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特許7241429ゲームシステム、及びそれに用いるコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】ゲームシステム、及びそれに用いるコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/537 20140101AFI20230310BHJP
   A63F 13/58 20140101ALI20230310BHJP
【FI】
A63F13/537
A63F13/58
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021102138
(22)【出願日】2021-06-21
(62)【分割の表示】P 2018165980の分割
【原出願日】2017-08-25
(65)【公開番号】P2021137664
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2021-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(72)【発明者】
【氏名】井堀 哲志
(72)【発明者】
【氏名】後藤 健
(72)【発明者】
【氏名】中野 優
【審査官】佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-171249(JP,A)
【文献】特開2017-127662(JP,A)
【文献】特開2015-134036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の進行を付与するために消費される消費価値の消費可能量を当該消費可能量が所定の規則に従って漸次回復するように案内するゲームを提供するゲームシステムであって、
前記ゲームにおける各ユーザの所定の行動に基づいて所定量回復する行動価値の使用可能量を前記消費可能量とは別に案内する量案内手段と、
前記行動価値が前記消費価値として機能するように前記所定の進行の付与のために前記使用可能量を消費する量消費手段と、
を備え、
前記消費可能量は前記所定の行動によっては回復せず、
前記使用可能量には上限値が設定され、
前記所定の行動によって前記上限値を超えて使用可能量が回復することとなる場合、回復後の使用可能量は前記上限値に制限される、
ゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の進行を付与するために消費される消費価値の消費可能量をその消費可能量が所定の規則に従って漸次回復するように案内するゲームを提供するゲームシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の進行を付与するために消費される消費価値の消費可能量をその消費可能量が所定の規則に従って漸次回復するように案内するゲームを提供するゲームシステムが存在する。このような所定の進行、消費価値、及び所定の規則として、それぞれクエスト、体力ポイント、及び所定時間の経過を利用するゲームを提供するゲームシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5580854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲームでは、体力ポイントは所定の時間経過毎に漸次回復する。このような回復は少量ずつである場合が多い。また、このような回復には、無制限の回復を抑制するために上限値が設定される場合も多い。一方で、クエストを行うためには上限値以下ではあるものの、比較的多量の体力ポイントが要求される場合が多い。このため、クエストの実行に体力ポイントが不足する場合には体力ポイントの回復を待つ待ち時間が生じてしまう可能性がある。このような待ち時間を解消するために、金銭的価値やアイテムの消費等のユーザの行動を通じて体力ポイント等の消費価値を時間経過等の所定の規則とは別に所定量(漸次回復よりも多量)回復させるゲームも存在する。しかし、このようなゲームでは上限値を超える回復分が切り捨てられてしまう場合も多く、このような場合には消費価値の回復に無駄が生じてしまう。また、仮にこのような無駄が生じないとしても、漸次回復する消費価値よりも金銭的価値の消費等のユーザの行動に基づいて回復する消費価値の方が貴重と考えられる場合もある。このような場合、後者よりも前者が優先的に消費される方が好ましいかもしれない。つまり、このような回復の基準が相違する消費価値が一緒くたに管理される場合にはメリットだけでなくデメリットも生じ得る。
【0005】
そこで、本発明は、消費価値の消費可能量のうちゲームにおける各ユーザの所定の行動に基づいて所定量回復する部分を行動価値として所定の規則に従って漸次回復する部分とは別に管理することができるゲームシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1形態に係るゲームシステムは、所定の進行を付与するために消費される消費価値の消費可能量を当該消費可能量が所定の規則に従って漸次回復するように案内するゲームを提供するゲームシステムであって、前記ゲームにおける各ユーザの所定の行動に基づいて所定量回復する行動価値の使用可能量を前記消費可能量とは別に案内する量案内手段と、前記行動価値が前記消費価値として機能するように前記所定の進行の付与のために前記使用可能量を消費する量消費手段と、を備えている。
【0007】
また、本発明の第2形態に係るゲームシステムは、所定の進行を付与するために消費される消費価値の消費可能量を当該消費可能量が所定の規則に従って漸次回復するように案内するゲームを提供するゲーム機にネットワークを介して接続されるゲームシステムであって、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報と前記ゲームにおける各ユーザの所定の行動に基づいて所定量回復する行動価値の使用可能量の情報とが関連付けられるように記述された量管理データを記憶するデータ記憶手段と、前記ゲームにおいて各ユーザの前記使用可能量が前記消費可能量と別に案内されるように当該使用可能量の情報を前記ゲーム機に提供する情報提供手段と、前記使用可能量が消費された場合に前記量管理データの前記使用可能量の情報を更新する情報更新手段と、を備えている。
【0008】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記ゲームを提供するための出力装置と、前記所定の行動を入力するための入力装置とに接続されるコンピュータを、上述の第1形態或いは第2形態のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一形態に係るゲームシステムの概略構成を示す図。
図2】ゲームシステムの制御系の要部を示す機能ブロック図。
図3】消費価値の消費可能量を案内する価値領域の消費可能量の消費に伴う変化の一例を説明するための説明図。
図4】消費価値の消費可能量を案内する価値領域の消費可能量の消費に伴う変化の他の例を説明するための説明図。
図5】プレイデータの構成の一例を示す図。
図6】通常価値表示処理の手順の一例を示すフローチャート。
図7】追加価値表示処理の手順の一例を示すフローチャート。
図8】価値消費処理の手順の一例を示すフローチャート。
図9】データ管理処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、サーバ装置としてのセンターサーバ2を含んでいる。なお、センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニットが組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0011】
センターサーバ2には、ネットワーク3を介して接続可能なクライアント装置としての複数のユーザ端末装置4が接続される。ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。具体的には、ユーザ端末装置4は、このようなサービスの一つとして、有償或いは無償のゲームを提供する。つまり、ユーザ端末装置4は、ゲーム用のソフトウエアを通じてゲーム機として機能する。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。
【0012】
ネットワーク3は、センターサーバ2に対してユーザ端末装置4を接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク3は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネットと、LANとしてのイントラネットと、を組み合わせてネットワーク3が構成される。図1の例では、センターサーバ2はルータ3aを介して、ユーザ端末装置4はアクセスポイント3bを介して、それぞれネットワーク3に接続されている。なお、ネットワーク3は、TCP/IPプロトコルを利用する形態に限定されない。ネットワーク3として、通信用の有線回線、或いは無線回線(赤外線通信、近距離無線通信等を含む)等を利用する各種の形態が利用されてよい。
【0013】
センターサーバ2は、ネットワーク3を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスは、ユーザ端末装置4にゲームを提供させる(ゲーム機として機能させる)ためのゲームサービスを含んでいる。なお、Webサービスは、ゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
【0014】
次に、図2を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、サービス管理部21、及びデータ記憶手段としての記憶部23が設けられる。サービス管理部21は、センターサーバ2のコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。記憶部23は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部23は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部23には、センターサーバ2のコンピュータハードウエア資源をサービス管理部21として機能させるためのソフトウエアとしてのプログラムPG1が記録される。また記憶部23には各種のデータも記録されるが、図2ではプレイデータPDが示されている。プレイデータPDは、各ユーザの過去のプレイ実績に関する情報が記述されたデータである。プレイデータPDは、前回までのプレイ結果(過去の実績)を次回以降に引き継ぐため、或いは各ユーザに固有の設定内容を引き継ぐために使用される。
【0015】
サービス管理部21は、ユーザ端末装置4に対して上述のWebサービスを提供する。サービス管理部21には、論理的装置としてのWebサービス管理部24がさらに設けられる。Webサービス管理部24は、Webサービスのうち上述のゲームサービスを実現するための各種の処理を提供する。このような各種の処理は、ユーザ端末装置4にプレイデータPDを提供するための処理を含んでいる。また、プレイデータPDは、データ管理処理を通じて提供されてよい。データ管理処理は、センターサーバ2とユーザ端末装置4とが協働で実現する処理である。Webサービス管理部24は、データ管理処理のうち、センターサーバ2側の処理を実行する。データ管理処理の手順については後述する。
【0016】
一方、ユーザ端末装置4には、ゲーム制御部31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。ゲーム制御部31は、ユーザ端末装置4のハードウエア(CPU及びその内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとしてのプログラムPG2との組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲーム制御部31は、ゲームの進行に必要な各種の演算制御を実行するとともに、センターサーバ2のサービス管理部21が提供するゲームサービスを享受するために必要な各種の処理を実行する。ゲーム制御部31には、さらなる論理的装置としてゲーム提供部33が設けられている。ゲーム提供部33は、ゲームの提供に必要な各種の処理を実行する。このような処理は、通常価値表示処理、追加価値表示処理、及び価値消費処理を含んでいる。同様に、データ管理処理のうち、ユーザ端末装置4側の処理も含んでいる。通常価値表示処理、追加価値表示処理、価値消費処理、及びデータ管理処理の手順については後述する。
【0017】
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、図2ではプレイデータPDが示されている。プレイデータPDは、センターサーバ2から提供される。なお、記憶部32には、その他にもゲームデータが記録されている。ゲームデータは、プログラムPG2に従ってユーザに所定のゲームをプレイさせるために必要な各種のデータを含んでいる。しかし、これらの図示は省略した。
【0018】
ユーザ端末装置4には、ユーザのタッチ操作(指で触れる操作)に対応した信号を出力する入力装置としてのタッチパネル36、ユーザにゲーム画面等を提示するための出力装置としてのモニタ37、及び音声を再生するための出力装置としてのスピーカSPといった各種の入出力装置が設けられる。
【0019】
次に、ユーザ端末装置4が提供するゲームに含まれる消費価値について説明する。ユーザ端末装置4は、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、シューティングゲーム、スポーツゲーム、音楽ゲーム、シミュレーションゲーム等の消費価値を利用する各種のゲームを提供してよい。消費価値は、ゲームにおいて所定の進行を付与するために消費される価値である。所定の進行は、ダンジョンへの挑戦、或いはボスキャラクタへの挑戦といったゲームの特性に応じた各種のイベント(出来事)を含んでいてよい。つまり、ゲームは、消費価値の消費に伴い、このようなイベントをプレイできるように構成されていてよい。
【0020】
一方、消費価値は、回復条件が満たされた場合に回復する。回復条件は、所定の規則に従って自動的に満たされる自動条件及びゲームにおける各ユーザの所定の行動に基づいて満たされる行動条件を含んでいる。つまり、消費価値は、これらの2つの条件に応じた2種類の方法で回復する。自動条件は、消費価値を漸次回復させるための条件である。また、所定の規則は、所定期間(時間)、或いは敵キャラクタ等との対戦回数といった数値的要素が採用されてよい。つまり、消費価値の消費可能量は、所定期間の経過毎等の所定の規則に従って漸次回復する。
【0021】
一方、行動条件は、消費価値を所定量(漸次回復の量よりも多い)回復させるための条件である。所定の行動は、進行用の各種のパラメータを変化させるためのレベルがプレイ状況に応じて変化するキャラクタをゲームが含んだり、このようなレベルがユーザに設定されたり(例えば消費価値の上限値等がレベルに応じて変化)する場合(つまり、このようなレベルがゲームに設定される場合)、このようなレベルの上昇(変化)を生じさせるための各ユーザの行動を含んでいてよい。また、ゲームが消費価値を回復させるためのアイテムを含む場合には、このようなアイテムを使用するための行動を含んでいてよい。さらに、ゲームが金銭的価値(例えば、通貨、仮想通貨、ゲーム内通貨を含む)の消費を許容する場合には、このような金銭的価値を消費するための行動を含んでいてよい。つまり、行動条件は、このようなキャラクタのレベルが上昇した場合、アイテムが使用された場合、或いは金銭的価値が消費された場合に満たされてよい。そして、消費価値の消費可能量は、このような金銭的価値が消費された場合等、ユーザの行動が行動条件を満たした場合に所定量回復する。
【0022】
図3図4を参照して、消費価値の消費可能量の変化について更に説明する。消費価値の消費可能量は、モニタ37を通じて視覚的に案内されてもよいし、スピーカSPを通じて音声的に案内されてもよい。図3図4の例は、ゲーム画面に適宜表示される価値領域を通じて消費価値の消費可能量が視覚的に案内される場合を示している。また、図3及び図4の例は、所定の規則として時間経過が採用される場合において異なるユーザの行動が実行された場合の消費可能量の変化をそれぞれ示している。より具体的には、図3の例は、ユーザの行動に伴って所定量回復した消費価値が時間経過に伴う回復前に消費される場合の消費可能量の変化の一例を示している。図3に示すように、価値領域40は、消費価値に関して回復条件の相違する二つの消費可能量をそれぞれ別々に案内する二つのゲージ41を含んでいる。より具体的には、価値領域40は、時間経過(所定の規則)に従って回復する消費価値の消費可能量(以下、通常価値量と呼ぶ場合がある)を案内する通常ゲージ41N及び行動条件が満たされた場合に所定量回復する消費価値の消費可能量(以下、追加価値量と呼ぶ場合がある)を案内する追加ゲージ41Aを含んでいる。
【0023】
図3の例では、横一列に並ぶ5つのボックスによって各ゲージ41が形成されている。また、消費可能量は黒塗りのボックスの数によって案内されている。具体的には、スタート時の状態として、5つの消費可能量を示す(5つのボックスの全てが黒塗りで表示されている)通常ゲージ41Nと空の消費可能量を示す(5つのボックスの全てが塗りつぶしなしで表示されている)追加ゲージ41Aとが価値領域40に表示されている。そして、消費価値の3ポイントの消費に伴い、上述の状態から通常ゲージ41Nの消費可能量が3ポイント減少(3つのボックスが黒塗りから塗りつぶしなしに変化)している。
【0024】
一方、図3の例では、所定の行動の一例として仮想通貨(金銭的価値)の消費に伴い、5つの消費可能量を示すように追加ゲージ41Aが変化している。つまり、仮想通貨の消費により所定量として5ポイント分、追加ゲージ41Aの消費可能量が増加している。所定の行動は無制限に認められてもよいし、一定の制限が設定されてもよい。具体的には、追加価値量の増加(所定の行動)は、1ポイント以上消費されている場合(空のボックスが1つ以上存在している場合)に認められてよい。つまり、行動条件は消費量を要件に含んでいてよい。また、このような追加価値量には、このような消費量の基準として機能する基準値が設定され、その基準値から1ポイント以上少ない場合に行動条件が満たされて(所定の行動が認められて)もよい。このような基準値は、所定の行動に伴う回復量(例えば5ポイント)及び追加ゲージ41Aの上限値に応じて設定される。ここでは、基準値として、通常価値の上限値が利用されている。
【0025】
さらに、図3の例では、追加価値量が5ポイント増加した後に3ポイントの消費価値が消費され、その結果として通常ゲージ41Nの2ポイントと、追加ゲージ41Aの1ポイントとが減少している。つまり、通常価値量の方が追加価値量よりも優先的に消費されている。また、所定時間経過するに従って通常ゲージ41Nは1ポイントずつ漸次回復するため、そこから一定時間の経過に伴い通常価値量は5ポイントに戻る。この5ポイントは通常ゲージ41Nの上限値として機能し、その後に所定時間経過してもこの値以上には増加しない。この場合、通常価値量(通常ゲージ41Nの消費可能量)が本発明の消費可能量として機能する。また、追加ゲージ41Aを通じて案内される消費価値及び追加価値量(追加ゲージ41Aの消費可能量)が本発明の行動価値及び使用可能量としてそれぞれ機能する。
【0026】
一方、図4の例は、図3の例において2度目に消費価値が消費された後に行動条件が再度満たされた場合の消費可能量の変化の一例を示している。この場合、図4に示すように、行動条件の具備(例えばアイテムの使用)に伴い、追加ゲージ41Aの消費可能量は更に所定量増加する。具体的には、追加価値量は4ポイントから9ポイントに増加している。また、この9ポイントは追加価値量の上限値である。このため、この状態において仮に行動条件が満たされても追加価値量は増加しない。このような上限値は、前述の基準値よりも追記価値量が消費された場合に所定の行動に伴う回復を制限することにより設定されてもよい。あるいは、金銭的価値やアイテムの消費等の制限を通じて行動条件の具備を制限することにより設定されてもよい。なお、このような上限値は行動条件の内容に応じて変化してもよい。具体的には、例えば金銭的価値の消費による回復の場合には上限値が設定される一方で、レベルの上昇等、その他の要件に基づく回復の場合には上限値は設定されなくてもよい。
【0027】
さらに、図4の例でも、所定時間の経過毎に通常価値量は回復するため、アイテム使用に伴う回復から一定時間の経過に伴い通常価値量は5ポイントに戻る。つまり、追加価値量が上限値に達していても通常価値量は漸次回復する。結果として、通常ゲージ41Nは5ポイントの消費可能量を、追加ゲージ41Aは9ポイントの消費可能量を、それぞれ示している。一例として、このように二種類の回復条件に応じた二つのゲージ41を含む価値領域40を通じて、所定の規則に従って回復する通常価値量の方が追加価値量よりも所定の進行の付与のために優先的に消費されるように消費価値の消費可能量は案内される。
【0028】
次に、プレイデータPDの構成の一例について説明する。消費価値の消費可能量は、ユーザ端末装置4によって管理(プレイ毎に破棄される場合を含む)されても、センターサーバ2によって管理されてもよい。消費価値の消費可能量がセンターサーバ2によって管理される場合、このような管理にプレイデータPDが使用されてもよい。図5は、消費価値の消費可能量がセンターサーバ2によって管理される場合のプレイデータPDの構成の一例を示す図である。図5に示すように、プレイデータPDは、消費価値の消費可能量をユーザ毎に管理するプレイレコードRSを含んでいる。プレイレコードRSは、“ユーザID”、“第1許可量”、及び“第2許可量”の情報を含んでいる。
【0029】
“ユーザID”は、各ユーザを識別するためにユーザ毎にユニークなユーザIDを示す情報である。一方、“第1許可量”及び“第2許可量”は、消費価値の消費可能量を示す情報である。具体的には、“第1可能量”は、所定の規則に従って回復する消費価値の消費可能量を示す情報である。つまり、図3及び図4の例において通常ゲージ41Nを通じて案内されるべき消費可能量(通常価値量)を示す情報である。一方、“第2可能量”は、行動条件に基づいて回復する消費可能量を示す情報である。つまり、図3及び図4の例において追加ゲージ41Aを通じて案内されるべき消費可能量(追加可能量)を示す情報である。プレイレコードRSには、これらの情報が相互に関連付けて記録されている。なお、プレイデータPDは、その他にもプレイ状況に関する各種の情報を含み得るが、図5の例ではそれらの詳細は省略されている。また、“第1可能量”の情報は、例えばスタート時に通常価値量が所定の値(例えば上限値)から毎回プレイされる場合等、管理不要な場合には省略されてもよい。図5の例において、“ユーザID”及び“第2可能量”の情報が本発明のユーザ識別情報及び使用可能量の情報としてそれぞれ機能する。そして、これらの情報を含む場合にプレイデータPDが本発明の量管理データとして機能する。
【0030】
次に、ゲーム提供部33或いはWebサービス管理部24が実行する通常価値表示処理、追加価値表示処理、価値消費処理、及びデータ管理処理の手順を説明する。通常価値表示処理は、通常ゲージ41Nを通じて通常価値量を案内するための処理である。所定時間経過毎等の所定の規則に従って、ゲーム提供部33は図6の通常価値表示処理を開始し、まず通常価値量が上限値に達しているか否か判別する(ステップS101)。通常価値量が上限値(図3の例では5ポイント)に達している場合、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回の処理を終了する。
【0031】
一方、通常価値量が上限値に達していない場合(図3の例では4ポイント以下の場合)、ゲーム提供部33は通常価値量を回復させる(ステップS102)。この回復は、通常価値量が漸次増加するように、一定量毎に実行される。この一定量として、1ポイント(通常ゲージ41Nの1つのボックス分)が採用されてよい。続いてゲーム提供部33は、ステップS102において回復させた後の通常価値量を案内する(ステップS103)。具体的には、ゲーム提供部33は、ステップS102の回復結果が反映されるように、通常ゲージ41Nの表示を更新する。そして、ゲーム提供部33は、通常価値量を案内した後に今回の処理を終了する。これにより、通常価値量が所定の規則に従って漸次増加するように、通常ゲージ41Nを通じて案内される。また、通常価値量に上限値が設定される。なお、所定期間はプレイ期間だけでなくプレイ外の期間を含んでいてよい。この場合、プレイ外の期間は、例えば、記録しておいた前回のプレイ終了時の時刻と次回のプレイ開始時の時刻との比較結果に基づいてその差分期間において漸次回復した場合の合計回復量を回復させることにより反映されてもよい。このような反映は、図6の例のステップS102において実行されてもよいし、このような反映を実行するための別の処理を通じて実現されてもよい。
【0032】
追加価値表示処理は、追加ゲージ41Aを通じて追加価値量を案内するための処理である。所定の行動(例えば、戦闘等の終了、アイテムの使用、或いは金銭価値の消費等)が実行されると、ゲーム提供部33は、図7の処理を開始し、まず所定の行動が行動条件を満たすか否か判別する(ステップS201)。行動条件が消費量を要件に含む場合は、ゲーム提供部33は、追加価値量が所定量消費されているか否(基準値よりも消費されているか否か)かも判別する。この判別結果基づいて、行動条件が満たされない場合(追加価値量が基準値よりも消費されていない場合を含む)には、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回の処理を終える。
【0033】
一方、行動条件が満たされる場合、ゲーム提供部33は追加価値量を所定量回復させる(ステップS202)。所定量は、行動の種類に応じて変化してもよいし、一定でもよい。また、行動条件が消費量を要件に含まない場合等、回復後の追加価値量が上限値を超える可能性がある場合には、ゲーム提供部33は回復後の追加価値量が上限値以内か否か判別し、上限値を超える場合には回復後の追加価値量を上限値に制限してもよい。
【0034】
続いてゲーム提供部33は、回復後の追加価値量を案内する(ステップS203)。具体的には、ゲーム提供部33は、ステップS202の回復結果が回復後の追加価値量として反映されるように、追加ゲージ41Aの表示を更新する。そして、ゲーム提供部33は、追加価値量を案内した後に今回の処理を終了する。これにより、追加価値量が行動条件に基づいて所定量増加するように、追加ゲージ41Aを通じて案内される。また、行動条件が消費量を要件に含む場合、所定の行動或いはそれに伴う回復は追加価値量が基準値よりも消費されている場合に許容され、基準値よりも消費されていない場合には制限される。結果として、追加価値量に上限値も設定される。
【0035】
価値消費処理は、消費価値の消費に伴い所定の進行を付与するための処理である。所定の進行を付与するために必要な必要量の消費がユーザによって指示されると、ゲーム提供部33は、図8の処理を開始し、まずその消費の指示が消費条件を満たすか否か判別する(ステップS301)。消費条件は、消費可能量がその指示に必要な必要量よりも多い場合、つまり通常価値量及び追加価値量の合計が必要量よりも多い場合に満たされてよい。消費条件が満たされない場合、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回の処理を終了する。
【0036】
一方、消費条件が満たされる場合、ゲーム提供部33は、通常価値量が存在するか否か判別する(ステップS302)。通常価値量が存在する場合、ゲーム提供部33はまず通常価値量を消費する(ステップS303)。次にゲーム提供部33は、更なる消費可能量の消費が必要か否か判別する(ステップS304)。具体的には、ゲーム提供部33は、ステップS303の消費が必要量に達しているか否か判別する。そして、ゲーム提供部33は、更なる消費が必要な場合(ステップS303の消費が必要量に達していない場合)、及びステップS302の処理において通常価値量が存在しないと判別した後に、追加価値量を必要量に達するまで消費する(ステップS305)。そして、ゲーム提供部33は、ステップS305において追加価値量を必要量まで消費した後、或いはステップS302において更なる消費が不要と判断した(通常価値量の消費が必要量に達した)場合に、所定の進行を付与して、今回の処理を終了する(ステップS306)。これにより、消費価値の消費に伴い所定の進行が付与される。また、そのような消費において、通常価値量が追加価値量よりも優先される。
【0037】
一方、データ管理処理は、最新のプレイデータPDをユーザ端末装置4に提供する(あるいはユーザ端末装置4が取得する)ための処理である。また、消費価値の消費可能量がプレイデータPDを通じてセンターサーバ2によって管理される場合には、このような消費可能量をユーザ端末装置4と共有するために使用される。なお、図9の例の左側はユーザ端末装置4のゲーム提供部33の処理を、右側はセンターサーバ2のWebサービス管理部24の処理を、それぞれ示している。
【0038】
ゲームのプレイがユーザによって指示されると、ゲーム提供部33は図9の処理を開始し、まずプレイデータPDをセンターサーバ2に要求する(ステップS401)。一方、センターサーバ2のWebサービス管理部24は、プレイデータPDの要求を取得すると、図9のデータ管理処理を開始し、まず要求対象のプレイデータPDを特定する(ステップS501)。この特定は、プレイデータPDの要求に含まれるユーザIDを基準に実行されてよい。続いてWebサービス管理部24は、その特定したプレイデータPDをユーザ端末装置4に送信する(ステップS502)。
【0039】
一方、ユーザ端末装置4のゲーム提供部33は、センターサーバ2からプレイデータPDを取得すると、その内容をゲームに反映する(ステップS402)。プレイデータPDによって消費価値の消費可能量が管理されている場合には、ゲーム提供部33は、ステップS402において、プレイデータPDの“第1可能量”及び“第2可能量”の内容を通常ゲージ41N及び追加ゲージ41Aにそれぞれ反映する。続いてゲーム提供部33は、ゲームのプレイ状況に基づいてプレイデータPDの内容を更新する(ステップS403)。次にゲーム提供部33は、ゲームのプレイが終了したか否か判別する(ステップS404)。ゲームのプレイが終了していない場合、ゲーム提供部33はステップS403に戻り再度ステップS403の処理を実行する。一方、ゲームのプレイが終了した場合、ゲーム提供部33はゲームのプレイ結果を反映した最新のプレイデータPDをセンターサーバ2に送信して、今回の処理を終了する(ステップS405)。
【0040】
一方、センターサーバ2のWebサービス管理部24は、ユーザ端末装置4からゲームのプレイ結果が反映されたプレイデータPDを取得すると、その内容が最新の内容となるようにプレイデータPDを更新して、今回の処理を終了する(ステップS503)。これにより、最新のプレイデータPDがセンターサーバ2によって一元的に管理され、必要に応じて適宜ユーザ端末装置4に提供される。また、プレイデータPDによって消費価値の消費可能量が管理されている場合には、その消費可能量がゲームのプレイに反映される。
【0041】
以上に説明したように、この形態によれば、消費価値の消費可能量が回復条件(基準)の相違に応じて二種類のゲージ41を通じて別々に案内される。具体的には、消費可能量のうち、所定時間の経過等の所定の規則に従って漸次回復する部分(通常価値量)は通常ゲージ41Nを通じて、金銭的価値の消費等のユーザの所定の行動に基づいて所定量回復する部分(追加価値量)は追加ゲージ41Aを通じて、それぞれ別々に案内される。一方で、追加価値量も当然に消費価値として機能し、所定の進行の付与のために消費される。このため、消費可能量のうち、ユーザの所定の行動に基づいて所定量回復する追加価値量を所定の規則に従って暫時回復する通常価値量とは別に管理し、ユーザに把握させることができる。これにより回復の基準が相違する消費価値が一緒くたに管理される場合のデメリットを抑制することができる。具体的には、通常価値量が多く残っている場合でも、所定の行動に伴う回復分を追加価値量として通常価値量とは別に確保することができるので、これらが一緒くたに管理される場合に比べて所定の行動に伴う回復に無駄が生じる(例えば図3の例のスタート時から3ポイント消費された後の状態において仮に通常価値量が5ポイント回復した場合には2ポイント切り捨てられてしまう)ことを抑制することができる。
【0042】
また、通常価値量が追加価値量よりも優先的に使用される場合には、追加価値量の価値を通常価値量の価値よりも高く扱うことができる。具体的には、通常価値量は所定時間経過する毎等、所定の規則に従って自動的に回復する一方で、追加価値量は所定の行動がユーザによって実行されない限り回復しない。また、このような所定の行動は、金銭的価値の消費等、簡単に実行できない行動が多い。結果として、追加価値量の方がユーザにとっては貴重と判断される場合が多い。このような判断を消費方法(優先順位)に反映することができる。さらに、通常価値量と追加価値量とが一緒くたに管理されている場合には、所定の行動による回復によって通常価値量が上限値以上に回復した場合には所定の規則に従った回復の恩恵を受けられないが、これらが別々に管理されている場合には同様の回復が行われても通常価値量に空きがある限り所定の規則に従った回復の恩恵を受けることができる。これらにより、回復機会のロスによる通常価値量の無駄及び切り捨て等に伴う追加価値量の無駄の両方を抑制することができる。
【0043】
以上の形態において、ユーザ端末装置4のゲーム提供部33が、図7の手順のS203を実行することにより本発明の量案内手段として機能する。また、ユーザ端末装置4のゲーム提供部33が、図8の手順のS305を実行することにより本発明の量消費手段として機能する。一方、消費価値の消費可能量がプレイデータPDによって管理される場合において、センターサーバ2のWebサービス管理部24が、図9の手順のS502及びS503を実行することにより本発明の情報提供手段及び情報更新手段としてそれぞれ機能する。
【0044】
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上述の形態では、通常価値量及び追加価値量には上限値が設定されている。しかし、このような上限値の設定は任意でよい。また、上述の形態では、消費価値の消費可能量は通常ゲージ41N等を通じて消費に伴い減少し、回復に伴い増加するように案内されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。消費可能量は、このような積極的な価値として案内されるだけでなく、消耗度や疲労度等の消極的価値として案内されてもよい。つまり、消費可能量は消費に伴い増加し、回復に伴い減少してもよい。同様に、このような各種の案内手法に応じて各ゲージ41の表示態様も適宜の態様で実現されてよい。
【0045】
また、上述の形態では、図6図8の処理はユーザ端末装置4側で実行されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、図6図8の処理の全部あるいは一部はセンターサーバ2によって実行されてもよい。図9の処理についても同様である。一方で、ユーザ端末装置4がセンターサーバ2として機能してもよい。なお、図6図8の処理(同等の処理を含む)を実行する装置(上述の形態の場合のユーザ端末装置4)が本発明の第1形態に係るゲームシステムとして、図9の処理(同等の処理を含む)を実行する装置(上述の形態の場合のセンターサーバ2)が本発明の第2形態に係るゲームシステムとして、それぞれ機能する。
【0046】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0047】
本発明の第1形態に係るゲームシステムは、所定の進行を付与するために消費される消費価値の消費可能量(41N)を当該消費可能量が所定の規則に従って漸次回復するように案内するゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記ゲームにおける各ユーザの所定の行動に基づいて所定量回復する行動価値の使用可能量(41A)を前記消費可能量とは別に案内する量案内手段(33)と、前記行動価値が前記消費価値として機能するように前記所定の進行の付与のために前記使用可能量を消費する量消費手段(33)と、を備えている。
【0048】
本発明の第1形態によれば、ゲームにおける各ユーザの所定の行動に基づいて所定量回復する行動価値の使用可能量は消費価値の消費可能量とは別に案内される。一方で、そのような行動価値は所定の進行の付与のために消費され、消費価値として機能する。つまり、行動価値の使用可能量は消費価値の消費可能量として機能する。結果として、消費価値の消費可能量のうちゲームにおける各ユーザの所定の行動に基づいて所定量回復する部分を行動価値として所定の規則に従って漸次回復する部分とは別に管理することができる。これにより、回復の基準が相違する消費価値が一緒くたに管理される場合のデメリットを抑制することができる。具体的には、例えば漸次回復する消費価値の消費可能量が多い場合でも、所定の行動に伴う回復分を使用可能量として消費価値の消費可能量とは別に確保しておくことができるので、所定の行動に伴う回復に無駄が生じることを抑制することができる。なお、回復の用語は、体力、エネルギー或いは燃料等の積極的な価値の量が増加する場合、及び消耗度や疲労度等の消極的な価値が減少する場合の両方を含んでいる。
【0049】
所定の規則として、自動的に要件が満たされる各種の規則が採用されてよい。例えば、このような規則として、プレイ時間、プレイ回数、或いは対戦回数等のプレイ状況に関する各種の数値的要素が採用されてよい。同様に、所定の行動として、各ユーザのゲーム内における直接的行動或いは間接的行動等の各種の行動が採用されてよい。例えば、直接的行動として、アイテムを使用する行動或いは金銭的価値を消費する行動が利用されてもよい。一方、例えば、間接的行動として、ゲーム内のキャラクタ(或いはユーザでもよい)のレベルを上昇させる行動が採用されてもよい。そして、このような行動に伴いキャラクタのレベルが上昇した場合にその上昇に伴い行動価値の使用可能量が回復してもよい。具体的には、例えば、本発明の第1形態に係るゲームシステムの一態様において、前記消費可能量は、前記所定の規則として所定期間の経過を利用し、当該所定期間の経過毎に漸次回復し、前記所定の行動は、進行用のパラメータを変化させるためのレベルがプレイ状況に応じて変化するように前記ゲームに設定される場合の当該レベルを上昇させるための行動、前記ゲームが前記使用可能量を回復させるためのアイテムを含む場合の当該アイテムを使用するための行動、及び前記ゲームが金銭的価値の消費を許容する場合の当該金銭的価値を消費するための行動の少なくともいずれか一つを含み、前記量案内手段は、前記レベルの上昇、前記アイテムの使用、及び前記金銭的価値の消費の少なくともいずれか一つに伴い前記所定量回復するように前記使用可能量を案内してもよい。
【0050】
行動価値の使用可能量は、適宜に消費されてよい。例えば、使用可能量は漸次回復する消費価値の消費可能量よりも優先的に消費されてもよいし、そのような消費可能量と同等に(例えばランダム消費、交互消費等)消費されてもよい。あるいは、本発明の第1形態に係るゲームシステムの一態様において、前記量消費手段は、前記使用可能量及び前記消費可能量の両方が存在する場合に、前記消費可能量を優先的に前記所定の進行の付与のために消費してもよい。この場合、使用可能量の価値を消費可能量の価値よりも高く扱うことができる。
【0051】
行動価値の使用可能量には、上限値が設定されていても、されていなくてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記量案内手段は、前記使用可能量に上限値(例えば9ポイント)が設定されるように、前記使用可能量を案内してもよい。また、このような上限値の設定は各種の態様で実現されてよい。例えば、上限値を超える場合にその超える部分を切り捨てることにより上限値を設定してもよい。あるいは、上限値を超えることがないように所定の行動を制限することにより上限値が設定されてもよい。具体的には、例えば、使用可能量に上限値が設定される本発明の態様において、前記量案内手段は、前記上限値が設定されるように、前記所定の行動を、当該所定の行動に基づいて前記所定量(例えば5ポイント)回復する場合に当該所定量に応じて設定される基準値(例えば5ポイント)を基準に前記使用可能量が当該基準値よりも消費されている場合に許容し、前記基準値よりも消費されていない場合に制限してもよい。この場合、所定の行動に伴う回復に無駄が生じることを抑制することができる。
【0052】
また、本発明の第2形態に係るゲームシステムは、所定の進行を付与するために消費される消費価値の消費可能量(41N)を当該消費可能量が所定の規則に従って漸次回復するように案内するゲームを提供するゲーム機(4)にネットワーク(3)を介して接続されるゲームシステム(2)であって、各ユーザを識別するためのユーザ識別情報と前記ゲームにおける各ユーザの所定の行動に基づいて所定量回復する行動価値の使用可能量(41A)の情報とが関連付けられるように記述された量管理データ(PD)を記憶するデータ記憶手段(23)と、前記ゲームにおいて各ユーザの前記使用可能量が前記消費可能量と別に案内されるように当該使用可能量の情報を前記ゲーム機に提供する情報提供手段(24)と、前記使用可能量が消費された場合に前記量管理データの前記使用可能量の情報を更新する情報更新手段(24)と、を備えている。本発明の第2形態によれば、ゲーム機を第1形態に係るゲームシステムとして機能させることができる。
【0053】
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記ゲームを提供するための出力装置(37)と、前記所定の行動を入力するための入力装置(36)とに接続されるコンピュータ(24、33)を、上述の第1形態或いは第2形態のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。本発明のコンピュータプログラムを通じて、本発明の第1形態或いは第2形態に係るゲームシステムを実現することができる。なお、本発明のゲームは各種の態様で提供されてよい。例えば、表示装置を通じて視覚的に提供されてもよいし、スピーカ等の音声再生装置を通じて聴覚的に提供されてもよい。出力装置には、このような各種の装置が含まれる。同様に、本発明の入力装置として、所定の行動が入力可能な限り、各種の装置が採用されてよい。例えば、タッチパネル等のユーザの操作を通じて所定の行動を入力する入力装置、或いはカメラ等のユーザの動作を通じて所定の行動を入力する入力装置が本発明の入力装置として採用されてよい。
【符号の説明】
【0054】
1 ゲームシステム
2 センターサーバ
3 ネットワーク
4 ユーザ端末装置(ゲーム機)
23 記憶部(データ記憶手段)
24 Webサービス管理部(コンピュータ、情報提供手段、情報更新手段)
33 ゲーム提供部(コンピュータ、量案内手段、量消費手段)
36 入力装置
37 モニタ(出力装置)
41N 通常ゲージ(消費可能量)
41A 追加ゲージ(使用可能量)
PD プレイデータ(量管理データ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9