(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63B 67/04 20060101AFI20230310BHJP
【FI】
A63B67/04 J
A63B67/04 A
(21)【出願番号】P 2019109112
(22)【出願日】2019-06-11
【審査請求日】2022-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】306014714
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコアミューズメント
(73)【特許権者】
【識別番号】517173422
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100131303
【氏名又は名称】吉村 徳人
(74)【代理人】
【識別番号】100070183
【氏名又は名称】吉村 公一
(72)【発明者】
【氏名】笹島 幸志
(72)【発明者】
【氏名】濟木 進
(72)【発明者】
【氏名】川池 裕朗
(72)【発明者】
【氏名】須山 勲
(72)【発明者】
【氏名】戸島 高広
【審査官】槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-97166(JP,U)
【文献】実開昭60-163972(JP,U)
【文献】特開2010-233751(JP,A)
【文献】登録実用新案第3221913(JP,U)
【文献】ITmedia,“激ムズ! 傾いてネットが動く卓球台”,ねとらぼ,ITmedia Inc.,2012年02月20日,p.1-5,インターネット<URL:https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1202/20/news099.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 67/04
A63B 61/00
A63B 69/00
A63F 13/812
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイフィールドと、
前記プレイフィールドに沿って移動可能に設けられ、前記プレイフィールドを複数のプレイ領域に仕切る仕切部材と、
前記仕切部材の移動を制御する制御手段と、
プレイヤの動作又は状態を検出する検出手段と、を備え、
前記複数のプレイ領域のそれぞれに対応する前記検出手段を有し、
前記制御手段は、
複数の前記検出手段の検出結果を比較した結果に応じて前記仕切部材の移動方向及び移動量を決定することを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
プレイフィールドと、
前記プレイフィールドに沿って移動可能に設けられ、前記プレイフィールドを複数のプレイ領域に仕切る仕切部材と、
前記仕切部材の移動を制御する制御手段と、
プレイヤの動作又は状態を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に応じた情報を表示する表示部と、を備え、
前記制御手段は、前記検出手段の検出結果に応じて前記仕切部材の移動方向及び移動量を決定することを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
プレイフィールドと、
前記プレイフィールドに沿って移動可能に設けられ、前記プレイフィールドを複数のプレイ領域に仕切る仕切部材と、
前記仕切部材の移動を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、ゲームの進行に応じて前記仕切部材の移動方向及び移動量を決定することを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
プレイフィールドと、
前記プレイフィールドに沿って移動可能に設けられ、前記プレイフィールドを複数のプレイ領域に仕切る仕切部材と、
前記仕切部材の移動を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、プレイヤの得点に応じて前記仕切部材の移動方向及び移動量を決定することを特徴とするゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームを提供することが可能なゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイフィールドを複数のプレイ領域に仕切る仕切部材を備えるゲーム装置が知られている(特許文献1参照)。このゲーム装置は、卓球台と、卓球台の上面(プレイフィールド)を2つの領域に仕切るネット(仕切部材)と、を含んで構成されている。特に、このゲーム装置では、ネットが上下方向に沿って変位可能に構成されていることにより、ゲーム性を向上している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のゲーム装置では、ゲーム性の向上に限度がある。すなわち、従来のゲーム装置では、ネットの配置が卓球台の中央部に固定されている。これによって、ネットにより仕切られる各プレイ領域の大きさに変化がなく、ゲーム性の向上に限度がある。
本発明の課題は、ゲーム性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第一の発明に係るゲーム装置は、プレイフィールドと、前記プレイフィールドに沿って移動可能に設けられ、前記プレイフィールドを複数のプレイ領域に仕切る仕切部材と、前記仕切部材の移動を制御する制御手段と、プレイヤの動作又は状態を検出する検出手段と、を備え、前記複数のプレイ領域のそれぞれに対応する前記検出手段を有し、前記制御手段は、複数の前記検出手段の検出結果を比較した結果に応じて前記仕切部材の移動方向及び移動量を決定することを特徴とする。
第一の発明に係るゲーム装置では、プレイフィールドを複数のプレイ領域に仕切る仕切部材が、プレイフィールドに沿って移動可能に設けられている。これによって、仕切部材の移動により、各プレイ領域の広さを変化させることが可能となる。
特に、第一の発明に係るゲーム装置では、複数の検出手段の検出結果を比較した結果に応じて各プレイ領域の大きさを変化させることが可能となる。
以上により、第一の発明に係るゲーム装置では、ゲーム性を向上することが可能となる。
ここで、プレイフィールドとしては、後述するプレイフィールドFが該当する。複数のプレイ領域としては、後述するプレイ領域f1,f2が該当する。仕切部材としては、後述する可動式ネット130が該当する。制御手段としては、後述する制御基板400が該当する。所定条件としては、後述する測定ユニット300の検出結果、得点、ゲーム(プログラム)の進行等が該当する。検出手段としては、後述する測定ユニット300(または、各センサユニット310A,310B)が該当する。
【0009】
第二の発明に係るゲーム装置は、プレイフィールドと、前記プレイフィールドに沿って移動可能に設けられ、前記プレイフィールドを複数のプレイ領域に仕切る仕切部材と、
前記仕切部材の移動を制御する制御手段と、プレイヤの動作又は状態を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に応じた情報を表示する表示部と、を備え、前記制御手段は、前記検出手段の検出結果に応じて前記仕切部材の移動方向及び移動量を決定することを特徴とする。
第二の発明に係るゲーム装置では、プレイフィールドを複数のプレイ領域に仕切る仕切部材が、プレイフィールドに沿って移動可能に設けられている。これによって、仕切部材の移動により、各プレイ領域の広さを変化させることが可能となる。
特に、第二の発明に係るゲーム装置では、プレイヤの動作又は状態に応じて各プレイ領域の大きさを変化させることができ、ゲーム性を更に向上することが可能となる。
さらに、第二の発明に係るゲーム装置では、プレイヤが検出手段の検出結果を把握することができ、プレイの興趣を向上することが可能となる。
ここで、プレイフィールドとしては、後述するプレイフィールドFが該当する。複数のプレイ領域としては、後述するプレイ領域f1,f2が該当する。仕切部材としては、後述する可動式ネット130が該当する。制御手段としては、後述する制御基板400が該当する。所定条件としては、後述する測定ユニット300の検出結果、得点、ゲーム(プログラム)の進行等が該当する。検出手段としては、後述する測定ユニット300(または、各センサユニット310A,310B)が該当する。表示部としては、後述する表示部220が該当する。
【0010】
第三の発明に係るゲーム装置は、プレイフィールドと、前記プレイフィールドに沿って移動可能に設けられ、前記プレイフィールドを複数のプレイ領域に仕切る仕切部材と、前記仕切部材の移動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、ゲームの進行に応じて前記仕切部材の移動方向及び移動量を決定することを特徴とする。
第三の発明に係るゲーム装置では、プレイフィールドを複数のプレイ領域に仕切る仕切部材が、プレイフィールドに沿って移動可能に設けられている。これによって、仕切部材の移動により、各プレイ領域の広さを変化させることが可能となる。
特に、第三の発明に係るゲーム装置では、ゲーム(プログラム)の進行に応じて各プレイ領域の大きさを変化させることができ、ゲーム性を更に向上することが可能となる。
ここで、プレイフィールドとしては、後述するプレイフィールドFが該当する。複数のプレイ領域としては、後述するプレイ領域f1,f2が該当する。仕切部材としては、後述する可動式ネット130が該当する。制御手段としては、後述する制御基板400が該当する。所定条件としては、後述する測定ユニット300の検出結果、得点、ゲーム(プログラム)の進行等が該当する。
【0011】
第四の発明に係るゲーム装置は、プレイフィールドと、前記プレイフィールドに沿って移動可能に設けられ、前記プレイフィールドを複数のプレイ領域に仕切る仕切部材と、
前記仕切部材の移動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、プレイヤの得点に応じて前記仕切部材の移動方向及び移動量を決定することを特徴とする。
第四の発明に係るゲーム装置では、プレイフィールドを複数のプレイ領域に仕切る仕切部材が、プレイフィールドに沿って移動可能に設けられている。これによって、仕切部材の移動により、各プレイ領域の広さを変化させることが可能となる。
特に、第四の発明に係るゲーム装置では、プレイヤの得点に応じて各プレイ領域の大きさを変化させることができ、ゲーム性を更に向上することが可能となる。
ここで、プレイフィールドとしては、後述するプレイフィールドFが該当する。複数のプレイ領域としては、後述するプレイ領域f1,f2が該当する。仕切部材としては、後述する可動式ネット130が該当する。制御手段としては、後述する制御基板400が該当する。所定条件としては、後述する測定ユニット300の検出結果、得点、ゲーム(プログラム)の進行等が該当する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ゲーム性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】プレイフィールド盤120を取り外した状態の本体ユニット100を示す斜視図である。
【
図3】センサユニット310A,310Bの平面図である。
【
図4】センサ基板3
20の構成を示すブロック図である。
【
図5】1人のプレイヤがセンサユニット310A,310Bに接触した場合に制御基板400において取得される電圧値データの内容を説明するための図である。
【
図6】2人のプレイヤがセンサユニット310A,310Bに接触した場合に制御基板400において取得される電圧値データの内容を説明するための図である。
【
図7】ゲーム装置1の制御系の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係るゲーム装置1について、図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係るゲーム装置を、プレイヤ(ユーザ)に卓球ゲームをプレイ(実行)させることが可能なゲーム装置1に適用した一例を説明する。
「卓球ゲーム」は、卓球台(具体的には、後述する筐体110又はプレイフィールド盤120)を挟んで相対したプレイヤ(または、チーム)が、ラケットでボールを打ち合い、得点を競うゲームとなっている。
すなわち、卓球台の上面には、長方形のコート(具体的には、後述するプレイフィールドF)が形成されており、コートの長辺が延びる方向に対して直交する方向(すなわち、コートの短辺が延びる方向)に沿って延びるネット部材(具体的には、後述する可動式ネット130)によって、コートが2つの領域(自分側のコート及び相手側のコート(具体的には、後述する第1プレイ領域f1及び第2プレイ領域f2))に仕切られている。
そして、いずれかのプレイヤのサービスによりラリーが開始され、ラリー中には、相対するプレイヤにより交互に返球が繰り返される。この際、各プレイヤにおいて、相手側のプレイヤの打球について、自分側のコートに1回バウンドした後に、相手側のコートにバウンドするように打ち返せた場合、返球が成功となり、相手側のコートにバウンドするように打ち返せない場合、返球が失敗となる。そして、返球が失敗となると、相手のプレイヤの得点となる。
【0015】
(ゲーム装置1の構成)
まず、ゲーム装置1の構成を説明する。
図1は、ゲーム装置1の斜視図である。
図2は、プレイフィールド盤120を取り外した状態の本体ユニット100を示す斜視図である。
ゲーム装置1は、ゲームセンター等のアミューズメント施設内において、床面等の設置面に配置される。
図1に示すように、ゲーム装置1は、本体ユニット100と、情報表示ユニット200と、測定ユニット300(
図4参照)と、を含んで構成されている。
【0016】
(本体ユニット100の構成)
本体ユニット100は、卓球台として構成されている。具体的に、本体ユニット100は、筐体110と、プレイフィールド盤120と、可動式ネット130と、を含んで構成されている。
筐体110は、略直方体の箱状に形成されている。筐体110の底面には、複数のキャスター(図示せず)が設けられている。これによって、本体ユニット100は、設定面上を移動させることが可能となっている。また、筐体110の側面には、一対の得点ボタン110a,110bと、硬貨投入部112と、が設けられている。
得点ボタン110aは、後述する第1プレイ領域f1側に配置されている。得点ボタン110bは、後述する第2プレイ領域f2側に配置されている。
各得点ボタン110a,110bは、プレイヤによる押下操作が可能な押下操作部を含んで構成され、押下操作部の押下操作に応じて、所定の検出信号を、後述する制御基板400に対して出力する。
硬貨投入部112は、プレイヤによる硬貨(コイン)の投入が可能となっており、硬貨の投入の検出に応じて、所定の検出信号を、制御基板400に対して出力する。硬貨投入部112は、コインセレクタ等により実現できる。
【0017】
プレイフィールド盤120は、平面視で略長方形の平板状に形成されている。プレイフィールド盤120の上面には、プレイフィールドFが形成されている。本実施形態では、プレイフィールド盤120の上面の全域がプレイフィールドFとされている。プレイフィールドFは、平面視で略長方形の水平な平面として構成されている。
以下の説明では、プレイフィールド盤120(または、プレイフィールドF)の長辺が延びる方向を「長辺方向」とし、プレイフィールド盤120(または、プレイフィールドF)の短辺が延びる方向(すなわち、長辺方向に直交する方向)を「短辺方向」とする。
プレイフィールド盤120は、筐体110により支持されており、設置面に対して所定の高さをもって配置されている。筐体110の上端部には、支持フレーム(図示せず)が固定されている。そして、プレイフィールド盤120は、支持フレームを介して、筐体110に取り付けられている。
【0018】
図2に示すように、可動式ネット130は、一対の支柱部材131a,131bと、一対の支柱部材131a,131bにより支持されたネット部材132と、を含んで構成されている。
各支柱部材131a,131bは、略棒状に形成されている。支柱部材131aは、プレイフィールド盤120(プレイフィールドF)の短辺方向の一方側の側方に配置されている。支柱部材131bは、プレイフィールド盤120(プレイフィールドF)の短辺方向の他方側の側方に配置されている。各支柱部材131a,131bは、鉛直方向に沿って延びるように配置されている。そして、各支柱部材131a,131bの上端は、プレイフィールドFに対して所定の高さに位置している。
【0019】
ネット部材132は、一対の支柱部材131a,131bの間に懸架され、ボールによる一対の支柱部材131a,131bの間の通過を阻止することが可能となるように構成されている。ネット部材132は、短辺方向に沿って延びるように配置されている。
本実施形態では、ネット部材132は、上辺部材132aと、上辺部材132aに吊下された仕切部材132bと、を含んで構成されている。
上辺部材132aは、四角筒状の部材により構成されている。仕切部材132bは、略長方形の平板状の部材により構成されている。上辺部材132a及び仕切部材132bは、略同一の長さで構成されている。
上辺部材132aの長さ方向の一方側の端部は、支柱部材131aの上端部に固定され、上辺部材132aの長さ方向の他方側の端部は、支柱部材131bの上端部に固定されている。また、仕切部材132bの長さ方向の一方側の端部は、支柱部材131aの中間部に固定され、仕切部材132bの長さ方向の他方側の端部は、支柱部材131bの中間部に固定されている。これによって、上辺部材132a及び仕切部材132bは、短辺方向に沿って延びるように配置されている。
仕切部材132bは、透明又は半透明の導光板により形成されている。また、上辺部材132aの内部には、長さ方向に沿って複数の発光素子(本実施形態では、LED)が配置されている。そして、各発光素子は、仕切部材132bの上端面に向かって光を照射するように配置されている。これによって、複数の発光素子から照射された光により、仕切部材132bの表面・裏面の略全体を発光させることが可能となるとともに、仕切部材132bの下端面から出射した光により、プレイフィールドFにおいて、第1プレイ領域f1と第2プレイ領域f2との間の境界線を表示することが可能となる。
なお、ネット部材132は、ボールによる一対の支柱部材131の間の通過を阻止することが可能となるように構成されていれば、他の構成であっても構わない。例えば、上辺部材132aを、ワイヤー等により構成し、仕切部材132bをネット等により構成しても構わない。
【0020】
図2は、筐体110の支持フレームからプレイフィールド盤120を取り外した状態を示している。
図2に示すように、可動式ネット130は、一対のスライド機構140,150を介して、筐体110に取り付けられている。一対のスライド機構140,150は、筐体110の内部に取り付けられている。
スライド機構140は、筐体110の短辺方向の一方側の側面(長辺方向に沿って延びる側面)に沿って配置されている。スライド機構140は、ガイドレール141と、スライドベース142と、を含んで構成されている。
ガイドレール141は、長辺方向に沿って延びるように配置されている。スライドベース142は、複数のローラ(図示せず)を備え、当該複数のローラを介して、ガイドレール141に係合している。これによって、スライドベース142は、ガイドレール141に沿って移動(スライド)させることが可能となっている。そして、支柱部材131aの下端部は、連結部材(図示せず)を介して、スライドベース142に固定されている。
スライド機構150は、筐体110の短辺方向の他方側の側面に沿って配置されている。スライド機構150は、ガイドレール151と、スライドベース152と、を含んで構成されている。
ガイドレール151は、長辺方向に沿って延びるように配置されている。スライドベース152は、複数のローラ(図示せず)を備え、当該複数のローラを介して、ガイドレール151に係合している。これによって、スライドベース152は、ガイドレール151に沿って移動(スライド)させることが可能となっている。そして、支柱部材131bの下端部は、連結部材(図示せず)を介して、スライドベース152に固定されている。
以上により、可動式ネット130は、一対のガイドレール141,151に沿って、移動(変位)させることが可能となっている。すなわち、可動式ネット130は、長辺方向に沿って移動させることが可能となっている。この際、可動式ネット130は、常時、プレイフィールドFの短辺に並行している状態を維持して移動される。
【0021】
筐体110の内部には、可動式ネット130を駆動する駆動機構160が配置されている。本実施形態では、一対の支柱部材131a,131bのうち、一方の支柱部材131aが駆動機構160により駆動され、他方の支柱部材131bが従動する構成となっている。なお、一対の支柱部材131a,131bのそれぞれが駆動機構160により駆動される構成としても構わない。
駆動機構160は、筐体110の短辺方向の一方側の側面に沿って配置されている。駆動機構160は、モータ161と、一対のプーリー162a,162bと、無端ベルト163と、を含んで構成されている。
本実施形態では、モータ161として、ステッピングモータが用いられている。モータ161は、ガイドレール141の長さ方向の一方側の端部に配置されている。
プーリー162a(駆動側)は、モータ161の出力軸(回転軸)に取り付けられている。プーリー162b(従動側)は、ガイドレール141の長さ方向の他方側の端部に配置されている。
無端ベルト163は、一対のプーリー162a,162bに架け渡されている。そして、スライドベース142は、無端ベルト163の一部(所定箇所)に固定されている。
以上により、モータ161を駆動することによって、可動式ネット130を長辺方向に沿って移動させることが可能となっている。すなわち、モータ161が駆動されると、モータ161の出力軸に取り付けられているプーリー162aが回転する。また、プーリー162aが回転すると、一対のプーリー162a,162bに架け渡されている無端ベルト163が回転する。また、無端ベルト163が回転すると、無端ベルト163に固定されているスライドベース142、及び、スライドベース142に固定されている支柱部材131aが、ガイドレール141に沿って移動する。さらに、支柱部材131aの移動に従動して、ネット部材132を介して支柱部材131aに固定されている支柱部材131b、及び、支柱部材131bに固定されているスライドベース152が、ガイドレール151に沿って移動する。
【0022】
筐体110の内部には、可動式ネット130の位置を検出するための各種センサが配置されている。本実施形態では、各種センサとして、ロータリーエンコーダ171と、3つのリミットセンサ172a,172b,172cと、が配置されている。
ロータリーエンコーダ171は、一対の検出センサs1,s2と、スリット円盤sdと、を含んで構成されている。
スリット円盤sdは、モータ161の出力軸に固定されている。スリット円盤sdは、モータ161の出力軸の回転に同期して回転する。スリット円盤sdの周縁部には、複数のスリットが等間隔で形成されている。
各検出センサs1,s2は、光を出射する発光部と、発光部から出射された光を受光する受光部と、を含んでなる光学式センサとなっている。発光部及び受光部は、スリット円盤sdの周縁部を挟んで配置されている。各検出センサs1,s2では、ゲーム装置1への電源の投入中、常時、発光部から受光部(スリット円盤sd)に向かって光が出射される。受光部の正面にスリットが位置しているときには、発光部から出射された光が、スリットを通過して、受光部により受光される。一方、受光部の正面にスリットが位置していないときには、発光部から出射された光が、スリット円盤sdにより反射され、受光部により受光されない。そして、受光部は、発光部から出射された光の受光状況に応じた検出信号を、制御基板400に対して出力する。
制御基板400は、一対の検出センサs1,s2から入力される検出信号に基づいて、モータ161の出力軸の回転方向及び回転量(回転角度)を検出(算出)することが可能となっている。さらに、制御基板400は、モータ161の出力軸の回転方向及び回転量(回転角度)に基づいて、可動式ネット130の位置(具体的には、基準位置からの移動方向及び移動量)を検出(算出)することが可能となっている。
【0023】
各リミットセンサ172a,172b,172cは、ガイドレール141の下方に配置されている。リミットセンサ172aは、ガイドレール141の長さ方向の略中央部に配置されている。リミットセンサ172bは、ガイドレール141の長さ方向の一方側の端部に配置されている。リミットセンサ172cは、ガイドレール141の長さ方向の他方側の端部に配置されている。
各リミットセンサ172a,172b,172cは、光を出射する発光部と、発光部から出射された光を受光する受光部と、を含んでなる光学式センサとなっている。各リミットセンサ172a,172b,172cでは、ゲーム装置1への電源の投入中、常時、発光部から受光部に向かって光が出射される。
スライドベース142の底面には、遮蔽板(図示せず)が取り付けられている。可動式ネット130は、長辺方向に沿って、第1限度位置と第2限度位置との間を移動することが可能となっている。第1限度位置は、プレイフィールド盤120(プレイフィールドF)の長辺方向の中央(以下、「基準位置」とする)から、長辺方向の一方側に向かって、所定距離だけ離れた位置となっている。第2限度位置は、基準位置から、長辺方向の他方側に向かって、所定距離だけ離れた位置となっている。
【0024】
可動式ネット130が基準位置に位置しているときには、スライドベース142に設けられた遮蔽板が、リミットセンサ172aの発光部と受光部との間に位置する。これによって、リミットセンサ172aの発光部から出射された光が、スライドベース142に設けられた遮蔽板により遮蔽され、受光部により受光されない。一方、可動式ネット130が基準位置に位置していないときには、スライドベース142に設けられた遮蔽板が、リミットセンサ172aの発光部と受光部との間に位置しない。これによって、リミットセンサ172aの発光部から出射された光が、受光部により受光される。
可動式ネット130が第1限度位置に位置しているときには、スライドベース142に設けられた遮蔽板が、リミットセンサ172bの発光部と受光部との間に位置する。これによって、リミットセンサ172bの発光部から出射された光が、スライドベース142に設けられた遮蔽板により遮蔽され、受光部により受光されない。一方、可動式ネット130が第1限度位置に位置していないときには、スライドベース142に設けられた遮蔽板が、リミットセンサ172bの発光部と受光部との間に位置しない。これによって、リミットセンサ172bの発光部から出射された光が、受光部により受光される。
可動式ネット130が第2限度位置に位置しているときには、スライドベース142に設けられた遮蔽板が、リミットセンサ172cの発光部と受光部との間に位置する。これによって、リミットセンサ172cの発光部から出射された光が、スライドベース142に設けられた遮蔽板により遮蔽され、受光部により受光されない。一方、可動式ネット130が第2限度位置に位置していないときには、スライドベース142に設けられた遮蔽板が、リミットセンサ172cの発光部と受光部との間に位置しない。これによって、リミットセンサ172cの発光部から出射された光が、受光部により受光される。
各リミットセンサ172a,172b,172cの受光部は、発光部から出射された光の受光状況に応じた検出信号を、制御基板400に対して出力する。
制御基板400は、リミットセンサ172aから入力される検出信号に基づいて、可動式ネット130が基準位置に位置しているか否かを検出することが可能となる。また、制御基板400は、リミットセンサ172bから入力される検出信号に基づいて、可動式ネット130が第1限度位置に位置しているか否かを検出することが可能となる。さらに、制御基板400は、リミットセンサ172cから入力される検出信号に基づいて、可動式ネット130が第2限度位置に位置しているか否かを検出することが可能となる。
【0025】
プレイフィールドFは、可動式ネット130(ネット部材132)によって、複数(本実施形態では、2つ)のプレイ領域に仕切られる。具体的に、プレイフィールドFは、可動式ネット130を挟んで、第1プレイ領域f1と、第2プレイ領域f2と、に仕切られる。
特に、ゲーム装置1では、可動式ネット130が、長辺方向に沿って移動することが可能となるように構成されている。この際、可動式ネット130は、常時、プレイフィールドFの短辺に対する並行を維持した状態で移動される。これによって、可動式ネット130の移行に応じて、各プレイ領域f1,f2の大きさ(具体的には、各プレイ領域f1,f2の長辺方向の寸法)を変化させることが可能となっている。
【0026】
(情報表示ユニット200の構成)
情報表示ユニット200は、筐体210と、表示部220と、音出力部230と、を含んで構成されている。
筐体210は、箱状に形成されている。筐体210の底面には、複数のキャスター(図示せず)が設けられている。これによって、情報表示ユニット200は、設定面上を移動させることが可能となっている。
表示部220は、筐体210の正面側に配置されている。表示部220は、後述する表示処理部410dにより出力された各種の画像を表示する。表示部220は、LCD、有機ELディスプレイ、CRT、HMD等により実現できる。
音出力部230は、筐体210の正面側に配置されている。音出力部230は、後述する音処理部410eにより出力された各種の音声を出力する。音出力部230は、スピーカ等により実現できる。
【0027】
(測定ユニット300の構成)
図3は、センサユニット310A,310Bの平面図である。
図4は、センサ基板3
20の構成を示すブロック図である。
ゲーム装置1は、プレイヤの動作、状態等を検出する検出手段を含んで構成されている。そして、検出手段の検出結果に応じて、可動式ネット130を移動(変位)させることが可能となっている。
本実施形態では、検出手段として、測定ユニット300を備えている。測定ユニット300は、一対のセンサユニット310A,310Bと、センサ基板320と、を含んで構成されている。
上記のように、プレイフィールドFは、可動式ネット130によって、複数のプレイ領域f1,f2に仕切られる。そこで、本実施形態では、複数のプレイ領域f1,f2のそれぞれ(すなわち、相対するプレイヤ(または、チーム)のそれぞれ)に対応するセンサユニット310A,310Bを備えている。具体的に、第1プレイ領域f1(相対するプレイヤのうち一方)に対応するセンサユニット310Aと、第2プレイ領域f2(相対するプレイヤのうち他方)に対応するセンサユニット310Bと、を備えている。
各センサユニット310A,310Bは、プレイフィールド盤120に配置されている。具体的に、センサユニット310Aは、第1プレイ領域f1に配置されている。そして、センサユニット310Aの上面は、第1プレイ領域f1(プレイフィールドF)の一部を構成している。
センサユニット3
10Bは、第2プレイ領域f2に配置されている。そして、センサユニット310Bの上面は、第2プレイ領域f2(プレイフィールドF)の一部を構成している。
【0028】
図3に示すように、各センサユニット310A,310Bは、外側ベース板311と、内側ベース板(図示せず)と、2個のプラス電極(陽極)EL,ERと、32個のマイナス電極(陰極)e1~e32と、を含んで構成されている。
外側ベース板311は、平面視で略ハート形の平板状に形成されている。外側ベース板311は、樹脂等の絶縁材料により形成されている。外側ベース板311は、透明又は半透明の導光板により形成されている。外側ベース板311の中心部には、プラス電極挿入部(図示せず)と、が形成されている。プラス電極挿入部は、平面視で略ハート形の凹部として形成されている。
内側ベース板は、平面視で略ハート形の平板状に形成されている。内側ベース板は、樹脂等の絶縁材料により形成されている。内側ベース板は、透明又は半透明の導光板により形成されている。内側ベース板の上面には、32個のマイナス電極挿入部(図示せず)が形成されている。各マイナス電極挿入部は、円筒状の凸部として形成されている。また、内側ベース板における各マイナス電極挿入部の内側の領域には、当該マイナス電極挿入部内に配置されたマイナス電極e1~e32に電気的に接続されている電線が挿通される貫通孔が設けられている。
各プラス電極EL,ERは、平面視で略半ハート形の平板状に形成されている。各プラス電極EL,ERは、銅、グラファイト、ステンレススチール等の導電性に優れた材料により形成されている。各プラス電極EL,ERには、16個のマイナス電極露出孔(図示せず)が形成されている。各マイナス電極露出孔は、平面視で略円形の貫通孔として形成されている。
各マイナス電極(陰極)e1~e32は、平面視で略円形の平板状に形成されている。各マイナス電極(陰極)e1~e32は、銅、グラファイト、ステンレススチール等の導電性に優れた材料により形成されている。
【0029】
内側ベース板と2個のプラス電極(陽極)EL,ERとは、互いに重ね合せた状態で、外側ベース板311のプラス電極挿入部内に配置されている。2個のプラス電極(陽極)EL,ERは、並べた状態で、内側ベース板の上面側に配置されている。2個のプラス電極(陽極)EL,ERの間は、内側ベース板の上面に設けられた凸条(図示せず)によって絶縁されている。内側ベースの各マイナス電極挿入部の上端部は、プラス電極(陽極)EL,ERの各マイナス電極露出孔に挿通されている。
各マイナス電極e1~e32は、内側ベースのマイナス電極挿入部内に配置されている。これによって、各マイナス電極e1~e32は、プラス電極EL,ERのマイナス電極露出孔を介して露出している。各マイナス電極e1~e32とプラス電極EL,ERとの間は、内側ベースのマイナス電極挿入部によって絶縁されている。
以上により、各プラス電極EL,ER、及び、各マイナス電極e1~e32は、プレイフィールドFの表面に露出している。これによって、プレイヤは、手の平等により、各プラス電極EL,ERと、各マイナス電極e1~e32と、に接触することが可能となっている。
【0030】
外側ベース板311と内側ベース板との間には、複数の発光素子(本実施形態では、LED)からなる第1の発光素子群と、複数の発光素子(本実施形態では、LED)からなる第2の発光素子群と、が配置されている。
第1の発光素子群を構成する各発光素子は、外側ベース板311の端面に向かって光を照射する。これによって、第1の発光素子群を構成する各発光素子から照射された光により、外側ベース板311の表面の略全体を発光させることが可能となる。
第2の発光素子群を構成する各発光素子は、内側ベース板の端面に向かって光を照射する。これによって、第2の発光素子群を構成する各発光素子から照射された光により、内側ベース板の各マイナス電極挿入部を発光させることが可能となる。
【0031】
センサ基板320は、筐体110の内部に配設されている。
図4に示すように、センサ基板320は、MPUコア321と、ストレージメモリ322と、A/Dコンバータ323と、を含んで構成されている。また、センサ基板320には、各センサユニット310A,310Bに対応する電圧値測定回路324が形成されている。ここで、
図4では、センサユニット310Aに対応する電圧値測定回路324のみを表示し、センサユニット310Bに対応する電圧値測定回路324の表示を省略している。
各電圧値測定回路324は、2個のプラス電極EL,ERのそれぞれに対応する出力側回路SC1,SC2と、32個のマイナス電極e1~e32のそれぞれに対応する入力側回路MC1~MC32と、を含んで構成されている。すなわち、各電圧値測定回路324は、2系統の出力側回路SC1,SC2と、32系統の入力側回路MC1~MC32と、を含んで構成されている。
【0032】
各出力側回路SC1,SC2では、3ステートバッファTSと、抵抗器RAと、いずれかのプラス電極EL,ERと、が直列接続されている。
各3ステートバッファTSは、入力端子Xと、出力端子Yと、制御端子Gと、を有している。各3ステートバッファTSでは、入力端子Xに電源が接続(電圧(VDD)が印加)され、制御端子GにMPUコア321により出力されたパワーサプライセレクト信号が入力される。
そして、各3ステートバッファTSでは、制御端子Gに入力されているパワーサプライセレクト信号がLowの場合、入力端子Xと出力端子Yとが電気的に導通した状態となる。一方、入力端子Gに入力されているパワーサプライセレクト信号がHighの場合、出力端子Yへの出力がハイインピーダンス状態(High-Z)となり、入力端子Xと出力端子Yとが電気的に遮断された状態となる。
以下の説明では、各3ステートバッファTSについて、制御端子Gに入力されているパワーサプライセレクト信号がLowとされている状態(入力端子Xと出力端子Yとが電気的に導通している状態)を、「オン状態」とし、制御端子Gに入力されているパワーサプライセレクト信号がHighとされている状態(入力端子Xと出力端子Yとが電気的に遮断されている状態)を、「オフ状態」とする。
これによって、各出力側回路SC1,SC2では、3ステートバッファTSがオン状態とされている場合、抵抗器RAを介して、プラス電極EL,ERに電源が供給(電源が電気的に接続)される。一方、3ステートバッファTSがオフ状態とされている場合、プラス電極EL,ERへの電源の供給が遮断(電源が電気的に遮断)される。
【0033】
各入力側回路MC1~MC32では、いずれかのマイナス電極e1~e32と、抵抗器RBと、抵抗器RCと、3ステートバッファTSと、が直列接続されている。各入力側回路MC1~MC32に含まれる3ステートバッファTSの構成は、各出力側回路SC1,SC2に含まれる3ステートバッファTSの構成と同一となっている。
各3ステートバッファTSでは、入力端子Xにグランド(接地・GND)が接続され、制御端子GにMPUコア321により出力されたプルダウンセレクト信号が入力される。
そして、各3ステートバッファTSでは、制御端子Gに入力されているプルダウンセレクト信号がLowの場合、入力端子Xと出力端子Yとが電気的に導通した状態となる。一方、入力端子Gに入力されているプルダウンセレクト信号がHighの場合、出力端子Yへの出力がハイインピーダンス状態(High-Z)となり、入力端子Xと出力端子Yとが電気的に遮断された状態となる。
以下の説明では、各3ステートバッファTSについて、制御端子Gに入力されているプルダウンセレクト信号がLowとされている状態(入力端子Xと出力端子Yとが電気的に導通している状態)を、「オン状態」とし、制御端子Gに入力されているプルダウンセレクト信号がHighとされている状態(入力端子Xと出力端子Yとが電気的に遮断されている状態)を、「オフ状態」とする。
これによって、各入力側回路MC1~MC32では、3ステートバッファTSがオン状態とされている場合、抵抗器RB及び抵抗器RCを介して、マイナス電極e1~e32とグランドとが電気的に接続される。一方、3ステートバッファTSがオフ状態とされている場合、マイナス電極e1~e32とグランドとが電気的に遮断される。
また、各入力側回路MC1~MC32では、抵抗器RBと抵抗器RBとの間に出力線(電線)の一端が電気的に接続されている。ここで、A/Dコンバータ323の入力部323aには、各入力側回路MC1~MC32に対応する入力チャンネルが設けられている。そして、各入力側回路MC1~MC32に含まれる出力線の他端は、入力部323aの対応する入力チャンネルに電気的に接続されている。
【0034】
以上により、各電圧値測定回路324では、プレイヤの人体(生体)を介して、分圧抵抗回路(分圧回路)が形成される。
すなわち、各分圧抵抗回路は、プレイヤの人体を介して、2系統の出力側回路SC1,SC2のうち、いずれかの出力側回路と、32系統の入力側回路MC1~MC32のうち、いずれかの入力側回路と、が電気的に接続されることにより形成される。この際、プレイヤの人体が、出力側回路SC1,SC2に含まれるプラス電極EL,ER、及び、入力側回路MC1~MC32に含まれるマイナス電極e1~e32の両方に接触することにより、出力側回路と入力側回路とが電気的に接続される。そして、各分圧抵抗回路では、プレイヤの人体が、抵抗器RPとして作用する。
本実施形態では、各電圧値測定回路324において、64系統(2(出力側回路の系統数)×32(入力側回路の系統数)=64(分圧抵抗回路の系統数)の分圧抵抗回路が形成される。
【0035】
各分圧抵抗回路は、電源に4つの抵抗器RA,RP,RB,RCが直列接続された回路となる。ここで、各抵抗器RA,RB,RCは、電子部品となっている。一方、抵抗器RPは、プレイヤの人体となっている。
そして、センサ基板320では、各分圧抵抗回路について、当該分圧抵抗回路により分圧された電圧値(具体的には、抵抗器RCにかかる電圧値)が測定(検出)される。この際、各分圧抵抗回路において、プレイヤの人体を介して、出力側回路SC1,SC2(プラス電極EL,ER)と、入力側回路MC1~MC32(マイナス電極e1~e32)と、が電気的に接続されていない場合、当該分圧抵抗回路に対応する電圧値として、「0」が測定される。一方、各分圧抵抗回路において、プレイヤの人体を介して、出力側回路SC1,SC2(プラス電極EL,ER)と、入力側回路MC1~MC32(マイナス電極e1~e32)と、が電気的に接続されている場合、当該分圧抵抗回路に対応する電圧値として、プレイヤの人体の電気伝導性(生体インピーダンス)に応じた値が測定される。
以上により、センサ基板320は、直接的に、各分圧抵抗回路により分圧される電圧値を測定し、間接的に、プレイヤの動作(具体的には、センサユニット310A,310Bの上面におけるプレイヤの接触動作)、及び、プレイヤの状態(具体的には、プレイヤの人体の電気伝導性・生体インピーダンス等)を測定する。
特に、各センサユニット310A,310Bには、複数のプラス電極EL,ERが配置され、また、複数のマイナス電極e1~e32が配置されている。これによって、センサ基板320の測定結果に基づいて、プレイヤの動作(具体的には、プレイヤがセンサユニット310に接触しているか否か、また、プレイヤがセンサユニット310に接触している場合には、接触している位置等)を検出することが可能となる。さらに、センサ基板320の測定結果の時系列的(経時的)な変化に基づいて、プレイヤの動作状況(具体的には、センサユニット310の上面におけるプレイヤの手の動き、手を動かす速度、手を動かしている範囲等)を検出することが可能となる。
【0036】
MPUコア321は、中央演算処理装置として、各種の演算処理を実行する。MPUコア321は、図示しない記憶媒体(ROM等)に記憶されているプログラム・データに基づいて各種の処理を実行する。
ストレージメモリ322には、センサユニット310Aに対応する電圧値記憶領域Aと、センサユニット310Bに対応する電圧値記憶領域Bと、が設けられている。ここで、
図4では、電圧値記憶領域Aのみを表示し、電圧値記憶領域Bの表示を省略している。
電圧値記憶領域Aは、センサユニット310Aに対応する電圧値測定回路324に形成される64系統の分圧抵抗回路のそれぞれに対応する電圧値データ記憶部から構成されている。
電圧値記憶領域Bは、センサユニット310Bに対応する電圧値測定回路324に形成される64系統の分圧抵抗回路のそれぞれに対応する電圧値データ記憶部から構成されている。
各電圧値データ記憶部には、対応する分圧抵抗回路について測定(検出)された電圧値(当該分圧抵抗回路により分圧された電圧値)を示すデータ(以下、「電圧値データ」とする)が記憶される。
A/Dコンバータ323の入力部323aは、32の入力チャンネルを有している。各入力チャンネルには、いずれかの入力側回路MC1~MC32の出力線が電気的に接続されている。また、入力部323aには、MPUコア321により出力されたADコンバータセレクト信号が入力される。
A/Dコンバータ323では、入力されたADコンバータセレクト信号に応じて、32の入力チャンネルのうち、1つの入力チャンネルが入力対象として選択される。そして、A/Dコンバータ323は、入力対象として選択されている入力チャンネルに印加されている電圧(以下、「出力電圧」とする)を測定する。また、測定した電圧をデジタル値に変換し、8bitの電圧値データを生成する。そして、生成した電圧値データを、入力対象として選択されている入力チャンネル(入力対象として選択されている入力チャンネルに接続されている分圧抵抗回路に対応する電圧値データ記憶部)に記憶する。
【0037】
MPUコア321は、各出力側回路SC1,SC2に含まれる3ステートバッファTSに対するパワーサプライセレクト信号の出力を制御する。この際、2系統の出力側回路SC1,SC2において、3ステートバッファTSが同時期にオン状態とされることはない。すなわち、2系統の出力側回路SC1,SC2のうち、一方の出力側回路に含まれる3ステートバッファTSがオン状態とされ、他方の出力側回路に含まれる3ステートバッファTSがオフ状態とされる。
そして、MPUコア321は、第1所定時間ごとに、2系統の出力側回路SC1,SC2に含まれる3ステートバッファTSについて、オン状態とする3ステートバッファTSを、交互に切り替える。
また、MPUコア321は、各入力側回路MC1~MC32に含まれる3ステートバッファTSに対するプルダウンセレクト信号の出力と、A/Dコンバータ323の入力部323aに対するADコンバータセレクト信号の出力と、を制御する。この際、2以上の入力側回路MC1~MC32において、3ステートバッファTSが同時期にオン状態とされることはない。すなわち、32系統の入力側回路MC1~MC32のうち、1つの入力側回路に含まれる3ステートバッファTSがオン状態とされ、他の入力側回路に含まれる3ステートバッファTSがオフ状態とされる。また、1つの入力側回路に含まれる3ステートバッファTSがオン状態とされている期間中、当該入力側回路の入力線が接続されている入力チャンネルが入力対象として選択される。
そして、MPUコア321は、第2所定時間(第2所定時間=第1所定時間/32(入力側回路の系統数))ごとに、32系統の入力側回路MC1~MC32に含まれる3ステートバッファTSについて、オン状態とする3ステートバッファTSを、所定の順序で切り替える。
具体的には、2系統の出力側回路SC1,SC2のうち、出力側回路SC1に含まれる3ステートバッファTSをオン状態としている期間中に、32系統の入力側回路MC1~MC32に含まれる3ステートバッファTSを、順次、オン状態とする。また、2系統の出力側回路SC1,SC2のうち、出力側回路SC2に含まれる3ステートバッファTSをオン状態としている期間中に、32系統の入力側回路MC1~MC32に含まれる3ステートバッファTSを、順次、オン状態とする。
【0038】
以上によって、センサ基板320では、64系統の分圧抵抗回路について、順次、出力電圧が測定され、測定された出力電圧に基づく電圧値データが生成され、生成された電圧値データが対応する電圧値データ記憶部に記憶される。この際、各分圧抵抗回路に対応する電圧値データ記憶部に記憶されている電圧値データは、第3所定時間(第3所定時間=第1所定時間×2(出力側回路の系統数))ごとに更新される。
ここで、上記の制御・処理は、センサユニット310Aに対応する電圧値測定回路324に形成されている64系統の分圧抵抗回路、及び、センサユニット310Bに対応する電圧値測定回路324に形成されている64系統の分圧抵抗回路のそれぞれについて実行される。これによって、電圧値記憶領域A及び電圧値記憶領域Bのそれぞれについて、各分圧抵抗回路に対応する電圧値データ記憶部に記憶されている電圧値データが、第3所定時間ごとに更新される。
MPUコア321は、制御基板400により出力された電圧値出力要求信号の入力に応じて、電圧値記憶領域A及び電圧値記憶領域Bに記憶されている全ての電圧値データ(センサユニット310Aに対応する電圧値測定回路324に形成されている64系統の分圧抵抗回路分の電圧値データ(以下、「電圧値データ群A」とする)、及び、センサユニット310Bに対応する電圧値測定回路324に形成されている64系統の分圧抵抗回路分の電圧値データ(以下、「電圧値データ群B」とする)を、制御基板400に対して出力する。
【0039】
(電圧値データの測定例)
図5は、1人のプレイヤがセンサユニット310A,310Bに接触した場合に制御基板400において取得される電圧値データの内容を説明するための図である。
図6は、2人のプレイヤがセンサユニット310A,310Bに接触した場合に制御基板400において取得される電圧値データの内容を説明するための図である。
1人のプレイヤが、いずれかのセンサユニット310A,310Bに接触した場合には、当該センサユニット310A,310Bに対応する電圧値測定回路324に形成されている64系統の分圧抵抗回路のうち、当該プレイヤを介して導通した各分圧抵抗回路について、測定される電圧値データの値が「0」より大きくなり、当該プレイヤを介して導通していない各分圧抵抗回路について、測定される電圧値データの値が「0」となる。
例えば、
図5(a)に示すように、1人のプレイヤの手が、出力側回路SC1に含まれるプラス電極EL及び入力側回路MC1に含まれるマイナス電極e1の両方に接触し、他の電極に接触していない場合、当該プレイヤを介して、出力側回路SC1と入力側回路MC1とが電気的に接続される。
これによって、64系統の分圧抵抗回路のうち、出力側回路SC1と入力側回路MC1とが電気的に接続されて形成された分圧抵抗回路について、測定される電圧値データの値が「0」より大きくなり、他の分圧抵抗回路について、測定される電圧値データの値が「0」となる。
一方、
図5(b)に示すように、1人のプレイヤの手が、出力側回路SC1に含まれるプラス電極EL、入力側回路MC1に含まれるマイナス電極e1、及び、入力側回路MC5に含まれるマイナス電極e5の全てに接触し、他の電極に接触していない場合、当該プレイヤを介して、出力側回路SC1と入力側回路MC1とが電気的に接続されるとともに、出力側回路SC1と入力側回路MC5とが電気的に接続される。
これによって、64系統の分圧抵抗回路のうち、出力側回路SC1と入力側回路MC1とが電気的に接続されて形成された分圧抵抗回路と、出力側回路SC1と入力側回路MC5とが電気的に接続されて形成された分圧抵抗回路と、について、測定される電圧値データの値が「0」より大きくなり、他の分圧抵抗回路について、測定される電圧値データの値が「0」となる。
【0040】
一方、2人のプレイヤが、いずれかのセンサユニット310A,310Bに接触した場合には、当該センサユニット310A,310Bに対応する電圧値測定回路324に形成されている64系統の分圧抵抗回路のうち、各プレイヤ又は2人のプレイヤを介して導通した各分圧抵抗回路について、測定される電圧値データの値が「0」より大きくなり、各プレイヤ又は2人のプレイヤを介して導通していない各分圧抵抗回路について、測定される電圧値データの値が「0」となる。
例えば、2人のプレイヤが手を繋いだ状態で、2人のプレイヤのうち、一方のプレイヤの手が、出力側回路SC1に含まれるプラス電極EL及び入力側回路MC1に含まれるマイナス電極e1の両方に接触し、他の電極に接触しておらず、他方のプレイヤの手が、出力側回路SC2に含まれるプラス電極ER及び入力側回路MC17に含まれるマイナス電極e17の両方に接触し、他の電極に接触していない場合、
図6(a)に示すように、一方のプレイヤを介して、出力側回路SC1と入力側回路MC1とが電気的に接続され、他方のプレイヤを介して、出力側回路SC2と入力側回路MC17とが電気的に接続されると同時に、
図6(b)に示すように、2人のプレイヤを介して、出力側回路SC2と入力側回路MC1とが電気的に接続されるとともに、出力側回路SC1と入力側回路MC17とが電気的に接続される。
これによって、64系統の分圧抵抗回路のうち、出力側回路SC1と入力側回路MC1とが電気的に接続されて形成された分圧抵抗回路と、出力側回路SC2と入力側回路MC17とが電気的に接続されて形成された分圧抵抗回路と、出力側回路SC2と入力側回路MC1とが電気的に接続されて形成された分圧抵抗回路と、出力側回路SC1と入力側回路MC17とが電気的に接続されて形成された分圧抵抗回路と、について、測定される電圧値データの値が「0」より大きくなり、他の分圧抵抗回路について、測定される電圧値データの値が「0」となる。
以上により、1人のプレイヤが、いずれかのセンサユニット310A,310Bに接触する場合よりも、2人のプレイヤが、互いに手を繋いだ状態で、いずれかのセンサユニット310A,310Bに接触する場合の方が、64系統の分圧抵抗回路分の電圧値データの合計値が大きくなる。
また、センサユニット310A,310Bの上面において、各プレイヤが接触する範囲が広くなるほど、64系統の分圧抵抗回路分の電圧値データの合計値が大きくなる。
【0041】
(制御系の構成)
次に、ゲーム装置1の制御系の構成を説明する。
図7は、ゲーム装置1の制御系の構成を示すブロック図である。
ゲーム装置1は、制御基板400を備えている。制御基板400は、筐体110の内部に配設されている。
図7に示すように、制御基板400は、処理部410と、記憶部420と、記憶媒体430と、を含んで構成されている。
記憶部420は、処理部410のワーク領域となる。記憶部420は、半導体メモリ、HDD、SSD、光ディスク装置等により実現できる。記憶部420は、電圧値データ群A,Bが蓄積される電圧値データ蓄積領域と、可動式ネット130の位置データが記憶される位置データ記憶領域と、を有している。
記憶媒体430は、プログラム・データ等を記憶する。処理部410は、記憶媒体430に記憶されているプログラム・データに基づいて、各種の処理を実行する。記憶媒体430は、光ディスク、HDD、半導体メモリ等により実現できる。
処理部410は、硬貨投入部112から入力された検出信号、各得点ボタン110a,110bから入力された検出信号、ロータリーエンコーダ171から入力された検出信号、各リミットセンサ172a,172b,172cから入力された検出信号、センサ基板3
20から入力された情報(電圧値データ)、記憶部420に記憶されているプログラム・データ等に基づいて、各種のゲームの進行に必要となる処理を実行する。
処理部410は、プロセッサ及びメモリにより実現できる。処理部410は、ゲーム処理部410aと、電圧値データ管理部410bと、ネット位置管理部410cと、表示処理部410dと、音処理部410eと、を含んで構成されている。
ゲーム処理部410aは、プレイヤが各種のゲームをプレイするためのゲーム処理を実行する。ゲーム処理については、後述する。特に、ゲーム処理部410aは、各種のゲーム処理の結果に応じて、モータ161の駆動を制御することにより、可動式ネット130の移動・配置を制御する。
電圧値データ管理部410bは、センサ基板3
20から入力された電圧値データ群A,Bを、記憶部420の電圧値データ蓄積領域に蓄積(記憶)する。具体的に、電圧値データ管理部410bは、所定時間ごとに、電圧値出力要求信号を、MPUコア321に対して出力する。これによって、所定時間ごとに、MPUコア321から電圧値データ群A,Bが入力される。そして、電圧値データ記憶部410bは、MPUコア321から入力される電圧値データ群A,Bを、記憶部420の電圧値データ蓄積領域に記憶する。この際、電圧値データ蓄積領域には、複数組の電圧値データ群Aと、複数組の電圧値データ群Bと、が時系列に沿って(入力された順に)蓄積される。
ネット位置管理部410cは、検出センサs1,s2から入力される検出信号に基づいて、可動式ネット130の位置(具体的には、基準位置からの移動方向及び移動量)を算出し、算出した可動式ネット130の位置を示すデータ(以下、「位置データ」とする)を、記憶部420の位置データ記憶領域に記憶する。具体的に、ネット位置管理部410cは、各検出センサs1,s2から検出信号が入力されるごとに、位置データ記憶領域に記憶されている位置データを更新する。この際、入力された検出信号と、位置データ記憶領域に記憶されている位置データと、に基づいて、新たな位置データを生成し、生成した位置データを、位置データ記憶領域に記憶する。
表示処理部410dは、ゲーム処理部410aで実行される各種のゲーム処理の結果に応じて、ゲーム画像を生成する描画処理を実行する。そして、描画処理により生成したゲーム画像を、表示部220に対して出力する。
音処理部410eは、ゲーム処理部410aで実行される各種のゲーム処理の結果に応じて、BGM、効果音、音声等のゲーム音を生成する音処理を実行する。そして、音処理により生成されたゲーム音を、音出力部230に対して出力する。
【0042】
(ゲーム処理)
次に、ゲーム処理部410aが実行するゲーム処理を説明する。
図8は、ゲーム処理を示すフローチャートである。
ゲーム装置1に電源が投入されると、ゲーム処理部410aは、
図8に示すゲーム処理を開始する。ゲーム処理が開始されると、まず、ステップS1-1に移行する。
ステップS1-1では、初期設定処理を実行し、ステップS1-2に移行する。初期設定処理では、各種の初期設定が実行される。また、モータ161の駆動により、可動式ネット130によるイニシャル動作(イニシャライズ動作)が実行される。さらに、イニシャル動作の完了に応じて、記憶部420の位置データ記憶領域に記憶されている位置データが、基準位置を示す位置データに補正される。
「イニシャル動作」は、可動式ネット130が正常に動作するか否かを確認するとともに、可動式ネット130が基準位置に配置されていることを確認するための動作となっている。本実施形態では、イニシャル動作として、可動式ネット130が、第1限度位置に移動された後に、第2限度位置に移動され、その後、基準位置に移動される。この際、ゲーム処理部410aは、各リミットセンサ172a,172b,172cから入力される検出信号に基づいて、可動式ネット130の位置(配置)が検出される。
【0043】
ステップS1-2では、アトラクト開始処理を実行し、ステップS1-3に移行する。アトラクト開始処理では、ゲーム装置1によるアトラクト動作を開始する。
ゲーム装置1によるアトラクト動作には、可動式ネット130によるアトラクト動作、表示部220によるアトラクト用画像の表示、音出力部230によるアトラクト用BGMの出力等が含まれる。
本実施形態では、可動式ネット130によるアトラクト動作として、モータ161の駆動により、可動式ネット130が所定態様(例えば、所定範囲内を往復する態様)で移動される。ここで、MPUコア321から入力される電圧値データ群A,Bに基づいて、可動式ネット130によるアトラクト動作の内容が変化する構成としても構わない。
【0044】
ステップS1-3では、ゲーム開始条件が成立したか否かを判定し、ゲーム開始条件が成立したと判定した場合(Yes)には、ステップS1-4に移行し、ゲーム開始条件が成立していないと判定した場合(No)には、ステップS1-3の処理を繰り返す。
本実施形態では、硬貨投入部112から検出信号が入力されるごとに、クレジットカウンタの値に「1」が加算される。そして、クレジットカウンタの値が「1」以上の状態で、いずれかの得点ボタン110a,110bからの検出信号が入力された場合に、ゲーム開始条件が成立するとともに、クレジットカウンタの値から「1」が減算される。
ステップS1-4では、アトラクト終了処理を実行し、ステップS1-5に移行する。アトラクト終了処理では、ゲーム装置1によるアトラクト動作を終了する。
ステップS1-5では、ゲーム開始処理を実行し、ステップS1-6に移行する。ゲーム開始処理では、各種のゲームを開始するための事前処理が実行される。
具体的に、ゲーム開始処理では、モータ161の駆動により、可動式ネット130によるイニシャル動作が実行される。また、イニシャル動作の完了に応じて、記憶部420の位置データ記憶領域に記憶されている位置データが、基準位置を示す位置データに補正される。さらに、記憶部420の電圧値データ蓄積領域の記憶が初期化される。
【0045】
ステップS1-6では、第1ラブパワー診断ゲーム処理を実行し、ステップS1-7に移行する。第1ラブパワー診断ゲーム処理では、第1ラブパワー診断ゲームが実行される。
「第1ラブパワー診断ゲーム」は、各センサユニット310A,310Bの検出結果に応じて付与される得点を競うゲームとなっている。
具体的に、筐体110(プレイフィールド盤120)を挟んで相対した各プレイヤ(各チーム)は、自分側のプレイ領域f1,f2に配置されているセンサユニット310A,310Bを使用して、第1ラブパワー診断ゲームをプレイする。
本実施形態では、第1ラブパワー診断ゲーム中に、各センサユニット310A,310Bについて、電圧積算値が算出される。「電圧積算値」は、後述する測定期間中に入力される電圧値データ群A,Bの積算値となっている。
具体的に、第1ラブパワー診断ゲーム中には、測定期間が設定される。そして、測定期間中には、電圧値データ群Aが入力されるごとに、当該電圧値データ群Aに含まれる64系統の分圧抵抗回路分の電圧値データの合計値(以下、「電圧合計値A」とする)が算出されるとともに、電圧値データ群Bが入力されるごとに、当該電圧値データ群Bに含まれる64系統の分圧抵抗回路分の電圧値データの合計値(以下、「電圧合計値B」とする)が算出される。そして、センサユニット310Aに対応する電圧積算値(以下、「電圧積算値A」とする)は、測定期間中に入力された全ての電圧値データ群Aについて、電圧合計値Aが積算されることにより算出される。また、センサユニット310Bに対応する電圧積算値(以下、「電圧積算値B」とする)は、測定期間中に入力された全ての電圧値データ群Bについて、電圧合計値Bが積算されることにより算出される。
また、測定期間の終了に応じて、電圧積算値Aと電圧積算値Bとが比較される。そして、電圧積算値A及び電圧積算値Bのうち、大きい値に対応するプレイヤが勝者とされ、小さい値に対応するプレイヤが敗者とされる。さらに、モータ161の駆動により、勝者とされたプレイヤに有利となるように、可動式ネット130が移動される。すなわち、プレイ領域f1,f2のうち、勝者とされたプレイヤの打球がバウントするプレイ領域が広くなるように、可動式ネット130が移動される。この際、電圧積算値Aと電圧積算値Bとの比較結果に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される。
【0046】
具体的に、第1ラブパワー診断ゲーム処理では、まず、表示部220による第1ゲーム説明画像の表示が開始される。「第1ゲーム説明画像」は、第1ラブパワー診断ゲームの内容(プレイ方法)を説明する画像となっている。
また、表示部220による第1ゲーム説明画像の表示の開始から所定時間が経過したことに応じて、表示部220による第1ゲーム説明画像の表示が終了される。また、測定期間が開始されるとともに、表示部220による第1計測中画像の表示が開始される。そして、測定期間中には、各電圧積算値A,Bの演算が実行される。「第1計測中画像」は、プレイヤによるセンサユニット310A,310Bへの接触を促すとともに、測定期間の残り時間を報知する画像となっている。
さらに、測定期間の開始から所定時間が経過したことに応じて、測定期間が終了されるとともに、表示部220による第1測定中画像の表示が終了される。また、表示部220による第1結果画像の表示が表示される。「第1結果画像」は、算出された各電圧積算値A,Bを示す情報と、第1ラブパワー診断ゲームの勝敗と、を報知する画像となっている。さらに、電圧積算値Aと電圧積算値Bとが比較され、比較結果に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が算出される。そして、算出された可動式ネット130の移動方向及び移動量に応じて、モータ161が駆動され、可動式ネット130が移動される。
【0047】
ステップS1-7では、通常ラリーゲーム開始処理を実行し、ステップS1-8に移行する。通常ラリーゲーム開始処理では、通常ラリーゲームを開始する。
「通常ラリーゲーム」は、可動式ネット130の位置が固定された状態で実行される卓球ゲームとなっている。
ここで、プレイヤは、ラケット及びボールをオペレータから借りて卓球ゲームをプレイする。なお、プレイヤは、自己が所有するラケットを用いて卓球ゲームをプレイしても構わない。
具体的に、制御基板400には、筐体110(プレイフィールド盤120)を挟んで相対したプレイヤ(各チーム)のうち、一方のプレイヤ(得点ボタン110a)に対応する得点カウンタAと、他方のプレイヤ(得点ボタン110b)に対応する得点カウンタBと、が設けられている。そして、通常ラリーゲーム開始処理では、各得点カウンタA,Bの値として、所定の初期値(本実施形態では、「0」)が設定される。また、ゲーム時間タイマによるゲーム時間の計測が開始される。さらに、表示部220による通常ラリーゲーム画像の表示が開始される。「通常ラリーゲーム画像」は、各得点カウンタA,Bの値を報知する画像となっている。
【0048】
ステップS1-8では、ゲーム時間タイマにより計測されたゲーム時間が所定上限時間に達したか否かを判定し、ゲーム時間が所定上限時間に達していないと判定した場合(No)には、ステップS1-9に移行し、ゲーム時間が所定上限時間に達したと判定した場合(Yes)には、ステップS1-23に移行する。
ステップS1-9では、いずれかの得点ボタン110a,110bの押下操作が検出されたか否かを判定し、いずれかの得点ボタン110a,110bの押下操作が検出されたと判定した場合(Yes)には、ステップS1-10に移行し、いずれかの得点ボタン110a,110bの押下操作が検出されていないと判定した場合(No)には、ステップS1-8に移行する。
ステップS1-10では、得点更新処理を実行し、ステップS1-11に移行する。得点更新処理では、押下操作が検出された得点ボタン110a,110bに対応する得点カウンタA,Bに「1」を加算する。また、モータ161の駆動により、得点したプレイヤに有利となるように、可動式ネット130が移動される。すなわち、プレイ領域f1,f2のうち、得点したプレイヤの打球がバウントするプレイ領域が広くなるように、可動式ネット130が移動される。この際、プレイヤの得点に応じて可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される。
なお、ステップS1-10では、得点したプレイヤに不利となるように、可動式ネット130が移動される構成としても構わない。すなわち、プレイ領域f1,f2のうち、得点したプレイヤの打球がバウントするプレイ領域が狭くなるように、可動式ネット130が移動される構成としても構わない。
ステップS1-11では、ステップS1-10で更新された得点カウンタA,Bの値が第1所定値(本実施形態では、5[点])に達したか否かを判定し、更新された得点カウンタA,Bの値が第1所定値に達したと判定した場合(Yes)には、ステップS1-12に移行し、更新された得点カウンタA,Bの値が第1所定値に達していないと判定した場合(No)には、ステップS1-8に移行する。
【0049】
ステップS1-12では、第2ラブパワー診断ゲーム処理を実行し、ステップS1-13に移行する。第2ラブパワー診断ゲーム処理では、第2ラブパワー診断ゲームが実行される。
「第2ラブパワー診断ゲーム」は、第1ラブパワー診断ゲームと同様に、各センサユニット310A,310Bの検出結果に応じて付与される得点を競うゲームとなっている。
具体的に、筐体110(プレイフィールド盤120)を挟んで相対した各プレイヤ(各チーム)は、自分側のプレイ領域f1,f2に配置されているセンサユニット310A,310Bを使用して、第2ラブパワー診断ゲームをプレイする。
第2ラブパワー診断ゲームでは、相対するプレイヤのうち、先に電圧積算値A,Bを所定値に到達させたプレイヤが勝者とされる。すなわち、第2ラブパワー診断ゲーム中には、測定期間が設定される。測定期間中には、電圧積算値A,Bが算出される。また、電圧積算値A及び電圧積算値Bのうち、いずれかの値が所定値に達したこと、または、測定期間の開始から所定時間が経過したことに応じて、測定期間が終了する。そして、電圧積算値A及び電圧積算値Bのうち、いずれかの値が所定値に達したことに応じて測定期間が終了した場合には、電圧積算値A及び電圧積算値Bのうち、所定値に達した電圧積算値に対応するプレイヤが勝者とされ、所定値に達していない電圧積算値に対応するプレイヤが敗者とされる。一方、測定期間の開始から所定時間が経過したことに応じて、測定期間が終了した場合には、電圧積算値A及び電圧積算値Bのうち、大きい値に対応するプレイヤが勝者とされ、小さい値に対応するプレイヤが敗者とされる。さらに、モータ161の駆動により、勝者とされたプレイヤに有利となるように、可動式ネット130が移動される。すなわち、プレイ領域f1,f2のうち、勝者とされたプレイヤの打球がバウントするプレイ領域が広くなるように、可動式ネット130が移動される。
特に、第2ラブパワー診断ゲームでは、相対するプレイヤのうち、得点が少ない方のプレイヤ(得点カウンタA,Bの値が小さい方のプレイヤ)に対応する電圧積算値A,Bについて、得点が多い方のプレイヤ(得点カウンタA,Bの値が大きい方のプレイヤ)に対応する電圧積算値A,Bと比較して、所定値に達し易くなるように、補正処理が実行される。例えば、得点が少ない方のプレイヤ(得点カウンタA,Bの値が小さい方のプレイヤ)に対応する電圧積算値A,Bを算出するにあたって、各電圧合計値A,Bが所定倍される。
【0050】
具体的に、第2ラブパワー診断ゲーム処理では、まず、表示部220による第2ゲーム説明画像の表示が開始される。「第2ゲーム説明画像」は、第2ラブパワー診断ゲームの内容(プレイ方法)を説明する画像となっている。
また、表示部220によるゲーム説明画像の表示の開始から所定時間が経過したことに応じて、表示部220による第2ゲーム説明画像の表示が終了される。また、測定期間が開始されるとともに、表示部220による第2計測中画像の表示が開始される。そして、測定期間中には、各電圧積算値A,Bの演算が実行される。「第2計測中画像」は、プレイヤによるセンサユニット310A,310Bへの接触を促すとともに、所定値に対する各電圧積算値A,Bの割合を示す情報を報知する画像となっている。
さらに、いずれかの電圧積算値A,Bが所定値に達したこと、または、測定期間の開始から所定時間が経過したことに応じて、測定期間が終了されるとともに、表示部220による第2測定中画像の表示が終了される。また、表示部220による第2結果画像の表示が表示される。「第2結果画像」は、第2ラブパワー診断ゲームの勝敗を報知する画像となっている。さらに、電圧積算値Aと電圧積算値Bとが比較され、比較結果に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が算出される。そして、算出された可動式ネット130の移動方向及び移動量に応じて、モータ161が駆動され、可動式ネット130が移動される。
【0051】
ステップS1-13では、通常ラリーゲーム開始処理を実行し、ステップS1-14に移行する。通常ラリーゲーム開始処理では、通常ラリーゲームを開始する。
具体的に、通常ラリーゲーム開始処理では、表示部220による通常ラリーゲーム画像の表示が開始される。
ステップS1-14では、ゲーム時間タイマにより計測されたゲーム時間が所定上限時間に達したか否かを判定し、ゲーム時間が所定上限時間に達していないと判定した場合(No)には、ステップS1-15に移行し、ゲーム時間が所定上限時間に達したと判定した場合(Yes)には、ステップS1-23に移行する。
ステップS1-15では、いずれかの得点ボタン110a,110bの押下操作が検出されたか否かを判定し、いずれかの得点ボタン110a,110bの押下操作が検出されたと判定した場合(Yes)には、ステップS1-16に移行し、いずれかの得点ボタン110a,110bの押下操作が検出されていないと判定した場合(No)には、ステップS1-14に移行する。
ステップS1-16では、得点更新処理を実行し、ステップS1-17に移行する。得点更新処理では、押下操作が検出された得点ボタン110a,110bに対応する得点カウンタA,Bに「1」を加算する。また、モータ161の駆動により、得点したプレイヤに有利となるように、可動式ネット130が移動される。すなわち、プレイ領域f1,f2のうち、得点したプレイヤの打球がバウントするプレイ領域が広くなるように、可動式ネット130が移動される。この際、プレイヤの得点に応じて可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される。
なお、ステップS1-16では、得点したプレイヤに不利となるように、可動式ネット130が移動される構成としても構わない。すなわち、プレイ領域f1,f2のうち、得点したプレイヤの打球がバウントするプレイ領域が狭くなるように、可動式ネット130が移動される構成としても構わない。
ステップS1-17では、ステップS1-16で更新された得点カウンタA,Bの値が第2所定値(本実施形態では、8[点])に達したか否かを判定し、更新された得点カウンタA,Bの値が第2所定値に達したと判定した場合(Yes)には、ステップS1-18に移行し、更新された得点カウンタA,Bの値が第2所定値に達していないと判定した場合(No)には、ステップS1-14に移行する。
【0052】
ステップS1-18では、パニックラリーゲーム開始処理を実行し、ステップS1-19に移行する。パニックラリーゲーム開始処理では、パニックラリーゲームを開始する。
「パニックラリーゲーム」は、可動式ネット130が所定態様による移動を継続している状態で実行される卓球ゲームとなっている。
具体的に、パニックラリーゲーム開始処理では、パニックラリーゲーム用のモータ制御データ(プログラム)にしたがってモータ161が駆動され、所定態様による可動式ネット130の移動が開始される。本実施形態では、パニックラリーゲーム中、相対するプレイヤ(チーム)のうち、得点(得点カウンタA,Bの値)が少ない方のプレイヤに有利となる態様で、可動式ネット130が移動(駆動)される。具体的に、パニックラリーゲーム中には、可動式ネット130が、所定中心位置を中心として所定範囲内で往復を繰り返す態様により移動(駆動)される。この際、得点が少ない方のプレイヤに有利となるように、所定中心位置が設定される。特に、相対するプレイヤの得点差に応じて、所定中心位置が設定される。すなわち、相対するプレイヤの得点差が大きいほど、得点が少ない方のプレイヤに有利となる度合いが高くなるように、所定中心位置が設定される。ここで、パニックラリーゲーム中には、パニックラリーゲームの開始時に設定された所定中心位置が維持される構成としても、いずれかのプレイヤが得点するごとに所定中心位置が再設定される構成としても、どちらでも構わない。
なお、パニックラリーゲーム中、相対するプレイヤ(チーム)のうち、得点(得点カウンタA,Bの値)が多い方のプレイヤに有利となる態様で、可動式ネット130が移動(駆動)される構成としても構わない。
ここで、パニックラリーゲーム中には、ゲーム(プログラム)の進行と、得点差と、に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される。
ステップS1-19では、ゲーム時間タイマにより計測されたゲーム時間が所定上限時間に達したか否かを判定し、ゲーム時間が所定上限時間に達していないと判定した場合(No)には、ステップS1-20に移行し、ゲーム時間が所定上限時間に達したと判定した場合(Yes)には、ステップS1-23に移行する。
ステップS1-20では、いずれかの得点ボタン110a,110bの押下操作が検出されたか否かを判定し、いずれかの得点ボタン110a,110bの押下操作が検出されたと判定した場合(Yes)には、ステップS1-21に移行し、いずれかの得点ボタン110a,110bの押下操作が検出されていないと判定した場合(No)には、ステップS1-19に移行する。
ステップS1-21では、得点更新処理を実行し、ステップS1-22に移行する。得点更新処理では、押下操作が検出された得点ボタン110a,110bに対応する得点カウンタA,Bに「2」を加算する。すなわち、パニックラリーゲーム中には、通常ラリーゲーム中と比較して、得点が倍になる。
ステップS1-22では、ステップS1-21で更新された得点カウンタA,Bの値が第3所定値(本実施形態では、11[点])に達したか否かを判定し、更新された得点カウンタA,Bの値が第3所定値に達したと判定した場合(Yes)には、ステップS1-23に移行し、更新された得点カウンタA,Bの値が第3所定値に達していないと判定した場合(No)には、ステップS1-19に移行する。
【0053】
ステップS1-23では、結果発表処理を実行し、ステップS1-24に移行する。結果発表処理では、卓球ゲームの結果と、ラブパワー診断ゲームの結果と、が報知される。
具体的に、結果発表処理では、所定態様による可動式ネット130の移動が停止される。また、表示部220による最終結果画像の表示が表示される。「最終結果画像」は、卓球ゲームの結果と、ラブパワー診断ゲームの結果と、を個別に報知する画像となっている。本実施形態では、卓球ゲームの結果として、各得点カウンタA,Bの値を示す情報が報知される。また、ラブパワー診断ゲームの結果として、第1ラブパワー診断ゲームで算出された各電圧積算値A,Bと、第2ラブパワー診断ゲームで算出された各電圧積算値A,Bと、第1ラブパワー診断ゲームの結果及び第2ラブパワー診断ゲームの結果に応じた評価・コメントと、が報知される。
そして、表示部220による最終結果画像の表示の開始から所定時間が経過したことに応じて、表示部220による最終結果画像の表示が終了される。
ステップS1-24では、ゲーム終了処理を実行し、ステップS1-2に移行する。ゲーム終了処理では、ゲーム終了後の事後処理が実行される。
具体的に、ゲーム終了処理では、モータ161の駆動により、可動式ネット130によるイニシャル動作が実行される。また、イニシャル動作の完了に応じて、記憶部420の位置データ記憶領域に記憶されている位置データが、基準位置を示す位置データに補正される。さらに、記憶部420の電圧値データ蓄積領域の記憶が初期化される。
【0054】
(ゲーム装置1の動作)
次に、ゲーム装置1の動作を説明する。
ゲーム装置1では、ゲーム開始条件の成立に応じて、ゲームが開始される。
ゲームが開始されると、まず、第1ラブパワー診断ゲーム処理が実行される。
第1ラブパワー診断ゲームでは、測定期間中に、各センサユニット310A,310Bにより、相対する各プレイヤ(各チーム)の動作が検出され、検出された動作に応じた得点(具体的には、電圧積算値A,B)が付与される。この際、各プレイヤは、センサユニット310A,310Bの上面の広い範囲に接触するように手を動かし続けると、付与される得点(具体的には、電圧積算値A,B)が高くなる。特に、各チームの2人のプレイヤが、互いに手を繋いだ状態で、センサユニット310A,310Bに接触すると、付与される得点(具体的には、電圧積算値A,B)が高くなる。そして、測定期間の終了時に、相対するプレイヤの得点(具体的には、電圧積算値A及び電圧積算値B)が比較され、得点が多い方のプレイヤが勝者とされる。さらに、勝者とされたプレイヤに有利となるように、可動式ネット130の位置が変更される。
この際、各電圧値データ群A,Bの内容や経時的な変化に基づいて、各チームの2人のプレイヤが互いに手を繋いでいるか否かを判定し、互いに手を繋いでいると判定した場合に、当該チームの得点(具体的には、電圧積算値A,B)を加算する構成としても構わない。例えば、表示部220において、手を繋ぐことを指示する画像(以下、「指示画像」とする)を表示し、指示画像を表示する前後における各電圧値データ群A,Bの変化に基づいて、各チームの2人のプレイヤが互いに手を繋いでいるか否かを判定しても構わない。または、指示画像を表示した後、出力側回路SC1(プラス電極EL)を含んでなる32系統の分圧抵抗回路により検出される電圧値と、出力側回路SC2(プラス電極ER)を含んでなる32系統の分圧抵抗回路により検出される電圧値と、の比較結果に基づいて、各チームの2人のプレイヤが互いに手を繋いでいるか否かを判定しても構わない。または、指示画像を表示した後、64系統の分圧抵抗回路のうち、電圧値データの値が「0」より大きくなっている分圧抵抗回路の数に基づいて、各チームの2人のプレイヤが互いに手を繋いでいるか否かを判定しても構わない。
第1ラブパワー診断ゲームが終了すると、1回目の通常ラリーゲームが実行される。1回目の通常ラリーゲームの開始時には、可動式ネット130が、第1ラブパワー診断ゲームの結果に応じた位置に配置されている。そして、1回目の通常ラリーゲーム中には、いずれかのプレイヤが得点するごとに、当該プレイヤに有利となるように、可動式ネット130の位置が変更される。
いずれかのプレイヤの得点が5点に達すると、1回目の通常ラリーゲームが終了され、第2ラブパワー診断ゲームが開始される。
第2ラブパワー診断ゲームでは、第1ラブパワー診断ゲームと同様に、測定期間中に、各センサユニット310A,310Bにより、相対する各プレイヤ(各チーム)の動作が検出され、検出された動作に応じた得点(具体的には、電圧積算値A,B)が付与される。そして、相対するプレイヤのうち、先に得点が所定値に達したプレイヤが勝者とされる。さらに、勝者とされたプレイヤに有利となるように、可動式ネット130の位置が変更される。
第2ラブパワー診断ゲームが終了すると、2回目の通常ラリーゲームが実行される。2回目の通常ラリーゲームの開始時には、可動式ネット130が、第2ラブパワー診断ゲームの結果に応じた位置に配置されている。そして、2回目の通常ラリーゲーム中には、1回目の通常ラリーゲームと同様に、いずれかのプレイヤが得点するごとに、当該プレイヤに有利となるように、可動式ネット130の位置が変更される。
いずれかのプレイヤの得点が8点に達すると、2回目の通常ラリーゲームが終了され、パニックラリーゲームが開始される。
パニックラリーゲーム中には、可動式ネット130の位置が、所定態様(本実施形態では、パニックラリーゲーム中、相対するプレイヤ(チーム)のうち、得点(得点カウンタA,Bの値)が少ない方のプレイヤに有利となる態様)で変化し続ける。また、パニックラリーゲーム中には、通常ラリーゲーム中と比較して、得点が2倍となる。
いずれかのプレイヤの得点が11点に達すると、パニックラリーゲームが終了され、最終結果が発表される。この際、最終結果として、卓球ゲームの結果と、ラブパワー診断ゲームの結果と、が個別に発表される。
そして、最終結果の発表の終了に応じて、ゲームが終了される。
【0055】
(ゲーム装置1の作用)
ゲーム装置1では、プレイフィールドFを複数のプレイ領域f1,f2に仕切る可動式ネット130が、プレイフィールドFに沿って移動可能に設けられている。これによって、可動式ネット130の移動により、各プレイ領域f1,f2の広さを変化させることが可能となる。
特に、ゲーム装置1では、所定条件(各センサユニット310A,310Bの検出結果、得点、ゲームの進行等)に応じて可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される。これによって、各プレイ領域f1,f2の大きさの変化を多様化することが可能となる。
以上により、ゲーム装置1では、ゲーム性を向上することが可能となる。
また、ゲーム装置1では、プレイヤの動作又は状態を検出するセンサユニット310A,310Bが設けられ、センサユニット310A,310Bの検出結果に応じて可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される。これによって、プレイヤの動作又は状態に応じて各プレイ領域f1,f2の大きさを変化させることができ、ゲーム性を更に向上することが可能となる。
また、ゲーム装置1では、センサユニット310A,310Bが、プレイヤによる電極への接触、プレイヤの電気伝導性等を検出する。これによって、プレイヤによる電極への接触、プレイヤの電気伝導性等に応じて各プレイ領域f1,f2の大きさを変化させることが可能となる。
また、ゲーム装置1では、複数のプレイ領域f1,f2のそれぞれに対応するセンサユニット310A,310Bが設けられ、複数のセンサユニット310A,310Bの検出結果を比較した結果に応じて可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される。これによって、複数のセンサユニット310A,310Bの検出結果を比較した結果に応じて各プレイ領域f1,f2の大きさを変化させることが可能となる。
また、ゲーム装置1では、センサユニット310A,310Bの検出結果に応じた情報を表示する表示部220が設けられている。これによって、プレイヤがセンサユニット310A,310Bの検出結果を把握することができ、プレイの興趣を向上することが可能となる。
また、ゲーム装置1では、パニックラリーゲーム中に、ゲーム(プログラム)の進行と、得点差と、に応じて可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される。これによって、ゲームの進行に応じて、得点が少ないプレイヤが有利となるように(または、得点が少ないプレイヤが不利となるように)、各プレイ領域f1,f2の大きさを変化させることができ、ゲーム性を更に向上することが可能となる。
さらに、ゲーム装置1では、プレイヤの得点に応じて可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される。これによって、プレイヤの得点に応じて、得点したプレイヤが有利となるように(または、得点したプレイヤが不利となるように)、各プレイ領域f1,f2の大きさを変化させることができ、ゲーム性を更に向上することが可能となる。
【0056】
(変形例)
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明に係るゲーム装置を、プレイヤに卓球ゲームをプレイ(実行)させることが可能なゲーム装置1に適用した一例が示されている。しかしながら、本発明に係るゲーム装置を、プレイヤに他のゲーム(例えば、テニスゲーム、バレーボールゲーム、バドミントンゲーム、エアホッケーゲーム等)をプレイ(実行)させることが可能なゲーム装置に適用しても構わない。
【0057】
また、上記実施形態では、第1,第2ラブパワー診断ゲーム中に、各電圧積算値A,Bが算出され、電圧積算値A及び電圧積算値Bの比較結果に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される。しかしながら、第1,第2ラブパワー診断ゲーム中に、電圧値データ蓄積領域に蓄積される電圧値データ群A,Bに基づいて(各電圧値データ群A,Bの経時的変化に基づいて)、相対する各プレイヤについて、センサユニット310A,310Bの上面における手の移動範囲、センサユニット310A,310Bの上面における手の移動速度、センサユニット310A,310Bの上面における手の接触圧力等の項目を測定(検出)し、測定した各項目の比較結果に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
また、第1,第2ラブパワー診断ゲーム中以外の時期においても、常時、各電圧積算値A,Bが算出され、電圧積算値A及び電圧積算値Bの比較結果に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定され、決定された移動方向及び移動量に応じて、可動式ネット130が移動される構成としても構わない。
【0058】
また、上記実施形態では、本発明に係る検出手段(測定ユニット300)が、本体ユニット100に配置されている。しかしながら、本発明に係る検出手段が、ラケットのグリップ部に配置されている構成としても構わない。かかる構成では、ラケットのグリップ部に、電圧値データを算出するセンサ基板を配置し、算出された電圧値データがセンサ基板から制御基板400に対して無線で送信される構成とすることが好ましい。
【0059】
さらに、上記実施形態では、本発明に係る検出手段として、プレイヤの動作(具体的には、センサユニット310A,310Bの上面におけるプレイヤの接触動作)、または、プレイヤの状態(具体的には、プレイヤの人体の電気伝導性・生体インピーダンス等)を測定する測定ユニット300を備えている。そして、測定ユニット300の測定結果に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される。
しかしながら、本発明に係る検出手段として、歪センサ等によりプレイヤによる押圧部の押圧を測定(検出)する押圧マットを備え、押圧マットの検出結果(押圧力、押圧回数等)に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
または、本発明に係る検出手段として、サーモグラフィ等によりプレイヤの体温を測定(検出)する体温センサを備え、体温センサの検出結果(体温の高低、体温の変化等)に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
または、本発明に係る検出手段として、赤外線ビーム等によりプレイヤの血流・脈拍を測定(検出)する血流・脈拍センサを備え、血流・脈拍センサの検出結果(血流量、血流量の変化、脈拍数、脈拍数の変化等)に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
または、本発明に係る検出手段として、操作ボタン等の操作手段を備え、操作手段の検出結果(操作回数等)に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
または、本発明に係る検出手段として、温度センサ、風車等によりプレイヤが発生させた風量を測定(検出)する風量センサを備え、風量センサの検出結果(風量、風量の変化等)に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
または、本発明に係る検出手段として、プレイヤが発生させた振動(衝撃)を測定(検出)するショックセンサを備え、ショックセンサの検出結果(振動回数等)に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。この際、発光等のタイミングとプレイヤにより発生された振動との同調度に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
または、本発明に係る検出手段として、プレイヤによる発音(声・音声)を測定(検出)する音声センサを備え、音声センサの検出結果(音量、複数のプレイヤの発音のハモリ度等)に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
または、本発明に係る検出手段として、赤外線、タッチパネル、カメラ等によりプレイヤのスワイプ動作を測定(検出)する動作センサを備え、動作センサの検出結果(スワイプ動作の内容等)に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
または、本発明に係る検出手段として、プレイヤがラケットのグリップ部を握る握力を測定(検出)する握力センサを備え、握力センサの検出結果(握力の大きさ等)に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
または、本発明に係る検出手段として、カメラ等により各チームの2人のプレイヤが体やラケットを近づけた距離を測定(検出)する距離センサを備え、距離センサの検出結果(距離等)に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
または、本発明に係る検出手段として、カメラ等によりプレイヤのポーズを測定(検出)する動作センサを備え、動作センサの検出結果(出題されたポーズに対する検出されたプレイヤのポーズの一致度等)に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
または、本発明に係る検出手段として、ラケットの振動を測定(検出)する振動センサ(歩数計等)を備え、振動センサの検出結果(振動回数等)に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
または、操作ボタン等の操作手段の操作の検出に応じて実行される抽選の結果に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。例えば、得点等の所定条件の成立に応じて、ルーレットの回転が開始され、プレイヤによる操作ボタンの操作に応じて、ルーレットの回転が終了され、ルーレットが停止したときに選択された抽選結果に応じて、可動式ネット130の移動方向及び移動量が決定される構成としても構わない。
【0060】
また、上記実施形態では、硬貨の投入により、クレジットカウンタの値が加算(クレジットが付与)される構成となっている。しかしながら、プリペイドカード、クレジットカード等の記憶媒体による電子マネーの支払により、クレジットカウンタの値が加算(クレジットが付与)される構成としても構わない。かかる構成とした場合には、プリペイドカード、クレジットカード等の記憶媒体のリーダー・ライター装置を備える構成とする。
なお、クレジットカウンタを設けずに、得点ボタン110a,110bの押下操作が検出されたことのみをもって、ゲーム開始条件が成立する構成としても構わない。
【0061】
また、上記実施形態に係る構成及び変形例に係る構成のうち、複数の構成を、適宜、組み合わせても構わない。
【符号の説明】
【0062】
1 ゲーム装置
100 本体ユニット
110 筐体
120 プレイフィールド盤
130 可動式ネット
200 情報表示ユニット
300 測定ユニット
310A,310B センサユニット
320 センサ基板
F プレイフィールド
f1 第1プレイ領域
f2 第2プレイ領域