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  • 特許-複数の突出部を含む研磨シート 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】複数の突出部を含む研磨シート
(51)【国際特許分類】
   B24D 11/00 20060101AFI20230310BHJP
【FI】
B24D11/00 A
B24D11/00 Q
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019561232
(86)(22)【出願日】2018-05-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 US2018031039
(87)【国際公開番号】W WO2018208589
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】62/503,469
(32)【優先日】2017-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100110803
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 太朗
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】グラハム,ポール ディー.
(72)【発明者】
【氏名】デイビス,ダグラス エー.
(72)【発明者】
【氏名】パール,トーマス イー.
(72)【発明者】
【氏名】ピーターセン,ジョン ジー.
(72)【発明者】
【氏名】クラーク,グラハム エム.
(72)【発明者】
【氏名】コーベ,ジェームズ ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ガルシュ,トーマス ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ウォルド,チャールズ アール.
(72)【発明者】
【氏名】リューク,ブライアン ダブリュ.
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/085791(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨シートであって、
脂と前記樹脂に接着された複数の研磨粒子とを含む研磨層であって、研磨性の第1の主表面を備える前記研磨層と、
前記研磨シートの第2の主表面を画定する反対側のモノリシック把持層と、を備え、前記モノリシック把持層は、
前記第2の主表面から外側に延在する複数の突出部を備え、前記突出部は、約5~約100の範囲のショアA硬度及び約1~約70の範囲のショアD硬度のうちの少なくとも1つを有する第1のポリマー成分を含み、
前記研磨層の前記樹脂は、前記モノリシック把持層に直接接触し、
前記突出部は、アンダーカットを有さない、研磨シート。
【請求項2】
前記第1のポリマー成分は、個々の突出部の約50重量%~約100重量%の範囲である、請求項1に記載の研磨シート。
【請求項3】
前記突出部は、約0.5~約10の範囲の高さ対幅アスペクト比を有する、請求項1又は2に記載の研磨シート。
【請求項4】
前記突出部は、約10マイクロメートル~約800マイクロメートルの範囲の高さを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨シート。
【請求項5】
前記第1のポリマー成分は、1種以上のポリマーを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の研磨シート。
【請求項6】
前記1種以上のポリマーは、ポリウレタン、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー、又はこれらの混合物から選択されるエラストマーである、請求項5に記載の研磨シート。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の研磨シートの製造方法であって、
支持体主表面上に画定された複数の孔を有する支持体の前記孔のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に第1のポリマー成分で充填することによって、第1のアセンブリを形成することを有する、製造方法。
【請求項8】
前記第1のポリマー成分は、ポリウレタン、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー、又はこれらの混合物から選択される1種以上のポリマーである、請求項7に記載の研磨シート。
【請求項9】
前記支持体主表面は、前記第1のポリマー成分よりも堅い、請求項7又は8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のアセンブリを形成することは、押出加工すること又はホットプレス加工することを含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記研磨シートを冷却することを更に含む、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記支持体を取り外し、複数の突出部を露出させることを更に含む、請求項7~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記支持体を形成することを更に含む、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1~6のいずれか1項に記載の研磨シート又は請求項7~13のいずれか1項に記載の方法によって作製された研磨シートを使用する方法であって、
複数の突出部を基材に摩擦係合させることと、
研磨性の第1の主表面を物体の作業面に係合させることと、
前記作業面に対して相対的に前記研磨シートを移動させて前記作業面を研磨することと、を含む、方法。
【請求項15】
前記複数の突出部を前記物体の前記作業面に擦り合わせて、前記作業面上の削りくず又は砕片を取り除くことを更に含む、請求項14に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
市販の多くの研磨シートは、様々なサンディング付属品上への取り付けを容易にするために、それらの非研磨面に取り付け表面を有する。これらの付属物は、エンドユーザがワークピースの表面に沿って研磨剤を効率的に移動させる能力を改善するために含ませることができる。一例として、多くの研磨剤は、発泡サンディング付属品上の一連のフックに結合される一連のループを提供する織布を含む。
【発明の概要】
【0002】
本開示は研磨シートを提供する。開示される様々な実施形態は研磨シートに関する。研磨シートは、研磨主表面を含む第1の層と、第2の主表面を画定する反対側の第2の層とを含む。第2の主表面は、その第2の主表面から外側に延在する複数の突出部を含む。突出部は、約5~約100の範囲のショアA硬度及び約1~約70の範囲のショアD硬度のうちの少なくとも1つを有する第1のポリマー成分を含む。第1の層及び第2の層は、互いに直接接合される。
【0003】
本開示は、研磨主表面を含む第1の層と、第2の主表面を画定する反対側の第2の層とを含む研磨シートの製造方法を更に提供する。第2の主表面は、その第2の主表面から外側に延在する複数の突出部を含む。突出部は、約5~約100の範囲のショアA硬度及び約1~約70の範囲のショアD硬度のうちの少なくとも1つを有する第1のポリマー成分を含む。第1の層及び第2の層は、互いに直接接合される。本方法は、第1のアセンブリを形成することを含む。第1のアセンブリは、支持体主表面上に画定された複数の孔を有する支持体を含む。第1のポリマー成分は、支持体の孔のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に充填し、その上に層を形成する。本方法は、第1のポリマー成分を研磨材料でコーティングすることを更に含む。
【0004】
本開示は、研磨主表面を含む第1の層と、第2の主表面を画定する反対側の第2の層とを含む研磨シートを使用する方法を更に提供する。第2の主表面は、その第2の主表面から外側に延在する複数の突出部を含む。突出部は、約5~約100の範囲のショアA硬度及び約1~約70の範囲のショアD硬度のうちの少なくとも1つを有する第1のポリマー成分を含む。第1の層及び第2の層は、互いに直接接合される。本方法は、複数の突出部を基材に摩擦係合させることを含む。本方法は、第1の研磨面を物体の作業面に係合させることを更に含む。本方法は、作業面に対して相対的に研磨シートを移動させて作業面を研磨することを更に含む。
【0005】
本開示の様々な実施形態による研磨シートに関連付けられたいくつかの利点が存在し、そのうちの少なくとも一部は予想しないものである。例えば、本開示の様々な実施形態によれば、有利には、様々な実施形態による研磨物品は、手又は手袋をした手などの基材に係合されたときに滑りを防止する高摩擦表面を有する。いくつかの実施形態では、これにより、以前では付属物が必要とされていた状況下での、付属物(例えば、把持付属物又はサンディング付属物)を不要にすることができる。これによって、スクリムがなくなると共に、作業者がワークピースをサンディングする際の触感を改善され、場合によってはユーザにとっての快適性が増し、またユーザは、付属品を含めた対応する研磨シートよりも狭い又は起伏のある空間にシートを適合させることが可能になる。様々な実施形態によれば、作業者がサンディング付属品を使用することを決定した場合、高摩擦表面は、研磨シートと付属品との間の相対的な移動を防止することができるので、依然として有益であり得る。摩擦接触を使用することによって、この解決手段はまた、接着剤、ラッチ、クリップ、及び面ファスナ取り付け層などの従来の固定機構よりも使用が容易である。従来のこれらの固定機構はいずれも、研磨物品の配置及び取り外しの両方において操作者の著しい関与を必要とする場合がある。加えて、いくつかの実施例によれば、把持層は、湿潤環境、粉塵環境、及び油性環境を含む多くの環境において高摩擦を維持することができる高摩擦表面を提供することができる。いくつかの実施例における摩擦は、2つのそのような把持表面が互いに接触し、突出部が少なくとも部分的に(例えば、シートを折り畳むか又は2枚のシートを組み合わせることによって)連結する場合に高めることができる。加えて、いくつかの実施例によれば、把持層は、サンディング砕片などの砕片を除去するための拭取り具として使用することができる。
【0006】
様々な実施形態に係る研磨物品の製造方法は、有利には、より高速な処理速度、より少ない製造工程、及び製造場所を選択する際のより高い自由度をもたらすことができる。例えば、高アスペクト比のステムの製造方法は、一連の孔を有するキャスティングロール上で孔内にポリマーをキャスティングすることを含むことができ、この場合、キャスティングロールは、ポリマーを孔内に流し込むことを可能にするのに十分に加熱されなければならず、更にはキャスティングロールからポリマーフィルムを取り外すことを可能にするのに十分に冷却されなければならない。この中間温度にキャスティングロールを維持する必要があることで、ポリマーコーティングの冷却速度を妥協しなければならないことがある。その結果、これらの方法では、ポリマーコーティングには、その分離前にキャストロール上での冷却のための十分な時間が与えられるようにライン速度を低減することが必要になることがある。様々な実施形態によれば、開示された方法は、1回の動作でポリマーコーティングを支持体に付与することができ、その後、例えば、数日後に行うことができる第2の動作において支持体から取り外すことができる点で異なり得る。様々な実施形態によれば、十分な冷却時間を可能にしなければならないことにライン時間は制限されないので、製造中のライン速度を上昇させることができる。
【0007】
様々な実施形態によれば、開示される方法の更なる利点は、ステムを有するフィルムを研磨剤の裏面に積層することを含む方法と比較して、製造工程が少ないことである。積層方法の場合、研磨剤及び把持層が別個に作製され、続いて追加の積層プロセスが行われることがある。対照的に、開示される方法は、1つの押出コーティング工程(軟質ポリマーを支持体にコーティングする)と、第2の研磨コーティング工程(軟質ポリマーに適用される)とを含むことができる。したがって、いくつかの実施形態によれば、対応する積層方法よりも少ない工程で済ませることができる。加えて、様々な実施形態によれば、開示された製造方法は、研磨シートのより薄い構造を可能にすることができ、これは、コスト(より少ない材料の使用量)及び性能(届きにくい領域へのより容易な到達)の両方における様々な利点を考慮することができる。
【0008】
様々な実施形態によれば、開示された方法の更なる利点は、研磨層の積層又は把持層での研磨材料の押出コーティングを含む対応する方法のための製造現場よりも好適な製造現場をより容易に見出すことができることである。例えば、積層を使用する場合、このような方法は研磨材料を処理するための工程又は装置を必要とすることがあるので、好適な製造現場を見出すことは困難であり得る。押出コーティング方法の場合、この方法はまた、研磨剤を処理するための工程又は装置、並びにステムを製造するための適切なニップ圧力を用いるキャスティングステーションを必要とすることがある。いずれの場合にも、研磨剤を処理することは、摩耗に起因して困難であり得、また研磨剤の処理には汚染も付随し得る。対照的に、開示される方法の様々な実施形態によれば、押出コーティング工程は、研磨コーティングの前に行うことができる。したがって、巻き出し、キャスティングステーションの必要性、ニップ圧力要求、摩耗、及び汚染など上述の問題の多くは、実質的に排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面は、例示的ではあるが限定的ではなく、本明細書で論じられる様々な実施形態を全般的に示す。
【0010】
図1】様々な実施形態による研磨シートの断面図である。
【0011】
図2】様々な実施形態による研磨シートの製造方法の概略図である。
【0012】
図3A】様々な実施形態による支持フィルムの前面の走査型電子顕微鏡画像である。
【0013】
図3B】様々な実施形態による支持フィルムの裏面の別の走査型電子顕微鏡画像である。
【0014】
図4A】様々な実施形態による研磨シート及び支持フィルムの写真である。
【0015】
図4B】様々な実施形態による研磨シートの写真である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、開示された主題のいくつかの実施形態について細部にわたって言及する。実施形態の諸例は部分的に添付の図面に示されている。開示されている主題は、列挙された請求項に関連して記述されるが、例示されている主題は、これらの請求項を開示されている主題に限定することを意図しないことが理解される。
【0017】
この文書全体にわたって、範囲の形式で表される値は、その範囲の限界として明示的に記載されている数値を含むだけでなく、その範囲内に含まれる全ての個々の数値又は部分範囲も、各数値範囲及び部分範囲が明示的に記載されている場合と同様に含むように、柔軟に解釈すべきである。例えば、「約0.1%~約5%」又は「約0.1%~5%」という範囲は、約0.1%~約5%だけでなく、示された範囲内の各値(例えば、1%、2%、3%、及び4%)及び部分範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むと解釈すべきである。「約X~Y」という記述は、特に断りのない限り、「約X~約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、又は約Z」という記述は、特に断りのない限り、「約X、約Y、又は約Z」と同じ意味を有する。
【0018】
本文書において、「1つの(a)」、「1つの(an)」、又は「その(the)」という用語は、文脈上明確な別段の指示がない限り、1つ以上を含めるために使用される。「又は」という用語は、特に断りのない限り非排他的な(nonexclusive)「又は」を指すために使用される。「A及びBのうちの少なくとも1つ」という記述は、「A、B、又はA及びB」と同じ意味を有する。加えて、本明細書で用いられている特に定義されていない表現又は用語は、説明のみを目的としており、限定するためではないと理解されるべきである。節の見出しの使用はいずれも、本文書の読み取りを補助することを意図しており、限定と解釈すべきではなく、節の見出しに関連する情報は、その特定の節の中又は外に存在し得る。
【0019】
本明細書に記載の方法において、行為は、時間的又は操作上の順序が明示的に記載されている場合を除いて、本開示の原理を逸脱することなく任意の順序で行うことができる。更に、特定の行為が別個に行われることが請求項で明示的に記載されていない限り、それらの行為は同時に行うことができる。例えば、Xするという特許請求されている行為及びYするという特許請求されている行為は、単一の操作で同時に行うことができ、結果として生じるプロセスは特許請求されているプロセスの文言上の範囲内に入る。
【0020】
本明細書で使用される「約」という用語は、値又は範囲のある程度の変動性、例えば、記述されている値の又は記述されている範囲の限界の10%以内、5%以内、又は1%以内を許容することができ、かつ正確な記述されている値又は範囲を含む。
【0021】
本明細書で使用される「実質的に」という用語は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%、若しくは少なくとも約99.999%以上等の大部分若しくはほとんど又は100%を指す。
【0022】
以下の節は、図示及び実施例によって、提供される研磨物品の特定の実施形態を説明する。明細書及び図面中の参照符号の繰り返しの使用は、全般的に本開示内の同じ又は類似の特徴又は要素を表す。多くの他の変更形態及び実施形態を当業者であれば考案することができ、それらは本開示の原理の趣旨及び範囲に入ることは理解されるべきである。図面は、縮尺どおりに描かれていない場合がある。
【0023】
図1に示すように、研磨シート100は多要素シートである。研磨シート100は、コーティングされた研磨層112及びモノリシック把持層114を含み、モノリシック把持層114は、そこから延在する複数の突出部116を含む。突出部116それぞれは、把持層114と実質的に同じ組成を有する。他の実施例では、突出部116は、把持層114とは異なる組成を有することができる。コーティングされた研磨層112及び把持層114はそれぞれ、研磨シート100の外部主表面を画定する。
【0024】
研磨層112は、一続きであってもよいし、一続きでなくてもよい。研磨層112は、1つ以上の構成要素を含むこともできる。例えば、図1に示すように、研磨層112は、複数の硬化樹脂層に固着した複数の研磨粒子115を含む、コーティングされた研磨フィルムである。研磨粒子115は、任意の所定のパターンに従って配置することができる。いくつかの実施形態では、研磨粒子115は、硬化性のメイク層117及びサイズ層118及びスーパーサイズ層120に接着結合される。したがって、研磨粒子115は、研磨シート100の表面にまだ配置された状態で、又は研磨シート100の表面に十分に近接した状態で、各層117、118、120に部分的に又は完全に埋め込まれ、それによって、研磨シート100が基材と擦れ合うと、研磨粒子115は基材と摩擦接触する。
【0025】
他の実施例では、研磨層112は、研磨複合材を含み、研磨粒子はバインダーと均一に混合されて粘性スラリーを形成する。次に、このスラリーを把持層114上にキャストし、適切に硬化させる(例えば、熱硬化又は放射線硬化処理を使用して)ことにより、研磨層112を得ることができる。
【0026】
他の実施例では、研磨スラリーを把持層114上に成形して、構造化研磨剤を形成することができる。構造化研磨材は、好適なバインダー樹脂(又はバインダー前駆体)中に研磨粒子及び硬化性前駆体樹脂を混合してスラリーを形成し、下にあるフィルムと小さな幾何学的形状のキャビティを有する成形型との間にこのスラリーをキャストし、続いてバインダーを硬化させることにより、作製することができる。硬化後、得られた研磨材コーティングは、下にあるフィルムに添着された複数の小さく精密な形状の研磨複合材構造に形成される。バインダーの硬化は、エネルギー源への曝露によって達成することができる。このようなエネルギー源としては、例えば、電子ビーム、紫外線、又は可視光から誘導される熱エネルギー及び放射エネルギーを挙げることができる。
【0027】
研磨粒子115は、材料によって限定されず、当該技術分野で公知の多種多様な硬質鉱物のうちのいずれかで構成することができる。好適な研磨粒子の実施例としては、例えば、溶融酸化アルミニウム、熱処理酸化アルミニウム、白色溶融酸化アルミニウム、黒色炭化ケイ素、緑色炭化ケイ素、二ホウ化チタン、炭化ホウ素、窒化ケイ素、炭化タングステン、炭化チタン、ダイヤモンド、立方晶窒化ホウ素、六方晶窒化ホウ素、ガーネット、溶融アルミナジルコニア、アルミナ系のゾルゲル法の研磨粒子、シリカ、酸化鉄、クロミア、セリア、ジルコニア、チタニア、酸化スズ、ガンマアルミナ、及びこれらの組み合わせ、が挙げられる。アルミナ研磨粒子は、金属酸化物改質剤を含有することができる。ダイヤモンド及び立方晶窒化ホウ素研磨粒子は、単結晶又は多結晶であってよい。いくつかの実施例では、研磨粒子115のサイズの範囲又は分布が存在する。研磨粒子115の数平均粒子径は、約0.001~約300マイクロメートルの範囲、約0.01~約250マイクロメートルの範囲、約0.02~約100マイクロメートルの範囲、約0.001マイクロメートル、0.01、20、40、60、80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、又は300マイクロメートルについて、これ未満、又はこれに等しい、又はこれより大きくてよい。
【0028】
いくつかの実施例では、研磨シート100は、基層、接着剤層、又は研磨層112及び把持層114に隣接するインク層などの一続き又は一続きでない中間層を含むことができる。存在する場合、基層は、研磨シート100の可撓性及び弾力性を維持又は向上させることができるポリマーフィルムから作製することができる。例えば、基層は、エラストマーフィルムを含むことができる。エラストマーフィルムは、モノリシックであってもよいし、例えば、共押出、熱ラミネーション又は接着剤結合によって作製された複数の層を有する複合フィルムであってもよい。エラストマーフィルムに使用することができる材料の実施例としては、ポリオレフィン、ポリエステル(例えば、E.I.du Pont de Nemours&Co.(Wilmington,Delaware)の商品名「HYTREL」で入手可能)、ポリアミド、スチレン/ブタジエンコポリマー(例えば、Kraton Polymers(Houston,Texas)から商品名「KRATON」で入手可能)、及びポリウレタンエラストマー(例えば、商品名「ESTANE 5701」及び「ESTAN5702」の商品名で入手可能なポリウレタンエラストマー);クロロプレンゴム、エチレン/プロピレンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、天然ゴム又は合成ゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、若しくはEPDMゴム;及びこれらの組み合わせが挙げられる。更に他の有用なエラストマーフィルムとしては、3M Company(St.Paul,Minnesota)から商品名「TEGADERM」で市販されている感圧接着剤コーティングされたポリウレタンエラストマーフィルムが挙げられる。
【0029】
研磨シート100は、基層などの中間層を含まないように構成することができる。研磨シート100は、研磨層112と把持層114との間に他の支持層を含まないように構成することもできる。例えば、研磨シート100は、スクリム層又は接着剤層などの中間支持層を含まなくてもよい。スクリム層は、把持層114及び研磨層112が接合される中間層であると一般的に理解することができるか、又はスクリムは、把持層114又は研磨層112及び中間層のいずれかに接合することができる。スクリム層は、織布材料又は不織布材料を含む多くの材料で形成することができる。スクリム層を含まない研磨シート100のいくつかの例では、把持層114及び研磨層112は、相互に直接接触している。
【0030】
接着層を含む研磨シート100の実施例では、接着剤層は、把持層114、研磨層112、又はその両方の底部に沿って延在するように適合させることができる。接着剤層と共に使用するための接着剤の好適な例としては、感圧接着剤が挙げられる。いくつかの実施例では、感圧接着剤は、両面接着テープであってもよい。
【0031】
突出部116は、ランダム又は非ランダムの2次元反復パターン又はアレイのいずれかに従って配置することができる。いくつかの実施例では、突出部116の外部露出表面は、第1のポリマー成分を含む。
【0032】
突出部116それぞれは、一定又は可変の断面形状を有することができる。例えば、図1に示すように、突出部116の形状は概ね円筒形である。好適な形状の他の実施例としては、円錐台又は角錐台、矩形、半球、正方形、六角形、八角形、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書に記載されるように、突出部116は、ポリマー成分を、内部に孔を有する支持体に押し出すことによって作製することができる。突出部116は、最終的にその孔の中に形成される。孔の中に形成されるので、突出部116の側面は、支持体の孔から容易に取り出せるように僅かなテーパを有することができる。しかしながら、突出部116は、円錐台又は角錐台、矩形、半球、正方形、六角形、八角形、非規則的な多角形、及びこれらの組み合わせを含む、多数の非円筒形状のいずれかをとることができる。
【0033】
突出部116は、把持層114に圧縮力が加えられると、ある程度の偏向、又は座屈を促進する構造を有することができる。任意、かつ示すように、突出部116は、所定の高さ「H」及び所定の幅「W」(いずれも図1に示す)を有し、それぞれが、各平均値についてほぼ均一(又は単分散)である。しかしながら、高さ及び幅の分布を有することで、許容可能な把持表面を提供することもできる。
【0034】
突出部116の高さは、特に制限する必要はないが、しかしながら研磨シート100の好適な実施例は、約10マイクロメートル~約800マイクロメートルの範囲、約25マイクロメートル~約700マイクロメートルの範囲、約75マイクロメートル~約600マイクロメートルの範囲、約10マイクロメートル、25、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、又は800マイクロメートルについて、これ未満、又はこれに等しい、又はこれより大きくてよい平均高さ”H”を有する突出部116を使用する。
【0035】
突出部116の数平均高さ対幅アスペクト比(「H/W」)は、約0.5~約10の範囲、約0.75~約7の範囲、約1~約5の範囲、約0.5、0.75、1.0、1.1、1.2、1.25、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、又は10について、これ未満、又はこれに等しい、又はこれより大きくてよい。突出部116の数密度は、そのサイズに部分的に依存することができ、また把持層114の所望のテクスチャに基づいて変化してもよい。いくつかの実施例では、突出部116は、約15/平方センチメートル~約3000/平方センチメートルの範囲、約50/平方センチメートル~約1250/平方センチメートルの範囲、約100/平方センチメートル~約1000/平方センチメートルの範囲、約150/平方センチメートル~約800/平方センチメートルの範囲、約250/平方センチメートル~約600/平方センチメートルの範囲、約50/平方センチメートル、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2150、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500、2550、2600、2650、2700、2750、2800、2850、2900、又は3000/平方センチメートルについて、これ未満、又はこれに等しい、又はこれより大きい面内数密度を有する。
【0036】
いくつかの実施例では、突出部116は、アンダーカットを実質的に一切含まず、これは、突出部116が、研磨シート100を把持するために使用される任意のいずれかのデバイスの嵌合表面と顕著に機械的に連結しないことを保証するために有用であり得る。
【0037】
上述したように、把持層の一部又は全ては、ポリマー成分を含むことができる。ポリマー成分は、1種以上のポリマーを含むことができる。1種以上のポリマーは、ポリマー成分の約50重量%~約100重量%の範囲、約60重量%~約90重量%の範囲、約70重量%~約80重量%の範囲、50重量%、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100重量%について、これ未満、又はこれに等しい、又はこれより大きくてよい。ポリマーのうちの少なくとも1種は、エラストマーであってよい。用語「エラストマー」は、材料の特性を反映する。つまり、エラストマーは伸張することができ、また伸張させる応力から解放されると、その本来の寸法に戻ることができる。場合によっては、エラストマーは、(0.5mmの厚さで)少なくとも10%伸張することができ、その伸張状態で2秒間保持され、1分間の弛緩時間が許容された後は、少なくとも50%回復した状態に戻ることができる。いくつかの実施例では、エラストマーは、その弾性限界を超えることなく、25%伸張することができる。いくつかの実施例では、エラストマーは、断裂することなく、又は組成の弾性限界を超えることなく、本来の寸法の300%以上まで伸長することができる。エラストマーは、僅かな応力で実質的に変形して、その応力から解放された後に、室温で高速にほぼ本来の寸法に戻る高分子材料として、ASTM記号D883-96のような弾性を反映するように定義することができる。ASTM記号D412-98Aは、エラストマー特性を評価するために、ゴム特性を張力について試験するための適切な手順であり得る。
【0038】
いくつかの用途では、熱硬化性エラストマーを使用することができる。一般的に、このような組成は、硬化すると、統合された網目又は構造を形成する、比較的高い分子量の化合物を含む。硬化は、化学硬化、作用物質、触媒、及び/又は照射を含む様々な方法による硬化であってもよい。
【0039】
材料の最終的な物理特性は、数平均ポリマー分子量及び重量平均ポリマー分子量、存在する場合には、エラストマーの強化ドメインの融点又は軟化点(例えば、ASTM記号D1238-86に従って決定することができる)、ハードセグメントドメインを含むエラストマー組成物の重量パーセント、エラストマー組成物の強靭化又はソフトセグメント(低いガラス転移温度)部分;架橋密度、及び添加剤又は補助剤の性質及び濃度を含む。
【0040】
好適なクラスのエラストマーとしては、アニオン性のトリブロックコポリマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ハロゲン含有ポリオレフィンをベースとする熱可塑性エラストマー、動的加硫されたエラストマー熱可塑性ブレンド、熱可塑性ポリエーテルエステル又はポリエステル系エラストマー、ポリアミド又はポリイミドをベースとする熱可塑性エラストマー、アイオノマー熱可塑性エラストマー、熱可塑性エラストマー相互貫入ポリマーネットワーク中の水素化ブロックコポリマー、カルボカチオン重合による熱可塑性エラストマー、スチレン/水素化ブタジエンブロックコポリマーを含有するポリマーブレンド、及びポリアクリレート系熱可塑性エラストマーが挙げられる。エラストマーのいくつかの特定の実施例は、天然ゴム、ブチルゴム、EPDMゴム、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーンゴム、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリウレタン、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーエラストマー、クロロプレンゴム、スチレン-ブタジエンコポリマー(ランダム又はブロック)、スチレン-イソプレンコポリマー(ランダム又はブロック)、スチレン-エチレン-ブチレンコポリマー(ランダム又はブロック)、アクリロニトリル-ブタジエンコポリマー、これらの混合物、及びこれらのコポリマーである。ブロックコポリマーは、線状、放射状、又は星形の構成であってもよく、またこれらのジブロック(AB)又はトリブロック(ABA)コポリマー混合物であってもよい。これらのエラストマーを互いにブレンドしたもの、又は変性非エラストマーとブレンドしたものも想到される。市販のエラストマーとしては、KRATONTMの名称でShell Chemical Company(Houston,Texas)から入手可能なブロックポリマー(例えば、エラストマーセグメントを有するポリスチレン材料)が挙げられる。突出部116に使用されるポリマーの硬度は、そのショアデュロメータによって特徴付けることができる。例えば、ポリマーは、約5~約100の範囲、約20~約40の範囲、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100について、これ未満、又はこれに等しい、又はこれより大きいショアA硬度を有することができる。ポリマーのショアD硬度は、約1~約70の範囲、約60~約80の範囲、約1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、又は70について、これ未満、又はこれに等しい、又はこれより大きくてもよい。
【0041】
研磨シート100は、多くの好適な方法によって形成することができる。好適な方法の一実施例が図2に示されており、これは研磨シート100の形成方法の概略図である。図2に示すように、方法200は、複数の動作を含む。動作210は、支持フィルム212の形成を含むフィルムとして示されているが、支持フィルム212は、一続きのベルト又は他の好適な支持構造体であってもよい。図示のように、支持フィルム212は、支持体ポリマー材料の溶融流が、押出加工機214から加圧ローラ218と成形ローラ220との間のニップ点216に送り込まれることによって形成される。支持体ポリマー材料は、1種以上のポリマーを含むことができる。好適なポリマーの非限定的な実施例としては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエステルテレフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、これらのコポリマー、又はこれらの混合物が挙げられる。1種以上のポリマーは、支持体ポリマー材料の約50重量%~約100重量%の範囲、約60重量%~約100重量%の範囲、約70重量%~約95重量%の範囲、50重量%、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100重量%について、これ未満、又はこれに等しい、又はこれより大きくてよい。
【0042】
成形ローラ220は、複数のポスト222を含む。加圧ローラ218及び成形ローラ220のいずれも、支持体ポリマー材料の凝固温度未満の温度に維持されるように適合させることができる。非限定的な実施例として、凝固温度は、支持体ポリマー材料のガラス転移温度、結晶化温度、又はゲル化温度であってもよい。これは、支持体ポリマー材料を凝固させるために有用であり得る。加圧ローラ218は、ポリマー材料をポストの周囲のフィルム成形孔内に圧入するために、ポリマー材料を下方に押圧する。ニップ点216の通過後に、ポリマー材料は、支持フィルム212として成形ローラ220から離れる。更に、ローラ218及び220を凝固温度よりも低く維持することは、実質的に0又は少なくとも最小量の材料しかローラ218又は220のいずれかに残らないように、支持フィルム212を加圧ローラ218及び成形ローラ220から非破壊的に取り外すために有用であり得る。
【0043】
支持フィルム212は、押出表面226及び裏面228を有する。押出表面226は主表面を画定し、複数の孔230を含む。支持フィルム212のいくつかの実施例では、孔230は、押出表面226と裏面228との間に広がることができる。いくつかの実施例では、孔230は、裏面228の近傍に配置されている中間層231で終端する。いくつかの状況では、孔230が表面226と表面228との間に完全に延在するように、中間層231が開放されることが望ましい場合がある。
【0044】
中間層231を開放するために、多くの好適な後処理方法が存在する。このようなやり方の実施例としては、裏面228の火炎処理を挙げることができる。裏面228の火炎処理の際、ポリマー材料の温度は、その凝固温度を超えて上昇する。これにより、支持体ポリマー材料は孔230に流れ、孔の端部を開放することができ、それによって支持フィルム212に貫通孔を作製することができる。中間層231の開放により、支持フィルム212に通気口を形成することができ、これにより、把持層214の押し出し中に空気は孔230から逃れることができる。
【0045】
支持フィルム212を形成するために使用することができる更なる好適な動作がある。例えば、支持体ポリマー材料を含むシートを提供することができ、その上に孔230を直接形成することができる。孔230は、例えば、機械的打ち抜き又はレーザー孔あけによって形成することができる。
【0046】
方法200は、動作234を更に含む。動作234は、研磨シートの第1のアセンブリ236の形成を含む。アセンブリ236を形成するために、把持層ポリマー材料は、支持フィルム212の押出表面226に分配される。非限定的な実施例として、把持層ポリマー材料及び支持フィルム212をニップに送り込み、把持層ポリマー材料によって、支持フィルム212の表面226をコーティングし、支持フィルム212の孔230を少なくとも部分的に充填することができる。支持フィルム212は、成形ローラ220からニップに直接送り込むことができる。形成表面226から取り外されると、支持フィルムは、把持層ポリマー材料が付与される押出コーティング処理に直接搬送することができる。あるいは、支持フィルム212を複数のセグメントに切断し、次にそれらのセグメントを、把持層ポリマー材料が付与される押出コーティング処理に送り込むことができる。支持フィルム212は、把持層114の押出コーティング中に支持フィルム212が損傷を受けない状態を維持することを可能にすることができる、溶融温度、融解エンタルピー、及び熱伝導率の組み合わせを有する材料を含むことができる。加えて、押出コーティングは、把持層ポリマー成分のガラス転移温度を超えるが、支持フィルム212が固体の状態に留まる温度で実行することができる。これは、支持フィルム212の構造が損傷を受けない状態を維持している間に、把持層ポリマー材料を孔230に流し込むことを可能にするために有用であり得る。本明細書では押出コーティングを論じたが、ホットプレスなどの他の技術も動作234と共に使用できることに留意されたい。
【0047】
把持層214を形成するために押出コーティングを説明したが、他の技術も本開示の範囲内である。例えば、材料(例えば、第1のポリマー成分)の溶液を支持フィルム212に付与し、支持フィルム212上で乾燥又は硬化させることができる。いくつかの実施例では、硬化は、加熱又は放射線(例えば、光)への曝露を含むことができる。他の実施例では、モノマー、オリゴマー、ポリマー、及び開始剤(例えば、光開始剤又は熱開始剤)の溶液のうちの少なくとも1つを、支持フィルム112に付与することができ、支持フィルム112上でその溶液を硬化させることができる。
【0048】
方法200は、把持層ポリマー材料が研磨層112でコーティングされる動作237を更に含む。これは、第2のアセンブリ238を形成する。第1のアセンブリ236は、研磨層112でコーティングされる前に冷却することができる。把持層ポリマー材料が適切に固化されることを可能にするために、第1のアセンブリ236又は第2のアセンブリ238のいずれかを、任意の好適な固化時間にわたり冷却されるように適合させることができる。好適な固化時間の例は、約30分~約1ヶ月又は約5時間~約2週間の範囲であってもよい。固化時間は、1ヶ月超又は1年超など、更に長い期間にわたる範囲であってもよい。把持層114の適切な冷却によって、突出部116を適切に形成することが可能になる。
【0049】
方法200は、支持フィルム212が把持層114から取り外されて、研磨シート100を得る動作240を更に含むことができる。取り外された後は、支持フィルム212を再利用して、更なる研磨シート100を形成することができる。支持フィルム212から把持層114が実質的に非破壊的に取り外すことが望ましいと考えられるが、それによって、動作240の後に、場合によっては、最小量の支持フィルム212及び把持層114が付着したままになる。これの実質的な防止は、個別には強いが、互いに対しては低い化学的接着を有する材料を、支持フィルム212及び把持層114それぞれにおいて選択することによって達成することができる。化学的接着とは、材料が互いに結合体を形成しにくい、さもなければ相互作用しにくいことを意味する。破壊的な取り外しの更なる防止は、孔の表面を平滑化することによって、又は適切な時間にわたる把持層114の固化を可能にすることによって達成することができる。また、把持層114との接着を低減するために選択されたコーティングを支持フィルム212の押出表面に付与することができる。
【0050】
次に、研磨シート100を第1の方向に屈曲させ、研磨シート100に、それと同じ方向でのシート100における高い可撓性を付与することができる。特定の方向により高い可撓性を有することが望ましくない場合、又はより高度の可撓性が所望される場合、第1の方向とは異なる第2の方向に研磨シート100を屈曲させることもできる。代替的な実施例では、動作240の前に屈曲を行うことができる。
【0051】
機械的屈曲は、連続的なロールツーロールプロセスによって達成することができる。これは、湾曲を除去するために、好適な小径の円柱バー周りに研磨シート100を案内することを含むことができる。所望の方向に可撓性を付与することに加えて、これは、製造プロセスによって惹起されるカールの程度を低減することができ、また研磨シート100の全体的な可撓性も改善することができる。
【0052】
研磨シート100は、多くの異なる用途に使用することができる。例えば、研磨シート100を使用して、物体の作業面を研磨することができる。作業面を研磨する際、突出部116は、基材と摩擦係合することができる。基材の例としては、ユーザの手、手袋、ブロック、又はツールが挙げられる。研磨層112は、物体の作業面と係合し、作業面を研磨するために、作業面に対して相対的に移動することができる。使用中、研磨シート100は乾燥していてもよいし、湿潤していてもよい。加えて、研磨シート100は、突出部116が互いに連結し、滑りを阻止するように折り畳むことができる。いくつかの実施例では、これは、より効率的なサンディング動作をもたらすことができる。
【実施例
【0053】
本開示の様々な実施形態は、例示によって提供される以下の実施例を参照することによって、よりよく理解することができる。本開示は、本明細書に記載されている実施例に限定されない。
【0054】
実施例の記載にあたり以下の略語を用いる。
℃:摂氏温度
cm:センチメートル
G/eq.:グラム当量
g/m:グラム/平方メートル
g/mol:グラム/モル
m/min:メートル/分
mil:10-3インチ
mm:ミリメートル
μm:マイクロメートル
rpm:回転/分
UV:紫外線
W/in:ワット/インチ
W/cm:ワット/センチメートル
【0055】
別段の記載がない限り、全ての試薬は、Sigma-Aldrich Company(St.Louis,Missouri)などの化学ベンダから得られたか、入手可能であるか、公知の方法で合成することができる。特記がない限り、全ての比及び百分率は重量による。
【0056】
本実施例で使用される材料及び試薬に関する略語は以下のとおりである。
ACR:トリメチロールプロパントリアクリレート。
AMOX:ジ-t-アミルオキサレート。
CHDM:1,4-シクロヘキサンジメタノール。
EP1:Momentive Specialty Chemicals,Inc.(Columbus,Ohio)から「EPON 1001F」として入手可能な、525~550g/eq.のエポキシ当量及び2の平均エポキシ官能価を有する、ビスフェノール-Aエピクロロヒドリンをベースとするエポキシ樹脂。
EP2:Momentive Specialty Chemicals,Inc.(Columbus,Ohio)から「EPON 828」として入手可能な、185~192g/eq.のエポキシ当量及び2の平均エポキシ官能価を有する、ビスフェノール-Aエポキシ樹脂。
EP3:(3’,4’-エポキシシクロヘキシルメチル)3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート。
P800:Treibacher Industrie AGから商品名「ALODUR BFRPL」で入手した、等級P800の酸化アルミニウム研磨鉱物。
PC1:Aceto Corporation(Port Washington,New York)から商品名「CPI 6976」で入手した、4-チオフェニルフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、及びビス[4-(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビス(ヘキサフルオロアンチモネート)のプロピレンカーボネート中の混合物。
PC2:BASF(Wyandotte,Michigan)から商品名「IRGACURE 651」で入手した、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン。
PC3:η-[キシレン(異性体混合物)]η-シクロペンタジエニル鉄(1+)ヘキサフルオロアンチモン酸塩(1-)。
PC4:BASF Corporation(Wyandotte,Michigan)から商品名「IRGACURE TPO-L」で入手した、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート。
PEP:Evonik Industries(Parsippany,New Jersey)から「DYNAPOL S 1227」で入手した、35,000g/molの重量平均分子量を有する、高分子量の、ヒドロキシル基末端の、飽和の、直鎖状の、半結晶性のコポリエステル。
PI:2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-1-プロパノン。
PPR:Dow Chemical Company(Midland,Michigan)から商品名「METHOCEL C700-35N 35MFI」で入手した、ポリプロピレン樹脂。
PropCarb:Huntsman Corp(Woodlands,Texas)から商品名JEFFSOL PCで入手した、プロピレンカーボネート。
PUR1:Lubrizol Corporation(Wickliffe,Ohio)から商品名ESTAGRIP ST80Aで入手した、ポリウレタン樹脂。
PUR2:Lubrizol Corporationから商品名ESTANE 58887で入手した、ポリウレタン樹脂。
STY:TSRC Corporation(Taiwan)から商品名VECTOR 4111Aで入手した、スチレン系ブロックコポリマー。
ZNST:eChem Ltd(Leeds,UK)から商品名EC994Cで入手した、39~41重量%の水性のステアリン酸亜鉛石鹸分散液。
【0057】
支持フィルムの準備
ポリプロピレンフィルムは、6.35cm単軸押出機を介して(Nordson Extrusion Dies Industries LLC(Chippewa Falls,Wisconsin)から商品名EDIで入手した)30.5インチ幅の単層ダイにPPRを押出加工することによって作製された。押出加工加熱ゾーン温度は以下の通りであった:ゾーン1は190℃、ゾーン2は204℃、ゾーン3、ゾーン4、エンドキャップ、ネックチューブ及びダイは全て218℃であった。押出加工機の速度は25rpmであった。
【0058】
ニップを含む2つのロールは、公称では30.5cmの直径及び40.6cmの歯幅を有する水冷式のロールであった。ニップ力は、空気圧シリンダによって提供された。平滑鋼バックアップロールは、18℃の温度設定点を有していた。ツーリングロールは、ロールの表面に切り込まれた雄型ポストの特徴部を有していた。雄型ポストの特徴部は、クロムメッキされていた。ツール表面上の(ポストとして定義された)雄型の特徴部は、底面が正方形であり、かつ上面が平坦な正方形である角錐台であった。角錐台の頂部は鋭く尖った角錐であった。ポストの上面は各辺が76μmの正方形であり、底面は各辺が237μmの正方形であった。鋭く尖った角錐の底面の各辺は76μmであり、頂部における鋭く尖った角錐の高さは51μmであった。ポスト全体の高さは508μmであった。ポストの中心間間隔は、ロールの半径方向及び横断方向の両方において820μmであった。ツーリングロールは65℃の温度設定点を有していた。ツーリングロール及びバックアップロールは直接駆動された。2つのニップロール間のニップ力は109ニュートン/リニアセンチメートルであった。押出品の取り除きライン速度は9.14m/分であった。
【0059】
ポリマーは、ダイからツーリングロールとバックアップロールとの間のニップに直接押し出された。ツーリングロール上の雄型の特徴部により、押出品に凹部が形成された。ポリマーの薄層は、ツーリングロールとバックアップロールとの間に残存した。典型的には、この層の厚さは20μメートル未満であった。押出品は、ツーリングロール上に180度巻いた状態で維持され、冷却されて凝固され、ポリマーフィルムが形成された。ツール内のポストは、約350μm(14ミル)の深さであったフィルム内にキャビティを形成した。ポリプロピレンフィルムの平均底面厚さ(キャビティを含まない領域の厚さ)も、約350μm(14ミル)であった。
【0060】
次いで、凹部を含むポリマーフィルムは、以下の手順で穿孔フィルムにされた。参照によりその開示が本明細書に組み込まれる米国特許第7,037,100号(Strobel等)に記載されているような火炎穿孔システム、参照によりその開示が本明細書に組み込まれる米国特許第7,635,264号(Strobel等)に記載のバーナー設計を利用して、凹部の底部における薄層は除去された。
【0061】
この試験の装置及び処理条件についての具体的な修正は、以下の通りであった。
チルロールは、エッチング又は彫刻されたパターンを有さない平滑表面ロールであった。
バーナーは、参照によりその開示が本明細書に組み込まれる米国特許第7,635,264号(Strobel等)に記載されているような、30.5センチメートル(12インチ)の6ポートバーナー、抗ハウリング設計であり、Flynn Burner Corporation(New Rochelle,NY)から入手した。
巻出張力:66ニュートン総張力
ワインダー張力:44ニュートン総張力
バーナーBTU:8065 BTU/cm/時間
1%過剰酸素
バーナーとフィルム表面の間隙:4.45mm
ライン速度:30m/分
チルロール冷却水設定点:15.5℃
【0062】
ポリマーフィルムは上記条件で処理された。ウェブ配向は、薄いポリマー層を有するフィルムの一方の面がバーナーに最も近く、反対側の面がチルロールに最も近くあるようなものであった。チルロールはフィルムの本体を冷却し、フィルムの大部分をポリマーの軟化点未満に維持した。バーナー火炎からの熱によって、残存する薄いポリマー層が溶融し、それによってフィルムに穿孔が形成された。
【0063】
支持フィルムの第1の主表面上のキャビティの例示的な走査型電子顕微鏡画像、及び火炎処理後の裏面の孔の例示的な画像を、それぞれ図3A及び図3Bに示す。
【0064】
メイク樹脂の準備
メイク樹脂は、表1に列挙した組成に従って準備された。AMOX、EP1、EP2、CHDM及びPEPは、300rpmで運転され、30、105、110、100、65および60℃の温度ゾーンを有する二軸押出成形機に直接計量された。この混合された樹脂は、次いで、1750rpmで運転されるピンミキサーに送り込まれ、ACR、PC2、PC3、PC4及びPropCarbは、ピンミキサーに直接計量された。
【表1】
【0065】
サイズ樹脂の準備
以下の表2は、サイズ樹脂を配合するために使用される成分及び量を列挙する。サイズ樹脂は、EP2、EP3、及びACRを容器内で化合及び混合によって準備された。研磨を行う前に、PC1及びPIは、予混合樹脂バッチに添加され、均質になるまで室温(すなわち、20~24℃)で30分間撹拌された。
【表2】
【0066】
実施例1
PUR1は、ギアポンプ及び単層ドロップダイの両方に接続された二軸押出成形機によって押出成形された。押出温度は以下のとおりであった。ゾーン1は179℃であり、ゾーン2は192℃であり、ゾーン3は192℃であり、ゾーン4は194℃であり、ネックチューブは204℃であり、ダイは193℃であった。押出成形機の速度は100rpmであった。押出品は、鋼製の1つのロール及びゴム被覆されたニップロールの2つのロールを含むニップにおいて、支持フィルムと接触された。ニップ力は、空気圧シリンダによって提供された。バックアップロールは27℃の温度設定点を有していた。押出品取り除きライン速度は1.27m/分(4.16フィート/分)であった。
【0067】
PUR1は、上記のように2軸押出成形機を使用して、127μm(5ミル)の平均厚さで、熱可塑性ポリウレタンフィルムとして、支持フィルム上に押出成形キャストされた。光学顕微鏡分析により、PUR1が支持フィルムにおけるキャビティを実質的に充填しており、およそ96μmの厚さの基層(ポストに接続されるフィルム)が存在しており、ポストが約380μmの高さであったことが分かった。次いで、メイク樹脂が、16.5g/mの公称コーティング重量でポリウレタンフィルム上にコーティングされ、フィルムアセンブリが、いずれも両方とも600W/in(236W/cm)で動作する、1組のDバルブ及び1組のVバルブを有するフュージョンUVシステムを通過した。次いで、研磨鉱物P800が25g/mの公称コーティング重量でメイク層上にコーティングされ、次いで、ウェブが赤外線ヒーターを使用して、100℃の公称ウェブ温度設定で約7秒間加熱された。次いで、サイズ樹脂が11g/mの公称乾燥コーティング重量でメイク層上及び研磨粒子上にロールコーティングされ、3ついずれも600W/in(236W/cm)で動作する、1組のHバルブ、及び2組のDバルブを有するフュージョンUVシステムを通過した。次いで、樹脂は、125℃の目標出口ウェブ温度を有する赤外線オーブンによって処理された。次いで、ZNSTは、公称コーティング重量8.5g/mでサイズ層上にコーティングされ、135℃の目標出口ウェブ温度で乾燥オーブンによって処理された。次いで、支持フィルムは、(図4Aに示すような)構造体から分離され、一方の面に研磨コーティングを有し、他方の面にポストのアレイを有する(図4Bに示すような)研磨物品が作製された。次いで、得られたコーティングされた研磨物品は、室温(すなわち、20~24℃)及び40~60%の相対湿度に維持された。
【0068】
次いで、コーティングされた研磨物品の研磨面は、ACT(品番:59597)から入手可能な自動車試験パネルにおいて試験された。サンディングパッドを動かすことによって研磨剤を移動させるには十分な摩擦が存在したことに留意されたい。
【0069】
実施例2
PUR1の代わりにPUR2が使用されたことを除いて、実施例1において一般的に説明した手順が繰り返され、また押出成形中のネックチューブ及びダイの温度は182℃であった。光学顕微鏡分析により、PUR1が支持フィルムにおけるキャビティを実質的に充填しており、およそ118μmの厚さの基層(ポストに接続されるフィルム)が存在しており、ポストが約274μmの高さであったことが分かった。
【0070】
次いで、コーティングされた研磨物品の研磨面は、ACT(品番:59597)から入手可能な自動車試験パネルにおいて試験された。サンディングパッドを動かすことによって研磨剤を移動させるには十分な摩擦が存在したことに留意されたい。
【0071】
実施例3
PUR1の代わりに、60%のPUR1と40%のSTYとのポリウレタンブレンドが使用されたことを除いて、実施例1において一般的に説明した手順が繰り返され、ダイは押出成形中に215℃であった。光学顕微鏡分析により、ポリウレタンブレンドが支持フィルムにおけるキャビティを実質的に充填しており、およそ107μmの厚さの基層(ポストに接続されるフィルム)が存在しており、ポストが約241μmの高さであったことが分かった。
【0072】
次いで、コーティングされた研磨物品の研磨面は、ACT(品番:59597)から入手可能な自動車試験パネルにおいて試験された。サンディングパッドを動かすことによって研磨剤を移動させるには十分な摩擦が存在したことに留意されたい。
【0073】
追加の実施形態
以下の例示的な実施形態を示すが、その番号付けは重要度を示すものと解釈されるものではない。
【0074】
実施形態1は、
研磨性の第1の主表面を画定する第1の層と、
第2の主表面を画定する反対側の第2の層と、を備え、第2の主表面は、
第2の主表面から外側に延在する複数の突出部を備え、突出部は、約5~約100の範囲のショアA硬度及び約1~約70の範囲のショアD硬度のうちの少なくとも1つを有する第1のポリマー成分を含み、
第1の層は第2の層と直接接触する、研磨シートを提供する。
【0075】
実施形態2は、第1のポリマー成分が、約20~約40の範囲のショアA硬度及び約60~約80の範囲のショアD硬度のうちの少なくとも1つを有する、実施形態1に記載の研磨シートを提供する。
【0076】
実施形態3は、第1のポリマー成分が、個々の突出部の約50重量%~約100重量%の独立した範囲である、実施形態1に記載の研磨シートを提供する。
【0077】
実施形態4は、突出部が、反復的な2次元パターンで配置されている、実施形態1~3のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0078】
実施形態5は、突出部が、約0.5~約10の範囲の高さ対幅アスペクト比を有する、実施形態1~4のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0079】
実施形態6は、突出部が、約1~約6の範囲の高さ対幅アスペクト比を有する、実施形態1~5のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0080】
実施形態7は、突出部が、約1.25~約6の範囲の高さ対幅アスペクト比を有する、実施形態1~6のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0081】
実施形態8は、突出部が、約10マイクロメートル~約800マイクロメートルの範囲の高さを有する、実施形態1~7のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0082】
実施形態9は、突出部が、約50マイクロメートル~約600マイクロメートルの範囲の高さを有する、実施形態1~8のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0083】
実施形態10は、突出部が、約100マイクロメートル~約800マイクロメートルの範囲の高さを有する、実施形態1~9のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0084】
実施形態11は、突出部が、アンダーカットを実質的に含まない、実施形態1~10のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0085】
実施形態12は、突出部が、約15/平方センチメートル~約3,000/平方センチメートルの範囲の面内数密度を有する、実施形態1~11のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0086】
実施形態13は、突出部が、約100/平方センチメートル~約1000/平方センチメートルの範囲の面内数密度を有する、実施形態1~12のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0087】
実施形態14は、突出部が、一定の断面形状を有する、実施形態1~13のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0088】
実施形態15は、突出部が、可変の断面形状を有する、実施形態1~13のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0089】
実施形態16は、第1のポリマー成分が、1種以上のポリマーを含む、実施形態1~15のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0090】
実施形態17は、1種以上のポリマーが、ポリウレタン、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー、スチレン-イソプレン-スチレンブロックコポリマー、又はこれらの混合物から選択されるエラストマーである、実施形態16に記載の研磨シートを提供する。
【0091】
実施形態18は、研磨シートが、突出部と実質的に同じ組成を有するモノリシック把持層を有し、突出部がモノリシック把持層から延在する、実施形態1~17のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0092】
実施形態19は、第1の研磨面が、複数の研磨粒子を備える、実施形態1~18のいずれか1つに記載の研磨シートを提供する。
【0093】
実施形態20は、実施形態1~19のいずれか1つに記載の研磨シートの製造方法であって、
第1のアセンブリを形成することと、
第1のポリマー成分を研磨材料でコーティングすることと、を含み、
第1のアセンブリが、支持体主表面上に画定された複数の孔を有する支持体を含み、
第1のポリマー成分が、支持体の孔のうちの少なくとも1つを少なくとも部分的に充填し、その上に層を形成する、製造方法を提供する。
【0094】
実施形態21は、接着剤を第1のポリマー成分上に配置することを更に含む、実施形態20に記載の方法を提供する。
【0095】
実施形態22は、支持体が、第1のポリマー成分よりも堅い、実施形態19又は20のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0096】
実施形態23は、支持体のショアD硬度及びショアA硬度のうちの少なくとも1つが、第1のポリマー成分のショアD硬度及びショアA硬度よりも高い、実施形態22に記載の方法を提供する。
【0097】
実施形態24は、支持体が支持体ポリマー成分を含む、実施形態20~23のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0098】
実施形態25は、支持体ポリマー成分が、支持体の約50重量%~約100重量%の範囲である、実施形態24に記載の方法を提供する。
【0099】
実施形態26は、支持体ポリマー成分が、1種以上のポリマーを含む、実施形態25に記載の方法を提供する。
【0100】
実施形態27は、1種以上のポリマーが、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエステルテレフタレート、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート、これらのコポリマー、又はこれらの混合物から選択される、実施形態26に記載の方法を提供する。
【0101】
実施形態28は、第1のアセンブリを形成することが、押出成形又はホットプレスを含む、実施形態20~27のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0102】
実施形態29は、押出成形が、第1のポリマー成分の凝固温度を超えるが、支持体の凝固温度未満である凝固温度で実行される、実施形態28に記載の方法を提供する。
【0103】
実施形態30は、研磨シートを冷却することを更に含む、実施形態20~29のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0104】
実施形態31は、研磨シートが、約30分~約2週間の範囲の時間にわたり冷却される、実施形態20~30のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0105】
実施形態32は、研磨シートが、約5時間~約1週間の範囲の時間にわたり冷却される、実施形態20~31のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0106】
実施形態33は、支持体を取り外し、複数の突出部を露出させることを更に含む、実施形態20~32のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0107】
実施形態34は、研磨層の研磨粒子を所定のパターンで配置することを更に含む、実施形態20~33のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0108】
実施形態35は、研磨シートを第1の方向に屈曲させることを更に含む、実施形態33に記載の方法を提供する。
【0109】
実施形態36は、研磨シートを第1の方向とは異なる第2の方向に屈曲させることを更に含む、実施形態35に記載の方法を提供する。
【0110】
実施形態37は、支持体を形成することを更に含む、実施形態20~36のいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0111】
実施形態38は、支持体を形成することが、
支持体ポリマー成分を、複数のポストを有するツール上に分配して、支持体ポリマー成分に複数のキャビティを形成して、支持前駆体を形成することを含む、実施形態37に記載の方法を提供する。
【0112】
実施形態39は、支持前駆体の一方の面を火炎処理して、複数のキャビティそれぞれの一端を閉じ、孔を形成することを更に含む、実施形態38に記載の方法を提供する。
【0113】
実施形態40は、実施形態1~19のいずれか1つに記載の研磨シート又は実施形態20~39のいずれか1つに記載の方法によって形成された研磨シートを使用する方法であって、
複数の突出部を基材に摩擦係合させることと、
第1の研磨面を物体の作業面に係合させることと、
作業面に対して相対的に研磨シートを移動させて作業面を研磨することと、を含む、方法を提供する。
【0114】
実施形態41は、
複数の突出部を物体の作業面に擦り合わせて、作業面上の削りくず又は砕片を取り除くことを更に含む、実施形態40に記載の方法を提供する。
【0115】
実施形態42は、研磨シートを湿潤させることを更に含む、実施形態39~41のいずれか1つによる方法を提供する。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B