止するために、弁が水流方向から外れる側へ付勢するバネが設置されたスプリンクラーヘッドがある。(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のバネを備えたスプリンクラーヘッドは、V字型のバネの両端をフレームに係止させ中間の屈曲部を弁の側面に係止させている。感熱作動部が作動して弁が開放されるとバネの作用によって弁はノズルの放水方向から外れて外部に放出される。
【0008】
上記のバネをスプリンクラーヘッドに設置する場合、感熱分解部を本体に組み込む前の段階において、バネの両端を摘んで両端を近づけるように変位させ、且つバネの中間部分には弁を係止させて本体上に設置する。しかしながら、バネによって弁はノズルの軸から外れる方向に付勢されており、弁の上に感熱分解部を組み込む作業が行い難いものであった。
【0009】
あるいは、弁と感熱分解部を本体に組み込んだ後にバネを設置する場合には、弁とフレームの間にバネの端を通過させる細かい作業が必要となる。また、その際に感熱分解部へ衝撃を与えないように細心の注意を払って作業しなければならない。
【0010】
そこで本発明では、上記問題に鑑み、スプリンクラーヘッドの作動時におけるロッジメントを防止するとともに、組立が容易に行えるスプリンクラーヘッドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は以下のスプリンクラーヘッドを提供する。
すなわち、給水配管と接続されるノズルを内部に備えた本体と、
常時においてノズルを閉塞する弁と、
本体からノズルの放水方向に延出した一対のフレームと、
フレームの先端はノズルの中心軸上で結合しており、その先端に設置されたデフレクターと、
弁とデフレクターとの間に設置された感熱分解部とを備えており、
W字状に屈曲されたバネは、その両端が一対のフレームと係合され、前記両端の間の湾曲部の内側に感熱分解部が収容されて構成されている。
【0012】
バネの湾曲部の内側に感熱分解部を収容したことで、ノズルが開放された際にはバネとバネの湾曲部に収容された感熱分解部がノズルの軸から外れてバネの付勢方向に移動する。これにより感熱分解部がノズルから放出される水流によってデフレクターに係留されることを防止できる。
【0013】
感熱分解部の一例として、複数枚の薄板を低融点合金で接合したリンクを用いた場合、リンクと係合される支柱とレバーを含んで構成可能である。バネの湾曲部に感熱分解部の構成品である支柱を収容する際には、バネの両端をお互いに近づける方向に力を加えて変位させると湾曲部の開口部の間隔が拡がり、湾曲部の内側に支柱を収容することが可能である。バネの両端に印加される力を解除するとバネは元の形状に戻り、湾曲部の開口部の間隔が縮小して湾曲部の内側に支柱が保持される。
【0014】
バネをスプリンクラーヘッドに設置する場合、弁と感熱分解部を本体に組み込んだ後に、ノズルの中心軸に対して垂直方向からW字状のバネの湾曲部を支柱に近づける。すると、バネの両端が一対のフレームに接触する。そのままバネを支柱に近づけるとバネの両端と一対のフレームが干渉してバネの両端がお互いに近づく方向に変位する。この変位によって湾曲部の開口部の間隔が拡がるので湾曲部の内部に支柱を収容させる。この時点でバネを解放すると、湾曲部の内側に支柱を収容した状態でバネの両端が一対のフレームに係合される。
【0015】
また、感熱分解部としてグラスバルブを用いることもできる。この場合の構成の一例として、有底円筒形状の弁を用いる。弁の底面側をノズル内に収容させ、開口側に感熱分解部の一端を係合させており、弁の開口側をバネの湾曲部の内側に収容させて構成できる。
【発明の効果】
【0016】
上記に説明したように本発明では、スプリンクラーヘッドの作動時におけるロッジメントを防止するとともに、組立が容易に行えるスプリンクラーヘッドを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図6】
図1のVI-VI断面図であり、(a)はバネを設置する前の状態、(b)はバネを設置した後の状態。
【
図7】バネの変形例を備えたスプリンクラーヘッドの正面図。
【
図8】フレームと支柱にバネを係止する溝を備えた変形例において、バネを設置する前のスプリンクラーヘッドの正面図。
【
図9】
図8におけるバネを設置する前のIX-IX断面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1および
図2に示す本発明のスプリンクラーヘッドS1は、本体1、デフレクター2、弁3、感熱分解部4、バネ5から構成される。
【0019】
本体1は中空状をしており、建物の天井付近に配置された配管と接続するための牡ネジ11が外部に設けられ、内部はノズル12となっている。ノズル12のサイズは、ノズル12の流量と放水圧力から導かれるKファクターの値が3から5.8の範囲にあり、本実施形態ではKファクターの値が5.6である。配管と接続される牡ネジ11のサイズはNPT1/2またはR1/2とする。
【0020】
ノズル12の出口付近には、略矩形をしたベース13が設置され、ベース13からノズル12の放水方向に伸びる一対のフレーム14が設置されている。フレーム14はノズルの中心軸Aと略平行に伸びた直線部14Aと、直線部14Aの端からノズル12の中心軸Aに設置されたボス15に連結される交差部14Bをと備えている。
図3に示すように交差部14Bは直線部14Aよりも細く、断面形状は楕円形をしている。
【0021】
ボス15はテーパーが付された円柱状で、その先端にはデフレクター2が設置されており、デフレクター2と接する側のボス15の直径D1は9~10mmとなっている。ボス15のノズル12側の端の外周径は、デフレクター2側の直径D1よりも小径である。ボス15のノズル12側の外周端15Aは曲面形状であり、曲面の半径は1mm~3mmの範囲とし、本実施形態では2mmとしている。
【0022】
ボス15の内部には牝ネジ15Bが設置されており、インプレスネジ16が螺入される。インプレスネジ16の先端16Aは尖っており、斜面16Bを備えている。先端16Aはノズル12と対向しており、斜面16Bの角度αは80°~100°の範囲であり、本実施形態では90°となっている。先端16Aの頂点は球面状となっており、球面半径は2mm以下が好ましく本実施形態では1mm以下としている。
【0023】
インプレスネジ16は感熱分解部4を介して弁3をノズル12側に押圧する機能を有する。
図3において、インプレスネジ16の先端16Aの斜面16Bに沿った延長線16Cはボス15の外周端15Aの曲面に対して近接または接しており、先端16Aの表面に沿って流れた水が外周端15Aを通過する際に流れの妨げとならず、乱流の発生を防いでいる。このとき、インプレスネジ16の斜面16Bとボス15のノズル12側の端面との間隔aは2mm以下とし、より好ましくは1mm以下とする。これ以上間隔が広がると乱流が発生する可能性が大きくなる。
【0024】
図1に示すデフレクター2は円板形状をしており、その周縁には複数の爪21が設置されている。
【0025】
弁3は平時においてノズル12の出口を塞いでいる。弁3はバルブキャップ31、ディスク32、皿バネ33から構成されている。バルブキャップ31は、有底円筒形状をしており一端側は球状の底部31Aとなっている。他端側は拡径されており、段31Bが設置されている。
【0026】
段31Bの内周側には円盤状のディスク32が載置される。ディスク32は中心に凹み32Aを有しており、凹み32Aには感熱分解部3の支柱42の一端と係合される。
【0027】
段31Bの外周側には皿バネ33が係止される。皿バネ33はバルブキャップ31の底部31Aから挿通される。皿バネ33の表面はフッ素樹脂により覆われている。皿バネ33の外周縁はノズル12の出口端に配置され、皿バネ33はインプレスネジ16をボス15の牝ネジ15Bに螺入すると感熱分解部4を介して押圧され弾性変形により潰れた形状になる。その際、フッ素樹脂がシール材の役目をしてノズル12を封止する。
【0028】
感熱分解部4はリンク41、支柱42、レバー43から構成される。リンク41は火災の熱により作動する感熱体であり、2枚の薄い金属板44を低融点合金で接合して構成されている。低融点合金は60~200℃の範囲内に融点を持つものを使用しており、融点が72℃や96℃の低融点合金が一般的に使用されている。
【0029】
略四角形をした2枚の金属板44は、一方の端に穴45を有しており、他方の端にはコ字型の欠如部46が設置されている。2枚の金属板44は低融点合金により接合されている。その際、一方の金属板44の穴45の位置には、他方の金属板44の欠如部46が重ね合わされる。接合後のリンク41の2つの穴45には、それぞれ支柱42とレバー43が挿通される(
図4参照)。
【0030】
支柱42は短冊型であり、一端はノズル12の出口に設置された弁3のディスク32と係合され、他端はレバー43の先端に係合される。前述のように支柱42はリンク41の穴45に挿通されている。支柱42の中間には突起47が設置されており、突起47の付近に設置された溝47Aにリンク41を係止している。
【0031】
レバー43は細長い板を略L字型に屈曲させて構成している。前述のようにレバー43の一端側はリンク41の穴45に挿通されている。レバー43の他端側は支柱42と係合しており、レバー43には支柱42の先端が係合される溝48が設置されている。
【0032】
溝48が設置された面の裏側の面には、凹部49が設置されている。凹部49は溝48よりもレバー43の他端よりに設置される。凹部49にはインプレスネジ16が接触している。インプレスネジ16の先端がレバー43の凹部49を押圧すると、レバー43には支柱42が係止されている溝48を支点として回転する力が作用する。しかしながらレバー43の一端側にはリンク41の穴45が挿通されており、レバー43の回転を阻止している。これにより感熱分解部4を構成するリンク41、支柱42、レバー43は係合状態を維持している。またインプレスネジ16は感熱分解部4を介して弁3をノズル12側に押圧保持している。
【0033】
図5に図示するバネ5は、バネ用線材を略W字型に形成したものである。バネ5の2つの端51、52は
図6(b)に示すようにフレーム14、14に係止される。バネ5の端51、52の間に位置する湾曲部53は円弧状に湾曲して構成されており、湾曲部53はC字型をしている。湾曲部53の内側には支柱42が収容される。
【0034】
図6(a)に示すバネ5は、フレーム14に係止される前の状態であり、このとき湾曲部53の開口部54の間隔L1は、支柱42の幅L2よりも狭く、湾曲部53の内側に支柱42を収容できない。バネ5をフレーム14に係止する際、端51、52を互いに近づく方向に力を加えるとバネ5は弾性変形して開口部54の間隔L1が広がる。このとき湾曲部53の内部に支柱42を収容させた状態で端51、52に印加された力を解放すると、湾曲部53の内側に支柱42が保持され、端51、52がフレーム14、14に係止される(
図6(b)参照)。
【0035】
図4において、ノズルの中心軸Aとフレーム14、14を通過する線Bに対して、バネ5の端51、52はレバー43側のフレーム14の外周と係合している。湾曲部53の内側に収容された支柱42は、バネ5の作用によりレバー43側に付勢されており、スプリンクラーヘッドS1が作動するとバネ5および支柱42はレバー43の方向へ移動する。
【0036】
バネ5をスプリンクラーヘッドS1に組み込む手順について説明する。
【0037】
先ず、スプリンクラーヘッドS1の本体1に弁3と感熱分解部4を組み込む。この後、バネ5をフレーム14に係止させ、且つ湾曲部53の内側に支柱42を収容させる。バネ5はリンク41と弁3の間を通過させ、バネ5の開口部54と支柱42が向かい合うように、
図6(a)に矢印Cで示した方向(ノズルの中心軸Aに対して垂直方向)へ移動させる。するとバネ5の端51、52がフレーム14に干渉して、端51、52がお互いに近づくように弾性変形するとともに、湾曲部53の開口部54が拡張する。
【0038】
さらにバネ5を矢印C方向へ移動させると、支柱42が開口部54を通過して湾曲部53の内部に収容される。この状態でバネ5を解放すると、バネ5の両端51、52はフレーム14に係止され、湾曲部53の内側に支柱が保持された状態となり、バネ5のスプリンクラーヘッドS1への取付が完了する。
【0039】
続いて火災時におけるスプリンクラーヘッドS1の動作を説明する。
【0040】
スプリンクラーヘッドS1はデフレクター2が上向きに設置されており、常時において、ノズル12は図示しない配管と牡ネジ11により接続されている。ノズル12の内部には加圧水が充填されているが、ノズル12は弁3および感熱分解部4により閉塞されている。
【0041】
火災時が発生してリンク41の低融点合金が溶融すると、レバー43が回転してレバー43と係合している金属板44が支柱42と係合している金属板44から引き剥がされる。これにより感熱分解部4の係合状態は解除され、リンク41、支柱42、レバー43の係合が外れるとともに支柱42によって支えられていた弁3はノズル12から離れて脱落し、ノズル12が開放される。
【0042】
このとき、バネ5はフレーム14、14に係止され、バネ5は
図2の矢印Dで示す方向に付勢されているので、バネ5は支柱42を湾曲部53の内側に保持したままノズル12から放出される水流の方向から外れて矢印Dの方向に移動してスプリンクラーヘッドS1の外部に放出される。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、これ以外の構造、作用を以下に記載する。
【0044】
先に説明した実施形態において、レバー43のインプレスネジ16と係合する箇所の形状は凹部49としたが、これに限らず突起形状にすることができる。その際、インプレスネジ16の先端形状は前記突起形状に対応する凹みや溝に変更可能である。
【0045】
バネ5の変形例として
図7に示すスプリンクラーヘッドS2のように、バネ5の湾曲部53の内側にバルブキャップ31を収容させて構成可能である。より具体的には、バルブキャップ31の他端側の縁に形成された鍔部31Cとベース13の間に配置されたバルブキャップ31の外周部に湾曲部53を係合させることができる。このような構成にすることで、感熱分解部としてグラスバルブが使用されたスプリンクラーヘッドにもバネ5を適用可能となる。
【0046】
図1~
図7に示す実施形態では、デフレクター2が上向きに設置された上向型スプリンクラーヘッドについて説明したが、バネ5は下向型スプリンクラーヘッドや側壁型スプリンクラーヘッドにも適用可能である。
【0047】
図4および
図6において、バネ5はレバー43が配置された方向から支柱42に向かって取付られていたが、これと逆の方向から設置することも可能である。バネ5はスプリンクラーヘッドの作動時においてノズル12からの水流により感熱分解部4の構成品がデフレクター2に係留されるのを防止するものであるから、デフレクター2の形状に合わせてバネ5の設置位置を適宜選択可能である。
【0048】
例えば側壁型スプリンクラーヘッドの場合、ノズルの延長上に配置されたデフレクターの近傍に補助デフレクターが設置されているケースがあるが、バネ5を補助デフレクターから離れる方向に付勢させて構成可能である。
【0049】
また、
図8及び
図9に示す変形例では、フレーム14にバネ5と係合する溝14Cが設置されている。溝14Cは一対のフレーム14、14が互いに対向する面に設置されている。さらに支柱42にも同様な溝42Aが設置されている。このような構成によりバネ5の上下方向の位置ズレを抑えて所定の位置にバネ5を安定して配置することができる。
【符号の説明】
【0050】
S1 スプリンクラーヘッド
1 本体
2 デフレクター
3 弁
4 感熱分解部
5 バネ
12 ノズル
13 ベース
14 フレーム
15 ボス
16 インプレスネジ
21 爪
31 バルブキャップ
32 ディスク
33 皿バネ
41 リンク
42 支柱
43 レバー
51、52 バネの端
53 湾曲部
54 開口部