(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】長尺体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 65/70 20060101AFI20230310BHJP
B29C 43/44 20060101ALI20230310BHJP
B29C 43/52 20060101ALI20230310BHJP
【FI】
B29C65/70
B29C43/44
B29C43/52
(21)【出願番号】P 2019022636
(22)【出願日】2019-02-12
【審査請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】305014375
【氏名又は名称】NOKエラストマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【氏名又は名称】永岡 重幸
(74)【代理人】
【識別番号】100125335
【氏名又は名称】矢代 仁
(72)【発明者】
【氏名】永岡 久幸
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】特開昭64-069307(JP,A)
【文献】特開2002-120231(JP,A)
【文献】特開2012-101411(JP,A)
【文献】特表2000-503607(JP,A)
【文献】実開平03-079912(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 33/00-33/76
B29C 43/00-43/58
B29C 65/00-65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
未架橋のゴム材料が内部に配置される成形型と、
前記成形型を加熱する少なくとも1つの加熱ユニットと、
前記加熱ユニットで加熱された前記成形型を用いて前記ゴム材料を加圧して、前記ゴム材料の架橋を進行させながら、前記成形型による前記ゴム材料の成形を促進する加圧装置と
を有し、
前記加熱ユニットは、前記成形型の長手方向中央部を加熱する中央加熱装置と、前記成形型の2つの長手方向端部を冷却する複数の冷却装置と、前記成形型の前記長手方向中央部と前記長手方向端部の間の2つの中間部を加熱する複数の中間加熱装置と、前記中央加熱装置と前記中間加熱装置の間に配置された遮熱板と、前記冷却装置と前記中間加熱装置の間に配置された遮熱板とを有し、
前記中央加熱装置と前記中間加熱装置の加熱を制御する制御装置をさらに有し、
前記制御装置は、前記中央加熱装置の温度より低い温度に前記中間加熱装置を制御する
長尺体の加工装置
を用いて、長尺体を製造する方法であって、
前記未架橋のゴム材料を前記成形型の内部に配置することと、
前記加圧装置で前記成形型の内部の前記ゴム材料を加圧しながら、前記ゴム材料から長尺体を成形することを有し、
前記長尺体を成形することは、前記中央加熱装置で前記成形型の前記長手方向中央部を加熱して前記ゴム材料の長手方向中央部を加熱することと、前記中央加熱装置の温度より低い温度に制御された前記中間加熱装置で前記成形型の前記中間部を加熱して前記ゴム材料を加熱することと、前記冷却装置で前記成形型の前記長手方向端部を冷却して前記ゴム材料の長手方向端部を冷却することを有し、
さらに、
前記長尺体を成形することで得られた2つのセグメントを、一方のセグメントの端部と他方のセグメントの端部が近接するように、前記成形型の内部に配置することと、
前記加圧装置で前記成形型の内部の前記セグメントを加圧しながら、前記セグメントを接合することを有し、
前記セグメントを接合することは、前記中央加熱装置で前記成形型の前記長手方向中央部を加熱して前記2つのセグメントの端部を加熱することと、前記中央加熱装置の温度より低い温度に制御された前記中間加熱装置で前記成形型の前記中間部を加熱して前記2つのセグメントを加熱することと、前記冷却装置で前記成形型の前記長手方向端部を冷却して前記2つのセグメントの長手方向中央部を冷却することを有する
ことを特徴とする長尺体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴムを材料とする長尺体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴムを材料として長尺体を製造する技術は、成形型の内部の空洞に未架橋のゴム材料を配置し、成形型を介して圧力と熱をゴム材料に与えることにより、ゴム材料を架橋させることにより実行される。
【0003】
ゴムで形成された長尺体の端部を接合する技術が存在する。例えば、複数の長尺体を接合することにより、より長い長尺体、またはループ体すなわちリングを製造することができる。あるいは、1つの長尺体の両端部を接合することにより、ループ体を製造することができる。特許文献1には、ゴムの架橋を進行させて長尺体の端部を接合する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ゴム製の長尺体を製造する工程では、長尺体の中央部を加熱し、端部を冷却し、接続する端部の架橋を抑制することが好ましい。しかし、中央部と端部の温度差が大きい場合、変形やベタツキ、発泡等の長尺体に異常が発生するおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、製造される長尺体の温度分布を適切にすることが可能である、ゴムを材料とする長尺体の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様に係る長尺体の加工装置は、未架橋のゴム材料が内部に配置される成形型と、前記成形型を加熱する少なくとも1つの加熱ユニットと、前記加熱ユニットで加熱された前記成形型を用いて前記ゴム材料を加圧して、前記ゴム材料の架橋を進行させながら、前記成形型による前記ゴム材料の成形を促進する加圧装置とを有する。前記加熱ユニットは、前記成形型の長手方向中央部を加熱する中央加熱装置と、前記成形型の2つの長手方向端部を冷却する複数の冷却装置と、前記成形型の前記長手方向中央部と前記長手方向端部の間の2つの中間部を加熱する複数の中間加熱装置と、前記中央加熱装置と前記中間加熱装置の間に配置された遮熱板と、前記冷却装置と前記中間加熱装置の間に配置された遮熱板とを有する。
【0008】
この態様においては、長尺体の中央部を成形する成形型の長手方向中央部は、中央加熱装置により加熱される。また、長尺体の端部を成形する成形型の2つの長手方向端部は、複数の冷却装置により冷却される。さらに、成形型の長手方向中央部と長手方向端部の間の2つの中間部は、中央加熱装置と異なる複数の中間加熱装置により加熱される。中央加熱装置と中間加熱装置の間には遮熱板が配置され、冷却装置と中間加熱装置の間にも遮熱板が配置されている。したがって、成形型の複数の部分、ひいては長尺体の複数の部分に適切な温度分布をもたらすことが可能であり、例えば、長尺体の中央部でのゴムの架橋を進行させながら、端部でのゴムの架橋を抑制しつつ、変形やベタツキ、発泡等の長尺体の異常を抑制することが可能である。
【0009】
好ましくは、前記中央加熱装置と前記中間加熱装置の加熱を制御する制御装置をさらに有する。この場合には、成形型の複数の部分、ひいては長尺体の複数の部分にさらに適切な温度分布をもたらすことが可能である。
【0010】
本発明のある態様に係る長尺体の製造方法は、上記加工装置を用いて、長尺体を製造する方法であって、前記未架橋のゴム材料を前記成形型の内部に配置することと、前記加圧装置で前記成形型の内部の前記ゴム材料を加圧しながら、前記ゴム材料から長尺体を成形することを有する。前記長尺体を成形することは、前記中央加熱装置で前記成形型の前記長手方向中央部を加熱して前記ゴム材料の長手方向中央部を加熱することと、前記中央加熱装置の温度より低い温度に制御された前記中間加熱装置で前記成形型の前記中間部を加熱して前記ゴム材料を加熱することと、前記冷却装置で前記成形型の前記長手方向端部を冷却して前記ゴム材料の長手方向端部を冷却することを有する。
【0011】
この態様においては、成形型の複数の部分、ひいては長尺体の複数の部分に適切な温度分布をもたらすことが可能であり、例えば、長尺体の中央部でのゴムの架橋を進行させながら、端部でのゴムの架橋を抑制することが可能で、また、変形やベタツキ、発泡等の長尺体の異常を抑制することが可能である。
【0012】
長尺体の製造方法は、さらに、前記長尺体を成形することで得られた2つのセグメントを、一方のセグメントの端部と他方のセグメントの端部が近接するように、前記成形型の内部に配置することと、前記加圧装置で前記成形型の内部の前記セグメントを加圧しながら、前記セグメントを接合することを有してもよい。前記セグメントを接合することは、前記中央加熱装置で前記成形型の前記長手方向中央部を加熱して前記2つのセグメントの端部を加熱することと、前記中央加熱装置の温度より低い温度に制御された前記中間加熱装置で前記成形型の前記中間部を加熱して前記2つのセグメントを加熱することと、前記冷却装置で前記成形型の前記長手方向端部を冷却して前記2つのセグメントの長手方向中央部を冷却することを有する。
【0013】
この場合、セグメントの成形時に低温でゴムの架橋が抑制されたセグメントの端部をセグメントの接合時に中央加熱装置により高温に加熱し、セグメントの成形時に高温でゴムの架橋が進行させられたセグメントの長手方向中央部をセグメントの接合時に冷却装置で冷却することができる。このようにして、同じ部分を繰り返し高温にすることが避けられ、ゴムの過剰な架橋を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る長尺体の加工装置の一部を破断した正面図である。
【
図2】上記加工装置の一部を破断した側面図である。
【
図3】上記加工装置の使用方法の一例とともに、上記加工装置の成形型を示す斜視図である。
【
図4】上記加工装置の使用方法の他の一例とともに、上記成形型を示す斜視図である。
【
図5】上記加工装置の使用方法の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る実施形態を説明する。図面の縮尺は必ずしも正確ではなく、一部の特徴は誇張または省略されることもある。
【0016】
以下の説明では、過酸化物架橋を利用したゴム材料の加工を例として説明する。架橋剤として過酸化物を使用した場合には、空気中の酸素により、過酸化物架橋の進行が妨害されてしまうため、ゴムの加工環境は脱気される。但し、以下の説明は本発明を限定することを意図するのではない。本発明は、他の種類の架橋を利用したゴムの加工にも利用され、ゴムの加工環境は脱気されなくてもよい。
【0017】
図1および
図2に示すように、実施形態に係る長尺体の加工装置1は、プラットフォーム2、成形型4、ハウジング6、上方加熱ユニット8、下方加熱ユニット10、加圧シリンダー(加圧装置)12、脱気ポンプ14、および昇降装置16を有する。
【0018】
プラットフォーム2は、成形型4およびその他の部品を支持する固定された台である。ハウジング6は、プラットフォーム2に対して、昇降装置16によって昇降可能に配置されている。昇降装置16は、例えば、油圧シリンダー、空気圧シリンダー、ラックとピニオン、またはその他の駆動装置であって、ハウジング6を昇降させる。
【0019】
ハウジング6は、下方に開口部18を有する箱形であり、降下されると、プラットフォーム2と協働して収容空間20を画定する。脱気ポンプ14は収容空間20を減圧脱気する。
【0020】
成形型4は金型であり、
図3に示すように、上型22と下型24を有する。上型22の下面には、半円柱形の複数の成形溝22Aが形成され、これらの成形溝22Aは互いに平行に配置されている。下型24の上面には、半円柱形の複数の成形溝24Aが形成され、これらの成形溝24Aは互いに平行に配置されている。成形溝22Aはそれぞれ成形溝24Aに重ね合わせられ、複数の円柱形の成形空間を形成する。
【0021】
また、下型24の上面には複数の位置決めピン24Bが突出する。上型22の下面には位置決めピン24Bが嵌め入れられる複数の穴(図示せず)が形成されている。位置決めピン24Bが複数の穴に挿入されて、下型24に対して上型22の位置が揃えられ、成形溝22Aはそれぞれ成形溝24Aに重ね合わせられる。逆に、位置決めピン24Bが上型22に固定され、穴が下型24に形成されてもよい。
【0022】
成形型4の各成形空間は、未架橋のゴム材料27から棒すなわち長尺体を成形するために使用される。各成形溝24Aには、過酸化物である架橋剤が添加された未架橋のゴム材料27が置かれ、成形溝22A,24Aの対でゴム材料27が成形されて、加工された長尺体28が製造される。
図3に示すゴム材料27は、得られる長尺体28に近似する形状を有する棒である。但し、ゴム材料27は、板であってもよく、この場合には、成形溝22A,24Aの対で板から棒すなわち長尺体28が成形される。
【0023】
この後、下型24には、上型22が重ね合わせられ、ゴム材料27は、成形溝22A,24Aの対で形成された成形空間内に配置される。成形型4を用いて、ゴム材料27には熱および圧力が与えられ、ゴムの架橋が進行させられて硬化した長尺体28が完成する。後述するように、長尺体28では、長手方向中央部では、ゴムの架橋が進行するが、端部でのゴムの架橋は抑制され架橋が十分ではない。
【0024】
図4に示すように、成形型4の各成形空間は、上記の方法によりゴムで形成された2つの長尺体(セグメント)28A,28Bの端部を接合して、より長い長尺体30を形成するために使用してもよい。具体的には、各成形溝24Aには、長尺体28A,28Bが置かれる。この際、長尺体28Aの一端部と長尺体28Bの一端部は互いに近接(例えば接触)させられる。長尺体28A,28Bの端部は、架橋が十分ではない状態である。
【0025】
この後、下型24には、上型22が重ね合わせられ、長尺体28A,28Bは、成形溝22A,24Aの対で形成された成形空間内に配置される。成形型4を用いて、長尺体28A,28Bには熱および圧力が与えられ、ゴムの架橋が進行させられて長尺体28A,28Bの端部が接合される。このようにして、長尺体30が完成する。
【0026】
成形型4の各成形空間は、ゴムで形成された1つの長尺体の2つの端部を接合して、無端のループ体(例えばOリング)を形成するために使用されてもよい。上記の説明の2つの長尺体28A,28Bを1つの長尺体の両端と考え、より長い長尺体30をループ体と考えることにより、当業者には、ループ体の形成の工程が理解されるであろう。
【0027】
図3および
図4から明らかなように、成形溝22A,24Aの対で形成された各成形空間は、両端部が開放した円柱状の空間である。成形型4の周囲に空気がある環境では、成形空間内に空気が侵入し、ゴム材料27ならびに長尺体28A,28Bは空気に曝される。この実施形態においては、酸素で阻害されやすい過酸化物架橋を利用してゴムを加工および接合するため、ゴム材料27ならびに長尺体28A,28Bのゴムの架橋の工程は、減圧脱気された環境下で実施される。
【0028】
図1に示すように、プラットフォーム2の上面には、下方加熱ユニット10が載せられている。下方加熱ユニット10は、中央加熱板(中央加熱装置)32、2つの冷却板(冷却装置)34、2つの中間加熱板(中間加熱装置)36、および4つの遮熱板38,39を有する。
【0029】
中央加熱板32は、例えば金属から形成された板であり、成形型4の長手方向中央部を加熱する。中央加熱板32の加熱原理は、誘導加熱でもよいし抵抗加熱でもよい。
【0030】
各冷却板34は、例えば金属から形成された板であり、成形型4の長手方向端部を冷却する。図示しないが、冷却板34の内部には、冷媒(例えば水)が循環する管路が形成されている。
【0031】
各中間加熱板36は、例えば金属から形成された板であり、成形型4の長手方向中央部と長手方向端部の間の中間部を加熱する。中間加熱板36の加熱原理は、誘導加熱でもよいし抵抗加熱でもよい。
【0032】
中央加熱板32と中間加熱板36の間には遮熱板38が介在させられ、中間加熱板36と冷却板34の間にも遮熱板39が介在させられている。各遮熱板は断熱材料から形成された板である。
【0033】
下方加熱ユニット10の上には、下方支持板40が下方加熱ユニット10に対して横方向に摺動可能に載せられており、下型24は下方支持板40に固定されている。
【0034】
他方、上型22は上方支持板41に固定されて、下型24に対向する。上方支持板41の上方には、加圧シリンダー12が配置されている。
【0035】
加圧シリンダー12は、例えば、油圧シリンダーまたは空気圧シリンダーであって、昇降可能なシリンダーヘッド13を有する。シリンダーヘッド13の下面には、上方加熱ユニット8が固定されている。
【0036】
上方加熱ユニット8は、中央加熱板(中央加熱装置)42、2つの冷却板(冷却装置)44、2つの中間加熱板(中間加熱装置)46、および4つの遮熱板48,49を有する。
【0037】
中央加熱板42は、例えば金属から形成された板であり、成形型4の長手方向中央部を加熱する。中央加熱板42の加熱原理は、誘導加熱でもよいし抵抗加熱でもよい。
【0038】
各冷却板44は、例えば金属から形成された板であり、成形型4の長手方向端部を冷却する。図示しないが、冷却板44の内部には、冷媒(例えば水)が循環する管路が形成されている。
【0039】
各中間加熱板46は、例えば金属から形成された板であり、成形型4の長手方向中央部と長手方向端部の間の中間部を加熱する。中間加熱板46の加熱原理は、誘導加熱でもよいし抵抗加熱でもよい。
【0040】
中央加熱板42と中間加熱板46の間には遮熱板48が介在させられ、中間加熱板46と冷却板44の間にも遮熱板49が介在させられている。各遮熱板は断熱材料から形成された板である。
【0041】
長尺体28を製造する工程において、中央加熱板32,42はゴム材料27の長手方向中央部を加熱し、冷却板34,44はゴム材料27の長手方向端部を冷却し、中間加熱板36,46は、ゴム材料27の長手方向中央部と端部の中間部を加熱する。他方、長尺体28A,28Bを接合する工程において、中央加熱板32,42は長尺体28A,28Bの端部を加熱し、冷却板34,44は長尺体28A,28Bの長手方向中央部を冷却し、中間加熱板36,46は、長尺体28A,28Bの長手方向中央部と端部の中間部を加熱する。
【0042】
中央加熱板32,42および中間加熱板36,46の加熱は、制御装置50により制御される。例えば、制御装置50は、中央加熱板32,42および中間加熱板36,46への供給電流または供給電圧を制御する。長尺体28を製造する工程および長尺体28A,28Bを接合する工程において、中央加熱板32,42の設定温度は、例えば170~190℃であり、中間加熱板36,46の設定温度は、例えば120~140℃である。
【0043】
制御装置50は、冷却板34,44の冷却を制御してもよい。例えば、制御装置50は、冷却板34,44の冷媒の流量を制御してよい。長尺体28を製造する工程および長尺体28A,28Bを接合する工程において、冷却板34,44の冷媒の温度は、例えば30℃であり、冷却板34,44の想定温度は、例えば53℃である。
【0044】
上方支持板41は、上方加熱ユニット8に対して横方向に摺動可能である。
【0045】
加圧シリンダー12のシリンダーヘッド13が降下されると、上方加熱ユニット8は、上方支持板41の上面に接触させられ、上型22が下型24に組み合わせられ、成形型4によりゴム材料27または長尺体28A,28Bが加圧される。加熱ユニット8,10は成形型4を加熱する。したがって、長尺体28を製造する工程では、長尺体28の長手方向中央部のゴムの架橋が進行させられ、長尺体28A,28Bを接合する工程では、長尺体28A,28Bの端部のゴムの架橋が進行させられる。このように、長尺体28を製造する工程では、加圧シリンダー12は、収容空間20内の加熱された成形型4を用いてゴム材料27を加圧して、ゴムの架橋を進行させて長尺体28の長手方向中央部を硬化させながら、成形型4による長尺体28Aの成形を促進する。長尺体28A,28Bを接合する工程では、加圧シリンダー12は、収容空間20内の加熱された成形型4を用いて長尺体28A,28Bを加圧して、ゴムの架橋を進行させて長尺体28A,28Bの端部を接合する。加熱ユニット8,10の中央加熱板32,42、冷却板34,44、中間加熱板36,46および遮熱板38,39,48,49は、成形型4の複数の部分、ひいてはゴム材料27ならびに長尺体28A,28Bの複数の部分に適切な温度分布をもたらす。これにより、長尺体28を製造する工程では、長尺体28の長手方向中央部では、ゴムの架橋が進行するが、端部でのゴムの架橋は抑制されると同時に、長尺体28の長手方向中央部と端部の温度差が過剰になることが抑制され、長尺体28の変形やベタツキ、発泡等の異常の発生が抑制される。一方、長尺体28A,28Bを接合する工程では、長尺体28A,28Bの接合される端部では、ゴムの架橋が進行するが、端部以外の部分でのゴムの架橋は進行しないようにすることが可能である。
【0046】
上型22と下型24の接近時に下方支持板40に対して上方支持板41を位置決めするため、上方支持板41の下面には位置決めピンすなわちノックピン51が固定されており、下方支持板40の上面には円筒形のノックピンブッシュ52が固定されている。上方支持板41の降下の際、ノックピン51はノックピンブッシュ52の孔に挿入されて、下方支持板40に対して上方支持板41の位置を適切にする。逆に、ノックピン51が下方支持板40に固定され、ノックピンブッシュ52が上方支持板41に固定されてもよい。
【0047】
また、上方支持板41の下面または下方支持板40の上面には、コイルスプリング54が取り付けられている。シリンダーヘッド13が上昇させられ、上方支持板41を下方に押圧する力が排除されると、コイルスプリング54は、上方支持板41を下方支持板40から離間させ、これにより上型22を下型24から離間させる。
【0048】
加圧シリンダー12のシリンダーヘッド13、上方加熱ユニット8、上方支持板41、上型22、下型24、下方支持板40、および下方加熱ユニット10は、ハウジング6の内部空間に配置されている。すなわち、これらは、ハウジング6が降下されると、収容空間20の内部に配置される。収容空間20は脱気ポンプ14によって減圧脱気され、ゴム材料27ならびに長尺体28A,28Bのゴムの架橋の工程は、減圧脱気された環境下で実施される。加圧シリンダー12の全体は、ハウジング6の内部空間に配置されてもよいし、加圧シリンダー12のアクチュエータ部分は、ハウジング6の外部に配置されてもよい。
【0049】
図5に示すように、上型22および上方支持板41は、90度回転可能である。このため、上型22および上方支持板41は、ヒンジ装置(図示せず)に取り付けられている。
【0050】
次に、加工装置1を用いた長尺体28の製造方法および長尺体28A,28Bの接合方法を説明する。長尺体28A,28Bの接合方法は、より長い長尺体30の製造方法と呼ぶことができる。
【0051】
まず、架橋が十分ではない状態であるゴム材料27を準備する。ゴム材料27の主原料である主ゴム材料は、例えば、フッ素ゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、高飽和ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アクリルゴム、ウレタンゴムなどの架橋可能なエラストマーのいずれであってもよい。これらの主ゴム材料は、樹脂成分を含んでもよい。
【0052】
また、主ゴム材料に添加される架橋剤は、この実施形態では、過酸化物架橋剤であって、例えば、1,3ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5ジメチル2,5ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ジクミルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5-ジメチル2,5-ジベンゾイルパーオキシヘキサン、n-ブチル4,4-ジt-ブチルパーオキシバレレート、t-ブチルパーオキシベンゾエイト、ジ(t-ブチルパーオキシジイソプロピル)ベンゼン、t-ブチルクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル2,5-ジt-ブチルパーオキシヘキサン、ジt-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン3のいずれか1つ、またはこれらの組み合わせであってもよい。主ゴム材料には、その他の添加剤が添加されてもよい。
【0053】
次に、
図5に示すように、昇降装置16によってハウジング6がプラットフォーム2から上昇させられた状態で、下型24の各成形溝24Aに、準備されたゴム材料27を置く(
図3参照)。この段階では、上型22および上方支持板41を
図5の実線で示すように、鉛直状態にする。
【0054】
次に、上型22および上方支持板41を
図5の仮想線で示すように、水平状態にする。そして、昇降装置16を駆動してハウジング6を下降させ、
図1および
図2に示すように、ハウジング6とプラットフォーム2によって、外界から遮断された収容空間20を設ける。
【0055】
次に、脱気ポンプ14を駆動して、収容空間20の内部を減圧脱気する。
【0056】
次に、加圧シリンダー12を駆動して、シリンダーヘッド13、上方加熱ユニット8、冷却板9を降下させる。降下の途中で、上方加熱ユニット8が上方支持板41に接触し、上方支持板41と上型22を降下させ始め、ノックピン51がノックピンブッシュ52に進入し、下方支持板40に対して上方支持板41の位置を適切にする。また、下型24の位置決めピン24Bが上型22の穴に進入し(
図3参照)、下型24に対して上型22の位置を適切にする。
【0057】
このようにして、シリンダーヘッド13の降下に伴って、下型24に上型22が組み合わせられ、ゴム材料27は、成形溝22A,24Aの対で形成された成形空間内に配置される。成形型4を用いて、ゴム材料27には圧力が与えられ、ゴム材料27の長手方向中央部では高い温度によってゴムの架橋が進行させられ、ゴム材料27の長手方向端部では低い温度によってゴムの架橋が抑制され、長尺体28が完成する。但し、適切な温度分布により、ゴム材料27の長手方向中央部と端部の温度差が過剰になることが抑制され、長尺体28の変形やベタツキ、発泡等の異常の発生が抑制される。
【0058】
ゴム材料27に熱を与える加熱ユニット8,10の加熱板32,36,42,46の加熱は、下型24の各成形溝24Aにゴム材料27を置く前に開始してもよい(例えば、加熱板32,36,42,46を予熱してもよい)。過酸化物架橋を好適に遂行するため、好ましくは、収容空間20を減圧脱気し、ゴム材料27の長手方向中央部が架橋に適する温度になるように制御する。例えば、下型24に上型22が組み合わせられた後に、加熱板32,36,42,46の温度を上昇させてもよい。
【0059】
ゴム材料27への加圧と加熱は、所定時間にわたって行われ、所定時間の満了後、加圧シリンダー12を駆動して、シリンダーヘッド13を上昇させる。この際、コイルスプリング54の反発力によって、上型22の穴から位置決めピン24Bが脱出し(
図3参照)、ノックピンブッシュ52からノックピン51が脱出し、上型22は下型24および長尺体28から離間される。
【0060】
次に、昇降装置16を駆動して、
図5に示すように、ハウジング6を上昇させて、プラットフォーム2から離間させる。
【0061】
次に、上型22および上方支持板41を
図5の実線で示すように、鉛直状態にする。この後、完成した長尺体28を下型24から取り出す。
【0062】
次に、長尺体28A,28Bの端部を接合しやすくするため、長尺体28A,28Bの端部を
図4に示すように、斜めに切断する。次に、
図5に示すように、昇降装置16によってハウジング6がプラットフォーム2から上昇させられた状態で、下型24の各成形溝24Aに、長尺体28A,28Bを置く(
図4参照)。この段階では、上型22および上方支持板41を
図5の実線で示すように、鉛直状態にする。
【0063】
次に、上型22および上方支持板41を
図5の仮想線で示すように、水平状態にする。そして、昇降装置16を駆動してハウジング6を下降させ、
図1および
図2に示すように、ハウジング6とプラットフォーム2によって、外界から遮断された収容空間20を設ける。
【0064】
次に、脱気ポンプ14を駆動して、収容空間20の内部を減圧脱気する。
【0065】
次に、加圧シリンダー12を駆動して、シリンダーヘッド13、上方加熱ユニット8、冷却板9を降下させる。降下の途中で、上方加熱ユニット8が上方支持板41に接触し、上方支持板41と上型22を降下させ始め、ノックピン51がノックピンブッシュ52に進入し、下方支持板40に対して上方支持板41の位置を適切にする。また、下型24の位置決めピン24Bが上型22の穴に進入し(
図4参照)、下型24に対して上型22の位置を適切にする。
【0066】
このようにして、シリンダーヘッド13の降下に伴って、下型24に上型22が組み合わせられ、長尺体28A,28Bは、成形溝22A,24Aの対で形成された成形空間内に配置される。成形型4を用いて、長尺体28A,28Bには圧力が与えられ、長尺体28A,28Bの長手方向端部では高い温度によってゴムの架橋が進行させられて長尺体28A,28Bが接合され、より長い長尺体30が完成する。他方、長尺体28A,28Bの長手方向中央部では低い温度によってゴムの架橋が抑制される。
【0067】
長尺体28A,28Bに熱を与える加熱ユニット8,10の加熱板32,36,42,46の加熱は、下型24の各成形溝24Aに長尺体28A,28Bを置く前に開始してもよい(例えば、加熱板32,36,42,46を予熱してもよい)。過酸化物架橋を好適に遂行するため、好ましくは、収容空間20を減圧脱気し、長尺体28A,28Bの端部が架橋に適する温度になるように制御する。例えば、下型24に上型22が組み合わせられた後に、加熱板32,36,42,46の温度を上昇させてもよい。
【0068】
長尺体28A,28Bへの加圧と加熱は、所定時間にわたって行われ、所定時間の満了後、加圧シリンダー12を駆動して、シリンダーヘッド13を上昇させる。この際、コイルスプリング54の反発力によって、上型22の穴から位置決めピン24Bが脱出し(
図4参照)、ノックピンブッシュ52からノックピン51が脱出し、上型22は下型24および長尺体30から離間される。
【0069】
次に、昇降装置16を駆動して、
図5に示すように、ハウジング6を上昇させて、プラットフォーム2から離間させる。
【0070】
次に、上型22および上方支持板41を
図5の実線で示すように、鉛直状態にする。この後、完成した長尺体30を下型24から取り出す。
【0071】
図6は、長尺体28の製造手順の例を示す概略図である。
図6においては、長尺体の加工装置1の一部のみを示す。
【0072】
上記の製造方法に従って、ゴム材料27から両端部が未架橋状態であり長手方向中央部が架橋状態である長尺体28を製造することができる。この工程において、ゴム材料27の長手方向中央部では高温によって架橋が進行させられるので、長尺体28の長手方向中央部は硬化させられ、ゴム材料27の長手方向端部では低温によって架橋が進行させられないので、長尺体28の長手方向端部では架橋が不十分である。次に、長尺体28の端部を接合しやすくするため、長尺体28の端部を
図4に示すように、斜めに切断する。
【0073】
図7は、長尺体の接合手順の例を示す概略図である。
図7においては、長尺体の加工装置1の一部のみを示す。
【0074】
まず、上記の接合方法に従って、
図7の上部に示すように、2つの長尺体28A,28Bの端部を接合して、より長い長尺体30を形成する。この工程において、長尺体28A,28Bの接合される端部では架橋が進行させられるので、長尺体28A,28Bの長手方向端部は接合され、長尺体28A,28Bの長手方向中央部では低温によって架橋が進行させられないので、過剰な架橋が抑制される。長尺体28A,28Bの長手方向中央部では、長尺体28の製造工程で既に高温によって架橋が進行しており、この部分が再度加熱されると、この部分の架橋が進行し過ぎる。ゴムの過度な架橋は、硬化や変形といった不具合をもたらすことがあり、好ましくない。
【0075】
次に、上型22が下型24から離間した状態で、長尺体30を成形型4に対して成形型4の長手方向に移動する。そして、
図7の下部に示すように、他の長尺体28Cの端部を長尺体30の端部に近接(例えば接触)させ、上記の接合方法に従って、2つの長尺体28C,30の端部を接合して、より長い長尺体を形成する。
【0076】
かくして3つの長尺体から構成された長尺体が形成される。以下、材料となる長尺体(例えば、長尺体28A,28B,28C)をセグメントと呼び、接合で形成されたより長い長尺体(例えば、長尺体30)を組合せと呼ぶ。このような工程を繰り返して、4つ以上のセグメントから構成された組合せを形成してもよい。図示しないが、複数のセグメントから構成された1つの組合せの2つの端部を接合して、無端のループ体を形成してもよい。
【0077】
セグメントの接合される端部は適切な高温に維持されるべきであり、端部以外の部分は適切な低温に維持されるべきである。
【0078】
この実施形態においては、成形型4の長手方向中央部4Aは、中央加熱板32,42により加熱される。成形型4の長手方向中央部4Aは、長尺体28の製造工程で長尺体28の長手方向中央部を加熱しながら成形し、長尺体28A,28Bの接合工程で長尺体28A,28Bの端部を加熱しながら接合する。また、成形型4の2つの長手方向端部4Bは、複数の冷却板34,44により冷却される。成形型4の2つの長手方向端部4Bは、長尺体28の製造工程で長尺体28の長手方向端部を冷却しながら成形し、長尺体28A,28Bの接合工程で長尺体28A,28Bの長手方向中央部を冷却する。さらに、成形型4の長手方向中央部4Aと長手方向端部4Bの間の2つの中間部4Cは、中央加熱板32,42と異なる複数の中間加熱板36,46により、中央加熱板32,42より低い温度で加熱される。
【0079】
上方加熱ユニット8において、中央加熱板42と中間加熱板46の間には遮熱板48が配置され、冷却板44と中間加熱板46の間にも遮熱板49が配置されている。下方加熱ユニット10において、中央加熱板32と中間加熱板36の間には遮熱板38が配置され、冷却板34と中間加熱板36の間にも遮熱板39が配置されている。したがって、成形型4の複数の部分、ひいては長尺体の複数の部分に適切な温度分布をもたらすことが可能である。
【0080】
成形型4の複数の部分、ひいては長尺体の複数の部分に適切な温度分布をもたらすように、中央加熱板32,42および中間加熱板36,46の加熱は、制御装置50により制御される。冷却板34,44の冷却も制御装置50により制御してよい。
【0081】
好ましくは、加熱ユニット8,10の各々の長手方向において、中央から端部に向けて、段階的に温度が低くなる温度分布が達成される。例えば、中央加熱板32,42の温度を180℃に設定し、中間加熱板36,46の温度を130℃に設定し、冷却板34,44の冷媒の温度を30℃に設定した場合に、中央加熱板32,42と遮熱板38,48の境界の温度は162℃、遮熱板38,48と中間加熱板36,46の境界の温度は144℃、中間加熱板36,46と遮熱板39,49の境界の温度は105℃、遮熱板39,49と冷却板34,44の境界の温度は85℃、冷却板34,44の温度は53℃にされる。この実施形態では、中間加熱板36,46および遮熱板38,48,39,49によって、好ましい段階的な温度分布が達成され、しかも好ましい段階的な温度分布が安定的に維持される。
【0082】
以上、本発明の好ましい実施形態を参照しながら本発明を図示して説明したが、当業者にとって特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく、形式および詳細の変更が可能であることが理解されるであろう。このような変更、改変および修正は本発明の範囲に包含されるはずである。
【0083】
例えば、上記の実施形態では、過酸化物架橋を利用して、ゴム材料が架橋される。しかし、架橋の方式は、これに限定されず、硫黄架橋、ビスマレイミド架橋、キノイド架橋、フェノール樹脂架橋、アゾ架橋、ビスアジド架橋、エポキシ架橋、双極性化合物架橋、アミン架橋、またはその他の架橋を利用してもよい。空気の存在に関わらず、進行する架橋方式の場合、ゴムの加工環境は脱気されなくてもよい。
【0084】
上記の実施形態では、断面が円形の長尺体28が製造され、断面が円形の長尺体28A,28Bの端部が接合されて、長尺体30が製造される。しかし、断面がD形の長尺体を製造してもよいし、断面がD形の長尺体の端部を接合してもよく、最終的に無端のDリングを製造してもよい。断面がX形の長尺体を製造してもよいし、断面がX形の長尺体の両端部を接合してもよく、最終的に無端のXリングを製造してもよい。他の断面形状の長尺体を製造および接合してもよい。
【0085】
上記の実施形態では、成形型4は、複数の成形溝22A,24Aから構成される複数の成形空間を有し、一度に複数の長尺体またはループ体を製造することが可能である。しかし、1つの成形空間を有する成形型を使用して、一度に1つだけ長尺体またはループ体を製造してもよい。
【0086】
上記の実施形態では、加熱ユニット8,10は一様な厚さを有する。しかし、適切な温度分布をもたらすように、加熱ユニット8,10の部分部分の厚さを異ならせてもよい。
【0087】
上記の実施形態では、加熱ユニット8,10の各々は2つの中間加熱板を有する。しかし、各加熱ユニットにさらに多くの中間加熱板を設けてもよく、これらの中間加熱板の間に遮熱板を設けてよい。
【0088】
上記の実施形態では、加熱装置は、中央加熱板32,42および中間加熱板36,46として板の形状を有する。また、冷却装置は、冷却板34,44として板の形状を有する。しかし、これらのすべてまたは一部は、例えば、管路など他の形状を有していてもよい。
【0089】
上記の実施形態では、長尺体の加工装置1は上方加熱ユニット8と下方加熱ユニット10を有し、各加熱ユニットが中央加熱装置、冷却装置、中間加熱装置、および遮熱板を有する。しかし、上方加熱ユニット8と下方加熱ユニット10の一方を設けなくてもよい。また、一方の加熱ユニットが中央加熱装置、冷却装置、中間加熱装置、および遮熱板を有し、他方の加熱ユニットがこれと異なる要素を有してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 長尺体の加工装置
4 成形型
4A 長手方向中央部
4B 長手方向端部
4C 中間部
8 上方加熱ユニット
10 下方加熱ユニット
12 加圧シリンダー(加圧装置)
22 上型
24 下型
27 ゴム材料
28,28A,28B 長尺体
30 長尺体
32,42 中央加熱板(中央加熱装置)
34,44 冷却板(冷却装置)
36,46 中間加熱板(中間加熱装置)
38,39,48,49 遮熱板
50 制御装置