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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】プロペラファン
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/38 20060101AFI20230310BHJP
【FI】
F04D29/38 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019217682
(22)【出願日】2019-12-02
(65)【公開番号】P2021088932
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100192533
【弁理士】
【氏名又は名称】奈良 如紘
(72)【発明者】
【氏名】山田 周平
(72)【発明者】
【氏名】諸我 勝巳
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/030866(WO,A1)
【文献】特開2015-190332(JP,A)
【文献】特開2003-343489(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154246(WO,A1)
【文献】特開2005-140081(JP,A)
【文献】特開2016-56772(JP,A)
【文献】特開2003-65295(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107178512(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転の中心となる軸線上に回転可能に設けられているボスと、このボスから外方に延び前記ボスと共に回転可能な複数の羽根部と、を有するプロペラファンにおいて、
前記羽根部は、回転方向を基準として、前方の縁である前縁部と、後方の縁である後縁部と、前記ボスとの境界の縁である内縁部と、前記軸線を基準として外側に形成された縁である外縁部と、を有し、
前記後縁部は、前方に向かって凹状に形成された凹部を含み、
前記凹部は、前記軸線を中心とした径方向を基準として最も内側に位置する点である最内部と、最も外側に位置する点である最外部と、前記羽根部の回転方向を基準として最も前方に位置する点である最前部と、を含み、
前記軸線から前記最内部までの距離をr1とし、前記軸線から前記最外部までの距離をr2とし、前記軸線から前記内縁部までの距離をrbとし、前記軸線から外縁部までの距離をrfとした場合に、(r2-r1)/(rf-rb)で求められる値は、0.05以上0.17以下であり、
前記軸線を中心とした前記最前部から前記前縁部までの円弧長さをl1とし、前記軸線を中心とした前記最外部から前記前縁部までの円弧長さをl2とし、前記軸線を中心とした前記前縁部から後方に隣接する前記羽根部の前縁部までの円弧のうち前記最前部を通過する円弧の長さをt1とし、前記軸線を中心とした前記前縁部から後方に隣接する前記羽根部の前縁部までの円弧のうち前記最外部を通過する円弧の長さをt2とした場合に、(l2/t2)/(l1/t1)で求められる値は、1.4以上1.6以下であることを特徴とするプロペラファン。
【請求項2】
前記最外部は、前記後縁部の中央よりも前記軸線に近い部位に位置していることを特徴とする請求項1記載のプロペラファン。
【請求項3】
前記最内部は、前記内縁部の後端に一致していることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロペラファン。
【請求項4】
前記最前部は、前記最内部に一致していることを特徴とする請求項3に記載のプロペラファン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転することにより送風を行うプロペラファンに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、エアコン装置の室外機内には、熱交換器に送風を行うためのプロペラファンが設けられている。このようなプロペラファンに関する従来技術として、特許文献1に開示される技術がある。
【0003】
特許文献1に示されるような、プロペラファンは、軸線上に回転可能に設けられているボスと、このボスから外方に延びボスと共に回転可能な複数の羽根部と、を有する。羽根部の後縁には、前方に向かって略V字状に凹部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-56772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
送風に用いられるプロペラファンにおいて、少ないエネルギによってより多くの風量の送風を行うことができれば、プロペラファンが設けられる装置の小型化や軽量化を図ることができ好ましい。即ち、送風効率の高いプロペラファンの提供が望まれる。
【0006】
本発明は、送風効率の高いプロペラファンの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、回転の中心となる軸線上に回転可能に設けられているボスと、このボスから外方に延び前記ボスと共に回転可能な複数の羽根部と、を有するプロペラファンにおいて、
前記羽根部は、回転方向を基準として、前方の縁である前縁部と、後方の縁である後縁部と、前記ボスとの境界の縁である内縁部と、前記軸線を基準として外側に形成された縁である外縁部と、を有し、
前記後縁部は、前方に向かって凹状に形成された凹部を含み、
前記凹部は、前記軸線を中心とした径方向を基準として最も内側に位置する点である最内部と、最も外側に位置する点である最外部と、前記羽根部の回転方向を基準として最も前方に位置する点である最前部と、を含み、
前記軸線から前記最内部までの距離をr1とし、前記軸線から前記最外部までの距離をr2とし、前記軸線から前記内縁部までの距離をrbとし、前記軸線から外縁部までの距離をrfとした場合に、(r2-r1)/(rf-rb)で求められる値は、0.05以上0.17以下であり、
前記軸線を中心とした前記最前部から前記前縁部までの円弧長さをl1とし、前記軸線を中心とした前記最外部から前記前縁部までの円弧長さをl2とし、前記軸線を中心とした前記前縁部から後方に隣接する前記羽根部の前縁部までの円弧のうち前記最前部を通過する円弧の長さをt1とし、前記軸線を中心とした前記前縁部から後方に隣接する前記羽根部の前縁部までの円弧のうち前記最外部を通過する円弧の長さをt2とした場合に、(l2/t2)/(l1/t1)で求められる値は、1.4以上1.6以下であることを特徴とするプロペラファンが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、羽根部の後縁部は、前方に向かって凹状に形成された凹部を含み、凹部は、最も内側に位置する点である最内部と、最も外側に位置する点である最外部と、最も前方に位置する点である最前部と、を含む。軸線から最内部までの距離をr1とし、軸線から最外部までの距離をr2とし、軸線から内縁部までの距離をrbとし、軸線から外縁部までの距離をrfとした場合に、(r2-r1)/(rf-rb)で求められる値は、0.05以上0.17以下であり、軸線を中心とした最前部から前縁部までの円弧長さをl1とし、軸線を中心とした最外部から前縁部までの円弧長さをl2とし、軸線を中心とした前縁部から後方に隣接する羽根部の前縁部までの円弧のうち最前部を通過する円弧の長さをt1とし、最外部を通過する円弧の長さをt2とした場合に、(l2/t2)/(l1/t1)で求められる値は、1.4以上1.6以下である。このような条件を満たす羽根部を有するプロペラファンは、送風効率が高いことが分かった。羽根部の形状を所定の条件を満たす形状とすることにより、送風効率の高いプロペラファンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1によるプロペラファンが搭載されたエアコン装置の模式図である。
図2図1に示されたプロペラファン、熱交換器、及び、ベルマウスについて説明する図である。
図3図2に示されたプロペラファンの正面図である。
図4図3に示されたボス及び羽根部の拡大図である。
図5】l1、l2、t1、t2の関係について説明する図である。
図6】羽根部の形状とファン効率との関係について説明する図である。
図7】実施例2によるプロペラファンの要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【0011】
<実施例1>
図1を参照する。図1には、プロペラファン40を含むエアコン装置10が示されている。エアコン装置10は、屋内Inを冷却する冷房機能と、屋内Inを暖房する暖房機能と、を備えている。
【0012】
エアコン装置10は、屋外Ouに設けられた室外機20及び屋内Inに設けられた室内機30を備えてなる。室外機20と、室内機30とは、冷媒を循環させることができるよう互いに接続されている。以下、特に説明のない限り、冷媒の循環する方向は、冷房運転時を基準とする。
【0013】
室外機20は、冷房運転時及び暖房運転時における冷媒の循環する方向を切り替える四路切替弁21と、この四路切替弁21を通過した冷媒が流され冷媒を圧縮する圧縮機22と、この圧縮機22において圧縮され高温高圧となった冷媒が流れる室外熱交換器23と、この室外熱交換器23に風を通過させるためのプロペラファン40と、これらの室外熱交換器23及びプロペラファン40の外周に設けられているベルマウス25と、室外熱交換器23を通過した冷媒を減圧する膨張弁26と、を有する。
【0014】
図2を参照する。プロペラファン40は、ベルマウス25の内部においてモータ27によって回転可能に支持されている。
【0015】
図1を併せて参照する。モータ27を作動させプロペラファン40を回転させることにより、室外機20の外部に向かって送風を行うことができる。一方、プロペラファン40の下流側(図面左側)は、負圧となり、ベルマウス25の外部からプロペラファン40に向かって空気が引き込まれる。引き込まれた空気が通過する位置には、室外熱交換器23が配置されている。引き込まれた空気が室外熱交換器23を通過することにより、室外熱交換器23の内部を流れる冷媒は冷却される。
【0016】
室内機30は、屋内Inにおいて壁Waに掛けて用いられる。室内機30は、送風口31bを有するケース31が壁Waに固定され、このケース31に、室内の空気を取り込み送風を行う室内ファン32と、この室内ファン32が取り込んだ空気を冷却する室内熱交換器33と、が収納されてなる。
【0017】
冷房運転時において、圧縮機22で高温高圧とされた冷媒は、室外熱交換器23において外気と熱交換を行い、熱を放出する。このとき、プロペラファン40が作動することによって、外気を強制的に室外熱交換器23の外周に流し、熱交換を促す。室外熱交換器23を通過し熱を放出した冷媒は、膨張弁26において減圧され、温度が低下する。温度が低下した冷媒は、室内熱交換器33に送られる。
【0018】
このとき、プロペラファン40による送風量を多くすることができれば、室外熱交換器23を通過する空気の風量を多くすることができ、冷媒をより確実に冷却することができる。このため、プロペラファン40には、高い送風効率が求められる。
【0019】
室内熱交換器33に送られた温度の低い冷媒は、室内熱交換器33において屋内Inの空気と熱交換を行い、屋内の空気を冷却する。冷却された空気は、室内ファン32によって屋内Inに送風される。なお、室内ファン32は、空気を強制的に室内熱交換器33の外周に流し、熱交換を促す役割を果たす。
【0020】
暖房運転時には、四路切替弁21が冷媒の流路を切り替え、冷房運転時とは逆方向に冷媒を循環させる。
【0021】
図3を参照する。プロペラファン40は、モータ27(図2参照)に支持され回転の中心となる軸線O上に回転可能に設けられているボス41と、このボス41に支持され回転することにより軸線Oに沿って送風を行う羽根部50と、を有する。
【0022】
羽根部50は、ボス41に一体的に3枚形成され、ボス41の側壁から径方向外方へ向かって延びている。3枚の羽根部50は、それぞれ同じ形状を呈すると共に、ボス41の周方向に等間隔に形成されている。
【0023】
図4を参照する。羽根部50の回転方向(矢印参照)を基準として、前方の縁を前縁部51といい、後方の縁を後縁部60という。また、ボス41との境界の縁を内縁部53といい、軸線Oを基準として外側に形成された縁を外縁部54という。
【0024】
軸線Oに垂直な面を基準として、前縁部51、後縁部60、内縁部53、外縁部54は、それぞれ斜めに形成されている。即ち、羽根部50は、図面表裏方向に傾けて形成されている。
【0025】
後縁部60は、軸線Oを中心とした略径方向に延び、前方に向かって略V字状に凹んでいる凹部61を含む。凹部61は、後縁部60の中央60cよりも軸線Oに近い位置に全体が形成されている。
【0026】
内縁部53及び外縁部54は、軸線Oを中心とした略周方向に沿って形成されている。
【0027】
軸線Oを中心とした径方向を基準として、凹部61の最も内側に位置する点を最内部61iといい、最も外側に位置する点を最外部61оという。羽根部50の回転方向を基準として、最も前方に位置する点を最前部61fといい、最前部61fよりも外側において最も後方に位置する点を最後部61rという。
【0028】
なお、図に示す状態において、最外部61оと最後部61rとは、一致している。つまり、最外部61оについては、適宜「最後部61r」と読み替えることができる。また、最後部61rについては、適宜「最外部61о」と読み替えることができる。
【0029】
最内部61iから最前部61fまでは、軸線Oから徐々に離れると共に曲線状に形成されている。最前部61fから最後部61rまでは、略直線状に形成されている。
【0030】
最内部61iは、内縁部53の後端に一致している。
【0031】
上述のとおり、凹部61は、後縁部60の中央60cよりも軸線Oに近い位置に全体が形成されているため、当然に、最外部61оは、後縁部60の中央60cよりも軸線Oに近い位置に形成されている、ということができる。
【0032】
軸線Oから最内部61iまでの距離をr1とし、軸線Oから最外部61оまでの距離をr2とし、軸線Oから内縁部53までの距離をrbとし、軸線Oから外縁部54までの距離をrfとする。
【0033】
このとき、r1、r2、rb、rfの関係は、次に示す(1)式を満たす関係にある。
0.05≦(r2-r1)/(rf-rb)≦0.17…(1)
【0034】
図5を参照する。軸線Oを中心とした最前部61fから前縁部51までの円弧長さをl1とし、軸線Oを中心とした最外部61оから前縁部51までの円弧長さをl2とし、軸線Oを中心とした前縁部51から後方に隣接する羽根部50の前縁部51までの円弧のうち最前部61fを通過する円弧の長さをt1とし、軸線Oを中心とした前縁部51から後方に隣接する羽根部50の前縁部51までの円弧のうち最外部61оを通過する円弧の長さをt2とする。
【0035】
l1、l2、t1、t2の関係は、次に示す(2)式を満たす関係にある。
1.4≦(l2/t2)/(l1/t1)≦1.6…(2)
【0036】
以上に説明したプロペラファン40について、本発明者らは実験を行った。以下、説明する。
【0037】
図4乃至図6を参照する。本発明者らは、凹部61の大きさによってファン効率が変化するとの知見に基づき、凹部61の形状を変更した複数のプロペラファン40を作成し、これらについてファン効率を調べた。凹部61の幅は、α=(r2-r1)/(rf-rb)によって示され、凹部61の深さは、β=(l2/t2)/(l1/t1)によって示される。
【0038】
プロペラファン40における凹部61の形状以外の条件は同じであり、プロペラファンを回転させたモータやファン効率を計測した際のプロペラファン40の回転数も700rpmで同じである。
【0039】
図6の横軸は、βであり、縦軸は、ファン効率である。線71は、α=0.05のときの結果を示し、線72は、α=0.17のときの結果を示し、線73は、α=0.24のときの結果を示し、線74は、α=0.33のときの結果を示す。
【0040】
なお、凹部61を有しないプロペラファンのファン効率は、0.375であった。
【0041】
線71と、線72は、ファン効率が合格の基準である0.415を超えた。一方、線73と、線74は、ファン効率が合格の基準である0.415を超えなかった。凹部を有しない場合におけるファン効率は、0.375であるから、α=0のときも不合格であると言える。
【0042】
また、線71のうち、ファン効率が0.415を超えたのは、1.4~1.7であり、線72のうち、ファン効率が0.415を超えたのは、1.25~1.6であった。
【0043】
これらのことから、後縁部60に0.05≦α≦0.17、且つ、1.4≦β≦1.6を満たす凹部61を形成することにより、ファン効率の高いプロペラファンを得ることができることが分かった。
【0044】
以上に説明したプロペラファン40の効果を以下に説明する。
【0045】
図3を参照する。羽根部50の後縁部60は、前方に向かって凹状に形成された凹部61を含み、凹部61は、最も内側に位置する点である最内部61iと、この最前部61fの外側であって最も外側に位置する点である最外部61оと、を含む。軸線Oから最内部61iまでの距離をr1とし、軸線Oから最外部61оまでの距離をr2とし、軸線Oから内縁部53までの距離をrbとし、軸線Oから外縁部54までの距離をrfとした場合に、(r2-r1)/(rf-rb)で求められる値は、0.05以上0.17以下であり、軸線Oを中心とした最前部61fから前縁部51までの円弧長さをl1とし、軸線Oを中心とした最外部61оから前縁部51までの円弧長さをl2とし、軸線Oを中心とした前縁部51から後方に隣接する羽根部50の前縁部51までの円弧のうち最前部61fを通過する円弧の長さをt1とし、最外部61оを通過する円弧の長さをt2とした場合に、(l2/t2)/(l1/t1)で求められる値は、1.4以上1.6以下である。このような条件を満たす羽根部50を有するプロペラファン40は、送風効率が高いことが分かった。羽根部50の形状を所定の条件を満たす形状とすることにより、送風効率の高いプロペラファン40を提供することができる。
【0046】
最外部61оは、後縁部60の中央60cよりも軸線Oに近い位置に形成されている。ボス41付近から外縁部54方向へ流れていた翼面(羽根部50の表面)の空気流れを凹部60が形成された内縁部53側に誘導させることで、遠心作用によって過度に外周へ向かう空気流れを抑制することができ、送風効率が向上する。
【0047】
最内部61iは、内縁部53の後端に一致している。つまり、凹部61は、ボス41の外周面から形成されている。凹部61をよりボス41に近い位置に形成することにより、さらに送風効率が向上する。
【0048】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
【0049】
<実施例2>
図7は実施例2のプロペラファンの要部を示し、上記図4に対応させて表している。実施例2によるプロペラファン40Aにおいては、実施例1によるプロペラファン40(図4参照)とは、羽根部50Aの後縁部60Aに形成された凹部61Aの形状が異なる。その他の基本的な構成については、実施例1によるプロペラファン40と共通する。実施例1と共通する部分については、符号を流用すると共に、詳細な説明を省略する。
【0050】
羽根部50Aの回転方向後ろの縁である後縁部60Aには、前方に向かって凹状に凹部61Aが形成されている。凹部61Aは、最も内側に位置する点である最内部61iと最も前側に位置する最前部61fとが一致していると共に、最も外側に位置する点である最外部61оと最前部61fよりも外側において最も後方に位置する点である最後部61rとが一致している。最内部61i(最前部61f)から最外部61о(最後部61r)までは直線的に延びている。
【0051】
最内部61iについては、適宜「最前部61f」と読み替えることができる。また、最前部61fについては、適宜「最内部61i」と読み替えることができる。最外部61о及び最後部61rについても、同様である。
【0052】
このように構成したプロペラファン40Aも本発明所定の効果を奏する。
【0053】
さらに、最前部61fAは、最内部61i及び内縁部53の後端に一致している。凹部61Aをよりボス41に近い位置に形成することにより、送風効率が向上する。
【0054】
尚、本発明のプロペラファンは、エアコン装置の室外機に用いられた例を基に説明を行ったが、エアコン装置の室外機以外に用いることも可能である。換言すれば、本発明は、送風を行うためのプロペラファン全般に適用可能である。
【0055】
さらに、本発明によるプロペラファンは、羽根部が3枚である例を基に説明したが、羽根部の枚数は、3枚に限られず、複数枚であれば任意の枚数とすることができる。
【0056】
本発明の作用及び効果を奏する限りにおいて、本発明は、実施例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明のプロペラファンは、エアコン装置の室外機に用いるのに好適である。
【符号の説明】
【0058】
40、40A…プロペラファン
41…ボス
50、50A…羽根部
51…前縁部
53…内縁部
54…外縁部
60、60A…後縁部、60c…後縁部の中央
61、61A…凹部、61i…最内部、61о…最外部、61f…最前部
O…軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7