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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】ガスメータ
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20230310BHJP
   G01F 15/06 20220101ALN20230310BHJP
【FI】
G01F3/22 Z
G01F15/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018247760
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020106488
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-06-10
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗本 由子
(72)【発明者】
【氏名】中田 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】榎本 光伸
(72)【発明者】
【氏名】岩本 龍志
(72)【発明者】
【氏名】木場 康雄
(72)【発明者】
【氏名】大和久 崇
(72)【発明者】
【氏名】森畑 崇
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 博久
(72)【発明者】
【氏名】土屋 創太
(72)【発明者】
【氏名】田中 恭太郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 孝信
(72)【発明者】
【氏名】久米村 秀明
(72)【発明者】
【氏名】安井 昌広
(72)【発明者】
【氏名】田村 至
(72)【発明者】
【氏名】浅田 昭治
(72)【発明者】
【氏名】山崎 拓也
(72)【発明者】
【氏名】坂野 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】松井 彰
【審査官】後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-111383(JP,A)
【文献】特開平08-285641(JP,A)
【文献】特開2009-115589(JP,A)
【文献】特開2019-168421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを遮断する遮断弁と、ガスの流量を計測する流量計測手段と、振動を検知すると共に得られた振動の加速度値によって地震検知を行う感震センサと、前記感震センサが地震検知したことにより感震遮断の指示を出す感震遮断判定手段と、遮断を復帰する復帰手段と、外部装置との通信を行う外部通信手段と、前記流量計測手段、前記感震遮断判定手段、および前記外部通信手段を制御する制御手段と、を有するガスメータであって、
所定の停止条件により前記感震センサの地震検知を停止する地震検知停止手段と、
前記感震センサで振動を検知した回数をカウントする振動検知回数カウント手段と、を備え、
前記所定の停止条件は、前記振動検知回数カウント手段の回数カウント値が所定回数以上になることである、
ガスメータ。
【請求項2】
前記振動検知回数カウント手段は、地震検知の回数をカウントする請求項に記載のガスメータ。
【請求項3】
前記地震検知停止手段により前記感震センサの地震検知が停止したことを表示する地震検知状態表示手段を有する請求項1または2に記載のガスメータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3軸方向の加速度値を用いた地震検知を行う感震センサを有したガスメータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスメータ等に搭載されるこの種の感震センサは、3軸方向の加速度センサを搭載し、加速度値に基づいて指標値(例えば、SI値)を演算し、算出した指標値より所定以上の規模の地震であると判定し、ガスの供給を遮断することができようになっている。
【0003】
しかし、前記感震センサはマイクロコントローラを用いているため、演算処理によって消費電流が増大するという課題と、ガスメータを設置する環境によっては、車両の通行や工事等によるノイズも測定されることもあり、このような環境ノイズを地震であると誤判定するという課題とがあり、その解決手段として環境ノイズによる地震の誤判定防止、および感震センサの消費電力の増加を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図9は、特許文献1に記載された感震センサを搭載した従来のガスメータを示すものである。図9に示すように、ガスメータ100は、感震センサ106と、遮断弁などによる遮断部101と、ガスの流量を測定する流量計測部102と、復帰スイッチなどによる復帰操作部103と、外部装置との通信を行う外部通信部104と、各部を制御する制御部105と、から構成されている。
【0005】
そして、感震センサ106は、例えば3軸方向の加速度を測定する加速度センサ107と、加速度センサ107の加速度値を取得して所定の演算を行い、地震判定等の各種の制御を行うマイクロコントローラ111と、制御部105との通信を行う入力部108と、マイクロコントローラ111が地震であると判定したときに、遮断信号等を出力する出力部109と、感震センサ106の各種データを保持する記憶部110と、から構成されている。
【0006】
感震センサ106は、加速度センサ107により震動を検出するとマイクロコントローラ111において、「省電力モード」から「測定モード」(図示せず)に移行し、所定の地震判定を行う。前記地震判定は複数に分割した判断期間を処理単位として所定の処理が行われ、地震ではないと判定されると「測定モード」から「省電力モード」に戻るように構成されている。感震センサ106の「省電力モード」は、「測定モード」に比べて、加速度の測定周波数を小さく(測定間隔を長く)し、マイクロコントローラ111をスリープモードで動作させることで、感震センサ106として消費電力を最小限に抑えた動作状態になっている。
【0007】
一方、感震センサ106の「測定モード」は、「省電力モード」に比べて、加速度の測定周波数を大きく(測定周期を短く)し、マイクロコントローラ111をアクティブモードで動作させることで、指標値(例えば、SI値)の演算を適切に実行し、消費電力は増える動作状態になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2018-151290号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、前記従来の構成では、地震による振動ではないと判定した場合は省電力モードに切り替えることで、1つ1つの環境ノイズ信号等に対しては消費電力の増大を抑制することができるが、ガスメータを設置する環境下において、例えば、車両の往来や工事現場付近などでは、常に地震に近い振動が発生することが想定され、振動が発生する度に感震センサが地震検知を判定するため、感震センサの地震検知が頻繁に繰り返されることになり、結果的に消費電力が増大してしまうという課題を有していた。
【0010】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ガスメータの設置環境に応じて感震センサによる地震検知を停止することができるガスメータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記従来技術の課題を解決するために、本発明のガスメータは、ガスを遮断する遮断弁と、ガスの流量を計測する流量計測手段と、振動を検知すると共に得られた振動の加速度値によって地震検知を行う感震センサと、前記感震動センサが地震検知したことにより感震遮断の指示を出す感震遮断判定手段と、遮断を復帰する復帰手段と、外部装置との通信を行う外部通信手段と、前記各手段を制御する制御手段と、を有するガスメータであって、所定の停止条件により前記感震センサの地震検知を停止する地震検知停止手段を備えることを特徴としたものである。
【0012】
これによって、設置環境に応じて感震センサによる地震検知を停止することができるようになり、常に振動は発生している環境下において、前記感震センサの地震検知による消費電力の増加を防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のガスメータは、ガスメータの設置環境下において、常に振動が発生する場合、感震センサによる地震検知を停止することができるため、感震センサの地震検知による消費電力を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態1におけるガスメータのブロック図
図2】本発明の実施の形態1における概略フローチャート
図3】本発明の実施の形態2における概略フローチャート
図4】本発明の実施の形態3における概略フローチャート
図5】本発明の実施の形態4におけるガスメータのブロック図
図6】本発明の実施の形態4における概略フローチャート
図7】本発明の実施の形態5におけるガスメータのブロック図
図8】本発明の実施の形態5における概略フローチャート
図9】従来の技術におけるガスメータのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、ガスを遮断する遮断弁と、ガスの流量を計測する流量計測手段と、振動を検知すると共に得られた振動の加速度値によって地震検知を行う感震センサと、前記感震動センサが地震検知したことにより感震遮断の指示を出す感震遮断判定手段と、遮断を復帰する復帰手段と、外部装置との通信を行う外部通信手段と、前記各手段を制御する制御手段と、を有するガスメータであって、所定の停止条件により前記感震センサの地震検知を停止する地震検知停止手段を備えることにより、所定の停止条件により地震検知停止手段が感震センサの地震検知を停止するので、常に振動は発生している環境下において、前記感震センサの地震検知による消費電力の増加を防止することができる。
【0016】
第2の発明は、特に第1の発明において、前記所定の停止条件を、前記外部通信手段による前記外部装置からの停止命令とするもので、必要に応じて前記外部装置により地震検知停止手段が感震センサの地震検知を停止するので、常に振動は発生している環境下において、前記感震センサの地震検知による消費電力の増加を防止することができる。
【0017】
第3の発明は、特に第1の発明において、前記所定の停止条件を、前記感震遮断判定手段を無効に設定することとするもので、前記感震遮断判定手段を無効に設定することで、自動的に前記地震検知停止手段が感震センサの地震検知を停止するので、常に振動は発生している環境下において、前記感震遮断判定手段の無効化による誤遮断の回避と連動して、前記感震センサの地震検知による消費電力の増加を防止することができる。
【0018】
第4の発明は、特に第1の発明において、更に、前記感震センサによる振動検知の回数をカウントする振動検知回数カウント手段を備え、前記所定の停止条件を、前記振動検知回数カウント手段の回数カウント値が所定回数以上になることで停止するもので、前記振動検知回数カウント手段の振動検知の回数が所定回数以上になると、自動的に前記地震検知停止手段が感震センサの地震検知を停止するので、外部装置による設定を行うことなく、かつ常に振動が発生している環境下であっても実際の振動検知の頻度に合わせて、前記感震センサの地震検知による消費電力の増加を防止することができる。
【0019】
第5の発明は、特に第4の発明において、前記振動検知回数カウント手段は、地震検知の回数をカウントするようにしたものである。
【0020】
第6の発明は、特に第1から5のいずれか1つの発明において、前記地震検知停止手段により前記感震センサの地震検知が停止したことを表示する地震検知状態表示手段を備えるもので、前記感震センサの地震検知が停止していることが容易に目視できるようになり、ガスメータの設定状態が把握しやすくなることで、現場での点検作業等を効率よく実施することができる。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるガスメータのブロック図を示すものである。
【0023】
図1において、ガスメータ1は、振動を検知すると共に、振動を検知すると共に得られた振動の加速度値によって地震検知を行う感震センサ2と、外部通信手段9からの設定で感震遮断の判定可否が選択可能で、感震遮断の判定が可能なとき、感震センサ2の地震検知により感震遮断を判定する感震遮断判定手段6と、ガスの供給を遮断する遮断弁4と、復帰スイッチなどによる復帰手段3と、所定の停止条件により感震センサ2の地震検知を停止する地震検知停止手段5と、ガスの流量を計測する流量計測手段8と、外部装置(図示せず)との通信を行う外部通信手段9と、前記各手段を制御する制御手段7とから構成されている。
【0024】
次に、ガスメータ1の感震センサ2の地震検知を停止する動作について、図1図2および図3を用いて説明する。
【0025】
図1の制御手段7において、図2の所定の停止条件が成立するか否かを判定する(図2のステップS1)。そして、停止条件が成立すれば(ステップS1がYES)、感震センサ2の地震検知を停止する(図2のステップS2)。
【0026】
また、停止条件が成立しなければ(ステップS1がNO)、開始条件が成立するか否かを判定する(図2のステップS3)。そして、開始条件であれば(ステップS3がYES)、感震センサ2の地震検知を開始(再開)する(図2のステップS4)。
【0027】
感震センサ2が地震検知を停止する動作は、図1において、制御手段7が所定の停止条件が成立したと判定すると、地震検知停止手段5に、地震検知の停止指示を送る。そして、地震検知停止手段5は、感震センサ2に地震検知を停止させる。
【0028】
この感震センサ2の停止方法としては、例えば、振動を検知する動作モード(例えば、「測定モード」)において地震検知を行う場合、振動を検知する動作モードを、加速度を測定しない動作モード(例えば、消費電流が最も小さい「ストップモード或いはスリープモード」や「振動を検出しない別な動作モード(地震検知以外の動作モードなど)」)にして実現してもよい。
【0029】
感震センサ2が地震検知を停止すると、感震センサ2自体の消費電力が最小限になり、以降は振動検知をしないようになるため、感震遮断判定手段6にも地震検知信号は出力されず、感震遮断は発生しない。
【0030】
なお、停止条件や開始条件は、図3のフローチャートに示すように、外部通信手段9による外部からの設定で行うことができる。
【0031】
即ち、外部通信手段9により制御命令を受信し(図3のステップS5)、図2のステップS1の替わりにこの制御命令が停止命令かどうかを判断し(図3のステップS6)、図2のステップS3の替わりにこの制御命令が開始命令かどうかを判断(図3のステップS7)することで、感震センサの地震検知の停止や開始を外部から行うことができる。
【0032】
以上のように本実施の形態においては、所定の停止条件(例えば、外部装置(図示ぜず)からの停止命令)を受信して、感震センサ2の地震検知を停止することにより、感震センサ2は振動検知や演算処理を行わないようになり、感震センサ2の動作による消費電流を最小限に抑えることができる。
【0033】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態の概略フローチャートを示すものである。また、システム構成は実施の形態1で用いた図1と同様である。
【0034】
図4において、感震遮断判定手段6は、感震センサ2の地震検知信号を受けて感震遮断を判定するもので、感震遮断判定手段6が感震遮断を判定すると制御手段7によって、遮断弁4を閉止する。この感震遮断判定手段6は、例えば監視センタや設定器などの外部装置(図示せず)により、感震遮断の判定可否を設定することができる。
【0035】
次に、感震遮断判定手段6を感震遮断の判定可否の設定と、感震センサ2による地震検知の停止条件の設定の動作について説明する。
【0036】
図4において、外部通信手段9により制御命令を受信する(図4のステップS5)。
【0037】
次に、制御手段7が、制御命令が感震遮断を無効化(停止)する命令か否かを判定する(図4のステップS8)。
【0038】
次に、制御手段7が感震遮断を無効化(停止)する命令と判定する(ステップS8がYES)と、制御手段7が感震遮断判定手段6に判定停止命令を出し、感震遮断判定手段6が感震遮断の判定を停止する(図4のステップS9)。
【0039】
そして、制御手段7が地震検知停止手段5に地震検知の停止指示を出し、地震検知停止手段5が感震センサ2の地震検知を停止させる(図4のステップS2)。
【0040】
以上が、感震遮断判定手段6を停止することに連動して感震センサ2の地震検知を停止する手順となる。
【0041】
一方、ステップS8において、制御手段7が感震遮断を無効化(停止)する命令ではないと判定する(ステップS8がNO)と、制御手段7が感震遮断を有効化(開始)する命令か否かを判定する(図4のステップS10)。
【0042】
次に、制御手段7が感震遮断を有効化(開始)する命令と判定する(ステップS10がYES)と、制御手段7が感震遮断判定手段6に判定開始命令を出し、感震遮断判定手段6が感震遮断の判定を開始(再開)する(図4のステップS11)。
【0043】
そして、制御手段7が地震検知停止手段5に地震検知の開始指示を出し、地震検知停止手段5が感震センサ2の地震検知を開始(再開)させる(図4のステップS4)。
【0044】
以上が、感震遮断判定手段6を開始することに連動して感震センサ2の地震検知を開始する手順となる。
【0045】
以上のように本実施の形態においては、例えば、外部装置(図示ぜず)からの感震遮断の停止命令)を受信して、感震遮断判定手段6の感震遮断の判定を停止することを感震センサ2による地震検知の停止条件とすることで、自動的に感震センサ2の地震検知を停止することができ、感震センサ2は振動検知や演算処理を行わないようになり、感震センサ2の動作による消費電流を最小限に抑えることができる。
【0046】
(実施の形態3)
図5は、本発明の第3の実施の形態におけるガスメータのブロック図である。
【0047】
図5において、実施の形態1で用いた図1との差異は、振動検知回数カウント手段10が追加された点であり、同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0048】
また、本実施の形態は、実施の形態1の所定の停止条件を、感震センサ2で振動を検知した累積回数が所定の回数以上になったこととするものである。
【0049】
図6は、本発明の実施の形態の概略フローチャートを示すものである。図6を用いて停止条件の動作について説明する。
【0050】
図6において、感震センサ2の振動検知の回数を振動検知回数カウント手段10によりカウントする(図6のステップS12)。
【0051】
次に、制御手段7が、振動検知回数カウント手段10による回数カウント値が所定の判定回数以上か否かを判定する(図6のステップS13)。そして、振動検知回数カウント手段10による回数カウント値が所定の判定回数以上と判定する(ステップS13がYES)と、制御手段7が地震検知停止手段5に地震検知の停止指示を出し、地震検知停止手段5が感震センサ2の地震検知を停止させる(図6のステップS2)。
【0052】
以上が、振動検知回数カウント手段10の回数カウント値が所定の判定回数以上となることで感震センサ2の地震検知を停止する手順となる。
【0053】
なお、振動検知回数カウント手段10の回数カウント値が所定の判定回数以上になったことを、表示手段(図示せず)に表示してもよいし、外部通信手段9で外部装置(例えば監視センタ)に報知してもよい。また、遮断弁4を閉止して、ガス事業者による安全点検等を行えるようにしてもよい。
【0054】
また、振動検知回数カウント手段10の回数カウント値は、振動検知の累積回数としているが、振動検知の頻度、すなわち単位時間当たりの振動検知の回数であってもよい。
【0055】
なお、振動検知回数カウント手段10の回数カウント値は、定期的にクリアする、或いは、所定時間振動を検知できなければクリアする、或いは、外部通信手段9による外部からのクリア命令でクリアするように構成しても良い。
【0056】
一方、ステップS13において、振動検知回数カウント手段10による回数カウント値が所定の判定回数未満と判定する(ステップS13がNO)と、制御手段7が、所定の開始条件が成立したか否かを判定する(図6のステップS3)。ここで所定の開始条件は、例えば、外部装置からの開始命令であってもよいし、一度、振動検知回数カウント手段10の回数カウントが所定の判定回数以上になった状態の解除に伴う感震センサ2の地震検知の再開命令であってもよい。
【0057】
そして、制御手段7が所定の開始条件が成立したと判定する(ステップS3がYES)と、地震検知停止手段5に地震検知の開始指示を出し、地震検知停止手段5が感震センサ2の地震検知を開始(再開)させる(図6のステップS4)。
【0058】
以上が、振動検知回数カウント手段10の回数カウントが所定の判定回数以上となることに連動して感震センサ2の地震検知を停止した後に、所定の開始条件によって、感震センサ2の地震検知を開始(再開)する手順となる。
【0059】
なお、前記振動検知回数カウント手段10による回数カウントの対象は、振動検知の回数ではなく、地震検知の回数であってもよいし、振動検出が継続する時間に関連付けたものであってもよいし、前記を組み合わせてカウントしてもよい。
【0060】
以上のように本実施の形態においては、感震センサ2の振動検知の回数を振動検知回数カウント手段10によりカウントし、回数カウント値が所定の判定回数以上になったことを停止条件として、自動的に感震センサ2の地震検知を停止することにより、外部装置による設定を行うことなく、かつ、常に振動が発生している環境下であっても実際の振動検知の頻度に合わせて、感震センサの地震検知による消費電力の増加を防止することができる。
【0061】
(実施の形態4)
図7は、本発明の第4の実施の形態におけるガスメータのブロック図である。
【0062】
図7において、実施の形態1で用いた図1との差異は、地震検知状態表示手段11が追加された点であり、同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0063】
また本実施の形態は、実施の形態1の所定の停止条件により、感震センサ2の地震検知を停止した状態および開始した状態を地震検知状態表示手段11に表示するものである。
【0064】
図8は、本発明の実施の形態の概略フローチャートを示すものである。図8を用いて、図2の概略フローチャートとの差異により、表示の動作について説明する。
【0065】
図8において、ステップS1からステップS4までは図2と同様に処理される。そして、感震センサ2の地震検知の停止・開始の状態に応じた表示を地震検知状態表示手段11が実行する(図8のステップS14)。
【0066】
なお、地震検知状態表示手段11の表示は、例えば液晶やLEDであってもおよい。
【0067】
以上のように本実施の形態においては、感震センサ2の地震検知の停止・開始の状態を地震検知状態表示手段11に表示することにより、感震センサの地震検知が停止していることが容易に目視できるようになり、ガスメータの設定状態が把握しやすくなることで、現場での点検作業等を効率よく実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上のように、本発明にかかるガスメータは、常に振動するような設置環境において、感震センサの地震検知を停止することが可能となるので、水道メータや電気メータなど、感震センサを用いる機器等の用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0069】
1 ガスメータ
2 感震センサ
3 復帰手段
4 遮断弁
5 地震検知停止手段
6 感震遮断判定手段
7 制御手段
8 流量計測手段
9 外部通信手段
10 振動検知回数カウント手段
11 地震検知状態表示手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9