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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】平衡振動システム
(51)【国際特許分類】
   H04R 11/02 20060101AFI20230310BHJP
【FI】
H04R11/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021564346
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-28
(86)【国際出願番号】 CN2019110531
(87)【国際公開番号】W WO2020228229
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-10-27
(31)【優先権主張番号】201910396055.1
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521471729
【氏名又は名称】潘 国昌
【氏名又は名称原語表記】PAN, Guochang
【住所又は居所原語表記】No. 700 Zhengyang Road, Holy City Street Shouguang, Shandong 262701, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】潘 国昌
【審査官】堀 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-139041(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0151334(US,A1)
【文献】特開2013-138292(JP,A)
【文献】特開2009-267779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 11/00-11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気回路ユニットと、振動ユニットと、ハウジングとを含む平衡振動システムであって、
磁気回路ユニットおよび振動ユニットは、ハウジングの内部に位置し、振動ユニットは、平衡コアおよび振動板を含み、
平衡コアは、ハウジングに可動的に接続され、振動板は、ハウジングに固定され、平衡コアは、振動板を運動させるように駆動することが可能であり、
磁気回路ユニットは、磁気回路コイルおよび2つの磁石セットを含み、磁気回路コイルは、平衡コアの外部に周回され、2つの磁石セットは、平衡コアの軸線方向の両端にそれぞれ位置し、
各々の磁石セットは、2つの磁石を含み、同一の磁石セットにおける2つの磁石は、平衡コアの両側に対向して配置され、
磁気回路コイルに通電した状態において、2つの磁石セットから平衡コアに与えられる磁力の方向が同じであり、
平衡コアを間に挟んで平衡コアの長手方向の両側に、一対の弾性部材が設けられており、各々の弾性部材は、一端が平衡コアに接続されるとともに他端がハウジングに接続されており、平衡コアと一対の弾性部材とは一体的に形成されており、
接続部材をさらに含み、接続部材は、一端が平衡コアの長手方向の中間点に固定接続されるとともに他端が振動板に固定接続されており、
前記磁気回路コイルは2組の磁気回路コイルからなり、前記2組の磁気回路コイルは、前記2つの磁石セットの互いに対向しまたは反対する側にそれぞれ位置し、前記2組の磁気回路コイルにおける各々の磁気回路コイルの対応する端部がそれと隣接する磁石セットに固定接続され、前記2組の磁気回路コイルは、同期的に通電および停電が行われ、通電した状態において、前記2つの磁石セットによる前記平衡コアへの作用力の方向が同時に上方へ向かいまたは同時に下方へ向かい、前記平衡コアによって前記振動板を上下に振動させる
ことを特徴とする平衡振動システム。
【請求項2】
請求項1に記載の平衡振動システムであって、
平衡コアは、前記中間点の一点においてのみ、接続部材によって振動板に固定接続されている、ことを特徴とする平衡振動システム。
【請求項3】
請求項1に記載の平衡振動システムであって、
同一の磁石セットにおける2つの磁石の互いに対向する一端の磁極は、逆となっている、ことを特徴とする平衡振動システム。
【請求項4】
請求項に記載の平衡振動システムであって、
そのうちの一方の磁石セットにおける2つの磁石の間の磁界の方向は、他方の磁石セットにおける2つの磁石の間の磁界の方向とは逆方向となっている、ことを特徴とする平衡振動システム。
【請求項5】
請求項1に記載の平衡振動システムであって、
磁気回路コイルに通電しない状態において、平衡コアは、弾性部材によって磁気回路ユニットの中心位置に保持される、ことを特徴とする平衡振動システム。
【請求項6】
請求項1に記載の平衡振動システムであって、
支持体をさらに含み、
前記支持体は、ハウジングの内部に固定され、
全ての磁石は、支持体に取り付けられる、ことを特徴とする平衡振動システム。
【請求項7】
請求項に記載の平衡振動システムであって、
前記弾性部材は、バネまたはバネ板である、ことを特徴とする平衡振動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動の技術分野に関し、具体的に平衡振動システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の振動システムは、原理から2種類に分けられ、そのうちの1種として、磁気回路コイルが振動することによって振動板を振動させて発音させるといったコイル可動型のものであり、もう一種として、磁気回路コイルが動かず、コイルの中心における平衡コアの一端が振動することによって振動板を振動させて発音させるといったコア可動型のものである。
【0003】
従来のコア可動型は、磁気回路コイルの中心における平衡コアの一端がコイル電流の変化に起因する磁性の変化によって磁界において振動するようになっており、平衡コアは、その一端が振動するが他端が固定されるため、このように一端が固定されるが他端が振動するような弾性カンチレバーが形成され、この場合、振動端が振動できるために平衡コアの弾性応力を克服しなければならないため、エネルギー損失を引き起こし、かつ、振動が完全にコイル電流、すなわち電気信号の要求に応じて発生することができず、歪みが発生してしまい、不平衡な振動システムとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の先行技術の不足に対してなされたものであり、信号変換効率が低く、エネルギー損失が大きく、片側振動に起因して歪みが発生する問題を解決できる平衡振動システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明は、以下のような技術手段を講じる。
【0006】
磁気回路ユニットと、振動ユニットと、ハウジングとを含む平衡振動システムであって、磁気回路ユニットおよび振動ユニットは、ハウジングの内部に位置し、振動ユニットは、平衡コアおよび振動板を含み、平衡コアは、ハウジングに可動的に接続される。振動板は、ハウジングに固定され、平衡コアは、振動板を運動させるように駆動することが可能である。磁気回路ユニットは、磁気回路コイルおよび2つの磁石セットを含み、磁気回路コイルは、平衡コアの外部に周回され、2つの磁石セットは、平衡コアの軸線方向の両端にそれぞれ位置する。各々の磁石セットは、2つの磁石を含み、同一の磁石セットにおける2つの磁石は、平衡コアの両側に対向して配置される。磁気回路コイルに通電した状態において、2つの磁石セットから平衡コアに与えられる磁力の方向が同じである。
【0007】
好ましくは、前記磁気回路コイルは、1組であり、2つの磁石セットの間に位置し、該組の磁気回路コイルの両端が2つの磁石セットにそれぞれ固定接続される。
【0008】
好ましくは、前記磁気回路コイルは、2組であり、2つの磁石セットの互いに対向しまたは反対する側にそれぞれ位置し、各組の磁気回路コイルの対応する端部がそれと隣接する磁石セットに固定接続される。
【0009】
好ましくは、振動ユニットは、接続部材をさらに含み、接続部材は、その一端が平衡コアに固定接続されるとともに、他端が振動板に固定接続される。
【0010】
好ましくは、平衡コアと振動板とは一体構造となっており、振動板の辺縁は、ハウジングに固定接続され、前記平衡コアは、振動板を上下に振動させて発音する。
【0011】
好ましくは、同一の磁石セットにおける2つの磁石の互いに対向する一端の磁極は、逆となっている。
【0012】
好ましくは、そのうちの一方の磁石セットにおける2つの磁石の間の磁界の方向は、他方の磁石セットにおける2つの磁石の間の磁界の方向とは逆方向となっている。
【0013】
好ましくは、平衡コアは、弾性部材によってハウジングに接続され、磁気回路コイルに通電しない状態において、平衡コアは、弾性部材によって磁気回路ユニットの中心位置に保持される。
【0014】
好ましくは、支持体をさらに含み、前記支持体は、ハウジングの内部に固定され、全ての磁石は、支持体に取り付けられる。
【0015】
好ましくは、前記弾性部材は、バネまたはバネ板である。
【0016】
好ましくは、前記平衡コアは、透磁性材料で形成される。
【0017】
本発明の動作原理は、以下のとおりである。
【0018】
平衡コアが透磁性材料で形成されるので、磁気回路ユニットの磁気回路コイルに電気信号を通過した後、平衡コアが磁化されて、平衡コアの両端に磁極が発生され、そして、平衡コアの両端が2つの磁石セット内にそれぞれ位置し、2つの磁石セットが平衡コアの両端に大きさが同じであってかつ方向が同じである磁力作用を印加し、平衡コアは、2つの磁石セットの磁力作用および電気信号の変化によって、磁気回路ユニットの中心周りに全体的に振動することにより、振動板を振動させて発音する。
【発明の効果】
【0019】
上記のような技術手段を採用することにより、本発明は、以下のような有益な効果を達成できる。すなわち、本発明は、先行技術に比べて、磁気回路ユニットおよび振動ユニットによって平衡コア全体の振動を実現する平衡振動システムを提供することによって、信号変換効率がより高くなり、消費電力が低減され、片側振動による歪みが消去される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係る平衡振動システムの第1実施形態の構造原理を示す図である。
図2】本発明に係る平衡振動システムの第2実施形態の構造原理を示す図である。
図3】本発明に係る平衡振動システムの第3実施形態の構造原理を示す図である。
図4】本発明に係る平衡振動システムの第4実施形態の構造原理を示す図である。
図5】本発明に係る平衡振動システムの第5実施形態の構造原理を示す図である。
図6】本発明に係る平衡振動システムの第6実施形態の構造原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に対して図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
<実施例1>
図1を参照して、平衡振動システムは、磁気回路ユニット1と、振動ユニット2と、ハウジング3とを含み、磁気回路ユニット1および振動ユニット2は、ハウジング3の内部に位置し、前記磁気回路ユニット1は、ハウジング3に固定され、前記振動ユニット2は、ハウジング3に弾性的に接続され、振動ユニット2が磁気回路ユニット1の磁界の変化に伴って振動することによって振動を実現するものである。磁気回路ユニット1は、1組の磁気回路コイル11および2つの磁石セットを含み、2つの磁石セットは、1組の磁気回路コイル11の軸線方向の左右両端にそれぞれ位置し、磁気回路コイル11の両端は、その左右両端にある磁石セットにそれぞれ固定接続され、磁気回路コイル11の2つの配線接続端は、ハウジング3に固定され、導線を介して信号源に電気的に接続される。磁気回路コイル11は、電磁変換の法則に応じて、印加される信号電流の大きさおよび方向の変化に伴って、磁界強度および方向が変化する誘導磁界を生成することができる。
【0023】
前記振動ユニット2は、平衡コア21および振動板22を含み、前記平衡コア21は、透磁性材料で形成され、磁気回路コイル11の内部に設けられるとともに、その左右両端が2つの磁石セットにそれぞれ挿入される。各磁石セットは、第1磁石12と第2磁石13との2つの磁石を含み、同一の磁石セットにおける第1磁石12および第2磁石13は、平衡コア21の両側に対向して配置される。磁気回路ユニット1は、支持体をさらに含み、前記支持体は、ハウジング3の内部に固定して取り付けられ、全ての磁石は支持体に固定される。同一の磁石セットにおける第1磁石12および第2磁石13の互いに近接する一端の磁極が逆となっており、第1磁石12と第2磁石13との間の磁力線はいずれも磁気回路コイル11の軸線に垂直となっている。
【0024】
具体的には、磁気回路コイル11の左端に位置する磁石セットにおける第1磁石12の磁気回路コイル11の軸線に近接する一端はN極であり、磁気回路コイル11の左端に位置する磁石セットにおける第2磁石13の磁気回路コイル11の軸線に近接する一端はS極であり、磁気回路コイル11の右端に位置する磁石セットにおける第1磁石12の磁気回路コイル11の軸線に近接する一端はS極であり、磁気回路コイル11の右端に位置する磁石セットにおける第2磁石13の磁気回路コイル11の軸線に近接する一端はN極である。磁気回路コイル11の左端に位置する磁石セットにおける2つの磁石の間の磁界方向は、磁気回路コイル11の右端に位置する磁石セットにおける2つの磁石の間の磁界方向とは逆方向となっており、具体的には、磁気回路コイル11の左端にある第1磁石12と第2磁石13との間の磁界方向は、第1磁石12から第2磁石13へ向かう方向であり、磁気回路コイル11の右端にある第1磁石12と第2磁石13との間の磁界方向は、第2磁石13から第1磁石12へ向かう方向である。
【0025】
前記平衡コア21の両端は、2つの磁石セットから外側に伸出され、弾性部材によってハウジングにそれぞれ接続され、磁気回路コイルに通電しない状態において、平衡コアが弾性部材によって磁気回路ユニットの中心位置に保持されて、弾性部材によってハウジング3に接続される。弾性部材は、バネ板23を採用し、前記バネ板23は、2組存在することが好ましい。平衡コア21の一端は、1組のバネ板23によってハウジング3に可動的に接続され、バネ板23は、その一端が平衡コア21に固定接続されるとともに、他端がハウジング3に固定接続される。前記弾性部材は、バネ板23に限定されず、バネまたは他の形式の弾性構造を採用してもよい。磁気回路コイル11に通電しない状態において、平衡コア21が2組のバネ板23によって磁気回路ユニット1の中心位置に保持され、平衡コア21の重量は、無視することができる。具体的には、平衡コア21は、磁気回路コイル11の軸線位置であってかつ第1磁石12と第2磁石13との中間位置に保持される。
【0026】
前記振動ユニット2は、接続部材24をさらに含み、接続部材24は、その一端が平衡コア21の中間部に固定接続されるとともに、他端が振動板22に固定接続される。従来のコア可動型の振動板と同様に、振動板22の辺縁は、ハウジング3に直接的に接着され、または他の可能な方法でハウジング3に固定接続される。平衡コア21は、変化する磁力を受けて全体的に振動し、その振動が接続部材24によって振動板22に伝達され、振動板22を振動させる。
【0027】
この平衡振動システムの動作原理として、平衡コア21が透磁性材料であるので、磁気回路ユニット1の磁気回路コイル11に電気信号を通過した後、平衡コア21が磁化され、平衡コア21の両端に互いに逆となる磁極(例えば、左端がS極であり、右端がN極であり、またはこれと逆である)が発生され、そして、平衡コア21の両端が、磁界方向が逆方向となる2つの磁石セット内にそれぞれ位置しているので、平衡コア21の両端に大きさが同じであってかつ方向が同じである磁力作用が与えられ、平衡コア21が2つの磁石セットの磁力作用によって磁気回路ユニット1の中心周りに全体的に振動することにより、振動板22を振動させるようになっている。
【0028】
<実施例2>
図2を参照して、平衡振動システムは、磁気回路ユニット1と、振動ユニット2と、ハウジング3とを含み、磁気回路ユニット1および振動ユニット2は、ハウジング3の内部に位置し、前記磁気回路ユニット1は、ハウジング3に固定され、前記振動ユニット2は、ハウジング3に弾性的に接続され、振動ユニット2が磁気回路ユニット1の磁界の変化に伴って振動することによって振動を実現するものである。磁気回路ユニット1は、1つの磁気回路コイル11および2つの磁石セットを含み、2つの磁石セットは、磁気回路コイル11の軸線方向の左右両端にそれぞれ位置し、磁気回路コイル11の両端は、その左右両端に位置する磁石セットにそれぞれ固定接続され、磁気回路コイル11の2つの配線接続端は、ハウジング3に固定され、導線を介して信号源に電気的に接続される。磁気回路コイル11は、電磁変換の法則に応じて、印加される信号電流の大きさおよび方向の変化に伴って、磁界強度および方向が変化する誘導磁界を生成することができる。
【0029】
前記振動ユニット2は、平衡コア21および振動板22を含み、前記平衡コア21は、透磁性材料で形成され、磁気回路コイル11の内部に設けられるとともに、その左右両端が2つの磁石セットにそれぞれ挿入される。各磁石セットは、第1磁石12と第2磁石13との2つの磁石を含み、同一の磁石セットにおける第1磁石12および第2磁石13は、平衡コア21の両側に対向して配置される。磁気回路ユニット1は、支持体をさらに含み、前記支持体は、ハウジング3の内部に固定して取り付けられ、全ての磁石は、支持体に固定される。同一の磁石セットにおける第1磁石12および第2磁石13の互いに近接する一端の磁極が逆となっており、第1磁石12と第2磁石13との間の磁力線は、磁気回路コイル11の軸線に垂直となっている。
【0030】
具体的には、磁気回路コイル11の左端に位置する磁石セットにおける第1磁石12の磁気回路コイル11の軸線に近接する一端はN極であり、磁気回路コイル11の左端に位置する磁石セットにおける第2磁石13の磁気回路コイル11の軸線に近接する一端はS極であり、磁気回路コイル11の右端に位置する磁石セットにおける第1磁石12の磁気回路コイル11の軸線に近接する一端はS極であり、磁気回路コイル11の右端に位置する磁石セットにおける第2磁石13の磁気回路コイル11の軸線に近接する一端はN極である。磁気回路コイル11の左端に位置する磁石セットにおける2つの磁石の間の磁界方向は、磁気回路コイル11の右端に位置する磁石セットにおける2つの磁石の間の磁界方向とは逆方向となっており、具体的には、磁気回路コイル11の左端にある第1磁石12と第2磁石13との間の磁界方向は、第1磁石12から第2磁石13へ向かう方向であり、磁気回路コイル11の右端にある第1磁石12と第2磁石13との間の磁界方向は、第2磁石13から第1磁石12へ向かう方向である。
【0031】
振動板22の中間部は、磁気回路コイル11の内部であってかつ第1磁石12と第2磁石13との間に位置し、振動板22と平衡コア21とは一体構造に構成され、当該一体構造は、実施例1における平衡コア21および振動板22と同様な機能を有し、その辺縁がハウジングに固定接着され、平衡コア21が磁力を受けて全体的に振動するときに、振動板22が平衡コア21に伴って振動する。平衡コア21の重量は、無視することができ、磁気回路コイル11に通電しない状態において、振動板22は、平衡コア21を磁気回路コイル11の軸線位置であってかつ第1磁石12と第2磁石13との中間位置に保持させる。実施例2における平衡振動システムの構造によれば、平衡振動システム全体の厚さを小さくし、製造された製品の体積小型化の要求を満足することができる。
【0032】
<実施例3>
図3および図4を参照すると、実施例3は、実施例1とは原理が同様であり、構造が基本的に同様であるが、実施例1の構造と比べて、実施例3における磁気回路ユニット1は、2組の磁気回路コイル11を含み、2組の磁気回路コイル11は、2つの磁石セットの対向する側にそれぞれ位置し、すなわち、2組の磁気回路コイル11は、2つの磁石セットの間に位置し、それらの互いに離れる一端が対応する磁石セットに固定接続されるという点で異なっている(図3を参照)。また、2組の磁気回路コイル11は、2つの磁石セットの反対する側にそれぞれ位置し、すなわち、2組の磁気回路コイル11は、2つの磁石セットの外側に位置し、それらの互いに対向する一端が対応する磁石セットに固定接続されてもよい(図4を参照)。2組の磁気回路コイル11は、同期に通電および停電を行い、2組の磁気回路コイル11に通電した状態において、平衡コア21は、2つの磁石セットに対応する位置に互いに逆となる磁極が発生され、2つの磁石セットによる平衡コア21への作用力の方向は常に一致し、同時に上方へ向かい、または同時に下方へ向かい、平衡コア21によって振動板22を上下に振動させる。実施例3で採用している2組の磁気回路コイル11の配置方式は、実施例1の構造の変形に属し、その効果が実施例1と同様である。
【0033】
<実施例4>
図5および図6を参照すると、実施例4は、実施例2とは原理が同様であり、構造が基本的に同様であるが、実施例2の構造と比べて、実施例4における磁気回路ユニット1は、2組の磁気回路コイル11を含み、2組の磁気回路コイル11は、2つの磁石セットの対向する側にそれぞれ位置し、すなわち、2組の磁気回路コイル11は、2つの磁石セットの間に位置し、それらの互いに離れる一端が対応する磁石セットに固定接続されるという点で異なっている(図5を参照)。また、2組の磁気回路コイル11は、2つの磁石セットの反対する側にそれぞれ位置し、すなわち、2組の磁気回路コイル11は、2つの磁石セットの外側に位置し、それらの互いに対向する一端が対応する磁石セットに固定接続されてもよい(図4を参照)。2組の磁気回路コイル11は、同期に通電および停電を行い、2組の磁気回路コイル11に通電した状態において、平衡コア21は、2つの磁石セットに対応する位置に互いに逆となる磁極が発生され、2つの磁石セットによる平衡コア21への作用力の方向は常に一致し、同時に上方へ向かい、または同時に下方へ向かい、平衡コア21によって振動板22を上下に振動させる。実施例4で採用している2組の磁気回路コイル11の配置方式は、実施例1の構造の変形に属し、その効果が実施例1と同様である。
【0034】
本発明において記載されていない部分については、従来の技術を採用し、または参照することによって実現することができる。
【0035】
なお、「第1」および「第2」等の用語は、単に説明するためのものであり、相対的な重要性を指示しまたは暗示すると理解することができない。
【0036】
本明細書に記載された具体的な実施例は、本発明の精神を説明するための例に過ぎない。本発明の属する技術分野の技術者は、以上に説明した具体的な実施例に対して、本発明の精神から逸脱し、または添付の特許請求の範囲に定義された範囲を超えることなく様々な修正または補充を行い、または類似する方式で代替することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6