(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】サウナマット
(51)【国際特許分類】
A47K 3/00 20060101AFI20230310BHJP
A47G 27/02 20060101ALI20230310BHJP
A61H 33/06 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
A47K3/00 A
A47G27/02 101Z
A61H33/06 Y
(21)【出願番号】P 2020143285
(22)【出願日】2020-08-27
【審査請求日】2022-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】591115279
【氏名又は名称】株式会社アイリス
(74)【代理人】
【識別番号】100182154
【氏名又は名称】吉田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】大隅 洋
(72)【発明者】
【氏名】今泉 潤
(72)【発明者】
【氏名】草薙 圭
(72)【発明者】
【氏名】大戸 倫子
(72)【発明者】
【氏名】白川 裕樹
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】実公昭40-18624(JP,Y1)
【文献】実公昭40-16768(JP,Y1)
【文献】特開2016-174739(JP,A)
【文献】登録実用新案第3171226(JP,U)
【文献】実開昭53-839(JP,U)
【文献】特開2020-5819(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第2440729(GB,A)
【文献】実開昭60-140481(JP,U)
【文献】登録実用新案第3089055(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/00
A47G 27/02
A61H 33/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サウナ内で使用者が着座するサウナマットであって、
シート状に形成され、気泡を含むゴム製の発泡ゴムシート(10)と、
前記発泡ゴムシートの表面側を覆う繊維製の表面シート(20)と、
前記発泡ゴムシートの裏面側を覆う繊維製の裏面シート(30)と、
前記発泡ゴムシートを一の領域と他の領域とに区画すると共に、前記発泡ゴムシートの折り目として、前記発泡ゴムシートを折曲げた折曲状態と拡げた展開状態とに切り替える折曲部(40)と
を備えることを特徴とするサウナマット。
【請求項2】
請求項1に記載されたサウナマットであって、
前記折曲部は、前記表面シートから前記裏面シートにかけて縫製され、前記発泡ゴムシートの一部を薄肉にする縫い目である
ことを特徴とするサウナマット。
【請求項3】
請求項2に記載されたサウナマットであって、
前記発泡ゴムシートに取り付けられ、前記折曲状態の前記発泡ゴムシートを留め置く留め具(50)と
を備えることを特徴とするサウナマット。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載されたサウナマットであって、
前記表面シート及び/又は前記裏面シートは、吸収性が低く乾燥性の良い繊維で形成されている
ことを特徴とするサウナマット。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載されたサウナマットであって、
前記発泡ゴムシートは、熱伝導率が良い部材である
ことを特徴とするサウナマット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウナマットに関する。さらに詳しく説明すると、本発明は、携帯に便利でサウナ内で快適に使用できるサウナマットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、サウナは、全身の血行促進や気分転換の作用があることで、多くの人に人気がある。浴場やスポーツクラブ等に用意されているサウナは、多くの人が利用できるように、木製のベンチが用意されている。このようなサウナは、多くの人が入れ替わりで利用するため、ベンチに素肌で座った跡が残りがちである。このため、サウナには、使用者がベンチの座面に敷くためのタオルが用意されている。使用者は、タオルを敷くことで、他人の座った跡に直接ふれることなく、ベンチに座ることができる。しかし、タオルは、吸水性が良く、所定以上の汗を吸い取ると水浸しになりやすい。このため、タオルは、長時間サウナを利用する使用者にとっては、必ずしも快適に使用できるものではなかった。
【0003】
このような問題に対処するために、浴場やサウナ施設等で用いることができ、優れた吸水性と良好な感触を確保しながら洗濯・乾燥に要する手間・コストを軽減できる水廻りマットの技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、メンテナンスコストを増大させることなくサウナ利用者の快適な座り心地を維持しやすくするサウナマット用下敷きシートの技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
しかし、特許文献1に示された水廻りマットや特許文献2に示されたサウナマット用下敷きシートは、構成が複雑で製造に手間がかかる上に持ち運びに不便であるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3192357号公報
【文献】特表2017-86856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような社会的、技術的背景に基づいたものであり、次のような目的を達成する。本発明の目的は、携帯に便利でサウナ内で快適に使用できるサウナマットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
(1)請求項1のサウナマットは、サウナ内で使用者が着座するサウナマットであって、シート状に形成され、気泡を含むゴム製の発泡ゴムシート(10)と、前記発泡ゴムシートの表面側を覆う繊維製の表面シート(20)と、前記発泡ゴムシートの裏面側を覆う繊維製の裏面シート(30)と、前記発泡ゴムシートを一の領域と他の領域とに区画すると共に、前記発泡ゴムシートの折り目として、折曲状態と展開状態とに切り替える折曲部(40)とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2のサウナマットは、請求項1に記載されたサウナマットであって、前記折曲部は、前記表面シートから前記裏面シートにかけて縫製され、前記発泡ゴムシートの一部を薄肉にする縫い目であることを特徴とする。
(3)請求項3のサウナマットは、請求項2に記載されたサウナマットであって、前記発泡ゴムシートに取り付けられ、前記折曲状態の前記発泡ゴムシートを留め置く留め具(50)とを備えることを特徴とする。
(4)請求項4のサウナマットは、請求項1から4のいずれか1項に記載されたサウナマットであって、前記表面シート及び/又は前記裏面シートは、吸収性が低く乾燥性の良い繊維で形成されていることを特徴とする。
(5)請求項5のサウナマットは、請求項1から3のいずれか1項に記載されたサウナマットであって、前記発泡ゴムシートは、熱伝導率が良い部材であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明のサウナマットは携帯に便利でサウナ内で快適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第一実施形態のサウナマット1を使用する状態を示す外観図である。
【
図2】
図2は、サウナマット1の外観を示す図である。
【
図3】
図3は、サウナマット1の断面を示す図である。
【
図4】
図4は、サウナマット1を折りたたむ状態を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)実施形態の概要
本実施形態のサウナマット1は、サウナ内で使用者が着座するサウナマット1であって、シート状に形成され、気泡を含むゴム製の発泡ゴムシート10と、前記発泡ゴムシートの表面側を覆う繊維製の表面シート20と、前記発泡ゴムシートの裏面側を覆う繊維製の裏面シート30と、前記発泡ゴムシートを一の領域と他の領域とに区画すると共に、前記発泡ゴムシートの折り目として、折曲状態と展開状態とに切り替える折曲部40とを備える。サウナマット1は、折曲状態にすることができ、携帯に便利であり、サウナ内で快適に使用できる。
【0011】
(2)実施形態の詳細
〔第一実施形態〕
第一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、第一実施形態のサウナマット1を使用する状態を示す外観図である。
図2(a)は、サウナマット1の表面側を示す外観図であり、
図2(b)は、サウナマット1の裏面側を示す外観図であり、
図2(c)は、サウナマット1の平面図である。
図3(a)は、
図2(c)に示されたサウナマット1のA-A線断面を縦の尺度を大きくした拡大図であり、
図3(b)は、
図2(c)に示されたサウナマット1のB-B線断面を縦の尺度を大きくした拡大図である。
【0012】
〔サウナマット1〕
図1に示すように、第一実施形態におけるサウナマット1は、サウナ内で使用者が着座するマットである。サウナマット1は、角丸長方形状に形成され、折りたたむことで、折曲状態(
図4(e)参照)と展開状態(
図4(a)参照)に切り替えることができる。サウナマット1は、折曲状態のときは、小さくまとまり、収納しやすくなり、持ち運びに便利である。サウナマット1は、展開状態のときは、十分な大きさに拡がることで、着座した使用者の体がはみ出ることない。
【0013】
図2及び3に示すように、サウナマット1は、発泡ゴムシート10、表面シート20、裏面シート30、折曲部40、留め具60とから構成されている。なお、
図3に示すように、発泡ゴムシート10、表面シート20及び裏面シート30を貼り合わせたシートを本体シートSという。本例において、本体シートSの寸法は、例えば長さ(短辺)が300mm、幅(長辺)が420mm、厚さが5mmの角丸長方形状に形成されている。
【0014】
〔発泡ゴムシート10〕
図2及び3に示すように、発泡ゴムシート10は、シート状に形成され、気泡を含むゴム製のクッション材である。発泡ゴムシート10は、熱伝導率が良く、耐水性が良く、保温性を確保でき、乾燥性が良く、伸縮性が良い、例えば、クロロプレンゴム等の発泡ゴムから形成されている。本例において、発泡ゴムシート10の寸法は、例えば長さ(短辺)が300mm、幅(長辺)が420mmの角丸長方形状に形成されている。発泡ゴムシート10は、内部に多数の気泡が形成された多孔構造であり、サウナ室等の高温下においても、変形が小さい。発泡ゴムシート10は、折曲部40によって、6つの領域に区画されている。発泡ゴムシート10は、折曲部40によって、折曲げられた折曲状態と拡げられた展開状態とに切り替えることができる。
【0015】
〔表面シート20〕
図2及び3に示すように、表面シート20は、前記発泡ゴムシートの表面側を覆うように貼り合わせられた繊維製のシートである。表面シート20は、肌触りが良く、強度が強く、吸水性が低く、乾燥性が良いナイロン繊維から形成されている。本例において、表面シート20の寸法は、例えば長さ(短辺)が300mm、幅(長辺)が420mmの角丸長方形状に形成されている。表面シート20は、折曲部40によって、6つの領域に区画されている。
【0016】
表面シート20は、毛細管現象の利用で、使用者の肌側についた汗を素早く拡散させる。表面シート20は、太さの異なる繊維を組み合わせて、中心から外側にかけて密度を異なる形にして毛細管現象を発生させ、汗を使用者側から外側へ一方向に速やかに移動するようにしても良い。表面シート20は、太さの異なる繊維を組み合わせることで、使用者の汗を拡散し、不快なベタツキを軽減する。表面シート20は、表面を凹凸構造にして、肌への接触面積を少なくし、肌離れ性を高めても良い。
【0017】
〔裏面シート30〕
図2及び3に示すように、裏面シート30は、前記発泡ゴムシートの裏面側を覆うように貼り合わせられた繊維製のシートである。裏面シート30は、強度が強く、吸水性が低く、乾燥性が良いナイロン繊維から形成されている。本例において、裏面シート30の寸法は、例えば長さ(短辺)が300mm、幅(長辺)が420mmの角丸長方形状に形成されている。裏面シート30は、折曲部40によって、6つの領域に区画されている。
【0018】
裏面シート30は、毛細管現象の利用で、使用者の肌側についた汗を素早く拡散させる。裏面シート30は、太さの異なる繊維を組み合わせて、中心から外側にかけて密度を異なる形にして毛細管現象を発生させ、汗を使用者側から外側へ一方向に速やかに移動するようにしても良い。裏面シート30は、太さの異なる繊維を組み合わせることで、使用者の汗を拡散し、不快なベタツキを軽減する。裏面シート30は、表面を凹凸構造にして、肌への接触面積を少なくし、肌離れ性を高めても良い。
【0019】
〔折曲部40〕
折曲部40は、本体シートSを一の領域と他の領域とに区画する部分であり、本体シートSの折り目として、折曲状態と展開状態とに切り替える部分である。
図2に示すように、折曲部40は、第一縫目41、第二縫目42及び第三縫目43とから形成されている。第一縫目41、第二縫目42及び第三縫目43は、本体シートSを6つの領域として、第一領域R1、第二領域R2、第三領域R3、第四領域R4、第五領域R5、第六領域R6に区画する。
【0020】
第一縫目41は、
図2(c)に示すように、本体シートSの上から15cm、下から15cmの部分を横一直線に縫う縫い目である。第二縫目42は、
図2(c)に示すように、本体シートSの左から13.5cm、右から28.5cmの部分を縦一直線に縫う縫い目である。第三縫目43は、
図2(c)に示すように、本体シートSの右から13.5cm、左から28.5cmの部分を縦一直線に縫う縫い目である。
【0021】
図3(a)に示すように、本体シートSは、表面シート20から裏面シート30にかけて第一縫目41が形成され、発泡ゴムシート10は第一縫目41が形成される部分が薄肉になる。
図3(b)に示すように、本体シートSは、表面シート20から裏面シート30にかけて第二縫目42が形成され、発泡ゴムシート10は第二縫目42が形成される部分が薄肉になる。
図3(b)に示すように、本体シートSは、表面シート20から裏面シート30にかけて第三縫目43が形成され、発泡ゴムシート10は第三縫目43が形成される部分が薄肉になる。本体シートSは、折曲部40(第一縫目41、第二縫目42及び第三縫目43)が形成される部分が折り目となり、本体シートSを縦横に折曲げることができる。
【0022】
〔縁部50〕
縁部50は、本体シートSの縁を覆うように縫製された部材である。縁部50は、本体シートSの縁を彩る飾りであり、本体シートSの縁を補強する部材でもある。
図2(c)に示すように、本体シートSの輪郭を縁取る角丸長方形状の枠状であり、
図3(a)、(b)に示すように、断面から観察すると略コ字形状に形成されている。
【0023】
〔留め具60〕
留め具60は、折曲状態の前記本体シートSを留め置く部材である。留め具60は、凹スナップ61、グログランリボン62及び凸スナップ63から構成されている。
図2(c)に示すように、凹スナップ61は、本体シートSにおける下方向側の長辺の中央付近に取り付けられる。凹スナップ61は、
図2(b)、
図3(a)に示すように、裏面シート30側に係合凹部61fが配置されるように、本体シートSに取り付けられている。係合凹部61fは、凸スナップ63の係合凸部63mと係合するための凹みである。
【0024】
図2(c)に示すように、グログランリボン62は、本体シートSの上方向側の長辺の中央付近に取り付けられる。グログランリボン62は、
図2(b)に示すように裏面シート30側に縫製されて取り付けられ、
図2(c)に示すように、本体シートSにおける上方向側に突出するように形成されている。グログランリボン62は、上方向側に長い長方形の帯状に形成されている。グログランリボン62は、先端側に凸スナップ63が取り付けられている。
【0025】
図2(c)に示すように、凸スナップ63は、グログランリボン62における上方向側の短辺の中央付近に取り付けられる。凸スナップ63は、
図2(a)、
図3(a)に示すように、表面シート20側に係合凸部63mが配置されるように、グログランリボン62に取り付けられている。係合凸部63mは、凹スナップ61の係合凹部61fと係合するための凸みである。
【0026】
〔サウナマット1の折りたたみ方法〕
次に、以上のように構成されたサウナマット1を折りたたむ動作について説明する。
図4は、サウナマット1を折りたたむ状態を示す工程図である。
図4(a)に示すように、拡げられた展開状態のサウナマット1を用意する。まず、サウナマット1の第三領域R3及び第六領域R6側を摘まみ、サウナマット1を第三縫目43の部分で折曲げて折りたたむ。
図4(b)に示すように、サウナマット1は、第三領域R3が第二領域R2に重なり、第六領域R6が第五領域R5に重なった状態になる。
【0027】
次に、サウナマット1の第一領域R1及び第四領域R4側を摘まみ、サウナマット1を第二縫目42の部分で折曲げて折りたたむ。
図4(c)に示すように、サウナマット1は、第一領域R1が第三領域R3に重なり、第四領域R4が第六領域R6に重なった状態になる。次に、サウナマット1の第四領域R4、第六領域R6及び第五領域R5が重なった部分を摘まみ、サウナマット1を第一縫目41の部分で折曲げて折りたたむ。
図4(d)に示すように、サウナマット1は、全ての領域が重なった状態になる。
【0028】
次に、サウナマット1のグログランリボン62を折曲げて、凸スナップ63の係合凸部63mを凹スナップ61の係合凹部61fに係合する。
図4(e)に示すように、サウナマット1は、全ての領域が重なった状態で、留め具60で留め置かれた状態になる。留め具60で留め置かれたサウナマット1は、小さくまとめられ持ち運びに便利になる。また、サウナマット1は、留め具60でしっかりと留め置かれているため、持ち運び時にばらばらに散けることがない。
【0029】
〔実施例1〕
上述した実施の形態におけるサウナマット1の性能について、各種試験を行い、サウナマット1の機能について検証した。各種試験においては、サウナマット1を構成する本体シートS(「実施例1」という。)を所定の大きさに刻んだ試験片を使用した。比較対象として、タオル(「比較例1」という。)を刻んだもの及び発泡スチロールマット(「比較例2」という。)を刻んだ試験片を使用した。
【0030】
保水量試験、熱伝導率試験、吸水性試験及び硬度試験については、表1に示した。
【表1】
乾燥性試験については、表2に示した。
【表2】
【0031】
〔保水量試験〕
実施例1、比較例1に対して、保水量試験を行いその性能を評価した。保水量試験は、JIS-L-1913を行い、測定結果は表1に示した。表1に示すように、実施例1は、比較例1と比較して保水量が低いことが理解できる。
【0032】
〔熱伝導率試験〕
実施例1、比較例1、比較例2に対して、熱伝導率試験を行いその性能を評価した。熱伝導率試験は、サーモラボII型測定装置を使用して行い、測定結果は表1に示した。表1に示すように、実施例1は、比較例1及び比較例2と比較して熱伝導率が高いことが理解できる。
【0033】
〔吸水性試験〕
実施例1、比較例1に対して、吸水性試験を行いその性能を評価した。吸水性試験は、JIS-L-1907(滴下法)、JIS-L-1907(パイレック法)、JIS-L-1907(沈降法)を使用して行い、測定結果は表1に示した。表1に示すように、実施例1は、比較例1と比較して吸水性が低いことが理解できる。
【0034】
〔硬度試験〕
実施例1、比較例1に対して、硬度試験を行いその性能を評価した。硬度試験は、JIS-K-6253を行い、測定結果は表1に示した。表1に示すように、実施例1は、比較例2と比較して柔らかいことが理解できる。
【0035】
〔乾燥性試験〕
実施例1、比較例1に対して、乾燥性試験を行いその性能を評価した。乾燥性試験は、JIS-L-1930の洗濯処理を行った後、脱水後の質量を測定し、試験片を吊り干しし、所定時間毎の質量を測定することにより乾燥率を計測し、測定結果は表2に示した。表2に示すように、実施例1は、比較例1と比較して乾燥性が良いことが理解できる。
【0036】
実施例1は、比較例1と比較して、保水量が低く、熱伝導率が高く、吸水生が低く、乾燥性が良いことがわかる。このことから、サウナマット1は、使用者の汗がいつまでも残るタオルと異なり、使用者の汗がサウナマット1の表面部分に流れ落ちても、即座に乾燥し、汗によるべたつきが生じにくいことが推測される。実施例1は、比較例2と比較して、柔らかいことがわかる。このことから、サウナマット1は、座りごこちの悪い発泡スチロールマットと異なり、表面シート20又は裏面シート30がナイロン繊維で形成される肌触りの良さも加わり、座り心地が良いことが推測される。
【0037】
以上、本発明の実施の形態の説明を行ったが、本発明は、この実施の形態に限定されることはなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内で変更ができる。表面シート20及び裏面シート30は、ナイロン繊維に限らず、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂又はポリイミド系樹脂から形成された繊維でも良い。発泡ゴムシート10は、ネオプレン等のクロロプレンゴムの発泡ゴムから形成れているが、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)等の他の発泡ゴムから形成しても良い。留め具60は、グログランリボン62を使用しているが、スナップを取り付けられれば、他の部材でも良い。本例において、留め具60は、凸スナップ63を凹スナップ61に係合させて留め置いているが、例えば、ボタン、面ファスナー又は紐等で留め置けるようにしても良い。本体シートSの長さや幅は、使用者の体型に応じて、適宜変更することができる。本体シートSは、座り心地やクッション性に応じて、その厚さを2~5mmに変更することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 :サウナマット
10 :発泡ゴムシート
20 :表面シート
30 :裏面シート
40 :折曲部
50 :縁部
60 :留め具