(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】伝送装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20230310BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20230310BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
H05K7/20 U
H05K7/20 G
H05K7/14 N
G06F1/20 C
(21)【出願番号】P 2019008633
(22)【出願日】2019-01-22
【審査請求日】2021-10-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】門矢 浩仁
(72)【発明者】
【氏名】古賀 大介
(72)【発明者】
【氏名】薗部 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 宏二
(72)【発明者】
【氏名】百武 哲也
(72)【発明者】
【氏名】安藤 雅
(72)【発明者】
【氏名】湯澤 慶輝
【審査官】菊地 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-170765(JP,A)
【文献】特開2017-091315(JP,A)
【文献】特開2010-258285(JP,A)
【文献】特開2016-040728(JP,A)
【文献】特開2006-059448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
H05K 7/14
G06F 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は2以上のプラグインユニットが配置される第1の空間と、
ファンが設けられた第2の空間と、
前記第1の空間と前記第2の空間とを隔離する隔離壁と、
を有し、
前記プラグインユニットは、
発熱部品を含んだ発熱部と、
吸気口及び排気口を有し、前記吸気口と前記排気口との間の空間が前記発熱部から隔絶されたダクトと、
前記発熱部が発した熱を前記ダクトに伝達する伝熱部材と、
を有し、
前記隔離壁には、前記排気口に繋がる
複数の第1の通気口が形成されて
おり、
複数の前記第1の通気口の一部が1又は2以上の前記プラグインユニットの前記排気口に繋がり、
複数の前記第1の通気口の残部を塞ぐ閉塞部材を有することを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
前記ファンが動作することにより、前記吸気口から外気が前記ダクト内に取り込まれ、前記排気口及び前記第1の通気口を介して前記第2の空間から排出されることを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
【請求項3】
前記隔離壁の前記第1の空間側の面に設けられた第1のパッキンを有し、
前記第1のパッキンには、前記排気口と前記第1の通気口との間に挟まれる第2の通気口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の伝送装置。
【請求項4】
前記第1の空間から見て前記第2の空間とは反対側に配置され、前記吸気口に繋がる外部吸気口を備えたカバーを有し、
前記外部吸気口から前記吸気口に繋がる空間は、前記発熱部が配置される空間から隔絶されていることを特徴とする請求項1乃至
3のいずれか1項に記載の伝送装置。
【請求項5】
前記カバーの前記第1の空間側の面に設けられた第2のパッキンを有し、
前記第2のパッキンには、前記外部吸気口と前記吸気口との間に挟まれる第3の通気口が形成されていることを特徴とする請求項
4に記載の伝送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のスロットを備えた筐体と、この筐体のスロットに装着されたプラグインユニットとを有する伝送装置がある。プラグインユニットは半導体装置を備えており、動作により発熱する。このため、伝送装置は、外気による強制空冷の機構を備えている。
【0003】
しかしながら、従来のプラグインユニットの前面より外気を導入する冷却方法では、プラグインユニット内部に直接外気を導入するため、外気の埃で半導体装置にダメージを与えることがある。外気の吸気口に防塵フィルタを用いることで装置内部への埃の侵入を防止することが可能であるが、時間の経過で防塵フィルタに埃による目詰まりが発生し、冷却効率が大幅に低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、良好な冷却効率を得ながら、外気に含まれる埃の影響を抑制することができる伝送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一形態によれば、1又は2以上のプラグインユニットが配置される第1の空間と、ファンが設けられた第2の空間と、前記第1の空間と前記第2の空間とを隔離する隔離壁と、を有し、前記プラグインユニットは、発熱部品を含んだ発熱部と、吸気口及び排気口を有し、前記吸気口と前記排気口との間の空間が前記発熱部から隔絶されたダクトと、前記発熱部が発した熱を前記ダクトに伝達する伝熱部材と、を有し、前記隔離壁には、前記排気口に繋がる複数の第1の通気口が形成されており、複数の前記第1の通気口の一部が1又は2以上の前記プラグインユニットの前記排気口に繋がり、複数の前記第1の通気口の残部を塞ぐ閉塞部材を有することを特徴とする伝送装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、良好な冷却効率を得ながら、外気に含まれる埃の影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る伝送装置の全体像を示す斜視図である。
【
図2】前面カバーを取り外した伝送装置を示す斜視図である。
【
図3】
図2に示す状態からプラグインユニット及びフィラー盤を取り外した状態を示す斜視図である。
【
図5】実施形態に係る伝送装置の背面を示す斜視図である。
【
図9】カバーを取り外したプラグインユニットを示す斜視図である。
【
図10】プラグインユニットをバックワイヤリングボードに取り付ける方法を示す斜視図(その1)である。
【
図11】プラグインユニットをバックワイヤリングボードに取り付ける方法を示す斜視図(その2)である。
【
図12】プラグインユニットをバックワイヤリングボードに取り付ける方法を示す斜視図(その3)である。
【
図14】フィラー盤をバックワイヤリングボードに取り付ける方法を示す斜視図(その1)である。
【
図15】フィラー盤をバックワイヤリングボードに取り付ける方法を示す斜視図(その2)である。
【
図16】フィラー盤を右側固定板及び左側固定板に固定する方法を示す斜視図である。
【
図19】前面カバーを筐体に取り付ける方法を示す斜視図(その1)である。
【
図20】前面カバーを筐体に取り付ける方法を示す斜視図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について添付の図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。
【0010】
(伝送装置の全体像)
図1は、実施形態に係る伝送装置の全体像を示す斜視図である。
図2は、前面カバーを取り外した伝送装置を示す斜視図である。
図3は、
図2に示す状態からプラグインユニット及びフィラー盤を取り外した状態を示す斜視図である。
図4は、伝送装置の内部を示す斜視図である。
図5は、実施形態に係る伝送装置の背面を示す斜視図である。
図6は、排気室の内部を示す斜視図である。
【0011】
例えば、実施形態に係る伝送装置1は、例えば、底板101、2つの側板102、背板103及び天板104を備えた筐体100を有する。筐体100の外形は、例えば略直方体である。2つの側板102は、底板101から直立するようにして平行に配置され、互いに対向している。背板103は底板101から直立するようにして2つの側板102と直交するようにして配置されている。天板104は底板101と平行に、2つの側板102を跨ぐように配置されている。天板104は背板103に繋がるように配置されている。筐体100は、底板101、2つの側板102及び天板104の背板103とは逆側の端部に開口部106を有する。伝送装置1は、開口部106を前方から覆う前面カバー400を有する。天板104の下方に装着室110が設けられ、背板の後方に排気室120が設けられている。装着室110と排気室120との間にバックワイヤリングボード130が設けられている。本実施形態において、側板102の板面に平行で開口部106から背板103に向かう方向をX方向、側板102の板面に平行で底板101から天板104に向かう方向をZ方向、X方向及びZ方向に垂直な方向をY方向とする。Y方向は背板103の板面に平行である。
【0012】
(装着室)
装着室110内に複数のスロットが設けられており、これらスロットにプラグインユニット(plug in unit:PIU)200又はフィラー盤300が取り付けられる。装着室110の右側板102の内側に右側案内部材111が設けられ、装着室の左側板102の内側に左側案内部材112(
図4参照)が設けられている。PIU200及びフィラー盤300は、右側案内部材111及び左側案内部材112に案内されて、開口部106から装着室110内に挿入され、バックワイヤリングボード130に押し当てられる。例えば、右側案内部材111、左側案内部材112はスロット毎に設けられている。装着室110内に挿入されたPIU200は、左右の挿抜レバー250(
図8参照)を操作して右側固定板113及び左側固定板114に固定される。同様に、装着室110内に挿入されたフィラー盤300は、固定具350(
図13参照)を操作して右側固定板113及び左側固定板114に固定される。装着室110は第1の空間の一例である。
【0013】
(バックワイヤリングボード)
バックワイヤリングボード130は、基板131、及び基板131上に設けられたコネクタ132を有する。コネクタ132はスロット毎に設けられている。バックワイヤリングボード130の左にパッキン固定部材135が設けられている。パッキン固定部材135には、スロット毎に通気口136が形成されている。パッキン固定部材135にパッキン140が固定されている。バックワイヤリングボード130及びパッキン固定部材135は隔離壁の一例である。
【0014】
(パッキン)
図7は、パッキンを示す斜視図である。パッキン140には、スロット毎に、通気口136と重なる通気口141が形成されている。後述のように、パッキン140にはPIU200及びフィラー盤300が押し当てられて、通気口141が塞がれる。このため、パッキン140は押し当てられたときに変形し得る程度の柔軟性を有することが好ましい。また、パッキン140は、PIU200及びフィラー盤300が取り外された後に元の形状に戻れる程度の弾性を有することが好ましい。パッキン140の材料は特に限定されないが、例えばポリウレタンを主原料とした発泡体を用いることができる。パッキン140は第1のパッキンの一例であり、通気口141は第2の通気口の一例である。
【0015】
(排気室)
排気室120内には、通気口141及び136が連通する空間123が設けられている。空間123はバックワイヤリングボード130及びパッキン140により、装着室110内のPIU120の発熱部210から空間的に隔絶されている。排気室120にファン121が取り付けられており、ファン121が動作することにより、空間123内の気体が筐体100の外部に排出される。また、背板103には、バックワイヤリングボード130のコネクタ132に接続された各種外部コネクタ122が設けられている。排気室120は第2の空間の一例である。
【0016】
(プラグインユニット(PIU))
図8は、PIU200を示す斜視図である。
図9は、カバーを取り外したPIU200を示す斜視図である。PIU200は、発熱部品を含む発熱部210、及び発熱部210で発生した熱を排出する排熱部220を有し、発熱部210及び排熱部220はカバー240で覆われている。発熱部品は、例えば送信回路、受信回路及び信号処理回路等の半導体装置を含む。発熱部210及び排熱部220は、例えば、右側案内部材111及び左側案内部材112により案内される基板(図示せず)上に設けられている。排熱部220は、開口部106側に吸気口222を有し、背板103側に排気口223を有し、吸気口222と排気口223との間の空間が発熱部210から隔絶されたダクトである。排熱部220は、装着室110内への挿入方向(X方向)に沿って延びている。発熱部210は、バックワイヤリングボード130に設けられたコネクタ132に接続されるコネクタ211を背板103側に有する。排熱部220は通気口141及び136と同程度の高さに設けられている。排熱部220内を流れる気体が発熱部210に流入しないように、ガスケット等のシール部材を用いて排熱部220は発熱部210から空間的に分離されている。また、PIU200には発熱部210が発した熱を排熱部220に伝達する伝熱部材201が設けられ、排熱部220に伝熱部材201と繋がるフィン221が設けられている。伝熱部材201及びフィン221には、例えば銅(Cu)等の熱伝導率が高い材料が用いられる。
【0017】
発熱部210及び排熱部220の開口部106側に、吸気口222が形成された前面板260が取り付けられており、右側案内部材111及び左側案内部材112に嵌合するロック構造(挿抜レバー250)が前面板260に設けられている。例えば、前面板260には、発熱部210の発光ダイオード(light emitting diode:LED)を視認可能にする開口部261や、光モジュール(光MDL)類を実装できるケージ262を設けることができる。開口部261を他の用途に用いてもよい。
【0018】
図10~
図12は、PIU200をバックワイヤリングボード130に取り付ける方法を示す図である。
図12には、PIU200のカバー240を外した状態を示してある。先ず、右側案内部材111及び左側案内部材112に沿って、
図10に示すように、PIU200をパッキン140に近接させる。このとき、排熱部220の排気口223がパッキン140の通気口141に対向する。次いで、PIU200をX方向に更に移動させ、
図11及び
図12に示すように、PIU200をバックワイヤリングボード130に押し当てる。この結果、PIU200のコネクタ211をバックワイヤリングボード130のコネクタ132にプラグイン接続することができる。また、排熱部220の排気口223側の端部がパッキン140を圧縮し、ダクト状の排熱部220は通気口141及び136を介して排気室120の空間123に連通すると共に、排熱部220内の空間は装着室110から隔絶される。
【0019】
(フィラー盤)
図13は、フィラー盤300を示す斜視図である。フィラー盤300は、右側案内部材111及び左側案内部材112により案内される基板301を有する。基板301の背板103側には、パッキン140の通気口141を塞ぐ閉塞部材310が取り付けられている。また、基板301の開口部106側には前面板360が取り付けられており、右側固定板113、左側固定板114に嵌合する固定具350が前面板360に設けられている。
【0020】
図14~
図15は、フィラー盤300をバックワイヤリングボード130に取り付ける方法を示す図である。先ず、右側案内部材111及び左側案内部材112に沿って、
図14に示すように、フィラー盤300をパッキン140に近接させる。このとき、閉塞部材310がパッキン140の通気口141に対向する。次いで、フィラー盤300をX方向に更に移動させ、
図15に示すように、閉塞部材310を通気口141に押し当てる。この結果、閉塞部材310のパッキン140と平行な面がパッキン140を圧縮して通気口141を塞ぐ。
【0021】
図16は、フィラー盤300を右側固定板113及び左側固定板114に固定する方法を示す斜視図である。フィラー盤300は、PIU200と同様にレバー操作でのプラグイン接続することができないが、
図16に示すように、固定具350を用いて右側固定板113及び左側固定板114に固定し、装着室110からの脱落を防止することができる。なお、
図2に示すように、PIU200も、プラグイン接続した上で、固定具の一例である挿抜レバー250を用いて右側固定板113及び左側固定板114に固定し、装着室110からの脱落を防止することができる。
【0022】
(前面パネル)
図17は、前面カバー400の表側を示す斜視図である。
図18は、前面カバー400の裏側を示す斜視図である。前面カバー400は、略直方体で背板103側に開口部406が形成された形状を有する。開口部406は筐体100の開口部106と繋がる。前面カバー400には、Y方向でPIU200の吸気口222と同程度の位置にメッシュ状の外部吸気口410が設けられ、開口部261と同程度の位置に開口部461が設けられている。メッシュ状の外部吸気口410は、例えば伝送装置1が設置された場所の周辺からの落ち葉やゴミの伝送装置1への侵入を抑制することができる。
【0023】
図18に示すように、前面カバー400の裏側には、パッキン固定部材435が設けられている。パッキン固定部材435には、スロット毎に通気口436が形成されている。そして、パッキン固定部材435にパッキン440が固定されている。パッキン440には、スロット毎に、通気口436と重なる通気口441が形成されている。後述のように、パッキン440はPIU200及びフィラー盤300に押し当てられる。このため、パッキン440は押し当てられたときに変形し得る程度の柔軟性を有することが好ましい。また、パッキン440は、PIU200及びフィラー盤300から取り外された後に元の形状に戻れる程度の弾性を有することが好ましい。パッキン440の材料は特に限定されないが、パッキン140と同様に、例えばポリウレタンを主原料とした発泡体を用いることができる。パッキン440と前面カバー400との間に、外部吸気口410から吸い込まれた気体が通流するダクト420が形成されている。パッキン440は第2のパッキンの一例であり、通気口441は第3の通気口の一例である。
【0024】
図19~
図20は、前面カバー400を筐体100に取り付ける方法を示す図である。先ず、装着室110内の各スロットにPIU200及びフィラー盤300を装着し、伝送装置1内で排気室120の空間123が筐体100の前面と繋がる気体の経路は排熱部220の内部のみとする。なお、
図19~
図20では、PIU200とパッキン440との結合関係を見やすくするために、一部のスロットからPIU200、フィラー盤300を除いてある。PIU200及びフィラー盤300の装着後、
図19に示すように、PIU200の前面板260及びフィラー盤300の前面板360に前面カバー400を近接させる。このとき、パッキン440の通気口441がPIU200の吸気口222に対向する。次いで、前面カバー400をX方向に更に移動させ、
図20に示すように、パッキン440を前面板260、360に押し当てる。この結果、フィラー盤300とパッキン440との間では、前面板360がパッキン440を圧縮して通気口441を塞ぐ。また、PIU200とパッキン440との間では、排熱部220の吸気口222側の端部がパッキン440を圧縮し、ダクト状の排熱部220は通気口441及び436を介して前面カバー400のダクト420に連通すると共に、ダクト420内の空間は装着室110から隔絶される。
【0025】
次に、実施形態に係る伝送装置1の動作について説明する。
【0026】
ファン121が動作を開始し、排気室120内の空気を外部に放出し始めると、通気口136及び通気口141を通じて排気室120内に空気が流れ込もうとする。このとき、フィラー盤300が装着されたスロットでは、閉塞部材310が通気口141を塞いでいるため、この通気口141からは空気は流れ込まない。一方、PIU200が装着されたスロットでは、吸気口222から排熱部220のダクト内に空気が取り込まれ、この空気が排気口223から排出され、通気口136及び通気口141を通じて、排気室120に空気が流れ込む。発熱部210に含まれる発熱部品が熱を発している場合、この熱は伝熱部材201により排熱部220に伝達される。従って、排熱部220のダクト内を流れる空気がこの熱を吸収し、発熱部210を冷却することができる。
【0027】
また、装着室110内で、ファン121の動作に伴う気流が生じる部分は、排熱部220のダクト内に制限される。従って、外気に埃が含まれていても、この埃による発熱部品へのダメージを防止することができる。つまり、防塵フィルタを用いずとも、埃の発熱部210への侵入を防止することができる。従って、良好な冷却効率を得ながら、外気に含まれる埃の影響を抑制することができる。
【0028】
更に、前面カバー400に、PIU200の開口部261と同程度の位置の開口部461が設けられているため、開口部261を介してLEDの発光等が行われる場合でも、前面カバー400の外部から視認することができる。そして、前面カバー400のPIU200と接する部分にパッキン440が設けられ、外部吸気口410から取り込まれた外気の移動経路がパッキン440の通気口441に制限されている。従って、この点でも、外気に含まれる埃による発熱部品へのダメージを防止することができる。
【0029】
なお、フィラー盤300は、PIU200が装着されていないスロットに装着されるものであり、すべてのスロットにPIU200が装着され、フィラー盤300が設けられていなくてもよい。
【0030】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0031】
(付記1)
プラグインユニットが配置される第1の空間と、
ファンが設けられた第2の空間と、
前記第1の空間と前記第2の空間とを隔離する隔離壁と、
を有し、
前記プラグインユニットは、
発熱部品を含んだ発熱部と、
吸気口及び排気口を有し、前記吸気口と前記排気口との間の空間が前記発熱部から隔絶されたダクトと、
前記発熱部が発した熱を前記ダクトに伝達する伝熱部材と、
を有し、
前記隔離壁には、前記排気口に繋がる通気口が形成されていることを特徴とする伝送装置。
(付記2)
前記ファンが動作することにより、前記吸気口から外気が前記ダクト内に取り込まれ、前記排気口及び前記第1の通気口を介して前記第2の空間から排出されることを特徴とする付記1に記載の伝送装置。
(付記3)
前記隔離壁の前記第1の空間側の面に設けられた第1のパッキンを有し、
前記第1のパッキンには、前記排気口と前記第1の通気口との間に挟まれる第2の通気口が形成されていることを特徴とする付記1又は2に記載の伝送装置。
(付記4)
前記隔離壁に前記第1の通気口が複数形成され、
前記プラグインユニットが1又は2以上設けられ、
複数の前記第1の通気口の一部が1又は2以上の前記プラグインユニットの前記排気口に繋がり、
複数の前記第1の通気口の残部を塞ぐ閉塞部材を有することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の伝送装置。
(付記5)
前記第1の空間から見て前記第2の空間とは反対側に配置され、前記吸気口に繋がる外部吸気口を備えたカバーを有し、
前記外部吸気口から前記吸気口に繋がる空間は、前記発熱部が配置される空間から隔絶されていることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の伝送装置。
(付記6)
前記カバーの前記第1の空間側の面に設けられた第2のパッキンを有し、
前記第2のパッキンには、前記外部吸気口と前記吸気口との間に挟まれる第3の通気口が形成されていることを特徴とする付記5に記載の伝送装置。
(付記7)
複数のスロットが設けられており、
1又は2以上の前記プラグインユニットが、複数の前記スロットの一部又は全部に装着されることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の伝送装置。
【符号の説明】
【0032】
1:伝送装置
100:筐体
110:装着室
120:排気室
121:ファン
123:空間
130:バックワイヤリングボード
131:基板
132:コネクタ
135:パッキン固定部材
136:通気口
140:パッキン
141:通気口
200:プラグインユニット
201:伝熱部材
210:発熱部
211:コネクタ
220:排熱部
221:フィン
222:吸気口
223:排気口
300:フィラー盤
301:基板
310:閉塞部材
400:前面カバー
410:外部吸気口
435:パッキン固定部材
436:通気口
440:パッキン
441:通気口