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特許7241712製造時における医薬カプセルをレーザーマーキングするための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-03-09
(45)【発行日】2023-03-17
(54)【発明の名称】製造時における医薬カプセルをレーザーマーキングするための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/07 20060101AFI20230310BHJP
   A61K 9/44 20060101ALI20230310BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20230310BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20230310BHJP
【FI】
A61J3/07 Q
A61K9/44
A61K47/42
B23K26/00 B
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020049555
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2020182828
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】62/841,393
(32)【優先日】2019-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520097892
【氏名又は名称】テクノファー・イクウィップメント・アンド・サービス・(2007)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ポール・ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ステリアン・ウルサチ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・ステッコ
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-120619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/07
A61K 9/44
A61K 47/42
B23K 26/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセルを形成する方法であって、
一対の材料のシートのうち1つの材料のシートにレーザーマーキングを適用する段階と、
一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部からカプセルを形成する段階と、を含み、
前記一対のダイローラーの各ダイローラーが、前記一対の材料のシートの前記一部と、充填剤と、からカプセルを形成可能にするキャビティを含み、
前記一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部から前記カプセルを形成する段階が、カプセル充填システムを採用し、
前記カプセル充填システムが、
前記充填剤のための注入部及び第1の加熱されたくさびの第1のセットを備える第1のカプセル形成充填システムと、
前記充填剤のための注入部及び第2の加熱されたくさびの第1のセットを備える第2のカプセル形成充填システムと、
前記第1のカプセル形成充填システム及び前記第2のカプセル形成充填システムのうちの一方と共に使用するための前記一対のダイローラーを備える第1のローラー対と、
前記第1のカプセル形成充填システム及び前記第2のカプセル形成充填システムのうちの他方と共に使用するための第2のローラー対と、を備える、方法。
【請求項2】
カプセルを形成する方法であって、
一対の材料のシートのうち1つの材料のシートにレーザーマーキングを適用する段階と、
前記一対の材料のシートのうち別の1つの材料のシートに別のレーザーマーキングを適用する段階と、
一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部からカプセルを形成する段階と、を含み、
前記一対のダイローラーの各ダイローラーが、前記一対の材料のシートの前記一部と、充填剤と、からカプセルを形成可能にするキャビティを含み、
前記一対の材料のシートの前記1つの材料のシート上の前記レーザーマーキングの位置が、前記レーザーマーキングが前記カプセルの形成の際に形成される前記一対の材料のシートの間の封止部または接合部の少なくとも1つに対して前記カプセル上の所定の位置にあるように確立され、
前記一対の材料のシートの前記別の材料のシート上の前記別のレーザーマーキングの位置が、前記別のレーザーマーキングが前記カプセルの形成の際に形成される前記一対の材料のシートの間の封止部または接合部の少なくとも1つに対して前記カプセル上の所定の位置にあるように確立され、
前記一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部から前記カプセルを形成する段階が、カプセル充填システムを採用し、
前記カプセル充填システムが、
前記充填剤のための注入部及び第1の加熱されたくさびの第1のセットを備える第1のカプセル形成充填システムと、
前記充填剤のための注入部及び第2の加熱されたくさびの第1のセットを備える第2のカプセル形成充填システムと、を含む、方法。
【請求項3】
カプセルを形成する方法であって、
一対の材料のシートのうち1つの材料のシートにレーザーマーキングを適用する段階と、
前記一対の材料のシートのうち別の1つの材料のシートに別のレーザーマーキングを適用する段階と、
一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部からカプセルを形成する段階と、を含み、
前記一対のダイローラーの各ダイローラーが、前記一対の材料のシートの前記一部と、充填剤と、からカプセルを形成可能にするキャビティを含み、
前記一対の材料のシートの前記1つの材料のシート上の前記レーザーマーキングの位置が、前記レーザーマーキングが前記カプセルの形成の際に形成される前記一対の材料のシートの間の封止部または接合部の少なくとも1つに対して前記カプセル上の所定の位置にあるように確立され、
前記一対の材料のシートの前記別の材料のシート上の前記別のレーザーマーキングの位置が、前記別のレーザーマーキングが前記カプセルの形成の際に形成される前記一対の材料のシートの間の封止部または接合部の少なくとも1つに対して前記カプセル上の所定の位置にあるように確立され、
前記レーザーマーキングが、形成された前記カプセルの内側表面にあるように、前記レーザーマーキングが前記1つの材料のシートの1つの側にあり、
前記別のレーザーマーキングが、形成された前記カプセルの内側表面にあるように、前記別のレーザーマーキングが前記別の材料のシートの1つの側にあり、
前記一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部から前記カプセルを形成する段階が、カプセル充填システムを採用し、
前記カプセル充填システムが、
前記充填剤のための注入部及び第1の加熱されたくさびの第1のセットを備える第1のカプセル形成充填システムと、
前記充填剤のための注入部及び第2の加熱されたくさびの第1のセットを備える第2のカプセル形成充填システムと、を含む、方法。
【請求項4】
カプセルを形成する方法であって、
一対の材料のシートのうち1つの材料のシートにレーザーマーキングを適用する段階と、
前記一対の材料のシートのうち前記1つの材料のシートに別のレーザーマーキングを適用する段階と、
一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部からカプセルを形成する段階と、を含み、
前記一対のダイローラーの各ダイローラーが、前記一対の材料のシートの前記一部と、充填剤と、からカプセルを形成可能にするキャビティを含み、
前記一対の材料のシートの前記1つの材料のシート上の前記レーザーマーキングの位置が、前記レーザーマーキングが前記カプセルの形成の際に形成される前記一対の材料のシートの間の封止部または接合部の少なくとも1つに対して前記カプセル上の所定の位置にあるように確立され、
前記一対の材料のシートの前記1つの材料のシート上の前記別のレーザーマーキングの位置が、前記別のレーザーマーキングが前記カプセルの形成の際に形成される前記一対の材料のシートの間の封止部または接合部の少なくとも1つに対して前記カプセル上の所定の位置にあるように確立され、
前記レーザーマーキングが、形成された前記カプセルの内側表面にあるように、前記レーザーマーキングが前記1つの材料のシートの1つの側にあり、
前記別のレーザーマーキングが、形成された前記カプセルの外側表面にあるように、前記別のレーザーマーキングが前記1つの材料のシートの別の側にあり、
前記一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部から前記カプセルを形成する段階が、カプセル充填システムを採用し、
前記カプセル充填システムが、
前記充填剤のための注入部及び第1の加熱されたくさびの第1のセットを備える第1のカプセル形成充填システムと、
前記充填剤のための注入部及び第2の加熱されたくさびの第1のセットを備える第2のカプセル形成充填システムと、を含む、方法。
【請求項5】
カプセルを形成する方法であって、
一対の材料のシートのうち1つの材料のシートにレーザーマーキングを適用する段階と、
前記一対の材料のシートのうち別の1つの材料のシートに別のレーザーマーキングを適用する段階と、
一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部からカプセルを形成する段階と、を含み、
前記一対のダイローラーの各ダイローラーが、前記一対の材料のシートの前記一部と、充填剤と、からカプセルを形成可能にするキャビティを含み、
前記一対の材料のシートの前記1つの材料のシート上の前記レーザーマーキングの位置が、前記レーザーマーキングが前記カプセルの形成の際に形成される前記一対の材料のシートの間の封止部または接合部の少なくとも1つに対して前記カプセル上の所定の位置にあるように確立され、
前記一対の材料のシートの前記1つの材料のシート上の前記別のレーザーマーキングの位置が、前記別のレーザーマーキングが前記カプセルの形成の際に形成される前記一対の材料のシートの間の封止部または接合部の少なくとも1つに対して前記カプセル上の所定の位置にあるように確立され、
前記レーザーマーキングが、形成された前記カプセルの内側表面にあるように、前記レーザーマーキングが前記1つの材料のシートの1つの側にあり、
前記別のレーザーマーキングが、形成された前記カプセルの外側表面にあるように、前記別のレーザーマーキングが前記別の材料のシートの1つの側にあり、
前記一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部から前記カプセルを形成する段階が、カプセル充填システムを採用し、
前記カプセル充填システムが、
前記充填剤のための注入部及び第1の加熱されたくさびの第1のセットを備える第1のカプセル形成充填システムと、
前記充填剤のための注入部及び第2の加熱されたくさびの第1のセットを備える第2のカプセル形成充填システムと、を含む、方法。
【請求項6】
カプセルを形成する方法であって、
一対の材料のシートのうち1つの材料のシートにレーザーマーキングを適用する段階と、
前記一対の材料のシートのうち前記1つの材料のシートに別のレーザーマーキングを適用する段階と、
前記一対の材料のシートのうち別の材料のシートにさらなるレーザーマーキングを適用する段階と、
前記一対の材料のシートのうち前記別の材料のシートにさらに別のレーザーマーキングを適用する段階と、
一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部からカプセルを形成する段階と、を含み、
前記一対のダイローラーの各ダイローラーが、前記一対の材料のシートの前記一部と、充填剤と、からカプセルを形成可能にするキャビティを含み、
前記一対の材料のシートの前記1つの材料のシート上の前記レーザーマーキングの位置が、前記レーザーマーキングが前記カプセルの形成の際に形成される前記一対の材料のシートの間の封止部または接合部の少なくとも1つに対して前記カプセル上の所定の位置にあるように確立され、
前記一対の材料のシートの前記1つの材料のシート上の前記別のレーザーマーキングの位置が、前記別のレーザーマーキングが前記カプセルの形成の際に形成される前記一対の材料のシートの間の封止部または接合部の少なくとも1つに対して前記カプセル上の所定の位置にあるように確立され、
前記一対の材料のシートの前記別の材料のシート上の前記さらなるレーザーマーキングの位置が、前記レーザーマーキングが前記カプセルの形成の際に形成される前記一対の材料のシートの間の封止部または接合部の少なくとも1つに対して前記カプセル上の所定の位置にあるように確立され、
前記一対の材料のシートの前記1つの材料のシート上の前記さらに別のレーザーマーキングの位置が、前記別のレーザーマーキングが前記カプセルの形成の際に形成される前記一対の材料のシートの間の封止部または接合部の少なくとも1つに対して前記カプセル上の所定の位置にあるように確立され、
前記レーザーマーキングが、形成された前記カプセルの内側表面にあるように、前記レーザーマーキングが前記1つの材料のシートの1つの側にあり、
前記別のレーザーマーキングが、形成された前記カプセルの外側表面にあるように、前記別のレーザーマーキングが前記別の材料のシートの別の側にあり、
前記さらなるレーザーマーキングが、形成された前記カプセルの内側表面にあるように、前記さらなるレーザーマーキングが前記別の材料のシートの1つの側にあり、
前記さらに別のレーザーマーキングが、形成された前記カプセルの外側表面にあるように、前記さらに別のレーザーマーキングが前記別の材料のシートの別の側にあり、あり、
前記一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部から前記カプセルを形成する段階が、カプセル充填システムを採用し、
前記カプセル充填システムが、
前記充填剤のための注入部及び第1の加熱されたくさびの第1のセットを備える第1のカプセル形成充填システムと、
前記充填剤のための注入部及び第2の加熱されたくさびの第1のセットを備える第2のカプセル形成充填システムと、を含む、方法。
【請求項7】
カプセルを形成する方法であって、
一対の材料のシートのうち1つの材料のシートにレーザーマーキングを適用する段階と、
一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部からカプセルを形成する段階と、を含み、
前記一対のダイローラーの各ダイローラーが、前記一対の材料のシートの前記一部と、充填剤と、からカプセルを形成可能にするキャビティを含み、
前記一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部から前記カプセルを形成する段階が、カプセル充填システムを採用し、
前記カプセル充填システムが、
前記充填剤のための注入部及び第1の加熱されたくさびの第1のセットを備える第1のカプセル形成充填システムと、
前記充填剤のための注入部及び第2の加熱されたくさびの第1のセットを備える第2のカプセル形成充填システムと、を含む、方法。
【請求項8】
カプセルを形成する方法であって、
一対の材料のシートのうち1つの材料のシートにレーザーマーキングを適用する段階と、
一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部からカプセルを形成する段階と、を含み、
前記一対のダイローラーの各ダイローラーが、前記一対の材料のシートの前記一部と、充填剤または別の充填剤と、からカプセルを形成可能にするキャビティを含み、
前記一対のダイローラーを使用して、前記一対の材料のシートの一部から前記カプセルを形成する段階が、カプセル充填システムを採用し、
前記カプセル充填システムが、
前記充填剤のための注入部及び第1の加熱されたくさびの第1のセットを備える第1のカプセル形成充填システムと、
前記別の充填剤のための注入部及び第2の加熱されたくさびの第1のセットを備える第2のカプセル形成充填システムと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、ソフトゲルカプセルの製造に関し、より具体的には、ゼラチン、非動物性ゼラチン、タピオカでんぷん、カラギナン、豆でんぷん及びポリマーを用いたソフトゲルカプセル及び封入されたソフトゲルカプセルを、製造中にレーザーマーキングすることに関する。
【背景技術】
【0002】
品質管理、品質保証、製品ブランディング及び法的規制などの複数の要求は、カプセル、タブレットなどの医薬製品を含むがそれらに限定されない幅広い製品に、例えば文字、絵、マーク、シンボル、図、ロゴ及び例えば2次元(2D)バーコードなどの機械可読コードを含みうるマーキングでマークを付す必要性につながる。
【0003】
これらの製品及び特に医薬製品のうち、ソフト-ゲル(またはソフトゲル)カプセルとして知られるものがあり、これらは、液体充填剤を取り囲むシェルからなるカプセルに類似した医薬品の経口剤形態である。従来技術のソフトゲルシェルは、例えば、ゼラチン、水、乳白剤及び、グリセリンやソルビトールなどの可塑剤の組合せで形成される。ソフトゲルカプセルは、形成/充填/封止プロセスとしてもっともよく説明されるロータリーダイ封入を用いた封入として知られるプロセスで製造される。シェル材料の2つの平らなリボンが製造され、所望の大きさ及び形状の凹部を含む一対の回転ダイ上で1つにされ、リボンが切断され、外側の周りにシールを形成する。同時にポンプが、正確な量の充填材料を充填ウェッジに組み込まれたノズルを通して送達し、その先端は、切断点において2つのダイポケットの間で2つのリボンの間に位置する。ウェッジは典型的には封止プロセスを容易にするために加熱されるが、ベジタリアンベースのゼラチンのいくつかの形態についてはそうではない。ウェッジ注入は、2つの平らなリボンをダイポケット内に引き延ばし、3次元(3D)の最終製品にする。封入後、ソフトジェルカプセルは、製品に応じて数日から数週間の延長された期間、乾燥される。
【0004】
従来技術の印刷では、例えば、レーザービームを用いたソフトカプセルの表面へのレーザー印刷は、ソフトゲルカプセルが完全に封入され、十分乾燥された後、第2の製造機械で個別に実施される。しかし、この方法はいくつかの問題を有する。まず、レーザー印刷が十分に乾燥した後にのみ実施されるため、総時間、製造コストなどが極端に大きくなる。さらに、ソフトゲルカプセルは、通常楕円形状であるため、これらは比較的容易に別個のレーザー印刷設備内に位置合わせ可能である。しかし、ソフトゲルカプセルの形状が、第2のレーザー印刷機内で容易に位置合わせできない場合、ソフトゲルカプセルに対するレーザーマーキングの位置が大きく変動する。
【0005】
しかし、ソフトゲルカプセルが、例えば共通3D楕円ソフトゲルカプセルを有し、レーザーマーキング設備内で容易に位置合わせされる場合であっても、ソフトゲルカプセル製造設備から離れている場合、ソフトゲルカプセル上の位置が、幾何形状全体に対して位置合わせされうるが、ソフトゲル上の絶対的な位置は画定できないという問題が存在する。例えば、3D楕円ソフトゲルカプセルを考えると、位置合わせによって、レーザーマーキングが3D楕円ソフトゲルカプセルの長軸に沿った所定の位置に確実に実行できるようになるが、表面の周りの所定の点にはできない。これは、レーザーマーキングが、2つのソフトゲルのシェルの部分のうちいずれか1つに完全に行うことも、それら両方にわたって行うこともでき、そのためレーザーマーキングは、2つのソフトゲルのシェルシートが一つに合わせられる2つの封止線の一方を横切ることを意味する。したがって、これは、ソフトゲルカプセルの封止の劣化をもたらす可能性があり、これは、ソフトゲルカプセルの完全な損傷または外部環境からソフトゲルカプセル充填剤への物質の侵入を許すことになる。
【0006】
そのため、外部幾何形状及び封止の全体に対してソフトゲルカプセルへのレーザーマーキングの絶対位置が画定されうるように、製造プロセスにおいてソフトゲルカプセルにレーザーマーキングを行うための手段を提供することが有利である。
【0007】
さらに、従来技術において前述したように、ソフトゲルカプセルはゼラチン、水、乳白剤及び可塑剤を含む材料のシートを使用して形成される。したがって、乳白剤及び可塑剤のいずれかが個別に、または組み合わせて、それ自体が、ソフトゲルカプセル内の医薬品またはビタミン、サプリメントなどのその他の製品を摂取する使用者に対して確実に有害でないように注意が払われなければならない。また、乳白剤及び可塑剤のいずれかが個別に、または組み合わせて、医薬品もしくはその他の製品の劣化または使用者に対して有毒でありうる副産物の形成につながるような、ソフトゲルカプセル内の医薬品またはその他の製品との結合または反応を生じるべきではない。
【0008】
したがって、最終的なソフトゲルカプセル製品上の絶対的な位置を画定するために、一対のゼラチンシートのうち両方のゼラチンシートまたはただ一方のゼラチンシートが、ソフトゲルカプセルの製造手順においてレーザーマーキングされることが有利である。
【0009】
本発明のその他の態様及び特徴は、添付する図面とともに本発明の特定の実施形態の以下の説明を読むことによって、当業者には明らかになるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、ソフトゲルカプセルの製造及び、より具体的には、製造中にゼラチン、非動物性ゼラチン、タピオカでんぷん、カラギナン、豆でんぷん及びポリマーを用いてソフトゲルカプセル及び封入されたソフトゲルカプセルにレーザーマーキングを行うことに関する従来技術の制限を軽減することである。
【0011】
本発明の実施形態によれば、一対の材料のシートのうち1つの材料のシートにレーザーマーキングを適用する段階と、一対のダイローラーを使用して、一対の材料のシートの一部からカプセルを形成する段階と、を含み、一対のダイローラーの各ダイローラーが、一対の材料のシートの一部と、充填剤と、からカプセルを形成可能にするキャビティを含む、方法が提供される。
【0012】
本発明の実施形態によれば、一対の材料のシートのうち1つの材料のシートにレーザーマーキングを適用する段階と、一対のダイローラーを用いて、一対の材料のシートの一部からカプセルを形成する段階と、を含み、一対のダイローラーの各ダイローラーが、カプセルを一対の材料のシートの一部及び充填剤から形成可能にするキャビティを含み、レーザーマーキングが、カプセルの形成の際に形成される一対の材料のシートの間の封止部または接続部の少なくとも1つと重ならないように、一対の材料のシートのうち1つの材料のシートの上のレーザーマーキングの位置が確立される、方法がさらに提供される。
【0013】
本発明の実施形態によれば、一対の材料のシートのうち1つの材料のシートにレーザーマーキングを適用する段階と、一対のダイローラーを用いて、一対の材料のシートの一部からカプセルを形成する段階と、を含み、一対のダイローラーの各ダイローラーが、カプセルを一対の材料のシートの一部及び充填剤から形成可能にするキャビティを含み、レーザーマーキングが、カプセルの形成の際に形成される一対の材料のシートの間の封止部または接続部の少なくとも1つに対して、カプセル上の所定の位置にあるように、一対の材料のシートのうち1つの材料のシートの上のレーザーマーキングの位置が確立される、方法がまたさらに提供される。
【0014】
本発明のその他の態様及び特徴は、添付する図面とともに、本発明の具体的な実施形態の以下の説明を参照することによって、当業者には明らかになるであろう。
【0015】
本発明の実施形態が、添付された図面を参照して、単なる例示としてこれから説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを示す。
図2】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを示す。
図3】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを示す。
図4】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを示す。
図5】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを示す。
図6】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを示す。
図7】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを用いて製造されたソフトゲルカプセルを示し、レーザーマーキングは、ソフトゲルカプセルの封止された縁に対して所定の位置にある。
図8】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを用いて形成されたレーザーマーキングを有するソフトゲルシートを示す。
図9】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを使用して形成されたレーザーマーキングを有するソフトゲルシートを示し、レーザーマーキングされたソフトゲルシートが、ダイローラーに入ろうとしている。
図10】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを使用して形成されたレーザーマーキングを有するソフトゲルシートを示し、レーザーマーキングされたソフトゲルシートが、ダイローラーに入ろうとしている。
図11】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを使用して形成されたレーザーマーキングを有するソフトゲルシートを示し、レーザーマーキングされたソフトゲルシートが、ダイローラーに入ろうとしている。
図12】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用したソフトゲル製造システムを使用して形成されたソフトゲルカプセルを示し、レーザーマーキングは、ソフトゲルカプセルの封止された縁に対して所定の位置にある。
図13】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用したソフトゲル製造システムを使用して形成されたソフトゲルカプセルを示し、レーザーマーキングは、ソフトゲルカプセルの封止された縁に対して所定の位置にある。
図14】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用したソフトゲル製造システムを使用して形成されたソフトゲルカプセルを示し、レーザーマーキングは、ソフトゲルカプセルの封止された縁に対して所定の位置にある。
図15】本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用したソフトゲル製造システムを使用して形成されたソフトゲルカプセルを示し、レーザーマーキングは、ソフトゲルカプセルの封止された縁に対して所定の位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の説明は、ソフトゲルカプセルの製造に関し、より具体的には、ゼラチン、非動物性ゼラチン、タピオカでんぷん、カラギナン、豆でんぷん及びポリマーを用いたソフトゲルカプセル及び封入されたソフトゲルカプセルの、製造中におけるレーザーマーキングに関する。
【0018】
本発明の説明は代表的な実施形態のみを提供し、本開示の範囲、用途または構成を限定することを意図されない。むしろ、実施形態の説明は、本発明の1つまたは複数の実施形態を実施することを可能にする説明を当業者に提供する。様々な変更が、添付された特許請求の範囲に記載されるような思想及び範囲から逸脱することなく、要素の機能及び構成になされうることは理解されるであろう。したがって、ある実施形態は本発明のある1つの例または実施例であり、唯一の実施例ではない。「1つの実施形態」、「ある実施形態」または「いくつかの実施形態」との様々な表現は、必ずしもすべて同じ実施形態を指すわけではない。本発明の様々な特徴が単一の実施形態について説明されうるが、その特徴はまた、別個に、または任意の適切な組み合わせでも提供されうる。反対に、本発明が、明確性のために別個の実施形態について本明細書で説明されうるが、本発明はまた、単一の実施形態または実施形態の任意の組合せでも実施されうる。
【0019】
「1つの実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」または「その他の実施形態」に対する本明細書中の記載は、実施形態に関して説明される特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれるが、必ずしもすべての実施形態には含まれないことを意味する。本明細書で採用される表現や用語は、限定的であるとして解釈されるべきでなく、単に説明を目的とするためのものである。特許請求の範囲または明細書が「1つの」要素と記載する場合、そのような記載は、その要素がただ1つであると解釈されるべきでない。明細書が、ある構成要素、特徴、構造または特性が「含まれうる」、「含まれてもよい」、「含まれることができる」、「含まれることが可能であってもよい」と記載する場合、そのような特定の構成要素、特徴、構造または特性は必ずしも含まれなくてもよいことは理解されるべきである。
【0020】
「左の」、「右の」、「上部の」、「底部の」、「前方の」、「後方の」などの用語の記載は、本発明の実施形態を示す図の中の特定の特徴、構造または要素の方向に関して使用されることを意図される。デバイスの実際の使用に関するそのような方向に係る用語は、デバイスが使用者によって多様な方向で採用されうるため、特定の意味を有さないことは明らかであろう。
【0021】
「含む」、「備える」、「なる」との用語及びそれらの活用形の記載は、1つまたは複数の構成要素、特徴、段階、数またはそれらの集団の追加を除外するのではなく、そのような用語は、構成要素、特徴、段階または数を特定するものとして解釈されるべきではない。同様に、「本質的に~からなる」との表現及びその活用形は、本明細書で使用される場合、追加的な構成要素、段階、特徴、数またはその集団を排除するものとして解釈されるべきではなく、むしろ、追加的な特徴、数、段階、構成要素またはその集団が、特許請求される組成、デバイスまたは方法の基本的かつ新規の特徴を大きく変更するものではない。明細書又は特許請求の範囲が「ある追加的な」構成要素を記載する場合、これは、複数の追加的な要素が存在することを排除しない。
【0022】
本発明の実施形態に関する以下の説明において、ソフトゲルカプセルは、シェル(ソフトゲルシェル)及び充填剤を含むものとして説明される。充填剤は、例えば、1つの医薬製品、複数の医薬製品、1つのビタミン、複数のビタミン、1つのサプリメント、複数のサプリメント、食品、香辛料、化粧品または接着剤などの一般的な製品を含みうる。充填剤は、典型的には液体、ゲル、パウダーまたは懸濁液などのこれらの組合せの形態である。シェルは、ゼラチンであるものとして説明されるが、本発明の実施形態は、動物由来のもの、乳白剤及び可塑剤を含むゼラチンまたは植物由来のものなどのその他のシェル材料にも適用されうる。植物由来のシェル材料は、例えば、上述のでんぷんベースのものである。
【0023】
図1を参照すると、本発明の実施形態に従うソフトゲル製造システム(Softgel Manufacturing System,SGMS)100が図示されており、
レーザーマーキングシステム(Laser Marking System,LAMKS)110と、
充填剤貯蔵部(Filler Storage,FILSTOR)120と、
カプセル形成充填システム(Capsule Formation and Filling System,CAFOFIS)130と、を含む。
【0024】
図2を参照すると、SGMS100が、LAMKS110、FILSTOR120及びCAFOFIS130を含む代替的な図で示されている。CAFOFIS130は、FILSTOR120から規定量の充填剤を受け取り、適切なときにSGMS100内のダイローラー間の位置に送達するカプセル充填機(Capsule Filler,CAPFIL)230に対して、ソフトゲルシート(Softgel Sheet,SGSheet)210を引き出し、配置するローラー220を含む一連の要素を含み、左右のDIEROLLS250及び260上の各対のポケット(キャビティ)がそれぞれ完全なダイを形成する。SGSheet210は、CAPFIL230の両側から、左右のダイローラー(Die Rollers,DIEROLL)250及び260の間に供給され、これらのダイローラーはカプセルを形成するために一対のキャビティを提供し、カプセルが形成され、封止される。また、第2のCAPFIL240も図示されている。典型的には、SGMS100は、左右のDIEROLL250及び260を有する第1のCAPFIL230を採用する一方、各CAPFILの底部にある加熱されたくさびが、DIEROLLの大きさに応じて設計されるため、第2のCAPFIL240は、異なる対のDIEROLLを有して採用されうる。
【0025】
しかし、いくつかの代替的なSGMSの機械構成において、SGMSは2つのFILSTOR及び2つのCAPFILを含んでもよく、各FILSTORは、どのCAPFILが現在カプセル充填のために採用されるかに応じて採用される。例えば、これらはともに、同じ体積を、DIEROLL内のキャビティによって画定された大きさを有するカプセル内に注入してもよく、これによって、SGMSは、1つの充填剤から別の充填剤に、格別の努力を要することなく素早く切り替えることができる。任意選択的に、その他のCAPFIL及びDIEROLLがSGMS100に採用されてもよく、CAPFILは、典型的には具体的に整合された対の左右のDIEROLLに関連付けられるが、代替的な寸法のカプセルを製造するなど、類似した寸法の複数対のDIEROLLに関連付けられてもよい。
【0026】
ここで図3を参照すると、SGMS100が、LAMKS110、FILSTOR120及びCAFOFIS130を含む代替的な図で示されている。SGSheet210、第1のCAPFIL230、左側のDIEROLL250及び右側のDIEROLL260も示されている。
【0027】
図4を参照すると、SGMS100が、LAMKS110及びFILSTOR120を含む代替的な図で示されている。SGSheet210、第1のCAPFIL230、左側のDIEROLL250及び右側のDIEROLL260も図示されている。SGSheet210を、第1のCAPFIL230と左右のDIEROLL250及び260とのそれぞれの間であって第1のCAPFIL230の下の適切な位置に案内し、導く第1から第4のローラー220Aから220Dも両側に図示されている。
【0028】
図5を参照すると、SGMS100が、LAMKS110、FILSTOR120及びCAFOFISを含む代替的な図で示されている。SGSheet210、第1のCAPFIL230、左側のDIEROLL250及び右側のDIEROLL260も図示されている。形成された別個のカプセルを移動し、第3のコンベア(図示されない)に落下させ、これらを例えば貯蔵ビン、カプセルQAシステムまたはカプセルパッケージングシステムなどの別のシステムに移送する第1及び第2のコンベア510及び520も図示されている。
【0029】
図1から5ではそれぞれ、SGMS100は、SGMS100の左上に取り付けられたLAMKS110とともに示されており、左側のDIEROLL250に向かう前に第3のローラー220Cと第4のローラー220Dとの間の領域を通過する際に、レーザーマーキングがSGSheet210に適用される。したがって、この構成では、SGMS100は、ソフトゲルカプセルを形成するために採用される2つのSGSheet210の一方にマーキングを付与する。
【0030】
しかし、図6を参照すると、LAMKS110はSGMS100の異なる位置に図示されており、SGSheet210は、ローラーなどを通って供給される前に、まずSGMS100の左側でフィーダー610から引き出される。図示されていないが、同様のフィーダー及びローラーの構成は、図1から5にそれぞれ示されるように機械の右側にある。
【0031】
しかし、図1から6に示されたSGMS100が単一のLAMKS110を採用する一方、本発明の実施形態に従う他のSGMSシステムは2つまたはそれ以上のLAMKSシステムを採用してもよいことは、当業者には明らかであろう。例えば、2つのLAMKSが、各SGSheet210、すなわち、これらは機械の左側及び右側に配置されたSGSheet210にレーザーマーキングを行えるように採用されてもよい。本発明の他の実施形態において、1つまたは複数のLAMKSは、フィルムがソフトゲルカプセルを形成する前にマーキングされるように、ダイローラーに対して交互の位置に配置されうることは明らかであろう。例えば、LAMKS110は、SGMS100の本体(フレーム)内に配置されうる。
【0032】
本発明の実施形態において、ソフトゲルカプセルの外部表面がマーキングされないように、ソフトゲルカプセルの内側表面を形成することとなるSGSheetの表面にレーザーマーキングが適用されるように、LAMKSが適切な位置に、SGSheetに対して構成されうる。
【0033】
本発明の実施形態において、レーザーマーキングがソフトゲルカプセルの内側及び外側の表面の両方に行われるように、一方または両方のSGSheetの両面にレーザーマーキングが適用されるように、LAMKSが適切な位置に、SGSheetに対して構成されうる。
【0034】
図1から6に示されたSGMSは、SGMSの中央充填部及びダイローラー部の左右に配置された一対のSGSheet形成ユニットを利用する。動作時には、これらのSGSheet形成ユニットは、シェル材料、SGSheetを初期液体状態から固体シートに固化及び形成する。これを達成するために、SGSheet形成ユニットは、例えば図6におけるフィーダー610などのスプレッダーボックスを含んでもよく、これは実質的に一定の厚さのシート状態として液体の外側シェル材料を排出し、キャスティングドラム(図1から6にはSGMSに対して内側にあるものとして図示されていない)は、スプレッダーボックスから排出された外側シートを冷却する。SGSheet形成ユニットの設計によれば、SGSheetは、適切な厚さを有するシートに形成される一方で、例えば図4に示される第1から第4のローラー220Aから220Dなどの一連のローラーを通ってSGMSの中央部に供給される前に、次第に乾燥され、適切な温度まで冷却される。1つまたは複数のSGSheetが、SGSheet形成ユニットから中央部まで横断する際に、1つまたは両方が、1つまたは複数のLAMKSでマーキングされる。任意選択的に、本発明の他の実施形態において、SGSheet材料の作成済みのロールが、例えば採用され、中央ユニットへ供給される場合には、左右のSGSheet形成ユニットが省略されうる。本発明の実施形態において、SGSheet自体は温度に関して監視されないが、本発明の他の実施形態においては監視されてもよいが、左側のDIEROLL250及び/または右側のDIEROLL260の温度が監視される。
【0035】
SGSheetがレーザーマーキングされると、SGSheetはSGSheet形成ユニットからSGMSの中央カプセル形成部へ移動される。ここで、2つのSGSheetが、2つのローラー、例えばそれぞれ図2の左右のDIEROLL250、260の間に共に供給され、所定の体積の充填剤が、ローラー内のキャビティがソフトゲルカプセルを提供する場所に適用される。例えば、SGMSは、例えば1行あたり1、2、4、6、8、10、12、16、20個のソフトゲルカプセルを形成してもよく、例えばローラーの縁の周りに配置された1、2、3、4、5、6個またはそれ以上のダイキャビティを有してもよい。SGMSによって形成される1行あたりのソフトゲルカプセルの数は、設計上の選択事項であることは明らかであろう。同様に、ローラーの縁の周りに配置されたダイキャビティの数は、設計上の選択事項である。任意選択的に、ローラー上のダイキャビティは、直線的な行またはオフセットされた行でありうる。
【0036】
本発明の実施形態において、SGSheetに沿って順に適用されるレーザーマーキングの間の間隔は、順に並んだ第キャビティの間のローラー表面にわたる距離に依存して決定される。同様に、SGSheetにわたって適用されたレーザーマーキング間の水平間隔は、ローラーの長さ方向に沿ったダイキャビティの位置に依存して決定される。
【0037】
したがって、ローラーが一体となるときにレーザーマーキングがソフトゲルカプセルの封止した縁にないように、SGSheetが供給される際にダイキャビティ内にある位置におけるシートにレーザーマーキングがあるように、SGSheet上のレーザーマーキングの位置が確立可能であることは明らかであろう。したがって、CAPFIL230を通る充填がダイローラーの回転と同期されるようにすると、レーザーマーキングが封止した縁に対してソフトゲルカプセルの所定の位置にあるように、レーザーマーキングの位置が確立され、ダイローラー内のキャビティの位置と同期されることができる。
【0038】
図7を参照すると、本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを用いて製造されたソフトゲルカプセルの図が示され、レーザーマーキングは、ソフトゲルカプセルの封止された縁に対して画定された位置にある。
【0039】
図8を参照すると、複数のレーザーマーキングを示す本発明の実施形態に従うSGMS上に形成された、シートにわたって水平に配置され、シートにわたる複数行の複数のレーザーマーキング、この例では「TES」という文字を有するSGSheetの図が示されている。
【0040】
ここで図9及び10を参照すると、本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを用いて形成されたレーザーマーキングを有するソフトゲルシートの図が示されており、レーザーマーキングされたソフトゲルシートはダイローラーに入っている。
【0041】
図11を参照すると、本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用したソフトゲル製造システムを用いて形成されたレーザーマーキングを有するソフトゲルシートが示されており、レーザーマーキングされたソフトゲルシートはダイローラーに入っている。
【0042】
ここで図12から15を参照すると、本発明の実施形態に従うレーザーマーキングシステムを利用するソフトゲル製造システムを用いて製造されたソフトゲルカプセルが示されており、レーザーマーキングは、ソフトゲルカプセルの封止された縁に対して画定された位置にある。
【0043】
以下の表1を参照すると、レーザーマーキングを利用する本発明の実施形態に従うSGMS装置の例示的な設定が示されている。
【0044】
【表1】
【0045】
本発明の実施形態において、SGSheetは、ゼラチンベースとして説明され、図示されている。この動物性ゼラチンは、例えば牛の骨、牛の皮、ブタの皮膚、及び魚類から得られうる。本発明の他の実施形態において、SGSheetは、カラギナン/でんぷん、タピオカ(キャッサバの根)及び豆のでんぷんから形成されたナチュラルフィルムでありうる。本発明の他の実施形態において、SGSheetはポリマーでありうる。
【0046】
図1から6に関して示された本発明の実施形態は、Technophar社によって製造された標準的な市販の612iソフトゲルカプセル製造システムに基づいているが、本発明の実施形態は、例えば25mmから760mm(1インチから30インチ)の範囲の幅のSGSheetの、幅広い範囲の既存の及び新規のSGMSシステムについて採用されうる。
【0047】
さらに、図7及び12から15は楕円形のソフトゲルカプセルを示しているが、本発明の実施形態は、円形のカプセル(本質的には円筒の切断形状)、正方形または長方形のカプセル(本質的に直方体又は立方体の切断形状)、三角形のカプセル(本質的に三角柱の切断形状)、球状カプセル、楕円カプセル(長球)、扁球、規則的な3次元多角形、不規則な3次元多角形及び特殊なカプセル形状を含むがこれらに限定されないその他のカプセル幾何形状に適用されうる。しかし、それぞれの例において、レーザーマーキングがカプセル上の画定された物理的な位置かつカプセルの封止された縁に対して画定された位置にあるように、レーザーマーキングはカプセル製造の際にSGSheetに適用されうる。
【0048】
本発明の実施形態に従って製造されたソフトゲルカプセルの体積は、例えば、0.20mgから10000mgの範囲の充填剤の充填体積をサポートしうるが、その他の体積もサポートされうる。
【0049】
図7及び12から15に示されるようなプロトタイプレーザーマーキングを提供する際に採用されるレーザーマーキングシステムは、SGSheetの組成に従って、SGSheetの表面を蒸散またはSGSheetを局所的に加熱して微小バブル/微小欠陥を形成するために採用可能である二酸化炭素(CO2)レーザーシステムを採用する。任意選択的に、レーザーマーキング及びSGSheetの組成の所望のフォーマットに従って、当業者に知られるような他のレーザーも採用されうる。
【0050】
実施形態の完全な理解を提供するために、上記の説明において具体的な詳細が示されている。しかし、実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施されうることは理解されるであろう。例えば、不要な詳細により実施形態を不明瞭にしないように、回路はブロック図で示されうる。他の例において、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造及び技術は、実施形態を不明瞭にするのを避けるために、不要な詳細なく示されうる。
【0051】
本発明の例示的な実施形態の前述の開示事項は、例示及び説明の目的のために提示された。これらは、排他的なものであること、または本発明を開示された正確な形態に限定することを意図されない。本明細書で説明された実施形態の多くの変形及び改良は、前述の開示に照らして当業者には明らかであろう。本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲及びそれらの等価物によってのみ定義されるべきである。
【0052】
さらに、本発明の代表的な実施形態を説明するにあたって、本明細書は、特定の順の段階として本発明の方法及び/またはプロセスを提示した。しかし、本方法及びプロセスが本明細書で説明された段階の特定の順序によらない限りにおいて、本方法及びプロセスは、説明された段階の特定の順序に限定されるべきではない。当業者が了解するように、他の順序の段階も可能でありうる。したがって、明細書に記載された特定の順序の段階は、特許請求の範囲に対する限定であると解釈されるべきでない。さらに、本発明の方法及び/またはプロセスに関する請求項は、それらの段階の実施を記載された順序に限定すべきではなく、当業者であれば、順序は本発明の思想及び範囲内で変更され、それでも範囲内にありうることを容易に理解できる。
【符号の説明】
【0053】
100 ソフトゲル製造システム(SGMS)
110 レーザーマーキングシステム(LAMKS)
120 充填剤貯蔵部(FILSTOR)
130 カプセル形成充填システム(CAFOFIS)
210 ソフトゲルシート(SGSheet)
220、220Aから220D ローラー
230 カプセル充填機(CAPFIL)
240 第2のCAPFIL
250、260 ダイローラー(DIEROLL)
610 フィーダー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図15